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図面 (8)

課題・解決手段

統合された「ラボオンチップマイクロ流体デバイスは、核酸検体の調製、ならびに細胞および/または粒子を含む試験検体から診断解析を実施する。本デバイスは、共通の試験検体からのDNAもしくはRNA標的またはその両方を分析する。核酸検体の調製および分析のために必要な乾燥状および/または液体試薬デバイスに含まれており、デバイスは、試験検体の追加を必要とするにすぎない。粘土鉱物およびアルカリ緩衝液試薬が、検体調製の間に核酸の分解および汚染の問題を克服するために採用される。本デバイスは、試験検体が血液製剤のとき、各種血液成分から血漿または血清を単離する複合フィルタをさらに含み得る。本マイクロ流体デバイスは、複数のマイクロ流体チャンネル注入口、弁、膜、ポンプ、および、特に、核酸を調製し、そしてさらに診断解析を行うために液体状検体の流れを操作する様々な構成に構成された他の要素を利用する。

概要

背景

背景
(技術分野)
本発明は、概して、例えば、標的核酸配列の検出等の分子診断用途に検体を処理するためのマイクロ流体デバイスおよび方法に関する。

(関連する技術の説明)
分子診断の役割は、今日の地球的な医療環境において極めて重要である。発展途上国における死因の95%は、感染症、すなわち、急性呼吸器感染症(ARI)、マラリアHIV、および結核症(TB)の適切な診断およびそれらに関連するその後の処置欠如に起因している(Yager,Pら,Annu Rev Biomed Eng10:107〜144,2008)。2009年のH1N1A型インフルエンザパンデミックのような最近のパンデミックは、感染症を効果的に検出し制御するツールの必要性を際立たせてきた。「迅速な病原体変異率、非ヒト病原体のヒト病原体への形質転換、および非ヒト病原体のヒト病原体との組み換え」等の要因が、新規感染症を管理する上での新たな課題を追加した(Kiechle,FLら,Clin Lab Med 29(3):555〜560,2009)。世界規模移動性の高まりは、2009年H1N1パンデミックの際に見られたように、発症地域から世界の他の地域への感染症の急速な広がり拍車をかけている。この移動性は、感染の地球規模の広がりを防ぐため、入国における迅速でポータブルな診断(ポイントオブケア;point−of−care[POC])デバイスの必要性を強調してきた。現在の病原体培養検査方法は、結果が出るまで1日以上の日数がかかる。

特定の他のタイプの感染症のために、先進国世界および発展途上世界の両方で、治療に対する応答を測定し病状監視する診断試験が、定期的に繰り返される必要がある。そのような1つのケースは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)およびC型肝炎等の感染についてウイルス負荷(血液ミリリットルあたりのウイルス粒子の数)を監視することにある。サハラのアフリカは、AIDSパンデミックの影響が大きい地域である。これら地域の標準試験施設訓練された検査技師不足は、深刻な問題である。同様の問題は、米国の医療過疎地域にも存在する。地域社会全体に広められアクセスが容易で、場合によっては家でも使い得る速くて安価な診断ツールは、病気および感染のより速い診断および監視を可能にすることでかなりの便益をもたらすであろう。

核酸バイオマーカーは、地球規模の健康に重要な、HIV、HCVHBV汎発性インフルエンザ、およびデング熱を含む、いくつかの感染症の標的被験物である。複数のウイルス因子試験する単純な診断デバイスを開発する上での主要な課題は、いくつかのウイルスゲノムがDNAから成り、他のウイルスのそれらがRNAから成ることである。RNAベース被験物のさらなる課題は、これら不安定な分子完全性を保護する試料の取り扱いにある。後者の問題に対処するいくつかの商用製品がある。これらの製品の大半は高価で、技術的な要求が厳しく、および/またはある種の冷凍を必要とする。これらの要件は、迅速なオンサイト診断分析用に設計されたオンカートリッジ試薬容器の付いた小型マイクロ流体デバイスでは容易に満たすことができない。さらにこれらの要件は、大半の発展途上世界がそうであるような低資源または遠隔据え付けでは容易に満たすことができない。したがって、安定な核酸検体を調製し、そして看護拠点(POC)でのDNAおよびRNA両バイオマーカー分析に使用できる、安価で、計器が不要な、使い易い診断デバイスが必要とされている。

血液は、採取が容易なため、核酸発現の研究や血液ベースのバイオマーカーの分析に日常的に使用されるヒト組織である。しかしながら、全血は、多くの場合、多くの下流の分析過程を遅らせる、および/または妨げる、ヘムヘパリン等の多くの要因を含む。さらに、血漿は、リボヌクレアーゼRNA分解酵素)の活性が非常に高く、この活性を最小化することが、あらゆるRNA分離処置にとって非常に重要である。DNAは、臨床検体から厳しい条件下で調製することができ、また、例えば、単にフィルタ紙スポットして室温で乾燥させることにより安定化できるが、RNAの調製は、典型的には、安定化剤の使用と冷蔵および/または冷凍とを必要とする。臨床検体中のRNAを安定化するのに必要なステップは、面倒で、マイクロ流体、「検体−回答(sample−to−answer)」型診断デバイスには馴染まない。

歴史的には2つの方法の変形法が、生物学的検体からRNAを調製するのに用いられてきた:化学的抽出と、多くの場合「固相抽出」と呼ばれるガラス上での固定化とである。化学的抽出法は、通常、高度に濃縮されたカオトロピック塩酸性フェノールまたはフェノール・クロロホルム溶液とともに用い、RNA分解酵素を不活性化し、RNAを他のバイオ分子から精製する。これらの方法は、非常に純度の高いRNA調製物を提供するが、代表的には、RNAは、アルコール沈殿ステップによって脱塩、濃縮される必要がある。Boomらによる米国特許第5,234,809号に記載される固相抽出法は、溶解と、カオトロピック剤グアニジンチオシアネートの、この試薬の存在下での固体状シリカ粒子または珪藻類核酸結合特性と組み合わせたヌクレアーゼ不活性化特性とに依存する。シリカと結合したRNAがエタノールを含む高塩濃度緩衝液洗浄された後、RNAは低イオン強度緩衝液内で溶離される。

有機溶媒またはカオトロピック剤による水性抽出を必要とする検体調製法は、面倒であり、有害かつ労働集約的で、時間がかかることは容易に理解されるであろう。さらに、処置の際に十分な注意が払われないと、ヌクレアーゼの残留汚染が起こり得、検体核酸変質喪失が起こるであろう。このような検体を用いた診断試験は、このような分解により、誤った陰性の結果となり得る。誤った陰性の結果はまた、例えば、検体に残り、標的増幅手順を妨げる、残留アニオン洗浄剤、カオトロピック塩、またはエタノールからの化学的干渉によっても得られ得る。アニオン洗浄剤およびタンパク分解酵素が用いられた場合、残留するタンパク分解活性もまた、標的増幅および/またはハイブリダイゼーション検出反応に用いられる酵素を分解し、誤った陰性の結果を生み出し得る。上記‘809号特許に開示される「Boom式溶解」プロトコールに基づく検体調製法は、これらの問題に適切に対処するものと一般に見られている。しかしながら、本発明者らは、固相抽出と組み合わせたカオトロピック塩を利用するような抽出方法が、HBVゲノムのPCRに基づく検出のための血液または血漿試料の調製が、信頼性があり効率的でないことを予期せぬことに見出した。したがって、上に引用したプロトコールはいずれも、例えば、全血および血清等の複雑な生物学的出発材料からDNAおよびRNA標的の両方を検出するための共通検体の調製には適さない。このことは、コスト効果、毒性廃棄物流の低減、および単純であることがまた根本的に重要であり、時間的な要求が非常に高く、手が足りない領域である臨床検査室セッティングでの感染症診断に特に当てはまる

当該分野での進歩は遂げられてきたが、試験検体から核酸を分離し、そして分析することができるマイクロ流体デバイス等、ポイントオブケア診断デバイスの技術分野における必要性が引き続き存在している。本発明は、これらの必要性を満たし、さらに関連する利点を提供する。

概要

統合された「ラボオンチップ」マイクロ流体デバイスは、核酸検体の調製、ならびに細胞および/または粒子を含む試験検体から診断解析を実施する。本デバイスは、共通の試験検体からのDNAもしくはRNA標的またはその両方を分析する。核酸検体の調製および分析のために必要な乾燥状および/または液体状試薬がデバイスに含まれており、デバイスは、試験検体の追加を必要とするにすぎない。粘土鉱物およびアルカリ緩衝液試薬が、検体調製の間に核酸の分解および汚染の問題を克服するために採用される。本デバイスは、試験検体が血液製剤のとき、各種血液成分から血漿または血清を単離する複合フィルタをさらに含み得る。本マイクロ流体デバイスは、複数のマイクロ流体チャンネル注入口、弁、膜、ポンプ、および、特に、核酸を調製し、そしてさらに診断解析を行うために液体状検体の流れを操作する様々な構成に構成された他の要素を利用する。

目的

そのような1つのケースは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)およびC型肝炎等の感染についてウイルス負荷(血液ミリリットルあたりのウイルス粒子の数)を監視することにある

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

第1の端部および第2の端部を有するマイクロ流体チャンネルと、前記マイクロ流体チャンネルの前記第1の端部に流体連結される、試験検体を受けるように構成された検体注入口と、前記マイクロ流体チャンネルに流体連結される粘土処理室であって、粘土鉱物試薬を含有する粘土処理室と、前記粘土処理室に流体連結される検体溶解室であって、アルカリ溶液を含有する検体溶解室と、前記検体溶解室に流体連結された1つ以上の、検体核酸増幅または検出ウェル、またはそれらの組み合わせと、1つ以上の検体流出口と、を備える、マイクロ流体デバイス

請求項2

前記粘土鉱物は、カオリナイトスメクタイト、またはイライト粘土鉱物を含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項3

前記粘土鉱物は、タルクを含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項4

前記粘土鉱物は、ハロイサイトを含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項5

前記粘土鉱物は、ベントナイトを含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項6

前記粘土鉱物は、合成粘土鉱物を含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項7

前記合成粘土鉱物は、ラポナイトである、請求項6に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項8

前記アルカリ溶液は、KOH、NaOH、またはLiOHを含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項9

前記アルカリ溶液は、KOHを含む、請求項8に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項10

前記溶解室の下流に、酸試薬を含む中和室をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項11

前記酸性溶液は、HCl、C2H4O2、またはH2SO4を含む、請求項10に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項12

前記試験検体は、1つ以上の感染因子を含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項13

前記1つ以上の感染因子は、ウイルス因子である、請求項12に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項14

前記試験検体は、少なくとも2つのウイルス因子を含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項15

前記試験検体は、DNAウイルスおよびRNAウイルスを含む、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項16

前記DNAウイルスは、HBVである、請求項15に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項17

前記RNAウイルスは、HCVまたはHIVである、請求項15に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項18

前記試験検体は、血液、血漿血清、尿、唾液呼吸器洗浄液、および組織スワブから成る群より選択される、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項19

前記試験検体は、血液、血漿、および血清から成る群より選択される、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項20

前記マイクロ流体チャンネルの前記第2の端部に流体連結されたデバイスポンプをさらに備える、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項21

前記検体注入口と前記マイクロ流体チャンネルの前記第1の端部との間に介装され、選択された粒子を血液から除去することができる複合膜をさらに備える、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項22

前記複合膜は、血液凝固活性化する材料を含む、請求項21に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項23

前記複合膜は、ガラスフィルタを含む、請求項22に記載のマイクロ流体デバイス。

請求項24

目的の核酸を分離するための方法であって、a) 前記目的の核酸を含有すると疑われる検体を、請求項1〜23のいずれか1項に記載のマイクロ流体デバイスに導入するステップと、b) 前記検体を前記マイクロ流体デバイス内の粘土鉱物と接触させるステップと、c) 前記検体を前記マイクロ流体デバイス内で溶解するステップと、を含む、方法。

請求項25

溶解された前記検体を前記マイクロ流体デバイス内で増幅して、増幅された検体を得るステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記増幅された検体中で、前記目的の核酸を検出するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。

請求項27

目的の核酸を分離するための、請求項1〜23のいずれかに記載のマイクロ流体デバイスの使用。

請求項28

前記目的の核酸を増幅するステップをさらに含む、請求項27に記載の使用。

請求項29

前記目的の核酸を検出するステップをさらに含む、請求項28に記載の使用。

技術分野

0001

政府利権の陳述)
本明細書に記載の作業の部分的資金調達は、契約番号第W81XWH−10−2−0158号の下、米国陸軍医療研究調達機関(U.S.Army Medical Reserach Acquisition Activity)からの助成によって提供された。米国政府は、本発明に特定の権利を有している。

背景技術

0002

背景
(技術分野)
本発明は、概して、例えば、標的核酸配列の検出等の分子診断用途に検体を処理するためのマイクロ流体デバイスおよび方法に関する。

0003

(関連する技術の説明)
分子診断の役割は、今日の地球的な医療環境において極めて重要である。発展途上国における死因の95%は、感染症、すなわち、急性呼吸器感染症(ARI)、マラリアHIV、および結核症(TB)の適切な診断およびそれらに関連するその後の処置欠如に起因している(Yager,Pら,Annu Rev Biomed Eng10:107〜144,2008)。2009年のH1N1A型インフルエンザパンデミックのような最近のパンデミックは、感染症を効果的に検出し制御するツールの必要性を際立たせてきた。「迅速な病原体変異率、非ヒト病原体のヒト病原体への形質転換、および非ヒト病原体のヒト病原体との組み換え」等の要因が、新規感染症を管理する上での新たな課題を追加した(Kiechle,FLら,Clin Lab Med 29(3):555〜560,2009)。世界規模移動性の高まりは、2009年H1N1パンデミックの際に見られたように、発症地域から世界の他の地域への感染症の急速な広がり拍車をかけている。この移動性は、感染の地球規模の広がりを防ぐため、入国における迅速でポータブルな診断(ポイントオブケア;point−of−care[POC])デバイスの必要性を強調してきた。現在の病原体培養検査方法は、結果が出るまで1日以上の日数がかかる。

0004

特定の他のタイプの感染症のために、先進国世界および発展途上世界の両方で、治療に対する応答を測定し病状監視する診断試験が、定期的に繰り返される必要がある。そのような1つのケースは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)およびC型肝炎等の感染についてウイルス負荷(血液ミリリットルあたりのウイルス粒子の数)を監視することにある。サハラのアフリカは、AIDSパンデミックの影響が大きい地域である。これら地域の標準試験施設訓練された検査技師不足は、深刻な問題である。同様の問題は、米国の医療過疎地域にも存在する。地域社会全体に広められアクセスが容易で、場合によっては家でも使い得る速くて安価な診断ツールは、病気および感染のより速い診断および監視を可能にすることでかなりの便益をもたらすであろう。

0005

核酸バイオマーカーは、地球規模の健康に重要な、HIV、HCVHBV汎発性インフルエンザ、およびデング熱を含む、いくつかの感染症の標的被験物である。複数のウイルス因子試験する単純な診断デバイスを開発する上での主要な課題は、いくつかのウイルスゲノムがDNAから成り、他のウイルスのそれらがRNAから成ることである。RNAベース被験物のさらなる課題は、これら不安定な分子完全性を保護する試料の取り扱いにある。後者の問題に対処するいくつかの商用製品がある。これらの製品の大半は高価で、技術的な要求が厳しく、および/またはある種の冷凍を必要とする。これらの要件は、迅速なオンサイト診断分析用に設計されたオンカートリッジ試薬容器の付いた小型マイクロ流体デバイスでは容易に満たすことができない。さらにこれらの要件は、大半の発展途上世界がそうであるような低資源または遠隔据え付けでは容易に満たすことができない。したがって、安定な核酸検体を調製し、そして看護拠点(POC)でのDNAおよびRNA両バイオマーカー分析に使用できる、安価で、計器が不要な、使い易い診断デバイスが必要とされている。

0006

血液は、採取が容易なため、核酸発現の研究や血液ベースのバイオマーカーの分析に日常的に使用されるヒト組織である。しかしながら、全血は、多くの場合、多くの下流の分析過程を遅らせる、および/または妨げる、ヘムヘパリン等の多くの要因を含む。さらに、血漿は、リボヌクレアーゼRNA分解酵素)の活性が非常に高く、この活性を最小化することが、あらゆるRNA分離処置にとって非常に重要である。DNAは、臨床検体から厳しい条件下で調製することができ、また、例えば、単にフィルタ紙スポットして室温で乾燥させることにより安定化できるが、RNAの調製は、典型的には、安定化剤の使用と冷蔵および/または冷凍とを必要とする。臨床検体中のRNAを安定化するのに必要なステップは、面倒で、マイクロ流体、「検体−回答(sample−to−answer)」型診断デバイスには馴染まない。

0007

歴史的には2つの方法の変形法が、生物学的検体からRNAを調製するのに用いられてきた:化学的抽出と、多くの場合「固相抽出」と呼ばれるガラス上での固定化とである。化学的抽出法は、通常、高度に濃縮されたカオトロピック塩酸性フェノールまたはフェノール・クロロホルム溶液とともに用い、RNA分解酵素を不活性化し、RNAを他のバイオ分子から精製する。これらの方法は、非常に純度の高いRNA調製物を提供するが、代表的には、RNAは、アルコール沈殿ステップによって脱塩、濃縮される必要がある。Boomらによる米国特許第5,234,809号に記載される固相抽出法は、溶解と、カオトロピック剤グアニジンチオシアネートの、この試薬の存在下での固体状シリカ粒子または珪藻類核酸結合特性と組み合わせたヌクレアーゼ不活性化特性とに依存する。シリカと結合したRNAがエタノールを含む高塩濃度緩衝液洗浄された後、RNAは低イオン強度緩衝液内で溶離される。

0008

有機溶媒またはカオトロピック剤による水性抽出を必要とする検体調製法は、面倒であり、有害かつ労働集約的で、時間がかかることは容易に理解されるであろう。さらに、処置の際に十分な注意が払われないと、ヌクレアーゼの残留汚染が起こり得、検体核酸変質喪失が起こるであろう。このような検体を用いた診断試験は、このような分解により、誤った陰性の結果となり得る。誤った陰性の結果はまた、例えば、検体に残り、標的増幅手順を妨げる、残留アニオン洗浄剤、カオトロピック塩、またはエタノールからの化学的干渉によっても得られ得る。アニオン洗浄剤およびタンパク分解酵素が用いられた場合、残留するタンパク分解活性もまた、標的増幅および/またはハイブリダイゼーション検出反応に用いられる酵素を分解し、誤った陰性の結果を生み出し得る。上記‘809号特許に開示される「Boom式溶解」プロトコールに基づく検体調製法は、これらの問題に適切に対処するものと一般に見られている。しかしながら、本発明者らは、固相抽出と組み合わせたカオトロピック塩を利用するような抽出方法が、HBVゲノムのPCRに基づく検出のための血液または血漿試料の調製が、信頼性があり効率的でないことを予期せぬことに見出した。したがって、上に引用したプロトコールはいずれも、例えば、全血および血清等の複雑な生物学的出発材料からDNAおよびRNA標的の両方を検出するための共通検体の調製には適さない。このことは、コスト効果、毒性廃棄物流の低減、および単純であることがまた根本的に重要であり、時間的な要求が非常に高く、手が足りない領域である臨床検査室セッティングでの感染症診断に特に当てはまる

0009

当該分野での進歩は遂げられてきたが、試験検体から核酸を分離し、そして分析することができるマイクロ流体デバイス等、ポイントオブケア診断デバイスの技術分野における必要性が引き続き存在している。本発明は、これらの必要性を満たし、さらに関連する利点を提供する。

課題を解決するための手段

0010

(簡単な要旨)
本発明の実施形態は、血液製剤等の試験検体からの核酸の調製、安定化、および分子分析のためのマイクロ流体デバイスを提供することにより、上述した地球規模の健康ニーズに対処する。本発明者らは、粘土鉱物およびアルカリ緩衝液を用いた処理に基づく単純な検体調製プロトコールが、増幅反応の即時試薬として好適なDNAおよび/またはRNAを含む検体を生み出すことを驚くべきことに見出した。理論にとらわれずに述べると、粘土鉱物は、核酸を(ヌクレアーゼ活性による)酵素分解と、(アルカリ抽出試薬による)加水分解との両方から保護するように機能するものと考えられる。本発明のデバイスにより調製された核酸検体は、ヌクレアーゼ活性を本質的に有さず、酵素を改変するための優れた基質である。本発明のマイクロ流体デバイスの実施形態は、ヒト血液の少量検体または他の試験検体からRNAおよびDNA標的を同時に検出する上で特に有利である。

0011

関連する実施形態では、本発明は、核酸検体の調製と下流の分子分析とを統合するための改良された統合マイクロ流体デバイスを提供する。とりわけ、本デバイスの実施形態は、共通試験検体からのDNAおよびRNA両方の調製および分析に好適である。ある実施形態では、本発明のデバイスは、即時増幅に好適な核酸調製用試薬がデバイス内に事前装填されていることを特徴とする。これらの試薬は、限定されないが、粘土鉱物およびアルカリ緩衝液を含む。

0012

したがって、本発明の実施形態は、第1の端部および第2の端部を有するマイクロ流体チャンネルと、試験検体を受けるためにマイクロ流体チャンネルの第1の端部に流体連結される検体注入口と、マイクロ流体チャンネルに流体連結され、粘土鉱物試薬を含有する粘土処理室と、粘土処理室に流体連結され、アルカリ溶液を含有する検体溶解室と、検体溶解室に流体連結された1つ以上の検体核酸増幅および検出ウェルと、1つ以上の検体流出口とを備える、試験検体内の核酸を調製し分析するためのマイクロ流体デバイスを提供する。別の実施形態では、本発明は、試験検体内の核酸を調製し分析するためのマイクロ流体デバイスを提供し、粘土鉱物は、カオリナイト族、スメクタイト族、またはイライト族から選択される。さらに別の実施形態では、本発明の粘土鉱物は、タルクハロイサイトベントナイト合成粘土鉱物、またはラポナイトの1つである。別の実施形態では、本発明は、試験検体内の核酸を調製し、かつ分析するためのマイクロ流体デバイスを提供し、アルカリ溶液は、KOH、NaOH、またはLiOHである。別の実施形態では、本発明は、酸試薬を含む溶解室の下流に中和室をさらに備える、試験検体内の核酸を調製し、かつ分析するためのマイクロ流体デバイスを提供する。他の実施形態では、酸性溶液がHCl、C2H4O2、またはH2SO4である。別の実施形態では、本発明は、試験検体内の核酸を調製し、かつ分析するためのマイクロ流体デバイスを提供し、試験検体は、1つ以上の感染因子を含む。別の実施形態では、感染因子がウイルス因子である。さらに別の実施形態では、感染因子が少なくとも2種のウイルス因子である。さらに別の実施形態では、感染因子がDNAウイルスおよびRNAウイルスである。さらに別の実施形態では、感染因子がHBVおよびHCVまたはHIVである。別の実施形態では、本発明は、試験検体内の核酸を調製し、かつ分析するためのマイクロ流体デバイスを提供し、試験検体が、血液、血漿、血清、尿、唾液呼吸器洗浄液、または組織スワブを含む。別の実施形態では、本発明は、試験検体内の核酸を調製し、かつ分析するためのマイクロ流体デバイスを提供し、このデバイスは、マイクロ流体チャンネルの第2の端部に流体連結されたデバイス上ポンプをさらに備える。別の実施形態では、本発明は、試験検体内の核酸を調製し、かつ分析するためのマイクロ流体デバイスを提供し、このデバイスは、検体注入口とマイクロ流体チャンネルの第1の端部との間に介装される複合膜をさらに備え、この複合膜は、選択された粒子を血液から除去することができる。他の実施形態では、この複合膜が、血液凝固を活性化する材料で構成され得る。別の実施形態では、この複合膜がガラスフィルタで構成され得る。
また、検体を含有する核酸の調製およびまたは分析のためのマイクロ流体デバイスの使用方法が提供される。例えば、ある実施形態では、本方法は、
a)目的の核酸を含有すると疑われる検体を、開示されたいずれかのマイクロ流体デバイス内に導入するステップと、
b)検体をマイクロ流体デバイス内で粘土鉱物と接触させるステップと、

0013

c)マイクロ流体デバイス内の検体を溶解するステップと、
を含む。

0014

いくつかの実施形態で、本方法は、マイクロ流体デバイス内で溶解された検体を増幅して増幅された検体を得るステップと、随意に、増幅された検体中で目的の核酸を検出するステップとをさらに含む。

0015

目的の核酸を分離するための本マイクロ流体デバイスの使用もまた提供される。いくつかの実施形態では、本使用は、目的り核酸を増幅するステップと、随意に、目的の核酸を検出するステップとをさらに含む。

図面の簡単な説明

0016

図1は、本発明の側面による、マイクロ流体デバイスの第1実施形態の操作を図示する模式図である。
図2は、本発明の側面による、マイクロ流体デバイスの第2実施形態の操作を図示する模式図である。
図3は、本発明の側面による、マイクロ流体デバイスの第3実施形態の操作を図示する模式図である。
図4は、本発明の側面による、マイクロ流体デバイスの第4実施形態の操作を図示する模式図である。
図5A−Bは、本発明の側面による、複合膜の第1および第2実施形態の操作を図示する断面図である。
図6は、本発明のデバイス内で行われ得るプロセスの実施例をステップ毎手引きする図である。

実施例

0017

(詳細な説明)
本発明者らは、粘土鉱物とアルカリ緩衝液との組み合わせが、PCR等の分子分析的手順の複雑な生物学的試験用検体から核酸を調製するために用いられ得ることを驚くべきことに見出した。有利なことに、これらの試薬は、核酸のさらなる精製または分離を必要とすることなく、DNAおよびRNA標的分子の両方を検出するための単一の試験検体の調製に用いることができ、最新技術に対し大幅な改善を提供する。理論にとらわれることなく、粘土鉱物は、限定されないが、アルカリ条件下における加水分解からの核酸の保護、ヌクレアーゼ性分解からの核酸の保護、試験検体中に存在する阻害物質や他の汚染物質からのDNAポリメラーゼ等の下流アッセイ試薬の保護、および全体的な緩衝特性を含むいくつかの有益な効果を提供すると考えられる。

0018

本発明は、核酸検体の調製および分析用の粘土鉱物およびアルカリ緩衝液試薬をデバイス上に備えるマイクロ流体デバイスに関する。いくつかの実施形態では、本デバイスは、検体から核酸を抽出し、その後、随意に分子分析を行うために、液状検体の流れを操作する様々な形態に構成された、複数のマイクロ流体チャンネル、注入口、弁、膜、ポンプ、および他の要素をさらに備える。本発明のデバイスは、全血検体から血清検体を分離するための複合膜をさらに備え得る。以下の記述では、本デバイスおよび方法の特定の具体的な実施形態が示されるが、当業者は、下記の様々な実施形態および要素が、本発明の思想および範囲から逸脱することなく組み合わせられか、または改変され得ることを理解するであろう。

0019

(1.定義)
試験検体:試験検体は、臨床試料であり得る生物学的検体または「バイオサンプル」を含む。代表的なバイオサンプルは、例えば、血液、血清、血漿、バフィーコート、唾液、傷からの滲出液および他の呼吸器吸引液吸引液および洗浄液、瘻孔ドレナージ気管支肺胞洗浄液、痰、中耳および内耳吸引液、嚢胞吸引液、脳脊髄液、便、下痢液、尿、涙、乳分泌液、卵巣内容物、腹水粘液胃液胃腸管内容物、尿道分泌物滑液腹膜液、胎便液または分泌液羊膜液精液陰茎分泌物、または同等物被検物を含み、試験され得る。スワブからのアッセイ、または、粘膜分泌および上皮を代表する洗浄液が受け入れ可能で、例えば、扁桃腺歯肉鼻腔、尿道、直腸、下部結腸、および眼の粘膜スワブや、あらゆる種類の組織試料ホモジネート溶解物消化物もまたそうである。哺乳動物細胞は、受け入れ可能な検体である。生理学的または生物学的な液体の他に、水、工業廃棄物、食品ミルク、空気濾過物等の検体もまた試験試料である。いくつかの実施形態では、試験検体はデバイス内に直接載置され、他の実施形態では、分析前処理が想定される。

0020

バイオアッセイ標的分子:または「目的の核酸」または「標的分子」は、単一または複数の核酸を含む。標的核酸は、遺伝子、遺伝子の一部、遺伝子の調節配列mRNArRNAtRNA、siRNA、cDNAを含み、そして単鎖、2本鎖、または3本鎖であり得る。いくつかの核酸標的は、多形性欠失、および代替スプライス配列を有する。

0021

粘土鉱物:または「粘土」は、層(シート状)構造および(通常2マイクロメートルより小さい)非常に小さな粒子サイズを備える一群の(フィ珪酸塩を含む)含水アルミニウムまたはマグネシウム珪酸塩のいずれかをいう。粘土鉱物は、有意の量の鉄、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を含み得る。粘土鉱物は、天然に存在する粘土および粘土岩の主な鉱物ストックを形成し、そしてそのような地質学堆積物から生産される。粘土鉱物はまた、シルト岩粘板岩、およびある種の砂および砂岩等のその天然資源からも得られ得る。粘土鉱物はまた、合成的によっても生産され得る。

0022

フィロ珪酸塩:Si2O5、または珪素酸素に対する比が2:5の組成を持った珪酸塩4面体の平行シートを形成する、シート状珪酸塩と記載される幅広クラスの鉱物を含む。フィロ珪酸塩は、アンチライトおよびクリソタイル蛇紋石群、魚眼石群葡萄石群、および以下に記される粘土鉱物群を含む。タルクとして知られる鉱物を含むフィロ珪酸塩はいずれも、本発明における使用に好適である。

0023

病原体:感染または感染症に関連する有機物

0024

病態:健康の欠如、すなわち、病気、虚弱病的状態、または潜在的な罹患率と関連する遺伝形質によって特徴付けられる哺乳動物宿主の状態。

0025

様々な実施形態は、1つ以上の標的感染因子を含む試験検体を分析できるマイクロ流体デバイスを含む。例示的な標的感染因子は、DNAベースのゲノムまたはRNAベースのゲノムのいずれかを有する微生物および/またはウイルスを含む。いくつかの実施形態では、好適なウイルスは、限定されないが、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)IおよびII型、A型インフルエンザウイルスB型インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)AおよびB型、ヒトメタニューモウイルス(MPV)、および/または単純ヘルペスウイルス(HSV)Iおよび/またはII型を含む。

0026

他の実施形態では、検体中に存在するウイルス感染因子は、限定されないが、インフルエンザA型インフルエンザB型、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)AおよびB型、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス)、エプスタイン−バーウイルスサイトメガロウイルスヒトパピローマウイルスオルソミクソウイルスパラミクソウイルスアデノウイルスコロナウイルスラブドウイルスポリオウイルストガウイルス、ブニヤウイルス、アリーナウイルス、風疹ウイルスレオウイルスノロウイルス、ヒトメタニューモウイルス(MPV)、単純ヘルペスウイルス1および2(HSV−1およびHSV−2)、西ナイルウイルス黄熱病ウイルス水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、狂犬病ウイルスライノウイルスリフトバレー熱ウイルスマールブルグウイルスムンプスウイルス麻疹ウイルスエプスタイン—バーウイルス(EBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、エボラウイルスコロラドダニ熱ウイルス(CTFV)、および/またはライノウイルスを含む。

0030

核酸:用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」は、限定されないが、本明細書では、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドを含む任意の長さのヌクレオチドポリマー形態を含めるために用いられる。比較的短い核酸ポリマーは、多くの場合、「プライマー」または「プローブ」として用いられる。この定義は、メチル化またはキャップ化され得る天然供給源からの核酸と、そしてまた置換体または誘導体化核酸塩基を含み得、ペプチド骨格に基づき得る合成形態とを含む。核酸は、概してアデノシングアニンチミン、およびシトシンと、それらの「デオキシ」形態のポリマーであるが、ウラシルおよびキサンチン等の他のピリミジン、またはデオキシイノシン等のスペーサーおよび汎用塩基をもまた含み得る。デオキシ核酸は、相補的配列の有無、pH条件、塩濃度、温度、およびホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミドジメチルスルホキシド、およびN−メチルピロリジノン等の特定の有機溶媒の有無に応じて、単鎖または2本鎖である得る。

0031

「標的核酸配列」または「鋳型」:本明細書で使用されるように、用語「標的」は、ポリメラーゼによってアッセイ中で増幅され、かつ検出されるべきであるバイオサンプル中の核酸配列をいう。「標的」分子は、検体中の「スパイク」または特徴付けられていない被験物として存在し得、合成または有機体原産のいずれかのDNA、cDNA、gDNA、RNA、mRNA、rRNA、またはmiRNAから成り得る。「有機体」は、哺乳類に限定されるものではない。標的核酸配列は、増幅の際の相補的配列の合成用の鋳型である。ゲノムの標的配列は、慣例的に5'末端から3'末端まで列挙される塩基の配列リストによって表示される。

0032

リポーター、「ラベル」、または「タグ」:物理的、化学的、電磁的および他の関連する分析技法によって検出され得るバイオ分子またはバイオ分子の改変を意味する。検出可能なリポーターの例は、限定されないが、放射性同位体蛍光体発色体、質量ラベル、高電子密度粒子、磁性粒子、染色された粒子、量子ドット(QDot)、スピンラベル化学発光を放出する分子、電気化学的に活性な分子、酵素、コファクター核酸プローブに連結された酵素、および酵素基質を含む。リポーターは試薬としてバイオアッセイに用いられ、多くの場合、別の分子に共有結合によって結合し、固相上に吸着されるか、または特定の親和性結合によって結合される。

0033

プローブ:「プローブ」は、室温で安定な2重らせんを形成するのに十分な相補性を持った相補的塩基対合により、標的核酸に結合できる核酸である。プローブは、リポーター基によってラベル付けされ得る。プローブに取り付けられ得る好適なラベルは、限定されないが、放射性同位体、蛍光体、発色体、質量ラベル、高電子密度粒子、磁性粒子、スピンラベル、化学発光を放出する分子、電気化学的に活性な分子、酵素、コファクター、および酵素基質を含む。プローブの配列、長さ、およびハイブリダイゼーション条件選定用ツールは、概して当業者によく知られている。

0034

増幅:本明細書で用いられるように、用語「増幅」は、核酸配列濃度の初期濃度に対してその濃度の増大をもたらす「鋳型依存プロセス」をいう。「鋳型依存プロセス」は、「プライマー」分子の「鋳型依存伸長」を含むプロセスである。「プライマー」分子は、標的配列の既知部分と相補的な核酸の配列をいう。「鋳型依存伸長」は、新たに合成される核酸鎖ストランドが、標的核酸およびプライマーの相補的塩基対合則で規定されるRNAまたはDNAの核酸合成をいう。

0035

アンプリコンは、従来技術増幅手段の2本鎖DNA産物を意味し、DNAおよびRNA鋳型から形成される2本鎖DNA産物を含む。

0036

両側(two−tailed)アンプリコンは、タグ付きプライマー対が共有結合によって統合され、第1のプライマーがペプチドハプテンまたはエピトープと結合し、第2のプライマーが、親和性リポーター、タグまたは「リガンド」と結合している、増幅手段の2本鎖DNA産物を意味する。本明細書で使用されるように、両側アンプリコンは「ヘテロ二官能性テザーとして機能し、固体基質上で分子検出複合体を形成する。

0037

プライマー:本明細書で使用されるように、好適なポリメラーゼおよびコファクターの存在下、鋳型で方向付けられるDNA合成開始点となり得る単鎖ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド複合体である。プライマーは、概して、少なくとも7ヌクレオチドの長さを有し、より典型的には、長さが10〜30ヌクレオチドまたはそれより長い。用語「プライマー対」は、増幅されようとするDNA鋳型の5'末端の補体ハイブリダイズする5'「順方向」または「上流」プライマーを含む1組のプライマーと、増幅されようとする配列の3'末端とハイブリダイズする3'「逆方向」または「下流」プライマーとを意味する。両方のプライマーとも5'および3'末端を有し、プライマー伸長は、常に5'から3'に向かって起こることに留意されたい。したがって、5'末端またはその近傍での化学的結合は、好適なポリメラーゼによるプライマー伸長を阻害しない。プライマーは、「順方向」および「逆方向」プライマーの正体が交換可能であるプライマー対を指して「第1のプライマー」および「第2のプライマー」と称され得る。追加的プライマーが、ネステッド増幅に用いられ得る。

0038

ポリメラーゼは、プライマー分子の3'ヒドロキシル末端延長するために、ヌクレオシドリン酸またはデオキシヌクレオシド3リン酸を組み込むそれらの機能で定義される酵素である。ポリメラーゼに関する一般論については、Watson,J.D.ら,(1987) Molecular Biology of the Gene,第4版,W.A.Benjamin,Inc.,Menlo Park, Calif.を参照されたい。ポリメラーゼの例は、限定されないが、大腸菌DNAポリメラーゼI型、「クレノウ」断片、Taqポリメラーゼ、T7ポリメラーゼ、T4ポリメラーゼ、T5ポリメラーゼ、および逆転写酵素を含む。逆転写酵素の例は、ヒト免疫不全ウイルス1型由来のHIV-1逆転写酵素、テロメラーゼモロニーマウス白血病ウイルス由来のM−MuLV逆転写酵素、およびニワトリ骨髄芽球症ウイルス由来のAMV逆転写酵素を含む。

0039

なお、逆転写酵素は、RNA標的に対しポリメラーゼ連鎖反応法を適用するための研究に一般に用いられることに留意されたい。古典的なPCR法は、DNAに直接的に適用できるにすぎないが、RNAからcDNAを合成するために逆転写酵素を用いることによりRNA標的からのPCR分析が可能となる。この技法は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(Reverse Transcription−Polymerase Chain Reaction、RT−PCR)と総称される。

0040

(核酸に関して)相補的とは、2重らせんを形成するようにハイブリダイズできる2つの単鎖核酸配列を意味する。2つの相補鎖の2重らせんにおける塩基対マッチングは、絶対的なものとは限らない。ハイブリダイゼーション選択性は、アニーリング温度、塩濃度、および溶媒関数であり、そして少なくとも14〜25ヌクレオチドのストレッチにわたってわずか55%程度の同一性であるとき、概して低いストリンジェンシーで起こり得る。厳密性ストリンジェンシーは、当業者によく知られた方法で増大させることができる。M. Kanehisa,Nucleic AcidsRes.12:203(1984)を参照されたい。プライマーのハイブリダイゼーションについて述べると、「完全に相補的」なプライマーは、プライマーの全長にわたって完全に相補的な配列を有し、そしてミスマッチを有さない。「ミスマッチ」とは、プライマー中の塩基と、それが整列される標的核酸中の塩基とが相補的ではないことを意味する。

0041

事前装填は、試薬が、デバイスの製造中、例えば、その最終使用の前にデバイスに追加されることを意味する用語である。従って、固体試薬は、例えば、試薬中の溶媒を蒸発させることによって試薬の溶液を乾燥させることにより、デバイス上に搭載され得る。代わりに、試薬は、全内容が参照により本明細書に組み込まれるBattrellらの米国公開特許公報第2012/0156750号に開示されるような脱水形態で事前装填されてもよい。

0042

試薬は、酵素を含む、反応に使用される任意の化学的または生化学的物質を広く意味する。試薬は、それ自体が監視され得る単一薬剤(例えば、加熱される際に監視される物質)、または2つもしくはそれを上回る薬剤の混合物を含むことができる。試薬は、生物(例えば細胞)または非生物であってもよい。核酸増幅反応用の例示的試薬は、限定されないが、緩衝液、(マグネシウム塩等の)金属イオンキレート剤、ポリメラーゼ、プライマー、鋳型、ヌクレオチド3リン酸、ラベル、染料、ヌクレアーゼ阻害物質、および同等物を含む。酵素反応用の試薬は、例えば、基質、色原体、コファクター、結合酵素、緩衝液、金属イオン、阻害剤および活性化剤を含む。全ての試薬が反応物質とは限らない。

0043

特異性:標的バイオマーカーの真の陽性シグナルを任意のバックグランド誤信号または干渉信号から確実に区別するアッセイの能力を意味する。

0044

感度:負が、もはや正から確実に区別できなくないアッセイの検出下限値を意味する。

0045

定性保管中、例えば、活性、濃度、分解、粘度、pH値、または粒子組成等のパラメーターで測定される任意の組成的変化を意味し、10%以上の経時変化は、不安定性を示す。10%に等しいまたはそれを下回る変化は、安定性を示唆する。安定性が測定される期間は、組成物の意図された有用性に応じて相対的なものである。より高い温度での加速安定性は、時として、実際に測定されるよりも、長期間にわたる安定性を推定するより迅速な方法である。

0046

エンドポイント:「エンドポイント」または「データポイント」は、定性的または定量的アッセイのいずれかからの「結果」の省略形として本明細書で使用され、一定の平坦域または反応物のレベルが達成される安定したエンドポイントと、速度反応、すなわち、反応物または産物の出現または消失速度が時間の関数(すなわち、傾き)であるデータポイントとの両方を意味し得る。

0047

マイクロ流体カートリッジ流体構造と、マイクロ流体的な寸法を有する内部チャンネルとを有する、「デバイス」、「カード」または「チップ」。これらの流体構造は、例えば、室、弁、ベントビア、ポンプ、注入口、ニップル、および検出手段を含み得る。概して、マイクロ流体チャンネルは、約500μmよりも小さい、典型的には約0.1μm〜約500μmの、少なくとも1つの内部断面寸法を有する流体通路である。マイクロ流体チャンネルは、600μmより小さい少なくとも1つの内部断面寸法を有する流体通路である。マイクロ流体流動様式は、ポアズイユ流または「層状」流によって特徴付けられる。粒子体積率、および、粒子径に対するチャンネル径の比(D/d)は、流れ特性に対し測定可能な影響を及ぼす。(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるStaben M Eら(2005)「Particle transport in Poiseuille flow in narrow channels.」Intl J Multiphase Flow 31:529〜47、およびその引用文献を参照されたい。)

0048

マイクロ流体カートリッジは、レーザステンシルエンボス加工スタンピング射出成形マスキングエッチング、および三次元ソフトリソグラフィー等の技法を用いて、様々な材料から作られ得る。積層マイクロ流体カートリッジはさらに、接着剤中間層を用いて、または配向ポリプロピレン圧力処理による等、熱的接合法により作られる。積層および成形マイクロ流体カートリッジのマイクロアーキテクチャは、変わり得る。

0049

マイクロ流体チャンネル(「マイクロチャンネル」とも称される):可変長で、500μmよりも小さい単一断面寸法を有する流体チャンネルである。マイクロ流体チャンネル内のマイクロ流体的な流体流れ挙動は、非常に非理想的で層状であり、端から端までの圧力低下や断面積よりも、壁の濡れ性、粗さ、液体の粘度、接着性粘着性により多く依存し得る。マイクロ流体の流れ様式は、多くの場合、チャンネル内の「仮想液体壁」の存在と関連する。しかしながら、大きなチャンネルでは、10psi以上のヘッド圧が、アッセイのすすぎ工程で重要であり得るような乱流に乗る遷移流れ様式を生成し得る。

0050

押出成形によって形成された層で構成されるマイクロチャンネルは、より丸みを帯びたチャンネルプロファイルと、各「ビア」の半径とを有していてもよい。射出成形部品の内部チャンネル表面もまた、幾分より滑らかである。チャンネルの流動特性は、マイクロ流動様式における大きな表面効果のため、意義深い。表面張力と粘度とが合わさって表面粗さ効果となる。チャンネルの最も狭い寸法が、流れに最も大きな影響を有する。したがって、長方形または円形断面プロファイルに基づくチャンネル内の流れは、対角幅または直径によって制御されることとなり、そして設計は、典型的には、この現象を利用するように変更される。流れ方向における先細りテーパ)の減少は、200ミクロンより小さな直径に対しウィッキング効果をもたらす。逆に、流れは、圧力が印加されない限り、バルブ(bulb)を形成するようにチャンネルを開くことによって停止され得る。チャンネル内のビアは、固体状態逆止弁一種に、流れ方向を促進するように設計できる。

0051

本明細書で使用されるように、用語「下流」は、使用時に、検体がデバイスの様々な部分を通して順次通過することを意味する。用語「下流」はその範囲内に、直接流体連通しているデバイスの2つの部分を含むが、2つの部分が、例えば、弁またはデバイスの別の部分によって分離されている場合もその範囲内に含む。用語「統合」は、例えば、デバイスの同じ部分が検体をフィルタリングするのに役立ち、また溶解ユニットとして機能するように、デバイスの2つの異なる部分が単一のユニットに統合されることを意味する。用語「統合」が、核酸増幅ユニットと組み合わせて本発明の第1および第2の側面のデバイスに適用されるとき、それは、システムの2つの部分が、使用時に互いに流体連通するように、互いに接続されていることを意味する。別の側面において、「統合」という用語は、デバイスの異なる部分が、好ましくは、共通の基板上に形成されていることを意味する。用語「接続される」は、デバイスの2つの部分に適用されるとき、2つの部分が(例えば、直接接合されるか、またはチャンネルを介して結合されるかのいずれかによって)互いに直接流体連通できるか、または、例えば、弁またはデバイスの別の部分によって互いに分離することができることを意味する。好ましくは、用語「に接続された」は、デバイスの2つの部分が互いに直接接合されていることを意味する。

0052

マイクロ流体ポンプ:流体の動きを強いることを目的とした、例えば、バルブ(bulb)、ベローズダイアフラム、またはバブルを含み、ポンプのサブ構造は、1ミリメートルより小さい厚さまたは他の寸法を有する。そのようなポンプは、ともに出願人に譲渡され、それらの全体が本明細書に参考として組み込まれるWeiglの米国特許第6,743,399号およびSaltsmanの米国特許出願第2005/0106066号に記載の機械的に作動する再循環ポンプを含む。このようなポンプは、ロボット操作または手動で操作され得る。電気浸透ポンプもまた提供される。このようなポンプは、外付けドライブの代わりに、可溶化した試薬や、マイクロ流体デバイスに基づくアッセイ中の検体の流れを推進するように使用され得る。

0053

ベローズ(「フィンガ」)ポンプ:空洞として形成されたデバイスであり、多くの場合、形が円筒状で、流体接続されていない第1および第2の半室を形成するよう、エラストマーダイアフラムによりセクションに2分されている。ダイアフラムは、第1の半室に接続された空気圧パルス発生器によって制御される。ダイアフラムより上の正圧がそれを膨張させて第2の半室の内容物を移動させ、負ゲージ圧吸引)がダイアフラムを後退させて第2の半室を拡大し、流体を引き込む。半室によって、ダイアフラムの有効面積は、正の圧力下における体積変位吸引圧力下における体積変位との小さい方であり、したがって、第1および第2の半室がおおよそ対称、またはダイアフラムの上下の体積が等しいときに最適となるものと理解されるべきである。第2の半室は、流体の注入口と排出口とに接続されている。流体の注入口と排出口は、別個ポートでも単一のポートでもよいが、いずれの場合も、弁の制御下にある。上述したように、空気パルス発生器は、概して、これもまた弁付きのマイクロチャンネルによって、第1の半室に空気圧接続される。完全な装置では、空気圧作動はプログラム可能である。このように、パルス発生器によって使用されるプログラム可能な空気圧ロジックは、信号でダイアフラムを作動させ、信号で弁を開閉させる2つの機能を有する。パルス発生器がカートリッジから離れているときには、ニップルまたは注入口と、空気マニホールドと、電磁弁とが設けられる。

0054

使用時において、流体は、負圧がダイアフラムに印加されたとき(または、流体が第2のベローズポンプで押し込まれたときには受動的に)、入口弁を通ってベローズポンプの第2の半室に入る。次いで、正圧がダイアフラムに印加されたときに、室の流体内容物は、流出口弁を通って外に移動する。同様に、正および負の圧力信号は、弁の開閉を制御する。ダイアフラムに正および負の圧力パルス列を供給することにより、流体がベローズポンプ室の内および外に動かされ得る。この流体動作は、同期した弁ロジックの適用と、それによるポンプ作用によって方向付けられるようになる。

0055

マイクロ流体弁:少なくとも1つの寸法が500μmより小さい油圧、機械、空気圧、磁気、および静電アクチュエータ流量コントローラの種類を含む。代表的なフラップ弁の種類は、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,431,212号に記載されている。逆止弁もまた含まれる。弁の1つのクラスは、流れチャンネルおよび制御チャンネルが交差し、制御チャンネル内の作動力に応答して流れチャンネル内に偏向または流れチャンネル外に退避させることができるエラストマー膜によって分離された構成を意味する。マイクロ流体弁の種類を記載する特許は、そのいくつかがともに出願人に譲渡され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,971,355号、第6,418,968号、第6,518,99号、第6,620,273号、第6,748,975号、第6,767,194号、第6,901,949号、ならびに米国特許出願第2002/0195152号および第2005/02005816号等である。

0056

逆止弁:一方向弁である。ボールスプリング弁、フラップ弁、およびフリップフロップ弁のマイクロスケール版は、逆止弁である。

0057

パッシブシャットオフ弁:浸漬したとき、いずれの方向にもさらなる流れを遮断するためマイクロチャンネルを閉じるように膨潤するマイクロ流体チャンネル内の水和性インサートまたはコーティングである。同様に、マイクロチャンネルの壁上の疎水性材料リングから成る「表面張力弁」は、試薬の流れを遅延または停止させることが開示されている。流れの停止はまた、マイクロ流体チャンネル径のテーパを広げることによって達成され得る。

0058

自己プライミング:チャンネルが湿潤性であり、チャンネルに呼び水を差すことを概して必要とせずに毛細管流れが始まるような材料から製造されるか、またはそのような処理を施されたマイクロ流体チャンネルを意味する。

0059

ビア:1つの基板層から、上または下の別の基板に流体経路を提供するマイクロ流体チャンネルのステップ、層から構築された積層デバイスの特徴。

0060

ピロー:例えば、制御された時間にその内容物を放出するようバッグ穿刺するための空気圧作動式装置に随意に囲まれたマイラーマイクロバッグ等、変形可能な球形嚢から形成されたデバイス上の試薬パック。金属とプラスチックの共積層体(co−laminates)が、安定性を考慮すると好ましい。

0061

ブリスタパック:変形可能な(または弾性の)ダイアフラムの下にあるデバイス上の試薬パック。ダイアフラムを加圧することにより試薬を送達するために使用され、ダイアフラムにかかる圧力が「ピロー」を破裂させるような金属シェブロン等の「鋭利物」を並置してもよい(ピローを参照されたい)。これらは、方向性の流体流れおよび試薬送達を生成するため、逆止弁または閉鎖可能なベントとともに使用され得る。弾性ダイアフラムは、例えば、ポリウレタンポリシリコーンおよびポリブタジエン、ならびにニトリルから容易に得られる(エラストマーを参照されたい)。変形可能な非弾性ダイアフラムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、マイラー、ポリプロピレンポリカーボネート、またはナイロンで作られる。変形可能なフィルムの他の好適な材料には、パラフィルムラテックスフォイル、およびポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。変形可能なフィルムを選択する際の重要な因子は、降伏点と変形緩和係数(弾性率)を含む。

0062

分離または「分離された」:「順方向分離」は、本明細書では、潜在的に感染性因子または毒素で汚染された臨床材料への暴露からユーザを保護することを意味する。「逆方向分離」は、偽陽性の原因となり得る、核酸で起こるような外因性汚染からのアッセイデバイスの保護を意味する。

0063

廃棄物室または「パック」:排出される検体、すすぎ液、および廃棄物試薬を隔離するための入れ物として機能する空洞または室である。通常は、ウィッキング材も含む(ウィックを参照されたい)。廃棄物パックはまた、マイクロ流体デバイスの本体に封着された弾性分離膜下で密封され得る。この内膜は、吸湿性材料が膨張するにつれて膨張し、それにより廃棄物を封入する。分離膜の外側の空洞は、廃棄物が封じ込められ隔離されるように大気解放される。廃棄物パックは、随意に、乾燥状または液体状の滅菌剤を含有してもよい。

0064

ウィック:マイクロ流体ポンプの代わりに、またはこれと協調して、毛細管湿潤により流体流れを推進させるために使用される吸湿性の材料である。吸湿性コアは、典型的には、天然または合成繊維繊維ウェブを含み、また、通常、「ヒドロゲル」、「超吸収体」または「ヒドロコロイド」材料と呼ばれる特定の吸収性ゲル化材料を多くの場合含む。材料は、紙、スポンジ、おむつ材料、コンテックワイプ(Contec−Wipe)、およびその他を含む。硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカゲル等の乾燥剤が、単独、または吸湿性材料と組み合わせて、用いられ得る。

0065

トラップ:ベントから廃棄物容器をさらに分離するダムの付いた流体トラップ

0066

ベント:内部空洞と大気との間を相互連通する細孔。「衛生的」または「分離ベント」はまた、ガスに対して透過性フィルタ要素を含むが、疎水性であり湿潤化に抵抗する。随意に、これらのフィルタ要素は、0.45ミクロンまたはそれより小さな細孔径を有する。これらのフィルタは、順方向分離および逆方向分離の両方に機能する。この種および構造のフィルタエレメントはまた、内部に配置され得、例えば、弁やベローズポンプを、それを制御する空気圧マニホールドから隔離する。

0067

テストフィールド:マイクロ流体デバイスに基づくアッセイ内の部位を意味し、ここでアッセイエンドポイントが光学窓等から観察または測定され、またこれは随意にテストパッドを含む検出室となる。

0068

「従来」は、本発明が関連する先行技術で知られていることを示す用語である。

0069

「約」および「概して」は、ばらつきが取るに足りず、明白で、等価な実用性や機能を有し、さらに標準規則や制限に対し明らかに小さな例外の存在をさらに示す場合において、非厳密な表現を拡大し、「多少」、「およそ」、または「ほぼ」の条件を「だいたい」の意味で記述する。例えば、様々な実施形態では、上記用語は、用語に続く値の20%、10%、5%、1%、または0.1%以内の量をいう。

0070

本明細書で、「機能のための手段(means for a function)」と記載される場合、本発明の範囲は、図示された単数または複数のモードのみに限定されず、本明細書に記載される機能を実行するための全ての手段と、出願時に当技術分野において一般に周知の他の全ての手段とを包含すると理解されるべきである。「先行技術手段」は、いくつかの実施例を参照することにより本明細書に引用される技術の累積知識を含め、出願時に当技術分野において当業者に知られている機能を実行するための全ての手段を包含する。

0071

重合手段は、例えば、逆転写酵素およびTAQポリメラーゼ等、例えば、ポリメラーゼおよびそのコファクターおよび基質として記載される分子機械の様々な種を意味し得、いくつかの例を参照することにより本明細書に引用される酵素学の累積知識を含む。

0072

増幅手段は、熱サイクルおよび等温手段を含む。最初の熱サイクル法は、米国特許第4,683,195号、第4,683、202号および第4,800,159号、Ausubelらに詳細に記載されるポリメラーゼ連鎖反応(PCRと称される)である。Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,Md.(1989)、およびInnisら著、(「PCR Protocols」 Academic Press,Inc.,San Diego Calif.,1990)の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ポリメラーゼ連鎖反応の方法論は、当業者に周知である。簡単に述べると、PCRでは、標的配列の逆相補的ストランド上の領域に相補的な2つのプライマー配列が調製される。デオキシヌクレオシド3リン酸の過剰分が、例えば、Taqポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼとともに反応混合物に添加される。標的配列が検体中に存在する場合、プライマーは標的に結合し、ポリメラーゼは、ヌクレオチドを付加することにより、プライマーがマーカー配列に沿って伸長される。反応混合物の温度を上昇、および下降させることにより、伸長したプライマーは鋳型から解離して反応産物を形成し、過剰なプライマーは鋳型および反応産物に結合し、このプロセスが繰り返される。蛍光インターカレート剤を添加することにより、PCR産物リアルタイムで検出することができる。

0073

1つの等温法は、LAMP法(loop−mediated isothermal amplification of DNA)で、Notomi,T.ら、Nucl Acid Res 2000 28に記載されている。

0074

ストランド置換増幅法(Strand Displacement Amplification)は、核酸の等温増幅を行う別の方法で、複数回のストランド置換および合成、すなわち、ニックトランスレーションを含む(Walkerら、Nucleic AcidsResearch,1992:1691−1696(本明細書中に参考して組み込まれる))。同様の方法は、修復連鎖法(Repair Chain Reaction)と呼ばれ、増幅の標的とされる領域全体でいくつかのプローブのアニーリングと、それに続く、4つの塩基のうち2つのみが存在する修復反応とを含む。他の2種の塩基は、検出を容易にするため、ビオチン化誘導体として追加できる。同様のアプローチは、SDAにも使用される。標的特異的な配列は、循環プローブ反応(cyclic probe reaction/CPR)を使用しても検出され得る。CPRでは、非特異的なDNAの3'配列および5'配列ならびに特異的なRNAの中央配列を有するプローブを、検体中に存在するDNAにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションの際、反応物をRNaseHにより処理し、プローブの産物が、消化後に放出される特徴的な産物として同定される。最初の鋳型が、別の循環プローブにアニールされ、反応が繰り返される。

0075

他の核酸増幅技術は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)である。まず、逆転写酵素を使用して相補的DNA(cDNA)をRNA鋳型から作り、その後、PCRが、得られたcDNA上で実行される。

0076

増幅のための別の方法は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる欧州特許第320 308号に開示されたリガーゼ連鎖反応(「LCR」)である。LCRでは、2つの相補的なプローブ対が調製され、そして標的配列の存在下で、各対が、当接するよう、標的の反対の相補的ストランドに結合する。リガーゼの存在下で、2つのプローブ対が結合して、単一のユニットを形成する。PCRの場合と同様の温度サイクリングにより、結合し連結されたユニットが標的から解離し、次いで、過剰のプローブ対の連結のための「標的配列」として機能する。その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,883,750号は、プローブ対を標的配列と結合させるためのLCRと同様の方法を記載する。

0077

Qβレプリカーゼも、本発明において、さらに別の増幅方法として使用され得る。この方法では、標的の領域に相補的な領域を有するRNAの複製配列が、RNAポリメラーゼの存在下で、検体に添加される。ポリメラーゼが複製配列をコピーし、次いで、それが検出され得る。

0078

その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる英国特許出願第2 202 328号、およびPCT出願第PCT/US89/01025号に記載されたさらにもう1つの増幅法も、本発明に従って使用され得る。前者の出願では、「改変された」プライマーが、PCR様の鋳型依存性かつ酵素依存性の合成に使用される。プライマーは、キャプチャーモエティ(例えば、ビオチン)および/または検出モエティ(例えば、酵素)でラベルすることにより改変され得る。後者の出願では、標識の付いたプローブの過剰分が検体に添加される。標的配列の存在下で、プローブは結合し、触媒的に開裂される。開裂後、標的配列が、無傷のまま放出され、過剰のプローブに結合される。ラベル付きプローブの開裂は、標的配列の存在を示すシグナルを与える。

0079

その他の核酸増幅法は、核酸配列ベース増幅(nucleic acid sequence based amplification/NASBA)および3SRを含む、転写に基づく増幅システム(transcription−based amplification systems/TAS)を含む。(その開示が参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、Kwohら,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,86:1173;GingerasらのPCT出願第WO88/10315号)。NASBAでは、核酸が、標準的なフェノール/クロロホルム抽出、臨床検体の熱変性溶解緩衝液による処理、ならびにDNAおよびRNAの単離のためのミニスピンカラム、またはRNAの塩化グアニジニウム抽出により、増幅用に調製され得る。これらの増幅技法は、標的特異的な配列を有するプライマーのアニーリングを含む。重合の後、DNA/RNAハイブリッドをRNaseHにより消化し、その一方、2本鎖DNA分子は再び熱変性させる。いずれの場合も、第2の標的特異的なプライマーの添加により、単鎖DNAを完全に2本鎖にし、続いて重合を行う。次いで、2本鎖DNA分子は、T7またはSP6等のRNAポリメラーゼにより多重転写される。等温循環反応では、RNAが単鎖DNAへ逆転写され、次いで、それが2本鎖DNAに変換され、次いで、T7またはSP6等のRNAポリメラーゼにより再度転写される。得られた産物は、短縮されていても、または完全であっても、標的特異的な配列を示す。

0080

参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDaveyらの欧州特許第329 822号は、本発明に従って使用され得る単鎖RNA(「ssRNA」)、ssDNA、および2本鎖DNA(dsDNA)を循環的に合成することを含む核酸増幅法を開示する。ssRNAは、逆転写酵素(RNA依存DNAポリメラーゼ)により伸長される第1のプライマーオリゴヌクレオチドのための鋳型である。次いで、RNAは、リボヌクレアーゼH(RNaseH、DNAまたはRNAのいずれかとの2重鎖であるRNAに特異的なRNase)の作用により、得られたDNA:RNA二重鎖から除去される。得られるssDNAは、鋳型へのその相同性への、RNAポリメラーゼプロモータ(例えば、T7RNAポリメラーゼ)5'の配列も含む、第2のプライマーのための鋳型である。このプライマーは、次いで、DNAポリメラーゼ(例えば、大腸菌DNAポリメラーゼDの大きな「クレノウ」断片)により伸長され、プライマー間に最初のRNAの配列と同一の配列を有し、1つの末端にプロモータ配列をさらに有する2本鎖DNA(「dsDNA」)分子をもたらす。このプロモータ配列は、適切なRNAポリメラーゼにより、DNAの多くのRNAコピーを作るために使用され得る。これらのコピーは、次いで、再びサイクル入り、極めて高速の増幅をもたらし得る。酵素の適切な選択により、この増幅は、各サイクルで酵素を添加することなく等温で実施され得る。このプロセスの循環的な性質のため、出発配列は、DNAまたはRNAのいずれかの形態であるように選択され得る。

0081

参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMillerらのPCT出願第WO 89/06700号は、標的単鎖DNA(「ssDNA」)へのプロモータ/プライマー配列のハイブリダイゼーション、それに続く、配列の多くのRNAコピーの転写に基づく核酸配列増幅スキームを開示している。このスキームは、循環的ではない、すなわち、得られたRNA転写物から新たな鋳型は作製されない。他の増幅法は、「RACE」および「one−sidedPCR」(Frohman,M.A.,「PCR Protocols: A Guide to Methodsand Applications,」Academic Press,N.Y.,1990;Oharaら,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,86:5673−567,それぞれ、その開示が参照によりその全体が本明細書に組みこまれる)を含む。

0082

得られる「ジオリゴヌクレオチド」の配列を有する核酸の存在下で、2つ(またはそれを超える)オリゴヌクレオチドの連結、それによるジオリゴヌクレオチドの増幅に基づく方法もまた、本発明の増幅工程において使用され得る。Wuら、(1989,Genomics 4:560(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。

0083

検出手段:本明細書で使用されるように、エンドポイント、すなわち、アッセイの結果を表示するための装置を意味し、検出チャンネルおよび試験パッド、ならびに検出エンドポイントの評価のための手段を含み得る。検出エンドポイントは、観察者により視覚的に試験フィールドで、または分光光度計蛍光光度計照度計光電子増倍管フォトダイオード、ネフェロメータフォトンカウンター電圧計電流計pH計容量センサ無線周波数送信機磁気抵抗計、もしくはホール効果デバイスを搭載した機械によって評価される。色を有するまたは含浸された、またはよい高い屈折率を有する磁性粒子、ビーズおよび微小球体が、アッセイのエンドポイントの視覚的または機械で増強された検出を容易にするために使用され得る。カバープレート内の拡大レンズ光学フィルタ着色液およびラベル付けは、アッセイ結果の検出および解釈を向上させるために使用され得る。磁性粒子、ビーズおよび微小球体の検出のための手段は、限定されないが、先行技術で知られているような、発色体および蛍光体等の染料、無線周波数タグプラズモン共鳴スピントロニクス放射性標識ラマン散乱、化学発光、誘導モーメント等の埋め込みまたはコーティングされた「ラベル」または「タグ」も含み得る。それぞれの自己会合に応じて独特色素生成シグナチャーの付いたコロイド粒子もまた、検出可能なエンドポイントを提供することが予想される。磁気ビーズ上で装飾され、ZnSで被覆されたCdSe等のQドット、またはQドットのアマルガム、および随意に、ゾルゲル微粒子マトリックス中、または逆エマルジョンで調製された常磁性Fe3O4の微粒子は、本発明のアッセイの感度を向上させる便利な方法であり、それによって小さいテスト用パッドとより大きなアレイを可能になる。蛍光消光検出エンドポイントも予想される。酵素結合免疫測定法に関連付けられる様々な基質および発色体産物は当業者に公知であり、アッセイの感度を向上させるように検出信号を増幅するための手段を提供する。検出システムは、随意に、定性的、定量的または半定量的である。視覚的検出は、その単純さのために好ましいが、検出手段は、視覚的検出、機械検出、手動検出または自動検出を含むことができる。

0084

加熱および冷却のための手段:液体で充満した室を熱サイクルするための数多くの手段が、従来技術に記載されている。これらの先行技術手段は、概して、サイクルの冷却部分の際に熱を放散するためのヒートシンクと組み合わせて、電気抵抗器熱風、レーザ、赤外線ジュール加熱、TECまたはペルチェ素子ヒートポンプ吸熱反応物、および同等物の対流および伝導加熱要素を含む。加熱手段は、高周波磁場によって駆動される磁気ビーズの動きによる加熱も含み得る。

0085

熱サイクルのための加熱、冷却装置は、2つのカテゴリ、すなわち、傾斜温度および固定温度分類される。固定温度デバイスは、反応では比較的一定の温度を維持し、熱サイクルのためには少なくとも2つの反応室が必要とされる。傾斜加熱装置は、少なくとも2つの設定点の間で温度を変化させ、そのため、熱サイクルのためには、1つの反応室のみが必要とされる。加熱要素の組み合わせも可能である。ペルチェ素子は、固定温度および傾斜用途の両方で使用され得る。水浴は、熱サイクルの傾斜温度制御に十分適合しない。

0086

概して、加熱および冷却手段は、流体部材連動して液体内容物との熱交換を行う。PCRのために、熱交換が行われるマイクロ流体チャンネルまたは室を形成する関連要素は、「PCR流体工学および熱界面アセンブリの一部と呼ばれる。
文脈が別様に要求しない限り、以下の明細書および特許請求の範囲を通して、単語「備える(comprise)」ならびに「comprises」および「comprising」等のその変形は、「含むがこれらに限定されない」という制限のない包括的な意味で解釈されるべきである。

0087

本明細書における「1つの実施形態」または「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくともある実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通した様々な箇所での「1つの実施形態では」または「ある実施形態では」というの出現は、全てが同じ実施形態を指すとは必ずしも限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態で、任意の適切な方法によって組み合わされ得る。
(2.核酸含有検体の調製)

0088

本発明者らは、粘土鉱物とアルカリ溶液との併用が、核酸分析のための複雑な生物学的検体を調製するために使用できることを驚くべきことに見出した。いくつかの実施形態では、これらの試薬は、マイクロ流体デバイス中でDNAおよびRNA標的分子の両方を検出するための共通の検体を調製するために有利に使用することができる。本発明の方法は、例えば、本発明の方法が増幅による検出の前にさらなる核酸の精製または単離を必要としないという点で、既知の検体調製法に対する改良を提供する。必須ではないが、増幅による検出前に、随意の精製および/または単離ステップを含む実施形態も考えられる。本発明で調製される核酸検体は、ヌクレアーゼ活性を本質的に含まず、酵素を改変するための優れた基質である。本明細書に開示されるマイクロ流体デバイスで実施される検体調製法は、DNAウイルスおよびRNAウイルス両方の検出のための血液または血清検体の調製に特に有利である。

0089

ある実施形態では、本発明は、標的核酸の診断解析のために核酸含有検体を調製するマイクロ流体デバイスに関する。したがって、様々な実施形態では、デバイスに装填された試験検体は、図6に示すようないくつかのステップを経る。本検体調製法は、粘土鉱物と生物学的検体溶液を接触させるステップと、粘土鉱物が生物学的検体溶液中に均一に分散されるまで生物学的検体溶液と粘土鉱物とを混合するステップと、試験検体から粘土鉱物を実質的に除去するように混合検体濾過するステップと、試験検体を細胞およびウイルス粒子を溶解するのに好適なpHのアルカリ溶液と接触させて核酸溶液を形成するステップとを含む。さらなる実施形態では、本方法は、例えば、核酸溶液の核酸増幅に基づいて、分子アッセイを行うステップを含む。本方法は、核酸溶液を、検体溶解後および増幅前の核酸検体溶液のpHを中和するのに好適な酸性溶液と接触させる付加的な随意のステップを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、核酸検体の調製手段を行うために必要な全ての試薬は、本発明のマイクロ流体デバイス上に事前装填される。なお、図6は、本発明のある実施形態を説明する目的で提供されたもので、図6に図示される全てのステップが全ての実施形態で必要とされるわけではなく、図示されないさらに別のステップも含まれ得ることに留意されたい。

0090

本発明が意味する範囲内の粘土鉱物は、任意の単一の粘土鉱物、または異なる粘土鉱物の混合物であってよい。本明細書に開示された実施形態での使用に好適な粘土鉱物は、以下の群の粘土に限定されないが、カオリナイト群、または(例えば、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、ヒシゲル石);モンモリロナイト/スメクタイト群(例えば、バイデライトろう石バーミキュライト、ソーコナイト、サポナイトノントロナイトおよびモンモリロナイト);タルクは、常にではないが、多くの場合、この群に入る。イライト(または粘土雲母)群(例えば、白雲母、イライト);そして、緑泥石群(例えば、アメサイトベイリー緑泥石、シャモサイト、クリクロア、菫泥石、クーク石、菱沸石、月石、デレス石、ゴニエライト、ニマイト、オーディナイト、オルトシャモサイト、苦土緑泥石、パナンタイトリピドライト(rhipidolite)、パイロクロア(prochlore)、須石、チュリンゲン石)を含む。本発明で好適な他の粘土鉱物は、限定されないが、曹長石群、フィリプサイト群、方沸石群、およびギブサイト群を含む。

0091

粘土鉱物はまた、当技術分野では、それらの原子構造により、定義される。一連の1テトラへドロンおよび1オクタヘドロンの層から形成される粘土鉱物はそれぞれ、2層粘土鉱物、1:1鉱物、または(専門家の用語では底面間隔と呼ばれる)テトラヘドロン層の間隔から7Å粘土鉱物と称される。この群は、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、およびナクライトを含む。1オクタヘドロンおよび2テトラへドロンの層で構成される粘土鉱物は、3層、10Å鉱物、または2:1鉱物と称される。この群は、例えば、イライトおよびスメクタイト群、海緑石とバーミキュライトとを含む。モンモリロナイトは、スメクタイト群の主な代表で、ベントナイトの主成分である。実際には、ベントナイト、スメクタイト、およびモンモリロナイトは、一般的に、多層ケイ酸塩同義語として使用されている。さらに独立したオクタヘドロンの層が3層構成の間に組み込まれると、4層または14Å鉱物が生成される。この群の代表は、クロライトである。特別な粘土鉱物群は、混合層鉱物で代表される。層パッケージの間に、例えば、イオンおよび水分子が埋め込まれ得る。これは、一般的にスメクタイトで観察されるような、層間隔の拡大(膨潤)につながり得る。本明細書に記載される粘土鉱物および粘土鉱物構造は、いずれも本発明の実施に適している。

0092

本明細書に記載されるような各種の粘土鉱物は、Thiele Kaolin Co.(Sandersville,Ga.),Imerys(Roswell,Ga.),Dry Branch Kaolin Co.(Dry Branch,Ga.),Millennium Inorganic Chemicals(Baltimore,Md.),and Minerals Technology Inc.(Specialty Minerals,Bethlehem,Pa.)BYK−Chemie GmbH(Wesel,Germany),Sigma−Aldritch(St.Louis,Mo.),American Colloid Company(Arlington Heights,Il.)等の会社から市販されている。

0093

本発明の特定の実施形態に従って、モンモリロナイトまたはベントナイトが使用される。モンモリロナイトは、商品名MK10のもとに販売されている。実際のところ、ベントナイト、モンモリロナイト、スメクタイトは、一般的に、多層の珪酸塩の同義語として使用される。モンモリロナイトは、純粋な粘土鉱物である。ベントナイトは、イライトおよびカオリナイトも含み得る、モンモリロナイトを主とする純粋ではない混合物である。ベントナイトの主要種は、粘土シート間にある優勢カチオンカリウム、アルミニウム、ナトリウム、またはカルシウムによって規定される。本明細書で用いられるように、ベントナイトは、ナトリウムを含むが、ベントナイト粘土の全ての種類は、本発明の実施に好適である。別の実施形態に従って、ハロイサイトが粘土鉱物として使用される。本発明のさらに別の実施形態に従って、フラー土が粘土鉱物として使用される。フラー土は、モンモリロナイト、カオリナイトおよびアタパルジャイト、ならびに方解石石英等の他の鉱物を含む複雑混合物として当業者に公知である。本発明の別の実施形態に従って、合成粘土ラポナイト(BYK−Chemie GmbH(Wesel、Germany)が粘土鉱物として使用される。本明細書で「粘土鉱物」と言及されるときは常に、この用語がまた、前述の粘土の混合物を含むことも意図する。
本発明の実施形態によれば、試験検体は、懸濁液の形態である。溶液中の所定の生物学的検体を溶液中に懸濁させる方法は、その性質に依存するであろう。例えば、血液製剤や尿等のいくつかの液状検体は、さらなる懸濁を必要としない。いくつかの場合、液体溶液は、リン酸緩衝塩類溶液PBS)または同様の希釈剤での希釈を必要とするであろう。動物組織の多くの形態は、懸濁の前に、凍結および/または粉砕、またはブレンダや他の機械的な混合装置を用いて均質化する等、より激しい処理を必要とするであろう。いくつかの実施形態では、懸濁液は、例えば、緩衝液を含む水性溶液等の水性溶液である。ある実施形態では、試験検体がpH6.0の酢酸塩緩衝液を含む。

0094

粘土鉱物は、乾燥形態で本発明のマイクロ流体デバイスに事前装填されても良く、試験検体中に懸濁することによって水和されるようになる。代替的に、粘土鉱物は、水和物の形態でマイクロ流体デバイスに事前装填されてもよい。本発明のある実施形態では、粘土鉱物が、pH約6.0の酢酸塩緩衝液中で予め水和される。

0095

本発明のある実施形態では、試験検体の添加時に粘土が約20mg/mlの濃度で懸濁されるように、粘土鉱物がマイクロ流体デバイスの中に事前装填される。他の好適な濃度として、例えば、1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、25mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、75mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、125mg/mL、150mg/mLから約160mg/mLまでが考慮される。生物学的検体の溶液に添加される粘土鉱物の量は、標的核酸の分解や下流の分子分析との干渉を防止するのに十分な量であろうことが理解されよう。

0096

本明細書で使用されるように、アルカリ溶液、アルカリ緩衝液、およびアルカリ溶解溶液は互換的に用いられる。本発明のアルカリ溶解溶液は塩基を含む。好ましくは、塩基は、細胞膜および/またはウイルス粒子の構造が破壊(すなわち、「溶解」)され、目的の核酸が損傷していない形(すなわち、「無傷」)で解放されるレベルに試験検体のpHを上昇させる上で十分に強い。ある実施形態では、塩基が、水酸化カリウム(KOH)である。他の実施形態では、塩基が、水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化リチウム(LiOH)である。アルカリ溶液または緩衝液は、水等の好適な溶媒中でアルカリ塩基を、例えば、約1Mの濃度で、混合することによって調製される。ある実施形態では、アルカリ溶液または緩衝液は、約0.1Mの最終濃度で添加される。他の好適な濃度が、試験検体の効果的な処理を達成するために本発明で使用され得ることは、当業者によって理解されよう。

0097

本発明のマイクロ流体デバイスはまた、事前装填された随意の中和緩衝液を含んでもよい。いくつかの好適な酸が、本発明の随意の酸性溶液または緩衝液として使用され得る。例示的な酸は、塩酸(HCl)、酢酸(C2H4O2)を含む。酸性溶液または緩衝液は、水と酸を約1Mの濃度で混合することによって調製される。本発明の随意の中和工程については、酸性溶液または緩衝液が、アルカリ溶解緩衝液を、およそpH7.2等、すなわち、ほぼ生理学的pHに中和するのに十分な濃度で添加される。ある実施形態では、酸性緩衝液または溶液が、約0.1Mの最終濃度で添加される。

0098

特定の実施形態では、本発明の方法に従って調製した核酸含有試験検体が、さらなる精製または単離工程なしに、下流の増幅処置で直接使用される。本明細書で開示されるように調製された単一核酸含有試験検体は、DNAおよびRNA標的分子の両方を検出するために使用され得る。

0099

(3.核酸含有試験検体の調製および分析のためのマイクロ流体デバイス)
本発明の実施形態は、概して、目的の核酸を含有するまたは含有すると疑われるサンプル(「検体」または「試験検体」)の調製および随意の分析に用いられるマイクロ流体デバイスに関する。ある実施形態では、本発明は、第1の端部および第2の端部を有するマイクロ流体チャンネルと、マイクロ流体チャンネルの第1の端部に流体連結され得る検体注入口とを備えるマイクロ流体デバイスを提供する。マイクロ流体チャンネルの第2の端部には、本明細書に記載されるように粘土鉱物または粘土鉱物の混合物が随意に事前装填された粘土処理室が接続されている。本実施形態のマイクロ流体デバイスは、随意の核酸分析のために検体を調製する検体処理に有用である。これらの核酸分析は、マイクロ流体デバイス上で実行されてもよく、または検体が粘土処理室での処理後に除去され、以降の操作が「オフカード」で行われてもよい。

0100

前述のさらなる実施形態では、検体注入口は、液体状試験検体がデバイスに装填できるように設計されている。例えば、検体の注入のために、注射器またはマイクロピペットを通すことが好適であり得る。デバイスは、検体注入口とマイクロ流体チャンネルの第1の端部との間に介装された随意の複合膜を含んでもよい。試験検体が全血検体であるとき、本発明のある実施形態では、複合膜が用いられ得る。本明細書で使用されるように、用語「膜」は、多孔質膜のフィルタを含む、Z寸法を有する任意の平面状材料を意味する。本発明の複合膜は、下記の図5にさらに述べられる。

0101

さらに別の実施形態では、マイクロ流体デバイスが、粘土処理された検体を溶解するように構成される。したがって、いくつかの実施形態では、デバイスは、粘土処理室の下流で同室と流体接続された検体溶解室をさらに備える。溶解室は、標的核酸を放出するため、アルカリ緩衝液、または、検体中に存在する細胞またはウイルス粒子を溶解するのに好適な溶液が随意に事前装填されてよい。アルカリ緩衝液または溶液は、任意の好適なアルカリ緩衝液、例えば、KOH、NaOH、またはLiOH、または他の適切なアルカリ緩衝液であってもよい。アルカリ緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような各々の代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、そして操作中に放出される液体として提供されてもよく、または乾燥形態で提供されてもよい。

0102

所望であれば、デバイスは、本明細書に記載されるように、抽出されたサンプルを中和するのに必要な緩衝液または試薬を含む別個の検体中和室を検体溶解室の下流にさらに含んでもよい。特定の実施形態では、中和緩衝液または試薬が、HClまたは酢酸から選択される。同様に、中和緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような各々の代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、そして操作中に放出される液体として提供されてもよく、または乾燥形態で提供されてもよい。

0103

随意に、デバイスはまた、核酸溶解室の下流に核酸増幅ウェルも含む。そのような核酸増幅ウェルは、存在するとき、本明細書でさらに述べるように、必要な試薬の全てを含有し得る。様々な実施形態では、核酸増幅室はまた、検出室として機能する(すなわち、増幅および検出が同じ室内で実行される)。代わりに、デバイスは、増幅室からの増幅産物が検出される1つ以上の別個の検出室を含み得る。
したがって、ある実施形態では、本発明は、
第1の端部および第2の端部を有するマイクロ流体チャンネルと、
マイクロ流体チャンネルの第1の端部に流体連結され、試験検体を受けるように構成された検体注入口と、
マイクロ流体チャンネルに流体連結される粘土処理室であって、粘土鉱物試薬を含有する粘土処理室と、
粘土処理室に流体連結される検体溶解室であって、アルカリ溶液を含有する検体溶解室と、
検体溶解室に流体連結された1つ以上の検体核酸増幅または検出ウェル、またはそれらの組み合わせと、

0104

1つ以上の検体流出口と、
を備える、マイクロ流体デバイスを提供する。

0105

本デバイスは、試験検体中の核酸の調製および/または分析を含む任意の数の用途に有用性を見出す

0106

特定の実施形態では、検体が、生物学的検体(例えば、血液、組織、または細胞を含有する他の検体)である。検体は、例えば、溶液、懸濁液またはそれらの組み合わせ等、様々な形態で提供され得る。様々な実施形態では、検体は、生物学的検体溶液である。

0107

デバイスに使用される粘土の正確な種類は、特に限定されず、例えば、本明細書に記載の特定の粘土鉱物のいずれか等、当業者に公知の粘土から選択することができる。いくつかの実施形態では、粘土鉱物がカオリナイト、スメクタイト、またはイライト粘土鉱物を含む。別の実施形態では、粘土鉱物がタルクを含む。他の実施形態では、粘土鉱物がハロイサイトを含む。多くの実施形態では、粘土鉱物がベントナイトを含む。さらに別の実施形態では、粘土鉱物が、例えば、ラポナイト等の合成粘土鉱物を含む。

0108

アルカリ溶液もまた、7より高いpHを提供することを条件に特に限定されない。いくつかの実施形態では、アルカリ溶液が、KOH、NaOH、もしくはLiOH、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アルカリ溶液が、KOHを含む。他の実施形態では、アルカリ溶液がNaOHを含む。別の実施形態では、アルカリ溶液が、LiOHを含む。前述の様々な実施形態では、アルカリ溶液は、上記塩基のいずれかの水溶液である。

0109

アルカリ溶液または緩衝液は、水等の好適な溶媒中でアルカリ塩基を約1Mの濃度で混合することによって調製される。ある実施形態では、アルカリ溶液または緩衝液が、およそ0.1Mの最終濃度で添加される。他の適切な濃度が、試験検体を効果的に処理するために、本発明で使用され得ることは、当業者によって理解されるであろう。

0110

必須ではないが、特定の実施形態は、溶解室の下流に随意の中和室を含む。このような随意の中和室は、アルカリ溶解溶液を中和するための溶液を含む。中和液は、典型的には酸性である。(すなわち、pH7より低い。)例えば、いくつかの実施形態では、随意の酸性溶液が、HCl、C2H4O2、またはH2SO4を含む。いくつかの実施形態では、随意の酸性溶液が、HClを含む。他の実施形態では、随意の酸性溶液が、C2H4O2を含む。さらに多くの実施形態では、随意の酸性溶液が、H2SO4を含む。随意の酸性溶液は、例えば、上記の酸のいずれか等、任意の好適な酸の水溶液として提供され得る。

0111

本発明の随意の中和室には、酸性溶液または緩衝液が、アルカリ溶解緩衝液を、およそpH7.2等の生理学的pHに中和するのに十分な濃度で存在する。ある実施形態では、酸性緩衝液または溶液が、およそ0.1Mの最終濃度で存在する。

0112

目的の核酸を含有する任意のサンプルが、本開示のデバイスに使用され得る。特定の実施形態では、検体が、1つ以上の感染因子を含む。これら実施形態のいくつかでは、1つ以上の感染因子が、ウイルス因子である。いくつかの実施形態では、検体が、少なくとも2つのウイルス因子を含む。例えば、様々な実施形態では、検体は、DNAウイルスおよびRNAウイルスとを含む。いくつかの実施形態では、DNAウイルスがHBVであり、また他の実施形態では、RNAウイルスがHCVまたはHIVである。

0113

いくつかの実施形態では、本デバイスは、血液、血漿、血清、尿、唾液、痰、呼吸器洗浄液、涙、および組織スワブから選択される検体の分析用に構成される。多くの具体的な実施形態では、検体が、血液、血漿、および血清から選択される。

0114

別の実施形態では、本装置が、流体マイクロ流体チャンネルの第2の端部に流体連結されたデバイス上ポンプを含む。

0115

さらに別の実施形態では、本デバイスは、検体注入口とマイクロ流体チャンネルの第1の端部との間に介装される、複合膜をさらに備え、複合膜は、選択された粒子を血液から除去することができる。いくつかの実施形態では、複合膜が、血液凝固を活性化する材料を含む。他の実施形態では、複合膜が、ガラスフィルタを含む。

0116

様々な実施形態では、本デバイスは、例えば、PCR、RT−PCR、qPCR、およびqRT−PCRから選択される核酸増幅ステップ等の核酸増幅ステップを実施するように構成される。

0117

本発明の実施形態は、以下の図面の説明を参照することにより、より深く理解される。なお、図は、粘土処理室、溶解室、および増幅室を含むマイクロ流体デバイスの実施形態を示すが、本発明はそのように限定されず、溶解室もしくは増幅室の付いた粘土処理室、または増幅室のない粘土処理室および溶解室を含む実施形態も提供されることに留意されたい。

0118

図1は、本発明の第1の実施形態を図示するデバイス110の模式図である。図1に示されるように、マイクロ流体デバイス110は、第1の端部122と第2の端部124とを有するマイクロ流体チャンネル120を備える。図示されるように、デバイス110は、カートリッジの形態であるが、デバイス110の形態は本発明に必須ではなく、当業者は、容易に所与の用途に適した形態を選択することができる。デバイス110等、本発明のマイクロ流体デバイスは、本明細書に記載のように、例えば、プラスチック、マイラー、またはラテックス等の材料から射出成形または積層等の方法を用いて構成され得る。

0119

図1にさらに示すように、デバイス110は、試験検体を受容するため、マイクロ流体チャンネル120の第1の端部122に流体接続された検体注入口130を含む。検体注入口は、液体状試験検体がデバイスに装填されるように設計されている。例えば、検体の注入のために、注射器またはマイクロピペットを通すことが好適であり得る。デバイス110は、マイクロ流体チャンネル120の検体注入口130と第1の端部122との間に介装される随意の複合膜を含んでもよい。本発明のある実施形態では、試験検体が全血検体のとき、複合膜を用い得る。本明細書で使用されるように、用語「膜」は、多孔質膜であるフィルタを含む、Z寸法を有する任意の平面状材料を意味する。本発明の複合膜は、以下の図5でさらに述べられる。

0120

核酸検体の調製のため、デバイス110は、本明細書に記載されるような粘土鉱物または粘土鉱物の混合物が事前装填された粘土処理室150を備える。粘土鉱物は、(例えば、適切な溶媒または緩衝液中の懸濁液等の)液体として提供され、ブリスタパックに格納され、操作中に放出され得る。代わりに、それは、本明細書でさらに記述するように、乾燥形態で提供され得る。粘土処理室は、濾過ユニットをさらに含む。このユニットは、粘土処理室の下流の室の上流にあるか、またはこれと一体的に形成されてもよい。濾過ユニットは、例えば、0.45μMの細孔径を有する中空フィルタを含み得る。デバイス110は、標的核酸を放出するように、試験検体中に存在する細胞またはウイルス粒子を溶解するのに好適なアルカリ緩衝液または溶液が事前装填され得る検体溶解室160をさらに含む。アルカリ緩衝液または溶液は、NaOH、KOH、もしくはLiOHのいずれか、または他の適切なアルカリ緩衝液であってもよい。アルカリ緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。所望の場合、デバイス110は、本明細書に記載のように、抽出されたサンプルを中和するのに必要な緩衝液または試薬を含む検体溶解室の下流に別個の検体中和室をさらに含んでもよい。特定の実施形態では、中和緩衝液または試薬が、HClまたは酢酸から選択される。同様に、中和緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような各々の代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。デバイス110はまた、本明細書に記載のいずれかの分子アッセイを行うことができ、さらに、本明細書でさらに記載するように、必要な試薬の全てを含み得る核酸増幅ウェル170を備える。様々な実施形態では、核酸増幅室はまた、検出室としても機能する(すなわち、増幅および検出が同じ室内で行われる)。代わりに、デバイスは、増幅室からの増幅産物が検出される1つ以上の別個の検出室を含み得る。流出口ウェル180は、増幅産物へのアクセスをユーザに提供し、またベントとしても機能する。

0121

様々な実施形態では、本発明は、これらの3つの室、すなわち、粘土処理室、検体溶解室、および核酸増幅室をこの順に配列して含む。粘土処理室は、典型的には、検体溶解室の上流側に配置される。各室は、2つの端部を有し、これらの2つの端部は、名目上、上端部および下端部とラベル付けされる。各室の上端部は、第1の可変位置弁に接続され得、一方、下端部は、第2の可変位置弁に接続される。弁は、本明細書にさらに記載される、正または負の圧力を加えるポンプ等、外部(「オブカード」)手段によって作動され得る。これら随意の弁は、123a−dとして図1に示される。

0122

様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスを使用するための方法が提供される。本発明のある実施形態の操作中に、例えば、臨床的に得られた血液検体等の試験検体が、検体注入口130内に配置される。その後、検体は、随意の複合膜と随意に接触し得る。検体は、外部手段によってチャンネル120内に引き込まれ、粘土処理室150に入る。粘土処理室150では、本明細書に記載されるように、粘土が検体中で均一に分散されるように、検体が粘土鉱物と混合される。検体は、粘土物質、特に大きな粘土凝集体のかなりの部分を保持するフィルタを通して粘土処理室を出る。検体は、その後、検体溶解室160に入り、そこで、中に含まれる細胞およびウイルス物質を可溶化し、標的核酸を解放するように検体がアルカリ溶液と接触される。随意に、検体は、下流の中和室に入り、そこで、本明細書に記載されるように、検体のpHが適切なレベルに調節され得る。溶解された、または「抽出された」核酸含有検体は、その後、核酸増幅および検出室170に入り、そこで、本明細書に開示されるいずれかの方法による分子分析が行われる。ユーザは、通気口としても機能する、流出口ウェル180を通して増幅産物へのアクセスを得ることができる。

0123

図2は、本発明の代替的実施形態を図示するデバイス210の模式図である。図2に示されるように、マイクロ流体デバイス210は、第1の端部222と第2の端部224とを有するマイクロ流体チャンネル220を備える。図示されるように、デバイス210はカートリッジ形式であるが、デバイス210の形式は、本発明に必須ではなく、当業者は、容易に所与の用途に好適な形式を選択することができる。デバイス210等、本発明のマイクロ流体デバイスは、本明細書に記載のように、例えば、プラスチック、マイラー、またはラテックス等の材料から、射出成形または積層等の方法を用いて構成されてもよい。

0124

図2にさらに示すように、デバイス210は、マイクロ流体チャンネル220の第1の端部222に流体連結された試験検体を受容するための検体注入口230を含む。検体注入口は、液体試験検体がデバイスに装填されることを可能にするように設計されている。例えば、検体の注入のために、注射器またはマイクロピペットを通すことが好適であり得る。デバイス210はまた、マイクロ流体チャンネル220の検体注入口230と第1の端部222との間に介装された随意の複合膜を含んでもよい。本発明のある実施形態では、試験検体が全血検体のとき、複合膜を用い得る。本明細書で使用されるように、用語「膜」は、多孔質膜であるフィルタを含む、Z寸法を有する任意の平面状材料を意味する。本発明の複合膜は、以下の図5でさらに述べられる。

0125

核酸検体の調製のため、デバイス210は、本明細書に記載されるような粘土鉱物または粘土鉱物の混合物が事前装填され得る粘土処理室250を備える。粘土鉱物は、ブリスタパックに格納され、そして操作中に放出される(例えば、懸濁液等の)液体として提供され得る。代わりに、それは、本明細書でさらに記述するように、乾燥形態で提供され得る。粘土処理室は、濾過ユニットをさらに含む。このユニットは、粘土処理室の下流の室の上流にあるか、またはこれと一体的に形成されてもよい。濾過ユニットは、例えば、0.45μMの細孔径を有する中空フィルタを含み得る。デバイス210は、標的核酸を放出するように、試験検体中に存在する細胞またはウイルス粒子を溶解するのに適したアルカリ緩衝液または溶液を事前装填された検体溶解室260をさらに含む。アルカリ緩衝液または溶液は、NaOH、KOH、もしくはLiOH等の任意の適切なアルカリ緩衝液であってもよい。アルカリ緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。

0126

所望の場合、デバイス210は、本明細書に記載のように、抽出されたサンプルを中和するのに必要な緩衝液または試薬を含む検体溶解室の下流に別個の検体中和室をさらに含んでもよい。特定の実施形態では、中和緩衝液または試薬が、HClまたは酢酸から選択される。同様に、中和緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような各々の代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、そして操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。デバイス210はまた、本明細書に記載のいずれもの分子アッセイを行うことができ、さらに、本明細書でさらに記載するように、必要な試薬の全てを含み得る核酸増幅ウェル270を備える。様々な実施形態では、核酸増幅室はまた、検出室でもある(すなわち、増幅および検出が同じ室内で行われる)。代わりに、デバイスは、増幅室からの増幅産物が検出される1つ以上の別個の検出室を含み得る。検体採取口285を有するフィンガポンプ280は、マイクロ流体チャンネル220の第2の端部224に流体接続される。

0127

いくつかの実施形態では、本発明は、これらの3つの室、すなわち、粘土処理室、検体溶解室、および核酸増幅室をこの順に配列して含む。各室は、2つの端部を有し、これらの2つの端部は、名目上、上端部および下端部とラベル付けされる。各室の上端部は、第1の可変位置弁に接続され得る一方、下端部は、第2の可変位置弁に接続される。弁は、本明細書にさらに記載される、正または負の圧力を加えるポンプ等、外部(「オブカード」)手段によって作動され得る。随意の弁223a−dは、図2に示される。

0128

本発明の方法のある実施形態の操作中に、例えば、臨床的に得られた血液検体等の試験検体が、検体注入口230内に配置される。その後、検体は、随意の複合膜に接触され得る。フィンガポンプ280は、ユーザにより手動で、または外部装置により機械的に押下される。フィンガポンプ280の解放の際に、負の流体圧がマイクロ流体チャンネル220内に形成され、試験検体は、チャンネル内に引き込まれ、粘土処理室250に入る。粘土処理室250では、本明細書に記載されるように、粘土が検体中で均一に分散されるように、検体が粘土鉱物と混合される。検体は、粘土物質、特に大きな粘土凝集体のかなりの部分を保持するフィルタを通して粘土処理室を出る。検体は、その後、上述したように、検体溶解室260に入り、そこで、検体がアルカリ溶液と接触し、その中に含まれる細胞およびウイルス物質を可溶化し標的核酸を解放する。随意に、検体は、下流の中和室に入り、そこで、本明細書に記載されるように、検体のpHが適切なレベルに調節され得る。溶解された、または「抽出された」核酸含有検体は、その後、核酸増幅および検出室270に入り、そこで、本明細書に開示されるいずれかの方法による分子分析が行われる。ユーザは、通気口としても機能する、流出口ウェル285を通して増幅産物へのアクセスを得ることができる。

0129

図3は、本発明のさらに別の実施形態を図示する、デバイス310の模式図である。図3に示されるように、マイクロ流体デバイス310は、第1の端部322と第2の端部324とを有するマイクロ流体チャンネル320を備える。図示されるように、デバイス310はカートリッジ形式であるが、デバイス310の形式は、本発明に必須ではなく、当業者は、容易に所与の用途に好適な形式を選択することができる。デバイス310等、本発明のマイクロ流体デバイスは、本明細書に記載のように、プラスチック、マイラー、またはラテックス等の材料から、射出成形または積層等の方法を用いて構成されてもよい。

0130

図3にさらに示すように、デバイス310は、マイクロ流体チャンネル320の第1の端部322に流体連結された試験検体を受容するための検体注入口330を含む。検体注入口は、液体試験検体がデバイスに装填されることを可能にするように設計されている。例えば、検体の注入のために、注射器またはマイクロピペットを通すことが好適であり得る。デバイス310は、マイクロ流体チャンネル320の検体注入口330と第1の端部322との間に介装された随意の複合膜を含んでもよい。本発明のある実施形態では、試験検体が全血検体のとき、複合膜を用い得る。本明細書で使用されるように、用語「膜」は、多孔質膜であるフィルタを含む、Z寸法を有する任意の平面状材料を意味する。本発明の複合膜は、以下の図5でさらに述べられる。

0131

核酸検体の調製のため、デバイス310は、本明細書に記載されるような粘土鉱物または粘土鉱物の混合物が事前装填され得る粘土処理室350を備える。粘土鉱物は、ブリスタパックに格納され、そして操作中に放出される(例えば、懸濁液等の)液体として提供され得る。代わりに、それは、本明細書でさらに記述するように、乾燥形態で提供され得る。粘土処理室は、濾過ユニットをさらに含む。このユニットは、粘土処理室の下流の室の上流にあるか、またはこれと一体的に形成されてもよい。濾過ユニットは、例えば、0.45μMの細孔径を有する中空フィルタを含み得る。デバイス310は、標的核酸を放出するように、試験検体中に存在する細胞またはウイルス粒子を溶解するのに適したアルカリ緩衝液または溶液を事前装填された検体溶解室360をさらに含む。アルカリ緩衝液または溶液は、NaOH、KOH、もしくはLiOH等の任意の適切なアルカリ緩衝液であってもよい。アルカリ緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、そして操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。

0132

所望の場合、デバイス310は、本明細書に記載のように、抽出されたサンプルを中和するのに必要な緩衝液または試薬を含む検体溶解室の下流に別個の検体中和室をさらに含んでもよい。特定の実施形態では、中和緩衝液または試薬が、HClまたは酢酸から選択される。同様に、中和緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、そして操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。デバイス310はまた、本明細書に記載の分子アッセイのいずれかが行われ得、本明細書にさらに記載される必要な試薬を全て含有し得る核酸増幅室370a、370b、および370cを備える。様々な実施形態では、核酸増幅室は、検出室でもある(すなわち、増幅および検出が同じ室内で行われる)。代わりに、デバイスは、増幅室からの増幅産物が検出される1つ以上の別個の検出室を含み得る。本実施形態では、3つの増幅兼検出室が描かれているが、これより少ないまたは多い増幅兼検出室が、本発明の実施に好適である。流出口ウェル380a、380b、および380cは、増幅産物へのアクセスをユーザに提要するとともに、ベントとしても機能する。

0133

いくつかの実施形態では、本発明は、これらの5つの室、すなわち粘土処理室、検体溶解室、および複数の核酸増幅室を含み、粘土処理、検体溶解、および核酸増幅の各室はこの順に配列される。各室は、2つの端部を有し、これらの2つの端部は、名目上、上端部および下端部とラベル付けされる。各室の上端部は、第1の可変位置弁に接続され得る一方、下端部は、第2の可変位置弁に接続される。弁323a−fは、本明細書にさらに記載される、正または負の圧力を加えるポンプ等、外部(「オブカード」)手段によって作動され得る。

0134

本発明の方法のある実施形態の操作中に、例えば、臨床的に得られた血液検体等の試験検体が、検体注入口330内に配置される。その後、検体は、複合膜に随意として接触し得る。検体は、外部手段によってチャンネル320内に引き込まれ、粘土処理室350に入る。粘土処理室350では、本明細書に記載されるように、粘土が検体中で均一に分散されるように、検体が粘土鉱物と混合される。検体は、粘土物質、特に大きな粘土凝集体のかなりの部分を保持するフィルタを通して粘土処理室を出る。検体は、その後、検体溶解室360に入り、そこで、中に含まれる細胞およびウイルス物質を可溶化し、標的核酸を解放するように検体がアルカリ溶液と接触される。随意に、検体は、下流の中和室に入り、そこで、本明細書に記載されるように、検体のpHが適切なレベルに調節され得る。溶解された、または「抽出された」標的核酸含有検体は、その後、3つの検体に分けられ、3つの別個の下流のチャンネル325a、325b、または325cの1つにそれぞれ入る。下流方向チャンネル325a、325b、および325cは、別個の分子アッセイを行うための別個の核酸増幅兼検出ウェル、370a、370b、および370cにそれぞれ繋がっている。流出口ウェル380a、380b、および380cは、増幅産物へのアクセスをユーザに提供する。

0135

図4は、本発明のさらに別の実施形態を図示するデバイス410の模式図である。図4に示されるように、マイクロ流体デバイス410は、第1の端部422と第2の端部490とを有するマイクロ流体チャンネル420を備える。図示されるように、デバイス410はカートリッジ形式であるが、デバイス410の形式は、本発明に必須ではなく、当業者は、容易に所与の用途に好適な形式を選択することができる。デバイス410等、本発明のマイクロ流体デバイスは、本明細書に記載のように、プラスチック、マイラー、またはラテックス等の材料から、射出成形または積層等の方法を用いて構成することができる。

0136

図4にさらに示すように、デバイス410は、マイクロ流体チャンネル420の第1の端部422に流体連結された試験検体を受容するための検体注入口430を含む。検体注入口は、液体試験検体がデバイスに装填されることを可能にするように設計されている。例えば、検体の注入のために、注射器またはマイクロピペットを通すことが好適であり得る。デバイス410は、マイクロ流体チャンネル420の検体注入口430と第1の端部422との間に介装された随意の複合膜を含んでもよい。本発明のある実施形態では、試験検体が全血検体のとき、複合膜を用い得る。本明細書で使用されるように、用語「膜」は、多孔質膜であるフィルタを含む、Z寸法を有する任意の平面状材料を意味する。本発明の複合膜は、以下の図5でさらに述べられる。

0137

核酸検体の調製のため、デバイス410は、本明細書に記載されるような粘土鉱物または粘土鉱物の混合物が事前装填され得る粘土処理室450を備える。粘土鉱物は、(例えば、懸濁液等の)液体として提供され、ブリスタパックに格納され、そして操作中に放出され得る。代わりに、それは、本明細書でさらに記述するように、乾燥形態で提供され得る。粘土処理室は、濾過ユニットをさらに含む。このユニットは、粘土処理室の下流の室の上流にあるか、またはこれと一体的に形成されてもよい。濾過ユニットは、例えば、0.45μMの細孔径を有する中空フィルタを含み得る。デバイス410は、標的核酸を放出するように、試験検体中に存在する細胞またはウイルス粒子を溶解するのに好適なアルカリ緩衝液または溶液が事前装填される検体溶解室460をさらに含む。アルカリ緩衝液または溶液は、NaOH、KOH、もしくはLiOH等の任意の好適なアルカリ緩衝液であってもよい。アルカリ緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような各々の代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、そして操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。

0138

所望の場合、デバイス410は、本明細書に記載のように、抽出されたサンプルを中和するのに必要な緩衝液または試薬を含む検体溶解室の下流に別個の検体中和室をさらに含んでもよい。特定の実施形態では、中和緩衝液または試薬が、HClまたは酢酸から選択される。同様に、中和緩衝液は、本明細書でさらに説明されるような各々の代替形態として、ブリスタパック内に貯蔵され、そして操作中に放出される液体として提供されてもよく、また乾燥形態で提供されてもよい。デバイス410はまた、本明細書に記載の分子アッセイのいずれかが行われ得、本明細書にさらに記載される必要な試薬を全て含有する核酸増幅室470a、470b、および470cを備える。様々な実施形態では、核酸増幅室は、検出室でもある(すなわち、増幅および検出が同じ室内で行われる)。代わりに、デバイスは、増幅室からの増幅産物が検出される1つ以上の別個の検出室を含み得る。本実施形態では、3つの増幅兼検出室が描かれているが、これより少ないまたは多い増幅兼検出室が、本発明の実施に好適である。検体採取口499を有するフィンガポンプ495は、マイクロ流体チャンネル420の第2の端部490に流体接続される。

0139

いくつかの実施形態では、本発明は、これらの5つの室、すなわち、粘土処理室、検体溶解室、および複数の核酸増幅室を含み、粘土処理、検体溶解、および核酸増幅の各室はこの順に配列される。各室は、2つの端部を有し、これらの2つの端部は、名目上、上端部および下端部とラベル付けされる。各室の上端部は、第1の可変位置弁に接続され得る一方、下端部は、第2の可変位置弁に接続される。弁423a−dは、本明細書にさらに記載される、正または負の圧力を加えるポンプ等、外部(「オブカード」)手段によって作動され得る。

0140

本発明の方法のある実施形態の操作中に、例えば、臨床的に得られた血液検体等の試験検体が、検体注入口430内に配置される。その後、検体は、複合膜に随意として接触し得る。フィンガポンプ495は、ユーザにより手動で、または外部装置により機械的に押下される。フィンガポンプ495の解放の際に、負の流体圧がマイクロ流体チャンネル420内に形成され、試験検体は、チャンネル内に引き込まれ、粘土処理室450に入る。検体は、粘土物質、特に大きな粘土凝集体のかなりの部分を保持するフィルタを通して粘土処理室を出る。検体は、その後、検体溶解室460に入り、そこで、検体がアルカリ溶液と接触し、その中に含まれる細胞およびウイルス物質を可溶化し、標的核酸を解放する。随意に、検体は、下流の中和室に入り、そこで、本明細書に記載されるように、検体のpHが適切なレベルに調節され得る。溶解された、または「抽出された」標的核酸含有検体は、その後、3つの検体に分けられ、3つの別個の下流のチャンネル425a、425b、または425cの1つにそれぞれ入る。下流方向チャンネル425a、425b、および425cは、別個の分子アッセイを行うための別個の核酸増幅兼検出ウェル、470a、470b、および470cにそれぞれ繋がっている。流出口ウェル499は、増幅産物へのアクセスをユーザに提供する。

0141

図5A−Bは、随意の複合膜140の代替的実施形態の断面図を示す。図5Aに示すように。複合膜は、2つの膜、膜142および膜144から構成される。膜142および144は、同じまたは異なる材料を含み得る。ある実施形態では、膜142が、ガラス繊維等、血液凝固を活性化する材料を含む。ある実施形態では、第2の膜144は、粒子分離機能を提供するように選択され得る。本実施形態では、膜144は、液体状検体から選択的に赤血球および白血球を除去するため、およそ1〜2μmの細孔径を有するフィルタを含み得る。このような膜は、これらに限定されないが、(PALL社製)ポリスルホンを含む非対称および対称膜を含み得る。2つ以上の膜は、デバイス110内で積み重ねあわせられ得る。操作中、血液検体が検体注入口130内に置かれる。全血の1滴がデバイス110に適用されたとき、血液検体は、膜142内に引き込まれ、それが凝血を引き起こす。負圧の下では、凝血した検体は、液体状血清検体が膜を通過し空隙182および184に入る一方で凝固血および粒子状物質を保持する第2の膜144に引き込まれる。空隙182および184の体積は、分離された血清検体がマイクロ流体チャンネルの第1の端部122内に毛管流入によって移動するのに十分に小さい。

0142

複合フィルタの代替的実施形態が図5Bに示される。図示されるように、複合フィルタ146は、少なくとも一つが、凝固していない血液の凝結を促進する複数の異なる繊維種を含む単一膜を備える。複合濾過材に選択される繊維は、限定されないが、コットンリンタ繊維、ガラスマイクロファイバポリエステル(PET)短繊維、および低融点ポリエステルバインダ繊維を含む。長さ約0.25インチで、約1.5デニール(「デニール」は、繊維の太さと長さを示す単位を指す技術用語である)のポリエステル短繊維は、膜の全体構造を提供するフィルタの骨格であり得る。随意に、コットンリンタ繊維は、濡れ易い毛細管網を提供し、フィルタを通して血液を受動的に引き込むのに用いられ得る。平均繊維径が約0.40μmのガラスマイクロファイバは、細胞および粒子分離のために必要な細孔構造を作り出し得る。繊維は、織布または不織手段により接合され得る。不織フィルタは湿式スパンボンド、またはメルトブローン手段によって構成され得る。強度を高めるため、ポリエステル系バインダ繊維が、随意に、複合膜に添加され得る。

0143

本発明の代替的実施形態として、図5A−Bの複合膜は、1つ以上の血液凝固促進剤をさらに含んでもよい。当技術分野で公知の血液凝固促進剤は、限定されないが、トロンビンラッセルヘビ毒等のヘビ毒血小板活性化因子(PAFまたはβ−アセチル−y−O−アルキル−L−∂−ホスファチジルコリン)、コラーゲンホウ素珪酸塩フレークまたは中空ビーズ等、表面上に複数の負電荷を持つ材料、カオリン等のアルミニウム−珪酸塩鉱物粘土を含む。

0144

上述した様々な実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせられ得る。本明細書に言及され、および/または、出願データシート収載される、限定されないが、それぞれ2013年5月7日に出願された米国特許出願第61/820,573号;第61/820,582号および第61/820,587号等、全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。実施形態の側面は、様々な特許、特許出願および刊行物概念を使用することが、さらに別の実施形態を提供する上で必要であれば、変更することができる。これらおよび他の変更は、上記詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。概して、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、明細書および特許請求の範囲に開示された具体的な実施形態に特許請求の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、請求項の権利がある均等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、請求項は、開示内容によって限定されない。

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