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技術 胆汁酸ホメオスタシス調整並びに胆汁酸障害及び疾患の治療の方法

出願人 エヌジーエムバイオファーマシューティカルス,インコーポレーテッド
発明者 レイリングジアンルオ
出願日 2013年12月26日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2015-550762
公開日 2016年5月12日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-513073
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 酵素、微生物を含む測定、試験 特有な方法による材料の調査、分析 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード セルコール 中心周辺 内臓型 第三期 使用指針 脱水酸 試験小片 メモリーディスク
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題・解決手段

本発明は、胆汁酸ホメオスタシス調整活性などの1種以上の活性を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)の変種及び融合体、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の変種及び融合体、FGF19及び/又はFGF21の融合体、並びにFGF19及び/又はFGF21のタンパク質配列及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の変種又は融合体、並びに胆汁酸障害及び他の障害の治療における方法及び使用に関する。

概要

背景

(緒言)
哺乳動物胆汁中に主として認められるステロイド酸である胆汁酸は、コレステロールトリグリセリドグルコース及びエネルギーホメオスタシスを調節し、且つ小腸における脂質の消化及び吸収を促進する。小腸における脂質及び脂溶性ビタミン乳化は、ミセル形成を可能にし、これは次に乳糜システム(lacteal system)を介して輸送されることができる。胆汁酸の他の機能は、胆汁の流動を駆動し、肝臓からの異化産物を除去し、且つ小腸及び胆管において認められる細菌叢の減少を補助することを含む。胆汁酸はまた、それら自身の合成及び腸肝循環の調節に関与している。例えば、Staelsらの文献、Diabetes Care (2009) 32(suppl 2) S237-S245を参照されたい。

ヒトにおいて、胆汁酸生成は主に、静脈周囲の肝細胞において、コレステロールを2種の一次胆汁酸であるコール酸及びケノデオキシコール酸へ変換する一連酵素反応により起こる。一次胆汁酸は、2つの個別の経路により合成される。「古典的」又は「中性」経路では、一次胆汁酸は、古典的胆汁酸合成経路の第一の律速段階触媒するシトクロムP450酵素コレステロール7α-ヒドロキシラーゼ(cyp7a1)による触媒を介した、コレステロールの水酸化により生成される(例えば、Inagakiらの文献、Cell Metabolism, 2:217-25 (2005年10月)参照)。

本明細書において更に説明されるように、cyp7a1の活性は、コール酸によりダウンレギュレーションされ、且つコレステロールによりアップレギュレーションされ;従って、cyp7a1は、胆汁酸それ自身により調節される。コレステロールの胆汁酸への変換は、この経路により主に作用される。加えて、ほとんどの個体において、胆汁酸のおよそ6%は、「代替」又は「酸性」経路により合成される。この経路は、オキシステロールを胆汁酸へ変換する酵素cyp27a1により調節される。cyp7a1とは対照的に、cyp27a1は、胆汁酸それ自身によっては調節されない。

コール酸及びケノデオキシコール酸が、腸管腔へ分泌される場合、腸管細菌は、各々の一部を脱水酸化し、二次胆汁酸であるデオキシコール酸(コール酸由来)及びリトコール酸(ケノデオキシコール酸由来)を形成する。肝細胞は、これら4種の胆汁を、2種のアミノ酸グリシン又はタウリンの一方と抱合し、胆汁酸塩(bile salt)と称される、合計8種の可能な抱合胆汁酸を形成することができる。従って全体で主要な胆汁酸は、コール酸、ケノデオキシコール酸、グリココール酸タウロコール酸、デオキシコール酸及びリトコール酸である。これらの胆汁酸4種全ては、血流へ戻し輸送され、肝臓へ戻され、腸肝循環を介し再分泌されることができる。例えばStaelsらの文献、Diabetes Care (2009) 32(suppl 2) S237-S245を参照されたい。

一次胆汁酸(コール酸及びケノデオキシコール酸)は、肝臓で合成される一方、二次胆汁酸(デオキシコール酸及びリトコール酸)は、細菌により産生される。これら4種の胆汁酸は、リン脂質及びコレステロールとの混合ミセルとして、胆嚢において貯蔵されるために、毛細胆管管腔へ分泌される。食物摂取時に、コレシストキニンは、胆嚢収縮刺激し、ミセル化された胆汁酸の腸管管腔へのその放出を生じ、消化を助ける。腸肝循環は、胆汁酸の〜90-95%が、遠位回腸から再吸収され、且つ肝臓へ戻し輸送されることを可能にし;この胆汁酸取り込み及び輸送は、中心周辺の肝細胞により主に起こる。再吸収されない胆汁酸およそ5%は、糞便中排泄され、その喪失量は、引き続きの肝臓における新規の胆汁酸合成により置き換えられる。例えばRoseらの文献、Cell Metabolism, 14:1, pp 123-130 (2011年7月6日)を参照されたい。

一次胆汁酸(ケノデオキシコール酸及びコール酸)は、ファルネソイド-X-受容体(FXR)、プレグナン-X-受容体(PXR)及び構成的アンドロスタン受容体(CAR)の生理リガンドアクチベーターであり、並びにリトコール酸は、ビタミンD受容体(VDR)及びGタンパク質共役受容体TGR5のリガンドである。FXRは、胆汁酸に対する高度な選択性を示すのに対し;PXR及びCARは、異物代謝と脂質ホメオスタシスとを統合している数多くの受容体に作用する。FXR、PXR、CAR及びTGR5は、脂質及びグルコースのホメオスタシス並びにエネルギー消費の調節において、更には肝臓及び末梢インスリン感受性の調節において、相乗的活性を発揮する。界面活性剤又は洗剤として、胆汁酸は細胞に対し潜在的に毒性であり、且つ胆汁酸プールのサイズは、細胞毒性蓄積を防ぐよう、肝臓及び腸内で厳密に調節される。胆汁酸プールサイズが増大した場合、FXRを含むいくつかの核受容体相互作用に関与するフィードバック機構が活性化され、新たな胆汁酸合成を阻害する。例えばFiorucciらの文献、Prog Lipid Res. 2010年4月;49(2):171-85.電子版、2009年12月2日を参照されたい。

肝臓における胆汁酸の合成は、ホルモンFGF19により負に調節される。FGF19は、腸から分泌され、肝臓へCyp7a1を抑制するシグナルを送る。比べて、腸管FXR活性化はまた、食後の経腸管胆汁酸フラックス(transintestinal bile acid flux)のために、FGF19の発現誘導し、FGF19は小腸上皮細胞により放出され、且つ循環し、肝細胞FGF受容体4(FGFR4)受容体に結合し;FGFR4受容体は、c-Jun NH2-末端キナーゼ(JNK)経路の活性化を介して、胆汁酸合成を減少するシグナルを伝達する。CYP7A1の抑制は、一日の摂食絶食サイクルに反応した肝内のコレステロールからの胆汁酸合成の減少をもたらす。

治療との関連)
本明細書記載のように、異常な胆汁酸ホメオスタシスは、胆汁鬱滞門脈体循環シャントクローン病、及び肝臓微小血管異形成症を含む、数多くの障害を生じるか又は増悪し得る。加えて胆汁酸は、メタボリック症候群内臓型肥満を含むあるクラスター心臓血管疾患危険因子インスリン抵抗性、脂質異常症、血圧上昇、及び凝固性亢進の調整において役割を果たしている。従って胆汁酸活性の調整は、数多くの有益な治療効果を提供することができる。

(脂質-及びグルコース-関連障害
胆汁酸(又は非ステロイド性合成FXRアゴニスト)によるFXRの活性化は、血漿トリグリセリドを低下し、且つ糖尿病性マウスにおける高血糖症を改善することが示されている。胆汁酸はまた、Gタンパク質共役受容体TGR5の活性化を通じて、マウスにおいてFXR-非依存方式でエネルギー消費を調節する。従ってFXR活性及び胆汁酸代謝の調整は、例えばメタボリック症候群及び2型糖尿病の治療に関する治療的アプローチを提供することができる。例えばLefebvreらの文献、Physiol Rev. 2009年1月;89(1):147-91を参照されたい。

胆汁酸合成(回腸切除を伴う)は、胆汁酸の腸肝循環を破壊し、血漿中の総コレステロール及びLDLコレステロールを減少し、且つHDLコレステロールアポリポタンパク(apo)-AI、及びトリグリセリドのレベルを増加する。肝臓への胆汁酸の回帰中断した直接の結果として、cyp7a1発現は再度抑制され、且つコレステロールの胆汁酸への変換は刺激される。従って、消化管内に胆汁酸を封鎖する物質(例えばコレスチラミン)は、それらの再吸収を防止し、結果的に代償機構として、より多くの内因性コレステロールが、胆汁酸の生成へとシャントされ、これはコレステロールレベルの低下に繋がる。

胆汁酸合成への増大した転用(diversion)に起因する、肝コレステロールの枯渇は、肝LDL受容体発現の増大に繋がり、これは、胆汁酸合成又は回腸切除により生じる総コレステロール及びLDLコレステロールの漸減の主な原因となるLDL受容体発現をもたらす。HDLコレステロール及びトリグリセリドの両代謝において、FXRは独立した調節の役割を果たすと考えられる。

記載のように、胆汁酸合成は、2型糖尿病に関連していることも分かっている。胆汁酸プールサイズ及び組成に対する作用、肝グルコース生成及び腸管グルコース吸収におけるFXRが媒介した変更、末梢インスリン感受性に対する影響、インクレチン作用、及びエネルギー使用を含む、数多くの因子が、グルコース調節に貢献し得る。胆汁酸合成の調整は、糖尿病の治療において有用であるのみではなく、前糖尿病状態の治療における臨床的有用性も見い出し得る。

(胆汁酸吸収不良及び下痢
例えば胆汁酸の吸収不良から生じる、結腸における過剰な濃度の胆汁酸は、慢性下痢の原因となる。大量の胆汁酸が結腸へ侵入する場合、これらは、水分泌及び腸管の運動を刺激し、胆汁酸下痢(BAD)と称される状態である慢性の下痢を引き起こす。より詳細には、胆汁酸輸送体の腸管での発現が減少する場合、腸は、胆汁酸再吸収の効率が悪くなる(1型胆汁酸吸収不良)。同様に、腸管の運動が-腸手術により影響を受けるか、又は胆汁酸が小腸細菌の過剰成長により脱抱合されるならば、吸収は、より効率が悪くなる(3型胆汁酸吸収不良)。また、疾患の明らかな徴候を示さない患者の非常に小さい群が存在する(2型胆汁酸吸収不良)。(一般に、Waltersらの文献、Clin. Gastroenterol Hepatol. 7:1189-94 (2009年11月)を参照)。

(胆汁鬱滞及び原発性胆汁性肝硬変
胆汁鬱滞の状態は、(例えば閉塞による)肝内又は肝外での胆汁排泄急性又は慢性の中断により引き起こされる。胆汁形成の不良は、進行性胆汁鬱滞性の肝臓損傷及び死滅を生じる。閉塞は、胆汁酸塩、胆汁色素ビリルビン、及び脂質を、正常に排泄せずに血流中に蓄積させる。慢性胆汁鬱滞の症状は、皮膚変色擦過により引き起こされる瘢痕又は皮膚損傷骨痛黄色腫、又は黄色板腫を含む。進行した胆汁鬱滞患者は、体調が優れず、容易に疲労し、吐き気をもよおすことが多い。腹痛、並びに食欲不振吐気及び発熱のような全身症状は、通常胆汁鬱滞を引き起こす基礎となる状態に起因する。

肝内胆汁鬱滞は通常、肝炎によるか又は肝炎に似た症状を生じる薬物適用により引き起こされる。クロルプロマジンを含むフェノチアジン誘導体薬は、突然の発熱及び炎症を引き起こし得るが、それらの薬物を中止した後は症状は通常消散する。稀に、以下に更に考察する慢性胆汁性肝硬変に似た状態が、該薬物適用を中止した後であっても持続する。一部の患者は、例えば三環系抗うつ薬(例えばアミトリプチリン及びイミプラミン)並びにフェニルブタゾンなどに対する反応において同様の反応を経験する。肝内胆汁鬱滞はまた、アルコール性肝臓疾患、原発性胆汁性肝硬変、及び転移した癌を含む、他の原因を有することがある。

比較すると、ある種の薬物適用の有害作用として、手術の合併症重篤な損傷、組織-破壊性感染症、又は静脈内栄養補給を含む、肝外胆汁鬱滞のいくつかの原因が存在する。肝外胆汁鬱滞は、胆嚢から十二指腸への胆汁の流れを遮断する腫瘍及び胆石などの状態により(例えば、総胆管閉鎖する結石により)引き起こされ得る。肝外胆汁鬱滞はまた、膵臓癌により、及びより稀には、総胆管の非-癌性狭窄胆管癌、又は膵臓の障害の結果として引き起こされることがある。

肝内及び肝外の両方の胆汁鬱滞の症状は、黄疸、暗色尿、及び白色便を含む。状態が進行した場合、皮膚全体に及ぶ掻痒が、重症化することがある。

妊娠性肝内胆汁鬱滞(ICP)は、妊娠第二期及び第三期に頻発し、且つこれは妊娠時黄疸の二番目の最も一般的な原因である。症状は通常出産後2〜4週間以内に消失するが、これらは、その後母体が再び妊娠した場合に、出現することがある。同様の状態は、経口避妊薬服用している一部の女性を冒すが、症状は経口避妊薬の使用を中止すると消失する。

胆汁酸合成の先天異常は、稀な遺伝的障害であり、これは時に新生児胆汁鬱滞として現れる。これは、正常な胆汁酸の生成の障害、並びに異常な胆汁酸及び胆汁酸代謝産物の蓄積により特徴づけられる。診断されないか又は不適切に診断された場合、そのような先天異常は、肝不全又は進行性慢性肝臓疾患を生じ得る。

薬剤誘発性胆汁鬱滞は、化学療法又は他の薬物適用の合併症であり得る。薬剤誘発性胆汁鬱滞の2つの主な型は、特異体質反応及び直接の毒性傷害である。特異体質反応は、治療開始時又はそれ以降に起こることがある。アレルギー反応は、様々であり、且つ服用される薬物適用の量とは関連しない。

直接の毒性傷害において、症状の重篤性は、関与する薬物適用の量に比例する。この状態は、治療開始後短期間に発症し、予測可能パターンが続き、且つ通常は肝臓損傷を引き起こす。直接の毒性反応は、クロルプロマジンを服用する患者全員の1%において発症する。

稀な状態である良性家族性再発性胆汁鬱滞は、掻痒及び黄疸の短い反復性エピソードにより特徴づけられるが、これらの症状は消失することが多く、且つこの状態は肝硬変を引き起こさない(一般に、Roseらの文献、Cell Metabolism, 14(1):123-30 (2011年7月)を参照)。

原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、肝臓の外へと胆汁酸を輸送する胆管の自己免疫破壊から主に生じる進行性肝臓疾患であり、これは胆汁鬱滞を生じる。該疾患が進行した場合、胆汁酸の持続性の毒性の増大(build-up)は、慢性炎症及び線維症が特徴的な進行性の肝臓損傷を引き起こす。

PBCは稀であるが、これは、最も一般的な胆汁鬱滞性肝臓疾患であり、且つ米国においては肝臓移植の五番目に最も一般的な原因である。PBC患者の大半は、最初の診断時には無症候性であるが、ほとんどは、時間が経つにつれて疲労及び掻痒などの症状を発症する。黄疸は、疾患の進行に起因して生じ得る。必須ではないが、PBCの診断を確認するために肝生検を使用することができ、且つ肝機能指標を提供するためにビリルビンがモニタリングされることが多い。胆汁酸が媒介した毒性に反応して肝細胞により放出される酵素であるALPの上昇した血清レベルは、概して治療反応及び予後の指標として患者において綿密にモニタリングされる。

PBCの標準治癒療法(care therapy)であるウルソジオールを受けているにもかかわらず、進行したPBC患者の大部分が、肝不全、移植又は5〜10年以内の死亡へと進むであろう。結果として、代替療法が、現在評価されている。一つの可能性のある有望な薬剤は、OCAであり、胆汁酸アナログ及び原発性ヒト胆汁酸ケノデオキシコール酸から誘導されるFXRアゴニスト、又はCDCAである。OCAは、ウルソジオールに対し不十分な治療反応を有する患者、又はウルソジオールに忍容性がない患者について評価されている(Intercept Pharmaceuticals社、ニューヨーク)。

原発性硬化性胆管炎
原発性硬化性胆管炎は、慢性の線維化性炎症過程であり、これは胆樹の破壊及び胆汁性肝硬変を生じる。狭窄は、患者の80%より多くで肝内及び肝外の両方の胆管に位置するが、これらの患者の約10%は肝内狭窄のみを有し、他方で5%未満は肝外狭窄のみを有する。寛解及び再発は、本疾患の経過を特徴づける。原発性硬化性胆管炎の原因は不明であるが、胆管への損傷は、免疫調節の遺伝異常、ウイルス感染、腸管細菌由来毒素門脈系内の細菌、虚血性血管損傷、及び腸管細菌由来の毒性胆汁酸の1つ以上により起こると考えられる。

原発性硬化性胆管炎の患者の大半は、基礎となる炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎又はクローン病)を有する。患者は恐らく、クローン病よりも潰瘍性大腸炎(15%対85%)を有し、全ての潰瘍性大腸炎患者のおよそ2.5〜7.5%は、原発性硬化性胆管炎を有するであろう。原発性硬化性胆管炎は、一部の患者においては長期間にわたり静止し続けることがあるが;多くの場合、これは進行性である。

米国における原発性硬化性胆管炎の有病率は、人口100,000人当たりおよそ1〜6症例であり、その圧倒的多数は白人である。原発性硬化性胆管炎患者のおよそ75%は、平均年齢が診断時におよそ40である男性である。初期段階でのこの疾患の管理は、疾患進行を予防する薬物の使用に関連している。内視鏡的アプローチ及び手術的アプローチが、症状発症時のために予定されている。肝移植手術が、最終的には必要とされ、且つ完全治癒のための唯一の機会を供する。原発性硬化性胆管炎の患者は、胆管癌のリスクが増大している(10〜15%)。

原発性硬化性胆管炎の患者の大半は、症状を示さず、通常慣習血液検査における肝機能の異常な生化学試験の検出により診断される。症状が発症した場合、症状は、胆汁流れの閉塞の結果であり、且つ黄疸、掻痒、右上四分の一の腹痛、発熱、及び悪寒を含む。症状はまた、体重減少及び疲労も含むことがある。患者は、進行した疾患が存在するにもかかわらず、何年も無症候であり続けることがあり、症状の発現は、通常進行した疾患の存在を示唆している。

(診断)
胆汁酸吸収不良は、SeHCAT(23-セレノ-25-ホモ-タウロ-コール酸(セレンホモコール酸タウリン又はタウロセルコール酸))核医学試験により、容易に診断される。代わりの診断試験は、胆汁酸前駆体である7α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン血清中の測定に関与している。

(治療)
胆汁酸封鎖剤(例えば、粉末の形状であるコレスチラミン及びコレスチポール)は、胆汁酸吸収不良の治療に使用される主要薬剤である。残念ながら、多くはこの樹脂粉末口当たり及び味が悪いために、多くの患者は、コレスチラミン及びコレスチポールに忍容性がない。幸いながら、胆汁酸封鎖剤コレセベラムが、錠剤の形状で利用可能であり、忍容性がより良いことが多い。

全ての胆汁酸封鎖剤は、他の化合物と結合することが可能であり、且つこれはまた脂溶性ビタミン(A、D、E及びK)の欠乏症が起こる可能性があり、ビタミンサプリメント投与を必要とする。

置換療法及び補充療法も、胆汁酸ホメオスタシスに関連したいくつかの障害において有用であることが証明されている。置換療法において、循環胆汁酸の組成が、内在性胆汁酸の細胞傷害性を減少するか又は胆汁コレステロール分泌を減少するようコレステロール代謝を調整するかのいずれかのために、変更される。対照的に、胆汁酸補充は、胆汁酸欠損症補正を目的としている。

(置換療法)
一次胆汁酸ケノデオキシコール酸(CDCA)の投与は、胆汁コレステロール分泌を減少し及び胆石を次第に溶解することが示されている。ウルソデオキシコール酸(UDCA)は肝毒性を生じないので、CDCAは、次第にUDCAにより置き換えられている。ケノデオキシコール酸は、ヒトにおいてわずかな肝毒性があるが、いくつかの動物においては、これは高度な肝毒性がある。コレステロール胆石溶解のためのUDCA投与は有効且つ安全であるにもかかわらず、症候性疾患の迅速な治癒をもたらす腹腔鏡胆嚢摘出術成功のために、今日UDCAは頻繁には使用されない。対照的に内科療法は、数ヶ月の治療を必要とし、常には結石を溶解せず、一部の患者においては引き続き次第に再発する。

UDCA療法は、原発性胆汁性肝硬変の患者において、肝臓の試験結果を改善することが示されており、その作用は恐らく複数の機序に関与している。UDCA療法はまた、妊娠に関連した胆汁鬱滞及び完全非経口的栄養に関連した胆汁鬱滞などの、他の胆汁鬱滞性状態において好ましい作用を示している。

(補充療法)
通常ケノデオキシコール酸(CDCA)又はウルソデオキシコール酸(UDCA)及びコール酸の混合物による、胆汁酸補充は、胆汁酸生合成の先天異常において使用され、細胞傷害性胆汁酸前駆体の合成を抑制し、且つ一次胆汁酸の腸肝循環への投入回復する。

短腸症候群患者において、胆汁酸欠損症は、近位腸において起こり、ミセル可溶化の低下へ繋がる。これは、減少した表面積及び短い通過時間に加え、重篤な脂肪の吸収不良に繋がる。合成胆汁酸アナログであるコリルサルコシン(コリル-N-メチルグリシン)は、短腸症候群の患者において脂質吸収を増大し、これは脱抱合及び脱ヒドロキシル化に対する抵抗性がある。

クローン回腸炎随伴する胆汁酸下痢の患者は、糖質コルチコイド治療により補助され、且つ顕微鏡大腸炎はまた、ステロイドにより補助される。ブデソニド及び抗生物質を含む他の薬剤の投与は、いくつかの状況において有用である。

先に詳述したように、PBCの治療は一般に、ウルソジオール投与を包含しているが、ウルソジオールに対し不十分な治療的反応を有する患者又はウルソジオールに対し忍容できない患者のために、代替療法が評価されている。

従って、ヒトなどの哺乳動物において、前述の障害、並びに以下を含むが、これらに限定されるものではない胆汁酸障害を治療する必要性が存在する:メタボリック症候群;脂質又はグルコース障害;コレステロール又はトリグリセリド代謝;2型糖尿病;例えば、肝内の胆汁鬱滞の疾患(例えば、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性家族性肝内胆汁鬱滞(PFIC)(例えば、進行性PFIC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、妊娠性肝内胆汁鬱滞(PIC)、新生児胆汁鬱滞、及び薬物誘発性胆汁鬱滞(例えば、エストロゲン))、並びに、肝外胆汁鬱滞の疾患(例えば、腫瘍由来の胆管(bile cut)圧縮、胆石による胆管閉塞)を含む、胆汁鬱滞;回腸切除、炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、下痢(例えば胆汁酸下痢(BAD))及びGI症状に繋がる以外特徴づけられない(特発性)胆汁酸の吸収を損なう障害、並びにGI癌、肝臓癌、及び/又は胆嚢癌(例えば、結腸癌及び肝細胞癌)を含む、胆汁酸吸収不良及び遠位小腸に関与する他の障害;並びに/又は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変及び門脈圧亢進症の一因となるものなどの、胆汁酸合成異常。本発明は、この必要性を満足し、且つ関連する恩恵を提供する。

概要

本発明は、胆汁酸ホメオスタシス調整活性などの1種以上の活性を有する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)の変種及び融合体、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の変種及び融合体、FGF19及び/又はFGF21の融合体、並びにFGF19及び/又はFGF21のタンパク質配列及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の変種又は融合体、並びに胆汁酸障害及び他の障害の治療における方法及び使用に関する。

目的

従ってFXR活性及び胆汁酸代謝の調整は、例えばメタボリック症候群及び2型糖尿病の治療に関する治療的アプローチを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害治療する方法であって:a)少なくとも7個のアミノ酸残基を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、を含むもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基16-29、を含み、ここで該W残基が、該C-末端領域の第一のアミノ酸位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列を投与すること、これにより、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む、前記方法。

請求項2

胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療する方法であって:a)配列番号:100[FGF21]の一部を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含み、且つここで該V残基が、該N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基21-29、を含み、且つここで該R残基が、該C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列を投与すること、これにより、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む、前記方法。

請求項3

胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療する方法であって:a)配列番号:100[FGF21]の一部を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも5個の隣接アミノ酸を含み、且つここで該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基21-29、を含み、且つここで該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列を投与すること、これにより、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む、前記方法。

請求項4

前記N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも6個の隣接アミノ酸を含む、請求項3記載の方法。

請求項5

前記N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも7個の隣接アミノ酸を含む、請求項3記載の方法。

請求項6

胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療する方法であって:a)参照型又は野生型FGF19と比べ、1個以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、FGF19配列の変種;b)参照型又は野生型FGF21と比べ、1個以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、FGF21配列の変種;c)FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部;又はd)FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部であって、ここで該FGF19及び/又はFGF21配列部分が、参照型又は野生型FGF19及び/又はFGF21と比べ、1個以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有するもの:のいずれかを含むか又はこれからなる、ペプチド配列を投与すること、これにより、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか、又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む、前記方法。

請求項7

前記ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端アミノ酸21-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-16を有するか、又は、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸147-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-147を有する(M41)か、又は、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸17-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M44)か、又は、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-146を有する(M45)か、又は、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:100[FGF21]の内部アミノ酸17-146に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M46)、請求項6記載の方法。

請求項8

前記ペプチド配列が、配列番号:99 [FGF19]のアミノ酸残基125-129、EIRPDへの少なくとも1個のアミノ酸置換;配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基126-128、IRPへの少なくとも1個のアミノ酸置換;又は、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基127-128、RPへの少なくとも1個のアミノ酸置換を含む、請求項6記載の方法。

請求項9

前記ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基127-128、IRPの1個への置換を含み、ここで少なくとも1個のアミノ酸置換が、R127L又はP128Eである、請求項8記載の方法。

請求項10

前記ペプチド配列が、下記を含む、請求項9記載の方法:。

請求項11

前記ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基1-124への及び/又は配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基130-194への少なくとも1個のアミノ酸置換を更に含む、請求項8記載の方法。

請求項12

前記ペプチド配列が、下記である、請求項11記載の方法:。

請求項13

前記ペプチド配列が、M1からM98若しくはM101からM160、又は配列番号:1〜98、101〜135、若しくは138〜196として本明細書に示した任意の配列を含むか又はこれからなる、請求項1、2、3又は6記載の方法。

請求項14

前記ペプチド配列が、表1〜10に示した任意の配列を含むか又はこれからなる、請求項1、2、3又は6記載の方法。

請求項15

前記ペプチド配列が、本明細書の配列表に示した任意の配列を含むか又はこれからなる、請求項1、2、3又は6記載の方法。

請求項16

前記ペプチド配列が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸16-20の配列に対応する配列モチーフを有する、請求項1、2又は6記載の方法。

請求項17

前記ペプチド配列が、FGFR4媒介性活性を維持するか又は増大させる、請求項16記載の方法。

請求項18

前記ペプチド配列が、FGF19のアミノ酸16-20のFGF19 配列に対応する、置換された、変異された又は非存在の配列モチーフを有する、請求項1、2又は6記載の方法。

請求項19

前記配列が、置換された、変異された又は非存在の1個以上のアミノ酸を有する、請求項18記載の方法。

請求項20

前記ペプチド配列が、アミノ酸16-20においてFGF19 配列について置換されたのいずれかを有するFGF19変種配列から区別される、請求項1、2又は6記載の方法。

請求項21

前記N-末端又はC-末端領域が、長さ約20〜約200個のアミノ酸残基である、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項22

前記N-末端領域が、アミノ酸残基を含み、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基を含むか、又は該N-末端領域が、アミノ酸残基を含む、請求項1記載の方法。

請求項23

前記Gが、該N-末端領域の最後の位置に対応する、請求項22記載の方法。

請求項24

前記N-末端領域が、アミノ酸残基を含み、且つここで該Q残基が、該N-末端領域の最後のアミノ酸位置である、請求項1又は6記載の方法。

請求項25

前記N-末端領域が、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、;又は、Hが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、;又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、;又は、Pが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、;又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、R:を更に含む、請求項23又は24記載の方法。

請求項26

前記ペプチド配列が、M1からM98若しくはM101からM160変種ペプチド配列のいずれか、又はM1からM98若しくはM101からM160変種ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくはその断片を含むか又はこれからなる、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項27

前記ペプチド配列が: ;のいずれか、又は前記ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくは断片、又はR末端残基が欠失されている前記ペプチド配列のいずれか:を含むか又はこれからなる、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項28

前記N-末端領域が、アミノ酸残基を含み、且つ該V残基が、該N-末端領域の最後の位置に対応している、請求項1又は2記載の方法。

請求項29

前記アミノ酸残基が、該N-末端領域の最初の4個のアミノ酸残基である、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項30

前記N-末端領域の第一の位置がR残基であるか、又は該N-末端領域の第一の位置がM残基であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMR配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がRM配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がRD配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMD配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がRDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMSD配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がDSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第四の位置が配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第四の位置が配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第五の位置が配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第五の位置が配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第六の位置が配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第七の位置が配列である、請求項1〜3、6又は27のいずれか一項記載の方法。

請求項31

前記C-末端領域の最後の位置が、配列番号:99[FGF19]のほぼ残基194に対応している、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載のキメラ方法。

請求項32

前記ペプチド配列が:;又は前記ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくは断片、又はR末端残基が欠失されている前記ペプチド配列のいずれかを含むか又はこれからなる、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項33

前記部分配列又はその断片が、アミノ末端、カルボキシ末端から又は内部に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれよりも多いアミノ酸の欠失を有する、請求項26、27又は32記載の方法。

請求項34

前記N-末端領域、又は該C-末端領域が、約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、請求項1、2又は6記載の方法。

請求項35

前記FGF19配列部分、又は該FGF21配列部分が、FGF19又はFGF21の約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含むか又はこれからなる、請求項3又は6記載の方法。

請求項36

前記N-末端領域、又は前記C-末端領域、又は前記FGF19配列部分、又は前記FGF21配列部分が、リンカー又はスペーサーにより連結されている、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項37

前記ペプチド配列のN-末端が:;のいずれか、又はアミノ末端のR残基が欠失されている前記ペプチド配列のいずれかを含むか又はこれからなる、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項38

前記ペプチド配列のN-末端が:;のいずれか、又はアミノ末端のR残基が欠失されている前記ペプチド配列のいずれかを含むか又はこれからなる、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項39

前記ペプチド配列が、C-末端に配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基30-194の付加を更に含み、その結果キメラポリペプチドを生じる、請求項37又は38記載の方法。

請求項40

前記ペプチド配列が、該ペプチドのC-末端に配置された、以下に定めたFGF19配列の全て又は一部を更に含むか:、又は該アミノ末端"R"残基が、該ペプチドから欠失されている、請求項37又は38のいずれか一項記載の方法。

請求項41

キメラペプチド配列又はペプチド配列の部分配列が投与され、ここで該部分配列は、少なくとも1個のアミノ酸欠失を有する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項42

前記部分配列が、アミノ末端、カルボキシ末端から又は内部に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれよりも多いアミノ酸の欠失を有する、請求項41記載の方法。

請求項43

前記参照型又は野生型FGF19配列が:と示される、請求項6記載の方法。

請求項44

前記参照型又は野生型FGF21配列が:と示される、請求項6記載の方法。

請求項45

前記N-末端領域の第一のアミノ酸位置が、"M"残基、"R"残基、"S"残基、"H"残基、"P"残基、"L"残基若しくは"D"残基であるか、又は前記ペプチド配列が、該N-末端領域の第一のアミノ酸位置に"M"残基若しくは"R"残基を有さない、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項46

前記N-末端領域が、下記配列:のいずれか1つを含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項47

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において配列について置換された:のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、低下された肝細胞癌(HCC)形成を有する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項48

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において配列について置換された:のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きいグルコース降下活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項49

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において配列について置換された:のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質増加活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項50

前記ペプチド配列が、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において配列について置換されたについて置換された:のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ないトリグリセリドコレステロール、非-HDL又はHDL増加活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項51

前記ペプチド配列が、FGF21と比べ、より少ない除脂肪量低下活性を有する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項52

前記HCC形成、グルコース降下活性、脂質増加活性、又は除脂肪量低下活性が、db/dbマウスにおいて確認される、請求項47〜51のいずれか一項記載の方法。

請求項53

前記ペプチド配列が、線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)に結合するか若しくはFGFR4を活性化するか、又は検出可能にFGFR4に結合しないか若しくはFGFR4を活性化しない、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項54

前記ペプチド配列が、FGFR4へのFGF19結合親和性よりもより少ない、同等又はより大きい親和性でFGFR4に結合する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項55

前記ペプチド配列が、FGF19がFGFR4を活性化するよりも少ない、同等又はより大きい程度又は量までFGFR4を活性化する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項56

前記ペプチド配列が、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸の置換、欠失又は挿入を有する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項57

前記アミノ酸欠失が、N-若しくはC-末端、又は内部にある、請求項56記載の方法。

請求項58

前記アミノ酸の置換、又は欠失が、FGF19のアミノ酸位置8-20のいずれかにある、請求項56記載の方法。

請求項59

前記ペプチド配列が、L-アミノ酸、D-アミノ酸、非天然アミノ酸、又はアミノ酸の模倣体誘導体若しくは類似体を1種以上含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項60

前記キメラペプチド配列又はペプチド配列が、医薬組成物を構成する、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項61

前記胆汁酸に関連した又は関係した障害が、メタボリック症候群;脂質又はグルコース障害;コレステロール又はトリグリセリド代謝;2型糖尿病胆汁鬱滞肝内胆汁鬱滞、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性家族性肝内胆汁鬱滞(PFIC)、進行性PFIC、原発性硬化性胆管炎(PSC)、妊娠性肝内胆汁鬱滞(PIC)、新生児胆汁鬱滞、及び薬物誘発性胆汁鬱滞、肝外胆汁鬱滞の疾患、腫瘍由来胆管圧縮胆石による胆管閉塞、胆汁酸吸収不良及び遠位小腸関与する他の障害、回腸切除炎症性腸疾患クローン病潰瘍性大腸炎、胆汁酸の吸収を損なう特発性障害、下痢、胆汁酸下痢(BAD)、GI症状、GI癌、肝臓癌胆嚢癌結腸癌、肝細胞癌、胆汁酸合成異常、非-アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変門脈圧亢進症、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項62

前記胆汁酸に関連した又は関係した障害が、脂質-又はグルコース-関連障害を含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項63

前記胆汁酸に関連した又は関係した障害が、胆汁酸吸収不良又は下痢を含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項64

前記胆汁酸に関連した又は関係した障害が、胆汁鬱滞又は原発性胆汁性肝硬変を含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項65

前記胆汁酸に関連した又は関係した障害が、原発性硬化性胆管炎を含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項66

前記胆汁酸に関連した又は関係した障害が、PFIC又は進行性PFICを含む、請求項1〜3又は6のいずれか一項記載の方法。

請求項67

実質的HCC活性を伴わずに、胆汁酸ホメオスタシスを調整するペプチド配列を同定する方法であって:a)候補ペプチド配列を提供すること;b)該候補ペプチド配列を被験動物へ投与すること;c)該候補ペプチド配列の投与後、該動物の胆汁酸レベルを測定し、該候補ペプチド配列が胆汁酸ホメオスタシスを調整するかどうかを決定すること;及びd)該候補ペプチド配列を、該動物におけるHCCの誘導、又はHCC活性と相関するマーカー発現について分析し、ここで候補ペプチドは、胆汁酸ホメオスタシスを調整するが実質的HCC活性を有さず、そのことにより該候補ペプチド配列を、実質的HCC活性を伴わずに胆汁酸ホメオスタシスを調整するペプチド配列として同定すること:を含む、前記方法。

請求項68

前記被験動物が、db/dbマウスである、請求項67記載の方法。

請求項69

前記候補ペプチド配列がHCC誘導の証拠を示すかどうかを決定するために、該被験動物由来の肝組織試料を評価することを更に含む、請求項67記載の方法。

請求項70

前記HCC活性と相関するマーカーが、脂質プロファイルを含み、且つここでFGF19と比べより少ない脂質増加活性が、前記ペプチドは実質的HCC活性を有さないことを示す、請求項67記載の方法。

請求項71

前記HCC活性と相関するマーカーが、アルド-ケト還元酵素遺伝子発現を含み、且つここでFGF19と比べアルド-ケト還元酵素遺伝子発現のアップレギュレーション又は増加が、前記ペプチドは実質的HCC活性を有さないことを示す、請求項67記載の方法。

請求項72

前記HCC活性を示すマーカーが、Slc1a2遺伝子発現を含み、且つここでFGF21と比べSlc1a2遺伝子発現のダウンレギュレーション又は減少が、前記ペプチドは実質的HCC活性を有さないことを示す、請求項67記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月27日に出願された米国特許出願第61/746,499号、2013年3月13日に出願された米国特許出願第61/779,604号、及び2013年10月4日に出願された米国特許出願第61/887,129号の優先権を請求するものであり、これら各出願は、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
(発明の分野)
本発明は、胆汁酸ホメオスタシスを調整する、線維芽細胞増殖因子19(FGF19)のタンパク質及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の変種、並びにFGF19及び/又は線維芽細胞増殖因子21(FGF21)のタンパク質及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の融合体、並びにFGF19及び/又はFGF21のタンパク質及びペプチド配列(及びペプチド模倣体)の融合体の変種、並びに胆汁酸に関係した及び関連した障害治療方法及び該治療における該変種及び融合体の使用に関する。

背景技術

0002

(緒言)
哺乳動物胆汁中に主として認められるステロイド酸である胆汁酸は、コレステロールトリグリセリドグルコース及びエネルギーホメオスタシスを調節し、且つ小腸における脂質の消化及び吸収を促進する。小腸における脂質及び脂溶性ビタミン乳化は、ミセル形成を可能にし、これは次に乳糜システム(lacteal system)を介して輸送されることができる。胆汁酸の他の機能は、胆汁の流動を駆動し、肝臓からの異化産物を除去し、且つ小腸及び胆管において認められる細菌叢の減少を補助することを含む。胆汁酸はまた、それら自身の合成及び腸肝循環の調節に関与している。例えば、Staelsらの文献、Diabetes Care (2009) 32(suppl 2) S237-S245を参照されたい。

0003

ヒトにおいて、胆汁酸生成は主に、静脈周囲の肝細胞において、コレステロールを2種の一次胆汁酸であるコール酸及びケノデオキシコール酸へ変換する一連酵素反応により起こる。一次胆汁酸は、2つの個別の経路により合成される。「古典的」又は「中性」経路では、一次胆汁酸は、古典的胆汁酸合成経路の第一の律速段階触媒するシトクロムP450酵素コレステロール7α-ヒドロキシラーゼ(cyp7a1)による触媒を介した、コレステロールの水酸化により生成される(例えば、Inagakiらの文献、Cell Metabolism, 2:217-25 (2005年10月)参照)。

0004

本明細書において更に説明されるように、cyp7a1の活性は、コール酸によりダウンレギュレーションされ、且つコレステロールによりアップレギュレーションされ;従って、cyp7a1は、胆汁酸それ自身により調節される。コレステロールの胆汁酸への変換は、この経路により主に作用される。加えて、ほとんどの個体において、胆汁酸のおよそ6%は、「代替」又は「酸性」経路により合成される。この経路は、オキシステロールを胆汁酸へ変換する酵素cyp27a1により調節される。cyp7a1とは対照的に、cyp27a1は、胆汁酸それ自身によっては調節されない。

0005

コール酸及びケノデオキシコール酸が、腸管腔へ分泌される場合、腸管細菌は、各々の一部を脱水酸化し、二次胆汁酸であるデオキシコール酸(コール酸由来)及びリトコール酸(ケノデオキシコール酸由来)を形成する。肝細胞は、これら4種の胆汁を、2種のアミノ酸グリシン又はタウリンの一方と抱合し、胆汁酸塩(bile salt)と称される、合計8種の可能な抱合胆汁酸を形成することができる。従って全体で主要な胆汁酸は、コール酸、ケノデオキシコール酸、グリココール酸タウロコール酸、デオキシコール酸及びリトコール酸である。これらの胆汁酸4種全ては、血流へ戻し輸送され、肝臓へ戻され、腸肝循環を介し再分泌されることができる。例えばStaelsらの文献、Diabetes Care (2009) 32(suppl 2) S237-S245を参照されたい。

0006

一次胆汁酸(コール酸及びケノデオキシコール酸)は、肝臓で合成される一方、二次胆汁酸(デオキシコール酸及びリトコール酸)は、細菌により産生される。これら4種の胆汁酸は、リン脂質及びコレステロールとの混合ミセルとして、胆嚢において貯蔵されるために、毛細胆管管腔へ分泌される。食物摂取時に、コレシストキニンは、胆嚢収縮刺激し、ミセル化された胆汁酸の腸管管腔へのその放出を生じ、消化を助ける。腸肝循環は、胆汁酸の〜90-95%が、遠位回腸から再吸収され、且つ肝臓へ戻し輸送されることを可能にし;この胆汁酸取り込み及び輸送は、中心周辺の肝細胞により主に起こる。再吸収されない胆汁酸およそ5%は、糞便中排泄され、その喪失量は、引き続きの肝臓における新規の胆汁酸合成により置き換えられる。例えばRoseらの文献、Cell Metabolism, 14:1, pp 123-130 (2011年7月6日)を参照されたい。

0007

一次胆汁酸(ケノデオキシコール酸及びコール酸)は、ファルネソイド-X-受容体(FXR)、プレグナン-X-受容体(PXR)及び構成的アンドロスタン受容体(CAR)の生理リガンドアクチベーターであり、並びにリトコール酸は、ビタミンD受容体(VDR)及びGタンパク質共役受容体TGR5のリガンドである。FXRは、胆汁酸に対する高度な選択性を示すのに対し;PXR及びCARは、異物代謝と脂質ホメオスタシスとを統合している数多くの受容体に作用する。FXR、PXR、CAR及びTGR5は、脂質及びグルコースのホメオスタシス並びにエネルギー消費の調節において、更には肝臓及び末梢インスリン感受性の調節において、相乗的活性を発揮する。界面活性剤又は洗剤として、胆汁酸は細胞に対し潜在的に毒性であり、且つ胆汁酸プールのサイズは、細胞毒性蓄積を防ぐよう、肝臓及び腸内で厳密に調節される。胆汁酸プールサイズが増大した場合、FXRを含むいくつかの核受容体相互作用に関与するフィードバック機構が活性化され、新たな胆汁酸合成を阻害する。例えばFiorucciらの文献、Prog Lipid Res. 2010年4月;49(2):171-85.電子版、2009年12月2日を参照されたい。

0008

肝臓における胆汁酸の合成は、ホルモンFGF19により負に調節される。FGF19は、腸から分泌され、肝臓へCyp7a1を抑制するシグナルを送る。比べて、腸管FXR活性化はまた、食後の経腸管胆汁酸フラックス(transintestinal bile acid flux)のために、FGF19の発現誘導し、FGF19は小腸上皮細胞により放出され、且つ循環し、肝細胞FGF受容体4(FGFR4)受容体に結合し;FGFR4受容体は、c-Jun NH2-末端キナーゼ(JNK)経路の活性化を介して、胆汁酸合成を減少するシグナルを伝達する。CYP7A1の抑制は、一日の摂食絶食サイクルに反応した肝内のコレステロールからの胆汁酸合成の減少をもたらす。

0009

(治療との関連)
本明細書記載のように、異常な胆汁酸ホメオスタシスは、胆汁鬱滞門脈体循環シャントクローン病、及び肝臓微小血管異形成症を含む、数多くの障害を生じるか又は増悪し得る。加えて胆汁酸は、メタボリック症候群内臓型肥満を含むあるクラスター心臓血管疾患危険因子インスリン抵抗性、脂質異常症、血圧上昇、及び凝固性亢進の調整において役割を果たしている。従って胆汁酸活性の調整は、数多くの有益な治療効果を提供することができる。

0010

(脂質-及びグルコース-関連障害
胆汁酸(又は非ステロイド性合成FXRアゴニスト)によるFXRの活性化は、血漿トリグリセリドを低下し、且つ糖尿病性マウスにおける高血糖症を改善することが示されている。胆汁酸はまた、Gタンパク質共役受容体TGR5の活性化を通じて、マウスにおいてFXR-非依存方式でエネルギー消費を調節する。従ってFXR活性及び胆汁酸代謝の調整は、例えばメタボリック症候群及び2型糖尿病の治療に関する治療的アプローチを提供することができる。例えばLefebvreらの文献、Physiol Rev. 2009年1月;89(1):147-91を参照されたい。

0011

胆汁酸合成(回腸切除を伴う)は、胆汁酸の腸肝循環を破壊し、血漿中の総コレステロール及びLDLコレステロールを減少し、且つHDLコレステロールアポリポタンパク(apo)-AI、及びトリグリセリドのレベルを増加する。肝臓への胆汁酸の回帰中断した直接の結果として、cyp7a1発現は再度抑制され、且つコレステロールの胆汁酸への変換は刺激される。従って、消化管内に胆汁酸を封鎖する物質(例えばコレスチラミン)は、それらの再吸収を防止し、結果的に代償機構として、より多くの内因性コレステロールが、胆汁酸の生成へとシャントされ、これはコレステロールレベルの低下に繋がる。

0012

胆汁酸合成への増大した転用(diversion)に起因する、肝コレステロールの枯渇は、肝LDL受容体発現の増大に繋がり、これは、胆汁酸合成又は回腸切除により生じる総コレステロール及びLDLコレステロールの漸減の主な原因となるLDL受容体発現をもたらす。HDLコレステロール及びトリグリセリドの両代謝において、FXRは独立した調節の役割を果たすと考えられる。

0013

記載のように、胆汁酸合成は、2型糖尿病に関連していることも分かっている。胆汁酸プールサイズ及び組成に対する作用、肝グルコース生成及び腸管グルコース吸収におけるFXRが媒介した変更、末梢インスリン感受性に対する影響、インクレチン作用、及びエネルギー使用を含む、数多くの因子が、グルコース調節に貢献し得る。胆汁酸合成の調整は、糖尿病の治療において有用であるのみではなく、前糖尿病状態の治療における臨床的有用性も見い出し得る。

0014

(胆汁酸吸収不良及び下痢
例えば胆汁酸の吸収不良から生じる、結腸における過剰な濃度の胆汁酸は、慢性下痢の原因となる。大量の胆汁酸が結腸へ侵入する場合、これらは、水分泌及び腸管の運動を刺激し、胆汁酸下痢(BAD)と称される状態である慢性の下痢を引き起こす。より詳細には、胆汁酸輸送体の腸管での発現が減少する場合、腸は、胆汁酸再吸収の効率が悪くなる(1型胆汁酸吸収不良)。同様に、腸管の運動が-腸手術により影響を受けるか、又は胆汁酸が小腸細菌の過剰成長により脱抱合されるならば、吸収は、より効率が悪くなる(3型胆汁酸吸収不良)。また、疾患の明らかな徴候を示さない患者の非常に小さい群が存在する(2型胆汁酸吸収不良)。(一般に、Waltersらの文献、Clin. Gastroenterol Hepatol. 7:1189-94 (2009年11月)を参照)。

0015

(胆汁鬱滞及び原発性胆汁性肝硬変
胆汁鬱滞の状態は、(例えば閉塞による)肝内又は肝外での胆汁排泄急性又は慢性の中断により引き起こされる。胆汁形成の不良は、進行性胆汁鬱滞性の肝臓損傷及び死滅を生じる。閉塞は、胆汁酸塩、胆汁色素ビリルビン、及び脂質を、正常に排泄せずに血流中に蓄積させる。慢性胆汁鬱滞の症状は、皮膚変色擦過により引き起こされる瘢痕又は皮膚損傷骨痛黄色腫、又は黄色板腫を含む。進行した胆汁鬱滞患者は、体調が優れず、容易に疲労し、吐き気をもよおすことが多い。腹痛、並びに食欲不振吐気及び発熱のような全身症状は、通常胆汁鬱滞を引き起こす基礎となる状態に起因する。

0016

肝内胆汁鬱滞は通常、肝炎によるか又は肝炎に似た症状を生じる薬物適用により引き起こされる。クロルプロマジンを含むフェノチアジン誘導体薬は、突然の発熱及び炎症を引き起こし得るが、それらの薬物を中止した後は症状は通常消散する。稀に、以下に更に考察する慢性胆汁性肝硬変に似た状態が、該薬物適用を中止した後であっても持続する。一部の患者は、例えば三環系抗うつ薬(例えばアミトリプチリン及びイミプラミン)並びにフェニルブタゾンなどに対する反応において同様の反応を経験する。肝内胆汁鬱滞はまた、アルコール性肝臓疾患、原発性胆汁性肝硬変、及び転移した癌を含む、他の原因を有することがある。

0017

比較すると、ある種の薬物適用の有害作用として、手術の合併症重篤な損傷、組織-破壊性感染症、又は静脈内栄養補給を含む、肝外胆汁鬱滞のいくつかの原因が存在する。肝外胆汁鬱滞は、胆嚢から十二指腸への胆汁の流れを遮断する腫瘍及び胆石などの状態により(例えば、総胆管閉鎖する結石により)引き起こされ得る。肝外胆汁鬱滞はまた、膵臓癌により、及びより稀には、総胆管の非-癌性狭窄胆管癌、又は膵臓の障害の結果として引き起こされることがある。

0018

肝内及び肝外の両方の胆汁鬱滞の症状は、黄疸、暗色尿、及び白色便を含む。状態が進行した場合、皮膚全体に及ぶ掻痒が、重症化することがある。

0019

妊娠性肝内胆汁鬱滞(ICP)は、妊娠第二期及び第三期に頻発し、且つこれは妊娠時黄疸の二番目の最も一般的な原因である。症状は通常出産後2〜4週間以内に消失するが、これらは、その後母体が再び妊娠した場合に、出現することがある。同様の状態は、経口避妊薬服用している一部の女性を冒すが、症状は経口避妊薬の使用を中止すると消失する。

0020

胆汁酸合成の先天異常は、稀な遺伝的障害であり、これは時に新生児胆汁鬱滞として現れる。これは、正常な胆汁酸の生成の障害、並びに異常な胆汁酸及び胆汁酸代謝産物の蓄積により特徴づけられる。診断されないか又は不適切に診断された場合、そのような先天異常は、肝不全又は進行性慢性肝臓疾患を生じ得る。

0021

薬剤誘発性胆汁鬱滞は、化学療法又は他の薬物適用の合併症であり得る。薬剤誘発性胆汁鬱滞の2つの主な型は、特異体質反応及び直接の毒性傷害である。特異体質反応は、治療開始時又はそれ以降に起こることがある。アレルギー反応は、様々であり、且つ服用される薬物適用の量とは関連しない。

0022

直接の毒性傷害において、症状の重篤性は、関与する薬物適用の量に比例する。この状態は、治療開始後短期間に発症し、予測可能パターンが続き、且つ通常は肝臓損傷を引き起こす。直接の毒性反応は、クロルプロマジンを服用する患者全員の1%において発症する。

0023

稀な状態である良性家族性再発性胆汁鬱滞は、掻痒及び黄疸の短い反復性エピソードにより特徴づけられるが、これらの症状は消失することが多く、且つこの状態は肝硬変を引き起こさない(一般に、Roseらの文献、Cell Metabolism, 14(1):123-30 (2011年7月)を参照)。

0024

原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、肝臓の外へと胆汁酸を輸送する胆管の自己免疫破壊から主に生じる進行性肝臓疾患であり、これは胆汁鬱滞を生じる。該疾患が進行した場合、胆汁酸の持続性の毒性の増大(build-up)は、慢性炎症及び線維症が特徴的な進行性の肝臓損傷を引き起こす。

0025

PBCは稀であるが、これは、最も一般的な胆汁鬱滞性肝臓疾患であり、且つ米国においては肝臓移植の五番目に最も一般的な原因である。PBC患者の大半は、最初の診断時には無症候性であるが、ほとんどは、時間が経つにつれて疲労及び掻痒などの症状を発症する。黄疸は、疾患の進行に起因して生じ得る。必須ではないが、PBCの診断を確認するために肝生検を使用することができ、且つ肝機能指標を提供するためにビリルビンがモニタリングされることが多い。胆汁酸が媒介した毒性に反応して肝細胞により放出される酵素であるALPの上昇した血清レベルは、概して治療反応及び予後の指標として患者において綿密にモニタリングされる。

0026

PBCの標準治癒療法(care therapy)であるウルソジオールを受けているにもかかわらず、進行したPBC患者の大部分が、肝不全、移植又は5〜10年以内の死亡へと進むであろう。結果として、代替療法が、現在評価されている。一つの可能性のある有望な薬剤は、OCAであり、胆汁酸アナログ及び原発性ヒト胆汁酸ケノデオキシコール酸から誘導されるFXRアゴニスト、又はCDCAである。OCAは、ウルソジオールに対し不十分な治療反応を有する患者、又はウルソジオールに忍容性がない患者について評価されている(Intercept Pharmaceuticals社、ニューヨーク)。

0027

原発性硬化性胆管炎
原発性硬化性胆管炎は、慢性の線維化性炎症過程であり、これは胆樹の破壊及び胆汁性肝硬変を生じる。狭窄は、患者の80%より多くで肝内及び肝外の両方の胆管に位置するが、これらの患者の約10%は肝内狭窄のみを有し、他方で5%未満は肝外狭窄のみを有する。寛解及び再発は、本疾患の経過を特徴づける。原発性硬化性胆管炎の原因は不明であるが、胆管への損傷は、免疫調節の遺伝異常、ウイルス感染、腸管細菌由来毒素門脈系内の細菌、虚血性血管損傷、及び腸管細菌由来の毒性胆汁酸の1つ以上により起こると考えられる。

0028

原発性硬化性胆管炎の患者の大半は、基礎となる炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎又はクローン病)を有する。患者は恐らく、クローン病よりも潰瘍性大腸炎(15%対85%)を有し、全ての潰瘍性大腸炎患者のおよそ2.5〜7.5%は、原発性硬化性胆管炎を有するであろう。原発性硬化性胆管炎は、一部の患者においては長期間にわたり静止し続けることがあるが;多くの場合、これは進行性である。

0029

米国における原発性硬化性胆管炎の有病率は、人口100,000人当たりおよそ1〜6症例であり、その圧倒的多数は白人である。原発性硬化性胆管炎患者のおよそ75%は、平均年齢が診断時におよそ40である男性である。初期段階でのこの疾患の管理は、疾患進行を予防する薬物の使用に関連している。内視鏡的アプローチ及び手術的アプローチが、症状発症時のために予定されている。肝移植手術が、最終的には必要とされ、且つ完全治癒のための唯一の機会を供する。原発性硬化性胆管炎の患者は、胆管癌のリスクが増大している(10〜15%)。

0030

原発性硬化性胆管炎の患者の大半は、症状を示さず、通常慣習血液検査における肝機能の異常な生化学試験の検出により診断される。症状が発症した場合、症状は、胆汁流れの閉塞の結果であり、且つ黄疸、掻痒、右上四分の一の腹痛、発熱、及び悪寒を含む。症状はまた、体重減少及び疲労も含むことがある。患者は、進行した疾患が存在するにもかかわらず、何年も無症候であり続けることがあり、症状の発現は、通常進行した疾患の存在を示唆している。

0031

(診断)
胆汁酸吸収不良は、SeHCAT(23-セレノ-25-ホモ-タウロ-コール酸(セレンホモコール酸タウリン又はタウロセルコール酸))核医学試験により、容易に診断される。代わりの診断試験は、胆汁酸前駆体である7α-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン血清中の測定に関与している。

0032

(治療)
胆汁酸封鎖剤(例えば、粉末の形状であるコレスチラミン及びコレスチポール)は、胆汁酸吸収不良の治療に使用される主要薬剤である。残念ながら、多くはこの樹脂粉末口当たり及び味が悪いために、多くの患者は、コレスチラミン及びコレスチポールに忍容性がない。幸いながら、胆汁酸封鎖剤コレセベラムが、錠剤の形状で利用可能であり、忍容性がより良いことが多い。

0033

全ての胆汁酸封鎖剤は、他の化合物と結合することが可能であり、且つこれはまた脂溶性ビタミン(A、D、E及びK)の欠乏症が起こる可能性があり、ビタミンサプリメント投与を必要とする。

0034

置換療法及び補充療法も、胆汁酸ホメオスタシスに関連したいくつかの障害において有用であることが証明されている。置換療法において、循環胆汁酸の組成が、内在性胆汁酸の細胞傷害性を減少するか又は胆汁コレステロール分泌を減少するようコレステロール代謝を調整するかのいずれかのために、変更される。対照的に、胆汁酸補充は、胆汁酸欠損症補正を目的としている。

0035

(置換療法)
一次胆汁酸ケノデオキシコール酸(CDCA)の投与は、胆汁コレステロール分泌を減少し及び胆石を次第に溶解することが示されている。ウルソデオキシコール酸(UDCA)は肝毒性を生じないので、CDCAは、次第にUDCAにより置き換えられている。ケノデオキシコール酸は、ヒトにおいてわずかな肝毒性があるが、いくつかの動物においては、これは高度な肝毒性がある。コレステロール胆石溶解のためのUDCA投与は有効且つ安全であるにもかかわらず、症候性疾患の迅速な治癒をもたらす腹腔鏡胆嚢摘出術成功のために、今日UDCAは頻繁には使用されない。対照的に内科療法は、数ヶ月の治療を必要とし、常には結石を溶解せず、一部の患者においては引き続き次第に再発する。

0036

UDCA療法は、原発性胆汁性肝硬変の患者において、肝臓の試験結果を改善することが示されており、その作用は恐らく複数の機序に関与している。UDCA療法はまた、妊娠に関連した胆汁鬱滞及び完全非経口的栄養に関連した胆汁鬱滞などの、他の胆汁鬱滞性状態において好ましい作用を示している。

0037

(補充療法)
通常ケノデオキシコール酸(CDCA)又はウルソデオキシコール酸(UDCA)及びコール酸の混合物による、胆汁酸補充は、胆汁酸生合成の先天異常において使用され、細胞傷害性胆汁酸前駆体の合成を抑制し、且つ一次胆汁酸の腸肝循環への投入回復する。

0038

短腸症候群患者において、胆汁酸欠損症は、近位腸において起こり、ミセル可溶化の低下へ繋がる。これは、減少した表面積及び短い通過時間に加え、重篤な脂肪の吸収不良に繋がる。合成胆汁酸アナログであるコリルサルコシン(コリル-N-メチルグリシン)は、短腸症候群の患者において脂質吸収を増大し、これは脱抱合及び脱ヒドロキシル化に対する抵抗性がある。

0039

クローン回腸炎随伴する胆汁酸下痢の患者は、糖質コルチコイド治療により補助され、且つ顕微鏡大腸炎はまた、ステロイドにより補助される。ブデソニド及び抗生物質を含む他の薬剤の投与は、いくつかの状況において有用である。

0040

先に詳述したように、PBCの治療は一般に、ウルソジオール投与を包含しているが、ウルソジオールに対し不十分な治療的反応を有する患者又はウルソジオールに対し忍容できない患者のために、代替療法が評価されている。

0041

従って、ヒトなどの哺乳動物において、前述の障害、並びに以下を含むが、これらに限定されるものではない胆汁酸障害を治療する必要性が存在する:メタボリック症候群;脂質又はグルコース障害;コレステロール又はトリグリセリド代謝;2型糖尿病;例えば、肝内の胆汁鬱滞の疾患(例えば、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性家族性肝内胆汁鬱滞(PFIC)(例えば、進行性PFIC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、妊娠性肝内胆汁鬱滞(PIC)、新生児胆汁鬱滞、及び薬物誘発性胆汁鬱滞(例えば、エストロゲン))、並びに、肝外胆汁鬱滞の疾患(例えば、腫瘍由来の胆管(bile cut)圧縮、胆石による胆管閉塞)を含む、胆汁鬱滞;回腸切除、炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、下痢(例えば胆汁酸下痢(BAD))及びGI症状に繋がる以外特徴づけられない(特発性)胆汁酸の吸収を損なう障害、並びにGI癌、肝臓癌、及び/又は胆嚢癌(例えば、結腸癌及び肝細胞癌)を含む、胆汁酸吸収不良及び遠位小腸に関与する他の障害;並びに/又は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変及び門脈圧亢進症の一因となるものなどの、胆汁酸合成異常。本発明は、この必要性を満足し、且つ関連する恩恵を提供する。

0042

概要
本発明は、一部、胆汁酸ホメオスタシス調整活性などの1種以上の活性を有する、FGF19ペプチド配列の変種、FGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の融合体、並びにFGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の融合体(キメラ)の変種を基にしている。そのようなFGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の変種及び融合体(キメラ)は、胆汁酸に関係した又は関連した障害を治療するために使用される配列を含む。そのようなFGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の変種及び融合体(キメラ)は、肝細胞癌(HCC)形成又はHCC腫瘍形成を実質的に又は有意には増加又は誘導しない配列も含む。そのようなFGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の変種及び融合体(キメラ)は、脂質プロファイルの実質的上昇又は増加を誘導しない配列を更に含む。

0043

一実施態様において、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療する方法又は使用は:a)少なくとも7個のアミノ酸残基を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、DSSPL又はDASPHを含むもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99 [FGF19]のアミノ酸残基16-29、



を含み、ここで該W残基が、C-末端領域の第一のアミノ酸位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列を投与し、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む。

0044

別の実施態様において、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療する方法又は使用は:a)配列番号:100[FGF21]の一部を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含み、且つここで該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基21-29、



を含み、且つここで該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列を投与し、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む。

0045

更なる実施態様において、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療する方法又は使用は:a)配列番号:100[FGF21]の一部を含むN-末端領域であって、該N-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該N-末端領域が、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも5個の隣接アミノ酸を含み、且つここで該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、b)配列番号:99[FGF19]の一部を含むC-末端領域であって、該C-末端領域が、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有し、ここで該C-末端領域が、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基21-29、



を含み、且つここで該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含む、キメラペプチド配列を投与し、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む。

0046

追加の実施態様において、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療する方法又は使用は:a)参照型又は野生型FGF19と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、FGF19配列の変種;b)参照型又は野生型FGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有する、FGF21配列の変種;c)FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部;又は、d)FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部であって、ここで該FGF19及び/又はFGF21配列部分が、参照型又は野生型FGF19及び/又はFGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入又は欠失を有するもの:のいずれかを含むか又はこれからなる、ペプチド配列を投与し、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療することを含む。

0047

様々な特定の実施態様において、キメラペプチド配列は、アミノ酸残基GQを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも6個の隣接アミノ酸を伴うN-末端領域を有するか;又は、アミノ酸残基GQVを含む配列番号:100[FGF21]の少なくとも7個の隣接アミノ酸を伴うN-末端領域を有する。

0048

様々な追加の実施態様において、ペプチド配列は、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸21-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-16を有するか、或いは該ペプチド配列は、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸147-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-147を有する(M41)か、或いは該ペプチド配列は、配列番号:100[FGF21]のカルボキシ末端のアミノ酸17-181に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M44)か、或いは該ペプチド配列は、配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:100[FGF21]のアミノ末端のアミノ酸1-146を有する(M45)か、或いは該ペプチド配列は、配列番号:100[FGF21]の内部アミノ酸17-146に融合されたか又は配列番号:99[FGF19]のカルボキシ末端のアミノ酸148-194に融合された配列番号:99[FGF19]のアミノ末端のアミノ酸1-20を有する(M46)。

0049

様々な更なる実施態様において、ペプチド配列は、配列番号:99 [FGF19]のアミノ酸残基125-129、EIRPDへの少なくとも1個のアミノ酸置換;配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基126-128、IRPへの少なくとも1個のアミノ酸置換;又は、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基127-128、RPへの少なくとも1個のアミノ酸置換;又は、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基1-124及び/若しくは配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基130-194への少なくとも1個のアミノ酸置換を有する。より詳細に述べると、例えば、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基127-128、IRPの1個への置換を伴うペプチド配列であり、ここで少なくとも1個のアミノ酸置換が、R127L又はP128Eであるものである。

0050

本発明の方法及び使用は、本明細書に示したペプチド又はキメラ配列を用いて実践することができる。例えば、M1-M98若しくはM101-M160、又は配列番号:1〜98、101〜135、若しくは138〜196として本明細書中に記載の任意のペプチド配列を含むか又はこれからなる配列、表1〜10に記載の任意の配列を含むか又はこれからなるペプチド配列、又は本明細書の配列表に記載の任意の配列を含むか又はこれからなるペプチド配列である。

0051

本発明の方法及び使用は、いずれか好適な長さのペプチド又はキメラ配列を用いて実践することができる。特定の実施態様において、該ペプチド又はキメラ配列のN-末端又はC-末端領域は、長さが約20〜約200個のアミノ酸残基である。別の特定の態様において、ペプチド又はキメラ配列は、アミノ末端、カルボキシ末端又は内部に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれよりも多いアミノ酸欠失を有する。更に特定の実施態様において、ペプチド又はキメラ配列は、約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるN-末端領域又はC-末端領域を有する。追加のより特定の実施態様において、ペプチド又はキメラ配列は、FGF19又はFGF21の約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100個又はそれよりも多いアミノ酸のアミノ酸配列を含むか又はこれらからなるFGF19配列部分又はFGF21配列部分を有する。

0052

様々な態様において、ペプチド配列は、配列番号:99[FGF19]のアミノ酸16-20の



配列に対応する



配列モチーフを有するか;FGF19のアミノ酸配列16-20のFGF19



に対応する置換された、変異された又は非存在



配列モチーフを有するか;置換された、変異された又は非存在の1個以上のアミノ酸を伴う



配列を有する。様々な他の更なる態様において、該ペプチド配列は、アミノ酸16-20においてFGF19



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列から区別される。

0053

様々な更なる態様において、N-末端領域は、アミノ酸残基



を含み、ここで該N-末端領域は、アミノ酸残基



を含むか、又は該N-末端領域は、アミノ酸残基



を含む。より特定すると、一態様において、該Gは、該N-末端領域の最後の位置に対応する。

0054

様々な追加の態様において、N-末端領域は、アミノ酸残基



を含み、且つここで該Q残基は、該N-末端領域の最後のアミノ酸位置であるか、又はアミノ酸残基



を含み、ここで該V残基は、該N-末端領域の最後の位置に対応する。

0055

より特定すると、N-末端領域は更に、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、



又は、Hが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、



又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、



又は、Pが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、



又は、Rが該N-末端領域の第一のアミノ酸位置である、R:を含む。

0056

様々な他の態様において、ペプチド又はキメラ配列は、N-末端領域の最初の4個のアミノ酸残基である、アミノ酸残基HPIP(配列番号:107)を有する。様々なまた更なる態様において、ペプチド又はキメラ配列は、該N-末端領域の第一の位置がR残基を有するか、又は該N-末端領域の第一の位置がM残基であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMR配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がRM配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がRD配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMD配列であるか、又は該N-末端領域の第一及び第二の位置がMS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がRDS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMSD配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がMSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第三の位置がDSS配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第四の位置が



配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第四の位置が



配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第五の位置が



配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第五の位置が



配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第六の位置が



配列であるか、又は該N-末端領域の第一から第七の位置が



配列である。

0057

様々な他の特定の態様において、ペプチド又はキメラ配列は、該N-末端領域の第一のアミノ酸位置に、"M"残基、"R"残基、"S"残基、"H"残基、"P"残基、"L"残基又は"D"残基を有する。様々な代わりの特定の態様において、ペプチド又はキメラ配列、ペプチド配列は、該N-末端領域の第一のアミノ酸位置に、"M"残基又は"R"残基を有さない。

0058

更なる様々な他の態様において、ペプチド又はキメラ配列は、下記配列のいずれか一つを伴うN-末端領域を有する:



0059

様々な更に追加の態様において、ペプチド又はキメラ配列は、配列番号:99[FGF19]のほぼ残基194に対応するC-末端領域の最後の位置の残基を有する。

0060

様々なより特定の態様において、ペプチド配列は、下記配列のいずれか一つ、又は該ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくはその断片を有するか又はこれからなる:





。いずれかの前記ペプチド配列のいくつかの実施態様において、R末端残基は、欠失されている。

0061

様々な追加の特定の態様において、該ペプチド配列のN-末端は、下記のいずれかを含むか又はこれからなる:




0062

様々な更なる特定の態様において、ペプチド配列は、下記のいずれか、又は該ペプチド配列のいずれかの部分配列若しくはその断片を含むか又はこれからなる:



。いずれかの前記ペプチド配列のいくつかの実施態様において、R末端残基が欠失されている。

0063

様々な更に追加の特定の態様において、ペプチド配列は、C-末端に配列番号:99[FGF19]のアミノ酸残基30-194の付加を更に含み、その結果キメラポリペプチドを生じる。

0064

様々な更なる実施態様において、ペプチド又はキメラ配列は、アミノ酸置換、付加、挿入を有するか、又は少なくとも1個の欠失されたアミノ酸を有する部分配列である。ペプチド配列のそのようなアミノ酸置換、付加、挿入及び欠失は、例えば、N-末端若しくはC-末端、又は内部の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、若しくはそれよりも多いアミノ酸残基(10〜20、20〜30、30〜40、40〜50個など)であることができる。例えば、部分配列は、アミノ末端、カルボキシ末端、又は内部からの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれよりも多いアミノ酸欠失を有する。特定の態様において、アミノ酸置換、又は欠失は、FGF19のアミノ酸位置8〜20



のいずれかにおいて生じる。

0065

様々な更により特定の態様において、ペプチド又はキメラ配列は、該ペプチドのC-末端に配置された、下記のFGF19配列の全て又は一部を更に含むか:



又は該アミノ末端"R"残基が、該配列から欠失されている。

0066

様々な実施態様において、ペプチド又はキメラ配列は、比較配列よりも大きい又は小さい機能又は活性を有する。特定の実施態様において、ペプチド配列は、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された:



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、低下したHCC形成を有するか;或いは、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された:



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きいグルコース降下活性を有するか;或いは、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された:



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質増加活性を有するか;或いは、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された:



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ないトリグリセリド、コレステロール、非-HDL又はHDL増加活性を有するか;或いは、該ペプチド配列は、FGF21と比べ、より少ない除脂肪量低下活性を有する。そのような機能及び活性は、インビトロにおいて、又は例えばdb/dbマウスにおいてなど、インビボにおいて確認することができる。

0067

追加の様々な実施態様において、ペプチド又はキメラ配列は、他の分子の機能又は活性に対する作用を有する。一態様において、ペプチド配列は、FGFR4媒介性活性を維持するか又は増大する。別の態様において、ペプチド配列は、線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)に結合するか若しくはFGFR4を活性化するか、又は検出可能にFGFR4に結合しないか若しくはFGFR4を活性化しない。追加の態様において、ペプチド配列は、FGFR4へのFGF19結合親和性よりもより少ない、同等又はより大きい親和性でFGFR4に結合する。更なる態様において、ペプチド配列は、FGF19がFGFR4を活性化するよりも少ない、同等又はより大きい程度又は量までFGFR4を活性化する。

0068

更なる追加の様々な実施態様において、ペプチド又はキメラ配列は、L-アミノ酸、D-アミノ酸、非天然アミノ酸、又はアミノ酸の模倣体誘導体若しくは類似体を1種以上含む。また更なる様々な実施態様において、ペプチド又はキメラ配列は、リンカー又はスペーサーにより連結された、N-末端領域、C-末端領域、又はFGF19配列部分、又はFGF21配列部分を有する。

0069

更に追加の実施形態において、キメラペプチド又はペプチド配列は、医薬組成物に含まれ、これは次に、本発明の方法及び使用を実践するために使用することができる。そのような組成物は、不活性成分又は他の活性成分組合せを含む。一実施態様において、医薬組成物などの組成物は、キメラペプチド配列又はペプチド配列、並びに胆汁酸ホメオスタシスを改善する物質を含む。

0070

キメラペプチド又はペプチド配列の投与又は送達を含む治療の使用及び方法も、提供される。特定の実施態様において、対象の治療の使用又は方法は、本発明のペプチド配列により治療可能な障害を有するか又は有するリスクのある対象などの、対象へ、本発明のキメラペプチド又はペプチド配列を、該障害を治療するのに有効な量で、投与することを含む。更なる実施態様において、方法又は使用は、胆汁酸に関係した又は関連した障害を有する対象などの、対象へ、本発明のキメラペプチド又はペプチド配列を投与することを含む。

0071

本発明の方法及び使用の特定の態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列は、胆汁酸ホメオスタシスを改善するか又は提供するのに有効な量で、対象へ投与される。本発明の方法及び使用に従い治療可能な胆汁酸に関係した又は関連した障害の非限定的例は、メタボリック症候群;脂質又はグルコース関連障害;コレステロール又はトリグリセリド代謝;2型糖尿病;例えば、肝内の胆汁鬱滞の疾患(例えば、PBC、PFIC、PSC、PIC、新生児胆汁鬱滞、及び薬物誘発性胆汁鬱滞(例えば、エストロゲン))、並びに、肝外胆汁鬱滞の疾患(例えば、腫瘍由来の胆管圧縮、胆石による胆管閉塞)を含む、胆汁鬱滞;回腸切除、炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、下痢(例えばBAD)及びGI症状に繋がる以外特徴づけられない(特発性)胆汁酸の吸収を損なう障害、並びにGI癌、肝臓癌及び/又は胆嚢癌(例えば、結腸癌及び肝細胞癌)を含む、胆汁酸吸収不良及び遠位小腸に関与する他の障害;並びに/又は、NASH、肝硬変及び門脈圧亢進症の一因となるものなどの、胆汁酸合成異常を含む。一実施態様において、胆汁酸に関係した又は関連した障害は、胆汁酸吸収不良である。別の実施態様において、胆汁酸に関係した又は関連した障害は、下痢である。別の実施態様において、胆汁酸に関係した又は関連した障害は、胆汁鬱滞(例えば、肝内又は肝外の胆汁鬱滞)である。別の実施態様において、胆汁酸に関係した又は関連した障害は、原発性胆汁性肝硬変である。別の実施態様において、胆汁酸に関係した又は関連した障害は、原発性硬化性胆管炎である。別の実施態様において、胆汁酸に関係した又は関連した障害は、PFIC(例えば進行性PFIC)である。

0072

任意に実質的又は有意なHCC活性を伴わずに、胆汁酸ホメオスタシスを調整するキメラペプチド配列及びペプチド配列などの、キメラペプチド配列又はペプチド配列を分析及び/又は同定する方法及び使用も、提供される。一実施態様において、方法又は使用は:a)候補ペプチド配列を提供すること;b)該候補ペプチド配列を被験動物へ投与すること;c)該候補ペプチド配列の投与後、該動物の胆汁酸レベルを測定し、該候補ペプチド配列が胆汁酸ホメオスタシスを調整するかどうかを決定すること;並びに、d)該候補ペプチド配列を、該動物におけるHCCの誘導、又はHCC活性と相関するマーカーの発現について分析すること:を含む。胆汁酸ホメオスタシスを調整するが、実質的HCC活性を有さない候補ペプチドは、そのことにより該候補ペプチド配列を、実質的HCC活性を伴わずに胆汁酸ホメオスタシスを調整するペプチド配列として同定する。

0073

特定の態様において、キメラペプチド配列又はペプチド配列はまた、動物におけるHCCの誘導(例えば、被験動物由来の肝組織試料の評価)、又はHCC活性に相関するマーカーの発現について分析される。そのような方法は、該候補を、同じく任意に実質的又は有意なHCC活性を伴うことなく、胆汁酸ホメオスタシス調整活性を有するものとして同定する。

図面の簡単な説明

0074

(図面の説明)
図1は、指定された濃度のFGF19及びFGF21(配列番号:99及び100)が腹腔投薬されたdb/dbマウスにおけるcyp7a1発現を示している。

0075

図2A-2Dは、A)変種M1(配列番号:1);B)変種M2(配列番号:2);C)変種M5(配列番号:5);及び、D)変種M32(配列番号:32)の投薬後の、ヒト初代肝細胞におけるcyp7a1発現を示している。

0076

図3A-3Dは、A)変種M69(配列番号:69);B)変種M75(配列番号:75);C)変種M70(配列番号:70);及び、D)変種M76(配列番号:76)の投薬後の、ヒト初代肝細胞におけるcyp7a1発現を示す。

0077

図4A-4Dは、A)変種M85(配列番号:85);B)変種M96(配列番号:96);C)変種M90(配列番号:90);及び、D)変種M98(配列番号:98)の投薬後の、ヒト初代肝細胞におけるcyp7a1発現を示す。

0078

図5は、指定された変種:M1、M2、M5、M32、M69、M70、M75、M76、M85、M90、M96及びM98の、cyp7a1 IC50(pM)、相対cyp7a1発現及びHCCスコアを示す表である。

0079

図6は、M70投与が、プラセボと比べ、胆汁酸合成のマーカーである7a-ヒドロキシ-4-コレステン-3-オン(C4)を抑制することができることを示している、臨床試験の結果を示す。

0080

図7は、L6細胞におけるFGFR4/β-クロト複合体の発現は、FGF19、M3及びM70による、細胞内シグナル伝達経路の活性化を強化することを示す。

0081

(詳細な説明)
本発明は、胆汁酸ホメオスタシスを調整し、且つ胆汁酸に関係した又は関連した障害を治療することができるキメラ配列及びペプチド配列を提供する。一実施態様において、キメラペプチド配列は、少なくとも7個のアミノ酸残基を有するN-末端領域であり、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するN-末端領域であって、ここで該N-末端領域が、



配列を有するもの;並びに、FGF19の一部を有するC-末端領域であり、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するC-末端領域であって、ここで該C-末端領域がFGF19のアミノ酸残基16-29



を含み、且つ該W残基が、C-末端領域の第一のアミノ酸位置に対応しているもの:を含むか又はこれらからなる。

0082

別の実施態様において、キメラペプチド配列は、FGF21の一部を有するN-末端領域であり、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するN-末端領域であって、ここで該N-末端領域が、GQV配列を有し、且つ該V残基が、N-末端領域の最後のアミノ酸位置に対応しているもの;並びに、FGF19の一部を有するC-末端領域であり、第一のアミノ酸位置及び最後のアミノ酸位置を有するC-末端領域であって、ここで該C-末端領域が、FGF19のアミノ酸残基21-29



を含み、且つ該R残基が、C-末端領域の第一の位置に対応しているもの:を含むか又はこれらからなる。

0083

更なる実施態様において、ペプチド配列は、参照型又は野生型FGF19と比べ、1以上のアミノ酸の置換、挿入又は欠失を有するFGF19配列変種を含むか又はこれからなる。追加の実施態様において、ペプチド配列は、参照型又は野生型FGF21と比べ、1以上のアミノ酸の置換、挿入又は欠失を有するFGF21配列変種を含むか又はこれからなる。また追加の実施態様において、ペプチド配列は、FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部を含むか又はこれからなる。更なる追加の実施態様において、ペプチド配列は、FGF21配列の一部に融合されたFGF19配列の一部であって、ここで該FGF19及び/又はFGF21配列部分が、参照型又は野生型FGF19及び/又はFGF21と比べ、1以上のアミノ酸置換、挿入若しくは欠失を有するものを含むか又はこれからなる。

0084

本発明はまた、FGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の変種及び融合体を使用し治療可能な障害を有するか又は有するリスクのある対象を治療する方法及び使用を提供する。一実施態様において、方法又は使用は、FGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の1以上の変種又は融合体を、胆汁酸に関係した又は関連した障害を治療するのに有効な量で、対象と接触させるか又は投与することを含む。別の実施態様において、方法又は使用は、FGF19及び/又はFGF21ペプチド配列の変種又は融合体をコードしている1以上の核酸分子(例えば、任意にベクターを含む、該ペプチド配列をコードしている核酸と機能可能に連結された発現制御エレメント)を、胆汁酸に関係した又は関連した障害を治療するのに有効な量で、対象と接触させるか又は投与することを含む。

0085

代表的参照型又は野生型FGF19配列を、以下に示す:



0086

代表的参照型又は野生型FGF21配列を、以下に示す:



。FGF21対立遺伝子変種は、例えば、M70、M71及びM72を含む。

0087

用語「ペプチド」、「タンパク質」及び「ポリペプチド」配列は、アミド結合若しくは同等物により共有結合された、2個以上のアミノ酸、又はアミノ酸の化学修飾及び誘導体を含む「残基」を意味するよう本明細書において互換的に使用される。ペプチドの全て又は一部を形成するアミノ酸は、既知の21種の天然のアミノ酸からであってよく、これらはそれらの1文字略語又は一般的3文字略語の両方で示される。本発明のペプチド配列において、従来のアミノ酸残基は、それらの従来の意味を有する。従って「Leu」はロイシンであり、「Ile」はイソロイシンであり、「Nle」はノルロイシンであるなどである。

0088

インビボにおいて胆汁酸ホメオスタシスを調整する、本明細書記載の参照型FGF19及びFGF21ポリペプチドとは異なるペプチド配列が、本明細書において例示されている(例えば、表1〜10及び配列表)。非限定的な特定の例は、FGF19のカルボキシ末端アミノ酸21-194に融合されたFGF21のアミノ末端アミノ酸1-16を持つペプチド配列;FGF21のカルボキシ末端アミノ酸147-181に融合されたFGF19のアミノ末端アミノ酸1-147を持つペプチド配列;FGF21のカルボキシ末端アミノ酸17-181に融合されたFGF19のアミノ末端アミノ酸1-20を持つペプチド配列;FGF19のカルボキシ末端アミノ酸148-194に融合されたFGF21のアミノ末端アミノ酸1-146を持つペプチド配列;及び、FGF19のカルボキシ末端アミノ酸148-194に融合されたFGF21の内部アミノ酸17-146に融合されたFGF19のアミノ末端アミノ酸1-20を持つペプチド配列である。

0089

追加の特定のペプチド配列は、FGF19(配列番号:99)のアミノ酸16-20の



配列に対応する



配列モチーフを有するか、FGF19(配列番号:99)のアミノ酸16-20の



配列に対応する



配列モチーフを欠いているか、又はFGF19(配列番号:99)のアミノ酸16-20のFGF19



配列に対応する置換された(すなわち、変異された)



配列モチーフを有する。

0090

本発明の特定のペプチド配列は、FGF19及びFGF21とは異なる配列(例えば、本明細書に示したもの)、及びアミノ酸16-20においてFGF19



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列も含む。従って、野生型FGF19及びFGF21(例えば、各々、配列番号:99及び配列番号:100として本明細書に示したもの)は、除外される配列であり、且つFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19も、除外され得る。しかしこの除外は、例えば、配列が例としてGQV、GQV、GDI、若しくはGPIのいずれかを有するFGF19に融合された3つのFGF21残基、又は



のいずれかに融合された2つのFGF21残基を有する場合には適用されない。

0091

ペプチド配列の特定の非限定的例は、M1-M98(各々、配列番号:1-52、192、及び54-98)として本明細書において特定された配列変種の全て又は一部を含むか又はそれらからなる。ペプチド配列のより特定する非限定的例は:



(FGF21配列は、アミノ末端に"R"残基を含むこともできる);





として示される配列の全て又は一部、或いは前記ペプチド配列のいずれかの部分配列又はそれらの断片を含むか又はそれらからなる。前記ペプチド配列のいずれかのいくつかの実施態様において、R末端残基は欠失されている。

0092

ペプチド配列の追加の特定の非限定的例は、N-末端に、下記のいずれかの全て又は一部を含むか又はこれからなるペプチド配列を有し:




:且つ前記ペプチド配列のいずれかについて、アミノ末端R残基は欠失されてよい。

0093

本発明のペプチド配列は加えて、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、HCCの誘導若しくは形成の低下若しくは非存在を伴うものを含む。本発明のペプチド配列はまた、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きいグルコース降下活性を伴うものも含む。本発明のペプチド配列は更に、FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質(例えば、トリグリセリド、コレステロール、非-HDL又はHDL)増加活性を伴うものを含む。

0094

典型的には、本発明のペプチド配列中のアミノ酸又は残基の数は、合計約250個未満(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)であろう。様々な特定の実施態様において、残基の数は、約20個から最大約200個までの残基(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)を含む。追加の実施態様において、残基の数は、約50個から最大約200個までの残基(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)を含む。更なる実施態様において、残基の数は、長さが約100個から最大約195個までの残基(例えば、アミノ酸又はそれらの模倣体)を含む。

0095

アミノ酸又は残基は、アミド化学結合により、又は例えばグルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル二官能性マレイミド、又はN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)により形成されるものを含む、非天然及び非-アミド化学結合により、連結され得る。非-アミド結合は、例えば、ケトメチレンアミノメチレンオレフィンエーテルチオエーテルなどを含む(例えば、Spatolaの文献、「アミノ酸、ペプチド及びタンパク質の化学及び生化学(Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins)」、第7巻、267-357頁(1983)の「ペプチド及び主鎖修飾(Peptide and Backbone Modifications)」、Marcel Decker社、NYを参照されたい)。従って、本発明のペプチドがFGF19配列の一部及びFGF21配列の一部を含む場合、これら2つの部分は、アミド結合によって互いに連結される必要はないが、任意の他の化学部分により連結されるか又はリンカー部分を介して一緒に複合され得る。

0096

本発明はまた、例示されたペプチド配列が、少なくとも検出可能若しくは測定可能な活性若しくは機能を保持する限りは、該ペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形を含む(表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列を含む)。例えば、いくつかの例示された変種ペプチドは、C-末端部分に、例えば該変種の"TSG"アミノ酸残基に続けて、FGF19 C-末端配列



を有する。

0097

また、いくつかの例示された変種ペプチド、例えば、アミノ末端にFGF21配列の全て又は一部を有するものは、N-末端に配置された"R"残基を有し、これは省略することができる。同様に、いくつかの例示された変種ペプチドは、N-末端に配置された"M"残基を含み、これは"R"残基などの省略された残基に追加(append)されるか又はそれと更に置換されることができる。より特定すると、様々な実施態様において、ペプチド配列はN-末端に、



のいずれかを含む。更に細胞において、"M"残基が"S"残基に隣接する場合、"M"残基は切断され、その結果"M"残基はペプチド配列から欠失されるのに対し、"M"残基が"D"残基に隣接する場合は、"M"残基は切断されないでよい。従って例として、様々な実施態様において、ペプチド配列は、N-末端に残基



を伴うものを含む。

0098

従って、本発明の「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」配列は、部分配列、変種又は修飾形(例えば、融合体又はキメラ)が少なくとも検出可能な活性又は機能を保持する限り、例えば胆汁酸ホメオスタシスを調整する限りは、表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21変種及び部分配列の、並びに表1〜10及び配列表に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラの、部分配列、変種及び修飾形を含む。

0099

本明細書において使用される用語「修飾する」及びその文法上の変形は、組成物が、ペプチド配列などの参照の組成物に関して逸脱していることを意味する。そのような修飾されたペプチド配列、核酸及び他の組成物は、参照の修飾されないペプチド配列、核酸、若しくは他の組成物と比べ、より大きい若しくはより少ない活性若しくは機能を有するか、又は異なる機能若しくは活性を有するか、或いは検出アッセイ及び/又はタンパク質精製において使用するための抗体を誘発するように、療法のために処方されたタンパク質において望ましい特性(例えば、血清半減期)を有してよい。例えば、本発明のペプチド配列は、血清半減期を増加するように、タンパク質のインビトロ及び/又はインビボ安定性を増大するようになど修飾されることができる。

0100

本明細書に例示されたペプチド配列のそのような部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記されたペプチド配列)の特定の例は、アミノ末端、カルボキシ末端又は内部への又はそれらからの、1個以上のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入/付加を含む。一例は、アミノ酸残基の該ペプチド配列内の別のアミノ酸残基との置換である。別のものは、1個以上のアミノ酸残基の該ペプチド配列からの欠失、又は1個以上のアミノ酸残基の該ペプチド配列への挿入若しくは付加である。

0101

置換、欠失又は挿入/付加された残基の数は、ペプチド配列の1個以上のアミノ酸(例えば、1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個又はそれよりも多い)である。従って、FGF19又はFGF21配列は、置換、欠失又は挿入/付加された少数又は多数のアミノ酸(例えば、1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個、又はそれよりも多い)を有することができる。加えて、FGF19アミノ酸配列は、FGF21由来のアミノ酸の約1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個又はそれよりも多いアミノ酸配列を含む又はそれらからなるか;或いは、FGF21アミノ酸又は配列は、FGF19由来のアミノ酸の約1〜3、3〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜110、110〜120、120〜130、130〜140、140〜150、150〜160、160〜170、170〜180、180〜190、190〜200、200〜225、225〜250個、又はそれよりも多いアミノ酸配列を含むか又はそれらからなることができる。

0102

置換の具体例は、L-残基についてのD残基の置換を含む。従って、残基はL-異性体配置で記されているが、D-異性体が検出可能又は測定可能な機能を有さない配列に繋がらない限りは、本発明のペプチド配列のいずれか特定の位置又は全ての位置でのD-アミノ酸が含まれる。

0103

追加の具体例は、非保存的置換及び保存的置換である。「保存的置換」は、生物学的、化学的又は構造的に類似した残基による、1個のアミノ酸の置き換えである。生物学的に類似とは、その置換は、生物活性、例えばグルコース降下活性が同等であることを意味する。構造的に類似とは、アミノ酸が、アラニン、グリシン及びセリンなど類似した長さの側鎖を有するか、又は類似したサイズを有するか、或いは第一、第二又は追加のペプチド配列の構造が維持されることを意味する。化学的類似性とは、残基が、同じ電荷を有するか、又は両方とも親水性及び疎水性であることを意味する。特定の例は、イソロイシン、バリン、ロイシン若しくはメチオニンなどの1個の疎水性残基のもう1個のものとの置換、又はアルギニンリジンとの、グルタミン酸アスパラギン酸との、又はグルタミンアスパラギンとの、セリンのトレオニンとなどの置換のように、1個の極性残基のもう1個のものとの置換を含む。慣習的アッセイを使用し、部分配列、変種又は修飾形は、グルコース降下活性などの活性を有するかどうかを決定することができる。

0104

本明細書に例示されているペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記されたペプチド配列)の特定の例は、参照型ペプチド配列(例えば、表1〜10、配列表のいずれかのペプチド配列)に50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、又は96%、97%、98%、若しくは99%の同一性を有する。用語「同一性」及び「相同性」及びそれらの文法上の変形は、2種以上の言及された実体が同じであることを意味する。従って、2つのアミノ酸配列が同一である場合、これらは同一のアミノ酸配列を有する。「同一の区域、領域又はドメイン」とは、2種以上の言及された実体の一部が同じであることを意味する。従って2つのアミノ酸配列が1つ以上の配列領域にわたり同一又は相同である場合、これらはこれらの領域において同一性を共有している。

0105

2つの配列間の同一性の程度は、当該技術分野において公知のコンピュータプログラム及び数学アルゴリズムを用い、評価することができる。配列同一性(相同性)の割合を計算するそのようなアルゴリズムは、一般に、比較領域にわたる配列ギャップ及びミスマッチを考慮している。例えば、BLAST(例えば、BLAST 2.0)検索アルゴリズム(例えば、Altschulらの文献、J. Mol. Biol. 215:403 (1990)参照、NCBIにより公に入手可能)は、下記の例証的検索パラメータを有する:ミスマッチ-2;ギャップオープン5;ギャップイクステンション2。ペプチド配列比較のためのBLASTPアルゴリズムは、典型的には、PAM100、PAM 250、BLOSUM 62又はBLOSUM 50などのスコアリングマトリックスと組合せて使用される。FASTA(例えば、FASTA2及びFASTA3)並びにSSEARCH配列比較プログラムもまた、同一性の程度を定量するために使用される(Pearsonらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:2444 (1988);Pearsonの文献、MethodsMol Biol. 132:185 (2000);及び、Smithらの文献、J. Mol. Biol. 147:195 (1981))。Delaunay-ベーストポロジーマッピングを使用する、タンパク質の構造類似性を定量するためのプログラムもまた開発されている(Bostickらの文献、Biochem Biophys Res Commun. 304:320 (2003))。

0106

本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記された配列)を含む本発明のペプチド配列において、「アミノ酸」又は「残基」は、従来のα-アミノ酸に加え、少なくとも1つの側鎖が本明細書に定義されたアミノ酸側鎖部分である、β-アミノ酸、α,αジ置換アミノ酸及びN-置換アミノ酸を含む。「アミノ酸」は更に、N-アルキルα-アミノ酸を含み、ここで該N-末端アミノ基は、C1〜C6の線状又は分岐したアルキル置換基を有する。従って用語「アミノ酸」は、天然のタンパク質アミノ酸の立体異性体及び修飾型非タンパク質のアミノ酸、翻訳後修飾されたアミノ酸(例えば、グリコシル化リン酸化エステル又はアミド切断などにより)、酵素的に修飾された又は合成されたアミノ酸、誘導体化されたアミノ酸、アミノ酸を模倣するようデザインされた構築物若しくは構造物、修飾された側鎖部分を伴う、天然の部分から誘導体化された、又は合成された若しくは非天然のアミノ酸などを含む。修飾され且つ通常でないアミノ酸は、本発明のペプチド配列に含まれる(例えば、「合成ペプチド使用指針(Synthetic Peptides: A User's Guide)」:Hrubyらの文献、Biochem. J. 268:249 (1990);及び、Toniolo C.の文献、Int. J. Peptide Protein Res. 35:287 (1990)を参照されたい)。

0107

加えて、アミノ酸の保護基及び修飾基が含まれる。本明細書において使用される用語「アミノ酸側鎖部分」は、任意のアミノ酸の任意の側鎖を含み、この用語「アミノ酸」は本明細書において定義されている。従ってこれは、天然のアミノ酸中の側鎖部分を含む。これは更に、天然のタンパク質アミノ酸の立体異性体及び修飾型、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾されたアミノ酸、酵素的に修飾された若しくは合成されたアミノ酸、誘導体化されたアミノ酸、アミノ酸を模倣するようデザインされた構築物若しくは構造物などの中の側鎖部分などの、本明細書に示し且つ当業者に公知のような、修飾された天然のアミノ酸中の側鎖部分を含む。例えば、本明細書に開示された又は当業者に公知の任意のアミノ酸の側鎖部分は、この定義に含まれる。

0108

「アミノ酸側鎖部分の誘導体」は、アミノ酸側鎖部分の定義内に含まれる。誘導体化されたアミノ酸側鎖部分の非限定的例は、例えば、(a)存在するアルキル、アリール、又はアラルキル鎖への1個以上の飽和又は不飽和の炭素原子の付加;(b)側鎖中の炭素の別の原子、好ましくは酸素又は窒素との置換;(c)メチル(--CH3)、メトキシ(--OCH3)、ニトロ(--NO2)、ヒドロキシル(--OH)、又はシアノ(--C=N)を含む、側鎖の炭素原子への末端基の付加;(d)ヒドロキシ基チオール基又はアミノ基を含む側鎖部分に関して、好適なヒドロキシ、チオール又はアミノ保護基の付加;或いは、(e)環構造を含む側鎖部分に関して、直接又はエーテル連結を介して結合したヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、又はアリール基を含む、1個以上の環置換基の付加:を含む。アミノ基に関して、好適な保護基は、当業者に公知である。提供されたそのような誘導体化は、最終ペプチド配列において所望の活性を提供する(例えば、グルコース降下、改善されたグルコース又は脂質の代謝、抗-糖尿病活性、実質的HCC形成若しくは腫瘍形成の非存在、除脂肪量又は脂肪量の実質的調整の非存在など)。

0109

「アミノ酸側鎖部分」は、そのような誘導体化を全て含み、且つ特定の非限定的例としては、γ-アミノ酪酸、12-アミノドデカン酸、α-アミノイソ酪酸6-アミノヘキサン酸、4-(アミノメチル)-シクロヘキサンカルボン酸、8-アミノオクタン酸ビフェニルアラニン、Boc--t-ブトキシカルボニルベンジルベンゾイルシトルリンジアミノ酪酸ピロールリジン、ジアミノプロピオン酸、3,3-ジフェニルアラニン、オルソニン(orthonine)、シトルリン、1,3-ジヒドロ-2H-イソインドールカルボン酸エチル、Fmoc-フルオレニルメトキシカルボニルヘプタノイル(CH3--(CH2)5--C(=O)--)、ヘキサノイル(CH3--(CH2)4--C(=O)--)、ホモアルギニンホモシステイン、ホモリジン、ホモフェニルアラニンホモセリン、メチル、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホンノルバリン(NVA)、フェニルグリシンプロピルイソプロピルサルコシン(SAR)、tert-ブチルアラニン、及びベンジルオキシカルボニルが挙げられる。

0110

天然のタンパク質アミノ酸の立体異性体及び修飾型、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾されたアミノ酸、酵素的に合成されたアミノ酸、誘導体化されたアミノ酸を含む非天然のアミノ酸、前述のいずれかから誘導されたα,αジ置換アミノ酸(すなわち、少なくとも1本の側鎖は、それが誘導された残基のものと同じである、α,αジ置換アミノ酸)、前述のいずれかから誘導されたβ-アミノ酸(すなわち、β-炭素の存在について以外は、それが誘導された残基と同じであるβ-アミノ酸)などを含む、前述のもの全てを含む、単独のアミノ酸は、本明細書において「残基」と称することができる。α-アミノ酸の側鎖部分に加え、好適な置換基は、C1〜C6の線状又は分岐したアルキルを含む。Aibは、α,αジ置換アミノ酸の例である。α,αジ置換アミノ酸は、従来のL-及びD-異性体の言及を用いて称することができるが、そのような言及は便宜上であること、及びα-位置の置換基が異なる場合、そのようなアミノ酸は、必要に応じ、指定されたアミノ酸側鎖部分を伴う残基のL-又はD-異性体から誘導されたα,αジ置換アミノ酸と互換的に称することができることは理解されるべきである。従って、(S)-2-アミノ-2-メチル-ヘキサン酸は、L-Nle(ノルロイシン)から誘導されたα,αジ置換アミノ酸、又はD-Alaから誘導されたα,αジ置換アミノ酸のいずれかということができる。同様に、Aibは、Alaから誘導されたα,αジ置換アミノ酸ということができる。α,αジ置換されたアミノ酸が提供される場合は常に、それらの(R)及び(S)配置の全てを含むことは理解されるべきである。

0111

「N-置換アミノ酸」は、任意にα-炭素位置にH以外の置換基が存在しない、アミノ酸側鎖部分が主鎖アミノ基に共有結合されているいずれかのアミノ酸を含む。サルコシンは、N-置換アミノ酸の例である。例として、サルコシン及びAlaのアミノ酸側鎖部分は、同じ、すなわちメチルである点において、サルコシンは、AlaのN-置換アミノ酸誘導体と称することができる。

0112

本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記された配列)を含む、本発明のペプチド配列の共有的修飾は、本発明に含まれている。共有的修飾の一つの型は、標的化されたアミノ酸残基を、該ペプチドの選択された側鎖又はN-若しくはC-末端残基と反応することが可能である有機誘導体化剤と反応させることを含む。二官能性物質による誘導体化は、例えば、抗-ペプチド抗体を精製する方法において使用するための、水-不溶性支持体マトリックス又は表面にペプチドを架橋結合するために、又はその逆で、有用である。通常使用される架橋結合剤は、例えば1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸とのエステル、3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)などのジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタンなどの二官能性マレイミド及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピイミダートなどの物質を含む。

0113

他の修飾は、グルタミニル残基及びアスパラギニル残基の、各々、対応するグルタミル残基及びアスパルチル残基への脱アミド化プロリン及びリジンの水酸化、セリル残基又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化(T. E. Creightonの文献、「タンパク質:構造及び分子特性(Proteins: Structure and Molecular Properties)」、W.H. Freeman & Co.、サンフランシスコ、79-86頁(1983))、N-末端アミンアセチル化、任意のC-末端カルボキシル基のアミド化などを含む。

0114

例示されたペプチド配列、並びに本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記された配列)はまた、安定性のための主鎖の変形、誘導体、及びペプチド模倣体を含むことができる。用語「ペプチド模倣体」は、ピペラジンコア分子、ケト-ピペラジンコア分子及びジアゼピンコア分子を含むが、これらに限定されるものではない、残基の模倣体である分子(「模倣体」と称する)を含む。別に指定しない限りは、本発明のペプチド配列のアミノ酸模倣体は、カルボキシル基及びアミノ基の両方、並びにアミノ酸側鎖に対応する基を含むか、又はグリシンの模倣体の場合は水素以外の側鎖は含まない。

0115

例として、これらは、天然のアミノ酸の立体障害表面電荷分布極性などを模倣する化合物を含むが、生物学的システムにおいて安定性を付与するアミノ酸である必要はないであろう。例えば、プロリンは、適切なサイズ及び置換の他のラクタム又はラクトンにより置換されることができ;ロイシンは、アルキルケトン、N-置換アミドにより置換されることに加え、アルキル、アルケニル若しくは他の置換基を使用しアミノ酸側鎖の長さを変動させることができ、他のものは当業者に明らかであろう。そのような置換を行うのに必須の要素は、該分子をデザインするために使用した残基とおおまかに同じサイズ及び電荷及び立体配置の分子を提供することである。これらの修飾の緻密化は、該化合物を機能アッセイ(例えばグルコース降下アッセイ)又は他のアッセイにおいて分析し、且つ構造活性相関を比較することにより行われるであろう。そのような方法は、医化学及び創薬の分野の業者の範囲内である。

0116

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記されたペプチドを含む)を含む、本発明のペプチド配列の別の修飾型は、グリコシル化である。本明細書において使用される「グリコシル化」は、広範に、1つ以上の糖部分(例えば、糖鎖)のタンパク質、脂質又は他の有機分子への存在、付加又は結合をいう。本明細書における用語「脱グリコシル化」の使用は、一般に、1つ以上の糖部分(例えば糖鎖)の除去又は欠失を意味することが意図される。加えて、この語句は、存在する様々な糖部分(例えば糖鎖)の種類及び割合(量)の変化に関与する、未変性タンパク質のグリコシル化における定性的変化を含む。

0117

グリコシル化は、アミノ酸残基の修飾によるか、又は未変性の配列に存在又は非存在し得る1以上のグリコシル化部位の追加により、実現することができる。例えば、典型的な非グリコシル化残基は、グリコシル化され得る残基で置換することができる。グリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列の変更により達成することができる。該ペプチド配列への変更は、例えば、1つ以上のセリン又はトレオニン残基(O-結合型グリコシル化部位について)又はアスパラギン残基(N-結合型グリコシル化部位について)の付加又は置換により行うことができる。N-結合型及びO-結合型オリゴ糖の構造と各型に認められる糖残基の構造は、異なってよい。両方に共通して認められる糖の一つの型は、N-アセチルノイラミン酸(以後シアル酸と称す)である。シアル酸は通常、N-結合型及びO-結合型の両オリゴ糖の末端残基であり、且つその陰性電荷のために、糖タンパク質に酸性特性をもたらし得る。

0118

本発明のペプチド配列は、ヌクレオチド(例えばDNA)レベルでの変化により、特に該ペプチドをコードしているDNAを所望のアミノ酸に翻訳されるコドンが生じるように予め選択された塩基で変異することにより、任意に変更することができる。該ペプチド上の糖鎖の数を増加する別の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的カップリングである(例えば、WO 87/05330参照)。脱グリコシル化は、基礎となるグリコシル化部位を除去することにより、化学的手段及び/又は酵素的手段によりグリコシル化を欠失することにより、又はグリコシル化されるアミノ酸残基をコードしているコドンの置換により実現することができる。化学的脱グリコシル化技術は公知であり、且つポリペプチド上の糖鎖の酵素的切断は、様々なエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼの使用により実現することができる。

0119

様々な細胞株を使用し、グリコシル化されるタンパク質を生成することができる。ひとつの非限定的例は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)-欠損チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であり、これは組換え糖タンパク質の生成に一般に使用される宿主細胞である。これらの細胞は、酵素β-ガラクトシドα-2,6-シアル酸転移酵素を発現せず、従ってα-2,6結合におけるシアル酸を、これらの細胞において生成される糖タンパク質のN-結合型オリゴ糖へ付加しない。

0120

別の修飾型は、別のタンパク質(例えば、対象タンパク質と異なるアミノ酸配列を有するタンパク質)、又は担体分子などの、本発明のペプチド配列のN-及び/又はC-末端での1以上の追加の成分又は分子の複合(例えば連結)である。従って、例示的ペプチド配列は、別の成分又は分子との複合体であることができる。

0121

いくつかの実施態様において、本発明のペプチド配列のアミノ末端又はカルボキシ末端は、免疫グロブリンFc領域(例えば、ヒトFc)に融合され、融合複合体(又は融合体分子)を形成することができる。Fc融合複合体は、生物薬剤全身半減期を増大することができ、その結果該生物薬剤製品は、延長された活性を有するか又は必要な投与頻度を減らすことができる。Fcは、血管を裏打ちしている内皮細胞内胎児性Fc受容体(FcRn)に結合し、且つ結合時に、このFc融合分子は、分解及び循環への再放出から保護され、該分子をより長く循環内に維持する。このFc結合は、それにより内在性IgGがそのより長い血漿半減期を保持する機序であると考えられる。周知であり且つ検証されたFc融合薬物は、薬物動態、溶解度、及び製造効率を向上するために、抗体のFc領域へ連結された生物薬剤の2つのコピーからなる。より最近のFc-融合技術は、従来のFc-融合複合体と比べ、該生物薬剤の薬物動態特性及び薬力学特性を最適化するための、抗体のFc領域への生物薬剤の単独コピーに結びつけられている。

0122

複合体修飾を使用し、第二分子の追加的又は相補的機能又は活性を伴う活性を維持するペプチド配列を作製することができる。例えば、溶解度、貯蔵、インビボ又は貯蔵半減期若しくは安定性、免疫原性の低下、インビボにおける遅延若しくは制御された放出を促進するために、例えばペプチド配列は、分子へ複合されることができる。他の機能又は活性は、複合されないペプチド配列に比べ毒性を低下する複合体、複合されないペプチド配列よりもより効率的にある種類の細胞又は臓器を標的化する複合体、又は本明細書に示した障害又は疾患(例えば糖尿病)に関連した原因又は作用に対抗するための薬物を含む。

0123

タンパク質療法の臨床的有効性は、短い血漿半減期及び易分解性により制限されることがある。様々な治療的タンパク質の研究は、(例えば、典型的にはタンパク質及び非タンパク質性ポリマー(例えばPEG)の両方へ共有的に結合された連結部分を介して)ペプチド配列を様々な非タンパク質性ポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンへ複合又は連結することを含む様々な修飾が、半減期を延長することができることを示している。そのようなPEG-複合された生体分子は、より良い物理安定性及び温度安定性酵素分解への感受性に対する保護、増加した溶解度、より長いインビボ循環半減期及び減少したクリアランス、低下した免疫原性及び抗原性、並びに低下した毒性を含む、臨床上有益な特性を有することが示されている。

0124

本発明のペプチド配列への複合に適したPEGは、一般に水中において室温で可溶性であり、且つ一般式R(O-CH2-CH2)nO-Rを有し、ここでRは水素又はアルキル基若しくはアルカノール基などの保護基であり、nは1〜1000の整数である。Rが保護基である場合、これは一般に1〜8個の炭素を有する。本ペプチド配列に複合されたPEGは、線形又は分岐型であることができる。分岐したPEG誘導体、「星型-PEG」及び多-アーム型PEGが、本発明に含まれる。本発明で使用されるPEGの分子量は、いずれか特定の範囲に限定されるものではないが、いくつかの実施態様は、分子量500〜20,000を有するのに対し、別の実施態様は、分子量4,000〜10,000を有する。

0125

本発明は、PEGが異なる「n」値を有し、その結果様々な異なるPEGが特定の比で存在する複合体の組成物を含む。例えば、一部の組成物は、n=1、2、3及び4である、複合体の混合物を含有する。一部の組成物において、n=1である複合体の割合は18〜25%であり、n=2である複合体の割合は50〜66%であり、n=3である複合体の割合は12〜16%であり、且つn=4である複合体の割合は最大5%である。そのような組成物は、当該技術分野において公知の反応条件及び精製方法により生成することができる。

0126

PEGは、本発明のペプチド配列へ直接的又は間接的(例えば、中間体を介して)結合することができる。例えば、一実施態様において、PEGは、末端反応基(「スペーサー」)を介して結合する。スペーサーは、例えば、1種以上のペプチド配列の遊離のアミノ基又はカルボキシル基と、ポリエチレングリコールの間の結合を媒介する末端反応基である。遊離アミノ基に結合することができるスペーサーを有するPEGは、ポリエチレングリコールのコハク酸エステルのN-ヒドロキシスクシニルイミドによる活性化により調製することができる、N-ヒドロキシスクシニルイミドポリエチレングリコールを含む。遊離アミノ基に結合することができる別の活性化されたポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルシアヌル酸クロリドとの反応により調製することができる、2,4-ビス(O-メトキシポリエチレングリコール)-6-クロロ-s-トリアジンである。遊離カルボキシル基に結合する活性化されたポリエチレングリコールは、ポリオキシエチレンジアミンを含む。

0127

スペーサーを有するPEGへの1種以上の本発明のペプチド配列の複合は、様々な従来の方法により実行することができる。例えばこの複合反応は、試薬のタンパク質に対するモル比4:1から30:1までを利用し、pH5〜10の溶液中で、温度4℃〜室温で、30分〜20時間かけて実行することができる。反応条件は、主として所望の置換度の作製に向かう反応を指向するように選択することができる。概して、低い温度、低いpH(例えば、pH=5)、及び短い反応時間は、結合されるPEGの数を減少させる傾向があるのに対し、高い温度、中性から高いpH(例えば、pH≧7)、及び比較的長い反応時間は、結合されるPEGの数を増加させる傾向がある。当該技術分野において公知の様々な方法を使用し、この反応を終結することができる。一部の実施態様において、この反応は、反応混合液酸性化、及び例えば-20℃での凍結により終結される。

0128

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(表1〜10及び配列表に列記されたペプチドを含む)を含む本発明のペプチド配列は更に、タンパク質;セファロースアガロースセルロースセルロースビーズなどの、多糖ポリグルタミン酸ポリリジンなどの、ポリマー性アミノ酸;アミノ酸コポリマー失活されたウイルス粒子ジフテリア破傷風コレラ由来のトキソイドロイコトキシン分子などの、失活された細菌性毒素;失活された細菌;及び、樹状細胞などの、大型のゆっくり代謝される巨大分子への複合を含む。そのような複合された形態は、望ましいならば、本発明のペプチド配列に対する抗体を産生するために使用することができる。

0129

追加の複合に適した成分及び分子としては、例えば、チログロブリンヒト血清アルブミン(HSA)などの、アルブミン破傷風トキソイドジフテリアトキソイドポリ(D-リジン:D-グルタミン酸)などの、ポリアミノ酸ロタウイルスのVP6ポリペプチド;インフルエンザウイルスヘマグルチニン、インフルエンザウイルス核タンパク質キーホールリンペットヘモシアニン(KLH);及び、B型肝炎ウイルスコアタンパク質及び表面抗原;又は、前述の任意の組合せが挙げられる。

0130

アルブミンの本発明のペプチド配列への融合は、例えば、HSA(ヒト血清アルブミン)をコードしているDNA又はそれらの断片が、ペプチド配列をコードしているDNAに連結されるなどの、遺伝子操作により実現することができる。その後好適な宿主を、融合体ポリペプチドを発現するように、例えば好適なプラスミドの形状で、この融合されたヌクレオチド配列により形質転換又はトランスフェクションすることができる。この発現は、インビトロの形態で、例えば原核細胞若しくは真核細胞において、又はインビボの形態で、例えばトランスジェニック生体において実行することができる。本発明の一部の実施態様において、融合タンパク質の発現は、哺乳動物の細胞株、例えばCHO細胞株において実行される。

0131

標的タンパク質又はペプチドをアルブミンへ遺伝子融合する更なる手段は、Albufuse(登録商標)(Novozymes Biopharma社;デンマーク)として公知の技術を含み、且つこの複合された治療的ペプチド配列は頻繁に生体に取り込まれやすくなり、はるかにより有効となり始める。この技術は、C型肝炎感染症を治療するために使用されるアルブミンとインターフェロンα-2Bの組合せである、Albuferon(登録商標)(Human Genome Sciences社)を製造するために商業的に利用されている。

0132

別の実施態様は、1種以上のヒトドメイン抗体(dAb)の使用を伴う。dAbは、ヒト抗体(IgG)の最も小さい機能性結合単位であり、且つ好ましい安定性及び溶解度の特徴を有する。この技術は、HSA及び関心対象の分子(例えば、本発明のペプチド配列)に複合されたdAbを伴う(これにより、「AlbudAb」が形成される;例えば、EP1517921B、WO2005/118642及びWO2006/051288参照)。AlbudAbは、多くの場合、ペプチドの血清半減期を延長するために使用される現在の技術よりも小さく、かつ細菌又は酵母などの微生物発現系において製造しやすい。HSAは、半減期約3週間を有するので、得られる複合された分子は、その半減期を改善する。dAb技術の使用はまた、関心対象の分子の有効性を増強することができる。

0133

追加の複合に適した成分及び分子は、単離又は精製に適したものを含む。特定の非限定的例としては、ビオチン(ビオチン−アビジン特異結合対)、抗体、受容体、リガンド、レクチンなどの結合性分子、又は例えばプラスチック若しくはポリスチレン製ビーズプレート又はビーズ、磁気ビーズ試験小片、及び膜などの固体支持体を含む分子などが挙げられる。

0134

陽イオン交換クロマトグラフィーなどの精製法を使用し、電荷差により複合体を分離することができ、これは複合体をそれらの様々な分子量に効果的に分離する。例えば、陽イオン交換カラムに装加し、且つその後〜20mM酢酸ナトリウム、pH〜4により洗浄し、その後pH3〜5.5、好ましくはpH〜4.5で緩衝された線形(0M〜0.5M)のNaCl勾配により溶離することができる。陽イオン交換クロマトグラフィーにより得られた画分の内容は、例えば、質量分析、SDS-PAGE、又は分子量により分子実体を分離する他の公知の方法などの、従来の方法を用い、分子量により同定することができる。次に、修飾されないタンパク質配列及び他の数の結合PEGを有する複合体を含まない、結合され精製されたPEGを所望の数有する複合体を含む画分が、状況に応じて同定される。

0135

更に別の実施態様において、本発明のペプチド配列は、非限定的に、タキソールサイトカラシンBグラミシジンD、マイトマイシンエトポシド、テノポシド、ビンクリスチンビンブラスチンコルヒチンドキソルビシンダウノルビシン、及びそれらの類似体又は相同体を含む細胞毒性薬を含む、化学物質(例えば、免疫毒素又は化学療法薬)に連結される。他の化学物質は、例えば、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン6-チオグアニンシタラビン5-フルオロウラシルダカルバジン);アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、カルムスチン及びロムスチンシクロスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファンジブロモマンニトールストレプトゾトシンマイトマイシンC、及びシスプラチン);抗生物質(例えば、ブレオマイシン);並びに、有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)を含む。細胞毒素は、当該技術分野において公知であり且つ本明細書に記載のリンカー技術を使用し、本発明のペプチドへ複合することができる。

0136

更に複合に適した成分及び分子は、アッセイにおける検出に適したものを含む。特定の非限定的例は、放射性同位体(例えば、125I;35S、32P;33P)、検出可能な生成物を生じる酵素(例えば、ルシフェラーゼβ-ガラクトシダーゼホースラディッシュペルオキシダーゼ及びアルカリホスファターゼ)、蛍光タンパク質発色性タンパク質、色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート);蛍光発光金属(例えば、152Eu);化学発光化合物(例えば、ルミノール及びアクリジニウム塩);生物発光化合物(例えば、ルシフェリン);並びに、蛍光タンパク質などの、検出可能な標識を含む。間接的標識物は、ペプチド配列に結合している標識された又は検出可能な抗体を含み、ここで該抗体は検出され得る。

0137

いくつかの実施態様において、本発明のペプチド配列は、放射性同位元素に複合され、診断薬又は治療薬として有用である、細胞傷害性放射性医薬(放射性免疫複合体)を作製する。そのような放射性同位元素の例は、ヨウ素131、インジウム111イットリウム90、及びルテチウム177を含むが、これらに限定されるものではない。放射性免疫複合体を調製する方法は、当業者には公知である。市販されている放射性免疫複合体の例としては、イブツモマブ、チウキセタン、及びトシツモマブが挙げられる。

0138

本発明のペプチド配列の循環半減期を延長し、安定性を増加し、クリアランスを減少するか、又は免疫原性若しくはアレルゲン性を変更するために本発明に含まれる他の手段及び方法は、該分子の特徴を修飾するために、他の分子に連結されているヒドロキシエチルデンプン誘導体を利用する、HES化(hesylation)によるペプチド配列の修飾に関与している。HES化の様々な態様は、例えば、米国特許出願第2007/0134197号及び第2006/0258607号に説明されている。

0139

本発明のペプチド配列を修飾するために使用される前述の成分及び分子のいずれかは、任意にリンカーを介して複合されてよい。好適なリンカーは、一般に修飾されたペプチド配列と連結された成分及び分子の間の動きを可能にするのに十分な長さである「可動性リンカー」を含む。これらのリンカー分子は一般に、約6〜50個の原子の長さである。これらのリンカー分子はまた、例えば、アリールアセチレン、2〜10のモノマー単位を含むエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、二酸、アミノ酸、又はそれらの組合せであることもできる。好適なリンカーは、容易に選択することができ、且つ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜30、30〜50個のアミノ酸(例えば、Gly)などのいずれか好適な長さであることができる。

0140

例証的可動性リンカーは、グリシンポリマー(G)n、グリシン-セリンポリマー(例えば、



ここでnは少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、及び他の可動性リンカーを含む。グリシンポリマー及びグリシン-セリンポリマーは、比較的構造化されておらず(unstructured)、そのため成分間のニュートラルテザーとして役立つことができる。可動性リンカーの例は、



を含むが、これらに限定されるものではない。

0141

表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列並びにFGF19/FGF21融合体及びキメラに加え、表1〜10及び配列表に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列は、本明細書に示す1つ以上の活性を有する。活性の一例は、胆汁酸ホメオスタシスの調整である。活性の別の例は、例えばFGF19と比べ、HCCの低下した刺激又は形成である。活性の追加の例は、例えばFGF21と比べ、より低い又は低下した脂質(例えば、トリグリセリド、コレステロール、非-HDL)又はHDLの増加活性である。活性の更なる例は、例えばFGF21と比べ、より低い又は低下した除脂肪筋肉量(lean muscle mass)の低下活性である。活性のまた別の例は、FGFR4への結合、又はFGFR4の活性化であり、例えば、FGFR4についてのFGF19結合親和性と同等又はより大きい親和性でFGFR4に結合するペプチド配列;並びに、FGFR4を活性化するFGF19と同等又はより大きい程度又は量までFGFR4を活性化するペプチド配列である。活性のまた更なる例は、胆汁酸に関係した又は関連した障害の治療を含む。

0142

より特定すると、表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列並びにFGF19/FGF21融合体及びキメラに加え、表1〜10及び配列表に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列は、下記の活性を伴うものを含む:FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、低下したHCC形成を有する一方で、胆汁酸ホメオスタシスを調整するか又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を治療するペプチド配列;FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より大きい胆汁酸調整活性を有するペプチド配列;FGF19、又はFGF19のアミノ酸16-20において



配列について置換された



のいずれかを有するFGF19変種配列と比べ、より少ない脂質増加活性(例えば、より少ないトリグリセリド、コレステロール、非-HDL)又はより多いHDL増加活性を有するペプチド配列;並びに、FGF21と比べ、より少ない除脂肪量低下活性を有するペプチド配列。

0143

より特定すると、表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列並びにFGF19/FGF21融合体及びキメラに加え、表1〜10及び配列表に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列は、下記の活性を伴うものを含む:胆汁酸ホメオスタシスを調整するペプチド配列;胆汁酸に関係した又は関連した障害を治療するペプチド配列;FGFR4に結合するか、又はFGFR4を活性化するペプチド配列、例えば、FGFR4についてのFGF19結合親和性と同等又はより大きい親和性でFGFR4に結合するペプチド配列;FGFR4を活性化するFGF19と同等又はより大きい程度又は量までFGFR4を活性化するペプチド配列;例えばFGF19と比べ、アルド-ケト還元酵素遺伝子発現をダウンレギュレーション又は低下するペプチド配列;並びに、FGF21と比べ溶質担体ファミリー1、メンバー2(Slc1a2)遺伝子発現をアップレギュレーション又は増加するペプチド配列。

0144

本明細書に開示されたように、変種は、FGF19の様々なN-末端修飾及び/又は切断を含み、これは1又は数個のN-末端FGF19アミノ酸が、FGF21由来のアミノ酸により置換されている変種を含む。そのような変種は、グルコース降下活性に加え、好ましい脂質プロファイルを有し、測定可能に若しくは検出可能に腫瘍原性ではない変種を含む。

0145

様々な特定の態様において、FGF19のループ-8領域(残基127-129は、ループ-8領域を構成すると規定される)への修飾は、グルコース降下活性を有し、更に実質的腫瘍原性を示すことなく、好ましい代謝パラメータを保持することが、本明細書において明らかにされている。本明細書において、FGF19残基127-129は、ループ-8領域を構成すると規定されるが、しかし文献において、ループ-8領域は、他の残基(例えば、残基125-129)を含むか又はこれらからなると規定されることがある。実施例8及び9に説明したように、FGF19フレームワークへのR127L及びP128E置換の特定の組合せは、HCC形成に対し予想外陽性作用を有した。更により驚くべきことに、R127L及びP128E置換並びにFGF19コア領域におけるLeu(L)のGln(Q)への置換の組合せ(例えば、表1〜4、9及び10に示されたコア領域配列を参照されたい)は、HCC形成の防止に対し、更により有意な作用を有した。従って、FGF19ループ-8領域の変種は、実質的に、測定可能な又は検出可能なHCC形成を減少又は排除することができるので、これらの変種が含まれる。更に、HCC形成を減少させる作用は、ループ-8領域の外側のアミノ酸残基の修飾(例えば、コア領域内のアミノ酸残基の置換)により増強され得る。

0146

例えば胆汁酸ホメオスタシスの調整、グルコース降下活性、胆汁酸に関係した又は関連した障害の分析、HCC形成又は腫瘍形成、脂質増加活性、又は除脂肪量低下活性などの活性は、db/dbマウスなどの動物において確認することができる。FGFR4への結合又はFGFR4の活性化の測定は、本明細書に開示されたアッセイ又は当業者に公知のアッセイにより確認することができる。

0147

用語「結合する」又は「結合している」は、ペプチド配列に関して使用される場合、ペプチド配列が、分子レベルで相互作用することを意味する。従ってFGFR4に結合するペプチド配列は、FGFR4配列の全て又は一部に結合する。特異的及び選択的結合は、当該技術分野において公知のアッセイ(例えば、競合結合、免疫沈降ELISAフローサイトメトリーウェスタンブロット)を使用し、非特異的結合から区別することができる。

0148

ペプチド及びペプチド模倣体は、当該技術分野において公知の方法を用い、生成し且つ単離することができる。ペプチドは、化学的方法を用い、全体又は一部を合成することができる(例えば、Caruthersの文献、(1980)、Nucleic AcidsRes. Symp. Ser. 215;Hornの文献、(1980);及び、Banga, A.K.の文献、「治療用ペプチド及びタンパク質、製剤、処理及び送達システム(Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems)、(1995)、Technomic Publishing社、ランカスター、PAを参照されたい)。ペプチド合成は、様々な固相技術を使用し、実行することができ(例えば、Robergeの文献、Science 269:202 (1995);Merrifieldの文献、Methods Enzymol. 289:3 (1997)参照)、且つ例えばABI431Aペプチド合成装置(Perkin Elmer社)を製造業者の指示に従い使用し、自動合成を実行することができる。ペプチド及びペプチド模倣体はまた、コンビナトリアル的方法を用いて合成することもできる。合成残基及び模倣体を取り込んでいるポリペプチドは、当該技術分野において公知の様々な手順及び方法を用い、合成することができる(例えば、「有機合成(Organic Syntheses)」、累積版、Gilmanら(編集)、John Wiley & Sons社、NY参照)。修飾されたペプチドは、化学修飾法により生成することができる(例えば、Belousovの文献、Nucleic Acids Res., 25:3440 (1997);Frenkelの文献、Free Radic. Biol. Med. 19:373 (1995);及び、Blommersの文献, Biochemistry, 33:7886 (1994)参照)。ペプチド配列の変動、誘導体化、置換及び修飾は同じく、オリゴヌクレオチド-媒介型(部位特異的)変異誘発、アラニンスキャニング、及びPCRベースの変異誘発などの方法を用い、行うことができる。部位特異的変異誘発(Carterらの文献、Nucl. Acids Res., 13:4331 (1986);Zollerらの文献、Nucl. Acids Res. 10:6487 (1987))、カセット変異誘発(Wellsらの文献、Gene 34:315 (1985))、制限部位選択変異誘発(Wellsらの文献、Philos. Trans. R. Soc. London SerA 317:415 (1986))及び他の技術を、本発明のペプチド配列、変種、融合体及びキメラ、並びにそれらの変動、誘導体化、置換及び修飾を生成するために、クローニングされたDNAについて実行することができる。

0149

「合成された」又は「製造された」ペプチド配列とは、手作業による操作に関与する任意の方法により作製されたペプチドである。そのような方法は、前述のもの、例えば化学合成組換えDNA技術、大型分子の生化学的又は酵素的断片化、及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。

0150

例示されたペプチド配列の部分配列、配列変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記された配列)を含む本発明のペプチド配列は、キメラ分子を形成するように、修飾することもできる。本発明に従い、異種ドメインを含むペプチド配列が提供される。そのようなドメインは、該ペプチド配列のアミノ末端又はカルボキシル-末端に付加することができる。異種ドメインはまた、該ペプチド配列内に配置されるか、並びに/又は代わりにFGF19及び/若しくはFGF21由来のアミノ酸配列の側方に位置することができる。

0151

用語「ペプチド」はまた、ペプチドの二量体又は多量体(オリゴマー)も含む。本発明に従い、例示されたペプチド配列に加え、例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記された配列)の二量体又は多量体(オリゴマー)も提供される。

0152

本発明は更に、表1〜10及び配列表に列記された配列の部分配列、配列変種及び修飾形を含む本発明のペプチド配列をコードしている核酸分子、並びに該ペプチドをコードしている核酸を含むベクターを提供する。従って「核酸」は、本明細書に開示された例示されたペプチド配列をコードしているものに加え、例示されたペプチド配列の機能性部分配列、配列変種及び修飾形をコードしているものが、少なくとも検出可能な又は測定可能な活性又は機能を維持している限りは、これらを含む。例えば、グルコースを降下又は低下する能力の一部を維持する、本明細書に開示された例示されたペプチド配列の部分配列、変種又は修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記された配列)は、正常なグルコースホメオスタシスを提供するか、又はインビボにおいて慢性若しくは急性高血糖症などに関連した組織病理学的状態を軽減する。

0153

本明細書において遺伝子、ポリヌクレオチド、ヌクレオチド配列、プライマー、オリゴヌクレオチド又はプローブとも称される核酸は、任意の長さの天然の又は修飾されたプリン-及びピリミジン-含有ポリマーポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチド又は混合型ポリリボ-ポリデオキシリボヌクレオチド及びそれらのα-アノマー型のいずれかをいう。2種以上のプリン-及びピリミジン-含有ポリマーは典型的には、ホスホエステル結合により又はそれらの類似体によって連結される。これらの用語は、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)を含む、核酸の全ての型を意味するよう、互換的に使用される。これらの核酸は、単鎖二重鎖、又は三重鎖、線状又は環状であることができる。核酸は、ゲノムDNA及びcDNAを含む。RNA核酸は、スプライシングされるか又はされないmRNArRNAtRNA又はアンチセンスであることができる。核酸は、天然、合成のものに加え、ヌクレオチド類似体及び誘導体を含む。

0154

遺伝暗号縮重の結果として、核酸分子は、本発明のペプチド配列をコードしている核酸分子に関して縮重している配列を含む。従って、本明細書に例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(例えば、表1〜10及び配列表に列記された配列)を含む、ペプチド配列をコードしている縮重した核酸配列が提供される。用語「相補的」とは、核酸配列に関して使用する場合、言及された領域が、100%相補的であること、すなわちミスマッチのない100%の塩基対合を示すことを意味する。

0155

核酸は、様々な公知の標準クローニング法及び化学合成法のいずれかを用いて、生成することができ、且つ部位特異的変異誘発又は当業者に公知の他の組換え技術により、意図的に変更することができる。ポリヌクレオチドの純度は、配列決定ゲル電気泳動、UV分光法により決定することができる。

0156

核酸は、「発現カセット」と本明細書において称される、そこでの核酸の発現が「発現制御エレメント」により影響されるか又は調整される核酸構築体に挿入されてよい。用語「発現制御エレメント」とは、機能的に有効に連結されている核酸配列の発現を調整するか又はこれに影響を及ぼす1以上の核酸配列エレメントをいう。発現制御エレメントは、適宜、プロモーターエンハンサー転写ターミネーター、遺伝子サイレンサー、タンパク質をコードしている遺伝子の前の開始コドン(例えばATG)などを含むことができる。

0157

核酸配列に機能的に有効に連結された発現制御エレメントは、核酸配列の転写及び適切ならば、翻訳を制御する。用語「機能的に有効に連結された」とは、言及された成分が、それらの意図された様式で機能することを可能にする関係である隣接位置をいう。典型的には、発現制御エレメントは、遺伝子の5'末端又は3'末端に並置されるが、イントロン性であることもできる。

0158

発現制御エレメントは、転写を構成的に活性化するエレメントを含み、これは、誘導性(すなわち、活性化のために外部シグナル又は刺激を必要とする)、又は抑制解除性(すなわち、転写を停止するためにシグナルを必要とする;該シグナルが最早存在しない場合は、転写は活性化又は「抑制解除」される)である。遺伝子発現を特定の細胞型又は組織について制御可能とするのに十分である制御エレメント(すなわち、組織-特異性制御エレメント)も、本発明の発現カセット中に含まれる。典型的には、そのようなエレメントは、コード配列上流又は下流(すなわち、5'側及び3'側)に位置する。プロモーターは一般に、コード配列の5'側に配置される。組換えDNA技術又は合成技術により作出されたプロモーターを使用し、本発明のポリヌクレオチドの転写を提供することができる。「プロモーター」は典型的には、転写を指示するのに十分である最小配列エレメントを意味する。

0159

核酸は、宿主細胞への形質転換のために、並びに後続の発現及び/又は遺伝子操作のためにプラスミドへ挿入することができる。プラスミドは、宿主細胞において安定して増殖することができる核酸であり;プラスミドは、該核酸の発現を駆動するための発現制御エレメントを任意に含んでよい。本発明の目的に関して、ベクターは、プラスミドと同義語である。プラスミド及びベクターは一般に、細胞及びプロモーターにおける増殖のために少なくとも複製起点を含む。プラスミド及びベクターはまた、例えば、宿主細胞における発現のための発現制御エレメントを含むことができ、その結果、例えばペプチド配列をコードするか、宿主細胞及び生物(例えば、治療が必要な対象)においてペプチド配列を発現するか、又はペプチド配列を作出する核酸の発現及び/又は遺伝子操作に有用である。

0160

本明細書において使用される用語「導入遺伝子」は、人工的に(by artifice)細胞又は生物へ導入されているポリヌクレオチドを意味する。例えば、導入遺伝子を有する細胞では、該導入遺伝子は、細胞の遺伝子操作又は「形質転換」により導入されている。その中に導入遺伝子が導入されている細胞又はそれらの子孫は、「形質転換された細胞」又は「形質転換体」と称される。典型的には、導入遺伝子は、形質転換体の子孫に含まれるか、又はその細胞から発生する生物の一部となる。導入遺伝子は、染色体DNAへ挿入されるか、又は自己複製プラスミド、YAC、ミニ染色体などとして維持される。

0161

細菌系プロモーターは、T7、並びにバクテリオファージλのpL、plac、ptrp、ptac(ptrp-lacハイブリッドプロモーター)などの誘導性プロモーター及びテトラサイクリン反応性プロモーターを含む。昆虫細胞系プロモーターは、構成的又は誘導性プロモーター(例えば、エクジソン)を含む。哺乳動物細胞構成的プロモーターは、SV40、RSVウシ乳頭腫ウイルス(BPV)及び他のウイルスプロモーター、又は哺乳動物細胞のゲノム由来の誘導性プロモーター(例えば、メタロチオネインIIAプロモーター;熱ショックプロモーター)、又は哺乳動物のウイルス由来の誘導性プロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;誘導性マウス乳癌ウイルス末端反復配列を含む。或いはレトロウイルスゲノムは、好適な宿主細胞にペプチド配列を導入し、且つ発現を指示するように、遺伝子修飾されることができる。

0162

本発明の方法及び使用は、インビボ送達を含む場合、発現系は更に、インビボ使用のためにデザインされたベクターを含む。特定の非限定的例としては、アデノウイルスベクター(米国特許第5,700,470号及び第5,731,172号)、アデノ随伴ウイルスベクター(米国特許第5,604,090号)、単純ヘルペスウイルスベクター(米国特許第5,501,979号)、レトロウイルスベクター(米国特許第5,624,820号、第5,693,508号及び第5,674,703号)、BPVベクター(米国特許第5,719,054号)、CMVベクター(米国特許第5,561,063号)、並びにパルボウイルス、ロタウイルス、ノーウォークウイルス及びレンチウイルスベクター(例えば、米国特許第6,013,516号参照)が挙げられる。ベクターは、幹細胞を含む腸管の細胞へ、遺伝子を送達するものを含む(Croyleらの文献、Gene Ther. 5:645 (1998);S.J. Henningの文献、Adv. Drug Deliv. Rev. 17:341 (1997)、米国特許第5,821,235号及び第6,110,456号)。これらのベクターの多くは、臨床試験のために承認されている。

0163

酵母ベクターは、構成的プロモーター及び誘導性プロモーターを含む(例えば、Ausubelらの文献、「分子生物学最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」、第2巻13章、Greene編集、Publish. Assoc. & Wiley Interscience社、1988;Grantらの文献、Methodsin Enzymology, 153:516 (1987), Wu及びGrossman編集;Bitterの文献、Methods in Enzymology, 152:673 (1987), Berger及びKimmel編集, Acad. Press社、N.Y.;及び、Strathernらの文献、「酵母サッカロミセスの分子生物学(The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces)」、(1982) Cold Spring Harbor Press編集、第I巻及び第II巻を参照されたい)。ADH若しくはLEU2などの構成的酵母プロモーター又はGALなどの誘導性プロモーターを使用することができる(R. Rothsteinの文献、「DNAクローニング、実践法(DNA Cloning, A Practical Approach)」、第11巻3章、D.M. Glover編集、IRL Press社、ワシトンD.C.、1986)。例えば相同組換えを介し、外来核酸配列酵母染色体への組み込みを促進するベクターは、当該技術分野において公知である。挿入されたポリヌクレオチドが、より一般的なベクターには大きすぎる(例えば約12Kbよりも大きい)場合には、酵母人工染色体(YAC)が典型的には使用される。

0164

発現ベクターは、選択圧抵抗を付与する選択マーカー又は同定可能なマーカー(例えば、β-ガラクトシダーゼ)を含むこともでき、これにより該ベクターを有する細胞を選択、成長及び拡大することが可能である。或いは、選択マーカーは、ペプチド配列をコードしている核酸を含む第一のベクターにより、宿主細胞へ同時トランスフェクションされる第二のベクター上にあることができる。選択システムは、各々、tk-細胞、hgprt-細胞又はaprt-細胞において利用することができる、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子(Wiglerらの文献、Cell, 11:223 (1977))、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Szybalskaらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 48:2026 (1962))、及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Lowyらの文献、Cell, 22:817 (1980))を含むが、これらに限定されるものではない。加えて、代謝拮抗物質抵抗性は、メトトレキセートに対する抵抗性を付与するdhfr(O'Hareらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78:1527 (1981));ミコフェノール酸に対する抵抗性を付与するgpt遺伝子(Mulliganらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78:2072 (1981));アミノ配糖体G-418に対する抵抗性を付与するネオマイシン遺伝子(Colberre-Garapinらの文献、J. Mol. Biol. 150:1(1981));ピューロマイシン;並びに、ヒグロマイシンに対する抵抗性を付与するヒグロマイシン遺伝子(Santerreらの文献、Gene, 30:147 (1984))の選択の基礎として使用することができる。追加の選択可能な遺伝子は、細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用することを可能にするtrpB;ヒスチジンの代わりにヒスチノール(histinol)を利用することを可能にするhisD(Hartmanらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:8047 (1988));及び、オルニチンデカルボキシラーゼインヒビターである2-(ジフルオロメチル)-DL-オルニチン(DFMO)に対する抵抗性を付与するODC(オルニチンデカルボキシラーゼ)(McConlogueの文献、(1987)、「分子生物学の最新情報(Current Communications in Molecular Biology)」、Cold Spring Harbor Laboratory)を含む。

0165

本発明に従い、本明細書記載のFGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体を生成する形質転換細胞(インビトロ、エクスビボ及びインビボ)並びに宿主細胞が提供され、ここでFGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体の発現は、FGF19及び/又はFGF21の変種又は融合体をコードしている核酸によりもたらされる。本発明のペプチド配列を発現する形質転換細胞及び宿主細胞は典型的には、本発明のペプチド配列をコードしている核酸を含む。一実施態様において、形質転換細胞又は宿主細胞は、原核細胞である。別の実施態様において、形質転換細胞又は宿主細胞は、真核細胞である。様々な態様において、真核細胞は、酵母又は哺乳動物(例えば、ヒト、霊長類など)の細胞である。

0166

本明細書において使用される「形質転換」細胞又は「宿主」細胞は、コードされたペプチド配列の発現を増大及び/又は転写することができる核酸が導入される細胞である。この用語はまた、宿主細胞の子孫又はサブクローンを含む。

0167

形質転換細胞及び宿主細胞は、細菌及び酵母などの微生物;並びに、植物、昆虫及び哺乳動物の細胞を含むが、これらに限定されるものではない。例えば、組換えバクテリオファージ核酸、プラスミド核酸若しくはコスミド核酸発現ベクターにより形質転換された細菌;組換え酵母発現ベクターにより形質転換された酵母;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)により感染された、若しくは組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)により形質転換された、植物細胞システム;組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)により感染された昆虫細胞システム;並びに、組換えウイルス発現ベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス)により感染された動物細胞システム、又は一過性又は安定した増殖又は発現のために操作された形質転換された動物細胞システムを含む。

0168

遺伝子治療での使用及び方法のために、形質転換細胞は、対象内にあることができる。対象内の細胞は、インビボにおいて、本明細書に示した本発明のペプチド配列をコードしている核酸により形質転換されることができる。或いは細胞は、インビトロにおいて、導入遺伝子又はポリヌクレオチドにより形質転換され、その後治療を達成するために、対象の組織に移植されることができる。或いは初代細胞離株又は樹立された細胞株は、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又はFGF19の全て又は一部を含むか若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)をコードしている導入遺伝子又はポリヌクレオチドにより形質転換され、その後任意に対象の組織に移植されることができる。

0169

ペプチド配列の発現のための、特にインビボにおける発現のための非限定的標的細胞は、膵細胞(島細胞)、筋肉細胞粘膜細胞及び内分泌細胞を含む。そのような内分泌細胞は、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又はFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)の誘導的生成(分泌)を提供することができる。形質転換するための追加の細胞は、幹細胞、又は例えば多様な膵細胞(島細胞)、筋肉細胞、粘膜細胞及び内分泌細胞へと分化する始原細胞などの、他の多分化能細胞又は多能性細胞を含む。幹細胞の標的化は、本発明のペプチド配列のより長期の発現を提供する。

0170

本明細書において使用される用語「培養された」とは、細胞に関して使用する場合、細胞がインビトロにおいて成長することを意味する。そのような細胞の特定の例は、対象から単離された細胞、及び組織培養物中で成長されるか又は成長のために順応された細胞である。別の例は、インビトロにおいて遺伝子操作された細胞、及び同じ又は異なる対象へと戻し移植された細胞である。

0171

用語「単離された」とは、細胞に関して使用する場合、その天然のインビボ環境から分離される細胞を意味する。「培養された」細胞及び「単離された」細胞は、遺伝子形質転換など、手作業により操作されてよい。これらの用語は、細胞分裂時に生じる変異のために、親の細胞と同一でないことがある子孫細胞を含む、該細胞の任意の子孫を含む。これらの用語は、ヒト全体を含まない。

0172

本発明のペプチド配列をコードしている核酸は、安定した発現のために、生物全体の細胞へ導入することができる。非-ヒトトランスジェニック動物を含むそのような生物は、動物全体におけるペプチド発現の効果及び治療的利益の研究に有用である。例えば本明細書に開示されるように、マウスにおいて、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又は本明細書に示したFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)は、胆汁酸ホメオスタシスを調整する。

0173

特定の疾患(例えば、糖尿病、変性疾患、癌など)を発症するか又は発症し易いマウス系統はまた、該疾患易罹患性のマウスにおいて、治療用タンパク質発現の効果を研究するために、本明細書において説明される治療用タンパク質を導入するのに有用である。ストレプトゾトシン(STZ)-誘導性糖尿病(STZ)マウスなどの、特定の病態又は生理的状態に易罹患性であるトランスジェニック及び遺伝的動物モデルは、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又は本明細書に示したFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)を発現するのに適した標的である。従って本発明に従い、FGF19及び/若しくはFGF21の変種、又はFGF19の全て又は一部を含む若しくはFGF21の全て又は一部を含むキメラペプチド配列などの、それらの融合体/キメラ配列(若しくは変種)を生成する、非-ヒトトランスジェニック動物が提供され、その生成は、動物においては天然には生じず、これは動物の体細胞又は生殖細胞に存在する導入遺伝子によりもたらされる。

0174

用語「トランスジェニック動物」とは、その動物の体細胞又は生殖系列細胞が、微量注入又は組換えウイルスによる感染などによる細胞下レベルでの計画的な遺伝子操作により、直接又は間接に受け取った遺伝情報を生じる動物をいう。用語「トランスジェニック」とは更に、本明細書に記載のように遺伝子操作されたトランスジェニック動物から得られた細胞又は組織(すなわち、「トランスジェニック細胞」、「トランスジェニック組織」)を含む。本文脈において、「トランスジェニック動物」は、古典的交雑又は体外受精により作出された動物は包含せず、むしろ1つ以上の細胞が核酸分子を受け取っている動物を意味する。発明のトランスジェニック動物は、その導入遺伝子に関してヘテロ接合又はホモ接合のいずれかであることができる。マウス、ヒツジブタ及びカエルを含むトランスジェニック動物を作出する方法は、当該技術分野において周知であり(例えば、米国特許第5,721,367号、第5,695,977号、第5,650,298号、及び第5,614,396号参照)、従ってこれらは追加的に含まれる。

0175

ペプチド配列、ペプチド配列をコードしている核酸、ペプチド配列を発現しているベクター及び形質転換された宿主細胞は、単離された形態及び精製された形態を含む。用語「単離された」とは、発明の組成物の修飾語句として使用される場合、組成物が、環境中の1種以上の成分から、実質的に完全に又は少なくとも一部分離されていることを意味する。一般に天然に存在する組成物は、単離される場合、天然にそれらが通常会合している1種以上の物質、例えば1種以上のタンパク質、核酸、脂質、炭水化物又は細胞膜を実質的に含まない。用語「単離された」は、変種、修飾又は誘導体化された形態、融合体及びキメラ、多量体/オリゴマーなどの組成物の代替の物理的形態、又は宿主細胞において発現された形態を除外しない。用語「単離された」はまた、そのいずれかが手作業により作製される、その中に組合せで存在する形態(例えば、医薬組成物、組合せ組成物など)を除外しない。

0176

「単離された」組成物はまた、夾雑物又は望ましくない物質若しくは材料などの、1種以上の他の材料の一部、相当数、又はほとんど若しくは全てを含まない場合に、「精製される」ことができる。本発明のペプチド配列は一般に、天然に存在することは知られていないか又は存在するとは考えられていない。しかし、天然に存在する組成物に関して、単離された組成物は一般に、それが典型的には天然に会合している他の材料の一部、相当数、又はほとんど若しくは全てを含まないであろう。従って、同じく天然に生じる単離されたペプチド配列は、例えば、タンパク質ライブラリーのタンパク質又はゲノムライブラリー若しくはcDNAライブラリー中の核酸などの、非常に多数の他の配列の中に存在するポリペプチド又はポリヌクレオチドを含まない。「精製された」組成物は、1以上の他の不活性分子又は活性分子との組合せを含む。例えば、本発明のペプチド配列は、例えば、グルコース降下薬又は治療薬などの、他の薬物又は薬剤と組合せた。

0177

本明細書に使用される用語「組換え」とは、ペプチド配列、ペプチド配列をコードしている核酸などの修飾語句として使用される場合、組成物が、一般に天然(例えばインビトロ)においては生じない様式で操作されている(すなわち、設計されている(engineered))ことを意味する。組換えペプチドの特定の例は、本発明のペプチド配列が、ペプチド配列をコードしている核酸でトランスフェクションされた細胞により発現されている場合である。組換え核酸の特定の例は、ペプチド配列をコードしている核酸(例えば、ゲノム又はcDNA)が、該遺伝子が生物のゲノムで通常近接している5'領域、3'領域又はイントロン領域を伴い又は伴わずに、プラスミドへクローニングされている場合である。別の組換えペプチド又は核酸の例は、FGF19の一部及びFGF21の一部を含むキメラペプチド配列などの、ハイブリッド又は融合体配列である。

0178

本発明に従い、例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21変種及び部分配列、並びに表1〜10及び配列表に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラを含む)を含む、本発明のペプチド配列の組成物及び混合物が提供される。一実施態様において、混合物は、1種以上のペプチド配列及び医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含有する。別の実施態様において、混合物は、1種以上のペプチド配列、並びに胆汁酸ホメオスタシス調整又は抗-糖尿病性若しくはグルコース降下性の薬物若しくは治療薬などの補助薬又は治療薬を含有する。医薬として許容し得る担体又は賦形剤中の1種以上のペプチド配列の、1種以上の胆汁酸ホメオスタシス調整若しくは胆汁酸に関係した又は関連した障害の治療、又は抗-糖尿病性若しくはグルコース降下性の薬物若しくは治療薬との組合せなども、提供される。本発明のペプチド配列と、例えば胆汁酸ホメオスタシス調整又は該酸に関係した若しくは関連した障害の治療、又はグルコース降下性薬物又は治療薬などの別の薬物又は薬剤とのそのような組合せは、例えば対象の治療に関して、本発明の方法及び使用に従い有用である。

0179

組合せはまた、本発明のペプチド配列又は核酸の、ポリエステル、炭水化物、ポリアミン酸(polyamine acid)、ヒドロゲルポリビニルピロリドンエチレン-酢酸ビニルメチルセルロースカルボキシメチルセルロース硫酸プロタミン、又はラクチド/グリコリドコポリマーポリラクチド/グリコリドコポリマー、又はエチレン酢酸ビニルコポリマーなどの、粒子又は高分子物質への組み込み;例えば、各々、ヒドロキシメチルセルロース若しくはゼラチン-マイクロカプセル、又はポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルを使用する、コアセルベーション技術によるか又は界面重合により調製されたマイクロカプセル中の捕獲高分子複合体ナノ-カプセルミクロスフェア、ビーズ、並びに例えば水中油型エマルション、ミセル、混合型ミセル、及びリポソームを含む脂質-ベースのシステム(例えば、N-ラウロイル、N-オレオイルなどのN-脂肪酸アシル基ドデシルアミン、オレオイルアミンなどの脂肪酸アミンなど、米国特許第6,638,513号参照)などのコロイド薬物送達システム及び分散システム中への組み込みを含む。

0180

本明細書に示されたような例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列、並びに表1〜10及び配列表に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラを含む)を含む発明のペプチドは、グルコース代謝を調整し、且つ血液から筋肉、肝臓及び脂肪などの重要な代謝臓器へのグルコースの輸送を促進するために使用することができる。そのようなペプチド配列は、耐糖能を回復するのに及び/又はグルコースホメオスタシスを改善若しくは正常とするのに十分な量又は有効な量で生成され得る。

0181

本明細書に開示されたように、マウスへの様々なFGF19及び/FGF21変種並びに融合体ペプチド配列の投与は、胆汁酸ホメオスタシスをうまく調整した。更にFGF19とは対照的に、いくつかのペプチド配列は、マウスにおいてHCC形成又は腫瘍形成を刺激又は誘導しなかった。従って、例示されたペプチド配列の部分配列、変種及び修飾形(表1〜10及び配列表に列記されたFGF19及びFGF21の変種及び部分配列、並びに表1〜10及び配列表に列記されたFGF19/FGF21融合体及びキメラを含む)を含む発明のペプチドの、インビボ法又はエクスビボ法の直接又は間接のいずれかによる動物への投与(例えば、該変種若しくは融合体ペプチド、該変種若しくは融合体ペプチドをコードしている核酸、又は該変種若しくは融合体ペプチドを発現している形質転換された細胞若しくは遺伝子治療ベクターの投与)は、胆汁酸に関係した又は関連した障害などの、様々な障害の治療に使用することができる。

0182

従って本発明は、インビトロ、エクスビボ及びインビボ(例えば、対象への又は対象における)の方法及び使用を含む。そのような方法及び使用は、本明細書に示した任意の本発明のペプチド配列により実践することができる。

0183

本発明に従い、障害を有するか又は有するリスクのある対象を治療する方法が提供される。様々な実施態様において、方法は、本明細書に開示されたFGF19又はFGF21変種、融合体若しくはキメラ(例えば、表1〜10参照)、又は本明細書に開示されたFGF19若しくはFGF21変種、融合体若しくはキメラの部分配列、変種若しくは修飾形(例えば、表1〜10及び配列表参照)などのペプチド配列を、該障害を治療するのに有効な量で対象へ投与することを含む。

0184

発明のペプチド並びに方法及び使用により治療、予防などが可能な障害の例は、胆汁酸に関係した又は関連した障害を含む。疾患及び障害の非限定的例は、以下を含む:メタボリック症候群;脂質又はグルコース関連障害;コレステロール又はトリグリセリド代謝;2型糖尿病;例えば、肝内の胆汁鬱滞の疾患(例えば、PBC、PFIC、PSC、PIC、新生児胆汁鬱滞、及び薬物誘発性胆汁鬱滞(例えば、エストロゲン))、並びに、肝外胆汁鬱滞の疾患(例えば、腫瘍由来の胆管圧縮、胆石による胆管閉塞)を含む、胆汁鬱滞;回腸切除、炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び潰瘍性大腸炎)、下痢(例えばBAD)及びGI症状に繋がる以外特徴づけられない(特発性)胆汁酸の吸収を損なう障害、並びにGI癌、肝臓癌、及び/又は胆嚢癌(例えば、結腸癌及び肝細胞癌)を含む、胆汁酸吸収不良及び遠位小腸に関与する他の障害;並びに/又は、NASH、肝硬変及び門脈圧亢進症の一因となるものなどの、胆汁酸合成異常。治療のために、本発明のペプチド配列は、胆汁酸ホメオスタシスの調整を必要とする対象又は胆汁酸に関係した若しくは関連した障害を有する対象へ、投与することができる。本発明のペプチド配列はまた、腎損傷(例えば、尿細管損傷又は腎症)、肝変性、眼損傷(例えば、糖尿病性網膜症又は白内障)、及び糖尿病による足の障害を含む、他の高血糖-関連障害;脂質異常症及び例えばアテローム性動脈硬化症冠動脈疾患脳血管障害などのそれらの後遺症においても有用であることができる。

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