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技術 強皮症治療のための抗CCL2及び抗LOXL2併用療法

出願人 シャイアーヒューマンジェネティックセラピーズインコーポレイテッド
発明者 マルティーニ,パオロジー.ブイ.ナタラジャン,マドフスダンハスレット,パトリックアントニージョンシーモア,アルバートバーンズ
出願日 2014年5月23日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2016-515131
公開日 2016年7月14日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-520594
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 機械的張力 選択対 グループ形式 外因性成分 試料部位 相関プロット 反復運動 下位範囲
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年7月14日)のものです。
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図面 (14)

課題・解決手段

本発明は、とりわけ、CCL2及びLOXL2の両方に結合する抗体、フィノマー(fynomer)、アプタマー融合タンパク質、及びタンパク質結合ドメインを含むがこれらに限定されない二重特異性分子と、特に強皮症ならびに関連線維性及び/または炎症性疾患障害、及び状態を治療するためのこれらの使用とを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、単一特異性抗CCL2及び抗LOXL2分子の組み合わせに基づく強皮症ならびに関連線維性及び/または炎症性疾患、障害、及び状態を治療するための方法及び組成物をさらに提供する。

概要

背景

全身性硬化症強皮症)は、結合組織臨床的病因異質性(heterogeneous)の障害であり、皮膚の硬化及び拘縮をもたらす。免疫活性化血管損傷、及び線維症を特徴とする自己免疫型疾患である。心臓腎臓、及び胃腸管に関わる主要な臓器に基づく合併症は、死亡率及び罹患率の一因となり得る。病因は不明である。

強皮症に最も一般的に関連する特徴は、皮膚及び臓器にコラーゲン蓄積する線維症である。コラーゲンの蓄積は、脱毛、皮膚の硬化及び拘縮、皮膚の変色、関節痛、指及び関節のこわばり消化管の問題、ならびに呼吸合併症(空息切れ喘鳴)を含む障害の症状の一因となる。強皮症は、限局性皮膚強皮症及びびまん性皮膚強皮症の主に2つのサブグループ分類することができる。限局性皮膚強皮症において、線維症は、主に、手、腕、及び顔に限定される。びまん性皮膚強皮症は、皮膚の広い領域に影響を与え、1つ以上の内部臓器を損なう、急速に進行する障害である。限局性皮膚強皮症の患者は、びまん性皮膚強皮症の患者よりも比較的良好な長期的予後を有する。広範な全身性強皮症は、心臓、腎臓、肺、または胃腸管を損傷する可能性があり、これは死に至る場合がある。肺線維症は、強皮症の患者において最も一般的な死亡原因である。

よって、強皮症は、潜在的に致命的な影響を有する非常に衰弱性の疾患である。米国には約50,000人の患者がいる。女性患者男性患者の割合は約4:1である。現在の治療方法は、疾患の過程を通して生じる合併症の対症療法及び管理にのみ基づく(例えば、コルチコステロイド、NSAID、ならびにメトトレキサート及びシトキサンなどの免疫抑制薬)。疾患の進行を反転または停止させることが示されている治療はない。したがって、強皮症の効果的な治療のための、対処されていない高い医学的必要性が存在する。

概要

本発明は、とりわけ、CCL2及びLOXL2の両方に結合する抗体、フィノマー(fynomer)、アプタマー融合タンパク質、及びタンパク質結合ドメインを含むがこれらに限定されない二重特異性分子と、特に強皮症ならびに関連線維性及び/または炎症性疾患、障害、及び状態を治療するためのこれらの使用とを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、単一特異性抗CCL2及び抗LOXL2分子の組み合わせに基づく強皮症ならびに関連線維性及び/または炎症性疾患、障害、及び状態を治療するための方法及び組成物をさらに提供する。

目的

本発明は、とりわけ、リジルオキシダーゼ様2(「LOXL2」)及びC−Cケモカインリガンド−2(「CCL2」)に特異的に結合することができる抗体、フィノマー(fynomer)、アプタマー、融合タンパク質、タンパク質結合ドメイン(例えば、受容体由来するもの)を含むがこれらに限定されない二重特異性結合分子に基づく、特に強皮症の効果的な治療のための改善された方法及び組成物、ならびに/またはLOXL2及びCCL2に特異的に結合するそのような分子に基づく併用療法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位、及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む、二重特異性抗体

請求項2

前記第1の抗原結合部位が、1pM以上の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する、請求項1に記載の前記二重特異性抗体。

請求項3

前記第2の抗原結合部位が、500nM〜1fMの範囲の結合親和性でCCL2に特異的に結合する、請求項1または2に記載の前記二重特異性抗体。

請求項4

前記第2の抗原結合部位が、500pMより大きい結合親和性でCCL2に特異的に結合する、請求項1または2に記載の前記二重特異性抗体。

請求項5

前記第2の抗原結合部位が、1pMより大きい結合親和性でCCL2に特異的に結合する、請求項4に記載の前記二重特異性抗体。

請求項6

前記第1の抗原結合部位が、第1の完全長重鎖及び第1の完全長軽鎖を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項7

前記第1の抗原結合部位が、第1のFab断片を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項8

前記第1の抗原結合部位が、第1の単鎖可変断片(scFv)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項9

前記第2の抗原結合部位が、第2の完全長重鎖及び第2の完全長軽鎖を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項10

前記第2の抗原結合部位が、第2のFab断片を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項11

前記第2の抗原結合部位が、第2の単鎖可変断片(scFv)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項12

前記第1及び第2の抗原結合部位が、ペプチドリンカーにより連結される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項13

前記ペプチドリンカーが、5アミノ酸長以上である、請求項12に記載の前記二重特異性抗体。

請求項14

前記第1及び第2の抗原結合部位が、それらが単一ポリペプチド鎖を形成するように構成される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項15

前記第1及び第2の抗原結合部位が、化学架橋を介して関連付けられる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項16

前記二重特異性抗体が、Fc領域を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項17

前記二重特異性抗体が、ヒト化される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の前記二重特異性抗体。

請求項18

請求項1〜17のいずれか一項に記載の二重特異性抗体及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物

請求項19

強皮症罹患する、またはそれに感受性である個人に、請求項1〜17のいずれか一項に記載の二重特異性抗体を投与することを含む、強皮症を治療する方法。

請求項20

前記二重特異性抗体が、標的組織の強皮症の少なくとも1つの症状または特徴が強度、重篤度、もしくは頻度において低減されるか、またはその開始が遅延されるような治療有効用量及び投与間隔で投与される、請求項19に記載の前記方法。

請求項21

内皮細胞損傷、基底膜層の増殖、血管周囲単核細胞浸潤線維症内臓器官構造障害、血管の稀薄化、低酸素症、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない前記強皮症の少なくとも1つの病理学的特徴が、寛解される、請求項20に記載の前記方法。

請求項22

前記標的組織が、皮膚、血管、心臓腎臓胃腸管肝臓を含む)、筋骨格系、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20または21に記載の前記方法。

請求項23

前記標的組織が、肺である、請求項20〜22のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項24

前記標的組織が心臓である、請求項20〜22のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項25

前記個人が、限局性皮膚強皮症に罹患している、またはそれに感受性である、請求項19〜24のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項26

前記個人が、びまん性皮膚強皮症に罹患している、またはそれに感受性である、請求項19〜24のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項27

前記二重特異性抗体が、非経口投与される、請求項19〜26のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項28

前記非経口投与が、静脈内、皮内、吸入経皮局所)、皮下、及び/または経粘膜投与から選択される、請求項27に記載の前記方法。

請求項29

前記非経口投与が、静脈内投与である、請求項28に記載の前記方法。

請求項30

前記二重特異性抗体が、経口投与される、請求項19〜26のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項31

前記二重特異性抗体が、隔月、毎月、3週間に1回、隔週、毎週毎日、または様々な間隔で投与される、請求項19〜30のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項32

前記二重特異性抗体が、1つ以上の抗線維化剤と共投与される、請求項19〜31のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項33

前記二重特異性抗体が、1つ以上の抗炎症剤と共投与される、請求項19〜32のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項34

線維性疾患、障害、または状態を治療する方法であって、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、請求項1〜17のいずれか一項に記載の二重特異性抗体を投与することを含む、前記方法。

請求項35

前記線維性疾患、障害、または状態が、皮膚線維症、腎線維症肝線維症肺線維症心線維症、筋線維症、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34に記載の前記方法。

請求項36

炎症性疾患、障害、または状態を治療する方法であって、炎症性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、請求項1〜17のいずれか一項に記載の二重特異性抗体を投与することを含む、前記方法。

請求項37

前記炎症性疾患、障害、または状態が、乾癬関節リウマチアテローム性動脈硬化症てんかんアルツハイマー病肥満症ループス腎炎、一般的な腎炎多発性硬化症クローン病喘息円板状エリテマトーデス炎症性腸疾患、または全身性エリテマトーデスからなる群から選択される、請求項36に記載の前記方法。

請求項38

強皮症を治療する方法であって、強皮症に罹患する、またはそれに感受性である個人に、抗CCL2抗体またはその断片、及び抗LOXL2抗体またはその断片を投与することを含む、前記方法。

請求項39

前記抗CCL2抗体またはその断片、及び前記抗LOXL2抗体またはその断片が、同時投与される、請求項38に記載の前記方法。

請求項40

前記抗CCL2抗体またはその断片、及び前記抗LOXL2抗体またはその断片が、順次投与される、請求項38に記載の前記方法。

請求項41

前記抗CCL2抗体またはその断片が、1nM以上の結合親和性を有する、請求項38〜40のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項42

前記抗CCL2抗体またはその断片が、1pM以上の結合親和性を有する、請求項38〜40のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項43

前記抗LOXL2抗体またはその断片が、1pM以上の結合親和性を有する、請求項38〜42のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項44

前記抗CCL2抗体またはその断片が、無傷IgG、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、ScFv、ダイアボディ(diabodies)、トリアディ(triabodies)、及びテトラボディ(tetrabodies)からなる群から選択される、請求項38〜43のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項45

前記抗LOXL2抗体またはその断片が、無傷のIgG、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、ScFv、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディからなる群から選択される、請求項38〜44のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項46

前記抗CCL2抗体またはその断片及び前記抗LOXL2抗体またはその断片のうちの1つ、または両方が、ヒト化される、請求項38〜45のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項47

前記抗CCL2抗体またはその断片及び前記抗LOXL2抗体またはその断片が、同じ投与経路を介して投与される、請求項38〜46のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項48

前記抗CCL2抗体またはその断片及び前記抗LOXL2抗体またはその断片が、異なる投与経路を介して投与される、請求項38〜46のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項49

前記抗CCL2抗体または断片が、静脈内、皮内、吸入により、経皮(局所)、皮下、経粘膜、及び/または経口投与される、請求項38〜48のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項50

前記抗CCL2抗体またはその断片が、隔月、毎月、3週間に1回、隔週、毎週、毎日、または様々な間隔で投与される、請求項38〜49のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項51

前記抗LOXL2抗体または断片が、静脈内、皮内、吸入により、経皮(局所)、皮下、経粘膜、及び/または経口投与される、請求項38〜50のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項52

前記抗LOXL2抗体またはその断片が、隔月、毎月、3週間に1回、隔週、毎週、毎日、または様々な間隔で投与される、請求項38〜51のいずれか一項に記載の前記方法。

請求項53

線維性疾患、障害、または状態を治療する方法であって、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、抗CCL2抗体またはその断片、及び抗LOXL2抗体またはその断片を投与することを含む、前記方法。

請求項54

炎症性疾患、障害、または状態を治療する方法であって、炎症性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、抗CCL2抗体またはその断片、及び抗LOXL2抗体またはその断片を投与することを含む、前記方法。

請求項55

抗CCL2抗体またはその断片、及び抗LOXL2抗体またはその断片を含む、キット

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2013年5月23日に出願された米国仮特許出願第61/826,692号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0002

配列表
本明細書は、2014年5月23日に「2006685−0569_ST25」という名前ASCII.txtファイルとして電子形式提出された配列表を参照する。本.txtファイルは、2014年5月12日に作成され、大きさは7KBである。

背景技術

0003

全身性硬化症強皮症)は、結合組織臨床的病因異質性(heterogeneous)の障害であり、皮膚の硬化及び拘縮をもたらす。免疫活性化血管損傷、及び線維症を特徴とする自己免疫型疾患である。心臓腎臓、及び胃腸管に関わる主要な臓器に基づく合併症は、死亡率及び罹患率の一因となり得る。病因は不明である。

0004

強皮症に最も一般的に関連する特徴は、皮膚及び臓器にコラーゲン蓄積する線維症である。コラーゲンの蓄積は、脱毛、皮膚の硬化及び拘縮、皮膚の変色、関節痛、指及び関節のこわばり消化管の問題、ならびに呼吸合併症(空息切れ喘鳴)を含む障害の症状の一因となる。強皮症は、限局性皮膚強皮症及びびまん性皮膚強皮症の主に2つのサブグループ分類することができる。限局性皮膚強皮症において、線維症は、主に、手、腕、及び顔に限定される。びまん性皮膚強皮症は、皮膚の広い領域に影響を与え、1つ以上の内部臓器を損なう、急速に進行する障害である。限局性皮膚強皮症の患者は、びまん性皮膚強皮症の患者よりも比較的良好な長期的予後を有する。広範な全身性強皮症は、心臓、腎臓、肺、または胃腸管を損傷する可能性があり、これは死に至る場合がある。肺線維症は、強皮症の患者において最も一般的な死亡原因である。

0005

よって、強皮症は、潜在的に致命的な影響を有する非常に衰弱性の疾患である。米国には約50,000人の患者がいる。女性患者男性患者の割合は約4:1である。現在の治療方法は、疾患の過程を通して生じる合併症の対症療法及び管理にのみ基づく(例えば、コルチコステロイド、NSAID、ならびにメトトレキサート及びシトキサンなどの免疫抑制薬)。疾患の進行を反転または停止させることが示されている治療はない。したがって、強皮症の効果的な治療のための、対処されていない高い医学的必要性が存在する。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、とりわけ、リジルオキシダーゼ様2(「LOXL2」)及びC−Cケモカインリガンド−2(「CCL2」)に特異的に結合することができる抗体、フィノマー(fynomer)、アプタマー融合タンパク質タンパク質結合ドメイン(例えば、受容体由来するもの)を含むがこれらに限定されない二重特異性結合分子に基づく、特に強皮症の効果的な治療のための改善された方法及び組成物、ならびに/またはLOXL2及びCCL2に特異的に結合するそのような分子に基づく併用療法を提供する。CCL2は、強皮症の有効な標的であることが知られている。いくつかの研究は、強皮症線維芽細胞がCCL2mRNA及びタンパク質の増加した構成的発現を示すことを示している。強皮症の皮膚切片において、CCL2の発現が線維芽細胞、角化細胞、及び単核細胞において検出されたが、正常な皮膚においては検出されなかった(Galindo et al.,Arthritis Rheum.2001 Jun;44(6):1382−6、Distler et al.,Arthritis Rheum.2001 Nov;44(11):2665−78、Lioyd et al.,Exp Med.1997 Apr 7;185(7):1371−80、Yamamoto et al.,J Dermatol Sci.2001 Jun;26(2):133−9、Denton et al.;TrendsImmunol.2005 Nov;26(11):596−602.Epub 2005 Sep 15.)。しかしながら、本発明以前は、抗CCL2抗体に基づく効果的な強皮症のための治療は開発されていない。本発明の発明者の所見では、血漿中の高レベルのCCL2が静脈内注射された抗CCL2抗体を抑制し、抗CCL2抗体の消耗をもたらし、疾患組織におけるCCL2の標的指向を無効にする。この問題を解決するために、本発明の発明者は、組織CCL2に結合する遊離抗CCL2アームにより疾患組織における抗CCL2活性を抑制し、CCL2の組織特異的標的指向を提供する二重特異性分子の使用を想定する。よって、本発明は、血漿CCL2とは対照的に、優先的に組織CCL2を阻害し、高度に効果的な強皮症の治療につながる方法及び組成物を提供する。

0007

よって、一態様では、本発明は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む二重特異性結合分子(例えば、二重特異性抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、またはタンパク質結合ドメイン)を提供する。

0008

いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、100nM以上(例えば、10nM以上、1nM以上、500pM以上、100pM以上、50pM以上、10pM以上、1pM以上、500fM以上、400fM以上、300fM以上、200fM以上、100fM以上、50fM以上、10fM以上、または1fM以上)の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する。

0009

いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、約500nM〜1fM(例えば、500nM〜10fM、500nM〜100fM、500nM〜1pM、10nM〜1fM、10nM〜100fM、10nM〜1pM、1nM〜1fM、1nM〜100fM、1nM〜500fM、1nM〜1pM、1nM〜10pM、1nM〜50pM、1nM〜100pM、1nM〜500pM)の結合親和性でCCL2に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、約500nMより大きい(例えば、約500nM、100nM、10nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM、1pM、500fM、400fM、300fM、200fM、100fM、50fM、10fM、1fMより大きい)結合親和性でCCL2に特異的に結合する。

0010

いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1の完全長重鎖及び第1の完全長軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1のFab断片を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1の単鎖可変断片(scFv)を含む。

0011

いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2の完全長重鎖及び第2の完全長軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2のFab断片を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2の単鎖可変断片(scFv)を含む。

0012

いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、ペプチドリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、5以上(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25以上)のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、それらが単一ポリペプチド鎖を形成するように構成される。

0013

いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、化学架橋を介して関連付けられる。

0014

いくつかの実施形態では、本発明による二重特異性結合分子は、二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、Fc領域を含む。

0015

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ヒト化される。

0016

別の態様では、本発明は、本明細書に記載される二重特異性結合分子(例えば、二重特異性抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、タンパク質結合ドメイン)を含む薬学的組成物、及び薬学的に許容される担体を提供する。

0017

さらなる態様では、本発明は、強皮症に罹患している、またはそれに感受性である個人に、本明細書に記載される二重特異性結合分子(例えば、二重特異性抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、タンパク質結合ドメイン)を投与することを含む、強皮症を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、標的組織の強皮症の少なくとも1つの症状または特徴が強度、重篤度、もしくは頻度において低減されるか、またはその開始が遅延されるような治療有効用量及び投与間隔で投与される。

0018

いくつかの実施形態では、内皮細胞損傷、基底膜層の増殖、血管周囲単核細胞浸潤、線維症、内臓器官構造障害、血管の稀薄化、低酸素症、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない強皮症の少なくとも1つの病理学的特徴寛解される。

0019

いくつかの実施形態では、標的組織は、皮膚、血管、肺、心臓、腎臓、胃腸管(肝臓を含む)、筋骨格系、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、標的組織は肺である。いくつかの実施形態では、標的組織は心臓である。

0020

いくつかの実施形態では、個人は、限局性皮膚強皮症に罹患している、またはそれに感受性である。いくつかの実施形態では、個人は、びまん性皮膚強皮症に罹患している、またはそれに感受性である。

0021

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、非経口投与される。いくつかの実施形態では、非経口投与は、静脈内、皮内、吸入経皮局所)、皮下、及び/または経粘膜投与から選択される。いくつかの実施形態では、非経口投与は、静脈内投与である。

0022

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、経口投与される。

0023

ある特定の実施形態では、二重特異性抗体は、隔月、毎月、3週間に1回、隔週、毎週毎日、または様々な間隔で投与される。

0024

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、1つ以上の抗線維化または抗炎症剤と共投与される。

0025

別の態様では、本発明は、強皮症の治療のための薬剤の製造における本明細書に記載される二重特異性結合分子の使用を提供し、該治療は、強皮症に罹患している、またはそれに感受性である個人に、有効用量の二重特異性分子を投与することを含み、該二重特異性結合分子は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む。

0026

いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、100nM以上(例えば、10nM以上、1nM以上、500pM以上、100pM以上、50pM以上、10pM以上、1pM以上、500fM以上、400fM以上、300fM以上、200fM以上、100fM以上、50fM以上、10fM以上、または1fM以上)の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する。

0027

いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、約500nM〜1fM(例えば、500nM〜10fM、500nM〜100fM、500nM〜1pM、10nM〜1fM、10nM〜100fM、10nM〜1pM、1nM〜1fM、1nM〜100fM、1nM〜500fM、1nM〜1pM、1nM〜10pM、1nM〜50pM、1nM〜100pM、1nM〜500pM)の結合親和性でCCL2に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、約500nMより大きい(例えば、約500nM、100nM、10nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM、1pM、500fM、400fM、300fM、200fM、100fM、50fM、10fM、1fMより大きい)結合親和性でCCL2に特異的に結合する。

0028

いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1の完全長重鎖及び第1の完全長軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1のFab断片を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1の単鎖可変断片(scFv)を含む。

0029

いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2の完全長重鎖及び第2の完全長軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2のFab断片を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2の単鎖可変断片(scFv)を含む。

0030

いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、ペプチドリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、5以上(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25以上)のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、それらが単一ポリペプチド鎖を形成するように構成される。

0031

いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、化学架橋を介して関連付けられる。

0032

いくつかの実施形態では、本発明による二重特異性結合分子は、二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、Fc領域を含む。

0033

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ヒト化される。

0034

別の態様では、本発明は、有効用量の二重特異性結合分子を、強皮症に罹患している、またはそれに感受性である対象に投与するステップを含む強皮症を治療する方法に使用するための、本明細書に記載される二重特異性結合分子を提供し、該二重特異性結合分子は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む。

0035

いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、100nM以上(例えば、10nM以上、1nM以上、500pM以上、100pM以上、50pM以上、10pM以上、1pM以上、500fM以上、400fM以上、300fM以上、200fM以上、100fM以上、50fM以上、10fM以上、または1fM以上)の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する。

0036

いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、約500nM〜1fM(例えば、500nM〜10fM、500nM〜100fM、500nM〜1pM、10nM〜1fM、10nM〜100fM、10nM〜1pM、1nM〜1fM、1nM〜100fM、1nM〜500fM、1nM〜1pM、1nM〜10pM、1nM〜50pM、1nM〜100pM、1nM〜500pM)の結合親和性でCCL2に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、約500nMより大きい(例えば、約500nM、100nM、10nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM、1pM、500fM、400fM、300fM、200fM、100fM、50fM、10fM、1fMより大きい)結合親和性でCCL2に特異的に結合する。

0037

いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1の完全長重鎖及び第1の完全長軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1のFab断片を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部位は、第1の単鎖可変断片(scFv)を含む。

0038

いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2の完全長重鎖及び第2の完全長軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2のFab断片を含む。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部位は、第2の単鎖可変断片(scFv)を含む。

0039

いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、ペプチドリンカーによって連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、5以上(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25以上)のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、それらが単一ポリペプチド鎖を形成するように構成される。

0040

いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部位は、化学架橋を介して関連付けられる。

0041

いくつかの実施形態では、本発明による二重特異性結合分子は、二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、Fc領域を含む。

0042

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、ヒト化される。

0043

また別の態様では、本発明は、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、本明細書に記載される二重特異性結合分子(例えば、二重特異性抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、タンパク質結合ドメイン)を投与することを含む、線維性疾患、障害、または状態を治療する方法を提供する。

0044

別の態様では、本発明は、線維性疾患、障害、または状態を治療するための薬剤の製造における本明細書に記載される二重特異性結合分子の使用を提供し、該治療は、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、二重特異性結合分子を投与することを含み、該二重特異性分子は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む。

0045

別の態様では、本発明は、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、二重特異性結合分子を投与するステップを含む線維性疾患、障害、または状態を治療する方法に使用するための二重特異性分子を提供し、該二重特異性分子は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む。

0046

様々な実施形態では、線維性疾患、障害、または状態は、皮膚線維症、腎線維症肝線維症、肺線維症、心線維症、筋線維症、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。

0047

別の態様では、本発明は、炎症性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、本明細書に記載される二重特異性結合分子を投与することを含む、炎症性疾患、障害、または状態を治療する方法を提供する。

0048

別の態様では、本発明は、炎症性疾患、障害、または状態を治療するための薬剤の製造における本明細書に記載される二重特異性結合分子の使用を提供し、該治療は、炎症性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、二重特異性結合分子を投与することを含み、該二重特異性分子は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む。

0049

別の態様では、本発明は、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、二重特異性結合分子を投与するステップを含む線維性疾患、障害、または状態を治療する方法に使用するための二重特異性分子を提供し、該二重特異性分子は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む。

0050

様々な実施形態では、炎症性疾患、障害、または状態は、乾癬関節リウマチアテローム性動脈硬化症てんかんアルツハイマー病肥満症ループス腎炎、一般的な腎炎多発性硬化症クローン病喘息円板状エリテマトーデス炎症性腸疾患、または全身性エリテマトーデスからなる群から選択される。

0051

別の態様では、本発明は、強皮症に罹患している、またはそれに感受性である個人に、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を投与することを含む、強皮症を治療する方法を提供する。

0052

別の態様では、本発明は、強皮症を治療するための薬剤の製造における抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片の使用を提供し、該治療は、強皮症に罹患している、またはそれに感受性である個人に、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を投与するステップを含む。

0053

別の態様では、本発明は、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を、強皮症に罹患している、またはそれに感受性である個人に投与するステップを含む、強皮症を治療する方法において使用するための抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を提供する。

0054

いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片は、同時投与される。いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片は、順次投与される。

0055

いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片は、1nM以上(例えば、500pM以上、100pM以上、50pM以上、10pM以上、1pM以上、500fM以上、400fM以上、300fM以上、200fM以上、100fM以上、50fM以上、10fM以上、または1fM以上)の結合親和性を有する。

0056

いくつかの実施形態では、抗LOXL2抗体またはその断片は、1pM以上(例えば、500fM以上、400fM以上、300fM以上、200fM以上、100fM以上、50fM以上、10fM以上、または1fM以上)の結合親和性を有する。

0057

いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片は、無傷IgG、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、ScFv、ダイアボディトリアディ、及びテトラボディからなる群から選択される。

0058

いくつかの実施形態では、抗LOXL2抗体またはその断片は、無傷のIgG、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab、ScFv、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディからなる群から選択される。

0059

いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片のうちの1つまたは両方は、ヒト化される。

0060

いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片は、同じ投与経路を介して投与される。いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片は、異なる投与経路を介して投与される。

0061

いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体または断片は、静脈内、皮内、吸入により、経皮(局所)、皮下、経粘膜、及び/または経口投与される。

0062

いくつかの実施形態では、抗CCL2抗体またはその断片は、隔月、毎月、3週間に1回、隔週、毎週、毎日、または様々な間隔で投与される。

0063

いくつかの実施形態では、抗LOXL2抗体または断片は、静脈内、皮内、吸入により、経皮(局所)、皮下、経粘膜、及び/または経口投与される。

0064

いくつかの実施形態では、抗LOXL2抗体またはその断片は、隔月、毎月、3週間に1回、隔週、毎週、毎日、または様々な間隔で投与される。

0065

別の態様では、本発明は、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を投与することを含む、線維性疾患、障害、または状態を治療する方法を提供する。

0066

別の態様では、本発明は、線維性疾患、障害、または状態の治療ための薬剤の製造における抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片の使用を提供し、該治療は、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に投与するステップを含む。

0067

別の態様では、本発明は、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を、線維性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に投与するステップを含む、線維性疾患、障害、または状態を治療する方法において使用するための抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を提供する。

0068

別の態様では、本発明は、炎症性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を投与することを含む、炎症性疾患、障害、または状態を治療する方法を提供する。

0069

別の態様では、本発明は、炎症性疾患、障害、または状態の治療のための薬剤の製造における抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片の使用を提供し、該治療は、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を、炎症性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に投与するステップを含む。

0070

別の態様では、本発明は、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を、炎症性疾患、障害、または状態に罹患している、またはそれに感受性である個人に投与するステップを含む、炎症性疾患、障害、または状態を治療する方法において使用するための抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を提供する。

0071

別の態様では、本開示は、抗CCL2抗体またはその断片及び抗LOXL2抗体またはその断片を含むキットを提供する。

0072

本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以下の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲において明らかである。しかしながら、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲は、本発明の実施形態を示すが、単に例示のためであり、限定されないことを理解するべきである。本発明の範囲内での様々な変更および修正が、当業者に明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0073

以下の図で構成される、本明細書に含まれる図面は、単に例示目的であり、限定するためではない。

0074

例示的な抗CCL2及び抗LOXL2二重特異性抗体を示す略図を図示する。
改変Rodnanスキンスコアを示す例示的な略図を図示する。皮膚線維症が評価される身体の位置が示される。
平衡化後のCCL2の血清及び組織濃度プロットする例示的なグラフを示す。
血漿及び疾患組織におけるCCL2標的指向を示す例示的な略図を図示する。
予備的な二重特異性モデル化の結果を図示する、抗CCL2(単一)または抗CCL2/LOXL2(二重)のいずれかによる治療後の日数関数としてのCCL2の濃度をプロットする例示的なグラフを示す。
IgG、抗CCL2抗体、抗LOXL2抗体、または抗CCL2及び抗LOXL2抗体により治療されたC57BL/6マウスにおいて観察された皮膚潰瘍パーセンテージを示す。PBS陰性対照。両方:抗CCL2抗体及び抗LOXL2抗体を用いた併用治療
IgG、抗CCL2抗体、抗LOXL2抗体、または抗CCL2及び抗LOXL2抗体により治療されたC57BL/6マウスにおいて観察された皮膚の厚さにおける倍率変化を示す。PBS:陰性対照。両方:抗CCL2抗体及び抗LOXL2抗体を用いた併用治療。
IgG、抗CCL2抗体、抗LOXL2抗体、または抗CCL2及び抗LOXL2抗体により治療されたC57BL/6マウスの肺組織試料アシクロフトスコア(Ashcroft score)を示す。PBS:陰性対照。両方:抗CCL2抗体及び抗LOXL2抗体を用いた併用治療。
IgG、抗CCL2抗体、抗LOXL2抗体、または抗CCL2及び抗LOXL2抗体により治療されたC57BL/6マウスの肺組織試料におけるアルギナーゼ1(Arg1)染色を示す。PBS:陰性対照。両方:抗CCL2抗体及び抗LOXL2抗体を用いた併用治療。
IgG、抗CCL2抗体、抗LOXL2抗体、または抗CCL2及び抗LOXL2抗体により治療されたC57BL/6マウスの肺組織試料におけるアシュクロフトスコアの関数としてのアルギナーゼ1(Arg1)染色の相関プロットを示す。PBS:陰性対照。両方:抗CCL2抗体及び抗LOXL2抗体を用いた併用治療。
倍率でのマウスの様々な治療群に関するトリクロームにより染色した肺組織試料の代表的な組織切片を示す。上段:PBS(左)、IgG(右)。中段:抗CCL2(左)、LOXL2(右)。下段:抗CCL2及び抗LOXL2。
マウスの様々な治療群に関するアルギナーゼ1(Arg1)で染色した肺組織試料の代表的な組織切片を示す。上段:PBS(左)、IgG(右)。中段:抗CCL2(左)、LOXL2(右)。下段:抗CCL2及び抗LOXL2。
20倍率(左)及び40倍率(右)でのIgG治療群に関するアルギナーゼ1(Arg1)で染色した肺組織試料の代表的な組織切片を示す。

0075

定義
本発明がより容易に理解されるために、ある特定の用語を最初に定義する。以下の用語及び他の用語のさらなる定義は、本明細書全体に記載される。

0076

親和性:当技術分野において既知である、「親和性」は、特定のリガンドが結合する(例えば、非共有結合的に関連付けられる)気密さ、及び/またはそのパートナーから解離する速度または頻度の尺度である。当技術分野において既知である、様々な技術のいずれも、親和性を決定するために利用することができる。多くの実施形態では、親和性は、特異的結合の尺度を表す。

0077

親和性成熟(または親和性成熟抗体):本明細書で使用されるように、抗体または抗原の親和性の改善をもたらすその1つ以上のCDRに、これらの変化(複数可)を保有しない親抗体と比較して1つ以上の変化を有する抗体を指す。いくつかの実施形態では、親和性成熟抗体は、標的抗原に対してナノモルまたはさらにはピコモルの親和性を有する。親和性成熟抗体は、当技術分野において既知の様々な手順のいずれかによって製造することができる。Marks et al.BioTechnology 10:779−783(1992) describes affinity maturation by VH and VL domain shuffling.Random mutagenesis of CDR and/or framework residues is described by:Barbas et al.Proc Nat.Acad.Sci,USA 91:3809−3813(1994)、Schier et al.Gene 169:147−155(1995)、Yelton et al.J.Immunol.155:1994−2004(1995)、Jackson et al.,J.Immunol.154(7):3310−9(1995)、及びHawkins et al,J.Mol.Biol.226:889−896(1992)。

0078

抗体:本明細書で使用される、用語「抗体」は、実質的に免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片によってコードされる1つ以上のポリペプチドからなるポリペプチドを指す。認識される免疫グロブリン遺伝子は、カッパラムダアルファガンマデルタイプシロン、及びミュー定常領域遺伝子、ならびに無数免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖は、典型的には、カッパまたはラムダのいずれかとして分類される。重鎖は、典型的には、同時に、それぞれ、IgG、IgMIgAIgD、及びIgE免疫グロブリンクラスを定義する、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類される。典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、テトラマーを含むことが知られる。各テトラマーは、2つの同一のポリペプチド鎖対から構成され、各対は、1つの「軽鎖」(約25kD)及び1つの「重鎖」(約50〜70kD)を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識関与する約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を定義する。用語「可変軽鎖」(VL)及び「可変重鎖」(VH)は、それぞれ、これらの軽鎖及び重鎖を指す。抗体は特定の抗原に特異的であり得る。抗体またはその抗原は、分析物または結合パートナーのいずれかであってよい。抗体は、無傷の免疫グロブリンとして、または様々なペプチダーゼによる消化によって産生される十分に特徴付けられた多くの断片として存在する。よって、例えば、ペプシンは、それ自体がジスルフィド結合によってVH−CH1に結合される軽鎖であるFabのダイマーであるF(ab)’2を産生するために、ヒンジ領域のジスルフィド連結の下で抗体を消化する。F(ab)’2は、ヒンジ領域のジスルフィド連結を切断し、それにより(Fab’)2ダイマーをFab’モノマーに変換するために、穏やかな条件下で還元され得る。Fab’モノマーは、本質的に、ヒンジ領域の一部分を有するFabである(他の抗体断片のより詳細な説明については、Fundamental Immunology,W.E.Paul,ed.,Raven Press,N.Y.(1993)を参照)。様々な抗体断片は、無傷の抗体の消化に関して定義されるが、当業者は、そのようなFab’断片は、化学的に、または組換えDNA法を利用するかのいずれかにより新しく合成することができることを理解する。よって、本明細書に使用される、用語「抗体」は、全抗体の修飾によって産生されるか、または組換えDNA法を使用して新しく合成されるかのいずれかの抗体断片も含む。いくつかの実施形態では、抗体は、可変重鎖及び可変軽鎖が一緒に結合されて(直接またはペプチドリンカーを通して)連続ポリペプチドを形成する単鎖Fv(scFv)抗体などの単鎖抗体である。単鎖Fv(「scFv」)ポリペプチドは、直接結合またはペプチドコードリンカーによって結合されたかのいずれかのVH及びVLコード配列を含む核酸から発現され得る共有結合されたVH::VLヘテロダイマーである(例えば、Huston,et al.(1988)Proc.Nat.Acad.Sci.USA,85:5879−5883を参照、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)。自然に凝集したが、抗体V領域から化学的に分離した軽及び重ポリペプチド鎖を、抗原結合部位の構造に実質的に類似する3次元構造に折り畳まれるscFv分子に変換するためのいくつかの構造が存在する。例えば、米国特許第5,091,513号及び同第5,132,405号ならびに同第4,956,778号を参照。

0079

およそ:本明細書で使用される、関心の1つ以上の値に適用される、用語「およそ」または「約」は、記述される参照値と類似する値を指す。ある特定の実施形態では、用語「およそ」または「約」は、特に記載されない限り、ないしは別の方法で文脈から明らかである場合(そのような数字が可能な値の100%を超える場合を除く)、記述される参照値のいずれかの方向の(それより大きいか、またはそれ未満)25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以内に入る値の範囲を指す。

0080

結合剤:本明細書で使用される、用語「結合剤」は、抗原または標的タンパク質もしくはペプチドに結合するタンパク質などの任意の天然に存在する、合成、または遺伝子操作された媒介物を含む。「結合剤」は、「結合タンパク質」とも称される。結合剤は、天然に存在する抗体に由来するか、または合成的に操作され得る。結合タンパク質または媒介物は、特定の抗原に結合して複合体を形成することによって抗体と類似して機能し、生物学的応答を誘発することができる(例えば、特定の生物学的活性を作動または拮抗する)。結合剤またはタンパク質は、単離された断片、抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域からなる「Fv」断片、軽鎖及び重鎖可変領域がペプチドリンカーによって結合される組換え単鎖ポリペプチド分子(「ScFvタンパク質」)、及び超可変領域摸倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位を含み得る。本明細書で使用される用語結合剤はまた、全抗体の修飾によって産生されるか、または組換えDNA法を使用して新しく合成されるかのいずれかの抗体断片も含む。いくつかの実施形態では、抗体は、可変重鎖及び可変軽鎖が一緒に結合されて(直接またはペプチドリンカーを通して)連続ポリペプチドを形成する単鎖Fv(scFv)抗体などの単鎖抗体である。単鎖Fv(「scFv」)ポリペプチドは、直接結合またはペプチドコードリンカーによって結合されたかのいずれかのVH及びVLコード配列を含む核酸から発現され得る共有結合されたVH::VLヘテロダイマーである。(例えば、Huston,et al.(1988)Proc.Nat.Acad.Sci.USA,85:5879−5883を参照、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)。自然に凝集したが、抗体V領域から化学的に分離した軽及び重ポリペプチド鎖を、抗原結合部位の構造に実質的に類似する3次元構造に折り畳まれるscFv分子に変換するためのいくつかの構造が存在する。例えば、米国特許第5,091,513号及び同第5,132,405号ならびに同第4,956,778号を参照。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される、用語結合剤は、抗体も含み得る。抗体の定義を参照。

0081

二重特異性:本明細書で使用される、用語「二重特異性」は、2つの異なる結合特異性を有する分子を指す。典型的には、二重特異性結合分子は、少なくとも2つの抗原結合部位を含み、その各々は、異なる抗原またはエピトープに特異的に結合する。二重特異性分子は、例えば、二重特異性抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、タンパク質結合ドメインであってよい。本明細書で使用される、二重特異性分子は、より高い価を有する(すなわち、3つ以上の抗原またはエピトープに結合する能力)分子(例えば、抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、タンパク質結合ドメイン、または他の結合剤)を包含し、これは多選択性分子とも称される。

0082

二重特異性抗体:本明細書で使用される、用語「二重特異性抗体」は、結合部分のうちの少なくとも1つ、典型的には両方が、抗体成分または断片であるか、またはそれらを含む二重特異性結合分子を指す。様々な異なる二重特異性抗体構造が当該技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、抗体成分または断片であるか、またはそれらを含む二重特異性抗体の各結合部分は、VH及び/またはVL領域を含み、いくつかのそのような実施形態では、VH及び/またはVL領域は、特定のモノクローナル抗体に見出されるものである。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体が2つの抗体成分結合部分を含む場合、各々は、異なるモノクローナル抗体からのVH及び/またはVL領域を含む。

0083

二重特異性結合分子:本明細書で使用される、用語「二重特異性結合分子」は、2つの異なる結合部分を有するポリペプチドを指し、その各々は、異なる標的と結合する。いくつかの実施形態では、二重特異性結合分子は、単一のポリペプチドであり、いくつかの実施形態では、二重特異性結合分子は、複数のペプチドであるか、またはそれらを含み、これらは、いくつかのそのような実施形態では、例えば、架橋により互いに共有結合的に関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、二重特異性結合分子の2つの結合部分は、異なる部位(例えば、エピトープ)、同じ標的(例えば、抗原)を認識し、いくつかの実施形態では、これらは異なる標的を認識する。いくつかの実施形態では、二重特異性結合分子は、異なる構造のものである2つの標的に同時に結合することができる。

0084

CDR:本明細書で使用される、用語「CDR」は、抗体の可変領域内の相補性決定領域を指す。可変領域の各々に対してCDR1、CDR2、及びCDR3と命名される、重鎖及び軽鎖の可変領域の各々に3つのCDRが存在する。「CDRのセット(set of CDRs)」または「CDRセット(CDR set)」は、抗原を結合することができる単一の可変領域、または抗原を結合することができる同族の重鎖および軽鎖可変領域のCDRのいずれかに生じる3つまたは6つのCDR群を指す。CDRの境界は、系により異なって定義され、そのいくつかは、当該技術分野において既知である(例えば、Kabat,Chothia等)。

0085

キメラ:本明細書で使用される、「キメラ」抗体は、1つの種、好ましくはゲッ齒類の抗体に由来する抗体の相補性決定領域(CDR)を含む可変ドメインを含む組換えタンパク質であり、一方、抗体分子定常ドメインヒト抗体のものに由来する。獣医学的用途のために、キメラ抗体の定常ドメインは、ネコまたはイヌなどの他の種のものに由来し得る。

0086

組み合せ:本明細書で使用される、用語「組み合わせて」は、2つ以上の予防薬及び/または治療薬(例えば、抗CCL2抗体及び抗LOXL2抗体)の使用を指す。用語「組み合わせて」の使用は、予防薬及び/または治療薬が障害を有する対象に投与される順序を限定しない。第1の予防薬または治療薬(例えば、抗CCL2抗体)は、第2の予防薬または治療薬(例えば、抗LOXL2抗体)の投与前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)、同時に、または投与後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に、障害を有する対象に投与され得る。

0087

化合物及び媒介物:用語「化合物」及び「媒介物」は、本明細書において互換的に使用される。これらは、生体高分子(例えば、核酸、ポリペプチド、またはタンパク質)、有機もしくは無機分子、または細菌、植物、真菌、もしくは動物(特に、ヒトを含む哺乳類細胞または組織などの生物学的材料から作製された抽出物などの任意の天然に存在する、または非天然に存在する(すなわち、合成または組換え)分子を指す。化合物は、単一の分子または少なくとも2つの分子の混合物または複合体であってよい。

0088

同等:本明細書で使用される、用語「同等」は、得られた結果または観察された現象の比較を可能にするために互いに十分に類似している2つ(またはそれ以上)の状態または状況のセットを記述することを指す。いくつかの実施形態では、同等の状態または状況のセットは、複数の実質的に同一の特徴及び1つまたは少数の様々な特徴により特徴付けられる。当業者であれば、異なる状態または状況のセット下で得られた結果または観察された現象における相違が、変更されるこれらの特徴における変化によって引き起こされるか、またはそれを示すという妥当結論保証するために十分な数及び種類の実質的に同一の特徴によって特徴付けられるとき、条件のセットは互いに同等であることを理解するであろう。

0089

対照:本明細書で使用される、用語「対照」は、結果が比較される標準であるというその当該技術分野において理解される意味を有する。典型的には、対照は、そのような変動要因についての結論を出すために変動要因を単離することによって、実験において完全性を増強するために使用される。いくつかの実施形態では、対照は、比較物を提供するために試験反応またはアッセイと同時に行われる反応またはアッセイである。一実験では、「試験」(すなわち、試験される変動要因)が適用される。第2の実験では、「対照」において、試験される変動要因は適用されない。いくつかの実施形態では、対照は、既存対照(すなわち、以前に行われた試験もしくはアッセイ、または既に既知である量もしくは結果)である。いくつかの実施形態では、対照は、印刷された、ないしは別の方法で保存された記録であるか、またはそれを含む。対照は、陽性対照または陰性対照であってよい。

0090

投薬計画:「投薬計画」(又は「治療計画」)は、その用語が本明細書において使用されるように、典型的には時間期間で区切られた、対象に個別に投与される単位用量のセット(典型的には2つ以上)である。いくつかの実施形態では、所与の治療薬は、1つ以上の用量を伴い得る推奨される投薬計画を有する。いくつかの実施形態では、投薬計画は、複数の用量を含み、その各々は、同じ長さの時間期間で互いに区切られ、いくつかの実施形態では、投薬計画は、複数の用量、及び個別の用量を区切る少なくとも2つの異なる時間期間を含む。

0091

診断:本明細書で使用される、用語「診断」は、個人が疾患または病気に罹患しているかを決定することを目的とするプロセスを指す。本発明の文脈において、「強皮症の診断」は、個人が強皮症に罹患しているかを決定する、強皮症のサブタイプを特定する(すなわち、びまん性または限局性皮膚強皮症)、及び疾患の重篤度を決定するのうちの1つ以上を目的とするプロセスを指す。

0092

有効用量:本明細書で使用される、用語「有効用量」は、その意図された目的(複数可)を満たすのに十分である化合物または媒介物の量を指す。本発明の文脈において、目的(複数可)は、例えば、強皮症の原因もしくは症状を調節する、及び/または強皮症の発症を遅延もしくは防止する、及び/または強皮症の症状の進行、悪化、もしくは増悪を遅らせる、もしくは停止させる、及び/または強皮症に関連する1つ以上の症状を緩和する、及び/または強皮症の症状の寛解をもたらす、及び/または強皮症を治癒することであってよい。

0093

フレームワークまたはフレームワーク領域:本明細書で使用される、CDRを差し引いた可変領域の配列を指す。CDR配列は異なる系により決定することができるため、同様にフレームワーク配列は、対応して異なる解釈を受ける。6つのCDRは、重鎖及び軽鎖上のフレームワーク領域を各鎖上で4つのサブ領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)に分割し、CDR1は、FR1とFR2との間、CDR2はFR2とFR3との間、CDR3はFR3とFR4との間に位置する。FR1、FR2、FR3、及びFR4として特定のサブ領域を特定することなく、フレームワーク領域は、他において言及されるように、単一の、天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わされたFRを表す。本明細書で使用される、FRは、4つのサブ領域のうちの1つを表し、FR1は、例えば、CDR1に対して可変領域のアミノ末端及び5’に最も近い最初のフレームワーク領域を表し、複数のFRは、フレームワーク領域を構成するサブ領域の2つ以上を表す。

0094

ヒト抗体:本明細書で使用されるように、ヒト免疫グロブリン配列から生成される(または組み立てられる)可変領域及び定常領域を有する抗体を含むことが意図される。いくつかの実施形態では、抗体(または抗体成分)は、例えば、1つ以上のCDR及び特定のCDR3において、それらのアミノ酸配列ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされない残基もしくは要素を含む場合でも(例えば、インビトロでのランダムもしくは部位特異的変異誘発によって、またはインビボでの体細胞変異によって導入された(本来)可能性がある、例えば、配列多様性を含む)、「ヒト」であると考えられる場合がある。

0095

ヒト化:当該技術分野において既知である、用語「ヒト化」は、一般に、そのアミノ酸配列が非ヒト種(例えば、マウス)で産生された参照抗体からのVH及びVL領域配列を含むが、それらにより「ヒト様」、すなわち、ヒト生殖系列可変配列により類似するものにすることが意図される参照抗体に対するこれらの配列における修飾も含む抗体(または抗体成分)を指すように使用される。いくつかの実施形態では、「ヒト化」抗体(または抗体成分)は、関心の抗原に免疫特異的に結合し、ヒト抗体と実質的に同じアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域及び非ヒト抗体と実質的に同じアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を有するものである。ヒト化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー免疫グロブリン)のものに相当し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的に全てを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、典型的にはヒト免疫グロブリン定常領域のものである、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、軽鎖及び重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含む。抗体は、重鎖定常領域のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、及び任意にCH4領域も含み得る。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化VL領域のみを含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化VH領域のみを含む。いくつかのある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化VH及びVL領域を含む。

0096

フィノマー:本明細書で使用される、用語「フィノマー」は、63個のアミノ酸残基からなるヒトタンパク質であるヒトFynキナーゼのSrc相同(SH3)ドメインに由来する結合タンパク質のクラスを指す(D.Grabulovski et al.J.Biol.Chem.282,3196−3204(2007))。フィノマーは、抗体と同じ親和性及び特異性で標的分子に結合することができる。これは、高収率で細菌中で産生され得る。さらに、いくつかのフィノマーは、複数の結合特異性を有するタンパク質をもたらすために連結され得る。

0097

改善、増加、または減少:本明細書で使用される、用語「改善」、「増加」、もしくは「減少」、または文法上の等価物は、本明細書に記載される治療の開始前の同じ個人における測定値、または本明細書に記載される治療の不在下での対照個人(または複数の対照個人)における測定値など、ベースライン測定値に対する価値を示す。「対照個人」は、治療される個人と同じ種類及びおよそ同じ重篤度の強皮症に罹患し、治療される個人とほぼ同じ年齢である(治療される個人及び対照個人(複数可)における疾患の段階が同等であることを確実にするため)個人である。

0098

キット:本明細書で使用される、用語「キット」は、材料を供給するための任意の供給システムを指す。そのような供給システムは、ある場所から別の場所への様々な診断薬または治療試薬(例えば、適切な容器中のオリゴヌクレオチド酵素等)及び/または支持材料(例えば、緩衝液、アッセイを行うための書面による説明書等)の貯蔵輸送、または供給を可能にするシステムを含み得る。例えば、キットは、関連する反応試薬及び/または支持材料を収容する1つ以上の密封部材(例えば、箱)を含む。本明細書で使用される、用語「断片化キット」は、各々が全キット構成要素の副次的部分を収容する2つ以上の別個の容器を含む供給システムを指す。容器は、一緒にまたは別個に意図されるレシピエントに供給することができる。例えば、第1の容器は、アッセイで使用するための酵素を含み、一方、第2の容器は、オリゴヌクレオチドを含み得る。用語「断片化キット」は、連邦食品医薬品化粧品法セクション520(e)により規定される、分析物特定試薬ASR)を含むキットを包含することが意図されるが、これらに限定されない。実際、各々が全キット構成要素の副次的部分を収容する2つ以上の別個の容器を含む任意の供給システムは、用語「断片化キット」に含まれる。対照的に、「複合キット」は、単一の容器(例えば、所望の構成要素の各々を収容する単一の箱)に構成要素の全てを含む供給システムを指す。用語「キット」は、断片化及び複合キットの両方を含む。

0099

正常:本明細書で使用される、用語「正常」は、用語「個人」または「対象」を修飾するように使用される場合、特定の疾患または状態を有しておらず、また、疾患もしくは状態の保有者でもない個人または個人の群を指す。用語「正常」はまた、本明細書において、正常なまたは野生型の個人または対象から単離された生物学的検体または試料、例えば、「正常な生物学的試料」を限定するようにも使用される。

0100

核酸:本明細書で使用される、用語「核酸」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、及びこれらの断片または部分、ならびに1本鎖または2本鎖であってよく、センスまたはアンチセンス鎖を表すゲノムもしくは合成起源のDNAまたはRNAを指す。

0101

核酸分子:用語「核酸分子」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書において互換的に使用される。これらは、1本鎖または2本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指し、特に記載されない限り、天然に存在するヌクレオチドに類似する様式で機能することができる天然のヌクレオチドの既知の類似体を包含する。本用語は、合成骨格を有する核酸のような構造、ならびに増幅産物を包含する。

0102

タンパク質:一般に、「タンパク質」はポリペプチドである(すなわち、ペプチド結合によって互いに連結された少なくとも2つのアミノ酸の鎖)。タンパク質は、アミノ酸以外の部分(例えば、糖タンパク質であってよい)を含み得、かつ/またはさもなければ処理もしくは修飾され得る。当業者は、「タンパク質」が、細胞によって産生される(シグナル配列を有する、または有さない)完全なポリペプチド鎖であるか、またはその機能タンパク質であってよいことを理解する。当業者は、タンパク質が、例えば、1つ以上のジスルフィド結合によって連結されるか、または他の手段によって関連付けられる2つ以上のポリペプチド鎖を含み得る場合があることをさらに理解する。

0103

試料:本明細書で使用される、用語「試料」は、生物学的供給源から得られる任意の試料を包含する。本用語「生物学的試料」及び「試料」は、互換的に使用される。生物学的試料は、非限定的な例として、皮膚組織肝臓組織腎臓組織肺組織脳脊髄液CSF)、血液、羊水、血清、尿、糞便表皮試料皮膚試料スワブ精子、羊水、培養細胞骨髄試料、及び/または絨毛膜絨毛を含み得る。任意の生物学的試料の細胞培養物も、生物学的試料として使用することができる。生物学的試料はまた、例えば、任意の臓器または組織から得られた試料(生検または剖検検体を含む)であってもよく、細胞(一次細胞または培養細胞に関わらず)、任意の細胞、組織、もしくは臓器により条件付けられた培地組織培養物を含み得る。いくつかの実施形態では、本発明に好適な生物学的試料は、本明細書に記載される検出のための核酸を放出するか、ないしは別の方法で提供するように処理された試料である。固定または凍結組織も使用することができる。

0104

対象:本明細書で使用される、用語「対象」は、ヒトまたは任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラットウサギ、イヌ、ネコ、ウシブタヒツジウマ、または霊長類)を指す。ヒトは、出生前および出生後の形態を含む。多くの実施形態では、対象はヒトである。対象は、疾患の診断または治療のための医療提供者を訪れるヒトを指す患者であってよい。用語「対象」は、本明細書において、「個人」または「患者」と互換的に使用される。対象は、疾患もしくは障害に罹患しているか、またはそれに感受性であるが、疾患または障害の症状を表しても、表さなくてもよい。

0105

罹患する:疾患、障害、及び/または状態(例えば、強皮症)に「罹患している」個人は、疾患、障害、及び/または状態の1つ以上の症状があると診断された、またはそれを示す。

0106

感受性である:疾患、障害、及び/または状態に「感受性である」個人は、疾患、障害、及び/または状態の症状があると診断されない、及び/またはそれを示さない。いくつかの実施形態では、疾患、障害、及び/または状態(例えば、強皮症)に感受性である個人は、以下のうちの1つ以上を特徴とし得る:(1)疾患、障害、及び/または状態の発達に関連する遺伝子変異、(2)疾患、障害、及び/または状態の発達に関連する遺伝子多型、(3)疾患、障害、及び/または状態に関連するタンパク質の発現及び/もしくは活性の増加ならびに/または減少、(4)疾患、障害、及び/または状態の発達に関連する習慣及び/または生活様式、(5)疾患、障害、及び/または状態の家族歴、(6)ある特定の細菌またはウイルスに対する反応、(7)ある特定の化学物質への曝露。いくつかの実施形態では、疾患、障害、及び/または状態に感受性である個人は、疾患、障害、及び/または状態が発達する。いくつかの実施形態では、疾患、障害、及び/または状態に感受性である個人は、疾患、障害、及び/または状態が発達しない。

0107

治療:本明細書で使用される、用語「治療」(「治療する(treat)」または「治療する(treating)」も)は、特定の疾患、障害、及び/または状態(例えば、強皮症、線維症、または炎症)のうちの1つ以上の症状または特徴を部分的または完全に軽減する、寛解する、緩和する、阻害する、その発症を遅延する、その重篤度を減少させる、及び/またはその発生を減少させる治療用分子(例えば、二重特異性抗CCL2/LOXL抗体、または抗CCL2モノクローナル抗体もしくはその抗原結合断片、及び抗LOXL2モノクローナル抗体もしくはその抗原結合断片の同時投与または順次同時投与)の任意の投与を指す。そのような治療は、関連疾患、障害、及び/もしくは状態の兆候を示さない対象、ならびに/または疾患、障害、及び/または状態の初期徴候のみを示す対象の治療であってよい。代替的にまたは付加的に、そのような治療は、関連疾患、障害、及び/または状態のうちの1つ以上の確立された徴候を示す対象の治療であってよい。

0108

本発明は、とりわけ、CCL2及びLOXL2に対する抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、及びタンパク質結合ドメイン(例えば、受容体に由来するもの)を含む含む(including including)がこれらに限定されない二重特異性分子と、特に強皮症ならびに関連線維性及び/または炎症性疾患、障害、及び状態の治療のためのこれらの使用とを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、単一特異性抗CCL2及び抗LOXL2分子(例えば抗体)の組み合わせに基づく強皮症ならびに関連線維性及び/または炎症性疾患、障害、及び状態を治療するための方法及び組成物をさらに提供する。

0109

本発明は、一部、本発明の発明者によって観察された独特の知見に基づく、つまり、抗体または融合タンパク質を含む二重特異性分子は、血漿中の抗体などの抗CCL2分子を消耗することなくCCL2の組織特異的標的指向を可能にし、高度に効果的な強皮症の治療をもたらす。本発明の実施形態は、CCL2及びLOXL2の両方に結合する二重特異性抗体を含む。CCL2及びLOXL2に結合することができる二重特異性抗体は、それらが独特の組織選択性プロファイルを保有し、強皮症、線維症、及び炎症の発達を停止し、排除する可能性を有するという点で、特に有益である。LOXL2は、結合組織の発達のための重要な酵素であるため、抗LOXL2結合活性は、比較的多量の結合組織を有する組織を優先的に標的指向する、または特定するために使用され得る。同様に、抗LOXL2結合活性は、例えば、強皮症において観察され得る、異常な結合組織形成を有する組織を標的指向する、または特定するために使用され得る。さらに、抗LOXL2抗体は、LOXL2の阻害または中和アミンオキシダーゼ活性患部組織を減少させ、よって結合組織の形成における開始ステップ遮断するという点で、相乗的な治療上の利益を提供する。LOXL2抗体の治療上の利益及び組織特異性は、相乗的に炎症を標的指向し、線維化形成を減少させるために、中和抗CCL2モノクローナル抗体の治療有効性と組み合わされ得る。LOX結合は、抗CCL2抗体が抑制されることを可能にし、線維症による減少した透過性を補うため、この相乗的標的指向は、強皮症のより進行した症例の治療において特に重要である。

0110

本発明の様々な態様は、以下のセクションにおいて詳細に記載される。セクションの使用は、本発明を限定するものではない。各セクションは、本発明の任意の態様に適用することができる。本願において、「または」の使用は、特に記載しない限り「及び/または」を意味する。
強皮症

0111

強皮症または全身性硬化症は一般に、とりわけ、線維症または硬化、血管変化、及び自己抗体を特徴とする慢性全身性自己免疫疾患と考えられる。理論に拘束されるわけではないが、強皮症は、強化増幅ループ捕捉された過活性自己免疫応答に起因すると考えられる。例えば、強皮症は、組織学的に、単核細胞の炎症性浸潤を特徴とし、これは同時に、周囲線維芽細胞における増加したコラーゲン合成を活性化し、これに関連する。特に、活性化されたマクロファージは、多量のコラーゲンを産生するために、患部領域の線維芽細胞を活性化するTGF−β及びPDGFを産生する。

0112

T細胞はまた、マクロファージの活性化及び炎症性線維形成促進性サイトカインの直接放出を通した疾患プロセスにおいて役割を果たすように思われる。コラーゲンに加えて、活性化された線維芽細胞は、サイトカインを放出するさらなる炎症性細胞を患部領域に動員する因子分泌するように思われ、これは、さらなるサイトカイン放出炎症性細胞を動員し、それにより未制御の炎症及び組織線維症をもたらす。

0113

典型的には、単球/マクロファージ及びT細胞は、強皮症患者の循環及び組織における数及び活性化の両方において増加する。組織蓄積は、強皮症の病因における初期の事象のうちの1つである微細血管損傷の原因及び結果の両方である。微細血管損傷は、内皮細胞損傷、基底膜層の増殖、血管壁内への末梢血単核細胞時折起こる捕捉、及び初期の血管周囲単核細胞浸潤を特徴とする。炎症性カスケードが悪化すると、線維症、内臓器官構造障害、血管の稀薄化、及び結果として低酸素症によって支配される。これらの因子の全て及び単球の継続的な動員は、線維症の維持の一因となる。

0114

いくつかの実施形態では、強皮症は、一般的に皮膚及び内部臓器における細胞外マトリックスタンパク質の過剰な蓄積、血管損傷、及び免疫異常により特徴付けられる結合組織疾患とも考えられる。

0115

疾患の臨床症状の多くは、血管リモデリングの誤制御を伴うと考えられる。強皮症の最も初期の症状の1つは、微小血管の損傷である。この微小血管の損傷は、増加した内皮細胞の活性化を引き起こすと考えられる。活性化された内皮細胞は、内皮を通した炎症性細胞の遊走及び血管壁内への捕捉を可能にする改変された毛細血管の透過性をもたらす接着分子を発現すると考えられる。免疫活性化は、内皮細胞の破壊をもたらす持続的な内皮活性化の一因となると考えられる。このプロセスは、強皮症患者において一般的に観察される血管の弾性損失及び狭窄の一因となると考えられる。さらに、微小血管の損傷は、線維芽細胞の活性化、及び強皮症の関連する特徴症状の多く(may)の一因となると考えられる真皮における単核細胞の血管周囲浸潤の一因となると考えられる。

0116

疾患の臨床症状の多くは一般に、線維芽細胞の誤制御を伴うと考えられる。線維芽細胞の主な機能は、細胞外マトリックスの前駆体を継続的に分泌することにより、結合組織の構造完全性を維持することである。線維芽細胞は、多くの組織の構造フレームワーク間質)を提供し、創傷治癒において重要な役割を果たし、動物の結合組織の最も一般的な細胞である。線維芽細胞は、形態学的に不均一であり、それらの位置及び活性に応じて多様な外見を有する。

0117

強皮症には、限局性全身性硬化症/強皮症及びびまん性全身性硬化症/強皮症の2つの主な形態がある。限局性皮膚強皮症において、皮膚の線維症は一般に、近位の領域に限定される。限局性皮膚強皮症を有する患者は一般に、血管障害を示す。皮膚及び臓器線維症は一般に、限局性強皮症の患者においてゆっくり進行する。びまん性強皮症の患者は一般に、限局性強皮症よりも迅速に進行する皮膚及び臓器の線維症及び/または広範な炎症及び/または限局性強皮症において見られるよりも重度の内部臓器病変を示す。

0118

肺線維症をもたらす間質性肺疾患は、強皮症関連死の主な原因であると一般的に考えられる(Ludwicka−Bradley,A.,et al.Coagulation and autoimmunity in scleroderma interstitial lung disease.Semin Arthritis Rheum,41(2),212−22,2011)。強皮症関連死をもたらすさらなる合併症としては、癌、心不全肺高血圧症腎不全、及び吸収不良、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

0119

強皮症は、最も一般的には、皮膚症状検査によって診断される。診断試験は、皮膚の視覚的及び/または手検査、血圧検査、胸部X線、肺CT、心エコー図尿検査皮膚生検、及び血液検査抗核抗体検査、抗トポイソメラーゼ抗体検査抗セントロメア抗体検査、抗U3抗体検査、抗RNA抗体検査、他の種類の抗体検査、血沈検査、及びリウマチ因子を含む)を含むが、これらに限定されない。
二重特異性抗CCL2及び抗LOXL2分子

0120

本発明は、CCL2及びLOXL2の両方に結合する分子、特に二重特異性抗CCL2及びLOXL2分子の投与に基づく強皮症ならびに関連線維性及び/または炎症性疾患、障害、及び状態を治療するための方法及び組成物を提供する。いくつかの実施形態では、二重特異性分子は、二重特異性核酸アプタマーなどの核酸である。いくつかの実施形態では、二重特異性分子は、二重特異性融合タンパク質、タンパク質アプタマー、及びタンパク質結合ドメインなどのタンパク質である。いくつかの実施形態では、二重特異性分子は、二重特異性フィノマーを含む。いくつかの実施形態では、二重特異性分子は、二重特異性抗体を含む。いくつかの実施形態では、本発明に好適な二重特異性抗体は、LOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位、及びCCL2に特異的に結合する第2の抗原結合部位を含む(図1を参照)。
CCL2

0121

CCL2は、様々な細胞型によって生成されるケモカインである。これは、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)としても知られる。CCL2は、単球、CD4、及びCD8メモリーTリンパ球ならびにNK細胞を含むが、これらに限定されない免疫系の多くの細胞型の強力な誘引物質であることが知られている(Carulli,M.et al.Can CCL2 serum levels be used in risk stratification or to monitor treatment response in systemic sclerosis?Ann Rheum Dis,67,105−109,2008,Yamamoto,T.Scleroderma−Pathophysiology.Eur J Dermatol,19(1),14−24)。CCL2は、内皮単層を横切る白血球の遊走を促進することが示され、単核細胞の血管周囲浸潤の促進における役割を示唆する(同上)。CCL2は、インビトロでのラット線維芽細胞における線維芽細胞の活性化及びコラーゲンI型mRNA発現上方制御を促進することも示されている。上昇したCCL2レベルは、強皮症の患者及び強皮症の動物モデルにおいても示されている(同上)。具体的には、増加したCCL2発現レベルは、強皮症の皮膚において示され、増加したCCL2RNA及びタンパク質は、強皮症線維芽細胞において示されている(同上)。

0122

ヒトCCL2は、76個のアミノ酸残基を含む8.6kDaタンパク質であり、そのアミノ酸配列は表1に示される。これは、とりわけ、単球、血管内皮細胞平滑筋細胞、ある特定の上皮細胞を含むさまざまな細胞型によって発現され、その受容体CCR2に結合する。CCL2は、隣接する2つのシステイン残基(隣接するシステイン残基は表1において下線が引かれている)を含むCCケモカインファミリーに属する。

0123

CCL2も、非ヒト供給源から精製、特徴付け、クローン化、及び配列決定されており、組換えにより産生されるか、または化学合成され得る。本明細書で使用される、用語CCL2は、いくつか列挙するならば、マウス、ラット、霊長類、ブタ、ニワトリ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ラクダラマを含むが、これらに限定されない他の種において天然に存在する任意のCCL2タンパク質、及びヒトCCL2に実質的に相同または同一である任意の組換えまたは合成CCL2を包含する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される、CCL2タンパク質は、配列番号1に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上相同である配列を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される、CCL2タンパク質は、配列番号1に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一である配列を有する。典型的には、ヒトCCL2に対して実質的に相同または同一であるCCL2タンパク質も、ヒトCCL2の実質的な活性を保持する。

0124

上述のCCL2タンパク質のいずれも、CCL2に特異的に結合する単一特異性及び/または二重特異性抗体を生成し、特定するために使用することができる。下の抗CCL2抗体ならびに二重特異性抗CCL2及びLOXL2抗体のセクションを参照。
LOXL2

0125

LOXL2は、銅依存アミノオキシダーゼのリジルオキシダーゼファミリーのメンバーである。理論に拘束されるわけではないが、LOXL2は、コラーゲンの成分側鎖及びエラスチンの成分側鎖の共有結合架橋を触媒し、よって細胞外マトリックス(ECM)のこれらのタンパク質を安定させると考えられる。ヒトLOXL2のポリペプチド配列は、表2に示されるように、十分に特徴付けされている。

0126

LOXL2も、非ヒト供給源から精製、特徴付け、クローン化、及び配列決定されており、組換えにより産生されるか、または化学合成され得る。本明細書で使用される、用語LOXL2は、いくつか列挙するならば、マウス、ラット、霊長類、ブタ、ニワトリ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ラクダ、ラマを含むが、これらに限定されない他の種において天然に存在する任意のLOXL2タンパク質、及びヒトLOXL2に実質的に相同または同一である任意の組換えまたは合成LOXL2を包含する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される、LOXL2タンパク質は、配列番号2に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上相同である配列を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される、LOXL2タンパク質は、配列番号2に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上同一である配列を有する。典型的には、ヒトLOXL2に対して実質的に相同または同一であるLOXL2タンパク質も、ヒトLOXL2の実質的な活性を保持する。

0127

上述のLOXL2タンパク質のいずれも、LOXL2に特異的に結合する所望の単一特異性及び/または二重特異性抗体を生成し、特定するために使用することができる。下の抗LOXL2抗体ならびに二重特異性抗CCL2及びLOXL2抗体のセクションを参照。

0128

本明細書において特定されるCCL2及びLOXL2配列に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、最大パーセント配列同一性を達成するために、配列を整合し、必要に応じてギャップを導入した後、及び配列同一性の一部として任意の保存置換を考慮しない、CCL2またはLOXL2配列におけるアミノ酸残基と同一である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、例えば、BLAST、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当該技術分野の範囲内にある様々な方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。好ましくは、アミノ酸配列の同一性を決定するために、WU−BLAST−2ソフトウェアが使用される(Altschul et al.,Methodsin Enzymology 266,460−480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.html)。WU−BLAST−2は、いくつかの検索パラメータを使用し、その大部分は、デフォルト値に設定されている。調節可能なパラメータは、以下の値、すなわち、オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、世界閾値(T)=11に設定される。HSPスコア(S)及びHSP S2パラメータは動的値であり、特定の配列の組成に応じてプログラム自体によって確立されるが、最小値は調節されてよく、上記のように設定される。
抗CCL2及び抗LOXL2単一特異性抗体

0129

本明細書に記載されるCCL2及びLOXL2タンパク質またはこれらの断片は、当業者に周知の方法により抗体を生成するために使用され得る。本明細書で使用される、抗CCL2単一特異性抗体は、CCL2の任意のエピトープに特異的に結合する抗体の任意の抗体または抗体の断片を含み、抗LOXL2単一特異性抗体は、LOXL2の任意のエピトープに特異的に結合する任意の抗体または抗体の断片を含む。本明細書で使用される、用語「抗体」は、指定されたタンパク質もしくはペプチドまたはこれらの断片に特異的に反応性である免疫グロブリン及びその断片を含むことが意図される。例えば、用語「抗体」は、それらが所望の生物学的活性を示す限り、無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体単一ドメイン抗体(例えば、サメの単一ドメイン抗体(例えば、IgNARまたはその断片))、及び抗体断片を含む。好適な抗体はまた、ヒト抗体、霊長類化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体、抱合抗体(すなわち、他のタンパク質、放射標識細胞毒素に抱合または縮合された抗体)、Small Modular ImmunoPharmaceuticals(「SMIPs(商標)」)、及び抗体断片も含むが、これらに限定されない。

0130

本明細書で使用される、「抗体断片」は、例えば、抗原結合または抗体の可変領域などの無傷の抗体の一部分を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、トリアボディ、テトラボディ、直鎖状抗体、単鎖抗体分子が挙げられる。用語「抗体断片」はまた、特定の抗原に結合して複合体を形成することによって抗体のように作用する、任意の合成または遺伝子操作タンパク質も含む。たとえば、抗体断片は、単離された断片、重鎖及び軽鎖の可変領域からなる「Fv」断片、軽鎖及び重鎖可変領域がペプチドリンカーによって結合される組換え単鎖ポリペプチド分子(「ScFvタンパク質」)、ならびに超可変領域を摸倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位を含む。

0131

単一特異性抗体は、当該技術分野において周知の方法を使用して生成することができる。例えば、抗体産生のためのプロトコルは、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,(1988)に記載されている。典型的には、抗体は、マウス、ラット、モルモットハムスター、ラクダ、ラマ、サメ、または他の適切な宿主において生成することができる。あるいは、抗体は、ニワトリにおいて作製され得、IgY分子を産生する(Schade et al.,(1996)ALTEX13(5):80−85)。いくつかの実施形態では、本発明に好適な抗体は、類人猿抗体である。例えば、ヒヒにおいて治療的に有用な抗体を産生するための一般的な技術は、例えば、Goldenbergらの国際特許公開第WO91/11465号(1991)、及びLosman et al.,Int.J.Cancer 46:310(1990)に見出すことができる。いくつかの実施形態では、ハイブリドーマ法を使用して、モノクローナル抗体が調製され得る(Milstein and Cuello,(1983)Nature 305(5934):537−40.)。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、組換え法によっても作製することができる(米国特許第4,166,452号,1979)。

0132

B細胞不死化によるモノクローナル抗体の生成に関連する困難の多くは、ファージ提示を使用して、大腸菌において抗体断片を操作し、発現させることによって克服することができる。高親和性モノクローナル抗体の回復を確実にするために、コンビナトリアル免疫グロブリンライブラリは、典型的には、大きなレパートリーサイズを含まなければならない。典型的な戦略は、逆転写酵素を用いてcDNAを合成するために、免疫化したマウスのリンパ球または脾臓細胞から得たmRNAを利用する。重鎖及び軽鎖遺伝子は、PCRにより別個に増幅され、ファージクローニングベクターに連結される。2つの異なるライブラリが産生され、1つは重鎖遺伝子を含み、1つは軽鎖遺伝子を含む。ファージDNAは、各ライブラリから単離され、重鎖及び軽鎖配列は、一緒に連結され、パッケージングされて、コンビナトリアルライブラリを形成する。各ファージは、重鎖及び軽鎖cDNAのランダム対を含み、大腸菌の感染時に、感染細胞において抗体鎖の発現を導く。関心の抗原を認識する抗体を特定するために、ファージライブラリ平板培養し、プラーク中に存在する抗体分子をフィルタに移す。フィルタは、放射性標識された抗原と共にインキュベートされ、次いで、過剰の未結合リガンドを除去するために洗浄される。オートラジオグラム上の放射性スポットは、抗原に結合する抗体を含むプラークを特定する。ヒト免疫グロブリンファージライブラリを産生するために有用なクローニングおよび発現ベクターは、例えば、STRATAGENE Cloning Systems(La Jolla,Calif.)から得ることができる。

0133

高親和性のscFvを得るために、同様の戦略を採用することができる。例えば、Vaughn et al.,Nat.Biotechnol.,14:309 314(1996)を参照。大きなレパートリーを有するscFvライブラリは、全ての既知のVH、Vk、及びVλ遺伝子ファミリーに対応するPCRプライマーを使用して、非免疫化トドナーからV遺伝子を単離することによって構築することができる。増幅後、Vk及びVλプールは、組み合わされて、1つのプールを形成する。これらの断片は、ファージミドベクターに連結される。scFvリンカー(Gly4,Ser)3は、次いで、VL断片ファージミド上流に連結される。VH及びリンカー−VL断片が増幅され、JH領域上で組み立てられる。得られたVH−リンカー−VL断片は、ファージミドベクターに連結される。ファージミドライブラリは、上述のように、フィルタを使用して、またはイムノチューブ(Nunc;Maxisorp)を使用して抽出(panned)され得る。同様の結果は、免疫化したウサギのリンパ球または脾臓細胞からコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリを構築し、ピキア酵母においてscFv構築物を発現させることによって達成することができる。例えば、Ridder et al.,Biotechnology,13:255 260(1995)を参照。加えて、適切なscFvの単離後、より高い結合親和性及び遅い解離速度を有する抗体断片は、CDR3変異誘発及び鎖シャッフリングなどの親和性成熟プロセスを通して得ることができる。例えば、Jackson et al.,Br.J.Cancer,78:181 188(1998)、Osbourn et al.,Immunotechnology,2:181 196(1996)を参照。

0134

抗体断片の別の形態は、単一CDRをコードするペプチドである。CDRペプチド(「最小認識単位」)は、関心対象の抗体のCDRをコードする遺伝子を構築することによって得ることができる。そのような遺伝子は、例えば、抗体産生細胞のRNAから可変領域を合成するためにポリメラーゼ連鎖反応を使用することによって調製される。例えば、Larrick et al.,Methods:A Companion to Methods in Enzymology 2:106(1991)、MONOCLNALNTBODIES:PRODUCTION,ENGINEERING AND CLINICAAPPLICATION,Ritter et al.(eds.)のCourtenay−Luckの”Genetic Manipulation of Monoclonal Antibodies,”pages 166 179(Cambridge University Press 1995)、及びMONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLESAND APPLICATIONS,Birch et al.,(eds.)のWard et al.,”Genetic Manipulation and Expression of Antibodies,”pages 137 185(Wiley−Liss,Inc.1995)を参照。

0135

いくつかの実施形態では、本発明に好適な抗体は、ヒト化またはヒト抗体を含み得る。非ヒト抗体のヒト化形態は、キメラIg、Ig鎖、または非ヒトIgに由来する最小配列を含む断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2またはAbの他の抗原結合配列)である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト供給源から導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は、ゲッ齒類相補性決定領域(CDR)またはCDR配列をヒト抗体の対応する配列と置換することにより達成される(Riechmann et al.,Nature 332(6162):323−7,1988、Verhoeyen et al.,Science.239(4847):1534−6,1988.)。そのような「ヒト化」抗体は、キメラAb(米国特許第4,816,567号、1989)であり、実質的に無傷のヒト可変ドメイン未満が非ヒト種からの対応配列によって置換されている。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基及び場合によりいくつかのFR残基がゲッ齒類Abの類似部位からの残基によって置換されるヒト抗体である。ヒト化抗体は、レシピエントのCDRからの残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有する、マウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置換されるヒトIg(レシピエント抗体)を含む。いくつかの例では、対応する非ヒト残基は、ヒトIgのFvフレームワーク残基を置換する。ヒト化抗体は、レシピエント抗体、または移入されたCDRもしくはフレームワーク配列のいずれにも見出されない残基を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全て含み、全てではない場合、CDR領域の大部分は、非ヒトIgのものに対応し、全てではない場合、FR領域の大部分は、ヒトIgコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体は、最適には、Ig定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的には、ヒトIgのものも含む(Riechmann et al.,Nature 332(6162):323−7,1988、Verhoeyen et al.,Science.239(4847):1534−6,1988.)。

0136

ヒト抗体はまた、ファージ提示ライブラリ(Hoogenboom et al.,Mol Immunol.(1991)28(9):1027−37、Marks et al.,J Mol Biol.(1991)222(3):581−97)、及びヒトモノクローナル抗体の調製(Reisfeld and Sell,1985,Cancer Surv.4(1):271−90)を含む様々な技術を使用して産生することもできる。同様に、内因性Ig遺伝子が部分的または完全に不活性化されたトランスジェニック動物へのヒトIg遺伝子の導入は、ヒト抗体を合成するために利用され得る。抗原投与時にヒト抗体産生が観察され、これは、遺伝子再構成アセンブリ、及び抗体レパートリーを含むあらゆる点でヒトに見られるものに非常に似ている(Fishwild et al.,High−avidity humanIgGkappa monoclonal antibodies from a novel strain of minilocus transgenic mice,Nat Biotechnol.1996 July;14(7):845−51、Lonberg et al.,Antigen−specific human antibodies from mice comprising four distinct genetic modifications,Nature 1994 April 28;368(6474):856−9、Lonberg and Huszar,Human antibodies from transgenic mice,Int.Rev.Immunol.1995;13(1):65−93、Marks et al.,By−passing immunization:building high affinity human antibodies by chain shuffling.Biotechnology(N Y).1992 July;10(7):779−83)。

0137

いくつかの実施形態では、本発明に好適な単一特異性抗CCL2抗体またはその断片は、およそ500nM、100nM、10nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM、1pM、500fM、400fM、300fM、200fM、100fM、50fM、10fM、1fM以上の結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、本発明に好適な単一特異性抗CCL2抗体またはその断片は、およそ500nM〜1fM、500nM〜10fM、500nM〜100fM、500nM〜1pM、10nM〜1fM、10nM〜100fM、10nM〜1pM、1nM〜1fM、1nM〜100fM、1nM〜500fM、1nM〜1pM、1nM〜10pM、1nM〜50pM、1nM〜100pM、1nM〜500pMの範囲の結合親和性を有する。

0138

いくつかの実施形態では、本発明に好適な単一特異性抗LOXL2抗体またはその断片は、およそ10nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM、1pM、500fM、400fM、300fM、200fM、100fM、50fM、10fM、1fM以上の結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、本発明に好適な単一特異性抗LOXL2抗体またはその断片は、およそ10nM〜1fM、10nM〜100fM、10nM〜1pM、1nM〜1fM、1nM〜100fM、1nM〜500fM、1nM〜1pM、1nM〜10pM、1nM〜50pM、1nM〜100pM、1nM〜500pMの範囲の結合親和性を有する。
二重特異性抗CCL2及び抗LOXL2抗体ならびに融合タンパク質

0139

いくつかの実施形態では、本発明は、二重特異性抗CCL2及び抗LOXL2抗体ならびに/または融合タンパク質を提供する。本明細書で使用される、用語「二重特異性抗体または融合タンパク質」は、異なる特異性を有する少なくとも2つの抗原結合部位または抗原結合アームを含む任意の抗体、融合タンパク質、またはこれらの断片を包含する。例えば、本発明に好適な二重特異性抗CCL2及び抗LOXL2抗体または融合タンパク質は、LOXL2に特異的に結合する少なくとも第1の抗原結合部位またはアーム、及びCCL2に特異的に結合する少なくとも第2の抗原結合部位またはアームを含む。

0140

二重特異性抗体の各個々の抗原結合部位またはアームは、その特定の結合標的(例えば、CCL2またはLOXL2)に対して所望の結合親和性を有し得る。いくつかの実施形態では、抗原結合部位またはアームは、およそ500nM、100nM、10nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM、1pM、500fM、400fM、300fM、200fM、100fM、50fM、10fM、1fM以上の結合親和性でCCL2に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗原結合部位またはアームは、およそ500nM〜1fM、500nM〜10fM、500nM〜100fM、500nM〜1pM、10nM〜1fM、10nM〜100fM、10nM〜1pM、1nM〜1fM、1nM〜100fM、1nM〜500fM、1nM〜1pM、1nM〜10pM、1nM〜50pM、1nM〜100pM、1nM〜500pMの範囲の結合親和性でCCL2に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗原結合部位またはアームは、およそ10nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM、1pM、500fM、400fM、300fM、200fM、100fM、50fM、10fM、1fM以上の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、抗原結合部位またはアームは、およそ10nM〜1fM、10nM〜100fM、10nM〜1pM、1nM〜1fM、1nM〜100fM、1nM〜500fM、1nM〜1pM、1nM〜10pM、1nM〜50pM、1nM〜100pM、1nM〜500pMの範囲の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する。本発明は、上述の結合親和性のいずれかで抗CCL2及び抗LOXL抗原結合部位またはアームの組み合わせを有する二重特異性抗体を包含する。特に、二重特異性抗体は、1pM以上の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位またはアーム、及び500nM〜1fMの範囲の結合親和性でCCL2に結合する第2の抗原結合部位またはアームを含み得る。特に、二重特異性抗体は、1pM以上の結合親和性でLOXL2に特異的に結合する第1の抗原結合部位またはアーム、及び1pMより大きい結合親和性でCCL2に結合する第2の抗原結合部位またはアームを含み得る。

0141

二重特異性抗体の各抗原結合部位は、独立して、完全長重鎖及び完全長軽鎖、Fab断片、単鎖可変断片(scFv)、または他の形態の抗体断片を含む、完全な抗原結合アームであってよい。いくつかの実施形態では、所望の抗原結合部位またはアームは、上述の技術を使用して産生されたCCL2及びLOXL2に対して単一特異性抗体から調製され得、その後、そのような所望の抗CCL2及び抗LOXL2抗原結合部位またはアームを関連付け、所望の二重特異性抗体を産生する。例えば、所望の抗CCL2または抗LOXL2抗原結合部位またはアームは、上述の単一特異性モノクローナル抗体から単離される、分離される、または酵素的に消化され得る。二重特異性抗体の抗原結合部位またはアームは、それらの抗原結合能力を維持しながら、2つの部位またはアームが関連付けることを可能にする様々な構成に配置され得る。

0142

好適な二重特異性抗体または融合タンパク質は、クアドローマ化学テロ抱合体、選択されたヘテロ2量体化ドメインを使用する組換え構築物、及び2つの最小抗原結合部位からなる最小サイズの組換え構築物を含むが、これらに限定されない様々な二重特異性抗体形式であってよい。一般に、クアドローマは、モノクローナル抗体のように見えるが、2つの異なる抗原結合アームを有する。それらの古典的な産生方法は、2つの異なるハイブリドーマ(腫瘍細胞と抗体作製正常細胞との間で融合される)細胞の体細胞融合に基づき、各々、固有のモノクローナル抗体(例えば、抗CCL2または抗LOXL2モノクローナル抗体)を産生する。所望の抗原結合アームを有する二重特異性抗体(例えば、抗CCL2及び抗LOXL2)は、2つの異なる抗体の重鎖及び軽鎖のランダム対合によって産生され得る。不対合副産物を減らし、二重特異性抗体の収率を増加させるための様々な選択対合方法利用可能である。例えば、互いに優先的に対合する特定のIgGサブクラスのモノクローナル抗体を発現するマウス及びラットハイブリドーマ細胞系が融合され得る。加えて、2つの異なる抗体の重鎖の優先的な対合は、ヒトIgG1のCH3ドメインにおけるある特定の突然変異、いわゆる「ノブ−穴(knobs−into−holes)」戦略によって達成することができる。

0143

クアドローマ形式は、典型的には、Fc受容体相互作用することができるFc領域を含む。したがって、Fc部分を有する二重特異性抗体は、三重特異性抗体とも称される。いくつかの実施形態では、クアドローマのFc部分は、酵素除去され得、二重特異性F(ab’)2(抗体の2つの抗原結合アームが(a)ジスルフィド結合(複数可)を通して化学的に連結される)をもたらす。加えて、2つの抗原結合部位またはアームは、チオエーテル結合により、またはアミンカルボキシルフェニルチオール、またはヒドロキシル基を含む、抗体または断片上の1つ以上の官能基を通して連結され得る。

0144

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、例えば、ヘテロ2官能架橋剤を用いて、2つの異なるモノクローナル抗体または抗体断片の化学カップリングにより産生され得る。例えば、2つの異なるFab’(抗体の一価の抗原結合アーム(複数可))は、部位特異的な方法でそれらのヒンジシステイン残基で化学的に架橋され得る。化学的架橋またはカップリングに適切な化学物質の例としては、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオプロピオネート)(SPDP)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、5,5’−ジチオビス−(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)、o−フェニレンジマレイミド、カルボジイミド、ジイソシアネートジアゾベンゼンヘキサメチレンジアミン、ジマレイミド、グルタルアルデヒド、4−スクシンイミジル−オキシカルボニル−.α.−メチル.α.(2−ピリジルチオトルエン(SMPT)、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

0145

いくつかの実施形態では、ヘテロ2量体を自然に形成するある特定のタンパク質ドメインは、大規模な発現に適したヘテロ2量体二重特異性抗体を構築するために使用される。例の1つは、2つの異なるFab’または単鎖(sc)Fv(可変領域の断片)抗体断片のカルボキシ末端に融合され得る転写因子Fos及びJunのロイシンジッパードメインである。いくつかの実施形態では、抗体の定常領域ドメインCκ及びCH1が、大腸菌などの細菌における二重特異性抗体の発現のために、Fos及びJun量体化ドメインの代わりに使用され得る。ある特定の実施形態では、2つの抗原結合部位またはアームは、特に、GST(グルタチオントランスフェラーゼ)融合タンパク質もしくはその2量体化モチーフ、PDZ量体化ドメイン、FK−506BP(結合タンパク質)もしくはこれらの2量体化モチーフ、天然もしくは人工ヘリックスターンヘリックス2量体化ドメイン(例えば、p53)、プロテインAもしくはその2量体化ドメインBを介して関連付けられ得る。ある特定の実施形態では、2つの抗原結合部位またはアームは、外因性成分との相互作用を介して関連付けられ得る。例えば、2つの抗原結合部位またはアームは、アビジンモチーフを含み得、両方とも付加されたビオチンと相互作用する。

0146

いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、いわゆる、ダイアボディ及びタンデム単鎖Fv構築物を含む。典型的には、二重特異性抗体のこれらの形態は、リンカー配列として作用する最小付加タンパク質配列を有する2つの異なる抗原結合部位から構成される。各抗原結合部位は、それぞれ、2つの抗体の重鎖及び軽鎖からの最小限のVH及びVLドメインを使用する。ダイアボディにおいて、1つの抗原結合部位のVLドメインは、他の抗原結合部位のVHドメインを有する短いペプチドリンカーによって結合され、逆もまた同様である。タンデムscFv形式の二重特異性抗体は、典型的には、単一タンパク質鎖上の柔軟なペプチドリンカーによって結合される2つの異なるVL/VH対を含む。いくつかの実施形態では、タンデムscFv構築物は、4つの連続して整合された抗体V領域を適切に折り畳むことができる哺乳類宿主細胞において発現され得る。完全に機能的な二重特異性タンデム単鎖抗体は、細胞培養上清中に分泌され、ポリヒスチジンタグを介して親和性クロマトグラフィー、続いてサイズ排除クロマトグラフィーにより効率的に精製され得る。好適なペプチドリンカーは、抗原結合部位またはアームの高次構造干渉しない任意の配列を含み得る。ある特定の実施形態では、好適なペプチドリンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上のアミノ酸長である。

0147

本明細書に記載される様々な方法により産生された抗体は、典型的には、ホモ特異性(homospecific)及び二重特異性分子の両方を含む。二重特異性モノクローナルの存在をアッセイするための方法は、当該技術分野において既知であり、ブリッジELISAアッセイを含む(例えば、Suresh et al.(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83,7989−93、Koolwijk et al.(1988)Hybridoma 7,217−225、及びDe Lau et al.(1989)J.Immunol.149,1840−46を参照)。十分な量のそれぞれの抗原が利用可能な場合、二重抗原ELISAが採用され得る。

0148

上述の二重特異性抗体を調製する特定の方法は、時折、単一特異性ならびに二重特異性抗体(例えば、化学カップリングの手順に従う)の形成をもたらす。これが生じる場合、所望の二重特異性抗体は、2つの形態間の相違を可能にする様々な手順のいずれかによって単一特異性抗体から単離することができる。そのような手順としては、分取からの受動的溶出非変性アクリルアミドゲルまたは様々な従来のクロマトグラフィー技術、例えば、陰イオン交換HPLC、またはチオフィリック吸着クロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Kreutz et al.(1998).J.Chromatography 14,161−170を参照)。加えて、抗原結合部位またはアームの各々は、異なるタグでタグ付けされ得、二重タグ付けされた二重特異性抗体は、2重親和性クロマトグラフィーにより単独でタグ付けされた単一特異性抗体から分離される。

0149

二重特異性抗体を生成、精製、及び特徴付けするさらなる方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第5,601,819号、同第6,004,555号、同第5,762,930号、同第6,060,285号、同第6,010,902号、同第5,959,083号、同第5,807,706号、及び米国特許公開第2002/0025317号に開示されている。これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み入れられたものとする。

0150

所望の二重特異性抗CCL2及び抗LOXL2抗体は、本明細書に記載される様々な方法を含む、当該技術分野において既知の標準的な方法を使用して、キメラ、ヒト化、または完全ヒト二重特異性抗体を産生するためにさらに修飾され得る。
強皮症及び関連疾患、障害、または状態の治療

0151

本明細書に記載される二重特異性及び/または単一特異性抗CCL2ならびに抗LOXL2分子(例えば、抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、またはタンパク質結合ドメイン)は、強皮症または関連線維性、炎症性疾患、障害、もしくは状態に罹患している、またはそれに感受性である個人を効果的に治療するために使用され得る。本明細書で使用される、用語「治療する」または「治療」は、1つ以上の症状の寛解、1つ以上の症状の発症の防止もしくは遅延、及び/または関連する疾患、障害、または状態の1つ以上の症状の重篤度もしくは頻度の減少を指す。

0152

本発明の様々な分子は、単独で、または組み合わせて投与することができる。いくつかの実施形態では、本発明による治療方法は、本明細書に記載される二重特異性分子を、治療が必要な対象に投与することを伴う。いくつかの実施形態では、本発明による治療方法は、本明細書に記載される抗CCL2及び抗LOXL2単一特異性抗体またはこれらの断片を、治療が必要な対象に投与することを伴う。抗CCL2及び抗LOXL2単一特異性抗体またはこれらの断片は、同じまたは異なる投与経路を介して、同時に、または順次投与することができる。

0153

いくつかの実施形態では、本明細書に記載される分子は、単独で、または線維性もしくは炎症性疾患、障害、または状態を治療するのに有用であるものなど、他の治療薬と併用して投与され得る。そのような治療剤は、コルチコステロイド、NSAID、免疫抑制薬(例えば、メトトレキサート及びシトキサン)、小分子免疫調節物質インターフェロン受容体抗体、抗線維化薬物(D−ペニシラミンコルヒチン、PUVA、リラキシン、及びシクロスポリンを含む)、及び抗TGFβ治療、ならびにエンドセリン受容体遮断薬を含むが、これらに限定されない。

0154

いくつかの実施形態では、本明細書に記載される分子は、他の同等の治療薬に関して記載されるものなど、従来の用量及び送達方法を使用して投与され得る。投与される用量は、当業者に既知の従来の手順によって決定され得る。例えば、The Pharmacological Basis of Therapeutics,Goodman and Gilman,eds.,Macmillan Publishing Co.,New Yorkを参照。一般に、有効投与量は、所望の効果、例えば、CCL2及び/もしくはLOXL2の中和、ならびに/またはそれらの同族受容体へのCCL2及び/もしくはLOXL2の結合の遮断をもたらすのに十分に大きいものである。投与量は、望ましくない交差反応アナフィラキシー反応などの有害な副作用を引き起こすほど大きいものであってはならない。考慮すべき要因は、関与する特定の抗体/媒介物の活性、その代謝安定性及び作用の長さ、投与形式及び時間、薬物の組み合わせ、排泄速度、ならびに治療を受ける宿主の年齢、体重、一般健康状態性別食事、及び特定の疾患状態の重篤度を含む。

0155

本明細書に記載される分子は、治療的に有効な任意の投与計画で投与され得る。いくつかの実施形態では、抗CCL2/LOXL2二重特異性または単一特異性抗体は、隔月、毎月、3週間に1回、隔週、毎週、毎日、または様々な間隔で投与される。

0156

本明細書に記載される分子は、投与の非経口及び非経口でない経路(non−parenteral)を含む任意の投与方法を使用して投与され得る。非経口経路は、例えば、静脈内、動脈内、門脈内筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄内髄腔内、脳室内頭蓋内、胸腔内、または他の注射経路を含む。非経口でない経路は、例えば、経口、経鼻、経皮、肺、直腸、頬、、眼を含む。投与は、連続注入局所投与インプラントゲル、膜など)の持続放出、及び/または静脈内注射によるものであってもよい。抗CCL2及び抗LOXL2抗体の組み合わせが使用される場合、抗CCL2及び抗LOXL2抗体は、同じ投与経路を介して、または異なる投与経路を介して投与され得る。
強皮症

0157

いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法及び組成物は、限局性全身性硬化症/強皮症、びまん性全身性硬化症/強皮症、及び他の形態の強皮症を含む、全ての形態の強皮症に罹患している、またはそれに感受性である対象を治療するために使用され得る。限局性全身性硬化症/強皮症は、典型的には、主に手、腕、及び顔に影響を与える皮膚症状を伴う。これは、以下の合併症に関して、CREST症候群としても知られる:石灰沈着レイノー現象食道機能不全強指症、および毛細血管拡張症。加えて、肺動脈性肺高血圧症は、最大3分の1の患者において生じ、この形態の強皮症に関して最も重度の合併症である。びまん性全身性硬化症/強皮症は、急速に進行し、広範囲の皮膚及び1つ以上の内部内臓、しばしば腎臓、食道、心臓、及び肺に影響を及ぼす。他の形態の強皮症は、皮膚の変化を欠くが、全身性症状を有する全身性無強皮症(sine scleroderma)、及び皮膚に影響を及ぼすが、内部臓器に影響を及ぼさない2つの局所性形態、すなわち、モルフェア及び線状強皮症を含む。

0158

いくつかの実施形態では、治療は、未処理対照または治療前の状態と比較して、内皮細胞損傷、基底膜層の増殖、血管周囲単核細胞浸潤、線維症、内臓器官構造障害、血管の稀薄化、低酸素症、指、背部、及び前腕膨張四肢における冷感感覚、指潰瘍爪郭伸長(elongation of nail folds)、爪の陥凹出血、爪上の陥凹瘢痕、肺高血圧症、皮膚線維症、脱毛、皮膚拘縮、皮膚硬化色素沈着過剰色素沈着低下、皮膚の掻痒手根管症候群筋力低下、関節痛、間接硬直、腎線維症、食道線維症、口腔線維症、心線維症、及び肺線維症、肝線維症、筋線維症、空咳、息切れ、呼吸困難肺胞炎肺炎、喘鳴、食後の腹部膨満便秘下痢嚥下困難前庭部毛細血管拡張症、食道逆流胸やけ便失禁、口内の平坦白斑、付着した歯肉粘膜喪失歯肉退縮歯根膜のびまん性拡幅嚥下障害、口の非弾性下顎骨後枝吸収、筋突起、及び顆状突起、癌、心不全、肺高血圧症、腎不全、吸収障害、またはこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない強皮症に関連する1つ以上症状を部分的または完全に軽減する、寛解する、緩和する、阻害する、その発症を遅延する、その重篤度及び/またはその発生を減少させることを指す。

0159

いくつかの実施形態では、治療は、線維症を部分的または完全に軽減する、寛解する、緩和する、阻害する、その発症を遅延する、その重篤度及び/またはその発生を減少させることを指す。本明細書で使用される、用語「線維症」は、臓器または組織における過剰な線維性結合組織の形成を指す。特定の理論に拘束されるわけではないが、線維症は、ある特定の線維芽細胞の活性化によって引き起こされる可能性があると考えられる。線維芽細胞の異なるサブタイプは、単一組織内であっても多様な機能を行うことが知られている。例えば、皮膚の上層乳頭状線維芽細胞は、薄いコラーゲン束を産生し、高増殖率を有する一方で、皮膚のより深い皮層からの網状線維芽細胞は、厚いコラーゲン束及び大量のバーシカンを産生し、急速な格子収縮を促進する。線維芽細胞は、静止状態にあるか、または様々な活性化段階であり得る。正常に細胞が機能している間、線維芽細胞は、例えば、創傷治癒を促進するために、損傷に応答して活性化される。活性化された線維芽細胞は、コラーゲン及びコラーゲン修飾酵素を含む、細胞外マトリックスの増加した成分を産生する。強皮症の個人において、線維芽細胞の活性化の増加が一般に観察され、ECMの過剰産生を伴う。このECMの過剰産生は一般に、強皮症の特性である臓器もしくは組織において過剰な線維性結合組織を形成する線維症を引き起こすと考えられる。

0160

いくつかの実施形態では、治療は、皮膚、腎臓、肝臓、肺、及び/または食道における線維症を部分的または完全に軽減する、寛解する、緩和する、阻害する、その発症を遅延する、その重篤度及び/またはその発生を減少させることを指す。

0161

いくつかの実施形態では、治療は、皮膚線維症を部分的または完全に軽減する、寛解する、緩和する、阻害する、その発症を遅延する、その重篤度及び/またはその発生を減少させることを指す。典型的には、皮膚線維症は、皮膚の肥厚、硬化、または瘢痕の形成(例えば、ケロイドまたは火傷瘢痕等)に関連する。いくつかの実施形態では、皮膚線維症は、改変Rodnanスキンスコアによって評価される。例えば、図2に図示されるように、非病変皮膚はスコア0が与えられ、軽度の肥厚はスコア1が与えられ、中等度の肥厚はスコア2が与えられ、重度の肥厚はスコア3が与えられる。いくつかの実施形態では、治療は、治療前の状態と比較して、改変Rodnanスキンスコアを10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、またはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、治療は、皮膚線維症の実質的な排除をもたらす。

0162

理論に拘束されるわけではないが、強皮症患者における線維芽細胞の活性化は、サイトカインの産生による免疫応答の活性化に起因し得るとも考えられている。サイトカインの例としては、TGF−β、CCL2、CTGF、ET−1、線維芽細胞成長因子IL−1、IL−4、IL−6、IL−12、IL−13、IL−17、MCP−1、MCP−3、及びPDGFが挙げられるが、これらに限定されない。サイトカインは、免疫系の炎症促進性細胞、例えば、活性化T細胞、単球、もしくはマクロファージによって産生されるか、または代替的に、サイトカインは、上皮細胞によって産生され得る。線維芽細胞の活性化の一因となる要因の1つは、増加した毛細血管の透過性に関連する真皮における単核細胞の血管周囲浸潤であり得る。線維芽細胞活性化の代替えまたは追加手段は、細胞外マトリックス及び/または機械的張力との相互作用を含む。よって、いくつかの実施形態では、本発明による強皮症患者の治療は、本明細書に記載されるものなど、1つ以上の炎症促進性サイトカインの産生の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、治療は、治療前の状態と比較して、炎症促進性サイトカイン(例えば、TGF−β、CCL2、CTGF、ET−1、線維芽細胞成長因子IL−1、IL−4、IL−6、IL−12、IL−13、IL−17、MCP−1、MCP−3、及び/またはPDGF)を、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、またはそれ以上減少させる。サイトカインのレベルを決定するための様々な方法が当技術分野において既知であり、本発明を実施するために使用され得る。

0163

いくつかの実施形態では、治療は、減少したCCL2血清レベルをもたらす。いくつかの実施形態では、治療は、治療前の状態と比較して、CCL2血清レベルを、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、またはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、治療は、約800pg/ml、700pg/ml、600pg/ml、500pg/ml、400pg/ml、350pg/ml、300pg/ml、250pg/ml、200pg/ml、150pg/ml、または100pg/ml未満のCCL2血清レベルをもたらす。いくつかの実施形態では、治療は、実質的に同じ年齢または発達段階の健康な対象と同等であるCCL2血清レベルをもたらす。
線維性疾患、障害、または状態

0164

強皮症に加えて、本発明による方法及び組成物は、一般に、結合線維組織増殖症候群、強皮症性移植片対宿主病腎性全身性線維症、臓器特異的線維症などを含むが、これらに限定されない線維性疾患、障害、または状態を治療するために使用され得る。例示的な臓器特異的線維性障害は、肺線維症、肺高血圧症、嚢胞性線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肝線維症、腎線維症、NASHなどを含むが、これらに限定されない。多くの線維性疾患、障害、または状態は、患部組織における細胞外マトリックスの無秩序及び/または過度の蓄積を有する。線維症は、炎症に関連し、基礎疾患の症状として生じる、及び/または外科手技もしくは創傷治癒プロセスに起因し得る。無検査の線維症は、根底にある臓器または組織の構造の破壊をもたらす場合があり、一般的に瘢痕化と称される。

0165

NASHは、通常、ほとんど、または全く症状がない無症状疾患である。患者は、一般的に初期の段階では体調がよく、疾患がより進行するか、または硬変が発達すると、疲労、体重減少、及び脱力感などの症状が出始めるのみである。NASHの進行は、数年、さらには数十年かかる場合がある。プロセスは、停止する可能性があり、いくつかの場合では、特定の治療をすることなく独自に反転さえし始める場合がある。あるいは、NASHは、ゆっくりと悪化し、瘢痕化または線維症を引き起こし、肝臓に蓄積する場合がある。線維症が悪化すると、肝臓がひどく瘢痕化し、硬化し、正常に機能できなくなる硬変が発達する。NASHの全ての人が硬変を発達させるわけではないが、深刻な瘢痕化または硬変が存在すると、ほとんどの治療は進行を停止することができない。硬変の人は、体液貯留、筋消耗、腸からの出血、及び肝不全を起こす。肝臓移植は、肝不全を伴う進行した硬変のための唯一の治療であり、移植は、NASHの人々の間でますます行われている。NASHは、C型肝炎及びアルコール性肝疾患に続いて、アメリカでは硬変の主な原因の一つとしてランク付けされる。

0166

腎臓()線維症は、腎臓における線維性結合組織の過剰な形成に起因する。腎線維症は、かなりの罹患率及び死亡率の原因となり、透析または腎臓移植の必要性につながる。線維症は、腎臓の機能単位ネフロン選別または再吸収性成分のいずれかにおいて生じ得る。いくつかの要因は、腎臓瘢痕化、特に糸球体ろ過の自己調節に関与する生理機能の障害に起因し得る。これは同時に、蓄積された細胞外マトリックスとの正常な構造の置換につながる。個々の細胞の生理機能の変化の範囲は、瘢痕化を好むように、細胞外マトリックス合成と分解との間の平衡の変化を刺激する多数のペプチドおよび非ペプチドの線維化の産生につながる。
炎症性疾患、障害、または状態

0167

いくつかの実施形態では、本発明による方法及び組成物は、全身性炎症応答(SIRS);アルツハイマー病(ならびに慢性神経炎症膠細胞活性化、増加した小膠細胞老人斑形成、及び治療応答を含む関連状態及び症状)、筋萎縮性側索硬化症ALS)、関節炎(ならびに急性関節炎症、抗原誘発関節炎、慢性リンパ性甲状腺炎コラーゲン誘発関節炎若年性関節炎、関節リウマチ、変形性関節炎、予後及び連鎖球菌誘発関節炎、脊椎関節症(spondyloarthopathies)、痛風関節炎を含むが、これらに限定されない関連状態及び症状)、喘息(ならびに気管支喘息慢性閉塞性気道疾患、慢性閉塞性肺疾患、若年性喘息、及び職業性喘息を含む関連状態及び症状)、循環器疾患(ならびにアテローム性動脈硬化症、自己免疫性心筋炎、慢性心臓性低酸素症、うっ血性心不全冠動脈疾患心筋症及び心細胞機能不全大動脈平滑筋細胞活性化、心細胞アポトーシス、及び心細胞機能の免疫調節を含む)を含む関連状態及び症状)、糖尿病ならびに関連状態及び症状(自己免疫糖尿病、インスリン依存(1型)糖尿病、糖尿病性歯周炎糖尿病性網膜症、及び糖尿病性腎症を含む)、胃腸管炎症(ならびにセリアック病、関連骨減少症慢性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、及び潰瘍性大腸炎を含む関連状態ならびに症状)、胃潰瘍肝臓炎症ウイルス性及び他の種類の肝炎コレステロール胆石、ならびに肝性線維症など)、HIV感染(ならびに変性応答、神経変性応答、及びHIV関連ホジキン病を含む関連状態ならびに症状)、カワサキ症候群(ならびに皮膚粘膜リンパ節症候群リンパ節腫脹頸部冠動脈病変浮腫発熱、増加した白血球、軽度の貧血皮膚剥離発疹結膜発赤血小板増加症を含む関連疾患及び状態)、多発性硬化症、腎症(ならびに糖尿病性腎症、末期腎疾患急性及び慢性糸球体腎炎、急性及び慢性間質性腎炎、ループス腎炎、グッドパスチャー症候群血液透析生存及び腎虚血再灌流損傷を含む関連疾患及び状態)、神経変性疾患(ならびに急性神経変性、老化及び神経変性疾患におけるIL−1の誘発、視床下部神経のIL−1誘発された柔軟性、及び慢性ストレス応答性亢進を含む関連疾患及び状態)、眼疾患(ならびに糖尿病性網膜症、グレーブス眼症、及びブドウ膜炎を含む関連疾患及び状態)、骨粗鬆症(ならびに肺胞大腿橈骨椎骨、もしくは手首骨喪失、または骨折発生、閉経後の骨喪失、腫瘤、骨折発生、もしくは骨喪失の速度を含む関連疾患及び状態)、中耳炎成人または小児)、膵炎または膵臓小胞炎(pancreatic acinitis)、歯周疾患(ならびに成人、早発性、及び糖尿病性を含む関連疾患及び状態)、肺疾患慢性肺疾患慢性副鼻腔炎、肺硝子膜症、低酸素症、及びSIDSにおける肺疾を含む)、冠血管またはたの血管グラフト再狭窄リウマチ(関節リウマチ、リウマチ性アショフ体リウマチ性疾患、及びリウマチ性心筋炎を含む)、甲状腺炎(慢性リンパ性甲状腺炎を含む)、尿路感染症慢性前立腺炎慢性骨盤痛症候群、及び尿路結石症を含む)を含むが、これらに限定されない炎症性疾患、障害、または状態を治療するために使用される。免疫学的障害は、円形脱毛症、自己免疫心筋炎、ブレーブス病、グレーブス眼症、硬化性苔癬、多発性硬化症、乾癬、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、甲状腺疾患(例えば、甲状腺腫及びリンパ性甲状腺腫(ハシモト甲状腺炎、リンパ節様甲状腺腫)、睡眠障害、及び慢性疲労症候群、ならびに肥満症(非糖尿病性または糖尿病関連)などの自己免疫疾患を含む。細菌、ウイルス(例えば、サイトメガロウイルス脳炎エプスタイン・バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルスインフルエンザウイルス)、または原虫(例えば、熱帯熱マラリア原虫トリパノソーマ)によって引き起こされるリーシュマニア症ハンセン病ライム病ライム心炎マラリア大脳マラリア髄膜炎、マラリアに関連した尿細管間質性腎炎)などの感染疾患に対する耐性脳外傷(脳卒中及び虚血、脳炎、脳症、てんかん、出生脳損傷長期熱性けいれん、SIDS、ならびにくも膜下出血を含む)を含む外傷、低出生体重(例えば、脳性麻痺)、肺障害(急性出血性肺損傷、グッドパスチャー症候群、急性虚血性再灌流)、職業上及び環境汚染物質によって引き起こされる心筋機能不全(例えば、毒性油症候群珪肺)、放射線外傷、創傷治癒応答の効率(例えば、火傷または熱創傷慢性創傷外科創傷、及び脊髄損傷)に対する応答。受胎能出産能力を含むホルモン調節、妊娠の可能性、早産、出生前及び新生児合併症(早産児低出生体重を含む)の発生率、脳性麻痺、敗血症甲状腺機能低下症酸素依存性、頭蓋異常、早期発症閉経。移植に対する対象の応答(拒絶または許容)、急性期応答(例えば、発熱応答)、一般的な炎症応答、急性呼吸窮迫応答、急性全身性炎症応答、創傷治癒、癒着、免疫炎症応答、神経内分泌応答、発熱の発達及び抵抗、急性期応答、ストレス応答、疾患感受性、反復運動ストレステニス肘、ならびに疼痛管理及び応答。
患者の層別化、治療モニタリング及び/または最適化のためのバイオマーカーまたは指標

0168

いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CCL2/LOXL2二重特異性または単一特異性分子(例えば、抗体、フィノマー、アプタマー、融合タンパク質、またはタンパク質結合ドメイン)に基づく方法及び組成物は、患者の層別化、治療モニタリング、及び/または最適化のためのバイオマーカーと共に使用され得る。いくつかの実施形態では、好適なバイオマーカーは、差次的に発現されたバイオマーカーである。本明細書で使用される、「差次的に発現されたバイオマーカー」は、発現レベルが、健康なまたは正常な対象(または健康なもしくは正常な対象の集団)におけるその発現レベルに対して、強皮症に罹患する対象(または対象の集団)において異なるバイオマーカーを指す。本用語はまた、発現レベルが異なる疾患のサブタイプ(すなわち、限局性皮膚またはびまん性皮膚)に関して異なるバイオマーカーを包含する。本用語は、発現レベルが疾患の異なる段階(例えば、軽度または初期の強皮症、重度または後期の強皮症)で異なるバイオマーカーをさらに包含する。差次的な発現は、バイオマーカーの時間または細胞発現パターンの定量的ならびに質的な差を含む。以下により詳細に記載されるように、差次的に発現されるバイオマーカーは、単独で、または他の差次的に発現されるバイオマーカーと組み合わせて、診断、段階分け、治療、薬物開発、及び関連分野における様々な異なる用途において有用である。本明細書に開示される差次的に発現されるバイオマーカーの発現パターンは、強皮症、強皮症サブタイプ、強皮症の段階、及び強皮症の疾患重篤度、ならびに/または進行のフィンガープリントまたは符号として説明され得る。それらは、未知の試料及びさらに情報が求められる試料を比較し、特徴付けるための基準点として使用され得る。本明細書で使用される、用語「減少した発現レベル」は、本明細書に記載される1つ以上の方法により測定されるように、少なくとも10%以上の、例えば、20%、30%、40%、または50%、60%、70%、80%、90%以上の発現の減少、または1倍より大きい、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍以上の発現の減少を指す。本明細書で使用される、用語「増加した発現レベル」は、本明細書に記載される方法などの1つ以上の方法により測定されるように、少なくとも10%以上、例えば、20%、30%、40%、もしくは50%、60%、70%、80%、90%以上の発現の増加、または1倍より大きい、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍以上の発現の増加を指す。
皮膚遺伝子発現分析

0169

強皮症患者における差次的に発現されたバイオマーカーを特定するための様々な方法が当該技術分野において既知であり、本発明を実践するために使用され得る。例えば、皮膚遺伝子発現分析は、患者を小グループに分類し、タンパク質バイオマーカー及び応答した患者のサブセット指標を特定するための強力なツールであり得る。いくつかの実施形態では、強皮症の患者において差次的に調節される遺伝子は、健康な個人の皮膚試料の転写プロファイルを強皮症を有するものと比較することにより特定され得る。さらに、疾患の重篤度に関連する遺伝子転写物は、様々な段階の進行度合いの強皮症患者を含むことにより特定され得る。転写プロファイルは、“Molecular Subsets in the Gene Expression Signatures of Scleroderma Skin”(PLOS One,3:7,1−18,2008)(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)においてMilanoらにより記載されるマイクロアレイ分析によって分析され得る。例えば、マイクロアレイ分析は、びまん性強皮症、限局性強皮症、モルフェア(内部臓器病変がない強皮症に類似した疾患)の患者及び健康な対照からの皮膚試料(例えば、前腕及び背中の試料)に対して行われ得る。強皮症に最も高度に関連する遺伝子を特定するために、複写物試料部位との間で最も内部的に一致する一方、個人間で最も可変である遺伝子がさらなる分析のために選択される。強皮症の重篤度と相関する差次的遺伝子発現に基づくクラスター分析は、強皮症によって影響を受けた遺伝子を選択するために使用され得る。

0170

強皮症において差次的に発現された例示的な遺伝子は、6つのグループクラスター化され得ることが報告されている。第1のグループは、びまん性強皮症の患者のサブセット及びモルフェアの患者において高度に発現される免疫グロブリン遺伝子を含む(CCR2、CCL4、及びIGLL1を含むが、これらに限定されない)。第2のグループは、細胞が分割されるときにのみ発現される遺伝子を含む、増殖符号を含む。このクラスターにおいて増加した発現を示す遺伝子は、CKS1B、CDKS2、CDC2、MCM8、及びE2F7などの細胞周期調節遺伝子を含む。増殖符号の存在は、びまん性強皮症組織の細胞が増加した増殖を受けることを示す皮膚生検からの報告と一致する。第3のグループは、COL5A2、COL8A1、COL10A1、COL12A1を含むが、これらに限定されないコラーゲン及び細胞外マトリックス成分を含む。第4のグループは、典型的には、第3のグループに類似して発現され、T細胞活性化に必要とされるPTPRCを含むTリンパ球及びマクロファージ、ならびにTリンパ球の表面上に発現されるCD2及びCDW52の存在に関連する遺伝子を含む。第5のグループは、びまん性強皮症において低発現を示す遺伝子を含む。これらの遺伝子は、他の生検においてより高い発現レベルを示し、とりわけ、WIF1、テトラネクチン、IGFBP6、及びIGFBP5を含む。第5のグループは、限局性強皮症及びびまん性強皮症のサブセットにおいて高い異種遺伝子発現クラスターであり、UTS2R、GALR3、PARD6G、PSEN1、PHOX2A、CENTG3、HCN4、KLF16、及びGPR15Gを含むが、これらに限定されない。さらなる差次的に発現された例示的な遺伝子は、Milanoらの“Molecular Subsets in the Gene Expression Signatures of Scleroderma Skin”(PLOS One,3:7,1−18,2008)に記載される(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。
代理マーカーとしての多重遺伝子符号

0171

遺伝子の組み合わせは、バイオマーカーとして使用され得る。バイオマーカー特定のための例示的な方法は、例えば、Farinaらの“A Four−Gene Biomarker Predicts Skin Disease in Patients with Diffuse Cutaneous Systemic Sclerosis”(Arthritis Rheum.62(2),580−588,2010)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に提供される。強皮症において調節されることが知られているTGFβ及びインターフェロンなどの標的をはじめとして、Farinaは、遺伝子CTGF、THS1、COL4、及びPAI1を含む4つの遺伝子バイオマーカーを特定した。組み合わせでのこれら4つの遺伝子の転写は、改変Rodnanスキンスコア(mRSS)及びびまん性強皮症の高度な予測と高度に相関することが分かった。

0172

mRSSは強皮症の臨床マーカーの1つとして使用される。典型的には、mRRSは、図2に示されるように割り当てられる、すなわち、非病変皮膚はスコア0が与えられ、軽度の肥厚はスコア1が与えられ、中等度の肥厚はスコア2が与えられ、重度の肥厚はスコア3が与えられる。典型的には、0〜51の範囲の総mRSSスコアは、患者の17の皮膚領域の0〜3の等級に基づき決定され得る。mRSSは、診断及び治療モニタリングの指標として、単独で、または他のバイオマーカーと組み合わせて使用され得る。

0173

類似する戦略は、強皮症の潜在的な符号バイオマーカーを特定し、確認するために使用され得る。具体的には、遺伝子転写物(複数可)または強皮症の臨床マーカーと最も高度に相関する遺伝子転写物の組み合わせからなるバイオマーカーを特定するために、強皮症において正または負の調節として特定された遺伝子転写物が、単独で、または組み合わせで試験される。mRSSに加えて、HAQ−DI、DLCO、またはFVCなどの他の臨床マーカーが使用され得る。
CCL2レベル

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