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課題・解決手段

本発明は、フォンビルブラント因子(VWF)及び第VIII因子共有結合複合体に関し、ここで該複合体は、インビボ延長された半減期を有するように修飾されている。本発明はさらに、複合体を製造する方法、さらには出血事象処置又は予防するための複合体の治療的又は予防的使用に関する。

概要

背景

血液凝固因子欠乏により引き起こされる様々な出血障害がある。最も一般的な障害は血友病A及びBであり、これらはそれぞれ血液凝固VIII因子及び第IX因子の欠乏により生じる。別の公知の出血障害はフォンビルブラント病である。

血漿において、第VIII因子(FVIII)は、大部分がフォン・ビルブラント因子との非共有結合複合体として存在する。プロペプチド切断後の2332までのアミノ酸ポリペプチドである成熟FVIIIは、図1に示されるいくつかのドメインから構成される。凝固におけるFVIIIの機能は、第X因子から第Xa因子への第IXa因子依存性変換を加速することである。FVIIIとフォン・ビルブラント因子との複合体形成に起因して、FVIII及びフォン・ビルブラント因子は同じ分子の2つの機能であると長い間推測された。70年代になってようやく、FVIII及びフォン・ビルブラント因子が生理的条件下複合体を形成する別々の分子であることが明らかになった。80年代には、約0.2nmol/LというFVIIIとフォン・ビルブラント因子との解離定数が決定され(非特許文献1)、そして両方の分子のDNA配列が決定された。

古典的血友病又は血友病Aは遺伝性出血性障害である。これは染色体X連鎖性血液凝固第VIII因子欠損から生じ、そして10,000人あたり1人と2人との間の発生率でほとんど男性のみに影響を及ぼす。X染色体欠損は、それら自体血友病ではない女性キャリアにより伝達される。血友病Aの臨床症状は増加した出血傾向である。第VIII因子濃縮物での処置が導入される以前は、重篤な血友病を有する人物平均寿命は20年未満であった。血漿由来の第VIII因子濃縮物の使用は、平均寿命を広く増加させて血友病患者の状況をかなり改善し、かれらの大部分に事実上通常の生活を送る可能性を与えてきた。しかし、血漿由来濃縮物及びそれらの使用に伴う特定の問題があり、それらのうち最も深刻なものはB型肝炎、非A型非B型肝炎及びHIVを引き起こすウイルスのようなウイルスの伝染であった。しかし、近年、様々なウイルス不活化方法及び新しい高度に精製された第VIII因子濃縮物が開発され、それにより血漿由来第VIII因子に関して非常に高い安全基準確立されてきた。

予防的処置を受けている重篤な血友病A患者において、FVIIIは、約12時間というFVIIIの短い血漿半減期のために週に約3回静脈内(i.v.)投与されなければならない。各i.v.投与は煩雑であり、痛みを伴い、そして特に大部分は過程患者自身により、又は血友病Aと診断された児童両親により行われるので、感染のリスクを伴う。

従って、より少ない頻度で投与されなければならないFVIIIを含有する医薬組成物の製造を可能にする、増加された機能的半減期を有するFVIIIを生成することは非常に望ましいだろう。

細胞受容体との相互作用を減少させることにより(特許文献1、特許文献2)、ポリマーをFVIIIに共有結合で結合することにより(特許文献3、特許文献4及び特許文献5)、FVIIIの封入により(特許文献6)、新しい結合部位の導入により(特許文献7)、ペプチド連結(特許文献8及び特許文献9)若しくはジスルフィド連結(特許文献10)のいずれかによりA2ドメインをA3ドメインに共有結合で結合することにより、又はA1ドメインとA2ドメインとの間のトロンビン切断を防止する変異を導入し、そしてそれ故トロンビン活性化後にA1ドメインをA2ドメインに共有結合で結合したままにすること(特許文献11)のいずれかにより、FVIIIの機能的半減期を延長させるための幾つかの試みがなされた。

FVIII又はフォン・ビルブラント因子の機能的半減期を増強するための別のアプローチは、増加した半減期を有することにより、ペグ化フォン・ビルブラント因子が血漿中に存在するFVIIIの半減期も間接的に増強するであろうということを念頭に置いた、FVIIIのPEG化(特許文献12、特許文献13、特許文献14)又はフォン・ビルブラント因子のPEG化(特許文献15)によるもである。さらに、アルブミン又は免疫グロブリン定常領域Fcのような半減期増強ポリペプチドとのFVIIIの融合タンパク質が記載されている(特許文献16、特許文献17及び特許文献18)。

フォン・ビルブラント病(VWD)の様々な形態において、欠失しているか、機能不全であるか又は減少した量でしか利用可能でないフォン・ビルブラント因子は、哺乳動物の血漿中に存在するマルチマー接着性糖タンパク質であり、多数の生理学的機能を有する。一時止血の間、フォン・ビルブラント因子は、血小板表面上の特定の受容体コラーゲンのような細胞外マトリックスの成分との間のメディエーターとして作用する。さらに、フォン・ビルブラント因子は、プロコアグラント(procoagulant)FVIIIのための担体及び安定化タンパク質として役立つ。フォン・ビルブラント因子は、内皮細胞及び巨核球において2813アミノ酸の前駆体分子として合成される。野生型VWFのアミノ酸配列及びcDNA配列は、非特許文献2に開示される。前駆体ポリペプチドプレ−プロ−フォン・ビルブラント因子は、22残基のシグナルペプチド、741残基のプロペプチド及び成熟血漿フォン・ビルブラント因子において見出される2050残基のポリペプチドからなる(非特許文献3)、プロ−フォン・ビルブラント因子及び成熟フォン・ビルブラント因子モノマー単位については図2も参照のこと。小胞体におけるシグナルペプチドの切断後に、C末端ジスルフィド架橋が、フォン・ビルブラント因子の2つのモノマー間に形成される。分泌経路を通るさらなる輸送の間に、12のN連結及び10のO連結炭化物側鎖が付加される。より重要なことには、フォン・ビルブラント因子ダイマーは、N末端ジスルフィド架橋を介して多量体化され、そして741アミノ酸長のプロペプチドは、後期(late)ゴルジ体において酵素PACE/フューリンにより開裂される。プロペプチドに加えてフォン・ビルブラント因子の高分子量マルチマー(VWF−HMWM)も、内皮細胞のバイベルパラーデ小体(Weibel−Pallade bodies)又は血小板のα顆粒において貯蔵される。

血漿中に分泌されると、プロテアーゼADAMTS13は、フォン・ビルブラント因子のA2ドメイン内で巨大フォン・ビルブラント因子マルチマーを切断する。血漿フォン・ビルブラント因子は、約500kDaの単一のダイマーから、10,000kDaを超える分子量の20まで又は20より多くのダイマーからなるマルチマーまでの全範囲からなる。VWF−HMWMは最も強い止血活性を有し、これはリストセチン補因子活性アッセイ(VWF:RCo)により測定され得る。VWF:RCo/フォン・ビルブラント因子抗原の比が高くなるほど、高分子量マルチマーの相対的な量が高くなる。

フォン・ビルブラント因子の欠損がフォン・ビルブラント病(VWD)の原因であり、これは、程度の差はあるが顕著な出血表現型により特徴づけられる。3型VWDは、フォン・ビルブラント因子が本質的に完全に失われている最も重症の形態であり、1型VWDは、フォン・ビルブラント因子の減少したレベルと関連しており、そしてその表現型は非常に穏やかであり得る。2型VWDは、フォン・ビルブラント因子の質的欠損に関連し、3型VWDと同程度に重症であり得る。2型VWDは多くのサブフォーム(sub−forms)を有し、それらのいくつかは、高分子量マルチマーの欠失又は減少を伴う。2A型VWDは、中間及び大型マルチマーのの両方の欠失を特徴とし、従って血小板糖タンパク質1受容体に結合する能力が減少した質的に欠損したVWFを特徴とする。2B型VWDは、最も高分子量のマルチマーの欠損を特徴とする。質的に欠損したVWFの血小板膜上の糖タンパク質1受容体に結合する能力は異常に増強され、血小板への自発的な結合並びにその後の結合した血小板及び大きなフォン・ビルブラントマルチマーのクリアランスをもたらす。2M型VWDもまた、正常マルチマー分布以外はフォン・ビルブラント因子抗原レベルと同様に、血小板膜上の糖タンパク質1受容体に結合するその減少した能力を特徴とするフォン・ビルブラント因子の質的欠損である。2N型VWD(Normandy)は、フォン・ビルブラント因子における質的欠損であり、この場合、凝固因子FVIIIへのフォン・ビルブラント因子の結合の欠損がある。フォン・ビルブラント因子及びフォン・ビルブラント因子マルチマーの量は正常であるが、患者はFVIIIの減少したレベルを示し、血友病Aと類似した表現型をもたらす。

VWDは、ヒトにおける最も多い遺伝性出血障害であり、VWFの型によって1−デスアミノ−8−D−アルギニンバソプレシンDDAVP)を用いて細胞貯蔵プールからフォン・ビルブラント因子を放出させる治療により、又は血漿起源若しくは組み換え起源のフォン・ビルブラント因子を含有する濃縮物を用いた置換治療により処置され得る。フォン・ビルブラント因子は、例えば特許文献19に記載されるように、ヒト血漿から製造され得る。特許文献20は、組み換えフォン・ビルブラント因子を単離する方法を記載する。

血漿において、FVIIIは高い親和性でフォン・ビルブラント因子に結合し、これにより早熟異化から保護され、従って一時止血におけるその役割に加えて、FVIIIの血漿レベルの調節における重大な役割を果たす。結果として、フォン・ビルブラント因子は、二次止血の制御における中枢因子でもある。血漿中でフォン・ビルブラント因子に結合した非活性化FVIIIの半減期は約12時間である。フォン・ビルブラント因子が全く存在しないかほとんど存在しない3型VWDにおいて、FVIIIの半減期は約2時間しかなく、このような患者ではFVIIIの減少した濃度に起因して軽度から中程度の血友病Aの症状が生じる。

FVIIIに対するフォン・ビルブラント因子の安定化効果は、CHO細胞におけるFVIIIの組み換え発現補助するためにも使用されている(非特許文献4)。FVIIIを安定化するためにフォン・ビルブラント因子を使用する他の最近の試みは、いくつかの近年の特許出願に開示されている(特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24)。

概要

本発明は、フォン・ビルブラント因子(VWF)及び第VIII因子の共有結合複合体に関し、ここで該複合体は、インビボで延長された半減期を有するように修飾されている。本発明はさらに、複合体を製造する方法、さらには出血事象を処置又は予防するための複合体の治療的又は予防的使用に関する。

目的

凝固におけるFVIIIの機能は、第X因子から第Xa因子への第IXa因子依存性変換を加速することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

フォンビルブラント因子又はその変異体(VWF)及び第VIII因子又はその変異体(第VIII因子)を含む共有結合で連結された複合体であって、該複合体は半減期延長部分を含み、ただし、これは一方のFcモノマーがVWFに連結され、かつ他方のFcモノマーが第VIII因子に連結されているヘテロダイマーFc融合物ではない、上記共有結合で連結された複合体。

請求項2

共有結合連結が、半減期延長部分によりもたらされるものではない、請求項1に記載の共有結合で連結された複合体。

請求項3

第VIII因子が、VWFとジスルフィド架橋を形成するように修飾されている、請求項1又は請求項2に記載の共有結合で連結された複合体。

請求項4

第VIII因子が、システイン残基での天然に存在するアミノ酸置換又はシステイン残基の挿入により修飾されており、該システイン残基がVWF中のシステイン残基とジスルフィド架橋を形成する、請求項3に記載の共有結合複合体

請求項5

第VIII因子中の置換される天然に存在するアミノ酸が、第VIII因子a3ドメイン中のアミノ酸から選択される、請求項4に記載の複合体。

請求項6

第VIII因子中の置換される天然に存在するアミノ酸が、FVIIIa3ドメインのアミノ酸1653〜1660内若しくはアミノ酸1667〜1674内若しくはアミノ酸1675〜1688内に位置するか、又はシステインがFVIIIa3ドメインのアミノ酸1653〜1660若しくはアミノ酸1667〜1674若しくはアミノ酸1675〜1688の配列中に導入される、請求項4又は請求項5に記載の複合体。

請求項7

第VIII因子中の置換される天然に存在するアミノ酸がC末端ドメイン中にある、請求項3に記載の複合体。

請求項8

VWFは、システイン残基での天然に存在するアミノ酸の置換又はシステイン残基の挿入により修飾されており、該システイン残基が第VIII因子中に導入されたシステイン残基とジスルフィド架橋を形成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合体。

請求項9

VWF中の天然に存在するアミノ酸がD’若しくはD3ドメイン中のアミノ酸であり、又はシステイン残基の挿入がD’若しくはD3ドメイン中にある、請求項8に記載の複合体。

請求項10

システイン残基が、TIL’ドメイン、E’ドメイン、D3ドメイン、C8−3ドメイン、TIL−3ドメイン若しくはE−3ドメイン中に挿入されているか、又はシステイン残基で置換されたVWF中の天然に存在するアミノ酸が、TIL’ドメイン、E’ドメイン、D3ドメイン、C8−3ドメイン、TIL−3ドメイン若しくはE−3ドメイン中の残基である、請求項8又は請求項9に記載の複合体。

請求項11

VWFが、FVIII結合ドメインを含むか、又はFVIII結合ドメインからなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合体。

請求項12

第VIII因子がVWFの1つ又はそれ以上のドメインを含むように修飾されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の複合体。

請求項13

第VIII因子がVWFのC末端ドメインCKを含むように修飾されている、請求項12に記載の複合体。

請求項14

第VIII因子が、VWFドメインC6、若しくはC5及びC6、C3〜C6、又はドメインC1〜C6のうちの1つ若しくはそれ以上、又はその変異体も含むように修飾されている、請求項13に記載の複合体。

請求項15

第VIII因子が、配列番号2の残基2724〜2812又はその変異体を含むが、ただし、システイン残基2773(又はその等価物)は保存されている、請求項12〜14のいずれか1項に記載の複合体。

請求項16

C末端VWFドメインが、切断可能なリンカーによって第VIII因子に結合されている、請求項13〜15のいずれか1項に記載の複合体。

請求項17

切断可能なリンカーが、第VIII因子のトロンビン切断部位のうちの1つを含む、請求項16に記載の複合体。

請求項18

リンカー配列が、それぞれa3ドメイン及びD’D3ドメインを介して第VIII因子とVWFとの分子間相互作用を可能にするために十分な長さのペプチドを生じるさらなるアミノ酸残基を含む、請求項16又は請求項17に記載の複合体。

請求項19

第VIII因子が、そのC末端若しくはN末端で、若しくは第VIII因子のBドメイン内で修飾されているか、又は第VIII因子のBドメインを部分的若しくは完全に置き換えて修飾されている、請求項12〜18のいずれか1項に記載の複合体。

請求項20

第VIII因子が、VWFのD’D3ドメイン又はそのフラグメントを含むように修飾されている、請求項12又は請求項19に記載の複合体。

請求項21

第VIII因子が、そのBドメインを部分的又は完全にVWFD’D3ドメイン又はそのフラグメント若しくは変異体で置き換えることにより修飾されている、請求項20に記載の複合体。

請求項22

第VIII因子が、そのBドメイン内に、又はそのBドメインの代わりに、又はそのBドメインの一部の代わりに、配列番号2の残基746〜1241若しくはその変異体若しくはフラグメントを含む、請求項21に記載の複合体。

請求項23

第VIII因子が、第VIII因子軽鎖アミノ末端に相当するVWFD’D3ドメインを有する2鎖分子として発現される、請求項19〜21のいずれか1項に記載の複合体。

請求項24

さらなるリンカー配列が、VWFのD’D3領域と第VIII因子軽鎖ドメインとの間に導入される、請求項19〜22のいずれか1項に記載の複合体。

請求項25

第VIII因子が遺伝子操作された第VIII因子である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の複合体。

請求項26

操作された第VIII因子が、完全若しくは部分的なBドメイン欠失を有するか、変異された第VIIIであるか、又は半減期延長部分を有する融合ポリペプチドである、請求項25に記載の複合体。

請求項27

VWFがVWFの半減期延長形態である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の複合体。

請求項28

VWFの半減期延長形態が、半減期延長部分を有するVWFの遺伝子操作された融合タンパク質である、請求項26に記載の複合体。

請求項29

半減期延長部分が、アルブミン又はその変異体若しくはフラグメント、免疫グロブリン定常領域並びにその部分及び変異体、例えばFcフラグメント又はその変異体、大きい流体力学的体積を有する溶媒和されたランダム鎖(例えばXTEN又はPAS)、アファミン又はその変異体、アルファフェトプロテイン又はその変異体、ビタミンD結合タンパク質又はその変異体、トランスフェリン又はその変異体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン−βサブユニットカルボキシル末端ペプチド(CTP)、生理的条件下でアルブミン又は免疫グロブリン定常領域に結合することができるポリペプチド又は脂質から選択される、請求項26〜29のいずれか1項に記載の複合体。

請求項30

VWFの血漿半減期が、化学修飾、例えば、ポリエチレングリコール(PEG化)、グリコシル化PEG、ヒドロキシルエチルデンプンHES化)、ポリシアル酸ヘパロサンポリマーエラスチン様ポリペプチド又はヒアルロン酸の結合により延長される、請求項1、2又は27のいずれか1項に記載の複合体。

請求項31

VWFがモノマーとして発現されるか、又はVWFがダイマーとして発現される、請求項1〜30のいずれか1項に記載の複合体。

請求項32

VWFがマルチマーを形成する、請求項1〜30のいずれか1項に記載の複合体。

請求項33

共有結合連結が、1つ又はそれ以上の化学的に合成された架橋剤の使用により得られる、請求項1又は請求項30のいずれか1項に記載の複合体。

請求項34

第VIII因子及びVWFが、1つより多くの共有ジスルフィド結合又はペプチド若しくはタンパク質性リンカーにより接続される、請求項1〜33のいずれか1項に記載の複合体。

請求項35

真核生物細胞株において第VIII因子及びVWFを同時発現させることを含む、請求項1〜32又は請求項34のいずれか1項に記載の第VIII因子及びVWFの共有結合複合体を製造する方法。

請求項36

出血障害処置又は予防における使用のための、請求項1〜34のいずれか1項に記載の共有結合複合体。

請求項37

出血障害が血友病A又はフォン・ビルブラント病である、請求項36に記載の複合体。

請求項38

請求項1〜34のいずれか1項に記載の複合体を含む医薬組成物

技術分野

0001

本発明は、フォンビルブラント(von Willebrand)因子又はその変異体(VWF)及び第VIII因子又はその変異体(第VIII因子)の共有結合複合体に関し、ここで該複合体は、インビボでの延長された半減期を有するように修飾されている。本発明はさらに、複合体を製造する方法、さらには出血事象処置又は予防するための複合体の治療的又は予防的使用に関する。

背景技術

0002

血液凝固因子欠乏により引き起こされる様々な出血障害がある。最も一般的な障害は血友病A及びBであり、これらはそれぞれ血液凝固第VIII因子及び第IX因子の欠乏により生じる。別の公知の出血障害はフォン・ビルブラント病である。

0003

血漿において、第VIII因子(FVIII)は、大部分がフォン・ビルブラント因子との非共有結合複合体として存在する。プロペプチド切断後の2332までのアミノ酸ポリペプチドである成熟FVIIIは、図1に示されるいくつかのドメインから構成される。凝固におけるFVIIIの機能は、第X因子から第Xa因子への第IXa因子依存性変換を加速することである。FVIIIとフォン・ビルブラント因子との複合体形成に起因して、FVIII及びフォン・ビルブラント因子は同じ分子の2つの機能であると長い間推測された。70年代になってようやく、FVIII及びフォン・ビルブラント因子が生理的条件下で複合体を形成する別々の分子であることが明らかになった。80年代には、約0.2nmol/LというFVIIIとフォン・ビルブラント因子との解離定数が決定され(非特許文献1)、そして両方の分子のDNA配列が決定された。

0004

古典的血友病又は血友病Aは遺伝性出血性障害である。これは染色体X連鎖性血液凝固第VIII因子欠損から生じ、そして10,000人あたり1人と2人との間の発生率でほとんど男性のみに影響を及ぼす。X染色体欠損は、それら自体血友病ではない女性キャリアにより伝達される。血友病Aの臨床症状は増加した出血傾向である。第VIII因子濃縮物での処置が導入される以前は、重篤な血友病を有する人物平均寿命は20年未満であった。血漿由来の第VIII因子濃縮物の使用は、平均寿命を広く増加させて血友病患者の状況をかなり改善し、かれらの大部分に事実上通常の生活を送る可能性を与えてきた。しかし、血漿由来濃縮物及びそれらの使用に伴う特定の問題があり、それらのうち最も深刻なものはB型肝炎、非A型非B型肝炎及びHIVを引き起こすウイルスのようなウイルスの伝染であった。しかし、近年、様々なウイルス不活化方法及び新しい高度に精製された第VIII因子濃縮物が開発され、それにより血漿由来第VIII因子に関して非常に高い安全基準確立されてきた。

0005

予防的処置を受けている重篤な血友病A患者において、FVIIIは、約12時間というFVIIIの短い血漿半減期のために週に約3回静脈内(i.v.)投与されなければならない。各i.v.投与は煩雑であり、痛みを伴い、そして特に大部分は過程患者自身により、又は血友病Aと診断された児童両親により行われるので、感染のリスクを伴う。

0006

従って、より少ない頻度で投与されなければならないFVIIIを含有する医薬組成物の製造を可能にする、増加された機能的半減期を有するFVIIIを生成することは非常に望ましいだろう。

0007

細胞受容体との相互作用を減少させることにより(特許文献1、特許文献2)、ポリマーをFVIIIに共有結合で結合することにより(特許文献3、特許文献4及び特許文献5)、FVIIIの封入により(特許文献6)、新しい結合部位の導入により(特許文献7)、ペプチド連結(特許文献8及び特許文献9)若しくはジスルフィド連結(特許文献10)のいずれかによりA2ドメインをA3ドメインに共有結合で結合することにより、又はA1ドメインとA2ドメインとの間のトロンビン切断を防止する変異を導入し、そしてそれ故トロンビン活性化後にA1ドメインをA2ドメインに共有結合で結合したままにすること(特許文献11)のいずれかにより、FVIIIの機能的半減期を延長させるための幾つかの試みがなされた。

0008

FVIII又はフォン・ビルブラント因子の機能的半減期を増強するための別のアプローチは、増加した半減期を有することにより、ペグ化フォン・ビルブラント因子が血漿中に存在するFVIIIの半減期も間接的に増強するであろうということを念頭に置いた、FVIIIのPEG化(特許文献12、特許文献13、特許文献14)又はフォン・ビルブラント因子のPEG化(特許文献15)によるもである。さらに、アルブミン又は免疫グロブリン定常領域Fcのような半減期増強ポリペプチドとのFVIIIの融合タンパク質が記載されている(特許文献16、特許文献17及び特許文献18)。

0009

フォン・ビルブラント病(VWD)の様々な形態において、欠失しているか、機能不全であるか又は減少した量でしか利用可能でないフォン・ビルブラント因子は、哺乳動物の血漿中に存在するマルチマー接着性糖タンパク質であり、多数の生理学的機能を有する。一時止血の間、フォン・ビルブラント因子は、血小板表面上の特定の受容体コラーゲンのような細胞外マトリックスの成分との間のメディエーターとして作用する。さらに、フォン・ビルブラント因子は、プロコアグラント(procoagulant)FVIIIのための担体及び安定化タンパク質として役立つ。フォン・ビルブラント因子は、内皮細胞及び巨核球において2813アミノ酸の前駆体分子として合成される。野生型VWFのアミノ酸配列及びcDNA配列は、非特許文献2に開示される。前駆体ポリペプチドプレ−プロ−フォン・ビルブラント因子は、22残基のシグナルペプチド、741残基のプロペプチド及び成熟血漿フォン・ビルブラント因子において見出される2050残基のポリペプチドからなる(非特許文献3)、プロ−フォン・ビルブラント因子及び成熟フォン・ビルブラント因子モノマー単位については図2も参照のこと。小胞体におけるシグナルペプチドの切断後に、C末端ジスルフィド架橋が、フォン・ビルブラント因子の2つのモノマー間に形成される。分泌経路を通るさらなる輸送の間に、12のN連結及び10のO連結炭化物側鎖が付加される。より重要なことには、フォン・ビルブラント因子ダイマーは、N末端ジスルフィド架橋を介して多量体化され、そして741アミノ酸長のプロペプチドは、後期(late)ゴルジ体において酵素PACE/フューリンにより開裂される。プロペプチドに加えてフォン・ビルブラント因子の高分子量マルチマー(VWF−HMWM)も、内皮細胞のバイベルパラーデ小体(Weibel−Pallade bodies)又は血小板のα顆粒において貯蔵される。

0010

血漿中に分泌されると、プロテアーゼADAMTS13は、フォン・ビルブラント因子のA2ドメイン内で巨大フォン・ビルブラント因子マルチマーを切断する。血漿フォン・ビルブラント因子は、約500kDaの単一のダイマーから、10,000kDaを超える分子量の20まで又は20より多くのダイマーからなるマルチマーまでの全範囲からなる。VWF−HMWMは最も強い止血活性を有し、これはリストセチン補因子活性アッセイ(VWF:RCo)により測定され得る。VWF:RCo/フォン・ビルブラント因子抗原の比が高くなるほど、高分子量マルチマーの相対的な量が高くなる。

0011

フォン・ビルブラント因子の欠損がフォン・ビルブラント病(VWD)の原因であり、これは、程度の差はあるが顕著な出血表現型により特徴づけられる。3型VWDは、フォン・ビルブラント因子が本質的に完全に失われている最も重症の形態であり、1型VWDは、フォン・ビルブラント因子の減少したレベルと関連しており、そしてその表現型は非常に穏やかであり得る。2型VWDは、フォン・ビルブラント因子の質的欠損に関連し、3型VWDと同程度に重症であり得る。2型VWDは多くのサブフォーム(sub−forms)を有し、それらのいくつかは、高分子量マルチマーの欠失又は減少を伴う。2A型VWDは、中間及び大型マルチマーのの両方の欠失を特徴とし、従って血小板糖タンパク質1受容体に結合する能力が減少した質的に欠損したVWFを特徴とする。2B型VWDは、最も高分子量のマルチマーの欠損を特徴とする。質的に欠損したVWFの血小板膜上の糖タンパク質1受容体に結合する能力は異常に増強され、血小板への自発的な結合並びにその後の結合した血小板及び大きなフォン・ビルブラントマルチマーのクリアランスをもたらす。2M型VWDもまた、正常マルチマー分布以外はフォン・ビルブラント因子抗原レベルと同様に、血小板膜上の糖タンパク質1受容体に結合するその減少した能力を特徴とするフォン・ビルブラント因子の質的欠損である。2N型VWD(Normandy)は、フォン・ビルブラント因子における質的欠損であり、この場合、凝固因子FVIIIへのフォン・ビルブラント因子の結合の欠損がある。フォン・ビルブラント因子及びフォン・ビルブラント因子マルチマーの量は正常であるが、患者はFVIIIの減少したレベルを示し、血友病Aと類似した表現型をもたらす。

0012

VWDは、ヒトにおける最も多い遺伝性出血障害であり、VWFの型によって1−デスアミノ−8−D−アルギニンバソプレシンDDAVP)を用いて細胞貯蔵プールからフォン・ビルブラント因子を放出させる治療により、又は血漿起源若しくは組み換え起源のフォン・ビルブラント因子を含有する濃縮物を用いた置換治療により処置され得る。フォン・ビルブラント因子は、例えば特許文献19に記載されるように、ヒト血漿から製造され得る。特許文献20は、組み換えフォン・ビルブラント因子を単離する方法を記載する。

0013

血漿において、FVIIIは高い親和性でフォン・ビルブラント因子に結合し、これにより早熟異化から保護され、従って一時止血におけるその役割に加えて、FVIIIの血漿レベルの調節における重大な役割を果たす。結果として、フォン・ビルブラント因子は、二次止血の制御における中枢因子でもある。血漿中でフォン・ビルブラント因子に結合した非活性化FVIIIの半減期は約12時間である。フォン・ビルブラント因子が全く存在しないかほとんど存在しない3型VWDにおいて、FVIIIの半減期は約2時間しかなく、このような患者ではFVIIIの減少した濃度に起因して軽度から中程度の血友病Aの症状が生じる。

0014

FVIIIに対するフォン・ビルブラント因子の安定化効果は、CHO細胞におけるFVIIIの組み換え発現補助するためにも使用されている(非特許文献4)。FVIIIを安定化するためにフォン・ビルブラント因子を使用する他の最近の試みは、いくつかの近年の特許出願に開示されている(特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24)。

0015

WO 03/093313A2
WO 02/060951A2
WO 94/15625
WO 97/11957
US 4970300
WO 99/55306
WO 97/03193
WO 97/40145
WO 03/087355
WO 02/103024A2
WO2006/108590
WO 2007/126808
WO 2006/053299
WO 2004/075923
WO 2006/071801
WO 2004/101740
WO2008/077616
WO 2009/156137
EP 0503991
EP 0784632
WO2011060242
WO2013083858
WO2013106787
WO2014011819

先行技術

0016

Leyte et al.、Biochem J 1989、257: 679−683
Collins et al.1987、Proc Natl.Acad.Sci.USA 84:4393−4397
Fischer et al.、FEBSLett.351: 345−348、1994
Kaufman et al.1989、Mol Cell Biol

発明が解決しようとする課題

0017

FVIIIの半減期を増加させるためのさらにより良好なアプローチの必要性がまだなお存在する。半減期を延長したフォン・ビルブラント因子分子へのFVIII分子の共有結合が、FVIII部分に半減期延長をもたらし、その結果、その半減期が融合していない半減期延長フォン・ビルブラント因子分子と同様になるということが、本出願の発明者らに見出された。この方法を用いて、ラットPKモデルにおいて遊離FVIIIの約3倍の半減期延長が見られた。本発明は、フォン・ビルブラント因子又はその変異体(VWF)と第VIII因子との共有結合複合体、特に複合体でのVWF成分の半減期を増強するために使用する方法を提供し、これは出血障害の治療及び予防において有利である長い半減期を有する安定な複合体の供給を可能にする。

課題を解決するための手段

0018

発明の要旨
第一の局面において、本発明は、フォン・ビルブラント因子又はその変異体(VWF)及び第VIII因子(FVIII)又はその変異体(第VIII因子)を含む共有結合複合体に関し、ここで該複合体は、インビボで延長された半減期を有するように修飾されている。好ましくは、それは、半減期延長部分を含むように修飾されている。VWF及び第VIII因子は共有結合複合体を形成し;この複合体のいずれかの部分、好ましくはVWF部分に半減期延長部分が結合されている。好ましくは、VWF及び第VIII因子は、直接共有結合により、例えばVWFの一部であるシステインの第VIII因子の一部であるシステインとのジスルフィド架橋を介して、又はVWFを第VIII因子と、場合によりペプチドリンカーを介して融合させることにより連結されるが、ただし、共有結合複合体は、Fc鎖の一方がVWFに融合され、そして他方のFc鎖がFVIII又はその変異体に融合されているFc融合タンパク質ではない。好ましくは、共有結合連結は、半減期延長部分によりもたらされるものではない。

0019

第一の実施態様において、第VIII因子は、VWFとジスルフィド架橋を形成するように修飾される(ただし、ジスルフィド架橋は、それぞれVWF及び第VIII因子に融合されているFc分子の2鎖の間にはない)。好ましくは、第VIII因子は、天然に存在するアミノ酸のシステイン残基での置換により、又はVWF中のシステイン残基とジスルフィド形成するシステイン残基の挿入により修飾されている。好ましくは、第VIII因子において置換される天然に存在するアミノ酸は、a3ドメイン中のアミノ酸から選択され、又はシステイン残基は、a3ドメイン中に挿入される(配列番号6の残基1649〜1689)。より好ましくは、天然に存在するアミノ酸は酸性残基であり、好ましくは保存された酸性残基、又は出血性表現型に関与する残基、又はFVIII a3ドメインにおいて硫酸化され得るTyr残基である。より好ましくは、第VIII因子において置換される天然に存在するアミノ酸は、第VIII因子a3ドメインのアミノ酸1653〜1660内若しくはアミノ酸1667〜1674内若しくはアミノ酸1675〜1688内に位置し、又はシステインは、第VIII因子a3ドメインのアミノ酸1653〜1660若しくはアミノ酸1667〜1674若しくはアミノ酸1675〜1688の配列中に導入される。なおより好ましくは、システインで置換される第VIII因子a3ドメイン中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号6中のT1653、L1655、D1658、E1660、S1669、V1670、N1672、K1673、K1674、E1675、D1676及び/若しくはN1685、又は第VIII因子の遺伝子操作された形態における等価な位置から選択される。最も好ましくは、システインで置換されるa3ドメイン中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号6中のT1654、Q1656、F1677、D1678、I1679、Y1680、D1681、E1682、D1683、E1684、Q1686、S1687及び/若しくはP1688又は第VIII因子の遺伝子操作された形態の等価な位置から選択される。

0020

別の実施態様において、システイン残基はC末端ドメインに挿入されるか、又はシステイン残基で置換される天然に存在するアミノ酸は、第VIII因子のC末端ドメインにあり、好ましくはこの残基は、配列番号6中のI2098、S2119、N2129、R2150、P2153、W2229、Q2246又は第VIII因子の操作された形態中の等価な位置から選択される。

0021

本発明の第一の局面のさらなる好ましい実施態様において、VWFはまた、天然に存在するアミノ酸のシステイン残基での置換により、又は第VIII因子中に導入されたシステイン残基とのジスルフィド架橋を形成するシステイン残基の挿入により修飾される。好ましくは、システイン残基はD’若しくはD3ドメインに挿入されるか(図2を参照のこと)、又はシステイン残基で置換されるVWF中の天然に存在するアミノ酸は、D’若しくはD3ドメイン中の残基又はD’若しくはD3ドメイン中の塩基性若しくは高度に保存された残基若しくはN−VWD型に含まれる残基若しくはVWF分子の表面上の露出されたアミノ酸である。本発明の好ましい実施態様において、システイン残基は、TIL’ドメイン、E’ドメイン、VWD3ドメイン、C8−3ドメイン、TIL−3ドメイン若しくはE−3ドメイン中に挿入されるか、又はシステイン残基で置換されるVWF中の天然に存在するアミノ酸は、TIL’ドメイン、E’ドメイン、VWD3ドメイン、C8−3ドメイン、TIL−3ドメイン若しくはE−3ドメイン中の残基である(全てZhou et al (2012) Blood 120 (2)、449−458により定義されるとおり)。例えば、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、K773、G785、E787、A/T789、K790、T791、Q793、N794、M800、R820、R826、F830、H831、K834、E835、P838、K843、R852、R854、K855、W856、H861、H874、K882、L884、R906、K912、H916、K920、K923、R924、K940、R945、K948、H952、R960、K968、R976、H977、K985、K991、K1026、R1035、K1036、K1052、Q1053、K1073又はH1074から選択される。好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号2中のY795、R816、H817、P828、D853、D879、K922、D951、E1078、E1161、及び/若しくはR1204又はVWFの操作された形態中の等価な位置から選択される。より好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号2のR768、R782、H817、D853、E933、L984、E1015、D1076、E1078、P1079、K1116及び/若しくはN1134又は例えばVWFの操作された形態中の等価な位置から選択される。

0022

より好ましくは、VWF及びFVIII中の天然に存在するアミノ酸残基の置換の以下の組み合わせのうちの1つ又はそれ以上が導入される:
A/T789C:D1658C、M800C:D1658C、P828C:D1658C、F830C:D1658C、P838C:D1658C、D853C:D1658C、R924C:D1658C、E1078C:D1658C、F830C:D1663C、P838C:D1663C、D853C:D1663C、E1078C:D1663C、E1078C:Y1664C、P838C:D1665C、R816C:D1666C、F830C:D1666C、E835C:D1666C、T791C:E1671C、F830C:E1671C、E835C:E1671C、D879C:E1671C、A/T789C:E1675C、T791C:E1675C、N794C:E1675C、P828C:E1675C、F830C:E1675C、E835C:E1675C、P838C:E1675C、D879CE1675C、R924C:E1675C、E1078C:E1675C、A/T789C:D1676C、T791C:D1676C、N794C:D1676C、F830C:D1676C、E835C:D1676C、A/T789C:D1678C、F830C:D1678C、E835C:D1678C、A/T789C:I1679C、M800C:I1679C、F830C:I1679C、E835C:I1679C、R854C:I1679C、D879C:I1679C、A/T789C:Y1680C、T791C:Y1680C、Y795C:Y1680C、M800C:Y1680C、R816C:Y1680C、F830C:Y1680C、E835C:Y1680C、R854C:Y1680C、D879C:Y1680C、A/T789C:E1682C、Y795C:E1682C、R816C:E1682C、P828C:E1682C、E835C:E1682C、P838C:E1682C、R854C:E1682C、D879C:E1682C、Q1053C:E1682C。

0023

なおより好ましくは、VWF及びFVIII中の天然に存在するアミノ酸残基の置換の以下の組み合わせのうちの1つ又はそれ以上が導入される:
F1677C:R768C、I1679C:R768C、Y1680C:R768C、N1685C:R768C、T1654C:R782C、E1675C:R782C、N1685C:R782C、Q1686C:Y795C、S1687C:Y795C、P1688C:Y795C、P1688C:Y795C、E1675C:H816C、D1676C:R816C、Y1680C:R816C、E1682C:R816C、P1688C:R816C、Y1680C:H817C、N1685C:H817C、Q1686C:H817C、S1687C:H817C、I1679C:P828C、Y1680C:D853C、N1685C:D853C、T1654C:D879C、P1688C:E933C、P1688:T951C、T1653C:L984C、T1654C:L984C、L1655C:L984C、S1669C:L984C、K1673C:L984C、D1683C:L984C、T1653C:E1015C、L1655C:E1015C、S1669C:E1015C、V1670C:E1015C、N1672C:E1015C、K1673C:E1015C、D1678C:E1015C、I1679C:E1015C、E1684C:E1015C、S1687C:E1015C、F1677C:V1027C、I1679C:V1027C、P1688C:V1027C、S1657C:D1076C、K1673C:D1076C、D1676C:D1076C、F1677C:D1076C、I1679C:D1076C、E1682C:D1076C、D1683C:D1076C、Q1686C:D1076C、D1676C:E1078C、I1679C:E1078C、Y1680C:E1078C、T1653C:P1079C、L1655C:P1079C、S1657C:P1079C、D1658C:P1079C、E1682C:P1079C、V1670C:K1116C、K1673C:K1116C、D1676C:K1116C、D1678C:K1116C、D1681C:K1116C、Q1686C:K1116C、P1688C:K1116C、T1653C:N1134C、L1655C:N1134C、E1660C:N1134C、D1678C:N1134C、D1683C:N1134C、E1684C:N1134C、Q1686C:N1134C、T1653C:E1161C、L1655C:E1161C、K1674C:E1161C、D1676C:E1161C、E1684C:E1161C、S1687C:E1161C、P1688C:R1204C。

0024

最も好ましくは、FVIII及びVWF中の天然に存在するアミノ酸残基の置換の以下の組み合わせのうちの1つ又はそれ以上が導入される:
T1654:P1079、T1654:N1134、Q1656:D1076、F1677:K1116、D1678:R782、I1679:K1116、Y1680:H817、Y1680:D853、Y1680:E1078、D1681:R768、E1682:R768、D1683:R768、E1684:R768、Q1686:R768、Q1686:E1015、S1687:R768、S1687:N1134、P1688:R768、P1688:H817、P1688:E933、P1688:L984、P1688:E1015、P1688:D1076及びP1688:N1134。

0025

好ましくは、VWF及び第VIII因子中の1つ又はそれ以上の挿入されたシステイン残基の組み合わせの天然に存在するアミノ酸は、実施例6において示され実験的に評価されるVWFに対して共有結合で結合された第VIII因子の0.5より高い相対比率、及び実施例9において示され実験的に評価される第VIII因子の活性により選択される。最も好ましくは、VWF及び第VIII因子中の1つ又はそれ以上の挿入されたシステイン残基の組み合わせの天然に存在するアミノ酸は、1.0より高い上記比率により選択される。

0026

好ましくは、本発明の複合体中の第VIII因子は、遺伝子操作された第VIII因子である。操作された第VIII因子は、部分的又は完全なBドメイン欠失を有し得、これは1つ若しくはそれ以上のアミノ酸の置換、挿入、欠失若しくはそれらの組み合わせを含む変異した第VIII因子であってもよく、又は半減期延長部分を有する融合ポリペプチド若しくは化学的に修飾された、例えばポリエチレングリコール(PEG化)、グリコシル化PEG、ヒドロキシルエチルデンプンHES化)、ポリシアル酸エラスチン様ポリペプチドヘパロサン(heparosan)ポリマー若しくはヒアルロン酸のような半減期延長部分の結合により修飾された第VIII因子であってもよい。

0027

好ましい実施態様において、本発明の複合体中のVWFは、VWFの半減期を延長された形態であり、好ましくはVWFの遺伝子操作された形態である。より好ましくは、遺伝子操作されたVWFは、半減期延長部分とのVWFの融合タンパク質である。好ましくは、半減期延長部分は半減期延長ポリペプチド(HLEP)であり、より好ましくは、HLEPは、アルブミン又はそのフラグメント免疫グロブリン定常領域及びその部分、例えばFcフラグメント、大きい流体力学的体積を有する溶媒和されたランダム鎖(例えばXTEN(Schellenberger et al.2009)、ホモアミノ酸反復(HAP)又はプロリンアラニンセリン反復(PAS))、アファミンアルファフェトプロテインビタミンD結合タンパク質トランスフェリン又はその変異体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン−βサブユニットカルボキシル末端ペプチド(CTP)、生理的条件下でアルブミン又は免疫グロブリン定常領域に結合することができるポリペプチド又は脂質から選択される。別の好ましい実施態様において、複合体のVWFはダイマーとして発現される。さらなる好ましい実施態様において、複合体のVWFはマルチマーを形成する。

0028

本発明の別の実施態様において、本発明の複合体の半減期は、化学修飾、例えば、ポリエチレングリコール(PEG化(PEGylation))、グリコシル化PEG、ヒドロキシルエチルデンプン(HES化(HESylation))、ポリシアル酸、エラスチン様ポリペプチド、ヘパロサン(heparosan)ポリマー、又はヒアルロン酸の結合により延長される。

0029

本発明の第二の実施態様は、VWF及び第VIII因子を含む共有結合複合体であり、ここで該複合体は、インビボで延長された半減期を有するように修飾され、そしてここで第VIII因子は、1つ又はそれ以上のVWFドメインを含むように修飾されている。好ましくは、複合体の延長された半減期は、複合体においてVWFの半減期延長形態を使用することにより得られる。

0030

好ましくは、第VIII因子は、VWFのCの末端ドメインの1つ又はそれ以上と融合され(図4を参照のこと)、好ましくは、VWFの1つ又はそれ以上のC末端ドメインは第VIII因子のCの末端に融合されている。このようなVWFのC末端ドメインは、VWFのC末端システインノットCK)ドメインを含み、そしてさらに、C又はCKドメインに加えて、VWFの1つ又はそれ以上のさらなるドメイン、例えばA又はDドメインを含んでいてもよい。より好ましくは、FVIIIは、好ましくはそのC末端に、配列番号2の残基2723−2813、2724−2813、2722−2813、2578−2813、2580−2813、2497−2813、2429−2813、2400−2813、2334−2813、2255−2813、1873−2813、1683−2813、1277−2813、1264−2813若しくは764−2813又はその変異体を含むが、ただしシステイン残基2773(又はその等価物)は保存されている。

0031

好ましくは、上に開示されるさらなるVWFドメインを場合により含む、VWFのC末端CKドメインは、切断可能なリンカーによりFVIIIに結合される。より好ましくは、切断可能なリンカーは、血液凝固に関連するプロテアーゼにより切断可能な切断部位を含み、なおより好ましくは、切断可能なリンカーは、トロンビン切断部位、好ましくはFVIIIのトロンビン切断部位のうちの1つを含む。好ましくは、リンカー配列はまた、さらなるアミノ酸残基も含み、好ましくは、さらなるアミノ酸残基は、VWFのC末端ドメインとリンカーの切断可能部分との間に挿入される。好ましくは、さらなるアミノ酸残基は、それぞれFVIIIのa3領域及びVWFのD’D3領域を介してFVIIIとVWFとの相互作用を可能にするために十分な長さのペプチドを提供する。さらなるアミノ酸残基は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120または150アミノ酸より多くてもよい。好ましくは、さらなるアミノ酸残機は可動性の「非構造的」ペプチドを形成し、そしてより好ましくは、グリシン−セリン反復、プロリン−アラニン−セリン反復、ホモアミノ酸反復、又はFVIII Bドメインの配列を含むか、またはこれらからなる。

0032

別の実施態様において、第VIII因子は、VWFのC末端ドメインの1つ又はそれ以上とN末端で融合される。このようなC末端ドメインは、VWFのC末端システインノット(CK)ドメインから誘導され得、そしてVWFの1つ又はそれ以上のさらなるドメインをさらに含み得る。より好ましくは、第VIII因子は、好ましくはそのN末端に、配列番号2の残基2723−2813、2724−2813、2722−2813、2580−2813、2578−2813、2497−2813、2429−2813、2400−2813、2334−2813、2255−2813、1873−2813、1683−2813、1277−2813、1264−2813若しくは764−2813又はその変異体を含むが、ただしシステイン残基2773(又はその等価物)は保存される。これらの実施態様について、発現産物は、N末端からC末端に、シグナルペプチド、VWFのCKドメインを、場合によりVWFのさらなるドメインとともに、好ましくは切断可能な(場合により可動性の)リンカー、及び第VIII因子を含む。

0033

本発明の別の実施態様はVWF及び第VIII因子を含む共有結合複合体であり、ここでVWFはVWFの半減期延長形態であり、そしてここで第VIII因子は、VWFのD’D3若しくはD1D2D’D3領域、又は野生型フォン・ビルブラント因子のFVIII結合活性の少なくとも10%を維持するそのフラグメントを含むように修飾されている。好ましくは、第VIII因子は、その部分的又は完全なBドメインがVWF D’D3領域又はそのフラグメントで置き換えられるように修飾される(図5を参照のこと)。より好ましくは、第VIII因子は、好ましくはその(又はその一部)のBドメインの代わりに、それぞれ配列番号2の残基764〜1241、764〜1242、764〜1247、764〜1270若しくは764と1241〜1270との間のいずれかの配列、又はその変異体若しくはフラグメントを含む。

0034

好ましい実施態様において、VWFのD’D3ドメインは、細胞培養培地中への分子の分泌の際に2鎖分子が生成され、そしてD’D3ドメインが第VIII因子軽鎖のN末端に位置するように、第VIII因子に結合される。これは、例えば、第VIII因子a2ドメイン又はBドメインの残りとVWF D’D3ドメインとの間にPACE/フリンのための切断部位を含む切断可能なリンカーを導入することにより達成され得る(図5d及びe)。好ましくは、リンカーは、VWFのD’D3ドメインと第VIII因子a3ドメインとの間にさらなる残基を含み、さらなる残基は、それぞれa3及びD’D3ドメインを介して第VIII因子とVWFとの分子内相互作用を可能にするために充分な長さのペプチドを含む(図5e)。好ましくは、さらなる残基は、200未満のアミノ酸、より好ましくは100未満のアミノ酸、なおより好ましくは90、80、70、60、50未満のアミノ酸、40未満のアミノ酸、30未満のアミノ酸、20未満のアミノ酸、最も好ましくは10未満のアミノ酸を含む。好ましくは、さらなる残基は、可動性の「非構造的」ペプチドを含み、より好ましくは、これらはグリシン−セリン反復、プロリン−アラニン−セリン反復又はホモアミノ酸反復を含むか、又はこれらからなる。記載されるような成熟形態得るために発現させようとするタンパク質は、さらなる配列、例えばN末端におけるシグナル配列を含むように構築され得る。

0035

あるいは、第VIII因子のN末端は、VWFD’D3ドメイン又はそのフラグメントのC末端に接続され、これは好ましくはVWFのさらなるドメイン(例えば、D1及びD2ドメイン)によりN末端で延長される;これは、半減期延長VWFとの共有結合の発現及び細胞内形成を補助する。より好ましくは、第VIII因子は、配列番号2の残基1〜1241若しくは残基764〜1241(プロペプチドの切断後)又はその変異体若しくはフラグメントをN末端に含む。

0036

好ましくは、VWFのそれぞれD’D3又はD1D2D’D3ドメインは、切断可能なリンカーにより第VIII因子のN末端に結合される。より好ましくは、切断可能なリンカーは、血液凝固に関連するプロテアーゼにより切断可能な切断部位を含み、なおより好ましくは、切断可能なリンカーは、トロンビン切断部位、好ましくはFVIIIのトロンビン切断部位のうちの1つを含む。好ましくは、リンカーは、VWFのD’D3又はD1D2D’D3ドメインと第VIII因子分子との間にさらなる残基を含み、さらなる残基は、それぞれa3及びD’D3領域を介して第VIII因子とVWFとの相互作用を可能にするために十分な長さのペプチドを含む(図5e)。好ましくは、20、30、50、100、又は150より多いさらなるアミノ酸が加えられる。好ましくは、さらなるアミノ酸は、可動性の非構造的ペプチドを含み、より好ましくは、それらはグリシン−セリン反復、プロリン−アラニン−セリン反復、ホモアミノ酸反復、又はFVIII Bドメインの配列を含むか又はこれらからなる。

0037

さらに、上記のようなリンカーを介してFVIIIのN末端に融合されたVWFのD’D3又はD1D2D’D3ドメインは、さらなるVWF関連官能基構築物中に加入されるならば、VWFに由来するさらなるVWFドメインによりD3と記載されるリンカーとの間で延長され得る。

0038

本発明の第二の局面は、上記の第VIII因子及びVWFの共有結合複合体を製造する方法であり、該方法は、第VIII因子及びVWF分子を真核生物細胞株において同時発現させること(co−expressing)を含む。好ましくは、真核生物細胞株は、効率的なプロセシングを確実にするためにPACE/フリンを発現するように修飾される。あるいは、タンパク質(第VIII因子及びVWF)は、別々に製造され、次いで例えばジスルフィド架橋形成を可能にするための穏やかな酸化環境で、インビトロで混合され得るが、第VIII因子及びVWFの機能性はインタクトなままにする。

0039

本発明のこの局面の別の実施態様において、(修飾された)第VIII因子及び(修飾された)VWFは、化学的架橋により共有結合で接続される(図7を参照のこと)。

0040

本発明の第三の局面は、薬剤における使用のため、好ましくは出血障害の処置又は予防における使用のための、上記共有結合複合体である。好ましくは、出血障害は血友病A又はVWDである。

0041

本発明の第四の局面は、上記共有結合複合体を含む医薬組成物である。

0042

本発明のさらなる局面は、有効量の上記複合体を、それを必要とする被験体に投与することにより出血障害を処置又は予防する方法である。

0043

発明の詳細な説明
上述のように、血友病、特に血友病Aを有する患者の慢性処置のために、長い半減期を有するFVIIIを有することは非常に有益だろう。本発明者らは、今や驚くべきことに、FVIIIにより長い半減期をもたらすフォン・ビルブラント因子(VWF)及びFVIIIの共有結合複合体が製造され得るということを見出した。特に複合体がその半減期をインビボで延長するように修飾される場合、例えばVWF又はFVIIIの半減期延長形態が使用される場合、FVIIIの半減期は有意に増強され、これを、血友病Aのような出血障害を有する患者の改善された予防及び処置のための魅力的なアプローチにする。好ましくは、インビボ回収もまたこのアプローチにより増加され得る。

0044

従って、第一の局面において、本発明は、フォン・ビルブラント因子又はその変異体(VWF)及び第VIII因子又はその変異体(第VIII因子)を含む共有結合複合体に関し、ここで複合体は、インビボで延長された半減期を有するように修飾されている。例えば、VWFは、VWFの半減期延長形態であり得;あるいは(又はさらに)、第VIII因子はVIIIの半減期延長形態であり得、又は半減期延長部分が、リンカーを介して共有結合複合体に結合され得る。好ましくは、複合体中のVWFは半減期延長部分を含む。好ましくは、共有結合複合体は、一方のFcモノマーがVWFに連結され、かつ他方のFcモノマーが第VIII因子に連結されたヘテロダイマーFc融合物ではない。より好ましくは、共有結合連結は半減期延長部分によりもたらされるものではない。

0045

本明細書で使用される用語「フォン・ビルブラント(von Willebrand)因子」又は「VWF」は、フォン・ビルブラント因子の少なくとも一部の活性が保持されている限り、1つ若しくはそれ以上のアミノ酸の置換、挿入、少数若しくは多数の欠失(例えば、1つ又はそれ以上のドメインの欠失)を含むVWF、又は別のペプチド若しくはタンパク質部分、例えば半減期を増加するポリペプチド、もしくは非タンパク質部分とのその融合タンパク質のような変異体を含む、野生型VWFの生物学的活性を有するいずれかのポリペプチドを指す。VWF活性コラーゲン結合活性、及び/又は血小板結合活性、及び/又はFVIII結合活性であり得る。FVIII結合活性は、VWF上の結合部位を介して共有結合で結合されたFVIIIを用いずにVWFについて決定されるだろう。VWF活性を測定するためにアッセイは十分に確立されており、例えばコラーゲン結合アッセイ、リストセチン(Ristocetin)補因子活性アッセイ、又はFVIII結合アッセイである。生物学的活性は、欠失及び/又は他の修飾を含むVWFが野生型VWFについて測定されたいずれかの活性の少なくとも10%、好ましくは15%、20%、25%、又は30%、より好ましくは少なくとも40%又は50%、なおより好ましくは少なくとも60%、70%又は75%を保持する場合に、本発明の意味では保持されている。用語「第VIII因子結合ドメイン」は、野生型フォン・ビルブラント因子の第VIII因子結合活性の少なくとも10%、好ましくは15%、20%、25%、又は30%、より好ましくは少なくとも40%又は50%、なおより好ましくは少なくとも60%、70%又は75%を保持するVWFのフラグメント又は部分を指す。第VIII因子結合ドメインは、成熟VWFのN末端、例えばD’D3ドメイン又はそのフラグメントに位置する。

0046

野生型フォン・ビルブラント因子をコードする遺伝子は9kbmRNA転写され、これが310,000Daの推定分子量を有する2813アミノ酸のプレプロポリペプチドに翻訳される。プレプロポリペプチドは、22アミノ酸長のシグナルペプチド、741アミノ酸のプロポリペプチド及び成熟サブユニットを含む。N末端からの741アミノ酸長のプロポリペプチドの切断は、2050アミノ酸からなる成熟VWFを生じる。VWFプレプロポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号2に示し、そしていくつかの変異体が公開されている(例えば、NCBI参照配列NP_000543.2)。VWF分子が配列番号2の全ての残基を含む必要はないが、別の指示がなければ、本出願におけるVWF残基のアミノ酸番号付けは配列番号2を参照する。成熟野生型VWFのアミノ酸配列は、配列番号2の残基764〜2813に対応する。本明細書で使用される用語「VWF」は、上述のいずれか1つのVWF機能のうちの少なくとも部分的なVWF活性を示すVWFのいずれかの形態又はその変異体を指す。

0047

野生型VWFのプロポリペプチドは、以下の順序で配置された多数のドメインを含む(Schneppenheim and Budde (2011) J Thrombosis Haemostasis 9 (Suppl.1) 209−215に従うプロ−VWFドメインD1〜D4のドメイン構造、Zhou et al (2012) Blood 120、449−458に従うCドメインのドメイン構造及び命名法):
D1−D2−D’−D3−A1−A2−A3−D4− C1−C2−C3−C4−C5−C6−CK
D1及びD2ドメインは、切除されて成熟VWFを生じるプロペプチドに相当する。、D’ドメインは配列番号2のアミノ酸764〜865を包含し;D’D3ドメインは、配列番号の2それぞれアミノ酸764〜1241、764〜1242、764〜1247、若しくは764〜1270、又は764と1241〜1270との間のいずれかの配列を包含する。カルボキシ末端の90残基は、タンパク質の「シスチンノット」スーパーファミリー相同な「CK」ドメインを含む。これらのファミリーメンバーは、ジスルフィド結合を通して二量体化する傾向を有する。Zhouらにより定義されるC末端ドメインC1〜C6は、配列番号2における残基2255〜2333(C1)、2334〜約2402(C2)、2429〜2496(C3)、2497〜2577(C4)、2578〜2646(C5)、及び2647〜2722(C6)に対応する。

0048

野生型フォン・ビルブラント因子は、配列番号2に示される成熟フォン・ビルブラント因子のアミノ酸配列、残基764〜2813を含む。VWFの生物学的活性が保持される限り、VWFの付加、挿入、N末端、CK末端又は内部欠失も包含される。欠失及び/又は他の修飾を含むVWFが、野生型VWFについて測定されたいずれかの活性の少なくとも10%、好ましくは15%、20%、25%、又は30%、より好ましくは少なくとも40%又は50%、なおより好ましくは少なくとも60%、70%又は75%を保持する場合、本発明の意味で生物学的活性は保持される。野生型VWFの生物学的活性は、例えば、リストセチン補因子活性を測定するための方法(Federici AB et al.2004.Haematologica 89:77−85)、血小板糖タンパク質複合体Ib−V−IXのGP IbαへのVWFの結合(Sucker et al.2006.Clin Appl Thromb Hemost.12:305−310)、又はコラーゲン結合アッセイ(Kallas & Talpsep.2001.Annals of Hematology 80:466−471)、又は例えば表面プラズモン共鳴によるコラーゲン結合の測定を使用して、当業者により決定され得る。使用され得るVWFの生物学的活性を決定する他の方法は、FVIII結合能の決定を含む(Veyradier et al.、Haemophilia 2011)。

0049

用語「血液凝固第VIII因子」、「第VIII因子」及び「FVIII」は本明細書において交換可能に使用される。「血液凝固第VIII因子」又は「第VIII因子」は、野生型血液凝固FVIIIに加えて、野生型血液凝固FVIIIのプロコアグラント活性が少なくとも部分的に保持されている野生型血液凝固FVIIIの誘導体又は変異体も含む。誘導体は、野生型FVIIIのアミノ酸配列と比較して、Bドメイン若しくはBドメインの一部の欠失のような欠失、挿入及び/又は付加を有し得る。用語第VIII因子は、重鎖及び軽鎖を含むFVIIIのタンパク質分解でプロセシングした形態、例えば、活性化前の2鎖形態、さらには未切断の単鎖第VIII因子を含む。

0050

用語「第VIII因子」は、野生型FVIIIの生物学的活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、20%又は25%、より好ましくは少なくとも30%、40%又は50%、最も好ましくは少なくとも60%、70%又は75%を保持するいずれかのFVIIIの変異体(variants)又は変異体(mutants)を含む。

0051

FVIIIを、約280kDaの分子量を有する単一ポリペプチド鎖として合成する。アミノ末端シグナルペプチドは、小胞体中へのFVIIIの転位の際に除去され、次いで、成熟(すなわち、シグナルペプチドの切断後)ネイティブFVIII分子が、Bドメインとa3ドメインとの間又はBドメイン内でその分泌の過程でタンパク質分解的に切断される。これは、約90〜200kDaのN末端重鎖フラグメントと金属イオン依存性結合した約80kDaのC末端軽鎖からなるヘテロダイマーの放出を生じる(Kaufman、Transfusion Med.Revs.6:235(1992)による概説も参照のこと)。

0052

ヘテロダイマーの生理的活性化は、トロンビンによるタンパク質鎖タンパク質分解切断により起こる。トロンビンは、重鎖を切断して90kDaタンパク質にし、次いで54kDa及び44kDaのフラグメントにする。トロンビンはまた、80kDa軽鎖を切断して72kDaのタンパク質にする。活性FVIIIを構成するのは、カルシウムイオンにより結び付けられた、後者のタンパク質及び重鎖フラグメント(上の54kDa及び44kDa)である。44kDa A2重鎖フラグメントが分子から解離する場合、又は72kDa及び54kDaのタンパク質がトロンビン、活性化タンパク質C若しくはFXaによりさらに切断される場合に、不活化が起こる。血漿において、FVIIIは、約50倍モル過剰のフォン・ビルブラント因子タンパク質(「VWF」)との結合により安定化され、これが上記のようなFVIIIのタンパク質分解を阻害するようである。

0053

FVIIIのアミノ酸配列は、3つの構造的ドメインに体系付けられる:それぞれ330アミノ酸の三重のAドメイン、980アミノ酸の単一のBドメイン、及びそれぞれ150アミノ酸の二重のCドメイン。Bドメインは、他のタンパク質に対して相同性を有しておらず、そしてこのタンパク質の25の潜在的なアスパラギン(N)連結グリコシル化部位のうちの18を提供する。Bドメインは凝固において機能を有していないようであり、Bドメインを除去されたFVIII分子がなお凝固促進(procoagulatory)活性を有したまま除去され得る。

0054

非限定的な例として、本明細書において使用される第VIII因子は、減少若しくは妨げられたAPC切断をもたらすFVIII変異体(Amano 1998.Thromb.Haemost.79:557−563)、さらに安定化されたA2ドメインを有するFVIII変異体(WO 97/40145)、増加した発現を生じるFVIII変異体(Swaroop et al.1997.JBC 272:24121−24124)、減少した免疫原性を有するFVIII変異体(Lollar 1999.Thromb.Haemost.82:505−508)、独立して発現された重鎖及び軽鎖から再構成されたFVIII(Oh et al.1999.Exp.Mol.Med.31:95−100)、HSPGのようなFVIIIの異化を生じる受容体への減少した結合を有するFVIII変異体(heparan sulfate proteoglycans)及び/又はLRP(低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質)(Ananyeva et al.2001.TCM、11:251−257)、ジスルフィド結合を安定化されたFVIII変異体(Gale et al.、2006.J.Thromb.Hemost.4:1315−1322)、改善された分泌特性を有するFVIII変異体(Miao et al.、2004.Blood 103:3412−3419)、増加した補因子特異的活性を有するFVIII変異体(Wakabayashi et al.、2005.Biochemistry 44:10298−304)、改善された生合成及び分泌、減少したERシャペロン相互作用、改善されたER−ゴルジ輸送、不活化に対する増加した活性化又は抵抗性及び改善された半減期を有するFVIII変異体(Pipe 2004.Sem.Thromb.Hemost.30:227−237により要約される)、並びにフリンにより切断不可能な1本鎖FVIII変異体を含む。これらのFVIII変異体(mutants)及び変異体(variants)は全てそれら全体で参照により本明細書に加入される。

0055

好ましくは、第VIII因子は、配列番号6に示されるFVIIIの全長配列を含み、より好ましくは、第VIII因子は、Bドメインの部分的又は完全な欠失を有するFVIIIの変異体である。FVIIIの生物学的活性が少なくとも部分的に保持されている限り、FVIIIの付加、挿入、置換、N末端、C末端又は内部の欠失も包含される。生物学的活性は、修飾を含むFVIIIが野生型FVIIIの生物学的活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、20%又は25%、より好ましくは少なくとも30%、40%又は50%、最も好ましくは少なくとも60%、70%又は75%も保持する場合に、本発明の意味で保持されている。第VIII因子の生物学的活性は以下に記載される熟練工(artisan)により決定され得る。

0056

第VIII因子の生物学的活性を決定するための適切な試験は、例えば、段階凝固アッセイ(Rizza et al.1982.Coagulation assay of FVIII:C and FIXa in Bloom ed.The Hemophilias.NY Churchchill Livingston 1992)又は発色性(2段階)基質FVIII活性アッセイ(S.Rosen、1984.Scand J Haematol 33: 139−145、suppl.)である。これらの参考文献の内容は、参照により本明細書に加入される。

0057

ヒト血液凝固FVIIIの成熟野生型形態のアミノ酸配列を配列番号6に示す。特定の配列のアミノ酸位置の言及は、FVIII野生型タンパク質におけるそのアミノ酸の位置を意味し、かつ言及される配列における他の位置での変異、例えば欠失、挿入及び/又は置換の存在を排除するものではない。例えば、配列番号6を参照して残基2004の変異は、修飾されたホモログにおいて配列番号6の位置1〜2332における1つ又はそれ以上のアミノ酸が欠けているということを除外しない。

0058

上記定義内の「第VIII因子」及び/又は「VWF」はまた、個体ごとに存在及び発生し得る天然の対立遺伝子変異及び他の哺乳動物種由来のFVIII、例えばブタFVIIIも含む。上記定義内の「第VIII因子」及び/又は「VWF」はさらに、FVIII及び又はVWFの変異体を含む。このような変異体は、野生型配列と1つ又はそれ以上のアミノ酸残基において異なる。このような差異の例としては、保存的アミノ酸置換、すなわち、類似した特徴を有するアミノ酸、例えば(1)小さいアミノ酸、(2)酸性アミノ酸、(3)極性アミノ酸、(4)塩基性アミノ酸、(5)疎水性アミノ酸、及び(6)芳香族アミノ酸グループ内での置換が挙げられ得る。このような保存的置換の例を以下の表1に示す。

0059

0060

FVIII又はVWFにおける用語「保存された残基」は、進化的に保存された残基に関連し、すなわち、ここでそれぞれの位置において、同一の残基又は保存的置換が少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの哺乳動物配列において見出される。

0061

FVIII、VWF又はそのドメインの用語「変異体(variant)」は、それぞれ配列番号6又は2において示される配列又は配列の関連する部分に対して、少なくとも50%の配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%又は80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも82%、84%、85%、86%、又は88%の配列同一性、なおより好ましくは少なくとも90%、92%、94%、95%の配列同一性を有するタンパク質又はドメインを指すが、ただし変異体は、それぞれタンパク質又はそのドメインの生物学的活性の、少なくとも10%、好ましくは15%、20%、25%、又は30%、より好ましくは少なくとも40%又は50%、なおより好ましくは少なくとも60%、70%又は75%を保持する。特定の位置は、その他の位置よりも変異に適しているかもしれないということが認識される。例えば、VWFのCKドメインの変異体は、位置2773(又はその等価物)においてシステインを保持している必要があり、これはダイマーの形成に必須であるようである。CKドメイン中の他のシステイン残基(Zhou et al (2012) Blood 120、449−458)、及びVWFの他のドメインそしてまたFVIIIもまた必須であり得る。

0062

配列同一性%を決定するために、適切な配列整列プログラム、例えばGCスイートのGAPプログラムを使用して、デフォルトパラメーターを使用して配列を整列させる(Devereux et al (1984) Nucl AcidsRes 12、387)。配列を整列させるために使用され得る他のプログラムとしては、FASTA(Lipman & Pearson (1985) Science 227、1436−1441)、BLAST(Altschul et al (1990) J Mol Biol 215、403−410)、及びClustalW(Thompson et al (1994) Nucl Acids Res 22、4673−4680)が挙げられる。

0063

本発明の一実施態様において、共有結合連結は、遺伝子操作によりFVIIIに導入されるFVIII中のシステイン残基と、野生型VWF配列中に見出されるシステイン、又は遺伝子操作によりVWF配列中の適切な位置にも導入され得るシステイン残基との間のジスルフィド架橋により達成される。

0064

本発明の1つの好ましい実施態様は、半減期を延長されたVWFと第VIII因子とを含む共有結合複合体に関し、ここで第VIII因子は、少なくとも1つの天然に存在するアミノ酸のシステイン残基での置換、又はVWF中のシステイン残基とジスルフィド架橋を形成するFVIII中の適切な位置における少なくとも1つのシステイン残基の挿入により修飾される(図3)。

0065

従って、本発明によれば、複合体の第VIII因子成分のアミノ酸配列は、配列番号6に示される野生型FVIIIのアミノ酸配列と異なる。修飾された第VIII因子は、少なくとも1つの変異、例えば天然に存在するアミノ酸のシステインでの置換、又は例えばC3ドメイン若しくはC末端ドメイン中の適切な位置でのシステイン残基の挿入を有する。従って、本発明の複合体の第VIII因子において1つ又はそれ以上、例えば2、3、4、5、又はそれ以上のさらなるシステイン残基が存在し得;より好ましくは、1つ又は2つだけのさらなるシステイン残基が導入され、最も好ましくは、1つのさらなるシステイン残基が導入される。

0066

より好ましくは、第VIII因子において置換される天然に存在するアミノ酸は、a3ドメイン中のアミノ酸である。より好ましくは、第VIII因子中の置換される天然に存在するアミノ酸は、FVIII a3ドメインのアミノ酸1653〜1660内又はアミノ酸1667〜1674内又はアミノ酸1675〜1688内に位置する。より好ましくは、a3ドメイン中の天然に存在するアミノ酸は、酸性残基、好ましくは保存された酸性アミノ酸残基、又は出血性表現型に関与する残基、又はFVIII a3ドメイン中の硫酸化され得るTyr残基である。なおより好ましくは、システインで置換されるa3ドメイン中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号6中のE1649、D1658、E1660、D1663、Y1664、D1665、D1666、E1671、E1675、D1676、D1678、I1679、Y1680、E1682、D1683、E1684から、なおより好ましくはT1653、L1655、D1658、E1660、S1669、V1670、N1672、K1673、K1674、E1675、D1676及び/若しくはN1685又は例えば第VIII因子の遺伝子操作された形態における等価な位置から選択される。最も好ましくは、システインで置換されるa3ドメイン中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号6中のT1654、Q1656、F1677、D1678、I1679、Y1680、D1681、E1682、D1683、E1684、Q1686、S1687及び/若しくはP1688又は例えばFVIIIの遺伝子操作された形態中の等価な位置から選択される。

0067

好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、実施例6に示される実験的に評価された共有結合で結合された第VIII因子対VWFの0.5より高い相対比及び実施例9に示された実験的に評価された第VIII因子の活性により選択される。最も好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、1.0より高い上記相対比で選択される。

0068

本発明の第一の局面の別の好ましい実施態様において、システインで置換される天然に存在するアミノ酸は、FVIIIのC末端ドメインにあり、好ましくはアミノ酸2051と2270との間のFVIII領域中のアミノ酸であり、より好ましくは残基は配列番号6中のI2098、S2119、N2129、R2150、P2153、W2229、Q2246又は例えばFVIIIの操作された形態中の等価な位置から選択される。

0069

本発明の第一の局面のさらなる好ましい実施態様において、VWFは、システイン残基での天然に存在するアミノ酸の置換、又はシステイン残基の挿入によっても修飾され、これが第VIII因子中に導入されたシステイン残基とジスルフィド架橋を形成する。VWF中の天然に存在するアミノ酸は、D’若しくはD3領域内の残基、好ましくはD’若しくはD3領域中の塩基性残基、又はD’若しくはD3領域中の高度に保存された残基、又はN−VWD型に関与する残基又はVWF分子の表面上に露出されたアミノ酸である。本発明の好ましい実施態様において、システイン残基は、TIL’ドメイン、E’ドメイン、VWD3ドメイン、C8−3ドメイン、TIL−3ドメイン若しくはE−3ドメイン中に挿入され、又はシステイン残基で置換されるVWF中の天然に存在するアミノ酸は、TIL’ドメイン、E’ドメイン、VWD3ドメイン、C8−3ドメイン、TIL−3ドメイン若しくはE−3ドメイン(Zhou et al (2012) Blood 120(2) 449−458により定義されるドメイン)中の残基である。例えば、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、R768、R782、R816、R820、R826、R852、R854、R906、R924、R945、R960、R976、R1035、H817、H831、H861、H874、H916、H952、H977、H1047、K773、K790、K834、K843、K855、K882、K912、K920、K922、K923、K940、K948、K968、K985、K991、K1026、K1036、K1052、K1073、G785、M800、D879、Q1053、E1078、E787、A789、T789、T791、Q793、N794、Y795、P828、F830、E835、P838、D853、W856、L884から選択される。好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号2中のT795、R816、D879、D951、E1161、及び/若しくはR1204又は例えばVWFの操作された形態中の等価な位置から選択される。より好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、配列番号2中のR768、R782、H817、D853、E933、L984、E1015、D1076、E1078、P1079、K1116及び/若しくはN1134又は例えばVWFの操作された形態中の等価な位置から選択される。

0070

好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、実施例6に示される実験的に評価された共有結合で結合されたFVIII対VWFの0.5より高い相対比、及び実施例9に示される実験的に評価された第VIII因子の活性により選択される。最も好ましくは、VWF中の天然に存在するアミノ酸は、1.0より高い上記比率により選択される。

0071

好ましくは、FVIII及びVWF中の天然に存在するアミノ酸残基の置換の以下の組み合わせの1つ又はそれ以上が導入される:
A/T789C:D1658C、M800C:D1658C、P828C:D1658C、F830C:D1658C、P838C:D1658C、D853C:D1658C、R924C:D1658C、E1078C:D1658C、F830C:D1663C、P838C:D1663C、D853C:D1663C、E1078C:D1663C、E1078C:Y1664C、P838C:D1665C、R816C:D1666C、F830C:D1666C、E835C:D1666C、T791C:E1671C、F830C:E1671C、E835C:E1671C、D879C:E1671C、A/T789C:E1675C、T791C:E1675C、N794C:E1675C、P828C:E1675C、F830C:E1675C、E835C:E1675C、P838C:E1675C、D879CE1675C、R924C:E1675C、E1078C:E1675C、A/T789C:D1676C、T791C:D1676C、N794C:D1676C、F830C:D1676C、E835C:D1676C、A/T789C:D1678C、F830C:D1678C、E835C:D1678C、A/T789C:I1679C、M800C:I1679C、F830C:I1679C、E835C:I1679C、R854C:I1679C、D879C:I1679C、A/T789C:Y1680C、T791C:Y1680C、Y795C:Y1680C、M800C:Y1680C、R816C:Y1680C、F830C:Y1680C、E835C:Y1680C、R854C:Y1680C、D879C:Y1680C、A/T789C:E1682C、Y795C:E1682C、R816C:E1682C、P828C:E1682C、E835C:E1682C、P838C:E1682C、R854C:E1682C、D879C:E1682C、Q1053C:E1682C。

0072

FVIII及びVWF中の天然に存在するアミノ酸残基の置換の以下の組わせのうちの1つ又はそれ以上が導入される:
F1677C:R768C、I1679C:R768C、Y1680C:R768C、N1685C:R768C、T1654C:R782C、E1675C:R782C、N1685C:R782C、Q1686C:Y795C、S1687C:Y795C、P1688C:Y795C、P1688C:Y795C、E1675C:H816C、D1676C:R816C、Y1680C:R816C、E1682C:R816C、P1688C:R816C、Y1680C:H817C、N1685C:H817C、Q1686C:H817C、S1687C:H817C、I1679C:P828C、Y1680C:D853C、N1685C:D853C、T1654C:D879C、P1688C:E933C、P1688:T951C、T1653C:L984C、T1654C:L984C、L1655C:L984C、S1669C:L984C、K1673C:L984C、D1683C:L984C、T1653C:E1015C、L1655C:E1015C、S1669C:E1015C、V1670C:E1015C、N1672C:E1015C、K1673C:E1015C、D1678C:E1015C、I1679C:E1015C、E1684C:E1015C、S1687C:E1015C、F1677C:V1027C、I1679C:V1027C、P1688C:V1027C、S1657C:D1076C、K1673C:D1076C、D1676C:D1076C、F1677C:D1076C、I1679C:D1076C、E1682C:D1076C、D1683C:D1076C、Q1686C:D1076C、D1676C:E1078C、I1679C:E1078C、Y1680C:E1078C、T1653C:P1079C、L1655C:P1079C、S1657C:P1079C、D1658C:P1079C、E1682C:P1079C、V1670C:K1116C、K1673C:K1116C、D1676C:K1116C、D1678C:K1116C、D1681C:K1116C、Q1686C:K1116C、P1688C:K1116C、T1653C:N1134C、L1655C:N1134C、E1660C:N1134C、D1678C:N1134C、D1683C:N1134C、E1684C:N1134C、Q1686C:N1134C、T1653C:E1161C、L1655C:E1161C、K1674C:E1161C、D1676C:E1161C、E1684C:E1161C、S1687C:E1161C、P1688C:R1204C。

0073

最も好ましくは、FVIII及びVWF中の天然に存在するアミノ酸残基の置換の以下の組み合わせの1つ又はそれ以上が導入される:
T1654:P1079、T1654:N1134、Q1656:D1076、F1677:K1116、D1678:R782、I1679:K1116、Y1680:H817、Y1680:D853、Y1680:E1078、D1681:R768、E1682:R768、D1683:R768、E1684:R768、Q1686:R768、Q1686:E1015、S1687:R768、S1687:N1134、P1688:R768、P1688:H817、P1688:E933、P1688:L984、P1688:E1015、P1688:D1076及びP1688:N1134。

0074

好ましくは、VWF及び第VIII因子中の1つ又はそれ以上の挿入されたシステイン残基の組み合わせの天然に存在するアミノ酸は、実施例6に示される実験的に評価された共有結合で結合された第VIII因子対VWFの0.5より高い相対比及び実施例9に示される実験的に評価された第VIII因子の活性により選択される。最も好ましくは、VWF及び第VIII因子中の1つ又はそれ以上の挿入されたシステイン残基の組み合わせの天然に存在するアミノ酸は1.0より高い上記比により選択される。

0075

好ましくは、本発明の複合体中の第VIII因子は、遺伝子操作された第VIII因子である。操作された第VIII因子は、部分的又は完全なBドメイン欠失を含み得、これは1つ又はそれ以上のアミノ酸の置換、挿入、欠失又はそれらの組み合わせを含む変異した第VIII因子であっても、第VIII因子の1本鎖バージョンであっても、半減期延長部分、例えば半減期延長ポリペプチド(HLEP)との融合ポリペプチドであってもよい。また、例えば、ポリエチレングリコール(PEG化)、グリコシル化PEG、ヒドロキシルエチルデンプン(HES化)、ポリシアル酸、エラスチン様ポリペプチド、ヘパロサン(heparosan)ポリマー又はヒアルロン酸のような半減期延長部分の結合により、化学的に修飾された第VIII因子であってもよい。これはまた、別の種、例えば別の哺乳動物種由来の第VIII因子、例えばブタ第VIII因子であってもよい。

0076

好ましくは、本発明の複合体中のVWFは、VWFの半減期延長形態である。

0077

本明細書で使用される用語「半減期」は、それぞれのタンパク質の機能的半減期、すなわちインビボで、すなわち血中で活性の半分が失われるのにかかる時間を示す。

0078

好ましい実施態様において、本発明の複合体中のVWFの半減期延長形態は、VWFの遺伝子操作された形態である。より好ましくは、遺伝子操作されたVWFは、半減期延長ポリペプチド(HLEP)のような半減期延長部分とのVWFの融合タンパク質である。

0079

本明細書で使用される「半減期増強ポリペプチド」又は「半減期延長ポリペプチド」(HLEP)は、その半減期を延長するために、目的のタンパク質、特にVWFに融合される部分である。好ましいHLEPは、アルブミン、アルブミンファミリーメンバー免疫グロブリンGの定常領域及びそのフラグメント、生理的条件下でアルブミン、アルブミンファミリーのメンバー、さらには免疫グロブリン定常領域の一部に結合することができるポリペプチド若しくは脂質からなる群より選択される。凝固因子の治療活性又は生物学的活性を安定化又は延長することができるのは、本明細書に記載される全長半減期延長タンパク質(例えば、アルブミン、アルブミンファミリーのメンバー、若しくは免疫グロブリンGの定常領域)又はその1つ若しくはそれ以上のドメイン若しくはフラグメントであり得る。このようなフラグメントは、HLEPフラグメントが野生型VWF又は第VIII因子と比較して少なくとも25%の機能的半減期延長を生じる限り、10若しくはそれ以上のアミノ酸長から構成され得、又はHLEP配列からの少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約50、少なくとも約100若しくはそれ以上の連続したアミノ酸を含み得、又はそれぞれのHLEPの特定のドメインの一部若しくは全てを含み得る。

0080

HLEPはHLEPの変異体であり得る。用語「変異体(variants)」は、挿入、欠失及び保存的又は非保存的のいずれかの置換を含み、ここでこのような変化は、HLEPの半減期延長特性が少なくとも部分的に維持されることを可能にする。

0081

特に、本発明の提案されるVWF HLEP融合構築物は、HLEP及びHLEPのフラグメントの天然に存在する多型変異体を含み得る。HLEPは、いずれかの脊椎動物、特にいずれかの哺乳動物、例えばヒト、サルウシヒツジ、又はブタ由来であり得る。非哺乳動物HLEPとしては、限定されないが、ニワトリ及びサケが挙げられる。

0082

好ましくは、半減期延長部分は、アルブミン又はその変異体若しくはフラグメント、免疫グロブリン定常領域又はその変異体及び部分、例えばFcフラグメント、大きい流体力学的体積を有する溶媒和されたランダム鎖(例えばXTEN、ホモアミノ酸反復(HAP)又はプロリン−アラニン−セリン反復(PAS))、アファミン又はその変異体、アルファ−フェトプロテイン又はその変異体、ビタミンD結合タンパク質又はその変異体、トランスフェリン又はその変異体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン−βサブユニットのカルボキシル末端ペプチド(CTP)、生理的条件下でアルブミン又は免疫グロブリン定常領域に結合することができるポリペプチド又は脂質から選択される。最も好ましくは、HLEPはヒト血清アルブミンである。

0083

用語「ヒト血清アルブミン」(HSA)及び「ヒトアルブミン」(HA)は、本出願において交換可能に使用される。用語「アルブミン」及び「血清アルブミン」はより広義であり、ヒト血清アルブミン(並びにそのフラグメント及び変異体)に加えて他の種由来のアルブミン(並びにそのフラグメント及び変異体)も包含する。

0084

本明細書で使用される「アルブミン」は、アルブミンポリペプチド若しくはアミノ酸配列、又はアルブミンの1つ又はそれ以上の機能的活性(例えば、生物学的活性)、例えばCa2+、Na+、K+、Zn2+イオン脂肪酸ホルモンビリルビンの結合又はFcRnへの結合を有するアルブミンフラグメント若しくは変異体を集合的に指す。特に、「アルブミン」は、ヒトアルブミン若しくはそのフラグメント、特に本明細書で配列番号7に示されるヒトアルブミンの成熟形態、又は他の脊椎動物由来のアルブミン若しくはそのフラグメント、又はこれらの分子のアナログ若しくは変異体若しくはそのフラグメントを指す。

0085

特に、本発明の提案されるVWF融合構築物は、ヒトアルブミンの天然に存在する多型変異体及びヒトアルブミンのフラグメントを含み得る。一般的に言えば、アルブミンフラグメント又は変異体は、少なくとも30、最も好ましくは70より多いアミノ酸長である。アルブミン変異体は、アルブミンの少なくとも1つのドメイン全体若しくは該ドメインのフラグメント、例えばドメイン1(配列番号7のアミノ酸1〜194)、2(配列番号7のアミノ酸195〜387)、3(配列番号7のアミノ酸388〜585)、1+2(配列番号7の1〜387)、2+3(配列番号7の195〜585)又は1+3(配列番号3のアミノ酸1〜194+配列番号7のアミノ酸388〜585)から優先的に成るものであっても、あるいはこれらを含んでいてもよい。各ドメインは、残基Lys106〜Glu119、Glu292〜Val315及びGlu492〜Ala511を含む可動性サブドメインリンカー領域と共に、それ自体2つの相同なサブドメイン、すなわち1〜105、120〜194、195〜291、316〜387、388〜491及び512〜585から構成される。

0086

本発明の複合体内のVWF融合構築物のアルブミン部分は、HAの少なくとも1つのサブドメイン若しくはドメイン又はそれらの保存的修飾を含み得る。

0087

好ましい実施態様において、アルブミンのN末端は修飾されたVWFのアミノ酸配列のC末端に融合される。すなわち、本発明の複合体は構造:
mVWF−L−A
[ここでmVWFは本明細書上記の修飾されたVWFであり、Lは任意のペプチドリンカー配列であり、そしてAは本明細書の上で定義されるアルブミンである]
を含み得る。

0088

本発明の修飾されたVWF又は修飾されたVWFとのFVIIIの複合体は、1つより多くのHLEP配列、例えば2または3つのHLEP配列を含み得る。これらの複数のHLEP配列は、縦一列に、例えば連続した反復として、VWFのC末端部分に融合され得る。

0089

HLEPはまた、ペプチドリンカーによりVWFにカップリングされ得る。リンカーは非免疫原性であるべきであり、そして切断不可能なリンカーでも切断可能なリンカーでもよい。切断不可能なリンカーは、例えば、WO2007/090584において例示されるように交互のグリシン及びセリン残基から構成され得る。

0090

VWF部分とHLEP部分との間の可能なペプチドリンカーはまた、ペプチド配列から成るものであり得、これはヒトタンパク質における天然ドメイン間リンカーとして役立つ。好ましくは、それらの天然環境におけるこのようなペプチド配列はタンパク質表面の近くに位置し、そしてこの配列に対する自己寛容natural tolerance)が想定され得るように免疫系にアクセス可能である。例がWO2007/090584に示される。好ましくは、リンカー領域はVWFの配列を含み、これは発現された融合タンパク質の新抗原特性の減少した危険性を生じるはずである。

0091

切断可能なリンカーは、プロテアーゼによる切断を可能にするために十分可動性であるべきである。リンカーペプチドは、好ましくは凝固系のプロテアーゼ、例えばFIIa、FIXa、FXa、FXIa、FXIIa及び/又はFVIIaにより切断可能である。

0092

HLEPはまた、非共有結合で半減期延長部分、例えばヒト血漿中に天然に存在するタンパク質(例えば、アルブミン、免疫グロブリン)に結合することができるペプチドであり得る。この場合、VWFは、好ましくはD’D3ドメインに対してC末端又はN末端に、半減期延長部分を結合するペプチドを保有するやり方で修飾されるだろう。

0093

本発明の別の実施態様において、VWFの半減期は、化学的修飾、例えばポリエチレングリコール(PEG化)、グリコシル化PEG、ヒドロキシルエチルデンプン(HES化)、ポリシアル酸、エラスチン様ポリペプチド、ヘパロサンポリマー又はヒアルロン酸のような半減期延長部分の結合により延長される。

0094

本発明の別の実施態様は、第VIII因子と半減期を延長されたVWFとの共有結合複合体であり、ここで第VIII因子は、第VIII因子に付加されたさらなるペプチド又はポリペプチド配列を介してVWFに接続される。好ましくは、付加された配列は1つ又はそれ以上のVWFドメインを含む。

0095

上述のように、小胞体での生合成の間、VWFプロペプチドモノマーは、C末端シスチンノットドメイン(CK)の間に形成されたC末端ジスルフィド架橋を介してダイマーへと組み立てられる。本発明者らは、驚くべきことに、このCKドメインが、第VIII因子に融合された場合に、第VIII因子中に導入されたCKドメインと、VWF中に天然に存在するものとの間にジスルフィド共有結合連結をもたらすということを今や見出した。従ってこのことは、本発明の第VIII因子とVWFとの間の共有結合複合体を達成する別の新しい方法を提示する。共有結合連結が形成される効率は、第VIII因子に融合されたVWFの部分にさらなるCドメインが含まれる場合に増強され得る。これらは、例えば、場合によりさらなるVWFドメインにより延長された、Zhouら(2012、Blood 120、449−458)により定義された、C5〜C6ドメイン、C3〜C6ドメイン又はC1〜C6ドメインであり得る。

0096

従って、本発明の別の実施態様は、VWF及び第VIII因子を含む共有結合複合体であり、ここでVWFはVWFの半減期延長形態であり、ここで第VIIIは、VWFのC末端ドメインCKを含み、場合によりさらなるVWFドメインを含有するように修飾されている。好ましくは、第VIII因子は、そのCK末端でそのように修飾されている。より好ましくは、第VIII因子は、システイン残基2773(又はその等価物が)が保存されるならば、好ましくはそのC末端に、配列番号2の残基2723〜2813、2722〜2813、2724〜2813、2580〜2813、2578〜2813、2497〜2813、2429〜2813、2400〜2813、2334〜2813、2255〜2813、1873〜2813、1683〜2813、1277〜2813、1264〜2813若しくは764〜2813又はその変異体を含む。好ましくは、修飾された第VIII因子は、CKドメインに加えて、Zhouら(2012、Blood 120、449−458)により定義されるVWFのC6、C5〜C6、C4〜C6、C3〜C6、C2〜C6、若しくはC1〜C6ドメイン又はその変異体を含む。場合により、CK及びCドメインはVWFのさらなるドメインにより延長され得る。

0097

本発明の別の実施態様において、第VIII因子はVWFのC末端ドメインの1つ又はそれ以上とN末端で融合される(図6を参照のこと)。このようなC末端ドメインは、VWFのC末端シスチンノット(CK)ドメインから誘導され得、そしてVWFのVWF配列全体までCドメイン、Dドメイン、又はAドメインのうちの1つ又はそれ以上をさらに含み得る(VWFの構造については図2を参照のこと)。より好ましくは、第VIII因子は、好ましくはそのN末端に、配列番号2の残基2723〜2813、2722〜2813 2724〜2813、2580〜2813、2578〜2813、2497〜2813、2429〜2813、2400〜2813、2334〜2813、2255〜2813、1873〜2813、1683〜2813、1277〜2813若しくは1264〜2813若しくは764〜2813又はその変異体を含むが、ただしシステイン残基2773(又はその等価物)は保存される。この実施態様において、シグナルペプチドをVWFドメインのN末端に付加し、そしてVWFドメインを成熟第VIII因子(シグナルペプチド無し)のN末端に直接又はポリペプチドリンカーを介して融合する。

0098

好ましくは、VWFの、場合によりさらなるドメインにより延長されたC末端CKドメインは、切断可能なリンカーにより第VIII因子に結合される。リンカー配列は、1つ又はそれ以上のアミノ酸、例えば1〜200、1〜150、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、1〜15、1〜10、1〜5又は1〜3つ(例えば1、2又は3)のアミノ酸から成るものであり得、そしてこれらは互いに等しくても異なっていてもよい。通常は、リンカー配列は野生型凝固因子中の対応する位置に存在しない。好ましくは、リンカーは切断可能なリンカーであり、すなわち、これはプロテアーゼの切断部位を含み、好ましくは、血液凝固に関連するプロテアーゼにより切断可能な切断部位を含み、より好ましくは、切断可能なリンカーはトロンビン切断部位を含み、なおより好ましくはFVIIIのトロンビン切断部位のうちの1つを含む。

0099

切断可能リンカーの例は
DFDIYDEDENQSPRSFQKKTRHYFIAAVELWDYGMSSSHVLRN (配列番号6(FVIII)のaa1675〜1720)又は
NTGDYYEDSYEDISALLSKNNAIEPRSFSQNSRHRSTRQKQFNATTIPEN (配列番号6のaa714〜764)又は
VRFDDDNSPSIQIRSVAKKHPKTWVHYIAAEEEDWDYAPLV (配列番号6のaa357〜399)又は
VVRFDDDNSPSFIQIRSVAKKHPKTWVHYIAAEEEDWDYA (配列番号6のaa357〜396)又は
VVRFDDDNSPSFIQIRSVAKKHPKTWVHYIAAEEEDWD (配列番号6のaa357〜394)
であり、切断性が保持されるならば、その欠失、挿入及び/又は置換を含む。

0100

場合により、リンカーはさらなるアミノ酸残基を含み、これらは好ましくはVWF由来のドメインとリンカーの切断可能な部分との間に導入される。好ましくは、さらなる残基は、第VIII因子とVWFとの、特にそれぞれa3及びD’D3領域を介した相互作用を可能にするために十分な長さのペプチドを提供する。さらなるアミノ酸残基は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120又は150アミノ酸よりも多くてもよい。好ましくは、さらなるアミノ酸残基は、可動性「非構造的」ペプチドを形成し、そしてより好ましくは、グリシン−セリン反復、プロリン−アラニン−セリン反復、ホモアミノ酸反復、又はFVIII Bドメインの配列を含むか、又はこれらから成る。

0101

本発明の別の実施態様は、VWF及び第VIII因子を含む共有結合複合体であり、ここでVWFはVWFの半減期延長形態であり、かつ第VIII因子はVWFのD’D3領域、及び場合によりVWFのさらなるドメインを含むように修飾されている(図5)。好ましくは、第VIII因子は、その部分的又は完全なBドメインがVWF D’D3領域又はそのフラグメントで置き換えられるように修飾される(図5d及びe)。より好ましくは、第VIII因子は、好ましくはそのBドメイン(又はその一部)の代わりに、それぞれ配列番号2の残基764〜1241、764〜1242、764〜1247若しくは764〜1270又は764と1241〜1270との間のいずれかの配列、又はその変異体若しくはフラグメントを含む。

0102

好ましくは、VWFのD’D3ドメインは、細胞培養培地中への分子の分泌の際に2鎖分子が生成されるように、かつD’D3ドメインが第VIII因子軽鎖のN末端に位置するように、第VIII因子に結合される。これは、例えばPACE/フリンの切断部位を含む切断可能なリンカーを、第VIII因子a2ドメインとVWF D’D3ドメインとの間に導入することにより達成され得る(図5d及びe)。場合により、リンカーは、VWFのD’D3ドメインと第VIII因子a3ドメインとの間のさらなる残基を含む(図5e)。さらなる残基は、それぞれa3及びD’D3領域を介する第VIII因子とVWFとの分子内相互作用を可能にするために十分な長さのペプチドを含む。好ましくは、さらなる残基は、300、250、200、150、120、100、90、80、70、60、50、40、30、25、20、15、又は10アミノ酸未満である。さらなるアミノ酸残基は、可動性の「非構造的」ペプチドを含み得、好ましくはそれらはグリシン−セリン反復、プロリン−アラニン−セリン反復又はホモアミノ酸反復、又はFVIII Bドメイン由来の配列を含むか又はこれらから成りさえする。

0103

上記の実施態様は成熟形態であり;当業者は、例えば、さらなる配列、例えばN末端のシグナル配列を含めることにより、成熟形態を得るために発現されるべきタンパク質を構築することができる。

0104

あるいは、第VIII因子のN末端は、場合によりVWFのさらなるドメイン(例えば、D1及びD2ドメイン)を含有する、VWFD’D3ドメイン又はそのフラグメントのCドメイン末端に接続され、これは好ましくはシグナルペプチドによりN末端で伸長されている。これは、半減期を延長されたVWFとの共有結合の発現及び細胞内形成において助けとなる。より好ましくは、VWF部分は、配列番号2のN末端残基1〜1241若しくは残基764〜1241(プロペプチドの切断後)又はその変異体若しくはフラグメントを含む。

0105

好ましくは、それぞれVWFのD’D3又はD1D2D’D3ドメインは、切断可能なリンカーにより第VIII因子のN末端に結合される。より好ましくは、切断可能なリンカーは、プロテアーゼ切断部位、より好ましくは凝固系のプロテアーゼのうちの1つについての切断部位、なおより好ましくは、トロンビン切断部位、好ましくはFVIIIのトロンビン切断部位のうちの1つを含む。場合により、リンカーは、VWFのD’D3又はD1D2D’D3ドメインと第VIII因子分子との間にさらなる残基を含み、さらなる残基は、それぞれa3及びD’D3領域を介した第VIII因子とVWFとの分子内相互作用を可能にするために十分な長さのペプチドを含む。好ましくは、20、30、40、50、70、100又は150より多いさらなるアミノ酸が加えられる。好ましくは、さらなるアミノ酸は、可動性の非構造的ペプチドを含み、より好ましくは、それらはグリシン−セリン反復、プロリン−アラニン−セリン反復、ホモアミノ酸反復、又はFVIII Bドメインの配列を含むか又はそれらから成りさえする。

0106

さらなる代替として、第VIII因子のC末端は、VWFD’D3ドメイン又はそのフラグメントのN末端に接続される。これは、同時発現される半減期を延長されたVWFとの共有結合の発現及び細胞内形成において役立つ。より好ましくは、VWFは、それぞれ配列番号2のアミノ酸764〜1241、764〜1242、764〜1247若しくは764〜1270若しくは764と1241〜1270との間のいずれか配列又はその変異体もしくはフラグメントを含む。

0107

好ましくは、VWFのD’D3ドメイン(又はD1D2D’D3ドメイン)は、切断可能なリンカーにより第VIII因子のN末端に結合され;VWFドメインに対してN末端側にシグナルペプチドを含めることは、哺乳動物細胞におけるタンパク質の発現の際の分泌をもたらす。より好ましくは、切断可能なリンカーは、トロンビン切断部位、好ましくはそれぞれ配列番号6のアミノ酸位置372、740及び/又は1689におけるトロンビン切断部位を含む配列から構成されるFVIIIのトロンビン切断部位のうちの1つを含む。

0108

場合により、リンカーは、VWFのD’D3ドメインと第VIII因子分子との間にさらなる残基を含み、さらなる残基は、それぞれa3及びD’D3領域を介して第VIII因子とVWFとの相互作用を可能にするために十分な長さのペプチドを含む。好ましくは、20、30、40、50、70、100、120又は150より多いさらなるアミノ酸が加えられる。好ましくは、さらなるアミノ酸は、可動性の非構造的ペプチドを含み、より好ましくは、それらはグリシン−セリン反復、プロリン−アラニン−セリン反復、ホモアミノ酸反復、又はFVIII Bドメインの配列を含むか又はこれから成りさえする。

0109

様々なリンカーを含むこのような融合タンパク質の例を配列番号144〜177に示す;示される各配列、すなわちDNA及びその翻訳産物(融合タンパク質)、さらには遺伝コード冗長性のために同じ翻訳産物をコードするDNA配列(例えば、それらのDNA配列のコドン最適化バージョン)は、本発明の特定の実施態様である。しかし、当業者は、また本発明の範囲内でもあるこのような融合タンパク質の多くのさらなる例を設計することができるだろう。

0110

好ましくは、本発明の複合体のVWF部分は、天然で形成するようにマルチマーを形成する。特定の理由のためには、複合体のVWF部分がダイマーより多くを形成しないことが望ましいかもしれない。これは、VWFのプロペプチド配列を除去し、そしてVWFシグナルペプチドを直接D’のN末端に融合し、それによりプロペプチドを除去されたVWF分子の発現を可能にすることにより達成され得る。プロペプチドが存在しないことに起因して、D’D3ドメインを介した多量体化がブロックされる。他の特定の理由のためには、複合体のVWF部分がモノマーより多くを形成しないことが望ましいかもしれない。これは、VWFのプロペプチド配列を除去し、そしてVWFシグナルペプチドを直接D’に融合し、プロペプチドを除去されたVWF分子の発現を可能にすることにより、そしてさらにCys2773の別の適切なアミノ酸、例えばアラニンへの変異を導入することにより、達成され得る。

0111

本発明の別の実施態様は、1つ又はそれ以上の共有結合が第VIII因子とVWF結合部位との間に直接存在する(好ましくはジスルフィド結合)第VIII因子/VWF複合体、及び別の共有結合が分子の第VIII因子とVWF部分 との間に存在する第VIII因子/VWF複合体、及び1つ又はそれ以上のHLEPが第VIII因子に、VWFに、又は両方に接続されている第VIII因子/VWF複合体を形成する上記の実施態様のいずれかの組み合わせである(図12)。このような第VIII因子/VWF複合体は、第VIII因子とVWF部分との間にジスルフィド結合のみを含む複合体よりも高い収率で生成可能であり得るので、有利であり得る。

0112

本発明の第二の局面は、上記の第VIII因子とVWFとの共有結合複合体を製造する方法であり、該方法は、真核生物細胞株において第VIII因子及びVWFを同時発現させることを含む。従って、本発明はまた、本発明の複合体を形成するタンパク質をコードするポリヌクレオチドに関する。

0113

用語「ポリヌクレオチド」は、一般に、未修飾RNA若しくはDNAでも修飾されたRNA若しくはDNAでもよいいずれかのポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、1本鎖DNAでも2本鎖DNAでも、1本鎖RNAでも2本鎖RNAでもよい。本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、1つ又はそれ以上の修飾塩基及び/又は異常な塩基、例えばイノシンを含むDNA又はRNAも含む。当然のことながら、当業者に公知の多くの有用な目的に役立つ様々な修飾がDNA及びRNAに対して成され得る。本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチドのこのような化学的、酵素的または代謝的な修飾された形態、さらにはウイルス並びに単細胞及び複雑な細胞を含めた細胞に特徴的なDNA及びRNAの化学的形態も包含する。

0114

当業者には当然のことながら、遺伝子コード縮重に金して、所定のポリペプチドは異なるポリヌクレオチドによりコードされ得る。これらの「変異体(variants)は本発明により包含される。

0115

好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは単離されたポリヌクレオチドである。用語「単離された」ポリヌクレオチドは、限定されないが他の染色体及び染色体外DNA及びRNAのような他の核酸配列を実質的に含まないポリヌクレオチドを指す。単離されたポリヌクレオチドは、宿主細胞から精製され得る。当業者に公知の従来の核酸精製法が単離されたポリヌクレオチドを得るために使用され得る。この用語はまた、組み換えポリヌクレオチド及び化学的に合成されたポリヌクレオチドも含む。

0116

本発明はさらに、本発明の修飾されたVWF及び/若しくは修飾された第VIII因子、又は修飾されたVWF及び/若しくは修飾された第VIII因子を含む本発明のポリペプチドを一緒にコードする一群のポリヌクレオチドに関する。例えば、群中の第一のポリヌクレオチドは、修飾された第VIII因子の重鎖をコードし得、そして第二のポリヌクレオチドは修飾された第VIII因子の軽鎖をコードし得、そして第三のポリヌクレオチドは修飾されたVWFをコードし得る。

0117

本発明のさらに別の局面は、本発明に従うポリヌクレオチドを含むプラスミド又はベクターである。好ましくは、このプラスミド又はベクターは発現ベクターである。特定の実施態様において、ベクターはヒト遺伝子治療における使用のための転移ベクターである。

0118

本発明はまた、上記の一群のポリヌクレオチドを含む一群のプラスミド又はベクターに関する。第一のプラスミド又はベクターは、上記第一のポリヌクレオチドを含み得、そして第二のプラスミド又はベクターは上記第二のポリヌクレオチドを含み得る。あるいは、2つ又はそれ以上のコード配列が、本発明の複合体の一部である1つより多くのタンパク質の発現を方向づけるために、別々のプローター配列又は1つのプロモーター及び内部リボソーム移行部位(IRESエレメントのいずれかを使用して1つの発現ベクターにクローンされる。

0119

本発明のさらに別の局面は、本発明のポリヌクレオチド、プラスミド若しくはベクター、又は本明細書に記載される一群のポリヌクレオチド、若しくは一群のプラスミド若しくはベクターを含む宿主細胞である。

0120

本発明の宿主細胞は、本発明の共有結合複合体を製造する方法において使用され得る。該方法は:
(a) 所望のタンパク質複合体が発現されるような条件下で本発明の細胞を培養すること;及び
(b) 場合により、宿主細胞から、または培地から所望のタンパク質複合体を回収すること
を含む。

0121

適切な宿主細胞において高レベルで組み換え変異体タンパク質を産生することは、当業者に公知の方法に従って様々な発現系において増殖され得る組み換え発現ベクターにおいて適切な調節エレメントと一緒に有効な転写単位へと上述の修飾されたcDNAを組み立てることを必要とする。有効な転写調節エレメントは、それらの天然宿主として動物細胞を有するウイルスから、又は動物細胞の染色体DNAから誘導され得る。好ましくは、サルウイルス40、アデノウイルス、BKポリオーマウイルスヒトサイトメガロウイルス、若しくはラウス肉腫ウイルス長い末端反復由来のプロモーター−エンハンサーの組み合わせ、又はベータアクチン若しくはGRP78のような動物細胞における強く恒常的に転写される遺伝子を含むプロモーター−エンハンサーの組み合わせが使用され得る。cDNAから転写されたmRNAの安定な高いレベルを達成するために、転写単位はその3’近位部分において転写終結ポリアデニル化配列をコードするDNA領域を含有するべきである。好ましくは、この配列は、サルウイルス40初期転写領域、ウサギベータ−グロビン遺伝子、又はヒト組織プラスミノーゲン活性化因子遺伝子由来である。

0122

次いでcDNAを、修飾された第VIII因子及び/又はVWFタンパク質の発現のために適した宿主細胞株ゲノムに組み込み得、次いでこれを本発明の共有結合複合体へと組み立て得る。あるいは、細胞中で安定な染色体外エレメントとして残る安定なエピソームベクターもまた使用され得る。好ましくは、この細胞株は、正確な折り畳み、ジスルフィド結合形成、アスパラギン連結グリコシル化及び他の翻訳後修飾、さらには培地への分泌を確実にするために、脊椎動物起源の動物細胞株であるべきである。他の翻訳後修飾の例は、新生ポリペプチド鎖のチロシンO−硫酸化及びタンパク質分解性プロセシングである。使用され得る細胞株の例は、サルCOS細胞マウスL細胞、マウスC127細胞、ハムスターHK−21細胞、ヒトHEK−293細胞、及びハムスターCHO細胞である。

0123

対応するcDNAをコードする組み換え発現ベクターを、いくつかの異なる方法で動物又はヒトの細胞株中に導入し得る。例えば、組み換え発現ベクターは、異なる動物ウイルスに基づくベクターから作製することができる。これらの例は、バキュロウイルスワクシニアウイルス、アデノウイルス、及び好ましくはウシパピローマウイルスに基づくベクターである。

0124

対応するDNAをコードする転写単位もまた、組み換えDNAをそれらのゲノムに組み込まれている特定の細胞クローンの単離を容易にするために、これらの細胞において優性選択可能マーカーとして機能し得る別の組み換え遺伝子と一緒に動物細胞中に導入され得る。この種の優性選択可能マーカー遺伝子の例は、ジェネティシン(G418)に対する抵抗性を与えるTn5アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼハイグロマイシンに対する抵抗性を与えるハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、及びピューロマイシンに対する抵抗性を与えるピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼである。このような選択可能なマーカーをコードする組み換え発現ベクターは、所望のタンパク質のcDNAをコードするベクターと同じベクター上に存在していても、又は宿主細胞のゲノムに同時に導入され組み込まれる別のベクターにコードされていてもよく、頻繁に、強い物理的連結を異なる転写単位間に生じる。

0125

所望のタンパク質のcDNAと一緒に使用され得る他の種類の選択可能なマーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)をコードする様々な転写単位に基づく。この種の遺伝子を、内因性dhfr活性を欠いた細胞、優先的にCHO細胞(DUKX−B11、DG−44)中に導入した後、これらがヌクレオシドを含まない培地で増殖することが可能となる。このような培地の例は、ヒポキサンチンチミジン、及びグリシンを含まないHamのF12である。これらのdhfr遺伝子は、同じベクター又は異なるベクターのいずれかに連結されて、cDNA転写単位と一緒に上記の種類のCHO細胞中に導入され得、そのようにして組み換えタンパク質を産生するdhfr陽性細胞株を作製する。

0126

細胞傷害性dhfr阻害剤メトトレキサートの存在下で上記細胞株が増殖する場合、メトトレキサートに抵抗性の新しい細胞株が出現する。これらの細胞株は、増幅された数の連結されたdhfr及び所望のタンパク質の転写単位に起因して増加した速度で組み換えタンパク質を産生し得る。これらの細胞株を、増加する濃度のメトトレキサート(1〜10000nM)で増殖させる場合、非常に高い速度で所望のタンパク質を産生する新しい細胞株を得ることができる。

0127

所望のタンパク質を産生する上記細胞株を、懸濁培養液中又は様々な固体支持体上のいずれかで大規模で増殖させることができる。これらの支持体の例は、デキストラン若しくはコラーゲンマトリックスに基づくマイクロキャリア、又は中空繊維若しくは様々なセラミック材料の形態の固体支持体である。細胞懸濁培養液又はマイクロキャリアで増殖する場合、上記細胞株の培養は、バッチ培養として、又は長期間にわたって馴化培地の連続的製造を用いる灌流培養のいずれかとして行われ得る。従って、本発明によれば、上記細胞株は所望の組み換え変異体タンパク質の製造のための工業プロセスの開発のために十分適している。

0128

本発明の複合体を≧80%の純度まで、より好ましくは≧95%の純度まで精製することが好ましく、そして細胞培養由来の混入した高分子、特に他のタンパク質及び核酸に関して99.9%より高い純度で、かつ感染性及び発熱性の因子を含まない薬学的に純粋な状態が特に好ましい。好ましくは、単離された又は精製された本発明の修飾共有結合複合体は、他の無関係なポリペプチドを実質的に含まない。

0129

本発明の共有結合複合体は、上記の種類の分泌細胞の培地中に蓄積し、所望のタンパク質と細胞培養媒体中の他の物質の間のサイズ、電荷疎水性、溶解度、特異的親和性などの差異を利用する方法を含む様々な生化学的及びクロマトグラフィー法により濃縮及び精製され得る。

0130

このような精製の例は、例えば、HLEP、好ましくはヒトアルブミンに特異的な、又はそれぞれの凝固因子に特異的な、固体支持体上に固定されたモノクローム抗体への組み換え変異体タンパク質の吸着である。複合体の支持体への吸着、洗浄及び脱着後に、タンパク質を、上記の特性に基づいて様々なクロマトグラフィー技術によりさらに精製することができる。精製工程の順序は、例えば工程の容量及び選択性、支持体の安定性又は他の局面に従って選択される。例えば、好ましい精製工程は、限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー工程、免疫親和性クロマトグラフィー工程、親和性クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、色素クロマトグラフィー工程、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程、マルチモーダルクロマトグラフィー工程、及びサイズ排除クロマトグラフィー工程である。

0131

ウイルス混入の理論的危険性を最小にするために、ウイルスの効果的な不活化及び/又は除去を可能にするプロセスにおいてさらなる工程が含まれ得る。このような工程は、例えば、液体若しくは固体状態での熱処理溶媒及び/若しくは界面活性剤での処理、可視若しくはUVスペクトルでの照射ガンマ線照射又はナノろ過である。

0132

本発明の修飾されたポリヌクレオチド(例えばDNA)はまた、ヒト遺伝子治療における使用のために導入ベクターに組み込まれ得る。

0133

本発明のこの局面の別の実施態様において、(修飾された)第VIII因子及び(修飾された)VWFは、化学的架橋により共有結合で接続される。

0134

本発明の様々な生成物は薬剤として有用である。従って、本発明の第三の局面は、薬剤、好ましくは出血障害の処置又は予防における使用のための上記の共有結合複合体である。好ましくは、出血障害は血友病A又はVWDである。

0135

本発明の第四の局面は、上記の共有結合複合体を含む医薬組成物である。本発明において記載される共有結合複合体は、治療的使用のために医薬製剤へと製剤化され得る。精製されたタンパク質は、従来の生理学的に適合性水性緩衝溶液に溶解され、これには場合により、医薬製剤を提供するための医薬添加剤が添加され得る。

0136

このような医薬担体及び添加剤、さらには適切な医薬製剤は、当該分野で周知である(例えば、「Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins」、Frokjaer et al.、Taylor&Francis (2000)又は「Handbook of Pharmaceutical Excipients」、3rd edition、Kibbe et al.、Pharmaceutical Press (2000)を参照のこと)。標準的な医薬製剤化技術は当業者に周知である(例えば、2005 Physicians’ Desk Reference(R)、Thomson Healthcare: Montvale、NJ、2004; Remington: The Science and Practice of Pharmacy、20th ed.、Gennaro et al.、Eds.Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia、PA、2000を参照のこと)。特に、本発明の共有結合複合体を含む医薬組成物は、凍結乾燥形態又は安定な液体形態で製剤化され得る。ポリペプチド変異体は、当該分野で公知の様々な手順により凍結乾燥され得る。凍結乾燥製剤は、注射用滅菌水又は滅菌生理食塩水のような1つ又はそれ以上の薬学的に許容しうる希釈剤の添加により使用前に再構成される。

0137

組成物の製剤は、いずれかの薬学的に適した投与手段により個体に送達される。様々な送達系が公知であり、そしていずれかの都合の良い経路により組成物を投与するために使用され得る。好ましくは、本発明の組成物は全身投与される。全身使用のために、本発明の複合体は、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋内、腹腔内、脳内、肺内鼻腔内又は経皮)送達又は経腸的(例えば、経口、又は直腸)送達のために従来の方法に従って製剤化される。最も優先的な投与経路は、静脈内及び皮下投与である。製剤は、注入により又はボーラス注射により持続的に投与され得る。いくつかの製剤は遅い放出系を包含する。

0138

本発明の共有結合複合体は、治療有効用量で患者に投与され、これは、耐えられない有害な副作用を生じる用量に達することなく、処置される状態又は適応症重症度又は拡散を予防するか又は低減する、所望の効果を生じるために十分である用量を意味する。正確な用量は、例えば適応症、製剤、投与様式のような多くの因子に依存し、そして各々の適応症について前臨床及び臨床試験において決定されなければならない。

0139

本発明の医薬組成物は、単独で、又は他の治療剤と併用して投与され得る。これらの薬剤は、同じ医薬製剤の一部として組み込まれ得る。

0140

本発明のさらなる局面は、有効量の上記の複合体を、それを必要とする被験体に投与することにより出血障害を処置又は予防する方法である。別の実施態様において、該方法は、有効量の、本発明のポリヌクレオチド又は本発明のプラスミド若しくはベクターを個体に投与することを含む。あるいは、該方法は、有効量の本明細書に記載される本発明の宿主細胞を個体に投与することを含み得る。

0141

本発明は、以下の非限定的な実施例においてさらに記載される。本発明の特定の実施態様の記載は、添付の図面と合わせてなされ得る。

図面の簡単な説明

0142

図1:a)、成熟FVIIIタンパク質のドメイン構造; b) Bドメイン欠失成熟FVIIIタンパク質のドメイン構造; c) Bドメイン欠失1本鎖成熟FVIIIタンパク質のドメイン構造。矢印はPACE/フリン切断部位を示し、三角は活性化のためのトロンビン切断部位を示す。
図2: Zhouら、2012に従う、プロ−VWF(A)及び成熟VWF(B)のドメイン構造。VWF−二量体化及び多量体化は示していない。
図3: 第VIII因子及びVWFがジスルフィド架橋を介して連結された共有結合複合体の例。VWFドメインを灰色で示し、第VIII因子を白色で示す。
図4: VWFCKドメインを含むVWFドメインを伴う修飾FVIIIの例。FVIIIドメインを白色で示し、VWFドメインを灰色で示す。黒三角はトロンビン切断部位を示し、白三角はリンカーに導入されたプロテアーゼ切断部位を示す。
図4−1の続き
図5:D’D3ドメインを含むVWFドメインを伴う修飾FVIIIの例。矢印はPACE/フリン切断部位を示し、黒三角はトロンビン切断部位を示し、白三角はリンカーに導入されたプロテアーゼ切断部位を示す。
図5−1の続き。
図6: さらなるVWFドメインで修飾されたFVIII。記号は上で説明されたとおりである。
図6−1の続き。
図6−2の続き。
図7:化学的架橋により連結された共有結合複合体の例。
図8:共有結合で連結されたFVIII−SC/VWF−FP分子のウェスタンブロット。M、分子サイズマーカー。A、抗FVIII、B、抗VWF抗体ブロット
図9: 精製後(レーン1)及びその後のトロンビン切断後(レーン2)の還元SDS−PAGEでの共有結合で連結されたFVIII−SC/VWF−FP分子の分離。
図10: 抗VWF抗体(A)及び抗FVIII抗体(B)による共有結合で連結されたFVIII−SC/VWF−FPマルチマー分子のマルチマーゲル分析。レーン1、血漿由来VWF; レーン2及び3、共有結合で連結されたFVIII−SC/VWF−FPマルチマーを発現する2つのクローンの上清; レーン4、rVWF−FP。
図11:ラットにおける共有結合で連結されたFVIII−SC/VWF−FPマルチマー(丸)の薬物動態解析。A、FVIIIデータ、B、VWFデータ。
図12: 場合によりペプチドリンカーを介した、ジスルフィド架橋及びVWFの第VIII因子への融合の両方を用いた構築物の例。
図12−1の続き。
図12−2の続き。
図12−3の続き。

0143

配列表
配列番号1: ヒトVWFのcDNA配列
配列番号2: ヒトVWFのタンパク質配列
配列番号3:PCRプライマーVWF+
配列番号4: PCRプライマー VWF−
配列番号5: ヒトFVIIIのcDNA配列
配列番号6:成熟ヒトFVIIIのタンパク質配列
配列番号7: 成熟ヒト血清アルブミンのタンパク質配列
配列番号:8〜143:実施例に列挙される変異誘発のための様々なプライマー及びオリゴヌクレオチド
配列番号:144〜177: 様々なリンカーを通して接続された、様々なVWF−CK含有配列とのヒト1本鎖FVIIIの融合タンパク質配列(DNA及びタンパク質)。

0144

実施例1:D’D3領域中にシステイン残基を含むVWF変異体の生成
その多重クローニング部位に全長VWFcDNA配列を含有する発現プラスミド(pIRESpuro3; BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ、USA)を予め生成した(pVWF−2448)。このベクター中に含まれるVWF cDNA配列は配列番号1と示され、その対応するタンパク質配列は配列番号2と示される。

0145

このような発現ベクターを生成するために、VWFcDNAを、当業者に公知の標準的な条件下で(そして例えば、Current Protocols in Molecular Biology、AusubelFMet al.(eds.)John Wiley&Sons、Inc.;http://www.currentprotocols.com/WileyCDA/に記載されるように)、VWF cDNA(市販される、例えばATCC、No.67122からのpMT2−VWFから入手可能)を含有するプラスミドから、プライマーセットVWF+及びVWF−(配列番号3及び4)を使用してポリメラーゼ連鎖反応PCR)により増幅し得る。得られたPCRフラグメントは、制限エンドヌクレアーゼEcoRIにより消化され得、そしてEcoRIにより直線化された発現ベクターpIRESpuro3に連結され得る。挿入断片の正確な起源についてスクリーニングした得られた発現プラスミドは、VWF発現に適したCMVプロモーターの下流にVWFの野生型cDNAを含有する。

0146

VWF配列に変異を導入するために、部位特異的変異誘発(QuickChange XL Site Directed Mutagenesis Kit、Agilent Technologies、La Jolla、CA、USA)を、キット製造者により勧められる以下のプロトコルに従ってプラスミドpVWF−2448に適用した。変異誘発反応ごとに、10x反応緩衝液5μl、プラスミドDNA pVWF−2448 1μl(50ng)、1μl (10pmol/μl) それぞれの2つの変異誘発オリゴヌクレオチドの各々、1μl dNTPミックス、3μl Quick−Solution、1μl Turboポリメラーゼ(2,5U/μl)及び37μl H2Oを混合し、そして2分間95℃で初期変性、a)50秒間95℃で変性、b) 50秒間60℃でアニーリング、そしてc)14分間68℃で伸長を18サイクル、続いて単回の7分間68℃の終結伸長期を用いるポリメラーゼ連鎖反応にかけた。続いて、このキットからのDpnI酵素1μlを加え、そして反応混合物をさらに60分間37℃でインキュベートした。その後、変異誘発反応混合物3μlをE.coliコンピテント細胞(例えば、XL10 Gold、Agilent Technologies)に形質転換した。クローンを単離し、プラスミドDNAを抽出し、そしてVWF配列中の変異をDNA配列決定により確認した。

0147

以下の表は、VWFcDNA配列の変異誘発に使用したオリゴヌクレオチド及び導入されたそれぞれの変異を記載する。

0148

0149

0150

上記のプロトコル及びプラスミドを使用して、そして当業者に公知の(そして例えば、Current Protocols in Molecular Biology、(同書)に記載されるような)分子生物学的技術を適用することにより、他の構築物は、配列番号2内のいずれかのアミノ酸残基の変異のために当業者により製造され得る。

0151

これらの実施例における半減延長方式として、VWFへのアルブミン融合を選択した。これは接尾辞−FPにより示される。

0152

VWF及びVWF変異体のアルブミン融合物を生成するために、リンカー及びアルブミンcDNA配列の挿入を、WO 2009/156137に記載される実施例と同様にして行った。

0153

プロペプチド配列を含有しないVWF変異体を含有する発現カセットの生成のために、上記の変異誘発を、配列番号54及び55を有するプライマーを使用して行った。

0154

これにより、シグナルペプチド(配列番号2のアミノ酸1〜22)が直接D’領域(配列番号2のアミノ酸764)に融合されているVWF配列を生じる。

0155

以下の表は、散在(scattered)アプローチでVWFD’D3ドメイン中のシステインと交換された残基を記載する:

0156

0157

実施例2: a3ドメイン中にシステイン残基を含むFVIII変異体の生成
発現プラスミドにおいてクローンされたいずれかのFVIIIcDNA配列を使用して、Cys変異をa3ドメインに導入することができる。好ましくは、部分的Bドメイン欠失を有する1本鎖FVIII構築物が使用される(例えば、WO 2004/067566を参照のこと)。

0158

FVIII発現ベクターを生成するために、FVIIIcDNAを、配列番号56及び57のプライマーセットを使用して、当業者に公知の(そして例えばCurrent Protocols in Molecular Biology、AusubelFMet al.(eds.) John Wiley & Sons、Inc.; http://www.currentprotocols.com/WileyCDA/に記載されるような)標準的条件下で、FVIII cDNAを含有するプラスミドからポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し得る。得られたPCRフラグメントを制限エンドヌクレアーゼNheI及びNotIにより消化し、そしてNheI及びNotIにより直線化された発現ベクターpIRESpuro3(BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ、USA)に連結した。得られた発現プラスミドは、CMVプロモーターの下流にFVIIIのcDNAを含有し、そして動物細胞培養におけるFVIII発現に適する。

0159

FVIII配列中に変異を導入するために、部位特異的変異誘発(QuickChange XL 部位特異的変異誘発キット、Agilent Technologies、La Jolla、CA、USA)をキット製造者により勧められるようにFVIII発現プラスミドに対して適用した。

0160

以下の表は、FVIIIcDNA配列の変異誘発に使用されたオリゴヌクレオチド及び導入されたそれぞれの変異を記載する。

0161

0162

0163

上記及びWO 2004/067566に記載されるプロトコル及びプラスミドを使用して、当業者に公知の(そして例えばCurrent Protocols in Molecular Biology、同書に記載されるような)分子生物学的技術を適用することにより、いずれかの他の構築物が、FVIIIのa3ドメイン内のいずれかの他のアミノ酸残基の変異のために当業者により作製され得る。

0164

以下の表は、第VIII因子a3、C1及びC2ドメインにおいてシステインと交換される残基を記載する。

0165

0166

実施例3: VWF由来C末端伸長を有するFVIII分子のための発現ベクターの生成
そのカルボキシ末端に加えられたVWFドメイン又はフラグメントを有するFVIII分子を、当業者に公知の分子生物学的方法により生成した。これらを使用してVWF−FPと同時トランスフェクトし(cotransfect)、両方のタンパク質のC末端でCKドメインを介して共有結合により連結された修飾されたFVIII及びVWF−FPを含有するヘテロダイマーを生成した。

0167

そのためにFVIIIcDNAをプライマー
We4323GTGGCTAGCGCATGGAAATAGAGCTCTCCAC
(配列番号82)
We4324 CACGCGGCCGCGTTACCGGTGTAGAGGTCCTGTGCCTCGC (配列番号83)
により増幅し、そして得られたPCRフラグメントを適切な発現ベクター、例えばNheI及びNotIにより開かれたpIRESpuro3 (同書)に挿入した。得られたAgeI及びNotI部位を通して、それぞれプライマー対
We4264 GTGACCGGTAACTCCACAGTGAGCTGTCCC (配列番号84)
We4267 ACAGCGGCCGCTATCACTTGCTGCACTTCCTGG (配列番号85)及び
We4265 GTGACCGGTCAAAGGAACGTCTCCTGCCC (配列番号142)
We4267 ACAGCGGCCGCTATCACTTGCTGCACTTCCTGG (配列番号85)及び
We4266 GTGACCGGTTGCAACGACATCACTGCCAG (配列番号86)
We4267 ACAGCGGCCGCTATCACTTGCTGCACTTCCTGG (配列番号85)を使用してPCRにより増幅された、VWF由来C末端ドメインC3−C4−C5−C6−CK(VWFアミノ酸2400〜2813)、C5−C6−CK (VWFアミノ酸2544〜2813)又はCKドメイン単独(VWFアミノ酸2724〜2813)のコード配列を挿入した。これにより、それぞれVWF C末端ドメインC3−C4−C5−C6−CK、C5−C6−CK又はCKによりC末端を伸長されたFVIII cDNAを含有する発現ベクターが得られた。

0168

AgeI制限部位に、FVIII活性化の間にVWF−FPからFVIIIを放出する切断可能なリンカー配列を導入した。リンカー配列をFVIIIのトロンビン切断部位の1つを囲む配列から選択したが、いずれの他のトロンビン切断部位も同様に使用され得る(例えば、WO 03/035861に記載されるとおり)。例として、トロンビン切断部位372及び1689は、以下のcDNA配列により表される:
CS372 (配列番号87): 5'ACCGGTGATGACAACTCTCCTTCCTTTATCCAAATTCGCTCAGTTGCCAAGAAGCATCCTAAAACTTGGACCGGT3'
CS1689 (配列番号88): 5'ACCGGTGATGAGGATGAAAATCAGAGCCCCCGCAGCTTTCAAAAGAAAACACGACACTATTTTATTGCTGCAGTGGAGAGGCTCTGGACCGGT3'
これらの配列は、それらの末端にAgeI制限部位を含む適切なPCRプライマーにより増幅され得る。次いでPCRフラグメントはAgeIにより切断されて上記のAgeIにより開かれた発現ベクター中に挿入される。

0169

同様のアプローチが、そのBドメイン若しくはその一部がVWFD’D3領域で置き換えられているFVIIIcDNA分子又はVWF D’D3領域がFVIIIのN末端若しくはC末端へ直接もしくはリンカーを介して接続されているFVIII cDNA分子を含有する発現プラスミドを構築するために当業者により使用され得る。

0170

実施例4:CHO細胞におけるVWF変異体の安定な発現のためのプラスミドのトランスフェクション
pIRESneo3に基づく発現プラスミドを、XL10 Gold(Agilent Technologies)で増殖させ、そして標準のプロトコル(Qiagen、Hilden、Germany)を使用して精製した。

0171

CHO細胞、好ましくはCHO−K1を、標準的な方法、例えばnucleofection又はリポフェクションを使用してトランスフェクトし、そして所望のVWF−FP変異体を発現している単一クローンを選択した。

0172

正確なVWFプロペプチド切断のために、プロテアーゼフリン(NM002569.2)をコードする発現プラスミドを、VWFプラスミドと一緒に1:4のモル比(フリン:VWF変異体)で同時トランスフェクトした。

0173

実施例5: VWF−FP変異体を発現するCHO細胞のトランスフェクション及びFVIII変異体の一過性発現
FVIII変異体発現プラスミドを上記のように精製した。安定なVWF−FP変異体CHOクローン(実施例4)への一過性トランスフェクションを標準的な方法に従って行った。

0174

一過性トランスフェクションの収穫を、遠心分離により行って上清から細胞を分離した。上清のアリコートを生成し、そして組み換え産物を特徴づけした。

0175

以下の表は、FVIII変異体発現プラスミド(カラム1)のVWF−FP変異体を安定に発現するCHO細胞(カラム2)への一過性トランスフェクションからの代表的結果を記載する。総FVIII活性に対する共有結合で連結されたFVIII抗原の比率(カラム7)又は総FVIII抗原に対する共有結合で連結されたFVIII抗原の比率(カラム8)が1.0に等しいか又はそれより大きくなるように選択され、これを最も好ましい変異体の組み合わせの選択基準として使用した。

0176

共有結合で連結されたFVIII抗原の量を、実施例6に記載されるアッセイにより決定し、FVIII及びVWF活性並びに抗原を実施例9及び10に記載されるアッセイにより決定した。

0177

0178

実施例6: VWF変異体に共有結合で結合されたFVIII変異体のElisaによる検出
一過性トランスフェクションからの細胞培養上清サンプル(10ml)を、Amicon Ultracell−30K(Millipore UFC903024;3000g遠心分離)を用いて濃縮した。培養上清(濃縮物)中のVWF−FPに共有結合で結合されたFVIIIを、標準的ELISAにより測定した。手短には、マイクロプレートを、捕捉抗体ウェルあたり100μL(ウサギ抗ヒトVWF−IgG、Dako A0082 [Dako、Hamburg、Germany]、緩衝液Aで1:2000希釈[Sigma C3041、Sigma−Aldrich、Munich、Germany])とともに終夜周囲温度でインキュベートした。プレートを緩衝液B(Sigma T9039)で3回洗浄した後、各ウェルを200μL緩衝液C(Sigma T6789)とともに1.5時間周囲温度でインキュベートした(ブロッキング)。さらに3回の緩衝液Bでの洗浄工程の後、緩衝液Bでの試験サンプルの段階希釈、さらには共有結合で連結されたFVIII−VWF−FPの対照製剤の段階希釈、(緩衝液B中2.0〜0.03任意U/ml(これらは標準ヒト血漿を使用して決定された標準FVIII単位に対応しないかもしれないので、我々はこれらを「任意単位」と呼ぶ);1ウェルあたりの体積:100μL)を、周囲温度で1.5時間インキュベートした。緩衝液Bでの3回の洗浄工程の後、350mM CaCl2 200μLを各ウェルに加え、そして1時間周囲温度でインキュベートした。CaCl2を(洗浄することなく)除去し、そしてさらに200μlを各ウェルに加え、そしてさらに1時間インキュベートした。緩衝液Bでの3回の洗浄工程の後、検出抗体(に対する検出抗体FVIII:C、ペルオキシダーゼ標識、Cedarlane CL20035K−D)の緩衝液B中の1:2希釈100μLを各ウェルに加え、そして1時間周囲温度でインキュベートした。緩衝液Bでの3回の洗浄工程の後、基質溶液(OUVF、Siemens Healthcare Diagnostics)100μLを各ウェルに加え、そして15分間周囲温度で暗所にてインキュベートした。100μL未希釈停止希釈(undiluted stop dilution)(OSFA、Siemens Healthcare Diagnostics)を加えて、波長450nmでの適切なマイクロプレートリーダーでの読み取りのためのサンプルを準備した。次いで、試験サンプルの濃度を、対照製剤を用いた標準曲線を使用して計算した。

0179

実施例7:ウェスタンブロット及びクーマシー染色による、VWF変異体に共有結合で結合されたFVIII変異体の検出
あるいは、共有結合複合体を染色又はウェスタンブロット法により検出した。サンプルを、還元又は非還元条件下で変性SDS−PAGE、そしてその後のウェスタンブロットを用いて試験した。FVIIIの検出のために、社内の(in house)マウス抗FVIIIモノクローム抗体混合物、続いてアルカリホスファターゼ結合二次抗マウス抗体(Invitrogen)及びVWF検出のためにHRP標識ポリクローナルウサギ抗ヒトVWF(Fa.Dako P0226)抗体を使用した。

0180

図8は、非還元SDS−PAGEからの上記の2つの方式による、rVWF−FPダイマーに共有結合で連結されたFVIII(FVIII−SingleChain)のウェスタンブロット分析を示す。Aは抗FVIII抗体を使用して検出され、Bは抗VWF抗体を使用して検出された。レーン1は、そのC末端に加えられたVWF由来C3−C4−C5−C6−CK配列及びFVIIIとC3−C4−C5−C6−CK配列との間のさらなるトロンビン切断部位によりFVIII部分がVWF−FPダイマーに連結されている連結された物質を表す。これは、実施例8に記載される特異的Elisaにより測定した共有結合FVIIIの、総FVIII活性に対する比5.78及び総FVIII抗原に対する比7.47を有していた。460kDaより上の高分子量帯を、抗FVIII抗体及び抗VWF抗体の両方により可視化し、そして共有結合で連結されたFVIII−VWF−FP複合体の存在を実証した。Mは分子サイズマーカーを示す。レーン2及び3は、それぞれFVIII−SC及びVWF−FPの対照製剤を表す。

0181

レーン4及び5は、それぞれCys変異によりFVIII a3ドメインとVWF−FPD3ドメインとの間のジスルフィド架橋により連結された共有結合複合体を表す。レーン4は、VWF−FP E1078C変異体上のFVIII−SC I1679C変異体を表す。レーン5はVWF−FP E1078C変異体上のFVIII−SC I1675C変異体を表す。レーン6は、VWF−FP変異体E1078Cのみを含有する対照製剤である。ブロットは、遊離FVIII分子のほかに互いに共有結合で連結された高分子量FVIII−VWF−FP複合体の存在を実証する。

0182

図9は、Gelcode Blue Stain試薬で染色された還元SDS−PAGEを示す。レーン1はrVWF−FPダイマーに共有結合で連結された精製FVIII(FVIII−一本鎖)を含有し、レーン2は、平行してFVIIIを活性化しながらリンカー配列において共有結合で連結したFVIII部分を放出するトロンビン消化後の同じ製剤を示す。レーン1の帯は共有結合複合体及びFVIIIダイマーを表し、268と460kDaのマーカーの間のレーン2における顕著なバンドはVWF−FP部分を表すが、71KDaの下の範囲におけるバンドはFVIIIフラグメントを表す。

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