図面 (/)

技術 広い分子量分布を有するポリプロピレン

出願人 ボレアリス・アクチェンゲゼルシャフト
発明者 ガーレティナー,マルクスハフナー,ノルベルトギトサス,アントニスベルンライトナー,クラウス
出願日 2014年6月10日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2015-563168
公開日 2016年9月8日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2016-527327
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 付加重合用遷移金属・有機金属複合触媒
主要キーワード 低分子量化学種 立体配列 特徴的部位 メチル部位 一次モーメント 積分領域 結晶画分 残留物含有量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

少なくとも50g/10分のメルトフローレートMFR2(230℃)、少なくとも12.0のMw/Mn、及び少なくとも2.8重量%の冷キシレン可溶分(XCS)を有する、プロピレンホモポリマー

概要

背景

ポリプロピレンは多くの用途で使用される。最終用途によって、ポリプロピレンの特性は適宜調整されなければならない。例えば、いくつかの最終用途について、非常に高い剛性及び流動性が必要とされる。

WO2011076611A1は、ヘテロ相の系を記載する。しかし、生成物は低い流動性及び中程度の剛性を有する。
WO2010/089123A1は、メルトフローレート(melt flow rate)MFR2(230℃)が最大12g/10分のポリプロピレン材料を定義する。分子量分布(Mw/Mn)は8を超えない。

WO2011/117103は、かなり低い剛性を有するプロピレンコポリマーを記載する。メルトフローレートは非常に低い。

概要

少なくとも50g/10分のメルトフローレートMFR2(230℃)、少なくとも12.0のMw/Mn、及び少なくとも2.8重量%の冷キシレン可溶分(XCS)を有する、プロピレンホモポリマー。なし

目的

したがって、並外れた高い剛性と、高い流動性とを共に有するポリプロピレン材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(a)少なくとも50g/10分の、ISO1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃)、(b)少なくとも12.0の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比[Mw/Mn]、及び(c)少なくとも2.8重量%の、ISO16152(25℃)に従って決定される冷キシレン可溶分(XCS)を有する、プロピレンホモポリマー

請求項2

少なくとも4.0の、0.05ラジアン/秒での複素粘度eta*と300ラジアン/秒での複素粘度eta*との比を有する、請求項1に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項3

(a)少なくとも50g/10分の、ISO1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃)、(b)少なくとも4.0の、0.05ラジアン/秒での複素粘度eta*と300ラジアン/秒での複素粘度eta*との比、及び(c)少なくとも2.8重量%の、ISO16152(25℃)に従って決定される冷キシレン可溶分(XCS)を有する、プロピレンホモポリマー。

請求項4

少なくとも12.0の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比[Mw/Mn]を有する、請求項3に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項5

(a)0.4mol%以下の、13C−NMR分光法により決定される2,1エリトロ部位欠陥、及び/または(b)95.0%より高く、好ましくは95.0%より高く97.5%以下の範囲にあるペンタドアイソタクティシティ(mmmm)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項6

(a)少なくとも6.0の、z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比[Mz/Mw]、及び/または(b)少なくとも80の、z平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比[Mz/Mn]を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項7

核形成されておらず、任意に、(a)少なくとも1.30の、160℃より高く180℃以下の温度範囲融解する結晶画分と90〜160の温度範囲で融解する結晶画分との重量比[(>160〜180)/(90〜160)]、ここで前記結晶画分は段階状等温偏析技術(SIST)により決定され、及び/または(b)少なくとも112℃の結晶化温度、及び/または(c)少なくとも1,950MPaの、ISO527−2に従って測定される引張弾性率を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項8

α−核形成されており、任意に、(a)少なくとも2.90の、160℃より高く180℃以下の温度範囲で融解する結晶画分と90〜160の温度範囲で融解する結晶画分との重量比[(>160〜180)/(90〜160)]、ここで前記結晶画分は段階状等温偏析技術(SIST)により決定され、及び/または(b)少なくとも128℃の結晶化温度、及び/または(c)少なくとも2,150MPaの、ISO527−2に従って測定される引張弾性率を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項9

160℃より高い融解温度Tmを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項10

前記プロピレンホモポリマー(H−PP)が、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とを有し、前記第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とは、メルトフローレートMFR2(230℃)が少なくとも30g/10分異なる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項11

(a)第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)のメルトフローレートMFR2(230℃)が、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)よりも、少なくとも4倍高く、及び/または(b)第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)が、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)のメルトフローレートMFR2(230℃)よりも、少なくとも1000倍高い、請求項10に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項12

(a)第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)のメルトフローレートMFR2(230℃)が、少なくとも300g/10分であり、及び/または(b)第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)が、10.0g/10分以上300g/10分未満の範囲にあり、及び/または(c)第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)のメルトフローレートMFR2(230℃)が、0.1g/10分未満である、請求項10または11に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項13

プロピレンホモポリマーの合計量に基づいて、好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とを一緒にした合計量に基づいて、(a)第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)の量が、40〜60重量%の範囲にあり、(b)第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)の量が、25〜59.0重量%の範囲にあり、かつ(c)第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)の量が、1.0〜15.0重量%の範囲にある、請求項8〜10のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項14

請求項15〜18のいずれか一項に従って製造された、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマー。

請求項15

直列に連結された、少なくとも3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)を含む逐次重合ステムで、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマーを製造するための方法であって、前記少なくとも3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)でのプロピレン重合が、(a)少なくとも1つのチタンハロゲン結合を有するチタン化合物(TC)、及び内部供与体(ID)を含み、これらが共にハロゲン化マグネシウムに支持されている、チーグラーナッタ触媒(ZN−C)と、(b)助触媒(Co)と、(c)外部供与体(ED)との存在下で起こり、(i)内部供与体(ID)が、少なくとも80重量%のコハク酸エステルを含み、(ii)助触媒(Co)と外部供与体(ED)とのモル比[Co/ED]が、2〜60であり、かつ(iii)助触媒(Co)とチタン化合物(TC)とのモル比[Co/TC]が、150〜300である、方法。

請求項16

(a)外部供与体(ED)のチタン化合物に対するモル比[ED/TC]が、5より大きく100未満の範囲にあり、かつ/または(b)第1の重合反応器(R1)がループ反応器(LR)であり、第2の重合反応器が第1の気相反応器(GPR1)であり、かつ第3の重合反応器が第2の気相反応器(GPR2)である、請求項15に記載の方法。

請求項17

(a)第1の重合反応器(R1)での操作温度が70〜85℃の範囲にあり、及び/または(b)第2の重合反応器(R2)での操作温度が70〜95℃の範囲にあり、及び/または(c)第3の重合反応器(R3)での操作温度が70〜95℃の範囲にある、請求項15または16に記載の方法。

請求項18

(a)全体の平均滞留時間が最大500分であり、及び/または(b)第1の重合反応器(R1)での平均滞留時間が少なくとも20分であり、及び/または(c)第2の重合反応器(R2)での平均滞留時間が少なくとも90分であり、及び/または(d)第3の重合反応器(R3)での平均滞留時間が少なくとも100分である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、広い分子量分布を有する新規プロピレンホモポリマー、及びその製造を対象とするものである。

背景技術

0002

ポリプロピレンは多くの用途で使用される。最終用途によって、ポリプロピレンの特性は適宜調整されなければならない。例えば、いくつかの最終用途について、非常に高い剛性及び流動性が必要とされる。

0003

WO2011076611A1は、ヘテロ相の系を記載する。しかし、生成物は低い流動性及び中程度の剛性を有する。
WO2010/089123A1は、メルトフローレート(melt flow rate)MFR2(230℃)が最大12g/10分のポリプロピレン材料を定義する。分子量分布(Mw/Mn)は8を超えない。

0004

WO2011/117103は、かなり低い剛性を有するプロピレンコポリマーを記載する。メルトフローレートは非常に低い。

発明が解決しようとする課題

0005

したがって、並外れた高い剛性と、高い流動性とを共に有するポリプロピレン材料を提供する需要が残っている。

課題を解決するための手段

0006

本発明の発見は、メルトフローレートMFR2(230℃)が少なくとも50g/10分であり、分子量分布(Mw/Mn)が広い、すなわち少なくとも12.0である、プロピレンホモポリマーを提供することである。

0007

したがって、本発明は、第1の態様では、
(a)少なくとも50g/10分の、ISO1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃)、
(b)少なくとも12.0の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比[Mw/Mn]、及び
(c)少なくとも2.8重量%の、ISO16152(25℃)に従って決定される冷キシレン可溶分(XCS:xylene cold soluble content)、を有するプロピレンホモポリマーを対象とする。

0008

一実施形態では、前記プロピレンホモポリマーがα−核形成されておらず、好ましくは全く核形成されていない。好ましい一実施形態では、プロピレンホモポリマーがα−核形成されている。

0009

第2の態様では、本発明は、
(a)少なくとも50g/10分の、ISO1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃)、
(b)少なくとも4.0の、0.05ラジアン/秒での複素粘度eta*と300ラジアン/秒での複素粘度eta*との比、及び
(c)少なくとも2.8重量%の、ISO16152(25℃)に従って決定される冷キシレン可溶分(XCS)、を有するプロピレンホモポリマーを対象とする。

0010

一実施形態では、前記プロピレンホモポリマーがα−核形成されておらず、好ましくは全く核形成されていない。好ましい一実施形態では、プロピレンホモポリマーがα−核形成されている。

0011

この発明によるプロピレンホモポリマーは、メルトフローレートMFR2(230℃)を高いレベルに維持することによる、非常に高い剛性で特徴付けられることが見出された。

0012

以下に、本発明をより詳細に説明する。上に示された両態様は、一緒議論される。
本発明によると、表現ポリプロピレンホモポリマー」は、実質的にプロピレン単位からなる、すなわち少なくとも99.0重量%、より好ましくは、少なくとも99.5重量%のプロピレン単位からなるポリプロピレンに関する。別の実施形態では、プロピレン単位のみが検出可能であり、すなわちプロピレンのみが重合された。

0013

本発明に係るプロピレンホモポリマーの1つの要件は、かなり高いメルトフローレートである。したがって、プロピレンホモポリマーは、ISO1133に従って測定されるMFR2(230℃)が少なくとも50g/10分、好ましくは50〜1000g/10分の範囲、より好ましくは60〜500g/10分の範囲、さらにより好ましくは、70〜300g/10分の範囲である。

0014

本プロピレンホモポリマーの別の要件は、広い分子量分布である。本出願では、分子量分布は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)により決定される。数平均分子量(Mn)は、分子量に対する、各分子量範囲における分子の数のプロット一次モーメントとして表されるポリマーの平均分子量である。事実上これは、全ての分子の合計分子量を分子の数で割った値である。数平均分子量(Mn)は、低分子量化学種重量分率の変化に非常に敏感である。次に、重量平均分子量(Mw)は、分子量に対する、各分子量範囲におけるポリマーの重量のプロットの一次モーメントである。重量平均分子量(Mw)は、与えられたポリマーの試料中の大きな分子の数の変化に非常に敏感である。最後に、z平均分子量(Mz)は、ポリマーの非常に高い分子量化学種に関する情報を与える。

0015

したがって、この発明によるプロピレンホモポリマーは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比[Mw/Mn]が、少なくとも12.0、好ましくは12.0〜16.5の範囲、より好ましくは12.5〜16.0の範囲、さらにより好ましくは13.0〜15.7の範囲にある。

0016

加えて、プロピレンホモポリマーは、z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比[Mz/Mw]が、少なくとも6.0、より好ましくは6.0〜12.0、さらにより好ましくは6.0〜10.0の範囲、さらにより好ましくは6.5〜9.7の範囲にあることが好ましい。

0017

前段落に追加して、または代替的に、プロピレンホモポリマーは、z平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比[Mz/Mn]が、少なくとも80、より好ましくは80〜140の範囲、さらにより好ましくは90〜130の範囲にある。

0018

ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法の代わりに、またはそれに加えて、プロピレンホモポリマーは、そのレオロジー挙動により定義することができる。したがって、ポリプロピレンは、ISO6271−10に従って動的レオロジーにより230℃で測定される0.05ラジアン/秒での複素粘度eta*と300ラジアン/秒での複素粘度eta*との比が、少なくとも4.0、好ましくは、少なくとも6.0、さらにより好ましくは6.0〜15.0の範囲、さらにより好ましくは7.0〜14.0の範囲にあると認識される。

0019

この発明によるプロピレンホモポリマーは、かなり高い冷キシレン可溶分(XCS)、すなわち冷キシレン可溶分(XCS)が少なくとも2.5重量%、例えば少なくとも2.8重量%であることにより特徴付けられることが好ましい。したがって、プロピレンホモポリマーは、好ましくは冷キシレン可溶分(XCS)が、2.5〜5.0重量%の範囲、より好ましくは、2.8〜4.8重量%の範囲、さらにより好ましくは、3.0〜4.5重量%の範囲にある。

0020

冷キシレン可溶(XCS)量はさらに、プロピレンホモポリマーが好ましくは、エラストマー性ポリマー成分、例えばエチレンプロピレンゴムを全く含まないことを示す。言い換えると、プロピレンホモポリマーはヘテロ相ポリプロピレン、すなわち、エラストマー相が分散したポリプロピレンマトリックスからなる系ではないものとする。このような系は、かなり高い冷キシレン可溶分により特徴付けられる。

0021

冷キシレン可溶(XCS)量はさらに、プロピレンホモポリマーが好ましくは、機械的特性を改善するための第2相としての含有物を形成するエラストマー性(コ)ポリマーを含まないことを示す。第2相の挿入物としてエラストマー性(コ)ポリマーを含むポリマーは、対照的に、ヘテロ相と呼ばれることがあり、これは好ましくは本発明の一部ではない。第2相、またはいわゆる含有物の存在は例えば、高分解能顕微鏡法、例えば電子顕微鏡法もしくは原子間力顕微鏡法、または動機械熱分析DMTA:dynamic mechanical thermal analysis)により見ることができる。具体的にDMTAでは、多相構造の存在が、少なくとも2つの別個ガラス転移温度の存在により確認され得る。

0022

したがって、この発明によるプロピレンホモポリマーは、ガラス転移温度が、−30℃未満、好ましくは−25℃未満、より好ましくは−20℃未満にないことが好ましい。
一方、好ましい一実施形態では、この発明によるプロピレンホモポリマーは、ガラス転移温度が、−15〜0℃の範囲、より好ましくは−12〜−2℃の範囲にある。これらの値は特に、プロピレンホモポリマーがα−核形成されている場合に適用する。

0023

さらに、プロピレンホモポリマーは好ましくは結晶性である。用語「結晶性」は、プロピレンホモポリマーがかなり高い融解温度を有することを示す。したがって、特に示されない限り、本発明全体にわたって、プロピレンホモポリマーは結晶性であると考えられる。したがって、プロピレンホモポリマーは好ましくは、融解温度が158℃より高く、すなわち158℃より高く168℃以下であり、より好ましくは、少なくとも160℃、すなわち160〜168℃の範囲、さらにより好ましくは、160〜165℃の範囲にある。

0024

好ましくは、プロピレンホモポリマーはアイソタクチックである。したがって、プロピレンホモポリマーは、かなり高いペンタッド濃度(mmmm%)、すなわち93.0%より高く、より好ましくは、94.5%より高く、例えば94.5%より高く97.5%以下、さらにより好ましくは、少なくとも95.0%、例えば95.0〜97.5%の範囲のペンタッド濃度を有することが好ましい。

0025

プロピレンホモポリマーのさらなる特徴は、ポリマー鎖におけるプロピレンの誤挿入が少量であることであり、これは、プロピレンホモポリマーが、チーグラーナッタ触媒の存在下で、好ましくは、以下でより詳細に定義されるチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)の存在下で製造されることを示す。したがって、プロピレンホモポリマーは、好ましくは、少量の2,1エリトロ部位欠陥、すなわち0.4mol%以下、より好ましくは0.2mol%以下、例えば0.1mol%以下の2,1エリトロ部位欠陥により特徴付けられ、これは13C−NMR分光法により決定される。特に好ましい一実施形態では、2,1エリトロ部位欠陥が検出不可能である。

0026

部位欠陥が少量であるため、プロピレンホモポリマーは、さらに、高含有量の厚いラメラによっても特徴付けられる。かなり高いmmmmペンタッド濃度及び少量の部位欠陥の特定の組み合わせは、プロピレンホモポリマーの結晶化挙動に対する影響も有する。したがって、本発明のプロピレンホモポリマーは、長い結晶化可能な配列により特徴付けられ、したがって、かなり多量の厚いラメラによって特徴付けられる。こうした厚いラメラを識別するために、段階状等温偏析技術(SIST:stepwise isothermal segregation technique)が選択される。したがって、プロピレンホモポリマーは、追加的に、または代替的に、160℃より高く180℃以下の温度範囲融解する結晶画分と90〜160の温度範囲で融解する結晶画分との重量比[(>160〜180)/(90〜160)]によって定義され得る。

0027

したがって、
(a)核形成されていないプロピレンホモポリマーについて、160℃より高く180℃以下の温度範囲で融解する結晶画分と90〜160の温度範囲で融解する結晶画分との重量比[(>160〜180)/(90〜160)]が、少なくとも1.30、より好ましくは1.30〜2.00の範囲、さらにより好ましくは、1.50〜1.80の範囲であるか、
または、
(b)α−核形成されたプロピレンホモポリマーについて、160℃より高く180℃以下の温度範囲で融解する結晶画分対90〜160の温度範囲で融解する結晶画分の重量比[(>160〜180)/(90〜160)]が、少なくとも3.00、より好ましくは3.00〜4.20の範囲、さらにより好ましくは、3.19〜4.20の範囲、さらにより好ましくは、3.19〜4.00の範囲であることが好ましく、
前記画分は、段階状等温偏析技術(SIST)により決定される。

0028

段階状等温偏析技術(SIST)により決定されるプロピレンホモポリマーの結晶画分と同様に、結晶化温度もポリマーの結晶形に依存する。したがって、
(a)核形成されていないプロピレンホモポリマーの結晶化温度が、少なくとも110℃、より好ましくは、少なくとも112℃、さらにより好ましくは、110〜125℃の範囲、例えば112〜123℃の範囲であるか、
または、
(b)α−核形成されたプロピレンホモポリマーの結晶化温度が、少なくとも128℃、より好ましくは、少なくとも130℃、さらにより好ましくは、128〜138℃の範囲、例えば130〜136℃の範囲であることが好ましい。

0029

プロピレンホモポリマーは、高い剛性によって、さらに特徴付けられる。したがって、本発明のプロピレンホモポリマーは、高い引張弾性率を有し、前記弾性率はポリマーの結晶形に依存する。したがって、
(a)核形成されていないプロピレンホモポリマーの引張弾性率(180℃で成形された試験片)が、少なくとも1,950MPa、より好ましくは、少なくとも2,000MPa、さらにより好ましくは、1,950〜2,500MPaの範囲、例えば1,950〜2,400MPaの範囲であるか、
または、
(b)α−核形成されたプロピレンホモポリマーの引張弾性率(180℃で成形された試験片)が、少なくとも2,150MPa、より好ましくは、少なくとも2,200MPa、さらにより好ましくは、2,150〜2,600MPaの範囲、例えば2,200〜2,500MPaの範囲であることが好ましい。

0030

この発明によるプロピレンホモポリマー(H−PP)は、好ましくは、3つの画分、すなわち第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とを含み、より好ましくは、これら3つの画分からなる。

0031

好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)との間の重量比[(H−PP1):(H−PP2)]は、70:30〜40:60、より好ましくは65:35〜50:50である。

0032

好ましくは、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)との間の重量比[(H−PP2):(H−PP3)]は、95:5〜50:50、より好ましくは90:10〜70:30である。

0033

したがって、プロピレンホモポリマーが、プロピレンホモポリマーの合計量に基づいて、好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とを一緒にした合計量に基づいて、
(a)第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)を40〜60重量%の範囲、より好ましくは45〜60重量%の範囲、さらにより好ましくは50〜60重量%の範囲で含み、
(b)第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)を25〜59.0重量%の範囲、より好ましくは27〜52重量%の範囲、さらにより好ましくは28〜45.5重量%の範囲で含み、及び
(c)第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)を1.0〜15.0重量%の範囲、より好ましくは、3.0〜13.0重量%の範囲、さらにより好ましくは、4.5〜12.0重量%の範囲で含むこと、
好ましくは、これらからなることが特に好ましい。

0034

好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とは、メルトフローレートMFR2(230℃)が異なり、より好ましくは、メルトフローレートMFR2(230℃)が少なくとも30g/10分異なり、さらにより好ましくは、少なくとも35g/10分異なる。

0035

好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)は、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)よりも高いメルトフローレートMFR2(230℃)を有し、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)は、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)よりも高いメルトフローレートMFR2(230℃)を有する。

0036

したがって、
(a)第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)のメルトフローレートMFR2(230℃)は、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)よりも、少なくとも4倍高く、好ましくは、少なくとも5倍高く、より好ましくは4倍〜8倍高く、さらにより好ましくは5倍〜8倍高く、
及び/または
(b)第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)は、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)のメルトフローレートMFR2(230℃)よりも、少なくとも1,000倍高く、好ましくは、少なくとも5,000倍高く、より好ましくは1,000倍〜5,000,000倍高く、さらにより好ましくは5,000倍〜500,000倍高いことが特に好ましい。

0037

したがって、特定の一実施形態では、本発明によるプロピレンホモポリマーは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とを含み、より好ましくは、これらからなり、
(a)第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)のメルトフローレートMFR2(230℃)は、少なくとも300g/10分、より好ましくは、300〜2,000g/10分の範囲、さらにより好ましくは、400〜1,500g/10分の範囲、例えば450〜1,200g/10分の範囲にあり、
及び/または
(b)第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)が、10.0〜300g/10分未満の範囲にあり、
及び/または
(c)第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)のメルトフローレートMFR2(230℃)は、0.1g/10分未満、より好ましくは、0.000001〜0.1g/10分未満の範囲、さらにより好ましくは、0.00001〜0.1g/10分の範囲、例えば0.00001〜0.01g/10分の範囲にある。

0038

したがって、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)と第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)とが一緒に、不等式(I)、より好ましくは、不等式(Ia)を満たすことが好ましい。

0039

0040

式中、
MFR(H−PP1)は、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(H−PP2)は、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]である。

0041

追加的に、または代替的に、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)と第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)とが一緒に、不等式(II)、より好ましくは、不等式(IIa)を満たすことが好ましい。

0042

0043

式中、
MFR(H−PP2)は、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(H−PP3)は、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]である。

0044

追加的に、または代替的に、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)とプロピレンホモポリマー(H−PP)とが一緒に、不等式(III)、より好ましくは、不等式(IIIa)、さらにより好ましくは、不等式(IIIb)を満たすことが好ましい。

0045

0046

式中、
MFR(H−PP1)は、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(H−PP)は、プロピレンホモポリマー(H−PP)のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]である。

0047

好ましくは、この発明によるプロピレンホモポリマーは、以下でより詳細に定義されるように製造される。
好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)は、第1の重合反応器(R1)で製造されるのに対し、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)は、第2の重合反応器(R2)で製造される。第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)は、好ましくは、第3の重合反応器(R3)で製造される。

0048

本発明で定義されるプロピレンホモポリマーは、最大5.0重量%の添加剤(以下で詳細に定義されるα−造核剤を除く)、例えば、酸化防止剤スリップ剤、及びブロッキング防止剤を含んでもよい。好ましくは、添加剤の含有量は、3.0重量%未満、例えば1.0重量%未満である。

0049

上述の通り、好ましい一実施形態では、プロピレンホモポリマーは、α−造核剤を含む。別の好ましい実施形態では、プロピレンホモポリマーはα−造核剤を含まず、より好ましくは、造核剤を全く含まない。

0050

プロピレンホモポリマーがα−造核剤を含む場合、β−造核剤を含まないことが好ましい。α−造核剤は好ましくは、
(i)モノカルボン酸及びポリカルボン酸の塩、例えば、ナトリウムベンゾエートまたはアルミニウムtert−ブチルベンゾエート、ならびに
(ii)ジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)及びC1〜C8−アルキル置換されたジベンジリデンソルビトール誘導体、例えば、メチルジベンジリデンソルビトール、エチルジベンジリデンソルビトールもしくはジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)、または置換されたノニトール誘導体、例えば、1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニルメチレン]−ノニトール、ならびに
(iii)リン酸ジエステルの塩、例えば、ナトリウム2,2’−メチレンビス(4,6,−ジ−tert−ブチルフェニルホスフェートまたはアルミニウム−ヒドロキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ならびに
(iv)ビニルシクロアルカンポリマー及びビニルアルカンポリマー(以下でより詳細に議論される)、ならびに
(v)これらの混合物からなる群から選択される。

0051

このような添加剤は一般に市販されており、例えば、「Plastic Additives Handbook」、871〜873ページ、第5版、2001、Hans Zweifelに記載される。

0052

好ましくは、プロピレンホモポリマーは、最大5重量%のα−造核剤を含む。好ましい一実施形態では、プロピレンホモポリマーは、200ppm以下、より好ましくは、1〜200ppm、より好ましくは、5〜100ppmのα−造核剤、特に、ジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4ジベンジリデンソルビトール)、ジベンジリデンソルビトール誘導体、好ましくは、ジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4ジ(メチルベンジリデン)ソルビトール)、または置換されたノニトール誘導体、例えば、1,2,3,−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−O−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール、ナトリウム2,2’−メチレンビス(4,6,−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ビニルシクロアルカンポリマー、ビニルアルカンポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるα−造核剤を含む。

0053

好ましい一実施形態では、ナトリウム2,2’−メチレンビス(4,6,−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートが使用される。
下記で、プロピレンホモポリマーの製造は、より詳細に記載される。

0054

したがって、本発明は、直列に連結された、少なくとも2つの重合反応器((R1)及び(R2))または少なくとも3つの重合反応器((R1)、(R2)及び(R3))を含む逐次重合ステム、例えば、直列に連結された、2つの重合反応器(R1)及び(R2)からなる逐次重合システム、または直列に連結された、3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)からなる逐次重合システムで、プロピレンホモポリマー(H−PP)を製造するための方法であって、少なくとも2つの重合反応器((R1)及び(R2))または少なくとも3つの重合反応器((R1)、(R2)及び(R3))、例えば2つの重合反応器(R1)及び(R2)または3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)でのプロピレンの重合が、
(a)少なくとも1つのチタンハロゲン結合を有するチタン化合物(TC)、及び内部供与体(ID:internal donor)を含み、これらが共にハロゲン化マグネシウムに支持されているチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)と、
(b)助触媒(Co)と、
(c)外部供与体(ED:external donor)と
の存在下で起こり、
(i)内部供与体(ID)が、少なくとも80重量%のコハク酸エステルを含み、
(ii)助触媒(Co)と外部供与体(ED)とのモル比[Co/ED]が、2〜60であり、
(iii)助触媒(Co)とチタン化合物(TC)とのモル比[Co/TC]が、150〜300であり、かつ
(iv)任意に、外部供与体(ED)とチタン化合物とのモル比[ED/TC]が、5より大きく100未満の範囲、好ましくは、20〜70の範囲にある、方法を対象とする。

0055

好ましくは、2つの重合反応器((R1)及び(R2))のうちの少なくとも1つが気相反応器であり、より好ましくは、2つの重合反応器(R1)及び(R2)のうちの一方がループ反応器(LR)であるのに対し、2つの重合反応器(R1)及び(R2)のうちの他方が気相反応器(GR1)であり、さらにより好ましくは、第1の重合反応器(R1)がループ反応器(LR)であり、第2の重合反応器(R2)が気相反応器(GPR1)である。したがって、逐次重合システムが2つの重合反応器(R1)及び(R2)からなる場合、第1の重合反応器(R1)がループ反応器(LR)であり、第2の重合反応器(R2)が第1の気相反応器(GPR1)である。

0056

逐次重合システムが3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)を含む場合、例えばこれらからなる場合、3つの重合反応器((R1)、(R2)及び(R2))のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つが気相反応器であり、より好ましくは、3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)のうちの1つがループ反応器(LR)であるのに対し、3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)のうちの他の2つが気相反応器(GR1)及び(GR2)であり、さらにより好ましくは、第1の重合反応器(R1)がループ反応器(LR)であり、第2の重合反応器が第1の気相反応器(GPR1)であり、第3の重合反応器(R2)が第2の気相反応器(GPR2)である。

0057

好ましくは、第1の重合反応器(R1)の操作温度が70〜85℃の範囲であり、ならびに/または第2の重合反応器(R2)及び任意の第3反応器(R3)の操作温度が75〜95℃の範囲である。

0058

驚くべきことに、本発明の方法に従って製造されたプロピレンホモポリマー(H−PP)は、残留物含有量が少ないことが見出された。さらに、適用される触媒生産性は非常に高い。加えて、本発明の方法では、高い分子量分布を達成できる。

0059

以下に、本発明をより詳細に説明する。
好ましくは、この発明によるプロピレンホモポリマーは、少なくとも3つの反応器を含む、好ましくは3つの反応器(R1)、(R2)及び(R23)からなる、逐次重合システムで製造される。

0060

用語「逐次重合システム」は、直列に連結された少なくとも3つの反応器でプロピレンホモポリマーを製造することを示す。したがって、本発明の重合システムは、少なくとも第1の重合反応器(R1)と、第2の重合反応器(R2)と、第3の重合反応器(R3)とを含む。用語「重合反応器」は、主要な重合が起こる反応器を示すものとする。したがってこの定義は、その方法が3つの重合反応器からなる場合でも、全体のシステムが、例えば予備重合反応器での予備重合テップを含むという選択肢を除外するものではない。用語「からなる」は、主要な重合反応器の観点で限定的な説述であるにすぎない。

0061

好ましくは、第1の重合反応器(R1)がスラリー反応器(SR)であるのに対し、第2の重合反応器(R2)及び第3の重合反応器(R3)は気相反応器(GPR)である。この発明による気相反応器(GPR)は、好ましくは、流動床反応器高速流動床反応器(fast fluidized bed reactor)、もしくは固定床反応器(settled bed reactor)、またはこれらのあらゆる組み合わせである。

0062

したがって、第1の重合反応器(R1)は、スラリー反応器(SR)であることが好ましく、バルクまたはスラリーで作動する、いずれかの、連続のもしくは単一の、撹拌回分槽反応器またはループ反応器であってもよい。バルクは、少なくともモノマー60%(w/w)を含む反応媒体における重合を意味する。本発明によれば、スラリー反応器(SR)は(バルク)ループ反応器(LR)であることが好ましい。したがって、ループ反応器(LR)内のポリマースラリーにおける、プロピレンホモポリマーの平均濃度、すなわちプロピレンホモポリマーの第1画分(1stF)(すなわち、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1))は、ループ反応器(LR)内のポリマースラリーの全重量に対して、典型的には15重量%〜55重量%である。本発明の好ましい一実施形態において、ループ反応器(LR)内のポリマースラリーにおける、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)の平均濃度は、ループ反応器(LR)内のポリマースラリーの全重量に対して、20重量%〜55重量%であり、より好ましくは、25重量%〜52重量%である。

0063

好ましくは、第1の重合反応器(R1)のプロピレンホモポリマー、すなわち第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)、より好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)を含む、ループ反応器(LR)のポリマースラリーを、第2の重合反応器(R2)、すなわち第1の気相反応器(GPR1)へ、その段階の間にフラッシュステップを含まずに、直接供給する。この種の直接供給は、EP887379A、EP887380A、EP887381A、EP991684Aに記載されている。「直接供給」は、第1の重合反応器(R1)すなわちループ反応器(LR)の内容物、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)を含むポリマースラリーを、次の段階の気相反応器へ直接導入する方法を意味する。

0064

あるいは、第1の重合反応器(R1)のプロピレンホモポリマー、すなわち第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)、より好ましくは、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)を含むループ反応器(LR)のポリマースラリーを、第2の重合反応器(R2)、すなわち第1の気相反応器(GPR1)へ供給する前に、フラッシュステップへ、またはさらなる濃縮ステップを介して、導入することもあり得る。したがって、この「間接供給」は、第1の重合反応器(R1)、ループ反応器(LR)の内容物、すなわちポリマースラリーが、反応媒体分離装置(reaction medium separation unit)、及びその分離装置からの、ガス状反応媒体を介して、第2の重合反応器(R2)、第1の気相反応器(GPR1)へ供給される方法を示す。

0065

より詳細には、第2の重合反応器(R2)、及びいずれかの、それに続く反応器、例えば第3の重合反応器(R3)は、気相反応器(GPR)であることが好ましい。こうした気相反応器(GPR)は、あらゆる機械混合式の反応器または流動床反応器であってもよい。好ましくは、気相反応器(GPR)は、ガス流速が少なくとも0.2m/秒の、機械撹拌式の流動床反応器を含む。したがって、気相反応器は、好ましくは、機械的撹拌器を伴う流動床型反応器であると認識される。

0066

したがって、好ましい一実施形態において、第1の重合反応器(R1)は、ループ反応器(LR)などのスラリー反応器(SR)であるのに対し、第2の重合反応器(R2)、及び第3の重合反応器(R3)は、気相反応器(GPR)である。したがって、本発明の方法に関して、少なくとも3つの重合反応器(R1)、(R2)及び(R3)、すなわち、直列に連結された、ループ反応器(LR)などのスラリー反応器(SR)、ならびに第1の気相反応器(GPR1)、及び第2の気相反応器(GPR2)を用いる。必要であれば、スラリー反応器(SR)の前に、予備重合反応器を置く。

0067

チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を、第1の重合反応器(R1)へ供給し、第1の重合反応器(R1)で得られるポリマー(スラリー)と共に、次の反応器へ移す。また、その方法が予備重合ステップを含む場合、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を予備重合反応器へ供給するのが好ましい。次に、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を含む予備重合生成物を、第1の重合反応器(R1)へ移す。

0068

好ましい多段式方法は、Borealis A/S、デンマークによって開発された「ループ気相」法(BORSTAR(登録商標)技術として公知)であり、例えば、EP0887379、WO92/12182、WO2004/000899、WO2004/111095、WO99/24478、WO99/24479、またはWO00/68315などの特許文献において記載されている。

0069

さらに適したスラリー−気相法は、BasellによるSpheripol(登録商標)法である。
反応器の温度が注意深く選択される場合、特に良い結果が得られる。

0070

したがって、第1の重合反応器(R1)の操作温度は、好ましくは70〜85℃の範囲、より好ましくは、70〜82℃の範囲、さらにより好ましくは、72〜80℃の範囲、例えば73〜80℃の範囲、すなわち75℃である。

0071

代替的に、または前段落に追加して、第2の重合反応器(R2)の操作温度は、好ましくは70〜95℃の範囲、より好ましくは、75〜90℃の範囲、さらにより好ましくは、75〜85℃の範囲、例えば78〜82℃の範囲、すなわち80℃である。

0072

代替的に、または前の2つの段落に追加して、第3の重合反応器(R3)の操作温度は、好ましくは70〜95℃の範囲、より好ましくは、75〜90℃の範囲である。
典型的には、第1の重合反応器(R1)、好ましくはループ反応器(LR)の圧力は、20〜80バールの範囲であり、好ましくは30〜70バールの範囲、例えば35〜65バールの範囲であるのに対し、第2の重合反応器(R2)、すなわち第1の気相反応器(GPR1)、及び第3の重合反応器(R3)、例えば第2の気相反応器(GPR2)の圧力は、5〜50バールの範囲、好ましくは15〜35バールの範囲である。

0073

分子量、すなわちメルトフローレートMFR2を制御するために、水素を各重合反応器に加えるのが好ましい。
したがって、第1の重合反応器(R1)への、水素対プロピレン供給比[H2/C3]は、好ましくは10〜60mol/kmolの範囲、より好ましくは、15〜50mol/kmolの範囲であり、及び/または第2の重合反応器(R2)への、水素対プロピレン供給比[H2/C3]は、好ましくは10〜260mol/kmolの範囲、より好ましくは、15〜180mol/kmolの範囲である。次に、第3反応器への、水素対プロピレン供給比[H2/C3]は、0〜20mol/kmolの範囲、より好ましくは、0〜5.0mol/kmolの範囲である。重合時間にわたって、水素とプロピレンの供給が一定であることが、特に好ましい。

0074

平均滞留時間τ)は、反応体積VR)と反応器からの体積流出量(Q0)との比(すなわち、VR/Q0)、すなわちτ=VR/Q0[タウ=VR/Q0]で定義される。ループ反応器の場合、反応体積(VR)は反応器の体積と等しい。

0075

第1の重合反応器(R1)の平均滞留時間(τ)は、好ましくは少なくとも20分、より好ましくは、20〜45分の範囲、さらにより好ましくは、22〜42分の範囲、例えば22〜40分の範囲であり、及び/または第2の重合反応器(R2)の平均滞留時間(τ)は、好ましくは少なくとも90分、より好ましくは、90〜200分の範囲、さらにより好ましくは、100〜190分の範囲、さらにより好ましくは、105〜180分の範囲である。第3の重合反応器(R3)の平均滞留時間(τ)は、好ましくは少なくとも100分、より好ましくは、100〜300分の範囲、さらにより好ましくは、120〜280分の範囲である。

0076

さらに、全ての逐次重合システムにおける平均滞留時間(τ)、より好ましくは共に、第1(R1)及び第2(R2)の重合反応器、ならびに第3の重合反応器(R3)における平均滞留時間(τ)は、好ましくは最大500分、より好ましくは、210〜500分の範囲、さらにより好ましくは、220〜400分の範囲、さらにより好ましくは、230〜380分の範囲である。

0077

前述したように、本発明の方法は、少なくとも3つの重合反応器(R1、R3、及びR3)におけるプロピレンホモポリマーの(本)重合に加えて、その前に、第1の重合反応器(R1)の上流で、予備重合反応器(PR)における予備重合を含むことができる。

0078

予備重合反応器(PR)において、ポリプロピレン(Pre−PP)が製造される。予備重合は、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)の存在下で行われる。この実施形態によれば、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)、助触媒(Co)、及び外部供与体(ED)は、全て予備重合ステップへ導入される。しかし、これは、後の段階で、例えば、第1反応器(R1)において、重合方法に例えばさらなる助触媒(Co)を加えるという選択肢を除外するものではない。一実施形態において、予備重合が適用される場合、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)、助触媒(Co)、及び外部供与体(ED)は、予備重合反応器(PR)のみに加えられる。

0079

予備重合反応は、典型的には0〜60℃の温度で、好ましくは15〜50℃で、より好ましくは20〜45℃で行われる。
予備重合反応器の圧力は、重要ではないが、その反応混合物を液相で維持するように十分に高い必要がある。したがって、その圧力は、6〜100バール、例えば10〜70バールであってもよい。

0080

好ましい一実施形態において、予備重合は、液体プロピレン中でのバルクスラリー重合(bulk slurry polymerization)として行われ、すなわち液相には、任意に不活性成分を溶解させたプロピレンが主として含まれる。さらに、本発明によれば、前述したように、予備重合中にエチレン供給が用いられる。

0081

他の成分もまた、予備重合段階へ加えることが可能である。したがって、当業界で公知のように、ポリプロピレン(Pre−PP)の分子量を制御するために、水素を予備重合段階へ加えることができる。さらに、帯電防止剤を使って、粒子が互いに、または反応器の壁に付着するのを防ぐことができる。

0082

予備重合条件及び反応パラメータを正確に制御することは、当業界の技術の範囲内である。
上記で定義された予備重合のプロセス条件のために、好ましくは、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)と、予備重合反応器(PR)で製造されたポリプロピレン(Pre−PP)との混合物(MI)が得られる。好ましくは、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)は、ポリプロピレン(Pre−PP)に(細かく)分散される。言い換えれば、予備重合反応器(PR)に導入される、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)粒子は、成長するポリプロピレン(Pre−PP)内に一様に分布される、より小さな断片に分割される。導入されるチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)粒子、及び得られる断片のサイズは、本発明に対して本質的な関連はなく、当業者の知識の範囲内である。

0083

前述したように、予備重合を用いる場合、前記予備重合に続いて、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)と、予備重合反応器(PR)で製造されたポリプロピレン(Pre−PP)との混合物(MI)を第1反応器(R1)へ移す。典型的には、最終のプロピレンホモポリマー(H−PP)におけるポリプロピレン(Pre−PP)の全量は、むしろ少なく、典型的には5.0重量%以下であり、より好ましくは4.0重量%以下であり、さらにより好ましくは0.5〜4.0重量%の範囲、例えば1.0〜3.0重量%の範囲である。

0084

予備重合を用いない場合、プロピレン、及びチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)などの他の成分は、直接第1の重合反応器(R1)へ導入される。
したがって、本発明の方法は、上記で定めた条件の下、以下のステップ、
(a)第1の重合反応器(R1)、すなわちループ反応器(LR)において、プロピレンを重合して、プロピレンホモポリマー(H−PP)の第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)を得るステップと、
(b)前記第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)を第2の重合反応器(R2)へ移すステップと、
(c)第2の重合反応器(R2)において、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)の存在下で、プロピレンを重合して、プロピレンホモポリマー(H−PP)の第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)を得るステップであって、前記第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)及び前記第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)が第1の混合物(1stM)を形成する、ステップと、
(d)前記第1の混合物(1stM)を第3の重合反応器(R3)へ移すステップと、
(e)第3の重合反応器(R3)において、第1の混合物(1stM)の存在下で、プロピレンを重合して、プロピレンホモポリマー(H−PP)の第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)を得るステップであって、前記第1の混合物(1stM)及び前記プロピレンホモポリマー画分(H−PP3)がプロピレンホモポリマー(H−PP)を形成する、ステップと
を含む。

0085

上記の予備重合を、ステップ(a)の前に実施することができる。
重合後、プロピレンホモポリマーは取り出され、前述したように添加剤と混合される。
上述された、プロピレンホモポリマーを調製する特定の方法において、上記で定義されたように、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を用いなければならない。したがって、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)を、ここでより詳細に説明する。

0086

チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)は、少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有するチタン化合物(TC)と内部供与体(ID)とを含み、これらは共にハロゲン化マグネシウムに支持されており、好ましくは活性型である。

0087

本発明で用いる内部供与体(ID)は、コハク酸エステルを含む。内部供与体(ID)は、コハク酸エステルに加えて、フタル酸エステルまたはジエーテルを含む。好ましい内部供与体(ID)は、コハク酸エステル、またはコハク酸エステルとフタル酸エステルの混合物である。内部供与体(ID)がコハク酸エステルのみであることが、特に好ましい。

0088

したがって、内部供与体(ID)は、内部供与体(ID)の全重量の、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%、またさらにより好ましくは少なくとも99重量%のコハク酸エステルを含む。しかし、内部供与体(ID)が本質的にコハク酸エステルからなること、例えば内部供与体(ID)がコハク酸エステルであることが好ましい。

0089

上記で内部供与体(ID)として定義されたコハク酸エステルを含む、チーグラー・ナッタ触媒は、例えば、無水ハロゲン化マグネシウムとアルコールとの反応、続いてハロゲン化チタンによるチタン化(titanation)、及びそれぞれのコハク酸エステルとの反応によって得られる。こうした触媒は、2〜6重量%のチタン、10〜20重量%のマグネシウム、及び5〜30重量%の内部供与体(ID)を含み、残部は塩素及び溶媒で構成される。

0090

適切なコハク酸エステルは、式(I)

0091

0092

を有し、式中、R1〜R4は、同じかまたは互いに異なっており、水素、またはC1〜C20の直鎖もしくは分枝の、アルキル、アルケニルシクロアルキルアリールアリールアルキルもしくはアルキルアリールの各基であり、任意にヘテロ原子を含み、R1〜R4は、同じ炭素原子に結合されており、共に結合して環を形成することができ;R5及びR6は、同じかまたは互いに異なっており、直鎖もしくは分枝の、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルもしくはアルキルアリールの各基であり、任意にヘテロ原子を含む。

0093

適切なフタル酸エステルは、アルキル、シクロアルキル、ならびに、例えばフタル酸ジエチルフタル酸ジイソブチルフタル酸ジn−ブチルフタル酸ジオクチルフタル酸ジフェニル、及びフタル酸ベンジルブチルなどの、フタル酸アリール類から選択される。

0094

適切なジエーテルは、式(II)または(III)の1,3−ジエーテル

0095

0096

から選択され、式(II)及び(III)中、
R1及びR2は、同じかまたは異なり、直鎖または分枝のC1〜C12−アルキルであってもよく、またはR1がR5と共に、及び/もしくはR2がR6と共に、4〜6個のC原子を有する環を形成してもよく、
式(II)のR3及びR4は、同じかまたは異なり、Hもしくは直鎖もしくは分枝のC1〜C12−アルキルであってもよく、またはR3及びR4が一緒に、5〜10個のC原子を有する環を形成してもよく、これは9〜20個のC原子を有する脂肪族または芳香族多環系の一部であってもよく、
式(I)のR5及びR6は、同じかまたは異なり、Hもしくは直鎖もしくは分枝のC1〜C12−アルキルであってもよく、または一緒に、5〜8個のC原子を有する脂肪族環を形成してもよく、
式(III)のR51、R61及びR7は、同じかまたは異なり、Hもしくは直鎖もしくは分枝のC1〜C12−アルキルであってもよく、またはR51、R61及びR7のうちの2つもしくは3つが、C1〜C3と共に、6〜14個のC原子、好ましくは、10〜14個のC原子を有する、芳香族環もしくは環系を形成してもよく、
またはこれらの混合物から選択される。

0097

コハク酸エステルを内部供与体(ID)として含む、チーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)は、例えば、Basell社製の商品名Avant ZNで、商業上入手可能である。特に好ましいチーグラー・ナッタ触媒(ZN−C)の1つには、Basell社製の触媒ZN168Mがある。

0098

本発明の重合方法のさらなる成分として、外部供与体(ED)が存在しなくてはならない。適切な外部供与体(ED)には、ある種の、シランエーテルエステルアミンケトン複素環式化合物、及びこれらのブレンドがある。シランを用いることが、特に好ましい。以下の一般式
RapRbqSi(ORc)(4−p−q)
のシランを用いることが最も好ましく、式中、Ra、Rb、及びRcは、炭化水素基、特にアルキル基またはシクロアルキル基を示し、p及びqは、0〜3の範囲の数値であり、その合計p+qは3以下である。Ra、Rb、及びRcはそれぞれ、独立に選択されてもよいし、同じであっても、異なっていてもよい。

0099

したがって、好ましい外部供与体(ED)は、以下の式
Si(OCH3)2R25
で表され、式中、R5は、3〜12個の炭素原子を有する分枝アルキル基、好ましくは、3〜6個の炭素原子を有する分枝アルキル基、または4〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル、好ましくは、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキルを表す。

0100

R5は、イソ−プロピル、イソ−ブチル、イソ−ペンチル、tert.−ブチル、tert.−アミルネオペンチルシクロペンチルシクロヘキシルメチルシクロペンチル及びシクロヘプチルからなる群から選択されることが特に好ましい。

0101

別の好ましい外部供与体(ED)は、以下の式
Si(OCH2CH3)3(NRxRy)
で表され、式中、Rx及びRyは同じであっても異なっていてもよく、1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基を表す。

0102

Rx及びRyは独立して、1〜12個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基、1〜12個の炭素原子を有する分枝脂肪族炭化水素基、及び1〜12個の炭素原子を有する環状脂肪族炭化水素基からなる群から選択される。Rx及びRyは独立して、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、オクチル、デカニル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、イソ−ペンチル、tert.−ブチル、tert.−アミル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル及びシクロヘプチルからなる群から選択されることが特に好ましい。

0103

より好ましくは、Rx及びRyは両方同じであり、さらにより好ましくは、Rx及びRyは両方エチル基である。
このようなシランの具体的な例は、(tert−ブチル)2Si(OCH3)2、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH3)2(「C供与体」と呼ばれる)、(フェニル)2Si(OCH3)2、ジシクロペンチルジメトキシシラン(シクロペンチル)2Si(OCH3)2(「D供与体」と呼ばれる)及びジエチルアミノトリエトキシシラン(CH3CH2)2NSi(OCH2CH3)3(「U供与体」と呼ばれる)である。

0104

助触媒は、好ましくは、周期表(IUPAC)の第13族の化合物であり、例えば、アルミニウムアルキルハロゲン化アルミニウム、またはハロゲン化アルミニウムアルキル化合物など、アルミニウム化合物などの有機アルミニウムである。したがって、特定の一実施形態において、助触媒(Co)は、トリエチルアルミニウム(TEAL)、ジアルキルアルミニウムクロライド、またはアルキルアルミニウムセスキクロライドなどの、トリアルキルアルミニウムである。特定の一実施形態において、助触媒(Co)は、トリエチルアルミニウム(TEAL)である。

0105

有利なことに、トリエチルアルミニウム(TEAL)などのトリアルキルアルミニウムは、AlH3として表される水素化物含有量が、トリエチルアルミニウム(TEAL)などのトリアルキルアルミニウムに対して1.0重量%未満である。水素化物含有量は、より好ましくは0.5重量%未満であり、最も好ましいことには0.1重量%未満である。

0106

本発明の所望のプロピレンホモポリマーを最良に得るために、一方で助触媒(Co)と外部供与体(ED)との比[Co/ED]を、また他方で助触媒(Co)とチタン化合物(TC)との比[Co/TC]は、慎重に選択されなければならない。

0107

したがって、
(a)助触媒(Co)と外部供与体(ED)とのモル比[Co/ED]は、2〜60の範囲であらねばならず、好ましくは2〜10の範囲であり、より好ましくは3〜8の範囲であり、さらにより好ましくは4〜7の範囲であり、
(b)助触媒(Co)とチタン化合物(TC)とのモル比[Co/TC]は、150〜300の範囲であらねばならず、好ましくは170〜280の範囲であり、より好ましくは190〜270の範囲であり、さらにより好ましくは230〜260の範囲である。

0108

外部供与体(ED)とチタン化合物とのモル比[ED/TC]が、5より大きく100未満の範囲であり、より好ましくは20〜70の範囲であることが特に好ましい。
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに説明する。

0109

A.測定方法
以下の用語の定義及び測定方法は、別段の指示がない限り、特許請求の範囲及び以下の実施例を含む本発明の上記の全般的記述に適用される。
NMR分光法による微細構造定量化
定量核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて、ポリプロピレンホモポリマーのアイソタクティシティ及び部位規則性を定量化した。

0110

Bruker Advance III 400NMR分光計を用いて、定量13C{1H}NMRスペクトル溶液状態で記録し、このとき、1H及び13Cに対して、それぞれ400.15MHz及び100.62MHzで操作した。全ての空気圧に対して窒素ガスを用い、13C最適化10mm延長温度プローブヘッドを125℃で使用して、全てのスペクトルを記録した。

0111

ポリプロピレンホモポリマーに関して、材料約200mgを1,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2)に溶解した。確実に均一な溶液にするために、ヒートブロック初期試料を調製した後、NMR管を回転式炉で、少なくとも1時間さらに加熱した。マグネットへ挿入すると同時に、NMR管を10Hzで回転させた。このセットアップは、立体規則性分布定量化で必要とされる高分解能のために、主に選択された(Busico,V.、Cipullo,R.、Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.;Cipullo,R.、Monaco,G.、Vacatello,M.、Segre,A.L.、Macromolecules30(1997)6251)。NOE及びバイレベルALTZ16デカップリングスキームを利用する、標準的なシングルパルス励起を用いた(Zhou,Z.、Kuemmerle,R.、Qiu,X.、Redwine,D.、Cong,R.、Taha,A.、Baugh,D.Winniford,B.、J.Mag.Reson.187(2007)225;Busico,V.、Carboniere,P.、Cipullo,R.、Pellecchia,R.、Severn,J.、Talarico,G.、Macromol.Rapid Commun.2007、28、11289)。1スペクトル当たり、合計8192(8k)の過渡電流を得た。

0112

定量13C{1H}NMRスペクトルを処理、積分し、関連する定量的特性を、所有コンピュータプログラムを用いて、その積分から決定した。
ポリプロピレンホモポリマーに関して、全ての化学シフトは、21.85ppmでのメチルアイソタクチックペンタッド(mmmm)に対して内部参照される。

0113

部位欠陥(Resconi,L.、Cavallo,L.、Fait,A.、Piemontesi,F.、Chem.Rev.2000、100、1253;;Wang,W−J.、Zhu,S.、Macromolecules33(2000)、1157;Cheng,H.N.、Macromolecules17(1984)、1950)またはコモノマーに対応する特徴的なシグナル観測された。

0114

立体規則性分布は、目的の立体配列に関連しない任意の部位を補正して、23.6〜19.7ppmの間のメチル領域を積分することによって定量化された(Busico,V.、Cipullo,R.、Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.、Cipullo,R.、Monaco,G.、Vacatello,M.、Segre,A.L.、Macromolecules30(1997)6251)。

0115

特に、立体規則性分布の定量化に対する部位欠陥及びコモノマーの影響は、立体配列の特定の積分領域から、代表的な部位欠陥及びコモノマーの積分を減算することによって補正された。

0116

アイソタクティシティは、ペンタッド濃度で決定され、全てのペンタッド配列に対するアイソタクチックペンタッド(mmmm)配列の百分率として報告された。
[mmmm]%=100*(mmmm/全ペンタッドの合計)
2,1エリトロ部位欠陥の存在は、17.7ppm及び17.2ppmに2つのメチル部位が存在することによって示され、他の特徴的部位によって確認された。他の種類の部位欠陥に対応する特徴的なシグナルは観測されなかった(Resconi,L.、Cavallo,L.、Fait,A.、Piemontesi,F.、Chem.Rev.2000、100、1253)。

0117

2,1エリトロ部位欠陥の量は、17.7ppm及び17.2ppmの2つの特徴的なメチル部位の平均積分を用いることによって定量化された。
P21e=(Ie6+Ie8)/2
1,2一次挿入プロペンの量は、一次挿入に関連しないこの領域に含まれる部位、及びこの領域から排除された一次挿入部位に対して補正を行い、メチル領域に基づいて定量化された。
P12=ICH3+P12e
プロペンの全量は、一次挿入プロペンと、全ての他の存在する部位欠陥との合計として定量化された。
Ptotal=P12+P21e
2,1エリトロ部位欠陥のモル%は、全てのプロペンに対して定量化された。
[21e]モル%=100*(P21e/Ptotal)
第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)のメルトフローレートMFR2(230℃)の計算:

0118

0119

式中、
w(PP1)は、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)の重量分率[重量%]であり、
w(PP2)は、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)の重量分率[重量%]であり、
MFR(PP1)は、第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(PP)は、第2の重合反応器(R2)の後に得られるプロピレンホモポリマー、すなわち第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)及び第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)の混合物のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(PP2)は、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)の、計算されたメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]である。

0120

第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)のメルトフローレートMFR2(230℃)の計算:

0121

0122

式中、
w(PP2)は、第2の重合反応器(R2)の後に得られるプロピレンホモポリマー、すなわち第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)及び第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)の混合物の重量分率[重量%]であり、
w(PP3)は、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)の重量分率[重量%]であり、
MFR(PP2)は、第2の重合反応器(R2)の後に得られるプロピレンホモポリマー、すなわち第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)及び第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)の混合物のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(PP)は、第3の重合反応器(R3)の後に得られるプロピレンホモポリマー、すなわち第1のプロピレンホモポリマー画分(H−PP1)、第2のプロピレンホモポリマー画分(H−PP2)、及び第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)の混合物のメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]であり、
MFR(PP3)は、第3のプロピレンホモポリマー画分(H−PP3)の、計算されたメルトフローレートMFR2(230℃)[g/10分]である。

0123

MFR2(230℃)は、ISO1133(230℃、2.16kgの負荷)に従って測定される。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)
分子量平均Mw、Mn、及びMzは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により、ISO16014−4:2003及びASTMD6474−99に従って決定された。赤外(IR)検出器を備えた、PolymerCharGPC装置を、Polymer Laboratories社製のOlexisカラム3本及びOlexis Guardカラム1本と、溶媒として、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB、2,6−ジtertブチル−4−メチル−フェノール250mg/Lで安定化)を160℃、一定流量1mL/分で用いて、使用した。1回の分析につき、試料溶液200μLを注入した。少なくとも15の狭いMWDのポリスチレン(PS)標準物質を用いて、0.5kg/mol〜11500kg/molの範囲で、ユニバーサルキャリブレーション(ISO16014−2:2003に従って)を利用して、カラムセット較正した。用いる、PS、PE、及びPPについてのマルク−ホウインク(Mark Houwink)定数は、ASTMD6474−99に準拠して記載される。全ての試料は、ポリマー5.0〜9.0mgを安定化したTCB(移動相として)8mL中に(160℃で)溶解させ、最大160℃で、PPでは2.5時間、PEでは3時間、GPC装置のオートサンプラーで継続的に適度に振り混ぜて、調製した。

0124

室温での、キシレン可溶画分(XS、重量%):ISO16152、第1版、2005−07−01に従って、25℃での、キシレン中のポリマー可溶量を測定した。
レオロジー:動的レオロジー測定は、Rheometrics RDA−IIQCを用いて、圧縮成形試料について、窒素雰囲気下、230℃で、25mm直径のプレート及びプレート形状を使用して実施された。振動剪断実験(oscillatory shear experiment)は、歪みの直線的な粘弾性範囲内で、周波数0.015〜300ラジアン/秒で行われた。(ISO6721−10)
貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、複素弾性率(G*)及び複素粘度(η*)の値が、周波数(ω)の関数として得られた。

0125

ゼロ剪断粘度(η0)は、複素粘度の逆数として定義される複素流動度(complex fluidity)を使用して計算された。したがって、その実数部及び虚数部は、以下により定義される。
f’(ω)=η’(ω)/[η’(ω)2+η”(ω)2]及び
f”(ω)=η”(ω)/[η’(ω)2+η”(ω)2]
これは、次の等式から導かれる。
η’=G”/ω及びη”=G’/ω
f’(ω)=G”(ω)*ω/[G’(ω)2+G”(ω)2]
f”(ω)=G’(ω)*ω/[G’(ω)2+G”(ω)2]
複素粘度比は、0.05ラジアン/秒で得られる複素粘度(η*)と300ラジアン/秒で得られる複素粘度(η*)との比である。

0126

DSC分析、融解温度(Tm)及び融解熱(Hf)、結晶化温度(Tc)及び結晶化熱(Hc)は、TA Instrument Q200示差走査熱分析(DSC:differential scanning calorimetry)を用いて、試料5〜7mgについて測定された。ISO11357/3部/方法C2に従って、−30〜+225℃の温度範囲で、走査速度10℃/分で、加熱/冷却/加熱サイクルで、DSCを操作する。結晶化温度及び結晶化熱(Hc)は、冷却ステップで測定され、融解温度及び融解熱(Hf)は、第2加熱ステップpで測定される。

0127

ガラス転移温度Tgは、動的機械分析により、ISO6721−7に従って決定される。測定は、ねじれモードで、圧縮成形試料(40×10×1mm3)について、−100℃〜+150℃の間で、加熱速度2℃/分、周波数1Hzで行う。

0128

引張試験:引張試験(弾性率、強度及び破断時の引張応力)は、23℃で、ISO527−1(クロスヘッドスピード1mm/分)に従って、射出成形された試験片を使用して測定され、この射出成形された試験片は、EN ISO1873−2に従って、180℃または200℃でISO527−2(1B)に従って成形された(ドッグ10ボーン形状、厚さ4mm)。

0129

段階状等温偏析技術(SIST)
SIST分析の等温結晶化を、Mettler TA820DSCで、試料3±0.5mgについて、200℃〜105℃の間に温度が下がるときに実施した。
(i)試料を225℃で5分間融解させ、
(ii)次いで、145℃まで80℃/分で冷却し
(iii)145℃で2時間保持し、
(iv)次いで、135℃まで80℃/分で冷却し
(v)135℃で2時間保持し、
(vi)次いで、125℃まで80℃/分で冷却し
(vii)125℃で2時間保持し、
(viii)次いで、115℃まで80℃/分で冷却し
(ix)115℃で2時間保持し、
(x)次いで、105℃まで80℃/分で冷却し
(xi)105℃で2時間保持した。

0130

最後のステップの後、試料を−10℃まで80℃/分で冷却し、冷却した試料を加熱速度10℃/分で200℃まで加熱することによって、融解曲線を得た。全ての測定は、窒素雰囲気下で実施された。融解エンタルピーは、温度の関数として記録され、下記の温度間隔内で融解する、画分の融解エンタルピーを測定することによって、評価される。
50〜60℃;60〜70℃;70〜80℃;80〜90℃;90〜100℃;100〜110℃;110〜120℃;120〜130℃;130〜140℃;140〜150℃;150〜160℃;160〜170℃;170〜180℃;180〜190℃;190〜200℃
B.実施例
本発明の実施例(IE1からIE6)及び比較例(CE1からCE3)のポリプロピレンの重合方法で用いられた触媒は、Lyondell−Basell社製の、市販のチーグラー・ナッタ触媒ZN168M(内部供与体としてコハク酸エステル、2.5重量%Ti)であり、助触媒としてトリエチルアルミニウム(TEAL)、及び供与体としてジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)と共に用いられた。

0131

アルミニウム対供与体比、アルミニウム対チタン比、及び重合条件を、表1に示す。

0132

0133

0134

0135

0136

0137

0138

0139

0140

実施例

0141

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ