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技術 プロピレン系ポリマー及びエチレン系ポリマーを含む共押出多層フィルム

出願人 ダウグローバルテクノロジーズエルエルシー
発明者 スティーブン・アール・ジェンキンスチャン・ドン・リージョセフ・ドゥーリードナルド・イー・カークパトリックバーナード・イー・オビ
出願日 2014年6月25日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-523880
公開日 2016年8月12日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2016-523744
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2)
主要キーワード エッジオン 融解開始点 ダイ間隔 核形成点 拘束形状 コア構成要素 真空成形物 ナノ層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年8月12日)のものです。
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図面 (2)

課題・解決手段

本開示は、共押出多層フィルムを提供する。ある実施形態において、共押出多層フィルムは、A層及びB層の15〜1000個の交互層を有するコア構成要素を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、またA層は、結晶化温度TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、TPc<TEcである結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満の有効水分透過率を有する。

概要

背景

本開示は、バリア特性を提供するナノ層構造を有する多層フィルムを対象とする。

改良されたバリア特性が有益であろうプラスチックフィルムまたはシートの多くの用途が存在する。例えば、所与バリアを実現するためにより少ない体積を用いる、薄肉な全体的な厚さを有するフィルムは、ポリマーによって使用される「空き」体積によって改良された靱性及び他の特性を提供することができ、バリア以外の属性を提供する。

その結果として、改良されたバリア特性を有するフィルムの必要性が存在する。さらに、改良されたバリア特性を有する薄肉化された包装システムを可能にするフィルムの必要性が存在する。

概要

本開示は、共押出多層フィルムを提供する。ある実施形態において、共押出多層フィルムは、A層及びB層の15〜1000個の交互層を有するコア構成要素を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、またA層は、結晶化温度TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、TPc<TEcである結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満の有効水分透過率を有する。

目的

例えば、所与のバリアを実現するためにより少ない体積を用いる、薄肉な全体的な厚さを有するフィルムは、ポリマーによって使用される「空き」体積によって改良された靱性及び他の特性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

A層及びB層の15〜1000個の交互層を含むコア構成要素を含み、A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含み、B層は、TPc<TEcである結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含み、A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満の有効水分透過率を有する、共押出多層フィルム

請求項2

A層は、30nm〜500nmの厚さを有する、請求項1に記載の前記多層フィルム

請求項3

A層は、125℃未満のTPcを有するプロピレンホモポリマーを含む、請求項1または2のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項4

前記プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項5

前記プロピレンホモポリマーは、35%〜60%の結晶化度を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項6

前記コア構成要素は、A層及びB層の60〜70個の交互層を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項7

B層は、少なくとも0.94g/ccの密度を有する高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項8

前記A層は、100nm〜500nmの厚さを有し、またA層は、プロピレンホモポリマーを含み、B層は、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有する高密度ポリエチレンを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項9

A層は、100nm〜400nmの厚さを有し、1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有するプロピレンホモポリマーを含み、B層は、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有するHDPEを含み、A層は、0.1〜0.30g−ミル/100インチ2/日以下の有効水分透過率を有する、60〜70個の交互層を含む請求項1に記載の前記多層フィルム。

請求項10

少なくとも1つのスキン層を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項11

A層及びB層の15〜1000個の交互層を含むコア構成要素を含み、A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含み、B層は、TEc<TPcである結晶化温度(TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含み、A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満の有効水分透過率を有する、共押出多層フィルム。

請求項12

A層は、30nm〜500nmの厚さを有する、請求項11に記載の前記多層フィルム。

請求項13

A層は、少なくとも0.94g/ccの密度を有する高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、請求項11または12のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項14

A層は、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有するHDPEを含む、請求項11〜13のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項15

B層は、プロピレンホモポリマーを含む、請求項11〜14のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項16

前記プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有する、請求項11〜15のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項17

前記プロピレンホモポリマーは、35%〜60%の結晶化度を有する、請求項11〜16のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項18

前記A層は、100nm〜500nmの厚さを有し、またA層は、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有する高密度ポリエチレンを含み、B層は、プロピレンホモポリマーを含む、請求項11〜17のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項19

前記コア構成要素は、60〜70個の交互層を含み、A層は、100nm〜400nmの厚さを有し、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有するHDPEを含み、B層は、プロピレンホモポリマーを含み、A層は、0.01〜0.30g−ミル/100インチ2/日以下の有効水分透過率を有する、請求項11〜18のいずれかに記載の前記多層フィルム。

請求項20

スキン層を含む、請求項11〜19のいずれかに記載の前記多層フィルム。

背景技術

0001

本開示は、バリア特性を提供するナノ層構造を有する多層フィルムを対象とする。

0002

改良されたバリア特性が有益であろうプラスチックフィルムまたはシートの多くの用途が存在する。例えば、所与バリアを実現するためにより少ない体積を用いる、薄肉な全体的な厚さを有するフィルムは、ポリマーによって使用される「空き」体積によって改良された靱性及び他の特性を提供することができ、バリア以外の属性を提供する。

0003

その結果として、改良されたバリア特性を有するフィルムの必要性が存在する。さらに、改良されたバリア特性を有する薄肉化された包装システムを可能にするフィルムの必要性が存在する。

0004

本開示は、ナノ層構造であるコア構成要素を有する共押出多層フィルムを対象とする。ナノ層構造は、多層フィルムに改良されたバリア特性を提供する。特定のナノ層構造を形成するように材料を共押出することにより、改良された水分バリア及び改良されたガスバリア特性予期せぬ組み合わせを有するフィルムまたはシートが提供される。

0005

本開示は、共押出多層フィルムを提供する。一実施形態において、共押出多層フィルムは、A層及びB層の15〜1000個の交互層を有するコア構成要素を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、またA層は、結晶化温度TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、TPc<TEcである結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満(6.2g−ミル/m2/24時間(時間)未満)の有効水分透過率を有する。

0006

本開示は、別の共押出多層フィルムを提供する。一実施形態において、共押出多層フィルムは、A層及びB層の15〜1000個の交互層を有するコアを含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、またA層は、結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。B層は、TEc<TPcである結晶化温度(TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満(6.2g−ミル/m2/24時間未満)の有効水分透過率を有する。

図面の簡単な説明

0007

添付の図面は、以下の説明とともに、本開示及びその実施形態を例示し、さらなる理解を提供する役割を果たし、本明細書に組み込まれ、かつその一部を成す。

0008

本開示の実施形態による多層フィルムまたはシート構造を作製する方法を例示する略図である。

0009

定義
ブレンド」、「ポリマーブレンド」等の用語は、2つ以上のポリマーの複合体を意味する。そのようなブレンドは、混和性であってもまたはそうでなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していてもまたはしていなくてもよい。そのようなブレンドは、透過型電子顕微鏡光散乱X線散乱、及び当該技術分野で既知の任意の他の方法から決定されるように、1つ以上のドメイン構成を含有していてもまたはしていなくてもよい。ブレンドは積層ではないが、積層の1つ以上の相がブレンドを含有してもよい。

0010

「複合体」等の用語は、他のポリマーとブレンドされたポリマー、または添加剤充填剤等を含有するポリマー等の、2つ以上の材料の混合物を意味する。複合体に含まれるのは、反応前混合物反応混合物、及び反応後混合物であり、後者は、存在する場合、反応前混合物または反応混合物のうちの1つ以上の成分から形成される、反応生成物及び副生成物ならびに反応混合物の未反応成分及び分解生成物を含む。

0011

「エチレン系ポリマー」は、(重合可能モノマーの総重量に基づいて)50モルパーセントを超える重合エチレンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有してもよい。

0012

本明細書において使用される場合、より厚みのある物品において「フィルム層」に言及する場合を含む「フィルム」という用語は、明示的に厚さが特定されていない限り、最大約0.254ミリメートル(10ミル)の一定かつ均一な厚さを有する、任意の薄い平坦押出されたまたは鋳造された熱可塑性の物品を含む。フィルムの「層」は、後により詳細に論じられるナノ層の場合のように、非常に薄くてもよい。

0013

本明細書において使用される場合、「シート」という用語は、明示的に厚さが特定されていない限り、一般に少なくとも0.254ミリメートルの厚さであり、かつ最大約7.5mm(295ミル)の厚さである、「フィルム」よりも厚い略一定かつ均一な厚さを有する、任意の薄い平坦な押出されたまたは鋳造された熱可塑性の物品を含む。いくつかの場合において、シートは、最大6.35mm(250ミル)の厚さを有するとみなされる。

0014

フィルムまたはシートのいずれであっても、それらの用語が本明細書において使用される場合、必ずしも平面という意味での「平坦」である必要はないが、本開示によるA層及びB層を用い、かつ本開示によるフィルムまたはシートの厚さ内の比較的薄い断面を有する、異形パリソン、管等の形状の形態であってもよい。「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されるポリマーを意味する。この一般名称は、通常、2つ以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを指して用いられるコポリマーを含み、2つより多くの異なるモノマーから調製されるポリマー、例えば、ターポリマーテトラポリマー等を含む。

0015

融点」(Tm)は、推定される融解開始点であり、「試験方法」の項に記載されるようにDSCによって決定される。

0016

「結晶化温度」(Tc)は、推定される結晶開始点であり、「試験方法」の項に記載されるようにDSCによって決定される。

0017

ガラス遷移温度」(Tg)は、「試験方法」の項に記載されるようにDSC加熱曲線によって決定される。

0018

「ナノ層構造」は、本明細書において使用される場合、各層が1ナノメートル〜900ナノメートルの厚さである2つ以上の層を有する多層構造である。

0019

オレフィン系ポリマー」は、本明細書において使用される場合、(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)50モルパーセントを超える重合オレフィンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有してもよい。オレフィン系ポリマーの非限定的な例として、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが挙げられる。

0020

「ポリマー」は、同じ種類であろうと異なる種類であろうと、モノマーを重合することによって調製される化合物を意味し、重合形態において、ポリマーを構成する複数の及び/または反復する「単位」または「mer単位」を提供する。従って、ポリマーという一般名称は、通常、1種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指すために用いられるホモポリマーという用語と、本明細書において後に定義されるインターポリマーという用語とを包含する。この用語はまた、例えば、ランダムブロック等の全ての形態のインターポリマーを包含する。「エチレンα−オレフィンポリマー」及び「プロピレン/α−オレフィンポリマー」という用語は、エチレンまたはプロピレンのそれぞれを、1つ以上のさらなる重合可能なα−オレフィンモノマーと重合することによって調製される、後に記載されるようなインターポリマーを意味する。ポリマーは、しばしば、1つ以上の特定のモノマーから「作製される」、特定のモノマーまたはモノマー種に「基づく」、特定のモノマー含有量を「含む」等と称されるが、本発明の文脈において、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合残留物に言及しているということが明らかに理解されることに留意されたい。一般的に、本明細書に記載されるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づいていると称される。

0021

「プロピレン系ポリマー」は、(重合可能なモノマーの総重量に基づいて)50モルパーセントを超える重合プロピレンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有してもよい。

0022

本明細書における数の位及び範囲は近似値であり、したがって、別途指示されない限り、範囲外の値を含んでもよい。数の範囲(例えば、「XからY」または「X以上」または「Y以下」)は、下方値から上方値の全ての値を1単位の増分で含むが、但し、任意の下方値と任意の上方値との間に少なくとも2単位の開きが存在するものとする。一例として、組成特性物理特性、または例えば温度等の他の特性が100〜1,000である場合、100、101、102等の全ての個々の値、及び例えば、100〜144、155〜170、197〜200等の部分範囲が明示的に列挙される。1未満の値を含む範囲、または1より大きな分数(例えば、1.1、1.5等)を含む範囲の場合、1単位は、必要に応じて0.0001、0.001、0.01、または0.1であるとみなされる。10未満の1桁の数を含む範囲(例えば、1〜5)の場合、1単位は典型的には0.1であるとみなされる。明示的な値を含む範囲(例えば、1もしくは2、または3〜5、または6もしくは7)の場合、任意の2つの明示的な値間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1〜2;2〜6;5〜7;3〜7;5〜6等)。

0023

これらは、具体的に意図されることの例であるに過ぎず、列挙される最も低い値と最も高い値の間の数値の考えられる全ての組み合わせが、本開示において明示的に記載されているものとみなされる。

0024

1.拘束層−エチレン系ポリマー
本開示は、多層フィルムを提供する。一実施形態において、多層フィルムは、エチレン系ポリマーである拘束ポリマーを含む。エチレン系ポリマーは、バリア層に使用されるポリマーの結晶化温度よりも高い結晶化温度Tcを有する。結晶化温度Tcは、ポリマーが溶融状態から半結晶状態に結晶化する(または凝固する)時を示す。

0025

一実施形態において、共押出多層フィルムが提供され、それはコア構成要素を含む。コア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。B層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、TPc<TEcである結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満(6.2g−ミル/m2/24時間未満)の有効水分透過率を有する。

0026

一実施形態において、A層は、0.1〜、または0.16〜、または0.2〜0.30g−ミル/100インチ2/日以下=(1.55、または2.48、または3.1〜4.65g−ミル/m2/24時間以下)の有効水分透過率を有する。

0027

A.A層
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。A層は、プロピレン系ポリマーを含む。プロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーまたはプロピレン/α−オレフィンコポリマーであってもよい。

0028

一実施形態において、プロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーである。プロピレンホモポリマーは、0.1g/10分〜、または0.5g/10分〜、または1.0g/10分〜、または1.5g/10分〜2.0g/10分、または〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレンホモポリマーは、0.85g/cc〜0.95g/ccの密度を有する。プロピレンホモポリマーは、125℃未満、または115℃〜、もしくは118℃〜、もしくは120℃〜、もしくは122℃〜125℃未満の結晶化温度(T1c)を有する。プロピレンホモポリマーは、155℃〜、または160℃〜165℃、または〜170℃の融解温度Tmを有する。プロピレンホモポリマーは、30%〜、または35%〜、または38%〜40%〜45%、または〜50%、または〜55%、または〜60%の結晶化度を有する。

0029

一実施形態において、プロピレン系ポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーである。α−オレフィンは、C4−C20α−オレフィン、またはC4−C10α−オレフィンである。別の実施形態において、α−オレフィンは、1−ブテン、1−ヘキサン、及び1−オクテンからなる群から選択される。さらなる実施形態において、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは10%〜40%の結晶化度を有する。

0030

一実施形態において、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、プロピレン/エチレンコポリマーである。プロピレン/エチレンコポリマーは、0.1g/10分〜10g/10分のMFRを有する。プロピレン/エチレンコポリマーは、0.85g/cc〜0.93g/ccの密度を有する。

0031

B.B層
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。B層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。エチレン系ポリマーは、B層のエチレン系ポリマーの結晶化温度TEcがA層のプロピレン系ポリマーの結晶化温度(TPc)よりも高くなるように選択される。

0032

A層のプロピレン系ポリマーの結晶化温度TPcとB層のエチレン系の結晶化温度(TEc)との間の関係は、
TPc<TEcであり、
式中、TPc及びTEcは、それぞれ摂氏(℃)である。

0033

B層のエチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマーまたはエチレン/α−オレフィンコポリマーであってもよい。エチレン系ポリマーは、0.01g/10分(g/10分)〜35g/10分のメルトインデックスを有する。

0034

一実施形態において、B層は、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。「高密度ポリエチレン」(または「HDPE」)は、本明細書において使用される場合、少なくとも0.94g/cc、または少なくとも0.94g/cc〜0.98g/ccの密度を有するエチレン系ポリマーである。HDPEは、0.1g/10分〜25g/10分のメルトインデックスを有する。

0035

HDPEは、エチレン及び1つ以上のC3−C20α−オレフィンコモノマーを含むことができる。コモノマー(複数可)は、線形または分岐状であってもよい。好適なコモノマーの非限定的な例として、プロピレン、1−ブテン、1ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、及び1−オクテンが挙げられる。HDPEは、スラリー反応器ガス相反応器、または溶液反応器において、Ziegler−Natta触媒クロム系触媒拘束形状触媒、またはメタロセン触媒のいずれかを用いて調製することができる。エチレン/C3−C20α−オレフィンコモノマーは、その中に少なくとも50重量パーセントの重合エチレン、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの重合形態のエチレンを含む。

0036

一実施形態において、HDPEは、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスを有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである。一実施形態において、HDPEは、0.960g/cc〜0.970g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスを有する。

0037

一実施形態において、HDPEは、0.95g/cc〜、または0.96g/cc〜0.97g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/分のメルトインデックスを有する。

0038

一実施形態において、HDPEは、0.96g/cc〜0.97g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスを有する。

0039

好適なHDPEの非限定的な例として、ELITE5960G、HDPE KT 10000 UE、HDPE KS 10100 UE、及びHDPE 35057Eが挙げられ、それぞれ、The Dow Chemical Company Midland(Michigan,USA)から入手可能である。

0040

一実施形態において、B層は、HDPEと、1つ以上のさらなるポリマーとのブレンドを含んでもよい。B層の好適なブレンド構成要素の非限定的な例として、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、及びそれらの組み合わせが挙げられる。

0041

HDPEは、上記実施形態のうちの2つ以上を含んでもよい。

0042

一実施形態において、多層フィルムは、125℃未満のT1cを有するプロピレンホモポリマーを有するA層を含む。プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレン系ポリマーは、35%〜60%の結晶化度を有する。B層は、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有するHDPEを含む。

0043

一実施形態において、多層フィルムは、118℃以下のTPcを有するプロピレンホモポリマーを有するA層を含む。プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレン系ポリマーは、35%〜45%の結晶化度を有する。B層は、密度が0.95g/cc〜0.97g/ccであり、TEcが118℃を超えるHDPEを含む。

0044

C.コア構成要素
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。

0045

一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の15〜、または30〜、または33〜、または50〜、または60〜、または65〜、または70〜、または100〜、または129〜、または145〜、または150〜、または200〜250、または〜257、または〜300、または〜400、または〜450、または〜500、または〜1000個の交互層を含む。

0046

A層及びB層の厚さは、同じであってもまたは異なってもよい。一実施形態において、A層の厚さは、B層の厚さと同じか、または実質的に同じである。A層は、10nm〜、または20nm〜、または30nm〜、または50nm〜、または70nm〜、または80nm〜、または100nm〜、または145nm〜、または150nm〜、または198nm〜、または200nm〜、または250nm〜、または290nm〜、または300nm〜、または350nm〜、または396nm〜、または400nm〜、または450nm〜500nm、または〜600nm、または〜700nm、または〜792nm、または〜800nm、または〜900nm、または〜1000nmの厚さを有する。B層は、10nm〜、または20nm〜、または30nm〜、または50nm〜、または70nm〜、または80nm〜、または100nm〜、または145nm〜、または150nm〜、または198nm〜、または200nm〜、または250nm〜、または290nm〜、または300nm〜、または350nm〜、または396nm〜、または400nm〜、または450nm〜500nm、または〜600nm、または〜700nm、または〜792nm、または〜800nm、または〜900nm、または〜1000nmの厚さを有する。

0047

コア構成要素内に存在するA層及びB層の数は、同じであってもまたは異なってもよい。一実施形態において、A層:B層の比(B層の数に対するA層の数)は、1:1〜、または3:1〜9:1である。

0048

一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の60〜70個、または65個の交互層を含み、コア構成要素は、50:50〜、または75:25〜90:10のA層:B層の比を有する。A層は、100nm〜500nm、または100nm〜400nmの厚さを有する。

0049

コア構成要素は、図1に概ね図示されるような多層共押出装置を用いて生成されてもよい。複数成分多層系用のフィードブロックは、通常、異なる成分材料層構造中にポリマー成分を組み合わせる。出発層厚(それらの相対的体積百分率)は、最終フィルムにおけるA及びB層の所望の相対的な厚さを提供するために用いられる。

0050

本発明のコア構成要素は、ポリマー材料「A」(生成物層A)及びポリマー材料「B」(生成物層B)からなる2成分構造であり、最初に出発時の「AB」または「ABA」層状供給流構成に共押出される(「A」はA層を意味し、「B」はB層を意味する)。次いで、既知のレイヤーマルチプライヤー技術を適用して、供給流から得られた層を多層化及び薄肉化することができる。多層化は、通常、初期供給流を2つ以上のチャネルに分割し、そのチャネルを「積み重ねる」ことによって行われる。フィードブロック及び反復する同一のレイヤーマルチプライヤーを使用した多層構造内の層の総数を計算するための一般式は、Nt=(NI)(F)nであり、式中、Ntは、最終構造内の層の総数であり、NIは、フィードブロックによって生成される層の初期数であり、Fは、通常は2つ以上のチャネルの「積み重ね」である単一のレイヤーマルチプライヤーにおける多層化の回数であり;nは、用いられる同一の多層化の回数である。

0051

2成分材料A及びBの多層構造の場合、多層化ステップ(複数可)の後にフィルムまたはシートの両側で外側の層が同じである最終フィルムまたはシートをもたらすために、3層のABA初期構造が頻繁に用いられる。最終フィルムまたはシートのA層及びB層が略等しい厚さ及び等しい体積百分率であることが意図される場合、出発ABA層構造の2つのA層はB層の厚さの半分であるが、多層化において一緒に組み合わせる場合、同じ層厚(2つのより薄い外側の層は除く)を提供し、体積百分率に関しては半分を構成する。見て取れるように、多層化プロセスは、出発構造複数回分割して積み重ねるため、2つの外側のA層は、供給流が「積み重ねられる」たびに常に組み合わされ、その後、結局はB層の厚さと等しくなる。一般に、出発時のA層及びB層の厚さ(相対的体積百分率)は、最終フィルムにおけるA及びB層の所望の相対的な厚さを提供するために用いられる。層を数える目的のために、2つの隣接する同様の層の組み合せは単一の個別層のみを生成すると考えられるため、「ABA」フィードブロック及び反復する同一のレイヤーマルチプライヤーを使用した多層構造内の「個別の」層の総数を計算するために、一般式Nt=(2)(n+1)+1が使用される:式中、Ntは、最終構造内の層の総数であり;3つの初期層は、フィードブロックによって生成され;多層化は、2つのチャネルへの分割及び積み重ねであり;nは、用いられる同一の多層化の回数である。

0052

好適な2成分共押出システム(例えば、「AB」または「ABA」の反復)は、溶融ポンプによって共押出フィードブロックに接続された2つの3/4インチ(19.75mm)単軸スクリュー押出機を有する。溶融ポンプは、多層供給流における2つまたは3つの平行な層としてフィードブロック内で組み合わされる2つの溶融流を制御する。溶融ポンプの速度を調節することによって相対的な層体積(厚さ)が変化し、したがってA層のB層に対する厚さの比が変化する。フィードブロックから、供給流の溶融物一連の多層化要素を通過する。本開示の構造の製造において溶融流をフィードブロックにポンプで送るために使用される押出機の数は、異なる成分の数と略等しいということを理解されたい。したがって、多層構造中の3成分反復セグメント(ABC...)は、3つの押出機を必要とする。

0053

既知のフィードブロックプロセス及び技術の例は、WO 2008/008875、米国特許第3,565,985号、米国特許第3,557,265号、及び米国特許第3,884,606号に例示され、その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。多層化プロセスのステップは、例えば、米国特許第5,094,788号及び同第5,094,793号(参照により本明細書に組み込まれる)に示されており、熱可塑性の樹脂状物質を含有する多層フロー流を第1、第2、及び任意選択的に他の副流に分割し、複数の副流を積み重ねた様式で組み合わせ、圧縮し、それによって多層フロー流を形成することによる、多層フロー流の形成を教示している。フィルムまたはシートの生成に用いられる材料、及び所望のフィルムまたはシート構造に応じて必要な場合があるように、多層フロー流の2つ以上の層を含むフィルムもしくはシートは、コアの周囲に積み重ねられた1つ以上の略円形もしくは長方形封入層を用いて封入する米国特許第4,842,791号によって示されるような;略円形の不均一な封入層を有する米国特許第6,685,872号によって示されるような;及び/または封入された多層化フィルムもしくはシートが環状ダイプロセスにおいて生成されるWO 2010/096608A2によって示されるような、封入技術によって提供され得る。米国特許第4,842,791号及び同第6,685,872号ならびにWO 2010/096608A2は、参照により本明細書に組み込まれる。

0054

一実施形態において、コア構成要素のA層は、30nm〜500nmの厚さを有する。さらなる実施形態において、A層は、100nm〜500nmの厚さを有する。

0055

一実施形態において、A層は、125℃未満のTPcを有するプロピレンホモポリマーを含む。さらなる実施形態において、プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のメルトフローレートを有する。なおもさらなる実施形態において、プロピレンホモポリマーは、35%〜60%の結晶化度を有する。B層は、少なくとも0.94g/ccの密度、または0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有する高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。

0056

一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の60〜70個の交互層を有する。

0057

一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の60〜70個の交互層を有する。コア構成要素のA層は、100nm〜400nmの厚さを有し、かつ上に開示されたようなプロピレンホモポリマーを含む。B層は、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有する高密度ポリエチレンを含む。A層は、0.1〜、または0.16〜、または0.2〜0.30g−ミル/100インチ2/日以下(1.55、2.48、または3.1〜4.65g−ミル/m2/24時間以下)の有効水分透過率を有する。

0058

一実施形態において、コア構成要素は、0.1ミル(2.54マイクロメートル)〜10.0ミル(254マイクロメートル)の総厚さを有する。さらなる実施形態において、コア構成要素は、0.1ミル〜、または0.2ミル〜、または0.3ミル〜、または0.4ミル〜、または0.5ミル〜0.8ミル、または〜1.0ミル、または〜1.5ミル、または〜2.0ミル、または〜3.0ミル、または〜5.0ミル、または〜7.5ミル、または〜10.0ミルの厚さを有する。

0059

コア構成要素は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。

0060

D.スキン層
一実施形態において、多層フィルムは、少なくとも1つのスキン層を含む。さらなる実施形態において、多層フィルムは、2つのスキン層を含む。スキン層は、最も外側の層であり、コア構成要素の各側に1つのスキン層がある。スキン層は、互いに対向し、コア構成要素を挟む。各個々のスキン層の組成は、他のスキン層と同じであってもまたは異なってもよい。スキン層として使用することができる好適なポリマーの非限定的な例として、ポリプロピレンポリエチレンオキシドポリカプロラクトンポリアミドポリエステルポリふっ化ビニリデンポリスチレンポリカーボネートポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、エチレン−co−アクリル酸コポリマーポリオキシメチレン、及びこれらのうちの2つ以上のブレンド;ならびにこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。

0061

一実施形態において、スキン層は、プロピレン系ポリマー、エチレン系ポリマーポリエチレンポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、プロピレンコポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びポリエチレン−co−アクリル酸コポリマーを含む。

0062

各スキン層の厚さは、同じであってもまたは異なってもよい。2つのスキン層は、多層フィルムの総体積の5%〜、または10%〜、または15%〜20%、または〜30%、または〜35%の厚さを有する。

0063

一実施形態において、スキン層の厚さは同じである。同じ厚さの2つのスキン層は、上に記載した体積百分率で多層フィルム内に存在する。例えば、35%のスキン層を有する多層フィルムは、各スキン層が多層フィルムの総体積の17.5%で存在することを意味する。

0064

一実施形態において、各スキン層の組成は同じであり、プロピレン系ポリマーである。さらなる実施形態において、各スキン層は、A層に存在するプロピレン系ポリマーと同じプロピレン系ポリマーである。

0065

一実施形態において、各スキン層は、プロピレンホモポリマーを含む。各スキン層のプロピレンホモポリマーは、0.1g/10分〜、または0.5g/10分〜、または1.0g/10分〜、または1.5g/10分〜2.0g/10分、または〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレンホモポリマーは、0.85g/cc〜0.95g/ccの密度を有する。プロピレンホモポリマーは、125℃未満、または115℃〜、もしくは118℃〜、もしくは120℃、もしくは122℃〜125℃未満の結晶化温度(T1c)を有する。プロピレンホモポリマーは、155℃〜170℃の融解温度Tmを有する。プロピレンホモポリマーは、30%〜、または35%〜、または38%〜40%〜45%、または〜50%、または〜55%、または〜60%の結晶化度を有する。

0066

E.任意選択的な他の層
スキン層は、コア構成要素と直接接触していてもよい(介在層が存在しない)。代替として、多層フィルムは、各スキン層とコア構成要素との間に1つ以上の介在層を含んでもよい。本発明の多層フィルムは、任意選択的なさらなる層を含んでもよい。任意選択的な層(複数可)は、コア構成要素とスキン層(複数可)との間に位置する介在層または中間層)であってもよい。そのような介在層(または中間層)は、単一の層、反復する層、または規則的に反復する層(複数可)であってもよい。そのような任意選択的な層は、十分な接着性を有し(または提供し)、フィルムまたはシートに所望の特性を提供する材料、例えば、タイ層、バリア層、スキン層等を含んでもよい。

0067

タイ層または接着層として用いることができる好適なポリマーの非限定的な例として、オレフィンブロックコポリマー、例えば、INTUNE(登録商標)(The Dow Chemical Company)の商標名で販売されるプロピレン系ブロックコポリマー、及びINFUSE(登録商標)(The Dow Chemical Company)の商標名で販売されるエチレン系ブロックコポリマー;極性エチレンコポリマー、例えば、酢酸ビニルアクリル酸アクリル酸メチル、及びアクリル酸エチルを含むコポリマー;アイオノマー無水マレイン酸グラフトエチレンポリマー及びコポリマー;これらのうちの2つ以上のブレンド;ならびにこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。

0068

バリア層として用いることができる好適なポリマーの非限定的な例として、ポリエチレンテレフタレートエチレンビニルアルコールポリ塩化ビニリデンコポリマー、ポリアミド、ポリケトン、MXD6ナイロン、これらのうちの2つ以上のブレンド;及びこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。

0069

上述のように、本開示による多層フィルムは、最終物品において構造または他の特性を提供する他の内部層を有するより厚みのある構造における構成要素として有利に用いることができる。例えば、スキン層は、水分バリア特性、ガスバリア特性、物理特性、及び低コストの組み合わせが適切である包装及び多くの他の用途に適したフィルムを提供するために、コア構成要素のいずれかの側に有利に用いられる靱性、印刷適性等のさらなる望ましい特性を有するように選択されてもよい。本開示の別の態様において、タイ層は、本開示による多層フィルムまたはシート構造とともに使用することができる。

0070

F.多層フィルム
本開示の拘束層にエチレン系ポリマーを有する多層フィルムは、独立型フィルムであってもよいか、または別のフィルム、積層、シート、もしくは物品の構成要素であってもよい。

0071

本発明の多層フィルムは、種々の既知のフィルムもしくはシート用途のためのフィルムもしくはシートとして、またはより厚みのある構造における層として、かつ軽量及び低コストを維持するために使用されてもよい。

0072

外側の表面層またはスキン層及び任意選択的な他の内部層を有する積層構造または物品においてこのように用いられる場合、本発明の多層フィルムは、異形、管、パリソン、または他の積層物品の形態を含む望ましいフィルムまたはシートの少なくとも5体積%を提供するように使用されてもよく、その残りは、最大95体積%のさらなる外側の表面層もしくはスキン層及び/または内部層によって構成される。

0073

一実施形態において、本発明の多層フィルムは、積層物品の少なくとも10体積%、または少なくとも15体積%、または少なくとも20体積%、または少なくとも25体積%、または少なくとも30体積%を提供する。

0074

一実施形態において、本発明の多層フィルムは、最大100体積%、または80体積%未満、または70体積%未満、または60体積%未満、または50体積%未満を提供する。

0075

2.拘束層−プロピレン系ポリマー
本開示は、別の多層フィルムを提供する。一実施形態において、多層フィルムは、プロピレン系ポリマーである拘束ポリマーを含む。プロピレン系ポリマー(拘束性)は、バリア層に使用されるポリマーの結晶化温度よりも高い結晶化温度を有する。

0076

一実施形態において、共押出多層フィルムが提供され、それはコア構成要素を含む。コア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。B層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、TEc<TPcである結晶化温度(TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。A層は、0.40g−ミル/100インチ2/日未満(6.2g−ミル/m2/24時間未満)の有効水分透過率を有する。

0077

一実施形態において、A層は、0.01〜、または0.02〜、または0.05〜、または0.1〜0.2、または0.3以下、または0.40g−ミル/100インチ2/日未満(0.155〜、または0.31〜、または0.76〜、または1.55〜3.1、または4.65以下、または6.2g−ミル/m2/24時間未満)の有効水分透過率を有する。

0078

A.A層
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。A層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(TEc)を有するエチレン系ポリマーを含む。プロピレン系ポリマーは、B層のプロピレン系ポリマーの結晶化温度TPcがA層のエチレン系ポリマーの結晶化温度(TEc)よりも高くなるように選択される。

0079

A層のエチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマーまたはエチレン/α−オレフィンコポリマーであってもよい。エチレン系ポリマーは、0.01g/10分(g/10分)〜35g/10分のメルトインデックスを有する。

0080

一実施形態において、A層は、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。「高密度ポリエチレン」(または「HDPE」)は、本明細書において使用される場合、少なくとも0.94g/cc、または少なくとも0.94g/cc〜0.98g/ccの密度を有するエチレン系ポリマーである。HDPEは、0.1g/10分〜25g/10分のメルトインデックスを有する。

0081

HDPEは、エチレン及び1つ以上のC3−C20α−オレフィンコモノマーを含むことができる。コモノマー(複数可)は、線形または分岐状であってもよい。好適なコモノマーの非限定的な例として、プロピレン、1−ブテン、1ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、及び1−オクテンが挙げられる。HDPEは、スラリー反応器、ガス相反応器、または溶液反応器において、Ziegler−Natta触媒、クロム系触媒、拘束形状触媒、またはメタロセン触媒のいずれかを用いて調製することができる。エチレン/C3−C20α−オレフィンコモノマーは、その中に少なくとも50重量パーセントの重合エチレン、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの重合形態のエチレンを含む。

0082

一実施形態において、HDPEは、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分メルトインデックスを有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである。さらなる実施形態において、HDPEは、0.960g/cc〜0.970g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスを有する。

0083

一実施形態において、HDPEは、0.95g/cc〜、または0.96g/cc〜0.97g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/分のメルトインデックスを有する。

0084

一実施形態において、HDPEは、0.96g/cc〜0.97g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスを有する。

0085

好適なHDPEの非限定的な例として、ELITE5960G、HDPE KT 10000 UE、HDPE KS 10100 UE、及びHDPE 35057Eが挙げられ、それぞれ、The Dow Chemical Company Midland(Michigan,USA)から入手可能である。

0086

HDPEは、上記実施形態のうちの2つ以上を含んでもよい。

0087

一実施形態において、A層は、HDPEと、1つ以上のさらなるポリマーとのブレンドを含んでもよい。A層の好適なブレンド構成要素の非限定的な例として、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、及びそれらの組み合わせが挙げられる。

0088

B.B層
B層は、30nm〜1000nmの厚さを有し、結晶化温度(TPc)を有するプロピレン系ポリマーを含む。プロピレン系ポリマーは、B層のプロピレン系ポリマーの結晶化温度TPcがA層のエチレン系ポリマーの結晶化温度(TEc)よりも高くなるように選択される。

0089

A層のエチレン系ポリマーの結晶化温度TEcとB層のプロピレン系ポリマーの結晶化温度(TPc)との間の関係は、
TEc<TPcであり、
式中、TPc及びTEcは、それぞれ摂氏(℃)である。

0090

本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。B層は、プロピレン系ポリマーを含む。プロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーまたはプロピレン/α−オレフィンコポリマーであってもよい。

0091

一実施形態において、プロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーである。プロピレンホモポリマーは、0.1g/10分〜、または0.5g/10分〜、または1.0g/10分〜、または1.5g/10分〜2.0g/10分、または〜2.5g/10分のMFRを有する。プロピレンホモポリマーは、0.85g/cc〜0.95g/ccの密度を有する。プロピレンホモポリマーは、125℃未満、または115℃〜、もしくは118℃〜、もしくは120℃〜、もしくは122℃〜125℃未満の結晶化温度(T1c)を有する。プロピレンホモポリマーは、155℃〜、または160℃〜165℃、または〜170℃の融解温度Tmを有する。プロピレンホモポリマーは、30%〜、または35%〜、または38%〜40%〜45%、または〜50%、または〜55%、または〜60%の結晶化度を有する。

0092

一実施形態において、プロピレン系ポリマーは、プロピレン/α−オレフィンコポリマーである。α−オレフィンは、C4−C20α−オレフィン、またはC4−C10α−オレフィンである。別の実施形態において、α−オレフィンは、1−ブテン、1−へキセン、及び1−オクテンからなる群から選択される。さらなる実施形態において、プロピレン/α−オレフィンコモノマーは、10%〜40%の結晶化度を有する。

0093

一実施形態において、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、プロピレン/エチレンコポリマーである。プロピレン/エチレンコポリマーは、0.1g/10分〜10g/10分のMFRを有し、プロピレン/エチレンコポリマーは、0.85g/cc〜0.93g/ccの密度を有する。

0094

C.コア構成要素
本発明の多層フィルムのコア構成要素は、A層及びB層の15〜1000個の交互層を含む。

0095

一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の15、または30、または33、または50、または60、または65、または70、または100、または129、または145、または150、または200〜250、または257、または300、または400、または450、または500、または1000個の交互層を含む。

0096

A層及びB層の厚さは、同じであってもまたは異なってもよい。一実施形態において、A層の厚さは、B層の厚さと同じか、または実質的に同じである。A層は、10nm〜、または20nm〜、または30nm〜、または50nm〜、または70nm〜、または80nm〜、または100nm〜、または145nm〜、または150nm〜、または198nm〜、または200nm〜、または250nm〜、または290nm〜、または300nm〜、または350nm〜、または396nm〜、または400nm〜、または450nm〜500nm、または〜600nm、または〜700nm、または〜792nm、または〜800nm、または〜900nm、または〜1000nmの厚さを有する。B層は、10nm〜、または20nm〜、または30nm〜、または50nm〜、または70nm〜、または80nm〜、または100nm〜、または145nm〜、または150nm〜、または198nm〜、または200nm〜、または250nm〜、または290nm〜、または300nm〜、または350nm〜、または396nm〜、または400nm〜、または450nm〜500nm、または〜600nm、または〜700nm、または〜792nm、または〜800nm、または〜900nm、または〜1000nmの厚さを有する。

0097

コア構成要素に存在するA層及びB層の数は、同じであってもまたは異なってもよい。一実施形態において、A層:B層の比(B層の数に対するA層の数)は、1:1〜、または3:1〜9:1である。

0098

一実施形態において、コア構成要素は、A層及びB層の60〜70、または65個の交互層を含み、コア構成要素は、50:50〜、または75:25〜90:10のA層:B層の比を有する。A層は、100nm〜500nm、または100nm〜400nmの厚さを有する。

0099

一実施形態において、コア構成要素のA層は、30nm〜500nmの厚さを有する。さらなる実施形態において、A層は、100nm〜500nmの厚さを有する。

0100

一実施形態において、コア構成要素のA層は、少なくとも0.94g/ccの密度、または0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有するHDPEを含む。B層は、プロピレンホモポリマーを含む。さらなる実施形態において、プロピレンホモポリマーは、1.5g/10分〜2.5g/10分のMFR、及び35%〜60%の結晶化度を有する。

0101

交互のA層及びB層を有するコア構成要素は、上で開示されたように調製されてもよい。

0102

一実施形態において、コア構成要素のA層は、100nm〜500nm、または100nm〜400nmの厚さを有し、A層は、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度を有するHDPEを含む。B層は、プロピレンホモポリマーを含む。

0103

一実施形態において、コア構成要素は、60〜70の交互層を含む。A層は、100nm〜400nmの厚さを有し、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度のHDPEを含む。B層は、プロピレンホモポリマーを含む。A層は、0.01〜0.30g−ミル/100インチ2/日以下の有効水分透過率を有する。さらなる実施形態において、A層は、0.01〜、または0.02〜、または0.03〜、または0.05〜、または0.1〜、または0.2〜0.30g−ミル/100インチ2/日以下の有効水分透過率を有する。

0104

一実施形態において、コア構成要素は、0.1ミル(2.54マイクロメートル)〜10.0ミル(254マイクロメートル)の総厚さを有する。さらなる実施形態において、コア構成要素は、0.1ミル〜、または0.2ミル〜、または0.3ミル〜、または0.4ミル〜、または0.5ミル〜0.8ミル、または〜1.0ミル、または〜1.5ミル、または〜2.0ミル、または〜3.0ミル、または〜5.0ミル、または〜7.7ミル、または〜10.0ミルの厚さを有する。

0105

コア構成要素は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。

0106

D.スキン層
一実施形態において、多層フィルムは、少なくとも1つのスキン層を含む。さらなる実施形態において、多層フィルムは、2つのスキン層を含む。スキン層は、最も外側の層であり、コア構成要素の各側に1つのスキン層がある。スキン層は、互いに対向し、コア構成要素を挟む。各個々のスキン層の組成は、他のスキン層と同じであってもまたは異なってもよい。スキン層として使用することができる好適なポリマーの非限定的な例として、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリエステル、ポリふっ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、エチレン−co−アクリル酸コポリマー、ポリオキシメチレン、及びこれらのうちの2つ以上のブレンド;ならびにこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。

0107

一実施形態において、スキン層は、プロピレン系ポリマー、エチレン系ポリマーポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、プロピレンコポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びポリエチレン−co−アクリル酸コポリマーを含む。

0108

各スキン層の厚さは、同じであってもまたは異なってもよい。2つのスキン層は、多層フィルムの総体積の5%〜、または10%〜、または15%〜20%、または〜30%、または〜35%の厚さを有する。

0109

一実施形態において、スキン層の厚さは同じである。同じ厚さの2つのスキン層は、上に記載した体積百分率で多層フィルム内に存在する。例えば、35%のスキン層を有する多層フィルムは、各スキン層が多層フィルムの総体積の17.5%で存在することを意味する。

0110

一実施形態において、各スキン層の組成は同じであり、エチレン系ポリマーである。さらなる実施形態において、各スキン層は、A層に存在するエチレン系ポリマーと同じエチレン系ポリマーである。

0111

一実施形態において、各スキン層はHDPEを含む。一実施形態において、HDPEは、0.95g/cc〜0.97g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスを有するエチレン/α−オレフィンコポリマーである。さらなる実施形態において、HDPEは、0.960g/cc〜0.970g/ccの密度、及び0.1g/10分〜10g/10分のメルトインデックスを有する。

0112

E.任意選択的な他の層
スキン層は、コア構成要素と直接接触していてもよい(介在層が存在しない)。代替として、多層フィルムは、各スキン層とコア構成要素との間に1つ以上の介在層を含んでもよい。本発明の多層フィルムは、任意選択的なさらなる層を含んでもよい。任意選択的な層(複数可)は、コア構成要素とスキン層(複数可)との間に位置する介在層(または中間層)であってもよい。そのような介在層(または中間層)は、単一の層、反復する層、または規則的に反復する層(複数可)であってもよい。そのような任意選択的な層は、十分な接着性を有し(または提供し)、フィルムまたはシートに所望の特性を提供する材料、例えば、タイ層、バリア層、スキン層等を含んでもよい。

0113

タイ層または接着層として用いることができる好適なポリマーの非限定的な例として、極性エチレンコポリマー、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸メチル、及びアクリル酸エチルを含むコポリマー;アイオノマー;無水マレイン酸グラフトエチレンポリマー及びコポリマー;これらのうちの2つ以上のブレンド;ならびにこれらのうちの1つ以上を含む他のポリマーとのブレンドが挙げられる。

0114

上述のように、本開示による多層フィルムは、最終物品において構造または他の特性を提供する他の内部層を有するより厚みのある構造における構成要素として有利に用いることができる。例えば、スキン層は、水分バリア特性、ガスバリア特性、物理特性、及び低コストの組み合わせが適切である包装及び多くの他の用途に適したフィルムを提供するために、コア構成要素のいずれかの側に有利に用いられる靱性、印刷適性等のさらなる望ましい特性を有するように選択されてもよい。本開示の別の態様において、タイ層は、本開示による多層フィルムまたはシート構造とともに使用することができる。

0115

F.多層フィルム
本開示の拘束層にプロピレン系ポリマーを有する多層フィルムは、独立型フィルムであってもよいか、または別のフィルム、積層、シート、もしくは物品の構成要素であってもよい。

0116

本発明の多層フィルムは、種々の既知のフィルムもしくはシート用途のためのフィルムもしくはシートとして、またはより厚さのある構造における層として、かつ軽量及び低コストを維持するために使用されてもよい。

0117

外側の表面層またはスキン層及び任意選択的な他の内部層を有する積層構造または物品においてこのように用いられる場合、本発明の多層フィルムは、異形、管、パリソン、または他の積層物品の形態を含む望ましいフィルムまたはシートの少なくとも5体積%を提供するように使用されてもよく、その残りは、最大95体積%のさらなる外側の表面層もしくはスキン層及び/または内部層によって構成される。

0118

一実施形態において、本発明の多層フィルムは、積層物品の少なくとも10体積%、または少なくとも15体積%、または少なくとも20体積%、または少なくとも25体積%、または少なくとも30体積%を提供する。

0119

一実施形態において、本発明の多層フィルムは、最大100体積%、または80体積%未満、または70体積%未満、または60体積%未満、または50体積%未満を提供する。

0120

ナノ層構造の場合、バリア特性に影響を及ぼす2つの関係が存在する:(i)結晶ラメラ配向及び(ii)結晶化度%。ナノ層がより薄くなるほど、その形態は、全体的にランダムなラメラの配向を有するがエッジオン配向にあるいくつかのラメラを含む球晶から、面内ラメラに移行することが分かっている。しかしながら、配向は結晶化度と反比例するため、閉じ込めが増大するにつれて(バリアがより薄くなると)、バリアポリマーの結晶化度の程度が減少し、バリア能が低減する。さらに、多くのバリア樹脂は、閉じ込められた時に「面内」ラメラ結晶を形成せず、結晶化度%が減少するのみであるため、バリア特性が低下する。したがって、多くのバリア材料の場合、全体的な結晶化度%をできるだけ高く維持し、球晶状結晶中の「エッジオン」ラメラを減少させることが必要である。

0121

特定の理論に束縛されるものではないが、出願者は、ナノ層構造における切断された球晶の形成がバリア能を予想外に最適化することを発見した。(1)層厚の制御ならびに(2)バリア及び拘束性構成要素の選択により、水分透過率における予想外の改良を示す切断された球晶形態を有するナノ層を得ることができる。

0122

「球晶」は、多くの半結晶性ポリマーに観察される上部構造であり、中央の核形成点から放射状に広がる分岐結晶ラメラからなる。球晶の成長制約されない場合、球晶は、他の球晶と衝突するまで、球として半径方向に対称的に成長する。球晶におけるラメラの方向は、平均してランダムである。「切断された球晶」は、球晶が成長するフィルムの厚さによって少なくとも一次元で制約された球晶である。フィルムを水平面で成長させた場合、成長は上部及び下部で(水平面に対して垂直に)停止する一方で、フィルムに対してより平行な成長は、別の球晶(同様に拘束層によって切断されている)に出会うまで、閉じ込められてない例におけるように継続する。切断された球晶は対称的ではなく、ラメラ配向は、平均して、もはやランダムではない。切断された球晶は、反対側の拘束層を用いて球晶の上の部分及び下の部分を排除することによって形成される。切断された球晶は、フィルムの水平面と比較して、その方向に対してより垂直な構成要素を有するラメラを有する。

0123

特定の理論に束縛されるものではないが、出願者は、ナノ層構造における切断された球晶の形成がバリア能を予想外に最適化することを発見した。(1)層厚の制御ならびに(2)バリア及び拘束性構成要素の選択により、有効水分透過率及び有効酸素透過率の両方における予想外の改良を示す切断された球晶の配向を有するナノ層を得ることができる。

0124

ベンチマークとして、ポリエチレンオキシド(PEO)バリアは、面内結晶ラメラに起因して最も薄い層による低い透過速度から始まり、次いで、層厚が増加するにつれてバルクポリマーの透過速度まで上昇するという関係を示す。

0125

対照的に、ポリエチレンの場合、ナノ層フィルムにおける小さい層厚では、バルクの透過速度を上回る透過速度の減少を引き起こさないエッジオン結晶ラメラが存在することが分かっている。例えば、Pan et al,J.Polym.Sci.,Polym.Phys.,28 1105(1990)を参照されたい。

0126

出願者は予想外に、HDPEによって拘束されたプロピレン系ポリマーバリア(及びプロピレン系ポリマーによって拘束されたHDPEバリア)が100nm〜500nmの層厚で最適な透過速度を示すナノ層構成を発見し、作製した。

0127

プロピレン系ポリマー(バリアポリマーA層)は、プロピレン系ポリマーがHDPE(B層)によって拘束されると、活性な表面(界面)核形成に起因して「エッジオン」ラメラ構造を形成する。同様に、HDPEは、プロピレン系ポリマーによって拘束されると「エッジオン」ラメラを形成する。出願者は、最適な層厚(100nm〜500nm)では、ラメラ構造のエッジオン部分が球晶から除去され(または切断され)、球晶構造の残りの部分の結晶化度が減少しない状態になることを発見した。出願者の切断された球晶構造は、非拘束系におけるランダムに配向されたラメラ構造(の結晶)と比較して、「エッジオン」ラメラ(バリアとして不向き)に対する「面内」ラメラ(バリアに向いている)の比を増加させる。この切断された球晶構造は、配向と結晶化度の間で予想外にバランスを見出し、有効水分透過率及び有効酸素透過率の両方における相乗的な改良を示す。

0128

G.物品
本開示は、物品を提供する。一実施形態において、本発明の多層フィルムは、物品の構成要素である。好適な物品の非限定的な例として、積層構造、ダイ成形物品、熱成形物品真空成形物品、または圧力成形物品が挙げられる。他の物品として、管、パリソン、及びビンまたは他の容器等の中空成形物品が挙げられる。

0129

試験方法
結晶化度パーセントピーク融解温度、Tm、及びピーク結晶化温度(Tc)のそれぞれを、以下に記載する示差走査熱量測定(DSC)の様式によって測定する。

0130

DSC
示差走査熱量測定(DSC)は、広い温度範囲にわたってポリマーの溶融、結晶化、及びガラス遷移挙動を測定するために使用することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却ステム)及びオートサンプラーを備えたTA InstrumentsのQ1000 DSCを使用してこの分析が行われる。試験中、50ml/分の窒素パージガス流が使用される。各サンプルを約175℃で溶融プレスして薄いフィルムにし、次いで、溶融したサンプルを室温(約25℃)まで空冷する。冷却したポリマーから3〜10mg、直径6mmの試料を抽出し、重量を量り、軽量のアルミニウムパン(ca 50mg)に入れ、圧着して閉じる。次いで、分析を行ってその熱特性を決定する。

0131

サンプルの温度を上下させて熱流温度プロファイルを作成することによりサンプルの熱挙動を決定する。最初に、サンプルを180℃まで急速に加熱し、その熱履歴を除去するために3分間等温に保持する。次いで、サンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、3分間−40℃に保持する。次いで、サンプルを10℃/分の加熱速度で180℃まで加熱する(これは「第2の加熱」ランプである)。冷却曲線及び第2の加熱曲線を記録する。結晶化の最初から−20℃までベースライン終点を設定することにより冷却曲線を分析する。−20℃から溶融の終了までベースラインの終点を設定することにより加熱曲線を分析する。決定される値は、推定される融解開始点Tm、及び推定される結晶化開始点Tc、融解熱(Hf)(ジュールグラム)、及び下の方程式を使用してポリエチレンサンプルについて計算される結晶化度%である:
結晶化度%=((Hf)/292J/g)×100

0132

融解熱(Hf)及びピーク融解温度は、第2の加熱曲線から報告される。ピーク結晶化温度は、冷却曲線から決定される。

0133

融点Tmは、最初に融解転移の開始と終了の間にベースラインを引くことによってDSC加熱曲線から決定される。次いで、融解ピーク低温側のデータに対する接線を引く。この線がベースラインと交差する場所が、推定される融解開始点(Tm)である。これは、B.Wunderlich in Thermal Characterization of Polymeric Materials,2nd edition,Academic Press,1997,E.Turi ed.,pgs 277 and 278に記載される通りである。

0134

結晶化温度Tcは、上記のようにDSC冷却曲線から決定されるが、但し、接線は結晶化ピーク高温側に引かれる。この接線がベースラインと交差する場所が、推定される結晶化開始点(Tc)である。

0135

ガラス遷移温度Tgは、DSC加熱曲線によって決定され、サンプルの半分が、B.Wunderlich in Thermal Characterization of Polymeric Materials,2nd edition,Academic Press,1997,E.Turi ed.,pg 278 and 279に記載されるように液体熱容量を得た。ガラス遷移領域の下側及び上側からベースラインを引き、Tg領域を通して推定する。サンプルの熱容量がこれらのベースラインの間の途中にある温度がTgである。

0136

密度は、ASTMD 792に従って測定する。

0137

有効透過率(Peff)以下の方程式(I)を使用して、個々のバリア層について有効透過率(水分及び酸素)を計算する:

0138

0139

式中、Pは、ナノ層構成要素の透過率であり、VB及びVCは、それぞれバリア及び閉じ込めポリマーの体積分率であり、PB及びPCは、それぞれバリア及び閉じ込めポリマーの透過率である。有効水分透過率は、g−ミル/100インチ2(in2)/日及びg−ミル/メートル2(m2)/24時間(時間)として測定する。

0140

メルトフローレート(MFR)は、ASTMD 1238、条件280℃/2.16kg(g/10分)に従って測定する。

0141

メルトインデックス(MI)は、ASTMD 1238、条件190℃/2.16kg(g/10分)に従って測定する。

0142

水分透過率は、最初に、所与のフィルムの厚さについて水蒸気透過速度(WVTR)を測定することによって実行される正規化された計算である。WVTRを38℃で測定し、100%相対湿度及び1気圧をMOCON Permatran−W 3/31を用いて測定する。National Institute of Standardsand Technologyが認可する、既知の水蒸気輸送特性の厚さ25μmのポリエステルフィルムを用いて機器較正する。試料を調製し、ASTMF1249に従ってWVTRを行う。

0143

酸素透過率は、最初に、所与のフィルムの厚さについて酸素透過速度(OTR)を測定することによって実行される正規化された計算である。OTRを23℃で測定し、0%相対湿度及び1気圧をMOCON OX−TRAN 2/20を用いて測定する。National Institute of Standardsand Technologyが認可する、既知のO2輸送特性のMylarフィルムを用いて機器を較正する。試料を調製し、ASTMD 3985に従ってOTRを行う。次に、以下の実施例において、本開示のいくつかの実施形態を詳細に説明する。

0144

本発明の実施例において、ポリカーボネート、環状オレフィンポリマー、またはHDPE拘束層とともに共押出されたプロピレン系ポリマーバリア層(すなわち、プロピレンホモポリマー)から、(「対照」であるという記載のない限り)本開示による実験フィルムを調製した。

0145

表1は、プロピレン系ポリマー材料について要約しており、商標名、密度、Tc、Tm、及びMFRを提供する。プロピレン系ポリマー材料PP1572は、ExxonMobilから市販されている。

0146

0147

表2は、エチレン系ポリマー材料の名称、商標名、及び対照フィルムの酸素透過率の値及び対照フィルムの水分透過率を要約している。

0148

0149

PP1及びHDPE1(拘束層)が交互になった65個の薄層を有する実験フィルムを調製する:得られる最終的な層厚は、フィルムをドローダウンした最終的な厚さによって提供される。公称フィルム厚さ(「公称フィルム厚さ」)、公称PP1層厚、公称拘束層厚、及び総スキン層体積百分率(両方のスキン層を含む)を、下の表3A、3B、及び3Cに提供する。以前に説明したように、また図1に示すように、本発明の多層フィルムは、フィードブロックプロセスによって作製される。

0150

コア構成要素は、ポリマーA(PP1)及びポリマーB(拘束層HDPE1)から作製され、溶融ポンプによって(上に記載したような)BABフィードブロック構成を有する共押出フィードブロックに接続された2つの3/4インチ(19.05mm)単軸スクリュー押出機によって押出される。溶融ポンプは、フィードブロック内で組み合わされる2つの溶融流を制御する:溶融ポンプの速度を調節することによって、相対的な層厚、すなわち、A対Bの比を変化させることができる。フィードブロックは、表に示すA:Bの総体積比でBがA層のどちらかの側で等しい厚さのB層に分割したBAB構成における3つの平行な層として供給流をレイヤーマルチプライヤーに供給する。次いで、7回の多層化が用いられ、それぞれが、流れを2つのチャネルに分割して積み重ね、65個の交互になった個別のミクロ層を有する最終フィルムを提供する。さらなる押出機によって、最終フィルムの約34または50体積パーセントであるPP1のスキン層が各表面に提供される(フィルムの各側に17または25体積%)。

0151

2つのポリマー溶融物の粘度を確実に合わせるために、マルチプライヤー生成物の全ての流れ及び層について、押出機、マルチプライヤー、及びダイの温度を240℃に設定する。マルチプライヤー押出成形物は、80℃の温度を有する冷却ロールまで20ミルのダイ間隔を有する平坦な14インチ(35.5cm)のダイから押出されるが、ダイと冷却ロールとの間にほとんどエアギャップがなく、比較的迅速なフィルムの冷却を提供する。全体的な流速は約3lb/時間(1.36kg/時間)である。

0152

クライオウルトラミクロトーム(RMCのMT6000−XL)を用いて、包埋されたフィルムを−75℃で厚さを通して薄切し、原子間力顕微鏡AFM)を用いて断面を調べ、層及び層内の形態を可視化する。Nanoscope IIIa MultiMode走査プローブ(Digital Instruments)のタッピングモードを用いて、位相及び高さの画像または断面を空気中、周囲温度で同時に記録する。いくらか不均一性が認められるものの、平均層厚は、フィルムの厚さ、組成比、及び層の総数から計算される公称層厚に極めて近いことが観察される。

0153

2つの対照フィルム(1ミル、25ミクロン)が形成される。第1の対照フィルムは、HDPE1から押出される。第2の対照フィルムは、PP1から押出される。有効水分透過率の対照値について以下に記載するように各対照フィルムを検査する。

0154

0155

水分透過率のPeffの計算(g−ミル/100インチ2日):

0156

0157

この方程式は、以下のように3材料系(バリアポリマー、拘束性ポリマー、スキン材料)に拡張することができる:

0158

0159

水分透過率の計算:

0160

0161

この方程式は、3材料系にも拡張することができる:

0162

0163

水分透過率
A.表3B中の厚さ290nmのPP1(バリア)及びHDPE1(拘束性)の例に関する計算
(1)測定された水分透過率=0.24
(2)Peffの計算:Peff、PP1=0.375(1/0.24−0.125/0.2−0.5/0.5)^−1=0.15(入力値:ミクロ層コア内のPP1の体積=0.375(37.5%)、全体的なフィルムの水分透過率(測定値)=0.24、HDPE1の体積=0.125、HDPE1の透過率=0.2、PP1スキンの体積=0.5、及びスキンPP1の透過率=0.5)
(3)測定した水分透過率A=延伸後(延伸比4×4、150℃)=0.16
(4)Peffの計算:Peff、PP1=0.375(1/0.16−0.125/0.2−0.5/0.5)^−1=0.08(入力値:ミクロ層コア内のPP1の体積=0.375(37.5%)、全体的なフィルムの水分透過率(測定値)=0.16、HDPE1の体積=0.125、HDPE1の透過率=0.2、PP1スキンの体積=0.5、及びスキンPP1の透過率=0.5)

0164

必要なだけ多くの構成要素に対応するように、シリーズモデルを以下に示すように拡張することができる:

0165

0166

式中、P=多層フィルムの測定された透過率であり、
Φi=ポリマーiの体積分率であり、
Pi=ポリマーiの透過率である。

0167

出願者は、切断された球晶構造を有する100nm〜400nmのPP1バリアが有効水分透過率及び有効酸素透過率の両方において予想外の低下(すなわち、改良されたバリア特性)を示すことを発見した。有効水分透過率は、ミクロ層によって〜3.3倍、延伸後に〜6.3倍、対照よりも改善された。

実施例

0168

本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び例に限定されるのではなく、実施形態の一部及び異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の改変された形態を、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとして含むことを特に意図する。

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