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課題
解決手段
概要
背景
ガスタービンエンジンは、航空機、船舶、発電機などを作動させるために利用される。ガスタービンエンジンには典型的に、圧縮機、燃焼器、およびタービンが含まれる。圧縮機は、エンジンに吸い込まれた空気を圧縮し、高圧空気を燃焼器へ送り出す。燃焼器内で、燃料は高圧空気と混合され、点火される。燃焼器内の燃焼反応の生成物をタービンに送り、そこで仕事を抽出して圧縮機を、また場合により出力軸を動かす。余りの燃焼生成物は、タービンから排出され、特定の用途に推力を供給する場合もある。
経済上および環境への関心、すなわち効率の改善および排出の低減は、より高いガスタービン入口温度に対する要求が絶えず高まっていることの背景にある、主な推進力である。多くのガスタービンエンジンの効率および排出にとっての制約は、高温部の部材(例えば、限定はされないが、ブレード、ベーン、ブレードトラック、燃焼器ライナーなど)の温度性能である。より高い入口温度を実現するために冷却、材料、およびコーティングにおける技術の改良が必要とされる。ニッケル(Ni)系超合金の温度性能がそれらの本質的な限界に近づくにつれ、それらの温度性能におけるこれ以上の改良はますます難しくなってきている。セラミック系材料などの次世代の高温材料は、ガスタービンで使用するための優れた材料になり得る。
炭化シリコン(SiC/SiC)などのセラミック系材料は、次世代ガスタービンエンジンのための高温部構造部材のためにニッケル系超合金に取って代わることができる。SiC/SiCCMCエンジン部材の利点は、それらの優れた高温での機械的、物理的および化学的性質であり、これは超合金部材を備える現在使用されているエンジンよりもはるかに高い温度でガスタービンエンジンを作動させることを可能にする。SiC/SiC CMCはまた、モノリシックセラミックが持たない、損傷許容性というさらに別の利点をもたらす。
概要
現在のSiC/SiCと比較して部材の寿命が長くなる複合材料の製造方法を提供すること。炭化シリコン(SiC)セラミック母材複合材料(CMC)を製造する製造方法であって、含浸されるスラリーを使用してイットリウムまたはイッテルビウムをCMCに混入する工程を含む、製造方法である。イットリウムまたはイッテルビウムが、酸化物、ケイ酸塩、ケイ化物、またはアルミニウム−シリコン共晶合金の形で添加される。スラリーが、酸化アルミニウムをさらに含むことができる。後続の工程として、溶融Siが含浸され得る。最終生成物は、YSi、Y5Si4、Y5Si3、Yb3Si5またはYbSiなどの希土類ケイ化物を含むセラミック母材複合材料(CMC)である。
目的
効果
実績
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この技術が所属する分野
請求項1
請求項2
前記スラリーが、スラリー浸透によって混入される、請求項1に記載の製造方法。
請求項3
請求項4
前記スラリーが酸化アルミニウムをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
請求項5
前記スラリーがスラリー浸透によって混入される、請求項4に記載の製造方法。
請求項6
前記スラリーが溶融シリコンをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
請求項7
前記スラリーがスラリー浸透によって混入される、請求項6に記載の製造方法。
請求項8
イットリウムまたはイッテルビウムが、酸化物、ケイ酸塩、ケイ化物、またはアルミニウム−シリコン共晶合金である、請求項7に記載の製造方法。
請求項9
前記スラリーが酸化アルミニウムをさらに含む、請求項8に記載の製造方法。
請求項10
希土類ケイ化物を含むセラミック母材複合材料(CMC)。
請求項11
前記希土類ケイ化物が、YSi、Y5Si4、Y5Si3、Yb3Si5、またはYbSiである、請求項10に記載のCMC。
技術分野
0001
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/794,581号明細書、および2013年12月30日に出願された米国特許出願第14/143,724号明細書に対する優先権を主張し、その開示はここに参照により本明細書に組み込まれる。
0002
本開示は、概して複合材料、より具体的には複合材料を製造するための製造方法に関する。
背景技術
0003
ガスタービンエンジンは、航空機、船舶、発電機などを作動させるために利用される。ガスタービンエンジンには典型的に、圧縮機、燃焼器、およびタービンが含まれる。圧縮機は、エンジンに吸い込まれた空気を圧縮し、高圧空気を燃焼器へ送り出す。燃焼器内で、燃料は高圧空気と混合され、点火される。燃焼器内の燃焼反応の生成物をタービンに送り、そこで仕事を抽出して圧縮機を、また場合により出力軸を動かす。余りの燃焼生成物は、タービンから排出され、特定の用途に推力を供給する場合もある。
0004
経済上および環境への関心、すなわち効率の改善および排出の低減は、より高いガスタービン入口温度に対する要求が絶えず高まっていることの背景にある、主な推進力である。多くのガスタービンエンジンの効率および排出にとっての制約は、高温部の部材(例えば、限定はされないが、ブレード、ベーン、ブレードトラック、燃焼器ライナーなど)の温度性能である。より高い入口温度を実現するために冷却、材料、およびコーティングにおける技術の改良が必要とされる。ニッケル(Ni)系超合金の温度性能がそれらの本質的な限界に近づくにつれ、それらの温度性能におけるこれ以上の改良はますます難しくなってきている。セラミック系材料などの次世代の高温材料は、ガスタービンで使用するための優れた材料になり得る。
0005
炭化シリコン(SiC/SiC)などのセラミック系材料は、次世代ガスタービンエンジンのための高温部構造部材のためにニッケル系超合金に取って代わることができる。SiC/SiCCMCエンジン部材の利点は、それらの優れた高温での機械的、物理的および化学的性質であり、これは超合金部材を備える現在使用されているエンジンよりもはるかに高い温度でガスタービンエンジンを作動させることを可能にする。SiC/SiC CMCはまた、モノリシックセラミックが持たない、損傷許容性というさらに別の利点をもたらす。
課題を解決するための手段
0007
一の態様によれば、炭化シリコン(SiC)セラミック母材複合材料(CMC)を製造する製造方法が開示される。製造方法は、スラリー浸透によって、イットリウムまたはイッテルビウムをCMCに混入する工程を包含する。いくつかの実施形態において、イットリウムまたはイッテルビウムは、酸化物、ケイ酸塩、ケイ化物、またはアルミニウム−シリコン共晶合金であってもよい。いくつかの実施形態において、製造方法はスラリー浸透の間、スラリー中に酸化アルミニウムを含有してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、製造方法には、CMCに溶融シリコンを含浸させる工程が包含されてもよい。
0008
他の態様によれば、セラミック母材複合材料(CMC)は、希土類ケイ化物を含有する。いくつかの実施形態において、希土類ケイ化物は、YSi、Y5Si4、Y5Si3、Yb3Si5、またはYbSiであってもよい。
0009
炭化シリコン(SiC)セラミック母材複合材料(CMC)を製造する製造方法は、イットリウムまたはイッテルビウムをCMCに混入する工程を含んでもよい。イットリウムまたはイッテルビウムは、スラリーに混入され、スラリー浸透によって供給されてもよい。
0010
いくつかの実施形態において、イットリウムまたはイッテルビウムは、酸化物、ケイ酸塩、ケイ化物、またはアルミニウム−シリコン共晶合金である。
0011
いくつかの実施形態において、スラリーは酸化アルミニウムをさらに含有する。
0012
いくつかの実施形態において、製造方法は、溶融シリコンをCMCに混入する工程をさらに包含する。溶融シリコンがスラリー中に含有されていてもよい。
0013
セラミック母材複合材料(CMC)は、希土類ケイ化物を含んでいてもよい。
0014
いくつかの実施形態において、希土類ケイ化物は、YSi、Y5Si4、Y5Si3、Yb3Si5、またはYbSiである。
0015
本開示のこれらの、およびその他の特徴は、以下の例示のための実施形態の記述からより明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
0016
SiC/SiCセラミック母材複合材料の活性酸化についての略図および式である。
溶融含浸されたSiC系セラミック母材複合材料についての流れ図である。
イットリウム−シリコン共晶の状態図である。
イッテルビウム−シリコン共晶の状態図である。
0017
本開示の原理の理解を深める目的で、図面に示される多数の例示のための実施形態についてこれから言及し、特定の用語を使用してそれを記述する。
0018
本発明は多くの異なった形態をとることができるが、本発明の原理の理解を深める目的で、図面に示される実施形態についてこれから言及し、特定の用語を使用してそれを記述する。それにもかかわらず、本発明の範囲を限定することはそれによって意図されないことが理解されるであろう。記述された実施形態の任意の変更形態や更なる修正形態、および本明細書で記述される通りの本発明の原理のいかなる更なる適用形態も、本発明が関連する当業者には自然に思い浮かぶと考えられる。
0019
炭化シリコン−炭化シリコン(SiC/SiC)セラミック複合材料は、タービンエンジンの環境に晒される時に活性酸化によって損なわれる可能性がある。図1で示される通り、活性酸化は、燃焼環境の高いガス速度および圧力に晒される時の二酸化シリコン(SiO2)の不安定性の結果である。活性酸化は、運転中に部材の凹みを生じ、これは最終的に破損を招く可能性がある。CMAS(カルシア−マグネシア−アルミナ−シリケート)によるSiC/SiCの劣化は、別の耐久性についての問題である。
0020
これらの懸念は、希土類酸化物からなる耐環境コーティング(EBC)の使用によって緩和される。運転中、EBCは下にあるSiC/SiC基材を燃焼から保護する。EBCは、部材の全寿命の間に亘り、CMC基材に付着したままであると考えられてきた。この長寿命、または高信頼性コーティングは、要求条件が5000〜20,000時間におよぶ大型の常用タービンの利用に対して実証するのは困難であり得る。
0021
本明細書で開示される製造方法は、水蒸気安定性およびCMAS耐性が強化されたSiC系CMCを提供する。母材に稀土類元素、イットリウムおよびイッテルビウムを混入することによって、改善された水蒸気安定性が得られる。母材に酸化アルミニウムを混入することによって、改善されたCMAS耐性が得られる。稀土類元素は、スラリー浸透または溶融含浸技術によって、母材に導入され得る。YおよびYbは、酸化物、ケイ酸塩、ケイ化物、またはSi−Y/Yb共晶合金の形で母材に導入され得る。アルミニウムは、酸化物、ケイ酸塩、ケイ化物、またはAl−Si−Y/Yb共晶合金の形で母材に添加され得る。プロセスはまた、付加的な酸化ガドリニウム、酸化エルビウム、酸化ルテチウム、ケイ酸塩、ケイ化物、またはシリコン共晶合金を含むことができる。
0022
本明細書に開示された製造方法によって製造された材料は、現在の溶融含浸SiCCMC手順よりも利点がある。利点には、以下のものが含まれる。
1.現在のSiC/SiCと比較して部材の寿命が長くなる。
2.高信頼性品位のEBCを取り除く。
3.部材の寿命が長くなるために現在のSiC/SiCよりもライフサイクルコストが低下する。
4.部材の特定の領域のEBCを取り除くことによる製造費の削減(場合によっては、ある低めの温度(2300°F未満の用途)においてEBCを完全に取り除く。
5.材料の相溶性の増加のためにEBCの接着性が改良される。
0023
本明細書に開示された製造方法の実施形態は、図2に示されるプロセス10を利用して、連続したまたは不連続な繊維プリフォームに含浸する。本明細書に開示された製造方法は、現在の材料よりも耐水性が改良されたSiC系CMCを製造する。改良された水安定性およびCMAS安定性が、SiC系CMCをタービン用途に導入するのに役立つ。
0024
図2に示されるように、プロセス10の工程(1)は、全複合材料の15〜45体積%である、SiC繊維プリフォームを含有する。SiC繊維は、化学量論的(例えば、Hi−Nicalon type S、Sylramic(登録商標)、Tyranno(登録商標)SA等)または非化学量論的(例えば、Hi−Nicalon、CGNicalon、Tyranno(登録商標)ZMI等)であり得る。繊維構造の選択は、このプロセスによって限定されない。プリフォームは、5枚朱子、8枚朱子、平織、一重織(uni−weave)、ユニテープ(uni−tape)、アングルインターロック織等によって製造され得る。
0025
プロセス10の工程(2)は、繊維界面コーティングを包含する。コーティングは、全複合材料の1〜10体積%である。繊維コーティングは、限定されないが、炭素、窒化炭素、窒化ホウ素、シリコンドープト窒化ホウ素、窒化シリコン、またはSiNCの1つまたは複数の層を含有する。本明細書に記載された繊維コーティングは、約0.1μm〜約1.0μm、約0.1〜約0.75μm、約0.1μm〜約0.5μmであり、このコーティングは、約1.0μm、約0.9μm、約0.8μm、約0.7μm、約0.6μm、約0.5μm、約0.4μm、約0.3μm、約0.2μm、または約0.1μmであり得る。
0027
図2に示されるように、プロセス10の工程(4)は、スラリー浸透(SI)によって添加剤を複合材料に混合する工程を包含する。スラリー添加剤は、全複合材料の約10体積%〜約30体積%を占める。スラリーは、3%〜100%の酸化イットリウムまたは酸化イッテルビウムを含有してもよい。酸化物含有量が100%未満である時にスラリーはSiCを含有することができる。また、スラリーはケイ酸イットリウムおよび/またはケイ酸イッテルビウムを含有することができる。スラリーは、ケイ酸イットリウムおよびケイ酸イッテルビウムを多様な比率で含有することができる。スラリーは、ケイ酸イットリウムおよび/またはケイ酸イッテルビウムおよび0体積%〜97体積%のSiCを含有することができる。また、スラリーはSiC、アルミナ、酸化イットリウム、および/または酸化イッテルビウムの混合物を含有することができる。また、スラリーは金属イットリウムまたは金属イッテルビウムを含有することができる。
0028
プロセス10の工程(5)は、溶融含浸(MI)によって添加剤を複合材料に混合する工程を包含する。MI添加剤は、全複合材料の約5体積%〜約20体積%または約5体積%〜約30体積%を占める。MIは、溶融シリコン、Y−Al−Si共晶合金またはYb−Al−Si共晶合金を利用することができる。溶融シリコンは酸化イットリウムおよび/または酸化イッテルビウムと反応してY/Yb−Si−O化合物を形成する。複合材料の最終的な組成は、図2に示されるプロセス10の工程(4)においてスラリーに添加される酸化イットリウムおよび酸化イッテルビウムの量によって決まる。
0029
溶融シリコンがケイ酸塩と反応してSi−Y/Yb−O合金を形成する。複合材料の最終的な組成は、プロセス10の工程(4)においてスラリーに添加される酸化イットリウムおよび酸化イッテルビウムの量によって決まる。Si−Y/Yb−O合金を含む複合材料は、エンジンの運転中にSiO2およびケイ酸イットリウム/イッテルビウムを含有する酸化物層を形成する。運転が継続するにつれて、このような複合材料は、一ケイ酸または二ケイ酸イットリウムまたはイッテルビウム層を形成する。
0030
スラリーが金属イットリウムまたは金属イッテルビウムを含有するとき、MIの間の反応は、ケイ化イットリウムおよび/またはケイ化イッテルビウムを生じ得るが、それらには、高温希土類ケイ化物(例えば、YSi、Y5Si4、Y5Si3、Yb3Si5、YbSi等)が含まれ得る。
0031
実施例1:スラリーへの酸化イッテルビウム(YB2O3)または酸化イットリウム(Y2O3)の添加
この実施例において、工程(1)〜(3)が行なわれた。スラリーは、SiCと酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、または2つの酸化物の組合せとの混合物を含有した。
0032
0033
スラリーは酸化イットリウムまたは酸化イッテルビウム3体積%〜100体積%を含有し、酸化物含有量が100%未満である時にSiCがスラリーに添加される。SiCを添加して、スラリー浸透の間に導入される所望の体積パーセントの母材を得た。スラリー浸透後に、図2に示されるプロセス10の工程(5)の間に加工品に溶融シリコンを含浸させる。溶融含浸プロセスの間、溶融シリコンがYb2O3またはY2O3と反応して、Y/Yb−Si−O化合物を形成した。この化合物の組成は、スラリーに添加されるYb2O3またはY2O3の量によって決まる。
0034
実施例2:一ケイ酸または二ケイ酸イットリウム/イッテルビウムを含有するスラリーの改良
スラリーは、一ケイ酸または二ケイ酸イットリウムまたはイッテルビウムを含有する。スラリー中のケイ酸イットリウムまたはケイ酸イッテルビウムの量は、3体積%〜100体積%の範囲である。別々に添加されるケイ酸イットリウムまたはケイ酸イッテルビウムは、様々な比率で混合される。これらのケイ酸塩の他に、スラリーは、0〜97体積%の炭化シリコンを含有した。SiCを添加して、スラリー浸透の間に導入される所望の量の母材を得る。プロセス10の工程(5)において溶融含浸の間に、溶融シリコンを複合材料に導入する。含浸の間に、溶融シリコンがケイ酸塩と反応してSi−Y/Yb−O合金を形成する。真空下でのケイ酸塩の安定性はさらに高くなるため、より高レベルの酸素が溶融含浸の間に複合材料中に残る。酸素の増加により、実施例1において形成された生成物と比較してさらに高い融解温度のSi−Y/Yb−O合金が安定化される。
0035
実施例3:希土類シリコン共晶の含浸
この実施例において、プロセス10の溶融含浸(MI)工程(すなわち、工程(5))およびスラリー(工程(4))が改良される。この実施例において、工程(5)の溶融シリコンは、イットリウム−Si共晶合金(図3を参照)またはイッテルビウム−Si共晶合金(図4を参照)のどちらかと取り替えられる。イットリウム/イッテルビウムに富むまたはシリコンに富む共晶を用いてもよい。母材は、5〜30%の溶融生成物を含有する。
0036
MI合金の改良の他に、プロセス10の工程(4)を改良して、より高い融解温度段階を安定化する。これは、イットリウムまたはイッテルビウムを工程(4)において使用されるスラリーに導入することによって達成される。金属元素を添加して、溶融含浸の間に反応をもたらし、ケイ化イットリウムまたはケイ化イッテルビウムを形成する。イットリウムまたはイッテルビウムの量は、導入されるMI生成物の量によって決まる。スラリーは、高温希土類ケイ化物(YSi、Y5Si4、Y5Si3、Yb3Si5、YbSi)を形成するために十分な材料を含有する。
0037
0038
実施例において、Y5Si4の形成が望ましく、共晶合金は59重量%のシリコンを含有した。Y−Si共晶の推定密度は2.90g/cm3である。Y5Si4の最終生成物を形成するための反応は、以下のとおりである。
4.88Y0.18SI0.82+4.12Y→Y5SI4
0039
スラリーは、57体積%のイットリウムおよび43体積%のSiCを含有した。
0040
プロセスの工程(4)において使用される成分は、所望の最終生成物ならびにプロセスの工程(5)の間に導入される合金の量およびタイプによって決まる。エンジンの運転の間、実施例3の複合材料は、希土類一ケイ酸塩または二ケイ酸塩を形成する。酸化生成物は、希土類ケイ化物と複合材料中の含有量とによって決まった。
0041
実施例4:改良されたスラリー
この実施例において、以下の改良を除いて実施例1と同じプロセスが使用される。スラリーは、a)SiC、b)アルミナおよび酸化イットリウム、c)酸化イッテルビウム、d)酸化アルミニウム、またはe)酸化イットリウムと酸化イッテルビウムとの組合せの混合物を含有する。
0042
実施例5:希土類アルミニウムシリコン共晶含浸
この実施例において、以下の改良を除いて実施例3と同じプロセスが使用される。プロセスの工程(5)の溶融シリコンは、イットリウム−またはイッテルビウム−Al−Si共晶合金のどちらかと取り替えられる。