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課題・解決手段

本開示は、例えば1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることにより1つ以上のヒト細胞においてテロメア長を増加させるための方法、及び/又は1つ以上のヒト細胞のゲノム定性を向上させるための方法に関する。例えばZscan4の発現を上昇させる薬剤と対象中の1つ以上のヒト細胞を接触させることにより、又は必要な対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによりテロメア延長を必要とする対象を処置する方法、ゲノム異常及び/又は染色体異常に関連する疾患又は健康状態治療する方法、1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法、組織又は器官を若返らせる方法、及び若返りを必要とする対象を若返らせる方法も提供される。

概要

背景

背景
テロメアは、各染色体末端キャップをし、且つ、各細胞周期において絶え間ない分解から各染色体の末端を守ることによって染色体完全性を確保及び保障するタンパク質付随している反復DNA配列である。テロメア短縮はゲノム不安定性に寄与することによって癌を引き起こすこともあり得(Raynaudら、Crit. Rev Oncol Hematol誌、第66巻:99〜117頁、2008年)、老化及び細胞老化と関連付けられている(Yang、Cytogenet Genome Res誌、第122巻:211〜218頁、2008年)。テロメアは正常な老化の経過の中で徐々に短くなることが充分に立証されている。各回のDNA複製に付き最大で200塩基対のテロメアDNAが失われることが報告されている。例えば、ヒト新生児では末梢血リンパ球は各染色体の両端におよそ10kbのテロメアDNAを有し、70までにおよそ6kbにまで徐々に短くなる。環境要因生活習慣要因がテロメア短縮を加速し得ることもわかっている。そのようなテロメア短縮は加齢性の細胞衰微と関連していると考えられる。テロメア短縮によって細胞分裂回数が限定され、それによって究極的にはヒトの寿命が限定されることになるとも考えられる。ヒトは様々な長さのテロメアを有して生まれてくることもわかっている。例えば、およそ8kbのテロメアから始まるヒトもいれば、およそ12kbのテロメアから始まるヒトもいる。よって、より短いテロメアを有するヒトはより長いテロメアを有するヒトよりも早い年齢である特定の加齢性の病的状態発症しやすい場合があり得る。そのような病的状態には、例えば、免疫不全慢性潰瘍アテローム性硬化症網膜色素上皮細胞増殖性減退に起因する加齢性盲目症、及び癌が含まれる。

また、テロメア短縮と関連することもある様々な疾患及び障害が存在する(Armanios及びBlackburn、Nat Rev Genet誌、2012年10月、第13巻(第10号):693〜704頁)。テロメア短縮を引き起こし得る遺伝病の例には先天性角化不全症ホイエラール・レイダーソン症候群レーヴェース症候群、及びコーツプラス症候群が挙げられる。さらに、特発性肺性線維症(IPF)のかなりの割合がテロメア短縮によって引き起こされることが近年示された。同様に、幾つかの肝硬変膵臓線維症がテロメア短縮によって引き起こされ得る。そのような病的状態の有病率を考慮すると、テロメア短縮が原因の疾患はこれまでに考えられていたよりも一般的であるように見える。

テロメア短縮に関連する疾患の別の例はファンコーニ貧血である。ファンコーニ貧血は希少常染色体劣性疾患である。ファンコーニ貧血は進行性汎血球減少症と癌感受性を特徴とする遺伝性骨髄機能不全症候群である(Boglioloら、Mutagenesis誌、2002年11月;第17巻(第6号):529〜38頁)。ファンコーニ貧血患者は加速されたテロメア短縮を示すことが報告されている(Leteurteら、Br. J. Haematol.誌、1999年;Ballら、Blood誌、1998年;Hansonら、Cytogenet. Cell Genet.誌、2001年;及びCallenら、Hum Mol Genet誌、2002年2月15日;第11巻(第4号):439〜44頁)。

これらの様々なテロメア短縮関連疾患及び障害を治療する1つの有望な方法は短くなったテロメアを長くするためにテロメラーゼを使用することである。テロメラーゼはテロメア伸長維持に関与することが知られている主要な酵素として特定された。テロメラーゼは胚性幹細胞では活性を有するが、体細胞などの非胚性細胞(すなわち、成体細胞)ではテロメラーゼは通常は発現していない。したがって、成体細胞におけるテロメラーゼの再活性化又はテロメラーゼの強制発現テロメア長を増加させるために用いられ得る。しかしながら、テロメラーゼの使用に関する1つの潜在的な問題は、テロメラーゼの連続的発現が多くの場合に腫瘍形成及び癌性形質転換と関連していることである。よって、テロメラーゼの発現はテロメア短縮に関連する疾患又は健康状態を患う患者においてテロメア長を増加させるには理想的な方法ではない。

テロメアを長くする別の有望な方法は、最近発見されたテロメア長を増加させる可能性がある漢方薬草の成分(TA−65)を使用することである(Harleyら、Rejuvenation Research誌、第14巻:45〜56頁、2011年)。しかしながら、この薬草がテロメアを効果的に長くすることができることは充分に立証されていない。また、この薬草の使用はテロメア延長を必要とする患者を治療するために薬品長期連続投与を必要とする。

さらに、Zscan4(ジンクフィンガー及びSCAドメイン含有タンパク質4)はマウス胚性幹細胞におけるゲノム安定性と正常核型の維持に必要であり、マウス胚及び胚性幹細胞において発現することが近年示された(Falcoら、Dev Biol誌、第307巻:539〜550頁、2007年;Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年;PCT出願国際公開第2008/118957号、国際公開第2011/02880号、国際公開第2012/103235号、国際公開第2012/129342号、国際公開第2012/158561号、及び国際公開第2012158564号、及び米国特許出願公開第2010/0105043号明細書、米国特許出願公開第2012/0129161号明細書、及び米国特許出願公開第2012/0156305号明細書)。マウス胚性幹細胞におけるZscan4発現がテロメア伸長と関連することも示されている(Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年;PCT出願国際公開第2011/02880号、国際公開第2012/129342号、及び国際公開第2012158564号;及び米国特許出願公開第2012/0156305号明細書)。ヒトゲノムもZSCAN4遺伝子を含むことが示されている一方で、Falcoら、Dev Biol誌、第307巻:539〜550頁、2007年;Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年;PCT出願国際公開第2008/118957号、国際公開第2011/02880号、国際公開第2012/103235号、国際公開第2012/129342号、国際公開第2012/158561号、及び国際公開第2012158564号、又は米国特許出願公開第2010/0105043号明細書、米国特許出願公開第2012/0129161号明細書、及び米国特許出願公開第2012/0156305号明細書の中で、Zscan4発現によってマウス胚細胞内で生じるのと同じ作用が、ヒト細胞において生じることを証明する実験裏付けを提供しているものはない。マウスゲノムは6種類のZscan4遺伝子と3種類のZscan4偽遺伝子を含み、一方でヒトゲノムは1種類のZSCAN4遺伝子を含むだけである(PCT出願国際公開第2008/118957号)ので、ヒトZSCAN4がマウスZscan4と同じ機能を有するかは特に不明瞭である。また、テロメア短縮に関連する疾患及び健康状態に関与している体細胞などのヒト細胞におけるZSCAN4発現が、マウス胚性幹細胞について示されているものと同じ作用を有するか不明である。

概要

本開示は、例えば1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることにより1つ以上のヒト細胞においてテロメア長を増加させるための方法、及び/又は1つ以上のヒト細胞のゲノム安定性を向上させるための方法に関する。例えばZscan4の発現を上昇させる薬剤と対象中の1つ以上のヒト細胞を接触させることにより、又は必要な対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによりテロメア延長を必要とする対象を処置する方法、ゲノム異常及び/又は染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法、1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法、組織又は器官を若返らせる方法、及び若返りを必要とする対象を若返らせる方法も提供される。

目的

本開示は、例えばZscan4の発現を上昇させる薬剤と対象中の1つ以上のヒト細胞を接触させることにより、又は必要な対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによりテロメア延長を必要とする対象を処置する方法、ゲノム異常及び/又は染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法、1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法、組織又は器官を若返らせる方法、及び若返りを必要とする対象を若返らせる方法をさらに提供する

効果

実績

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請求項1

1つ以上のヒト細胞においてテロメア長を増加させる方法であって、前記ヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長誘導される、前記方法。

請求項2

テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導する、前記方法。

請求項3

テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、(i)前記対象よりテロメア延長を必要とする1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与することを含む、前記方法。

請求項4

テロメア異常に関連する疾患又は健康状態治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する、前記方法。

請求項5

テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む、前記方法。

請求項6

染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する、前記方法。

請求項7

染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む、前記方法。

請求項8

核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記核型異常の修正を誘導して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する、前記方法。

請求項9

核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)核型異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記核型異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む、前記方法。

請求項10

前記核型異常が染色体リソミー、染色体モノソミー、染色体トリソミー、染色体テトラソミー、及び染色体ペンタソミーからなる群より選択される、請求項8又は請求項9に記載の方法。

請求項11

前記核型異常が21番染色体トリソミー、16番染色体トリソミー、18番染色体トリソミー、13番染色体トリソミー、X染色体モノソミー、XXX異数性、XXY異数性、XYY異数性、及び1p36領域重複からなる群より選択される、請求項8又は請求項9に記載の方法。

請求項12

核型異常に関連する前記疾患又は健康状態が17番染色体(p11.2p11.2)領域重複症候群ペリツェウスメルツバッハー病、22番染色体(q11.2q11.2)領域重複症候群、ネコ眼症候群、ネコなき症候群、ウォルフヒルシュホーンウィリアムス・ボイレン症候群、シャルコー・マリー・トゥース病、遺伝性脆弱性ニューロパチースミス・マゲニス症候群神経線維腫症アラジール症候群、口蓋心臓顔面症候群、ディジョージ症候群ステロイドスルファターゼ欠損カルマン症候群線型皮膚欠陥症の小眼症副腎低形成、グリセロールキナーゼ欠損、ペリツェウス・メルツバッハー病、Y染色体上の精巣決定因子無精子症(a因子)、無精子症(b因子)、無精子症(c因子)、及び1p36領域欠失からなる群より選択される、請求項8又は請求項9に記載の方法。

請求項13

前記疾患又は健康状態がテロメア短縮疾患、骨髄機能不全症候群、加齢性テロメア短縮疾患又は障害、及び早期老化疾患又は障害からなる群より選択される1つ以上の疾患又は健康状態である、請求項4〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記疾患又は健康状態が先天性角化不全症ホイエラール・レイダーソン症候群、レーヴェース症候群、コーツプラス症候群、特発性肺性線維症肝硬変膵臓線維症アルツハイマー病、及び骨関節炎からなる群より選択されるテロメア短縮疾患である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記疾患又は健康状態がファンコーニ貧血、無巨核球血小板減少症再生不良性貧血ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化不全症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ピアソン症候群、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、血小板減少症、及び骨髄異型性症候群からなる群より選択される骨髄機能不全症候群である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記疾患又は健康状態がウェルナー症候群ブルーム症候群ハッチソン・ギルフォード早老症候群コケイン症候群、色素性乾皮症毛細管拡張性運動失調症、ロスモンドトムソン症候群、硫黄欠乏毛髪発育異常症、ジュバーグ・マルシジ症候群、及びダウン症からなる群より選択される加齢性テロメア短縮疾患又は障害、早期老化疾患又は障害、又はそれらの両方である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記疾患又は健康状態が免疫不全自己免疫疾患自己免疫障害慢性潰瘍アテローム性硬化症、癌、神経損傷変性障害神経変性障害創傷治癒筋肉修復心筋修復、軟骨置換関節炎、骨関節炎、歯科再生盲目症、網膜色素上皮細胞増殖性減退に起因する加齢性盲目症、難聴、骨髄機能不全骨髄移植糖尿病筋ジストロフィーデュシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝病遺伝子変異、及びDNA損傷からなる群より選択される1つ以上の疾患又は健康状態である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記疾患又は健康状態が心臓の癌(例えば、血管肉腫繊維肉腫横紋筋肉腫脂肪肉腫粘液腫横紋筋腫繊維腫脂肪腫及び奇形腫);肺癌(例えば、気管支原性癌鱗状細胞未分化小細胞、未分化大細胞腺癌)、肺胞上皮細気管支)癌、気管支腺腫肉腫リンパ腫、軟骨性過誤腫中皮腫);胃腸管癌(例えば、食道扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫);胃癌上皮癌、リンパ腫、平滑筋肉腫);膵臓癌膵管腺癌、インスリノーマグルカゴノーマガストリノーマカルチノイド腫瘍ビポーマ);小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫平滑筋腫血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫);大腸癌(腺癌、管状腺腫絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路癌(例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍腎芽腫、リンパ腫、白血病);膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌);前立腺癌(腺癌、肉腫);精巣癌(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌奇形癌腫絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓癌(例えば、肝癌肝細胞癌)、胆管癌肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫);骨癌(例えば、骨原性肉腫骨肉腫)、繊維肉腫、悪性線維性組織球腫軟骨肉腫ユーイング肉腫悪性リンパ腫細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫骨軟骨腫骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫軟骨芽細胞腫軟骨粘液繊維腫類骨骨腫及び巨細胞腫);神経系癌(例えば、頭骨骨腫、血管腫、肉芽腫黄色腫変形性骨炎)、髄膜髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫髄芽腫神経膠腫上衣腫胚細胞腫松果体腫多形神経膠芽腫、希突起神経膠腫、シュワン細胞腫網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫));婦人科癌(例えば、子宮子宮内膜癌)、子宮頸部子宮頸癌、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣卵巣癌漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、類内膜性腫瘍、ブレナー腫瘍、明細胞癌、非分類癌、顆粒膜莢膜細胞腫セルトリライディッヒ細胞腫未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫胎児型横紋筋肉腫、卵管(癌));血液癌(例えば、血液(骨髄性白血病急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病慢性リンパ性白血病骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異型性症候群)、ホジキン病非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫));皮膚癌(例えば、悪性黒色腫基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異型性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫ケロイド乾癬);及び副腎癌(例えば、神経芽細胞腫)からなる群より選択される癌である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

請求項20

前記疾患又は健康状態が副腎白質ジストロフィー(ALD)、アルコール中毒症、アレキサンダー病、アルパーズ病、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症、ルー・ゲーリッグ病、毛細管拡張性運動失調症、バッテン病、シュピールマイヤー・フォクト・シェーグレン・バッテン病、牛海綿状脳症BSE)、カナバン病、脳性麻痺、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症クロイツフェルトヤコブ病致死性家族性不眠症前頭側頭葉変性症、ハンチントン病HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病レビー小体型認知症神経ボレリア症マシャド・ジョセフ病、脊髄小脳失調症3型多系統委縮症、多発性硬化症、ナルコレプシーニーマンピック病パーキンソン病、ペリツェウス・メルツバッハー病、ピック病原発性側索硬化症プリオン病進行性核上性麻痺レフサム病サンドホフ病、シルダー病亜急性連合性脊髄変性症併発性悪性貧血、シュピールマイヤー・フォクト・シェーグレン・バッテン病、バッテン病、脊髄小脳失調症、脊髄性筋委縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー病、脊髄癆、及び中毒性脳症からなる群より選択される神経変性疾患である、請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

癌を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上の癌細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上の癌細胞の増殖を抑制することで前記癌を治療する、前記方法。

請求項22

癌患者における化学療法に対する応答性を改善する方法であって、応答性の改善を必要とする対象に前記対象中の1つ以上の癌幹細胞における内在性SCAN4の発現を低下させる薬剤を投与することを含み、内在性ZSCAN4の発現低下によって前記1つ以上の癌幹細胞における1つ以上の化学療法剤に対する抵抗性を低下させ、又は除去し、それによって前記対象において前記1つ以上の化学療法剤に対する応答性を改善する、前記方法。

請求項23

内在性ZSCAN4の発現を低下させる前記薬剤がZSCAN4に特異的なsiRNA又はshRNAである、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記癌が心臓の癌(例えば、血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫及び奇形腫);肺癌(例えば、気管支原性癌(鱗状細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫);胃腸管癌(例えば、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫);胃癌(上皮癌、リンパ腫、平滑筋肉腫);膵臓癌(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ);小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫);大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路癌(例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍、腎芽腫、リンパ腫、白血病);膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌);前立腺癌(腺癌、肉腫);精巣癌(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓癌(例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫);骨癌(例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫);神経系癌(例えば、頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫、松果体腫、多形神経膠芽腫、希突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫));婦人科癌(例えば、子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣(卵巣癌、漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、類内膜性腫瘍、ブレナー腫瘍、明細胞癌、非分類癌、顆粒膜/莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫、胎児型横紋筋肉腫、卵管(癌));血液癌(例えば、血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異型性症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫));皮膚癌(例えば、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異型性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬);及び副腎癌(例えば、神経芽細胞腫)からなる群より選択される、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

1つ以上のヒト細胞のゲノム定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてゲノム安定性が向上する、前記方法。

請求項26

1つ以上のヒト細胞のDNA修復能を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞におけるDNA修復能が向上する、前記方法。

請求項27

1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞が若返る、前記方法。

請求項28

皮膚を若返らせる方法、アトピー性皮膚炎を治療する方法、及び/又は皮膚損傷を治療する方法であって、それらを必要とする対象の皮膚にZscan4の発現を上昇させる薬剤を局所投与することを含む、前記方法。

請求項29

脱毛を治療する方法であって、治療を必要とする対象の頭皮にZscan4の発現を上昇させる薬剤を局所投与することを含む、前記方法。

請求項30

白髪化を防止する方法、白髪化を治療する方法、又は両方の方法であって、それらを必要とする対象の1つ以上の毛包にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含む、前記方法。

請求項31

角膜を若返らせる方法であって、角膜の若返りを必要とする対象の角膜にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含む、前記方法。

請求項32

ドライアイを治療する方法であって、治療を必要とする対象の角膜にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含む、前記方法。

請求項33

特発性肺性線維症を治療する方法であって、治療を必要とする対象のにZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含む、前記方法。

請求項34

アテローム性硬化症、冠動脈疾患、又はそれらの両方を治療する方法であって、治療を必要とする対象の血流にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含む、前記方法。

請求項35

1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性を提供する方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性が上昇する、前記方法。

請求項36

前記遺伝毒性物質がマイトマイシンC又はシスプラチンである、請求項35に記載の方法。

請求項37

前記1つ以上のヒト細胞がヒト成体細胞である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記1つ以上のヒト細胞が成体幹細胞組織幹細胞始原細胞、又は人工多能性幹細胞である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

前記1つ以上のヒト細胞が造血幹細胞間葉系幹細胞脂肪幹細胞神経幹細胞、及び生殖幹細胞からなる群より選択される1つ以上の成体幹細胞、組織幹細胞、又は始原細胞である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記1つ以上のヒト細胞が体細胞成熟細胞、又は分化細胞である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項41

前記1つ以上のヒト細胞が表皮細胞線維芽細胞リンパ球肝細胞上皮細胞筋細胞軟骨細胞骨細胞脂肪細胞心筋細胞膵臓β細胞ケラチノサイト赤血球末梢血液細胞、神経細胞星状細胞生殖細胞精細胞、及び卵母細胞からなる群より選択される1つ以上の体細胞、成熟細胞、又は分化細胞である、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。

請求項42

1つ以上のヒト人工多能性(iPS)細胞においてヒト胚性幹細胞DNAメチルパターンを誘導するための方法であって、前記1つ以上のヒトiPS細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒトiPS細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒトiPS細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒトiPS細胞においてヒト胚性幹細胞様DNAメチル化パターンが誘導される、前記方法。

請求項43

1つ以上のヒト卵母細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞が若返る、前記方法。

請求項44

1つ以上のヒト卵母細胞のゲノム安定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞におけるゲノム安定性が向上する、前記方法。

請求項45

1つ以上のヒト卵母細胞において1つ以上の核型異常を修正する方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される、前記方法。

請求項46

前記1つ以上のヒト卵母細胞がZscan4の発現を上昇させる前記薬剤との接触前に対象から単離される、請求項43〜45のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

Zscan4の発現を上昇させる前記薬剤との接触後に前記1つ以上のヒト卵母細胞が体外受精を受ける、請求項43〜46のいずれか一項に記載の方法。

請求項48

1つ以上のヒト受精卵母細胞のゲノム安定性を向上させるインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてゲノム安定性が向上する、前記方法。

請求項49

1つ以上のヒト受精卵母細胞における1つ以上の核型異常を修正するインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される、前記方法。

請求項50

前記1つ以上のヒト受精卵母細胞が体外受精によって受精した、請求項48又は請求項49に記載の方法。

請求項51

受精させられる前に前記1つ以上のヒト卵母細胞が対象から単離された、請求項50に記載の方法。

請求項52

前記1つ以上の受精卵母細胞が1細胞期と胚盤胞期の間のである、請求項48〜51のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む、前記方法。

請求項54

染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞において前記染色体異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む、前記方法。

請求項55

前記疾患又は健康状態がテロメア短縮疾患、骨髄機能不全症候群、加齢性テロメア短縮疾患又は障害、及び早期老化疾患又は障害からなる群より選択される1つ以上の疾患又は健康状態である、請求項53又は請求項54に記載の方法。

請求項56

前記疾患又は健康状態が先天性角化不全症、ホイエラール・レイダーソン症候群、レーヴェース症候群、コーツプラス症候群、特発性肺性線維症、肝硬変、膵臓線維症、アルツハイマー病、及び骨関節炎からなる群より選択されるテロメア短縮疾患である、請求項53又は請求項54に記載の方法。

請求項57

前記疾患又は健康状態がファンコーニ貧血、無巨核球性血小板減少症、再生不良性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、先天性角化不全症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ピアソン症候群、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、血小板減少症、及び骨髄異型性症候群からなる群より選択される骨髄機能不全症候群である、請求項53又は請求項54に記載の方法。

請求項58

前記疾患又は健康状態がウェルナー症候群、ブルーム症候群、ハッチソン・ギルフォード早老症候群、コケイン症候群、色素性乾皮症、毛細管拡張性運動失調症、ロスモンド・トムソン症候群、硫黄欠乏性毛髪発育異常症、ジュバーグ・マルシジ症候群、及びダウン症からなる群より選択される加齢性テロメア短縮疾患又は疾患、早期老化疾患又は疾患、又はそれらの両方である、請求項53又は請求項54に記載の方法。

請求項59

対象内の組織又は器官を若返らせる方法であって、組織又は器官の若返りを必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官を若返らせる、前記方法。

請求項60

若返りを必要とする対象を若返らせる方法であって、前記対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記対象を若返らせる、前記方法。

請求項61

1つ以上のヒト細胞の寿命を延長する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命が延長される、前記方法。

請求項62

対象内の組織又は器官の寿命を延長する方法であって、組織又は器官の寿命の延長を必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官の寿命を延長する、前記方法。

請求項63

対象の寿命を延長する方法であって、寿命の延長を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長し、それによって前記対象の寿命を延長する、前記方法。

請求項64

寿命の延長を必要とする対象の寿命を延長する方法であって、(i)前記対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して前記対象の寿命を延長することを含む、前記方法。

請求項65

1つ以上のヒト細胞において1つ以上のZscan4誘導性作用を測定するための方法であって、(i)1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを測定すること、及び(iii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルと比較し、前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルの上昇によって前記1つ以上のヒト細胞における1つ以上のZscan4誘導性作用の存在を示すことを含む、前記方法。

請求項66

前記Zscan4の発現上昇が一時的なものである、請求項1〜65のいずれか一項に記載の方法。

請求項67

前記薬剤がZscan4発現を約1時間〜約23時間にわたって上昇させる、請求項1〜66のいずれか一項に記載の方法。

請求項68

前記薬剤がZscan4発現を約1日〜約10日にわたって上昇させる、請求項1〜66のいずれか一項に記載の方法。

請求項69

前記薬剤が内在性Zscan4と直接的に相互作用してZscan4の発現を上昇させる、請求項1〜68のいずれか一項に記載の方法。

請求項70

前記薬剤がZscan4をコードする単離核酸分子である、請求項1〜68のいずれか一項に記載の方法。

請求項71

前記単離核酸分子が合成mRNAである、請求項70に記載の方法。

請求項72

前記単離核酸分子がベクターを含む、請求項70に記載の方法。

請求項73

前記ベクターがウイルスベクターである、請求項72に記載の方法。

請求項74

前記ウイルスベクターがパラミクソウイルスベクターレトロウイルスベクターレンチウイルスベクター、又はアデノウイルスベクターである、請求項73に記載の方法。

請求項75

前記ウイルスベクターがパラミクソウイルスベクターである、請求項73に記載の方法。

請求項76

前記パラミクソウイルスベクターがセンダイウイルスベクターである、請求項75に記載の方法。

請求項77

前記ベクターがプラスミドベクターである、請求項72に記載の方法。

請求項78

前記ベクターがプロモーターに機能的に結合しているZscan4をコードする、請求項72〜77のいずれか一項に記載の方法。

請求項79

前記プロモーターが構成的プロモーターである、請求項78に記載の方法。

請求項80

前記プロモーターが誘導性プロモーターである、請求項78に記載の方法。

請求項81

前記Zscan4がZscan4−ERT2融合タンパク質である、請求項70〜80のいずれか一項に記載の方法。

請求項82

前記Zscan4がZscan4−ΔCタンパク質である、請求項70〜80のいずれか一項に記載の方法。

請求項83

前記Zscan4−ΔCタンパク質が少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む、請求項82に記載の方法。

請求項84

前記Zscan4がマウスZscan4、ヒトZSCAN4、又はそれらのホモログである、請求項70〜83のいずれか一項に記載の方法。

請求項85

前記Zscan4がZscan4a、Zscan4b、Zscan4c、Zscan4d、Zscan4e、及びZscan4fからなる群より選択される、請求項70〜83のいずれか一項に記載の方法。

請求項86

前記単離核酸分子が配列番号1〜10及び21〜30からなる群より選択されるヌクレオチド配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む、請求項70〜83のいずれか一項に記載の方法。

請求項87

前記Zscan4がヒトZSCAN4である、請求項70〜83のいずれか一項に記載の方法。

請求項88

前記単離核酸分子が配列番号7に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む、請求項70〜83のいずれか一項に記載の方法。

請求項89

前記薬剤がZscan4タンパク質である、請求項1〜68のいずれか一項に記載の方法。

請求項90

前記Zscan4タンパク質が細胞透過性ペプチドに融合されている、請求項89に記載の方法。

請求項91

前記細胞透過性ペプチドがタンパク質導入ドメインを含む、請求項90に記載の方法。

請求項92

前記細胞透過性ペプチドがポリアルギニンペプチドタグを含む、請求項90又は請求項91に記載の方法。

請求項93

前記Zscan4タンパク質がナノ粒子内に封入される、請求項89に記載の方法。

請求項94

前記Zscan4タンパク質がマウスZscan4タンパク質、ヒトZSCAN4タンパク質、又はそれらのホモログである、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。

請求項95

前記Zscan4タンパク質がZscan4aタンパク質、Zscan4bタンパク質、Zscan4cタンパク質、Zscan4dタンパク質、Zscan4eタンパク質、及びZscan4fタンパク質からなる群より選択される、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。

請求項96

前記Zscan4タンパク質が配列番号11〜20及び31〜40からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。

請求項97

前記Zscan4タンパク質がヒトZSCAN4タンパク質である、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。

請求項98

前記Zscan4タンパク質が配列番号17に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。

請求項99

前記Zscan4タンパク質がZscan4−ERT2融合タンパク質である、請求項89〜98のいずれか一項に記載の方法。

請求項100

前記Zscan4タンパク質がZscan4−ΔCタンパク質である、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。

請求項101

前記Zscan4−ΔCタンパク質がマウスZscan4タンパク質、ヒトZSCAN4タンパク質、又はそれらのホモログを含み、前記Zscan4タンパク質が少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む、請求項100に記載の方法。

請求項102

前記Zscan4−ΔCタンパク質がZscan4aタンパク質、Zscan4bタンパク質、Zscan4cタンパク質、Zscan4dタンパク質、Zscan4eタンパク質、及びZscan4fタンパク質からなる群より選択されるZscan4タンパク質を含み、前記Zscan4タンパク質が少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む、請求項100に記載の方法。

請求項103

前記Zscan4−ΔCタンパク質がヒトZSCAN4タンパク質を含み、前記ZSCAN4タンパク質が少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む、請求項100に記載の方法。

請求項104

前記薬剤がレチノイド又は酸化ストレスを誘発する薬剤である、請求項1〜68のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は2013年3月15日に出願された米国特許仮出願第61/800668番の利益を請求するものであり、その仮特許出願の全体を参照によりここに援用する。

0002

ASCIIテキストファイル配列表提出
次のASCIIテキストファイルの提出物であるコンピューター読み込み可能形式CRF)の配列表(ファイル名:699442000840SEQLIST.TXT、登録日:2014年3月11日、サイズ:104KB)の内容全体が参照によって本明細書に援用される。

0003

技術分野
本開示は、例えば1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることにより1つ以上のヒト細胞においてテロメア長を増加させるための方法、及び/又は1つ以上のヒト細胞のゲノム定性を向上させるための方法に関する。本開示は、例えばZscan4の発現を上昇させる薬剤と対象中の1つ以上のヒト細胞を接触させることにより、又は必要な対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによりテロメア延長を必要とする対象を処置する方法、ゲノム異常及び/又は染色体異常に関連する疾患又は健康状態治療する方法、1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法、組織又は器官を若返らせる方法、及び若返りを必要とする対象を若返らせる方法をさらに提供する。

背景技術

0004

背景
テロメアは、各染色体末端キャップをし、且つ、各細胞周期において絶え間ない分解から各染色体の末端を守ることによって染色体完全性を確保及び保障するタンパク質付随している反復DNA配列である。テロメア短縮はゲノム不安定性に寄与することによって癌を引き起こすこともあり得(Raynaudら、Crit. Rev Oncol Hematol誌、第66巻:99〜117頁、2008年)、老化及び細胞老化と関連付けられている(Yang、Cytogenet Genome Res誌、第122巻:211〜218頁、2008年)。テロメアは正常な老化の経過の中で徐々に短くなることが充分に立証されている。各回のDNA複製に付き最大で200塩基対のテロメアDNAが失われることが報告されている。例えば、ヒト新生児では末梢血リンパ球は各染色体の両端におよそ10kbのテロメアDNAを有し、70までにおよそ6kbにまで徐々に短くなる。環境要因生活習慣要因がテロメア短縮を加速し得ることもわかっている。そのようなテロメア短縮は加齢性の細胞衰微と関連していると考えられる。テロメア短縮によって細胞分裂回数が限定され、それによって究極的にはヒトの寿命が限定されることになるとも考えられる。ヒトは様々な長さのテロメアを有して生まれてくることもわかっている。例えば、およそ8kbのテロメアから始まるヒトもいれば、およそ12kbのテロメアから始まるヒトもいる。よって、より短いテロメアを有するヒトはより長いテロメアを有するヒトよりも早い年齢である特定の加齢性の病的状態発症しやすい場合があり得る。そのような病的状態には、例えば、免疫不全慢性潰瘍アテローム性硬化症網膜色素上皮細胞増殖性減退に起因する加齢性盲目症、及び癌が含まれる。

0005

また、テロメア短縮と関連することもある様々な疾患及び障害が存在する(Armanios及びBlackburn、Nat Rev Genet誌、2012年10月、第13巻(第10号):693〜704頁)。テロメア短縮を引き起こし得る遺伝病の例には先天性角化不全症ホイエラール・レイダーソン症候群レーヴェース症候群、及びコーツプラス症候群が挙げられる。さらに、特発性肺性線維症(IPF)のかなりの割合がテロメア短縮によって引き起こされることが近年示された。同様に、幾つかの肝硬変膵臓線維症がテロメア短縮によって引き起こされ得る。そのような病的状態の有病率を考慮すると、テロメア短縮が原因の疾患はこれまでに考えられていたよりも一般的であるように見える。

0006

テロメア短縮に関連する疾患の別の例はファンコーニ貧血である。ファンコーニ貧血は希少常染色体劣性疾患である。ファンコーニ貧血は進行性汎血球減少症と癌感受性を特徴とする遺伝性骨髄機能不全症候群である(Boglioloら、Mutagenesis誌、2002年11月;第17巻(第6号):529〜38頁)。ファンコーニ貧血患者は加速されたテロメア短縮を示すことが報告されている(Leteurteら、Br. J. Haematol.誌、1999年;Ballら、Blood誌、1998年;Hansonら、Cytogenet. Cell Genet.誌、2001年;及びCallenら、Hum Mol Genet誌、2002年2月15日;第11巻(第4号):439〜44頁)。

0007

これらの様々なテロメア短縮関連疾患及び障害を治療する1つの有望な方法は短くなったテロメアを長くするためにテロメラーゼを使用することである。テロメラーゼはテロメア伸長維持に関与することが知られている主要な酵素として特定された。テロメラーゼは胚性幹細胞では活性を有するが、体細胞などの非胚性細胞(すなわち、成体細胞)ではテロメラーゼは通常は発現していない。したがって、成体細胞におけるテロメラーゼの再活性化又はテロメラーゼの強制発現がテロメア長を増加させるために用いられ得る。しかしながら、テロメラーゼの使用に関する1つの潜在的な問題は、テロメラーゼの連続的発現が多くの場合に腫瘍形成及び癌性形質転換と関連していることである。よって、テロメラーゼの発現はテロメア短縮に関連する疾患又は健康状態を患う患者においてテロメア長を増加させるには理想的な方法ではない。

0008

テロメアを長くする別の有望な方法は、最近発見されたテロメア長を増加させる可能性がある漢方薬草の成分(TA−65)を使用することである(Harleyら、Rejuvenation Research誌、第14巻:45〜56頁、2011年)。しかしながら、この薬草がテロメアを効果的に長くすることができることは充分に立証されていない。また、この薬草の使用はテロメア延長を必要とする患者を治療するために薬品長期連続投与を必要とする。

0009

さらに、Zscan4(ジンクフィンガー及びSCAドメイン含有タンパク質4)はマウス胚性幹細胞におけるゲノム安定性と正常核型の維持に必要であり、マウス胚及び胚性幹細胞において発現することが近年示された(Falcoら、Dev Biol誌、第307巻:539〜550頁、2007年;Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年;PCT出願国際公開第2008/118957号、国際公開第2011/02880号、国際公開第2012/103235号、国際公開第2012/129342号、国際公開第2012/158561号、及び国際公開第2012158564号、及び米国特許出願公開第2010/0105043号明細書、米国特許出願公開第2012/0129161号明細書、及び米国特許出願公開第2012/0156305号明細書)。マウス胚性幹細胞におけるZscan4発現がテロメア伸長と関連することも示されている(Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年;PCT出願国際公開第2011/02880号、国際公開第2012/129342号、及び国際公開第2012158564号;及び米国特許出願公開第2012/0156305号明細書)。ヒトゲノムもZSCAN4遺伝子を含むことが示されている一方で、Falcoら、Dev Biol誌、第307巻:539〜550頁、2007年;Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年;PCT出願国際公開第2008/118957号、国際公開第2011/02880号、国際公開第2012/103235号、国際公開第2012/129342号、国際公開第2012/158561号、及び国際公開第2012158564号、又は米国特許出願公開第2010/0105043号明細書、米国特許出願公開第2012/0129161号明細書、及び米国特許出願公開第2012/0156305号明細書の中で、Zscan4発現によってマウス胚細胞内で生じるのと同じ作用が、ヒト細胞において生じることを証明する実験裏付けを提供しているものはない。マウスゲノムは6種類のZscan4遺伝子と3種類のZscan4偽遺伝子を含み、一方でヒトゲノムは1種類のZSCAN4遺伝子を含むだけである(PCT出願国際公開第2008/118957号)ので、ヒトZSCAN4がマウスZscan4と同じ機能を有するかは特に不明瞭である。また、テロメア短縮に関連する疾患及び健康状態に関与している体細胞などのヒト細胞におけるZSCAN4発現が、マウス胚性幹細胞について示されているものと同じ作用を有するか不明である。

発明が解決しようとする課題

0010

上より、テロメア短縮とゲノム異常に関連する疾患又は健康状態を治療するためにヒト細胞においてテロメア長を増加させ、ゲノム異常及び/又は染色体異常を修正するための改善型アプローチの必要性が存在する。

課題を解決するための手段

0011

上記の必要性に対応するため、本開示は、細胞内でZscan4(ジンクフィンガー及びSCANドメイン含有タンパク質4)の発現を上昇させる薬剤とヒト細胞を接触させることによりテロメア長を増加させる新規方法、ヒト細胞において染色体及び/又はゲノムの安定性を向上させる新規方法、ヒト細胞において染色体及び/又は核型の異常(例えば、21番染色体トリソミー)を修正する新規方法、及び/又はヒト細胞を若返らせる新規方法を提供する。本明細書において使用される場合、「Zscan4」という用語はZscan4ポリペプチド、及びマウスとヒトをはじめとするあらゆる種に由来するZscan4ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、例えば、遺伝子を指す。本明細書において使用される場合、「ZSCAN4」という用語はヒトZscan4ポリペプチド及びZscan4ポリペプチドをコードするヒトポヌクレオチド、例えば、遺伝子を特異的に指す。

0012

本開示は、テロメア異常、染色体異常及び/又は核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する新規方法、ヒト卵母細胞、ヒト受精卵母細胞、及びヒト着床前胚においてゲノム安定性を向上させ、且つ、核型異常を修正する新規方法、組織又は器官を若返らせる新規方法、及び/又は若返りを必要とする対象を若返らせる新規方法であって、それらを必要とする対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる前記方法も提供する。幾つかの実施形態では前記ヒト細胞はヒト成体細胞(すなわち、非胚性細胞)である。

0013

また、本開示はヒト細胞、例えば、線維芽細胞におけるZscan4発現によってわずか2日後にはそれらの細胞においてテロメア長が急激及び劇的に増加するという驚くべき発見に少なくとも部分的に基づいている。とりわけ、下の実施例8において開示されるように、ヒト線維芽細胞におけるZscan4発現によって3日以内にテロメア長が約40%増加した。さらに、ファンコーニ貧血を有する患者より単離されたヒト線維芽細胞におけるZscan4の発現によって3日以内にテロメア長が約160%増加した。驚くべきことに、ダウン症患者より単離された線維芽細胞集団におけるZscan4発現によって21番染色体トリソミーを有するその集団中の細胞のパーセンテージを劇的に低下させることもできた。とりわけ、下の実施例15において開示されるように、ダウン症患者より単離された線維芽細胞集団におけるZscan4発現によってそれらの細胞のおよそ55%において21番染色体トリソミー異常を修正することができた。

0014

Zscan4発現によってヒト細胞においてテロメア長を増加させることができると以前には決して示されていないと考えられることを考慮すると、本明細書において開示される結果は特に驚くべきことである。本明細書において開示される結果は予想されてもいない。Zscan4発現がマウス胚性ES)細胞においてテロメア長を増加させることはこれまでに示されていたが、ヒト細胞におけるZscan4発現もテロメア長を増加させることはヒトZSCAN4とマウスZscan4との間の差ばかりではなく、ヒト細胞の生物学とマウス細胞の生物学との間の差、並びにES細胞と成体細胞などの非ES細胞との間の差のためにも予想されなかった。ヒトゲノムとマウスゲノムの転写調節要素は大きく異なることがこれまでに示されたことを考慮すると、このことは特に妥当である。ヒトとマウスの両方で保存された機能を有する転写因子であってもかなりの程度の種特異的結合事象嗜好を示すこと(Odomら、Nature Genetics誌、第6巻:39頁、2007年)を考慮すると、このことは非常に印象的である。

0015

有利なことに、Zscan4発現を増加させる薬剤、例えば、Zscan4をコードする核酸分子活用を用いて若返りによって、及び/又は卵母細胞、受精卵母細胞、又は着床前胚におけるゲノム異常及び/又は染色体異常、例えば、異数性の修正によって高齢女性において体外受精(IVF)の成功率を上昇させることができ、妊娠成功を増加させることができる。さらに、Zscan4発現を増加させる薬剤、例えば、Zscan4をコードする核酸分子の活用を用いてテロメア短縮に関連する疾患又は健康状態、例えば、ファンコーニ貧血によって冒されている患者の細胞内のテロメア長を増加させることによって前記疾患又は健康状態を患っているその患者を治療することができる。さらに、Zscan4発現を増加させる薬剤、例えば、Zscan4をコードする核酸分子を使用してテロメア短縮が原因で老化した細胞、組織、器官及び個体におけるテロメア長を増加させることによって個体内の細胞、個体内の組織、又は個体内の器官を若返らせることもでき、又は個体を若返らせることもできる。

0016

以上より、本開示のある特定の態様は、1つ以上のヒト細胞においてテロメア長を増加させる方法であって、前記ヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長が誘導される前記方法に関する。

0017

本開示の他の態様は、テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導する前記方法に関する。

0018

本開示の他の態様は、テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、(i)前記対象よりテロメア延長を必要とする1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与することによる前記方法に関する。

0019

本開示の他の態様は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0020

本開示の他の態様は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0021

本開示の他の態様は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0022

本開示の他の態様は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0023

本開示の他の態様は、核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記核型異常の修正を誘導して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0024

本開示の他の態様は、核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)核型異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記核型異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0025

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記核型異常は染色体ヌリソミー、染色体モノソミー、染色体トリソミー、染色体テトラソミー、及び染色体ペンタソミーから選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記核型異常は21番染色体トリソミー、16番染色体トリソミー、18番染色体トリソミー、13番染色体トリソミー、X染色体モノソミー、XXX異数性、XXY異数性、XYY異数性、及び1p36領域重複から選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、核型異常に関連する前記疾患又は健康状態は17番染色体(p11.2p11.2)領域重複症候群、ペリツェウスメルツバッハー病、22番染色体(q11.2q11.2)領域重複症候群、ネコ眼症候群、ネコなき症候群、ウォルフヒルシュホーンウィリアムス・ボイレン症候群、シャルコー・マリー・トゥース病、遺伝性圧脆弱性ニューロパチースミス・マゲニス症候群神経線維腫症アラジール症候群、口蓋心臓顔面症候群、ディジョージ症候群ステロイドスルファターゼ欠損カルマン症候群線型皮膚欠陥症の小眼症副腎低形成、グリセロールキナーゼ欠損、ペリツェウス・メルツバッハー病、Y染色体上の精巣決定因子無精子症(a因子)、無精子症(b因子)、無精子症(c因子)、及び1p36領域欠失から選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はテロメア短縮疾患、骨髄機能不全症候群、加齢性テロメア短縮疾患又は障害、及び早期老化疾患又は障害から選択される1つ以上の疾患又は健康状態である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は先天性角化不全症、ホイエラール・レイダーソン症候群、レーヴェース症候群、コーツプラス症候群、特発性肺性線維症、肝硬変、膵臓線維症、アルツハイマー病、及び骨関節炎から選択されるテロメア短縮疾患である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はファンコーニ貧血、無巨核球血小板減少症再生不良性貧血ダイアモンドブラックファン貧血、先天性角化不全症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ピアソン症候群、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、血小板減少症、及び骨髄異型性症候群から選択される骨髄機能不全症候群である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はウェルナー症候群ブルーム症候群ハッチソン・ギルフォード早老症候群コケイン症候群、色素性乾皮症毛細管拡張性運動失調症、ロスモンドトムソン症候群、硫黄欠乏毛髪発育異常症、ジュバーグ・マルシジ症候群、及びダウン症から選択される加齢性テロメア短縮疾患又は障害、早期老化疾患又は障害、又はそれらの両方である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は免疫不全、自己免疫疾患自己免疫障害、慢性潰瘍、アテローム性硬化症、癌、神経損傷変性障害神経変性障害創傷治癒筋肉修復心筋修復、軟骨置換関節炎、骨関節炎、歯科再生、盲目症、網膜色素上皮細胞の増殖性の減退に起因する加齢性盲目症、難聴、骨髄機能不全骨髄移植糖尿病筋ジストロフィーデュシェンヌ型筋ジストロフィー、遺伝病、遺伝子変異、及びDNA損傷から選択される1つ以上の疾患又は健康状態である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は心臓の癌(例えば、血管肉腫繊維肉腫横紋筋肉腫脂肪肉腫粘液腫横紋筋腫繊維腫脂肪腫及び奇形腫);肺癌(例えば、気管支原性癌鱗状細胞未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮細気管支)癌、気管支腺腫肉腫リンパ腫、軟骨性過誤腫中皮腫);胃腸管癌(例えば、食道扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫);胃癌上皮癌、リンパ腫、平滑筋肉腫);膵臓癌膵管腺癌、インスリノーマグルカゴノーマガストリノーマカルチノイド腫瘍ビポーマ);小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫平滑筋腫血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫);大腸癌(腺癌、管状腺腫絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路癌(例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍腎芽腫、リンパ腫、白血病);膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌);前立腺癌(腺癌、肉腫);精巣癌(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌奇形癌腫絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓癌(例えば、肝癌肝細胞癌)、胆管癌肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫);骨癌(例えば、骨原性肉腫骨肉腫)、繊維肉腫、悪性線維性組織球腫軟骨肉腫ユーイング肉腫悪性リンパ腫細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫骨軟骨腫骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫軟骨芽細胞腫軟骨粘液繊維腫類骨骨腫及び巨細胞腫);神経系癌(例えば、頭骨骨腫、血管腫、肉芽腫黄色腫変形性骨炎)、髄膜髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫髄芽腫神経膠腫上衣腫胚細胞腫松果体腫多形神経膠芽腫、希突起神経膠腫、シュワン細胞腫網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫));婦人科癌(例えば、子宮子宮内膜癌)、子宮頸部子宮頸癌、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣卵巣癌漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、類内膜性腫瘍、ブレナー腫瘍、明細胞癌、非分類癌、顆粒膜莢膜細胞腫セルトリライディッヒ細胞腫未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫胎児型横紋筋肉腫、卵管(癌));血液癌(例えば、血液(骨髄性白血病急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病慢性リンパ性白血病骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異型性症候群)、ホジキン病非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫));皮膚癌(例えば、悪性黒色腫基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異型性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫ケロイド乾癬);及び副腎癌(例えば、神経芽細胞腫)から選択される癌である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は甲状腺炎グッドパスチャー病、リウマチ性関節炎若年性少関節炎、コラーゲン誘発関節炎アジュバント誘発関節炎、シェーグレン症候群多発性硬化症実験的自己免疫性脳脊髄炎炎症性腸疾患クローン病潰瘍性大腸炎自己免疫性萎縮尋常性天疱瘡、乾癬、常性白斑1型糖尿病、非肥満糖尿病、重症筋無力症グレーブス病橋本甲状腺炎硬化性胆管炎、硬化性唾液腺炎全身性エリテマトーデス、自己免疫性血小板減少性紫斑症、アジソン病全身性硬化症多発性筋炎皮膚筋炎自己免疫性溶血性貧血、及び悪性貧血から選択される自己免疫疾患である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は副腎白質ジストロフィー(ALD)、アルコール中毒症、アレキサンダー病、アルパーズ病、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症、ルー・ゲーリッグ病、毛細管拡張性運動失調症、バッテン病、シュピールマイヤー・フォクト・シェーグレン・バッテン病、牛海綿状脳症BSE)、カナバン病、脳性麻痺、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症クロイツフェルトヤコブ病致死性家族性不眠症前頭側頭葉変性症、ハンチントン病HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病レビー小体型認知症神経ボレリア症マシャド・ジョセフ病、脊髄小脳失調症3型多系統委縮症、多発性硬化症、ナルコレプシーニーマンピック病パーキンソン病、ペリツェウス・メルツバッハー病、ピック病原発性側索硬化症プリオン病進行性核上性麻痺レフサム病サンドホフ病、シルダー病亜急性連合性脊髄変性症併発性悪性貧血、シュピールマイヤー・フォクト・シェーグレン・バッテン病、バッテン病、脊髄小脳失調症、脊髄性筋委縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー病、脊髄癆、及び中毒性脳症から選択される神経変性疾患である。

0026

本開示の他の態様は、癌を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上の癌細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上の癌細胞の増殖を抑制することで前記癌を治療する前記方法に関する。本開示の他の態様は、癌患者における化学療法に対する応答性を改善する方法であって、応答性の改善を必要とする対象に前記対象中の1つ以上の癌幹細胞における内在性ZSCAN4の発現を低下させる薬剤を投与することによる方法であり、内在性ZSCAN4の発現低下によって前記1つ以上の癌幹細胞における1つ以上の化学療法剤に対する抵抗性を低下させ、又は除去し、それによって前記対象において前記1つ以上の化学療法剤に対する応答性を改善する前記方法に関する。幾つかの実施形態では内在性ZSCAN4の発現を低下させる前記薬剤はZSCAN4に特異的なsiRNA又はshRNAである。幾つかの実施形態では前記癌は心臓の癌(例えば、血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫及び奇形腫);肺癌(例えば、気管支原性癌(鱗状細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫);胃腸管癌(例えば、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫);胃癌(上皮癌、リンパ腫、平滑筋肉腫);膵臓癌(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ);小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫);大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路癌(例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍、腎芽腫、リンパ腫、白血病);膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌);前立腺癌(腺癌、肉腫);精巣癌(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓癌(例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫);骨癌(例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫);神経系癌(例えば、頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫、松果体腫、多形神経膠芽腫、希突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫));婦人科癌(例えば、子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣(卵巣癌、漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、類内膜性腫瘍、ブレナー腫瘍、明細胞癌、非分類癌、顆粒膜/莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫、胎児型横紋筋肉腫、卵管(癌));血液癌(例えば、血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異型性症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫));皮膚癌(例えば、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異型性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬);及び副腎癌(例えば、神経芽細胞腫)から選択される。

0027

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞のゲノム安定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてゲノム安定性が向上する前記方法に関する。

0028

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞のDNA修復能を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞におけるDNA修復能が向上する前記方法に関する。

0029

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞が若返る前記方法に関する。

0030

本開示の他の態様は、皮膚を若返らせる方法、アトピー性皮膚炎を治療する方法、及び/又は皮膚損傷を治療する方法であって、それらを必要とする対象の皮膚にZscan4の発現を上昇させる薬剤を局所投与することによる前記方法に関する。

0031

本開示の他の態様は、脱毛を治療する方法であって、治療を必要とする対象の頭皮にZscan4の発現を上昇させる薬剤を局所投与することによる前記方法に関する。

0032

本開示の他の態様は、白髪化を防止する方法、白髪化を治療する方法、又は両方の方法であって、それらを必要とする対象の1つ以上の毛包にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる前記方法に関する。

0033

本開示の他の態様は、角膜を若返らせる方法であって、角膜の若返りを必要とする対象の角膜にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる前記方法に関する。

0034

本開示の他の態様は、ドライアイを治療する方法であって、治療を必要とする対象の角膜にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる前記方法に関する。

0035

本開示の他の態様は、特発性肺性線維症を治療する方法であって、治療を必要とする対象のにZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる前記方法に関する。

0036

本開示の他の態様は、アテローム性硬化症、冠動脈疾患、又はそれらの両方を治療する方法であって、治療を必要とする対象の血流にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる前記方法に関する。

0037

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性を提供する方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性が上昇する前記方法に関する。幾つかの実施形態では前記遺伝毒性物質はマイトマイシンC又はシスプラチンである。

0038

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞はヒト成体細胞である。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト細胞は成体幹細胞組織幹細胞始原細胞、又は人工多能性幹細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は造血幹細胞間葉系幹細胞脂肪幹細胞神経幹細胞、及び生殖幹細胞から選択される1つ以上の成体幹細胞、組織幹細胞、又は始原細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は体細胞、成熟細胞、又は分化細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は体細胞、成熟細胞、又は分化細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は表皮細胞、線維芽細胞、リンパ球肝細胞上皮細胞筋細胞軟骨細胞骨細胞脂肪細胞心筋細胞膵臓β細胞ケラチノサイト赤血球末梢血液細胞、神経細胞星状細胞生殖細胞精細胞、及び卵母細胞から選択される1つ以上の体細胞、成熟細胞、又は分化細胞である。

0039

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト人工多能性幹(iPS)細胞においてヒト胚性幹細胞DNAメチルパターンを誘導するための方法であって、前記1つ以上のヒトiPS細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒトiPS細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒトiPS細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒトiPS細胞においてヒト胚性幹細胞様DNAメチル化パターンが誘導される前記方法に関する。

0040

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト卵母細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞が若返る前記方法に関する。

0041

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト卵母細胞のゲノム安定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞におけるゲノム安定性が向上する前記方法に関する。本開示の他の態様は、1つ以上のヒト卵母細胞において1つ以上の核型異常を修正する方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される前記方法に関する。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト卵母細胞はZscan4の発現を上昇させる前記薬剤との接触前に対象から単離される。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト卵母細胞はZscan4の発現を上昇させる前記薬剤との接触後に体外受精を受ける。

0042

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト受精卵母細胞のゲノム安定性を向上させるインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてゲノム安定性が向上する前記方法に関する。本開示の他の態様は、1つ以上のヒト受精卵母細胞における1つ以上の核型異常を修正するインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される前記方法に関する。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト受精卵母細胞は体外受精によって受精した。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト卵母細胞は受精させられる前に対象から単離された。幾つかの実施形態では前記1つ以上の受精卵母細胞は1細胞期と胚盤胞期の間の胚である。

0043

本開示の他の態様は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0044

本開示の他の態様は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞において前記染色体異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0045

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はテロメア短縮疾患、骨髄機能不全症候群、加齢性テロメア短縮疾患又は障害、及び早期老化疾患又は障害から選択される1つ以上の疾患又は健康状態である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は先天性角化不全症、ホイエラール・レイダーソン症候群、レーヴェース症候群、コーツプラス症候群、特発性肺性線維症、肝硬変、膵臓線維症、アルツハイマー病、及び骨関節炎から選択されるテロメア短縮疾患である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はファンコーニ貧血、無巨核球性血小板減少症、再生不良性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、先天性角化不全症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ピアソン症候群、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、血小板減少症、及び骨髄異型性症候群から選択される骨髄機能不全症候群である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はウェルナー症候群、ブルーム症候群、ハッチソン・ギルフォード早老症候群、コケイン症候群、色素性乾皮症、毛細管拡張性運動失調症、ロスモンド・トムソン症候群、硫黄欠乏性毛髪発育異常症、ジュバーグ・マルシジ症候群、及びダウン症から選択される加齢性テロメア短縮疾患又は疾患、早期老化疾患又は疾患、又はそれらの両方である。

0046

本開示の他の態様は、対象内の組織又は器官を若返らせる方法であって、組織又は器官の若返りを必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官を若返らせる前記方法に関する。

0047

本開示の他の態様は、若返りを必要とする対象を若返らせる方法であって、前記対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記対象を若返らせる前記方法に関する。

0048

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞の寿命を延長する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命が延長される、前記方法に関する。

0049

本開示の他の態様は、対象内の組織又は器官の寿命を延長する方法であって、組織又は器官の寿命の延長を必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官の寿命を延長する前記方法に関する。

0050

本開示の他の態様は、対象の寿命を延長する方法であって、寿命の延長を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長し、それによって前記対象の寿命を延長する前記方法に関する。

0051

本開示の他の態様は、対象の寿命を延長する方法であって、(i)前記対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して前記対象の寿命を延長することによる前記方法に関する。

0052

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞において1つ以上のZscan4誘導性作用を測定するための方法であって、(i)1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを測定すること、及び(iii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルと比較し、前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルの上昇によって前記1つ以上のヒト細胞における1つ以上のZscan4誘導性作用の存在を示すことによる前記方法に関する。

0053

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4の発現上昇は一時的なものである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はZscan4発現を約1時間から約23時間にわたって上昇させる。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はZscan4発現を約1日から約10日にわたって上昇させる。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤は内在性Zscan4と直接的に相互作用してZscan4の発現を上昇させる。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はZscan4をコードする単離核酸分子である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記単離核酸分子は合成mRNAである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記単離核酸分子はベクターを含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記ベクターはウイルスベクターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記ウイルスベクターはパラミクソウイルスベクターレトロウイルスベクターレンチウイルスベクター又はアデノウイルスベクターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記ウイルスベクターはパラミクソウイルスベクターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記パラミクソウイルスベクターはセンダイウイルスベクターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記ベクターはプラスミドベクターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記ベクターはプロモーターに機能的に結合しているZscan4をコードする。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記プロモーターは構成的プロモーターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記プロモーターは誘導性プロモーターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はZscan4−ERT2融合タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はZscan4−ΔCタンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はマウスZscan4、ヒトZSCAN4、又はそれらのホモログである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はZscan4a、Zscan4b、Zscan4c、Zscan4d、Zscan4e、及びZscan4fから選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記単離核酸分子は配列番号1〜10及び21〜30から選択されるヌクレオチド配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はヒトZSCAN4である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記単離核酸分子は配列番号7に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はZscan4タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質は細胞透過性ペプチドに融合されている。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記細胞透過性ペプチドはタンパク質導入ドメインを含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記細胞透過性ペプチドはポリアルギニンペプチドタグを含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はナノ粒子内に封入される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はマウスZscan4タンパク質、ヒトZSCAN4タンパク質、又はそれらのホモログである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はZscan4aタンパク質、Zscan4bタンパク質、Zscan4cタンパク質、Zscan4dタンパク質、Zscan4eタンパク質、及びZscan4fタンパク質から選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質は配列番号11〜20及び31〜40から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はヒトZSCAN4タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質は配列番号17に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はZscan4−ERT2融合タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はZscan4−ΔCタンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質はマウスZscan4タンパク質、ヒトZSCAN4タンパク質、又はそれらのホモログを含み、前記Zscan4タンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質はZscan4aタンパク質、Zscan4bタンパク質、Zscan4cタンパク質、Zscan4dタンパク質、Zscan4eタンパク質、及びZscan4fタンパク質から選択されるZscan4タンパク質を含み、前記Zscan4タンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質はヒトZSCAN4タンパク質を含み、前記Zscan4タンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はレチノイド酸化ストレスを誘発する薬剤、又はそれらの両方である。

0054

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞においてテロメア長を増加させる方法であって、前記ヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長が誘導される前記方法に関する。

0055

本開示の他の態様は、テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導する前記方法に関する。

0056

本開示の他の態様は、テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、(i)前記対象よりテロメア延長を必要とする1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導する前記薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与することによる前記方法に関する。

0057

本開示の他の態様は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0058

本開示の他の態様は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導する前記薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0059

本開示の他の態様は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0060

本開示の他の態様は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導する前記薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0061

本開示の他の態様は、核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記核型異常の修正を誘導して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0062

本開示の他の態様は、核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)核型異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞における前記核型異常の修正を誘導する前記薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0063

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記核型異常は染色体ヌリソミー、染色体モノソミー、染色体トリソミー、染色体テトラソミー、及び染色体ペンタソミーから選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記核型異常は21番染色体トリソミー、16番染色体トリソミー、18番染色体トリソミー、13番染色体トリソミー、X染色体モノソミー、XXX異数性、XXY異数性、XYY異数性、及び1p36領域重複から選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、核型異常に関連する前記疾患又は健康状態は17番染色体(p11.2p11.2)領域重複症候群、ペリツェウス・メルツバッハー病、22番染色体(q11.2q11.2)領域重複症候群、ネコ眼症候群、ネコなき症候群、ウォルフ・ヒルシュホーン、ウィリアムス・ボイレン症候群、シャルコー・マリー・トゥース病、遺伝性圧脆弱性ニューロパチー、スミス・マゲニス症候群、神経線維腫症、アラジール症候群、口蓋心臓顔面症候群、ディジョージ症候群、ステロイドスルファターゼ欠損、カルマン症候群、線型皮膚欠陥症の小眼症、副腎低形成、グリセロールキナーゼ欠損、ペリツェウス・メルツバッハー病、Y染色体上の精巣決定因子、無精子症(a因子)、無精子症(b因子)、無精子症(c因子)、及び1p36領域欠失から選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はテロメア短縮疾患、骨髄機能不全症候群、加齢性テロメア短縮疾患又は障害、及び早期老化疾患又は障害から選択される1つ以上の疾患又は健康状態である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は先天性角化不全症、ホイエラール・レイダーソン症候群、レーヴェース症候群、コーツプラス症候群、特発性肺性線維症、肝硬変、膵臓線維症、アルツハイマー病、及び骨関節炎から選択されるテロメア短縮疾患である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はファンコーニ貧血、無巨核球性血小板減少症、再生不良性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、先天性角化不全症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ピアソン症候群、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、血小板減少症、及び骨髄異型性症候群から選択される骨髄機能不全症候群である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はウェルナー症候群、ブルーム症候群、ハッチソン・ギルフォード早老症候群、コケイン症候群、色素性乾皮症、毛細管拡張性運動失調症、ロスモンド・トムソン症候群、硫黄欠乏性毛髪発育異常症、ジュバーグ・マルシジ症候群、及びダウン症から選択される加齢性テロメア短縮疾患又は障害、早期老化疾患又は障害、又はそれらの両方である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は免疫不全、自己免疫疾患、自己免疫障害、慢性潰瘍、アテローム性硬化症、癌、神経損傷、変性障害、神経変性障害、創傷治癒、筋肉修復、心筋修復、軟骨置換、関節炎、骨関節炎、歯科再生、盲目症、網膜色素上皮細胞の増殖性の減退に起因する加齢性盲目症、難聴、骨髄機能不全、骨髄移植、糖尿病、筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、遺伝病、遺伝子変異、及びDNA損傷から選択される1つ以上の疾患又は健康状態である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は心臓の癌(例えば、血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫及び奇形腫);肺癌(例えば、気管支原性癌(鱗状細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫);胃腸管癌(例えば、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫);胃癌(上皮癌、リンパ腫、平滑筋肉腫);膵臓癌(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ);小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫);大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路癌(例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍、腎芽腫、リンパ腫、白血病);膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌);前立腺癌(腺癌、肉腫);精巣癌(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓癌(例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫);骨癌(例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫);神経系癌(例えば、頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫、松果体腫、多形神経膠芽腫、希突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫));婦人科癌(例えば、子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣(卵巣癌、漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、類内膜性腫瘍、ブレナー腫瘍、明細胞癌、非分類癌、顆粒膜/莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫、胎児型横紋筋肉腫、卵管(癌));血液癌(例えば、血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異型性症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫));皮膚癌(例えば、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異型性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬);及び副腎癌(例えば、神経芽細胞腫)から選択される癌である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は甲状腺炎、グッドパスチャー病、リウマチ性関節炎、若年性少関節炎、コラーゲン誘発関節炎、アジュバント誘発関節炎、シェーグレン症候群、多発性硬化症、実験的自己免疫性脳脊髄炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性胃萎縮、尋常性天疱瘡、乾癬、尋常性白斑、1型糖尿病、非肥満糖尿病、重症筋無力症、グレーブス病、橋本甲状腺炎、硬化性胆管炎、硬化性唾液腺炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫性血小板減少性紫斑症、アジソン病、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、自己免疫性溶血性貧血、及び悪性貧血から選択される自己免疫疾患である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は副腎白質ジストロフィー(ALD)、アルコール中毒症、アレキサンダー病、アルパーズ病、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症、ルー・ゲーリッグ病、毛細管拡張性運動失調症、バッテン病、シュピールマイヤー・フォクト・シェーグレン・バッテン病、牛海綿状脳症(BSE)、カナバン病、脳性麻痺、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、前頭側頭葉変性症、ハンチントン病、HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病、レビー小体型認知症、神経ボレリア症、マシャド・ジョセフ病、脊髄小脳失調症3型、多系統委縮症、多発性硬化症、ナルコレプシー、ニーマンピック病、パーキンソン病、ペリツェウス・メルツバッハー病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性核上性麻痺、レフサム病、サンドホフ病、シルダー病、亜急性連合性脊髄変性症併発性悪性貧血、シュピールマイヤー・フォクト・シェーグレン・バッテン病、バッテン病、脊髄小脳失調症、脊髄性筋委縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー病、脊髄癆、及び中毒性脳症から選択される神経変性疾患である。

0064

本開示の他の態様は、癌を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上の癌細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上の癌細胞の増殖を抑制することで前記癌を治療する前記方法に関する。本開示の他の態様は、癌患者における化学療法に対する応答性を改善する方法であって、応答性の改善を必要とする対象に前記対象中の1つ以上の癌幹細胞における内在性ZSCAN4の発現を低下させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、内在性ZSCAN4の発現低下によって前記1つ以上の癌幹細胞における1つ以上の化学療法剤に対する抵抗性を低下させ、又は除去し、それによって前記対象において前記1つ以上の化学療法剤に対する応答性を改善する前記方法に関する。幾つかの実施形態では内在性ZSCAN4の発現を低下させる前記薬剤はZSCAN4に特異的なsiRNA又はshRNAである。幾つかの実施形態では前記癌は心臓の癌(例えば、血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫及び奇形腫);肺癌(例えば、気管支原性癌(鱗状細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫);胃腸管癌(例えば、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫);胃癌(上皮癌、リンパ腫、平滑筋肉腫);膵臓癌(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ);小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫);大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路癌(例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍、腎芽腫、リンパ腫、白血病);膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌);前立腺癌(腺癌、肉腫);精巣癌(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓癌(例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫);骨癌(例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫);神経系癌(例えば、頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫、松果体腫、多形神経膠芽腫、希突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫));婦人科癌(例えば、子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、腫瘍前子宮頸部異形成症)、卵巣(卵巣癌、漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、類内膜性腫瘍、ブレナー腫瘍、明細胞癌、非分類癌、顆粒膜/莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫、胎児型横紋筋肉腫、卵管(癌));血液癌(例えば、血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異型性症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫));皮膚癌(例えば、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子、異型性母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬);及び副腎癌(例えば、神経芽細胞腫)から選択される。

0065

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞のゲノム安定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてゲノム安定性が向上する前記方法に関する。

0066

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞のDNA修復能を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞におけるDNA修復能が向上する前記方法に関する。

0067

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞が若返る前記方法に関する。

0068

本開示の他の態様は、皮膚を若返らせる方法、アトピー性皮膚炎を治療する方法、及び/又は皮膚損傷を治療する方法であって、それらを必要とする対象の皮膚にZscan4の発現を上昇させる薬剤を局所投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記方法に関する。

0069

本開示の他の態様は、脱毛を治療する方法であって、治療を必要とする対象の頭皮にZscan4の発現を上昇させる薬剤を局所投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記方法に関する。

0070

本開示の他の態様は、白髪化を防止する方法、白髪化を治療する方法、又は両方の方法であって、それらを必要とする対象の1つ以上の毛包にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記方法に関する。

0071

本開示の他の態様は、角膜を若返らせる方法であって、角膜の若返りを必要とする対象の角膜にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記方法に関する。

0072

本開示の他の態様は、ドライアイを治療する方法であって、治療を必要とする対象の角膜にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記方法に関する。

0073

本開示の他の態様は、特発性肺性線維症を治療する方法であって、治療を必要とする対象の肺にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記方法に関する。

0074

本開示の他の態様は、アテローム性硬化症、冠動脈疾患、又はそれらの両方を治療する方法であって、治療を必要とする対象の血流にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記方法に関する。

0075

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性を提供する方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性が上昇する前記方法に関する。幾つかの実施形態では前記遺伝毒性物質はマイトマイシンC又はシスプラチンである。

0076

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞はヒト成体細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は成体幹細胞、組織幹細胞、始原細胞、又は人工多能性幹細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は造血幹細胞、間葉系幹細胞、脂肪幹細胞、神経幹細胞、及び生殖幹細胞から選択される1つ以上の成体幹細胞、組織幹細胞、又は始原細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は体細胞、成熟細胞、又は分化細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は体細胞、成熟細胞、又は分化細胞である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記1つ以上のヒト細胞は表皮細胞、線維芽細胞、リンパ球、肝細胞、上皮細胞、筋細胞、軟骨細胞、骨細胞、脂肪細胞、心筋細胞、膵臓β細胞、ケラチノサイト、赤血球、末梢血液細胞、神経細胞、星状細胞、生殖細胞、精細胞、及び卵母細胞から選択される1つ以上の体細胞、成熟細胞、又は分化細胞である。

0077

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト人工多能性幹(iPS)細胞においてヒト胚性幹細胞様DNAメチル化パターンを誘導するための方法であって、前記1つ以上のヒトiPS細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒトiPS細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒトiPS細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒトiPS細胞においてヒト胚性幹細胞様DNAメチル化パターンが誘導される前記方法に関する。

0078

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト卵母細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞が若返る前記方法に関する。

0079

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト卵母細胞のゲノム安定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞におけるゲノム安定性が向上する前記方法に関する。本開示の他の態様は、1つ以上のヒト卵母細胞において1つ以上の核型異常を修正する方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される前記方法に関する。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト卵母細胞はZscan4の発現を上昇させる前記薬剤との接触前に対象から単離される。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト卵母細胞はZscan4の発現を上昇させる前記薬剤との接触後に体外受精を受ける。

0080

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト受精卵母細胞のゲノム安定性を向上させるインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞胚と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてゲノム安定性が向上する前記方法に関する。本開示の他の態様は、1つ以上のヒト受精卵母細胞における1つ以上の核型異常を修正するインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される前記方法に関する。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト受精卵母細胞は体外受精によって受精した。幾つかの実施形態では前記1つ以上のヒト卵母細胞は受精させられる前に対象から単離された。幾つかの実施形態では前記1つ以上の受精卵母細胞は1細胞期と胚盤胞期の間の胚である。

0081

本開示の他の態様は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞においてテロメア延長を誘導する前記薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0082

本開示の他の態様は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞において前記染色体異常の修正を誘導する前記薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0083

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はテロメア短縮疾患、骨髄機能不全症候群、加齢性テロメア短縮疾患又は障害、及び早期老化疾患又は障害から選択される1つ以上の疾患又は健康状態である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態は先天性角化不全症、ホイエラール・レイダーソン症候群、レーヴェース症候群、コーツプラス症候群、特発性肺性線維症、肝硬変、膵臓線維症、アルツハイマー病、及び骨関節炎から選択されるテロメア短縮疾患である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はファンコーニ貧血、無巨核球性血小板減少症、再生不良性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、先天性角化不全症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、ピアソン症候群、シュバッハマン・ダイアモンド症候群、血小板減少症、及び骨髄異型性症候群から選択される骨髄機能不全症候群である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記疾患又は健康状態はウェルナー症候群、ブルーム症候群、ハッチソン・ギルフォード早老症候群、コケイン症候群、色素性乾皮症、毛細管拡張性運動失調症、ロスモンド・トムソン症候群、硫黄欠乏性毛髪発育異常症、ジュバーグ・マルシジ症候群、及びダウン症から選択される加齢性テロメア短縮疾患又は疾患、早期老化疾患又は疾患、又はそれらの両方である。

0084

本開示の他の態様は、対象内の組織又は器官を若返らせる方法であって、組織又は器官の若返りを必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官を若返らせる前記方法に関する。

0085

本開示の他の態様は、若返りを必要とする対象を若返らせる方法であって、前記対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記対象を若返らせる前記方法に関する。

0086

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞の寿命を延長する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命が延長される、前記方法に関する。

0087

本開示の他の態様は、対象内の組織又は器官の寿命を延長する方法であって、組織又は器官の寿命の延長を必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官の寿命を延長する前記方法に関する。

0088

本開示の他の態様は、対象の寿命を延長する方法であって、寿命の延長を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、前記薬剤がZscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長し、それによって前記対象の寿命を延長する前記方法に関する。

0089

本開示の他の態様は、対象の寿命を延長する方法であって、(i)前記対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターであり、且つ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長する前記薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して前記対象の寿命を延長することによる前記方法に関する。

0090

本開示の他の態様は、1つ以上のヒト細胞において1つ以上のZscan4誘導性作用を測定するための方法であって、(i)1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤であって、Zscan4をコードする合成mRNA分子、又はZscan4をコードするウイルスベクター、好ましくはセンダイウイルスベクターである前記薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを測定すること、及び(iii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルと比較し、前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルの上昇によって前記1つ以上のヒト細胞における1つ以上のZscan4誘導性作用の存在を示すことによる前記方法に関する。

0091

前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4の発現上昇は一時的なものである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はZscan4発現を約1時間から約23時間にわたって上昇させる。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はZscan4発現を約1日から約10日にわたって上昇させる。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤は内在性Zscan4と直接的に相互作用してZscan4の発現を上昇させる。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記ベクターはプロモーターに機能的に結合しているZscan4をコードする。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記プロモーターは構成的プロモーターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記プロモーターは誘導性プロモーターである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はZscan4−ERT2融合タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はZscan4−ΔCタンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はマウスZscan4、ヒトZSCAN4、又はそれらのホモログである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はZscan4a、Zscan4b、Zscan4c、Zscan4d、Zscan4e、及びZscan4fから選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記単離核酸分子は配列番号1〜10及び21〜30から選択されるヌクレオチド配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4はヒトZSCAN4である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記単離核酸分子は配列番号7に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はZscan4タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質は細胞透過性ペプチドに融合されている。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記細胞透過性ペプチドはタンパク質導入ドメインを含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記細胞透過性ペプチドはポリアルギニンペプチドタグを含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はナノ粒子内に封入される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はマウスZscan4タンパク質、ヒトZSCAN4タンパク質、又はそれらのホモログである。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はZscan4aタンパク質、Zscan4bタンパク質、Zscan4cタンパク質、Zscan4dタンパク質、Zscan4eタンパク質、及びZscan4fタンパク質から選択される。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質は配列番号11〜20及び31〜40から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はヒトZSCAN4タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質は配列番号17に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はZscan4−ERT2融合タンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4タンパク質はZscan4−ΔCタンパク質である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質はマウスZscan4タンパク質、ヒトZSCAN4タンパク質、又はそれらのホモログを含み、前記Zscan4タンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質はZscan4aタンパク質、Zscan4bタンパク質、Zscan4cタンパク質、Zscan4dタンパク質、Zscan4eタンパク質、及びZscan4fタンパク質から選択されるZscan4タンパク質を含み、前記Zscan4タンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記Zscan4−ΔCタンパク質はヒトZSCAN4タンパク質を含み、前記Zscan4タンパク質は少なくとも1つのジンクフィンガードメインの欠失を含む。前述の実施形態のいずれかと組み合わせてよい幾つかの実施形態では、前記薬剤はレチノイド、酸化ストレスを誘発する薬剤、又はそれらの両方である。

0092

本開示の前述及び他の課題及び特徴は、添付図面に関連して続く次の詳細な説明からさらに明らかになる。

図面の簡単な説明

0093

図1は、hZSCAN4−mRNAで形質移入されたマウスES細胞における染色体異常の修正を示す図である。図1Aは、実験手順を示している。図1Bは、hZSCAN4 mRNAで形質移入された正倍数体マウスES細胞のパーセントを示している。
図2は、mZscan4又はhZSCAN4を発現するセンダイウイルスベクターを感染させたマウスES細胞における染色体異常の修正を示す図である。図2Aは、SeVmZscan4又はSeVhZSCAN4を感染させた正倍数体マウスES細胞のパーセントを示している。図2Bは、SeVmZERT2又はSeVhZERT2を感染させた正倍数体マウスES細胞のパーセントを示している。
図3は、mZscan4又はhZSCAN4を発現する温度感受性センダイウイルスベクターを感染させたマウスES細胞における染色体異常の修正を示す図である。図3Aは、SeVmZscan4−TS15又はSeVhZSCAN4−TS15を感染させ、続いて35℃で3日間培養された正倍数体マウスES細胞のパーセントを示している。図3Bは、SeVmZscan4−TS15又はSeVhZSCAN4−TS15を感染させ、続いて35℃で6日間培養された正倍数体マウスES細胞のパーセントを示している。図3Cは、SeVmZscan4−TS15又はSeVhZSCAN4−TS15を感染させ、続いて35℃で3日間培養され、その後に37℃で3日間培養された正倍数体マウスES細胞のパーセントを示している。
図4は、マウスES細胞に対するZscan4生物製剤の効果を示す図である。図4Aは、hZSCAN4 mRNAを用いるマウスES細胞の形質移入の効果を示している。図4Bは、Zscan4を発現するセンダイウイルスベクターによるマウスES細胞の感染の効果を示している。図4Cは、mZscan4又はhZSCAN4を発現する温度感受性センダイウイルスベクターによるマウスES細胞の感染の効果を示している。
図5は、ヒトiPS細胞に対するZscan4生物製剤の効果を示す図である。図5Aは、Zscan4 mRNAを用いるヒトiPS細胞の形質移入の効果を示している。図5Bは、Zscan4を発現するセンダイウイルスベクターによるヒトiPS細胞の感染の効果を示している。図5Cは、mZscan4又はhZSCAN4を発現する温度感受性センダイウイルスベクターによるヒトiPS細胞の感染の効果を示している。
図6は、hZSCAN4 mRNA又はGFPmRNAで形質移入されたDKC患者由来ヒト線維芽細胞の増殖アッセイの結果を示す図である。
図7Aは、SeVhZScan4を感染させたDKC患者由来ヒト線維芽細胞の増殖アッセイの結果を示す図である。図7Bは、SeVhZScan4を感染させたDKC患者由来ヒト線維芽細胞の細胞形態を表す顕微鏡写真を示す図である。
図8Aは、実験手順を示す図である。図8Bは、hZSCAN4 mRNA又はGFP mRNAで形質移入されたDKC患者由来ヒト線維芽細胞のテロメア長アッセイの結果を示す図である。
図9は、hZSCAN4 mRNA又はGFP mRNAで形質移入されたウェルナー症候群(WS)患者の線維芽細胞の増殖アッセイの結果を示す図である。
図10は、Zscan4を使用する例となる治療スキームを示す図である。
図11は、ヒトZSCAN4の過剰発現が正常なヒト成体線維芽細胞においてテロメア長を増加させることを表す棒グラフを示す図である。「N」は複製実験の回数を表す。
図12は、ヒトZSCAN4の過剰発現がファンコーニ貧血相補群Aを有する患者より単離されたヒト線維芽細胞においてテロメア長を増加させることを表す棒グラフを示す図である。「N」は複製実験の回数を表す。
図13は、hZSCAN4 mRNA、mZscan4 mRNA、又はGFP mRNAで形質移入されたヒト成体皮膚線維芽細胞(HDFa)の増殖アッセイの結果を示す図である。図13Aは、hZSCAN4 mRNA又はGFP mRNAで形質移入され、およそ50日間培養されたHDFa細胞の増殖アッセイの結果を示している。図13Bは、hZSCAN4 mRNA又はGFP mRNAで形質移入され、およそ30日間培養されたHDFa細胞の増殖アッセイの結果を示している。図13Cは、mZscan4 mRNA、hZSCAN4 mRNA、又はGFP mRNAで形質移入され、およそ20日間培養されたHDFa細胞の増殖アッセイの結果を示している。
図14は、マウスZscan4又はヒトZSCAN4を発現する温度感受性センダイウイルスベクターを感染させたヒト間葉系幹(MS)細胞におけるテロメア長の延長の結果を示す図である。
図15は、分化細胞と組織幹細胞に対するZscan4生物製剤の効果を示す図である。
図16は、hZSCAN4 mRNAで形質移入されたダウン症患者の線維芽細胞(DS細胞)に由来する21番染色体の倍数性の数を示す図である。図16Aは、FISH分析の典型的な結果を示している。3つのドットは21番染色体トリソミーを示しており、2つのドットは正常な二倍体の21番染色体を示している。図16Bは、hZSCAN4 mRNAで1回形質移入されたDS細胞を示している。図16Cは、hZSCAN4 mRNAで2回形質移入されたDS細胞を示している。図において「n」は調査した細胞核の数を表している。
図17Aは、実験手順を示す図である。図17Bは、SeVhZSCAN4−TS15を1回感染させ、続いてSeVhZSCAN4を2回感染させたダウン症患者の線維芽細胞(DS細胞)に由来する21番染色体の倍数性を示す図である。図17Cは、SeVhZSCAN4−TS15を1回感染させ、続いてSeVhZSCAN4を4回感染させたダウン症患者の線維芽細胞(DS細胞)に由来する21番染色体の倍数性を示す図である。
図18は、マウスZscan4又はヒトZSCAN4を使用する若返りのための、及び/又はヒト卵母細胞、ヒト受精卵母細胞、及びヒト着床前胚における染色体異常の修正のための例となる治療スキームを示す図である。
図19は、SeVmZscan4−TS15又はSeVhZSCAN4−TS15のどちらかを感染させたHCT116癌細胞の細胞増殖の抑制を示す図である。

0094

詳細な説明
概観
上で考察されたように、マウス胚性幹細胞におけるマウスZscan4の発現がテロメア伸長と関連することがこれまでに示されている。マウスゲノムが6種類のZscan4遺伝子と3種類のZscan4偽遺伝子を含み、一方でヒトゲノムが1種類のZscan4遺伝子を含むだけであることを考慮すると、当業者はマウス細胞におけるZscan4発現の結果からヒト細胞における結果を推定することはできなかっただろう。しかしながら、下の実施例8において開示されるように、申請者は完全に分化したヒト成体線維芽細胞におけるヒトZSCAN4の発現によってそれらの線維芽細胞においてテロメア長が約40%増加することを初めて示した。また、申請者はファンコーニ貧血を有する患者より単離されたヒト線維芽細胞におけるZscan4の発現によってそれらの線維芽細胞においてテロメア長が約160%増加することを示した。Zscan4発現はファンコーニ貧血を有する患者より単離されたヒト線維芽細胞においてテロメア長を増加させるのにそれだけで充分であることが示されたので、これらの結果は驚くべきことにZscan4はテロメア伸長の下流作用因子というよりもむしろ上流エフェクターであることを示している。したがって、細胞におけるZscan4の発現活性化又は発現上昇はファンコーニ貧血又は他のあらゆるテロメア短縮に関連する疾患又は健康状態の有効な治療法であり得る。さらに、下の実施例15において開示されるように、申請者はZscan4発現がゲノム安定性を単に促進するだけではないことも初めて示した。21番染色体トリソミーを有するヒト線維芽細胞集団におけるZscan4発現によってそれらの細胞のおよそ55%において21番染色体トリソミー異常の修正が誘導される。よって、Zscan4の発現活性化又は発現上昇を用いて細胞内の異数性を治療することができ、並びに、若返りによって、及び/又は卵母細胞及び受精卵母細胞における染色体異常、例えば、異数性の修正によって高齢の女性において体外受精(IVF)の成功率を上昇させることができ、妊娠の成功を増加させることができる。

0095

以上より、本開示の方法は概してテロメア長を増加させるため、及び/又はゲノム安定性を向上させるためにヒト細胞においてZscan4の発現(例えば、Zscan4タンパク質発現)を上昇させることに関する。本開示の様々な態様は1つ以上のヒト細胞におけるテロメア長の増加、テロメア延長を必要とする対象の処置、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態の治療、染色体異常に関連する疾患又は健康状態の治療、1つ以上のヒト細胞のゲノム安定性の向上、1つ以上のヒト細胞の若返り、対象内の組織又は器官の若返り、及び若返りを必要とする対象の若返りに関する。

0096

1つの態様では本開示は、1つ以上のヒト細胞においてテロメア長を増加させる方法であって、前記ヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長が誘導される前記方法に関する。

0097

別の態様では本開示は、テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導する前記方法に関する。

0098

別の態様では本開示は、テロメア延長を必要とする対象を処置する方法であって、(i)前記対象よりテロメア延長を必要とする1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与することを含む前記方法に関する。

0099

別の態様では本開示は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0100

別の態様では本開示は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む前記方法に関する。

0101

別の態様では本開示は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0102

別の態様では本開示は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記染色体異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0103

別の態様では本開示は、核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記核型異常の修正を誘導して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療する前記方法に関する。

0104

別の態様では本開示は、核型異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)核型異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において前記核型異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して核型異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することによる前記方法に関する。

0105

別の態様では本開示は、癌を治療する方法であって、治療を必要とする対象中の1つ以上の癌細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上の癌細胞の増殖を抑制することで前記癌を治療する前記方法に関する。

0106

別の態様では本開示は、癌患者における化学療法に対する応答性を改善する方法であって、応答性の改善を必要とする対象に前記対象中の1つ以上の癌幹細胞における内在性ZSCAN4の発現を低下させる薬剤を投与することによる方法であり、内在性ZSCAN4の発現低下によって前記1つ以上の癌幹細胞における1つ以上の化学療法剤に対する抵抗性を低下させ、又は除去し、それによって前記対象において前記1つ以上の化学療法剤に対する応答性を改善する前記方法に関する。

0107

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト細胞のゲノム安定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞においてゲノム安定性が向上する前記方法に関する。

0108

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト細胞のDNA修復能を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞におけるDNA修復能が向上する前記方法に関する。

0109

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることを含み、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞が若返る前記方法に関する。

0110

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性を提供する方法であって、前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞において1種類以上の遺伝毒性物質に対する抵抗性が上昇する前記方法に関する。

0111

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト人工多能性幹(iPS)細胞においてヒト胚性幹細胞様DNAメチル化パターンを誘導するための方法であって、前記1つ以上のヒトiPS細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒトiPS細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒトiPS細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒトiPS細胞においてヒト胚性幹細胞様DNAメチル化パターンが誘導される前記方法に関する。

0112

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト卵母細胞を若返らせる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞が若返る前記方法に関する。

0113

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト卵母細胞のゲノム安定性を向上させる方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞におけるゲノム安定性が向上する前記方法に関する。

0114

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト卵母細胞において1つ以上の核型異常を修正する方法であって、前記1つ以上のヒト卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される前記方法に関する。

0115

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト受精卵母細胞のゲノム安定性を向上させるインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてゲノム安定性が向上する前記方法に関する。

0116

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト受精卵母細胞における1つ以上の核型異常を修正するインビトロ方法であって、前記1つ以上のヒト受精卵母細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト受精卵母細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト受精卵母細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト受精卵母細胞において前記1つ以上の核型異常の修正が誘導される前記方法に関する。

0117

別の態様では本開示は、テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)テロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞においてテロメア延長を誘導すること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植してテロメア異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む前記方法に関する。

0118

別の態様では本開示は、染色体異常に関連する疾患又は健康状態を治療する方法であって、(i)染色体異常に関連する疾患又は健康状態を患う対象よりヒト骨髄細胞を単離すること、(ii)前記ヒト骨髄細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記ヒト骨髄細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記ヒト骨髄細胞において前記染色体異常の修正を誘導すること、及び(iii)前記接触済みヒト骨髄細胞を前記対象に移植して染色体異常に関連する前記疾患又は健康状態を治療することを含む前記方法に関する。

0119

別の態様では本開示は、対象内の組織又は器官を若返らせる方法であって、組織又は器官の若返りを必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官を若返らせる前記方法に関する。

0120

別の態様では本開示は、若返りを必要とする対象を若返らせる方法であって、前記対象にZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することを含み、Zscan4の発現上昇によって前記対象を若返らせる前記方法に関する。

0121

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト細胞の寿命を延長する方法であって、前記対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させることによる方法であり、前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞と比較するとZscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命が延長される、前記方法に関する。

0122

別の態様では本開示は、対象内の組織又は器官の寿命を延長する方法であって、組織又は器官の寿命の延長を必要とする対象に前記組織又は器官においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記組織又は器官の寿命を延長する前記方法に関する。

0123

別の態様では本開示は、対象の寿命を延長する方法であって、寿命の延長を必要とする対象中の1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤を前記対象に投与することによる方法であり、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長し、それによって前記対象の寿命を延長する前記方法に関する。

0124

別の態様では本開示は、対象の寿命を延長する方法であって、(i)前記対象より1つ以上のヒト細胞を単離すること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させ、Zscan4の発現上昇によって前記1つ以上のヒト細胞の寿命を延長すること、及び(iii)前記接触済みの1つ以上のヒト細胞を前記対象に投与して前記対象の寿命を延長することによる前記方法に関する。

0125

別の態様では本開示は、1つ以上のヒト細胞において1つ以上のZscan4誘導性作用を測定するための方法であって、(i)1つ以上のヒト細胞においてZscan4の発現を上昇させる薬剤と前記1つ以上のヒト細胞を接触させること、(ii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを測定すること、及び(iii)前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルを前記薬剤と接触していない1つ以上の対応するヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルと比較し、前記1つ以上のヒト細胞におけるSERPINB4、DNMT3L、及び/又はDUX4の発現レベルの上昇によって前記1つ以上のヒト細胞における1つ以上のZscan4誘導性作用の存在を示すことによる前記方法に関する。

0126

Zscan4
ジンクフィンガー及びSCANドメイン含有4 (Zinc finger and SCAN domain containing 4)(Zscan4)遺伝子は2細胞期特異的発現及びES細胞特異的発現を示すものとしてこれまでに特定された一群の遺伝子を表す(PCT出願国際公開第2008/118957号)。Zscan4遺伝子は、大規模cDNAシーケンシングプロジェクト(Koら、Development誌、第127巻:1737〜1749頁、2000年;Sharovら、PLoS Biol誌、第1巻:E74、2003年)とDNAマイクロアレイ分析(Hamataniら、Dev Cell誌、第6巻:117〜131頁、2004年)を用いるマウス胚の全ての着床前期の発現プロファイリングによって特定された。マウスでは「Zscan4」という用語は3種類の偽遺伝子(Zscan4−ps1、Zscan4−ps2及びZscan4−ps3)と6種類の発現遺伝子(Zscan4a、Zscan4b、Zscan4c、Zscan4d、Zscan4e及びZscan4f)を含む一団の遺伝子を指す。それらの6種類のパラログの中でZscan4c、Zscan4d、及びZscan4fのオープンリーディングフレームは、タンパク質間相互作用に介在すると予測されているSCANドメイン並びにそれらのパラログの転写因子としての潜在的役割示唆する4つのジンクフィンガードメインをコードしている。マウスと対照的にヒトゲノムはたった1コピーのZscan4を含む。Zscan4はZscan4ポリペプチドを指すことができ、Zscan4はそれらのZscan4ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを指すことができる。

0127

Zscan4(ジンクフィンガー及びスキャンドメイン含有タンパク質4)は、マウスでは2細胞期胚とES細胞に特異的に発現し(Falcoら、Dev Biol第307巻:539〜550頁、2007年)、ES細胞におけるゲノム安定性と正常核型の維持に必要である(Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年)ことが近年示された。未分化ES細胞のうちのわずかな割合(約1%から約5%)だけが所与の期間にZscan4を発現するが(Falcoら、Dev Biol第307巻:539〜550頁、2007年)、基本的に培養されているES細胞の全てが9回の継代以内に一時的なZscan4+状態を経験する(Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年)。Zscan4が短鎖ヘアピンRNA(shRNA)介在性抑制を受けると、約8継代後にES細胞は大規模な核型劣化を経験する。マウスES細胞のZscan4+状態がテロメア延長と関連することも先行研究によって示されている(Zalzmanら、Nature誌、第464巻:858〜863頁、2010年)。ES細胞は培養中にそれらの細胞のゲノム完全性を維持する最も高い能力を有するが、ES細胞であっても長期培養中には徐々にそれらの細胞の発生能を失うことも広く認識されている。テロメアは真核生物染色体の末端である、染色体の複製と安定性に関与する特別な構造体を指すことができる。テロメアは短いDNA配列の特定の方向の多数の反復を含む。テロメア機能は染色体末端の保護を含み、それによって染色体が連結して終わることがなく、(テロメラーゼによる)染色体の最末端の複製を可能にする。染色体の末端部のテロメアDNAの反復回数は年齢と共に減少する。

0128

マウスES細胞における3日間のマウスZscan4の強制発現によってテロメアの平均長がおよそ40kbという標準的な長さからおよそ66kbにまで増加することもこれまでに示されている(Zalzmanら、2010)。このことはZscan4だけでテロメア長を効率的及び急激に増加させることができることを示している。しかしながら、Zscan4が成体幹細胞及び体細胞などのヒト非胚性細胞でテロメア長を増加させることができるかは不明である。

0129

ヒト細胞
本開示のある特定の態様は1つ以上のヒト細胞においてZscan4発現(例えば、Zscan4タンパク質発現)を増加させる薬剤を利用することによる、限定されないが、ヒト成体細胞をはじめとする1つ以上のヒト細胞におけるテロメア長の増加に関する。ある特定の実施形態では前記1つ以上のヒト細胞はテロメア延長を必要とする対象、又はテロメア異常に関連する疾患又は健康状態を患っている対象、又はテロメア異常に関連する疾患又は健康状態を有していると診断された対象の中の細胞である。

0130

様々なヒト細胞が本明細書に記載される方法において有用である。本明細書において開示されるように、「ヒト細胞」という用語は胚発生中及び胚発生後にヒトの身体に見出されるあらゆる細胞、例えば、ヒト胚細胞幹細胞多能性細胞、分化細胞、成熟細胞、体細胞、及び成体細胞を指す。幾つかの実施形態では本開示のヒト細胞はヒト成体細胞である。本明細書において開示されるように、「ヒト成体細胞」という用語は胚発生後にヒトの身体に見出されるあらゆる細胞(すなわち、非胚細胞)を指す。本開示のヒト細胞には、限定されないが、精細胞、卵母細胞、受精卵母細胞(すなわち、接合子)、胚細胞、成熟細胞、分化細胞、体細胞、始原細胞、胚性幹(ES)細胞、人工多能性幹(iPS)細胞、成体幹細胞、体性幹細胞、及び組織幹細胞が含まれる。成体幹細胞は体性幹細胞又は組織幹細胞としても知られており、胚発生後の身体に見出される未分化細胞を指すことができ、細胞分裂によって増殖して死細胞を補充し、且つ、損傷組織を再生する。始原細胞は特定の種類の細胞又は細胞系譜に分化する少能性細胞又は単能性細胞を指すことができる。始原細胞は幹細胞に類似しているがさらに分化しており、且つ、限られた自己複製を示す。例となる成体幹細胞、組織幹細胞、及び/又は始原細胞には、限定されないが、造血幹細胞、間葉系幹細胞、脂肪幹細胞、神経幹細胞、腸管幹細胞、皮膚幹細胞、及び生殖細胞(例えば、精細胞及び卵母細胞)が含まれ得る。

0131

ヒト細胞は、限定されないが、体細胞、成熟細胞、及び分化細胞を含んでもよい。体細胞は、限定されないが、生殖細胞、組織幹細胞、始原細胞、人工多能性幹(iPS)細胞、及び分化細胞をはじめとする身体のあらゆる細胞を指すことができる。例となる体細胞、成熟細胞、及び/又は分化細胞には、限定されないが、表皮細胞、線維芽細胞、リンパ球、肝細胞、上皮細胞、筋細胞、軟骨細胞、骨細胞、脂肪細胞、心筋細胞、膵臓β細胞、ケラチノサイト、赤血球、末梢血液細胞、骨髄細胞、神経細胞、星状細胞、及び生殖細胞が含まれ得る。生殖細胞は有性生殖を行う生物の配偶子(すなわち、精子)を生じる細胞を指すことができる。ある特定の実施形態では生殖細胞には、限定されないが、卵母細胞及び精細胞が含まれる。幾つかの実施形態では本開示の体細胞、成熟細胞、及び/又は分化細胞は、限定されないが、着床前胚も含む。

0132

Zscan4の発現を上昇させる薬剤
本開示のある特定の態様はヒト細胞においてテロメア長を増加させるための前記ヒト細胞におけるZscan4発現(例えば、Zscan4タンパク質発現)を増加させる薬剤の利用に関する。薬剤はあらゆる核酸分子、タンパク質、化合物、小分子、有機化合物無機化合物、又は目的の他の分子を指すことができる。幾つかの実施形態ではその薬剤は、内在性Zscan4遺伝子(あらゆる上流調節性配列又は下流調節性配列を含む)との直接的相互作用又はZscan4発現の誘導を引き起こす遺伝子及び/又はタンパク質との相互作用のどちらかによってZscan4の発現を上昇させるあらゆる薬剤である。幾つかの実施形態ではその薬剤は、限定されないが、合成mRNA及び、限定されないが、センダイウイルスベクターなどのウイルスベクターをはじめとする発現ベクターを含むZscan4をコードする核酸分子であり得る。他の実施形態ではその薬剤は、Zscan4タンパク質又はZscan4−ΔCなどのZscan4タンパク質の機能部分を含むポリペプチドであり得る。幾つかの実施形態ではその薬剤はレチノイド、又は酸化ストレスを誘発する薬剤であり得る。

0133

幾つかの実施形態ではヒト細胞においてZscan4発現(例えば、Zscan4タンパク質発現)を上昇させる本開示の薬剤はZscan4発現を一時的に上昇させる。例えば、ヒト細胞においてZscan4発現を上昇させる本開示の薬剤はZscan4発現を約1時間から約23時間にわたって(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、又は約23時間にわたって)、又は約1日から約10日にわたって(例えば、約1日間、約1.25日間、約1.5日間、約1.75日間、約2日間、約2.25日間、約2.5日間、約2.75日間、約3日間、約3.25日間、約3.5日間、約3.75日間、約4日間、約4.25日間、約4.5日間、約4.75日間、約5日間、約6.25日間、約6.5日間、約6.75日間、約7日間、約7.25日間、約7.5日間、約7.75日間、約8日間、約8.25日間、約8.5日間、約8.75日間、約9日間、約9.25日間、約9.5日間、約9.75日間、又は約10日間にわたって)上昇させることができる。

0134

幾つかの実施形態ではヒト細胞における上昇したZscan4発現(例えば、Zscan4タンパク質発現)の開示される有益な効果はZscan4発現の反復的一時的上昇によって増強され得る。よって、ある特定の実施形態ではヒト細胞においてZscan4発現(例えば、Zscan4タンパク質発現)を上昇させる本開示の薬剤は、4時間毎、8時間毎、12時間毎、16時間毎、24時間毎、32時間毎、40時間毎、48時間毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、1か月毎、2か月毎、3か月毎、4か月毎、6か月毎、7か月毎、8か月毎、9か月毎、10か月毎、11か月毎、1年毎、2年毎、3年毎、4年毎、5年毎、6年毎、7年毎、8年毎、9年毎、10年毎、11年毎、12年毎、13年毎、14年毎、15年毎、16年毎、17年毎、18年毎、19年毎、20年毎、21年毎、22年毎、23年毎、24年毎、25年毎、26年毎、27年毎、28年毎、29年毎、30年毎、35年毎、40年毎、45年毎、又は50年毎の間隔でヒト細胞においてZscan4発現を反復的に上昇させるために使用され得る。

0135

本明細書において開示されるように、ヒト細胞は概してZSCANタンパク質をあまり発現しない。したがって、Zscan4発現を上昇させる本開示の薬剤は処理細胞におけるZscan4タンパク質発現を上昇させる。幾つかの実施形態ではZscan4発現を上昇させる本開示の薬剤を用いるヒト細胞の処理によってZscan4タンパク質発現が少なくとも1.5倍から少なくとも1,000,000倍上昇し得る。

0136

以上より、ある特定の実施形態ではヒト細胞においてZscan4発現を上昇させる本開示の薬剤は例えば前記薬剤と接触していないヒト細胞におけるZscan4タンパク質発現と比べてZscan4タンパク質発現を少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.15倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.25倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.35倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.45倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.55倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6.0倍、少なくとも6.5倍、少なくとも7.0倍、少なくとも7.5倍、少なくとも8.0倍、少なくとも8.5倍、少なくとも9.0倍、少なくとも9.5倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも300倍、少なくとも400倍、少なくとも500倍、少なくとも600倍、少なくとも700倍、少なくとも800倍、少なくとも900倍、少なくとも1,000倍、少なくとも2,000倍、少なくとも3,000倍、少なくとも4,000倍、少なくとも5,000倍、少なくとも6,000倍、少なくとも7,000倍、少なくとも8,000倍、少なくとも9,000倍、少なくとも10,000倍、少なくとも25,000倍、少なくとも50,000倍、少なくとも75,000倍、少なくとも100,000倍、少なくとも125,000倍、少なくとも150,000倍、少なくとも175,000倍、少なくとも200,000倍、少なくとも225,000倍、少なくとも250,000倍、少なくとも275,000倍、少なくとも300,000倍、少なくとも325,000倍、少なくとも350,000倍、少なくとも375,000倍、少なくとも400,000倍、少なくとも425,000倍、少なくとも450,000倍、少なくとも475,000倍、少なくとも500,000倍、少なくとも525,000倍、少なくとも550,000倍、少なくとも575,000倍、少なくとも600,000倍、少なくとも625,000倍、少なくとも650,000倍、少なくとも675,000倍、少なくとも700,000倍、少なくとも725,000倍、少なくとも750,000倍、少なくとも775,000倍、少なくとも800,000倍、少なくとも825,000倍、少なくとも850,000倍、少なくとも875,000倍、少なくとも900,000倍、少なくとも925,000倍、少なくとも950,000倍、少なくとも975,000倍、又は少なくとも1,000,000倍上昇させる。

0137

細胞中のZscan4タンパク質発現を測定するための、又は細胞あたりのタンパク質数(すなわち、タンパク質化学量論)を定量するための当技術分野において知られており、且つ、本明細書において開示されるあらゆる方法を用いることができる。幾つかの実施形態では前記薬剤で処置された細胞集団又は対象の全ての細胞がその薬剤によって影響を受けるわけではない。例えば、前記薬剤がZscan4を発現するウイルスベクターである実施形態では、そのウイルスベクターは処理細胞集団又は処置対象の全ての細胞に感染しなくてもよい。したがって、Zscan4タンパク質発現の「上昇倍率」は、本明細書において使用される場合、前記薬剤によって影響を受けている処理細胞集団又は処置対象の細胞におけるZscan4タンパク質発現上昇の平均を指す。例えば、前記薬剤がウイルスベクターである実施形態では、Zscan4タンパク質発現の上昇倍率は処理細胞集団又は処置対象の感染細胞におけるZscan4タンパク質発現上昇の平均を指すことができる。

0138

Zscan4ポリヌクレオチド
幾つかの実施形態では、Zscan4の発現を上昇させる本開示の薬剤は、Zscan4タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子である。ポリヌクレオチドはあらゆる長さの核酸配列(例えば、直鎖状配列)を指すことができる。したがって、ポリヌクレオチドはオリゴヌクレオチドを含み、且つ、染色体中に見出される遺伝子配列も含む。オリゴヌクレオチドは本来のホスホジエステル結合によって結合した複数の連結ヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは6ヌクレオチドと300ヌクレオチドの間の長さのポリヌクレオチドである。オリゴヌクレオチド類似体はオリゴヌクレオチドと同様に機能するが、非天然部分を有する部分を指す。例えば、オリゴヌクレオチド類似体は非天然部分、変化した糖部分又は糖間結合、例えば、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドを含み得る。天然ポリヌクレオチドの機能類似体はRNA又はDNAに結合することができ、且つ、ペプチド核酸(PNA)分子を含む。

0139

Zscan4ポリペプチドをコードする核酸分子をZscan4ポリヌクレオチド又はZscan4核酸分子と呼ぶ。これらのポリヌクレオチドはDNA配列、cDNA配列、及びmRNA配列などのRNA配列を含み、それらの配列はZscan4をコードする。Zscan4ポリペプチドをコードする全てのポリヌクレオチドもゲノム安定性又はテロメア長を調節する能力などの認められているZscan4活性を有するポリペプチドをコードする限り本明細書に含まれることが理解される。ゲノム安定性は、DNAを忠実に複製し、且つ、DNA複製機構の完全性を維持する細胞の能力を指すことができる。長いテロメアは細胞老化に対する緩衝を提供し、且つ、ゲノム安定性と全体的な細胞健常性を概ね示すと考えられる。染色体安定性(例えば、突然変異がほとんど無いこと、染色体再構成が無いこと、又は染色体数の変化が無いこと)もゲノム安定性と関連する。ゲノム安定性の喪失は癌、神経障害及び早期老化と関連する。ゲノム不安定性の兆候突然変異率の上昇、大規模染色体再構成、染色体数の変化、及びテロメア短縮を含む。

0140

Zscan4核酸配列はこれまでに当技術分野において記載されている(例えば、その開示が参照により本明細書に援用される国際公開第2008/118957号;Falcoら、Dev. Biol.誌、第307巻(第2号):539〜550頁、2007年;及びCarterら、Gene Expr. Patterns.誌、第8巻(第3号):181〜198頁、2008年を参照のこと)。Zscan4核酸は、限定されないが、2細胞胚期特異的発現又はES細胞特異的発現を示すマウスZscan4遺伝子のグループ(Zscan4a、Zscan4b、Zscan4c、Zscan4d、Zscan4e及びZscan4fを含む)のいずれか1つ、ヒトZSCAN4オルソログ、又は他のあらゆる種のZscan4オルソログを含み得る。

0141

本明細書において開示されるように、マウスZscan4a遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号1に示されており、マウスZscan4b遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号2に示されており、マウスZscan4c遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号3に示されており、マウスZscan4d遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号4に示されており、マウスZscan4e遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号5に示されており、マウスZscan4f遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号6に示されている。さらに、ヒトZSCAN4遺伝子のヌクレオチド配列は配列番号7に示されている。

0142

イヌZscan4(GenBank受け入れ番号XM.sub.−−541370.2及びXM.sub.−−848557.1;配列番号8)、ウシZscan4(GenBank受け入れ番号XM.sub.−−001789250.1;配列番号9)、ウマZscan4(GenBank受け入れ番号XM.sub.−−001493944.1;配列番号10)、ゴリラZscan4(UniProt受け入れ番号A1YEQ9のヌクレオチド配列;配列番号21)、ボノボZscan4(UniProt受け入れ番号A1YFX5のヌクレオチド配列;配列番号22)、ボルネオオランウータンZscan4(UniProt受け入れ番号A2T7G6のヌクレオチド配列;配列番号23)、スマトラオランウータン(UniProt受け入れ番号H2P0E3のヌクレオチド配列;配列番号24)、パンダZscan4(UniProt受け入れ番号G1LE29のヌクレオチド配列;配列番号25)、ブタZscan4(UniProt受け入れ番号F1SCQ2のヌクレオチド配列;配列番号26)、キタホオジロテナガザルZscan4(UniProt受け入れ番号G1RJD4のヌクレオチド配列;配列番号27)、アカゲザルZscan4(UniProt受け入れ番号F7GH55のヌクレオチド配列;配列番号28)、モルモットZscan4(UniProt受け入れ番号H0V5E8のヌクレオチド配列;配列番号29)、及びジュウサンセンリス(UniProt受け入れ番号I3N7T3のヌクレオチド配列;配列番号30)を含む他の種に由来するZscan4核酸配列が公開されている。2009年8月11日のGenBankデータベースに現れるところの上記のGenBank受け入れ番号の各々が参照により本明細書に援用される。2013年3月15日のUniProtデータベースに現れるところの上記のUniProt受け入れ番号の各々が参照により本明細書に援用される。

0143

特定の例では、Zscan4は、マウスZscan4c又はヒトZSCAN4である。Zscan4核酸は、限定されないが、ゲノム安定性を向上させることができる、及び/又はテロメア長を増加させることができるZscan4ポリペプチドをコードするZscan4核酸、又はそれらの核酸のホモログを含み得る。

0144

当業者は分子的技術を使用してZscan4ポリヌクレオチドの断片及び変異体を容易に調製することができる。幾つかの実施形態ではZscan4ポリヌクレオチドの断片はZscan4ポリヌクレオチドの少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、又は少なくとも2000の連続的核酸を含む。幾つかの実施形態ではZscan4の断片は目的の細胞で発現すると、限定されないが、ゲノム安定性の向上及び/又はテロメア長の増加などのZscan4の機能を付与する断片である。

0145

Zscan4ポリヌクレオチド配列のわずかな改変により、本明細書に記載される対照的非改変型ポリヌクレオチドと比較すると実質的に同等の活性を有するペプチドが発現し得る。そのような改変は部位特異的突然変異形成による場合のように計画的であり得、又は自然発生的であり得る。これらの改変によって作り出されるポリヌクレオチドの全てが本明細書に含まれる。

0146

Zscan4ポリヌクレオチドは、ベクターに、自律複製型のプラスミド又はウイルスに、又は原核生物若しくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれている組換えDNA、又は他の配列から独立して別個の分子(例えば、cDNA)として存在する組換えDNAを含み得る。それらのヌクレオチドはリボヌクレオチドデオキシリボヌクレオチド、又はどちらかのヌクレオチドの修飾型であり得る。その用語は一本鎖型及び二本鎖型のDNAを含む。組換え核酸又は組換えポリペプチドは天然で生じたものではない配列を有するもの、又は他の場合であれば分かれている2つの配列断片の人工的な結合によって作成される配列を有するものである。この人工的な結合は多くの場合に化学合成によって、又は核酸単離断片の人工的な操作、例えば、遺伝子操作技術によって達成される。

0147

幾つかの実施形態では本明細書に記載されるZscan4ポリヌクレオチドのいずれかの縮重変異体を本開示の方法において使用してよい。縮重変異体は、Zscan4ポリペプチドなどのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって、遺伝暗号の結果として縮重している配列を含むポリヌクレオチドを指すことができる。20種類の天然アミノ酸が存在し、それらのアミノ酸のほとんどが1種類より多くのコドンによって指定される。したがって、全ての縮重ヌクレオチド配列が、そのヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が変わっていない限り、含まれる。

0148

Zscan4コード配列異種性プロモーターに機能的に連結してそのZscan4コード核酸配列の転写を行わせることができる。プロモーターは核酸の転写を行わせる核酸制御配列を指すことができる。プロモーターは転写開始部位の近傍に必須核酸配列を含む。プロモーターは遠位エンハンサー配列又は遠位リプレッサー配列を含んでもよい。構成的プロモーターは、絶えず活性型であり、且つ、外部シグナル又は外部分子による調節の対象ではないプロモーターである。対照的に、誘導性プロモーターの活性は外部シグナル又は外部分子(例えば、転写因子)によって調節される。第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的関係状態で配置されているときにその第1の核酸配列はその第2の核酸配列に機能的に結合している。例えば、プロモーターがコード配列の転写又は発現に影響を与える場合にそのプロモーターはそのコード配列に機能的に結合している。通常、機能的に結合している核酸配列は連続的であり、2つのタンパク質コード領域を結合することが必要な場合には同じリーディングフレームにある。異種性ポリペプチド又は異種性ポリヌクレオチドは異なる起源又は種に由来するポリペプチド又はポリヌクレオチドを指す。プロモーターは転写開始部位の近傍にある必須核酸配列を含み、例えば、ポリメラーゼII型プロモーターの場合はTATA配列を含む。プロモーターは転写開始部位から数千塩基対もの位置にあり得る遠位エンハンサー配列又は遠位リプレッサー配列を含んでもよい。一例では、前記プロモーターは構成的プロモーター、例えば、CAGプロモーター(Niwaら、Gene誌、第108巻(第2号):193〜9頁、1991年)又はホスホグリセリン酸キナーゼPGK)プロモーターである。幾つかの実施形態では前記プロモーターはテトラサイクリン誘導性プロモーター(Masuiら、Nucleic AcidsRes.誌、第33巻:e43、2005年)などの誘導性プロモーターである。Zscan4発現を行わせるために使用され得る他の例となるプロモーターにはlacシステム、trpシステム、tacシステム、trcシステム、ラムダファージの主要オペレーター領域及びプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、SV40初期プロモーター及び後期プロモーターポリオーマウイルスアデノウイルスレトロウイルスバキュロウイルス及びシミアンウイルス由来のプロモーター;3−ホスホグリセリン酸キナーゼのプロモーター、酵母ホスファターゼのプロモーター、及び酵母α交配因子のプロモーターが含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態ではZscan4本来のプロモーターが使用される。本開示のZscan4ポリヌクレオチドは構成的プロモーター、誘導性プロモーター、又は本明細書に記載される他のあらゆる適切なプロモーター、又は当業者によって容易に認識される他の適切なプロモーターの制御下にあり得る。

0149

2つ以上の核酸配列、又は2つ以上のアミノ酸配列の間の同一性類似性はそれらの配列の間の同一性又は類似性の見地から表される。配列同一性をパーセンテージ同一性の見地から測定することができ、そのパーセンテージが高いほどそれらの配列が同一である。配列類似性を(保存的アミノ酸置換を考慮する)パーセンテージ類似性の見地から測定することができ、そのパーセンテージが高いほどそれらの配列が類似している。核酸配列又はアミノ酸配列のホモログ又はオルソログは標準的方法を用いて整列させられると比較的に高い程度の配列同一性/類似性を有する。それらのオルソロガスなタンパク質又はcDNAがより遠い類縁関係の種(例えば、ヒト配列エレガンス線虫配列)と比較してより近い類縁関係の種(例えば、ヒト配列とマウス配列)に由来する場合にこの相同性はより有意である。

0150

2つ以上の配列(例えば、核酸配列又はアミノ酸配列)という文脈の中の「同一である」又はパーセント「同一性」という用語は同一である2つ以上の配列又は亜配列を指すことができる。2つの配列が後続配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、又は手作業アラインメント目視検査によって評価される場合に比較ウィンドウ又は指定領域にわたる最大の対応性を求めてそれらの配列が比較及び整列させられるとき、それらの2つの配列が同一であるアミノ酸残基又はヌクレオチドの指定されたパーセンテージ(すなわち、指定領域にわたる、又は、指定されていないときは配列全体にわたる29%の同一性、所望により30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有する場合にそれらの2つの配列は実質的に同一である。

0151

列比較のために典型的には1つの配列が基準配列の役を務め、その基準配列に対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを使用するときは試験配列と基準配列をコンピューターに入力し、亜配列座標を指定し、必要であれば配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。初期プログラムパラメーターを使用することができ、又は代替パラメーターを指定することができる。その後に配列比較アルゴリズムがプログラムパラメーターに基づいて基準配列と比べた試験配列のパーセント配列同一性を計算する。同一性について2つの配列を比較するときにはそれらの配列が連続的である必要はないが、全体のパーセント同一性を低下させることになるペナルティーがあらゆるギャップに付随する。blastpについて、初期パラメーターはギャップ・オープニングペナルティー=11とギャップ・エクステンションペナルティー=1である。blastnについて、初期パラメーターはギャップ・オープニングペナルティー=5とギャップ・エクステンションペナルティー=2である。

0152

比較ウィンドウは、限定されないが、20から600まで、一般的には約50から約200まで、より一般的には約100から約150までをはじめとする連続的位置数のいずれか1つのセグメントに対する照合を含んでよく、その比較ウィンドウ内で配列と基準配列の2つの配列を最適な状態に整列させた後に同じ連続的位置数のその基準配列に対してその配列を比較することができる。比較のための配列アラインメント方法が当技術分野においてよく知られている。比較のための最適な配列アラインメントは、例えば、Smith及びWatermanの局所的相同性アルゴリズム(1981年)によって、Needleman及びWunsch(1970年)J Mol Biol誌、第48巻(第3号):443〜453頁の相同性整列アルゴリズムによって、Pearson及びLipman(1988年)Proc Natl Acad Sci USA誌、第85巻(第8号):2444〜2448頁の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズム(ウィスコシン・ジェネティクスソフトウェアパッケージ中のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA、ジェネティクス・コンピューター・グループ、575サイエンスドライブ、マディソン、ウィスコンシン州)のコンピューター化実行によって、又は手作業のアラインメントと目視検査[例えば、Brentら、(2003年)Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons社(Ringbou編)を参照のこと]によって実施され得る。

0153

パーセント配列同一性と配列類似性の決定に適切なアルゴリズムの2つの例はBLASTアルゴリズムとBLAST2.0アルゴリズムであり、それらのアルゴリズムはそれぞれAltschulら(1997年)Nucleic AcidsRes誌、第25号(第17号):3389〜3402頁、及びAltschulら(1990年)J. Mol Biol誌、第215巻(第3号)403〜410頁に記載されている。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは米国国立バイオテクノロジー情報センターによって公開されている。このアルゴリズムは、クエリ配列内の短いワード長Wであって、データベース配列内の同じ長さのワードと整列させるとある正の値の閾値スコアTと一致するか、又はTを満たすワード長Wを特定することによって高スコア配列ペア(HSP)を最初に特定することを含む。Tは隣接ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、上掲)。これらの初期隣接ワードヒットはそれらの初期隣接ワードヒットを含むより長いHSPを見つけるための検索を開始するための種としての役を務める。それらのワードヒットは累積アラインメント・スコアが増加し得る限りそれぞれの配列に沿って両方向に延ばされる。累積スコアはヌクレオチド配列についてパラメーターM(一致残基対に対するリワード・スコア;常に0より上である)とパラメーターN(ミスマッチ残基に対するペナルティー・スコア;常に0より下である)を使用して計算される。アミノ酸配列については累積スコアを計算するためにスコアリングマトリックスを使用する。各方向でのワードヒットの延伸は累積アラインメント・スコアが累積アラインメント・スコアの最大達成値から量Xだけ下落するときに、1つ以上の負のスコア形成残基アラインメントの蓄積のために累積スコアが0又はそれより下になるときに、又はどちらかの配列の末端に達したときに停止する。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、及びXはアラインメントの感度と速度を決定する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは3のワード長と10の期待値(E)、及び50のBLOSUM62スコアリング・マトリックス[Henikoff及びHenikoff、(1992年)Proc Natl Acad Sci USA誌、第89巻(第22号):10915〜10919頁を参照のこと]アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、及び両鎖の比較を初期設定として使用する。ヌクレオチド配列について、BLASTNプログラムは11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、及び両鎖の比較を初期設定として使用する。

0154

BLASTアルゴリズムは2つの配列の間の類似性の統計分析も実施する(例えば、Karlin及びAltschul、(1993年)Proc Natl Acad Sci USA誌、第90巻(第12号):5873〜5877頁を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの尺度最小合計確度(P(N))であり、それは2つのヌクレオチド配列又はアミノ酸配列の間での一致が偶然に発生する確率の指標を提供する。例えば、基準核酸に対する試験核酸の比較における最小合計確度が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合にその核酸はその基準配列に類似していると見なされる。

0155

2つの核酸分子が近縁であるという1つの指標は、それらの2つの分子がストリンジェントな条件下で相互にハイブリダイズすることである。高い程度の同一性を示さない核酸配列がそれにもかかわらず遺伝暗号の縮重性のために同一又は類似の(保存的)アミノ酸配列をコードすることがあり得る。全てが実質的に同一のタンパク質をコードする複数の核酸分子を作製するためにこの縮重性を使用して核酸配列を変化させることができる。2つの核酸配列が実質的に同一であるという代わりの(及び、必ずしも重複しない)指標は、第1の核酸がコードするポリペプチドが第2の核酸によってコードされるポリペプチドと免疫学的交差反応することである。

0156

また、2つの核酸配列が実質的に同一であるという1つの指標は、第1のポリペプチドが第2のポリペプチドに対して作製された抗体と免疫学的に交差反応することである。したがって、例えば、2つのペプチドが保存的置換によってのみ異なる場合、そのポリペプチドはその第2のポリペプチドと実質的に同一であることが典型的である。

0157

本開示の様々な態様は単離物質、例えば、単離核酸、又は合成mRNA分子に関する。単離核酸は他の核酸配列から、及びその核酸が天然に生じている生物の細胞から、すなわち、他の染色体及び染色体外DNA及びRNAから実質的に分離又は精製されている。したがって、「単離された」という用語は標準的核酸精製方法によって精製された核酸を包含する。その用語は宿主細胞における組換え発現によって調製された核酸並びに化学的に合成された核酸も包含する。同様に、単離タンパク質はそのタンパク質が天然に生じている生物の細胞の他のタンパク質から実質的に分離又は精製されており、宿主細胞における組換え発現によって調製されたタンパク質並びに化学的に合成されたタンパク質を包含する。同様に、単離細胞は他の細胞種から実質的に分離されている。

0158

以上より、ある特定の実施形態では本開示のポリヌクレオチドは遺伝暗号の結果として縮重している配列を含む。20種類の天然アミノ酸が存在し、それらのアミノ酸のほとんどが1種類より多くのコドンによって指定される。したがって、全ての縮重ヌクレオチド配列が、そのヌクレオチド配列によってコードされるZscan4ポリペプチドのアミノ酸配列が機能的に変わっていない限り、含まれる。Zscan4ポリヌクレオチドは本明細書において開示されるようにZscan4ポリペプチドをコードする。Zscan4ポリペプチドをコードする例となるポリヌクレオチド配列は、例えば、配列番号1〜10及び21〜30のいずれか1つに由来するヌクレオチド配列を含み得る。さらに、ヒトZSCAN4の非ヒトホモログは、そのような非ヒトZscan4ホモログの発現が一時的であり、したがって、ヒト対象において有害免疫原性反応を引き起こさないので、本開示の方法のいずれとも合致してヒト対象においてZscan4発現を上昇させるために使用され得る。

0159

幾つかの実施形態ではZscan4ポリペプチドをコードするZscan4ポリヌクレオチドはヒトZSCAN4ポリヌクレオチド又はそのホモログである。幾つかの実施形態ではZscan4ポリペプチドをコードするZscan4ポリヌクレオチドはマウスZscan4ポリヌクレオチド又はそのホモログである。幾つかの実施形態ではZscan4ポリペプチドをコードするZscan4ポリヌクレオチドはZscan4aポリヌクレオチド、Zscan4bポリヌクレオチド、Zscan4cポリヌクレオチド、Zscan4dポリヌクレオチド、Zscan4eポリヌクレオチド、又はZscan4fポリヌクレオチドである。幾つかの実施形態ではZscan4ポリペプチドをコードするZscan4ポリヌクレオチドはイヌZscan4ポリヌクレオチド、ウシZscan4ポリヌクレオチド、ウマZscan4ポリヌクレオチド、又はそれらのホモログである。幾つかの実施形態ではZscan4ポリペプチドをコードするZscan4ポリヌクレオチドは配列番号1〜10及び21〜30のいずれか1つに由来するヌクレオチド配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む。

0160

ある特定の実施形態ではZscan4ポリペプチドをコードするZscan4ポリヌクレオチドはヒトZSCAN4ポリヌクレオチド又はそのホモログである。幾つかの実施形態ではZscan4ポリペプチドをコードするZscan4ポリヌクレオチドは配列番号7のヌクレオチド配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であるヌクレオチド配列を含む。

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