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課題・解決手段

本開示は、プログラム死受容体(PD−1)のアンタゴニストCDKインヒビターであるジナシクリブとを含む組合せ療法、癌の治療のための、特に、PD−L1を発現する癌の治療のための組合せ療法の使用を記載する。

概要

背景

PD−1は免疫調節および末梢性免疫寛容の維持における重要な担い手として認識されている。PD−1は、ナイーブT、BおよびNKT細胞上で中等度発現され、リンパ球単球および骨髄性細胞上のT/B細胞受容体シグナリングによりアップレギュレーションされる(1)。

種々の組織において生じるヒト癌において、PD−1に対する2つの公知リガンド、すなわち、PD−L1(B7−H1)およびPD−L2(B7−DC)が発現される。例えば卵巣腎臓結腸直腸膵臓肝臓癌およびメラノーマの大きなサンプルセットにおいて、PD−L1発現が、後続治療には無関係に、予後不良および全体的な生存の低下と相関することが示された(2−13)。同様に、腫瘍浸潤性リンパ球上のPD−1発現は乳癌およびメラノーマにおける機能不全細胞指標となり(14−15)、腎臓癌における予後不良と相関することが判明した(16)。したがって、PD−L1を発現する腫瘍細胞は、PD−1を発現するT細胞と相互作用して、T細胞活性化の低減および免疫監視の回避をもたらし、それにより腫瘍に対する免疫応答の低下に寄与することが提示されている。

PD−1とそのリガンドであるPD−L1およびPD−L2の一方または両方との間の相互作用を阻害する幾つかのモノクローナル抗体癌治療のために臨床開発中である。そのような抗体の有効性は、他の承認された又は実験的な癌治療、例えば放射線手術化学療法剤、標的化療法、腫瘍において調節不全となる他のシグナリング経路を阻害する物質および他の免疫増強剤組合されて投与された場合に増強されうると提案されている。

細胞周期制御の調節不全は全てのヒト癌の特徴であり、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の異常活性化/調節にしばしば関連している。しかし、CDKカスケードは、コンテクスト依存的にT細胞の適切な機能を維持するのに重要である。よって、抗癌剤としてのCDKインヒビターCKDI)の開発は免疫細胞毒性およびそれによる免疫抑制効果の可能性により複雑化されている(17)。CDK1、CDK2、CDK5およびCDK9を選択的に阻害するpan−CDKインヒビターであるジナシクリブは種々の癌における潜在的療法として研究されており、好中球減少が、臨床試験において観察される最もよく見られる用量制限性毒性である(17,18)。

概要

本開示は、プログラム死1受容体(PD−1)のアンタゴニストとCDKインヒビターであるジナシクリブとを含む組合せ療法、癌の治療のための、特に、PD−L1を発現する癌の治療のための組合せ療法の使用を記載する。A

目的

本発明は、PD−1アンタゴニストとジナシクリブ(dinaciclib)化合物とを含む組合せ療法を個体に投与することを含む、個体における癌の治療方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

プログラム死タンパク質(PD−1)のアンタゴニストとジナシクリブ(dinaciclib)化合物とを含む組合せ療法を個体に投与することを含む、個体における癌の治療方法であって、ジナシクリブ化合物が式Iの化合物または式Iの化合物の医薬上許容される塩である、方法。

請求項2

個体がヒトであり、PD−1アンタゴニストが、(a)ヒトPD−1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性フラグメント、または(b)ヒトPD−L1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性フラグメントである、請求項1記載の方法。

請求項3

PD−1アンタゴニストが、重鎖および軽鎖を含む抗PD−1モノクローナル抗体であり、重鎖および軽鎖が、それぞれ配列番号21および配列番号22、またはそれぞれ配列番号23および配列番号24を含む、請求項2記載の方法。

請求項4

癌が固形腫瘍である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。

請求項5

癌がヘム悪性疾患である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。

請求項6

PD−1アンタゴニストがMK−3475であり、ジナシクリブ化合物が式1の化合物である、請求項3〜5のいずれか1項記載の方法。

請求項7

個体において癌を治療するための、ジナシクリブ化合物と組合せて使用されるプログラム死1タンパク質(PD−1)のアンタゴニストを含む医薬であって、ジナシクリブ化合物が式Iの化合物または式Iの化合物の医薬上許容される塩である、医薬。

請求項8

個体において癌を治療するための、プログラム死1タンパク質(PD−1)のアンタゴニストと組合せて使用されるジナシクリブ化合物を含む医薬であって、ジナシクリブ化合物が式Iの化合物または式Iの化合物の医薬上許容される塩である、医薬。

請求項9

個体がヒトであり、PD−1アンタゴニストが、(a)ヒトPD−1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性フラグメント、または(b)ヒトPD−L1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性フラグメントである、請求項7または8記載の医薬。

請求項10

PD−1アンタゴニストが、重鎖および軽鎖を含む抗PD−1モノクローナル抗体であり、重鎖および軽鎖が、それぞれ配列番号21および配列番号22、またはそれぞれ配列番号23および配列番号24を含む、請求項7〜9のいずれか1項記載の医薬。

請求項11

癌が固形腫瘍である、請求項7〜10のいずれか1項記載の医薬。

請求項12

癌がヘム悪性疾患である、請求項7〜11のいずれか1項記載の医薬。

請求項13

PD−1アンタゴニストがMK−3475またはニボルマブ(nivolumab)である、請求項10〜12のいずれか1項記載の医薬。

請求項14

MK−3475が、25mg/mlMK−3475、7%(w/v)スクロース、0.02%(w/v)ポリソルベート80を10mMヒスチジンバッファー(pH5.5)中に含む液体医薬として製剤化され、ジナシクリブ化合物が、5mg/mLの式Iの化合物をpH3.0〜4.2の無菌水性クエン酸緩衝溶液中に含む液体医薬として製剤化される、請求項13記載の医薬。

請求項15

ジナシクリブ化合物が、5mg/mLの式Iの化合物をpH3.0〜4.2の無菌水性クエン酸緩衝溶液中に含む液体医薬として製剤化される、請求項8記載の医薬。

請求項16

第1容器、第2容器およびパッケージインサートを含むキットであって、第1容器が、プログラム死1タンパク質(PD−1)のアンタゴニストを含む医薬の少なくとも1用量を含み、第2容器が、ジナシクリブ化合物を含む医薬の少なくとも1用量を含み、パッケージインサートが医薬を使用して癌に対して個体を治療するための指示書を含み、ジナシクリブ化合物が式Iの化合物である、キット。

請求項17

指示書が、医薬が免疫組織化学(IHC)アッセイによりPD−L1発現に関して陽性試験結果を示す癌を有する個体の治療における使用を意図したものであることを示している、請求項16記載のキット。

請求項18

個体がヒトであり、PD−1アンタゴニストが、(a)ヒトPD−1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性フラグメント、または(b)ヒトPD−L1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性フラグメントである、請求項16または17記載のキット。

請求項19

PD−1アンタゴニストがMK−3475である、請求項16〜18のいずれか1項記載のキット。

請求項20

癌が、膀胱癌乳癌明細胞腎癌、頭/頸部扁平上皮癌扁平上皮癌、悪性黒色腫非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌膵臓癌前立腺癌腎細胞癌小細胞肺癌(SCLC)、三重陰性乳癌、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫ホジキンリンパ腫(HL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄性細胞白血病−1タンパク質(Mcl−1)、骨髄異形成症候群(MDS)、非ホジキンリンパ腫(NHL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)である、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法、使用またはキット。

技術分野

0001

本発明は癌の治療に有用な組合せ療法併用療法)に関する。特に、本発明は、プログラム死タンパク質(PD−1)アンタゴニストと、panサイクリン依存性キナーゼ(CDK)インヒビターであるジナシクリブ(dinaciclib)とを含む組合せ療法に関する。

背景技術

0002

PD−1は免疫調節および末梢性免疫寛容の維持における重要な担い手として認識されている。PD−1は、ナイーブT、BおよびNKT細胞上で中等度発現され、リンパ球単球および骨髄性細胞上のT/B細胞受容体シグナリングによりアップレギュレーションされる(1)。

0003

種々の組織において生じるヒト癌において、PD−1に対する2つの公知リガンド、すなわち、PD−L1(B7−H1)およびPD−L2(B7−DC)が発現される。例えば卵巣腎臓結腸直腸膵臓肝臓癌およびメラノーマの大きなサンプルセットにおいて、PD−L1発現が、後続治療には無関係に、予後不良および全体的な生存の低下と相関することが示された(2−13)。同様に、腫瘍浸潤性リンパ球上のPD−1発現は乳癌およびメラノーマにおける機能不全細胞指標となり(14−15)、腎臓癌における予後不良と相関することが判明した(16)。したがって、PD−L1を発現する腫瘍細胞は、PD−1を発現するT細胞と相互作用して、T細胞活性化の低減および免疫監視の回避をもたらし、それにより腫瘍に対する免疫応答の低下に寄与することが提示されている。

0004

PD−1とそのリガンドであるPD−L1およびPD−L2の一方または両方との間の相互作用を阻害する幾つかのモノクローナル抗体癌治療のために臨床開発中である。そのような抗体の有効性は、他の承認された又は実験的な癌治療、例えば放射線手術化学療法剤、標的化療法、腫瘍において調節不全となる他のシグナリング経路を阻害する物質および他の免疫増強剤組合されて投与された場合に増強されうると提案されている。

0005

細胞周期制御の調節不全は全てのヒト癌の特徴であり、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の異常活性化/調節にしばしば関連している。しかし、CDKカスケードは、コンテクスト依存的にT細胞の適切な機能を維持するのに重要である。よって、抗癌剤としてのCDKインヒビターCKDI)の開発は免疫細胞毒性およびそれによる免疫抑制効果の可能性により複雑化されている(17)。CDK1、CDK2、CDK5およびCDK9を選択的に阻害するpan−CDKインヒビターであるジナシクリブは種々の癌における潜在的療法として研究されており、好中球減少が、臨床試験において観察される最もよく見られる用量制限性毒性である(17,18)。

0006

本発明は、一部には、担癌マウスへのジナシクリブとマウス化抗マウスPD−1抗体との併用投与がいずれかの物質の単独の場合と比較して有意に高い抗腫瘍効果をもたらしたという驚くべき知見に基づくものである。この知見は予想外であった。なぜなら、転写および細胞増殖を強く阻害するジナシクリブの公知の活性は、腫瘍に存在しリクルートされるT細胞の活性化および増殖に主に関わっていると考えられる抗PD−1療法の有効性を相殺すると予想されたからである。

0007

したがって、1つの実施形態において、本発明は、PD−1アンタゴニストとジナシクリブ(dinaciclib)化合物とを含む組合せ療法を個体に投与することを含む、個体における癌の治療方法を提供する。

0008

もう1つの実施形態において、本発明は、癌を治療するための、ジナシクリブ化合物と組合せて使用されるPD−1アンタゴニストを含む医薬を提供する。

0009

更にもう1つの実施形態において、本発明は、癌を治療するための、PD−1アンタゴニストと組合せて使用されるジナシクリブ化合物を含む医薬を提供する。

0010

他の実施形態は、ジナシクリブ化合物と組合せて投与される場合の、個体において癌を治療するための医薬の製造におけるPD−1アンタゴニストの使用、およびPD−1アンタゴニストと組合せて投与される場合の、個体において癌を治療するための医薬の製造におけるジナシクリブ化合物の使用を提供する。

0011

更にもう1つの実施形態において、本発明は、個体において癌を治療するための医薬の製造におけるPD−1アンタゴニストおよびジナシクリブ化合物の使用を提供する。幾つかの好ましい実施形態において、医薬はキットを含み、キットは、個体において癌を治療するためのジナシクリブ化合物と組合されたPD−1アンタゴニストを使用するための指示書を含むパッケージインサートをも含む。

0012

前記治療方法、医薬および使用の全てにおいて、PD−1アンタゴニストはPD−1へのPD−L1の結合を阻害し、好ましくは、PD−1へのPD−L2の結合を阻害する。前記治療方法、医薬および使用の幾つかの好ましい実施形態において、PD−1アンタゴニストは、PD−1またはPD−L1に特異的に結合しPD−1へのPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントである。1つの特に好ましい実施形態において、PD−1アンタゴニストは、重鎖および軽鎖を含む抗PD−1抗体であり、ここで、重鎖および軽鎖は、図6(配列番号21および配列番号22)に示されているアミノ酸配列を含む。

0013

治療方法、医薬および使用の前記実施形態の全てにおいて、ジナシクリブ化合物は式I

0014

の化合物または式Iの化合物の医薬上許容される塩である。

0015

本発明の前記治療方法、医薬および使用の幾つかの実施形態において、個体はヒトであり、癌は固形腫瘍であり、幾つかの好ましい実施形態において、固形腫瘍は、膀胱癌、乳癌、明細胞腎癌、頭/頸部扁平上皮癌扁平上皮癌、悪性黒色腫非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌膵臓癌前立腺癌腎細胞癌小細胞肺癌(SCLC)または三重陰性乳癌である。幾つかの好ましい実施形態においては、癌はイピリムマブ(ipilimumab)ナイーブ進行性黒色腫であり、他の好ましい実施形態において、ヒトはイピリムマブ難治性進行性黒色腫を有する。

0016

本発明の前記治療方法、医薬および使用の他の実施形態において、個体はヒトであり、癌はヘム(Heme)悪性疾患であり、幾つかの好ましい実施形態において、ヘム悪性疾患は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、EBV陽性DLBCL、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、T細胞/組織球リッチ(rich)大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫ホジキンリンパ腫(HL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄性細胞白血病−1タンパク質(Mcl−1)、骨髄異形成症候群(MDS)、非ホジキンリンパ腫(NHL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)である。

0017

また、前記治療方法、医薬および使用のいずれかの好ましい実施形態においては、癌はPD−L1およびPD−L2の一方または両方を発現する。特に好ましい実施形態においては、PD−L1の発現が癌において上昇している。

0018

前記治療方法、医薬および使用の特に好ましい実施形態の1つにおいては、個体はヒトであり、癌は、ヒトPD−L1を発現する慢性リンパ球性白血病(CLL)である。

0019

詳細な説明
略語
本発明の詳細な説明および実施例の全体にわたって、以下の略語を用いる:
CDR相補性決定領域
CHOチャイニーズハムスター卵巣
FFPEホルマリン固定パラフィン包
FRフレームワーク領域
IgG免疫グロブリンG
IHC免疫組織化学または免疫組織化学的
Q2W 2週間ごとに1用量
Q3W 3週間ごとに1用量
VH免疫グロブリン重鎖可変領域
VK免疫グロブリンカッパ軽鎖可変領域
I.定義
本発明がより容易に理解されうるように、ある科学技術用語を以下に明確に定義する。本明細書中の他の箇所において特に示されていない限り、本明細書中で用いられる全ての他の科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されている意味を有する。

0020

添付の特許請求の範囲を含む本明細書において用いる、”a”、”an”および”the”のような単数形の単語は、文脈に明らかに矛盾しない限り、それらの複数形対象物を含む。

0021

「投与」および「治療(処理)」は、それが動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、器官または生物学的流体に適用される場合には、外因性医薬、治療用物質診断剤または組成物の、動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官または生物学的流体との接触を意味する。細胞の処理は、細胞との試薬の接触、および細胞に接触している流体との試薬の接触を含む。「投与」および「処理(治療)」は、試薬、診断薬結合性化合物または別の細胞による、例えば細胞の、インビトロおよびエクスビボ(ex vivo)処理をも意味する。「対象(被験者)」なる語は、任意の生物、好ましくは動物、より好ましくは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、イヌネコウサギ)、最も好ましくはヒトを含む。

0022

本明細書中で用いる「抗体」なる語は、所望の生物活性または結合活性を示す抗体の任意の形態を意味する。したがって、それは最も広い意味で用いられ、特に、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ヒト化、完全ヒト抗体キメラ抗体およびラクダ単一ドメイン抗体を含むが、これらに限定されるものではない。「親抗体」は、ヒト用治療用物質として使用される抗体のヒト化のような意図される使用のための抗体の修飾前の、抗原への免疫系の曝露により得られる抗体である。

0023

一般に、基本的な抗体構造単位は四量体を含む。各四量体は、ポリペプチド鎖の、2つの同一ペアから構成され、各ペアは1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主に抗原認識をもたらす約100〜110個またはそれ以上のアミノ酸可変領域を含む。重鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主にもたらす定常領域を定めうる。典型的には、ヒト軽鎖はカッパおよびラムダ軽鎖として分類される。更に、ヒト重鎖は、典型的には、ミューデルタガンマアルファまたはイプシロンとして分類され、それぞれIgMIgD、IgG、IgAおよびIgEとして抗体のイソタイプを定める。軽鎖および重鎖においては、可変領域および定常領域は約12個以上のアミノ酸の「J」領域により連結されており、重鎖は約10個以上のアミノ酸の「D」領域をも含む。全般的には、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.編,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))を参照されたい。

0024

各軽/重鎖ペアの可変領域は抗体結合部位を形成する。したがって、一般に、無傷抗体は2つの抗原結合部位を有する。二官能性または二重特異性抗体の場合を除き、それらの2つの結合部位は一般に同じである。

0025

典型的には、重鎖および軽鎖の両方の可変ドメインは、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)内に位置する、相補性決定領域(CDR)とも称される3つの超可変領域を含む。CDRは、通常、特定のエピトープへの結合が可能になるように、フレームワーク領域により整列されている。一般に、N末端からC末端方向に、軽鎖および重鎖可変ドメインの両方はFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の帰属は、一般に、Sequences of Proteins of Immunological Interest,Kabatら;National Institutes of Health,Bethesda,Md.;5th ed.;NIH Publ.No.91−3242(1991);Kabat(1978)Adv.Prot.Chem.32:1−75;Kabatら(1977)J.Biol.Chem.252:6609−6616;Chothiaら(1987)J Mol.Biol.196:901−917またはChothiaら(1989)Nature 342:878−883の定義に基づいている。

0026

本明細書中で用いる「超可変領域」なる語は、抗原結合をもたらす、抗体のアミノ酸残基を意味する。超可変領域は「相補性決定領域」または「CDR」(すなわち、軽鎖可変ドメイン内のCDRL1、CDRL2およびCDRL3ならびに重鎖可変ドメイン内のCDRH1、CDRH2およびCDRH3)からのアミノ酸残基を含む。Kabatら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(配列により抗体のCDR領域を定めている)を参照されたい。また、ChothiaおよびLesk(1987)J.Mol.Biol.196:901−917(構造により抗体のCDR領域を定めている)も参照されたい。本明細書中で用いる「フレームワーク」または「FR」残基なる語は、CDR残基として本明細書中で定義されている超可変領域残基以外の可変ドメイン残基を意味する。

0027

本明細書中で用いる「抗体フラグメント」または「抗原結合性フラグメント」は、特に示されていない限り、抗体の抗原結合性フラグメント、すなわち、完全長抗体により結合される抗原に特異的に結合する能力を保有する抗体フラグメント、例えば、1以上のCDR領域を保有するフラグメントを意味する。抗体結合性フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFvフラグメント;ダイアボディ;直鎖状抗体;一本鎖抗体分子、例えばscFv;ナノボディ、ならびに抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が含まれるが、これらに限定されるものではない。

0028

特定の標的タンパク質に「特異的に結合する」抗体は、他のタンパク質と比較してその標的への優先的結合を示す抗体であるが、この特異性は絶対的な結合特異性を要しない。抗体がその意図される標的に「特異的」だとみなされるのは、その結合が、例えば偽陽性のような望ましくない結果をもたらすことなく、サンプル中の標的タンパク質の存在を決定するものである場合である。本発明において有用な抗体またはその結合性フラグメントは、非標的タンパク質に対するアフィニティより少なくとも2倍大きな、好ましくは少なくとも10倍大きな、より好ましくは少なくとも20倍大きな、最も好ましくは少なくとも100倍大きなアフィニティで標的タンパク質に結合するであろう。本明細書中で用いる抗体が、与えられたアミノ酸配列、例えば成熟ヒトPD−1またはヒトPD−L1分子のアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的に結合すると言えるのは、それが、その配列を含むポリペプチドには結合するが、その配列を欠くタンパク質には結合しない場合である。

0029

「キメラ抗体」は、所望の生物活性を示す限り、重鎖および/または軽鎖の一部分が、特定の種(例えば、ヒト)に由来する又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応配列と同一または相同である一方で、鎖の残部が、別の種(例えば、マウス)に由来する又は別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応配列と同一または相同であるタンパク質抗体、ならびにそのような抗体のフラグメントを意味する。

0030

「ヒト抗体」は、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を意味する。ヒト抗体は、マウスにおいて、またはマウス細胞において、またはマウス細胞由来ハイブリドーマにおいて産生された場合には、マウス炭水化物鎖を含有しうる。同様に、「マウス抗体」または「ラット抗体」は、それぞれ、マウスまたはラット免疫グロブリン配列のみを含む抗体を意味する。

0031

ヒト化抗体」は、非ヒト(例えば、マウス)抗体およびヒト抗体からの配列を含有する抗体の形態を意味する。そのような抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、ここで、超可変ループの全て又は実質的に全ては非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全て又は実質的に全てはヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)(典型的にはヒト免疫グロブリンのもの)の少なくとも一部分を含んでいてもよい。接頭辞「hum」、「hu」または「h」は、ヒト化抗体を親げっ歯類抗体から区別するために、必要に応じて抗体クローン名称に付加される。アフィニティを増加させるため、ヒト化抗体の安定性を増強するためまたは他の理由により、あるアミノ酸置換が含まれうるが、げっ歯類抗体のヒト化形態は、一般に、親げっ歯類抗体の同一CDR配列を含む。

0032

「癌」、「癌性」または「悪性」なる語は、無制御な細胞増殖により典型的に特徴づけられる、哺乳動物における生理的状態を意味し又は示す。癌の例には、癌腫、リンパ腫、白血病、芽腫および肉腫が含まれるが、これらに限定されるものではない。そのような癌の更に詳細な例には、扁平上皮癌、骨髄腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、胃腸(管)癌、腎臓癌、卵巣癌、肝臓癌、リンパ芽球性白血病リンパ性白血病結腸直腸癌子宮内膜癌、腎臓癌、前立腺癌、甲状腺癌、メラノーマ(黒色腫)、軟骨肉腫神経芽細胞腫、膵臓癌、多形性膠芽腫子宮頸癌、脳の癌、胃癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌および頭頸部癌が含まれる。本発明に従い治療されうる特に好ましい癌には、被検組織サンプルにおけるPD−L1およびPD−L2の一方または両方の発現の上昇により特徴づけられる癌が含まれる。

0033

生物療法剤」は、腫瘍の維持および/もしくは成長を支持する又は抗腫瘍免疫応答を抑制する生物学的経路におけるリガンド/受容体シグナリングを遮断する生物学的分子、例えば抗体または融合タンパク質を意味する。

0034

本明細書中で用いる「CDR」または「CDRs」は、特に示されていない限り、Kabat(カバト)の番号付け系を用いて定められる、免疫グロブリン可変領域内の相補性決定領域を意味する。

0035

「化学療法剤」は癌の治療において有用な化合物である。化学療法剤のクラスには、限定的なものではないが以下のものが含まれる:アルキル化剤代謝拮抗剤キナーゼ阻害剤紡錘体毒植物アルカロイド細胞毒性抗腫瘍抗生物質トポイソメラーゼインヒビター、光増感剤抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、抗プロゲステロンエストロゲン受容体ダウンレギュレーター(ERD)、エストロゲン受容体アンタゴニスト、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト抗アンドロゲンアロマターゼインヒビターEGFRインヒビターVEGFインヒビター、異常な細胞増殖または腫瘍成長に関連した遺伝子の発現を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチド。本発明の治療方法において有用な化学療法剤には、静細胞剤および/または細胞毒性剤が含まれる。

0036

本明細書中で用いる「Clothia(クロチア)」は、Al−Lazikaniら,JMB 273:927−948(1997)に記載されている抗体の番号付け系を意味する。

0037

「保存的に修飾された変異体」または「保存的置換」は、タンパク質中のアミノ酸が、類似特性(例えば、電荷、側鎖サイズ疎水性親水性バックボーンコンホメーションおよび剛性など)を有する他のアミノ酸により置換されることを意味し、この場合、この変化は、しばしば、タンパク質の生物活性または他の所望の特性を変化させずに施されうる。一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換は生物活性を実質的に変化させない、と当業者は認識している(例えば、Watsonら(1987)Molecular Biology of the Gene,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Ed.)を参照されたい)。また、構造的または機能的に類似したアミノ酸の置換は、生物活性を損なう可能性が低い。典型的な保存的置換を表3に記載する。

0038

本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって用いる「からなる」またはその変形、例えば「実質的にからなる」もしくは「実質的にからなり」は、任意の列挙されている要素または要素群包含、および特定されている投与レジメ投与計画)、方法または組成物の基本的または新規特性を実質的に変化させない、列挙されている要素と類似した又は異なる性質の他の要素の随意的包含を示す。非限定的な例としては、列挙されているアミノ酸配列から実質的になるPD−1アンタゴニストは、結合性化合物の特性に実質的に影響を及ぼさない、1以上のアミノ酸残基の置換を含む、1以上のアミノ酸をも含みうる。

0039

診断用抗PD−Lモノクローナル抗体」は、ある哺乳類細胞の表面上で発現される示されているPD−L(PD−L1またはPDL2)の成熟形態に特異的に結合するmAbを意味する。成熟PD−Lは、リーダーペプチドとも称される前分泌リーダー配列を欠いている。「PD−L」および「成熟PD−L」なる語は本明細書中では互換的に用いられ、特に示されている又は文脈から容易に理解される場合を除き、同一分子を意味すると理解されるものとする。

0040

本明細書中で用いる診断用抗ヒトPD−L1 mAbまたは抗hPD−L1 mAbは、成熟ヒトPD−L1に特異的に結合するモノクローナル抗体を意味する。成熟ヒトPD−L1分子は以下の配列のアミノ酸19−290からなる:MRIFAVFIFMTYWHLLNAFVTPKDLYVVEYGSNMTIECFPVEKQLDLAALIVYWEMEDKNIIQFVHGEEDLKVQHSSRQARLLKDQLSLGNAALQITDVKLQDAGVRCMISYGGADYKRITVKVNAPYNKINQRILVVDPVTSEHELTQAEGYPKAEVIWTSSDHQVLSGKTTTTNSKREEKLFNVTSTLRINTTTNEIFYCTFRRLDPEENHTAELVIPELPLAHPPNERTHLVILGAILLCLGVALTFIFRLRKGRMMDVKKCGIQDTNSKKQSDTHLEET(配列番号25)。

0041

ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織切片におけるPD−L1発現の免疫組織化学(IHC)検出のための診断用mAbとして有用な診断用抗ヒトPD−L1 mAbの具体例としては、抗体20C3および抗体22C3が挙げられ、これらは2012年12月出願の同時係属米国仮特許出願第61/745386号に記載されている。これらの抗体は、以下の表2に示されている軽鎖および重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。

0042

FFPE組織切片におけるPD−L1発現のIHC検出に有用であると報告されているもう1つの抗ヒトPD−L1 mAb(Chen,B.J.ら,Clin Cancer Res 19:3462−3473(2013))は、Sino Biological,Inc.(Beijing,P.R.China;カタログ番号10084−R015)から公に入手可能なウサギ抗ヒトPD−L1 mAbである。

0043

「ジナシクリブ化合物」は式Iの化合物および式Iの化合物の医薬上許容される塩を意味する。ジナシクリブの化学名は、1−[3−エチル−7−[[(1−オキシド−3−ピリジニルメチルアミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−2−(S)−ピペリジンエタノールである。この化合物は、米国特許第7,119,200号に記載されているとおりに、あるいは当業者に容易に理解されるいずれかの他の合成経路で合成されうる。

0044

特に示されていない限り、本明細書における式Iの化合物に対する言及はその塩に対する言及を含むと理解される。本明細書中で用いる「塩」なる語は、無機酸および/または有機酸で形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基で形成される塩基性塩を示す。また、式Iの化合物が塩基部分(限定的なものではないが例えば、ピリジンまたはイミダゾール)と酸性部分(限定的なものではないが例えば、カルボン酸)との両方を含む場合、両性イオン(「内部塩」)が形成されることがあり、本明細書中で用いる「塩」なる語に含まれる。式Iの化合物の医薬上許容される塩は、例えば、塩が沈殿する媒体のような媒体または水性媒体中で、式Iの化合物を酸または塩基の或る量(例えば、同等量)と反応させ、ついで凍結乾燥させることにより形成されうる。

0045

式Iの化合物の典型的な酸付加塩には、酢酸塩アスコルビン酸塩安息香酸塩ベンゼンスルホン酸塩硫酸水素塩ホウ酸塩酪酸クエン酸塩ショウノウ酸塩カンファースルホン酸塩フマル酸塩塩酸塩臭化水素酸塩ヨウ化水素酸塩、乳酸塩マレイン酸塩メタンスルホン酸塩ナフタレンスルホン酸塩硝酸塩シュウ酸塩リン酸塩プロピオン酸塩サリチル酸塩コハク酸塩硫酸塩、酒石酸塩チオシアン酸塩トルエンスルホン酸塩トシル酸塩としても公知である)などが含まれる。また、塩基性医薬化合物からの医薬上有用な塩の形成に適していると一般にみなされる酸は、例えば、S.Bergeら,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.(そのウェブサイト上))に記載されている。これらの開示を参照により本明細書に組み入れることとする。

0046

式Iの化合物の典型的な塩基性塩には、アンモニウム塩アルカリ金属塩、例えばナトリウムリチウムおよびカリウム塩アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン)、例えばジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンとの塩、ならびにアミノ酸、例えばアルギニンリジンなどとの塩が含まれる。塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチルおよびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチルジエチルおよびジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシルラウリルおよびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)などのような物質で四級化されうる。

0047

全てのそのような酸塩および塩基塩は、本発明において使用されるジナシクリブ化合物の範囲内の医薬上許容される塩であると意図され、全ての酸および塩基塩は本発明の目的において対応化合物の遊離形態と同等であるとみなされる。

0048

式Iの化合物のプロドラッグも、本発明の方法、医薬および使用における使用に想定される。本明細書中で用いる「プロドラッグ」なる語は、対象への投与に際して代謝的または化学的過程により化学的変換を受けて式Iの化合物またはその塩を与える薬物前駆体である化合物を示す。プロドラッグの考察はT.HiguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium SeriesならびにBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche編,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(それらを共に参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。

0049

本明細書中で用いる「フレームワーク領域」または「FR」は、CDR領域以外の免疫グロブリン可変領域を意味する。

0050

相同性」は、最適にアライメント(整列)された2つのポリペプチド配列の間の配列類似性を意味する。それらの2つの比較される配列の両方における位置が同一アミノ酸単量体サブユニットにより占拠されている場合、例えば、2つの異なるAbの軽鎖CDRがアラニンにより占拠されている場合、それらの2つのAbはその位置において相同である。相同性の割合(%)は、2つの配列により共有される相同位置の数を、比較される位置の総数割り算し、100を掛け算したものである。例えば、2つの配列における位置の10個中8個が、それらの配列が最適にアライメントされた場合に一致(マッチ)している又は相同である場合、それらの2つの配列は80%相同である。一般に、比較は、最大相同性(%)を与えるように2つの配列がアライメントされた場合に行われる。例えば、比較はBLASTアルゴリズムにより実施可能であり、この場合、アルゴリズムのパラメータは、それぞれの参照配列全長にわたってそれぞれの配列間で最大マッチが得られるように選択される。

0051

以下の参考文献は、配列分析にしばしば使用されるBLASTアルゴリズムに関するものである:BLASTALGORITHMS:Altschul,S.F.ら(1990)J.Mol.Biol.215:403−410;Gish,W.ら(1993)Nature Genet.3:266−272;Madden,T.L.ら(1996)Meth.Enzymol.266:131−141;Altschul,S.F.ら(1997)Nucleic AcidsRes.25:3389−3402;Zhang,J.ら(1997)Genome Res.7:649−656;Wootton,J.C.ら(1993)Comput.Chem.17:149−163;Hancock,J.M.ら(1994)Comput.Appl.Biosci.10:67−70;ALIGNMENTSCORING SYSTEMS:Dayhoff,M.O.ら,“A model of evolutionary change in proteins”,Atlas of Protein Sequence and Structure(1978)vol.5,suppl.3.M.O.Dayhoff(編),pp.345−352,Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Schwartz,R.M.ら,“Matrices for detecting distant relationships”.Atlas of Protein Sequence and Structure,(1978)vol.5,suppl.3”.M.O.Dayhoff(編),pp.353−358,Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Altschul,S.F.,(1991)J.Mol.Biol.219:555−565;States,D.J.ら(1991)Methods 3:66−70;Henikoff,S.ら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919;Altschul,S.F.ら(1993)J.Mol.Evol.36:290−300;ALIGNMENT STATISTICS:Karlin,S.ら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268;Karlin,S.ら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877;Dembo,A.ら(1994)Ann.Prob.22:2022−2039;およびAltschul,S.F.“Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments”.Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai編),(1997)pp.1−14,Plenum,New York。

0052

「単離された抗体」および「単離された抗体フラグメント」は精製状態を指し、そのような文脈において、挙げられている分子が、他の生物学的分子、例えば核酸、タンパク質、脂質、炭水化物、または他の物質、例えば細胞残渣および増殖培地を実質的に含有しないことを意味する。一般に、「単離(された)」なる語は、そのような物質の完全な非存在、または水、バッファーもしくは塩の非存在を意味するものではないが、それらは、本明細書に記載されている結合性化合物の実験用途または治療用途を実質的に妨げる量で存在してはならない。

0053

本明細書中で用いる「Kabat(カバト)」は、Elvin A.Kabat((1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)により開拓された免疫グロブリンのアライメントおよび番号付け系を意味する。

0054

本明細書中で用いる「モノクローナル抗体」または「mAb」または「Mab」なる語は実質的に均一な抗体の集団を意味し、すなわち、集団を構成する抗体分子は、僅かな量で存在しうる考えられうる自然突然変異以外は、アミノ酸配列において同一である。これとは対照的に、通常の(ポリクローナル抗体調製物は、典型的には、異なるエピトープに対して特異的であることが多い可変ドメイン、特にCDR内に異なるアミノ酸配列を有する多数の異なる抗体を含む。修飾語モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られるという抗体の特性を示しており、いずれかの特定の方法による抗体の製造を要するとは解釈されない。例えば、本発明に従い使用されるモノクローナル抗体は、Kohlerら(1975)Nature 256,495により最初に記載されたハイブリドーマ法により製造可能であり、あるいは組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)により製造可能である。また、「モノクローナル抗体」は、例えば、Clacksonら(1991)Nature 352:624−628およびMarksら(1991)J.Mol.Biol 222:581−597に記載されている技術を用いて、ファージ抗体ライブラリーから単離されうる。Presta(2005)J.Allergy Clin.Immunol.116:731も参照されたい。

0055

患者」または「対象」は、治療が望まれる又は臨床試験、疫学調査に参加している又は対照として用いられるいずれかの単一の対象を意味し、ヒトおよび哺乳類獣医患者、例えばウシウマ、イヌおよびネコを含む。

0056

「PD−1アンタゴニスト」は、免疫細胞(T細胞、B細胞またはNKT細胞)上で発現されるPD−1への、癌細胞上で発現されるPD−L1の結合を遮断する、そして好ましくはまた、免疫細胞により発現されるPD−1への、癌細胞上で発現されるPD−L2の結合を遮断する任意の化合物または生物学的分子を意味する。PD−1およびそのリガンドの別名または同義語には、PD−1に関するPDCD1、PD1、CD279およびSLEB2;PD−L1に関するPDCD1L1、PDL1、B7H1、B7−4、CD274およびB7−H;ならびにPD−L2に関するPDCD1L2、PDL2、B7−DC、BtdcおよびCD273が含まれる。ヒト個体が治療される本発明の治療方法、医薬および使用のいずれにおいても、PD−1アンタゴニストはヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断し、そして好ましくは、ヒトPD−1へのヒトPD−L1およびPD−L2の両方の結合を遮断する。ヒトPD−1アミノ酸配列はNCBIローカス(Locus)番号:NP 005009において見出されうる。ヒトPD−L1およびPD−L2アミノ酸配列は、それぞれ、NCBIローカス番号NP 054862およびNP 079515において見出されうる。

0057

本発明の治療方法、医薬および使用のいずれかにおいて有用なPD−1アンタゴニストには、PD−1またはPD−L1に特異的に結合する、そして好ましくは、ヒトPD−1またはヒトPD−L1に特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)またはその抗原結合性フラグメントが含まれる。mAbはヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体であることが可能であり、ヒト定常領域を含みうる。幾つかの実施形態において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4定常領域からなる群から選択され、好ましい実施形態において、ヒト定常領域はIgG1またはIgG4定常領域である。幾つかの実施形態において、抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab’−SH、F(ab’)2、scFvおよびFvフラグメントからなる群から選択される。

0058

ヒトPD−1に結合し、本発明の治療方法、医薬および使用において有用なmAbの例は、US7521051、US8008449およびUS8354509に記載されている。本発明の治療方法、医薬および使用におけるPD−1アンタゴニストとして有用な具体的な抗ヒトPD−1 mAbには、WHO Drug Information,Vol.27,No.2,pp.161−162(2013)に記載されている構造を有し図6に示されている重鎖および軽鎖アミノ酸配列を含むヒト化IgG4 mAbであるMK−3475、WHO Drug Information,Vol.27,No.1,pp.68−69(2013)に記載されている構造を有し図7に示されている重鎖および軽鎖アミノ酸配列を含むヒトIgG4 mAbであるニボルマブ(nivolumab)(BMS−936558);ピジリズマブ(pidilizumab)(hBATまたはhBAT−1としても公知であるCT−011);ならびにWO2008/156712に記載されているヒト化抗体h409A11、h409A16およびh409A17が含まれる。

0059

ヒトPD−L1に結合し、本発明の治療方法、医薬および使用において有用なmAbの例は、WO2013/019906、WO2010/077634 A1およびUS8383796に記載されている。本発明の治療方法、医薬および使用においてPD−1アンタゴニストとして有用な具体的な抗ヒトPD−L1 mAbには、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736、MSB0010718C、ならびにWO2013/019906のそれぞれ配列番号24および配列番号21の重鎖および軽鎖可変領域を含む抗体が含まれる。

0060

本発明の治療方法、医薬および使用のいずれかにおいて有用な他のPD−1アンタゴニストには、PD−1またはPD−L1に特異的に結合する、そして好ましくは、ヒトPD−1またはヒトPD−L1に特異的に結合するイムノアドヘシンが含まれ、例えば、免疫グロブリン分子Fc領域のような定常領域に融合したPD−L1またはPD−L2の細胞外またはPD−1結合性部分を含有する融合タンパク質が含まれる。PD−1に特異的に結合するイムノアドヘシン分子の例は、WO2010/027827およびWO2011/066342に記載されている。本発明の治療方法、医薬および使用におけるPD−1アンタゴニストとして有用な特定の融合タンパク質には、PD−L2−FC融合タンパク質でありヒトPD−1に結合するAMP−224(B7−DCIgとしても公知)が含まれる。

0061

本発明の治療方法、医薬および使用の幾つかの好ましい実施形態において、PD−1アンタゴニストは、(a)軽鎖CDR配列番号1、2および3ならびに重鎖CDR 配列番号4、5および6、または(b)軽鎖CDR 配列番号7、8および9ならびに重鎖CDR 配列番号10、11および12、を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントである。

0062

本発明の治療方法、医薬および使用の他の好ましい実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、(a)配列番号13またはその変異体を含む重鎖可変領域と(b)配列番号15またはその変異体、配列番号16またはその変異体および配列番号17またはその変異体からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントである。重鎖可変領域配列の変異体は、フレームワーク領域内(すなわち、CDRの外部)に17個までの保存的アミノ酸置換を有すること、そして好ましくは、フレームワーク領域内に10、9、8、7、6または5個未満の保存的アミノ酸置換を有すること以外は、参照配列と同一である。軽鎖可変領域配列の変異体は、フレームワーク領域内(すなわち、CDRの外部)に5個までの保存的アミノ酸置換を有すること、そして好ましくは、フレームワーク領域内に4、3または2個未満の保存的アミノ酸置換を有すること以外は、参照配列と同一である。

0063

本発明の治療方法、医薬および使用のもう1つの好ましい実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、(a)配列番号14を含む重鎖と(b)配列番号18、配列番号19または配列番号20を含む軽鎖とを含むモノクローナル抗体である。

0064

本発明の治療方法、医薬および使用の更にもう1つの好ましい実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、(a)配列番号14を含む重鎖と(b)配列番号18を含む軽鎖とを含むモノクローナル抗体である。

0065

以下の表3は、本発明の治療方法、医薬および使用において使用される典型的な抗PD−1 mAbのアミノ酸配列の一覧を示し、配列は図1〜5に示されている。

0066

本明細書中で用いる「PD−L1」または「PD−L2」発現は、細胞表面における示されているPD−Lタンパク質の、または細胞もしくは組織内の示されているPD−LmRNAのいずれかの検出可能なレベルの発現を意味する。PD−Lタンパク質発現は、腫瘍組織切片のIHCアッセイにおける診断用PD−L抗体で、またはフローサイトメトリーにより検出されうる。あるいは、腫瘍細胞によるPD−Lタンパク質発現は、所望のPD−L標的、例えばPD−L1またはPD−L2に特異的に結合する結合剤(例えば、抗体フラグメント、アフィボディなど)を使用して、PETイメージングにより検出されうる。PD−LmRNA発現を検出し測定するための技術には、RTPCRおよびリアルタイム定量RT−PCRが含まれる。

0067

腫瘍組織切片のIHCアッセイにおけるPD−L1タンパク質発現を定量するための幾つかのアプローチが記載されている。例えば、Thompson,R.H.ら,PNAS 101(49);17174−17179(2004);Thompson,R.H.ら,Cancer Res.66:3381−3385(2006);Gadiot,J.ら,Cancer 117:2192−2201(2011);Taube,J.M.ら,Sci Transl Med 4,127ra37(2012);およびToplian,S.L.ら,New Eng.J Med.366(26):2443−2454(2012)を参照されたい。

0068

1つのアプローチは、PD−L1発現に関する陽性または陰性の単純な二成分(バイナリーエンドポイントを用いるものであり、陽性結果は、細胞表面膜染色の組織学証拠を示す腫瘍細胞の割合に関して定められる。腫瘍組織切片がPD−L1発現に関して陽性とみなされるのは、全腫瘍細胞の少なくとも1%、好ましくは5%である場合である。

0069

もう1つのアプローチにおいては、腫瘍組織切片におけるPD−L1発現は、リンパ球を主に含む浸潤性免疫細胞および腫瘍細胞において定量される。膜染色を示す腫瘍細胞および浸潤性免疫細胞の割合は<5%、5〜9%、そしてついで10%の増量で100%までとして別々に定量される。腫瘍細胞の場合、スコアが<5%スコアであればPD−L1発現は陰性とみなされ、スコアが>5%であれば陽性とみなされる。免疫浸潤物におけるPD−L1発現は、補正(adjusted)炎症スコア(AIS)と称される半定量的測定値として示され、これは膜染色細胞百分率に浸潤物の強度を掛け算することにより決定され、これは、無し(0)、軽度(1のスコア、希少リンパ球)、中等度(2のスコア、リンパ組織凝集物による腫瘍の病巣浸潤)または重度(3のスコア、びまん性浸潤)として評価される。AISが>5であれば、腫瘍組織切片は免疫浸潤物によるPD−L1発現に関して陽性とみなされる。

0070

診断用PD−L1抗体でIHCにより染色された腫瘍からの組織切片は、2013年4月2日付け出願の同時係属出願第61/807581号に記載されている新規評価法を用いて、組織切片における腫瘍細胞および浸潤性免疫細胞の両方におけるPD−L1発現を評価することにより、PD−L1タンパク質発現に関しても評価されうる。このPD−L1評価法は、染色のために組織切片中の各腫瘍検査し、修飾Hスコア(modified H score)(MHS)および修飾比率スコア(modified proportion score)(MPS)の一方または両方を組織切片に帰属させることを含む。MHSを帰属させるために、被検腫瘍巣の全てにおける生存腫瘍細胞および染色単核炎症細胞の全てにわたって4つの別々の比率(百分率)を評価する:(a)染色を示さない細胞(強度=0)、(b)弱い染色(強度=1+)、(c)中等度の染色(強度=2+)および(d)強い染色(強度=3+)。細胞は、弱い、中等度または強い染色比率に含まれるためには、少なくとも部分的な膜染色を有していなければならない。ついで、総和が100%となる評価比率を1×(弱い染色細胞の百分率)+2×(中等度の染色細胞の百分率)+3×(強い染色細胞の百分率)の式に代入し、結果をMHSとして組織切片に帰属させる。被検腫瘍巣の全てにおける生存腫瘍細胞および染色単核炎症細胞の全てにわたって、いずれかの強度の少なくとも部分的な膜染色を有する細胞の比率(百分率)を評価し、得られた百分率をMPSとして組織切片に帰属させることにより、MPSを帰属する。幾つかの実施形態において、MHSまたはMPSが正(陽性)であれば、腫瘍はPD−L1発現に関して陽性とみなされる。

0071

PD−L1mRNA発現のレベルは、定量的RT−PCRにおいて頻繁に使用される1以上の参照遺伝子(例えば、ユビキチンC)のmRNA発現レベルと比較されうる。

0072

幾つかの実施形態において、悪性細胞による及び/又は腫瘍内の浸潤性免疫細胞によるPD−L1発現(タンパク質および/またはmRNA)のレベルは、適当な対照によるPD−L1発現(タンパク質および/またはmRNA)のレベルとの比較に基づいて、「過剰発現」または「上昇」していると判定される。例えば、対照PD−L1タンパク質またはmRNA発現レベルは、同じタイプの非悪性細胞においてまたは釣り合わされた正常組織からの切片において、定量されたレベルでありうる。幾つかの好ましい実施形態においては、腫瘍サンプルにおけるPD−L1発現は、サンプル中のPD−L1タンパク質(および/またはPD−L1 mRNA)が対照の場合より少なくとも10%、20%または30%大きいならば、上昇していると判定される。

0073

持続的応答」は、治療用物質または組合せ療法(本明細書に記載されているもの)での治療の中止の後の持続的治療効果を意味する。幾つかの実施形態においては、持続的応答は、治療持続期間と少なくとも同じ、または治療持続期間より少なくとも1.5、2.0、2.5もしくは3倍長い持続期間を示す。

0074

「組織切片」は、組織サンプルの単一の部分または断片、例えば、正常組織または腫瘍のサンプルから切断された組織の薄片を意味する。

0075

本明細書中で用いる、癌を「治療」または「治療する」は、PD−1アンタゴニストとジナシクリブ化合物との組合せ療法を、癌を有する又は癌を有すると診断された対象に投与して、少なくとも1つの陽性(正)の治療効果、例えば、癌細胞数の減少、腫瘍サイズの減少、末梢器官内への癌細胞浸潤の速度の低下、または腫瘍転移もしくは腫瘍成長の速度の低下を達成することを意味する。癌における陽性の治療効果は幾つかの方法で測定されうる(W.A.Weber,J.Nucl.Med.50:1S−10S(2009)を参照されたい)。例えば、腫瘍成長抑制に関しては、NCI標準に従い、T/C<42%が抗腫瘍活性最小レベルである。T/C<10%は高い抗腫瘍活性とみなされ、ここで、T/C(%)=治療された腫瘍体積中央値/対照の腫瘍体積中央値×100である。幾つかの実施形態において、治療的有効量により達成される治療は、無進行生存(PFS)、無疾患生存(DFS)または全生存(OS)のいずれかである。PFSは「腫瘍進行までの時間」とも称され、癌が成長(増殖)しない、治療中または治療後の時間の長さを示し、完全な応答または部分的な応答を患者が経験した時間の長さ、および安定な疾患を患者が経験した時間の長さを含む。DFSは、患者が無疾患状態のままである、治療中または治療後の時間の長さを意味する。OSは、無処置または未治療の個体または患者と比較した場合の寿命延長を意味する。癌患者を治療するのに有効な本明細書に記載されている組合せ療法の投与レジメは、患者の病態年齢および体重ならびに対象において抗癌応答を惹起する療法の能力のような要因に応じて変動しうる。本発明の治療方法、医薬および使用は、全ての対象において陽性治療効果を達成するのに有効だとは限らないが、当技術分野で公知の任意の統計的検定、例えばスチューデントt検定、カイ2乗検定マンおよびホイットニーによるU検定、クラスカルウォリス検定(H検定)、ヨンケーレ−テルプストラ検定およびウィルコクソン検定により判定された場合に、統計的に有意な数の対象においては有効であるはずである。

0076

「腫瘍」は、癌を有すると診断された又は癌を有する疑いのある対象に適用される場合には、任意のサイズの悪性または潜在的に悪性の新生物または組織塊を意味し、原発腫瘍または続発性新生物を含む。固形(充実性)腫瘍は、嚢胞または液体領域を通常は含有しない、組織の異常成長または塊を意味する。種々のタイプの固形腫瘍が、それらを形成する細胞のタイプにちなんで命名されている。固形腫瘍の例としては、肉腫、癌腫およびリンパ腫が挙げられる。白血病(血液の癌)は、一般に、固形腫瘍を形成しない(National Cancer Institute,Dictionary of Cancer Terms)。

0077

「腫瘍量」は「腫瘍負荷」とも称され、全身分布する腫瘍物質の総量を意味する。腫瘍負荷は、リンパ節および骨髄を含む身体全体にわたる癌細胞の総数または腫瘍の全サイズを意味する。腫瘍負荷は当技術分野で公知の種々の方法により測定可能であり、例えば、被験者からの摘除に際して例えばカリパスを使用して、あるいはイメージング技術、例えば超音波骨スキャンコンピュータ断層撮影(CT)または磁気共鳴撮像(MRI)スキャンを用いて、全身において腫瘍の寸法を測定することにより決定されうる。

0078

「腫瘍サイズ」なる語は、腫瘍の長さおよび幅として測定されうる腫瘍の全サイズを意味する。腫瘍サイズは技術分野で公知の種々の方法により決定可能であり、例えば、被験者からの摘除に際して例えばカリパスを使用して、あるいはイメージング技術、例えば骨スキャン、超音波、CTまたはMRIスキャンを用いて、全身において腫瘍の寸法を測定することにより決定されうる。

0079

本明細書中で用いる「可変領域」または「V領域」は、異なる抗体間で配列において可変性である、IgG鎖のセグメントを意味する。それは軽鎖においてはKabat残基109まで、そして重鎖においては113まで伸長している。

0080

II.方法、使用および医薬
本発明の1つの態様においては、本発明は、PD−1アンタゴニストとジナシクリブ化合物とを含む組合せ療法を個体に投与することを含む、個体における癌の治療方法を提供する。

0081

組合せ療法は1以上の追加的な治療用物質(治療剤)を含みうる。そのような追加的な治療用物質は、例えば、ジナシクリブ化合物以外の化学療法剤、生物療法剤(VEGF、EGFR、HER2/neu、VEGF受容体、他の増殖因子受容体、CD20、CD40、CD40L、CTLA−4、OX−40、4−IBBおよびICOSに対する抗体を含むが、これらに限定されるものではない)、免疫原性剤(例えば、弱毒化癌細胞、腫瘍抗原腫瘍由来抗原または核酸でパルスされた樹状細胞のような抗原提示細胞免疫刺激性サイトカイン(例えば、IL−2、IFNα2、GMCSF)、および免疫刺激性サイトカイン、例えばGM−CSF(これに限定されるものではない)をコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞)でありうる。

0082

化学療法剤の例には以下のものが含まれる:アルキル化剤、例えばチオテパ(thiotepa)およびシクロホスファミド(cyclosphosphamide);アルキルスルホナート、例えばブスルファン(busulfan)、イムプロスルファン(improsulfan)およびピポスルファン(piposulfan);アジリジン、例えばベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン(carboquone)、メツレドーパ(meturedopa)およびウレドーパ(uredopa);エチレンイミンおよびメチルアメルアミン(methylamelamine)、例えばアルトレタミン(altretamine)、トリエチレンメラミントリエチレンホスホルアミドトリエチレンチオホスホルアミド(triethiylenethiophosphoramide)およびトリチロメラミン(trimethylolomelamime);アセトゲニン(acetogenin)(特にブルラタシン(bullatacin)およびブルラタシノン(bullatacinone));カンプトテシン(camptothecin)(合成類似体トポテカン(topotecan)を含む);ブリオスタチン(bryostatin);カリスタチン(callystatin);CC−1065(そのアドレシン(adozelesin)、カルゼレシン(carzelesin)およびビゼレシン(bizelesin)合成類似体を含む);クリプトフィシン(cryptophycin)(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン(dolastatin);ドュオカルマイシン(duocarmycin)(合成類似体KW−2189およびCB 1−TM1を含む);エリューテロビン(eleutherobin);パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコジクチイン(sarcodictyin);スポンジスタチン(spongistatin);窒素マスタード、例えばクロラムブシル(chlorambucil)、クロルファジン(chlornaphazine)、クロロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン(estramustine)、イフォスファミド(ifosfamide)、メクロルエタミン(mechlorethamine)、メクロルエタミンオキシド塩酸塩メルファラン(melphalan)、ノベムビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレニムスチン(prednimustine)、トロフスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタード(uracil mustard);ニトロソウレア、例えばカルムスチン(carmustine)、クロロゾトシン(chlorozotocin)、フォテムスチン(fotemustine)、ロムスチン(lomustine)、ニムスチン(nimustine)およびラニムスチン(ranimustine);抗生物質、例えばエンジイン抗生物質[例えば、カリケアマイシン(calicheamicin)、特にカリケアマイシン・ガンマ1Iおよびカリケアマイシン・ファイI1(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed.Engl.,33:183−186(1994)を参照されたい);ダイネマイシン(dynemicin)、例えばダイネマイシンA;ビスホスホナート、例えばクロドロナート(clodronate);エスペラマイシン(esperamicin);ならびにネオカルチノスタチン(neocarzinostatin)クロモファーおよび関連クロモタンパク質エンジイン抗生物質クロモファー]、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン(actinomycin)、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン(azaserine)、ブレオマイシン(bleomycin)、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン(chromomycin)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシンドキソルビシン(doxorubicin)(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン(epirubicin)、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン(idarubicin)、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン(mitomycin)、例えばマイトマイシンCミコフェノール酸(mycophenolic acid)、ノガラマイシン(nogalamycin)、オリボマイシン(olivomycin)、ペプロマイシン(peplomycin)、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン(puromycin)、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン(streptonigrin)、ストレプトゾシン(streptozocin)、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメックス(ubenimex)、ジノスタチン(zinostatin)、ゾルビシン(zorubicin);代謝拮抗物質、例えばメトトレキセート(methotrexate)および5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体、例えばデノプテリン(denopterin)、メトトレキセート(methotrexate)、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキセート(trimetrexate);プリン類似体、例えばフルダラビン(fludarabine)、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン(thioguanine);ピリミジン類似体、例えばアンシタビン(ancitabine)、アザシチジン(azacitidine)、6−アザウリジンカルモフール(carmofur)、シタラビン(cytarabine)、ジデオキシウリジン(dideoxyuridine)、ドキシフルリジン(doxifluridine)、エノシタビン(enocitabine)、フロクスリジン(floxuridine);アンドロゲン、例えばカルステロン(calusterone)、ドロモスタノロン(dromostanolone)プロピオナートエピチオスタノール(epitiostanol)、メピチオスタン(mepitiostane)、テストラクトン(testolactone);抗アドレナール、例えばアミノグルテチミド(aminoglutethimide)、ミトタン(mitotane)、トリロスタン(trilostane);葉酸補充物、例えばフロリン酸(frolinic acid);アセグラトン(aceglatone);アルドホスファミド(aldophosphamide)グリコシドアミノレブリン酸エニルウラシル(eniluracil);アムサクリン(amsacrine);ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン(bisantrene);エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン(demecolcine);ジアジオン(diaziquone);エルフォルニチン(elfornithine);酢酸リプチニウム(elliptinium);エポチロン(epothilone);エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウムヒドロキシ尿素レンチナン(lentinan);ロニダミン(lonidamine);メイタンシノイド(maytansinoid)、例えばメイタンシン(maytansine)およびアンサミトシン(ansamitocin);ミトグアゾン(mitoguazone);ミトザントロン(mitoxantrone);モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン(pentostatin);フェナメット(phenamet);ピラルビシン(pirarubicin);ロソキサントロン(losoxantrone);ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2−エチルヒドラジドプロカルバジン(procarbazine);ラゾキサン(razoxane);リゾキシン(rhizoxin);シゾフラン(sizofuran);スピロゲルマニウム(spirogermanium);テヌアゾン酸(tenuazonic acid);トリアジクオン(triaziquone);2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミントリコテセン(trichothecene)(特にT−2毒素、ベルラクリン(verracurin)A、ロリジン(roridin)Aおよびアングイジン(anguidine));ウレタンビンデシン(vindesine);ダカルバジン(dacarbazine);マンノムスチン(mannomustine);ミトブロニトール(mitobronitol);ミトラクトール(mitolactol);ピポブロマン(pipobroman);ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(arabinoside)(「Ara−C」);シクロホスファミド(cyclophosphamide);チオテパ(thiotepa);タキソイド、例えばパクリタキセル(paclitaxel)およびドキセタキセル(doxetaxel);クロラムブシル(chlorambucil);ゲムシタビン(gemcitabine);6−チオグアニン;メルカプトプリン(mercaptopurine);メトトレキセート(methotrexate);白金類似体、例えばシスプラチン(cisplatin)およびカルボプラチン(carboplatin);ビンブラスチン(vinblastine);白金エトポシド(etoposide)(VP−16);イフォスファミド(ifosfamide);ミトザントロン(mitoxantrone);ビンクリスチン(vincristine);ビノレルビン(vinorelbine);ノバントロン(novantrone);テニポシド(teniposide);エダトレキセート(edatrexate);ダウノマイシン(daunomycin);アミノプテリン(aminopterin);キセローダ(xeloda);イバンドロネート(ibandronate);CPT−11;トポイソメラーゼインヒビターRFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(difluoromethylornithine)(DMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸カペシタビン(capecitabine);ならびに前記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体。また、例えば以下のような、腫瘍に対するホルモン作用を調節または抑制するよう作用する抗ホルモン剤も含まれる:抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、例えばタモキシフェン(tamoxifen)、ラロキシフェン(raloxifene)、ドロロキシフェン(droloxifene)、4−ヒドロキシタモキシフェントリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン(onapristone)およびトレミフェン(toremifene)(Fareston);副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼインヒビター、例えば4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、酢酸メゲストロール(megestrol)、エキセメスタン(exemestane)、フォルメスタン(formestan)、ファドロ
ゾール(fadrozole)、ボロゾール(vorozole)、レトロゾール(letrozole)およびアナストロゾール(anastrozole);ならびに抗アンドロゲン、例えばフルタミド(flutamide)、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、ロイプロリド(leuprolide)およびゴセレリン(goserelin);ならびに前記のいずれかの医薬上許容される塩、酸または誘導体。

0083

本発明の組合せ療法における各治療用物質は、単独で、または治療用物質と1以上の医薬上許容される担体賦形剤および希釈剤を含む医薬(本明細書においては医薬組成物とも称される)中で、標準的な医薬慣例に従い投与されうる。

0084

本発明の組合せ療法における各治療用物質は、同時に(すなわち同一医薬中で)、共に(すなわち任意の順序次々と投与される別々の医薬中で)、または任意の順序で連続的に投与されうる。組合せ療法における治療用物質が異なる剤形である(1つの物質は錠剤またはカプセル剤であり、もう1つの物質は無菌液体である)、および/または異なる投与スケジュールで投与される(例えば、少なくとも毎日投与される化学療法剤、および週1回、2週間に1回または3週間に1回のようにそれほど頻繁には投与されない生物療法剤)場合には、連続的投与が特に有用である。

0085

幾つかの実施形態において、ジナシクリブ化合物はPD−1アンタゴニストの投与の前に投与され、他の実施形態において、ジナシクリブ化合物はPD−1アンタゴニストの投与の後で投与される。

0086

幾つかの実施形態において、組合せ療法における治療用物質の少なくとも1つは、物質が同じ癌の治療のための単独療法として使用される場合に典型的に用いられるのと同じ投与レジメ(治療の用量、頻度および持続期間)を用いて投与される。他の実施形態において、患者は、組合せ療法における治療用物質の少なくとも1つの物質が単独療法として使用される場合より低い総量(例えば、より小さい用量、より低い頻度の投与および/またはより短い治療持続期間)の投与を受ける。

0087

本発明の組合せ療法における各治療用物質は、経口的または非経口的(静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸局所および経皮投与経路を含む)に投与されうる。

0088

本発明の組合せ療法は、腫瘍を摘出するための手術の前または後で使用されることが可能であり、放射線療法の前、途中または後で使用されうる。

0089

幾つかの実施形態において、本発明の組合せ療法は、生物療法剤または化学療法剤で未だ治療されていない(すなわち、未治療)患者に投与される。他の実施形態において、組合せ療法は、生物療法剤または化学療法剤での過去の療法の後で持続的応答が得られなかった(すなわち、治療経験)患者に投与される。

0090

本発明の組合せ療法は、典型的には、触診により又は当技術分野でよく知られているイメージング技術、例えばMRI、超音波もしくはCATスキャンにより見出されるのに十分な程度に大きな腫瘍を治療するために用いられる。幾つかの好ましい実施形態において、本発明の組合せ療法は、少なくとも約200mm3、300mm3、400mm3、500mm3、750mm3、または1000mm3までの寸法を有する進行期腫瘍を治療するために用いられる。

0091

本発明の組合せ療法は、好ましくは、PD−L1発現に関して陽性の試験結果を示す癌を有するヒト患者に投与される。幾つかの実施形態において、PD−L1発現は、患者から摘出された腫瘍サンプルのFFPEまたは凍結組織切片上のIHCアッセイにおいて、診断用抗ヒトPD−L1抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用して検出される。典型的には、PD−1アンタゴニストおよびジナシクリブ化合物での治療の開始の前に、患者から摘出された腫瘍組織サンプルにおけるPD−L1発現を決定するための診断試験を患者の医師が指示するであろう。しかし、医師は、治療開始後の任意の時点(例えば、治療サイクルの完了の後)で最初または後続の診断試験を指示しうると予想される。

0092

本発明の組合せ療法のための投与計画(本明細書においては投与レジメとも称される)の選択は、物質の血清または組織代謝回転速度、症状の程度、物質の免疫原性、および治療される個体における標的細胞、組織または器官の接近可能性を含む幾つかの要因に左右される。好ましくは、投与計画は、許容可能なレベルの副作用調和して患者に運搬される各治療用物質の量を最大にする。したがって、組合せにおける各生物療法剤および化学療法剤の用量および投与頻度は、部分的には、個々の治療用物質、治療される癌の重症度、および患者の特性に左右される。抗体、サイトカインおよび小分子の適当な用量を選択する際の指針が入手可能である。例えば、Wawrzynczak(1996)Antibody Therapy,Bios Scientific Pub.Ltd,Oxfordshire,UK;Kresina(編)(1991)Monoclonal Antibodies,Cytokines and Arthritis,Marcel Dekker,New York,NY;Bach(編)(1993)Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases,Marcel Dekker,New York,NY;Baertら(2003)New Engl.J.Med.348:601−608;Milgromら(1999)New Engl.J.Med.341:1966−1973;Slamonら(2001)New Engl.J.Med.344:783−792;Beniaminovitzら(2000)New Engl.J.Med.342:613−619;Ghoshら(2003)New Engl.J.Med.348:24−32;Lipskyら(2000)New Engl.J.Med.343:1594−1602;Physicians’Desk Reference 2003(Physicians’Desk Reference,57th Ed);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;第57版(2002年11月)を参照されたい。適当な投与計画の決定は、例えば、治療に影響を及ぼすことが当技術分野で知られている若しくは疑われている又は治療に影響を及ぼすと予想されるパラメータまたは因子を用いて臨床家によりなされることが可能であり、例えば、患者の臨床履歴(例えば、過去の治療)、治療される癌のタイプおよび病期、ならびに組合せ療法における治療用物質の1以上に対する応答のバイオマーカーに左右されるであろう。

0093

本発明の組合せ療法における生物療法剤は、連続的注入により、または例えば、毎日、隔日、週3回、または毎週、2週間、3週間、毎月、隔月などの間隔での投与により投与されうる。毎週の全用量は、一般に、少なくとも0.05μg/kg、0.2μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、10μg/kg、100μg/kg、0.2mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、10mg/kg、25mg/kg、50mg/kg体重以上である。例えば、Yangら(2003)New Engl.J.Med.349:427−434;Heroldら(2002)New Engl.J.Med.346:1692−1698;Liuら(1999)J.Neurol.Neurosurg.Psych.67:451−456;Portieljiら(20003)Cancer Immunol.Immunother.52:133−144を参照されたい。

0094

組合せ療法におけるPD−1アンタゴニストとして抗ヒトPD−1 mAbを使用する幾つかの実施形態においては、投与計画は、治療経過の全体にわたって約14日(±2日)または約21日(±2日)または約30日(±2日)の間隔で1、2、3、5または10mg/kgの用量で抗ヒトPD−1 mAbを投与することを含むであろう。

0095

組合せ療法におけるPD−1アンタゴニストとして抗ヒトPD−1 mAbを使用する他の実施形態においては、投与計画は、約0.005mg/kg〜約10mg/kgの用量で、患者内用量増加を伴って、抗ヒトPD−1 mAbを投与することを含むであろう。他の増加用量実施形態においては、投与間隔は次第に短縮され、例えば、第1投与と第2投与の間で約30日(±2日)、第2投与と第3投与との間で約14日(±2日)となるであろう。ある実施形態においては、投与間隔は第2投与の後の投与に関しては約14日(±2日)であろう。

0096

ある実施形態においては、対象は、本明細書に記載されている任意のPD−1アンタゴニストを含む医薬の静脈内(IV)注入の投与を受けるであろう。

0097

本発明の1つの好ましい実施形態においては、組合せ療法におけるPD−1アンタゴニストはニボルマブ(nivolumab)であり、これは、1mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg Q2W、1mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3Wおよび10mg Q3Wからなる群から選択される用量で静脈内投与される。

0098

本発明のもう1つの好ましい実施形態においては、組合せ療法におけるPD−1アンタゴニストはMK−3475であり、これは、1mg/kg Q2W、2mg/kg Q2W、3mg/kg Q2W、5mg/kg Q2W、10mg Q2W、1mg/kg Q3W、2mg/kg Q3W、3mg/kg Q3W、5mg/kg Q3Wおよび10mg Q3Wからなる群から選択される用量で液体医薬中で投与される。幾つかの特に好ましい実施形態においては、MK−3475は、25mg/ml MK−3475、7%(w/v)スクロース、0.02%(w/v)ポリソルベート80を10mMヒスチジンバッファー(pH5.5)中に含む液体医薬として投与され、医薬の選択された用量は30分にわたってIV注入により投与される。ジナシクリブと組合されたMK−3475の最適用量は、ジナシクリブに関して選択された投与頻度に合致した投与頻度での2mg/kgから開始し10mg/kgまで進める用量増加により特定されうる。

0099

幾つかの実施形態においては、ジナシクリブ化合物を含む液体医薬を、28日周期の第1日、第8日および第15日のそれぞれの1時間〜24時間の期間にわたって、1〜100mg/m2の用量で治療される個体内に注入する。幾つかの実施形態においては、IV注入のための期間は2時間、8時間または25時間である。他の実施形態においては、ジナシクリブ医薬は、21日に1回、50mg/m2の用量で2時間の注入により投与される。癌がCLLである幾つかの実施形態においては、ジナシクリブ医薬に関する投与計画は少なくとも2つの28日周期を含み、第1周期においては、ジナシクリブは第1日、第8日および第15日にそれぞれ7mg/m2、10mg/m2および14mg/m2の用量で2時間の注入にわたって投与され、第2周期および任意の後続周期においては、ジナシクリブは第1日、第8日および第15日に14mg/m2の用量で2時間の注入にわたって投与される。癌がヘム悪性または固形腫瘍である幾つかの実施形態においては、ジナシクリブは2または3週間に1回投与され、達成される用量は50mg/m2までを含む。幾つかの実施形態においては、ジナシクリブの50mg/m2までの最高定常状態用量は、約14日または21日により隔てられた2時間の注入における用量増加により達成される。

0100

本発明はまた、前記のPD−1アンタゴニストと医薬上許容される賦形剤とを含む医薬を提供する。PD−1アンタゴニストが生物療法剤、例えばmAbである場合、アンタゴニストは、通常の細胞培養および回収/精製技術を用いてCHO細胞内で製造されうる。

0101

幾つかの実施形態においては、PD−1アンタゴニストとして抗PD−1抗体を含む医薬は液体製剤として提供されることが可能であり、あるいは使用前に注射用無菌水で凍結乾燥粉末再構成することにより調製されうる。WO2012/135408は、本発明における使用に適したMK−3475を含む液体および凍結乾燥医薬の製剤を記載している。幾つかの好ましい実施形態においては、MK−3475を含む医薬は、約50mgのMK−3475を含有するガラスバイアル中で提供される。

0102

本発明はまた、ジナシクリブ化合物と医薬上許容される賦形剤とを含む医薬を提供する。ジナシクリブ化合物は、米国特許第7,119,200号に記載されているとおりに製造可能であり、WO2009/038701に記載されているとおりにIV注入用の水性医薬として製剤化されうる。幾つかの好ましい実施形態においては、ジナシクリブはpH3.0〜4.2の無菌水性クエン酸緩衝溶液中で5mg/mLで製剤化される。この医薬は、冷凍条件(2℃〜8℃)で貯蔵され遮光された場合に安定である。ついで無菌緩衝化ジナシクリブ溶液は、IV投与用の種々の用量を調製するために0.9%塩化ナトリウム注射液(250mL)米国薬局方(USP,重量/重量)で希釈され、これは、制御された室温(20℃〜25℃、すなわち、68°F〜77°F)で貯蔵された場合に24時間以内に投与されるべきである。

0103

本明細書に記載されている抗PD−1およびジナシクリブ医薬は、第1容器および第2容器およびパッケージインサートを含むキットとして提供されうる。第1容器は、抗PD−1アンタゴニストを含む医薬の少なくとも1用量を含有し、第2容器は、ジナシクリブ化合物を含む医薬の少なくとも1用量を含有し、パッケージインサートまたはラベルは、医薬を使用して癌に対して患者を治療するための指示書を含む。第1容器および第2容器は同じまたは異なる形状(例えば、バイアルシリンジおよびボトル)および/または材質(例えば、プラスチックまたはガラス)から構成されうる。キットは更に、医薬の投与において有用でありうる他の物質、例えば希釈剤、フィルターIVバッグおよびライン、針ならびにシリンジを含みうる。キットの幾つかの好ましい実施形態においては、抗PD−1アンタゴニストは抗PD−1抗体であり、指示書は、医薬が、IHCアッセイによりPD−L1発現に関して陽性試験結果を示す癌を有する患者の治療における使用を意図したものであることを示している。

0104

以下に列挙する典型的な特定の実施形態を含む本発明のこれらの及び他の態様は、本明細書に含まれる教示から明らかであろう。

0105

本発明の典型的な特定の実施形態
1.PD−1アンタゴニストとジナシクリブ(dinaciclib)化合物とを含む組合せ療法を個体に投与することを含む、個体における癌の治療方法であって、ジナシクリブ化合物が式I

0106

の化合物または式Iの化合物の医薬上許容される塩である、方法。

0107

2.個体において癌を治療するための、ジナシクリブ化合物と組合せて使用されるPD−1アンタゴニストを含む医薬。

0108

3.個体において癌を治療するための、PD−1アンタゴニストと組合せて使用されるジナシクリブ化合物を含む医薬。

0109

4.医薬上許容される賦形剤を更に含む、実施形態3または4記載の医薬。

0110

5.ジナシクリブ化合物と組合せて投与される場合の、個体において癌を治療するための医薬の製造におけるPD−1アンタゴニストの使用。

0111

6.PD−1アンタゴニストと組合せて投与される場合の、個体において癌を治療するための医薬の製造におけるジナシクリブ化合物の使用。

0112

7.個体において癌を治療するための医薬の製造におけるPD−1アンタゴニストおよびジナシクリブ化合物の使用。

0113

8.第1容器、第2容器およびパッケージインサートを含むキットであって、第1容器が、抗PD−1アンタゴニストを含む医薬の少なくとも1用量を含み、第2容器が、ジナシクリブ化合物を含む医薬の少なくとも1用量を含み、パッケージインサートが医薬を使用して癌に対して個体を治療するための指示書を含む、キット。

0114

9.指示書が、医薬が、免疫組織化学(IHC)アッセイによりPD−L1発現に関して陽性試験結果を示す癌を有する個体の治療における使用を意図したものであることを示している、実施形態8記載のキット。

0115

10.個体がヒトであり、PD−1アンタゴニストが、ヒトPD−L1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントである、実施形態1〜9のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0116

11.PD−1アンタゴニストがMPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736、MSB0010718C、ならびにWO2013/019906のそれぞれ配列番号24および配列番号21の重鎖および軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体である、実施形態9記載の方法、医薬、使用またはキット。

0117

12.個体がヒトであり、PD−1アンタゴニストが、ヒトPD−1に特異的に結合しヒトPD−1へのヒトPD−L1の結合を遮断するモノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントである、実施形態1〜9のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0118

13.PD−1アンタゴニストがヒトPD−1へのヒトPD−L2の結合をも遮断する、実施形態12記載の方法、医薬、使用またはキット。

0119

14.モノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントが、(a)配列番号1、2および3の軽鎖CDRならびに配列番号4、5および6の重鎖CDR、または(b)配列番号7、8および9の軽鎖CDRならびに配列番号10、11および12の重鎖CDRを含む、実施形態13記載の方法、医薬、使用またはキット。

0120

15.モノクローナル抗体またはその抗原結合性フラグメントが、配列番号7、8および9の軽鎖CDRならびに配列番号10、11および12の重鎖CDRを含む、実施形態13記載の方法、医薬、使用またはキット。

0121

16.PD−1アンタゴニストが、重鎖および軽鎖を含む抗PD−1モノクローナル抗体であり、重鎖が配列番号21を含み、軽鎖が配列番号22を含む、実施形態13記載の方法、医薬、使用またはキット。

0122

17.PD−1アンタゴニストが、重鎖および軽鎖を含む抗PD−1モノクローナル抗体であり、重鎖が配列番号23を含み、軽鎖が配列番号24を含む、実施形態13記載の方法、医薬、使用またはキット。

0123

18.癌が固形腫瘍である、実施形態10〜17のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0124

19.癌が膀胱癌、乳癌、明細胞腎癌、頭/頸部扁平上皮癌、肺扁平上皮癌、悪性黒色腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎細胞癌、小細胞肺癌(SCLC)または三重陰性乳癌である、実施形態10〜17のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0125

20.癌がイピリムマブ(ipilimumab)ナイーブ進行性黒色腫であり、他の好ましい実施形態において、ヒトがイピリムマブ難治性進行性黒色腫を有する、実施形態10〜17のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0126

21.癌がヘム(Heme)悪性疾患である、実施形態10〜17のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0127

22.癌が、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫(HL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄性細胞白血病−1タンパク質(Mcl−1)、骨髄異形成症候群(MDS)、非ホジキンリンパ腫(NHL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)である、実施形態10〜17のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0128

23.癌が慢性リンパ球性白血病(CLL)である、実施形態10〜17のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0129

24.癌がヒトPD−L1を発現する、実施形態10〜23のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0130

25.ヒトPD−L1の発現が上昇している、実施形態25記載の方法、医薬、使用またはキット。

0131

26.ヒトPD−L1の発現が、軽鎖可変領域(LCVR)と重鎖可変領域(HCVR)とを含む診断用抗hPD−L1 mAbを使用して検出され、LCVRが配列番号28を含み、HCVRが配列番号29を含む、実施形態24または25記載の方法、医薬、使用またはキット。

0132

27.PD−1アンタゴニストがMK−3475またはニボルマブであり、ジナシクリブ化合物が式Iの化合物である、実施形態16記載の方法、医薬、使用またはキット。

0133

28.MK−3475が、25mg/ml MK−3475、7%(w/v)スクロース、0.02%(w/v)ポリソルベート80を10mMヒスチジンバッファー(pH5.5)中に含む液体医薬として製剤化され、ジナシクリブ化合物が、5mg/mLの式Iの化合物をpH3.0〜4.2の無菌水性クエン酸緩衝溶液中に含む液体医薬として製剤化される、実施形態27記載の方法、医薬、使用またはキット。

0134

29.癌がCLLである、実施形態27または28記載の方法、医薬、使用またはキット。

0135

30.ヒトPD−L1の発現が、軽鎖可変領域(LCVR)と重鎖可変領域(HCVR)とを含む診断用抗hPD−L1 mAbを使用して検出され、LCVRが配列番号28を含み、HCVRが配列番号29を含む、実施形態27〜29のいずれか1項記載の方法、医薬、使用またはキット。

0136

一般的方法
分子生物学における標準的な方法は、Sambrook,FritschおよびManiatis(1982 & 1989 2nd Edition,2001 3rd Edition)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning,3rded,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;Wu(1993)Recombinant DNA,Vol.217,Academic Press,San Diego,CA.に記載されている。標準的な方法は、Ausbelら(2001)Current Protocols in Molecular Biology,VoIs.1−4,John Wiley and Sons,Inc.New York,NYにも記載されており、これは、細菌細胞におけるクローニングおよびDNA突然変異誘発(Vol.1)、哺乳類細胞および酵母におけるクローニング(Vol.2)、複合糖質およびタンパク質発現(Vol.3)、ならびにバイオインフォマティクス(Vol.4)を記載している。

0137

免疫沈降クロマトグラフィー電気泳動遠心分離および結晶化を含むタンパク質精製のための方法が記載されている(Coliganら(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York)。化学分析化学修飾翻訳後修飾、融合タンパク質の製造、タンパク質のグリコシル化が記載されている(例えば、Coliganら(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.2,John Wiley and Sons,Inc.,New York;Ausubelら(2001)Current Protocols in Molecular Biology,Vol.3,John Wiley and Sons,Inc.,NY,NY,pp.16.0.5−16.22.17;Sigma−Aldrich,Co.(2001)Products for Life Science Research,St.Louis,MO;pp.45−89;Amersham Pharmacia Biotech(2001)BioDirectory,Piscataway,N.J.,pp.384−391を参照されたい)。ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の製造、精製およびフラグメント化が記載されている(Coliganら(2001)Current Protcols in Immunology,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York;HarlowおよびLane(1999)Using Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;HarlowおよびLane,前掲)。リガンド/受容体相互作用を特徴づけるための標準的な技術が利用可能である(例えば、Coliganら(2001)Current Protcols in Immunology,Vol.4,John Wiley,Inc.,New Yorkを参照されたい)。

0138

モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体およびヒト化抗体は製造可能である(例えば、SheperdおよびDean(編)(2000)Monoclonal Antibodies,Oxford Univ.Press,New York,NY;KontermannおよびDubel(編)(2001)Antibody Engineering,Springer−Verlag,New York;HarlowおよびLane(1988)Antibodies A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,pp.139−243;Carpenterら(2000)J.Immunol.165:6205;Heら(1998)J.Immunol.160:1029;Tangら(1999)J.Biol.Chem.274:27371−27378;Bacaら(1997)J.Biol.Chem.272:10678−10684;Chothiaら(1989)Nature 342:877−883;FooteおよびWinter(1992)J.Mol.Biol.224:487−499;米国特許第6,329,511号を参照されたい)。

0139

ヒト化に代わる手段は、ファージ上で提示されるヒト抗体ライブラリー、またはトランスジェニックマウスにおけるヒト抗体ライブラリーを使用することである(Vaughanら(1996)Nature Biotechnol.14:309−314;Barbas(1995)Nature Medicine 1:837−839;Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146−156;HoogenboomおよびChames(2000)Immunol.Today 21:371−377;Barbasら(2001)Phage Display:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Kayら(1996)Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual,Academic Press,San Diego,CA;de Bruinら(1999)Nature Biotechnol.17:397−399)。

0140

抗原の精製は抗体の製造に必要ではない。関心のある抗原を含有する細胞で動物を免疫化することが可能である。ついで免疫化動物から脾細胞を単離し、脾細胞を骨髄腫細胞系と融合させてハイブリドーマを得ることが可能である(例えば、Meyaardら(1997)Immunity 7:283−290;Wrightら(2000)Immunity 13:233−242;Prestonら,前掲;Kaithamanaら(1999)J.Immunol.163:5157−5164を参照されたい)。

0141

抗体は、例えば小薬物分子、酵素、リポソームポリエチレングリコール(PEG)にコンジュゲート化されうる。抗体は、治療、診断、キットまたは他の目的に有用であり、例えば色素放射性同位体、酵素または金属、例えばコロイド金に結合した抗体を包含する(例えば、Le Doussalら(1991)J.Immunol.146:169−175;Gibelliniら(1998)J.Immunol.160:3891−3898;HsingおよびBishop(1999)J.Immunol.162:2804−2811;Evertsら(2002)J.Immunol.168:883−889を参照されたい)。

0142

蛍光標識細胞分取検出系(FACS)を含むフローサイトメトリーのための方法が利用可能である(例えば、Owensら(1994)Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice,John Wiley and Sons,Hoboken,NJ;Givan(2001)Flow Cytometry,2nd ed.;Wiley−Liss,Hoboken,NJ;Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry,John Wiley and Sons,Hoboken,NJを参照されたい)。例えば診断試薬としての使用のための、核酸プライマーおよびプローブを含む核酸、ポリペプチドおよび抗体を修飾するのに適した蛍光試薬が利用可能である(Molecular Probesy(2003)Catalogue,Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR;Sigma−Aldrich(2003)Catalogue,St.Louis,MO)。

0143

免疫系の標準的な組織学的方法が記載されている(例えば、Muller−Harmelink(編)(1986)Human Thymus:Histopathology and Pathology,Springer Verlag,New York,NY;Hiattら(2000)Color Atlas of Histology,Lippincott,Williams,and Wilkins,Phila,PA;Louisら(2002)Basic Histology:Text and Atlas,McGraw−Hill,New York,NYを参照されたい)。

0144

例えば抗原フラグメントリーダー配列、タンパク質フォールディング機能的ドメイングリコシル化部位および配列アライメントを決定するためのソフトウェアパッケージおよびデータベースが利用可能である(例えば、GenBank,VectorNTI(登録商標)Suite(Informax,Inc,Bethesda,MD);GCG Wisconsin Package(Accelrys,Inc.,San Diego,CA);DeCypher(登録商標)(TimeLogic Corp.,Crystal Bay,Nevada);Menneら(2000)Bioinformatics 16:741−742;Menneら(2000)Bioinformatics Applications Note 16:741−742;Wrenら(2002)Comput.MethodsPrograms Biomed.68:177−181;von Heijne(1983)Eur.J.Biochem.133:17−21;von Heijne(1986)Nucleic Acids Res.14:4683−4690を参照されたい)。

図面の簡単な説明

0145

図1は、本発明において有用な典型的な抗PD−1モノクローナル抗体の軽鎖および重鎖CDRのアミノ酸配列(配列番号1〜6)を示す。
図2は、本発明において有用なもう1つの典型的な抗PD−1モノクローナル抗体の軽鎖および重鎖CDRのアミノ酸配列(配列番号7〜12)を示す。
図3は、本発明において有用な典型的な抗PD−1モノクローナル抗体の重鎖可変領域および完全長重鎖のアミノ酸配列(配列番号13および配列番号14)を示す。
図4は、本発明において有用な典型的な抗PD−1モノクローナル抗体の別の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号15〜17)を示す。
図5は、本発明において有用な典型的な抗PD−1モノクローナル抗体の別の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号18〜20)を示す。
図5は、本発明において有用な典型的な抗PD−1モノクローナル抗体の別の軽鎖のアミノ酸配列(配列番号18〜20)を示す。
図6はMK−3475の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列(それぞれ配列番号21および22)を示す。
図7はニボルマブ(nivolumab)の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列(それぞれ配列番号23および24)を示す。
図8は、PD−1アンタゴニストとジナシクリブとの併用投与の抗腫瘍効果が、担癌マウスにおいて、いずれかの物質のみでの単独療法より優れていることを示しており、図8Aは、対照、マウス抗マウスPD−1 mAb(抗PD1)、ジナシクリブ、または抗PD1とジナシクリブとの両方での処理中の種々の日における平均腫瘍体積を示し、図8Bは、処理の最初の日(左グラフ、第0日)または25日間の処理の後(右グラフ、第25日)における各処理群における個々のマウスの腫瘍体積値を示す。実験の詳細は後記実施例1に記載されている。
図8は、PD−1アンタゴニストとジナシクリブとの併用投与の抗腫瘍効果が、担癌マウスにおいて、いずれかの物質のみでの単独療法より優れていることを示しており、図8Aは、対照、マウス抗マウスPD−1 mAb(抗PD1)、ジナシクリブ、または抗PD1とジナシクリブとの両方での処理中の種々の日における平均腫瘍体積を示し、図8Bは、処理の最初の日(左グラフ、第0日)または25日間の処理の後(右グラフ、第25日)における各処理群における個々のマウスの腫瘍体積値を示す。実験の詳細は後記実施例1に記載されている。

0146

実施例
実施例1.担癌マウスへのPD−1アンタゴニストおよびジナシクリブの共投与の抗腫瘍応答
この実験は、以下の3つのレジメの1つでの処理(治療)に対する担癌マウスの抗腫瘍応答を比較した:マウス抗マウスPD−1モノクローナル抗体(抗PD−1)での単独療法、ジナシクリブでの単独療法、および共投与されるこれらの2つの物質での組合せ療法。

0147

ヒト腫瘍細胞または腫瘍外植片異種移植片として免疫欠損動物において成長しうるが、それらは、機能的免疫系の欠損ゆえに、免疫療法を試験するためには使用され得ない。免疫療法剤または他の物質との免疫療法剤の組合せの有意義な評価のためには、無傷免疫系を有する動物において同系腫瘍が成長する同系モデルを使用することが必要である。MC38はC57BL/6系統と同系のマウス結腸直腸腺癌である。これは、抗PD−1療法後のこの腫瘍の翻訳可能分子プロファイルゆえに、抗PD−1の作用メカニズムを評価するための妥当なモデル系である。

0148

20グラム平均体重を有する8週齢の雌C57BL/6マウスの右下背側脇腹に1×106個の対数期およびサブコンフルエントMC38細胞を移植することにより、この研究のための担癌マウスを準備した。これらのマウスにおける平均腫瘍体積が〜150立方mmに達したら(図8B左パネルにおいて第0日と表示)、担癌マウスを1群12匹の以下の4つの処理群に無作為化した:(1)アイソタイプビヒクル対照群;(2)抗PD1+ビヒクル対照;(3)ジナシクリブ+アイソタイプ対照、および(4)抗PD1+ジナシクリブ。ビヒクル対照は、トラップソール(Trappsol)(Cyclodextrin Technologies Development Inc.,Alachua,FL)を注射等級水中に溶解することにより調製された20%ヒドロキシプロピルβ−d−シクロデキストリンであった。アイソタイプ対照は、アデノウイルスヘキソンに特異的なマウスモノクローナル抗体であり、アイソタイプIgG1のものであった。抗PD1を5サイクルのそれぞれに関して5日ごとに5mg/kg i.p.で、治療群2および4に投与した。ジナシクリブを5サイクルのそれぞれに関して5日ごとに40mg/kgで治療群3および4に投与した。

0149

図8Aおよび8Bに示されている結果により実証されているとおり、PD−1アンタゴニストおよびジナシクリブでの組合せ療法の平均抗腫瘍応答は、単独療法としてのいずれかの物質で観察される抗腫瘍応答より大きかった(p<0.05)。図8Aに示されているとおり、これらの2つの物質の組合せは、抗PD−1で42%CRであった最良単一物質応答と比較して、測定可能な腫瘍が残存しないほどの有意に高い完全な退縮(CR)をもたらした。一元配置ANOVAを使用して研究の終了時の平均腫瘍体積を比較したところ(図8B右パネル)、ジナシクリブ+抗PD1の組合せで処理されたマウスの腫瘍体積は、ジナシクリブのみで処理されたものより有意に小さかった。

0150

種々の処理に対する応答の統計的有意性を、フィッシャー直接ペアワイズ検定を用いて決定した。その結果を以下の表4に示す。

0151

表5は配列表における配列の簡潔な説明を示す。

0152

参考文献
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本明細書中に引用されている全ての参考文献を、各個の刊行物データベースエントリー(例えば、GenBank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願または特許が参照により本明細書に組み入れられると具体的かつ個別に示されている場合と同様に、参照により本明細書に組み入れることとする。参照により組み入れるというこの陳述は、そのような引用が、参照により組み入れるという宣誓陳述の直前直後にない場合であっても、37 C.F.R.§1.57(b)(1)に従い、各個の刊行物、データベースエントリー(例えば、Genbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願または特許[それらのそれぞれは37 C.F.R.§1.57(b)(2)に従い明らかに特定されるものである]に関連づけることを出願人が意図しているものである。参照により組み入れるという宣誓陳述が明細書中に含まれている場合、それは、参照により組み入れるというこの一般的(general)陳述を何ら弱めるものではない。本明細書における参考文献の引用は、参考文献が関連先行技術であると自認するものではなく、また、それは、これらの刊行物または文書の内容または日付に関して何ら自認するものでもない。

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