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課題・解決手段

本発明は、さまざまな幹細胞型(例えば、骨髄由来間葉幹細胞(BM-MSC)および脂肪組織由来間葉幹細胞(AT-MSC))が、その培養基材に依って、上皮マーカー5発現の大きな変化を起こすという発見に関する。本発明は骨髄および脂肪組織間葉幹細胞のような間葉幹細胞の、肺細胞、肺細胞の集団への分化のための方法および組成物、ならびにその必要のある対象において肺異常を軽減または処置する方法を含む。

概要

背景

発明の背景
さまざまなグループによって、骨髄由来細胞修復および再生に寄与する能力記述されている(Krause et al., 2001, Cell 105: 1-9 (非特許文献1); Rojas, et al., 2005, Am J Respir Cell Mol Biol 33(2): 145-52 (非特許文献2); Kotton, et al., 2001, Development 128(24):5181-8 (非特許文献3); Wong et al., 2009, Cytotherapy 11:676-687 (非特許文献4))。興味深いことに、これらの報告は、骨髄造血幹細胞成分(HSC)および間葉間質細胞(MSC)画分による肺上皮への寄与を示している。これらの研究の多くにおいて、骨髄由来細胞による肺上皮への寄与には、肺損傷を要するように思われる(Krause, 2008, Proc Am Thorac Soc 5:323-327 (非特許文献5))。特に興味深いのは、ヒトおよびげっ歯類骨髄MSC様細胞亜集団クララ細胞分泌タンパク質(CCSP)、つまり肺においてクララ細胞に関連しているマーカー発現しうることである(Wong et al., 2009, Cytotherapy 11:676-687 (非特許文献4))。これらの研究者はまた、CCSPノックアウトマウスへのマウスCCSP+骨髄細胞尾静脈投与によって、肺損傷後の宿主肺におけるCCSP+細胞の取り込みが起きることも示した。

骨髄および脂肪組織由来の間葉間質細胞は、免疫調節役割を有することも示されている(DelaRosa, et al., 2012, Stem Cells and Development 21: 1333-1343 (非特許文献6); Rasmusson et al., 2003, Transplantation 76: 1208-1213 (非特許文献7))。これらには、MSCが動物モデルインビボ送達される場合に、T細胞の活性化の欠如、および活性化されたリンパ球の低減が含まれる(Rasmusson et al., 2003, Transplantation 76: 1208-1213 (非特許文献7))。さらに、MSCは、肺において抗炎症性の役割を有することも実証された傍分泌シグナルを産生する(Lee et al., 2011, Stem Cells 29:913-919 (非特許文献8); Ortiz et al., 2003, PNAS 100:8408-8411 (非特許文献9))。治療的観点から、肺上皮への直接的寄与を介しまたは間接的な傍分泌免疫調節機構を通し、肺疾患の潜在的処置においてMSCを用いることを支持する証拠は、とても興味深い。

過去の研究では、生物工学によって作られたラット肺の再生のために新生仔げっ歯類細胞を利用していた(Petersen et al., 2010, Science 329:538-541 (非特許文献10))。これらの実験から、ドナー細胞解剖学的に正確な場所に向かわせる手段として脱細胞化された肺を用いることの実現可能性、および細胞が再配置された器官の、一時的ではあるが、結果的に得られる機能性が実証された。脱細胞化されたマウス肺へ配されたマウス骨髄由来MSCを用いた、最近の報告も記述されている(Daly et al, 2012, Tissue Eng Part A 18: 1-16 (非特許文献11))。この研究は、肺上皮の運命をとるように播種されたマウスMSCによる意義ある寄与を示すことができなかった。霊長類由来MSCおよび肺足場を用いた別の研究でも、脱細胞化された霊長類肺上に配置後、肺上皮の運命へのMSCの転換は見られなかった(Bonvillain et al., 2012, Tissue Eng Part A 18(23-24):2437-52 (非特許文献12))。

したがって、間葉間質細胞の上皮細胞分化のための組成物および方法に対する必要性が当技術分野において存在している。本発明は、当技術分野における満たされていないこの要求に応える。

概要

本発明は、さまざまな幹細胞型(例えば、骨髄由来間葉幹細胞(BM-MSC)および脂肪組織由来間葉幹細胞(AT-MSC))が、その培養基材に依って、肺上皮マーカー5発現の大きな変化を起こすという発見に関する。本発明は骨髄および脂肪組織間葉幹細胞のような間葉幹細胞の、肺細胞、肺細胞の集団への分化のための方法および組成物、ならびにその必要のある対象において肺異常を軽減または処置する方法を含む。

目的

専門化した器官組織構造、または実質は、器官に関連した特殊な機能を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

間葉幹細胞(MSC)を肺細胞分化させる方法であって、基材上にMSCを播種する工程; ならびにレチノイン酸およびヒト上皮成長因子の少なくとも1つを含む成長培地へMSC播種された基材を曝露させ、それによって少なくとも1つの上皮マーカー発現する肺細胞へMSCを分化させる工程を含む、該方法。

請求項2

MSCが、骨髄由来MSC (BM-MSC)および脂肪組織由来MSC (AT-MSC)からなる群より選択される、請求項1記載の方法。

請求項3

肺細胞がII型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴を示す、請求項1記載の方法。

請求項4

II型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴が、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの上皮マーカーの発現である、請求項3記載の方法。

請求項5

肺細胞がクララ細胞の少なくとも1つの特徴を示す、請求項1記載の方法。

請求項6

クララ細胞の少なくとも1つの特徴が、クララ細胞分泌タンパク質(CCSP)の発現である、請求項5記載の方法。

請求項7

基材が脱細胞化された肺組織である、請求項1記載の方法。

請求項8

基材が、細胞外マトリックスを含むコーティングである、請求項1記載の方法。

請求項9

細胞外マトリックスが、ヒトECM、ラミニンフィブロネクチンコラーゲンIV、およびコラーゲンIの1つまたは複数を含む、請求項8記載の方法。

請求項10

肺上皮細胞がCCSP、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの上皮マーカーを発現する、間葉幹細胞(MSC)から分化された肺上皮細胞の集団

請求項11

MSCが、骨髄由来MSC (BM-MSC)および脂肪組織由来MSC (AT-MSC)からなる群より選択される、請求項10記載の肺細胞の集団。

請求項12

肺上皮細胞が、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞およびクララ細胞からなる群より選択される、請求項10記載の肺細胞の集団。

請求項13

肺上皮細胞が基材上に播種される、請求項10記載の肺細胞の集団。

請求項14

基材が脱細胞化された肺組織である、請求項13記載の肺細胞の集団。

請求項15

基材が、細胞外マトリックスを含むコーティングである、請求項13記載の肺細胞の集団。

請求項16

細胞外マトリックスが、ヒトECM、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲンIV、およびコラーゲンIの1つまたは複数を含む、請求項15記載の肺細胞の集団。

請求項17

遺伝子改変細胞を含む、請求項10記載の肺細胞の集団。

請求項18

遺伝子改変細胞が、治療用遺伝子を発現するように遺伝子改変された肺上皮細胞である、請求項17記載の肺細胞の集団。

請求項19

哺乳動物において異常を軽減または処置する方法であって、間葉幹細胞(MSC)から分化された肺上皮細胞の集団の治療的有効量を哺乳動物に投与する工程を含み、ここで肺上皮細胞が、CCSP、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの上皮マーカーを発現する、該方法。

請求項20

肺細胞への間葉幹細胞(MSC)の分化を調節する方法であって、基材上でMSCを培養し、それによって肺細胞へMSCを分化させる工程を含む、該方法。

請求項21

MSCが骨髄由来MSC (BM-MSC)である場合、MSCが、II型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴を示す細胞へ分化する、請求項20記載の方法。

請求項22

II型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴が、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの発現である、請求項21記載の方法。

請求項23

MSCが脂肪組織由来MSC (AT-MSC)である場合、MSCが、クララ細胞の少なくとも1つの特徴を示す細胞へ分化する、請求項20記載の方法。

請求項24

クララ細胞の少なくとも1つの特徴が、クララ細胞分泌タンパク質(CCSP)の発現である、請求項23記載の方法。

請求項25

基材上でMSCを培養し、それによって肺細胞へMSCを分化させる工程を含む、肺細胞へ間葉幹細胞(MSC)を分化させる方法により産生された肺細胞の集団。

請求項26

MSCが、骨髄由来MSC (BM-MSC)および脂肪組織由来MSC (AT-MSC)からなる群より選択される、請求項25記載の肺細胞の集団。

請求項27

治療用遺伝子を発現するように遺伝子改変された細胞を含む、請求項25記載の肺細胞の集団。

請求項28

肺細胞へ間葉幹細胞(MSC)を分化させる方法により産生された肺細胞の集団の治療的有効量を哺乳動物に投与する工程を含み、ここで分化させる方法は、基材上でMSCを培養しそれによって肺細胞へMSCを分化させることを含む、哺乳動物において肺異常を軽減または処置する方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、参照により全体が本明細書に組み入れられる、2013年8月16日付で出願された米国特許仮出願第61/866,570号の、米国特許法第119条(e)の下での、優先権を受ける権利がある。

0002

連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、国立衛生研究所によって拠出された第GM086287号、第HL111016号および第HL098220号の政府援助を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。

背景技術

0003

発明の背景
さまざまなグループによって、骨髄由来細胞修復および再生に寄与する能力記述されている(Krause et al., 2001, Cell 105: 1-9 (非特許文献1); Rojas, et al., 2005, Am J Respir Cell Mol Biol 33(2): 145-52 (非特許文献2); Kotton, et al., 2001, Development 128(24):5181-8 (非特許文献3); Wong et al., 2009, Cytotherapy 11:676-687 (非特許文献4))。興味深いことに、これらの報告は、骨髄造血幹細胞成分(HSC)および間葉間質細胞(MSC)画分による肺上皮への寄与を示している。これらの研究の多くにおいて、骨髄由来細胞による肺上皮への寄与には、肺損傷を要するように思われる(Krause, 2008, Proc Am Thorac Soc 5:323-327 (非特許文献5))。特に興味深いのは、ヒトおよびげっ歯類骨髄MSC様細胞亜集団クララ細胞分泌タンパク質(CCSP)、つまり肺においてクララ細胞に関連しているマーカー発現しうることである(Wong et al., 2009, Cytotherapy 11:676-687 (非特許文献4))。これらの研究者はまた、CCSPノックアウトマウスへのマウスCCSP+骨髄細胞尾静脈投与によって、肺損傷後の宿主肺におけるCCSP+細胞の取り込みが起きることも示した。

0004

骨髄および脂肪組織由来の間葉間質細胞は、免疫調節役割を有することも示されている(DelaRosa, et al., 2012, Stem Cells and Development 21: 1333-1343 (非特許文献6); Rasmusson et al., 2003, Transplantation 76: 1208-1213 (非特許文献7))。これらには、MSCが動物モデルインビボ送達される場合に、T細胞の活性化の欠如、および活性化されたリンパ球の低減が含まれる(Rasmusson et al., 2003, Transplantation 76: 1208-1213 (非特許文献7))。さらに、MSCは、肺において抗炎症性の役割を有することも実証された傍分泌シグナルを産生する(Lee et al., 2011, Stem Cells 29:913-919 (非特許文献8); Ortiz et al., 2003, PNAS 100:8408-8411 (非特許文献9))。治療的観点から、肺上皮への直接的寄与を介しまたは間接的な傍分泌免疫調節機構を通し、肺疾患の潜在的処置においてMSCを用いることを支持する証拠は、とても興味深い。

0005

過去の研究では、生物工学によって作られたラット肺の再生のために新生仔げっ歯類細胞を利用していた(Petersen et al., 2010, Science 329:538-541 (非特許文献10))。これらの実験から、ドナー細胞解剖学的に正確な場所に向かわせる手段として脱細胞化された肺を用いることの実現可能性、および細胞が再配置された器官の、一時的ではあるが、結果的に得られる機能性が実証された。脱細胞化されたマウス肺へ配されたマウス骨髄由来MSCを用いた、最近の報告も記述されている(Daly et al, 2012, Tissue Eng Part A 18: 1-16 (非特許文献11))。この研究は、肺上皮の運命をとるように播種されたマウスMSCによる意義ある寄与を示すことができなかった。霊長類由来MSCおよび肺足場を用いた別の研究でも、脱細胞化された霊長類肺上に配置後、肺上皮の運命へのMSCの転換は見られなかった(Bonvillain et al., 2012, Tissue Eng Part A 18(23-24):2437-52 (非特許文献12))。

0006

したがって、間葉間質細胞の上皮細胞分化のための組成物および方法に対する必要性が当技術分野において存在している。本発明は、当技術分野における満たされていないこの要求に応える。

0007

下記のように、本発明は骨髄および脂肪組織間葉幹細胞のような間葉幹細胞の、肺細胞、肺細胞の集団への分化のための方法および組成物、ならびに必要性のある対象において肺異常を軽減または処置する方法を含む。

0008

本発明の1つの局面は、間葉幹細胞(MSC)を肺細胞へ分化させる方法であって、基材上にMSCを播種する工程; ならびにレチノイン酸およびヒト上皮成長因子の少なくとも1つを含む成長培地へMSC播種された基材を曝露させ、それによって少なくとも1つの上皮マーカーを発現する肺細胞へMSCを分化させる工程を含む、前記方法を含む。

0009

別の局面は、肺細胞への間葉幹細胞(MSC)の分化を調節する方法であって、基材上でMSCを培養し、それによって肺細胞へMSCを分化させる工程を含む、前記方法を含む。

0010

さらに別の局面は、肺上皮細胞が、CCSP、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの上皮マーカーを発現する、間葉幹細胞(MSC)から分化された肺上皮細胞の集団を含む。

0011

さらに別の局面は、基材上でMSCを培養し、それによって肺細胞へMSCを分化させる工程を含む、肺細胞へ間葉幹細胞(MSC)を分化させる方法により作出された肺細胞の集団を含む。

0012

上記の局面または本明細書において記述される本発明の任意の他の局面のさまざまな態様において、MSCは、骨髄由来MSC (BM-MSC)および脂肪組織由来MSC (AT-MSC)からなる群より選択される。1つの態様において、肺細胞はII型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴を示す。別の態様において、II型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴は、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの上皮マーカーの発現である。さらに別の態様において、肺細胞はクララ細胞の少なくとも1つの特徴を示す。さらに別の態様において、クララ細胞の少なくとも1つの特徴は、クララ細胞分泌タンパク質(CCSP)の発現である。

0013

1つの態様において、肺上皮細胞は基材上に播種される。別の態様において、基材は脱細胞化された肺組織である。さらに別の態様において、基材は、細胞外マトリックスを含むコーティングである。さらに別の態様において、細胞外マトリックスは、ヒトECM、ラミニンフィブロネクチンコラーゲンIV、およびコラーゲンIの1つまたは複数を含む。

0014

1つの態様において、MSCは、骨髄由来MSC (BM-MSC)および脂肪組織由来MSC (AT-MSC)からなる群より選択される。別の態様において、肺上皮細胞は、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞およびクララ細胞からなる群より選択される。

0015

別の態様において、MSCは骨髄由来MSC (BM-MSC)であり、MSCは、II型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴を示す細胞へ分化する。さらに別の態様において、II型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの特徴は、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの発現である。

0016

別の態様において、MSCは脂肪組織由来MSC (AT-MSC)であり、MSCは、クララ細胞の少なくとも1つの特徴を示す細胞へ分化する。さらに別の態様において、クララ細胞の少なくとも1つの特徴は、クララ細胞分泌タンパク質(CCSP)の発現である。

0017

1つの態様において、肺細胞の集団は遺伝子改変細胞を含む。別の態様において、細胞は、治療用遺伝子を発現するように遺伝子改変される。さらに別の態様において、遺伝子改変細胞は、治療用遺伝子を発現するように遺伝子改変された肺上皮細胞である。

0018

別の局面は、哺乳動物において肺異常を軽減または処置する方法であって、間葉幹細胞(MSC)から分化された肺上皮細胞の集団の治療的有効量を哺乳動物に投与する工程を含み、ここで肺上皮細胞が、CCSP、プロSPCおよびサイトケラチン-5からなる群より選択される少なくとも1つの上皮マーカーを発現する、前記方法を含む。

0019

さらに別の局面は、肺細胞へ間葉幹細胞(MSC)を分化させる方法により産生された肺細胞の集団の治療的有効量を哺乳動物に投与する工程を含み、ここで分化させる方法は、基材上でMSCを培養し、それによって肺細胞へMSCを分化させることを含む、哺乳動物において肺異常を軽減または処置する方法を含む。

図面の簡単な説明

0020

本発明の好ましい態様の以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読むことによってより良く理解されよう。本発明を説明するために、図中、好ましい態様が示されている。しかしながら、本発明は、図示する態様の正確な構成および手段に限定されないことが理解されるべきである。

0021

図1A〜図1Fを含む図1:接着性の、継代数2のhBM-MSCおよびhAT-MSCサンプルのFACS分析の結果を描いており、これによって細胞が間葉間質細胞マーカーおよび上皮マーカーを発現することが示唆される。(図1A)継代数2のhBM-MSCの形態。(図1B) CD90、CD105およびCD73を含むMSCマーカーについてhBM-MSCが陽性であり、それらはCD45陰性である。(図1C) hBM-MSCの亜集団は上皮マーカー・プロSPC、CCSPおよびサイトケラチン-5を発現する。(図1D)継代数2のhAT-MSCの形態。(図1E) hAT-MSCのFACS分析から、これらの細胞がまた、CD90、CD105およびCD73を含むMSCマーカーについて陽性であり、それらはCD45陰性であることが確認される。(図1F) hAT-MSCはまた、プロSPC、CCSPおよびサイトケラチン5について陽性である細胞の集団を含む。アイソタイプ対照および実験サンプルを示す。
図2A〜図2Fを含む図2: hBM-MSCを播種した肺バイオリアクタ培養物について調べている実験の結果を描く。(図2A, 2B)DAPI染色を用いて、天然肺での核(図2A)および脱細胞化された肺での無核(図B)を明らかにする。(図2C) hBM-MSCを播種し、SAGM中で7日間培養した肺のH&E組織切片。(図2D)プロSPCの免疫染色により、2型肺細胞マーカーについて陽性である多数の細胞が示される。(図2E, 2F) 免疫染色によればクララ細胞マーカーCCSPについて陽性である細胞は存在していなかった(図2E)が、サイトケラチン-5陽性である細胞がわずかに存在していた(図2F)。(図2G, 2H) hBM-MSC由来細胞を2型肺細胞として積極的に特定するための付加的な方法として、TEM分析を行った。天然2型細胞のTEM分析(図2E) (矢印は層状体を示す;シェブロン記号分泌ベシクルを示す)。(図2F) hBM-MSCを再播種した肺は、ともに2型肺細胞の特徴である、層状体(矢印)および分泌ベシクル(矢じり)の両方を有する細胞を含む。
図3A〜図3Dを含む図3: 肺バイオリアクタ中で培養された場合にヒト脂肪組織間葉間質細胞(hAT-MSC)が、2型肺細胞様の細胞を生じ、気道裏打ちするクララ様細胞を生じることを実証する実験の結果を描く。(図3A) hAT-MSCは、無細胞ラット肺バイオリアクタ内にてSAGM中で7日間の培養後に肺マトリックスを強固に再配置させる。H&E染色から、細胞が気道の裏打ちに生息するための特定の親和性が明らかにされる(矢印)。(図3B)気道を裏打ちする細胞(矢印)は、クララ細胞マーカーCCSPについて陽性である。(図3C)マトリックス上で増殖している細胞はプロSPCについて陽性である。挿入図は、プロSPC陽性細胞の粒状の、細胞質染色を示す。(図3D)脱細胞化されたマトリックス上で増殖された場合にhAT-MSCがサイトケラチン-5発現を維持するという示唆は認められない。
図4A〜図4Gを含む図4: hBM-MSCまたはhAT-MSCのいずれかを播種した3日目および7日目の肺バイオリアクタ培養物のRT-PCR分析を実証する実験の結果を描く。(図4A〜C) hBM-MSCは、肺バイオリアクタ培養において時間の経過に伴ってSPC、アクアポリン-1およびカベオリン-1を含む遠位上皮遺伝子の遺伝子発現レベルを増加させた。(図4D〜F)同様に、hAT-MSCは培養期間が長くなるのに伴って遠位遺伝子の発現を増加させる。肺バイオリアクタ中の細胞の倍変化を全て、組織培養フラスコ中で増殖されたMSCと比較している。(図4G)遺伝子配列増幅させるために用いたプライマー
図5A〜図5Eを含む図5: SAGM中で増殖されたhAT-MSCおよびhBM-MSCがサーファクタント活発に産生することを実証する実験の結果を描く。無細胞ラット肺上に播種されたBM-MSC (図5A)およびhAT-MSC (図5B)のRT-PCR分析から、培養下、継時的にSPC発現が漸進的に増加することが示唆される。肺スライスにおいて7日間SAGM中で培養されたhBM-MSC (図5D)およびhAT-MSC (図5E)は、肺スライスに接した培地中に可視的なサーファクタント液滴を有する。(図5C)培地サンプルのELISAにより、3日目の時点で、5.5 ng/mLのSPCがhAT-MSC肺スライス培養物において存在し、3.3 ng/mlがhBM-MSC培養物において存在することが示唆される。7日目の時点で、SPCの濃度はhAT-MSCの場合1.1 ng/mLおよびhBM-MSCの場合0.26 ng/mLでいっそう低い。SAGM培地のみに対して全てのELISA値を正規化した。バーは標準誤差(S.E.M)を表す。
図6A〜図6Fを含む図6:基材コーティングがhBM-MSCおよびhAT-MSCにおいて上皮マーカーの発現に影響を及ぼすことを実証する一連の画像である。hBM-MSCおよびhAT-MSCをSAGM培地中、さまざまなECMコーティング(ヒトECM、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲンIV、およびコラーゲンI)上で培養した。培養7日後に、hBM-MSC (図6A)およびhAT-MSC (図6B)をFACSによりCCSP、プロSPC、およびサイトケラチン5の発現について分析した。両MSC源とも、さまざまな表面コーティング上で培養された場合に上皮マーカーの発現という点で異なっていた。(図6C, 6D)さまざまな表面コーティング上での培養後のCCSP、SPC、およびサイトケラチン5の発現についてRT-PCR分析を同様に行った。RT-PCRデータはFACS分析とよく一致しており、他の表面コーティング上で増殖されたMSCと比べて、ヒトECM中で増殖されたMSCにおいて最も高いSPC発現が認められることを示唆している。また、これらの実験から明らかなのは、ヒトECM上で増殖されたhBM-MSC (図6E)とhAT-MSC (図6F)との間の細胞形態差異であった。
図7A〜図7Fを含む図7: hBM-MSCを播種され、10% FBS/DMEM中で増殖されたラット肺バイオリアクタ培養物が、線維芽細胞様形態およびタンパク質発現を有する接着細胞を有することを実証する実験の結果を描く。(図7A) 7日間の培養物のH&E組織像から、再細胞化された器官の全体に均一に広がった細胞の存在が実証される。付着した細胞は、大部分は形態が線維芽球様である。(図7B)筋線維芽細胞を検出するために用いられるマーカーであるa-smaに対する免疫蛍光から、細胞の大部分が筋線維芽細胞マーカーについて陽性であることが明らかにされる。(図7C, 7D) 10% FBS/DMEM中または小気道増殖培地(SAGM)中のいずれかで増殖されたhBM-MSCのサイトスピンにおけるCCSP発現の免疫蛍光分析。いずれの条件で培養された細胞でもCCSP発現が維持されている。(図7E, 7F)いずれかの培地中で増殖された細胞におけるa-sma発現に対する免疫蛍光から、細胞がSAGM中で増殖される場合にはa-smaがほとんど見られないことが示される。
図8A〜図8Dを含む図8: hAT-MSCまたはhBM-MSCのいずれかを再播種され、10% FBS/DMEM中で培養された肺スライスには可視的なサーファクタント分泌が存在しないことを実証する実験の結果を描く。10% FBS/DMEM中にて肺スライス上で培養された(図8A) hAT-MSCおよび(図8B) hBM-MSCは、培地中に可視的なサーファクタントを含有していない。(図8C, 8D)対照として、未播種サンプルをまた、培地中のサーファクタントプールについて分析したが、これらはいずれの可視的なサーファクタントも含有していなかった。
組織培養フラスコ上、さまざまなECM基材上で7日間SAGM中にて増殖されたhBM-MSCの一連のFACSプロットである。
組織培養フラスコ上、さまざまなECM基材上で7日間SAGM中にて増殖されたhAT-MSCの一連のFACSプロットである。
図11A〜図11Iを含む図11: 脱細胞化された肝臓マトリックス上で培養されたhBM-MSCが、肺上で培養されたものとは形態学的に異なることを実証する実験の結果を描く。(図11A)脱細胞化された肝臓の全載画像。(図11B)脱細胞化された肝臓のH&E組織像から、マトリックス上に残存している細胞がないことが明らかである。(図11C, 11D)再播種された肝臓スライスを3日間、10% FBS/DMEM (図11C)中またはSAGM (図11D)中で培養した。これらの細胞と、肺に播種された細胞との間の形態比較(図3C)から、細胞形状の大きな差異が示される。10% FBS/DMEM中またはSAGM中のいずれかで増殖された細胞は、CCSPおよびサイトケラチン5について陰性であった(図11E, 11G, 11H, 11J)一方で、プロSPCについて陽性のままの細胞はほとんどなかった(図11F, 11I)。
肺上皮マーカーに対する陰性の染色対照としての全体の、未分画ヒト骨髄細胞を示すグラフパネルである。肺上皮マーカーであるプロSPC、CCSP、およびサイトケラチン-5について未分画ヒト骨髄単核細胞を染色した。陽性のマーカー発現を有する未分画細胞の示唆は認められなかった。右側の陰影のあるピークは、抗体対照なしを示す; 左側のピークは、抗体とともにインキュベートされた細胞を示す。

0022

詳細な説明
本発明は、ヒト骨髄および脂肪組織由来の間葉間質細胞(それぞれhBM-MSCおよびhAT-MSC)が、その培養基材(例えば、脱細胞化された肺組織またはさまざまな表面コーティングを含有する培養プレート)に依って肺上皮マーカー発現の変化を起こすという発見に基づく。

0023

1つの態様において、hBM-MSCは、脱細胞化された肺組織上で培養された場合、脱細胞化された肺マトリックスに付着し、特に末梢肺領域に付着し、2型肺細胞に関連したマーカー(プロSPC)を発現し、層状体を含有し、サーファクタントタンパク質Cを盛んに分泌する。hBM-MSCはまた、サイトケラチン-5が陽性であるが、しかしCCSPのような他の肺関連マーカーが陰性である細胞へ分化する。

0024

1つの態様において、hAT-MSCは、脱細胞化された肺組織上で培養された場合、2型肺細胞様の細胞特徴、およびクララ様の細胞特徴を示した。hBM-MSCとは対照的に、hAT-MSCは、解剖学的に正確な位置で気道を裏打ちするクララ様細胞(例えば、CCSP陽性)を生じる。さらに、hAT-MSCは、hBM-MSCとは対照的に、サイトケラチン-5陽性細胞を生じない。

0025

したがって、本発明は、MSCが肺上皮表現型の方向へ分化する能力は、基材、原発組織および培地に依存するという発見に基づく。

0026

定義
別段の定義がない限り、本明細書において用いられる技術用語および科学用語は全て、一般に、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。一般に、本明細書において用いられる用語体系や、細胞培養分子遺伝学有機化学、ならびに核酸化学およびハイブリダイゼーションにおける実験手順は、当技術分野において周知であり、通常利用されているものである。

0027

詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、1つのまたは2つ以上の(すなわち、少なくとも1つの)、その冠詞の文法上の対象をいうように本明細書において用いられる。例として、「ある要素」とは、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。

0028

「約」という用語は、当業者には理解され、それが用いられる文脈に基づいて、ある程度まで変動するであろう。

0029

成体幹細胞」または「ASC」という用語は、胎児若年、および成体組織を含む、非胚組織から誘導された任意の複能性(multipotent)幹細胞をいうように用いられる。幹細胞は、血液、骨髄、脳、嗅上皮、皮膚、膵臓骨格筋脂肪心筋などを含む、多種多様の成体組織から単離されている。これらの幹細胞の各々は、遺伝子発現因子応答性、および培養における形態に基づいて特徴付けることができる。例示的な成体幹細胞としては、神経幹細胞神経堤幹細胞、間葉幹細胞、造血幹細胞、および幹細胞が挙げられる。上述したように、幹細胞は、事実上あらゆる組織中に存在することが分かった。したがって、本発明は、幹細胞集団を事実上あらゆる動物組織から単離できることを理解している。

0030

本明細書において用いられる場合、「自家」は生物学的材料であって、後にその材料が再導入されることになる個体と同じ個体に由来するものをいう。

0031

本明細書において用いられる場合、「同種異系」は生物学的材料であって、その材料が導入されることになる個体と同じ種の遺伝学的に異なる個体に由来するものをいう。

0032

本明細書において用いられる場合、疾患、異常、障害または状態を「軽減する」ことは、その疾患、異常、障害または状態の1つまたは複数の症状の重症度を低減することを意味する。

0033

本明細書において用いられる場合、「基礎培地」という用語は、アミノ酸ビタミン、塩、および栄養物溶液であって、培養細胞の増殖を支持するのに有効な溶液をいうが、これらの化合物は通常、追加の化合物を補わない限り細胞増殖を支持しないであろう。栄養物は、細胞が代謝できる炭素源(例えば、グルコースなどの糖)、ならびに細胞の生存に必要な他の化合物を含む。これらは、その化合物(例えば、必須アミノ酸)を合成するために必要なタンパク質をコードする遺伝子のうちの1つまたは複数が存在しないために、細胞が自ら合成できない化合物であるか、あるいは、細胞が合成できる化合物に関しては、細胞の特定の発生段階が原因で、必要な生合成タンパク質をコードする遺伝子が十分なレベルでは発現されていない化合物である。ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle Media) (DMEM)、ノックアウト-DMEM (KO-DMEM)、およびDMEM/F12のような、いくつかの基礎培地が哺乳動物細胞培養の分野において知られているものの、実質的に未分化の状態で霊長類胚性幹細胞の増殖を支持する任意の基礎培地を利用することができる。

0034

本明細書で用いられる場合、「生体適合性」は、哺乳動物に埋植された時に、その哺乳動物において有害な応答惹起しない、任意の材料をいう。生体適合性材料は、個体へ導入された場合に、その個体にとって毒性または有害でなく、その哺乳動物におけるその材料の免疫学的拒絶を誘導することもない。

0035

本明細書において用いられる場合、「生体適合性格子」という用語は、組織発達を促す三次元構造の形成を促進できる基材をいうように意図される。したがって、例えば、細胞は、細胞外マトリックス物質合成重合体サイトカイン成長因子などを含むものなどの、このような生体適合性格子上に培養または播種することができる。格子は、組織型の発達を促進するために望ましい形状へ成形することができる。また、少なくとも細胞培養中の初期段階で、培地および/または基材に、適切な組織型および構造の発達を促進する因子(例えば、成長因子、サイトカイン、細胞外マトリックス物質など)を補う。

0036

本明細書において用いられる「生物活性剤」は、以下の1つまたは複数を含むことができる:走化性物質;治療剤(例えば、抗生物質ステロイド系および非ステロイド系の鎮痛薬および抗炎症薬(グリシンのようなある種のアミノ酸を含む)、免疫抑制薬および抗がん薬のような抗拒絶剤); さまざまなタンパク質(例えば、短期ペプチド(short term peptides)、骨形態形成タンパク質、コラーゲン、ヒアルロン酸糖タンパク質、およびリポタンパク質);細胞接着メディエータ;生物学的に活性なリガンド;インテグリン結合性配列; リガンド; さまざまな増殖剤および/または分化剤ならびにその断片(例えば、表皮成長因子(EGF)、肝細胞成長因子(HGF)、脈管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(例えば、bFGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン由来成長因子(例えば、IGF-1、IGF-II)および形質転換成長因子(例えば、TGFβ I〜III)、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、骨形態形成タンパク質(例えば、BMP-2、BMP-4; BMP-6; BMP-7; BMP-12; BMP-13; BMP-14)、ソニックヘッジホッグ(sonic hedgehog)、増殖分化因子(例えば、GDF5、GDF6、GDF8)、組み換えヒト成長因子(例えば、MP52、およびMP-52変種rhGDF-5)、軟骨由来形態形成タンパク質(CDMP-1; CDMP-2、CDMP-3)); 特異的な成長因子の上方制御に影響を与える小分子;テネイシン-C; ヒアルロン酸;硫酸コンドロイチン;フィブロネクチン;デコリン;トロンエラスチン;トロンビン由来ペプチド;ヘパリン結合性ドメイン;ヘパリン;硫酸ヘパラン。適当なエフェクタは同様に、上記の剤のアゴニストおよびアンタゴニストを含む。成長因子は、上記の成長因子の組み合わせを含むこともできる。加えて、成長因子は、血液中血小板によって供給される自家の成長因子とすることができる。この場合、血小板由来の成長因子は、さまざまな成長因子の不確定カクテルであろう。他のそのような物質が整形外科の分野において治療的価値を有するなら、これらの物質の少なくとも一部が本発明において用途を有するものと予想され、そのような物質は、他に明示的に限定されていない限り「生物活性剤(bioactive agent)」および「生物活性剤(bioactive agents)」の意味のなかに含まれるべきである。生物活性剤の好ましい例としては、培地、骨形態形成タンパク質、成長因子、増殖分化因子、組み換えヒト成長因子、軟骨由来形態形成タンパク質、ヒドロゲル重合体、抗生物質、抗炎症薬、免疫抑制薬、自家細胞、同種異系細胞または異種相同(xenologous)細胞、例えば幹細胞、軟骨細胞、線維芽細胞ならびにタンパク質、例えばコラーゲンおよびヒアルロン酸が挙げられる。生物活性剤は、自家、同種異系、異種間(xenogenic)または組み換え型であってよい。

0037

「生物学的に適合した担体」または「生物学的に適合した培地」という用語は、妥当損益比に相応して過剰な毒性、刺激アレルギー反応、または他の合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触させて用いるのに適した試薬、細胞、化合物、材料、組成物、および/または投与製剤をいう。

0038

「細胞」および「細胞の集団」という用語は、互換的に用いられ、複数の細胞、すなわち、2つ以上の細胞をいう。この集団は、1種の細胞型を含む純粋な集団でありうる。あるいは、この集団は、2種以上の細胞型を含みうる。本発明において、細胞集団が含みうる細胞型の数に制限はない。

0039

本明細書において用いられる「細胞培地」という用語は、細胞を培養するのに有用な培地をいう。細胞培地の例は、DMEM/F 12 Ham's、10%ウシ胎仔血清、100 Uペニシリン/ストレプトマイシン100 μg/フンギゾン(Fungizone) 0.25 μgを含む培地である。典型的には、細胞培地は基礎培地、血清および抗生物質/抗真菌薬を含む。しかしながら、細胞を抗生物質/抗真菌薬のない間質細胞培地により培養し、これに少なくとも1つの成長因子を補ってもよい。好ましくは、成長因子はヒト上皮成長因子(hEGF)である。hEGFの好ましい濃度は、約1〜50 ng/mlであり、より好ましくはその濃度は約5 ng/mlである。好ましい基礎培地は、DMEM/F12 (1:1)である。好ましい血清はウシ胎仔血清(FBS)であるが、しかしウマ血清またはヒト血清を含めて他の血清が使われてもよい。好ましくは最大20%までのFBSが、間質細胞の増殖を支持するために、上記培地に加えられよう。しかしながら、細胞増殖のためにFBS中の必要な成長因子、サイトカイン、およびホルモンが特定され、増殖培地中に適切な濃度で提供されるなら、規定培地を用いることができる。さらなる構成要素が培地に加えられてもよいものとさらに認識される。そのような構成要素は、抗生物質、抗真菌薬、アルブミン、成長因子、アミノ酸、および細胞の培養のために当技術分野にとって公知の他の構成要素を含むが、これらに限定されることはない。培地へ添加できる抗生物質は、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むが、これらに限定されることはない。培地中のペニシリンの濃度は、1 mlあたり約10〜約200単位である。培地中のストレプトマイシンの濃度は、約10〜約200 μg/mlである。しかしながら、本発明は、細胞を培養するためのいずれか1つの培地に限定されるものと決して解釈されるべきではない。むしろ、組織培養において細胞を支持できる任意の培地が用いられうる。

0040

本明細書において用いられる「脱細胞化された」または「脱細胞化」という用語は、細胞および組織の内容物が取り除かれて、インタクトな無細胞基礎構造を残した生物学的構造(例えば、器官、または器官の一部)をいう。腎臓のような器官は、さまざまな専門化した組織から構成される。専門化した器官組織構造、または実質は、器官に関連した特殊な機能を提供する。器官の支持線維網が間質である。大部分の器官は、専門化した組織を支持する専門化していない結合組織から構成される間質フレームワークを有する。脱細胞化のプロセスは、専門化した組織を除去し、結合組織の複雑な三次元ネットワークを残す。結合組織の基礎構造は主に、コラーゲンから構成される。脱細胞化された構造は、異なる細胞集団が注入されうる生体適合性基材となる。脱細胞化された生物学的構造は、硬質または半硬質であって、その形状を変化させる能力を持ちうる。本発明において有用な脱細胞化器官の例としては、心臓、肺、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓膀胱尿管および尿道軟骨、骨、脳、脊髄(spine cord)、末梢神経が挙げられるが、これらに限定されることはない。

0041

本明細書において用いられる「脱分化」という用語は、細胞が、専門性の低い状態に戻ることをいう。脱分化後、そのような細胞は、再プログラミング前に可能であったものに比べて、より多くの、または異なる細胞型へと、分化する能力を有するであろう。逆分化(すなわち、脱分化)のプロセスは分化よりも複雑である可能性が高く、より始原的になるように細胞を「再プログラムする」ことが必要である。

0042

「分化した細胞」という用語は、その天然の形態では、その用語が本明細書において定義されるように多能性ではない任意の一次細胞を意味する。別の言い方をすれば、「分化した細胞」という用語は、細胞の分化プロセスにおいてあまり専門化していない細胞型の細胞(例えば、誘導多能性幹細胞のような幹細胞)に由来する、より専門化した細胞型の細胞をいう。理論に制限されることを望むわけではないが、通常の個体発生中の多能性幹細胞は、肺細胞を形成できる内胚葉細胞および他の内胚葉細胞型に最初に分化しうる。内胚葉細胞は、例えば肺、肝臓、腸、胸腺などの、内胚葉由来の他の細胞へ分化することもできる。

0043

分化培地」は、完全には分化していない幹細胞、胎児肺細胞または他のそのような前駆細胞が、その培地中でインキュベートされた時に、分化細胞の特徴の一部または全部を有する細胞へと発生するように添加物を含むまたは添加物を欠く細胞成長培地をいうように本明細書において用いられる。

0044

胚性幹細胞」という用語は、胚盤胞内部細胞塊の多能性幹細胞をいうように用いられる(米国特許第5,843,780号、同第6,200,806号を参照のこと)。そのような細胞は、体細胞核移植由来の胚盤胞の内部細胞塊から同様に得ることができる(例えば、米国特許第5,945,577号、同第5,994,619号、同第6,235,970号を参照のこと)。胚性幹細胞の際立った特徴は、胚性幹細胞表現型を規定する。したがって、細胞は、その細胞が他の細胞と区別されうる胚性幹細胞に特有の特徴の1つまたは複数を保有する場合、胚性幹細胞の表現型を有する。例示となる際立った胚性幹細胞の特徴としては、遺伝子発現プロファイル増殖能分化能核型、特定の培養条件に対する応答性などが挙げられるが、これらに限定されることはない。

0045

本明細書において用いられる場合、「上皮細胞」は、身体の外面を形成し、器官、腔および粘膜表面を裏打ちする細胞を意味する。

0046

本明細書において用いられる場合、「内皮細胞」は、血管およびリンパ管ならびに他のさまざまな体腔を裏打ちする細胞を意味する。

0047

本明細書において用いられる場合、「内因性」は、ある生物、細胞または系に由来する、またはそれらの内部で産生された、任意の材料をいう。

0048

外因性」は、ある生物、細胞、または系に導入された、またはそれらの外で産生された、任意の材料をいう。

0049

「コードする」とは、所定の配列のヌクレオチド(すなわち、rRNAtRNAおよびmRNA)または所定の配列のアミノ酸とその結果生じる生物学的性質とを有する他の重合体および高分子生物学的プロセスにおいて合成するための鋳型として役立つという、遺伝子、cDNA、またはmRNAなどのポリヌクレオチドにおけるヌクレオチドの特異的配列が持つ固有性質をいう。したがって、ある遺伝子に対応するmRNAの転写および翻訳が、細胞内または他の生物学的系内で、あるタンパク質を産生するのであれば、その遺伝子はそのタンパク質をコードしている。コード鎖、つまりmRNA配列と同一のヌクレオチド配列を持ち、配列表に通常記載されるものと、遺伝子またはcDNAの転写のための鋳型として用いられる非コード鎖はどちらも、タンパク質、またはその遺伝子もしくはcDNAの他の産物をコードしているということができる。

0050

本明細書において用いられる「内胚葉細胞」という用語は、ごく初期における3つの一次胚葉層(primary germ cell layer)のうちの1つに由来する細胞をいう(その他の2つの胚葉層は中胚葉および外胚葉である)。内胚葉は3つの層の最内部である。内胚葉細胞は分化して、最初に胚性胃腸を生じ、次に呼吸器管および消化管(例えば腸)の内面、肝臓ならびに膵臓を生じる。

0051

「拡大性(expandability)」は、増殖して、例えば数を拡大するか、細胞の集団の場合であれば、集団倍加を起こすという、細胞の能力をいうように本明細書において用いられる。

0052

本明細書において用いられる場合、「細胞外マトリックス組成物」は、可溶性画分および不溶性画分の両方またはそれらの任意の部分を含む。不溶性画分は、支持体または足場上に沈積される分泌ECMタンパク質および生物学的構成要素を含む。可溶性画分は、細胞が培養されたかつ細胞が活性作用物質を分泌した培地を含み、かつ足場上に沈積されていないそれらのタンパク質および生物学的構成要素を含む。両方の画分が回収されてもよく、任意でさらに加工処理されてもよく、本明細書に記述の種々の用途において別々にまたは一緒に用いられてもよい。

0053

線維症」とは、器官または組織の通常の構成要素としての線維性組織の形成とは対照的な、修復過程または反応過程としての器官または組織における過剰な線維性結合組織の形成または発生である。肺線維症は、肺構造の再構築をもたらす、弾性喪失と、間質性筋線維芽細胞に置換される肺上皮細胞と、肺間質における細胞外マトリックスタンパク質堆積とを特徴とする重症慢性疾患である。

0054

本明細書において用いられる場合、「グラフト(graft)」は、典型的には異常を置き換え矯正し、または他の方法で克服するために個体に埋植される、細胞、組織または器官をいう。グラフトはさらに足場を含んでもよい。組織または器官は、同じ個体から導出される細胞からなることができ、このグラフトを、本明細書においては、以下の交換可能な用語でいう: 「オートグラフト(autograft)」、「自家トランスプラント(autologous transplant)」、「自家インプラント(autologous implant)」および「自家グラフト」。同じ種の遺伝学的に異なる個体に由来する細胞を含むグラフトを、本明細書においては、以下の交換可能な用語でいう: 「アログラフト(allograft)」、「同種異系トランスプラント」、「同種異系インプラント」および「同種異系グラフト」。ある個体の一卵性双生児である兄妹から得られるグラフトを、本明細書においては、「アイソグラフト(isograft)」、「同種同系トランスプラント」、「同種同系インプラント」または「同種同系グラフト」という。「キセノグラフト(xenograft)」、「異種トランスプラント」または「異種インプラント」とは、ある個体から、種が異なる別の個体へのグラフトをいう。

0055

本明細書において用いられる場合、「成長因子産物」という用語は、細胞に対して成長効果増殖効果、分化効果、または栄養効果を有する、タンパク質、ペプチド、マイトジェン、または他の分子をいう。成長因子には、線維芽細胞成長因子(FGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子I (IGF-T)、インスリン様成長因子II (IGF-II)、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、アクチビンA、骨形態形成タンパク質(BMP)、インスリン、成長ホルモンエリスロポエチントロンボポエチンインターロイキン3 (IL-3)、インターロイキン6 (IL-6)、インターロイキン7 (IL-7)、マクロファージコロニー刺激因子、c-kitリガンド/幹細胞因子オステオプロテゲリンリガンド、インスリン、神経成長因子毛様体神経栄養因子、サイトカイン、ケモカインモルフォゲン中和抗体、他のタンパク質、および小分子などが含まれるが、これらに限定されることはない。好ましくは、FGFは、FGF2、FGF7、FGF10、およびその任意の組み合わせから選択される群から選択される。

0056

本明細書において用いられる場合、「成長培地」という用語は、細胞の成長を促進する培養培地をいうように意図される。成長培地は一般に、動物血清を含有するであろう。場合によって、成長培地は動物血清を含有しなくてもよい。

0057

「単離された細胞」は、組織または哺乳動物においてその単離された細胞に天然に付随している他の構成要素および/または細胞から分離された細胞をいう。

0058

「単離された核酸」は、天然の状態でそれに隣接している配列から分離されている核酸セグメントまたは核酸断片、すなわち通常はその断片に近接している配列(すなわち、それが天然に存在するゲノム中でその断片に近接している配列)から取り出されたDNA断片をいう。この用語は、その核酸に天然に付随する他の構成要素、すなわち、細胞内でそれに天然に付随しているRNAもしくはDNAまたはタンパク質から実質的に精製された核酸にも適用される。したがってこの用語には、例えば、ベクターに組み込まれているか、自律的に複製するプラスミドもしくはウイルスに組み込まれているか、または原生生物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれている組み換えDNA、または他の配列から独立して別個の分子(すなわちcDNAまたはPCRもしくは制限酵素消化によって作り出されるゲノム断片もしくはcDNA断片)として存在する組み換えDNAが含まれる。また、追加のポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組み換えDNAも含まれる。

0059

「肺特異的」という用語は、身体の他の組織と比べて肺において優勢に発現される核酸分子またはポリペプチドをいう。好ましい態様において、「肺特異的」核酸分子またはポリペプチドが、身体の他のどの組織よりも5倍高いレベルで発現される。より好ましい態様において、「肺特異的」核酸分子またはポリペプチドが、身体の他のどの組織よりも10倍高いレベルで発現され、より好ましくは、身体の他のどの組織よりも少なくとも15倍、20倍、25倍、50倍または100倍高いレベルで発現される。核酸分子レベルは、ノザンブロットハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーションまたは定量PCRによって測定されうる。ポリペプチドレベルは、ウエスタンブロット分析のような、タンパク質レベルを正確に測定することが知られている任意の方法によって測定されうる。

0060

「肺組織」は、静脈動脈、血管、毛細血管、およびそのような構造体の一部であるかもしくはそれと関連するタイプの細胞を含むが、これらに限定されない、全ての肺組織構造体および関連組織;肺および胸膜組織; および血管平滑筋周皮細胞、ならびに血管内皮系列および/または表現型を含みうるが、これらに限定されることはない。

0061

前駆体細胞」、「前駆細胞」、および「幹細胞」という用語は、当技術分野において互換的に用いられ、本明細書において用いられる場合、無限回にわたり有糸分裂して自分自身を再生するか、所望の細胞型へと分化するであろう子孫細胞を生み出す能力を、潜在的に有する、多能性の、または系列分化拘束されていない(lineage-uncommitted)前駆細胞をいう。多能性幹細胞とは対照的に、系列分化拘束された(lineage-committed)前駆細胞は一般に、表現型が互いに異なる多数の細胞型を生じる能力は持たないと考えられる。その代わりに、前駆細胞は、1つか、場合によっては2つの、系列分化拘束された細胞型を生じる。

0062

「増殖」は、類似する形態の、特に細胞の、複製または増倍をいうように本明細書において用いられる。すなわち、増殖は、より多数の細胞の産生を包含し、例えば、細胞の数を単純に数え上げること、3H-チミジンの細胞への取り込みを測定することなどによって測定することができる。

0063

細胞周期の進行または細胞周期を経る進行」は、細胞が有糸分裂および/または減数分裂に備えるプロセスおよび/または入るプロセスをいうように本明細書において用いられる。細胞周期を経る進行には、G1期、S期、G2期、およびM期を経る進行が含まれる。

0064

本明細書において用いられる場合、「足場」は、細胞の接着と増殖に適した表面を提供する生体適合性材料を含む構造をいう。足場はさらに、機械的安定性および機械的支持も提供しうる。足場は、三次元形状に影響を及ぼすようにまたは三次元形状の境界を定めるように特定の形状または形態をとるか、増殖細胞の集団が呈する形態をとりうる。そのような形状または形態には、薄膜(例えば第3の次元よりも実質的に大きな2つの次元を持つ形態)、リボンひもシート平ら円板円柱、球、三次元無定形の形状などが含まれるが、これらに限定されることはない。

0065

本明細書において用いられる場合、「小気道増殖培地」または「SAGM」という語句は、以下の成分の1つまたは複数を含む増殖培地をいう:
ヒドロコルチゾン、上皮成長因子、エピネフリントランスフェリン、インスリン、レチノイン酸、トリヨードサイロニン、および脂肪酸不含ウシ血清アルブミン

0066

本明細書において用いられる場合、「幹細胞」という語句は、細胞塊を組織または身体において生じさせることに関わる最も初期の再生可能な細胞集団、および、いくぶんかより分化し、それにもかかわらず、分化拘束されておらず、最も初期の再生可能な細胞集団の一部となるために容易に逆戻りできるごく初期の前駆細胞の両方をいう。

0067

本明細書において用いられる場合、「実質的に精製された」細胞は、本質的に他の細胞型を含まない細胞である。したがって、実質的に精製された細胞とは、その天然状態ではそれに通常付随している他の細胞型から精製された細胞をいう。

0068

本明細書において用いられる場合、「対象」および「患者」という用語は、互換的に用いられる。本明細書において用いられる場合、対象は、好ましくは哺乳動物、例えば非霊長類(例えば、ウシブタウマネコイヌ、ラットなど)および霊長類(例えば、サルおよびヒト)、最も好ましくはヒトである。

0069

本明細書において用いられる場合、「処置する」ことは、ある疾患、異常、障害、または有害な状態などの症状を患者が経験する頻度を低減することを意味する。

0070

本明細書において用いられる場合、「治療的有効量」は、組成物が投与される個体に有益な効果を与えるのに十分な本発明の組成物の量である。

0071

本明細書において用いられる場合、「組織工学」とは、組織置換(tissue replacement)または組織再建に用いるためにエクスビボで組織を生成させるプロセスをいう。組織工学は「再生医学」の一例であり、これは、細胞、遺伝子または他の生物学的構成単位の組み込みと、生物工学的材料および技術とによる、組織および器官の修復または代用への取り組みを包含する。

0072

本明細書において用いられる場合、「組織グラフティング(tissue grafting)」および「組織再建」という用語はどちらも、肺異常または軟部組織異常などの組織異常を処置または軽減するために、グラフトを個体へ埋植することをいう。

0073

移植片」は、移植しようとする生体適合性格子またはドナーの組織、器官もしくは細胞をいう。移植片の一例としては、皮膚の細胞または組織、骨髄、ならびに実質器官、例えば心臓、膵臓、腎臓、肺および肝臓を挙げることができるが、これらに限定されることはない。

0074

一般に、「栄養因子」は、細胞の生存、成長、増殖および/もしくは成熟を促進する、かつ細胞の活性の増加を刺激する物質と定義される。

0075

範囲: 本開示全体を通じて、本発明のさまざまな局面を範囲の形で提示することができる。範囲の形での記述は単なる便宜および簡略のためのものであり、本発明の範囲に対する融通の利かない限定と解釈されるべきではないことが理解されるはずである。したがって、範囲の記述は、可能性のある全ての部分範囲(subrange)ならびにその範囲内にある個々の数値を具体的に開示したとみなされるはずである。例えば、1〜6などの範囲の記述は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などのような部分範囲、ならびにその範囲内にある個々の数値、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、および6を具体的に開示したとみなされるはずである。これは範囲の幅に関係なく適用される。

0076

説明
本発明は、さまざまな幹細胞型(例えば、骨髄由来間葉幹細胞(BM-MSC)および脂肪組織由来間葉幹細胞(AT-MSC))が、その培養基材に依って、肺上皮マーカー発現の大きな変化を起こすという発見に関する。基材の一例としては、脱細胞化された肺組織およびさまざまな表面コーティングを含んだ培養プレートが挙げられるが、これに限定されることはない。脱細胞化された肺組織の教示は、米国特許出願公開第20120064050号のなかで見出すことができ、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。

0077

1つの態様において、BM-MSCは、脱細胞化された肺の上に配されると、2型肺細胞マーカーのプロSPCおよび近位気道マーカーのサイトケラチン-5を発現しうる。1つの態様において、BM-MSCは、適当な条件の下で拡張かつ培養されると、II型肺胞上皮細胞(2型肺細胞ともいわれる)の表現型を呈しうる。別の態様において、適当な条件の下で拡張かつ培養されると、BM-MSCは、ネイティブな2型細胞内に含有されるものと類似する機能に関連した細胞質構造を示す。

0078

別の態様において、AT-MSCはプロSPC陽性細胞を生じる。別の態様において、適当な条件の下で拡張かつ培養されると、AT-MSCは、解剖学的に正確な位置で気道を裏打ちするクララ様細胞(例えば、CCSP陽性)を生じる。これは、CCSPの発現も維持せず、気道に付着もしない、BM-MSCとは対照的である。別の態様において、BM-MSCとは対照的に、AT-MSCはサイトケラチン-5陽性細胞を生じない。

0079

したがって、本発明は、所望の細胞型を作出する組成物および方法を提供する。それゆえ、本発明の細胞は、末梢肺疾患、肺損傷、および肺に影響を与える遺伝的疾患を処置するために治療的に用いるための細胞の有望な供給源となる。

0080

本発明は、2型肺細胞マーカーのプロSPCおよび近位気道マーカーのサイトケラチン-5を示す細胞へBM-MSCを分化させる方法を提供する。1つの態様において、本発明は、II型肺胞上皮細胞の少なくとも1つの表現型を示すようにBM-MSCを分化させる方法を提供する。別の態様において、本発明は、ネイティブな2型細胞内に含有されるものと類似する機能に関連した細胞質構造を示すようにBM-MSCを分化させる方法を提供する。

0081

したがって、本発明は、II型肺胞上皮細胞に関連した細胞型および組織へのBM-MSCの分化誘導のための方法を提供する。

0082

本発明は、2型肺細胞マーカーのプロSPCを示すが、しかしサイトケラチン-5陽性細胞を生じない細胞へAT-MSCを分化させる方法を提供する。1つの態様において、本発明は、クララ細胞のマーカーCCSP陽性である細胞へAT-MSCを分化させる方法を提供する。別の態様において、本発明は、解剖学的に正確な位置で気道を裏打ちするクララ様細胞(例えば、CCSP陽性)を生じるようにAT-MSCを分化させる方法を提供する。

0083

したがって、本発明は、クララ細胞に関連した細胞型および組織へのAT-MSCの分化誘導のための方法を提供する。

0084

培養条件
本発明は、肺細胞の一種(例えば、II型肺胞上皮細胞またはクララ細胞)へ分化させるために任意の細胞を用いることに関する。好ましくは、適当な細胞または細胞群再生性である。再生性細胞の一例としては、幹細胞、胚性幹細胞、成人幹細胞、臍帯血細胞組織由来の幹細胞または前駆細胞、骨髄由来の幹細胞または前駆細胞、血液由来の幹細胞または前駆細胞、脂肪組織由来の幹細胞または前駆細胞、間葉幹細胞(MSC)、骨格筋由来の細胞、複能性成人前駆細胞(MAPC)、胎児肺細胞、分化肺上皮細胞、肺前駆細胞、血管前駆細胞、分化血管細胞などが挙げられるが、これらに限定されることはない。使用できるさらなる再生性細胞には、骨髄由来の幹細胞、例えば骨髄単核球(BM-MNC)、内皮または血管幹細胞または前駆細胞、および末梢血由来の幹細胞、例えば内皮前駆細胞(EPC)などが含まれる。

0085

好ましくは、適当な細胞は哺乳類、より好ましくは霊長類、およびより好ましくはさらに、ヒトから単離される。本発明の方法において有用な細胞は、本明細書において、例えば実施例の項において論じられている方法を用いて、または当技術分野において公知の任意の方法によって単離される。単離の後、適当な細胞は培地中で培養される。

0086

培地組成物は、典型的には、必須アミノ酸、塩、ビタミン、ミネラル微量金属、糖、脂質およびヌクレオシドを含む。細胞培地は、制御された人工かつインビトロの環境で、細胞を増殖させるのに必要とされる栄養要求を満たす上で必要な構成成分を供給することを目的とする。栄養素配合、pH、および浸透圧モル濃度は、利用される細胞型、細胞密度、および培養系のようなパラメータに応じて異なる。多くの細胞培地配合物が文献に記載されており、いくつかの培地が市販されている。

0087

いったん培地を細胞とともにインキュベートすると、その培地は「馴化培地」として当業者には公知である。馴化培地は、培地オリジナルの構成成分の多くとともに、例えば、生物活性成長因子、炎症性メディエータおよび他の細胞外タンパク質を含む、種々の細胞代謝産物および分泌タンパク質を含有する。

0088

当業者は、適当な細胞に合わせて培養条件を変更できることを認識するであろう。MSCの成長を支持する培地配合物は、イーグル最小必須培地ADC-1、LPM (ウシ血清アルブミン不含)、F10 (HAM)、F12 (HAM)、DCCM1、DCCM2、RPMI1640、BGJ培地(フィットン-ジャソンの改変を含むものおよび含まないもの)、イーグル基礎培地(BME-アール塩ベース(salt base)の添加あり)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM-血清不含)、ヤマネ(Yamane)、IMEM-20、グラスゴー改変イーグル培地(GMEM)、リーボビッツL-15培地、マッコイの5A培地、M199培地(M199E-アールの塩ベースを含む)、M199培地(M199H-ハンクスの塩ベースを含む)、イーグル最小必須培地(MEM-E-アールの塩ベースを含む)、イーグル最小必須培地(MEM-H-ハンクスの塩ベースを含む)およびイーグル最小必須培地(非必須アミノ酸を含むMEM-NAA)などを含むが、これらに限定されることはない。

0089

本発明の方法において有用な培地のさらなる非限定的な例では、ウシまたは他の種の胎児血清を、少なくとも1%〜約30%、好ましくは少なくとも約5%〜15%、最も好ましくは約10%の濃度で含有しうる。ウシまたは他の種の胎児抽出物は、約1%〜30%、好ましくは少なくとも約5%〜15%、最も好ましくは約10%の濃度で存在することができる。

0090

典型的には、培地は基礎培地、血清および抗生物質/抗真菌薬を含む。好ましい基礎培地の一つは、DMEM/F12 (1:1)である。好ましい血清はウシ胎仔血清(FBS)であるが、しかしウマ血清またはヒト血清を含めて他の血清が使われてもよい。好ましくは最大20%までのFBSが、MSCの増殖を支持するために、上記培地に加えられよう。しかしながら、MSC増殖のためにFBS中の必要な成長因子、サイトカイン、およびホルモンが特定され、増殖培地中に適切な濃度で提供されるなら、規定培地を用いることができる。さらなる構成要素が培地に加えられてもよいものとさらに認識される。そのような構成要素は、抗生物質、抗真菌薬、アルブミン、成長因子、アミノ酸、および細胞の培養のために当技術分野にとって公知の他の構成要素を含むが、これらに限定されることはない。培地へ添加できる抗生物質は、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むが、これらに限定されることはない。培地中のペニシリンの濃度は、1 mlあたり約10〜約200単位である。培地中のストレプトマイシンの濃度は、約10〜約200 μg/mlである。しかしながら、本発明は、NPCを培養するためのいずれか1つの培地に限定されるものと決して解釈されるべきではない。むしろ、組織培養において肺細胞を支持できる任意の培地が用いられうる。

0091

培地配合物において用いられることが多い他の成分は、脂溶性ビタミン(A、D、EおよびKを含む)、ステロイドおよびそれらの誘導体コレステロール、脂肪酸および脂質Tween 80、2-メルカプトエタノールピリミジン(pyramidines)、ならびに血清(胎児、ウマ、子ウシなど)、タンパク質(インスリン、トランスフェリン、成長因子、ホルモンなど)、抗生物質(ゲンタマイシン、ペニシリン、ストレプトマイシン、アンフォテリシンBなど)、全超濾過液、および接着因子(フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、テネイシンなど)を含む種々の補助剤を含む。

0092

培地には成長因子および他のタンパク質、例えば接着因子などを補充する必要があってもまたはなくてもよく、というのは、本出願において記述される細胞構築体の多く、特に三次元の細胞および組織培養構築体はそれら自体が、そのような成長因子および接着因子ならびに他の産物を培地中へ産生するからである。

0093

可溶性因子は、幹細胞の培地の中に放出されかつ存在する因子をいう。可溶性因子の例としては、血管内皮成長因子(VEGF)、インスリン成長因子(IGF)、肝細胞成長因子(HGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)および線維芽細胞成長因子ファミリーの他の成員が挙げられるが、これらに限定されることはない。

0094

単離に続いて、MSCは、培養器具中の培地において一定の期間、または細胞が集密に達するまで、インキュベートした後に、細胞を別の培養器具へ継代することができる。最初のプレーティングに続いて、細胞を約6日間培養維持して、継代第0代(P0)の集団を得ることができる。細胞は、無限回にわたって継代することができ、各継代は、細胞を約6〜7日間培養することを含み、その間、細胞倍加時間は約3〜約5日の範囲に及びうる。培養器具は、細胞をインビトロで培養する際によく用いられる任意の培養器具のものであることができる。

0095

本明細書において記述されるMSCは、常法にしたがって凍結保存されうる。好ましくは、約100万〜1000万個の細胞が、液体N2の気相中、10%DMSOを含有する培地中で凍結保存される。凍結細胞は、37℃の水浴中で旋回させることによって融解され、新鮮な成長培地中で再懸濁され、上述のように拡張されうる。

0096

本発明は、足場に「播種する」細胞も提供する。MSCは足場上で培養することができる。細胞は、細胞を分化培地中で培養することにより、インビトロで分化することもできる。あるいは、細胞が哺乳動物内で組織との接触を樹立する場合、または細胞が、組織から放出される物質(例えば、成長因子、酵素、もしくはホルモン)による影響を受けるように、組織の十分近くにある場合、細胞はインビボで分化することもできる。言い換えると、マトリックスのMSCは、組織からのシグナルを受け取ることにより、肺のような組織との接触を樹立することができる。そのようなシグナル伝達は、例えば、MSCの表面上またはMSCに由来する細胞の表面上の受容体が、哺乳動物内で組織によって放出された成長因子、酵素、またはホルモンのような分子を結合し、その分子からのシグナルを伝達する場合に起こるであろう。これらの作用物質は分化を誘導するので、MSCは、それらが配された組織中の分化細胞によって通常発現されるものと同じタンパク質の一部を、場合によっては(全てではないとしても)大部分を、発現するようになる。

0097

あるいは、またはさらに、マトリックスのMSCは、その細胞の環境に、ある物質(例えば成長因子、酵素、ホルモン、または他のシグナル伝達分子)を加えることによって、分化するように誘導することができる。例えば、ある物質を、本発明の生物学的足場に加えることができる。

0098

別の態様において、本発明は、適当な成長培地中で表面(例えば、二次元または三次元表面)のECMタンパク質の存在下において本発明の細胞を培養する方法を提供する。1つの態様において、ECMは培養装置の表面にコーティングされる。

0099

別の態様において、本発明は組織培養系を含む。さまざまな局面において、培養系は、二次元または三次元の支持体材料に含まれるような、本明細書において記述されるECM組成物から構成される。別の局面において、本明細書において記述されるECM組成物は、さまざまな細胞型の成長のための支持体または二次元もしくは三次元の支持体となる。例えば、培養系を用いて、本発明の細胞の成長を支持することができる。1つの局面において、培養系を用いて、細胞の分化を支持することができる。

0100

ECMは、ある種の細胞により分泌されることが知られており、線維性タンパク質多糖類、および他の微量成分から主に構成される。その構成要素には、構造要素、例えばコラーゲンおよびエラスチン、接着タンパク質、例えば糖タンパク質フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、トロンボスポンジンIおよびテネイシンも、プロテオグリカン、例えばデコリン、ビグリカンコンドロイチン硫酸およびヘパリン硫酸ならびにグリコサミノグリカン(GAG)、例えばヒアルロン酸(HA)も含まれる。

0101

1つの態様において、ECM組成物は、以下のいずれかまたは全てを含むことができる:フィブロネクチン、フィブリリン、ラミニン、エラスチン、コラーゲンファミリーのメンバー(例えば、コラーゲンI型、III型、およびIV型)、グリコサミノグリカン、細胞質基質細網繊維ならびにトロンボスポンジン。好ましくは、ヒトECMは胚体内胚葉を培養するために用いられる。1つの態様において、ヒトECMは、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、テネイシン、エラスチン、ならびにいくつかのプロテオグリカンおよびグリコサミノグリカンを含む。

0102

別の態様において、再構成された基底膜を含む固体支持体上で細胞を培養することが望ましく、ここで膜は、インビボで細胞層の下に存在する薄い、膜形成性の細胞外マトリックスに含まれ、かつタンパク質および糖タンパク質、例えばラミニン、コラーゲンIV型およびヘパリン硫酸プロテオグリカンならびにさまざまな細胞成長因子および活性化因子などを含む適当な細胞組織から抽出かつ調製されることによって得ることができる。

0103

1つの態様において、重要な主たる細胞外マトリックス構成要素は、線維状コラーゲン、特にコラーゲンI型である。しかしながら、他の線維状および非線維状コラーゲンは、コラーゲンII型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、VIII型、IX型、X型、XI型、XII型、XIII型、XIV型、XV型、XVI型、XVII型、XVIII型、XIX型などを含む。

0104

本発明のECM組成物は、種々の方法で加工処理されうる。したがって、1つの態様において、本発明は組織培養系を含む。さまざまな局面において、培養系は、本明細書において記述されるECM組成物から構成される。本発明のECM組成物は、種々の方法で組織培養系へ組み入れられうる。例えば、組成物は、コーティングとして、本明細書において記述される三次元の足場材料含浸させることにより、または細胞を培養するための培地への添加物として組み入れられうる。したがって、1つの局面において、培養系は、成長因子または胎児性タンパク質のような、本明細書において記述されるECM組成物のいずれかを含浸させた三次元の支持体材料を含むことができる。

0105

MSCとそれに付随する細胞マトリックスは最終的には、完全に分化した状態になることができ、状況によっては(例えば、組織学的に成熟した完全な組織を再現するために細胞が用いられる場合には)それが望ましい場合もあるが、処置を成功させるには、投与された細胞の全てが完全に分化する必要はなく、細胞マトリックスのMSCは、哺乳動物を処置するのに十分な点まで分化しさえすれば十分である。その点には、マトリックスを患者に投与する前に到達しても、またはマトリックスを患者に投与した後に到達してもよい。

0106

分化は、マトリックスの細胞が、埋植部位にある成熟細胞と本質的に同じ表現型を発現する場合に起こる。例えば、本発明を定義する目的で、肺中へ埋植された細胞マトリックスのMSCは、それが肺、例えば、肺胞上皮細胞によって発現されるタンパク質と本質的に同じタンパク質を発現する場合に分化している。肺マーカーに対する抗体は市販されており、またはそうでなくても、容易に取得することができる。

0107

分化細胞は、その肉眼的形態によって、およびそれらが他の細胞と形成する連結によって特定することもできる。例えば、肺細胞へ分化する細胞は、細気管支に似た複雑な形態を発生することができる。例えば、本発明は、その上で培養される基材または足場を含む培養条件に依って、さまざまなMSC型(例えば、骨髄由来間葉幹細胞(BM-MSC)および脂肪組織由来間葉幹細胞(AT-MSC))が、肺上皮マーカー発現の大きな変化を起こすという新規の発見に基づく。例えば、BM-MSCは、II型肺胞上皮細胞に関連した細胞型および組織へ分化する。その一方で、AT-MSCは、クララ細胞に関連した細胞型および組織へ分化する。

0108

器官または組織を作出するために脱細胞化器官中および脱細胞化器官上に導入される細胞の数は、器官(例えば器官の種類、器官のサイズおよび重量)または組織にも、再生性細胞のタイプおよび発生段階にも依存する。異なるタイプの細胞は、その細胞が到達するであろう集団密度に関して、異なる傾向を持ちうる。同様に、異なる器官または組織は異なる密度で細胞化されうる。例として、脱細胞化器官もしくは組織には、少なくとも約1,000(例えば、少なくとも10,000、100,000、1,000,000、10,000,000、もしくは100,000,000)個の再生性細胞を播種することができ、または脱細胞化器官もしくは組織は、そこに付着した約1,000細胞/mg組織(湿重量、すなわち、脱細胞化前)〜約10,000,000細胞/mg組織(湿重量)を持つことができる。

0109

細胞は、1つまたは複数の場所への注入によって、脱細胞化器官または組織に導入することができる。さらに、2種以上の細胞(すなわち、細胞のカクテル)を脱細胞化器官または組織へ導入することができる。例えば、細胞のカクテルを脱細胞化器官または組織中の複数の場所に注入するか、異なる細胞型を脱細胞化器官または組織の異なる部分へ注入することができる。注入の代わりに、または注入に加えて、再生性細胞または細胞のカクテルは、カニューレを挿入した脱細胞化器官または組織への灌流によって導入することができる。例えば、細胞は灌流培地を用いて脱細胞化器官中へ灌流することができ、次にその灌流培地を拡張培地および/または分化培地に変えて、再生性細胞の成長および/または分化を誘導することができる。肺組織の場合、細胞は、気管を通して気道区画へ導入するか、肺動脈もしくは肺静脈を通して血管区画へ導入するか、またはその両方へ導入することができる。

0110

再細胞化中、器官または組織は、再生性細胞の少なくとも一部が脱細胞化器官または組織内および脱細胞化器官または組織上で増倍しかつ/または分化しうる条件下に維持される。これらの条件には、非限定的に、適切な温度および/または圧力、電気的および/または機械的活動、力、適切な量のO2および/またはCO2、適切な量の湿気、ならびに滅菌またはほぼ滅菌状態が含まれる。再細胞化中、脱細胞化器官または組織およびそこに付着した細胞は、適当な環境に維持される。例えば、細胞は、栄養補給(例えば、栄養素および/またはグルコースのような炭素源)、外因性のホルモンもしくは成長因子、および/または特定のpHを必要としうる。

0111

細胞は、脱細胞化器官または組織にとって同種異系(例えば、ヒト細胞を播種されたヒト脱細胞化器官または組織)であるか、再生性細胞は脱細胞化器官または組織にとって異種(例えば、ヒト細胞を播種されたブタ脱細胞化器官または組織)であることができる。

0112

いくつかの例では、本明細書において記述される方法によって作出される器官または組織が、患者へ移植されるものである。それらの場合、脱細胞化器官または組織を再細胞化するために用いられる細胞は、再生性細胞が患者にとって自家細胞になるように、患者から得ることができる。患者の細胞は、例えば、当技術分野において公知の方法を用いて、血液、骨髄、組織、または器官から、人生の異なる段階で(例えば、新生児期に、出生前もしくは周産期に、思春期中に、または成人として)得ることができる。あるいは、脱細胞化器官または組織を再細胞化するために用いられる細胞は、患者にとって同種同系の細胞(すなわち、一卵性双生児の一方から得られるもの)であるか、細胞は、例えば、患者の親類から得られる、または患者とは親類関係にないHLA適合個体から得られる、ヒトリンパ球抗原(HLA)適合細胞であってもよく、または細胞は、例えば、非HLA適合ドナーから得られる、患者にとって同種異系の細胞であってもよい。

0113

細胞の供給源(例えば、自家であるかないか)とは関係なく、脱細胞化固形器官は、患者にとって、自家、同種異系または異種であり得る。

0114

特定の例では、脱細胞化組織が、インビボで(例えば、組織が個体中に移植された後で)、細胞によって再細胞化されうる。インビボ再細胞化は、例えば、本明細書において記述される細胞のいずれかを用いて、上述のように行われうる(例えば、注入および/または灌流)。あるいは、またはさらに、内在性細胞による脱細胞化器官または組織のインビボ播種も、自然に起こるか、または再細胞化組織に送達される因子によって媒介されうる。

0115

処置
本発明は、本発明の細胞を用いてさまざまな肺疾患および肺状態を処置するための組成物および方法を提供する。いくつかの例では、細胞には遺伝子改変細胞が含まれた。

0116

本発明は同様に、本発明の細胞を投与することによって1種または複数種の肺疾患または肺状態を処置することを含みうる。本発明の好ましい態様において、組成物は気管内に投与されうる。本発明の最も好ましい態様において、気管内投与は肺組織、例えば、肺胞を本発明の細胞に接触または曝露させることを伴う。

0117

本発明の組成物および方法は、1種または複数種の肺組織を、本発明の細胞を含む組成物と接触させることが望ましい可能性のある任意の肺疾患または肺状態を処置または抑止するために用いられうる。本明細書において用いられる場合、疾患または状態は、肺の機能または構造の病理学的変化をもたらす任意の疾患または状態をいう。例示的な疾患または状態としては、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺気腫嚢胞性線維症(CF)、肺形成不全、および肺高血圧、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)が挙げられるが、これらに限定されることはない。

0118

本発明の組成物および方法は、任意の疾患または状態によって引き起こされる肺胞損傷を処置するために用いられうる。例示的な疾患または状態としては、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺気腫、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)が挙げられるが、これらに限定されることはない。

0119

本発明の組成物および方法は、任意の酸素誘導性の肺損傷、疾患、または状態を処置または予防するために用いられうる。例示的な疾患または状態としては、気管支肺異形成症(BPD)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺気腫、嚢胞性線維症(CF)、肺形成不全、肺高血圧、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)が挙げられるが、これらに限定されることはない。

0120

遺伝子治療との関連では、レシピエントへの細胞の送達に先だって、細胞を、関心対象の遺伝子で処理することができる。いくつかの例では、そのような細胞ベース遺伝子送達が、アデノウイルス遺伝子送達ベクター吸入などといった肺への他の遺伝子送達手段に対して、著しい利点を示すことができる。宿主への細胞ベースの遺伝子送達が持つこの優位性は、吸入された遺伝子ベクターが典型的には、粘液層および宿主免疫系によって課される障壁により、低い細胞形質導入効率をもたらすという知見に由来する。細胞中に前もって挿入された治療遺伝子の送達により、レシピエント肺細胞への遺伝子治療ベクター侵入に付随する問題が回避される。

0121

したがって、本発明は、本発明の方法によって培養された遺伝子改変細胞の使用を提供する。遺伝子改変は、例えば外因性遺伝子(「導入遺伝子」)の発現をもたらすか、内因性遺伝子の発現の変化をもたらしうる。そのような遺伝子改変は治療上の利益を持ちうる。あるいは、遺伝子改変は、例えば本発明の組成物を個体に埋植した後に、そのように修飾された細胞を追跡しまたは同定するための手段にもなりうる。細胞の追跡には、移植された遺伝子改変細胞の移動、同化および生存を追跡することが含まれうる。遺伝子改変は少なくとも第2の遺伝子を含むこともできる。第2の遺伝子は、例えば、選択可能な抗生物質耐性遺伝子または他の選択可能マーカーをコードしうる。

0122

細胞を追跡するのに有用なタンパク質には、緑色蛍光タンパク質(GFP)、他の蛍光タンパク質のいずれか(例えば、強化緑色、シアン、黄色、青色および赤色蛍光タンパク質; Clontech, Palo Alto, CA)、または他のタグタンパク質(例えば、LacZ、FLAG-tag、Myc、His6など)が含まれるが、これらに限定されることはない。

0123

細胞の遺伝子改変の目的が生物学的活性物質の産生にある場合、その物質は一般に、所与の障害の処置にとって有用なものであるだろう。例えば、細胞が骨または軟部組織形成に関連する特定の成長因子産物を分泌するように、細胞を遺伝子改変することが望ましい場合があるだろう。組織修復に関係する他の内因性細胞タイプの成長を誘導するための成長因子産物も有用である。例えば、内因性毛細管および/または微小血管内皮細胞を刺激するための成長因子は、軟部組織欠損の修復において、特に大体積の欠損に、役立ちうる。

0124

本発明の細胞は、細胞の培養にとって有益な分子、例えば栄養因子、成長因子、サイトカインなどを産生するように外因性遺伝物質を細胞中に導入することにより、遺伝子改変することができる。また、そのような分子を産生するように細胞を遺伝子改変することにより、細胞は、それを必要とする哺乳動物中に移植された時に、哺乳動物に対して追加の治療効果を与えることができる。例えば、遺伝子改変細胞は、哺乳動物中の移植部位に近接する細胞にとって有益な分子を分泌することができる。

0125

肺細胞は、当業者に知られる任意の方法を用いて遺伝子改変されうる。例えば、Sambrook et al. (2012, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)、およびAusubel et al,. Eds, (1997, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, NY)中を参照されたい。例えば、肺細胞を、導入遺伝子を含む核酸が含まれている発現ベクターに曝露して、導入遺伝子が細胞内で発現されるのに適当な条件下で核酸が細胞内に導入されるようにする。導入遺伝子は一般に、適切なプロモーターに機能的に連結されたポリヌクレオチドを含む発現カセットである。ポリヌクレオチドはタンパク質をコードするか、生物学的に活性なRNA (例えば、アンチセンスRNAまたはリボザイム)をコードすることができる。したがって、例えば、ポリヌクレオチドは、毒素に対する耐性を付与する遺伝子、ホルモン(例えば、ペプチド成長ホルモン、ホルモン放出因子、性ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、サイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン、リンホカインなど)、細胞表面結合型細胞内シグナル伝達部分(例えば、細胞接着分子ホルモン受容体など)、所与の系譜の分化を促進する因子(例えば、骨形態形成タンパク質(BMP))などをコードすることができる。

0126

発現カセット内では、コードポリヌクレオチドが適切なプロモーターに機能的に連結される。適切なプロモーターの例には、原核生物プロモーターおよびウイルスプロモーター(例えば、レトロウイルスITR、LTR、前初期ウイルスプロモーター(IEp)、例えばヘルペスウイルスIEp (例えば、ICP4-IEpおよびICP0-IEEp)、サイトメガロウイルス(CMV) IEp、および他のウイルスプロモーター、例えばラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、およびマウス白血病ウイルス(MLV)プロモーター)が含まれる。他の適切なプロモーターは、真核生物プロモーター、例えばエンハンサー(例えば、ウサギβ-グロビン調節要素)、構成的に活性なプロモーター(例えば、β-アクチンプロモーターなど)、シグナル特異的プロモーター(例えば、RU486に応答するプロモーターなどの誘導性プロモーター)、組織特異的プロモーターである。事前に定められた細胞との関連で遺伝子発現を駆動するのに適したプロモーターを選択することは、当技術分野の技能で十分に可能である。発現カセットは、2つ以上のコードポリヌクレオチドを含むことができ、所望どおりに他の要素(例えば、ポリアデニル化配列、膜挿入シグナルまたは分泌リーダーをコードする配列、リボソーム侵入配列、転写調節要素(例えば、エンハンサー、サイレンサーなど)など)を含むことができる。

0127

導入遺伝子を含有する発現カセットは、細胞に導入遺伝子を送達するのに適した遺伝子ベクター中に組み込まれるべきである。所望する最終用途に応じて、任意のそれらベクターを、細胞を遺伝子改変するために、そのように利用することができる(例えば、プラスミド、のDNA、アデノウイルスアデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルスパピローマウイルス、レトロウイルスのようなウイルスなど)。そのようなベクター内に所望の発現カセットを構築する任意の方法を利用することができ、それらの多くは当技術分野において周知である(例えば、直接クローニング相同組み換えなど)。ベクターの選択が、細胞中にベクターを導入するために用いられる一般に当技術分野において公知である方法(例えば、プロトプラスト融合による方法、リン酸カルシウム沈殿法遺伝子銃エレクトロポレーションDEAEデキストランまたは脂質担体によるトランスフェクションウイルスベクターによる感染など)を、おおむね決めることになる。

0128

ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、および他のDNAまたはRNAポリメラーゼ媒介技法を含むインビトロ増幅法を当業者に実行させるのに足りる技法の例が、Sambrook et al. (2012, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)に見出される。

0129

いったんあるタンパク質に関して核酸をクローニングしたら、当業者は、種々の肺細胞中で組み換え遺伝子を発現させることができる。当業者は、所望の導入遺伝子を発現させるために利用することができる数多くの発現系を知っていると予期される。

0130

肺細胞
分化は、非限定的にCa2+、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、形質転換成長因子(TGF)、サイトカイン、例えばインターロイキン、インターフェロン、または腫瘍壊死因子、レチノイン酸、トランスフェリン、ホルモン(例えば、アンドロゲンエストロゲン、インスリン、プロラクチン、トリヨードサイロニン、ヒドロコルチゾン、もしくはデキサメタゾン)、酪酸ナトリウムTPA、DMSO、NMF(N-メチルホルムアミド)、DMF(ジメチルホルムアミド)、あるいはマトリックス要素、例えばコラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸)を含む、1種または複数種の分化剤を用いて誘導することができる。

0131

1つの態様において、MSCは、肺表現型を有する細胞へ分化するように誘導することができる。例えば、MSCは、同様にII型肺細胞として公知であるII型肺胞細胞へ分化するように誘導することができる。別の態様において、MSCは、クララ細胞へ分化するように誘導することができる。

0132

下垂体抽出物(例えばウシ下垂体抽出物)、ステロイドホルモン(例えばヒドロコルチゾン、もしくは酢酸塩のようなその塩)、成長因子(例えば、上皮成長因子、好ましくはヒト上皮成長因子)、カテコールアミン(例えば、ラセミ体もしくは鏡像異性体のいずれかの、エピネフリン)、鉄結合タンパク質(例えば、トランスフェリン)、インスリン、ビタミン(例えば、レチノイン酸)、甲状腺ホルモン(例えば、トリヨードサイロニン)、血清アルブミン(例えば、組み換え調製物を含めて、ウシもしくはヒト血清アルブミン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシンのような、アミノグリコシド系抗生物質)、および/または抗真菌剤(例えば、アンフォテリシン-B)の1つまたは複数を含有する培地を用いることができる。例えば、培地は、ヒドロコルチゾン、上皮成長因子、インスリン、トリヨードサイロニン、トランスフェリン、およびウシ血清アルブミンを含むことができ、いくつかの態様において、レチノイン酸、下垂体抽出物、およびエピネフリンをさらに含むことができる。CambrexのSAGM(商標)培地(カタログCC-3118)は、所望の肺細胞へMSCを分化させるのに特に有用である。

0133

本発明者らは、適切な分化因子および培養条件の使用を通じて、肺細胞の純粋な集団を得ることができた。1つの態様において、肺細胞は末梢の肺細胞型、好ましくは肺胞型細胞、より好ましくはI型またはII型の肺胞型細胞である。別の態様において、肺細胞はクララ細胞である。

0134

いくつかの態様において、本発明の方法は、肺胞II型細胞へのMSCの直接分化を効率的に誘導する。いくつかの態様において、本方法は、肺胞II型細胞の実質的に純粋な集団(例えば、少なくとも95%の肺胞II型の表現型)をもたらす。

0135

いくつかの態様において、本発明の方法は、クララ細胞へのMSCの直接分化を効率的に誘導する。いくつかの態様において、本方法は、クララ細胞の実質的に純粋な集団(例えば、少なくとも95%のクララ細胞の表現型)をもたらす。

0136

肺細胞(例えば、肺胞II型細胞)への分化は、例えば、光学顕微鏡検査によって評価される肺形態により、ならびに透過電子顕微鏡検査によって評価される層状体および微小空胞体の存在により確認することができる。層状体は、肺胞II型細胞においてのみ発現される内在性膜タンパク質である貯蔵型肺サーファクタント、つまりサーファクタントタンパク質C (SPC)として働く分泌リソソームである。SPCmRNAの存在は逆転写酵素PCRによって検出することができ、SPCタンパク質の存在は免疫蛍光染色によって検出することができる。クララ細胞分化は、CCSPの存在を検出することによって評価することができる。

0137

実験実験例
以下に実験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。これらの実施例は、例示のために記載するに過ぎず、別段の指定がない限り、限定を意図するものではない。したがって、本発明は、決して、以下の実施例に限定されると解釈されるべきではなく、本発明は、本明細書が提供する教示の結果として明白になる、ありとあらゆる変形を包含すると解釈すべきである。

0138

さらなる説明なしに、当業者は、前述の説明および以下の例示的な実施例を使って、本発明の化合物を作出および利用し、主張される方法を実践しうるものと考えられる。以下の実施例はそれゆえ、本発明の好ましい態様を具体的に指摘するものであり、決して開示の残りの部分を限定するものと解釈されてはならない。

0139

実施例1: ヒト間葉間質細胞の上皮細胞分化は、脱細胞化された肺足場中での培養時に、元の組織に依って変化する
本明細書において提示される実験において、ラット脱細胞化肺マトリックス上での培養後に肺上皮に寄与するヒト由来BM-MSCおよびAT-MSCの可能性について評価した。hBM-MSCおよびhAT-MSCは、肺足場上への播種後に付着および成長できることが分かった。末梢気道成長培地(small airway growth medium; SAGM)中の脱細胞化ラット肺足場における7日間の培養後、hBM-MSCは、RNAおよびタンパク質レベルで2型肺細胞マーカーのプロSPCを発現し、培地へ界面活性剤を分泌し、透過電子顕微鏡検査(TEM)によって示されるように層状体を含有する。さらに、hBM-MSC細胞は、ラットバイオリアクタ中での培養後、近位気道マーカーのサイトケラチン-5陽性である細胞を生じる。対照的に、hAT-MSCは、解剖学的に正確な位置で気道を裏打ちするクララ様細胞だけでなくプロSPC陽性細胞も生じる。しかしながら、hAT-MSCは、hBM-MSCと違って肺バイオリアクタ中での培養後にサイトケラチン-5陽性細胞を生じない。

0140

ヒトECM、マトリゲル(Matrigel)、ラミニン、コラーゲン1、コラーゲン4、およびフィブロネクチンでコーティングされた組織培養ディッシュ上へhBM-MSCおよびhAT-MSCを播種することによって間葉間質細胞の分化における基材マトリックス組成の影響についても調べた。マトリックス表面コーティングは、標準的な組織培養フラスコ中での成長時に肺上皮マーカーを発現するMSCの割合に影響を及ぼすことが本明細書において実証されている。さらに、hBM-MSCを脱細胞化された肝臓上で培養したが、肝臓スライス上へ播種されたMSCは、これらが肺マトリックス上で培養された場合に提示する同じ一連の上皮マーカーを維持しないことが明らかである。これらのデータから、脱細胞化された肺足場が「ジップコード」を保持し、細胞分化を指令することが示唆される。本データから、ヒト由来hBM-MSCおよびhAT-MSCが、脱細胞化された肺上へ配された場合に複数の肺上皮細胞型を生じうることが実証される。

0141

これらの研究において利用された材料および方法をこれから記述する。

0142

ヒト骨髄および脂肪組織間葉間質細胞の単離および特徴付け
新鮮な未処理ヒト骨髄サンプルをLonza, Allendale, NJ, USA (カタログ番号1M-125)から入手した。年齢22〜29女性2人および男性1人の、3人の全ドナーサンプルを得た。10% FBSを含有する高グルコースDMEM中に1 cm2あたり細胞5×105個の密度で骨髄細胞をプレーティングした。培地を2〜3日ごとに交換した。低継代数(5回以下)の細胞だけを実験に用いた。細胞を1:3の比率で7〜10日ごとに継代した。細胞をCD90、CD105、CD73、CD45 (全ての抗体はeBiosciencesから入手した)の発現についてフローサイトメトリー(BD LSR II)により特徴付けた。

0143

年齢が44〜63歳の3人のドナーからAT-MSCを得た。吸引脂肪組織をDPBSで2回洗浄した後に、37℃で60分間DMEM中0.15%のコラゲナーゼ1型(Gibco, Grand Island, NY, USA,カタログ番号17100-017)で消化を行った。消化物を10%FBS/DMEMの添加によって消化停止した後に、遠心分離および10%FBS/DMEM中での再懸濁ならびに100 μmのフィルタを通じたろ過を行った。細胞に2〜3日ごとに栄養素を与えた。

0144

FACS
個細胞を10分間2%パラホルムアルデヒド溶液で固定し、各5分間PBS中で2回洗浄した。関心対象の希釈抗体を含有する10% FBS, 0.2% Triton X-100とともに細胞をインキュベートした。細胞を暗所中で25分間、以下の抗体(全てeBiosciences, San Diego, CA, USAから入手): CD45-PE (12-9459-41)、CD90-FITC(11-0909-41)、CD73-PE (12-0739-41)、CD105-APC(17-1057-41)とともに上でインキュベートした。使用したさらなる抗体は、プロSPC 1/100 (Millipore, Billerica, MA, USA: ab 3786)、およびCCSP 1/100 (Millipore 07-623)であった。これらの抗体の二次抗体は全て、1/500に希釈した種に適したInvitrogen Alexa Fluorsであった。使用したアイソタイプ対照には、抗マウスIgG-PE (eBiosciences 12-4714)、抗マウスIgG-FITC (ebiosciences 11-4724)、抗マウスIgG APC (ebiosciences 17-4015-80)、ウサギIgG-FITC (ebiosciences 11-4614-80)、および精製ウサギIgG (Invitrogen 02-6102)が含まれた。アイソタイプ対照に加えて、二次だけの抗体対照を並行して流した。

0145

ラット肺サンプルの脱細胞化および再播種
成体Sprague Dawleyラット肺(3〜5ヶ月齢)を既述(Petersen et al., 2010, Science 329:538-541)のように脱細胞化した。手短に言えば、ラットをペントバルビタールナトリウム(ユサゾール(Euthasol))のIP注射によって安楽死させた。ラット肺を切除し、気管および肺動脈にカニューレを挿入した。ヘパリン(50 U/ml)およびニトロプルシドナトリウム(1 μg/ml)の10 ml混合液を肺動脈を通じ重力によって注入した。肺動脈に20 mmHgの一定圧力にて37℃でPBS中8 mMのCHAPS、25 mMのEDTA、1 MのNaClから構成されるpH 12の脱細胞化溶液500 mlを注入した。次いで気道を通して肺にベンゾナーゼ10 mlを注入し、37℃で1時間インキュベートした。細胞残留物をPBS 2.5 Lで洗い流した。細胞を播種する前に少なくとも16時間、肺を抗生物質および抗真菌薬(1%ゲンタマイシン、4 mg/mlのアンフォテリシン、10%ペニシリン/ストレプトマイシン)の混合液中でインキュベートした。このインキュベーションの間、肺動脈を通して1 mL/分で溶液を灌流させた。細胞を播種する前に、抗生物質/抗真菌薬の溶液を肺から除去し、PBSと交換した。細胞播種の前にさらに30分間、肺にPBSを灌流させた。一方の脱細胞化された右上ラット肺葉へ気管を通じて細胞2.5×106〜10×106個のボーラスとして細胞を播種した。1 ml/分で肺動脈を通して培地を灌流させながら培養物をSAGM(Lonza, Allendale, NJ;カタログ番号CC-3118)中で7日間維持した。培地を2〜3日ごとに交換した。

0146

免疫組織化学
気道を通して肺に10%ホルマリン溶液を注入し、絶えず揺り動かしながら室温で4時間10%ホルマリン中に置いた。肺をパラフィン中に包埋し、5ミクロン薄片にした。標準的な再水和アルコール/キシレン系列にしたがって切片脱パラフィン処理した。20分間75℃でのTris-EDTA緩衝液(10 mM Tris Base, 1 mM EDTA, 0.05% Tween-20 pH 9.0)との再水和された組織切片のインキュベーションにより、抗原回復を行った。組織切片を次に、さらに20分間室温に冷却させた。免疫染色の前に、切片をPBS中で1回洗浄した。切片を45分間ブロッキング試薬(PBS中10%のNGSまたはFBS、0.2% Triton X-100)中でインキュベートした。一次抗体(CCSP 1/50: Milliporeカタログ番号07-623; プロSPC 1/100: Millipore: # ab 3786;カベオリン-1 1/100: Abcam, Cambridge, UK # 39541; α平滑筋アクチン1/100: Dako, Glostrup, Denmark カタログ番号M0851)を室温で2時間、または4℃で終夜インキュベートした。切片を1回の洗浄につき3分間、3回PBS中で洗浄した後に、45分間室温で二次抗体(全て1/500に希釈したInvitrogen Alexa Fluorシリーズ種特異的な二次抗体)とのインキュベーションを行った。DAPI (Vector cat., Olean, NY # H1200)を含有するVector labs Vectashieldマウンティング培地中で組織切片をマウントした。

0147

処理切片をZeiss蛍光顕微鏡で画像化し、Volocityソフトウェアで画像を取得した。共焦点顕微鏡像はLeicaTCSSP5で取得した。

0148

リアルタイム定量RT-PCR
QiagenのRNeasy Mini Kitを用い、製造元使用説明書にしたがって細胞から総RNAを抽出した。第1鎖相補DNA(cDNA)は、製造元のプロトコル(Invitrogen)にしたがってSuperScript First-Strand Synthesis Systemを使いランダムヘキサマーをプライマーとして用いて合成した。産物の等量混合物PCR増幅の鋳型として用いた。iCylerおよびiQソフトウェア(Bio-Rad)を用いiQ(商標) SYBR Green Supermix (Bio-Rad, Hercules, NY)ならびに示した各200 nMのフォワードおよびリバースプライマーとともに25 μlの容量中で反応を行った。各サンプルを三つ組で操作した。PCR条件には、95℃で4分の初期変性工程、その後に95℃で15秒、60℃で30秒および72℃で30秒からなるPCR 40サイクルを含めた。関心対象の遺伝子(GOI)に対する三つ組のPCR反応からの平均の閾値サイクル(Ct)値を、同じcDNAサンプルからの平均GAPDHCt値に対して正規化した。サンプルAとサンプルBとの間のGOI転写産物レベルの倍変化は、2-ΔΔCtに等しく、ここでΔCt = Ct(GOI) - Ct(GAPDH)、およびΔΔCt=ΔCt(A) - ΔCt(B)である。用いたプライマーは、本明細書の他の箇所に記載されている。

0149

統計分析
全ての統計分析は、Originソフトウェア(OriginLab, Northampton, MA)で行った。データを平均±s.e.m. (測定の標準誤差)として表した。t検定を行って、2つの群が互いに有意差があるかどうか評価し、p≦0.05を統計的に有意とみなした。

0150

TEM
Schmiedl et al. 2005の修正プロトコルにしたがった(Schmiedl, et al., 2005, Histochem Cell Biol 124(6):465-76)。天然ラット肺および再細胞化された肺を30分間0.2 Mのカコジル酸ナトリウム中2.5%のグルタルアルデヒド/2.0%のパラホルムアルデヒドで37℃にて膨張(inflation)固定した後に、4℃で2時間のインキュベーションを行った。固定された組織を0.1 Mのカコジル酸ナトリウムで洗い流した。組織を2時間1% OsO4中で後固定した後に、酢酸ウラニルブロック染色(en block uranyl acetate staining)を行った。組織を標準的なエタノール系列中で脱水し、EPON中に包埋した。切片(70 nm)を採取し、酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で後染色した。Philips Tecnai透過電子顕微鏡を用いて画像を得た。

0151

細胞培養のためのマトリックスタンパク質のコーティング
フィブロネクチン(50 μg/ml)、コラーゲンI (100 μg/ml)、コラーゲンIV (50 μg/ml)、マトリゲル(1:80)、ならびにヒトECMタンパク質(1:100)の混合物(コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、テネイシン、エラスチン、ならびにいくつかのプロテオグリカンおよびグリコサミノグリカン; Sigmaからなる)を含む種々の細胞外タンパク質上で7日間、hBM-MSCおよびhAT-MSCを培養した。フィブロネクチン、コラーゲンI、コラーゲンIVおよびラミニンは、肺マトリックスの主成分である。

0152

SPCの酵素免疫測定分析(ELISA)
製造元の使用説明書にしたがい分泌SPC (Life Science Advanced Technology)を定量化するために、ラット無細胞肺足場上で培養されたhBM-MSCおよびhAT-MSCの上清から回収された細胞培地に対してELISAを行った。SPC値を細胞総数に対して正規化し、実験サンプルの値を新鮮SAGM培地のみから差し引いた。

0153

実験の結果をこれから記述する。

0154

骨髄および脂肪組織から単離されたMSCの特徴付け
新鮮単離された骨髄サンプルからhBM-MSCを得た(図1A〜1C)。未分画骨髄を組織培養フラスコ上に配し、得られた接着細胞を、分化マーカーの標準的MSCクラスタの発現について免疫表現型判定した。継代数2〜4の、初期継代hBM-MSCは、CD90、CD105、およびCD73について93%超陽性であったものの、大部分がCD45については陰性であった(図1B)。以前の研究によって、培養されたMSC様細胞の亜分画が上皮マーカーを発現しうることが示されていた(Wong, et al., 2009, J Clin Invest 119(2):336-48)ため、CCSP、プロSPCおよびサイトケラチン5を含む上皮マーカーの発現についても細胞をアッセイした(図1C)。FACS分析から、hBM-MSCが10% FBS/DMEM中での標準的な培養後に上皮マーカーを発現することが明らかにされた。本明細書において提示されたデータから、hBM-MSCがFACS分析によりCCSP (80%)、プロSPC (63%)、およびサイトケラチン-5 (77%)について陽性であることが示唆される(図1C)。これらの実験の陰性対照として、未分画の全骨髄単核細胞をFACSによって分析したところ、これらは肺上皮マーカーの評価について一様に陰性であった(図12)。

0155

hAT-MSCを新鮮回収された吸引脂肪組織から単離した(図1D〜1F)。細胞をコラゲナーゼ1組織消化によって単離し、組織培養フラスコ上へ配した。これらの細胞を拡張のために10%FBS/DMEM培地中で維持した。hAT-MSCの免疫表現型検査から、CD90+/CD105+/CD73+およびCD45-としてのその同一性が確認された(図1E)。hBM-MSCと同様に、hAT-MSCはFACSによりさまざまな上皮マーカーが免疫陽性であった(図1F)。興味深いことに、hAT-MSCとhBM-MSCとの間で上皮マーカーを発現する細胞の総量に差異があった。hBM-MSC集団とは対照的に、hAT-MSCの集団のおよそ半分はCCSP陽性である(44%); hAT-MSCはまた、プロSPC陽性(51%)、およびサイトケラチン5陽性(91%)である(図1F)。

0156

肺バイオリアクタ中でのMSCによるラット無細胞マトリックス再増殖
ラット肺無細胞マトリックス上に再播種されたhBM-MSC
脂肪または骨髄由来MSCがラット無細胞マトリックスを再細胞化しうるかどうか、およびこれらの細胞が無細胞マトリックス上での配置後に上皮表現型を呈しうるかどうか理解しようとして、MSCを既述の生体模倣ラット肺バイオリアクタシステム中で培養した(Petersen et al., 2010, Science 329:538-541)。脱細胞化された肺足場へMSCを播種する前に、天然のおよび脱細胞化された肺マトリックスのH&E組織像およびDAPI染色を観察した。これらの分析から、脱細胞化された肺には残存する天然肺細胞がないことが確認される(図2A〜B)。

0157

継代数2〜4回培養されたhBM-MSCを、脱細胞化されたラット肺の片方の右上肺葉へ気管を通じて250〜1000万個の細胞の密度で播種した。これらの細胞を気管へボーラスとして注射し、小気道増殖培地(SAGM)中にて7日間、肺バイオリアクタ中で培養した。形態が均一に線維芽球様である細胞をもたらし、1週間の培養後に、ほぼ全ての細胞がα-sma、つまり筋線維芽細胞のマーカーを発現していた、10%FBS/DMEMを用いたパイロット実験に倣って、再細胞化された肺の培養に潜在的に適した培地としてSAGMを選んだ(図7)。肺上皮分化を促進させるのに良好な候補としてSAGMを選択したが、というのは、それが含有するレチノイン酸およびヒト上皮成長因子のため、多能性細胞の増殖および上皮分化を促進させることが示されていたからである(Rackley & Stripp, 2012, J Clin Invest 122:2724-2730; Lenssen & Stolk, 2007 Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2(2): 131-139)。インビトロでのパイロット実験を行ったが、そのなかでは、SAGM培地を有する組織培養フラスコ中でまたは10% FBS/DMEM中でMSCを増殖させた。これらの実験から、SAGM中で増殖されたMSCはα-sma陽性の細胞を欠いていたが、細胞はCCSP発現を類似のレベルまで維持していたことが実証された(図7C〜7F)。

0158

インビトロ実験の結果として、α-smaを発現しひいては肺上皮分化を促進する細胞の量を抑えようとして、SAGMを用いた。しかしながら、無細胞の肺へhBM-MSCを播種する前に、細胞を10% FBS/DMEM培地中で維持して、堅調な増殖を促進した。

0159

SAGM中で7日間培養されたhBM-MSC再播種肺のH&E染色から、肺バイオリアクタ中にて10%FBS/DMEM中で増殖された細胞と比較した場合に、付着した細胞の、いっそう立方体に似た形状の外観が実証された(図2Cおよび図7)。インビトロでの培養に一致して、α-smaの免疫染色は、hBM-MSC再細胞化済のげっ歯類の肺においてほぼ完全に見られなかった。肺上皮マーカーの追加染色から、付着した細胞の65〜70%が2型肺細胞マーカー・プロSPCを発現することが立証された(図2D)。また、気道の基底上皮細胞によって発現されるマーカーであるサイトケラチン-5は、付着した細胞の一部において存在していた(図2F)。興味深いことに、免疫染色およびFACSによって出発hBM-MSC集団がCCSPを発現していたにもかかわらず、肺バイオリアクタ中での培養後にCCSPが陽性の細胞は存在していなかった(図2E; 図1C)。また、付着した細胞は基底細胞のマーカーであるP63、および1型肺細胞のマーカーであるカベオリン-1が陰性であった。

0160

hBM-MSCに由来するプロSPC陽性細胞の完全な機能および十分な分化状態への洞察を得るために、透過電子顕微鏡検査を用いて、これらの細胞により分泌されるサーファクタント・ベシクルのほかに、2型肺細胞層状体も特定しようとした(図2H)。天然肺2型肺細胞の透過電子顕微鏡検査による層状体の特定は、2型細胞の決定的特定にしばしば用いられる方法である(Schmiedl, et al., 2005, Histochem Cell Biol 124(6):465-76)。層状体の存在は、これらの細胞内での機能の特定でもありうる(Kassmer & Krause, 2010, Experimental Hematology 38:564-573)。層状体は、2型細胞内に含有される分泌サーファクタントおよび脂質の貯蔵所として働く。ヒト2型肺細胞もラット2型肺細胞もともに、層状体の存在によって特徴付けられる。陽性対照として、天然ラット肺の2型肺細胞内の層状体の存在についても調べた(図2B、青色矢印)。これらの層状体はおよそ500 nm長であり、同心渦巻きから形成される構造中の高電子密度沈着物によって特徴付けられる。さらに、天然2型肺細胞の別の特徴は分泌ベシクルの存在である(図2G、白色矢印)。

0161

hBM-MSCだけを播種し、他の細胞型はなくして、7日間培養した脱細胞化された肺足場についても、接着した細胞における分泌管のほかに、層状体の存在がないかアッセイした(図2H)。これらのhBM-MSC由来細胞は、豊富な高電子密度の層状体、および多くの分泌ベシクルを有していた(図2Hのそれぞれ、矢印およびシェブロン記号)。形態学的に、天然ラット2型肺細胞は、肺マトリックス上のバイオリアクタ内で、かつSAGMの存在下で7日間培養されたhBM-MSCに非常に似通っていた。まとめて、これらのデータから、hBM-MSCがタンパク質レベルで2型肺細胞に関連したマーカーを発現するだけでなく、天然2型細胞内に含有されるものと似ている機能に関連した細胞質構造も有することが示唆される。ゆえに、本データから、適当な条件の下で拡大かつ培養された場合に、hBM-MSCがII型肺胞上皮細胞の表現型を呈しうることが実証される。

0162

ラット肺無細胞マトリックス上へ再播種されたhAT-MSC
脱細胞化された肺上へ生着するhAT-MSCの能力を判定するため、細胞2.5〜10×106個を、右上の、脱細胞化げっ歯類肺葉へボーラスとして播種し、hBM-MSCと同じ条件の下で7日間SAGM培地中で培養した。播種された肺のH&E組織プレパラートから、hAT-MSCは、マトリックス全体に付着しうるが、しかし気道中に付着しないhBM-MSCとは異なり、気道に付着して再配置するための特定の親和性を有することが実証された(図3A〜B)。免疫染色から、気道に付着された細胞がクララ細胞のマーカーCCSP陽性であることが明らかにされた。これはhBM-MSCとは対照的であった。hBM-MSCは肺マトリックス上での培養後にCCSPの発現を維持しておらず、これらの細胞は気道に接着もしていない。

0163

また、肺バイオリアクタ中で培養されたhAT-MSCは、2型肺細胞マーカーであるプロSPC陽性であった。プロSPCに対する免疫蛍光によって、このマーカーに対して鮮明な、点状の細胞質染色を有する細胞が明らかにされた(図3Cの挿入図)。培養後のhAT-MSCとhBM-MSCとの間の別の差異は、hAT-MSCが免疫蛍光によってサイトケラチン-5陽性である細胞を生じないのに対して、hBM-MSCは生じるということである(図3Dおよび2H)。これらのデータから、異なる組織源に由来するMSCの間には、肺無細胞マトリックスに再配置するその能力に関して本質的相違が存在することが示唆される。

0164

肺バイオリアクタ培養後の肺胞上皮遺伝子発現
hBM-MSCおよびhAT-MSC再細胞化された肺において、さまざまな末梢肺上皮マーカーの遺伝子発現についても評価した。リアルタイムqRT-PCRを用いて、サーファクタントタンパク質C (II型)、カベオリン-1およびアクアポリン5 (AQP5,I型)の発現についてアッセイした(図4)。

0165

サーファクタントタンパク質C (SPC)は、II型肺細胞および初期肺前駆細胞のマーカーとして広く用いられている。RT-PCRから、3日目および7日目の時点のバイオリアクタ培養物を、フラスコ中で増殖されたMSCと比較した場合、hBM-MSC再細胞化された肺におけるSPC発現が増加したことが明らかにされた(図4A)。これらの結果から、それぞれ、23倍および93倍だけ3日目および7日目の時点で存在するSPC転写産物の量の漸進的増加が存在することが明らかである(図4A)。

0166

SPC発現の類似パターンが、hAT-MSC播種された肺足場において観察された。フラスコ中で増殖されたhAT-MSCと比べて、SPCの発現は3日目(36×)から7日目(137×)まで増加した。SPC遺伝子発現の増加は、hBM-MSC再細胞化された肺と比べてhAT-MSC再細胞化された肺でいっそう高かった。

0167

さらに、hBM-MSCおよびhAT-MSCを播種したラット肺足場において、カベオリン-1およびAQP5を含む2つの特異的肺胞I型マーカーの発現を評価した。カベオリン-1およびAQP5の両方の遺伝子発現は、組織培養フラスコ上で増殖されたMSCと比較して、3日目および7日目に評価した場合に肺バイオリアクタ培養において時間とともに増加した(図4B〜F)。これらの2つの1型細胞マーカーに対する遺伝子発現は培養下で時間とともに増加したが、1型マーカーのカベオリン-1またはアクアポリン5に対する免疫染色に基づくタンパク質発現は検出できなかった。

0168

全体として、qRT-PCRにより、hBM-MSCおよびhAT-MSCの両方が肺足場に播種されたバイオリアクタ中でSPC、カベオリン-1およびAQP5に対する遺伝子発現のレベルが時間とともに増加することが明らかにされた。しかしながら、免疫染色によって示されるタンパク質発現から、これらの遺伝子のうちプロSPCのみ肺足場上で7日後にhBM-MSCおよびAT-MSCにおいて検出可能であるが、1型マーカーに対する発現は検出不能であることが示唆される。任意の特定の理論によって束縛されることを望むわけではないが、この明らかな相違は、qRT-PCRの感度によっては肺足場上に播種された細胞からの少量のmRNA発現を検出する能力が許容されるが、免疫染色で検出可能なシグナルのためには十分に強力ではないタンパク質レベルによって説明される可能性が高い。

0169

hBM-MSCおよびhAT-MSCに由来する2型肺細胞の機能性
脱細胞化された肺足場上へ播種されたMSCが器官に対して機能的な改善を提供したかどうか判定するため、脱細胞化された足場上で増殖している細胞による培地への活性サーファクタント分泌が認められるかどうか評価した(図5)。hBM-MSCを右上の、脱細胞化された肺葉へ細胞2×106個の密度で播種し、2時間マトリックスに付着させた後に、肺葉を半分に切断し、SAGMを含有する6ウェル培養プレート中にその小片を配した。このようにして播種された、肺スライスを3日間または7日間培養し、これらの時点で培地を集めた。RT-PCRにより、脱細胞化された足場のみと比べて、3日目〜7日目の間にSPC遺伝子発現の増加が示された(図5A, 5B)。活性培養物の明視野顕微鏡検査によって、肺小片の近くに大部分が濃縮されていた油様液滴の可視層が明らかにされた(図5D, 5E)。これらの実験の対照として、MSCを播種しなかった足場を、同じ培養条件に置いた。これらの対照は油様液滴を含有していなかった(図8)。可視液滴が、播種された細胞により活発に産生されていたサーファクタントであったという可能性があるため、ELISAを行って、サーファクタントタンパク質Cの存在について試験した(図5C)。サーファクタントタンパク質Cは3日目および7日目の両時点で、それぞれ3.3 ng/mLおよび0.26/mLでhBM-MSCスライス培養物に存在していた(図5C)。hAT-MSCを播種した肺培養物は、培地中に存在するさらに多量のサーファクタントタンパク質を有していた。これらの培養物由来の馴化SAGMは、それぞれ5.55 ng/mLおよび1.16 ng/mLを含有していた(図5C)。これらのデータから、播種されたMSCは、MSCが脱細胞化された肺足場上で培養された場合にサーファクタントを活発に産生かつ分泌するという点で、2型肺細胞に似た機能をとることが示唆される。

0170

MSCの分化に及ぼす基材マトリックスの影響
MSCの分化に及ぼす培養基材の影響をさらに理解しようとして、hAT-MSCまたはhBM-MSCのいずれかを、コラーゲン1、コラーゲンIV、ラミニン、フィブロネクチン、ヒトECM、およびマトリゲルを含むさまざまな細胞外マトリックス(ECM)タンパク質でコーティングされた組織培養フラスコ上で培養した(図6)。コラーゲン1、コラーゲンIV、ラミニンおよびフィブロネクチンを選択したが、これは、各々が肺ECMの代表的成分だからである(Petersen et al., 2012, Cells Tissues Organs 195:222-231; Cortiella et al., 2010, Tissue Eng Part A 16:2565-2580);細胞に混合ECM組成を供与しようとして、ヒトECMおよびマトリゲル・コーティングを選択した。SAGM中で7日間の培養期間の後、細胞の集団をFACSによりおよびRT-PCRにより上皮マーカー発現について特徴付けた。

0171

変種基材上で培養されたhBM-MSC由来のFACS分析実験から得られたデータにより、細胞が培養されたECM成分に依って、サイトケラチン5、CCSPおよびプロSPCを発現する細胞集団に大きな差異があることが明らかにされた(図6A、図9、および図10)。コラーゲン1型基材上で増殖された細胞は最低量の、サイトケラチン5陽性である細胞を有していた;集団のおよそ3.0%が陽性であったが、フィブロネクチンコーティングされたプラスチックフラスコ上で増殖された細胞と比較した場合におよそ3倍の低減であった。また、hBM-MSC集団中のCCSP陽性細胞の量は、これらが増殖された基材に依って劇的に変化した。最大のCCSP陽性細胞集団は、フィブロネクチンコーティングされたフラスコ中であった(44%)が、最少量のCCSP陽性細胞は、コラーゲン4上で増殖されたhBM-MSCにおいて見られた(27%)。同様に、プロSPCを発現するhBM-MSCの集団は、表面コーティングの間で異なっていたが、その場合に、最大量の陽性細胞はヒトECMでコーティングされたフラスコ中に存在していた(54%)が、その最少量はマトリゲル上で増殖された細胞中であった(34%)。

0172

また、異なるECMマトリックス上で増殖されたhAT-MSCの挙動は、CCSP、プロSPCおよびサイトケラチン-5を発現する集団において差異を示した。例えば、プロSPC陽性細胞の集団は、ヒトECM条件での81%の高さからコラーゲン1条件での32%の低さに及んだ。また、CCSP陽性細胞の集団は他の表面コーティングと比較した場合に、ヒトECMでコーティングされたフラスコ中で最大(10%)であった。hAT-MSCとhBM-MSCとの間で上皮マーカーを発現した細胞の量には差異が存在していたが、集団の間で、とりわけヒトECM上で培養された集団の間で表現型の差異も明白であった(図6E, 6F)。ヒトECM上で培養されたhAT-MSCは、培養ディッシュ全体に格子状のネットワークを形成したが、hBM-MSCは標準的なMSC形態を維持した。

0173

異なるECM基材上での培養の結果としてRNAの変化を定量化するためのさらなる手段として、RT-PCRを行った。CCSP、サイトケラチン-5およびSPC遺伝子発現の類似パターンが、フローサイトメトリーによって見られるようにqPCRにより、異なるECMタンパク質上で培養されたhBM-MSCおよびhAT-MSCにおいて観察された(図6C, 6D)。しかしながら、qPCRデータから、混合ヒトECMタンパク質によって、他のECMタンパク質上で培養された細胞と比べて7日目にhBM-MSCおよびhAT-MSCの両方において有意に高いSPC遺伝子発現、低いCCSP、およびサイトケラチン-5遺伝子発現がもたらされることが示された。

0174

全体として、hAT-MSCおよびhBM-MSCの両方の集団とも、それらが培養される基材に依り、肺上皮マーカー発現の大きな変化を起こす。さらに、これらのデータは、基材のみによって、間葉間質細胞による肺上皮マーカー発現に影響が及ぼされうることを示す。これらのデータは、肺バイオリアクタ中で培養されたhAT-MSCおよびhBM-MSCを比べた場合の上皮マーカー発現の差異への洞察を与える。

0175

最後に、脱細胞化された肝臓マトリックス上へ播種されたhBM-MSCの表現型を、肺バイオリアクタ培養後のhBM-MSCの表現型と比べて分析した(図11)。hBM-MSCを、脱細胞化された肝臓スライス上へ播種し、3日間培養した後に、免疫染色およびH&E組織学的分析を行った。これらのデータは肝臓スライス上、10%FBS/DMEM中またはSAGM中のいずれかにおいて培養されたhBM-MSCが免疫染色によって、サイトケラチン5、CCSPを発現せず、プロSPCをごく稀に発現するだけであることを示している(図11)。培養期間は、期間が長いほどMSCの生存性はそれだけ低くなるので、3日間のみに制限した。これらのデータから、肺脱細胞化の後に残存しているECMは、MSCが分化し、肺上皮マーカーの発現を維持する能力に関与することがさらに示される。

0176

脂肪および骨髄由来MSCは、脱細胞化されたラット肺バイオリアクタシステム中での培養後に2型細胞の表現型をとりかつ機能することができる
過去の研究は、ラット肺を成功裏に脱細胞化させる方法の開発につながっている(Petersen et al., 2010, Science 329:538-541; Petersen et al., 2012, Cells Tissues Organs 195:222-231)。これらの知見は、脱細胞化されたヒト肺が、適切なドナー細胞を増殖させ、肺上皮細胞型へ分化させることができる足場として使用されることを究極的には可能にしうる(Badylak et al., 2011, Annu Rev Biomed Eng 13:27-53)。ドナー細胞型に不可欠である特徴には、1) 肺上皮または他の細胞型へ分化する能力; 2) 高度に増殖性である(脱細胞化された肺足場上へ播種する前にこれらの細胞を多数に拡大させることができなければならない); 3)患者から容易に採取可能である(すなわち分化した細胞か幹細胞かのいずれかの、自家細胞源); および4)免疫原性または免疫応答の誘発の欠如が含まれる。全体として、これらの特徴は、脱細胞化された肺に再播種するための供給源として間葉間質細胞を用いることの可能性を指し示すものである。hBM-MSCは、肺上皮を含むさまざまな上皮細胞型を生じることが以前に示されているが、これらの知見のなかには、まだ議論の余地があるものもある(Krause et al., 2001, Cell 105: 1-9; Wong et al., 2009, Cytotherapy 11:676-687; Ortiz et al., 2003, PNAS 100:8408-8411; Wong et al., 2007, Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 293:L740-L752; Wang et al., 2006, Stem Cells 24:482-493)。さらに、MSCは大部分の細胞型よりも免疫原性が低く、MHCクラス2マーカーを発現せず、T細胞の活性化の欠如によって証明されるように強力な免疫応答を惹起しない(Rasmusson et al., 2003, Transplantation, 76: 1208-1213)。ラット肺マトリックスにおけるヒト骨髄および脂肪組織由来MSCの本研究は、少なくともII型肺胞細胞表現型、恐らく同様に他の表現型への上皮細胞分化の明白かつ疑う余地のない証拠を指し示すものである。

0177

本明細書において提示されるデータは、ヒトBM-MSCが、脱細胞化されたラット肺マトリックス上へ配され、SAGM中で培養される場合、2型肺細胞マーカーのプロSPCおよび近位気道マーカーのサイトケラチン-5を発現しうることを実証する。過去の研究では、脱細胞化された肺足場上へ播種したBM-MSCから肺上皮への何らかの実質的な寄与を示すことができなかった(Daly et al, 2012, Tissue Eng Part A 18: 1-16; Bonvillain et al., 2012, Tissue Eng Part A 18(23-24):2437-52)。任意の特定の理論によって束縛されることを望むわけではないが、本データと他者らの研究との間のこの相違は、肺マトリックス脱細胞化プロセスの差異、および本研究において利用されたバイオリアクタ培養での肺動脈を介した培地の連続灌流の使用によって部分的に説明されうる。対照的に、これらの他のグループの研究では、肺スライス培養系を用い、保持されたECM成分が違った可能性が高い肺足場を用いていた。さらに、本明細書で用いた脱細胞化法では8 mMCHAPSを使用しているが、他のグループでは脱細胞化プロトコルにおいて0.1% Triton-Xを用いていた。脱細胞化のためにCHAPSおよびSDS界面活性剤を比べた過去の報告では、肺脱細胞化後のコラーゲンおよびエラスチンの保持に差異があることを見出した(Petersen et al., 2012, Cells Tissues Organs 195:222-231)。Triton-Xによる脱細胞化と比べてCHAPSによる肺脱細胞化後には異なるマトリックス成分が残存し、結果として、播種されたBM-MSCの分化に及ぼす影響が存在している可能性が高い。もう1つは、報告間の相違に対してさほどありそうにない可能性ではあるが、本研究ではラット肺上へ播種されたヒト由来MSCを用いたが、Dalyとその同僚らはマウス肺および細胞を用い、Bonvillainらはマカク肺および細胞の両方を用いていたことである。

0178

hAT-MSCが、気道を裏打ちし、かつCCSPタンパク質を発現するクララ様細胞、つまりアッセイされた3つのヒト骨髄ドナーサンプルのいずれにおいても見られない特徴を生じることも本明細書において示される。さらに、hBM-MSCと同様に、hAT-MSCはまた、2型様細胞を生じるが、しかし肺の再細胞化後にサイトケラチン-5陽性である細胞を生じない。これらの差異は、両方のMSC源が共通のCDマーカー発現から始まることを考慮すると、特に興味深い。しかしながら、本明細書において示されるように、MSC集団は、上皮マーカーCCSP、プロSPCおよびサイトケラチン-5を発現する集団に関連して変化する。初期上皮マーカー発現のこれらの差異は、肺バイオリアクタ中での培養後にMSC源の間で下流のばらつきをもたらしうる。さまざまな報告によって、原発組織に応じたMSCの分化能に関する差異が立証されている(Vidal et al., 2008, Veterinary Surgery 37:713-724; Baer & Geiger, 2012, Stem Cells International 2012, 1-11; Al-Nbaheen et al., 2013, Stem Cell Rev 9(1):32-43; Hoffman et al., 2011, Stem Cells and Development 20: 1779-1792; Pevsner-Fischer et al., 2011, Stem Cell Rev and Rep 7:560-568)。骨髄、脂肪組織および皮膚に由来するMSC間の遺伝子発現比較から、骨形成系統および脂肪形成系統に関連した遺伝子を発現する能力に著しい差異があることが示された(Al-Nbaheen et al., 2013, Stem Cell Rev 9(1):32-43)。hAT-MSC源とhBM-MSC源とを比較した場合の本結果を考慮すると、任意の特定の理論によって束縛されることを望むわけではないが、さらなるMSC源も、適切な肺生体模倣条件の下で培養された場合に異なる分化能を持ちうる可能性が高い。評価するのに特に興味深い候補は、気管支肺胞洗浄液から単離された細胞、いわゆる、プラスチックに付着し、骨髄MSCに関連した標準的マーカーを発現する「肺MSC」である(Hoffman et al., 2011, Stem Cells and Development 20: 1779-1792; Lama et al., 2007, J Clin Invest 117:989-996; Jarvinen et al., 2008, J Immunol. 181(6):4389-96)。

0179

過去の研究により肺上皮へ分化するBM-MSCの能力が示されているが、これらの知見には議論の余地がないわけではない(Kassmer & Krause, 2010, Experimental Hematology 38:564-573)。これらの議論は主に、研究者の間で用いられる実験方法のばらつき、特に関心対象の細胞を系統追跡するための手段としてのeGFPの使用に由来するように思われる(Krause, 2008, Proc Am Thorac Soc 5:323-327)。本結果は、出発材料が脱細胞化された肺およびhBM-MSCまたはhAT-MSCであるので、肺上皮へ寄与するhBM-MSCの能力をさらに確固たるものとする。本研究における脱細胞化された肺は、肺上皮細胞を完全に欠いている(図2B)。これによって、混入している、骨髄または脂肪組織以外に由来する細胞が肺上皮と間違って解釈される可能性が除外される。

0180

また、再細胞化された肺が、無細胞の肺足場と比較した場合に機能的改善を有することを示そうと試みた。肺胞2型細胞の主な機能のうちの1つは、サーファクタントタンパク質の産生である。hAT-MSCおよびhBM-MSCの両集団とも免疫蛍光、RT-PCRによればサーファクタントタンパク質Cを発現し、TEMによって示されるように層状体を含有していたが、再細胞化された肺において培養されたMSCは、ELISAによればSPCを活発に産生し、また、肺スライスに接した培地中に可視的なサーファクタント液滴を含有することも明らかである。本明細書において提示されるデータから、hAT-MSCは培養下、3日目の時点でhBM-MSCにより分泌された3.3 ng/mLのSPCと比較して、培地中へ最大5.5 ng/mLまでのSPCを分泌できることが示唆される。これらのデータは、MSCが2型細胞の表現型をとりえるが、しかしまた、脱細胞化された肺マトリックスに付着されると同時にサーファクタントを産生しうることをさらに支持する。興味深いことに、細胞分化における培地の重要性を支持して、10% FBS中で維持された培養下、いずれかのMSC集団からのサーファクタント分泌の可視的証拠は存在していなかった(図5および図8)。

0181

細胞分化を調節する際のECMの重要性を評価するために、MSCをまた、SAGM中、異なる種類のECMのなかで培養し、RT-PCRによりいくつかの上皮マーカーについて遺伝子発現レベルを評価し、集団マーカー発現をFACS分析により評価した。これらのデータは、さまざまなECM基材上で増殖された場合にマーカー発現という点で、MSC集団が著しく異なることを示す。関連した実験において、hBM-MSCを3日間、SAGMまたは10%FBSのいずれかにおいて脱細胞化された肝臓上で培養した(図11)。これらの実験は、脱細胞化された器官上での培養後の細胞の分化に及ぼす、保持されたECMの重要性および影響に関して特に根本的な、しかし意外にも評価されることが多くはない疑問答えることを目的としていた。これらの実験から、無細胞の肝臓上での培養後にhBM-MSCがサイトケラチン-5を発現せず、大部分はプロSPC発現について陰性であることが示された。

0182

まとめて、これらの実験から、脂肪組織および骨髄の両方に由来するMSCが、脱細胞化されたラット肺バイオリアクタシステム中での培養後に2型細胞の表現型および機能をとりうるものの、hAT-MSCのみが気道にCCSP陽性細胞をコロニー形成させうることが実証される。将来の肺再細胞化の努力では器官全体の再生用のドナー細胞としてさまざまなMSC源が利用されうるので、これらのデータは重要である。この目的のため、再細胞化プロセスを増強するように単離下または共培養下のいずれかのシナリオで、臍帯および肺組織に由来するものを含めて代替のMSC源の可能性が探索されている。

実施例

0183

本明細書において引用されるありとあらゆる特許、特許出願、および刊行物の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。本発明を具体的態様について開示したが、当業者が本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の他の態様および変形を考案しうることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、そのような態様および等価な変形の全てを含むと解釈されるよう意図される。

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