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技術 プレループス診断用バイオマーカーとしての細胞結合性補体活性産物

出願人 アレゲーニー・シンガーリサーチインスティチュート
発明者 アハーン,ジョセフ,エム.リウ,チャウチンマンツィ,スーザン,エム.
出願日 2014年2月6日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-557058
公開日 2016年5月12日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2016-513251
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 酵素、微生物を含む測定、試験
主要キーワード 報告様式 非ループ 採取データ 情報ハイウェイ 判定数 確率レベル 随意選択的 検査数値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

解決手段

細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)のプロファイリング及びスコアリングは、確定ループス診断のためのアメリカリウマチ学会(又は同様のもの、例えばSLICC)の基準の少なくとも4つを満たしていない患者を、本明細書がプレループスと称する既にかかっている状態を呈していると分類すべきか否かを判定するための患者に対する診断バイオマーカーとして機能する。

概要

背景

全身性エリトマトーデスSLE)は、一般的にループスと称されており、免疫調節異常(例えば、自己抗体及び免疫複合体の形成、補体活性化リンパ球過敏性(lymphocyte hyperreactivity)、並びに、偏った(skewed)サイトカイン生産)と、その結果として生じる炎症性組織傷害とを特徴とする原型自己免疫疾患である。ループスの臨床症状は不均質( heterogeneous)であって、些少な症状から致命的疾患に渡っており、実際に患者の如何なる組織及び臓器関与する場合がある。ループスは、生殖年齢女性が主に罹患するが、如何なる年齢及び性別にも渡る疾患である。ループスの発症は、非ループス疾患では一般的である発熱関節痛、及び疲労のような症状を伴う潜行性である場合がある。ループスはまた、疾患の周期的な悪化(フレア(flares))及び沈静化を特徴とする。一方では、疾患の早期から重篤な臓器損傷が起こり、未認識のまま進行する場合がある。

ループス診断は、大きな臨床的困難であり続けている。ループスの診断を行うに際して医師の助けとなるよう数種の血液検査が一般的に使用されているものの、如何なる単一の試験も、患者がループスを有するか否かを判定するために十分な感度及び特異性を有していない。典型的なループス患者は、正確に診断されるためには4人の異なる医師と5年を超える期間を要している。

非特異的症状及び血液検査は、場合によっては見落し過度の強調をもたらし、その結果、過少診断又は過剰診断となる場合がある。過小診断及び診断の遅延は、ループスを有する患者の罹患率及び死亡率を実際に上昇させ得る。逆に、ループスの過剰診断は、毒性のある薬物に不必要に曝す結果になる場合があり、それはループスを有さない患者には金銭的負担となり、顕著な副作用をもたらす。従って、適時性が高く精密な診断は、患者の身体的健全性のみならず、医療システム経済的健全性に対して大きな影響を有する。

本明細書は、上記の問題の少なくとも一部を解決する助けとなり、さらなる利益をもたらす方法及びシステムを記載している。

背景となる先行技術は、以下の通りである。

J.M.Ahearn及びS.M.Manziへ交付された米国特許第8,126,654号

J.M.Ahearn及びS.M.Manziへ交付された米国特許第8,080,382号

J.M.Ahearnらへ交付された米国特許第7,585,640号

J.M.Ahearn及びS.M.Manziへ交付された米国特許第7,390,631号

米国特許出願公開第2010/0233752号、発明者名:J.MAhearn、E.L.Erickson、D.M.Hawkins、S.M.Manzi、及びT.Mercolino

上記の背景技術は、ループスに関するアメリカリウマチ学会の分類基準の4つ以上を呈する患者の試験を基礎として開発された。

概要

細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)のプロファイリング及びスコアリングは、確定的ループス診断のためのアメリカリウマチ学会(又は同様のもの、例えばSLICC)の基準の少なくとも4つを満たしていない患者を、本明細書がプレループスと称する既にかかっている状態を呈していると分類すべきか否かを判定するための患者に対する診断バイオマーカーとして機能する。

目的

レポートは、プレループス患者として患者を分類するか否かの評価を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

プレループスを呈しているとして患者分類すべきか否かを、処理装置によって判定する方法において、ループスに関する4つ未満の分類基準を満たすと判定された患者の血液採取データのセットを受け取る工程であって、当該血液採取データのセットは、患者の複数の細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)レベルを含む、工程と、各CB−CAPについて対照レベルを含んでいる対照データセットアクセスする工程と、患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数を決定する工程と、決定した数が閾値を超えている場合、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、プレループスを呈しているとして患者を分類するか否かの表示を含むレポートを作成する工程と、を含む方法。

請求項2

複数のCB−CAPは、E−C4d、E−C3d、R−C4d、R−C3d、T−C4d、T−C3d、B−C4d、B−C3d、M−C4d、M−C3d、G−C4d、G−C3d及びP−C4dの少なくとも8個を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

対照群と比較して低減したE−CR1のレベルを患者が呈しているか否かを判定する工程と、対照データセットにおけるE−CR1対照レベルと比較して低減したE−CR1のレベルも患者が呈している場合にようやく、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、を含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

上昇したレベルが存在する1つ以上のCB−CAPの重量を決定する工程と、決定した重量を用いて、患者がプレループスを呈している確率を割り当てる工程と、を含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

上昇したレベルが存在する1つ以上のCB−CAPの量を決定する工程と、決定した量を用いて、患者がプレループスを呈している確率を割り当てる工程と、を含む、請求項1に記載の方法。

請求項6

患者が分類基準の1つ以上を呈するか否かを判定する工程と、分類基準を用いて患者がプレループスを呈している確率を割り当てる工程と、を含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

プレループスを呈しているとして患者を分類すべきか否かを判定するためのシステムにおいて、対照被験者集団の血液採取データの対照データセットを保有するデータ格納機構であって、集団における被験者の第1の群は、ループスを有することが知られており、集団における被験者の第2の群は、ループスを有さないことが知られており、血液採取データは、各被験者の細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)のレベルを含む、データ格納機構と、処理装置と、コンピューター可読媒体と、を備えており、コンピューター可読媒体は、患者の複数のCB−CAPレベルを含む患者の血液採取データのセットを受け取る工程と、患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数を決定する工程と、決定した数が閾値を超えている場合、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、プレループスを呈しているとして患者を分類するか否かの表示を含むレポートを作成する工程と、を処理装置に指示するように構成されたプログラミング命令を含む、システム。

請求項8

比較を行うように処理装置に指示する命令は、以下のCB−CAP、即ち、E−C4d、E−C3d、R−C4d、R−C3d、T−C4d、T−C3d、B−C4d、B−C3d、M−C4d、M−C3d、G−C4d、G−C3d及びP−C4dの少なくとも8つに関するレベルを比較する命令を含む、請求項7に記載のシステム。

請求項9

対照群と比較して低減したE−CR1のレベルを患者が呈しているか否かを判定する工程と、対照データセットにおけるE−CR1対照レベルと比較して低減したE−CR1のレベルも患者が呈している場合にようやく、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、を行う追加のプログラミング命令を更に含む、請求項7に記載のシステム。

請求項10

上昇したレベルが存在するCB−CAPの1つ以上について重量を決定するように処理装置に指示するように構成された追加の命令を更に含み、プレループスを呈していると患者を分類するように処理装置に指示する命令は、比較したCB−CAPの1つ以上について決定した重量も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する命令を含む、請求項7に記載のシステム。

請求項11

上昇したレベルが存在するCB−CAPの1つ以上について量を判定するように処理装置に指示するように構成された追加の命令を更に含み、プレループスを呈していると患者を分類するように処理装置に指示する命令は、比較したCB−CAPの1つ以上について決定した量も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する命令を含む、請求項7に記載のシステム。

請求項12

患者が1つ以上の分類基準を呈するか否かを判定するように処理装置に指示するように構成された追加の命令を更に含み、プレループスを呈していると患者を分類するように処理装置に指示する命令は、分類基準も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する命令を含む、請求項7に記載のシステム。

請求項13

プレループスを呈しているとして患者を分類するか否かを判定するためのシステムにおいて、対照被験者集団の血液採取データの対照データセットを保有するデータ格納機構であって、集団における被験者の第1の群は、ループスを有することが知られており、集団における被験者の第2の群は、ループスを有さないことが知られており、血液採取データは、各被験者の細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)のレベルを含む、データ格納機構と、処理装置と、コンピューター可読媒体と、を備えており、コンピューター可読媒体は、患者の複数のCB−CAPレベルを含む、患者の血液採取データのセットを受け取る工程であって、CB−CAPレベルは、以下のCB−CAP、即ち:E−C4d、E−C3d、R−C4d、R−C3d、T−C4d、T−C3d、B−C4d、B−C3d、M−C4d、M−C3d、G−C4d、G−C3d及びP−C4dの少なくとも8つに関するものである、工程と、患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数を決定する工程と、対照群と比較して低減したE−CR1のレベルを患者が呈しているか否かを判定する工程と、患者のレベルが上昇したCB−CAPについて決定した数が、閾値を超過し、低減したE−CR1のレベルを患者が呈している場合に、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、プレループスを呈しているとして患者を分類するか否かの表示を含むレポートを作成する工程と、を処理装置に指示するように構成されたプログラミング命令を含む、システム。

請求項14

上昇したレベルが存在するCB−CAPの1つ以上について重量を決定するように処理装置に指示するように構成された追加の命令を更に含み、プレループスを呈していると患者を分類するように処理装置に指示する命令は、比較したCB−CAPの1つ以上について決定した重量も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する命令を含む、請求項13に記載のシステム。

請求項15

上昇したレベルが存在するCB−CAPの1つ以上について量を判定するように処理装置に指示するように構成された追加の命令を更に含み、プレループスを呈していると患者を分類するように処理装置に指示する命令は、比較したCB−CAPの1つ以上について決定した量も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する命令を含む、請求項13に記載のシステム。

請求項16

患者が1つ以上の分類基準を呈するか否かを判定するように処理装置に指示するように構成された追加の命令を更に含み、プレループスを呈していると患者を分類するように処理装置に指示する命令は、分類基準も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する命令を含む、請求項13に記載のシステム。

請求項17

プレループスを呈しているとして患者を分類するか否かを判定する方法であって、患者の複数のCB−CAPレベルを含む、患者の血液採取データのセットを受け取る工程であって、CB−CAPレベルは、以下のCB−CAP、即ち、E−C4d、E−C3d、R−C4d、R−C3d、T−C4d、T−C3d、B−C4d、B−C3d、M−C4d、M−C3d、G−C4d、G−C3d及びP−C4dの複数に関するものである、工程と、患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数を決定する工程と、患者のレベルが上昇したCB−CAPについて決定された数が、閾値を超えている場合に、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、を含む、方法。

請求項18

上昇したレベルが存在するCB−CAPの1つ以上について重量を決定する工程と、比較したCB−CAPの1つ以上について決定した重量も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する工程と、を更に含む、請求項17に記載の方法。

請求項19

上昇したレベルが存在するCB−CAPの1つ以上について量を決定する工程と、比較したCB−CAPの1つ以上について決定した量も使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する工程と。を更に含む、請求項17に記載の方法。

請求項20

対照群と比較して低減したE−CR1のレベルを患者が呈しているか否かを判定する工程と、患者が低減したE−CR1のレベルも呈している場合にようやく、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、を更に含む、請求項17に記載の方法。

技術分野

0001

[米国連援助研究の陳述]
本発明は、米国国防省により与えられた認可番号W81XWH−09−1−0275の下で政府支援により行われた。本発明は、米国国立衛生研究所により与えられた認可番号R01AI077591の下で政府の支援により行われた。本発明は、米国国立衛生研究所により与えられた認可番号R01 AR046588の下で政府の支援により行われた。政府は、発明における特定の権利を有する。

0002

[関連出願と優先権主張]
本特許出願は、「Cell−Bound Complement Activation Products as Diagnostic Biomarkers for Lupus」と題された2013年2月8日出願の米国仮出願第61/762,620号の優先権を主張する。仮出願の開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。

背景技術

0003

全身性エリトマトーデスSLE)は、一般的にループスと称されており、免疫調節異常(例えば、自己抗体及び免疫複合体の形成、補体活性化リンパ球過敏性(lymphocyte hyperreactivity)、並びに、偏った(skewed)サイトカイン生産)と、その結果として生じる炎症性組織傷害とを特徴とする原型自己免疫疾患である。ループスの臨床症状は不均質( heterogeneous)であって、些少な症状から致命的疾患に渡っており、実際に患者の如何なる組織及び臓器関与する場合がある。ループスは、生殖年齢女性が主に罹患するが、如何なる年齢及び性別にも渡る疾患である。ループスの発症は、非ループス疾患では一般的である発熱関節痛、及び疲労のような症状を伴う潜行性である場合がある。ループスはまた、疾患の周期的な悪化(フレア(flares))及び沈静化を特徴とする。一方では、疾患の早期から重篤な臓器損傷が起こり、未認識のまま進行する場合がある。

0004

ループス診断は、大きな臨床的困難であり続けている。ループスの診断を行うに際して医師の助けとなるよう数種の血液検査が一般的に使用されているものの、如何なる単一の試験も、患者がループスを有するか否かを判定するために十分な感度及び特異性を有していない。典型的なループス患者は、正確に診断されるためには4人の異なる医師と5年を超える期間を要している。

0005

非特異的症状及び血液検査は、場合によっては見落し過度の強調をもたらし、その結果、過少診断又は過剰診断となる場合がある。過小診断及び診断の遅延は、ループスを有する患者の罹患率及び死亡率を実際に上昇させ得る。逆に、ループスの過剰診断は、毒性のある薬物に不必要に曝す結果になる場合があり、それはループスを有さない患者には金銭的負担となり、顕著な副作用をもたらす。従って、適時性が高く精密な診断は、患者の身体的健全性のみならず、医療システム経済的健全性に対して大きな影響を有する。

0006

本明細書は、上記の問題の少なくとも一部を解決する助けとなり、さらなる利益をもたらす方法及びシステムを記載している。

0007

背景となる先行技術は、以下の通りである。

0008

J.M.Ahearn及びS.M.Manziへ交付された米国特許第8,126,654号

0009

J.M.Ahearn及びS.M.Manziへ交付された米国特許第8,080,382号

0010

J.M.Ahearnらへ交付された米国特許第7,585,640号

0011

J.M.Ahearn及びS.M.Manziへ交付された米国特許第7,390,631号

0012

米国特許出願公開第2010/0233752号、発明者名:J.MAhearn、E.L.Erickson、D.M.Hawkins、S.M.Manzi、及びT.Mercolino

0013

上記の背景技術は、ループスに関するアメリカリウマチ学会の分類基準の4つ以上を呈する患者の試験を基礎として開発された。

0014

ある実施形態においては、本明細書は、「プレループス(pre-Lupus)」と判断されるかも知れない患者における、すでにかかっている状態を識別する方法を開示する。この方法は、幾つかの実施形態においては処理装置又はシステムにより実施されてよく、患者の血液採取データのセットを受け取る工程を含む方法を実施する。血液採取データのセットは、患者の複数の細胞結合性補体活性産物(cell-bound complement activation product)(CB−CAP)レベルを含む。この方法は、各CB−CAPの対照レベルを含む対照データセットを評価する工程を含む。この方法は、患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数及び/又はレベル(量)を測定する工程を含む。この方法は、測定された数及び/又はレベルを使用して、患者がプレループスと分類されるべき確率を割り当てて、確率に基づいた診断を含むレポートを作成する。

0015

従って、ある実施形態では、プレループスを呈しているとして患者を分類すべきか否かを処理装置により判定する方法は、(i)ループスに関する4つ未満の分類基準(例えば、ACR又はSLICC基準)を満たすと判定された患者の血液採取データのセットを受け取る工程であって、血液採取データのセットは患者の複数の細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)レベルを含むものである工程と、(ii) 各CB−CAPの対照レベルを含む対照データセットを評価する工程と、(iii)患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数を測定する工程と、(iv)測定した数が閾値を超えている場合、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、(v)プレループスを呈しているとして患者を分類するか否かの表示を含むレポートを作成する工程と、を含む。

0016

別の実施形態においては、患者がプレループスを呈しているとして分類するか否かを判定するためのシステムは、処理装置と、コンピューター可読媒体と、対照被験者集団の血液採取データの対照データセットを保有するデータ格納機構とを含んでいる。ここで、集団における被験者の第1の群は、ループスを有することが知られており、集団における被験者の第2の群は、ループスを有さないことが知られており、血液採取データは、各被験者の細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)のレベルを含むものである。コンピューター可読媒体は、(i)患者のCB−CAPレベルを含む患者の血液採取データのセットを受け取る工程であって、CB−CAPレベルは、以下のCB−CAP、即ち、E−C4d、E−C3d、R−C4d、R−C3d、T−C4d、T−C3d、B−C4d、B−C3d、M−C4d、M−C3d、G−C4d、G−C3d、及びP−C4dの少なくとも8つに関するものである工程と、(ii)患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数を測定する工程と、(iii)対照群と比較して低減したE−CR1のレベルを患者が呈しているか否かを判定する工程と、(iv)患者のレベルが上昇したCB−CAPの測定数が閾値を超えて、低減したE−CR1のレベルを患者が呈している場合に、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、(v)患者がプレループスを呈しているとして分類するか否かの表示を含むレポートを作成する工程と、を処理装置に指示するように構成されているプログラミング命令を含む。

0017

別の実施形態においては、プレループスを呈しているとして患者を分類するか否かを判定する方法は、(i)患者のCB−CAPレベルを含む患者の血液採取データのセットを受け取る工程であって、CB−CAPレベルは、以下のCB−CAP、即ち、E−C4d、E−C3d、R−C4d、R−C3d、T−C4d、T−C3d、B−C4d、B−C3d、M−C4d、M−C3d、G−C4d、G−C3d、及びP−C4dの複数に関するものである工程と、(ii)患者のCB−CAPレベルを対照レベルと比較することにより、患者のレベルが対照レベルと比較して上昇しているCB−CAPの数を測定する工程と、(iii)患者のレベルが上昇したCB−CAPの測定数が閾値を超えている場合に、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程と、を含む。

0018

随意選択的に、この方法は、上昇したレベルが存在する1つ以上のCB−CAPの重量を測定する工程と、比較した1つ以上のCB−CAPの測定した重量を使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する工程とを含んでよい。随意選択的に、この方法は、上昇したレベルが存在する1つ以上のCB−CAPの量を判定する工程と、比較した1つ以上のCB−CAPの判定した量を使用して、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する工程とを含んでよい。随意選択的に、この方法は、対照群と比較して患者が低減したE−CR1のレベルを呈しているか否かを判定する工程と、低減したE−CR1のレベルも患者が呈している場合にようやく、プレループスを呈しているとして患者を分類する工程とを含んでよい。

図面の簡単な説明

0019

図1は、患者をプレループスと分類すべきか否かを判定する方法を記載したフローチャートである。

0020

図2は、CB−CAPプロファイリング及びスコアリング論理的で一般的な手法を纏めたものである。

0021

図3は、例示される患者群内の異なるCB−CAPスコアを有する患者の有病率を示す。

0022

図4は、本明細書に記載した種々の処理を実施する電子装置に含まれる種々のハードウェアを示すブロック図である。

0023

記載した特定のシステム、装置、及び方法は変更されてよく、本開示は、これらに限定されない。明細書中で使用した用語は、特定のバージョン又は実施形態を説明することのみを目的としており、本発明の範囲を制限する意図はない。

0024

本明細書においては、単数表記は、特段の記載が無い限り複数表記を含む。特段の記載が無い限り、本明細書に記載した全ての専門技術用語は、当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。本開示に含まれる如何なるものも、本開示に記載した実施形態が、以前の発明によってその開示に先行する資格がないことを認めるものと解釈されてはならない。本開示においては、「含む」という用語は「含むが、限定されない」という意味を有する。

0025

本明細書において、「全身性エリトマトーデス」、「SLE」又は「ループス」とは、多臓器が巻き込まれることになる原型の自己免疫疾患である。抗自己応答(anti-self response)は、種々の核及び細胞質細胞成分に対して指向された自己抗体を特徴とする。これらの自己抗体は、それぞれ対応する抗原に結合して免疫複合体を形成し、これらは、循環して最終的には組織に付着する。この免疫複合体の付着とその結果生じる補体系活性化とは、慢性の炎症及び組織の損傷をもたらす。ループスは、一連のフレア、又は、急性期において進行し、その後沈静化する。ループスのフレアの症状は、患者間で、更には、同じ患者内でもかなり変動し、倦怠感、発熱、関節痛、及び光過敏(短時間の太陽への曝露の後の発疹の発生)を含む。ループスのその他の症状は、脱毛粘膜潰瘍胸痛をもたらす心内膜及びの炎症、及び滑膜疼痛性炎症である滑膜炎を含む。赤血球血小板、及び白血球は、ループスの標的となり得て、貧血出血、及び血栓の問題をもたらす。より重篤な場合、糸球体における免疫複合体の付着及び慢性炎症は、腎臓合併症を引き起こすことがあり、場合により透析又は腎移植を要する疾患をもたらす。血管がループスにおける自己免疫応答の主な標的であるため、早期の卒中及び心疾患珍しくない。しかしながら、長い時間をかけて、これらのフレアが不可逆的な臓器損傷をもたらし得る。「ループス」という用語は、ループスの他の型、例えば円板状エリテマトーデス又は薬剤誘発性ループスにも適用する場合がある。

0026

本明細書で使用されているように、用語「プレループス」は、患者がループスを発症する危険性が増大していることの予備的表示として機能し得る、既にかかっている状態を指す。プレループスと診断された患者は、確定的なループスに対応するであろう特定の特徴を有することになろうが、まだ確定的なループスを発症していないか、そのように診断されていない。

0027

プレループス状態は、前癌性又は前悪性状態と等価であると考えられる。この状態は、適宜治療を有する癌又は悪性疾患の危険性が有意に増大している状況である。前癌性又は前悪性状態の例は、結腸癌発症率の高い結腸ポリープ食道がん発症率の高いバレット食道子宮頸癌発症率の高い子宮頸部異形成皮膚癌発症率の高い日光角化症、及び、乳癌発症率の高い乳房の前悪性病変を含む。前癌状態の大半において、病変の治療により癌発症の危険性は低下し又は排除される。そのため、早期発見が必須である。プレループス状態も同様に理解することができる。プレループス患者は、確定的なループスを発症する危険性が増大しているが、発症しない場合もある。早期発見及び適切な治療は、疾患の進行の危険性を低下させるために必須である。

0028

プレループスは「推定的(probable)」ループスとは異なり、区別すべきである。推定的ループスの診断は、ループスの診断が技能的なものであるためになされる場合が多い。ループスの正確な診断を絶対的に保証できる血液検査又は疾患の身体的症状は存在しない。従って「推定的ループス」とは、所定の時間に患者が実際に確定的ループスを有している可能性を指す。このことは、「プレループス」とは対照的である。「プレループス」は、患者がその時に確定的ループスを有しているのではなく、最終的に疾患を発症する可能性が増大しているが、全くそうならない可能性もあるということを示す。

0029

本明細書においては、「補体経路成分」とは古典補体経路副経路、及びレクチン補体経路からの蛋白であって、例えば、C1、C4、C2、C3及びそのフラグメントであり、例えば、C4a、C4b、C2a、C2b、C4b、C2a、C3a、C3b、C4c、C4d、iC4b、C3d、C3i、C3dgを含む。更に含まれるものは、C5、C5b、C6、C7、C8、C9、Clinh、MASP1、MASP2、MBL、MAC、CR1、DAFMCP、C4結合蛋白(C4BP)、H因子B因子、C3bB、D因子、Bb、Ba、C3bBb、プロペルジン、C3bBb、CD59、C3aR、C5aR、ClqR、CR2、CR3、及びCR4、並びに本明細書に特に列挙していない他の補体経路成分、受容体及びリガンドである。

0030

本明細書で使用されているように、「補体活性化産物」は上記の段落において列挙した「補体径路成分」のフラグメント、即ち、C4a、C4b、C2a、C2b、C4bC2a、C3a、C3b、C4c、C4d、iC4b、C3d、C3i、iC3b、C3c及びC3dgである。

0031

「細胞結合性補体活性産物」、即ち「CB−CAP」は、1又は複数の補体活性化産物と当該補体活性化産物が結合している血球(例えば、赤血球、網状赤血球、リンパ球、Bリンパ球単球顆粒球、又は血小板)の組合せである。

0032

本明細書で使用されているように、任意のCB−CAPの「対照レベル」とは、幾つかの実施形態においては、検討対象である自己免疫、炎症性若しくは他の疾患又は障害に罹患していない一人以上の個人液体試料から得られたCB−CAPのレベルを指す。レベルは、個人毎に又は集合体毎に平均として計測してよい。また、対照レベルは、疾患又は障害を有するが疾患又は障害の急性期ではない個人の集団の分析により測定することもできる。幾つかの実施形態においては、個々のCB−CAPの対照レベルは、診断しようとしている又は状態をモニタリングされている同一の個人から異なる時期に得られたものである。

0033

本明細書で使用されているように、「対照レベルとの差」とは、当業者によって現在又は将来使用される任意の統計学分析方法により測定した場合に、統計学的に有意である差を指す。対照レベルとの差は、個々のCB−CAPの対照レベルと、診断又は他の情報が検討されている個人から得られた同じCB−CAPのレベル、即ち実験レベルとの間の統計学的有意差を指す。差が統計学的に有意であるか否かを調べるために多くの方法が使用でき、使用する特定の方法が本発明を制限するわけではないことを、当業者は認めるであろう。

0034

本明細書の目的上、「電子装置」又は「処理装置」とは、プロセッサ及び非一次的な(non-transitory)コンピューター可読メモリを含む装置を指す。メモリは、装置と一体であってよく、或いは、装置から遠隔で、1つ以上の通信ネットワークを介して装置にアクセスされるものであってもよい。メモリは、プロセッサによる実行時にプログラミング命令に従ってプロセッサに1つ以上の操作をさせるように構成されたプログラミング命令を含んでよい。電子装置の例には、計算装置タブレット及びスマートフォンが含まれる。

0035

ループスは、診断上の問題及び管理上の問題の両方を医師にもたらし続けており、信頼できる試験及びバイオマーカー不足がその原因の一部となっている。ループスを診断するための現在の基準は、リウマチ学者による判断であって、米国リウマチ学会(ACR)により開発された標準的な分類スキームに主に基づいている。ACRの基準は、患者がループスを有するか否かを判定するために医療専門家が使用する一連の臨床的基準である。確定的ループスの診断は、臨床症状又は検査室試験の11のACR基準のうちの4つに患者が合致している場合に行われる。ループスの種々の症状が同時に発現するとは限らないため、4つの基準を満たして最終的に診断されるまでは、数年を要する場合が多い。同様の基準は、the Systemic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC)によって採用されている。

0036

このジレンマ迂回するために、ACR又はSLICCの基準の4つ未満を満たしていたにも拘わらずループスを有することが疑われた患者群には、「プレループス」の診断を与えてもよい。しかしながら、そのような患者が実際にプレループスを有する可能性を計測するために現在使用可能な試験は無く、また、ACR又はSLICC基準を用いる以外には、潜在的ループスの診断に到達できるような承認された試験法もない。加えて、4つ未満の基準に合致した患者のうちどの患者を、疾患を有さないと認めるのではなくて、引き続きループス発症の危険性と関連付けるべきと特定することは困難である。プレループスを有する患者の一部は、確定的ループスを発症することになり、早期の治療の機会を逃したために不必要に生じてしまう臓器損傷を患う可能性がある。「プレループス」を有しており、予防可能な臓器損傷の早期管理の利益を被ることになる患者の識別を容易にするバイオマーカーが使用できれば、ループス診断の適時性及び精度の向上は、大きく促進される。

0037

多くの研究により、ループスの発症における補体系の顕著な役割が示されている。補体蛋白は、循環系に豊富に存在し、循環細胞と容易に相互作用を起こすことができるため、循環細胞に結合した補体活性化産物は、可溶性の補体蛋白よりも情報性の高いループスのバイオマーカーとして機能する可能性があるという仮説を、本発明者らは立てた。実際、かなりのレベルの補体C4由来活性化産物、特にC4dは、ループスを有する患者の赤血球、網状赤血球、血小板及びリンパ球の表面に特異的に存在している。これらの細胞結合性補体活性産物(CB−CAP)は、診断のためのみならずループス患者における疾患の活動性をモニタリングするための画期的なバイオマーカーとして機能することができる。

0038

本明細書に記載されているように、本発明者らは、驚くべきことに、補体活性化産物が実質的に全ての循環血球に結合することができ、結合時にはこれらの細胞の機能を変化させることがあり、これによって、ループスにおける広範な免疫病原応答に寄与することを発見した。このような背景から、ループスを発症する危険性を有する患者におけるCB−CAPパターンをプロファイリングする方法及びシステムは、「プレループス」から確定的ループスに進行する発病過程を調べるための「窓口(window)」を与えると考えられる。従って、CB−CAPパターンのプロファイリングにより、医師は、プレループス状態を呈していると患者を診断すべきか否か判断できるようになる。このことは、ループス発症の危険性が増大している患者を発見し、ループスの発症を遅延又は防止するか、疾患の発症を最小限にするという意図を持って、相応に適切な予防及び治療の手段を確立することを容易なものとする。

0039

この処理の概要は、図1に記載されており、図1で説明された処理により、コンピューター可読メモリにベースラインデータセットが維持される(101)。対照データセットは、ループスを有さないことが確認されている患者のセットに関する採取データを含む。採取データは、各患者から採取した血液試料から得られたデータを含んでおり、データは、各患者の血液試料中の1つ以上のCB−CAP、例えば、次の段落中にて列挙したCB−CAPのレベルを特定している。

0040

対照データセットは、種々のCB−CAPに関する対照レベルの計測値を含んでよく、これは、次の細胞型の何れか、又は全てに結合した補体活性化産物C4d又はC3dを含んでよく、当該細胞型は、赤血球(CB−CAPを伴う場合の表記はE−C4d、E−C3d)、網状赤血球(CB−CAPを伴う場合の表記は、R−C4d、R−C3d)、Tリンパ球(CB−CAPを伴う場合の表記は、T−C4d、T−C3d)、Bリンパ球(CB−CAPを伴う場合の表記は、B−C4d、B−C3d)、単球(CB−CAPを伴う場合の表記は、M−C4d、M−C3d)、及び顆粒球(CB−CAPを伴う場合の表記は、G−C4d、G−C3d)である。CB−CAPはまた、血小板上のC4d[P−C4d]並びに赤血球上に発現された補体受容体1(CR1)[E−CR1]も含んでよい。上記した13のCB−CAPに加えて、他のCB−CAPの対照レベル、例えば限定しないが好塩基球好酸球循環内皮細胞に存在するものもデータセットに格納してよい。

0041

本システムは、プレループス状態を有すると患者を分類し、そしてこれにより追加的な検査又は治療の候補とすべきか否かの判断を容易にするだろう。診断されるのが望ましい患者から血液試料が採取される場合、試料は、CB−CAPの何れか又は全てのレベルに関して分析されることになり、それらについて、レベルは、データセットにおいて使用可能となっている(103)。採取データは、処理装置に入力されるか、これにより受け取られて、患者の試料に由来するCB−CAPレベルを、データセット中のCB−CAPレベルと比較することにより、患者が高値を呈しているCB−CAPの数及び/又はレベルを判定する(105)。患者試料におけるCB−CAPのレベルは、それが対照セット中の同じCB−CAPの対照レベルとは異なる(より高値である)場合に、「上昇している」と判定されてよい。一例として、患者試料中のCB−CAPのレベルが、対照セット中の同じCB−CAPのレベルより少なくとも2標準偏差、高い場合、そのレベルは上昇していると見なされてよい。統計学的有意性を調べる他の方法を使用して、レベルが上昇しているか否か調べてもよい。

0042

ある患者が満たすループス分類のためのACR基準(又は、SLICC基準又は他の基準)の判定数(4未満)に基づいて、そして、患者における上昇したCB−CAPの判定数及び/又は各上昇CB−CAPの上昇レベルの測定に基づいて、システムは、患者に確率レベルを割り当てる(107)。確率レベルは、患者がプレループスを有すると考えられるか否かを判定するために医療専門家が使用するパーセンテージ、スコア、又は何らかの他の表示である。本明細書においては、確率レベルは、患者がプレループスを有する確率の大きさを示してよい。確率レベルは、そのセットに存在する異常な(上昇した)CB−CAPの数の係数として判定されてよい。確率レベルは、上昇したCB−CAPのパーセンテージのように単純なものであってよい(例えば、5つのCB−CAPのうち2つが上昇していれば40%)。或いは、それは、何らかの係数で調節されてもよい。例えば、一部のCB−CAPが他のものが寄与するよりも上昇している場合には、より高値の確率レベルに寄与するように、個々のCB−CAPは重み付けられてよい。計算はまた、1つ以上のCB−CAPの上昇の度合いのような変数、及び/又は、ACR又はSLICC基準のような1つ以上の分類基準を含んでよい。

0043

確率レベルを割り当て、プレループスを呈していると患者を分類するか否かを判定する場合、システムは、単に単一のCB−CAPに着目するのではなく、その代わりに、それは、システムが患者をプレループスと分類するより前に、少なくとも閾値量まで複数のCB−CAPの組合せが上昇していることを要求してよい。例えば、システムは、任意の数のCB−CAPに着目してよく、患者をプレループスと分類するためには、患者のCB−CAPの少なくとも8つが対照セットと比較して上昇していることを要求してよい。幾つかの実施形態においては、CB−CAPのパネルは、8つより多い試験を含んでよい。幾つかの実施形態においては、プレループスを有すると診断される確率は、パネル中の異常試験の数が増大するに従って上昇する。加えて、幾つかの実施形態においては、システムは、対照セットのE−CR1レベルと比較して低いE−CR1のレベルを患者が呈しているか否かを判定して、そして、対照データセットにおけるE−CR1対照レベルと比較して低いE−CR1のレベルも患者が呈している場合にようやく、プレループスを呈しているとして患者を分類する。

0044

次にシステムは、確率レベルそのもの、又は、患者がプレループスを呈している(若しくは呈していない)と考える理由を記載する1つ以上の報告様式の又は描画的な印などの診断を伴ったレポートを作製する(109)。レポートは、プレループス患者として患者を分類するか否かの評価を提供する。システムは、患者又は医療専門家から遠隔にあってよく、システムの要素の一部又は全ては、複数システム、例えば、対照データセットは、処理及び分析を実施するシステムから遠隔にあるが、1つ以上の通信ネットワークで接続されているクラウド系システム中に存在する。

0045

実施例として、本発明者らは、ループス学者、即ちループス患者の診断及び診療について特別な専門的知識を有するリウマチ学者によって「プレループス」の診断を受けた患者から得た血液試料について、CB−CAPアッセイを実施した。確定的ループス(≧4基準)に関するACRの1982年又は1997年改訂分類基準を満たす患者447人がデータセットに含められた。SLE関連症状を示したが確定的ループス基準を満たさなかった(即ち、4つ未満のACR基準を呈した)24人の患者は、ループス関連症状を示し、別の疾患を有するとは考えられず、未分化結合組織疾患を有するとは考えられず、2つ以上の疾患が重複していると考えられなかったという理由から、ループス診断医により「プレループス」と診断された。彼らの疾患は、ループス様であると考えられたが、確定的ループスと診断するにはACR基準の数が不十分であった。これらの患者は、確定的ループスに発展する可能性も発展しない可能性もあるループス様の疾患過程が存在しているが、確定的ループスを発症する危険性が増大していることを示唆する「プレループス」と診断された。この増加した危険性は、ループスが発症するまでの既知時間経過に基づいている。患者の大多数においては、疾患の経時的な進行の間に基準が陽転し、例えばループスを有する大半の患者は、僅か1、2又は3つの基準しか示さず、その後、確定的診断を可能とする4つ目の基準を発症するであろう。プレループスの診断が可能であることは、より早期の治療及び予防的手段を可能にすることで、経時的な疾患損傷を低減する。非ループス免疫炎症性疾患を有する286人の患者が、同時期に採用された。来院時、これらの患者には、41人のシェーグレン症候群患者、20人の慢性関節リウマチ患者、7人の強皮症患者、15人の抗リン脂質抗体症候群患者、11人の特発性炎症性筋疾患患者、8人の血管炎患者、5人の炎症性腸疾患患者、4人の一次性レイノー現象患者、4人の円板状又は皮膚ループス患者、3人の乾癬患者、3人のヴェーゲナー肉芽腫症患者、1人のベーチェット病患者、1人のサルコイドーシス患者、5人の各種感染症患者、及び192人の未分化結合組織疾患又は不明な障害を有する患者が含まれていた。

0046

加えて、196人の健常者も正常対照として採用した。彼らの健常状態を確認するために、これら参加者にすでにかかっている医療状態に関する簡単な質問を行った。

0047

CB−CAPプロファイリングのためのフローサイトメトリーアッセイ:各参加者につき、3mlの血液試料を、抗凝固剤としてEDTAを含むバキュテイチューブ(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)に採取した。血液試料は4℃で保存し、採取後24時間以内に分析した。各血液試料は、合計13種のCB−CAP(6つ細胞型上のC4d及びC3d−赤血球[E−C4d、E−C3d]、網状赤血球[R−C4d、R−C3d]、Tリンパ球[T−C4d、T−C3d]、Bリンパ球[B−C4d、B−C3d]、単球[M−C4d、M−C3d]、顆粒球[G−C4d、G−C3d]、及び血小板上のC4d[P−C4d])に加えて、赤血球上に発現した補体受容体1(CR1)[E−CR1])に関して分析した。赤血球、網状赤血球及び血小板に結合したC4d及びC3dのレベル、並びにE−CR1のレベルは本発明者らの最近の論文報告したプロトコルに従って計測した。

0048

Tリンパ球、Bリンパ球、単球及び顆粒球を含む白血球に結合したC4d及びC3dのレベルを、最近開発されたマルチカラーフローサイトメトリー試験を一部変更して使用することにより計測した。簡潔に述べると、Ficoll Plus(GE Healthcare)を用いた勾配遠心分離により末梢血白血球(PBL)を調製した。低張性溶解により夾雑赤血球を除去した後、PBLをリン酸塩緩衝食塩水PBS)で洗浄し、1%ウシ血清含有PBS中に再懸濁し、抗体染色のために等分した。リンパ球、単球及び顆粒球を、特徴的な表面分子の発現及びそれらの前方(大きさ)/側面(粒状性散乱の特徴に基づいて判別した。系統特異的な細胞表面マーカー(Tリンパ球についてはCD3;CD4及びCD8;Bリンパ球についてはCD19;BD Biosciences,San Diego,CA)と、反応性フィコエリスリン−又はフィコエリスリンCy5−コンジュゲートマウスモノクローナル抗体(mAb)とを、Zenon抗体標識キット(Invitrogen,Carisbad,CA)を用いてAlexaFluor488で標識されている抗ヒトC4d又は抗ヒトC3d mAb(マウスIgGl;C4又はC3のC4d含有又はC3d含有フラグメントと反応性;Quidel,SanDiego,CA)の何れかと共に使用した。

0049

染色後、FACSCalibur(登録商標フローサイトメーター及びCell Questソフトウェア(Becton Dickinson Immunocytometry Systems)を用いて細胞を分析した。検出された抗体染色の特異性を確保するために、適切なアイソタイプのマウスIgGで染色した各患者由来の白血球一定量が、全ての実験にて常時含められた。全てのmAbは、5μg/mlの濃度で使用した。細胞結合C4d及びC3dのレベルは、C4d(又はC3d)特異的中央蛍光強度−アイソタイプ対照中央蛍光強度として計算した特異的中央蛍光強度(SMFI)として表示した。

0050

図2は、CB−CAPのプロファイリング及びスコアリングの合理的で一般的な手法を総括したものである。図2に示す通り、プレループス段階を含むループス発症段階の間、補体系は活性化され、血中に循環している細胞に容易に結合できる補体活性化産物(CAP)を発生する。患者の末梢血細胞上の表面結合CAPは、フローサイトメトリー試験で計測できる。CB−CAPプロファイル及びCB−CAPスコアは、患者ごとに得られる。しかしながら、示されているように、同じCB−CAPスコアが、異なる組合せの上昇したCB−CAPレベルから生じる場合がある。CAPは、異なる患者では別の細胞型に結合する場合があるため、患者は、同じCB−CAPスコアを有しても異なるCB−CAPプロファイルを有する可能性がある。臨床情報及び/又はACR基準を組み合わせれば、CB−CAPプロファイル及びスコアにより、医師は、患者がプレループスを呈していると診断しやすくなる。

0051

統計学的分析:連続データ(例えば、年齢、罹病期間、及びCB−CAPレベル)の分布正規性を、Shapiro−Wilks検定を用いて決定した。データの分布パターンに応じて、平均、標準偏差、中央値、及び四分位数範囲(IQR:25〜75番目パーセンタイル)を含む記述的統計値を計算した。ループス患者と健常対照の間のCB−CAPレベルの比較は、2標本Wilcoxonの順位和(Mann−Whitney)検定を用いて実施した。7種の循環細胞型(赤血球、網状赤血球、血小板、B細胞、T細胞、顆粒球及び単球)上のC4dレベルに着目した追加的分析を実施した。

0052

CB−CAPスコアを計算するために、赤血球−CR1及び各細胞結合型C4dの測定値を、陽性(異常;スコア=1)及び陰性(正常;スコア=0)の様式で二元的に分類した。試験した患者の特定の細胞型のSMFIが健常対照群の対応する細胞型の平均SMFIより2標準偏差(SD)以上高値であった場合に、陽性の表現型を割り当てた。従って、各患者のCB−CAPスコアは、0〜8の範囲となってよい。全ての分析は、Window(Stata Corporation,College Station,TX)のSTATA/SEバージョン11.0を用いて実施した。

0053

試験コホート(study cohort)は、確定的ループス患者447人、プレループス患者25人、他の免疫炎症性疾患患者286人、及び健常対照196人よりなるものであった。これらの試験群人口統計学的データを、以下の表1に纏める。他の疾患を有する患者の群は、他の3患者群よりも高齢と思われ、より多くの白色人種からなるものであったが、これらの相違は統計学的な差ではなかった。確定的ループス又はプレループスを有する患者の臨床的特徴の比較を、表2に示す。特段の記載が無い限り、示されたデータは、疾患の経過における何れかの時点において存在していたACR基準の定義による臨床症状である。定義したように、プレループスを有すると診断された患者は、確定的ループスを有すると診断された患者(>3)よりも臨床症状発現及び検査数値異常(<4)が少なかった(表3)。

0054

確定的ループスを有する患者の循環血球へのCAPの特異的結合横断調査にフローサイトメトリーアッセイを用い、全ての被験対象の循環血球表面上に付着したCAPのレベルを計測して比較した。本発明者らの以前の試験と矛盾無く、有意に上昇したレベルのC4d及びC3dが確定的ループスを有する患者の赤血球、網状赤血球、血小板及びリンパ球の表面上に検出された(表4及び表5)。有意に上昇したC4d及びC3dはまた、確定的ループスを有する患者の単球上にも特異的に検出された(表4及び表5)。本発明者らの以前の所見と合致して、確定的ループスを有する患者の赤血球は、他の疾患又は健常対照の赤血球よりも有意に低値のレベルのCR1(E−CR1)を示した。興味深いことに、プレループスを有する患者は、確定的ループスに関するACR分類陽性基準の4つ未満を有していたにも拘わらず、確定的ループスを有する患者とは統計学的には判別不能である、種々の循環血球での低下したE−CR1レベルと上昇したCB−CAPレベルとを同様に呈していた(表4及び表5)。総括すれば、これらの結果は、ループスを発症する過程にあると思われるが、3つより多くのACR基準を未だに満たして(又は、満たしていると評価されて)おらず、このため確定的ループスを有するとは判定されていない患者においては、CB−CAPレベルの上昇が臨床兆候及び臨床検査数値異常に先行する場合があることを示唆している。

0055

一般的に、細胞結合型C4dのレベルは、C3dのレベルより有意に高かった(表4)。従って、本発明者らは、以下に記載するCB−CAPのプロファイリング及びスコアリング試験において細胞結合型C4dに着目した。

0056

上記した結果は、確定的ループス又はプレループスを有する患者において補体活性化の間に発生したCB−CAP、特にC4dが、広範な循環血球に結合できることを示している。表4に示すように、確定的ループス又はプレループスを有する患者を群として分析した場合、試験した7種の細胞型に結合したC4dの平均レベルは、全て有意に上昇していた。しかしながら、個々の患者を更に分析したところ、上昇したC4dのレベルは、その時点における所定の患者において全ての細胞型に必ずしも同時に表れていないことがわかった(データ示さず)。個々の患者における種々の細胞型に結合したC4dのレベルを同じ試験時に厳密に計測したところ、特徴的なレベルのC4dが、ある患者ではあるセットの細胞型に、しかし別の患者では異なるセットの細胞型に検出されることがわかった(表6)。従って、特徴的な細胞型へのC4dのこの種の選択結合は、各患者について独特の特徴的な(signature)CB−CAPプロファイルを創生している。このようにして本発明者らは、この情報は、どの患者がプレループスを呈していると考えるべきかを決定するために有用であると判断した。

0057

次に、観察された患者特異的CB−CAPプロファイルを利用して、スコアリングシステムを考案することを試みた。試験した7細胞型(E−C4d、R−C4d、P−C4d、T−C4d、B−C4d、M−C4d、及びG−C4d)のそれぞれに結合した異常高値C4dレベルと、赤血球により発現されたCR1(E−CR1)の異常低値レベルとに対して1ポイントを割り当てることにより、0(CB−CAP及びCR1レベルが非異常)乃至8(CR−1及び全7細胞型のCB−CAPレベルが異常)の範囲のCB−CAPスコアを、各患者に対して得ることができる。各細胞型に対する異常CB−CAPレベルのカットポイントは、健常対照群の対応する細胞型の平均CAPレベル+2標準偏差として定義した(表4参照)。異常E−CR1レベルに関するカットポイントは、本発明者らの以前の試験に基づいて経験的にSMFI<10と判っている。このスコアリングシステムを用いて、確定的ループス、プレループス又は他の免疫炎症性疾患を有する全ての患者それぞれに対して、CB−CAPスコアを計算して比較した。表7に示すように、確定的ループス及びプレループスを有する患者は一般的に、他の免疫炎症性疾患を有する患者(平均スコアは1.23)よりも高値のCB−CAPスコア(平均スコアはそれぞれ2.80及び4.00)を獲得していた。

0058

各患者群内の異なるCB−CAPスコアを有する患者の有病率は、図3に纏められている。図3において、高いCB−CAPスコアは、他の免疫炎症性疾患の患者群よりも確定的ループス及びプレループスの患者群においてより優勢であることは明らかである。顕著な点は、プレループスの患者群のCB−CAPスコアの頻度分布は、確定的ループスの患者のものと有意差が無かったが、他の疾患を有する患者のものとはかなり異なっていた。この所見は、補体媒介免疫病原過程が潜行性に発生し、最終的には患者において臨床的に顕在化した症状をもたらす場合があるという判断を更に裏付けるものである。更には、異なるループス患者における別の細胞集団へのCAPの結合は、それぞれの患者における固有病原機序を示す場合がある。総括すれば、これらの結果は、循環細胞へのCAPの結合は、実際には継続的に発生して拡張する場合があるループスの免疫病原過程の部分である可能性を暗示している。従って、本発明者らは、CB−CAPプロファイルがプレループスの代理マーカーとして機能する可能性があると判断した。

0059

このように、本明細書は、患者がプレループスを呈していると診断されるべきと認められる旨を判定するための診断バイオマーカーとして機能するCB−CAPプロファイリング及びスコアリングのための方法及びシステムを記載している。これにより、医師はより早期により正確な診断が可能となり、より早期により正確な治療介入を行うことができ、最終的には急性期の疾患の活動性及び長期の臓器損傷の危険性を低減することができる。このより早期のより正確な診断及び処置は、過去に未診断であった患者が確定的ループスに進行することを防止するか、少なくともそのような進行を遅延させると考えられる。

0060

図4は、先に議論したような種々のコンピューター処理及びシステムを含む又は実施するために使用し得る内部ハードウェアの例を示す。電気バス600は、ハードウェアの他の図示されたコンポーネントを相互に接続している主要情報ハイウェイとして機能する。CPU605は、プログラムを実行するために必要な計算及び論理演算を実施するシステムの中央処理装置である。CPU605は、単独で、又は図4に示す1つ以上の他の要素とともに、処理装置、計算装置又はプロセッサとなっており、これらの用語は本開示内で使用する通りである。リードオンリーメモリ(ROM)610及びランダムアクセスメモリ(RAM)615は、メモリ装置の例を構成している。処理装置は、メモリ装置上に格納されたプログラミング命令を実行することにより本明細書に開示した方法を行ってよい。本明細書が「プロセッサ」又は「処理装置」という用語を使用する場合、特段の記載が無い限り、処理を集合的に実施する単一の装置又は幾つかの装置を含むことを意図している。

0061

制御装置620は、システムバス600へのデータ格納設備として機能する1つ以上の任意のメモリ装置625とインターフェイス連絡している。これらのメモリ装置625は、例えば外部DVDドライブ又はCDROMドライブハードドライブフラッシュメモリUSBドライブ、又はデータ格納設備として機能する他の種の装置を含んでよい。前述のように、これらの種々のドライブ及び制御装置は、随意選択的な装置である。更に、メモリ装置625は、ソフトウェアモジュール又は命令を、補助データを、インシデントデータを、分割表及び/又は回帰モデルの群を格納するための共通ファイルを、或いは、上記した情報を格納するための1つ以上のデータベースを格納する個々のファイルを含むように設計されていてよい。

0062

上記の処理に関わる機能ステップの何れかを実施するためのプログラム命令、ソフトウェア又は双方向モジュールは、ROM610及び/又はRAM615に格納されてよい。場合により、プログラム命令は、有形のコンピューター可読媒体、例えばコンパクトディスクデジタルディスク、フラッシュメモリ、メモリーカード、USBドライブ、光ディスク格納媒体、及び/又は他の記録媒体に格納されてよい。

0063

ディスプレイインターフェイス630は、音声映像、画像又は英数字形態でバス600からの情報をディスプレイ635に表示できるようにしてよい。外部装置との通信は種々の通信ポート640を用いて行ってよい。通信ポート640は、通信ネットワーク、例えばインターネットローカルエリアネットワーク又は携帯電話データネットワークに連結されてよい。

0064

また、ハードウェアは、例えばキーボード650などの入力装置、又は例えばリモートコントロールポインティング装置ビデオ入力装置及び/又は音声入力装置などの他の入力装置655からのデータの受け取りを可能とするインターフェイス645を含んでよい。

実施例

0065

上記した特徴及び機能、並びに代替例は、多くの他のシステム又は用途に組み込まれてよい。種々の現時点予測できない又は期待できない代替例、変更、変形又は改良が当業者により行われてよく、それらもまた開示した実施形態に含まれることが意図される。

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