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図面 (20)

課題・解決手段

溶性主要組織適合遺伝子複合体クラスI鎖関連(sMIC)に結合する抗体に関連する組成物および方法を開示する。特に、MIC+腫瘍から脱離したsMICを阻害する(例えば、sMICを中和する)よう設計または選択された抗体を開示する。この抗体をMIC陽性がん処置のために使用する方法をさらに開示する。

概要

背景

背景
血清溶性NKG2Dリガンドである可溶性sMICの上昇は、特定タイプがん転移に関連する。前立腺癌診断された男性において、転移疾患の進展は、血清可溶性NKG2DリガンドsMICの顕著な上昇および循環中のNK細胞の大きな喪失相関する。

概要

可溶性主要組織適合遺伝子複合体クラスI鎖関連(sMIC)に結合する抗体に関連する組成物および方法を開示する。特に、MIC+腫瘍から脱離したsMICを阻害する(例えば、sMICを中和する)よう設計または選択された抗体を開示する。この抗体をMIC陽性がんの処置のために使用する方法をさらに開示する。

目的

本発明の好ましい態様を実例により議論することを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

a.SEQID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;b.SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;c.SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;d.SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;e.SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;およびf.SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3からなる群より選択される1つまたは複数の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分

請求項2

a.SEQID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;b.SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;およびc.SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3である軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1記載の単離された抗体またはその抗原結合部分。

請求項3

a.SEQID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;b.SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;およびc.SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3である重鎖相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1〜2のいずれか一項記載の単離された抗体またはその抗原結合部分。

請求項4

a.SEQID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;b.SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;c.SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;d.SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;e.SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;およびf.SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3である相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1〜2のいずれか一項記載の単離された抗体またはその抗原結合部分。

請求項5

SEQID NO:7の配列を有する軽鎖を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。

請求項6

SEQID NO:8の配列を有する重鎖を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。

請求項7

a.SEQID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;b.SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;c.SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;d.SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;e.SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;f.SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3である重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分。

請求項8

CDRに含まれない配列中に保存的置換をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。

請求項9

前記抗体またはポリペプチドが、免疫グロブリン分子モノクローナル抗体キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体ダイアボディ多重特異性抗体、二重特異性抗体(dual specific antibody)、抗イディオタイプ抗体および二重特異性抗体(bispecific antibody)からなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。

請求項10

sMICに特異的に結合する、請求項1〜9のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。

請求項11

請求項1〜10のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物

請求項12

請求項1〜10のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分をコードする核酸

請求項13

抗体またはその抗原結合部分のCDRをコードする核酸配列の1つまたは複数がSEQID NO:1〜6からなる群より選択される、請求項12記載の核酸。

請求項14

抗体またはその抗原結合部分のCDRをコードする核酸配列がSEQID NO:1〜6である、請求項12記載の核酸。

請求項15

cDNAである、請求項12〜14のいずれか一項記載の核酸。

請求項16

請求項1〜10のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を細胞と接触させるまたは対象に投与する工程を含む、sMICを阻害する方法。

請求項17

有効量の請求項1〜10のいずれか一項記載の抗体もしくはその抗原結合部分または請求項11記載の薬学的組成物を対象に投与する工程を含む、その必要のある対象においてMIC陽性がん処置する方法。

請求項18

MIC陽性がんが腫瘍である、請求項17記載の方法。

請求項19

MIC陽性がんが上皮細胞腫瘍である、請求項17記載の方法。

請求項20

MIC陽性がんが造血器悪性腫瘍である、請求項17記載の方法。

請求項21

追加の免疫療法を施す工程をさらに含む、請求項17〜20のいずれか一項記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、35 U.S.C.§119(e)の下で、2013年7月5日に出願された米国仮出願第61/843,182号および2013年10月21日に出願された同第61/893,734号の恩典を主張し、これらの内容全体を参照により本明細書に組み入れる。

0002

政府による支援を受けた研究に関する宣言
本発明は、Department of Defenseにより授与されたW81XWH-06-1-0014およびNational Institutes of Healthにより授与されたR01 CA149405の下で政府の支援を受けてなされた。政府は本発明に関して一定の権利を有している。

0003

配列表
本願は、ASCII形式電子的に提出された配列表を含んでおり、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。この2014年6月26日に作成されたASCIIコピーは、034186-081580-PCT_SL.txtと名付けられ、16,528バイトのサイズである。

背景技術

0004

背景
血清溶性NKG2Dリガンドである可溶性sMICの上昇は、特定タイプがん転移に関連する。前立腺癌診断された男性において、転移疾患の進展は、血清可溶性NKG2DリガンドsMICの顕著な上昇および循環中のNK細胞の大きな喪失相関する。

0005

要旨
本明細書には、血清可溶性主要組織適合遺伝子複合体クラスI鎖関連(sMIC)の中和が転移がんの有効な全身処置であり得るかどうかの調査の結果が開示されている。特に、MIC+腫瘍から脱離したsMICを阻害する(例えば、sMICを中和する)よう設計または選択された抗体がそれらの腫瘍を処置するのに有効であるかどうかが調査された。本明細書に記載される研究は、「ヒト化二重トランスジニックTRAMP/MIC前臨床モデルを使用し、特異的抗体による血清sMICの中和が、全身的な細胞傷害性を伴わずにNK細胞の恒常性回復、CD4 T細胞刺激および分極ならびにCD8 T細胞機能の増強のメカニズムを通じて進行型転移性前立腺癌退行させることが実証された。本願のデータは、sMIC中和療法が広範囲のMIC+がんの処置に有効であることを実証している。したがって、これらの結果は、任意のMIC+がんに直ちに一般化される。

図面の簡単な説明

0006

図1A〜1Cは、自然発生前立腺癌のマウスモデル(TRAMP:マウス前立腺トランスジェニック腺癌)におけるネイティブヒトMIC(B)の前立腺特異的発現低分化(PD)前立腺癌の進展および転移を促進することを示している。図1Aは、TRAMP/MICBマウスの有意に減少した生存率TRAMPマウスと比較して示すカプラン・マイヤープロットを示している(p<0.001)。腫瘍関連死のみをこの分析で考慮した。数字は、示されている生存時間の間に調査された動物を示している。図1Bは、24週齢TRAMP/MICBマウスのコホート(n=12)における有意に増加した前立腺重量をTRAMP同腹仔(n=13)と比較して示している。図1Cは、TRAMP/MIC(B)マウス(6/12マウスの代表)およびTRAMP同腹仔(13匹のマウス中12匹の代表)由来の腫瘍および付随するリンパ節肉眼的形態の代表画像を示している。
TRAMP/MICマウスにおけるPD癌腫への加速度的進行が血清sMICの上昇および表面MICの喪失を伴うことを示している。図2Aは、腫瘍細胞における表面MICB発現の集計IHCスコアを示している。
TRAMP/MICマウスにおけるPD癌腫への加速度的進行が血清sMICの上昇および表面MICの喪失を伴うことを示している。図2Bは、PDおよびWD腫瘍における同等レベルのMICB発現をmRNAレベルで示す定量RT-PCRを示している。
TRAMP/MICマウスにおけるPD癌腫への加速度的進行が血清sMICの上昇および表面MICの喪失を伴うことを示している。図2Cは、24週齢TRAMP/MICBマウスのコホートにおける癌腫の進展の間の様々な年代でのsMICBの血清レベルELISA測定を示している。*:p<0.01、**:p<0.001。ns:有意でなかった。PD癌腫の進展がsMICBの血清レベルの顕著な上昇を伴うことに注目されたい。
TRAMP/MICマウスにおけるPD癌腫への加速度的進行が血清sMICの上昇および表面MICの喪失を伴うことを示している。図2Dは、24週齢TRAMP/MICBマウスにおける血清sMICBと腫瘍の量との相関を示している。
TRAMP/MICマウスにおけるPD癌腫への加速度的進行が血清sMICの上昇および表面MICの喪失を伴うことを示している。図2Eは、PDおよびWD腫瘍における同等レベルの内因性NKG2DリガンドRAE-1の発現をmRNAレベルで示す定量RT-PCRを示している。
TRAMP/MICマウスにおけるPD癌腫への加速度的進行が血清sMICの上昇および表面MICの喪失を伴うことを示している。図2Fは、TRAMP/MICB癌腫における内因性NKG2DリガンドRAE-1の発現のパターンを示すIHC染色の代表顕微鏡写真および集計スコアを示している。
前立腺癌の進行がNK細胞の末梢での維持におけるsMICにより誘導される減損を伴うことを示している。図3Aは、24週齢TRAMP/MICB、TRAMP、および野生型B6マウスのコホートにおける脾臓CD8(図3A)細胞およびNKG2D+集団の比較を示している。左パネルフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロット右パネル:各コホートのフローサイトメトリー分析の蓄積された統計データ。**:WD腫瘍を発症したTRAMPマウスまたはTRAMP/MICBマウスに対してp<0.001。
前立腺癌の進行がNK細胞の末梢での維持におけるsMICにより誘導される減損を伴うことを示している。図3Bは、24週齢TRAMP/MICB、TRAMP、および野生型B6マウスのコホートにおける脾臓NK(図3B)細胞およびNKG2D+集団の比較を示している。左パネル:フローサイトメトリー分析の代表的なドットプロット。右パネル:各コホートのフローサイトメトリー分析の蓄積された統計データ。**:WD腫瘍を発症したTRAMPマウスまたはTRAMP/MICBマウスに対してp<0.001。
前立腺癌の進行がNK細胞の末梢での維持におけるsMICにより誘導される減損を伴うことを示している。図3Cは、24週齢TRAMP/MICBマウスのコホートから分析された、血清sMICBと脾臓NK細胞集団の有意な逆相関を示している。
前立腺癌の進行がNK細胞の末梢での維持におけるsMICにより誘導される減損を伴うことを示している。図3Dは、PD癌腫を発症したTRAMP/MICBマウスにおけるNK細胞の全身的(iLNおよびBM)欠乏を示すフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロットおよび蓄積データの統計を示している。iLN:鼠径リンパ節。BM:骨髄
前立腺癌の進行がNK細胞の末梢での維持におけるsMICにより誘導される減損を伴うことを示している。図3Eは、TRAMP/MICBマウス由来のPD腫瘍中の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)におけるNK細胞の有意な減少を示すフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロットおよび統計データを示している。すべてのデータは、少なくとも5匹の動物の3回の独立したアッセイからの結果を示している。
sMICが実験的TRAMP-C2転移モデルにおいてNK細胞の末梢恒常性を損ない肺転移を促進すること、およびモノクローナル抗体(mAb B10G5)によるsMICの中和がNK細胞の恒常性を回復させ肺転移を消滅させることを示している。図4Aは、実験計画を示している。
sMICが実験的TRAMP-C2肺転移モデルにおいてNK細胞の末梢恒常性を損ない肺転移を促進すること、およびモノクローナル抗体(mAb B10G5)によるsMICの中和がNK細胞の恒常性を回復させ肺転移を消滅させることを示している。図4Bは、微小転移の肺沈着物の定量を示しており、sMICが肺転移を促進することおよび抗sMIC(mAb B10G5)による処置が肺転移を阻害することを示している。
sMICが実験的TRAMP-C2肺転移モデルにおいてNK細胞の末梢恒常性を損ない肺転移を促進すること、およびモノクローナル抗体(mAb B10G5)によるsMICの中和がNK細胞の恒常性を回復させ肺転移を消滅させることを示している。図4Cは、骨髄、リンパ節、および脾臓におけるNK細胞の頻度を示すフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロット(左パネル)および蓄積された統計データ(右パネル)を示している。cIgG:sMIC中和mAb B10G5のアイソタイプ対照IgG。*:抗sMIC(mAb B10G5)処置グループおよびTRAMP-C2細胞を注射した全動物に対してp<0.05。
sMICが実験的TRAMP-C2肺転移モデルにおいてNK細胞の末梢恒常性を損ない肺転移を促進すること、およびモノクローナル抗体(mAb B10G5)によるsMICの中和がNK細胞の恒常性を回復させ肺転移を消滅させることを示している。図4Dは、NK細胞の再生能力を示す代表的なフローサイトメトリー分析および5日間にわたる脾臓BrdU+ NK細胞の蓄積の定量を示している。データは、サブグループあたり5匹の動物および3回の独立した実験の代表である。
図5A〜5Dは、sMICが、移植された転移性TRAMP-C2-sMICマウスにおいて養子移入されたNK細胞集団をかく乱することを示している。1 x 107個のV450標識CD45.1+共通遺伝子脾細胞を、TRAMP-C2-sMICBを移植したCD45.2+マウスまたはTRAMP-C2マウスに移入した。これらのマウスを、CD45.1+共通遺伝子系脾細胞を与える前または後にsMICB中和抗体(mAb B10G5)または対照IgG(cIgG)で処置した。共通遺伝子導入の5日後にマウスを安楽死させた。図5Aおよび5Bは、安楽死時の脾臓(図5A)およびリンパ節(図5B)における総養子移入CD45.1+集団中のCD45.1+ NK細胞のパーセンテージを示している。図5Cおよび5Dは、sMICBが脾臓(図5C)およびリンパ節(図5D)において共通遺伝子系CD45.1+ NK細胞集団をかく乱することならびに抗sMIC(mAb B10G5)処置がNK細胞の増殖能力を回復させることを示すV450希釈アッセイの要約を示している。各グループで5〜8匹の動物を使用した。データは3回の独立した実験を表している。
図6A〜6Dは、TRAMP前立腺における膜限定NKG2DリガンドMICB.A2の発現が腫瘍の進行を防止することを示している。図6Aは、TRAMP/MICB.A2マウス(MICB.A2が前立腺で特異的に発現されるTRAMPマウス)の無腫瘍生存を示すカプラン・マイヤープロットを示している。数字は、調査された動物を示している。図6Bは、同年齢のTRAMP(n=13)同腹仔との比較でTRAMP/MICB.A2 bi-Tgマウス(n=21)において有意に減少した前立腺重量を示している。同年齢の野生型B6が正常対照として示されている。図6Cは、sMICBがTRAMP/MICB.A2マウスの血清においてELISAにより検出されなかったことを示している。*:アッセイ陽性対照としてのTRAMP/MICBマウス由来の血清。図6Eは、TRAMP/MICB.A2マウスにおける抗体によるNKG2D機能の遮断が前立腺重量を有意に上昇させたことを示している。図6Dのデータは、2回の独立した実験を表している。
膜限定MICB.A2がNKおよびCD8 T細胞の両方においてNKG2D抗腫瘍免疫を維持することを示している。図7Aは、24週齢TRAMP/MICB.A2、TRAMPおよび野生型B6マウスのコホート由来の脾臓NK細胞のフローサイトメトリー分析ならびに相対的なNKG2D発現レベルを示している。左パネル:代表的なドットプロット。右パネル:蓄積されたデータの定量。
膜限定MICB.A2がNKおよびCD8 T細胞の両方においてNKG2D抗腫瘍免疫を維持することを示している。図7Bは、TRAMP/MICB.A2マウスおよびB6マウス由来の脾臓NK細胞が、RMA-RAE-1細胞で4時間の期間刺激した場合に、同等レベルのIFNγ産生(図7B;左:フローサイトメトリー分析の代表的なドットプロット;右:データの統計的要約)を有することを示している。細胞傷害性アッセイは、標準的な51Cr放出アッセイを用いて行った。抗マウスNKG2D抗体C7を、遮断抗体として使用した。
膜限定MICB.A2がNKおよびCD8 T細胞の両方においてNKG2D抗腫瘍免疫を維持することを示している。図7Cは、TRAMP/MICB.A2マウスおよびB6マウス由来の脾臓NK細胞が、RMA-RAE-1細胞で4時間の期間刺激した場合に、同等レベルの溶解能力(図7C)を有することを示している。細胞傷害性アッセイは、標準的な51Cr放出アッセイを用いて行った。抗マウスNKG2D抗体C7を、遮断抗体として使用した。
膜限定MICB.A2がNKおよびCD8 T細胞の両方においてNKG2D抗腫瘍免疫を維持することを示している。図7Dは、脾臓CD8 T細胞集団およびそれらのNKG2D発現のフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロットおよび統計を示している。すべてのデータは、最低5匹の動物の3回の独立した分析を表している。
図8A〜8Dは、男性における転移性前立腺癌の進展が、血中のNK細胞の頻度の減少および高レベルの血清sMICを伴うことを示している。データは、36名の、そのうち25名が限局性疾患(非met)と診断され、11名が遠隔転移(Met)と診断された、処置を受けていない前立腺癌患者のNK細胞(CD3-CD56+)の頻度(図8A)、T細胞(CD3+CD56-)の頻度(図8B)、およびsMICの血清レベル(図8C)を示している。同年齢の健常男性(n=10)由来のサンプルを対照として使用した。データは、3回の独立したアッセイからの結果を表している。図8Dは、すべての患者における血清sMICと循環中のNK細胞の頻度の間の有意な逆相関を示している。
図9A〜9Dは、p2B10G5処置が原発性前立腺癌を顕著に退行させ、転移を阻害したことを示している。図9Aは、処置の概要である。図9Bは、抗体処置および対照グループの代表的な総前立腺サイズを示している。図9Cは、抗体処置および対照グループの前立腺重量の要約を示している。図9Dは、抗体処置および対照グループにおける転移発生の要約を示している。
図10A〜10Cは、抗体処置の全身的効果を示している。図10Aは、処置過程の間の動物の体重を示している。図10Bは、処置終了時の血清サイトカインプロフィールを示している。図10Cは、研究のエンドポイントにおいてELISAによって測定された血清sMICを示している。
図11A〜11Cは、抗体処置がNK細胞の恒常性および機能を増強したことを示している。図11Aは、抗体処置および対照グループの脾臓およびLNにおけるNK細胞の頻度を示している。図11Bは、抗体処置および対照グループの脾臓およびLNにおけるNK細胞の再生または増殖を示している。図11Cは、PMAおよびイオノマイシン刺激に応じたNK細胞のIFNγ産生を示している。
図12A〜12Bは、抗体処置がCD8 T細胞の活性化および機能を増強したことを示している。図12Aは、抗体処置が、増加した活性化の指標であるNKG2D+CD8 T細胞の増加をもたらしたことを示している。図12Bは、抗体処置がPMAおよびイオノマイシン刺激に応じたCD8 T細胞のIFNγ産生を顕著に増加させたことを示している。
図13A〜13Cは、抗体処置がCD4ヘルパーT細胞をTh1およびTh17に分極させ、かつセントラルメモリーCD4 T細胞の蓄積を増強させることを示している。図13Aは、Th1細胞の頻度の要約を示している。図13Bは、Th17細胞の頻度の要約を示している。図13Cは、セントラルメモリーCD4 T細胞の要約を示している。
図14A〜14Cは、NKG2Dリガンドの前立腺限定発現が前立腺の生理または全身免疫を変化させないことを示している。図14Aは、前立腺特異的導入遺伝子コンストラクトを示している。脱離性イーブMICBまたは脱離抵抗性変異MICB.A2の発現は、前立腺特異的ラットロバシンプロモーター(-426〜+28 bp)の制御下で行われた。図14Bは、MICBまたはMICB.A2の前立腺特異的発現のRT-PCR検出を示している。PR:前立腺。LV:肝臓。LU:肺。MU:筋肉、SP:脾臓。図14Cは、NKG2Dリガンドの発現が前立腺重量に有意に影響しないことを示している。
MICの前立腺特異的発現が全身的なNK細胞およびCD8 T細胞の数に対する影響を有さないことを示している。図15Aは、各遺伝子型のNK1.1集団(CD3-NK1.1+)の代表的なフローサイトメトリー分析(左パネル)および蓄積されたデータの定量(右パネル)を示している。
MICの前立腺特異的発現が全身的なNK細胞およびCD8 T細胞の数に対する影響を有さないことを示している。図15Bは、NK細胞におけるNKG2D発現の代表的なヒストグラムを示している。
MICの前立腺特異的発現が全身的なNK細胞およびCD8 T細胞の数に対する影響を有さないことを示している。図15Cは、CD8 T細胞集団のフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロットを示している。すべてのデータは、遺伝子型あたり少なくとも6匹の動物を表している。
MICの前立腺特異的発現が全身的なNK細胞およびCD8 T細胞の数に対する影響を有さないことを示している。図15Dは、CD8 T細胞集団のフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロットを示している。すべてのデータは、遺伝子型あたり少なくとも6匹の動物を表している。
図16A〜16Bは、TRAMPおよびTRAMP/MICBマウスの脾臓およびリンパ節におけるNK細胞(図16A)およびCD8 T細胞(図16B)の絶対数を示している。データは、PD腫瘍への進行に伴いNK細胞数が有意に減少するが、CD8 T細胞数はそうならないことを示している。図16Cは、TRAMPおよびTRAMP/MICBマウスの腫瘍実質に浸潤した総CD8 T細胞およびNKG2D+CD8 T細胞を示す代表的なドットプロットおよび蓄積された統計データを示している。データは、総CD8 T細胞浸潤有意差はないが、NKG2D+CD8 T細胞が有意に減少したことを示している。TIL:腫瘍浸潤リンパ球。
図17A〜17Cは、抗体p2B10G5のsMIC特異性特徴づけを示している。図17Aは、精製されたp2B10G5 mAbがMIC(AおよびB)特異的であることを示すフローサイトメトリー分析の代表的なヒストグラムを示している。マウス前立腺腫瘍細胞株TRAMP-C2(TC2)ならびにその派生株TC2-MICAおよびTRAMP-MICBを、FcRγをブロックするためにCD16/32と共にインキュベートした後に、2μg/mlのp2B10G5または対照マウスIgG(cIgG)およびPE結合ヤギ抗マウスIgGと共にインキュベートした。図17Bは、p2B10G5がsMIC特異的であることを示す未編集免疫ブロットを示している。TC2-sMICBまたはTC2細胞の培養上清2mlをp2B10G5およびプロテインAビーズと共にインキュベートした。脱グリコシル化のために、免疫複合体の半分をPNGaseFで処理した。免疫複合体を、SDS-サンプルバッファーに溶解させ、7.5% SDS/PAGEゲル充填し、ニトロセルロース膜に移し、そしてヤギ抗MICBポリクローナル抗体AF1599(R&D Systems)を用いてブロットした。レーン1:脱グリコシル化sMICB、レーン2:ネイティブsMICB。図17Cは、p2B10G5がマウスNK細胞上のNKG2DへのsMICBの結合を阻害することを示すフローサイトメトリーアッセイを示している。精製されたマウス脾臓NK細胞を、ビオチニル化rsMICB(5ug/ml)および様々な濃度のp2B10G5とインキュベートし、その後にPE-ストレプトアビジンと共にインキュベートした。細胞を、BDFACSscanを用いて分析した。データを、CellQuestソフトウェアを用いて分析した。データは、p2B10G5がマウスNKG2DへのsMICBの結合を阻害することを明確に示している。
図18は、腫瘍転移を有する組織におけるNK細胞の喪失を示している。棒グラフは、1つの肺切片から計数したNK細胞の集計データを示している。個体の平均データを得るために、各動物由来の5つの肺切片を計数した。データは、腫瘍微小転移巣を含む肺実質におけるNK細胞の喪失を示している(H&E染色における矢印)。
移植されたTRAMP-C2(TC2)およびTC2-sMICBの転移モデルの脾臓およびリンパ節における、養子移入されたV450標識共通遺伝子系CD45.1+ NK1.1の集団(図19A)のフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロットを示している。データは、維持された共通遺伝子系CD45.1+ NK1.1細胞が、TC2-sMICB細胞を移植したマウスにおいて、TC2細胞を移植したマウスにおけるよりも有意に低かったことを示している。データはまた、sMIC中和抗体処置が、NK細胞の増殖を増加させることにより、TC2-sMICB細胞を移植したマウスにおける共通遺伝子系CD45.1+ NK1.1細胞の持続性を増加させることを示している。
移植されたTRAMP-C2(TC2)およびTC2-sMICBの転移モデルの脾臓およびリンパ節における、養子移入されたV450標識共通遺伝子系CD45.1+ NK1.1の増殖(図19B)のフローサイトメトリー分析の代表的なドットプロットを示している。データは、維持された共通遺伝子系CD45.1+ NK1.1細胞が、TC2-sMICB細胞を移植したマウスにおいて、TC2細胞を移植したマウスにおけるよりも有意に低かったことを示している。データはまた、sMIC中和抗体処置が、NK細胞の増殖を増加させることにより、TC2-sMICB細胞を移植したマウスにおける共通遺伝子系CD45.1+ NK1.1細胞の持続性を増加させることを示している。
図19Cは、sMICBがNK細胞ホーミング受容体CD62Lの発現に影響しないことを示す代表的なドットプロットおよび蓄積された統計データを示している。
P2B10G5抗体(IgG1 K)の軽鎖(SEQID NO:7として開示されるタンパク質配列およびSEQ ID NO:19として開示されるDNA配列)の配列を示している。
P2B10G5抗体(IgG1 K)の重鎖(SEQ ID NO:8として開示されるタンパク質配列およびSEQ ID NO:20として開示されるDNA配列)の配列を示している。
図21A〜21Gは、sMIC特異的モノクローナル抗体B10G5による治療が原発性前立腺癌および転移巣の顕著な阻害/退行をもたらすことを示している。図21Aは、処置レジメンの概要である。図21Bおよび21Cは、B10G5治療またはアイソタイプ対照IgG(cIgG)を受けたマウスの代表的な総前立腺サイズおよび前立腺重量の要約を示している。図21Dは、転移発生の要約を示している。図21Eは、B10G5治療がsMICの血清レベルを減少させることを示している。図21Fは、処置終了時の血清サイトカインプロフィールのグラフを示している。図21Gは、治療過程全体のマウスの体重変化のグラフを示している。対照グループにおける体重増加は大きな原発性腫瘍量によるものであることに留意されたい。
図22A〜22Gは、B10G5治療がNK細胞の恒常性および機能を増強するだけでなく、適応性T細胞機能も強化することを示している。図22A〜22Bは、B10G5治療が末梢におけるNK細胞数およびNK細胞の再生能力を有意に増加させることを示している。図22Cは、B10G5治療がPMAおよびイオノマイシン再刺激に応じたNK細胞のIFNγ産生を有意に増強することを示している。図22DはB10G5治療がCD8 T細胞における共刺激性NKG2Dの発現を有意に増加させることを示している。図22Eは、この治療が再刺激に応じたCD8 T細胞のIFNγ産生を強化することを示している。図22Fは、B10G5治療がdLN内のCD4 T細胞の腫瘍反応性Th1およびTh17への分極を刺激することを示している。図22Gは、B10G5治療がCD44hiメモリーCD4およびCD8 T細胞を有意に増加させることを示している。データは、3回の独立した研究の代表である。各グループの動物についてn>5である。*:p<0.05。
図23A〜23Cは、NKの欠乏がB10G5の治療効果を弱めることを示している。図23Aは、NKの欠乏によって大きく拡大した前立腺腫瘍を示している。図23Bは、B10G5治療を受けたNK欠乏および非欠乏マウスの間で前立腺重量を比較するグラフを示しており、腫瘍がNK細胞の欠乏によりB10G5治療に対して応答しなくなったことを示している。図23Cは、B10G5治療の間のNK欠乏により減少したIFN-γ+ CD4 T細胞のパーセンテージのグラフを示している。
図24は、キメラchB10G5抗体が、C1R-MICA細胞により発現されたMICAに対する結合に関してネイティブmAb B10G5と同等の親和性を有することを示すフローサイトメトリー分析のヒストグラムを示している。キメラchB10G5は、mAb B10G5(IgG1)の可変領域VLおよびVHをそれぞれCLおよびCHのヒトIgG1定常領域と融合させることによって作製した。

0007

詳細な説明
本明細書に示されている詳細は、例示であり、本発明の好ましい態様を実例により議論することを目的としたものにすぎず、本発明の様々な態様の原理および概念的局面の最も有用でありかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されている。これに関して、本発明の根本的理解のために必要される以上に詳しく本発明の構造的詳細を示す試みはなされておらず、図面および/または実施例と共に進められる詳細な説明は、本発明の様々な形態をどのようにして具現化するかを当業者に明らかにするものである。

0008

以下の定義および説明は、以下の実施例において明確かつ明白に修正されない限りまたはその意味の適用が任意の解釈無意味にまたは本質的に無意味にする場合を除いて、以降の任意の解釈を支配することを意味および意図している。その用語の解釈がそれを無意味にまたは本質的に無意味にする場合、Webster's Dictionary, 3rd Editionまたは当業者に公知の辞書、例えばOxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology(Ed. Anthony Smith, Oxford University Press, Oxford, 2006)から定義が採用されるべきである。

0009

本明細書で使用される場合およびそれ以外のことが示されていない限り、「a」および「an」という用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味するものと解釈される。それ以外のことが文脈により必要とされない限り、本明細書で使用される単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含む。

0010

文脈がそれ以外のことを明確に必要としない限り、明細書および特許請求の範囲を通じて、「含む」、「含んでいる」等の単語は、排他的または網羅的な意味とは逆の内包的な意味で;すなわち、「含むがそれに限定されない」の意味で、解釈されるべきである。単数または複数を使用する単語は、それぞれ、複数および単数も含む。加えて、「本明細書で」、「上記」および「以下」という単語ならびに同趣旨の単語は、本願において使用される場合、本願を全体として参照すべきであり、本願の任意の特定の部分を参照すべきではない。

0011

便性を考慮し、本明細書の詳細な説明、実施例および添付の特許請求の範囲において使用される特定の用語をここにまとめる。それ以外のことが示されていない限りまたは文脈から暗示されていない限り、以下の用語および語句は、以下に提供される意味を含む。それ以外のことが明示的に示されていない限り、または文脈から明らかでない限り、以下の用語および語句は、その用語または語句がその属する技術分野において獲得した意味を排除しない。定義は、個々の態様を説明する目的で提供されるものであり、特許請求の範囲に記載の発明を限定することは意図されておらず、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定される。それ以外のことが定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。

0012

「減少する(decrease)」、「減少する(reduce)」、「減少した(reduced)」、「減少(reduction)」、「減少する(decrease)」および「阻害する(inhibit)」という用語はすべて、本明細書において一般に、参照に対する統計的に有意な量の減少を意味するものとして使用される。しかし、疑念を避けるために言うと、「減少する(reduce)」、「減少」または「減少する(decrease)」または「阻害する」は、典型的に、参照レベルとの比較で少なくとも10%の減少を意味し、例えば、参照レベルとの比較で所定の実体もしくはパラメータの、例えば最大で完全な非存在でありおよび完全な非存在を含む、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%の減少、または所定の処置の非存在との比較で10〜99%の間の任意の減少を含み得る。

0013

「増加した(increased)」、「増加する(increase)」または「増強する(enhance)」または「活性化する(activate)」という用語はすべて、本明細書において一般的に、統計的に有意な量の増加を意味するものとして使用され;疑念を避けるために言うと、「増加した」、「増加する」もしくは「増強する」または「活性化する」という用語は、参照レベルとの比較で少なくとも10%、例えば参照レベルとの比較で少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の増加、もしくは最大で100%であり100%を含む増加、もしくは10〜100%の間の任意の増加、または参照レベルとの比較で少なくとも約2倍、もしくは少なくとも約3倍、もしくは少なくとも約4倍、もしくは少なくとも約5倍、もしくは少なくとも約10倍の増加、もしくは2倍〜10倍の間のもしくはそれ以上の任意の増加を意味する。

0014

本明細書で使用される「単離された」または「部分的に精製された」という用語は、核酸またはポリペプチドの場合、その天然供給源において見出されるその核酸もしくはポリペプチドと共に存在するおよび/または細胞によって発現されたもしくは分泌されるポリペプチドの場合は分泌された際にその核酸またはポリペプチドと共に存在するであろう少なくとも1つの他の成分(例えば、核酸またはポリペプチド)から分離された核酸またはポリペプチドを表す。化学的に合成される核酸もしくはポリペプチドまたはインビトロ転写翻訳を用いて合成されるものは、「単離された」ものとみなされる。「精製された」または「実質的に精製された」という用語は、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上を含む、少なくとも95重量%がその対象核酸またはポリペプチドである単離された核酸またはポリペプチドを表す。

0015

「Kabatの番号」、「Kabatの定義」および「Kabatの標示」という用語は、本明細書で言い換え可能に使用される。これらの用語は、当技術分野で理解されており、Kabat et al. (1971) Ann. NY Acad, Sci. 190:382-391および/またはKabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91-3242に記載される、抗体の重鎖および軽鎖可変領域またはその抗原結合部分において他のアミノ酸残基よりも可変性超可変性)であるアミノ酸残基の番号付けの体系を表す。

0016

本明細書で使用される場合、「エピトープ」は、連続的なアミノ酸、またはタンパク質の3次フォールディングによって近接する非連続的なアミノ酸の両方に由来するポリペプチドに基づいて形成され得る。連続アミノ酸から形成されるエピトープは、典型的に、変性溶媒曝露されても維持され、一方、3次フォールディングによって形成されるエピトープは、典型的に、変性溶媒による処理により失われる。エピトープは典型的に、少なくとも3個、より一般的には少なくとも5個、約9個または約8〜10個のアミノ酸を特有空間的配置で含む。「エピトープ」は、免疫グロブリンVH/VL対によって慣習的に結合される構造単位を含む。エピトープは、抗体にとっての最小の結合単位を規定し、したがって抗体の特異性標的を表す。単一ドメイン抗体の場合、エピトープは、孤立した可変ドメインによって結合される構造単位を表す。「抗原性決定基」および「エピトープ」という用語はまた、本明細書で言い換え可能に使用され得る。特定の態様において、エピトープ決定基は、化学的に活性な表面分子団、例えばアミノ酸、糖側鎖、ホスホリルまたはスルホニルを含み、特定の態様においては、特定の3次元構造的特徴および/または特定の電荷的特徴を有し得る。

0017

結合力(avidity)」は、抗原結合分子(例えば、本明細書に記載される抗体またはその抗体フラグメント)と関連抗原の間の結合強度尺度である。結合力は、抗原性決定基と抗原結合分子上のその抗原結合部位との間の親和性および抗原結合分子上に存在する関連結合部位の数の両方に関連する。典型的に、抗原結合タンパク質(例えば、本明細書に記載される抗体または抗体の一部分)は、10-5〜10-12モルリットルまたはそれ未満、例えば10-7〜10-12モル/リットルもしくはそれ未満、または10-8〜10-12モル/リットルの解離定数(KD)(すなわち、105〜1012リットル/モルまたはそれ以上、例えば107〜1012リットル/モルまたは108〜1012リットル/モルの結合定数(KA))でそれらの同族または特異的抗原に結合するであろう。10-4モル/リットルより高い任意のKD値(または104M-1より低い任意のKA値)は、通常、非特異的結合を示すとみなされる。有意義(例えば、特異的)とみなされる生物学的相互作用のKDは、典型的に、10-10 M(0.1 nM)〜10-5 M(10000 nM)の範囲である。相互作用が強いほど、そのKDは低い。例えば、本明細書に記載される抗体またはその一部分上の結合部位は、500 nM未満、例えば200 nM未満、または10 nM未満、例えば500pM未満の親和性で所望の抗原に結合するであろう。抗原または抗原性決定基に対する抗原結合タンパク質の特異的結合は、例えばScatchard分析および/または競合結合アッセイ、例えば放射免疫アッセイRIA)、酵素免疫アッセイEIA)およびサンドイッチ競合アッセイ、およびそれ自体公知のそれらの異なる改良型、ならびに本明細書中で言及されている他の技術を含む、それ自体公知の任意の適当な様式で決定され得る。

0018

したがって、本明細書で使用される場合、「選択的に結合する」または「特異的に結合する」は、10-5 M(10000 nM)またはそれ未満、例えば10-6 M、10-7 M、10-8 M、10-9 M、10-10 M、10-11 M、10-12 Mまたはそれ未満のKDで標的、例えば細胞表面上に存在するMIC分子に結合する本明細書に記載される抗MIC結合ペプチド(例えば、抗体またはその一部分)の能力を表す。特異的結合は、例えばポリペプチド作用物質の親和性および結合力ならびにポリペプチド作用物質の濃度に影響され得る。当業者は、任意の適当な方法、例えば適当な細胞結合アッセイにおけるポリペプチド作用物質の滴定を用いて、本明細書に記載されるポリペプチド作用物質が標的に選択的に結合する適当な条件を決定することができる。標的に特異的に結合したポリペプチドは、非類似の競合体によって置き換えられない。特定の態様において、抗体またはその抗原結合部分は、それがタンパク質および/または高分子の複雑な混合物中で標的抗原優先的に認識する場合、その抗原に特異的に結合すると言われる。

0019

いくつかの態様において、sMICに特異的に結合する試薬は、非MICポリペプチドと比較してsMICに特異的に結合する。いくつかの態様において、sMICに特異的に結合する試薬は、非可溶性MICと比較して(例えば、未切断成熟MICの細胞外ドメインと比較して)sMICに特異的に結合する。

0020

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分は、10-5 M(10000 nM)またはそれ未満、例えば10-6 M、10-7 M、10-8 M、10-9 M、10-10 M、10-11 M、10-12 Mまたはそれ未満の解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、約10-5 M〜10-6 Mの解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、約10-6 M〜10-7 Mの解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、約10-7 M〜10-8 Mの解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、約10-8 M〜10-9 Mの解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、約10-9 M〜10-10 Mの解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、約10-10 M〜10-11 Mの解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、約10-11 M〜10-12 Mの解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。いくつかの態様において、本明細書に記載される単離された抗体またはその抗原結合部分は、10-12 M未満の解離定数(KD)でsMICポリペプチドに結合する。

0021

本明細書で使用される場合、「含んでいる」または「含む」という用語は、組成物、方法およびその方法または組成物にとって必須であるそれらの各要素を参照しつつ、必須であろうとなかろうと、指定されていない要素を含む余地を持って、使用される。

0022

本明細書で使用される場合、「〜から本質的になる」という用語は、所定の態様に必要とされる要素を表す。この用語は、その態様の基本的かつ新規または機能的な特徴に実質的に影響しない要素の存在を許容する。

0023

「〜からなる」という用語は、その態様の説明の中で言及されていないあらゆる要素に対して排他的である、本明細書に記載される組成物、方法およびそれらの各要素を表す。

0024

本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、複数の参照を包含する。したがって、例えば、「方法(the method)」の参照は、1つもしくは複数の方法、ならびに/または本明細書に記載されるおよび/もしくは本開示を読んだ当業者に明らかとなるタイプの工程等を包含する。同様に、「または」という単語は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、「および」を包含することが意図されている。本開示の実施または試験の際には本明細書に記載されているのと同様または同等の方法および材料を使用することができるが、以下には適当な方法および材料が記載されている。「例えば(e.g.)」という略語は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書において非限定的な例を示すために使用される。したがって、「例えば(e.g.)」という略語は、「例えば(for example)」という用語と同義である。

0025

実施例を実施する以外では、またはそうでないことが示されていない限り、本明細書で使用される成分の量および反応条件を表すすべての数値は、すべての例において、「約」という用語によって修飾されることが理解されるべきである。「約」という用語は、百分率と関連して使用される場合、±1%を意味し得る。

0026

「統計的に有意」または「有意に」という用語は、統計的有意性を表し、通常、参照値より2標準偏差(2SD)上または下の違いを意味する。さらなる定義は、以下の個々の節の説明の中で提供される。

0027

細胞生物学および分子生物学における共通用語の定義は、「The Merck Manual of Diagnosis and Therapy」、第19版、Merck Research Laboratories発行、2006年(ISBN 0-911910-19-0);Robert S. Porter et al.(編)、The Encyclopedia of Molecular Biology、Blackwell Science Ltd.発行、1994年(ISBN 0-632-02182-9);Benjamin Lewin、Genes X、Jones & Bartlett Publishing発行、2009年(ISBN-10:0763766321);Kendrew et al.(編)、Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference、VCH Publishers, Inc.発行、1995年(ISBN 1-56081-569-8)およびCurrent Protocols in Protein Sciences 2009、Wiley Intersciences、Coligan et al.編において見出され得る。

0028

それ以外のことが示されていない限り、本発明は、例えば、すべてそれらの全体が参照により本明細書に組み入れられる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (4 ed.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (2012);Davis et al., Basic Methodsin Molecular Biology, Elsevier Science Publishing, Inc., New York, USA (1995);またはMethods in Enzymology: Guide to Molecular Cloning Techniques Vol.152, S. L. Berger and A. R. Kimmel Eds., Academic Press Inc., San Diego, USA (1987);Current Protocols in Protein Science (CPPS) (John E. Coligan, et al., John Wiley and Sons, Inc.)、Current Protocols in Cell Biology (CPCB) (Juan S. Bonifacino et. al. ed., John Wiley and Sons Inc.)およびCulture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique by R. Ian Freshney, Publisher: Wiley-Liss; 5th edition (2005), Animal Cell Culture Methods (Methods in Cell Biology, Vol.57, Jennie P. Mather and David Barnes editors, Academic Press, 1st edition, 1998)に記載される標準的な手順を用いて実施された。

0029

他の用語は、本発明の様々な局面の説明の中で、本明細書で定義されている。

0030

いくつかの態様において、本明細書に記載される技術は、MICポリペプチドに結合する抗体および/または抗体の抗原結合部分を含むポリペプチドに関連する。いくつかの態様において、MICポリペプチドは、可溶性MICポリペプチド(sMIC)である。本明細書で使用される場合、「可溶性MIC」または「sMIC」は、膜貫通ドメイン欠くMICポリペプチドの一部分、例えば膜貫通ドメインから切り出されたMICの細胞外部分を表す。いくつかの態様において、可溶性MICは、SEQID NO:15または16の、例えば、アミノ酸約24〜260を含み得る。いくつかの態様において、可溶性MICは、SEQ ID NO:15または16の残基24〜260の、例えば、約20またはそれ以上のアミノ酸、例えば、SEQ ID NO:15または16の残基24〜260の20、50、100、150またはそれ以上のアミノ酸を含み得る。

0031

主要組織適合遺伝子複合体クラスI鎖関連(MIC)ポリペプチドは、表面膜貫通タンパク質である。細胞表面におけるMICポリペプチドの存在は、典型的にはナチュラルキラー細胞(NK細胞)および細胞傷害性T細胞(CTL)による腫瘍免疫破壊に関するシグナル免疫受容体NKG2Dに伝達し得る。しかし、多くの腫瘍において、MICは腫瘍表面から脱離し、それによって腫瘍細胞に対する宿主免疫が低下し、腫瘍回避および進行が促進される。MICポリペプチドは、ヒトMICA(例えば、NCBI Ref Seq NP_000238(SEQID NO:15)および001170990)ならびにヒトMICB(例えば、NCBI Ref Seq: NP_005922(SEQ ID NO:16))を含むがこれらに限定されない。いくつかの態様において、MICポリペプチドは、MICAを含み得る。いくつかの態様において、MICポリペプチドは、MICBを含み得る。

0032

いくつかの態様において、本明細書に記載される方法および組成物は、sMICの阻害、例えば、細胞受容体との相互作用に利用可能なsMICのレベルおよび/または活性の減少、に関連する。いくつかの態様において、sMICの阻害は、未結合のsMIC(例えば、受容体に結合していないおよび/または本明細書に記載される抗体試薬による結合に利用可能であるsMIC)の減少であり得る。いくつかの態様において、sMICの阻害は、sMICのレベル、例えば循環中のsMICのレベルの減少であり得る。

0033

いくつかの態様において、(a)SEQID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;(b)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;(c)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;(d)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;(e)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;および(f)SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3からなる群より選択される1つまたは複数の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分が本明細書に記載される。いくつかの態様において、軽鎖相補性決定領域(CDR):(a)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;(b)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;および(c)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分が本明細書に記載される。いくつかの態様において、重鎖相補性決定領域(CDR):(d)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;(e)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;および(f)SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分が本明細書に記載される。いくつかの態様において、重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR):(a)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;(b)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;(c)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;(d)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;(e)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;および(f)SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分が本明細書に記載される。

0034

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体または抗体の抗原結合フラグメントを含むポリペプチドは、(a)SEQID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;(b)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;(c)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;(d)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;(e)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;および(f)SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3からなる群より選択される、1つまたは複数のCDR、例えば1つのCDR、2つのCDR、3つのCDR、4つのCDR、5つのCDRまたは6つのCDRを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体または抗体の抗原結合フラグメントを含むポリペプチドは、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;およびSEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3からなる群より選択される1つまたは複数のCDR、例えば1つのCDR、2つのCDRまたは3つのCDRを含む重鎖またはその一部分を含む。いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体または抗体の抗原結合フラグメントを含むポリペプチドは、SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3からなる群より選択される1つまたは複数のCDR、例えば1つのCDR、2つのCDRまたは3つのCDRを含む軽鎖またはその一部分を含む。

0035

いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、SEQID NO:8のアミノ酸配列を含む重鎖を含み得る。いくつかの態様において、単離された抗体またはその抗原結合部分は、SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み得る。

0036

本明細書に記載される抗体がSEQID NO:9〜14の配列と同一でない少なくとも1つのCDRを含む態様において、その少なくとも1つのCDRのアミノ酸配列は、当業者に周知の方法によって選択され得る。例えば、Fujii, 2004, "Antibody affinity maturation by random mutagenesis" in Methodsin Molecular Biology: Antibody Engineering 248: 345-349(その全体が参照により本明細書に組み入れられる)、特に図2および第3.3節は、任意の関心対象のCDRのライブラリを作製する方法を記載している。これにより、当業者は、それが本明細書に記載される抗体またはその抗原結合フラグメント中に存在するときに抗原またはその抗原結合フラグメントがMICポリペプチドに結合できる、本明細書に記載される特定のCDR配列保存的置換変種を含む代替CDRを同定することができる。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合フラグメントは、sMICを阻害し得る。Fujii et al.に記載される方法により、当業者はまた、既知の重鎖フラグメントと組み合わせたときに所望の結合挙動を付与する軽鎖配列またはその逆をスクリーンすることができる。

0037

本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を表す。この用語はまた、2つの免疫グロブリン重鎖および2つの免疫グロブリン軽鎖から構成される抗体ならびに、例えば、免疫グロブリン分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体(dAb)、ダイアボディ多重特異性抗体、二重特異性抗体(dual specific antibody)、抗イディオタイプ抗体、二重特異性抗体(bispecific antibody)、それらの機能的に活性なエピトープ結合フラグメント、2機能性ハイブリッド抗体(例えば、Lanzavecchia et al., Eur. J. Immunol. 17, 105 (1987))および単鎖(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85, 5879-5883 (1988)およびBird et al., Science 242, 423-426 (1988))を含む、全長抗体およびその抗原結合部分を含む様々な形態も表す(一般的には、参照により本明細書に組み入れられる、Hood et al., Immunology, Benjamin, N.Y., 2ND ed. (1984)、Harlow and Lane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1988)およびHunkapiller and Hood, Nature, 323, 15-16 (1986)を参照のこと)。

0038

各重鎖は、重鎖の可変領域(本明細書でHCVRまたはVHと省略される)および重鎖の定常領域から構成される。重鎖定常領域は、3つのドメインCH1、CH2およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖の可変領域(本明細書でLCVRまたはVLと省略される)および軽鎖の定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、CLドメインからなる。VHおよびVL領域はさらに、相補性決定領域(CDR)と称されかつフレームワーク領域(FR)と称される保存された領域が間に挿入された超可変領域に分割され得る。各VHおよびVL領域は、したがって、3つのCDRおよび4つのFRからなり、これらはN末端からC末端に向かって以下の順:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置される。この構造は、当業者に周知である。

0039

本明細書で使用される場合、「CDR」という用語は、抗体可変配列内の相補性決定領域を表す。重鎖および軽鎖の可変領域の各々には3つのCDRが存在し、これらの可変領域の各々において、CDR1、CDR2およびCDR3と称される。これらのCDRの正確な境界は、異なる体系にしたがい異なる定義がなされている。Kabatによって記載された体系(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1987)および(1991))は、抗体の任意の可変領域に適用可能な明確な残基番号付け体系を提供するだけでなく、3つのCDRを規定する正確な残基の境界も提供する。これらのCDRは、Kabat CDRと称され得る。Kabat CDRと重複するCDRを規定する他の境界が、Padlan(FASEB J. 9: 133-139 (1995))ならびにMacCallum(J Mol Biol 262(5): 732-45 (1996))ならびにChothia(J. Mol. Biol. 196:901-917(1987)およびNature 342:877-883(1989))によって記載されている。さらに他のCDR境界定義は、厳密には上記の体系の1つに従っていないかもしれないが、にもかかわらず、特定の残基もしくは残基群またはCDR全体さえもが抗原結合に有意に影響しないという予測または実験的発見に照らして、それらは短縮または長大化され得るとはいえ、Kabat CDRと重複するであろう。本明細書で使用される方法は、これらの体系のいずれかにしたがい定義されるCDRを利用し得るが、好ましい態様はKabatによって定義されたCDRを使用する。

0040

本明細書で使用される場合、「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、本明細書で言い換え可能に使用され、各々が隣接する残基のαアミノ基とカルボキシ基の間のペプチド結合によって他に連結された一連のアミノ酸残基を表す。「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、本明細書で言い換え可能に使用され、その大きさまたは機能によらず、修飾アミノ酸(例えば、リン酸化糖化グリコシル化等)およびアミノ酸アナログを含む、タンパク質アミノ酸のポリマーを表す。「タンパク質」および「ポリペプチド」は、しばしば、比較的大きなポリペプチドを参照する際に使用され、「ペプチド」という用語は、しばしば、小さなポリペプチドを参照する際に使用されるが、当技術分野におけるこれらの用語の使用は重複している。「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、本明細書で、コードされた遺伝子産物およびそのフラグメントを参照する場合、言い換え可能に使用される。したがって、例示的なポリペプチドまたはタンパク質は、遺伝子産物、天然に存在するタンパク質、ホモログオルトログパラログ、フラグメントならびに上記の他の等価物、変種、フラグメントおよびアナログを含む。

0041

抗体の「抗原結合フラグメント」または「抗原結合部分」という用語は、本明細書で言い換え可能に使用され、本明細書上記で定義される結合親和性を依然として有している本明細書に記載される抗体の1つまたは複数のフラグメントを表す。完全抗体のフラグメントは、抗体の抗原結合機能を発揮することができることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語にしたがう結合フラグメントの例は、(i)Fabフラグメント、すなわち、VL、VH、CLおよびCH1ドメインから構成される1価フラグメント;(ii)F(ab')2フラグメント、すなわち、ヒンジ領域においてジスルフィド架橋を通じて相互に連結された2つのFabフラグメントを含む2価フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインから構成されるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームFLおよびVHドメインから構成されるFvフラグメント;ならびに(v)VHドメインまたはVH、CH1、CH2、DH3もしくはVH、CH2、CH3からなるdAbフラグメント(Ward et al, (1989) Nature 341: 544-546)(VLドメインのみを含むdAbまたは単一ドメイン抗体もまた標的エピトープに特異的に結合することが示されている)を含む。Fvフラグメントの2つのドメイン、すなわちVLおよびVHは、別の遺伝子によってコードされるが、それらはさらに、合成リンカー、例えばポリ-G4Sアミノ酸配列(SEQID NO:17として開示される「G4S」)、ならびにそれらを、VLおよびVH領域が1価分子を形成するよう組み合わされた単一タンパク質鎖として調製することができる組み換え法(単鎖Fv(scFv)として公知;例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426;およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照のこと)を用いて相互に連結され得る。抗体の「抗原結合部分」という用語はまた、そのような単鎖抗体を含むことが意図されている。他の形態の単鎖抗体、例えば「ダイアボディ」も同様にその中に含まれる。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現されるが、この2つのドメインが同一鎖上で組み合わされるには短すぎるリンカーが使用されており、そのためそれらのドメインは異なる鎖の相補的なドメインと対を形成することを強いられ、2つの抗原結合部位を形成する、2価、2特異性の抗体である(例えば、Holliger, R, et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:64446448; Poljak, R. J, et al. (1994) Structure 2: 1121-1123を参照のこと)。免疫グロブリン定常ドメインは、重または軽鎖定常ドメインを表す。ヒトIgG重鎖および軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列は、当技術分野で公知である。

0042

さらに、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分は、該抗体または抗体部分と1つまたは複数のさらなるタンパク質またはペプチドとの共有結合的または非共有結合的結合によって形成されるより大きな免疫接着分子の一部分であり得る。四量体scFv分子を調製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov, S.M., et al. (1995) Human Antibodies and Hybridomas 6:93-101)ならびに2価およびビオチニル化scFv分子を調製するためのシステイン残基マーカーペプチドおよびC末端ポリヒスチジニル、例えばヘキサヒスチジニルタグ(SEQID NO:18として開示される「ヘキサヒスチジニルタグ」)の使用(Kipriyanov, S. M., et al. (1994) Mol. Immunol. 31:10471058)が、そのような免疫接着分子に関連する。

0043

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体および/または抗原結合部分は、免疫グロブリン分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、多重特異性抗体、二重特異性抗体(dual specific antibody)、抗イディオタイプ抗体、二重特異性抗体二重特異性抗体(bispecific antibody)およびそれらの機能的に活性なエピトープ結合フラグメントであり得る。

0044

アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列中の単一のアミノ酸または低いパーセンテージのアミノ酸を変更する、核酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列に対する個々の置換欠失または付加が、該変更により化学的に類似するアミノ酸によるあるアミノ酸の置換がもたらされかつMICポリペプチドの標的抗原(例えば、sMIC上に存在するエピトープ)に特異的に結合する能力が維持される「保存的修飾変種」であると理解するであろう。そのような保存的修飾変種は、本開示にしたがい、多型変種、種間ホモログおよび対立遺伝子に加えて用いられかつそれらを排除しない。

0045

いくつかの態様において、抗体試薬の保存的修飾変種は、CDR以外における変更を含み得る、例えば、抗体試薬の保存的修飾変種は、SEQID NO:9〜14の1つまたは複数の配列を有するCDRを含み得る。

0046

所定のアミノ酸は、類似の生理化学的特徴を有する残基によって置き換えられ得る(例えば、1つの脂肪族残基と別のものとの置換(例えば、Ile、Val、LeuもしくはAlaと別のものとの置換)か、または1つの極性残基と別のものとの置換(例えば、LysおよびArg間;GluおよびAsp間;もしくはGlnおよびAsn間の置換)であり得る。他のそのような保存的置換、例えば、類似の疎水性の特徴を有する領域全体の置換、が周知である。保存的アミノ酸置換を含むポリペプチドは、ネイティブまたは参照ポリペプチドの所望の活性、例えば抗原結合活性および特異性が維持されていることを確認するため、本明細書に記載されるアッセイの任意の1つにおいて試験され得る。

0047

アミノ酸は、(A. L. Lehninger, in Biochemistry second ed., pp.73-75, Worth Publishers, New York (1975)における)それらの側鎖の特性の類似性にしたがい分類され得る:(1)非極性:Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Trp(W)、Met(M);(2)非荷電極性:Gly(G)、Ser(S)、Thr(T)、Cys(C)、Tyr(Y)、Asn(N)、Gln(Q);(3)酸性:Asp(D)、Glu(E);(4)塩基性:Lys(K)、Arg(R)、His(H)。

0048

あるいは、天然に存在する残基は、共通の側鎖の特性に基づきグループ分けされ得る:(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile:(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖の向きに影響を与える残基:Gly、Pro;(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスのものと交換することを要する。

0049

特定の保存的置換は、例えば、AlaからGlyまたはSerへ;ArgからLysへ;AsnからGlnもしくはHへ;AspからGluへ;CysからSerへ;GlnからAsnへ;GluからAspへ;GlyからAlaへもしくはProへ;HisからAsnへもしくはGlnへ;IleからLeuへもしくはValへ;LeuからIleへもしくはValへ;LysからArgへ、GlnへもしくはGluへ;MetからLeuへ、TyrへもしくはIleへ;PheからMetへ、LeuへもしくはTyrへ;SerからThrへ;ThrからSerへ;TrpからTyrへ;TyrからTrpへ;および/またはPheからValへ、IleへもしくはLeuへの置換を含む。

0050

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体および/またはその抗原結合部分は、本明細書に記載される配列の変種、例えば抗体ポリペプチドの保存的置換変種であり得る。いくつかの態様において、変種は、保存的修飾変種である。保存的置換変種は、例えば、ネイティブヌクレオチド配列の変異によって入手され得る。「変種」は、本明細書で参照される場合、ネイティブまたは参照ポリペプチドと実質的に相同であるが、1つまたは複数の欠失、挿入または置換によりネイティブまたは参照ポリペプチドのそれとは異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。変種ポリペプチドをコードするDNA配列は、ネイティブまたは参照DNA配列と比較したときにヌクレオチドの1つまたは複数の付加、欠失または置換を含むが、活性、例えば関連標的ポリペプチド、例えばsMICポリペプチドに対する抗原特異的結合活性を保持している変種タンパク質またはそのフラグメントをコードする配列を含む。幅広い様々なPCRベース部位特異的変異誘発アプローチもまた当技術分野で公知であり、当業者によって適用され得る。

0051

置換変種の例は、CDRの配列を変更しない、例えばVHまたはVLドメインにおける、アミノ酸の保存的置換を含む。CDRに含まれない配列における保存的置換は、野生型または天然に存在する配列、例えば、抗体配列のヒトまたはマウスフレームワークおよび/または定常領域に対する置換であり得る。

0052

変種アミノ酸またはDNA配列は、好ましくは、ネイティブまたは参照配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上同一である。ネイティブ配列変異配列の間の相同性の程度(パーセント同一性)は、例えば、ワールドワイドウェブ上でこの目的で広く利用されている自由に入手可能なコンピュータープログラム(例えば、デフォルト設定を用いるBLASTpまたはBLASTn)を用いて、2つの配列を比較することによって決定され得る。

0053

ネイティブアミノ酸配列の変更は、当業者に公知の任意の多くの技術によって達成され得る。変異は、例えば、ネイティブ配列のフラグメントとの連結を可能にする制限部位の隣に変異配列を含むオリゴヌクレオチドを合成することにより特定遺伝子座に導入され得る。連結後、得られた再構成配列は、所望のアミノ酸挿入、置換または欠失を有するアナログをコードする。あるいは、対オリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発手順が、必要とされる置換、欠失または挿入にしたがい変更された特定のコドンを有する変更されたヌクレオチド配列を提供するために利用され得る。そのような変更を行う技術は、非常によく確立されており、例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる、Walder et al.(Gene 42:133, 1986);Bauer et al.(Gene 37:73,1985);Craik(BioTechniques, January 1985, 12-19);Smith et al.(Genetic Engineering: Principles and Methods, Plenum Press, 1981);ならびに米国特許第4,518,584号および同第4,737,462号によって開示されるものを含む。

0054

ポリペプチドの適切な立体構造の維持に関与しない任意のシステイン残基はまた、その分子の酸化安定性を改善し、かつ異常な架橋を防止するために、通常セリンで置換され得る。逆に、その安定性を改善するためにまたはオリゴマー化を促進するために、ポリペプチドにシステイン結合が追加され得る。

0055

いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、完全ヒト抗体である。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、ヒト化抗体である。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、キメラ抗体である。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、組み換えポリペプチドである。

0056

「ヒト抗体」という用語は、例えばKabat et al.により記載されるように、その可変および定常領域が、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に対応するまたはそれ由来である抗体を表す(Kabat, et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242を参照のこと)。しかし、ヒト抗体は、例えばCDRに、特にCDR3に、ヒト生殖系列の免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでの無作為もしくは部位特異的変異誘発によってまたはインビボでの体細胞変異によって導入された変異)を含み得る。本明細書に記載される組み換えヒト抗体は、可変領域を有し、ヒト生殖系列の免疫グロブリン配列由来の定常領域も含み得る(Kabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242を参照のこと)。しかし、特定の態様にしたがい、そのような組み換えヒト抗体は、組み換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列がヒト生殖系列のVHおよびVL配列に関連するまたはそれら由来であるものの自然状態ではインビボでヒト抗体生殖系列レパートリー内に存在しない配列となるように、インビトロ変異誘発に(またはヒトIg配列に起因してトランスジェニックである動物が使用される場合、体細胞インビボ変異誘発に)供される。特定の態様にしたがい、この種の組み換え抗体は、選択的変異誘発もしくは復帰変異またはその両方の結果である。好ましくは、変異誘発は、標的に対する親抗体の親和性よりも大きい親和性および/または非標的構造に対する親抗体の親和性よりも小さい親和性をもたらす。

0057

「キメラ抗体」という用語は、1つの種由来の重鎖および軽鎖の可変領域の配列ならびに別の種由来の定常領域配列を含む抗体、例えばヒト定常領域に連結されたマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体、を表す。ヒト化抗体は、実質的にヒト抗体(アクセプター抗体と称される)由来である可変領域フレームワーク残基および実質的に非ヒト抗体、例えばマウス抗体ドナー免疫グロブリンと称される)由来である相補性決定領域を有する。それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる、Queen et al., Proc Natl Acad Sci USA 86:10029-10033 (1989)ならびにWO 90/07861、米国特許第5,693,762号、米国特許第5,693,761号、米国特許第5,585,089号、米国特許第5,530,101号およびWinter、米国特許第5,225,539号を参照のこと。定常領域はまた、存在する場合、実質的にまたは全体的にヒト免疫グロブリン由来である。ヒト可変ドメインは通常、そのフレームワーク配列がCDRの由来となった(マウス)可変領域ドメインと高い程度の配列同一性を示すヒト抗体から選択される。重鎖および軽鎖可変領域フレームワーク残基は、同一または異なるヒト抗体配列の領域と実質的に類似であり得る。ヒト抗体配列は、天然に存在するヒト抗体の配列であり得、またはいくつかのヒト抗体のコンセンサス配列であり得る。その全体が参照により本明細書に組み入れられるCarter et al., WO92/22653を参照のこと。

0058

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体試薬(例えば、抗体)は、天然に存在する生体分子ではない。例えば、ヒト起源の抗原に対して誘導されたマウス抗体は、本来的に、ヒトの介入および操作、例えばヒトにより実施される製造工程なしには存在しないであろう。キメラ抗体もまた、例えばそれらが複数の種から得られる配列を含んでおり組換え分子を構築する点で天然に存在する生体分子ではない。ある特定の態様において、本明細書に記載されるヒト抗体試薬は、天然に存在する生体分子ではない、例えば、ヒト抗原に対する完全ヒト抗体は自然界でネガティブ選択に供され、人体で通常見出されないであろう。

0059

伝統的に、モノクローナル抗体は、マウスハイブリドーマ株においてネイティブ分子として産生される。その技術に加えて、本明細書に記載される方法および組成物は、モノクローナル抗体の組換えDNA発現を提供する。これにより、選択された宿主種においてヒト化抗体ならびに幅広い抗体誘導体および融合タンパク質の生成が可能となる。細菌、酵母トランスジェニック動物および鶏卵における抗体の産生もまた、ハイブリドーマベースの産生システムの代わりとなるものである。トランスジェニック動物の主な利点は、再利用可能な供給源からの潜在的に高い収量である。

0060

抗体のアミノ酸配列変種をコードする核酸分子は、当技術分野で公知の様々な方法によって調製される。これらの方法は、以前に調製された変種または非変種型の抗体のオリゴヌクレオチド媒介(または部位特異的)変異誘発、PCR変異誘発およびカセット変異誘発による調製を含むがこれらに限定されない。本明細書に記載される少なくとも1つの抗体、部分またはポリペプチドをコードする核酸配列は、連結のための平滑化またはスタッガード化末端、適切な末端を提供する制限酵素消化、適切な場合は粘着末端埋め合わせ、望ましくない接続を回避するためのアルカリホスファターゼ処理および適切なリガーゼを用いた連結を含む、慣習的な技術にしたがい、ベクターDNAを用いて組換えされ得る。そのような操作技術は、例えば、Maniatis et al., Molecular Cloning, Lab. Manual(Cold Spring Harbor Lab. Press, NY, 1982および1989)ならびにAusubel, 1987, 1993によって開示されており、そしてモノクローナル抗体分子またはその抗原結合領域をコードする核酸配列を構築するために使用され得る。

0061

核酸分子、例えばDNAは、それが転写および翻訳調節情報を含むヌクレオチド配列を含んでおり、そのような配列がポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に「機能的に連結」されている場合、ポリペプチドを「発現することができる」と言われる。機能的連結は、調節DNA配列および発現させるDNA配列が回収可能な量のペプチドまたは抗体部分としての遺伝子発現を実現する様式で接続される連結である。関連技術分野において周知のように、遺伝子発現に必要とされる調節領域の正確な性質は、生物ごとに異なり得る。例えば、Sambrook et al., 1989; Ausubel et al., 1987-1993を参照のこと。

0062

したがって、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分の発現は、原核生物細胞または真核生物細胞のいずれかにおいて行われ得る。適当な宿主は、細菌または酵母、昆虫真菌鳥類およびインビボもしくはインサイチューのいずれかの哺乳動物細胞もしくは哺乳動物、昆虫、鳥類もしくは酵母起源宿主細胞を含む真核生物宿主を含む。哺乳動物細胞または組織は、ヒト、霊長類ハムスターウサギげっ歯類ウシブタヒツジウマ、ヤギ、イヌまたはネコ起源であり得るが、任意の他の哺乳動物細胞も使用され得る。さらに、例えば酵母ユビキチンヒドロラーゼ系の使用によって、ユビキチン膜貫通ポリペプチド融合タンパク質のインビボ合成が達成され得る。そのようにして産生された融合タンパク質は、特定のアミノ末端配列を有する本明細書に記載される抗体またはその一部分が合成されるよう、インビボで処理され得るまたはインビトロで精製および処理され得る。さらに、直接的酵母(または細菌)発現における開始コドン由来メチオニン残基の残存に関連する問題が回避され得る。Sabin et al., 7 Bio/Technol. 705 (1989); Miller et al., 7 Bio/Technol, 698 (1989)。酵母をグルコース豊富培地中で成長させたときに多量に産生される解糖系酵素をコードする能動的に発現される遺伝子由来のプロモーターおよび末端エレメントを組み込んだ酵母遺伝子発現系シリーズのいずれかが、本明細書に記載される組換え抗体またはその抗原結合部分を得るために利用され得る。公知の解糖系遺伝子もまた、非常に効率的な転写制御シグナルを提供し得る。例えば、ホスホグリセリン酸キナーゼ遺伝子のプロモーターおよびターミネーターシグナルが利用され得る。

0063

昆虫における本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分の作製は、例えば、当業者に公知の方法により膜貫通ポリペプチドを発現するよう操作されたバキュロウイルスを昆虫宿主に感染させることによって、達成され得る。Ausubel et al., 1987, 1993を参照のこと。

0064

いくつかの態様において、導入されるヌクレオチド配列は、レシピエント宿主において自立複製することができるプラスミドまたはウイルスベクターに組み込まれる。任意の幅広い様々なベクターがこの目的で使用され得、それらは当業者に公知であり利用可能である。例えば、Ausubel et al., 1987, 1993を参照のこと。個々のプラスミドまたはウイルスベクターの選択における重要な要素は、次を含む:そのベクターを含むレシピエント細胞を認識しそのベクターを含まないレシピエント細胞から選択する容易さ;特定の宿主において望まれるベクターのコピー数;および異なる種の宿主細胞間でベクターを「シャッフル」できることが望ましいかどうか。

0065

当技術分野で公知の例示的な原核生物ベクターは、プラスミド、例えば大腸菌(E.coli)において複製することができるもの、を含む。抗体またはその抗原結合部分をコードするcDNAの発現に有用な他の遺伝子発現エレメントは、(a)ウイルス転写プロモーターおよびそれらのエンハンサーエレメント、例えばSV40初期プロモーター(Okayama et al., 3 Mol. Cell. Biol. 280 (1983))、ラウス肉腫ウイルスLTR(Gorman et al., 79 PNAS 6777 (1982))およびモロニーマウス白血病ウイルスLTR(Grosschedl et al., 41 Cell 885 (1985));(b)スプライス領域およびポリアデニル化部位、例えばSV40後期領域由来のもの(Okayama et al., 1983)、ならびに(c)ポリアデニル化部位、例えばSV40におけるもの(Okayama et al., 1983)を含むがこれらに限定されない。免疫グロブリンcDNA遺伝子は、Liu et al., 後記およびWeidle et al., 51 Gene 21 (1987)に記載されるように、SV40初期プロモーターおよびそのエンハンサー、マウス免疫グロブリンH鎖プロモーターエンハンサー、SV40後期領域mRNAスプライシング、ウサギS-グロビン介在配列、免疫グロブリンおよびウサギS-グロビンポリアデニル化部位ならびにSV40ポリアデニル化エレメントの発現エレメントを用いて発現され得る。

0066

部分的なcDNA、部分的なゲノムDNAから構成される免疫グロブリン遺伝子の場合(Whittle et al., 1 Protein Engin. 499 (1987))、転写プロモーターはヒトサイトメガロウイルスであり得、プロモーターエンハンサーはサイトメガロウイルスおよびマウス/ヒト免疫グロブリンであり得、そしてmRNAスプライシングおよびポリアデニル化領域はネイティブ染色体免疫グロブリン配列であり得る。

0067

いくつかの態様において、げっ歯類細胞におけるcDNA遺伝子の発現の場合、転写プロモーターはウイルスLTR配列であり、転写プロモーターエンハンサーはマウス免疫グロブリン重鎖エンハンサーおよびウイルスLTRエンハンサーのいずれかまたは両方であり、スプライス領域は31 bp超のイントロンを含み、そしてポリアデニル化および転写終結領域は合成される免疫グロブリン鎖に対応するネイティブ染色体配列由来である。他の態様において、哺乳動物細胞におけるタンパク質の発現を達成するために、他のタンパク質をコードするcDNA配列が上記の発現エレメントと組み合わされる。

0068

融合遺伝子は、発現ベクターに集められるまたは挿入される。キメラ免疫グロブリン鎖遺伝子産物を発現することができるレシピエント細胞は、その後、抗体、その抗原結合部分またはキメラHもしくはキメラL鎖コード遺伝子で個別にトランスフェクトされ、またはキメラHおよびキメラL鎖遺伝子で共トランスフェクトされる。トランスフェクトされたレシピエント細胞は、組み込まれた遺伝子の発現を可能にする条件下で培養され、発現された免疫グロブリン鎖またはインタクトな抗体もしくはフラグメントが培養物から回収される。

0069

いくつかの態様において、抗体、その抗原結合フラグメント、またはキメラH鎖およびL鎖もしくはその一部分をコードする融合遺伝子は、別々の発現ベクターに入れられ、これらがその後、レシピエント細胞を共トランスフェクトするために使用される。各ベクターは、細菌系における選択のために設計された第1の選択遺伝子および真核生物系における選択のために設計された第2の選択遺伝子の2つの選択遺伝子を含み得、各ベクターは異なる遺伝子対を有する。この戦略により、細菌系において最初に融合遺伝子の産生を誘導し、それを増幅させるベクターが得られる。そのようにして細菌宿主において産生および増幅された遺伝子は、その後、真核生物細胞を共トランスフェクトするために使用され、所望のトランスフェクト遺伝子を保持する共トランスフェクト細胞の選択を実現する。細菌系において使用される選択遺伝子の非限定的な例は、アンピシリンに対する耐性を付与する遺伝子およびクロラムフェニコールに対する耐性を付与する遺伝子である。真核生物トランスフェクト体において使用される選択遺伝子は、キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(gptと記される)およびTn5由来ホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neoと記される)を含む。あるいは、キメラH鎖およびL鎖をコードする融合遺伝子は、同じ発現ベクターに入れられ得る。

0070

本明細書に記載される発現ベクターのトランスフェクションおよびキメラ、ヒト化または複合ヒト抗体の生成について、レシピエント細胞株は、骨髄腫細胞であり得る。骨髄腫細胞は、トランスフェクトされた免疫グロブリン遺伝子によってコードされる免疫グロブリンを合成し、構築しそして分泌し得、かつ免疫グロブリンのグリコシル化のためのメカニズムを有し得る。例えば、いくつかの態様において、レシピエント細胞は、組み換えIg産生骨髄腫細胞SP2/0(ATCC#CRL 8287)である。SP2/0細胞は、トランスフェクトされた遺伝子によってコードされる免疫グロブリンのみを産生する。骨髄腫細胞は、培養下またはマウスの腹膜腔で成長し得、分泌される免疫グロブリンは、腹水から入手され得る。他の適当なレシピエント細胞は、リンパ系細胞、例えばヒトもしくは非ヒト起源のBリンパ球、ヒトもしくは非ヒト起源のハイブリドーマ細胞または種間ヘテロハイブリドーマ細胞を含む。

0071

本明細書に記載されるキメラ、ヒト化または複合ヒト抗体コンストラクト、抗体またはその抗原結合部分を保持する発現ベクターは、形質転換、トランスフェクション、コンジュゲーションプロトプラスト融合リン酸カルシウム沈降およびポリカチオン、例えばジエチルアミノエチルDEAEデキストランの適用等の生化学的手段ならびにエレクトロポレーション、直接マイクロインジェクションおよび微粒子銃等の機械的手段を含む、任意の様々な適当な手段によって適当な宿主細胞に導入され得る。当業者に公知のJohnston et al., 240 Science 1538 (1988)。

0072

酵母は、免疫グロブリンH鎖およびL鎖の産生に関して細菌を凌ぐ一定の利益を提供する。酵母は、グリコシル化を含む翻訳後ペプチド修飾を行う。酵母における所望のタンパク質の産生のために使用され得る強プロモーター配列および高コピー数プラスミドを利用する多くの組み換えDNA戦略が存在する。酵母は、クローン化された哺乳動物遺伝子産物のリーダー配列を認識し、リーダー配列を有するペプチド(すなわち、プレペプチド)を分泌する。Hitzman et al., 11th Intl. Conf. Yeast, Genetics & Molec. Biol. (Montpelier, France, 1982)。

0073

酵母遺伝子発現系は、抗体ならびに構築されたキメラ、ヒト化、または複合ヒト抗体、その部分および領域の、産生、分泌、および安定性のレベルに関して、ルーチン的に評価され得る。酵母をグルコースが豊富な培地中で成長させたときに多量に産生される解糖系酵素をコードする能動的に発現される遺伝子由来のプロモーターおよび末端エレメントを組み込んだ一連の酵母遺伝子発現系のいずれかが利用され得る。公知の解糖系遺伝子もまた、非常に効率的な転写制御シグナルを提供し得る。例えば、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)遺伝子のプロモーターおよびターミネーターシグナルが利用され得る。酵母におけるクローン化された免疫グロブリンcDNAの発現に最適な発現プラスミドの評価のために、多くのアプローチが採用され得る。II DNA Cloning 45, (Glover, ed., IRL Press, 1985)および例えば米国公報第US 2006/0270045 A1号を参照のこと。

0074

細菌株もまた、本明細書に記載される抗体分子またはペプチド産生のための宿主として利用され得る。大腸菌K12株、例えば大腸菌W3110(ATCC27325)、バチルス種腸内細菌、例えばネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)またはセラチア菌(Serratia marcescens)および様々な緑膿菌種が使用され得る。宿主細胞と適合する種由来のレプリコンおよび制御配列を含むプラスミドベクターが、これらの細菌宿主に関連して使用される。ベクターは、複製部位および形質転換細胞において表現型選択を提供することができる特定遺伝子を有する。細菌におけるクローン化された免疫グロブリンcDNAまたはCDRによってコードされるキメラ、ヒト化または複合ヒト化抗体およびそのフラグメントの作製に関して発現プラスミドを評価するための多くのアプローチが採用され得る(Glover, 1985; Ausubel, 1987, 1993; Sambrook, 1989; Colligan, 1992-1996を参照のこと)。

0075

宿主哺乳動物細胞は、インビトロまたはインビボで成長させることができる。哺乳動物細胞は、リーダーペプチドの除去、フォールディングおよびH鎖およびL鎖の構築、抗体分子のグリコシル化、ならびに機能的抗体タンパク質の分泌を含む、免疫グロブリンタンパク質分子に対する翻訳後修飾を提供する。

0076

抗体タンパク質産生のための宿主として有用であり得る哺乳動物細胞は、上記のリンパ系起源の細胞に加えて、線維芽細胞起源の細胞、例えばVero(ATCCCRL 81)またはCHO-K1(ATCC CRL 61)細胞を含む。ポリペプチドを発現するために使用され得る例示的な真核生物細胞は、COS7細胞を含むCOS細胞;293-6E細胞を含む293細胞;CHO-SおよびDG44細胞を含むCHO細胞;PER.C6(商標)細胞(Crucell);ならびにNSO細胞を含むがこれらに限定されない。いくつかの態様において、特定の真核生物宿主細胞が、重鎖および/または軽鎖に対して所望の翻訳後修飾を行うその能力に基づき選択される。例えば、いくつかの態様において、CHO細胞は、293細胞において産生された同一ポリペプチドよりも高レベルのシアリル化を有するポリペプチドを産生する。

0077

いくつかの態様において、本明細書に記載される1つまたは複数の抗体またはその抗原結合部分は、任意の適当な方法にしたがいポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸分子で操作またはトランスフェクトされた動物において、インビボ産生され得る。

0078

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分は、無細胞系で産生される。無細胞系の非限定的な例は、例えば、Sitaraman et al., MethodsMol. Biol. 498: 229-44 (2009); Spirin, Trends Biotechnol. 22: 538-45 (2004); Endo et al., Biotechnol. Adv. 21: 695-713 (2003)に記載されている。

0079

多くのベクター系が、哺乳動物細胞におけるクローン化されたH鎖およびL鎖遺伝子の発現に利用可能である(Glover, 1985を参照のこと)。完全なH2L2抗体を得るために異なるアプローチが採用され得る。上記のように、完全な四量体H2L2抗体またはその抗原結合部分へのH鎖およびL鎖の細胞内会合および連結を達成するために、同じ細胞においてH鎖およびL鎖を共発現させることが可能である。共発現は、同じ宿主において同じまたは異なるプラスミドのいずれかを用いることによって行われ得る。H鎖およびL鎖の両方またはその一部分の遺伝子は同じプラスミド内に配置され得、次いでこれが細胞にトランスフェクトされ、それによって両方の鎖を発現する細胞が直接的に選択される。あるいは、細胞は最初に一方の鎖、例えばL鎖をコードするプラスミドでトランスフェクトされ、その後に得られた細胞株が第2の選択マーカーを含むH鎖プラスミドでトランスフェクトされ得る。いずれかのルートを通じて抗体、その抗原結合部分および/またはH2L2分子を産生する細胞株は、増強された特性、例えば、構築されたH2L2抗体分子の高い産生性またはトランスフェクトされた細胞株の増強された安定性を有する細胞株を生成するために、追加の選択マーカーと併せてペプチド、H、LまたはH鎖およびL鎖の追加コピーをコードするプラスミドでトランスフェクトされ得る。

0080

加えて、植物が、微生物または動物細胞大規模培養に基づく組換え抗体産生にとっての便利、安全、かつ経済的な代替の主要な発現系として登場した。抗体は、植物細胞培養物または慣習的に生長させた植物において発現され得る。植物中での発現は、全体的、細胞内プラスチドに限定、または種子(内胚乳)に限定であり得る。例えば、米国特許公開第2003/0167531号;米国特許第6,080,560号;同第6,512,162号;WO 0129242を参照のこと。様々な植物由来抗体が、臨床試験を含む後期開発段階に到達している(例えば、Biolex,NCを参照のこと)。

0081

いくつかの局面において、ヒト化抗体の軽鎖をコードする第1の発現ベクターおよびヒト化抗体の重鎖をコードする第2の発現ベクターで形質転換された宿主を各鎖が発現される条件下で維持する工程およびそれにより発現された鎖のアセンブリにより形成されたヒト化抗体を単離する工程を含むプロセスによって調製される、ヒト化抗体の産生のための方法およびシステムが、本明細書に提供される。第1および第2の発現ベクターは、同じベクターであり得る。ヒト化抗体の軽鎖または重鎖をコードするDNA配列;該DNA配列を組み込んだ発現ベクター;および該発現ベクターで形質転換された宿主もまた本明細書に提供される。

0082

本明細書に提供される配列および情報からのヒト化モノクローナルの作製は、過度の実験を要することなく、当業者によって実施され得る。1つのアプローチにおいて、4つの一般的な工程が、モノクローナル抗体のヒト化に用いられ、例えば、米国特許第5,585,089号;同第6,835,823号;同第6,824,989号を参照されたい。これらは、次の通りである:(1)出発抗体の軽鎖および重鎖可変ドメインのヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列の決定;(2)ヒト化抗体の設計、すなわち、ヒト化プロセス中どの抗体フレームワーク領域を使用するかの決定;(3)実際のヒト化方法/技術;ならびに(4)ヒト化抗体のトランスフェクションおよび発現。

0083

通常、ヒト化抗体およびヒト抗体変種におけるCDR領域は実質的に同一であり、そしてそれらの由来となったマウスまたはヒト抗体における対応するCDR領域と同一であることがより通常である。通常望ましくないが、時々、得られるヒト化免疫グロブリンまたはヒト抗体変種の結合親和性に目立った影響を与えることなく、CDR残基の1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を行うことが可能である。時に、CDR領域の置換は、結合親和性を増強し得る。

0084

加えて、適当な抗原特異性のマウスまたは他の種の抗体分子由来の遺伝子を適当な生物学的活性のヒト抗体分子由来の遺伝子とスプライシングすることによる、「キメラ抗体」の作製のために開発された技術(Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 81:851-855 (1984); Neuberger et al., Nature 312:604-608 (1984); Takeda et al., Nature 314:452-454 (1985)を参照のこと;これらの全体が参照により本明細書に組み入れられる)が使用され得る。キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種由来である分子、例えばマウスモノクローナル抗体由来の可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有するもの、例えばヒト化抗体である。

0085

キメラ抗体の可変セグメントは典型的に、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分に、典型的にはヒト免疫グロブリンの一部分に連結される。ヒト定常領域のDNA配列は、周知の手順にしたがい様々なヒト細胞、例えば不死化B細胞から単離され得る(WO 87/02671;その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。抗体は、軽鎖および重鎖定常領域の両方を含み得る。重鎖定常領域は、CH1、ヒンジ、CH2、CH3および時々CH4領域を含み得る。治療目的で、CH2ドメインは欠失または削除され得る。

0086

あるいは、単鎖抗体の作製のために記載された技術(例えば、米国特許第4,946,778号;Bird, Science 242:423-42 (1988);Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883 (1988);およびWard et al., Nature 334:544-54 (1989)を参照のこと;それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる)が、単鎖抗体を作製するために適合され得る。アミノ酸架橋を通じてFv領域の重鎖および軽鎖フラグメントを連結し、それによって単鎖ポリペプチドとすることによって、単鎖抗体は形成される。大腸菌における機能的Fvフラグメントの構築に関する技術も使用され得る(例えば、Skerra et al., Science 242:1038-1041 (1988)を参照のこと;その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。

0087

キメラ、ヒト化、およびヒト抗体は典型的に、組換え発現によって生成される。組換えポリヌクレオチドコンストラクトは典型的に、天然に付随するまたは異種のプロモーター領域を含む、抗体鎖のコード領域に機能的に連結された発現制御配列を含む。好ましくは、発現制御配列は、真核生物宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトすることができるベクター中の真核生物プロモーター系である。ベクターが適当な宿主に導入された後、宿主はヌクレオチド配列の高レベル発現ならびに交差反応性抗体の回収および精製に適した条件下で維持される。これらの発現ベクターは典型的に、エピソームとしてまたは宿主の染色体DNAの統合された一部分としてのいずれかとして宿主生物内で複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換された細胞の検出を可能にする選択マーカー、例えばアンピシリン耐性またはハイグロマイシン耐性を含む。大腸菌は、DNA配列のクローニングに関して特に有用な1つの原核生物宿主である。微生物、例えば酵母もまた、発現に有用である。サッカロミセスは、好ましい酵母宿主であり、適当なベクターは、所望の場合、発現制御配列、複製起点終結配列等を有する。典型的なプロモーターは、3-ホスホグリセリン酸キナーゼおよび他の解糖系酵素を含む。誘導性酵母プロモーターは、特に、アルコールデヒドロゲナーゼイソシトクロムCならびにマルトースおよびガラクトース利用を担う酵素由来のプロモーターを含む。哺乳動物細胞は、免疫グロブリンまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチドセグメントを発現させる上で好ましい宿主である。その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Winnacker, From Genes to Clones, (VCH Publishers, NY, 1987)を参照のこと。インタクトな異種タンパク質を分泌することができる多くの適当な宿主細胞株が当技術分野で開発されており、CHO細胞株、様々なCOS細胞株HeLa細胞L細胞および多発性骨髄腫細胞株を含む。これらの細胞のための発現ベクターは、発現制御配列、例えば複製起点、プロモーター、エンハンサー(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Queen et al., "Cell-type Specific Regulation of a Kappa Immunoglobulin Gene by Promotor and Enhancer Elements," Immunol Rev 89:49 (1986))ならびに必要なプロセシング情報部位、例えばリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位および転写終結配列を含み得る。好ましい発現制御配列は、内因性遺伝子、サイトメガロウイルス、SV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス等の領域と実質的に類似するプロモーターである。その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Co et al., "Chimeric and Humanized Antibodies with Specificity for the CD33 Antigen," J Immunol 148:1149 (1992)を参照のこと。あるいは、抗体コード配列は、(例えば、すべて、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,741,957号、米国特許第5,304,489号、米国特許第5,849,992号に記載される方法にしたがう)トランスジェニック動物のゲノムへの導入およびその後のトランスジェニック動物の母乳内での発現のための導入遺伝子に組み込まれ得る。適当な導入遺伝子は、乳腺特異的遺伝子、例えばカゼインまたはベータラクトグロブリン由来のプロモーターおよびエンハンサーに機能的に連結された軽鎖および/または重鎖のコード配列を含む。関心対象のDNAセグメントを含むベクターは、細胞宿主のタイプに依存して、周知の方法によって宿主細胞に導入され得る。例えば、原核生物細胞には塩化カルシウムトランスフェクションが広く利用されており、他の細胞宿主にはリン酸カルシウム処理、エレクトロポレーション、リポフェクション、微粒子銃またはウイルスベースのトランスフェクションが使用され得る。哺乳動物細胞を形質転換するために使用される他の方法は、ポリブレン、プロトプラスト融合、リポソーム、エレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションの使用を含む(一般に、その全体が参照により本明細書に組み入れられるSambrook et al.,前記を参照のこと)。トランスジェニック動物の作製のために、導入遺伝子が受精卵母細胞にマイクロインジェクションされ得、または胚性幹細胞のゲノムに組み込まれ得、そしてそのような細胞の核が除核卵母細胞に導入され得る。発現すると、抗体は、HPLC精製、カラムクロマトグラフィーゲル電気泳動等を含む当技術分野の標準的手順にしたがい精製され得る(一般に、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Scopes, Protein Purification (Springer-Verlag, NY, 1982)を参照のこと)。

0088

発現すると、本発明の全抗体、それらの2量体、個々の軽鎖および重鎖、またはその他の免疫グロブリン形態は、公知の技術、例えば免疫吸着または免疫親和性クロマトグラフィークロマトグラフィー法、例えばHPLC(高速液体クロマトグラフィー)、硫酸アンモニウム沈降、ゲル電気泳動またはこれらの任意の組み合わせによって回収および精製され得る。一般に、Scopes, PROTEIN PURIF. (Springer-Verlag, N.Y. 1982)を参照のこと。少なくとも約90%〜95%の均質性の、実質的に純粋な免疫グロブリンが有利であり、特に薬学的用途では98%〜99%またはそれ以上の均質性を有するものが有利である。その後、部分的にまたは所望の場合は均質になるまで精製されると、ヒト化または複合ヒト抗体は、治療的にまたはアッセイ手順、免疫蛍光染色等の構築および実施において使用され得る。一般に、Vols. I & II Immunol. Meth. (Lefkovits & Pernis, eds., Acad. Press, NY, 1979および1981)を参照のこと。

0089

加えて、本明細書に記載されるように、組み換えヒト化抗体は、ヒトの治療のために、機能的活性を維持しつつ、潜在的な免疫原性を減少させるようさらに最適化され得る。これに関して、機能的活性は、本明細書に記載される組換え抗体またはその抗原結合部分に関連する1つまたは複数の既知の機能的活性を示すことができるポリペプチドを意味する。そのような機能的活性は、sMICの阻害および/または抗がん活性を含む。加えて、機能的活性を有するポリペプチドは、そのポリペプチドが、特定のアッセイ、例えば生物学的アッセイにおいて測定されたときに、用量依存的にまたは用量非依存的に、成熟形態を含む本明細書に記載される参照抗体またはその抗原結合部分の活性と類似の、しかし必ずしも同一ではない活性を示すことを意味する。用量依存性が存在するとき、それは参照抗体またはその抗原結合部分の用量依存性と同一である必要はなく、むしろ本明細書に記載される参照抗体またはその抗原結合部分と比較した所定の活性における用量依存性と実質的に類似する(すなわち、候補ポリペプチドは、本明細書に記載される抗体および抗原結合フラグメントよりも大きな活性、または多くて約25倍、約10倍、もしくは約3倍低下した活性を示すであろう)。

0090

いくつかの態様において、本明細書に記載される技術は、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分をコードする核酸に関連する。本明細書で使用される場合、「核酸」または「核酸配列」という用語は、リボ核酸デオキシリボ核酸またはそれらのアナログの単位を組み込んだポリマー分子を表す。核酸は、1本鎖または2本鎖のいずれかであり得る。1本鎖核酸は、変性した2本鎖DNAの一方の核酸鎖であり得る。いくつかの態様において、核酸は、cDNA、例えばイントロンを欠く核酸であり得る。

0091

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分をコードする核酸は、ベクターに含まれる。本明細書に記載される局面のいくつかにおいて、本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分をコードする核酸配列またはその任意のモジュールは、ベクターに機能的に連結される。「ベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、宿主細胞への送達または異なる宿主細胞間の移動のために設計された核酸コンストラクトを表す。本明細書で使用される場合、ベクターは、ウイルスまたは非ウイルスであり得る。「ベクター」という用語は、適当な制御エレメントを伴う場合に複製することができ、かつ遺伝子配列を細胞に移入することができる任意の遺伝子エレメントを包含する。ベクターは、クローニングベクター、発現ベクター、プラスミド、ファージトランスポゾンコスミド、染色体、ウイルス、ビリオン等を含み得るがこれらに限定されない。

0092

本明細書で使用される場合、「発現ベクター」という用語は、ベクター上の転写調節配列に連結された配列からのRNAまたはポリペプチドの発現を誘導するベクターを表す。発現される配列は、しばしば、しかし必ずしもそうではないが、細胞に対して異種である。発現ベクターは追加のエレメントを含んでもよく、例えば、発現ベクターは2つの複製系を有してもよく、こうして2つの生物において、例えば発現のためにヒト細胞において、ならびにクローニングおよび増幅のために原核生物宿主において、維持されることを可能にする。「発現」という用語は、適用可能な場合、例えば転写、転写プロセシング、翻訳、ならびにタンパク質のフォールディング、修飾、およびプロセシングを含むがこれらに限定されない、RNAおよびタンパク質の産生、ならびに適当な場合、タンパク質の分泌に関与する細胞プロセスを表す。「発現産物」は、遺伝子から転写されるRNAと、遺伝子から転写されるmRNAの翻訳によって得られるポリペプチドとを含む。「遺伝子」という用語は、適当な調節配列に機能的に連結された場合にインビトロまたはインビボでRNAに転写される核酸配列(DNA)を意味する。遺伝子は、コード領域に先行するまたは追随する領域、例えば5'非翻訳(5'UTR)または「リーダー」配列および3' UTRまたは「トレイラー」配列ならびに個々のコードセグメントエクソン)の間の介在配列(イントロン)を含む場合または含まない場合がある。

0093

本明細書で使用される場合、「ウイルスベクター」という用語は、少なくとも1つのウイルス起源エレメントを含み、ウイルスベクター粒子パッケージングされる能力を有する核酸ベクターコンストラクトを表す。ウイルスベクターは、非必須ウイルス遺伝子の位置に本明細書に記載される抗体またはその抗原結合部分をコードする核酸を含み得る。ベクターおよび/または粒子は、インビトロまたはインビボのいずれかで任意の核酸を細胞に移入する目的で利用され得る。多くの形態のウイルスベクターが当技術分野で公知である。

0094

組み換えベクター」は、インビボで発現することができる異種核酸配列または「導入遺伝子」を含むベクターを意味する。本明細書に記載されるベクターは、いくつかの態様において、他の適当な組成物または治療と組み合わされ得ることが理解されるべきである。いくつかの態様において、ベクターはエピソーム性である。適当なエピソームベクターの使用は、関心対象のヌクレオチドを対象において高コピー数の染色体外DNAとして維持し、それによって染色体への統合の潜在的影響を消す手段を提供する。

0095

本明細書に記載される技術の局面は、本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分または本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分をコードする核酸を含む組成物に関する。いくつかの態様において、組成物は、薬学的組成物である。本明細書で使用される場合、「薬学的組成物」という用語は、製薬業における使用が承認された薬学的に許容される担体と組み合わされた活性な薬剤を表す。「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、妥当医学的判断の範囲で、合理的な利益/リスク比の下、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適している化合物物質、組成物、および/または剤形を表すために使用される。

0096

溶解または分散された活性成分を中に含む薬理学的組成物の調製は、当技術分野で十分に理解されており、処方に基づき限定される必要はない。典型的に、そのような組成物は、注射可能な溶液または懸濁液のいずれかとして調製されるが、使用前に液体に溶解または懸濁するのに適した固形物も調製され得る。調製物はまた、乳化され得るまたはリポソーム組成物として提供され得る。活性成分は、本明細書に記載される治療方法における使用に適した量で、薬学的に許容されかつ活性成分と適合する賦形剤と混合され得る。適当な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水デキストロースグリセロールエタノール等およびそれらの組み合わせである。加えて、所望の場合、組成物は、活性成分の効果を増強または維持する微量の補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等を含み得る。本明細書に記載される治療組成物は、その成分の薬学的に許容される塩を中に含み得る。薬学的に許容される塩は、無機酸、例えば塩酸もしくはリン酸、または有機酸、例えば酢酸酒石酸マンデル酸等により形成される(ポリペプチドの遊離アミノ基により形成される)酸付加塩を含む。遊離カルボキシル基により形成される塩もまた、無機塩基、例えば水酸化ナトリウムカリウムアンモニウムカルシウムまたは鉄および有機塩基、例えばイソプロピルアミントリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジンプロカイン等からもたらされ得る。生理学的に耐容される担体は、当技術分野で周知である。例示的な液体担体は、活性成分および水以外の物質を含まないまたはバッファー、例えば生理学的pH値リン酸ナトリウム、生理食塩水またはその両方、例えばリン酸緩衝生理食塩水を含む滅菌水溶液である。なおさらに、水性担体は、2種以上のバッファー塩ならびに塩化ナトリウムおよびカリウム等の塩、デキストロース、ポリエチレングリコール、および他の溶質を含み得る。液体組成物はまた、水に加えてまたは水を排除して、液相を含み得る。そのような追加の液相の例は、グリセリン植物油、例えば綿実油および水・油エマルジョンである。特定の障害または状態の処置において有効である本発明において使用される活性な薬剤の量はその障害または状態の性質に依存し、そしてこれは標準的な臨床技術によって決定され得る。

0097

いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分または本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分をコードする核酸を含む組成物は、凍結乾燥物であり得る。

0098

いくつかの態様において、本明細書に記載される技術は、治療有効量の本明細書に記載される組成物を含むシリンジに関連する。

0099

本明細書で使用される場合、「治療有効量」、「有効量」または「有効用量」という語句は、腫瘍または悪性腫瘍の処置、予防、または管理において治療的または美容的効果を提供する量、例えば、腫瘍または悪性腫瘍の少なくとも1つの症状、兆候、またはマーカーの統計的に有意な減少を提供する量を表す。治療有効量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。一般に、治療有効量は、対象の病歴、年齢、状態、性別、ならびに対象における医学的状態重篤度およびタイプ、ならびに他の薬学的に活性な薬剤の投与と共に変化し得る。

0100

1つの局面において、本明細書に記載される技術は、本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分または本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分を含む核酸を対象に投与する工程を含む方法に関連する。いくつかの態様において、対象は、がんおよび/または悪性腫瘍の処置を必要としている。いくつかの態様において、対象は、上皮細胞腫瘍または造血器悪性腫瘍の処置を必要としている。いくつかの態様において、この方法は、対象を処置する方法である。いくつかの態様において、この方法は、対象における上皮細胞腫瘍または造血器悪性腫瘍を処置する方法である。

0101

本明細書で使用される「腫瘍」は、身体の器官および系の正常な機能を妨げる細胞の制御されない成長を表す。「がん」および「悪性腫瘍」という用語は、転移性である、すなわち侵襲性となっており、元の腫瘍部位から離れた組織における腫瘍成長の種をまく腫瘍を表す。がんまたは腫瘍を有する対象は、対象の体内に存在する客観的測定可能ながん細胞を有する対象である。良性腫瘍および悪性がんならびに潜在的な休眠腫瘍または微小転移巣がこの定義に含まれる。それらの元の位置から移動し他の生きた器官に種をまくがんは、影響を受ける器官の機能的悪化を通じて最終的に対象を死亡させ得る。造血がん、例えば白血病は、対象において正常な造血コンパートメントと競合し、それによって(貧血血小板減少症および好中球減少症の形態で)造血不全を引き起こし、最終的に死に至らしめる。

0102

がんの例は、癌腫、リンパ腫芽細胞腫肉腫、および白血病を含むがこれらに限定されない。そのようながんのより具体的な例は、基底細胞癌胆管癌膀胱癌;骨がん;脳およびCNSがん;乳癌腹膜の癌;子宮頸癌絨毛癌結腸直腸癌結合組織癌;消化器系の癌;子宮内膜癌食道癌;眼癌;頭頸部の癌;胃癌(gastric cancer)(胃腸癌を含む);膠芽細胞腫(GBM);肝癌(hepatic carcinoma);肝癌(hepatoma);上皮内新生物腎臓または腎癌喉頭癌;白血病;肝臓癌肺癌(例えば、小細胞肺癌非小細胞肺癌、肺の腺癌および肺の扁平上皮癌);ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;黒色腫骨髄腫神経芽細胞腫口腔癌(例えば、、口および喉頭);卵巣癌膵癌;前立腺癌;網膜芽細胞腫横紋筋肉腫直腸癌呼吸器系の癌;膵液腺癌;肉腫;皮膚癌;扁平上皮癌;胃癌(stomach cancer);精巣癌;甲状腺癌子宮または子宮内膜癌;泌尿器系の癌;外陰癌;ならびに他の癌腫および肉腫;ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非開裂細胞性NHL;巨大病変性NHL;マントル細胞リンパ腫AIDS関連リンパ腫;およびヴァルデンストロームマクログロブリン血症を含む);慢性リンパ球性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);ヘアリー細胞白血病慢性骨髄芽球性白血病;および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)ならびに母斑症浮腫(例えば、脳腫瘍に関連する浮腫)、およびメイグス症候群に関連する異常な血管増殖を含むがこれらに限定されない。

0103

いくつかの態様において、腫瘍または悪性腫瘍は、MIC陽性である。本明細書で使用される場合、「MIC陽性腫瘍」という用語は、MICタンパク質を産生する腫瘍細胞、腫瘍細胞のクラスター、または腫瘍塊を表すために使用される。この用語は、MICタンパク質のすべてまたは一部を脱離させるすべての腫瘍細胞および/または腫瘍塊を包含することが意図されており、したがってこれらの細胞は短期間その表面上にMICタンパク質を提示するのみであり得、すなわち、この用語は、検出可能なMICタンパク質がそれらの細胞表面上に存在し続けるかそうでないかにかかわらず、MICタンパク質を脱離させる腫瘍を包含する。しかしながら、MICを脱離させることによって自然免疫拒絶を回避することができる任意の腫瘍が、本明細書で使用される用語で言う「MIC陽性腫瘍」とみなされる。MIC陽性腫瘍のいくつかの非限定的な例は、上皮細胞腫瘍および造血器悪性腫瘍を含む。いくつかの態様において、MIC陽性腫瘍または悪性腫瘍は、MIC陽性前立腺癌および/またはその転移巣であり得る。

0104

本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトまたは動物を意味する。通常、動物は、脊椎動物、例えば霊長類、げっ歯類、家畜動物、または狩猟動物である。霊長類は、チンパンジーカニクイザルクモザル、およびマカク、例えば、アカゲザルを含む。げっ歯類は、マウス、ラット、ウッドチャックフェレット、ウサギ、およびハムスターを含む。家畜および狩猟動物は、ウシ、ウマ、ブタ、シカバイソンバッファロー種、例えば家ネコ、イヌ科の種、例えばイヌ、キツネオオカミ、鳥類の種、例えばニワトリエミューダチョウ、および、例えばマスナマズ、およびサケを含む。患者または対象は、上記の任意の下位集団、例えば1つまたは複数のグループまたは種、例えばヒト、霊長類、またはげ歯類を除く上記のすべてを含む。特定の態様において、対象は、哺乳動物、例えば霊長類、例えばヒトである。「患者」、「個体」、および「対象」という用語は、本明細書で言い換え可能に使用される。

0105

好ましくは、対象は哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであり得るがこれらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳動物は例えば、動物モデル、例えば様々ながんの動物モデルを表す対象として有利に使用され得る。加えて、本明細書に記載される方法は、家畜化された動物および/またはペットを処置するために使用され得る。対象は、オスまたはメスであり得る。

0106

対象は、処置を必要とする状態(例えば、がん)またはそのような状態に関連する1つもしくは複数の合併症に罹患しているまたはそれを有すると以前に診断または特定され、そして任意で、しかしそうである必要はないが、その状態または状態に関連する1つもしくは複数の合併症の処置をすでに受けている対象であり得る。あるいは、対象はまた、処置を必要とする状態またはそのような状態に関連する1つもしくは複数の合併症を有すると以前に診断された対象であり得る。例えば、対象は、その状態もしくは状態に関連する1つもしくは複数の合併症の1つもしくは複数の危険因子を示す対象または危険因子を示さない対象であり得る。特定の状態の処置を「必要とする対象」は、その状態を有する、その状態を有すると診断された、またはその状態が発症する危険がある対象であり得る。

0107

本明細書で使用される場合、「処置する(treat)」、「処置」、「処置する(treating)」、または「改善」という用語は、疾患、障害、または医学的状態を参照して使用される場合、その目的が症状または状態の進行または重篤度の好転緩和、改善、阻止、鈍化、または停止である状態の治療的処置を表す。「処置する」という用語は、その状態の少なくとも1つの副作用または症状の減少または緩和を含む。処置は、一般に、1つまたは複数の症状または臨床マーカーが減少する場合、「有効」である。あるいは、処置は、状態の進行が減速または停止する場合、「有効」である。すなわち、「処置」は、症状またはマーカーの改善のみならず、処置を行わない場合に予想される症状の進行または悪化の休止または少なくとも鈍化も含む。有益または望ましい臨床結果は、処置を行わない場合に予想されるものと比較しての1つまたは複数の症状の緩和、欠陥の程度の縮小、腫瘍または悪性腫瘍の安定化された(すなわち、悪化しない)状態、腫瘍の成長および/または転移の遅延または鈍化、ならびに寿命の増加を含むがこれらに限定されない。本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、所望の部位への薬剤の少なくとも部分的な局在化を達成する方法または経路による本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分または本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分をコードする核酸の対象への配置を表す。本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分または本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分をコードする核酸を含む本明細書に開示される薬学的組成物は、対象における有効な処置を達成する任意の適当な経路によって投与され得る。

0108

薬剤の用量範囲はその効能に依存し、所望の効果、例えば腫瘍成長の鈍化または腫瘍サイズの減少を生ずるのに十分な量を包含する。用量は、許容されない副作用を引き起こすほど多くするべきでない。通常、用量は、患者の年齢、状態、および性別によって異なり、そしてそれは当業者によって決定され得る。用量はまた、何らかの合併症があった場合に各医師によって調節され得る。いくつかの態様において、用量は、0.001 mg/kg体重〜0.5 mg/kg体重の範囲である。いくつかの態様において、用量の範囲は、5μg/kg体重〜100μg/kg体重である。あるいは、用量の範囲は、1μg/mL〜1000μg/mLの間の血清レベルを維持するよう漸増され得る。全身投与の場合、対象は、治療量、例えば0.1 mg/kg、0.5 mg/kg、1.0 mg/kg、2.0 mg/kg、2.5 mg/kg、5 mg/kg、10 mg/kg、15 mg/kg、20 mg/kg、25 mg/kg、30 mg/kg、40 mg/kg、50 mg/kg、またはそれ以上を投与され得る。

0109

上記の用量の投与は、繰り返され得る。実際、MIC脱離の阻害が腫瘍に対する免疫攻撃を促進することができる程度まで、例えば、最初に腫瘍自体を処置し、そして次にMICを脱離させる能力を獲得する腫瘍細胞の発生に対する継続的な監視を提供するよう、長期間の投与が考慮される。いくつかの態様において、用量は、1日1回、または1日複数回、例えば非限定的に1日3回、与えられる。好ましい態様において、上記の用量は、数週間または数ヶ月間毎日投与される。処置の期間は、対象の臨床的進行および治療に対する応答性に依存する。

0110

いくつかの態様において、用量は、約2 mg/kg〜約15mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約2 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約4 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約5 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約6 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約8 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約10 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約15 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約100 mg/m2〜約700 mg/m2であり得る。いくつかの態様において、用量は、約250 mg/m2であり得る。いくつかの態様において、用量は、約375 mg/m2であり得る。いくつかの態様において、用量は、約400 mg/m2であり得る。いくつかの態様において、用量は、約500 mg/m2であり得る。

0111

いくつかの態様において、用量は、静脈内投与され得る。いくつかの態様において、静脈内投与は、約10分間〜約3時間の期間にわたり行われる注入であり得る。いくつかの態様において、静脈内投与は、約30分間〜約90分間の期間にわたり行われる注入であり得る。

0112

いくつかの態様において、用量は、およそ毎週投与され得る。いくつかの態様において、用量は、毎週投与され得る。いくつかの態様において、用量は、約12週間〜約18週間、毎週投与され得る。いくつかの態様において、用量は、およそ2週間ごとに投与され得る。いくつかの態様において、用量は、およそ3週間ごとに投与され得る。いくつかの態様において、用量は、およそ2週間ごとに投与される約2 mg/kg〜約15 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、およそ3週間ごとに投与される約2 mg/kg〜約15 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、およそ2週間ごとに静脈内投与される約2 mg/kg〜約15 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、およそ3週間ごとに静脈内投与される約2 mg/kg〜約15 mg/kgであり得る。いくつかの態様において、用量は、およそ毎週静脈内投与される約200 mg/m2〜約400 mg/m2であり得る。いくつかの態様において、用量は、およそ2週間ごとに静脈内投与される約200 mg/m2〜約400 mg/m2であり得る。いくつかの態様において、用量は、およそ3週間ごとに静脈内投与される約200 mg/m2〜約400 mg/m2であり得る。いくつかの態様において、合計約2〜約10用量が投与される。いくつかの態様において、合計4用量が投与される。いくつかの態様において、合計5用量が投与される。いくつかの態様において、合計6用量が投与される。いくつかの態様において、合計7用量が投与される。いくつかの態様において、合計8用量が投与される。いくつかの態様において、投与は、合計で約4週間〜約12週間の間行われる。いくつかの態様において、投与は、合計で約6週間の間行われる。いくつかの態様において、投与は、合計で約8週間の間行われる。いくつかの態様において、投与は、合計で約12週間の間行われる。いくつかの態様において、初期用量は、その後の用量よりも約1.5倍〜約2.5倍多くされ得る。

0113

いくつかの態様において、用量は、約1 mg〜約2000 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約3 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約10 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約30 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約1000 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、約2000 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、静脈内注入によって毎日与えられる約3 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、静脈内注入によって毎日与えられる約10 mgであり得る。いくつかの態様において、用量は、静脈内注入によって週に3回与えられる約30 mgであり得る。

0114

治療有効量は、腫瘍サイズ、腫瘍成長等の統計的に有意な測定可能な変化を生ずるのに十分な薬剤の量である(効果の測定については本明細書で後述される)。そのような有効量は、臨床試験および動物試験において測定され得る。

0115

薬剤は、注射によってまたは時間をかける段階的な注入によって静脈内投与され得る。所定の経路に適した処方物が与えられた後、例えば、この方法において有用な薬剤および本明細書に記載される組成物は、静脈内に、鼻腔内に、吸入により、腹腔内に、筋内に、皮下に、腔内に投与され得、そして所望の場合、蠕動手段によってもしくは当業者に公知の他の手段によって送達され得る。本明細書で使用される化合物が、がんを有する患者に対して経口的に、静脈内に、または筋内に投与されることが好ましい。腫瘍塊への直接的な局所投与もまた、具体的に想定されている。

0116

少なくとも1つの薬剤を含む治療組成物は、例えば単位用量で、慣習的に投与され得る。「単位用量」という用語は、治療組成物を参照して使用される場合、各々が必要とされる生理学的に許容される希釈剤、すなわち担体またはビヒクルと共に所望の治療効果を生ずるよう計算された既定量活性物質を含む、対象への1回分の用量として適した物理的に別個の単位を表す。

0117

組成物は、投薬処方と適合する様式で、かつ治療有効量で投与される。投与される量およびタイミングは、処置される対象、活性成分を利用する対象の身体の能力、および望まれる治療効果の程度に依存する。

0118

投与に必要とされる活性成分の正確な量は、医師の判断に依存し、そしてそれは各個人に特有である。しかし、全身投与に適した用量範囲は本明細書に開示されており、それは投与経路に依存する。適当な投与レジメンもまた様々であるが、初期投与とその後の注射または他の投与による1時間または数時間間隔で行う反復投与が典型である。あるいは、インビボ治療のために指定された範囲内の血中濃度を維持するのに十分な連続静脈内注入が想定されている。

0119

いくつかの態様において、この方法はさらに、本明細書に記載される薬学的組成物を、1つまたは複数の追加の化学療法剤生物製剤、薬物、または併用療法の一部としての処置と共に投与する工程を含む。いくつかのそのような態様において、化学療法剤、生物製剤、薬物または処置は、放射線療法外科手術ゲムシタビンシスプラチンパクリタキセルカルボプラチンボルテゾミブ、AMG479、ボリノスタットリツキシマブテモゾロミドラパマイシン、ABT-737およびPI-103からなる群より選択される。

0120

本明細書に記載される方法のいくつかの態様において、この方法はさらに、本明細書に記載される薬学的組成物を投与される対象に1つまたは複数の化学療法剤を投与する工程を含む。化学療法剤の非限定的な例は、アルキル化剤、例えばチオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミドアルキルスルホネート、例えばブスルファンインプロスルファンおよびピポスルファンアジリジン、例えばベンゾドーパカルボコン、メツレドーパおよびウレドーパ;アルトレタミントリエチレンメラミントリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミンおよびメチルメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン合成アナログトポテカンを含む);ブリオスタチンカリスタチン;CC-1065(アドレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成アナログを含む);クリプトフィジン(特に、クリプトフィジン1およびクリプトフィジン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成アナログKW-2189およびCB1-TM1を含む);エリュテロビンパンクラチスタチンサルコジクチイン(sarcodictyin);スポンギスタチン(spongistatin);ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシルクロルファジン、クロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチンイホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシドメルファランノブエンビチン、フェネステリン、プレドニムスチントロホスファミド、ウラシルマスタードニトロソ尿素、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムスチン(ranimnustine);抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1IおよびカリケアマイシンオメガI1(例えば、Agnew, Chem. Intl. Ed. Engl., 33: 183-186 (1994)を参照のこと));ジネマイシンA(dynemicin A)を含むジネマイシン;ビスホスホネート、例えばクロドロネートエスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォアおよび関連色素タンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリンブレオマイシンカクチノマイシンカラビシンカミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリンクロモマイシン(chromomycinis)、ダクチノマイシンダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシンモルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシンマルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンCミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシンポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリンストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤、例えばメトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸アナログ、例えばデノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリントリメトレキセートプリンアナログ、例えばフルダラビン、6-メルカプトプリンチアミプリン、チオグアニンピリミジンアナログ、例えばアンシタビンアザシチジン6-アザウリジンカルモフールシタラビンジデオキシウリジンドキシフルリジンエノシタビンフロクスウリジンアンドロゲン、例えばカルステロンプロピオン酸ドロモスタノロンエピチオスタノールメピチオスタンテストラクトン;抗副腎剤、例えばアミノグルテチミドミトタントリロスタン;葉酸補充剤、例えば、フォリン酸アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸エニルウラシルアムサクリンベストラブシル;ビサントレンエダトラキセート;デホファミン;デメコルチン;ジアジオンエルルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エポチロンエトグルシド;硝酸ガリウムヒドロキシ尿素レンチナンロニダミン(lonidainine);メイタンシノイド、例えばメイタンシンおよびアンサミトシン(ansamitocin);ミトグアゾン;ミトキサントロンモピダモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメットピラルビシン;ロソキサントロンポドフィリン酸;2-エチルヒドラジドプロカルバジンPSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products, Eugene, Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフランスピロゲルマニウムテヌアゾン酸トリアジクオン;2,2',2''-トリクロロトリエチルアミントリコテセン(特に、T-2毒素ベラキュリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタンビンデシンダカルバジンマンノムスチンミトブロニトール;ミトラクトールピポブロマン;ガシトシンアラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばTAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)、ABRAXANE(登録商標)パクリタキセルのクレモホールフリーアルブミン改変ナノ粒子処方物(American Pharmaceutical Partners, Schaumberg, Ill)およびTAXOTERE(登録商標)ドセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金アナログ、例えばシスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ノバトロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシンアミノプテリン;ゼローダイバンドロネートイリノテカン(Camptosar、CPT-11)(5-FUおよびロイコボリンを用いるイリノテカンの処置レジメンを含む);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチンDMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸カペシタビンコンブレタスタチン;ロイコボリン(LV);オキサリプラチン処置レジメン(FOLFOX)を含むオキサリプラチン;ラパチニブ(Tykerb(登録商標));細胞増殖を減少させるPKC-アルファ、Raf、H-Ras、EGFR(例えば、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))およびVEGF-Aの阻害剤、ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体を含み得る。

0121

本明細書で使用される「細胞傷害剤」という用語は、細胞の機能を阻害するもしくは妨げる、および/または細胞を破壊する物質を表す。この用語は、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位体)、化学療法剤、ならびに毒素、例えば、細菌、真菌、植物もしくは動物起源の低分子毒素または酵素的に活性な毒素(そのフラグメントおよび/もしくは変種を含む)を含むことが意図されている。

0122

本明細書で使用される場合、「化学療法」または「化学療法剤」という用語は、異常な細胞成長によって特徴づけられる疾患の処置において治療的有用性を有する任意の化学的薬剤を表す。そのような疾患は、腫瘍、新生物、およびがんならびに肥厚成長によって特徴づけられる疾患を含む。本明細書で使用される化学療法剤は、化学的薬剤および生物学的薬剤の両方を包含する。これらの薬剤は、がん細胞がその継続的な生存のために依存している細胞活性を阻害するよう機能する。化学療法剤のカテゴリーは、アルキル化アルカロイド剤、代謝拮抗剤、ホルモンまたはホルモンアナログ、および様々な抗新生物薬を含む。これらの薬剤のすべてではないが大部分はがん細胞に対して直接的に毒性であり、免疫刺激を必要としない。1つの態様において、化学療法剤は、新生物、例えば固形腫瘍の処置に使用する薬剤である。1つの態様において、化学療法剤は、放射性分子である。当業者は、使用する化学療法剤を容易に特定することができる(例えば、Slapak and Kufe, Principles of Cancer Therapy, Chapter 86 in Harrison's Principles of Internal Medicine, 14th edition; Perry et al., Chemotherapy, Ch. 17 in Abeloff, Clinical Oncology 2nd Edition, 2000 Churchill Livingstone, Inc; Baltzer L, Berkery R (eds): Oncology Pocket Guide to Chemotherapy, 2nd ed. St. Louis, Mosby-Year Book, 1995; Fischer D S, Knobf M F, Durivage H J (eds): The Cancer Chemotherapy Handbook, 4th ed. St. Louis, Mosby-Year Book, 1993を参照のこと)。本明細書に記載される2特異性および多特異性ポリペプチド剤は、追加の化学療法剤と組み合わせて使用され得る。

0123

「放射線療法」は、その正常に機能する能力を制限するまたは細胞を完全に破壊するために細胞への十分なダメージを誘導する有向性のガンマ線またはベータ線の使用を意味する。処置の線量および期間を決定する多くの方法が当技術分野で公知であることが理解されるであろう。典型的な処置は、1回の投与として与えられ、典型的な線量は、1日あたり10〜200単位(グレイ)の範囲である。

0124

いくつかの態様において、本明細書に記載される方法はさらに、対象に追加の免疫療法を実施する工程を含み得る。本明細書で使用される場合、「免疫療法」は、患者自身の免疫系を腫瘍と戦うよう誘導するように設計された様々な治療戦略のセットを表し、表在性膀胱癌に対する膀胱内BCG免疫療法、特異的な免疫応答、例えば悪性黒色腫および腎細胞癌に対する免疫応答を生じさせるワクチン患者由来樹状細胞を前立腺酸性ホスファターゼペプチドと共に投入前立腺由来細胞に対する特異的な免疫応答を誘導する、前立腺癌に対するシプロイセル-Tの使用、1つもしくは複数の免疫細胞型(例えば、インターロイキン)を刺激するサイトカイン成長因子および/もしくはシグナル伝達分子の投与、患者への再導入前の腫瘍抗原に特異的なリンパ球および/もしくは樹状細胞のエクスビボ拡張および/もしくは刺激、イミキモド養子細胞移入、ならびに/または例えば国際特許公開WO 2003/063792および米国特許第8,329,660号に記載される方法を含むがこれらに限定されない。いくつかの態様において、免疫療法は、NK応答を刺激する。いくつかの態様において、免疫療法は、養子細胞移入アプローチである。

0125

所定のがんに対する処置の効果は、臨床医により決定され得る。しかし、処置は、本明細書に記載される薬剤による処置後に例えば腫瘍の兆候または症状の任意の一つまたはすべてが有益な様式で変化するまたは他の臨床的に認められる症状が例えば少なくとも10%改善もしくは寛解すらされる場合に、本明細書で使用される用語で言う「有効な処置」であるとみなされる。効果はまた、入院または医学的介入の必要性により評価される個体の悪化の防止(すなわち、疾患の進行が停止される)により測定され得る。これらの指標を測定する方法は、当業者に公知でありおよび/または本明細書に記載される。

0126

疾患の処置のための有効量は、それを必要とする哺乳動物に投与された場合に、その疾患に対して本明細書で使用される用語で言う有効な処置をもたらすのに十分な量を意味する。薬剤の効果は、例えばがんの身体的指標、例えば腫瘍サイズ、腫瘍量、腫瘍密度血管新生、腫瘍成長速度等を評価することによって決定され得る。加えて、薬剤の効果は、本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分または本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合部分を含む核酸を含む薬剤で処置された対象における循環中のMICペプチドまたはそのフラグメントの減少によって測定され得る。

0127

本開示の態様の説明は、排他的であることや本開示を開示された正確な形態に限定することを意図していない。本開示の個々の態様および実施例は例示目的で本明細書に記載されているのであり、関連技術分野の当業者が認識するように、様々な等価な改変が本開示の範囲内で可能である。本明細書に提供される開示の技術は、他の手順または方法に適切に適用することができる。本明細書に記載される様々な態様は、さらなる態様を提供するよう組み合わせることができる。本開示の局面は、必要に応じて、本開示のなおさらなる態様を提供するために、上記参考文献および出願の組成物、機能およびコンセプトを利用するよう改変され得る。これらのおよび他の変更は、詳細な説明に照らして本開示に対してなされ得る。

0128

上記態様のいずれかの個々の要素は、他の態様の要素と組み合わせることができまた他の態様の要素と置き換えることができる。さらに、本開示の特定の態様に関連する利点は、これらの態様との関係で記載されているが、他の態様もまたそのような利点を示し得、そしてすべての態様が本開示の範囲に含まれるためにそのような利点を示す必要はない。

0129

特定されているすべての特許およびその他の刊行物は、明示的に、例えば、本発明と関連して使用され得るそのような刊行物に記載される方法論を説明および開示する目的で、参照により本明細書に組み入れられる。これらの刊行物は、それらの開示が本願の出願日より以前であるために提供されるにすぎない。これに関するいかなる事情も、本発明者らが、それが先行発明であるためまたは任意の他の理由によりそのような開示よりも先の日付を主張する資格を有さないことの承認とみなされるべきではない。これらの書類の日付または内容の説明に関するすべての言及は、出願人が利用し得た情報に基づいており、これらの書類の日付または内容の正確性に関する承認とはならない。

0130

本発明は、以下の例によってさらに説明されるが、これらは限定とみなされるべきでない。
[1]
a. SEQID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;
b. SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;
c. SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;
d. SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;
e. SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;および
f. SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3
からなる群より選択される1つまたは複数の重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分。
[2]
a. SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;
b. SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;および
c. SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3
である軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、段落[1]に記載の単離された抗体またはその抗原結合部分。
[3]
a. SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;
b. SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;および
c. SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3
である重鎖相補性決定領域(CDR)を含む、段落[1]〜[2]のいずれか一つに記載の単離された抗体またはその抗原結合部分。
[4]
a. SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;
b. SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;
c. SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;
d. SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;
e. SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;および
f. SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3
である相補性決定領域(CDR)を含む、段落[1]〜[2]のいずれか一つに記載の単離された抗体またはその抗原結合部分。
[5]SEQ ID NO:7の配列を有する軽鎖を含む、段落[1]〜[4]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分。
[6]SEQ ID NO:8の配列を有する重鎖を含む、段落[1]〜[5]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分。
[7]
a. SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1;
b. SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2;
c. SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3;
d. SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1;
e. SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2;
f. SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3
である重鎖および軽鎖相補性決定領域(CDR)を含む、sMICポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体またはその抗原結合部分。
[8]CDRに含まれない配列中に保存的置換をさらに含む、段落[1]〜[7]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分。
[9]前記抗体またはポリペプチドが、
免疫グロブリン分子、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、ジスルフィド連結Fv、scFv、単一ドメイン抗体、ダイアボディ、多重特異性抗体、二重特異性抗体(dual specific antibody)、抗イディオタイプ抗体および二重特異性抗体(bispecific antibody)
からなる群より選択される、段落[1]〜[8]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分。
[10]sMICに特異的に結合する、段落[1]〜[9]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分。
[11]段落[1]〜[10]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
[12]段落[1]〜[10]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分をコードする核酸。
[13]抗体またはその抗原結合部分のCDRをコードする核酸配列の1つまたは複数がSEQ ID NO:1〜6からなる群より選択される、段落[12]に記載の核酸。
[14]抗体またはその抗原結合部分のCDRをコードする核酸配列がSEQ ID NO:1〜6である、段落[12]に記載の核酸。
[15]cDNAである、段落[12]〜[14]のいずれか一つに記載の核酸。
[16]段落[1]〜[10]のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合部分を細胞と接触させるまたは対象に投与する工程を含む、sMICを阻害する方法。
[17]有効量の段落[1]〜[10]のいずれか一つに記載の抗体もしくはその抗原結合部分または段落[11]に記載の薬学的組成物を対象に投与する工程を含む、その必要のある対象においてMIC陽性がんを処置する方法。
[18]MIC陽性がんが腫瘍である、段落[17]に記載の方法。
[19]MIC陽性がんが上皮細胞腫瘍である、段落[17]に記載の方法。
[20]MIC陽性がんが造血器悪性腫瘍である、段落[17]に記載の方法。
[21]追加の免疫療法を施す工程をさらに含む、段落[17]〜[20]のいずれか一つに記載の方法。

0131

実施例1
NKG2D媒介抗腫瘍免疫は、実験動物モデルにおいて証明されている。しかし、NKG2Dリガンドが腫瘍の抑制または進行に寄与するかどうかは、臨床的には議論の余地がある。本明細書には、ネイティブヒトNKG2DリガンドであるMICBまたは操作された膜限定MICB(MICB.A2)を自然発生発がん現象TRAMPマウスモデルの前立腺で発現させた、「ヒト化」された二重トランスジェニック(bi-Tg)マウスの2つの新規の系統が記載されている。bi-Tg TRAMP/MICBマウスは、進行癌腫および転移の発生率の顕著な増加を示し、他方、TRAMP/MICB.A2マウスは、持続的なNKG2D媒介抗腫瘍免疫によって与えられた長期間の無腫瘍生存期間を満喫した。メカニズム的に、TRAMP/MICBマウスにおけるがんの進行は、腫瘍由来可溶性MICB(sMICB)の高い血清レベルに起因する末梢NK細胞プールの喪失を伴うことが見出された。これらの知見はまた、前立腺癌患者においても証明された。まとめると、この研究は、可溶性および膜限定NKG2Dリガンドが、がんの進行に対して異なる反対の影響を生じさせることを実証する、「ヒト化」されたマウスモデルにおける最初の直接的、決定的な証拠を提供するだけでなく、sMICにより誘導されるNK細胞抗腫瘍免疫の減損の新規のメカニズムを明らかにした。この知見は、可溶性NKG2DリガンドがNK細胞ベースのがん免疫療法を可能にすることを示している。このため、本明細書に記載される他に例を見ないマウスモデルは、免疫療法を最適化する上で有益である。

0132

序論
NKG2Dおよびそのリガンドは、実験動物モデルにおいて証明されるように、抗腫瘍免疫において重要である。NKG2Dは、すべてのナチュラルキラー(NK)細胞、大部分のNKT細胞、γδT細胞のサブセット、すべてのヒトCD8 T細胞、および活性化されたマウスCD8 T細胞によって発現される活性化受容体である(1、2)。NKG2Dの結合は、インビトロでNK細胞を活性化させ、CD8およびγδT細胞を共刺激することができる(3〜5)。NKG2Dリガンドの発現の強化により、腫瘍細胞は、NK細胞に依存する様式で同種マウスにおいて拒絶され、そしていくつかの例では、CD8 T細胞を刺激した(6、7)。特異的抗体によるインビボでのNKG2Dの中和は、発がん物質により誘導される自然腫瘍発生に対する宿主の感受性を増強する(8)。NKG2D欠損TRAMPマウス(マウス前立腺のトランスジェニック腺癌)は、NKG2DWT TRAMP対応動物よりも侵襲性の低分化(PD)前立腺癌を発生させる可能性が3倍高くなる(9)。さらに、NKG2DWT TRAMPマウスにおいて、PD前立腺癌への進行は、大部分で、腫瘍細胞によるNKG2Dリガンド発現の下方調節を伴っていた(9)。

0133

興味深いことに、大部分のヒト腫瘍、特に、上皮起源の腫瘍は、豊富なNKG2Dリガンドを発現しているが、それでも進行型疾患に進行し(10、11)、このことはNKG2Dの機能ががん患者においては損なわれていることを示唆している。腫瘍細胞がどのようにしてNKG2D免疫を回避するかを説明するために様々なメカニズムが提案されている。1つの支配的な考え方は、そのリガンドへの慢性的な曝露によるNKG2D機能の消耗が腫瘍の免疫回避および進行に大きく寄与するということである(12〜19)。しかし、がん患者におけるNKG2Dリガンド発現の予後値は、良くても不一致である(20〜24)。NKG2Dリガンド発現のレベルは、結腸直腸癌および乳癌の初期段階における良好な臨床的予後と(22〜24)、しかし、卵巣および侵襲性乳癌においては不良な生存(20、21)と相関することが報告された。さらに、がん患者におけるNKG2D消耗の根底にあるメカニズムもまた、議論中である。1つの仮説は、腫瘍に関連する脱離の結果としての可溶性NKG2DリガンドがNKG2D機能の負の調節因子であり、免疫回避のメカニズムを付与するということを提案している。実際、臨床データは、可溶性NKG2Dリガンドの血清レベルの上昇が進行した上皮悪性腫瘍と相関することを実証した(13、14、25〜29)。別の仮説は、正常マウスにおけるNKG2Dリガンドの構成的かつ異所的発現がNKG2D機能を下方調節する(12、15、19)という観察に基づき、腫瘍細胞表面における膜結合NKG2Dリガンドに対する慢性的曝露もまたNKG2D免疫を減損させるということを提案している。

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