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図面 (7)

課題・解決手段

本開示は、腫瘍細胞において選択的に複製することができる変異ワクシニアウイルス株を提供する。本開示は、腫瘍を予防するかつ治療するための変異ワクシニアウイルス株の使用も提供する。

概要

背景

遺伝子治療は、癌治療に関する研究において多くの注目を集めてきた。腫瘍細胞における治療遺伝子形質導入効率および発現効率は、遺伝子治療法に重要である。様々な手法が、腫瘍細胞における遺伝子形導入効率および発現効率を改善するために開発されてきた。様々なウイルスが、目的の遺伝子を腫瘍細胞に運搬するためのベクターとして使用される可能性について研究され、試験されてきた。しかしながら、腫瘍細胞のためのウイルスベクターの安全性および選択性は、遺伝子治療の候補としてウイルスベクターを選択する際に懸念される主要な問題である。

ワクシニアウイルスは、天然痘を引き起こすウイルスと密接な関連があり、天然痘根絶プログラムにおける生ワクチンとして使用されてきた。近年、ワクシニアウイルスは、遺伝子治療を受けている対象に目的の遺伝子を運搬し、送達するためのベクターとして研究の対象になっている。

ワクシニアウイルスは、ワクシニアウイルスゲノムの逆方向末端反復(ITR)に位置するワクシニア増殖因子(VGF)遺伝子の2つのコピーを含む。VGFタンパク質は、高度にグリコシル化された77残基の上皮増殖因子(EGF)様ポリペプチドである。VGFタンパク質は、ウイルス感染初期発現され、分泌され、ワクシニア感染のために周囲の細胞プライムするマイトジェンとして作用し、ワクシニアウイルス感染において重大な役割を果たすことが示された(非特許文献1)。

ワクシニアウイルスは、セルピン遺伝子およびアンキリン遺伝子も含有する。セルピン遺伝子は、セリンプロテアーゼ阻害剤をコードする遺伝子のファミリーである。セルピンは、凝固の調節、フィブリン溶解免疫応答、炎症、腫瘍浸潤およびアポトーシスなどの複数の生物学的機能に潜在的に関与している(非特許文献2を参照されたい)。アンキリン遺伝子は、種々の複合的(integral)な膜タンパク質のための結合部位を有し、タンパク質間相互作用に関与する生物学的プロセスにおいて重大な役割を果たすタンパク質のファミリーをコードする(非特許文献3)。

概要

本開示は、腫瘍細胞において選択的に複製することができる変異ワクシニアウイルス株を提供する。本開示は、腫瘍を予防するかつ治療するための変異ワクシニアウイルス株の使用も提供する。

目的

別の態様において、本開示は、ウイルスのゲノムにおけるVGF遺伝子のコード配列が、全体的または部分的にトランケートされている、変異ワクシニアウイルス株を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

腫瘍細胞において選択的に複製することができ、正常細胞に対して減少した病原性を有する変異ワクシニアウイルス株。

請求項2

ウイルスが機能的に活性VGFタンパク質発現することができないように、ウイルスのゲノムにおける2つのワクシニアウイルス増殖因子(VGF)遺伝子のコード配列が完全にまたは部分的にトランケートされている、請求項1に記載の変異ワクシニアウイルス株。

請求項3

ウイルスが機能的に活性なセルピンタンパク質を発現することができないように、ウイルスのゲノムにおけるセルピン遺伝子のコード配列が完全にまたは部分的にトランケートされている、請求項1または2に記載の変異ワクシニアウイルス株。

請求項4

ウイルスが機能的に活性なアンキリンタンパク質を発現することができないように、ウイルスのゲノムにおけるアンキリン遺伝子のコード配列が完全にまたは部分的にトランケートされている、請求項1から3のいずれか一項に記載の変異ワクシニアウイルス株。

請求項5

v201307の受託番号で寄託されている、請求項1に記載の変異ワクシニアウイルス株。

請求項6

対応する非変異ワクシニアウイルスよりも小さいプラークを作る、請求項1に記載の変異ワクシニアウイルス株。

請求項7

腫瘍細胞がHepal−6、MCF−7、TCa8113、ACC−M、LNCaP、HEK293、Hep3B、A549、7402、7721およびHela細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の変異ワクシニアウイルス株。

請求項8

標的遺伝子を腫瘍細胞に選択的に送達し、腫瘍細胞において標的遺伝子を発現させるためのベクターとしての、請求項1から6のいずれか一項に記載の変異ワクシニアウイルス株の使用。

請求項9

標的遺伝子を請求項1から6のいずれか一項に記載の変異ワクシニアウイルスのゲノム中に挿入することを含む、組換え遺伝子産物を作製するための方法。

請求項10

請求項1から6のいずれか一項に記載の変異ワクシニアウイルスの核酸配列および標的遺伝子の核酸配列を含む、組換え遺伝子産物。

技術分野

0001

本開示は、新規な変異ワクシニアウイルス株、その使用およびそれを作製する方法に関する。

背景技術

0002

遺伝子治療は、癌治療に関する研究において多くの注目を集めてきた。腫瘍細胞における治療遺伝子形質導入効率および発現効率は、遺伝子治療法に重要である。様々な手法が、腫瘍細胞における遺伝子形導入効率および発現効率を改善するために開発されてきた。様々なウイルスが、目的の遺伝子を腫瘍細胞に運搬するためのベクターとして使用される可能性について研究され、試験されてきた。しかしながら、腫瘍細胞のためのウイルスベクターの安全性および選択性は、遺伝子治療の候補としてウイルスベクターを選択する際に懸念される主要な問題である。

0003

ワクシニアウイルスは、天然痘を引き起こすウイルスと密接な関連があり、天然痘根絶プログラムにおける生ワクチンとして使用されてきた。近年、ワクシニアウイルスは、遺伝子治療を受けている対象に目的の遺伝子を運搬し、送達するためのベクターとして研究の対象になっている。

0004

ワクシニアウイルスは、ワクシニアウイルスゲノムの逆方向末端反復(ITR)に位置するワクシニア増殖因子(VGF)遺伝子の2つのコピーを含む。VGFタンパク質は、高度にグリコシル化された77残基の上皮増殖因子(EGF)様ポリペプチドである。VGFタンパク質は、ウイルス感染初期発現され、分泌され、ワクシニア感染のために周囲の細胞プライムするマイトジェンとして作用し、ワクシニアウイルス感染において重大な役割を果たすことが示された(非特許文献1)。

0005

ワクシニアウイルスは、セルピン遺伝子およびアンキリン遺伝子も含有する。セルピン遺伝子は、セリンプロテアーゼ阻害剤をコードする遺伝子のファミリーである。セルピンは、凝固の調節、フィブリン溶解免疫応答、炎症、腫瘍浸潤およびアポトーシスなどの複数の生物学的機能に潜在的に関与している(非特許文献2を参照されたい)。アンキリン遺伝子は、種々の複合的(integral)な膜タンパク質のための結合部位を有し、タンパク質間相互作用に関与する生物学的プロセスにおいて重大な役割を果たすタンパク質のファミリーをコードする(非特許文献3)。

先行技術

0006

Buller et al. et al.J.Virol.62(1988):866−74
Kummer et al. Methods32(2004):141−9
Li et al. Biochemistry 45(2006):15168−78

0007

一態様において、本開示は、腫瘍細胞において選択的に複製することができる変異ワクシニアウイルス株に関する。いくつかの実施形態において、変異ウイルス株は、減少した病原性を有する。

0008

別の態様において、本開示は、ウイルスのゲノムにおけるVGF遺伝子のコード配列が、全体的または部分的にトランケートされている、変異ワクシニアウイルス株を提供する。

0009

別の態様において、本開示は、ウイルスのゲノムにおけるセルピン遺伝子のコード配列が、全体的または部分的にトランケートされている、変異ワクシニアウイルス株を提供する。

0010

別の態様において、本開示は、ウイルスのゲノムにおけるアンキリン遺伝子のコード配列が、全体的または部分的にトランケートされている、変異ワクシニアウイルス株を提供する。

0011

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なVGFタンパク質を発現することができないように、VGF遺伝子のコード配列をウイルスゲノムから完全にまたは部分的にトランケートすることを含む、変異ワクシニアウイルス株を作製する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、ウイルスが機能的に活性なVGFタンパク質、セルピンタンパク質およびアンキリンタンパク質を発現することができないように、VGF遺伝子、セルピン遺伝子およびアンキリン遺伝子のコード配列をウイルスゲノムから完全にまたは部分的にトランケートすることを含む。

0012

別の態様において、本開示は、標的遺伝子を腫瘍細胞に選択的に送達し、腫瘍細胞において標的遺伝子を発現させるためのベクターとしての変異ワクシニアウイルスの使用を提供する。

0013

別の態様において、本開示は、標的遺伝子を本開示の変異ワクシニアウイルスのゲノム中に挿入することを含む、組換え遺伝子産物を作製するための方法を提供する。別の態様において、本開示は、本明細書で記載した変異ワクシニアウイルスの核酸配列および標的遺伝子の核酸配列を含む、組換え遺伝子産物を提供する。

図面の簡単な説明

0014

ワクシニアウイルス株TianTanのストックからクローンニングしたウイルスによって形成されたプラークを示す図である。プラーク精製された(plaque-purified)ウイルスのそれぞれを、BSC−40細胞上に別々に播種し、2日間培養し、固定し、クリスタルバイオレットで染色し、撮影した。次いで、ImageJ(Schneider et al. Nat.Methods9(2012):671−5)を使用して、各ウイルスクローンに関して各皿からランダムに選択した20のプラークの面積サイズを測定した。オリジナルのストックは、大きいプラークと小さいプラークの両方の混合物を含有するように思われる。プラーク精製されたウイルスを、2つの群に分離した。そのうち、一方の群(例えばTP03、TP11およびTP12)は、より小さいプラークを産生し、他方の群(例えばTP05、TP13およびTP18)は、より大きいプラークを産生する。2つの群のプラークサイズ間の差は、統計的に有意である(P<0.001)。
BSC−40細胞に感染後のTP03型ワクシニアウイルスおよびTP05型ワクシニアウイルスの力価を示す図である。BSC−40細胞を、0.01の感染多重度MOI)(すなわちMOI=0.01)でTP03およびTP05ウイルスにそれぞれ感染させ、37℃でインキュベートし、凍結融解によって採取し、ウイルスの収量を、BSC−40細胞上での滴定によって測定した。TP03ウイルスは、TP05ウイルスよりも遅く、低い力価に増殖する。2つの株の間の増殖速度差は、統計的に有意である(P<0.01)。
テロメア欠失の存在を確認するための、PCRおよびサザンブロット結果を示す図である。TT004F(配列番号:1)、TT011R(配列番号:2)およびTT010F(配列番号:3)を、PCRのためのプライマーとして使用した。図3Aは、TP03およびTP05左テロメア領域へのPCRプライマーの結合部位を示す。図3Bは、それぞれ、プライマー対として、TT010FおよびTT011R、またはTT004FおよびTT011Rを使用した、TP03、TP05、TP11、TP12、TP13、TP18、TP05およびプール(ウイルスの未精製のストック)のPCR結果を示す。図3Cは、TP03、TP11、TP05、TP13およびプールにおける左および右TIRをコードするScaIで消化したDNAのサザンブロット結果を示す。
12の一般的なVACV株の左テロメア領域における遺伝子欠失の位置の比較を示す図である。丸を付けた縦棒は、左TIR境界を表す。TP03は、ウイルスゲノムの左テロメア領域におけるVGF遺伝子中まで広がる欠失を含む。
12の一般的なVACV株の右テロメア領域における遺伝子欠失の位置の比較を示す図である。丸を付けた縦棒は、右TIR境界を表す。TP03は、ウイルスゲノムの右テロメア領域におけるVGF遺伝子中まで広がる欠失を含む。
TP05型ウイルスの末端逆方向反復における5.7kbp断片に位置する遺伝子を列挙した表である。この5.7kbp断片は、TP03型ウイルスから欠損している。

0015

変異ワクシニアウイルス株
本開示の発明者らは、増強した安全性および腫瘍選択性を有する変異ワクシニアウイルス株を、ワクシニアウイルス株TianTanから同定し、単離した。本発明者らは、サル腎臓BSC−40細胞上で培養した場合、TianTan株ワクシニアウイルスが様々な面積サイズを有するプラークを作ったことを発見した。プラークは、一般的に2つの型に分けることができ、一方の型は、他方の型よりも有意に小さい面積サイズを有する。クローニングおよびスクリーニングを通して、本発明者らは、ウイルスを2つの株に分離することができた。一方は、より小さいプラーク面積サイズを有するTP03型であり、他方は、より大きいプラーク面積サイズを有するTP05型である。いくつかの実施形態において、TP03型は、TP05型のプラークの面積サイズの約半分である面積サイズを有するプラークを有する(図1)。いくつかの実施形態において、TP03型ワクシニアウイルスによって形成される小さいプラークのサイズは、TP05型ワクシニアウイルスの大きいプラークのサイズの約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%未満とすることができる。プラークの面積サイズは、米国特許第4,213,965号、米国特許第5,690,940号および米国特許第7,037,508号において記載されているウイルスによって形成されるプラークの平均半径、直径、または面積を測定することによって決定することができる。

0016

TP03型は、非分裂宿主細胞上でTP05型よりも低い感染多重度を有することも見出された。いくつかの実施形態において、TP03型の感染多重度は、TP05型の感染多重度の約90%、約80%、約70%、約60%、または約50%未満である(図2)。より低い感染多重度は、減少した病原性を示し得る。ウイルスの感染多重度は、ウイルスに感染した細胞または組織ウイルス力価または免疫組織化学検査結果を測定することによって決定することができる。ウイルス力価の減少または改善された免疫組織化学的検査結果は、病原性の減少を示し得る。病原性評価の詳細な説明は、米国特許第7,740,867号および米国特許第7,732,188号において見出され得る。

0017

さらに、ウイルスの病原性を、当技術分野で通常使用される他の方法、例えば、動物生存または宿主細胞増殖研究によって評価することができる。動物生存研究に関して、ウイルスを動物中に注入することができ、種々のウイルスでの感染後に生存している動物の百分率を記録して、生存曲線を作成する、および/またはLD50を決定することになる。より高い生存率またはより長い生存時間またはより高いLD50をもたらすウイルスは、減少した病原性、したがって増強された安全性を有すると考えることができる。

0018

TP03型およびTP05型ウイルスの遺伝子配列を、当技術分野で既知標準的な配列決定方法を使用して決定した(例えば、Qin et al. J.Virol.85(2011):13049−60;Chen et al. Virology 317(2003):165−86を参照されたい)。配列決定結果により、TP03型がウイルスのゲノムにおける大きい欠失を含有する変異株である一方、TP05型はオリジナルのTianTanウイルス株を代表する、ワクシニアウイルスのほぼ完全なゲノムを含有することが明らかになった。図4および5は、TP03型およびTP05型ウイルスの左テロメアおよび右テロメアの模式図を示す。TP03型の遺伝子欠失は、ウイルスの左および右テロメア逆方向反復(TIR)における対称的な5.7kbpの欠失であり、ここでVGF遺伝子の両方のコピーのプロモーターおよびN末端が欠失しており、セルピン(SPI−1)遺伝子、アンキリン遺伝子およびいくつかの他の遺伝子も欠失している。TP03型ウイルスにおける遺伝子欠失およびTP05型ウイルスにおける対応するホモログ遺伝子を、図6に示す表中に列挙する。

0019

TP03型ウイルス株を、ブダペスト条約規定の下で、China Center for Type Culture Collection(CCTCC)で、CCTCC受託番号第v201307号として2013年4月8日に寄託した。

0020

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なVGFタンパク質を発現しないように、人工的にトランケートされたVGF遺伝子を有する組換え変異ワクシニアウイルスも提供する。「機能的に活性な」という用語は、タンパク質などの分子に関して使用される場合、分子がその活性状態で少なくとも1つの機能または活性を行うことができることを意味する。機能または活性は、例えば、生物学的、生理学的、免疫学的機能または活性を表すが、これらに限定されない。

0021

いくつかの実施形態において、ワクシニアウイルスのゲノムにおける両方のVGF遺伝子は、完全にまたは部分的にトランケートされており、例えば、99%を超える、98%を超える、95%を超える、90%を超える、85%を超える、80%を超える、75%を超える、70%を超える、65%を超える、60%を超える、55%を超える、50%を超える、45%を超える、40%を超える、35%を超える、30%を超える、25%を超える、20%を超える、15%を超える、10%を超えるVGF遺伝子がトランケートされている。好ましい実施形態において、両方のVGF遺伝子が、完全にトランケートされている。いくつかの実施形態において、VGF遺伝子は、近接するまたは近接していない、各VGF遺伝子における少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200以上の近接するヌクレオチドの欠失によってトランケートされている。

0022

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なセルピンタンパク質を発現することができないように、人工的にトランケートされたセルピン遺伝子を有する組換え変異ワクシニアウイルスも提供する。いくつかの実施形態において、ワクシニアウイルスのゲノムにおけるセルピン遺伝子は、完全にまたは部分的にトランケートされており、例えば、99%を超える、98%を超える、95%を超える、90%を超える、85%を超える、80%を超える、75%を超える、70%を超える、65%を超える、60%を超える、55%を超える、50%を超える、45%を超える、40%を超える、35%を超える、30%を超える、25%を超える、20%を超える、15%を超える、10%を超えるセルピン遺伝子がトランケートされている。好ましい実施形態において、セルピン遺伝子は、完全にトランケートされている。いくつかの実施形態において、セルピン遺伝子は、近接するまたは近接していない、各セルピン遺伝子における少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、300、400、500、700、900以上の近接するヌクレオチドの欠失によってトランケートされている。

0023

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なアンキリンタンパク質を発現することができないように、人工的にトランケートされたアンキリン遺伝子を有する組換え変異ワクシニアウイルスも提供する。いくつかの実施形態において、ワクシニアウイルスのゲノムにおけるアンキリン遺伝子は、完全にまたは部分的にトランケートされており、例えば、99%を超える、98%を超える、95%を超える、90%を超える、85%を超える、80%を超える、75%を超える、70%を超える、65%を超える、60%を超える、55%を超える、50%を超える、45%を超える、40%を超える、35%を超える、30%を超える、25%を超える、20%を超える、15%を超える、10%を超えるアンキリン遺伝子がトランケートされている。好ましい実施形態において、アンキリン遺伝子は、完全にトランケートされている。いくつかの実施形態において、アンキリン遺伝子は、近接するまたは近接していない、各アンキリン遺伝子における少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、300、400以上の近接するヌクレオチドの欠失によってトランケートされている。

0024

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なVGFタンパク質およびセルピンタンパク質を発現することができないように、人工的にトランケートされたVGF遺伝子およびセルピン遺伝子を有する組換え変異ワクシニアウイルスを提供する。いくつかの実施形態において、ワクシニアウイルスのゲノムにおけるVGF遺伝子およびセルピン遺伝子は、完全にまたは部分的にトランケートされており、例えば、99%を超える、98%を超える、95%を超える、90%を超える、85%を超える、80%を超える、75%を超える、70%を超える、65%を超える、60%を超える、55%を超える、50%を超える、45%を超える、40%を超える、35%を超える、30%を超える、25%を超える、20%を超える、15%を超える、10%を超えるVGFおよびセルピン遺伝子のそれぞれがトランケートされている。好ましい実施形態において、ワクシニアウイルスゲノムにおけるVGF遺伝子およびセルピン遺伝子の全ては、完全にトランケートされている。

0025

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なVGFタンパク質およびアンキリンタンパク質を発現することができないように、人工的にトランケートされたVGF遺伝子およびアンキリン遺伝子を有する組換え変異ワクシニアウイルスを提供する。いくつかの実施形態において、ワクシニアウイルスのゲノムにおけるVGF遺伝子およびアンキリン遺伝子は、完全にまたは部分的にトランケートされており、例えば、99%を超える、98%を超える、95%を超える、90%を超える、85%を超える、80%を超える、75%を超える、70%を超える、65%を超える、60%を超える、55%を超える、50%を超える、45%を超える、40%を超える、35%を超える、30%を超える、25%を超える、20%を超える、15%を超える、10%を超えるVGFおよびアンキリン遺伝子のそれぞれがトランケートされている。好ましい実施形態において、ワクシニアウイルスゲノムにおけるVGF遺伝子およびアンキリン遺伝子の全ては、完全にトランケートされている。

0026

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なアンキリンタンパク質およびセルピンタンパク質を発現することができないように、人工的にトランケートされたアンキリン遺伝子およびセルピン遺伝子を有する組換え変異ワクシニアウイルスを提供する。いくつかの実施形態において、ワクシニアウイルスのゲノムにおけるアンキリン遺伝子およびセルピン遺伝子は、完全にまたは部分的にトランケートされており、例えば、99%を超える、98%を超える、95%を超える、90%を超える、85%を超える、80%を超える、75%を超える、70%を超える、65%を超える、60%を超える、55%を超える、50%を超える、45%を超える、40%を超える、35%を超える、30%を超える、25%を超える、20%を超える、15%を超える、10%を超えるアンキリンおよびセルピン遺伝子のそれぞれがトランケートされている。好ましい実施形態において、ワクシニアウイルスゲノムにおけるアンキリン遺伝子およびセルピン遺伝子の全ては、完全にトランケートされている。

0027

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なVGF、セルピンおよびアンキリンタンパク質を発現することができないように、人工的にトランケートされたVGF遺伝子、セルピン遺伝子およびアンキリン遺伝子を有する組換え変異ワクシニアウイルスを提供する。いくつかの実施形態において、ワクシニアウイルスのゲノムにおけるVGF遺伝子、セルピン遺伝子およびアンキリン遺伝子は、完全にまたは部分的にトランケートされており、例えば、99%を超える、98%を超える、95%を超える、90%を超える、85%を超える、80%を超える、75%を超える、70%を超える、65%を超える、60%を超える、55%を超える、50%を超える、45%を超える、40%を超える、35%を超える、30%を超える、25%を超える、20%を超える、15%を超える、10%を超えるVGF遺伝子、セルピン遺伝子およびアンキリン遺伝子のそれぞれがトランケートされている。好ましい実施形態において、ワクシニアウイルスゲノムにおけるVGF遺伝子、セルピン遺伝子、およびアンキリン遺伝子の全ては、完全にトランケートされている。

0028

ウイルスゲノムにおける遺伝子トランケーションは、当技術分野で既知の様々な方法、例えば、相同組換えによって作製することができる。相同組換えは、ヌクレオチド配列が2つの類似したまたは同一の核酸分子間で交換される、遺伝的組換えの型である。相同組換えは、標的領域中への相同組換えのためのレポーター遺伝子を含有するワクシニアシャトルプラスミドを最初に作るステップ天然のワクシニアウイルスで適した宿主細胞を感染させるステップ、ワクシニアシャトルプラスミドで天然のワクシニアウイルスをトランスフェクトして、標的領域中へのシャトルプラスミドの相同組換えを可能にするステップ、およびレポーター遺伝子産物に従って陽性のプラークを単離するステップによって行うことができる。ワクシニアウイルスシャトルベクターデザインするための方法は、Du et al. J.Virol.Methods185(2012):175−83;Blasco et al. Gene 158(1995):157−62;Coupar et al. Gene 68(1988):1−10;Falkner et al. J Virol.64(1990):3108−11によって記載されているように、当技術分野で既知である。

0029

別の態様において、本開示は、ウイルスが機能的に活性なVGFタンパク質を発現することができないように、VGF遺伝子のコード配列を完全にまたは部分的にウイルスゲノムからトランケートすることを含む、変異ワクシニアウイルス株を作製する方法に関する。いくつかの実施形態において、方法は、ウイルスが機能的に活性なセルピンタンパク質を発現することができないように、セルピン遺伝子のコード配列を完全にまたは部分的にウイルスゲノムからトランケートすることをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、ウイルスが機能的に活性なアンキリンタンパク質を発現することができないように、アンキリン遺伝子のコード配列を完全にまたは部分的にウイルスゲノムからトランケートすることをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、ウイルスが機能的に活性なVGFタンパク質、セルピンタンパク質およびアンキリンタンパク質を発現することができないように、VGF遺伝子、セルピン遺伝子およびアンキリン遺伝子のコード配列を完全にまたは部分的にウイルスゲノムからトランケートすることを含む。

0030

ワクシニアウイルスは、Western Reserve(WR)、Copenhagen、Tashkent、TianTan、Lister、Wyeth(Dryvaxとしても知られている)、1HD−J、およびIHD−W、Brighton、Ankara、MVA、Dairen I、LIPV、LC16M8、LC16MO、LIVP、WR 65−16、およびConnaughtを含むが、これらに限定されない。

0031

変異ウイルス株の使用
本明細書で記載した変異ワクシニアウイルスは、腫瘍細胞において選択的に複製することができ、腫瘍細胞に選択的に感染させるのに有用であり得る。本明細書では、「選択的に複製する」は、細胞のある型(例えば腫瘍細胞)における変異ウイルスの複製速度が、細胞の別の型(例えば正常細胞)における複製速度よりも有意に高いことを意味する。いくつかの実施形態において、変異ワクシニアウイルスは、正常細胞におけるよりも、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍または1000倍高い腫瘍細胞における感染多重度を示す。いくつかの実施形態において、変異ワクシニアウイルスは、正常細胞におけるよりも、少なくとも50%、60%、70%、80%または90%高い腫瘍細胞における感染多重度を示す。

0032

いくつかの実施形態において、本開示の変異ワクシニアウイルスは、肝癌細胞(例えばHepal−6細胞、Hep3B細胞、7402細胞、および7721細胞)、乳癌細胞(例えばMCF−7細胞)、舌癌細胞(例えばTCa8113細胞)、腺様嚢胞癌細胞(例えばACCM細胞)、前立腺癌細胞(例えばLNCaP細胞)、ヒト胚腎細胞(例えばHEK293細胞)、肺癌細胞(例えばA549細胞)、および子宮頸癌細胞(例えばHela細胞)において選択的に複製することができる。

0033

別の態様において、本開示の変異ワクシニアウイルスは、正常細胞に対して減少した病原性を有する。いくつかの実施形態において、変異ワクシニアウイルスは、野生型ワクシニアウイルスと比較して、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%未満の正常細胞における感染多重度を示す。

0034

別の態様において、本明細書で記載した変異ワクシニアウイルスは、標的遺伝子を腫瘍細胞に選択的に送達し、腫瘍細胞において標的遺伝子を発現させるためのベクターとして使用することができる。本明細書では、「発現する」という用語は、DNA配列RNAポリメラーゼによって読まれて、DNA配列に相補的RNA鎖を作製するプロセス、および/またはRNA配列リボソームによって読まれて、DNA配列およびRNA配列によってコードされるペプチドを作製するプロセスを表す。

0035

別の態様において、本開示は、標的遺伝子を本開示の変異ワクシニアウイルスのゲノム中に挿入することを含む、組換え遺伝子産物を作製するための方法を提供する。別の態様において、本開示は、本明細書で記載した変異ワクシニアウイルスの核酸配列および標的遺伝子の核酸配列を含む、組換え遺伝子産物を提供する。

0036

いくつかの実施形態において、このような標的遺伝子は、腫瘍細胞を殺すもしくは阻害することができる遺伝子、腫瘍細胞に対する免疫応答を増強することができる遺伝子、腫瘍細胞の変異もしくは改変遺伝子修復するもしくは置換することができる遺伝子、または腫瘍細胞を化学療法もしくは放射線療法に対してより感受性にすることができる遺伝子を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、標的遺伝子は、コロニー刺激因子(例えば顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF))、幹細胞因子エリスロポエチンインターフェロン(IFN)、腫瘍壊死因子(TNF)およびケモカインなどのサイトカインである。いくつかの実施形態において、標的遺伝子は、熱ショックタンパク質などの抗原提示ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、標的遺伝子は、腫瘍と関連し得るタンパク質に対するモノクローナル抗体、例えば、血管内皮増殖因子または腫瘍壊死因子に対するモノクローナル抗体をコードする。

0037

標的遺伝子を、当技術分野で既知の従来の方法を使用して、変異ワクシニアウイルス中に挿入することができる。例えば、標的遺伝子は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって作製し、標的遺伝子の各末端上の特異的な酵素部位を保有することができ、この酵素部位は、変異ワクシニアウイルスにおける同じまたは類似する酵素部位に相補的であり、標的遺伝子は、酵素部位での結合を通してウイルスと連結している。より詳細に関しては、例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、Sambrook et al. Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,N.Y.(1989))を参照されたい。

0038

別の態様において、本開示の変異ワクシニアウイルスおよび変異ワクシニアウイルスを含有する組換え遺伝子産物は、腫瘍を予防するかつ処置するために有用であり得る。腫瘍の例は、肛門癌、胆管癌膀胱癌骨癌、腸癌(結腸癌直腸癌)、脳癌、乳癌カルチノイド癌、子宮頸癌、内分泌癌、眼癌、胆嚢癌頭頸部癌カポジ肉腫癌、腎癌喉頭癌、白血病肝癌肺癌リンパ腫癌、メラノーマ癌、中皮腫癌、骨髄腫癌、神経内分泌癌、食道癌卵巣癌膵癌陰茎癌、前立腺癌皮膚癌軟部組織肉腫癌脊髄癌、胃癌精巣癌、甲状腺癌癌、外陰癌、または子宮癌を含むが、これらに限定されない。

0039

以下の実施例は、本開示を理解することを援助するために記載し、本明細書に含まれる特許請求の範囲において規定した本発明の範囲をいかなる方法においても限定すると解釈すべきではない。

0040

実施例1.ウイルス単離および特徴付け
ワクシニアウイルス(TianTan株)をChina Center for Type Culture Collection(Wuhan、Hubei)から入手し、サル腎臓BSC−40細胞をAmerican Type Culture Collection(Manassas、VA)から入手した。細胞およびウイルスを、5%ウシ胎仔血清、1%非必須アミノ酸、1%L−グルタミン、および1%抗生物質で補充した修飾イーグル培地MEM、Gibco)中で、37℃で、5%CO2雰囲気において培養した。

0041

VACV株TianTanのストックからの24のウイルスクローンを、ランダムに選択し、プラークをBSC−40細胞上で精製した。プラーク精製されたウイルスのそれぞれを、BSC−40細胞を使用して、低い感染多重度(MOI=0.01)で2日間培養し、固定し、クリスタルバイオレットで染色し、撮影した。次いで、ImageJ(Schneider et al. Nat.Methods9(2012):671−5)を使用して、各ウイルスクローンに関して20のプラークの面積サイズを測定した。プラークは、各皿からランダムに選択した。これらのウイルスは、2種類のプラークを作った。図1において示すように、より多い(21/24クローン)TP03型(代表的なクローン:TP03、TP11、TP12)のウイルスが、TP05型(3/24クローン)(代表的なクローン:TP05、TP13、TP18)のウイルスの面積サイズの約半分の面積サイズを有するより小さいプラークを形成した。ウイルス単離の結果は、ウイルスストックが、ウイルスの少なくとも2つの変異型、すなわちTP03型およびTP05型を含有することを示唆していた。

0042

TP03およびTP05の力価も、BSC−40細胞をMOI=0.01でTP03およびTP05に感染させることによって、経時的にプロットした。ウイルスを、37℃でインキュベートし、凍結融解によって採取し、各時点でのウイルスの収量を、BSC−40細胞上での滴定によって決定した。図2において示すように、各時点でのTP03の力価は、TP05の力価よりも低く、TP03の増殖速度がTP05の増殖速度よりも遅いことを示している。

0043

実施例2.TP03型ウイルスにおける5.7kbpの欠失の解析
TP03型およびTP05型のDNA材料を精製し、配列決定した。配列決定結果によれば、TP03型は、それぞれ、TP03型ウイルスの左および右テロメア逆方向反復(TIR)に位置する2つの5.7kbpの欠失により、TP05型とは異なる。

0044

TP03型のTIRにおける5.7kbpの欠失の存在を、PCRによって確認した。PCRの結果を、図3において示し、ここで図3Aは、TP03およびTP05の左テロメアの地図におけるPCRにおいて使用したプライマー(TT004F、TT010FおよびTT011R)の結合部位を示す。順方向プライマーTT010F(5’TTTTGTAGGAAGGAGGC3’(配列番号:3))および逆方向プライマーTT011R(5’CCGGGAGATGGGATATATGA3’(配列番号:2))をPCRにおいて使用した場合、TP03型(TP03、TP11、TP12)のDNA増幅は観察されず(図3B)、これは、プライマーTT010Fの結合部位が、TP03型における5.7kbpの欠失により除去されていることによる。順方向プライマーTT004F(5’TGGATGGCCGTATTGATT3’(配列番号:1))および逆方向プライマーTT011RをPCRにおいて使用した場合、TP03型のDNA増幅が観察された(図3B)。

0045

対照的に、TT010FおよびTT011RをPCRにおけるプライマー対として使用した場合、TP05型のDNA増幅が観察されるが(図3B)、これはプライマーTT010Fの結合部位がTP05型において保持されているからである。TT004FおよびTT011Rを、PCRにおけるプライマー対として使用した場合、TP05型のDNA増幅は観察されなかったが(図3B)、これはTP05型におけるプライマー対間の距離が離れすぎており、プライマーがPCRプライマーとして役立つことができないからである。TP03型における5.7kbpの欠失を、サザンブロットによっても確認し、ここでウイルスDNAを、ScaIで消化し、次いで0.7%アガロースゲル上で分画し、ナイロン膜に移し、ビオチン標識プローブブロットした。TP03型(TP03、TP11)、TP05型(TP05、TP13)およびプールのScaI消化DNAのサザンブロット結果を、図3Cに示す。サザンブロットにおいて使用したプローブは、欠失境界の右側に及ぶDNAをコードし(図3A)、したがってTP03型における5.7kb欠失は、TP05型と比較して、左および右TIRをコードするScaI断片を大きく短縮する。ウイルスの未精製ストック(図3Cにおけるプール)は、TP03型とTP05型の両方のウイルスを含有することが示された(図3C)。

0046

実施例3.ウイルスゲノム解析
様々なワクシニアウイルスの遺伝子配列を、配列類似性または相違を調べるために互いに比較する。解析したワクシニアウイルス株は、CL3、ACAM2K、RPXV、Duke、Lister、CVA、Cop、WR、HPXVおよびTianTan(TP03およびTP05)を含む。「TP00」は、すでに公表されているTianTanウイルス配列AF095689)を表す。

0047

ゲノムアセンブリをCLC Genomics Workbench(v4.6)を使用して作成し、以前に記載されているように(Qin et al. J.Virol.85(2011):13049−60)、GATU(Tcherepanov et al.BMCGenomics 7(2006):150)を使用してアノテートした。バイオインフォマテクス解析を、Viral Genome Organizer(Lefkowitz et al. Nucleic AcidsRes.33(2005):D311−6;Upton et al. Virus Res.70(2000):55−64)およびPoxvirus Orthologous Clusters(Ehlers et al. Bioinformatics 18(2002):1544−5)を使用して行った。これらおよび追加のバイオインフォマティクスツールは、http://www.virology.caで入手することができる。示したウイルスに関する遺伝子DVX058からDVX155(VACVCopenhagen遺伝子F9LからA24R)の遺伝子ホモログ間のウイルス配列の配列比較を作成した。

0048

一般的なワクシニアウイルス株の左テロメアに及ぶ約20kbpの配列を使用して、BLASTN探索を行った(図4)。左TIR境界の位置(図4における丸を付けた縦棒)は、左TIR境界を囲んでいる領域における種々の欠失の存在により、株間で変動する。TP05は、より完全なVACV株に似ており、TP05のTIRは、他のVACV株のTIRにもっともよく似ている。

0049

遺伝子欠失の類似したパターンも、種々のVACVゲノムの右テロメアにおいて見出される(図5)。TP05株は大部分の他のVACV株に類似している右テロメアにおける遺伝子の相補物をコードする一方で、TP03は他のVACV株と比較して、VGF遺伝子中に広がるTIR境界(図5における棒を付けた丸)の右側でのユニークな欠失をコードする。

実施例

0050

TP03型ウイルスの対称的な5.7kbpの欠失に位置する遺伝子を、TP05型ウイルスおよびCopenhagen株のホモログ遺伝子と比較する。図6における表に示すように、TP05およびCopenhagen株と比較すると、TP03型ウイルスは、セルピン遺伝子(SPI−1)、アンキリン遺伝子およびいくつかの他の遺伝子が、ウイルスゲノムの両端上のTIRから完全に除去されている。加えて、VGF遺伝子のプロモーターおよびN末端領域も、TP03 DNAの両端から除去されており、VGF遺伝子の253bpC末端領域のみが、TP03 DNAの各末端上に残っている。

0051

変異ワクシニアウイルス株TP03型:CCTCC受託番号第v201307号

0052

配列番号1:TT004F、フォワードプライマー
配列番号2:TT011R、リバースプライマー
配列番号3:TT010F、フォワードプライマー

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