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技術 二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼

出願人 オウトクンプオサケイティオユルキネン
発明者 オリベル、ヤメススチェディン、エリクペッテルッソン、ラチェル
出願日 2014年6月12日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2016-518554
公開日 2016年9月5日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2016-526601
状態 特許登録済
技術分野 鋼の加工熱処理 磁性鉄合金の熱処理
主要キーワード 平板製品 ニッケル当量 円筒形試料 クロム当量 高窒素含有 フェライト含有量 熱影響領域 微細合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年9月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、アニールされた状態で、40〜60体積%のフェライト相と40〜60体積%のオーステナイト相を有し、好ましくは45〜55体積%のフェライト相と45〜55体積%のオーステナイト相を有し、改善された冷間加工性耐衝撃靱性を有する二相フェライトオーステナイト系ステンレス鋼に関する。このステンレス鋼は、重量%で、0.07%未満の炭素(C)、0.1〜2.0%のケイ素(Si)、3〜5%のマンガン(Mn)、19〜23%のクロム(Cr)、1.1〜1.9%のニッケル(Ni)、1.1〜3.5%の銅(Cu)、0.18〜0.30%の窒素(N)、式(Mo+1/2W)<1.0%で計算された総量において任意のモリブデン(Mo)および/またはタングステン(W)、0.001〜0.005%の任意のホウ素(B)、それぞれ0.03%までの任意のセリウム(Ce)および/またはカルシウム(Ca)、残りが鉄 (Fe)とフェライト相成形およびオーステナイト相成形のための条件で、すなわちクロム当量(Creq)および ニッケル(Nieq)が: 20 < Creq< 24.5 および Nieq> 10の避けられる不純物を含有している。ただし Creq=Cr + 1.5Si + Mo + 2Ti + 0.5Nb Nieq= Ni + 0.5Mn + 30(C+N) + 0.5(Cu+Co)である。

概要

背景

概要

本発明は、アニールされた状態で、40〜60体積%のフェライト相と40〜60体積%のオーステナイト相を有し、好ましくは45〜55体積%のフェライト相と45〜55体積%のオーステナイト相を有し、改善された冷間加工性耐衝撃靱性を有する二相フェライトオーステナイト系ステンレス鋼に関する。このステンレス鋼は、重量%で、0.07%未満の炭素(C)、0.1〜2.0%のケイ素(Si)、3〜5%のマンガン(Mn)、19〜23%のクロム(Cr)、1.1〜1.9%のニッケル(Ni)、1.1〜3.5%の銅(Cu)、0.18〜0.30%の窒素(N)、式(Mo+1/2W)<1.0%で計算された総量において任意のモリブデン(Mo)および/またはタングステン(W)、0.001〜0.005%の任意のホウ素(B)、それぞれ0.03%までの任意のセリウム(Ce)および/またはカルシウム(Ca)、残りが鉄 (Fe)とフェライト相成形およびオーステナイト相成形のための条件で、すなわちクロム当量(Creq)および ニッケル(Nieq)が: 20 < Creq< 24.5 および Nieq> 10の避けられる不純物を含有している。ただし Creq=Cr + 1.5Si + Mo + 2Ti + 0.5Nb Nieq= Ni + 0.5Mn + 30(C+N) + 0.5(Cu+Co)である。

目的

本発明の目的は、従来技術のいくつかの欠点を排除することにあり、欧州特許第1327008号による冷間加工性、および銅含有量の増加による衝撃靭性において、二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を改善することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アニールされた状態で、40〜60体積%のフェライト相と40〜60体積%のオーステナイト相を有し、好ましくは45〜55体積%のフェライト相と45〜55体積%のオーステナイト相を有し、改善された冷間加工性耐衝撃靱性を有する二相フェライトオーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、重量%で、0.07%未満の炭素(C)、0.1〜2.0%のケイ素(Si)、3〜5%のマンガン(Mn)、19〜23%のクロム(Cr)、1.1〜1.9%のニッケル(Ni)、1.1〜3.5%の銅(Cu)、0.18〜0.30%の窒素(N)、式(Mo+1/2W)<=1.0%で計算された総量において任意のモリブデン(Mo)および/またはタングステン(W)、0.001〜0.005%の任意のホウ素(B)、それぞれ0.03%までの任意のセリウム(Ce)および/またはカルシウム(Ca)、残りが鉄 (Fe)とフェライト相形成およびオーステナイト相成形のための条件で、すなわちクロム当量(Creq)およびニッケル当量(Nieq)が: 20 < Creq< 24.5 および Nieq> 10の避けられる不純物を含有し、ただしCreq=Cr + 1.5Si + Mo + 2Ti + 0.5Nb Nieq= Ni + 0.5Mn + 30(C+N) + 0.5(Cu+Co)であることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項2

請求項1に記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、1.1〜2.5重量%の銅を含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項3

請求項1または2に記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、1.1〜1.5重量%の銅を含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項4

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、臨界孔食温度(CPT)が、13〜19°Cであることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項5

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、臨界孔食温度(CPT)が、13.4〜18.9°Cであることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項6

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、臨界孔食温度(CPT)が、14.5〜17.7°Cであることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項7

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、20〜22重量%のクロムを含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項8

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、21〜22重量%のクロムを含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項9

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、21.2〜21.8重量%のクロムを含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項10

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、1.35〜1.9重量%のニッケルを含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項11

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、3.8〜5.0重量%のマンガンを含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項12

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、3.8〜4.5重量%のマンガンを含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項13

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、0.20〜0.26重量%の窒素を含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項14

前記請求項のいずれかに記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、0.20〜0.24重量%の窒素を含有していることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

請求項15

請求項1に記載の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において、該鋼は、インゴットスラブブルームビレットプレートシート細片コイル棒状体ロッドワイヤ形材を有する製品継ぎ目し管および溶接された管および/またはパイプ金属粉体、および成形した形材として生産されることを特徴とする二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼。

詳細な説明

0001

本発明は二相フェライトオーステナイト系ステンレス鋼に関するものであり、これは、微細構造を有し、基本的には40〜60体積%のフェライト相と40〜60体積%のオーステナイト相を有し、好ましくは45〜55体積%のフェライト相と45〜55体積%のオーステナイト相を有し、銅の添加により冷間加工性耐衝撃靱性を改善したものである。

0002

典型的にステンレス鋼では、溶接時、成型時もしくは融点近くの温度での熱間加工時の主に高温割れを避けるために、銅含有量はおよそ3重量%に制限されている。しかし、ステンレス鋼の等級には低レベル(0.5 〜 2.0 重量%)が存在し、これは、高い機械加工性とすることができ冷間加工を改善できる。二相ステンレス鋼は、一般的に良好な耐高温割れ性を有している。

0003

欧州特許第1327008号から知られているが、商標LDX 2101(登録商標)として市場に出ている二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼が、重量%で、0.02〜0.07%の炭素(C)、0.1〜2.0%のケイ素(Si)、3〜8%のマンガン(Mn)、19 〜 23%のクロム(Cr)、1.1〜1.7%のニッケル(Ni)、0.18〜0.30%の窒素(N)、式(Mo+1/2W)以内で総量の最大1.0%の任意のモリブデン(Mo)および/またはタングステン(W)、 最大1.0%までの任意の銅(Cu)、0.001〜0.005%の任意のホウ素 (B)、それぞれ0.03%までの任意のセリウム(Ce)および/またはカルシウム(Ca)、残りが鉄 (Fe)とフェライト相形成およびオーステナイト相形成のための条件で、すなわちクロム当量(Creq)および ニッケル(Nieq)が: 20 < Creq< 24.5 および Nieq> 10の避けられる不純物を含有している。ただし
Creq= Cr + 1.5Si + Mo + 2Ti + 0.5Nb
Nieq= Ni + 0.5Mn + 30(C+N) + 0.5(Cu+Co)
である。

0004

この欧州特許第1327008号において、銅は有益なオーステナイト相形成物であり、ある環境においての耐腐食性に良好な影響を持たせることができると言われている。しかしその一方で、過剰な高含有量の場合には銅の析出リスクがあり、したがって銅の量は最大でも1.0重量%、好ましくは最大 0.7重量%とするべきである。

0005

欧州特許第1786975号に記載のように、欧州特許第1327008号のフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼は、優れた機械加工性を有しており、したがって、たとえば切断作業に適している。

0006

欧州特許出願第1715073号は、低ニッケル高窒素のオーステナイトフェライトステンレス鋼に関するものであり、このステンレスにおいて、オーステナイト相のパーセントが10〜85体積%の範囲に調整されている。各々のフェライト相は15〜90体積%の範囲にある。オーステナイト・フェライトステンレス鋼に対する高成形性は、オーステナイト相における炭素と窒素との合計含有量(C+N)が0.16から2重量%の範囲に調整することによって達成されている。さらに、欧州特許出願第1715073号において、銅は4重量%未満の範囲の任意の元素として示されている。欧州特許出願第1715073号は、試験したステンレス鋼に対して非常に多数の化学組成を示しているが、1重量%を超える銅を含む鋼はごくわずかしかない。このように、銅は欧州特許出願第1715073号のステンレス鋼の耐腐食性を向上させるための選択すべき一つの元素として記載されているにすぎず、欧州特許出願第1715073号は、銅の示された範囲内にあるステンレス鋼の特性における銅のどのような効果も記載していない。

0007

国際公開第2010/070202号公報には、重量%で0.005〜0.04%の炭素(C)、0.2〜0.7%のケイ素(Si)、2.5〜5%のマンガン(Mn)、23〜27%のクロム(Cr)、2.5〜5%のニッケル(Ni)、0.5〜2.5%のモリブデン(Mo)、0.2〜0.35%の窒素(N)、0.1〜1.0%の銅(Cu)、1%未満の任意のタングステン(W)、0.0030%未満の、ホウ素(B)およびカルシウム(Ca)を含むグループの1つまたはそれ以上の元素、0.1%未満のセリウム(Ce)、0.04%未満のアルミニウム(Al)、0.010%未満のイオウ(S)、および残りの、鉄と偶発的な不純物を含んだ二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼が記載されている。この国際公開第2010/070202号公報では、銅に対して0.1重量%を超える含有量で金属間層の形成を抑圧し、1重量%を超える銅で金属間層が大きな量となると言われている。

0008

国際公開第2012/004473号公報は、機械加工性を有するオーステナイト・フェライトステンレス鋼に関する。この鋼は重量%で、0.01〜0.1%の炭素(C)、0.2〜1 .5%のケイ素(Si)、0.5〜2.0のマンガン(Mn)、20.0〜24.0%のクロム(Cr)、1.0〜3.0%のニッケル(Ni)、0.05〜1.0%のモリブデン(Mo)、および<=0.15%のタングステン(W)、および0.05窒素(N)、<=0.05%のアルミニウム(Al)、<=0.5%のバナジウム(V)、<=0.5%のニオブ、<=0.5%のチタン(Ti)、<=0.003%のホウ素(B)、<=0.5%のコバルト(Co)、<=1.0%のREM(希土類)、<=0.03%のカルシウム(Ca)、<=0.1のマグネシウム(Mg)、<=0.005%のセレン(Se)、残りの鉄(Fe)と不純物を含有する。この公報では銅に対して、1.6〜3.0%の間の銅の含有量が所望の二相オーステナイト・フェライト構造の達成に寄与し、窒素の割合を少し高すぎて増加させることなく一般的に良好な耐腐食性を得ると言われている。1.6%より少ない銅で所望の相構造に要求される窒素の割合は、連続のブルーム鋳造表面品質の問題を避けるために非常に大きくして始め、3.0%より多い銅で、材料分離および/または銅の析出のリスクが始まり、そして局所的な腐食への耐性を生み長時間使用での弾力性が減少する。

0009

特開第2010-222695号公報は次のようなフェライト・オーステナイトステンレス鋼に関するものである。すなわち、重量%で、0.06%以下のC、0.1〜1.5%のSi、0.1〜6.0%のMn、0.05%以下のP、0.005%以下のS、0.25〜4.0%のNi、19.0〜23.0%のCr、0.05〜1.0%のMo、3.0% Cu、0.15〜0.25%のN、0.003〜0.050%のAl、0.06〜0.30%のV、0.007%以下のO、さらに次の式によって表されたNi-balを、
Ni-bal=(Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N)-1.1(Cr+1.5Si+Mo+W)+8.2
で-8から-4となるように制御しながら、オーステナイト相の領域を40〜70%含んでいる。

0010

米国公開第2011097234号公報は、耐腐食性や溶接熱の影響する領域の強度の劣化を抑制することができるリーン二相ステンレス鋼を記載しており、これは、重量%で、C:0.06%以下、Si:0.1から1.5%、Mn:2.0から4.0%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:19.0から23.0%、Ni:1.0から4.0%、Mo:1.0%以下、Cu:0.1から3.0%、V:0.05から0.5%、Al:0.003から0.050%、O:0.007%以下、N:0.10から0.25%およびTi:0.05%以下であり、残りはFeと不可避不純物であり、Md30温度値を式、
Md30=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-29(Ni+Cu)-13.7Cr-18.5Mo-68Nb
で表わして、80以下とし、次式で表わされたNi-balを、
Ni-bal=(Ni+0.5Mn+0.5Cu+30C+30N)-1.1(Cr+1.5Si+Mo+W)+8.2
で、-8から-4として、Ni-balとNの含有量の間の関係は次式 N(%)<=0.37+0.03(Ni-bal)
を満たし、
さらに、40から70%のオーステナイト相の比率の領域を有し、3.5以上の2Ni+Cuを有するという特徴を有している。

0011

特開第2010-222695号公報および米国公開第2011097234号の両公報ともに、バナジウムが重要な添加元素である。なぜならばそれら公報によると、バナジウムは窒素の活性を低くしそして窒化物の析出を遅らせるからである。窒素は溶接のときの熱影響領域(HAZ)の耐腐食性を改善するために添加されており、高窒素では粒界に窒化物が堆積することにより特性の劣化のリスクが発生するので、窒化物の析出は重要である。

0012

本発明の目的は、従来技術のいくつかの欠点を排除することにあり、欧州特許第1327008号による冷間加工性、および銅含有量の増加による衝撃靭性において、二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を改善することにある。本発明の本質的形態を添付の特許請求の範囲に加えた。

0013

本発明によると、欧州特許第1327008号に記載されているように、また商標LDX 2101(登録商標)で市販されているように、二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼において銅含有量が増加することが分かり、そしてフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼が1.1〜3.5重量%の銅を含み、冷間加工特性が改善された。また、銅の添加は機械加工性への効果もある。本発明によれば、二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼は、アニールされた状態で、40〜60体積%のフェライト相と40〜60体積%のオーステナイト相を有し、好ましくは45〜55体積%のフェライト相と45〜55体積%のオーステナイト相を有し、重量%で、0.07%未満の炭素(C)、0.1〜2.0%のケイ素(Si)、3〜5%のマンガン(Mn)、19〜23%のクロム(Cr)、1.1〜1.9%のニッケル(Ni)、1.1〜3.5%の銅(Cu)、0.18〜0.30%の窒素(N)、式(Mo+1/2W)<=1.0%で計算された総量において任意のモリブデン(Mo)および/またはタングステン(W)、0.001〜0.005%の任意のホウ素(B)、それぞれ0.03%までの任意のセリウム(Ce)および/またはカルシウム(Ca)、残りが鉄 (Fe)とフェライト相形成およびオーステナイト相形成のための条件で、すなわちクロム当量(Creq)および ニッケル(Nieq)が: 20 < Creq< 24.5 および Nieq> 10の避けられる不純物を含有している。ただし
Creq=Cr + 1.5Si + Mo + 2Ti + 0.5Nb
Nieq= Ni + 0.5Mn + 30(C+N) + 0.5(Cu+Co)
である。

0014

本発明による二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼は、好ましくは1.1〜2.5重量%の銅を、さらに好ましくは1.1〜1.5重量%の銅を含有する。

0015

本発明による鋼の臨界孔食温度(CPT)は、13〜19°C、好ましくは13.4〜18.9°C、さらに好ましくは14.5〜17.7°Cである。

0016

微細構造における種々の元素の効果は、次のとおりである。ただし、元素含有量は重量%である。

0017

炭素(C)は、鋼の強度に寄与し、さらにオーステナイト相形成に重要である。しかし、鋼の脱炭に関連して炭素含有量の低下をもたらす消耗や、また還元剤消費増加により高価である。もし炭素含有量が高ければ、鋼の衝撃強度や耐粒界腐食を劣化させ得る炭化物の析出のリスクがある。また、炭素はフェライト相中で非常に小さな溶解性を有し、それは鋼の炭素含有量がオーステナイト相で実質的に終結されると考えるものとする。したがって炭素含有量は、最大で0.07%まで、好ましくは最大で0.05%まで、さらに最適には最大で0.04%までに限定すべきである。

0018

ケイ素(Si)は、鋼の工場において脱酸目的で使用することができ、鋼の工場からの少なくとも0.1%の量の残渣として存在する。ケイ素は工場において非常に重要であるフェライト相の高温強度を強くする効果に対して鋼に有益な形態を有している。またケイ素は、強いフェライト相の形成剤でもあり、二相構造の安定性共有し、これらの理由から少なくとも0.2%の量、好ましくは0.35%の量のケイ素があるべきであり、さらに窒素に対する溶解性を明らかに減少させるのでいくつかの不都合な形態を有し、もしケイ素の含有量が高ければ、好ましくない金属間層の析出のリスクが増加する。したがって、ケイ素含有量は、最大で2.0%まで、好ましくは最大で1.5%まで、最適には最大で1.0%までに制限される。最適なケイ素含有量は0.35〜0.80%である。

0019

マンガン(Mn)は、重要なオーステナイト相形成剤であり鋼中の窒素の溶解度を増大させ、したがって少なくとも3%、好ましくは少なくとも3.8%の量のマンガンが存在し、その一方で鋼の耐腐食性を低下させる。さらに、マンガンの高含有量の熔融ステンレス鋼の脱炭素化することは困難であり、それは、マンガンは脱炭素の終了後に比較的純粋でそのため高価なマンガンを追加する必要があることを意味している。したがって、鋼は、5%を超えるマンガンを含有すべきではない。最適なマンガン含有量は3.8〜4.5%である。

0020

クロム(Cr)は、鋼の所望の耐腐食性を達成には最も重要な元素である。またクロムは、最も重要な鋼のフェライト相形成剤であり、他のフェライト相形成剤と、また鋼のオーステナイト相形成剤の残り含有物との結合で、鋼の所望の二相特性を与える。もしクロム含有量が低ければ、鋼はマルテンサイトを含んでしまうというリスクがあり、またクロム含有量が高ければ、金属間層の析出、いわゆる475-脆化に対する安定性を損なうリスクがあり、鋼の不均衡相の混合物となる。これらの理由から、クロム含有量は、少なくとも19%、好ましくは少なくとも20%、最適には少なくとも20.5%で、最大23%、最適には最大22.5%とすべきである。最適なクロム含有量は、21.0〜22.0%、名目上は21.2〜21.8%である。

0021

ニッケル(Ni)は、強いオーステナイト形成剤で、鋼の延性に有益な効果を有し、したがって1.1%の少量が存在する。しかしニッケルの原材料の価格はときとして高騰し変動する。それゆえ本発明の態様によれば、ニッケルは、できる限り他の合金元素によって置換される。他の合金元素との結合した所望の鋼の二相構造の安定性のためには1.9%を超えるニッケルも必要としない。したがって、最適なニッケル含有量は、1.35〜1.90%のNiである。

0022

モリブデン(Mo)は、鋼の成分の広い解釈によると除外できる元素である。すなわち、モリブデンは、本発明の鋼において任意の元素である。しかし、窒素と一緒のモリブデンは、耐腐食性の効果に相乗効果を有する。鋼の高窒素含有量の見地からすると、鋼は少なくとも0.1%のモリブデンを、好ましくは少なくとも0.15%含有すべきである。しかし、モリブデンは強いフェライト相形成剤であり、鋼の微細構造におけるシグマ相を安定させることができ、さらに分離する傾向を持つ。さらに、モリブデンは高価な合金元素である。これらの理由により、モリブデン含有量は、最大で1.0%まで、好ましくは最大で0.8%まで、最適には最大で0.65%までを限度とする。最適なモリブデン含有量は、0.15〜0.54%である。モリブデンは部分的にタングステン(W)の2倍の量と置き換えることができ、モリブデンの特性と同様の特性を有する。モリブデンとタングステンの合計量は式(Mo + 1/2W) <= 1.0%に基づき計算される。しかし、鋼の望ましい成分では、鋼は最大で0.5%を超えるタングステンを含有していない。

0023

銅(Cu)は、有益なオーステナイト相形成剤であり、環境に、特にある酸に対する耐腐食性有益な影響を有することができる。また本発明によると、銅は、ステンレス鋼の冷間加工や衝撃強度を改善する。したがって、銅は、少なくとも1.1%の量を存在するべきである。本発明の鋼は、好ましくは1.1〜3.5%の銅を、さらに好ましくは1.0〜2.5%の銅を、最も好ましくは1.1〜1.5%の銅を含有する。

0024

窒素(N)は、支配的な鋼のオーステナイト相形成剤であるから基本的重要性を有している。また窒素は、鋼の強度、耐腐食性に寄与しており、したがって最小でも0.15%、好ましくは少なくとも0.18%の量が存在するべきである。しかし、鋼での窒素の溶解性は制限される。高すぎる窒素含有量の場合は、鋼が凝固する際のひび割れ発生のリスクや、鋼の溶接による接続での空孔の発生のリスクがある。それゆえに、鋼は0.30%を超える窒素を、好ましくは最大で0.26%の窒素を含有しないことである。最適な含有量は0.20〜0.24%である。

0025

ホウ素(B)は、鋼の熱延性を改善するために微細合添加材として最大で0.005%(50 ppm)まで鋼に任意に存在する。もしホウ素が意図的な添加元素として存在すれば、鋼の熱延性を改善に関して所望の効果をもたらすためには少なくとも0.001%の量が存在すべきである。

0026

同様の方法で、セリウムおよび/またはカルシウムは、鋼の熱延性を改善するためにそれぞれの元素の最大で0.03%の量が任意で存在できる。

0027

上記の元素に加えて、鋼は、不純物および鉄以外の、さらに意図的な添加元素を基本的には含んでいない。ほとんどの鋼のように、リンは所望しない不純物であり、好ましくは最大で0.035%より多い量は存在すべきではない。またイオウは経済的製造の観点からできるだけ低く保つべきであり、好ましくは最大で0.10%、最適にはさらに低く、例えば、鋼の熱延性、そして二相鋼に関しての一般的な問題点となり得るその信頼性を損なわないために、最大で0.002%とする。

図面の簡単な説明

0028

本発明のフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の試験結果をより詳細に下記図面に示す。
鍛造条件による鋼の機械的試験結果を示す。
1050 °Cの温度でアニール後の鋼の機械的試験結果を示す。
鍛造条件および1050°Cの温度でアニール後の鋼の衝撃試験結果を示す。

実施例

0029

冷間加工特性に対する銅の効果は、真空炉からの30 kgごとの溶解合金を使用して試験されていた。機械的試験の前に合金は50 mmの厚さに鍛造された。銅がさまざまに添加された基準材料として、すべての金属に対して商標LDX 2101(登録商標)で市販された二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼が使用された。試験される合金の化学組成は、表1に記載されており、また商標LDX 2101(登録商標)で市販された鋼の各溶解物に対する化学組成を含んでいる。

0030

0031

微細構造の研究は、主にフェライト含有量を確認するために行われてきた。これは銅がオーステナイト相の安定剤であり、オーステナイト相含有量が銅の添加で増加することが期待されていた。少なくとも45体積%のフェライト含有量が保持されるとき、オーステナイト相安定剤としてのマンガン含有量は、およそ3〜5%の範囲で減少した。またそれは、銅粒子または銅リッチ層耐孔食性に対して有害となり得るから銅がフェライト相内で完全に溶解される必要性があると考えられた。

0032

試料の微細構造は、1050および/または1150°Cの温度でアニールした後、Behara II溶液でのエッチングによって露わになっていた。アニールは溶液アニーリングによってなされた。0.85%Cu合金の微細構造は、基本的には基準合金と同じである。1.1%Cuの銅水準では、より高いフェライト相成分が引き続いて低くなっている。2.5%のCu添加により直ぐに二次的なオーステナイト相が形成され、1050°Cの温度でアニールされるとフェライト相に銅粒子が現れるが、1150°Cの温度でアニールされるとフェライト含有量が増加するように溶解され得る。3.5%Cu合金は1150°Cの温度でアニールされたとしてもフェライト相に銅粒子を有する。

0033

アニール温度(T)が1050°Cおよび1150°Cのアニール試料に対するフェライト含有量は、映像解析を使用して測定され、その結果を表2に示す。

0034

0035

表2の結果から、銅含有量1.5%まではフェライト含有量は良いが、これより大きな水準ではフェライト含有量はより高い温度でアニールしても低すぎる。典型的に、アニール温度を上昇させると、1.1%Cuおよび3.5%Cu合金の場合のように、フェライト含有量は5〜7体積%増加する。2.5%Cuのフェライト含有量は両方のアニール温度と同じである。これはおそらく銅が高温(1150 °C)でフェライト相に完全に溶解されてしまったためで、フェライト相の増加に反して二次オーステナイト相の様相になった結果である。

0036

0.75%Cu合金、1.0%Cu合金および1.5%Cu合金に対して、微細構造は鍛造処理条件で決めら、フェライト含有量は、これらすべての合金対して61〜66%の間であった。1050°Cの温度でのアニール後、すべての合金に対しフェライト含有量がおよそ6〜8%の減少があった。映像解析から、フェライト含有量の減少は、ほとんどが、銅の含有量の増加したときにさらに現れてきた二次オーステナイト相の存在によるものと観察された。1.5%Cu合金においては、多量のオーステナイト相がフェライト粒子間に存在している。

0037

ASTMG150 1.0M NaCl試験により、1050°Cの温度でアニールされた合金に対する臨界孔食温度(CPT)は決定される。それぞれの合金に対して試験は2回(CPT1 および CPT2)行われた。これらの試験結果を表3に示す。

0038

0039

表3の結果は、この環境における銅のCPTへの有効な効果が得られていることを示している。CPTは、微細構造での銅粒子の存在にもかかわらず、3.5%合金対して実際に最高となっている。驚いたことに、これは銅粒子は耐孔食性に有害であるとする幾分かの仮説に反している。

0040

基準部材LDX 2101(登録商標)と比較すると本発明の二相フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼はより優れた特性を有していることを確定するために、冷間加工の一部としての冷間圧造試験が、鍛造されアニール(1050°C)された条件の試料で実施された。材料は、200〜400mm/sの高速度で圧縮するために12mm x 8mmの寸法の円筒形試料機械加工された。試料は割れがある(不良部材)か、割れがない(合格部材)かをみて評価された。

0041

この試験方法では、試料を圧縮速度に関係なく約3mmの実最終厚さへの最大圧力と比較したときにだけに、割れは発生する。割れは、より高速度での圧力で少しだけより厳しかった。

0042

冷間圧造試験結果を表4に示すが、ここで、1050°Cの温度でアニールされたとき「アニール処理」欄に「有」と書かれた以外は、試料は鍛造されている。

0043

0044

表4の結果は、鍛造部材の試験で、LDX 2101(登録商標)と0.75%Cuのすべての試料が割れのため不良であり、一方、銅含有量が増えると良品率が増加していることを示している。1.5%Cuの試料は、一つを除いてすべて、鍛造条件での試験を合格している。1050°Cの温度でアニールした後の銅1.0%Cuまでの合金は、およそ試料の1/3が試験を合格したような結果を示している。1.5%Cuの合金に対しては、試験した部材の半分以上が、銅の良好な効果を示す試験を合格している。

0045

また、冷間圧造試験結果は、鋼表面の割れの量によって「不良」もしくは「合格」のパラメータを使用して図1および図2に示した。図1および図2は、鍛造条件でも1050°Cの温度でアニールした後でも銅の追加によって「合格」の試験結果部分が増加していることを示している。

0046

さらに本発明のフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼は、鋼の衝撃靭性の情報を得るために、鋼の衝撃強度を測定する試験を行った。測定は、鍛造条件でも1050°Cの温度でアニールした後でも行った。表5では、1050°Cの温度でアニールされたとき「アニール処理」欄に「有」と書かれた以外は、試料は鍛造されている。表5、図3は共に、衝撃試験に対する測定結果を示している。

0047

0048

表5および図3の結果は、銅の添加が、銅含有量が0.75%を超えるとき衝撃靭性を著しく増加させることを示している。前にも述べたように、銅の増加は、フェライト相を通る割れの広がりを減少させる/遅らせることができる二次オーステナイト相の増加の要因となる。

0049

本発明によって製造される二相フェライト・オーステナイト鋼は、鋳物インゴットスラブ、ブルームおよびビレットや、プレートシート細片およびコイルといった平板製品、さらには棒状体ロッドおよびワイヤといった長物製品や、種々の形材の製品、継ぎ目なしや溶接された管および/またはパイプとして生産することができる。さらに、金属粉体成形した形材といった付加的な製品も生産可能である。

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