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課題・解決手段
概要
背景
本開示の背景についての以下の論述は、本文書に記載する結合パートナー、組成物、方法および使用に関する読者の理解を助けるために提供するものに過ぎず、先行技術を記載または構成することを認めるものではない。
特定の疾患に対する防御免疫は、樹状細胞(DC)およびマクロファージなどの、自然免疫系の抗原提示細胞(APC)による特異的炎症促進性T細胞(Tリンパ球)集団の分化誘導に依存する。広範な病原体に対する細胞免疫の媒介に関与している2つのかかるT細胞集団がTh1およびTh17細胞である。Th1 T細胞集団も、最近になってTh17 T細胞集団も、自己免疫および慢性炎症性疾患の媒介因子として関係付けられており、したがって、免疫抑制剤に対する適切な細胞標的として役立つ。さらに、T細胞応答の発動因子としての樹状細胞は、炎症性疾患と闘うために設計された治療法の第二の細胞標的である。
多発性硬化症(MS)は、中枢神経系(CNS)の炎症性自己免疫障害であり、CNS内のT細胞、B細胞、マクロファージおよび限局性脱髄斑の炎症性浸潤物を特徴とする。Th1細胞媒介応答とTh17細胞媒介応答の両方が炎症性脱髄発生に役割を果たすことが示されている。MS患者からのミエリン反応性T細胞は、Th1媒介応答と一致してサイトカインを産生する一方で、患者からのMS病変のマイクロアレイ研究はIL−23Rの発現増加を実証している。
自己免疫炎症性応答および特にMSの機序を研究するための適切なモデルは、臨床的および神経病理学的変化を多発性硬化症(MS)と共有する炎症性脱髄疾患の実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)動物モデルである。EAEの誘導におけるCD8+T細胞の病原的役割も実証されているが、長年にわたって、EAEは主としてCD4+TH1媒介疾患であるとされてきた。しかし、最近になって、IL−17産生T細胞サブセットはEAEの病原性に非常に重要な役割を果たすことが実証された。文献での議論はまだ多少あるが、Th1およびTh17細胞は協働して臓器特異的自己免疫の発生を誘導する可能性がある。
CD6は、ヒトT細胞およびB細胞のサブセットによって、ならびに一部のB細胞慢性リンパ性白血病およびニューロンによって、優勢に発現される重要な細胞表面タンパク質である[Aruffo et al., J. Exp. Med. 1991, 174:949; Kantoun et al., J. Immunol. 1981, 127:987; Mayer et al., J. Neuroimmunol. 1990. 29:193]。CD6は、I型マクロファージのスカベンジャー受容体システインリッチドメイン(SRCR)と相同性の少なくとも1つのドメインを有することを特徴とする大きなタンパク質ファミリーのメンバーである[Matsumoto, et al., J. Exp. Med. 1991, 173 :55およびResnick et al., TrendsBiochem. Sci. 1994, 19:5]。このファミリーの他のメンバーは、CD5[Jones et al., Nature. 1986, 323 :346]、シクロフィリンC[Friedman et al. 1993, PNAS 90:6815]、活性化補体タンパク質C3bおよびC4bを結合する、補体因子I[Goldberger, et al., J. Biol. Chem. 1987, 262: 10065]、τ/δ T細胞によって発現されるウシWC−1[Wijingaard et al., J. Immunol. 1992, 149:3273]、ならびにM130[Law et al., Eur J. Immunol. 1993, 23 :2320]、マクロファージ活性化マーカーを含む。
抗CD−6モノクローナル抗体(mAb)を使用するブロッキング研究は、CD6が、胸腺上皮(TE)細胞とのT細胞接着性相互作用を調節することによってT細胞発生に重要な役割を果たすことを示唆している(Patel et al., J. Exp. Med.(1995)181 : 1563-1568)。追加研究によって、CD6はT細胞活性化において重要な補助分子として機能できることが示された。例えば、特定の抗CD6 mAbは、T細胞に対して直接分裂促進性である(Gangemi et al., J. Immunol.(1989)143 :2439; Bott et al., Int. Immunol.(1993)7:783)が、他のものは、T細胞増殖を抗CD3、抗CD2またはPMAと共に同時刺激することができる(Gangemi et al., J. Immunol.(1989)143 :2439; Morimoto et al., J. Immunol.(1988)140:2165-2170; Osorio et al., Cell. Immunol.(1994)154:23)。T細胞活性化におけるCD6の役割のさらなる追加の証拠は、T細胞活性化後、CD6がSerおよびThr残基で高リン酸化されること(Swack et al., Mol. Immunol.(1989)26: 1037-1049; Swack et al., J. Biol. Chem.(1991)266:7137; Cardenas et al., J. Immunol., 145: 1450-1455(1990))、ならびにTyr残基でリン酸化されること(Wee et al., J. Exp. Med.(1993)177:219-223)を示す研究からきている。これらおよび他の研究は、T細胞の活性化とシグナル伝達両方に影響を及ぼすインビボでの未成熟T細胞機能と成熟T細胞機能両方の重要なモジュレーターとしてCD6を関係付けている(De Wit, J., et al., Blood(2011)118:6107-6114)。
発明の概要及び添付の図
本開示を容易に理解し、実施することができるように、次に、添付の図を参照しながら例証して例示的実施形態に言及することにする。これらの図は、下記の詳細な説明と共に、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成するものであり、本開示による、実施形態のさらなる例証ならびに様々な原理および利点の説明に役立つ。
概要
本開示は、T−ヘルパー17(Th17)および/またはT−ヘルパー1(Th1)Tリンパ球(T細胞)によって媒介される病状の処置および予防方法に関する。詳細には、本開示は、自己反応性Th17およびTh1 Tリンパ球によって媒介される病状の処置のための抗CD6抗体の使用に関する。本開示の方法は、サイトカインIL−23Rの産生を抑制し、その結果、Th17細胞によって媒介される炎症を減少させることにより免疫応答をモジュレートする方法にさらに有用である。
目的
本開示の背景についての以下の論述は、本文書に記載する結合パートナー、組成物、方法および使用に関する読者の理解を助けるために提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
前記対象は、健常対象と比較したとき、Tヘルパー1(Th1)細胞数増加を有することがさらに分かっているまたは疑われる、請求項1に記載の使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナー。
請求項3
前記自己免疫疾患は、関節リウマチ、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、シェーグレン症候群およびI型糖尿病のうちの1つである、請求項1または2に記載の使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナー。
請求項4
前記結合パートナーは、抗体またはその機能性断片である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナー。
請求項5
請求項6
前記ヒト化抗体は、イトリズマブである、請求項4に記載の使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナー。
請求項7
請求項8
請求項9
請求項10
前記使用は、患者の体液中の1または複数の単球、Tヘルパー細胞およびナチュラルキラー細胞上でのIL−23Rの発現の低減を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナー。
技術分野
0001
関連出願の相互参照
本出願は、2013年7月23日にインド特許庁に出願されたインド特許仮出願第3264/CHE/2013号の利益および優先権を主張するものである。2013年7月23日に出願された前記出願の内容は、PCT規則4.18に準拠して、本明細書に収載され、PCT規則20.5(a)で言及されていない明細書、特許請求の範囲または図面の任意の要素または部分の組み込みを含めて、その全体がすべての目的で参照により本明細書に組み込まれている。
0002
技術分野
本開示は、CD6結合パートナーの方法および使用に関する。詳細には、本開示は、T−ヘルパー17(Th17)および/またはT−ヘルパー1(Th1)Tリンパ球(T細胞)によって媒介される病状の、予防を含む処置のための方法に関する。さらに、本開示は、自己反応性Th17およびTh1 Tリンパ球によって媒介される病状の処置のための抗CD6結合パートナーの使用に関する。本開示の結合パートナー、組成物、方法および使用は、サイトカインIL−23R(インターロイキン23受容体)の産生を抑制し、その結果、Th17細胞によって媒介される炎症を減少させることにより免疫応答をモジュレートする方法および使用にさらに有用である。
背景技術
0003
本開示の背景についての以下の論述は、本文書に記載する結合パートナー、組成物、方法および使用に関する読者の理解を助けるために提供するものに過ぎず、先行技術を記載または構成することを認めるものではない。
0004
特定の疾患に対する防御免疫は、樹状細胞(DC)およびマクロファージなどの、自然免疫系の抗原提示細胞(APC)による特異的炎症促進性T細胞(Tリンパ球)集団の分化誘導に依存する。広範な病原体に対する細胞免疫の媒介に関与している2つのかかるT細胞集団がTh1およびTh17細胞である。Th1 T細胞集団も、最近になってTh17 T細胞集団も、自己免疫および慢性炎症性疾患の媒介因子として関係付けられており、したがって、免疫抑制剤に対する適切な細胞標的として役立つ。さらに、T細胞応答の発動因子としての樹状細胞は、炎症性疾患と闘うために設計された治療法の第二の細胞標的である。
0005
多発性硬化症(MS)は、中枢神経系(CNS)の炎症性自己免疫障害であり、CNS内のT細胞、B細胞、マクロファージおよび限局性脱髄斑の炎症性浸潤物を特徴とする。Th1細胞媒介応答とTh17細胞媒介応答の両方が炎症性脱髄発生に役割を果たすことが示されている。MS患者からのミエリン反応性T細胞は、Th1媒介応答と一致してサイトカインを産生する一方で、患者からのMS病変のマイクロアレイ研究はIL−23Rの発現増加を実証している。
0006
自己免疫炎症性応答および特にMSの機序を研究するための適切なモデルは、臨床的および神経病理学的変化を多発性硬化症(MS)と共有する炎症性脱髄疾患の実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)動物モデルである。EAEの誘導におけるCD8+T細胞の病原的役割も実証されているが、長年にわたって、EAEは主としてCD4+TH1媒介疾患であるとされてきた。しかし、最近になって、IL−17産生T細胞サブセットはEAEの病原性に非常に重要な役割を果たすことが実証された。文献での議論はまだ多少あるが、Th1およびTh17細胞は協働して臓器特異的自己免疫の発生を誘導する可能性がある。
0007
CD6は、ヒトT細胞およびB細胞のサブセットによって、ならびに一部のB細胞慢性リンパ性白血病およびニューロンによって、優勢に発現される重要な細胞表面タンパク質である[Aruffo et al., J. Exp. Med. 1991, 174:949; Kantoun et al., J. Immunol. 1981, 127:987; Mayer et al., J. Neuroimmunol. 1990. 29:193]。CD6は、I型マクロファージのスカベンジャー受容体システインリッチドメイン(SRCR)と相同性の少なくとも1つのドメインを有することを特徴とする大きなタンパク質ファミリーのメンバーである[Matsumoto, et al., J. Exp. Med. 1991, 173 :55およびResnick et al., TrendsBiochem. Sci. 1994, 19:5]。このファミリーの他のメンバーは、CD5[Jones et al., Nature. 1986, 323 :346]、シクロフィリンC[Friedman et al. 1993, PNAS 90:6815]、活性化補体タンパク質C3bおよびC4bを結合する、補体因子I[Goldberger, et al., J. Biol. Chem. 1987, 262: 10065]、τ/δ T細胞によって発現されるウシWC−1[Wijingaard et al., J. Immunol. 1992, 149:3273]、ならびにM130[Law et al., Eur J. Immunol. 1993, 23 :2320]、マクロファージ活性化マーカーを含む。
0008
抗CD−6モノクローナル抗体(mAb)を使用するブロッキング研究は、CD6が、胸腺上皮(TE)細胞とのT細胞接着性相互作用を調節することによってT細胞発生に重要な役割を果たすことを示唆している(Patel et al., J. Exp. Med.(1995)181 : 1563-1568)。追加研究によって、CD6はT細胞活性化において重要な補助分子として機能できることが示された。例えば、特定の抗CD6 mAbは、T細胞に対して直接分裂促進性である(Gangemi et al., J. Immunol.(1989)143 :2439; Bott et al., Int. Immunol.(1993)7:783)が、他のものは、T細胞増殖を抗CD3、抗CD2またはPMAと共に同時刺激することができる(Gangemi et al., J. Immunol.(1989)143 :2439; Morimoto et al., J. Immunol.(1988)140:2165-2170; Osorio et al., Cell. Immunol.(1994)154:23)。T細胞活性化におけるCD6の役割のさらなる追加の証拠は、T細胞活性化後、CD6がSerおよびThr残基で高リン酸化されること(Swack et al., Mol. Immunol.(1989)26: 1037-1049; Swack et al., J. Biol. Chem.(1991)266:7137; Cardenas et al., J. Immunol., 145: 1450-1455(1990))、ならびにTyr残基でリン酸化されること(Wee et al., J. Exp. Med.(1993)177:219-223)を示す研究からきている。これらおよび他の研究は、T細胞の活性化とシグナル伝達両方に影響を及ぼすインビボでの未成熟T細胞機能と成熟T細胞機能両方の重要なモジュレーターとしてCD6を関係付けている(De Wit, J., et al., Blood(2011)118:6107-6114)。
0009
発明の概要及び添付の図
本開示を容易に理解し、実施することができるように、次に、添付の図を参照しながら例証して例示的実施形態に言及することにする。これらの図は、下記の詳細な説明と共に、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成するものであり、本開示による、実施形態のさらなる例証ならびに様々な原理および利点の説明に役立つ。
図面の簡単な説明
0010
混合リンパ球反応アッセイにおけるヒト化モノクローナル抗体イトリズマブによるTh1およびTh17サイトカインの阻害(「T1h」)を、アイソタイプ対照抗体、すなわちヒト化モノクローナル抗体ニモツズマブと比較して図示する図である。
抗マウスCD6ドメイン1特異的抗体(イトリズマブのサロゲート抗体)がTh1およびTh17サイトカインの阻害を示すことを示す図である。抗マウスCD6抗体で処置したEAE誘導動物およびラット抗体で処置した群からの脾細胞を、培養下、抗CD3抗体で再刺激した。ラット抗体で処置した群は、高度の増殖と共に大量のTh1およびTh17サイトカインの関連放出を示した。その一方で、抗マウスCD6処置動物群は、このマウスMSモデルにおいてTh1およびTh17特異的サイトカインの増殖減少およびより少ない放出を示した。
炎症促進性CD4+T細胞サブセットにおけるCD6過発現を示す図: (A)PBMCをThnp(CD4+ T細胞に対して非分極)条件またはTh17pol(Th17分極)条件で刺激し、上清を四つ組ウェルから回収し、プールし、ELISAを用いて分泌IFN−γ(Th1シグネチャーサイトカイン)およびIL−17(Th17シグネチャーサイトカイン)について分析した。T17polおよびThnp条件(Th17pol: Thnp)でのIFN−γ(白抜きの三角)またはIL−17A(黒三角)の絶対濃度の比を分析日にわたってプロットしている。(B)炎症促進性CD4+T細胞サブセットにおけるCD6過発現を示す図である。第13日のIFN−γ(白抜きの棒)およびIL−17(斜線付き棒)の絶対レベルをThnp条件とTh17pol条件の間で比較した。示されているデータは、三つ組ELISAウェルについての平均±SD(p<0.001)である。(C)炎症促進性CD4+T細胞サブセットにおけるCD6過発現を示す図である。PBMCを無刺激で置くか、またはThnpもしくはTh17pol条件で刺激した。CD4+T細胞上でのCD25発現を第3日に分析した。(D)炎症促進性CD4+T細胞サブセットにおけるCD6過発現を示す図である。PBMCを無刺激で置く(斜線付きヒストグラム)か、またはThnp(実線)もしくはTh17pol(点線)条件で刺激した。CD6発現(検出試薬としてビオチンイトリズマブを使用して)を第9日に分析し、CD4+T細胞にゲートをかけたCD6オーバーレイヒストグラムとしてプロットした。(E)炎症促進性CD4+T細胞サブセットにおけるCD6過発現を示す図である。ゲートをかけたCD4+T細胞に対するCD6MFIの増加倍数を無刺激のもので割って算出し、3つの異なる抗体、すなわちMEM98、MT605およびビオチン化イトリズマブ、をCD6検出試薬として使用してThnp条件(斜線付き棒)とTh17pol条件(白抜きの棒)両方について棒グラフとしてプロットした。示したデータは、平均±SD(p<0.05)である。パネルA〜Cにおけるデータは、異なるドナーからの2回の独立した実験の代表であり、パネルDおよびEにおけるデータは、6名の異なるドナーからの2回の独立した実験の代表である。
イトリズマブがThnp条件とTh17pol条件両方でT細胞活性化および増殖を阻害することを示す図: (A)PBMCをイトリズマブまたは対照抗体の存在下、ThnpまたはTh17pol条件で刺激した。第3日に細胞を、ゲートをかけたCD4+T細胞上でのCD25発現について分析した。刺激したPBMC中のCD4+CD25+T細胞%を棒グラフとしてプロットしている。示したデータは、異なるドナーからの2回の独立した実験からの平均±SDである。(B)イトリズマブがThnp条件とTh17pol条件両方でT細胞活性化および増殖を阻害することを示す図である。CFSE色素で標識したPBMCをイトリズマブまたは対照抗体の存在下、ThnpまたはTh17pol条件で刺激した。第3日に細胞を、ゲートをかけたCD4+T細胞でのCFSE希釈について分析した。示したデータは、1回の実験からのものである。
イトリズマブ処置がTh17分極条件で刺激した細胞においてIL−17およびIFN−γサイトカインの発現を実質的に低減させることを示す図: PBMCをイトリズマブまたは対照抗体の存在下、Th17pol条件で刺激した。第3日、第6日、第8日および第13日に、Th17pol条件で対照またはイトリズマブモノクローナル抗体で刺激した細胞を5時間、PMA−イオノマイシンで再刺激し、細胞内サイトカインIFN−γおよびIL−17Aの発現について分析した。第6日の(ゲートをかけたCD3+ T細胞に対する)代表フローサイトメトリードットプロットをパネルAに示す。パネルBおよびCは、イトリズマブ(白抜きの三角)または対照抗体(白抜きの丸)の存在下でのIFN−γ+T細胞およびIL−17A+T細胞の%を、それぞれ、フローサイトメトリー分析から得た日にわたって示す。データは、異なるドナーからの2回の独立した実験の代表である。分泌サイトカインの基礎レベルを分析するために、イトリズマブ(白抜きの三角)または対照抗体(白抜きの丸)の存在下、Th17pol条件で刺激したPBMCの四つ組ウェルから上清を回収した。ELISAによって評価して、分泌(D)IFN−γおよび(E)IL−17レベルを数日にわたってプロットしている。パネルDおよびEではデータを平均+SD(p<0.0001)として示し、このデータは、異なるドナーからの2回の独立した実験の代表である。
イトリズマブがシグネチャーTh17特異的マーカーを低減させることを示す図: (A)PBMCを対照またはイトリズマブ抗体の存在下、Th17pol条件で刺激し、第3日に転写因子pSTAT3の発現について分析した。示したデータは、ゲートをかけたCD4+T細胞に対するpSTAT3についてのヒストグラムである。(B)イトリズマブがシグネチャーTh17特異的マーカーを低減させることを示す図である。対照またはイトリズマブ抗体の存在下、Th17pol条件で刺激した細胞を5時間、PMA−イオノマイシンで再刺激し、細胞内サイトカインIL−17AおよびTh17シグネチャー転写因子RORγTの発現について分析した。ゲートをかけたCD3+T細胞に対するRORγTおよびIL−17Aの第6日代表ドットプロットを示す。(C)イトリズマブがシグネチャーTh17特異的マーカーを低減させることを示す図である。パネルBからのデータを、対照(白抜きヒストグラム)またはイトリズマブ(点線ヒストグラム)抗体の存在下、Th17pol条件で刺激した、ゲートをかけたCD3+T細胞に対するRORγT MFIのヒストグラムオーバーレイとしてプロットした。示したデータは、異なるドナーからの2回の独立した同様の実験の代表である。
(D)イトリズマブがシグネチャーTh17特異的マーカーを低減させることを示す図である。パネルAで説明した通りの実験について、ゲートをかけたCD3+CCR6+T細胞に関するCCR6およびIL−17Aの第6日代表ドットプロットを示す。
発明が解決しようとする課題
0011
対象の自己免疫疾患の予防を含む処置、ならびに同種移植片拒絶の予防を含む処置、および移植片対宿主病の予防を含む処置を目的とする方法、使用および組成物を本明細書に開示する。それぞれの方法および使用は、CD6に特異的に結合する治療有効量の結合パートナーを対象に投与することを含む。
0012
本開示は、T−ヘルパー17(Th17)および/またはT−ヘルパー1(Th1)Tリンパ球(T細胞)によって媒介される病状の、予防を含む処置のための方法に関する。詳細には、本開示は、自己反応性Th17およびTh1 Tリンパ球によって媒介される病状の処置のための抗CD6抗体の使用に関する。本開示の方法は、サイトカインIL−23Rの産生を抑制し、その結果、Th17細胞によって媒介される炎症を減少させることにより免疫応答をモジュレートする方法にさらに有用である。
課題を解決するための手段
0013
第一の態様では、(i)Tヘルパー17(Th17)Tリンパ球数増加を特徴とする自己免疫疾患、(ii)同種移植片拒絶、または(iii)移植片対宿主病に罹患している対象を処置する方法を提供する。したがって、対象は、健常対象と比較したとき、Tヘルパー17(Th17)Tリンパ球数増加を有することが分かっているまたは疑われる。その方法は、CD6に特異的に結合する結合パートナーを対象に投与することを含む。
0014
第二の態様では、対象の(i)自己免疫疾患、(ii)同種移植片拒絶、または(iii)移植片対宿主病の処置における使用のための、CD6に特異的に結合する結合パートナーを提供する。対象は、健常対象と比較したとき、Tヘルパー17(Th17)Tリンパ球数増加を有することが分かっているまたは疑われる。これらのTh17 Tリンパ球は、自己反応性Th17Tリンパ球であることもある。
0015
第一の態様による方法の、または第二の態様による使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナーの、いくつかの実施形態において、対象は、健常対象と比較したとき、T−ヘルパー1(Th1)細胞数増加を有することがさらに分かっているまたは疑われる。これらのTh1Tリンパ球は、自己反応性Th1 Tリンパ球であることもある。
0016
第一の態様による方法の、または第二の態様による使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナーの、いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、関節リウマチである。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、炎症性腸疾患である。自己免疫疾患は、例えば、クローン病であることもある。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、潰瘍性大腸炎である。自己免疫疾患は、いくつかの実施形態では乾癬である。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、シェーグレン症候群である。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、強直性脊椎炎である。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、I型糖尿病である。
0017
第一の態様による方法の、または第二の態様による使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナーの、いくつかの実施形態において、結合パートナーは、免疫グロブリンなどの抗体である。抗体は、例えばポリクローナル免疫グロブリンであることもある。いくつかの実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、完全非ヒト抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、キメラ抗体である。抗体は、いくつかの実施形態においてはヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、完全ヒト免疫グロブリンなどの完全ヒト抗体である。ヒト化抗体の実例は、イトリズマブである。
0018
第一の態様による方法の、または第二の態様による使用のためのCD6に特異的に結合する結合パートナーの、いくつかの実施形態において、結合パートナーは、免疫グロブリンの機能性断片である。いくつかの実施形態において、それぞれの機能性免疫グロブリン断片は、Fab断片である。いくつかの実施形態において、機能性免疫グロブリン断片は、一本鎖可変断片(scFv)である。いくつかの実施形態において、機能性免疫グロブリン断片は、ナノボディである。
0019
いくつかの実施形態では、CD6に特異的に結合する結合パートナーを医薬組成物に含める。医薬組成物は、CD6に特異的に結合する結合パートナーと少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤を含む。
0020
第三の態様では、(i)Tヘルパー17(Th17)Tリンパ球数増加を特徴とする自己免疫疾患、(ii)同種移植片拒絶、または(iii)移植片対宿主病に罹患している対象を処置する方法を提供する。したがって、対象は、健常対象と比較したとき、Tヘルパー17(Th17)Tリンパ球数増加を有することが分かっているまたは疑われる。その方法は、CD6に特異的に結合する結合パートナーおよびCD3に特異的に結合する結合パートナーを対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、CD6に特異的に結合する結合パートナーおよびCD3に特異的に結合する結合パートナーを互に独立して投与する。いくつかの実施形態において、CD6に特異的に結合する結合パートナーおよびCD3に特異的に結合する結合パートナーを付随して投与する。
0021
第四の態様では、対象の(i)自己免疫疾患、(ii)同種移植片拒絶、または(iii)移植片対宿主病の処置における使用のための、CD6に特異的に結合する結合パートナーとCD3に特異的に結合する結合パートナーの組み合わせを提供する。対象は、健常対象と比較したとき、Tヘルパー17(Th17)Tリンパ球数増加を有することが分かっているまたは疑われる。これらのTh17 Tリンパ球は、自己反応性Th17 Tリンパ球であることもある。
0022
第五の態様では、健常対象と比較したとき、Th17細胞数増加を有することが分かっているまたは疑われる対象の自己免疫疾患を処置するための医薬組成物を提供する。医薬組成物は、CD6に特異的に結合する結合パートナーと少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤を含む。
0023
第六の態様では、健常対象と比較したとき、Th17細胞数増加を有することが分かっているまたは疑われる対象の自己免疫疾患を処置するための医薬組成物を提供する。医薬組成物は、CD6に特異的に結合する結合パートナーを含む。医薬組成物は、CD3に特異的に結合する結合パートナーも含む。さらに、医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される希釈剤、担体または賦形剤を含む。
0024
定義
本明細書および特許請求の範囲を含めて、本文書において用いる以下の用語は、別段の記述がない限り、下に与える定義を有する。
0025
本明細書において用いる場合、語「約」は、当業者によって決定されるような特定の値についての許容可能な誤差範囲内である値であって、その値の測定または決定方法、すなわち測定システムの限界、に一部依存することになる値を指す。例えば、「約」は、当技術分野における実施に従って、1以内のまたは1より大きい標準偏差を意味することができる。用語「約」を、問題の量または値が指定された値であってよいし、またはほぼ同じである他の値であってよいことを示すためにも用いている。この句は、同様の値が、本明細書に記載する結合パートナー、組成物、方法および使用に従って等価の結果または効果を促進することを示唆するためのものである。これに関連して、「約」は、上および/または下10%までの範囲を指すこともある。語「約」は、いくつかの実施形態において、特定の値より上および下の範囲であって、その値の5%上もしくは下まで、例えば、2%上もしくは下まで、1%上もしくは下まで、または0.5%上もしくは下までである、範囲を指す。一実施形態において、「約」は、所与の値より0.1%上および下までの範囲を指す。
0026
本明細書において用いる場合、用語「投与すること」は、化合物、例えば医薬化合物、または他の作用物質、例えば抗原などの物質の対象への任意の移入、送達、導入または輸送方式を指す。投与方式は、経口投与、局所的接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、鼻腔内または皮下投与(下記参照)を含む。1つまたは複数の治療剤などのさらなる物質と「併用での」投与は、同時(併用)投与および任意の順序での逐次投与を含む。
0028
本明細書において用いる場合、用語「結合パートナー」は、分子、特に高分子の分子などの物質であって、DNA分子、またはmRNA分子を含むRNA分子などの核酸分子、ならびにペプチド、タンパク質、糖類、多糖類または脂質を、その作用物質が核酸分子、ペプチド、タンパク質または糖類、多糖または脂質と複合体を形成することを可能にするのに十分である相互作用によって、一般には非共有結合によって、結合することができる物質を指す。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、PNA分子である。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、免疫グロブリン、または下で定義するような免疫グロブリン様機能を有するタンパク質様結合分子である。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、アプタマーである。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、特定の標的に対して特異的である。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、複数の結合部位を含み、各々の結合部位が特定の標的に対して特異的である。実例として、結合パートナーは、免疫グロブリン様機能と2つの結合部位を有するタンパク質様作用物質である。これは、例えば、二重特異性ダイアボディ、例えば二重特異性一本鎖ダイアボディであることもある。
0029
本明細書において用いる場合、用語「キメラ抗体」は、1つより多くの種からの配列を含む免疫グロブリンポリペプチドまたはドメイン抗体を指す。キメラ抗体では、重鎖または軽鎖が、ヒトなどの1つの種からの可変領域配列と、マウスなどの別の種からの定常領域配列とを含有することがある。一例として、「キメラ抗体」は、例えばヒト抗体由来の定常ドメインなどの別の分子に融合した、ラットまたはマウス抗体などの動物抗体に由来する可変領域を有する免疫グロブリンであってよい。用語「キメラ抗体」は、(i)重鎖はキメラであるが軽鎖は1つだけの種からのVおよびC領域を含む、(ii)軽鎖はキメラであるが重鎖は1つだけの種からのVおよびC領域を含む、および(iii)重鎖と軽鎖の両方がキメラである、抗体を包含することを意図したものである。
0030
これに関連して、本明細書において用いる場合、「ヒト化抗体」は、ヒト抗体の構造要素および非ヒト抗体の抗原結合部位を含有する、免疫グロブリンポリペプチドまたはドメイン抗体である。「ヒト化抗体」は、非ヒト抗体からの最小数の残基を含有する。例えば、ヒト化抗体は、非ヒト抗体のCDR領域のみ、または非ヒト抗体の超可変領域を構成する残基のみを含有することがある。ヒト化抗体は、非ヒト抗体の構造を模倣するためにまたは立体障害を最小にするために必要である残基など、非ヒトポリペプチドの可変領域外からの特定の残基を含有することもある。典型的に、ヒト化抗体は、ヒトフレームワーク、非ヒト抗体からの少なくとも1つのCDRを含有し、存在する一切の定常領域がヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一である、すなわち少なくとも約80〜90%、例えば少なくとも95%同一である。したがって、おそらくはCDRを除いて、ヒト化免疫グロブリンのすべての部分が、1つまたは複数のネイティブヒト免疫グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。加えて、ヒト化抗体は、ヒト抗体にも非ヒト抗体にも対応しない残基を含有することもある。
0031
用語「検出する」または「検出すること」、ならびに用語「決定する」または「決定すること」は、バイオマーカーとの関連で用いるとき、核酸(DNAおよびRNA)またはタンパク質/ポリペプチドの存在を検出するために用いることができる任意の方法を指す。本明細書において語「レベル」、「量」または「値」と共に用いるとき、語「検出する」、「検出すること」、「決定する」または「決定すること」は、定量的または定性的レベルを一般に指すと解される。したがって、本明細書において開示の方法または使用は、絶対数でのTh17細胞の定量を含むことがある。本明細書において開示の方法または使用は、例えば1名または複数名の健常対象からの参照試料と比較して、Th17細胞の相対量を測定することによる比較も含むことがある。さらなる例として、いくつかの実施形態において、IL−17AまたはTNFαの絶対量を測定することもある。いくつかの実施形態において、第一の試料が、第二の試料より多い量、または少ない量、または同じ量のIL−17AもしくはTNFαを含有するのかを分析することもある。用語「値」、「量」および「レベル」は、例えばIL−17A、TNFα、IL−22、IL−17F、IL−21またはIL−6の、合成速度も指す。「レベル」、「量」または「値」の正確な本質は、T細胞または例えばIL−17A、TNFα、IL−22、IL−17F、IL−21もしくはIL−6を検出するために用いられる特定の分析方法の具体的な設計および構成要素に依存する。
0032
結合パートナーなどの作用物質の「有効量」または「治療有効量」は、関連した病的状態の処置もしくは管理に治療上の利益をもたらすために十分なまたは状態の存在と関連付けられる1つもしくは複数の症状を遅延するもしくは最小にするために十分な−単回用量としてのまたは一連の用量の一部としての−量である。かかる状態は、免疫抑制、例えば自己免疫疾患と関連付けられることもある。
0033
バイオマーカーに関連して用語「発現すること」および「発現」は、当技術分野において用いられている通常の意味で解されることを意図したものである。バイオマーカーは、mRNAへの核酸の転写により細胞によって発現され、その後、ポリペプチドに翻訳され、このポリペプチドはフォールディングされ、おそらくはさらにプロセッシングされる。加えて、本開示の中で論じるバイオマーカーは、それぞれの細胞の表面に輸送されている。それ故、細胞がかかるバイオマーカーを発現しているという記述は、バイオマーカーが、細胞の表面で見いだされることを示し、バイオマーカーがそれぞれの細胞の発現機構によって合成されたことを含意する。したがって、T細胞などの細胞集団との関連での用語「発現レベル」は、細胞表面上に目的のバイオマーカーを有する細胞の数または百分率を指す。発現の決定は、バイオマーカーの正規化発現レベルに基づくこともある。バイオマーカーの絶対発現レベルを、その発現と本発明に関してはバイオマーカーでない遺伝子の発現とを比較することにより補正することによって、発現レベルを正規化する。発現レベルを相対発現レベルとして提供することもある。
0034
それぞれの生物学的プロセス自体に関して、用語「発現」、「遺伝子発現」または「発現すること」は、遺伝子の核酸配列にコードされている情報を先ずはメッセンジャーRNA(mRNA)に変換し、その後タンパク質に変換する調節経路全体を指す。したがって、遺伝子の発現は、一次hnRNAへのその転写、このhnRNAの成熟RNAへのプロセッシング、およびタンパク質の対応するアミノ酸配列へのmRNA配列の翻訳を含む。この文脈において、用語「遺伝子産物」は、例えばその遺伝子によってコードされた最終タンパク質(そのスプライス変異体を含む)および該当する場合にはそれぞれの前駆体タンパク質を含む、タンパク質を指すばかりでなく、遺伝子発現の過程での「最初の遺伝子産物」と見なすことができるそれぞれのmRNAも指すことも留意されたい。
0035
免疫グロブリンまたはタンパク質様結合分子などのポリペプチドに関連して、「断片」とは対応するポリペプチド中に存在する任意のアミノ酸配列を意味するが、そのアミノ酸配列が完全長配列より短いこと、および−所望の標的、例えば抗原、に特異的に結合する免疫グロブリン(例えばCD6)の場合−そのアミノ酸配列がそのタンパク質の目的の機能を果たすことができることを条件とする。用語「免疫グロブリン断片」は、免疫グロブリンの一部分、多くの場合、超可変領域、ならびに特定の分子に対して特異的結合親和性を示す周囲の重および軽鎖部分を指す。超可変領域は、ポリペプチド標的に物理的に結合する免疫グロブリンの一部分である。当技術分野における慣用法のため、用語「抗体断片」および「免疫グロブリン断片」を本明細書では交換可能に用いている。
0036
本明細書において用いる場合、「機能性断片」は、完全長分子の少なくとも1つの生物活性を保持する、ペプチドまたは核酸分子などの分子の断片を指す。免疫グロブリンの文脈において、機能性断片は、免疫学的機能性断片である。典型的に、ペプチドの機能性断片は、無損傷ポリペプチドのものと実質的に同じ機能を果たすことができる。
0037
本文書において用いる場合、表現「薬学的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、人間および動物の組織と接触する使用に適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー応答または他の問題もしくは併発症がなく、妥当な損益比に見合っている、活性化合物、材料、組成物、担体および/または剤形を指す。
0038
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指し、その生成物の特定の最小限の長さに限定されない。両方の用語を併用する場合、この二重命名は、当技術分野では両方の用語の並列使用に相当する。
0040
本文書で用いる場合、用語「特異的」は、結合パートナーが本出願において開示するCD6などのバイオマーカーへの指向性をもつこと、に結合すること、またはと反応することを示すと解される。したがって、への指向性をもつこと、に結合すること、またはと反応することは、結合パートナーが例えばCD6に特異的に結合することを含む。この文脈において、用語「特異的に」は、結合パートナーが、適宜、CD6、または/およびその一部分と反応するが、別のタンパク質とは少なくとも本質的に反応しないことを意味する。用語「別のタンパク質」は、結合パートナーが指向性をもつ例えばCD6に近縁のまたは相同性のタンパク質を含む、任意のタンパク質を含む。用語「本質的に結合しない」は、結合パートナーが、CD6への親和性と比較して、別のタンパク質への特定の親和性を有さないこと、すなわち約30%未満の交差反応性を示すことを意味する。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、約10%未満など、約20%未満の交差反応性を示す。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、CD6への親和性と比較したとき、約9、8または7%未満の交差反応性を示す。いくつかの実施形態において、結合パートナーは、例えばCD6への親和性と比較したとき、約5%未満など約6%未満の交差反応性を示す。結合パートナーが、本明細書において上で定義したように特異的に反応するかどうかは、とりわけ、それぞれの結合パートナーと、適宜、例えばCD6との反応と、その結合パートナーと他のタンパク質との反応とを比較することによって、容易に試験することができる。用語「特異的に認識すること」は、用語「への指向性をもつ」または「と反応する」と交換可能に用いることができ、本開示の文脈において、特定の分子、一般には免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、または免疫グロブリン様機能を有するタンパク質様結合分子が、本明細書において定義する通りのエピトープの、少なくとも3つ、例えば少なくとも4つまたはさらに多くのアミノ酸を含む、少なくとも2つのアミノ酸と特異的に相互作用することができる、および/またはアミノ酸に特異的に結合することができることを意味する。一般に、免疫グロブリンまたはタンパク質様結合分子は、それによって、例えばCD6のそれぞれのエピトープと複合体を形成することができる。かかる結合は、「鍵と鍵穴原理」の特異性によって例示されてもよい。「特異的に結合すること」を、例えば、ウエスタンブロット、ELISA−、RIA−、ECL−、IRMA−試験、FACS、IHCおよびペプチドスキャンに従って判定することもできる。
0041
本明細書において用いる場合、用語「サロゲート抗体」は、イトリズマブのサロゲート抗体であって、マウスにおける抗CD6ドメイン1結合抗体の効果を研究するために社内で開発されたものであり、ラット抗マウスCD6IgG2cとして同定されるサロゲート抗体を示すと解される。サロゲート抗体は、1.マウスCD6のドメイン1に結合する、2.ALCAM結合と競合しない、3.抗CD3で刺激された脾細胞からのナイーブT細胞の増殖を阻害する、4.マウスにおいて全身枯渇していない、5.T1hのものに匹敵する親和性を有する、イトリズマブと等価の特性を有する。
0042
本明細書において用いる場合、用語「対象」は、個体とも呼び、ヒトまたは非ヒト動物、一般に哺乳動物を指す。対象は、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、サル、類人猿またはヒトなど哺乳類の種であってよい。したがって、本文書に記載する方法、使用および組成物は、ヒト疾患と獣医学的疾患の両方に適用可能である。試料を対象から得た。その試料が体液試料または生検試料である場合、当技術分野において日常的に用いられている従来の技法を用いてその試料を得ることができる。したがって、試料中の発現レベルから得られた結論およびそれらに基づく判断が、試料を採取した対象に関係することは、理解される。対象がある疾患または状態の診療を受けている、生きているヒトである場合、その対象を「患者」とも呼ぶ。
0043
本明細書において用いる場合、用語「処置」および「処置すること」は、治療効果を有し、対象の生物の病的な状態を含む異常な状態を予防する、減速させる(減らす)または少なくとも部分的に緩和もしくは抑止する予防または防止対策を指す。処置を必要とする者は、障害に既に罹患している者、ならびに障害に罹患しやすい者、または障害を予防すべきである者(予防法)も含む。一般に、処置は、疾患または病的状態の存在および/または進行と関連付けられる症状の進行を低減、安定化または阻害する。用語「投与すること」は、対象の細胞または組織に化合物の組み込む方法に関係する。用語「治療効果」は、異常な状態の原因または一因となる要因の阻害または活性化を指す。治療効果は、異常な状態または疾患の1つまたは複数の症状をある程度軽減する。用語「異常な状態」は、生物の細胞または組織の機能であって、その生物におけるそれらの正常な機能から逸脱している機能を指す。異常な状態は、とりわけ、細胞増殖、細胞分化、または細胞生存に関係し得る。
0044
用語「含むこと(comprising)」、「含むこと(including)」、「含有すること」、「有すること」などは、広義に読むものとし、または非限定的であり制限がないものとする。「a」、「an」または「the」などの単数形は、文脈による明確な別段の指示がない限り、複数の参照内容を含む。したがって、例えば、「ベクター」への言及は、単一のベクター、ならびに同じ−例えば同じオペロン−または異なる複数のベクターを含む。同様に、「細胞」への言及は、単一の細胞ならびに複数の細胞を含む。別段の指示がない限り、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は、その系列のあらゆる要素を指すと解すべきである。用語「少なくとも1つ」および「の少なくとも1つ」は、例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ以上の要素を含む。記述する範囲より上および下のわずかな変動を用いて、その範囲内の値と実質的に同じ結果を達成することができることは、さらに理解される。また、別段の指示がない限り、範囲の開示は、最小値と最大値の間のあらゆる値を含む連続範囲として意図したものである。
0045
用語のいずれの使用についてもその範囲および意味は、その用語を用いている具体的な文脈から明らかになるであろう。本文書を通して用いる選択された用語についての特定のさらなる定義は、詳細な説明の適切な文脈の中で適宜与える。別段の定義がない限り、本明細書、図および特許請求の範囲において用いるすべての他の科学および専門用語は、当業者によって一般に理解されているようなそれらの通常の意味を有する。
0046
疾患を処置するための方法および使用
本発明者らは、抗CD3抗体との抗CD6抗体媒介同時刺激が非常に有意なものであり、IL−23Rの発現を促進することによって安定したTh17発生のためにナイーブT細胞を予備刺激する、抗CD28/CD3によって誘導される同時刺激と比較して明らかにより有意であるという、驚くべき発見をした。例えば、抗CD6抗体は免疫抑制活性を有し、Th1およびTh17(IL-23R産生T細胞)媒介炎症性自己免疫疾患を選択的に抑制するように作用する。
0047
理論により拘束されることを望まないが、本発明者らは、IL−23Rが、樹状細胞およびマクロファージなどの抗原提示細胞によって発現されると予測する。抗原提示細胞によるIL−23Rの発現は、自己免疫および慢性炎症性状態を媒介する自己反応性T細胞に場合によってはなることができるTh1およびTh17表現型を有するT細胞の拡大増殖から外れて、結果として生ずるT細胞応答を歪める。
0048
多発性硬化症などの自己免疫および慢性炎症性疾患、の処置のための現行の治療法は、非特異的であり、かつ重篤な副作用を有する、ステロイドおよび他のNSAIDの使用に主に集中している。特に、特定のかかる処置は、腫瘍壊死因子α(TNF-α)の発現または機能活性を抑制するように主として作用する。例えば、キメラモノクローナル抗体インフリキシマブ(Remicade(登録商標))は、TNF−α機能を標的にする。特定の患者では有効だが、かかる抗TNF−α処置は、特定の患者、もしくは特定の自己免疫状態を処置するときには効果がない場合もあり、またはさらに、望ましくない副作用を発生させる結果となる場合もあるだろう。
0049
本発明者らは、異常Th1および/またはTh17応答が自己反応性Th1および/またはTh17 T細胞の発生に起因して発生する場合に発生するTh1および/またはTh17媒介疾患および状態、特に、自己免疫疾患または免疫媒介状態の処置において本開示の結合パートナーまたは組成物の有用性を確認した。
0050
本開示に従って処置する対象は、健常対象と比較したとき、Th17 T細胞数増加を有することが分かっているまたは疑われる。Th17 T細胞は、それらのシグネチャーサイトカインIL−17A産生にちなんで命名された。加えて、Th17 T細胞は、IL−17F、IL−21、IL−22、GM−CSF、TNFαおよびIL−6も産生する。
0051
対象のTh17 T細胞数増加の存在を、対象の体液中に存在するT細胞、または対象から得た体液を分析することによって検出してもよい。
0052
対象のTh17 T細胞数増加の存在を、Th17 T細胞によって産生されることが既知のサイトカインのレベルを分析することによって検出してもよい。したがって、いくつかの実施形態において、対象のTh17 T細胞数増加を、対象のIL−17Aレベルを検出し、そのレベルを健常対象のIL−17Aレベルと比較することによって検出することもある。いくつかの実施形態において、対象のTh17 T細胞数増加を、対象のTNFαレベルを検出し、そのレベルを健常対象のTNFαレベルと比較することによって検出することもある。いくつかの実施形態において、対象のTh17 T細胞数増加を、対象のIL−6レベルを検出し、そのレベルを健常対象のTNFαレベルと比較することによって検出することもある。いくつかの実施形態において、対象のTh17 T細胞数増加を、対象のインターフェロンγ(IFN-γ)レベルを検出し、そのレベルを健常対象のインターフェロンγレベルと比較することによって検出することもある。
0053
本明細書に開示する結合パートナーは、CD6に特異的に結合する。「CD6」は、「表面抗原分類6」の略語である。このタンパク質は、T細胞分化抗原CD6、ならびにT12またはTP120とも呼ばれる。CD6は、いくつかの実施形態において、SwissPort/UniPortアクセッション番号Q61003(2014年7月9日のバージョン117)のマウスタンパク質である。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号P30203(2014年7月9日のバージョン125)を有するヒトタンパク質である。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号Q8WWJ4(2014年4月16日のバージョン59)を有する、ヒトタンパク質CD6のアイソフォームdである。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号Q8WWJ6(2014年4月16日のバージョン59)を有する、ヒトタンパク質CD6のアイソフォームcである。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号Q8WWJ3(2014年4月16日のバージョン59)を有する、ヒトタンパク質CD6のアイソフォームbである。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号Q8WWJ7(2014年4月16日のバージョン60)を有する、ヒトタンパク質CD6のアイソフォームeである。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号Q8N4Q7(2014年4月16日のバージョン66)のヒトタンパク質である。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号G5E973(2014年7月9日のバージョン26)を有する、ヒトタンパク質CD6のアイソフォームCRA_dである。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号Q5FVU4(2014年7月9日のバージョン69)を有するラットタンパク質である。いくつかの実施形態において、CD6は、SwissPort/UniPortアクセッション番号H9ZFC2(2014年4月16日のバージョン7)を有するアカゲザル(Macaca mulatta)タンパク質である。
0054
本明細書に開示する方法または使用のいくつかの実施形態において、対象の血液細胞および/または樹状細胞上でのIL−23R発現を分析している。いくつかの実施形態において、患者の体液中のTNF−α、IFN−γ、IL−17およびIL−17Aのうちの1つまたは複数のレベルを分析している。混合リンパ球反応において、Th1およびTh17サイトカインIL17Aは、図1で例証するように、T1hの存在下で低減されることが観察される。CD6のドメイン1のサロゲート抗体を使用する動物モデルでは、図2で例証するように、Th1およびTh17(IL17A)サイトカインの低減が観察される。
0055
本発明の文脈において、任意の利用可能な方法を用いて核酸またはタンパク質の存在を検出することができる。かかる方法は、当技術分野において周知の確立されている標準手順を含んでもよい。かかる技法の例としては、RT−PCR、RNAse保護アッセイ、ノーザン分析、ウエスタン分析、ELISA、ラジオイムノアッセイまたは蛍光滴定アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。細胞内/上のIL−17、IFN−γまたはTNF−αなどのバイオマーカーの量の評定は、それぞれのバイオマーカーをコードする細胞内のRNAなどの核酸の量の評定を含んでもよい。核酸プローブを使用して、バイオマーカーの核酸分子の量を検出するための任意の一般的なハイブリダイゼーション法によって試料をプロ−ビングしてもよい。核酸プローブを得るために化学合成を行うことができる。合成された核酸プローブを、先ず、それぞれのプローブを得るために、認知されているPCR技法、本質的には、適切なテンプレートを利用する標準PCRプロトコルに従って行うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてプライマーとして使用してもよい。当業者は、バイオマーカーに利用可能な配列に基づいてかかるプローブを容易に設計することができるであろう。標準的標識技法によって、例えば、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、ビオチン−アビジン標識、化学発光またはナノ粒子で、ハイブリダイゼーションプローブに標識することができる。ハイブリダイゼーション後、標準的技法を用いてプローブを可視化してもよい。
0056
本発明の文脈において用いられる検出方法は、より詳細に下でも説明するような、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの核酸またはタンパク質により生じるシグナルの増幅、またはビオチン−ストレプトアビジン系、例えば免疫グロブリンとのコンジュゲーションの形態での使用を含むことがある。検出方法は、例えば、結合した標識に連結することができる抗体、例えば免疫グロブリンの、例えばウエスタン分析またはElSAでの使用を含むこともある。所望される場合には、細胞内免疫グロブリンを検出に使用してもよい。検出のいくつかまたはすべての工程が自動検出システムの一部であることもある。かかるシステムの実例は、自動リアルタイムPCRプラットフォーム、自動核酸単離プラットフォーム、PCR産物分析装置およびリアルタイム検出システムである。上に示したように、本明細書において用いる場合、用語「抗体」は、選択されたタンパク質、例えば、L−セレクチン、またはT細胞に特異的なタンパク質を特異的に結合することができる、免疫グロブリンおよび免疫グロブリン断片、ならびに免疫グロブリン様機能を有するそれぞれのタンパク質様結合分子を含むと解される。抗体は、例えば、EGF様ドメイン、クリングルドメイン、フィブロネクチンI型ドメイン、フィブロネクチンII型ドメイン、フィブロネクチンIII型ドメイン、PANドメイン、G1aドメイン、SRCRドメイン、クニッツ/ウシ膵臓トリプシンインヒビタードメイン、テンダミスタット、カザール型セリンプロテアーゼインヒビタードメイン、トレフォイル(P型)ドメイン、フォン・ヴィルブラント因子C型ドメイン、アナフィラトキシン様ドメイン、CUBドメイン、サイログロブリンI型リピート、LDL−受容体クラスAドメイン、スシドメイン、リンクドメイン、トロンボスポンジンI型ドメイン、免疫グロブリンドメインまたは免疫グロブリン様ドメイン(例えば、ドメイン抗体もしくはラクダ重鎖抗体)、C型レクチンドメイン、MAMドメイン、フォン・ヴィルブラント因子A型ドメイン、ソマトメジンBドメイン、WAP型4ジスルフィドコアドメイン、F5/8 C型ドメイン、ヘモペキシンドメイン、SH2ドメイン、SH3ドメイン、ラミニン型EGF様ドメイン、C2ドメイン、「カッパボディ」(I11. et al., Protein Eng(1997)10, 949-957)、「ミニボディ」(Martin et al.,EMBO J(1994)13, 5303-5309)、「ダイアボディ」(Holliger et al., PNAS U.S.A. 90, 6444-6448(1993))、「ヤヌシン」(Traunecker et al., EMBO J(1991)10, 3655-3659またはTraunecker et al., Int J Cancer(1992)Suppl 7, 51-52)、ナノボディ、アドネクチン、テトラネクチン、マイクロボディ、アフィリン、アフィボディまたはアンキリン、クリスタリン、ノッチン、ユビキチン、ジンクフィンガータンパク質、自己蛍光タンパク質、アンキリンもしくはアンキリンリピートタンパク質またはロイシンリッチリピートタンパク質(下記も参照されたい)であってよい。
0057
レベルまたは量の測定は、例えば、分光、光化学、測光、蛍光測定、放射線、酵素または熱力学的手段に頼ることがある。分光検出法の一例は、蛍光相関分光法である。光化学的方法は、例えば光化学的架橋である。光活性、蛍光、放射性または酵素標識の使用は、それぞれ、測光、蛍光測定、放射線および酵素検出法の例である。熱力学的検出法の一例は、等温滴定熱量測定である。標識の実例として、水溶性、生体機能化半導体量子ドットの使用に関する詳細なプロトコルがLidkeら(Current Protocols in Cell Biology,[2007]Suppl. 36, 25.1.1-25.1.18)によって与えられている。かかる量子ドットは特に高い光安定性を有し、それによってそれらの局在を数分から数時間から数日間にわたってモニターすることが可能になる。それらは、典型的には蛍光ナノ粒子である。異なるタイプの量子ドットを単一のレーザー線によって励起させることができるので、多色標識を行うことができる。検出を例えばフローサイトメーターの異なる蛍光チャネルで適便に行うことができる。量子ドットをIL−17、IFN−γまたはTNF−αの結合パートナーにカップリングさせることができる。
0058
用いられる測定法は、目的のバイオマーカー、例えばIL−17、IFN−γまたはTNF−α、を発現する細胞の選択された閾値の範囲内での検出を可能にする感度のものであるように、特に、IL−17、IFN−γまたはTNF−α発現細胞がその閾値より下であるかどうかの判定を可能にする感度のものであるように、一般に選択される。一般的には、IL−17、IFN−γまたはTNF−αの結合パートナーが、それぞれ、検出可能なマーカーと併用することができる。IL−17、IFN−γまたはTNF−αのかかる結合パートナーは、IL−17、IFN−γまたはTNF−αに対して検出可能な親和性および特異性をそれぞれ有する。一般的に、結合は、結合親和性が10−6Mより高いとき、特異的と考えられる。例えばIL−17、IFN−γ、TNF−αまたはIL−23Rの結合パートナーは、いくつかの実施形態では、それぞれ、約10−8M以上の、または約10−9M以上の親和性を有する。
0059
例えばIL−17、IFN−γ、TNF−αまたはIL−23Rのそれぞれの結合パートナー、ならびに別の選択された細胞特有のタンパク質についての結合パートナーも、免疫グロブリン、その断片、または免疫グロブリン様機能を有するタンパク質様結合分子である可能性がある。抗体断片は、抗原結合または可変領域を一般に含有する。(組換え)抗体断片の例は、免疫グロブリン断片、例えば、Fab断片、Fab’断片、Fv断片、一本鎖Fv断片(scFv)、ダイアボディまたはドメイン抗体(Holt, L.J., et al., TrendsBiotechnol.(2003), 21, 11, 484-490)である。免疫グロブリン様機能を有するタンパク質様結合分子の一例は、リポカリンファミリーのポリペプチドに基づくムテインである(WO03/029462、Beste et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1999)96, 1898-1903)。ビリン結合タンパク質、ヒト好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン、ヒトアポリポタンパク質Dまたはグリコデリンなどのリポカリンは、ハプテンとして知られている選択された小タンパク質領域に結合するように修飾することができる天然リガンド結合部位を有する。他のタンパク質様結合分子の例は、いわゆるグルボディ(例えば、国際特許出願WO96/23879またはNapolitano, E.W., et al., Chemistry & Biology(1996)3, 5, 359-367参照)、アンキリン骨格に基づくタンパク質(Mosavi, L.K., et al., Protein Science(2004)13, 6, 1435-1448)または結晶骨格に基づくタンパク質(例えば、国際特許出願WO01/04144)、Skerra,J.Mol.Recognit.(2000)13,167−187に記載されているタンパク質、アドネクチン、テトラネクチンおよびアビマーである。アビマーは、いくつかの細胞表面受容体において複数のドメインの紐として出現する、いわゆるAドメインを含有する(Silverman, J., et al., Nature Biotechnology(2005)23, 1556-1561)。ヒトフィブロネクチンのドメインに由来するアドネクチンは、標的への免疫グロブリン様結合のために改変することができる3本のループを含有する(Gill, D.S. & Damle, N.K., Current Opinion in Biotechnology(2006)17, 653-658)。それぞれのヒトホモ三量体タンパク質に由来するテトラネクチンは、同様に、所望の結合のために改変することができるループ領域をC型レクチンドメイン内に含有する(同書)。タンパク質リガンドとして作用することができるペプトイドは、側鎖がα炭素原子ではなくアミド窒素に接続されている点でペプチドとは異なるオリゴ(N−アルキル)グリシンである。ペプトイドは、一般的にはプロテアーゼおよび他の修飾酵素に対して耐性であり、ペプチドよりはるかに高い細胞透過性を有することができる(例えば、Kwon, Y.-U., and Kodadek, T., J. Am. Chem. Soc.(2007)129, 1508-1509参照)。いくつかの実施形態において、適する抗体は、いくつかの免疫グロブリン断片を含む多重特異性抗体であることができる。
0060
[0253]免疫グロブリン、または免疫グロブリン様機能を有するタンパク質様結合分子を、所望される場合にはPEG化または高グリコシル化してもよい。いくつかの実施形態において、免疫グロブリン様機能を有するタンパク質様結合分子は、上記の例示的タンパク質様結合分子うちの1つと、アルブミン結合ドメイン、例えば連鎖球菌プロテインGのアルブミン結合ドメインとの融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、免疫グロブリン様機能を有するタンパク質様結合分子は、一本鎖ダイアボディなどの免疫グロブリン断片と、免疫グロブリン結合ドメイン、例えば細菌免疫グロブリン結合ドメインとの融合タンパク質である。実例として、Unverdorbenら(Protein Engineering, Design & Selection[2012]25, 81-88)によって記載されているように、一本鎖ダイアボディをブドウ球菌プロテインAのドメインBに融合させてもよい。
0061
本開示の一態様に従って、自己反応性Th1および/またはTh17 T細胞によって引き起こされる自己免疫疾患を処置または予防する方法であって、
− 抗CD6抗体を含む治療有効量の組成物を用意する工程と、
− かかる処置を必要とする対象に、T−ヘルパー17リンパ球(Th17 T細胞)および/またはT−ヘルパー1リンパ球(Th1 T細胞)の活性化を抑制するのに十分な量の前記抗体を投与する工程と
を含む方法を提供する。
0062
いくつかの実施形態において、目的の遺伝子の発現レベルの決定は、mRNAへの転写レベルの決定を含む。IL−17、IFN−γ、TNF−αまたはIL−23Rなどの試料中の目的のタンパク質をコードするRNAを、マルチプレックスPCR、ネステッドPCRおよび増幅不応性突然変異特異的(ARMS)PCR(対立遺伝子特異的PCR(AS-PCR)とも呼ばれる)を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、QBレプリカーゼ連鎖反応、ループ介在等温増幅(LAMP)、転写媒介増幅(TMA)、ならびにゲノム鎖置換増幅(WGSDA)、多重鎖置換増幅(MSDA)および遺伝子特異的鎖置換増幅(GS-MSDA)を含む鎖置換増幅(SDA)などの任意の利用可能な増幅技法を用いて、増幅することができる。得られた増幅産物の検出を当技術分野において既知の非常に多くの方法で行うことができる。例としては、電気泳動法、例えば、臭化エチジウム染色などの染色と併用でのアガロースゲル電気泳動が挙げられるが、これに限定されない。他の実施形態において、本発明の方法は、リアルタイムPCRなどのリアルタイム検出を伴う。これらの実施形態において、増幅プロセスの経時変化をモニターする。当技術分野において一般に用いられるリアルタイム検出手段は、増幅プロセス前に色素の添加を含む。かかる色素の一例は、二本鎖核酸に結合したときにのみ蛍光シグナルを放出する蛍光色素SYBRグリーンである。
0063
一般的には、検出可能な標識またはマーカーが使用される。かかるマーカーまたは標識を、増幅すべき配列を含む核酸に含めてもよい。マーカーをプライマーまたはプローブに含めてもよい。マーカーは、反応の過程で増幅産物に組み込まれることもある。いくつかの実施形態において、例えば核酸に含めるかかるマーカー化合物は、光学的に検出可能な標識、発蛍光団、または発色団である。マーカー化合物の実例は、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)である。
0064
実例として、リアルタイムPCRを用いて、IL−17、IFN−γ、TNF−αまたはIL−23Rなどの試料中の目的のタンパク質をコードするRNAのレベルを決定してもよい。かかるPCR手順をリアルタイム検出下で行って、増幅プロセスの経時変化をモニターする。PCRは、標的配列の対数増幅を特徴とする。RNAの増幅のために、逆転写酵素PCRを用いる。本発明のバイオマーカーの発現を検出するために必要なプライマーおよびプローブの設計は、当業者の技能の範囲内である。いくつかの実施形態において、試料からRNAを無RNAse条件下で単離し、その後、逆転写酵素の使用によってDNAに変換する。逆転写を単一反応容器内で、RT−PCR分析前または同時に行ってもよい。RT−PCRプローブは、5’末端に結合されたレポーター色素とも呼ばれる蛍光部分および3’末端にカップリングされたクエンチャー部分を有する(またはその逆に有する)オリゴヌクレオチドである。これらのプローブは、PCR産物の内部領域にハイブリダイズするように一般的に設計される。ハイブリダイズしていない状態では、蛍光体分子と消光分子の近接がプローブからの蛍光シグナルの検出を妨げる。PCR増幅中に、RT−PCRプローブが結合しているテンプレートをポリメラーゼが複製するとき、ポリメラーゼの5’−3’ヌクレアーゼ活性によってプローブが切断される。その結果、蛍光および消光部分がデカップリングされる。
0065
次いで、蛍光は、各サイクルで、プローブ切断量に比例する形で増加する。反応から放出される蛍光シグナルを、常用の従来的技法を用いて、市販されている機器を使用して、継時的に測定または追跡することができる。評価する試料中のバイオマーカーRNAの定量を、増幅シグナルと、RNAの既知量を同様に評価した1つまたは複数の標準曲線のものとの比較によって行ってもよい。いくつかの実施形態において、バイオマーカー発現の差を、閾値蛍光に達するためのPCRサイクル時間の差、すなわち「dCT」として測定する。
0066
本明細書において開示する方法または使用のいくつかの実施形態において、自己免疫疾患を処置している。本開示の特定の実施形態において、本明細書において開示する組成物は、T−ヘルパー17リンパ球(Th17)媒介免疫応答とT−ヘルパー1リンパ球(Th1)媒介免疫応答の両方を抑制する。特定の実施形態において、自己反応性T細胞によって媒介される疾患は、自己免疫疾患または慢性炎症性疾患である。
0067
本開示の特定の実施形態において、自己免疫疾患は、多発性硬化症(MS)である。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、関節リウマチ(RA)である。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)である。自己免疫疾患は、いくつかの実施形態において、潰瘍性大腸炎である可能性がある。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、1型糖尿病である。いくつかの実施形態において、自己免疫疾患は、乾癬である。
0069
本明細書に例証的に記載する結合パートナー、組成物、方法および使用は、本明細書において具体的に開示していないいずれかの1つまたは複数の要素、1つまたは複数の制限の不在下で適切に実施されることもある。加えて、本明細書において利用する用語および表現は、説明の用語として用いており、制限の用語として用いておらず、かかる用語および表現の使用において、示すおよび記載する特徴またはそれらの部分のいずれの等価物も除外する意図はないが、様々な修飾が可能であると認識している。したがって、本結合パートナー、組成物、方法および使用を例示的実施形態および任意選択の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書で開示した結合パートナー、組成物、そこで実施される方法および使用の修飾形態および変形形態に当業者が頼ることもあること、ならびにかかる修飾形態および変形形態が、開示した結合パートナー、組成物、方法および使用の範囲内であると考えられることを理解されたい。
0070
結合パートナー、組成物、方法および使用を本明細書において広義かつ一般的に記載してきた。この一般的開示の範囲内に入るより狭義の種および亜属グループの各々も、結合パートナー、組成物、方法および使用の一部を形成する。これは、削除される物質が本明細書中に具体的に記載されているか否かに関係なくその属からいずれかの対象物を除去するという条件または否定による限定付きで、結合パートナー、組成物、方法および使用の一般的記載を含む。
0071
他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内である。加えて、結合パートナー、組成物、方法および使用の特徴または態様がマーカッシュ群によって記載されている場合、それによって結合パートナー、組成物、方法および使用がマーカッシュ群の任意の個々の構成員または構成員の部分群によっても記載されていることは、当業者には理解されるであろう。
0072
結合パートナー、組成物、方法および使用を容易に理解し、実施することができるように、次に、特定の実施形態を以下の非限定的実施例によって説明することにする。
0073
実施例1:
混合リンパ球反応およびサイトカイン分析:
PBMCの調製:
血液30mlを健常ドナーから採取する。PBMCを標準的フィコール(FICOLL)密度勾配遠心分離によって単離する。単球除去および樹状細胞誘導アッセイの準備:これらの細胞をCO2インキュベーター内で2時間インキュベートする。単球をプラスチック表面に付着させる。その後、非付着細胞(PBL)をフラスコから除去する。すべてのフラスコを1XPBSで1回洗浄する。DC培地20ml(アッセイ培地50ml中のストック50ml、GMCSF10μlおよびIL-4 5μlから作製)を各フラスコに添加する。フラスコをCO2インキュベーター内で6日間保持する。
0074
成長中の樹状細胞に対するLPS処置:
第6日に、LPSを有するDC培地を各フラスコに添加し(フラスコ内のLPSの最終濃度は4μg/mlである)、CO2インキュベーターに戻して40〜48時間保持する。
0075
混合リンパ球アッセイのための細胞の調製:
DCの調製:
LPS処置後、細胞懸濁液(DC)を2つのフラスコから回収する。各フラスコを1XPBSで1回洗浄する。細胞懸濁液を1500rpmで5分間回転沈降させ、培地3mlで再構成する。LPS処置DCを計数し、アッセイ要件に従って培地で再構成する。
0076
PBLの調製:
前に述べたのと同じプロトコルに従って、別の健常個体からの血液採取後にフィコール分離を行う。単球除去後、非付着細胞(PBL)を回収し、1500rpmで5分間回転沈降させ、培地5mlで再構成する。PBLを計数し、1.0×106個の細胞/mlに再構成する。
0077
樹状細胞に対するSEB処置
SEBの調製:SEBストック濃度は1mg/mlである。そのストックからのSEB 3μlを培地3mlに溶解してSEBの1μg/ml作業溶液を得る。処置:標準化プロトコルに従って、0.06×106個のDCをSEB 0.6μgで処置する。ストック0.1×106個の細胞/ml(LPS処置成熟DC)を作製する。このストックから、細胞懸濁液600μlをアッセイ培地2.4mlに溶解する(細胞懸濁液の全体積は、0.02×106個の細胞/mlを含有する3mlである)。これを1500rpmで5分間回転沈降させ、SEB(1ug/ml)600μlをそのペレットに添加する。これを37℃のCO2インキュベーター内で20分間インキュベートする。インキュベーション後に過剰な培地(2ml)をチューブに添加し、1500rpmで5分間洗浄する。上清を廃棄し、細胞を培地3mlで再び洗浄する。最後に、ペレットをアッセイ培地3mlに溶解する。
0078
PBLに対するマイトマイシンC処置:
マイトマイシン溶液25μg/mlをマイトマイシンストック1mg/mlから作製する。0.5×106個のPBLを37℃のCO2インキュベーター内で30分間、マイトマイシン25μg/ml 500μlで処置する。インキュベーション後に過剰な培地(2ml)をそれに添加し、細胞を5培地のために1500rpmで洗浄する。上清を廃棄し、細胞を培地3mlで再び洗浄する。
0079
MLRアッセイ−増殖の阻害:
MLRアッセイをDC:PBL=1:50比で行う。使用する陰性対照はニモツズマブである。6日後、プレートをアラマーブルーで読み取る。平行プレートから上清を採取し、Th1、Th2およびTh17 CBAヒトキット(BD biosciences, Pharmingen, USA)を使用してサイトカインについてアッセイし、これはその製造業者の指示に従って使用する。キットと共に供給される標準物質からサイトカインの濃度を決定する。Cyan−ADP、Beckman Coulter、フローサイトメーターとSumiit 4.3ソフトウェアですべての試料を分析した。
0081
実施例2:
EAEの誘導および処置:
第0日に、結核菌(M. tuberculosis)H37Ra加熱死菌500μgを含有する等体積のCFAと併せたPBS中のMOG35−55 20μgからなるエマルジョン200μlを用いてマウスに皮下免疫した。エマルジョンを腰部の一方に注射し、その後、外側尾静脈を通して0.01M PBS中の百日咳(B. pertussis)毒素(0.2μg/100μl)100μlを静脈内注射した。百日咳毒素100μlの追加免疫用量を第3日に投与した。第7日に、MOG/CFAエマルジョン200μlを他方の側腹部に皮下注射してマウスを再び免疫した。第14日にマウスを無作為化し、対照よび抗CD6処置マウスとして群分けした。処置マウス群に抗マウスCD6 MAb(R&DSystem)/10D12 60μg/100μl/用量を1日おきに腹腔内注射した。対照マウスには同じ用量の抗ラットIgGMAbを注射した。マウスをEAEの症状について観察した。対照および処置群における疾患重症度および発症を、第14日から第32日まで臨床スコアとして次のような5段階評価で採点した−0、正常;0.5、硬い尾;1、ぐにゃぐにゃの尾;1.5、立てることができないぐにゃぐにゃの尾;2、1肢の麻痺;2.5、1肢の麻痺と他の1肢の脱力;3、後肢両方の完全麻痺;4、瀕死;5、死亡。1つの群の臨床スコアを合計し、その群の全マウス数で割ることによって平均臨床スコアを算出した。マウスにおける疾患の誘導は、95%より高かった。
0082
T細胞受容体(CD3)媒介増殖アッセイ
マウスを第30日に屠殺した。各マウスからの脾臓および血液を評定した。同じマウス群から得た脾臓をインビトロ実験のためにプールした。MOG免疫した、対照および抗CD6 MAb処置マウスから得た脾細胞(0.2x106個の細胞/ウェル)を96ウェルプレート(Nunc)においてプレコート済み抗CD3 MAb(2.5μg/ml)で刺激した。未コートウェル内の脾細胞を無刺激対照細胞として使用した。細胞を3日間インキュベートした。第3日にアラマーブルー(30μl/ウェル;Invitrogen)を添加した。一晩のインキュベーション後、翌朝にBiotek Synergyプレートリーダーを使用して530/590nmでプレートを読み取った。データを両方の群の無刺激および刺激脾細胞からの平均相対蛍光単位(RFU)値として表した。
0083
サイトカイン分析
サイトカイン分析のために、同じ増殖アッセイの設定を脾細胞の刺激に用いた。簡単に言うと、MOG免疫した、対照および抗CD6 MAb処置マウスから得た脾細胞(0.2x106個の細胞/ウェル)を96ウェルプレート(Nunc)においてプレコート済み抗CD3 MAb(2.5μg/ml)で刺激した。未コートウェル内の脾細胞を無刺激対照細胞として使用した。第3日に上清を回収し、サイトメトリックビーズアレイ(CBA)炎症性サイトカインキット(インターロイキン−6、インターロイキン−10、インターロイキン−12p70、インターフェロン−γ、腫瘍壊死因子−α)(BD Biosciences, USA)を製造業者の指示に従って使用してサイトカイン測定を行うまで−80℃で保存した。簡単に言うと、別個の蛍光強度を有し、サイトカイン特異的捕捉抗体でコートされた混合ビーズ集団50μlを上清50μlおよび炎症性サイトカイン抗体用のフィコエリトリン検出試薬50μlに添加した。同時に、各サイトカイン用の標準物質(0〜5000pg/ml)を同様にサイトカイン捕捉ビーズおよびフィコエリトリン検出n試薬と混合した。ボルテックスした混合物を2時間、室温で暗所においてインキュベートした。ビーズを洗浄し、フローサイトメーター(CyAnDMADP, Dako)で獲得した。キットと共に供給されたサイトカイン標準物質から標準曲線を導出し、標準グラフを使用してそれぞれのサイトカインの量(pg/ml)を算出した。
0084
インターロイキン−17Aの検出のために、フレックスセットアッセイキット(BD Biosciences, USA)を製造業者の指示に従って使用した。簡単に言うと、IL−17A特異的捕捉抗体でコートされた捕捉ビーズ溶液50μlを上清または標準物質(0〜5000pg/ml)50μlに添加し、1時間、室温でインキュベートした。ビーズを洗浄し、フィコエリトリン検出試薬50μlと共に1時間、室温でインキュベートした。ビーズを洗浄し、フローサイトメーター(CyAnDMADP, Dako)で獲得した。キットと共に供給されたサイトカイン標準物質から標準曲線を導出し、標準グラフを使用してIL−17Aの量(pg/ml)を算出した。
0085
結果:抗マウスCD6抗体で処置したマウスは、ラット抗体処置群より有意な臨床的改善を示した。抗マウスCD6処置群において対照ラットIgG処置群と比較して統計的に有意な差が次のサイトカイン、TNFα、IL6、IFNγおよびIL17について観察された。
0086
実施例3:
方法:
1.Th17分極のためのヒトPBMC培養
健常ボランティアから同意説明文書へのサイン後にヒト血液を採取し、Ficoll Paque(GE Healthcare Bio-sciences AB, Uppsala, Sweden)での標準密度勾配遠心分離によってPBMC(末梢血単核細胞)を分離した。PBMCを計数し、96ウェル平底プレートに1ウェル当たり100,000個の細胞の密度でプレーティングし、非分極条件(Thnp)およびTh17分極条件(Th17pol)下、抗CD3/抗CD28コートビーズ(1ウェル当たり100,000個の細胞のために5ngの最終濃度で各抗体をビーズにコーティングした)で刺激した。Th17pol条件では、分極サイトカインおよび成長因子をIL−1β 10ng/mL、IL−6 10ng/mL、TGF−β 15ng/mL、IL−23 10ng/mL、抗IL−4 10μg/mLおよび抗IFN−γ 2.5μg/mLの最終濃度で添加した。イトリズマブまたは無関係のアイソタイプ対照抗体(対照)をThnp条件とThpol条件の両方で、40μg/mLの最終濃度で細胞に添加した。細胞を37℃のCO2インキュベーター内で13日間培養し、様々な時点(第3日、第6日、第8日および第13日)でサイトカイン、細胞表面および細胞内マーカー分析のために試料採取した。連続的に培養した細胞については、培地50μLを第6日および第10日に、Thnp条件に関してはIL−2 2ng/mLを含有するRPMI完全培地およびTh17pol条件に関してはIL−2 2ng/mLと共にIL−23 10ng/mlを含有するRPMI完全培地で置換した。
0087
2.サイトカイン分析
各時点で、細胞上清100μLを四つ組ウェルから回収してプールし、−80℃で凍結させた。サイトカイン分析は、ヒトIFN−γ Quantikine SixPak(SFI50)およびヒトIL−17(IL-17A)(R&D SystemsからのQuantikine SixPak(S1700)キット)を使用して製造業者の指示に従って行った。SpectraMax M5eリーダー、Molecular Device、Sunnyvale、CA、USAを使用して450/630nmで吸光度を読み取った。
0088
3.フローサイトメトリー分析
細胞表面マーカー染色:各時点で、四つ組ウェルから細胞を収集し、ヒトFc受容体結合阻害剤でブロックし、4℃で30分間インキュベートした。細胞を遠心分離し、細胞表面マーカー(例えば、CD4、CD8、CD25、CD6)に対する抗体を含有する染色バッファー(1XPBS中の2%FBS)に再懸濁した。試料の獲得および分析は、Cyan−ADPフローサイトメーターとSummitバージョン4.3ソフトウェア(Beckman Coulter, Fullerton, CA, USA)を使用して行った。リンパ球を前方および側方散乱によってゲートをかけ、さらにCD4+T細胞にゲートをかけた。
0089
4.統計解析
GraphPad Prism 6.0ソフトウェア(GraphPad software, San Diego, CA, USA)をすべての統計解析に使用した。統計的有意性は、対応のないt検定、続いてα=5.000%でホルム・サイダック法を用いて決定した(図3B)。
0090
結果:
Th17分極条件でのT細胞活性化およびCD6過発現:
図3Aに示すように、第13日までの分泌IL−17レベルの増加は、Thnp細胞(抗CD3/抗CD28、非分極条件;Thnpで刺激したPBMC)と比較してTh17pol条件で刺激した細胞(Th17分極、Th17pol、サイトカインの存在下、抗CD3/抗CD28で刺激したPBMC)ではIFN−γ放出の上昇より3〜4倍高かった。第13日におけるIL−17およびIFN−γの絶対濃度を図3Bに示す。Th17pol条件で刺激した細胞によって放出されたIFN−γは、Thnp細胞と比較して有意に低かった。同様に、これらのTh17pol細胞は、Thnp細胞と比較して分泌IL−17レベルの3〜4倍増加を示した。これらの結果は、Th17pol条件下でTh17細胞へのシフトが第3日ほどもの早期に開始され、第13日までに完全に確立されたことを示す。ThnpならびにTh17pol条件でもDC25(IL-2Rα)過発現が示す通り第3日にCD4+T細胞の同様の活性化があった(図3C)。
0091
CD4+T細胞上でのCD6受容体の表面発現は48時間の刺激後に増加し、第12/13日、分極実験の最後、まで持続した。第9日の代表分析を1名のドナーのCD4+T細胞上でのCD6発現についてのヒストグラムオーバーレイとして図3Dに示す。検出試薬としてのビオチン化イトリズマブ(抗ヒトCD6)により、ThnpおよびTh17pol条件でCD4+T細胞の15〜30%および25〜35%においてCD6過発現がそれぞれ確認された(図3D)。図3E(6名の異なるドナーからのデータ)で示すように、ThnpおよびTh17pol CD4+T細胞は、無刺激細胞と比べてCD6MFIの一貫した増加を示した。CD6発現の増加は、市販のドメイン1結合抗CD6抗体(MEM98およびMT605クローン図3E)の使用でも確認された。Thnp細胞と比べてTh17pol細胞におけるCD6 MFIの増加(図3DおよびE)は、Th1細胞と比較してCD6を過発現するTh17細胞の臨床試料由来クローンからの報告(Brucklacher-Waldert, Stuerner et al. 2009)と合致している。この過発現は、CD4+T細胞のみに限定されず、活性化CD8+T細胞でも観察された。
0092
実施例4:
方法:
1.Th17分極のためのヒトPBMC培養:実施例3で記載したのと同じ。この特定のケースでは実験を第3日および第6日までしか行わなかった。
0093
2.CFSE標識およびT細胞増殖アッセイ
PBMCを5μMの最終濃度でのCFSE色素と共にインキュベートし、37℃、CO2インキュベーターで15分間(間欠的に振盪しながら)インキュベートし、遠心分離し、完全培地に再懸濁させ、安定化のために37℃、CO2インキュベーターで30分間、再びインキュベートした。細胞を洗浄し、対照またはイトリズマブ抗体を用いてThnpおよびTh17pol条件で刺激した。刺激後第3日にフローサイトメトリーを用いて細胞をCD4+T細胞でのCFSE希釈について分析した。
0094
3.フローサイトメトリー分析
細胞表面マーカー染色:各時点で、四つ組ウェルから細胞を収集し、ヒトFc受容体結合阻害剤でブロックし、4℃で30分間インキュベートした。細胞を遠心分離し、細胞表面マーカー(例えば、CD4、CD8、CD25)に対する抗体を含有する染色バッファー(1XPBS中の2%FBS)に再懸濁させた。試料の獲得および分析は、Cyan−ADPフローサイトメーターとSummitバージョン4.3ソフトウェア(Beckman Coulter, Fullerton, CA, USA)を使用して行った。リンパ球を前方および側方散乱によってゲートをかけ、さらにCD4+T細胞にゲートをかけた。
0095
結果:
イトリズマブはThnpおよびTh17pol条件でのT細胞活性化および増殖の阻害と関連付けられる。
0096
本発明者らは、イトリズマブの存在下で抗CD3で刺激した細胞および抗CD3とALCAMで共刺激した細胞上でのCD25発現の50〜55%減少を以前に報告した(Nair, Melarkode et al. 2010)。ここで、本発明者らは、イトリズマブの存在下、ThnpおよびTh17pol条件で、刺激されたCD4+T細胞上でのCD25発現が有意に低減(約50%低減)されることを明らかにする(図4A)。これは、刺激の様々な状況下で抗体がT細胞活性化を一貫して同様に阻害することができることを含意することになる。
0097
T細胞の活性化の阻害と同様に、本発明者らは、イトリズマブがT細胞の増殖も阻害することを観察した。イトリズマブの存在下で、CD4+T細胞増殖の有意な低減(Thnp条件で約38%およびTh17pol条件で約62%低減)が観察され(CFSE lo細胞数低減によって示された)、これは、T細胞活性化および増殖におけるイトリズマブの阻害的役割を確証する(図4B)。
0098
実施例5:
方法:
1.Th17分極のためのヒトPBMC培養:実施例3で記載したのと同じ
0099
2.フローサイトメトリー分析
IL−17AおよびIFN−γについての細胞内サイトカイン染色を次のように行った。分析の時点で、細胞を無刺激で置くか、またはBD Golgi Stop Plug(商標)の存在下でPMA 50ng/mLおよびイオノマイシン1μg/mLで刺激し、5時間、37℃でインキュベートした。細胞を収集し、染色バッファーで洗浄し、ヒトFc受容体結合阻害剤でブロックした。表面マーカー染色後、細胞をBD Cytofix/Cytoperm(商標)固定/透過性化バッファーに再懸濁させ、細胞内染色を製造業者の指示に従って行った。試料の獲得および分析は、Cyan−ADPフローサイトメーターとSummitバージョン4.3ソフトウェア(Beckman Coulter, Fullerton, CA, USA)を使用して行った。それぞれの実験に関して述べたように、リンパ球を前方および側方散乱によってゲートをかけ、さらにCD3+T細胞にゲートをかけた。
0100
3.サイトカイン分析
各時点で、細胞上清100μLを四つ組ウェルから回収してプールし、−80℃で凍結させた。サイトカイン分析は、ヒトIFN−γ Quantikine SixPak(SFI50)およびヒトIL−17(IL-17A)(R&D SystemsからのQuantikine SixPak(S1700)キット)を使用して製造業者の指示に従って行った。SpectraMax M5eリーダー、Molecular Device、Sunnyvale、CA、USAを使用して450/630nmで吸光度を読み取った。
0101
4.統計解析
GraphPad Prism 6.0ソフトウェア(GraphPad software, San Diego, CA, USA)をすべての統計解析に使用した。統計的有意性は、対応のないt検定、続いてα=5.000%でホルム・サイダック法を用いて決定した(図5DおよびE)。
0102
結果:
イトリズマブはTh17ホールマークサイトカインの低減と関連付けられる。
T17pol条件下でのTh1(IFN-γ)およびTh17(IL-17A)シグネチャーサイトカインの細胞内発現を対照抗体処置細胞とイトリズマブ処置細胞間で比較した。第6日からの代表ドットプロットは、対照と比較して、イトリズマブ処置するとIFN−γとIL−17A両方の最小限の発現しか示さない(図5A)。イトリズマブ処置と同様の低減がThnp条件でも観察された。
0103
第3日、第6日、第8日および第13日にわたっての経時変化研究は、第6日および第8日に最大の細胞内IFN−γの減少を実証した(図5B)。同様に、イトリズマブによる細胞内IL−17Aの最大阻害(80〜90%)もこれらの日に観察された(図5C)。イトリズマブ処置すると(分泌サイトカインの測定によって評価して)IFN−γおよびIL−17放出の対応する相関および減少も観察された(図5DおよびE)。測定された細胞内サイトカインと分泌されたサイトカインの両方についての同様の阻害パターンによってこれら2つの主要エフェクターThサブセットにおけるイトリズマブの効果が確証された。
0104
実施例6:
方法:
1.Th17分極のためのヒトPBMC培養:実施例3で記載したのと同じ
0105
2.フローサイトメトリー分析
pSTAT3についての細胞内染色を次のように行った。分析の時点で、細胞を収集し、染色バッファーで洗浄し、ヒトFc受容体結合阻害剤でブロックした。表面マーカー(CD4)染色後、細胞を2%PFA(各染色ウェルに100μl)で固定し、4℃で15〜20分間インキュベートした。細胞をPBSで2回洗浄し、100%冷却メタノールで透過性化した。細胞を穏やかにボルテックスしながら冷却メタノール500μlを添加し、4℃で20分間インキュベートした。4℃で約250xgでの5分間の遠心分離後、メタノールをデカントし、細胞を染色バッファーに再懸濁した。細胞内染色用の抗体を染色バッファーで希釈し、適切な希釈度で添加し、プレートを4℃で30分間インキュベートした。細胞を染色バッファーで3回洗浄し、1xPBSに再懸濁し、獲得した(すべての洗浄を4℃で行った)。
0106
IL−17Aおよび転写因子RORγTについての細胞内サイトカイン染色を次のように行った。分析の時点で、細胞を無刺激で置くか、またはBD Golgi Stop Plug(商標)の存在下でPMA 50ng/mLおよびイオノマイシン1μg/mLで刺激し、5時間、37℃でインキュベートした。細胞を収集し、染色バッファーで洗浄し、ヒトFc受容体結合阻害剤でブロックした。表面マーカー(CD3)染色後、細胞をBD Cytofix/Cytoperm(商標)固定/透過性化バッファーに再懸濁し、細胞内染色を製造業者の指示に従って行った。
0107
IL−17Aならびに表面マーカーCCR6およびCD3についての細胞内サイトカイン染色を次のように行った。分析の時点で、細胞を無刺激で置くか、またはBD Golgi Stop Plug(商標)の存在下でPMA 50ng/mLおよびイオノマイシン1μg/mLで刺激し、5時間、37℃でインキュベートした。細胞を収集し、染色バッファーで洗浄し、ヒトFc受容体結合阻害剤でブロックした。表面マーカー(CD3およびCCR6)染色後、細胞をBD Cytofix/Cytoperm(商標)固定/透過性化バッファーに再懸濁し、細胞内染色を製造業者の指示に従って行った。
0108
試料の獲得および分析は、Cyan−ADPフローサイトメーターとSummitバージョン4.3ソフトウェア(Beckman Coulter, Fullerton, CA, USA)を使用して行った。それぞれのパネルに関して述べたように、リンパ球を前方および側方散乱によってゲートをかけ、さらにCD4+またはCD3+T細胞にゲートをかけた。
0109
結果:
イトリズマブの存在下でのシグネチャーTh17特異的マーカーの低減
Th17分化は、pSTAT3転写因子とRORγT転写因子の相乗的組み合わせを伴う(Annunziato, Cosmi et al. 2007; Bettelli, Korn et al. 2008; de Wit, Souwer et al. 2011)。以前に、本発明者らは、活性化T細胞上でのpSTAT3発現のイトリズマブ媒介低減に関して報告しており(Nair, Melarkode et al. 2010)、本研究ではそれをさらに確証した(図6A)。本発明者らは、Th17pol条件で、対照抗体処置細胞と比較してイトリズマブの存在下でIL−17AおよびRORγT二重陽性T細胞の実質的低減があることも示す。エフェクターサイトカインのピーク阻害(図5B〜E)と相関して、本発明者らは、第6日にこれらの二重陽性細胞の実質的低減(70〜80%低減)および全RORγTMFIの実質的低減を観察した(それぞれ図6Bおよび6C)。同様の傾向が第8日にも観察された。
0110
CCR6は、Th17細胞のシグネチャー表面マーカーである(Liu and Rohowsky-Kochan 2008; Singh, Zhang et al. 2008)。したがって、IL−17産生T細胞におけるCCR6発現およびそれらに対するイトリズマブの効果を評価することは興味深かった。第6日に分析した通り、Th17pol条件では対照と比較してCCR6+IL−17A+(二重陽性)CD3+T細胞の発現の50〜60%低減がイトリズマブの存在下で観察された(図6D)。同様の低減が第10日にも観察された。
0111
CCR6+T細胞はメモリーまたはTreg細胞のいずれかである(Yamazaki, Yang et al. 2008)が、これらすべての細胞はIL−17産生Th17細胞でない(Sallusto, Lenig et al. 1998; Liao, Rabin et al. 1999; Kleinewietfeld, Puentes et al. 2005)。イトリズマブは、IL−17−CCR6+(非Th17細胞)に対して殆ど影響を及ぼさなかった。この観察は、対照と比較してイトリズマブの存在下で総RORγTMFIに関して観察された減少(図6C)とは異質であり、イトリズマブが転写因子RORγTの発現をダウンレギュレートすることはできたが、CCR6発現T細胞のIL17+サブセットにしか影響を及ぼさないことを示唆している。これらの実験は、イトリズマブが、数日にわたってRORγT+IL−17A+およびCCR6+IL−17+T細胞と共に肝要な転写因子pSTAT3、RORγTを阻害することによりTh17細胞の活性化および分化を阻害することを証明する。
実施例
0112
参考文献:
Annunziato, F., L. Cosmi, et al. (2007). "Phenotypic and functional features of human Thl7 cells." J Exp Med 204(8): 1849-61.
Bettelli, E., T. Korn, et al. (2008). "Induction and effector functions of T(H)17 cells." Nature 453(7198): 1051-7.
Brucklacher-Waldert, V., K. Stuerner, et al. (2009). "Phenotypical and functional characterization of T helper 17 cells in multiple sclerosis." Brain 132(Pt 12): 3329-41.
De Wit, J., Y. Souwer, et al. (2011). "CD5 costimulation induces stable Thl7 development by promotingIL-23R expression and sustained STAT3 activation." Blood 118(23): 6107-14.
Kleinewietfeld, M., F. Puentes, et al. (2005). "CCR6 expression defines regulatory effector/memory-like cells within the CD25(+)CD4+ T-cell subset." Blood 105(7): 2877-86.
Liao, F., R. L. Rabin, et al. (1999). "CC-chemokine receptor 6 is expressed on diverse memory subsets of T cells and determines responsiveness to macrophage inflammatory protein 3 alpha." J Immunol 162(1): 186-94.
Liu, H. and C. Rohowsky-Kochan (2008). "Regulation of IL-17 in human CCR6+ effector memory T cells." J Immunol 180(12): 7948-57.
Nair, P., R. Melarkode, et al. (2010). "CD6 synergistic co-stimulation promoting proinflammatory response is modulated without interfering with the activated leucocyte cell adhesion molecule interaction." Clin Exp Immunol 162(1): 116-30.
Sallusto, F., D. Lenig, et al. (1998). "Flexible programs of chemokine receptor expression on human polarized T helper 1 and 2 lymphocytes." J Exp Med187(6): 875-83.
Singh, S. P., H. H. Zhang, et al. (2008). "Human T cells that are able to produce IL-17 express the chemokine receptor CCR6." J Immunol 180(1): 214-21.
Yamazaki, T., X. O. Yang, et al. (2008). "CCR6 regulates the migration of inflammatory and regulatory T cells." J Immunol 181(12): 8391-401.