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技術 標的物をinsitu検出するための近接アッセイ

出願人 ヴェンタナメディカルシステムズ,インク.
発明者 ファレル,マイケルホン,ルイチアン,ゼユ
出願日 2014年3月11日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-562082
公開日 2016年4月25日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-512324
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 実効距離 実効サイズ 自動手順 平均範囲 オープン構造 統計的測定 DSTN 有色物質
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図面 (19)

課題・解決手段

酵素的ビオチン化を利用して、試料中の標的物、特に、自動染色プラットフォームを用いるホルマリン固定パラフィン包埋試料を検出する近接検出方法が記載される。1つの開示された実施態様は、ビオチンリガーゼ及び第1の標的に近位で結合する第1の特異的結合部分を含む第1のコンジュゲートと試料を接触させる工程と、ビオチンリガーゼ基質及び第2の標的に近位で結合する第2の特異的結合部分を含む第2のコンジュゲートと試料を接触させる工程と、第1の標的及び第2の標的が近接配置を有するとき、ビオチンリガーゼによるビオチンリガーゼ基質のビオチン化を可能にする条件に試料を供する工程と、ビオチンリガーゼ基質のビオチン化を検出する工程とを含む。基質のビオチン化を可能にする条件は、ビオチン及びATPの添加を含む。方法はまた、ストレプトアビジン酵素コンジュゲートと試料を接触させる工程も含み得る。シグナル増幅も使用され得る。

概要

背景

タンパク質タンパク質相互作用ネットワーク生物系の顕著な特徴である。タンパク質−タンパク質相互作用は、正常細胞及び癌性細胞における細胞機能のあらゆる側面を調節するシグナル経路を形成する。一過性受容体型チロシンキナーゼ二量体化及び細胞外増殖因子活性化後の複合体形成などの、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するための方法が開発されている。しかし、これらの方法は、ホルマリン固定パラフィン包組織で使用されるように特に設計されているわけではない。

近接ライゲーションアッセイは、近年OLink ABにより開発された。これは、ホルマリン固定パラフィン包埋組織におけるタンパク質−タンパク質相互作用をin situ検出するための唯一公知の市販品である。近接ライゲーションアッセイ技術は、DNAリガーゼを使用してパッドロック環状DNAテンプレートのほか、ローリングサークル増幅用のPhi29DNAポリメラーゼを生成する。これらの酵素は高価である。さらに、これらの酵素は、自動化システム及び方法で使用するのに適していない。これらの理由のため、近接ライゲーションアッセイは、商業的応用には一般に有用と見なされていない。

乱れ細胞経路(複数)を理解することは、癌患者個別化診断及び治療にますます重要となることから、ホルマリン固定パラフィン包埋組織でのin situタンパク質−タンパク質検出は、組織診断における満たされていない医学ニーズとなる。

概要

酵素的ビオチン化を利用して、試料中の標的物、特に、自動染色プラットフォームを用いるホルマリン固定パラフィン包埋試料を検出する近接検出方法が記載される。1つの開示された実施態様は、ビオチンリガーゼ及び第1の標的に近位で結合する第1の特異的結合部分を含む第1のコンジュゲートと試料を接触させる工程と、ビオチンリガーゼ基質及び第2の標的に近位で結合する第2の特異的結合部分を含む第2のコンジュゲートと試料を接触させる工程と、第1の標的及び第2の標的が近接配置を有するとき、ビオチンリガーゼによるビオチンリガーゼ基質のビオチン化を可能にする条件に試料を供する工程と、ビオチンリガーゼ基質のビオチン化を検出する工程とを含む。基質のビオチン化を可能にする条件は、ビオチン及びATPの添加を含む。方法はまた、ストレプトアビジン酵素コンジュゲートと試料を接触させる工程も含み得る。シグナル増幅も使用され得る。

目的

アッセイは、試料の細胞状況を維持しながら標的分子及びその近接度の検出を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
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- 件

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請求項1

第1の標的が、第2の標的の近位にあるかどうかを決定するために試料分析する方法において、第1の標的をビオチンリガーゼで標識する工程と、第2の標的をビオチンリガーゼ基質で標識する工程と、第1の標的が第2の標的の近位にある場合、ビオチンリガーゼがビオチンリガーゼ基質をビオチン化するように、ビオチン及びATPと試料を接触させる工程と、第1の標的が第2の標的の近位にある場合、ビオチンを検出する工程とを含む方法。

請求項2

第1の標的を標識する工程が、第1の標的に特異的な第1の一次抗体と試料を接触させる工程を含み、及び第2の標的を標識する工程が、第2の標的に特異的な第2の一次抗体と試料を接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

第1の一次抗体が第1のハプテンで標識され、及び第1の標的を標識する工程が、第1のハプテンに特異的な第1の二次抗体と試料を接触させる工程を含む、請求項2に記載の方法。

請求項4

第2の一次抗体が第2のハプテンで標識され、及び第2の標的を標識する工程が、第2のハプテンに特異的な第2の二次抗体と試料を接触させる工程を含む、請求項3に記載の方法。

請求項5

第1の一次抗体が第1の種に由来し、及び第1の標的を標識する工程が、第1の種に特異的な第1の二次抗種抗体と試料を接触させる工程を含む、請求項2に記載の方法。

請求項6

第2の一次抗体が第2の種に由来し、及び第2の標的を標識する工程が、第2の種に特異的な第2の二次抗種抗体と試料を接触させる工程を含む、請求項5に記載の方法。

請求項7

第1の標的を標識する工程が、チラミドコンジュゲート又はキノンメチド前駆体コンジュゲートから選択される第1の増幅試薬と試料を接触させる工程を含む、請求項2に記載の方法。

請求項8

第2の標的を標識する工程が、チラミドコンジュゲート又はキノンメチド前駆体コンジュゲートから選択される増幅試薬と試料を接触させる工程を含む、請求項2に記載の方法。

請求項9

第1の標的及び第2の標的が二量体化タンパク質である、請求項1から8のいずれかに記載の方法。

請求項10

第1の標的が第1の核酸標的であり、第1の標的を標識する工程が第1の核酸プローブと試料を接触させる工程を含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。

請求項11

第2の標的が第2の核酸標的であり、第2の標的を標識する工程が第2の核酸プローブと試料を接触させる工程を含む、請求項10に記載の方法。

請求項12

第1の核酸プローブが第3のハプテンで標識され、第1の標的を標識する工程が、第3のハプテンに特異的な第3の二次抗体と試料を接触させる工程を含む、請求項10に記載の方法。

請求項13

ビオチンを検出する工程が、ビオチン結合抗体アビジン、又は一若しくは複数の酵素にコンジュゲートされたストレプトアビジンを含むコンジュゲートと試料を接触させる工程を含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。

請求項14

ビオチンを検出する工程が色素原と試料を接触させる工程を含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

ビオチンを検出する工程が、チラミドコンジュゲート又はキノンメチド前駆体コンジュゲートから選択される増幅試薬と試料を接触させる工程を含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。

請求項16

試料がホルマリン固定パラフィン包組織である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。

請求項17

約100nm未満、約50nm未満、約20nm未満離れている、約10nm未満、約5nm未満、又は約2nm未満離れているならば、第1の標的が第2の標的の近位にある、請求項1から16のいずれかに記載の方法。

請求項18

第1の標的を標識する工程が又は第2の標的を標識する工程が、リンカーを含む試薬と試料を接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項19

リンカーが約2から約20PEG単位を有する、請求項18の方法。

請求項20

リンカーが、PEG2、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10、PEG11、PEG12、PEG13、PEG14、PEG15、PEG16、PEG17、PEG18、PEG19、PEG20、1,4−ジアミノヘキサンキシレンジアミンテレフタル酸、3,6−ジオキサオクタン二酸、エチレンジアミン−N,N−二酢酸、1,1’−エチレンビス(5−オキソ−3−ピロリジンカルボン酸)、4,4’−エチレンピペリジンスクシンイミジル−6−ヒドラジノニコチンアミド(S−HyNic,HyNic−NHS)、N−スクシンイミジル−4−ホルミルベンゾエート(S−4FB,4−FB−NHS)、マレイミドHyNic(MHPH)、マレイミド4FB(MTFB)、スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−オクタエチレングリコールエステル(Mal−PEG8−NHS)、スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−テトラエチレングリコール]エステル(Mal−PEG4−NHS)、4−FB−PEG4−PFPアジドベンゾイルヒドラジド、N−[4−(p−アジドサリシルアミノブチル]−3’−[2’−ピリジルジチオ]プロピオンアミド)、ビススルホスクシンイミジルスべレート、ジメチルアジピミデートジスクシンイミジル酒石酸塩、N−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−スクシンイミジル[4−アジドフェニル]−1,3’−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチルアミノベンゾエートグルタルアルデヒド、及びスクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カルボキシレート、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDP)、及び4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)から選択される、請求項18に記載の方法。

請求項21

近接にある第1の標的及び第2の標的の存在について、ホルマリン固定パラフィン包埋組織試料検査する方法に関連した一又は複数工程を行うために、自動染色装置を使用する工程を含む自動方法において、第1の標的が第1の特異的結合部分により認識され、第1の標的の近位にビオチンリガーゼのコンジュゲ−ション又は沈殿をもたらすように、試薬の第1セットと試料を接触させる工程と、第2の標的が第2の特異的結合部分により認識され、第2の標的の近位にビオチンリガーゼ基質のコンジュゲ−ション又は沈殿をもたらすように、試薬の第2セットと試料を接触させる工程と、第1の標的及び第2の標的が極近接にある場合、ビオチンリガーゼがビオチンリガーゼ基質をビオチン化するようにビオチン及びビオチン化試薬と試料を接触させる工程と、ビオチンを検出する工程とを含む方法。

請求項22

請求項1から21のいずれかに記載の方法を行う工程と、第1の標的及び第2の標的が近位かどうかに従って被検体治療薬投与する工程とを含む、被検体を治療する自動方法。

請求項23

以下の構造:(SBM)−(リンカー)m−(BL/BLS)n(式中、SBMは特異的結合部分であり、BL/BLSはBL又はBLSのどちらかであり、BLはビオチンリガーゼであり、BLSはビオチンリガーゼ基質であり、mは0、1、2、3、4、又は5であり、nは1から10の整数である)を有する、少なくとも1つのコンジュゲートを含むキット

請求項24

少なくとも1つの特異的結合部分が抗体である、請求項23に記載のキット。

請求項25

ビオチンリガーゼがBirA由来である、請求項23又は24に記載のキット。

請求項26

さらにビオチン及びATPを含む、請求項23から25のいずれかに記載のキット。

請求項27

さらにストレプトアビジン又はストレプトアビジンコンジュゲートを含む、請求項26に記載のキット。

請求項28

以下の第2の構造:(SBM2)−(リンカー2)m2−(BL/BLS2)n2(式中、SBM2は第2の特異的結合部分であり、BL/BLSがBLSである場合、BL/BLS2はBLであり、BL/BLSがBLである場合、BL/BLS2はBLSであり、m2は0、1、2、3、4、又は5であり、n2は1から10の整数である)を有する第2のコンジュゲートをさらに含む、請求項23から27のいずれかに記載のキット。

技術分野

0001

開示された実施態様は、試料中の標的物、典型的には試料中の近位に位置する標的物の検出に関し、さらにより詳細には、ビオチンリガーゼコンジュゲート及びビオチンリガーゼ基質コンジュゲートを用いる近接アッセイに関する。該方法を実施するのに有用な試薬及びキットも記載される。

背景技術

0002

タンパク質タンパク質相互作用ネットワーク生物系の顕著な特徴である。タンパク質−タンパク質相互作用は、正常細胞及び癌性細胞における細胞機能のあらゆる側面を調節するシグナル経路を形成する。一過性受容体型チロシンキナーゼ二量体化及び細胞外増殖因子活性化後の複合体形成などの、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するための方法が開発されている。しかし、これらの方法は、ホルマリン固定パラフィン包組織で使用されるように特に設計されているわけではない。

0003

近接ライゲーションアッセイは、近年OLink ABにより開発された。これは、ホルマリン固定パラフィン包埋組織におけるタンパク質−タンパク質相互作用をin situ検出するための唯一公知の市販品である。近接ライゲーションアッセイ技術は、DNAリガーゼを使用してパッドロック環状DNAテンプレートのほか、ローリングサークル増幅用のPhi29DNAポリメラーゼを生成する。これらの酵素は高価である。さらに、これらの酵素は、自動化システム及び方法で使用するのに適していない。これらの理由のため、近接ライゲーションアッセイは、商業的応用には一般に有用と見なされていない。

0004

乱れ細胞経路(複数)を理解することは、癌患者個別化診断及び治療にますます重要となることから、ホルマリン固定パラフィン包埋組織でのin situタンパク質−タンパク質検出は、組織診断における満たされていない医学ニーズとなる。

0005

開示されるのは、組織診断法のための近接アッセイである。本発明の特定の開示された実施態様は、酵素的ビオチン化反応を利用して試料中の標的物を検出するin situ検出方法に関する。開示された実施態様は、特に自動染色プラットフォームにおいてホルマリン固定パラフィン包埋試料でin situ使用するための近接ライゲーションアッセイに関する上述された欠陥対処する。アッセイは、試料の細胞状況を維持しながら標的分子及びその近接度の検出を提供する。

0006

特定の実施態様は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織試料におけるタンパク質−タンパク質相互作用の高感度及び特異的検出のために、大腸菌由来の酵素などのビオチンリガーゼ及び適切なペプチド基質BTS(18アミノ酸長ペプチド)など)を使用する。ビオチンリガーゼは、ビオチンの存在下で適切なペプチド基質を効率的にビオチン化することができ、反応は酵素がペプチド基質と物理的に接触するときにのみ生じ得るため(図1参照)、ビオチンリガーゼ及び基質は、目的とする標的(A及びB)をそれぞれ認識する2つの抗体に別々にコンジュゲートされ得る。目的とする標的が十分に極近接している場合(例えば、シグナル伝達リレー引き金を引く細胞膜上の受容体二量体化)、抗体コンジュゲートのそれぞれの標的タンパク質への結合は、ビオチンリガーゼ及びペプチド基質を十分に極近接にして、基質のビオチン化を可能にする。標的は、細胞表面上に存在しなくてもよい。代わりに、標的はいずれの細胞コンパートメントにあってもよい。さらに、標的は、抗体により認識されるタンパク質でなくてもよい。任意の他の生体分子、例えば脂質及び核酸が、開示された近接検出実施態様を用いて検出され得る。

0007

1つの開示された実施態様は、ビオチンリガーゼ及び第1の標的と結合するための特異的結合部分を含む第1のコンジュゲートプローブと試料を接触させる工程と、基質のビオチン化を可能にする条件下で、ビオチンリガーゼ基質及び第2の標的と結合するための特異的結合部分を含む第2のコンジュゲートプローブと試料を接触させる工程とを含む。幾つかの試料において、第1の標的は第2の標的の近位に位置する。試料は、第1プローブ及び第2プローブと連続的に又は同時に接触されてもよい。いずれの特異的結合部分も本発明での使用に適合され得るが、実施態様は典型的には、第1の標的、第2の標的の一次抗体、又はその両方などの抗体を使用した。特定の実施態様において、一次抗体は第1の種から使用され、第2プローブコンジュゲートは第2の種の抗一次抗体を含んだ。

0008

基質のビオチン化を可能にする条件は、ビオチン及びATPの添加を含む。方法はまた、試料を、ビオチンと特異的結合対を形成するストレプトアビジン酵素基質と接触させる工程も含み得る。特定の実施態様に関して、酵素はホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)であり、方法はさらに、ジアミノベンジジン(DAB)/H2O2による染色を含んだ。他の実施態様において、酵素はアルカリホスファターゼであり、方法はさらに、アルカリホスファターゼレッド(fast red)による染色を含んだ。

0009

方法は、核酸標的及びタンパク質標的などの一般に生物学的標的を検出するのに適合され得、実施態様は、タンパク質標的を用いて本発明を例示する。したがって、特定の実施態様において第1の標的はタンパク質であり、第2の標的はタンパク質であり、又は両方の標的は、p95、HER1、HER2、HER3及びHER4などのタンパク質であった。

0010

開示された実施態様は、第1の標的と第2の標的の間の距離を定性的に決定するのに使用することができる。あるいは、開示された実施態様は、第1の標的と第2の標的の間の距離を定量的に決定するのに使用することができる。この実施態様は、組織由来の第1の試料において近位に位置する標的を、該標的に結合される場合、第1の既知の距離に位置するように設計されたプローブの第1セットと接触させる工程を含む。第1の距離はビオチン化を可能にしない。組織由来の第2の試料は、ビオチン化のための条件下で標的に結合される場合、標的間の第2の既知の距離に位置するように設計されたプローブの第2セットと接触される。第2の距離はビオチン化を可能にし、これにより近位に位置する標的間の距離の定量的決定を可能にする。

0011

シグナル増幅も、所望ならば使用することができる。例えば、特定の開示された実施態様は、チラミド増幅の使用を含んだ。したがって、1つの開示された実施態様は、試料を第1の標的の第1の一次抗体と接触させる工程と、基質を第2の標的の第2の一次抗体と接触させる工程とを含んだ。TSAが次いで行われた。試料は次いで、第1の一次抗体の抗抗体及びビオチンリガーゼを含む第1のコンジュゲートプローブ、並びに抗ハプテン抗体及びビオチンリガーゼ基質を含む第2のコンジュゲートプローブと接触された。ビオチン及びATPが添加され、それに続いて、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)などのストレプトアビジン:酵素コンジュゲート、及びジアミノベンジジン(DAB)/H2O2による染色が行われた。

0012

特定の開示された実施態様は、HER2:HER3ダイマーの検出方法に関する。1つの開示された実施態様は、組織試料を一次抗HER2抗体及び一次抗HER3抗体と接触させる工程を含んだ。試料は次いで、HER3抗体の抗抗体及びホースラディッシュペルオキシダーゼを含むコンジュゲートプローブと接触された。TSAはハプテン沈殿により行われた。試料は次いで、ビオチンリガーゼ及びHER2一次抗体の抗抗体を含む第1のコンジュゲートプローブ、並びにビオチンリガーゼ基質及び抗ハプテン抗体を含む第2のコンジュゲートプローブと接触された。ビオチン及びATPが添加され、それに続いてストレプトアビジン及び酵素を含むコンジュゲートプローブが添加され、最後に酵素の基質が添加された。

0013

開示された方法を実施するためのコンジュゲートプローブ、及びコンジュゲートプローブを作成する方法も記載されている。第1の開示されたコンジュゲートプローブは、p95、HER1、HER2、HER3又はHER4などの選択された標的に対する一次抗体、抗抗体、又は抗ハプテン抗体を含む、ハプテン又は抗体などの特異的結合部分にコンジュゲートされたビオチンリガーゼを含む。ビオチンリガーゼは、例えば、大腸菌サーモコッカスコダカラエンシス(Thermococcus kodakarensis)、サーモコッカス・ジリギー(Thermococcus zilligii)AN1、サーモコッカス・ガンマトレランス(Thermococcus gammatolerans)EJ3、パイロコッカスアビシ(Pyrococcus abyssi)GE5、パイロコッカス・ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)OT3、及びC型ボツリヌス菌から得ることができる。ビオチンリガーゼは、特異的結合部分に直接コンジュゲートされてもよく、リンカーにより特異的結合部分にコンジュゲートされてもよく(特定の実施態様はPEG2からPEG20リンカーを用いる)、及び/又は融合タンパク質が使用されてもよい。コンジュゲートは、1特異的結合部分あたり1つのビオチンリガーゼを有することができるが、実施態様は典型的には、1抗体あたり1から5つのビオチンリガーゼを含んだ。

0014

特定の開示されたコンジュゲートは、式:
(SBM)−[(リンカー)m−(BL/BLS)]n
(式中、SBMは特異的結合部分であり、BLはビオチンリガーゼであり、BLSはビオチンリガーゼ基質であり、mは0から5であり、nは1から10である)を有する。ビオチンリガーゼコンジュゲートプローブの例には、


(式中、nは2から20である)が含まれる。

0015

第2の開示されたコンジュゲートプローブは、特異的結合部分にコンジュゲートされたビオチンリガーゼ基質を含む。ビオチンリガーゼ基質は、特異的結合部分に直接コンジュゲートされてもよく、PEG2からPEG20リンカーなどのリンカーにより特異的結合部分にコンジュゲートされてもよく、及び/又は融合タンパク質が使用されてもよい。単一のビオチンリガーゼ基質が特異的結合部分に結合されてもよいが、より典型的には、2から5個のビオチン基質分子が実施態様において抗体特異的結合部分に結合された。例示的なビオチンリガーゼ基質コンジュゲートプローブには、

(式中、nは2−20である)が含まれる。

0016

コンジュゲートはまた、試料に関しても記載され得る。例えば、開示されたコンジュゲートは、試料、ビオチンリガーゼ及び試料の第1の標的と結合された特異的結合部分を含む第1プローブ、並びにビオチンリガーゼ基質及び試料の第2の標的と結合された第2の特異的結合部分を含む第2プローブも含む。コンジュゲートは、ビオチン化基質を含んでもよい。コンジュゲートはさらに、ビオチンに結合されたストレプトアビジンを含んでもよく、ストレプトアビジンは、酵素、ハプテン、発光団、及び/又はフルオロフォアなどのシグナル生成部分に結合される。

0017

検体を治療する方法もまた開示される。1つの実施態様は、1つの試料中の2つの標的物に関する、本発明の開示された実施態様による近接アッセイを得る工程を含んだ。該アッセイは病気の診断に役立つ。陽性の近接アッセイ結果を得ると、病気を治療するために選択された治療が被検体に行われる。アッセイを得ることは、アッセイ結果を受け取ること、又はアッセイを行うことを含み得る。該方法の1つの実施態様は、HERタンパク質複合体破壊する薬剤の治療的に有効量を投与する工程を含み得る。例えば、第1のHERタンパク質がHER2であり、第2のHERタンパク質がHER2であるならば、治療はトラスツズマブとなり得る。第1のHERタンパク質がHER3であり、第2のHERタンパク質がHER2である、又は第1のHERタンパク質がHER2であり、第2のHERタンパク質がHER3であるならば、治療はペルツズマブとなり得る。

0018

開示された実施態様を実施するキットもまた開示される。例示的なキットは、ビオチンリガーゼ及び特異的結合部分を含む第1のコンジュゲート、並びにビオチンリガーゼ基質及び特異的結合部分を含む第2のコンジュゲートから選択される少なくとも1つのコンジュゲートを含む。

0019

本発明の前述の及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図を参照して進められる以下の詳細な記載からより明らかとなろう。

0020

本開示のさらなる特徴は、現在認識されている本開示を実施する最良の形態を例示する例証的実施態様の以下の詳細な記載を考慮すると、当業者に明らかとなろう。

図面の簡単な説明

0021

ビオチン化産物が、例えば、シグナル増幅有り又は無しでストレプトアビジン−HRP又はストレプトアビジン−APを用いてその後に検出され得るように、ビオチンリガーゼ(例えばBirA由来)及びペプチド基質(例えばBTS)を用いて第1の標的A及び第2の標的Bをin situ近接検出するための本発明の1つの実施態様の略図である。
ビオチンリガーゼを抗体に化学的にコンジュゲートする方法の1つの実施態様の概略図である。
標的に結合された単一一次抗体に結合されたビオチンリガーゼ及びBTSコンジュゲートを用いる、強制近接モデル系の1つの実施態様の概略図である。
単一抗体強制近接を用いるHER2検出を例示する顕微鏡写真である。
ハプテン化抗体近接検出の有用性確証する第2のモデル系を例示する概略図である。
標的近接効果を確証する、単一基質対2つの別個の基質における二重ハプテン標識標的を検出するための、ビオチンリガーゼ抗抗体コンジュゲート及びビオチンリガーゼ基質抗抗体コンジュゲートを使用する実施態様の概略図である。
標的近接効果を確証する、単一基質対2つの別個の基質における二重ハプテン標識標的を検出するための、ビオチンリガーゼ抗抗体コンジュゲート及びビオチンリガーゼ基質抗抗体コンジュゲートを使用する実施態様の概略図である。
ハプテン標識BSAの合成、チオール化組織へのBSAの架橋、及びハプテンBSA修飾スライド成功裡の染色を例示する概略図である。
第1の標的(A)及び第2の標的(B)が距離d0により分離される、チラミドシグナル増幅等を用いる近接アッセイの略図である。
第1の標的(A)及び第2の標的(B)が距離d0により分離される、チラミドシグナル増幅等を用いない近接アッセイの略図である。
ATPの非存在下、染色なしによる反応のATP依存性をさらに例示する、開示された方法の1つの実施態様を用いたEcad及びβ−カテニン扁桃における検出を例示する顕微鏡写真である。
ATPの存在下、染色による反応のATP依存性をさらに例示する、開示された方法の1つの実施態様を用いたEcad及びβ−カテニンの扁桃における検出を例示する顕微鏡写真である。
TSA増幅の使用の結果を例示する顕微鏡写真である。
TSA増幅の使用の結果を例示する顕微鏡写真である。
標的に結合したビオチンリガーゼの量の低減により弱まったシグナルをもたらし、これにより、検出されたシグナルがE−カドヘリン及びβ−カテニンに特異的であることを確認する、過剰なGARを用いて抗E−カドヘリンに対するGAR−ビオチンリガーゼ結合の競合ブロッキングを利用した第2のコントロールの顕微鏡写真である。
架橋として及び標的シグナルを増幅するための両方でのTSAの使用を含む、E−カドヘリン及びβ−カテニン近接アッセイのためのin situ近接検出スキームの第3の開示された実施態様に関して得られた染色結果を例示する顕微鏡写真である。
MDA−175におけるATPの存在下(A)及び非存在下(B)の特異的点状HER2:HER3ダイマーシグナルを例示する写真である。
MCF−7におけるATPの存在下(A)及び非存在下(B)の本発明の実施態様によるHER:HER3 in situ近接検出の染色結果を例示する写真である。

0022

配列リストの記載
列番号1−9は、様々な供給源由来のビオチンリガーゼの配列、又は様々な供給源由来のビオチンリガーゼを作成するのに使用された配列である。

0023

配列番号1:
CATATGGGAAGCGGCCATCACCACCACCATCACGGAGGCGGAGGTTCAGGCTGCAGCAACCTGTCTACCTGTGTGTTGAAGGATAACACCGTGCCAC

0024

配列番号2:
GCTGTCGACTTATTTTTCTGCACTACGCAGGGATA

0025

配列番号3:
MGSGHHHHHHGGGGSGCSNLSTCVLKDNTVPLKLIALLANGEFHSGEQLGETLGMSRAAINKHIQTLRDWGVDVFTVPGKGYSLPEPIQLLNAKQILGQLDGGSVAVLPVIDSTNQYLLDRIGELKSGDACIAEYQQAGRGRRGRKWFSPFGANLYLSMFWRLEQGPAAAIGLSLVIGIVMAEVLRKLGADKVRVKWPNDLYLQDRKLAGILVELTGKTGDAAQIVIGAGINMAMRRVEESVVNQGWITLQEAGINLDRNTLAAMLIRELRAALELFEQEGLAPYLSRWEKLDNFINRPVKLIIGDKEIFGISRGIDKQGALLLEQDGIIKPWMGGEISLRSAEK

0026

配列番号4:
MEWNVIRLDEVDSTNEYAKKLIPDVSEGTVVVAKRQTSGRGRKGRAWASPEGGLWMSVILKPPMIDPRLVFVGALAVSDTLRDFGIGAWIKWPNDVWVGNRKISGVLTEVKGDFVIMGVGLNVNNEIPDGLKETATSMMEALGEPVDIGEVLERLLEYLGRWYKTFLENPPLVVEEVRGRTMLIGKEVRVLLDGNDLVGRVITISDDGSLILDVDGQTVKVVYGDVSVRINR

0027

配列番号5:
MWKIIHLDEVDSTNDYAKSIAEESPEGTVVIAKRQTAGKGRKGRSWASPEGGLWMSVILKPERTDPRLVFVGALAVVDTLADFGIKGWIKWPNDVWVEGKKIAGVLTEGKAEKFVVMGIGLNVNNPVPEGLEREATSMIYHTGMELPLDSVLDRLLFHLGGWYGVYKERPELLVEKLRQRTFILGKAVRVTEDDKTIIGRALDVLDDGSLLLEVGGELRRILYGDVSVRPL

0028

配列番号6:
MEWNIITLDEVDSTNEYARRIAPTAPEGTVVVAKRQTAGRGRKGRRWASPEGGLWMTVILKPKSGPEHVTKLVFVGALAVLDTLHEYGIRGELKWPNDVLVDGKKIAGILSECRLNHFALLGIGLNVNNEIPDELRESAVSMKEVLGRAIDLEEVLNRVLRNLSRWYGLFRNGRHGEILKAVKGSSAVLGKRVRIIEDGEIIAEGIAVDIDNSGALILKGEENTVRVLYGDVSLRFS

0029

配列番号7:
MLGLKTSVIGRTIIYFQEVASTNDYAKAENLEEGTVIVADRQIKGHGRLERKWESPEGGLWMSVVLTPRVSQEDLPKIVFLGALAVVETLREFSIDARIKWPNDVLVNYRKVAGVLVEAKGEKVILGIGLNVNNKVPDGATSMKQELGSEIPMLNVFKTLVKTLDSLYLKFLESPGKILERAKRSMILGVRVKVLSDGEVEAEGIAEDVDEFGRLIVRLDDGRVKKILYGDVSLRFL

0030

配列番号8:
MLGLKTSIIGRRVIYFQEITSTNEFAKTSYLEEGTVIVADKQTMGHGRLNRKWESPEGGLWLSIVLSPKVPQKDLPKIVFLGAVGVVETLKEFSIDGRIKWPNDVLVNYKKIAGVLVEGKGDKIVLGIGLNVNNKVPNGATSMKLELGSEVPLLSVFRSLITNLDRLYLNFLKNPMDILNLVRDNMILGVRVKILGDGSFEGIAEDIDDFGRLIIRLDSGEVKKVIYGDVSLRFL

0031

配列番号9:
MKEEIISLLKENKDNFISGEKISEKFGITRAAIWKYMKAIKNEGYKIESVSRKGYKLISSPDLLTFQEINPYLTTNYIGKNIMYFNTIDSTNNKAKELGAKDILEGTVVISEEQTGGRGRLGRQWVSPKFKGIWMSIILRPNIEPMEAAKITQIAAAAVCSVIKELGIDVYIKWPNDIVLNNKKICGILTEMSGEINKINYIVLGIGINVNIDKEDFPEYIKDIATSIKIETGLNIQRKELIAKIFNKFEILYDEFINEGTIKKSIEICKGNSALLGKEVKIIRKSTEVFAKALTIAEDGELIVEYDDGKVEKIVSGEVSIRGMYGYV

0032

配列番号10は、例示的なビオチンリガーゼ基質のアミノ酸配列である:
GGSGLNDIFEAQKIEWHE

0033

配列番号11は、特異的結合部分に融合されたビオチンリガーゼをコードするDNA配列である。
ACATATGCGTGGTAGCCACCACCACCATCATCACGGTAGCGATTTGGGTAAGAAATTGCTGGAGGCAGCACGCGCAGGTCAGGATGACGAAGTGCGTATCCTGATGGCGAATGGCGCGGACGTGAACGCTAAAGACGAATACGGCCTGACGCCGCTGTATCTGGCAACCGCCCATGGCCACCTGGAAATCGTTGAAGTCCTGTTGAAAAACGGTGCCGACGTTAATGCTGTTGATGCGATTGGTTTCACCCCGCTGCATCTGGCCGCGTTTATCGGTCACCTGGAGATTGCGGAGGTGCTGCTGAAACACGGTGCGGATGTCAACGCACAGGATAAGTTTGGCACCGCGTTCGACATCAGCATTGGCAACGGCAATGAGGACCTGGCGGAGATTCTGCAAAAGCTGATGAAGGATAACACCGTGCCACTGAAATTGATTGCCCTGTTAGCGAACGGTGAATTTCACTCTGGCGAGCAGTTGGGTGAAACGCTGGGAATGAGCCGGGCGGCTATTAATAAACACATTCAGACACTGCGTGACTGGGGCGTTGATGTCTTTACCGTTCCGGGTAAAGGATACAGCCTGCCTGAGCCTATCCAGTTACTTAATGCTAAACAGATATTGGGTCAGCTGGATGGCGGTAGTGTAGCCGTGCTGCCAGTGATTGACTCCACGAATCAGTACCTTCTTGATCGTATCGGAGAGCTTAAATCGGGCGATGCTTGCATTGCAGAATACCAGCAGGCTGGCCGTGGTCGCCGGGGTCGGAAATGGTTTTCGCCTTTTGGCGCAAACTTATATTTGTCGATGTTCTGGCGTCTGGAACAAGGCCCGGCGGCGGCGATTGGTTTAAGTCTGGTTATCGGTATCGTGATGGCGGAAGTATTACGCAAGCTGGGTGCAGATAAAGTTCGTGTTAAATGGCCTAATGACCTCTATCTGCAGGATCGCAAGCTGGCAGGCATTCTGGTGGAGCTGACTGGCAAAACTGGCGATGCGGCGCAAATAGTCATTGGAGCCGGGATCAACATGGCAATGCGCCGTGTTGAAGAGAGTGTCGTTAATCAGGGGTGGATCACGCTGCAGGAAGCGGGGATCAATCTCGATCGTAATACGTTGGCGGCCATGCTAATACGTGAATTACGTGCTGCGTTGGAACTCTTCGAACAAGAAGGATTGGCACCTTATCTGTCGCGCTGGGAAAAGCTGGATAATTTTATTAATCGCCCAGTGAAACTTATCATTGGTGATAAAGAAATATTTGGCATTTCACGCGGAATAGACAAACAGGGGGCTTTATTACTTGAGCAGGATGGAATAATAAAACCCTGGATGGGCGGTGAAATATCCCTGCGTAGTGCAGAAAAATAACTCGAG

0034

配列番号12は、配列番号11によりコードされたものに対応する融合タンパク質のアミノ酸配列である。
MRGSHHHHHHGSDLGKKLLEAARAGQDDEVRILMANGADVNAKDEYGLTPLYLATAHGHLEIVEVLLKNGADVNAVDAIGFTPLHLAAFIGHLEIAEVLLKHGADVNAQDKFGTAFDISIGNGNEDLAEILQKLMKDNTVPLKLIALLANGEFHSGEQLGETLGMSRAAINKHIQTLRDWGVDVFTVPGKGYSLPEPIQLLNAKQILGQLDGGSVAVLPVIDSTNQYLLDRIGELKSGDACIAEYQQAGRGRRGRKWFSPFGANLYLSMFWRLEQGPAAAIGLSLVIGIVMAEVLRKLGADKVRVKWPNDLYLQDRKLAGILVELTGKTGDAAQIVIGAGINMAMRRVEESVVNQGWITLQEAGINLDRNTLAAMLIRELRAALELFEQEGLAPYLSRWEKLDNFINRPVKLIIGDKEIFGISRGIDKQGALLLEQDGIIKPWMGGEISLRSAEK#

0035

配列番号13は、ビオチンリガーゼ基質を含む融合タンパク質をコードするDNA配列である。
ATGGCTCAAGTACAACTGCAGCAATCTGGTACAGAGGTAGTTAAACCTGGCGCCTCTGTCAAATTGAGTTGCAAGGCTAGTGGTTACATTTTCACCTCTTATGACATTGACTGGGTTCGTCAAACTCCAGAACAAGGATTGGAATGGATTGGGTGGATCTTTCCTGGTGAGGGCTCTACGGAATACAACGAGAAGTTTAAGGGTAGAGCTACACTTAGTGTCGATAAGTCCTCCTCAACTGCTTACATGGAGCTTACGAGACTTACATCAGAAGATTCAGCCGTGTATTTCTGTGCTAGAGGAGATTACTACCGAAGGTACTTCGACTTATGGGGCCAGGGTACTACTGTGACAGTCAGTTCCGGAGGAGGAGGTTCCGGGGGTGGTGGTTCTGGCGGTGGTGGATCTGATATTGAGTTGACTCAATCACCCACTATCATGTCCGCTTCTCCTGGTGAAAGAGTTACCATGACATGTTCAGCATCTAGTTCAATCAGATACATCTATTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCTCCTCCCCACGTTTACTGATATACGACACCTCAAATGTTGCATCTGGTGTTCCATCAAGATTTTCTGGATCAGGATCCGGAACAAGTTATTCCCTAACCATAAACAGGATGGAAGCAGAGGATGCTGCCACGTATTACTGTCAAGAGTGGTCTGGCTATCCTTACACCTTTGGTGGTGGGACTAAGTTGGAATTGAAACAGGCCGCTGCAGGGCCCCGTCAAAAGGGCGACACAAAATTTATTCTAAATGCAGGTGGCGGTCTGAACGACATCTTCGAGGCTCAGAAAATCGAATGGCACGAATAA

0036

配列番号14は、配列番号13によりコードされたものに対応する融合タンパク質のアミノ酸配列である。
MAQVQLQQSGTEVVKPGASVKLSCKASGYIFTSYDIDWVRQTPEQGLEWIGWIFPGEGSTEYNEKFKGRATLSVDKSSSTAYMELTRLTSEDSAVYFCARGDYYRRYFDLWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIELTQSPTIMSASPGERVTMTCSASSSIRYIYWYQQKPGSSPRLLIYDTSNVASGVPSRFSGSGSGTSYSLTINRMEAEDAATYYCQEWSGYPYTFGGGTKLELKQAAAGPRQKGDTKFILNAGGGLNDIFEAQKIEWHE#

0037

配列番号15は、ビオチンリガーゼに融合されたSCFVのアミノ酸配列である。
MAQVQLQQSGTEVVKPGASVKLSCKASGYIFTSYDIDWVRQTPEQGLEWIGWIFPGEGSTEYNEKFKGRATLSVDKSSSTAYMELTRLTSEDSAVYFCARGDYYRRYFDLWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIELTQSPTIMSASPGERVTMTCSASSSIRYIYWYQQKPGSSPRLLIYDTSNVASGVPSRFSGSGSGTSYSLTINRMEAEDAATYYCQEWSGYPYTFGGGTKLELKQAAAGPRQKGDTKFILNAMKDNTVPLKLIALLANGEFHSGEQLGETLGMSRAAINKHIQTLRDWGVDVFTVPGKGYSLPEPIQLLNAKQILGQLDGGSVAVLPVIDSTNQYLLDRIGELKSGDACIAEYQQAGRGRRGRKWFSPFGANLYLSMFWRLEQGPAAAIGLSLVIGIVMAEVLRKLGADKVRVKWPNDLYLQDRKLAGILVELTGKTGDAAQIVIGAGINMAMRRVEESVVNQGWITLQEAGINLDRNTLAAMLIRELRAALELFEQEGLAPYLSRWEKLDNFINRPVKLIIGDKEIFGISRGIDKQGALLLEQDGIIKPWMGGEISLRSAEK

0038

配列番号16は、DARPinに融合されたビオチンリガーゼ基質を含む融合タンパク質のアミノ酸配列である。
MRGSHHHHHHGSDLGKKLLEAARAGQDDEVRILMANGADVNAKDEYGLTPLYLATAHGHLEIVEVLLKNGADVNAVDAIGFTPLHLAAFIGHLEIAEVLLKHGADVNAQDKFGTAFDISIGNGNEDLAEILQKLGGGLNDIFEAQKIEWHE#

0039

I.用語
特に断りのない限り、専門用語は従来の用法に従って使用される。分子生物学における一般用語の定義は、Oxford University Pressより刊行されたBenjamin Lewin, Genes V, 1994 (ISBN 0-19-854287-9); Blackwell Science Ltd.より刊行されたKendrewら (編), The Encyclopedia of Molecular Biology, 1994 (ISBN 0-632-02182-9); 及びVCH Publishers, Inc.より刊行されたRobert A. Meyers (編), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, 1995 (ISBN 1-56081-569-8)に見出すことができる。特に説明のない限り、本明細書に使用されている全ての専門用語及び科学用語は、本開示が属する当該技術分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。単数用語「a」、「an」、及び「the」は、文脈が特に明白に指示しない限り複数の指示対象を含む。同様に、語「又は(or)」は、文脈が特に明白に指示しない限り「及び(and)」を含むことが意図される。核酸又はポリペプチドに与えられた全ての塩基サイズ又はアミノ酸サイズ、及び全ての分子量又は分子質量値はおおよそであり、説明のために提供されていることがさらに理解されるべきである。本明細書に記載されたものと類似した又は同等の方法及び材料が本開示の実施又は検査において使用され得るが、適切な方法及び材料が下記に記載される。用語「含む(comprise)」は、「含む(include)」を意味する。

0040

本明細書に言及された全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が出典明示により援用される。全てのGenBankアクセッション番号は、2011年6月8日に該データベース出現するように出典明示により本明細書に援用される。矛盾する場合、用語の説明を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び例は例証であり、限定することを意図するものではない。

0041

本開示の様々な実施態様の概説を容易にするために、特定の用語の以下の説明が示される。

0042

投与(投与):被検体に薬剤、例えば、任意の有効な経路によりHER2を特異的に結合するモノクローナル抗体を含む組成物を提供する又は与えること。例示的な投与経路には、経口、注射(皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、及び静脈内など)、下、直腸経皮(例えば、局所)、鼻腔内、内及び吸入経路が含まれるが、これらに限定されない。

0043

薬剤:目標又は結果を達成するのに有用である物質又は物質の任意の組み合わせ。例えば、タンパク質−タンパク質相互作用を減少又は減少させるのに有用な物質又は物質の組み合わせ。幾つかの実施態様において、薬剤は癌を治療する治療剤などの治療剤である。

0044

抗体:抗原エピトープ又はその断片のエピトープを特異的に結合する少なくとも1つの軽鎖又は重鎖免疫グロブリン可変領域を含むポリペプチドリガンド。抗体には、Fab’、F(ab)’2断片、一本鎖vタンパク質(scFv)、及びジスルフィド安定化Fvタンパク質(dsFv)などの、当該技術分野でよく知られたインタクト免疫グロブリン及びその変異体が含まれる。scFvタンパク質は、抗体の軽鎖可変領域及び抗体の重鎖可変領域がリンカーにより結合された融合タンパク質であるが、dsFvでは、ジスルフィド結合を導入して鎖の結合を安定化するように鎖が変異されている。該用語はまた、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)及びヘテロコンジュゲート抗体二重特異性抗体など)などの遺伝子操作形態も含む。Pierce Catalog and Handbook, 1994-1995 (Pierce Chemical Co., Rockford,IL); Kuby, J., Immunology, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York, 1997も参照のこと。

0045

本明細書に開示された抗体は、既定の標的(又は二重特異性抗体の場合には複数の標的)を特異的に結合する。故に、HER2に特異的に結合する抗体は、HER2、例えばHER2を発現する細胞又は組織に実質的に結合する抗体である。当然のことながら、ある程度の非特異的相互作用が抗体と非標的(例えば、HER2を発現しない細胞)の間に生じ得ることが認識される。

0046

典型的には、特異的結合は、抗原を欠くタンパク質又は細胞と抗体より、抗原を有するタンパク質又は細胞と抗体の間にはるかに強い結合をもたらす。特異的結合は典型的には、エピトープを含むタンパク質又は標的エピトープを発現する細胞若しくは組織に、このエピトープを欠くタンパク質又は細胞又は組織と比較して、結合抗体の量(単位時間あたり)の2倍を超える増加(5倍を超える、10倍を超える、又は100倍を超える増加など)をもたらす。そのような条件下のタンパク質への特異的結合は、特定のタンパク質に対する特異性に関して選択された抗体を必要とする。様々なイムノアッセイフォーマットは、特定のタンパク質と特異的に免疫反応する抗体又は他のリガンドを選択するのに適している。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体を選択するのに常套的に使用される。特異的免疫反応性を決定するのに使用することができるイムノアッセイフォーマット及び条件の説明については、Harlow及びLane, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York (1988)参照。

0047

ATP:アデノシン三リン酸は、細胞において補酵素として使用されるヌクレオシド三リン酸である。

0048

生体試料ゲノムDNA、RNA(mRNA及びマイクロRNAを含む)、核酸、タンパク質、ペプチド、及び/又はそれらの組み合わせを含む生体分子を含有する生体標本。幾つかの例において、生体試料は被検体から得られる。他の例において、生体試料は、被検体から得られた生体試料から増殖された細胞培養物を含む細胞培養物である。生体試料には、細胞、組織、並びに血液、血液の誘導体及び画分(血清など)などの体液;及び生検組織又は外科的に除去された組織、例えば非固定組織凍結組織、又はホルマリン若しくはパラフィンに固定された組織を含むがこれらに限定されない、被検体における疾患(例えば、癌)を検出するのに有用な全ての臨床試料が含まれる。特定の例において、生体試料は、腫瘍を有する又は有することが疑われる被検体;例えば、乳癌卵巣癌胃癌又は子宮癌を有する又は有することが疑われる被検体から得られる。幾つかの実施態様において、被検体は、癌腫を有する又は有することが疑われる。

0049

ビオチンリガーゼ:特定の開示された実施態様は、基質をビオチン化することができる、ビオチン−[アセチル−CoAカルボキシラーゼリガーゼなどの酵素を使用する。開示された実施態様を実施するのに適した酵素は、KEGGエントリhttp://www.genome.jp/dbget-bin/www_bget?ec:6.3.4.15により示されているように、当業者により他の名前によっても呼ばれている。全てのそのような酵素は、本明細書ではまとめてビオチンリガーゼと呼ばれる。ビオチンリガーゼを用いる酵素的ビオチン化は、ビオチンをタンパク質に存在する残基に結合できるようにする。このビオチン化反応は完結することもできる。これは、産物が高い均一性で生成され、既定の配向でストレプトアビジンに結合され得ることを意味する。酵素的ビオチン化は、特定の基質を標的にすることにより最もしばしば達成され、特定の開示された実施態様は、AviTag又はアクセプターペプチド(AP)などの15アミノ酸ペプチドを標的にする。適切なビオチンリガーゼの1つの例は、BirA由来である。大腸菌のビオチンリガーゼ遺伝子は、ビオチンオペロンリプレッサー活性及びビオチンホロ酵素シンテターゼ活性を含有する35.3 kDal[321アミノ酸]二官能性タンパク質を産生する。ビオチンリガーゼは、シュードモナス・ムタビリス(Pseudomonas Mutabilis)を含む他の種からも産生されている。BTSのビオチンリガーゼKdは25μMもある。特定の開示された実施態様に関して、ビオチンリガーゼ及びBTSコンジュゲートは約30pM(すなわち、該Kdより800倍超少ない)で使用される。そのようなコンジュゲートを用いる、BTSへのビオチンリガーゼの結合とは無関係の潜在的標的は、故に極めて最小限となる。

0050

乳癌:悪性である又は悪性である可能性を有する乳房組織新生物性腫瘍。乳癌の約30%がHER2の過剰発現を示す。HER2の過剰発現は、疾患再発の増加及びより不良の予後を伴う。乳癌(breast cancer)の最も一般的なタイプは、乳管癌などの乳癌(breast carcinoma)である。非浸潤性乳管癌は、乳管の非浸潤性の新生物性状態である。小葉癌は浸潤性疾患ではないが、癌腫が進展し得る指標である。浸潤性(悪性)乳癌は、病期に分けられる(I、IIA、IIB、IIIA、IIIB、及びIV)。例えば、Bonadonnaら(編), Textbook of Breast Cancer: A Clinical Guide the Therapy, 3rd; London, Tayloy & Francis, 2006参照。

0051

バッファーバッファー溶液は、生物系及び化学系にとって正しいpHレベルを維持するのに一般に使用される。本明細書に開示された例示的な実施態様の多くは、バッファー溶液を使用することを含む。バッファー中に存在してもよい代表的な緩衝剤又は緩衝塩には、トリス、トリシン、HEPES、MOPS、TAPSビシン、TAPSO、TES、PIPESカコジル酸塩、SSC、MES、KCl、NaCl、酢酸カリウム酢酸NH4、グルタミン酸カリウム、NH4Cl、硫酸アンモニウム、MgCl2、酢酸マグネシウム等が含まれるが、これらに限定されない。1つの好ましいバッファー溶液は、リン酸緩衝生理食塩水PBS)である。別の好ましいバッファー溶液は、ビオチンリガーゼ反応バッファー(0.1M KCl、5.5mM MgCl2、50mMトリス・HCl(pH=8.0)、0.05% Brij−35、0.1mMジチオスレイトール(DTT)、3mMATP、及び60μMビオチン)である。緩衝剤の量は典型的には、約5から150mM、通常は約10から100mM、及びより通常は約20から50mMの範囲となろう。特定の好ましい実施態様において、緩衝剤は約6.0から約9.5の範囲のpH、より典型的には室温で約6.5から約7.4のpH範囲を提供するのに十分な量で存在するであろう。緩衝媒体に存在してもよい他の薬剤には、EDTA、EGTA等などのキレート剤が含まれる。

0052

化学療法剤:異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療において治療的有用性を有する任意の化学剤。例えば、化学療法剤は、乳癌を含む癌の治療に有用である。1つの実施態様において、化学療法剤は放射性化合物である。別の例には、ラパチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤が含まれる。特定の例において、そのような化学療法剤は、HERタンパク質のホモ又はヘテロ二量体化を減少又は低減させる治療とと組み合わせて投与される(例えば、HER2に特異的に結合する一若しくは複数の抗体又はそのコンジュゲートの治療的に有効量の投与前、投与中、投与後に)。当業者は、有用な化学療法剤を容易に同定することができる(例えば、Slapak及びKufe, Principles of Cancer Therapy, Chapter 86 in Harrison's Principles of Internal Medicine, 14th edition; Perryら, Chemotherapy, Ch. 17 in Abeloff, Clinical Oncology 2nd. ed., Copyright 2000 Churchill Livingstone、Inc; Baltzer, L., Berkery, R.(編): Oncology Pocket Guide to Chemotherapy, 2nd. ed. St. Louis, Mosby-Year Book, 1995; Fischer, D.S., Knobf, M.F., Durivage, H.J.(編): The Cancer Chemotherapy Handbook, 4th ed. St. Louis, Mosby-Year Book, 1993;Chabner及びLongo, Cancer Chemotherapy and Biotherapy: Principles and Practice(4th ed.). Philadelphia: Lippincott Williams & Wilkins、2005; Skeel,. Handbook of Cancer Chemotherapy(6th ed.). Lippincott Williams & Wilkins、2003参照)。併用化学療法は、癌を治療するための1つを超える薬剤の投与である。

0053

発色染色:発色基質は、免疫組織化学には長年にわたって、及びin situハイブリダイゼーションにはより最近広く使用されている。発色検出は、簡単及び費用効率が高い検出方法を提供する。発色基質は伝統的に、適切な酵素により作用されると沈殿することにより機能してきた。すなわち、伝統的な発色物質は、酵素に接触すると可溶性試薬から不溶性の有色沈殿物に変換される。得られた有色沈殿物は、処理又は可視化のための特別な装置を必要としない。成功裡のIHC又はISH発色基質が共有する幾つかの特質がある。第一に、該物質は、好ましくは極めて高いモル吸光計数有色物質に沈殿するはずである。酵素基質は高い可溶性及び試薬安定性を有するはずであるが、沈殿された色素原産物は、好ましくは水性溶液及びアルコール溶液の両方において極めて不溶性のはずである。酵素代謝回転速度は、短時間で単一酵素からシグナルを高度に増幅させるために極めて高いはずである。現在までに、これらの特質の全てを確実に有する比較的少数の発色物質が同定されている。発色染色に関する開示については、出典明示によりその全体が本明細書に援用される米国仮特許出願第61/616330号及び第61/710607号を参照のこと。

0054

コンジュゲート(conjugate):例えば共有結合又は非共有結合相互作用により連結された2つ以上の分子。コンジュゲートを含む2つの成分は、リンカーを用いて直接結合又は間接的に結合され得る。1つの例において、コンジュゲートは、ビオチンリガーゼに結合された抗体などの、ビオチン化酵素に連結された特異的結合部分を含む。コンジュゲートの別の例は、リンカーにより直接的又は間接的にBTSに連結された抗体などの、ビオチンリガーゼ基質に結合された特異的結合部分である。

0055

コンジュゲート(conjugate(ing))、結合(join(ing))、結合(bond(ing))又は連結(link(ing)):第1の分子を第2の分子に結合すること。これには、1つの分子と別の分子との共有結合、1つの分子と別の分子との非共有結合(例えば、静電的結合)(例えば、米国特許第6921496号参照)、水素結合ファンデルワールス力、及びそのような結合のありとあらゆる組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。

0056

接触(接触):直接結合、例えば固体液体又は気体形態で配置すること。

0057

コントロール:生体試料、例えば、1人の患者(又は複数の患者)から得られた生体試料、又は細胞培養物などの、検査試料との比較に使用される試料又は基準。幾つかの実施態様において、検査薬インキュベートされない細胞培養物は、検査薬とインキュベートされる細胞培養物のコントロールとしての役割を果たす。幾つかの実施態様においてコントロールは、正常な乳房試料などの、1人の健康な患者(又は複数の患者)から得られた試料である(本明細書では「正常な」コントロールとも呼ばれる)。幾つかの実施態様においてコントロールは、歴史的コントロール又は基準値(すなわち、以前に検査されたコントロール試料又はベースライン若しくは正常値を示す試料群)である。幾つかの実施態様においてコントロールは、複数の患者試料から得られた平均値(又は値の平均範囲)を示す基準値である。

0058

結合された(coupled):直接的又は間接的に互いに結合された2つ以上の分子。第1の原子又は分子は、第2の原子又は分子に直接結合又は間接的に結合され得る。二次抗体は、抗原に結合された一次抗体に結合されるとき、該抗原に間接的に結合される。

0059

減少(decrease)又は低減(reduce):何かの質、量、又は強度を低減させること。例えばタンパク質−タンパク質相互作用の低減。1つの例において、薬剤は、薬剤の非存在下のHERタンパク質のホモ又はヘテロ二量体化と比較して、生体試料(例えば被検体から得られた生体試料又は細胞培養物)中のHERタンパク質のホモ又はヘテロ二量体化を低減させる。特定の例において、薬剤は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%の減少など、HERタンパク質のホモ又はヘテロ二量体化を減少させる。そのような減少は、本明細書に開示された方法を用いて測定することができる。

0060

検出(detecting):何かの存在(existence)、発生、存在(presence)、又は事実を同定すること。一般的な検出方法は当業者に公知であり、本明細書に開示された手順及び試薬で補完することができる。例えば、本明細書に含まれるのは、生体試料中の第2の標的に近位の第1の標的を検出する方法である。

0061

診断:徴候、症状及び/又は様々な検査の結果により疾患を同定するプロセス。そのプロセスを通じて下された結論もまた「診断」と呼ばれる。一般的に行われる検査の形態には、血液検査医用画像遺伝子解析尿検査生検、及び被検体から得られた生体試料の分析が含まれる。

0062

診断的に有意な量:ある患者集団と別の患者集団との区別(HER2ホモダイマーの発現が高い乳癌を有する被検体と、HER2ホモダイマーの発現が低い又は発現がない乳癌を有する被検体との区別など)を可能にするのに十分な、測定可能な特徴の増減。本明細書に提供された第2の標的に近位の第1の標的の検出方法は、HERタンパク質のヘテロ及びホモ二量体化がいかに検出され得るかの1つの例である。

0063

有効量:単独、又は一若しくは複数のさらなる薬剤と一緒に、HER2との検出可能な免疫複合体の形成又は生体試料中のHER2ホモ二量体化の減少などの所望の応答誘導する薬剤(HER2特異的抗体又はHER2特異的抗体を含むコンジュゲートなど)の量。

0064

FFPE:ホルマリン固定パラフィン包埋試料。

0065

ハプテン:ハプテンは分子、典型的には抗体と特異的に結合することができる小分子であるが、典型的には、担体分子との併用以外に実質的に免疫原性となることはできない。ジニトロフェニル、ビオチン、ジゴキシゲニンフルオレセインローダミン、又はそれらの組み合わせなどの多くのハプテンが知られており、分析手順頻用される。オキサゾールピラゾールチアゾールニトロアリールベンゾフラントリテルペン尿素チオ尿素ロテノイドクマリンシクロリグナン、及びそれらの組み合わせから選択されるハプテンを含む他のハプテンが、本出願の出願者、Ventana Medical Systems, Inc.により特に開発されている。ハプテンの特定のハプテン例には、ベンゾフラザンニトロフェニル、4−(2−ヒドロキシフェニル)−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−2(3H)−オン、及び3−ヒドロキシ−2−キノキサリンカルバミドが含まれる。複数の種々のハプテンは、ポリマー担体に結合することができる。さらに、ハプテンなどの化合物は、NHS−PEGリンカーなどのリンカーを用いて別の分子に結合することができる。

0066

ヒト上皮増殖因子受容体(HER):少なくともHER1、HER2、HER3及びHER4(別名、それぞれEGFR1、EGFR2、EGFR3及びEGFR4、又はそれぞれErbB−1、ErbB−2、ErbB−3及びErbB−4)を含む、構造的に関連するタンパク質のファミリー。HER1、HER2及びHER4は、受容体チロシンキナーゼである。HER3はHER1、HER2及びHER4と相同性を共有するが、HER3は不活性キナーゼである。HERファミリーに含まれるのは、HER2細胞外ドメインの部分を欠く切断型HER2、p95である(例えば、Arribasら, Cancer Res., 71:1515-1519, 2011; Molinaら, Cancer Res., 61:4744-4749, 2001参照)。「HERタンパク質(HER protein又はa HER protein)」は、少なくともHER1、HER2、HER3、HER4及びp95を含むHERタンパク質のファミリーを指す。

0067

HERタンパク質は細胞増殖を媒介し、多くのタイプの癌において調節不全である。例えばHER1及びHER2は、多くのヒト癌においてアップレギュレートされ、その過剰なシグナル伝達は、これらの腫瘍の進展及び悪性度における重要な要因となり得る。受容体二量体化は、受容体リン酸化及び下流のシグナル伝達の形質導入をもたらすHER経路活性化に不可欠である。HER1、3及び4とは異なり、HER2はリガンドがわかっておらず、その二量体化ドメインが他のリガンド活性化HER受容体との相互作用に曝露されるオープン構造と見なされている(例えば、Herbst, Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys., 59:21‐6, 2004; Zhangら, J. Clin. Invest. 117(8): 2051‐8, 2007参照)。

0068

乳癌の約30%は、HER2遺伝子の増幅又はそのタンパク質産物の過剰発現を有する。HER2過剰発現は、卵巣癌、胃癌、及び子宮漿液性子宮内膜癌などの生物学的に攻撃的な形態の子宮癌などの他の癌タイプでも生じる。例えば、Santinら, Int. J.Gynaecol. Obstet., 102 (2): 128‐31. 2008参照。HER2含有ホモ及びヘテロダイマーは、形質転換受容性タンパク質複合体である。HER2ホモ二量体化を防ぐヒト化抗体、トラスツズマブは、乳癌を含む特定のHER2過剰発現癌を治療するのに使用される。さらに、癌組織におけるHER2発現レベルは、HER2治療抗体(例えば、トラスツズマブ)に対する患者の応答を予測する。その予後的役割及びトラスツズマブに対する応答を予測するその能力のため、腫瘍(例えば、乳癌に関連する腫瘍)はHER2の過剰発現について常套的にチェックされる。

0069

HER経路は、卵巣癌の病因にも関与する。多くの卵巣腫瘍試料は、全てのHERタンパク質を発現する。HER1及びHER2の共発現は、正常な卵巣上皮より卵巣癌でしばしば見られ、両方の受容体の過剰発現は不良な予後と相関する。HER2(HER1/HER2、HER2/HER3)との好ましい二量体化、及び受容体リン酸化によるその後の経路活性化も、HER2過剰発現の非存在下でさえ卵巣腫瘍細胞増殖を駆動することが示されている。HER2二量体化(HER2自体及びHER3との)を防ぐヒト化抗体、ペルツズマブは、HER2及び/又はHER3過剰発現卵巣癌を有する患者に治療効果をもたらすことが示されている。

0070

HER1アミノ酸配列の例には、NCBI/Genbankアクセッション番号NP_005219、CAA25240、AAT52212、AAZ66620、BAF83041、BAH11869、ADZ75461、ADL28125、BAD92679、AAH94761が含まれ、その全てが、2011年10月27日にGenbankに提供されているように、出典明示により本明細書に援用される。HER2、アミノ酸配列の例には、NCBI/GenbankアクセッションBAJ17684、P04626、AAI67147、NP_001005862、NP_004439、AAA75493、AAO18082が含まれ、その全てが、2011年10月27日にGenbankに提供されているように、出典明示により本明細書に援用される。HER3アミノ酸配列の例には、NCBI/Genbankアクセッション番号NP_001973、P21860、AAH82992、AAH02706、AAA35979が含まれ、その全てが、2011年10月27日にGenbankに提供されているように、出典明示により本明細書に援用される。HER4アミノ酸配列の例には、NCBI/Genbankアクセッション番号、AAI43750、Q15303、NP_005226、NP_001036064、AAI43748が含まれ、その全てが、2011年10月27日にGenbankに提供されているように、出典明示により本明細書に援用される。

0071

免疫複合体:可溶性抗原への抗体の結合は免疫複合体を形成する。免疫複合体の形成は、当業者に公知の従来の方法、例えば免疫組織化学、免疫沈降フローサイトメトリー免疫蛍光顕微鏡、ELISA、イムノブロッティング(すなわち、ウェスタンブロット)、磁気共鳴画像、CTスキャンX線、及び親和性クロマトグラフィーにより検出することができる。選択された抗体の免疫学的結合特性は、当該技術分野でよく知られた方法を用いて定量することができる。

0072

リンカー:コンジュゲートの2つの成分は、結合を通じて直接又はリンカーにより間接的に結合される。典型的には、リンカーは二官能性であり、すなわち、リンカーは各末端官能基を含み、官能基は、リンカーを2つのコンジュゲート成分に共有又は非共有結合するのに使用される。2つの官能基は同じであってもよく(すなわちホモ二官能性リンカー)、又は異なっていてもよい(すなわちヘテロ二官能性リンカー)が、より典型的にはヘテロ二官能性である。リンカーが使用される場合、適切な官能基は、コンジュゲートの2つの成分の結合を可能にし、一方で成分の官能性を損なわないように選択される。目的とするリンカーは、コンジュゲートの成分に応じて極めて広く異なり得る。多くの実施態様においてリンカーは、存在する場合、生物学的に不活性である。

0073

新生物(neoplasia)、癌又は腫瘍:新生物(neoplasm)は、過剰な細胞分裂から生じる組織又は細胞の異常な増殖である。新生物増殖は腫瘍を生じ得る。個体における腫瘍の量(amount)は、腫瘍の数、体積、又は重量として測定することができる「腫瘍量(tumor burden)」である。転移しない腫瘍は「良性」と呼ばれる。周囲組織浸潤し及び/又は転移し得る腫瘍は、「悪性」と呼ばれる。

0074

同じ組織タイプの腫瘍は、特定の臓器結腸、皮膚、乳房、前立腺膀胱又はなど)に由来する原発腫瘍である。同じ組織タイプの腫瘍は、種々のサブタイプの腫瘍に分類することができる。例えば、肺癌は、腺癌小細胞扁平上皮、又は非小細胞腫瘍に分類することができる。

0076

核酸:ホスホジエステル結合を介して結合されたヌクレオチド単位リボヌクレオチドデオキシリボヌクレオチド、関連する天然構造変異体、及びそれらの合成非天然アナログ)から成るポリマー、関連する天然構造変異体、及びそれらの合成非天然アナログ。故に、該用語は、ヌクレオチド及びヌクレオチド間の結合が非天然合成アナログ(例えば及びそれらに限定されることなく、ホスホロチオエートホスホルアミデートメチルホスホネートキラルメチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)等などの)を含むヌクレオチドポリマーを含む。そのようなポリヌクレオチドは、例えば自動DNA合成装置を用いて合成することができる。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)により表される場合、これは、「U」が「T」に取って代わるRNA配列(すなわち、A、U、G、C)も含むことが理解されよう。

0077

ヌクレオチド:用語は、ピリミジンプリン若しくはそれらの合成アナログなどの糖に結合された塩基、又はペプチド核酸(PNA)におけるようなアミノ酸に結合された塩基を含むが、これらに限定されない。ヌクレオチドは、ポリヌクレオチドにおける1単位である。ヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチドにおける塩基の配列を指す。

0078

ヌクレオチド配列を記載するのに従来の概念が本明細書で使用される。すなわち、一本鎖ヌクレオチド配列の左手の末端が5’末端であり、二本鎖ヌクレオチド配列の左手方向は5’方向と呼ばれる。新生RNA転写物へのヌクレオチドの5’から3’の付加の方向は、転写方向と呼ばれる。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖は「コード鎖」と呼ばれる。DNAから転写されたmRNAと同じ配列を有し、及びRNA転写物の5’末端に対して5’側に位置するDNA鎖上の配列は、「上流配列」と呼ばれる。RNAと同じ配列を有し、コーディングRNA転写物の3’末端に対して3’側にあるDNA鎖上の配列は、「下流配列」と呼ばれる。

0079

核酸プローブ:分子ハイブリダイゼーションにより相補配列の存在を検出するのに使用される、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、又は少なくとも30ヌクレオチド長などのヌクレオチドの短い配列。特定の例においてプローブは、プローブ:標的配列ハイブリダイゼーション複合体の検出を可能にする標識を含む。典型的な標識には、放射性同位体、酵素基質、補助因子、リガンド、化学発光剤又は蛍光剤、ハプテン、及び酵素が含まれる。これらの標識は、プローブに直接結合されてもよく、又はリンカーを介して結合されてもよい。様々な目的に適した標識方法及び標識を選択する際の手引きは、例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)、及びAusubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates and Wiley-Intersciences (1987)で論じられている。リンカーを核酸プローブに結合するのに適した方法は、当業者によく知られている。例えば、米国特許第5733523号、及びHermanson, “Bioconjugate Techniques,” Academic Press, San Diego, 1996参照。

0080

プローブは、10−60ヌクレオチド、30−60ヌクレオチド、20−50ヌクレオチド、30−50ヌクレオチド、20−40ヌクレオチド、又は10−40ヌクレオチドなどの標的核酸分子相補的な、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60又はそれ以上の隣接するヌクレオチドなどの、一般に少なくとも10ヌクレオチド長である。プローブはまた、最大長、例えば15、25、40、50、75又は100ヌクレオチド長以下であることもできる。当業者は、特定のプローブの特異性がその長さと共に増すことを理解するであろう。

0082

近位(Proximal):2つの分子間の質的又は量的距離、例えば、組織試料中の2つのタンパク質間の距離を指す。幾つかの実施態様において、互いに近位にある分子は、互いに少なくとも約100nm、少なくとも約75nm、少なくとも約50nm、少なくとも約35nm、少なくとも約30nm、少なくとも約25nm、少なくとも約20nm、少なくとも約15nm、少なくとも約10nm、少なくとも約5nm又はそれ以下の距離にある。近位は機能的関係ももたらし得る。例えば、2つの標的(例えば、2つのタンパク質)は、第1の標的が、第1の標的と結合されたビオチンリガーゼが第2の標的と結合された基質のビオチン化を可能にするのに第2の標的から十分な距離にある場合、近位と見なすことができる。近位の別の機能的定義は、2つのタンパク質の二量体化である。近位の別の機能的定義は、遺伝子転座と関連している。ゲノムの2つの部分は、それらが互いに隣接しているとき、又は互いに500,000bp内、100,000bp内、50,000bp内、25,000bp内、10,000bp内、若しくは1,000bp内にあるとき、近位と見なすことができる。これは、転座(別の染色体への移動又は逆位のいずれか)のため近位でない2つの部分とは対照的である。

0083

試料:特定の開示された実施態様は生体試料を利用する。生体試料は典型的には、ヒトなどの目的とする哺乳動物被検体から得られる。試料は、生検、剖検及び病理標本からの組織を含むがこれらに限定されない任意の試料であってもよい。生体試料には、組織切片、例えば、組織学的目的で採取された凍結切片も含まれる。生体試料には、細胞培養物又は細胞培養物の部分、例えば、被検体から採取された生体試料から増殖された細胞培養物も含まれる。

0084

生体試料は、当該技術分野で公知の任意の方法を用いて被検体から得ることができる。例えば、組織試料は、治療形態として腫瘍切除を受けた乳癌患者から得ることができる。これらの患者から、腫瘍組織及び周囲の非癌性組織の両方が得られ得る。幾つかの実施態様においてコントロールとして使用される非癌性組織試料は、死体から得られる。幾つかの実施態様において、生体試料は生検により得られる。生検試料新鮮であっても、凍結されても又は固定(ホルマリン固定及びパラフィン包埋など)されてもよい。試料は、(例えば皮下注射針又は他のタイプの針による)摘出マイクロダイセクションレーザーキャプチャー、又は当該技術分野で公知の任意の他の手段により、外科的に患者から取り出すことができる。

0085

幾つかの実施態様において、生体試料は組織試料、例えば、悪性又は良性乳癌腫瘍などの腫瘍と診断された被検体から得られた組織試料である。幾つかの場合において、組織試料は、健康な被検体又は死体ドナーから得られる。「試料」は、組織全体、又は組織の病変部分若しくは健康な部分のどちらかである組織の部分を指す。幾つかの実施態様において、悪性腫瘍組織試料はコントロールと比較される。幾つかの実施態様においてコントロールは、異なる被検体から得られた良性腫瘍組織試料である。幾つかの実施態様においてコントロールは、同じ被検体から得られた、腫瘍に隣接する良性腫瘍などの非癌性組織試料である。他の実施態様においてコントロールは、同じ被検体から得られた、悪性腫瘍を取り囲む非癌性組織などの非癌性組織試料である。他の実施態様においてコントロールは、死体からの非癌性組織試料である。他の実施態様においてコントロールは、歴史的値の平均に基づく標準値又は参照値などの参照試料である。

0086

幾つかの実施態様において生体試料は、腫瘍、例えば癌腫を有する、有することが疑われる、又は発症するリスクがある被検体から得られる。例えば、被検体は乳癌、卵巣癌、子宮癌又は胃癌を有する、有することが疑われる、又は発症するリスクがある。

0087

感度及び特異度:二項分類検定成績統計的測定。感度は、正しく同定される実際の陽性の割合(例えば、特定のウイルス由来の核酸を含むと同定される試料のパーセンテージ)を測定する。特異度は、正しく同定される陰性の割合(例えば、特定のウイルス又は細菌由来の核酸などの標的核酸を含まないとして同定される試料のパーセンテージ)を測定する。

0088

配列同一性:2つの核酸配列間類似性は、配列間の類似性の観点から表され、別名、配列同一性と呼ばれる。配列同一性は、パーセント同一性、類似性、又は相同性の観点からしばしば測定され、より高いパーセント同一性は、より高い程度の配列類似性を示す。

0089

NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)、Altschulら, J. Mol. Biol. 215:403-10, 1990は、配列分析プログラム、blastp、blastn、blastx、tblastn及びtblastxと共に使用するために、National Center for Biotechnology Information(NCBI、Bethesda、MD)を含む幾つかのソースから入手可能である。BLASTは、NCBIウェブサイトを通じてアクセスすることができる。このプログラムを用いて配列同一性を決定する方法の記載も、該ウェブサイト上で入手可能である。

0090

配列全体に満たない配列が配列同一性について比較される場合、ホモログは典型的には、10−20アミノ酸の短いウィンドウ上で少なくとも75%の配列同一性を有し、参照配列に対するそれらの類似性に応じて少なくとも85%又は少なくとも90%又は95%の配列同一性を有し得る。そのような短いウィンドウ上の配列同一性を決定する方法は、例えばNCBIウェブサイトに記載されている。

0091

これらの配列同一性範囲は、手引きとしてのみ示される。示された範囲の外にある強く意味のあるホモログが得られる可能性があることは、完全にあり得ることである。

0092

2つの核酸分子が密接に関係していることの代替となるしるしは、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしていることである。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、種々の環境パラメータ下で異なる。一般に、ストリンジェントな条件は、定義されたイオン強度及びpHでの特定の配列の融点温度(Tm)より約5℃から20℃低くなるように選択される。Tmは、標的配列の50%が、完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする温度(定義されたイオン強度及びpH下の)である。核酸ハイブリダイゼーションの条件及びストリンジェンシーの計算は、Sambrookら;及びTijssen, Hybridization With Nucleic Acid Probes, Part I: Theory and Nucleic Acid Preparation, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Elsevier Science Ltd., 1993に見出すことができる。

0093

特異的結合部分(複数可):特異的結合対のメンバー。特異的結合対は、他の分子への結合を実質的に排除して互いに結合することを特徴とする分子の対である(例えば、特異的結合対は、生体試料中の他の分子との結合対の2つのメンバーのどちらかの結合定数より少なくとも10−3大きい、10−4大きい又は10−5大きい結合定数を有することができる)。本明細書に開示された例示的なコンジュゲートを作成するのに使用される特異的結合部分は、それが標的に対する必要な結合親和性を示す限り、様々な種々のタイプの分子のいずれであってもよい。

0094

特異的結合部分は、小分子又は大分子を含み得る。小分子は、約50から約10,000ダルトン、より典型的には約50から約5,000ダルトン、さらにより典型的には約100から約1000ダルトンのサイズに及ぶであろう。大分子は、分子量が典型的には約10,000ダルトンより大きいものである。小分子は、標的に対する必要な親和性で結合することができるいずれかの分子、典型的には有機分子であり得る。小分子は典型的には、例えば疎水性親水性静電又は共有結合相互作用により小分子を標的と相互作用できるようにする一又は複数の官能基を含む。標的がタンパク質、脂質又は核酸である場合、小分子は典型的には、水素結合、疎水性−疎水性相互作用静電相互作用等などの構造的相互作用を可能にする官能基を含むであろう。小分子リガンドは、アミンアミドスルフヒドリルカルボニルヒドロキシル又はカルボキシル基、及び好ましくはこれらの官能基の少なくとも2つをしばしば含む。

0095

小分子は、一又は複数の上記の官能基で置換された環状及び/若しくはヘテロ環状非芳香族構造、並びに/又は芳香族若しくは多環芳香族構造をしばしば含む。同様に有用な小分子は、ペプチド、糖類、脂肪酸ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造的アナログ、又はそれらの組み合わせを含む、生体分子の間で見出される構造を含む。

0096

小分子は、合成又は天然化合物のライブラリーを含む多様な供給源から得ることができる天然又は合成化合物に由来し得る。例えば、ランダム化オリゴヌクレオチド及びオリゴペプチドの調製を含む、多様な有機化合物及び生体分子のランダム合成及び指向性合成のための数多くの方法が利用可能である。あるいは、細菌、真菌、植物及び動物抽出物の形態での天然化合物のライブラリーが利用可能であり、又は容易に作製される。さらに、天然ライブラリー又は合成的に作製されたライブラリー並びに化合物は、従来の化学的、物理学的及び生化学的手段により容易に修飾され、コンビナトリアルライブラリーを作製するのに使用することができる。既知の小分子が、構造的アナログを作製するために、アシル化アルキル化エステル化アミド化等などの指向性又はランダム化学修飾に供され得る。

0097

そのため、小分子は、コンビナトリアルな手段によって作製された化合物のライブラリー、すなわち化合物多様性コンビナトリアルライブラリーを含む、天然分子又は合成分子のライブラリーから得ることができる。そのようなライブラリーから得られる場合、使用された小分子は、簡便な結合親和性アッセイにおいて標的に対する幾つかの望ましい親和性を示していることになる。コンビナトリアルライブラリー並びにその作製及びスクリーニングの方法は、当該技術分野で公知であり、その開示が出典明示により本明細書に援用される米国特許第5741713号及び第5734018号に記載されている。特異的結合部分に関するさらなる情報は、同様に出典明示により本明細書に援用される、出願者の米国特許第7695929号により提供されている。特異的結合部分は大分子を含み得る。大分子特異的結合部分として特に興味深いのは、抗体、並びにその結合断片及び誘導体又はミメティックである。そのため、特異的結合部分は、モノクローナル又はポリクローナル抗体のいずれかであってもよい。同様に興味深いのは、一本鎖抗体すなわちscFv、又はキメラ抗体若しくはCDR移植抗体などの他の抗体誘導体などの、組換え的又は合成的に作製された抗体断片又は誘導体である。そのような組換え的又は合成的に作製された抗体断片は、上記の抗体の結合特性を保持する。そのような本発明の抗体断片、誘導体又はミメティックは、その開示が出典明示により本明細書に援用される米国特許第5851829号及び第5965371号に開示された方法などの任意の簡便な方法を用いて容易に調製することができる。

0098

同様に大分子特異的結合部分としての使用に適しているのは、ポリ核酸アプタマーである。ポリ核酸アプタマーは、受容体又は抗体と同じ方法ではるかにタンパク質を選択的に結合するRNAオリゴヌクレオチドであってもよく(Conradら, MethodsEnzymol. (1996), 267(Combinatorial Chemistry), 336-367)、又は特異的DNA標的配列を補完するDNAオリゴマーであってもよい。

0099

抗体ベースのペプチド/ポリペプチド又はタンパク質ベース結合ドメインに加えて、特異的結合部分はまた、レクチン、その可溶性細胞表面受容体若しくは誘導体、ファージディスプレイ若しくはリボソームディスプレイ又は任意のタイプのコンビナトリアルペプチド若しくはタンパク質ライブラリー由来のアフィボディ又は任意のコンビナトリアル由来タンパク質若しくはペプチドであってもよい。任意の特異的結合部分の組み合わせが使用されてもよい。

0100

重要には、特異的結合部分は、標的に対する特異的結合部分の結合親和性に実質的に影響を与えずに、コンジュゲートの第2の成分、又はリンカーへの結合を可能にするものとなろう。

0101

特異的結合部分の特定の例には、特異的結合タンパク質(例えば、抗体、レクチン、ストレプトアビジンなどのアビジン、及びプロテインA)が含まれる。特異的結合部分(複数可)はまた、そのような特異的結合タンパク質により特異的に結合される分子(又はその部分)を含む。

0102

被検体:ヒト、非ヒト霊長類ブタヒツジウシ齧歯類等などの任意の哺乳動物。故に、用語「被検体」は、ヒト及び獣医学的被検体の両方を含む。1つの例において、被検体は、HER+腫瘍を有することが知られる又は疑われる被検体である。別の例において、被検体は、ペルツズマブ又はトラスツズマブなどのHERに特異的な抗体による治療が検討されている被検体である。

0103

標的:存在、位置及び/又は濃度が決定される、又は決定することができる任意の分子。標的分子の例には、タンパク質及びタンパク質に共有結合されたハプテンなどのハプテンが含まれる。標的分子は典型的には、特異的結合分子及び検出可能な標識の一又は複数のコンジュゲートを用いて検出される。特定の標的の例には、タンパク質、炭水化物、又は核酸分子が含まれる。例示的なタンパク質標的には、p95、HER1、HER2、HER3又はHER4が含まれる。標的核酸分子には、近接度、再配列、増幅、欠失、検出、定量、定性的検出、又はそれらの組み合わせが探索される分子が含まれる。例えば、標的は、核酸分子の定義された領域又は特定の部分、例えばゲノムの部分(遺伝子又は目的とする遺伝子(又はその部分)を含有するDNA又はRNAの領域など)であってもよい。核酸分子は、精製された形態である必要はない。様々な他の核酸分子も標的核酸分子と共に存在してもよい。例えば、標的核酸分子は、特定の核酸分子(RNA又はDNAを含み得る)であってもよく、少なくともその一部分の増幅(ゲノム配列又はcDNA配列の部分など)が意図される。幾つかの例において、標的核酸には、ウイルス核酸分子、又は大腸菌若しくはコレラ菌由来の核酸分子などの細菌核酸分子が含まれる。必要であれば、標的核酸分子の精製又は単離が、市販の精製キット等の使用によるなど当業者に公知の方法により行われ得る。

0104

治療(treating又はtreatment):疾患又は疾患に関連した病的状態の徴候又は症状(腫瘍など)を改善する治療的介入(例えば、HER2を特異的に結合する抗体又はそのコンジュゲートの治療的に有効量の投与)。治療は、癌などの寛解又は状態の治癒も誘導することができる。特定の例において、治療は、例えば転移の進展又は原発腫瘍の進展の予防などの腫瘍の完全な進展を阻害することによる腫瘍の予防を含む。予防は、腫瘍の完全な欠如を必要としない。

0105

腫瘍に関連した徴候又は症状の低減は、例えば、り患しやすい被検体(まだ転移していない腫瘍を有する被検体など)における疾患の臨床症状の発症の遅延、疾患の幾つかの若しくは全ての臨床症状の重症度の低減、疾患のより緩徐な進行(例えば腫瘍を有する被検体の延命による)、疾患の再発回数の低減、健康全般の改善若しくは被検体のウェルビーイングにより、又は特定の腫瘍に特異的な当該技術分野でよく知られた他のパラメータにより証明することができる。

0106

腫瘍量:被検体における腫瘍(一又は複数)の全体の体積、数、転移、又はそれらの組み合わせ。

0107

チラミドシグナル増幅(TSA):ペルオキシダーゼ(ホースラディッシュペルオキシダーゼなど)の触媒活性を利用して標的分子(タンパク質又は核酸配列など)の高密度標識をin situで生成する酵素媒介検出方法。TSAは典型的には、3つの基本的工程を必要とする:(1)標的への特異的結合メンバー(例えば、抗体)の結合と、それに続く第2のペルオキシダーゼ標識特異的結合メンバーとの該特異的結合メンバーの二次検出、(2)ペルオキシダーゼによる標識チラミド誘導体(例えば、ハプテン標識チラミド)の複数コピーの活性化、及び(3)標的の近位にハプテンの沈殿(媒介された拡散及び反応性)をもたらす、ペルオキシダーゼ−標的相互作用部位に近位の残基(例えば、タンパク質チロシン残基フェノール部分)への得られた高反応性チラミドラジカルの共有結合。TSAの幾つかの例において、より多くの又はより少ない工程が必要とされる。例えば、TSA方法は、シグナルを増加させるために連続的に反復され得る。TSAの実施方法並びにTSAを実施するための市販のキット及び試薬が利用可能である(例えば、TSA(商標)を有するAmpMap Detection Kit、カタログ番号760−121、Ventana Medical Systems、Tucson、AZ;Invitrogen;TSAキット番号T−20911、Invitrogen Corp、Carlsbad、CA参照)。幾つかの実施態様において、TSAは提供されたPTDMの成分である。他の酵素触媒された、ハプテン又はシグナル伝達連結反応性種が利用可能になり得ることから、それらが代わりに使用されてもよい。

0108

〜に十分な条件下(under conditions sufficient for):所望の活性を可能にする任意の環境を記載するのに使用される。1つの例において所望の活性は、免疫複合体の形成である。別の例において所望の活性は、チラミドとフェノール部分の間の共有結合のペルオキシダーゼ触媒形成、例えば過酸化水素の存在下で生じる触媒である。

0109

3’末端:末端残基の3’に結合されたヌクレオチドを持たない核酸分子の末端。

0110

5’末端:末端残基の5’位がヌクレオチドにより結合されていない核酸配列の末端。

0111

II.方法の概要

0112

特定の開示された実施態様は、少なくとも第1の標的、及び典型的には、互いに十分近くに又は近位に位置する2つの別々に同定可能な標的の検出に関する。該方法は、例えば、生体試料中の近位のタンパク質又は核酸の存在又は非存在を検出するのに有用である。当業者は、核酸標的、炭水化物標的、及びタンパク質標的の組み合わせを含む他の生物学的標的が、開示された検出方法を用いて検出され得ることを認識するであろう。1つの実施態様において、該方法は、癌生検などの生体試料(特にFFPE試料)中のHERタンパク質のヘテロ及びホモ二量体化の存在又は非存在を検出する。さらに開示されるのは、該方法、並びに提供された近位標的検出方法を利用する診断及びスクリーニング方法で使用するためのコンジュゲート及びキットである。

0113

幾つかの実施態様において、近位標的検出方法は、生体試料中の近位標的に選択的に結合する新規の試薬の組み合わせを使用する。簡単には、目的とする第1の標的がビオチンリガーゼで標識され、第2の標的がビオチンリガーゼに対するペプチド基質で標識される。該方法は、生体試料中の第1の標的及び第2の標的の近接度を決定する工程を含み得る。幾つかの実施態様において、第1の標的はタンパク質であり、第2の標的はタンパク質である。幾つかの実施態様において、第1の標的はp95、HER1、HER2、HER3又はHER4であり、第2の標的はp95、HER1、HER2、HER3又はHER4である。

0114

幾つかの実施態様において、該方法は、第1の標的が第2の標的に近い、又は近位にあることを決定する。例えば、第1の標的は、第2の標的の75nm内、50nm内、35nm内、25nm内、10nm内又は5nm内などの(第2の標的の1nmから50nm、5nmから50nm、又は5nmから25nmなどの)、生体試料中の第2の標的の約100nm未満にあってもよい。

0115

図1は、標的Bと結合されたペプチド基質(本明細書では一般にBTSと呼ばれる)をビオチン化するために標的Aと結合されたビオチンリガーゼ(例えばBirA由来)を用いる、第1の標的A及び第2の標的Bのin situ近接検出に関する1つの開示された実施態様の概略図である。BTS−ビオチン産物は、その後、シグナル増幅有り又は無しでのストレプトアビジン−HRP又はストレプトアビジン−APの使用によるなど、記載されているように検出することができる。該方法の特定の実施態様は、FFPE組織におけるタンパク質−タンパク質相互作用の高感度及び特異的検出のために、ビオチンリガーゼ(大腸菌由来の酵素)及び18アミノ酸長ペプチド基質を利用した。ビオチンリガーゼは、ビオチンの存在下でBTSを効率的にビオチン化することができるが、反応は、図1に描かれているように酵素がBTSと物理的に接触するときにのみ生じ得る。したがって、特定の実施態様においてビオチンリガーゼ及びBTSは、目的とする標的(A及びB)をそれぞれ認識する2つの抗体に別々にコンジュゲートされた。目的とする標的が極近接している場合(例えばシグナル伝達リレーの引き金を引く細胞膜上の受容体二量体化)、特異的結合部分コンジュゲートのそれぞれの標的への結合は、ビオチンリガーゼ及びBTSを極近接にし、ビオチン化をもたらす。その後、ビオチン化産物が検出される。

0116

標的は、抗体により認識されるタンパク質でなくてもよい。代わりに、任意の生体分子、例えば脂質及び核酸が、修飾され及び任意の親和性「結合剤」により認識される場合、開示された近接検出方法用に使用されてもよい。この手法は、癌生物学などの病気において役割を有する近位標的を検出する高感度方法を提供し、これにより新規の洞察及び診断検査を提供して臨床医が患者を治療できるようにする。

0117

III.近位標的を検出するためのコンジュゲートプローブ
特定の実施態様には、第1のコンジュゲートが第1の標的Aを検出するように設計され、第2のコンジュゲートが第2の標的Bを検出するのに使用される。第1のコンジュゲートは、特異的結合部分、及び基質分子にプローブを典型的には共有結合する酵素を含む。第2のコンジュゲートは、特異的結合部分、及び酵素の基質を含む。適切な酵素、基質及び補助因子の例には、基質としてAP/AviTag/BTSを用いるビオチンリガーゼ、並びに補助因子としてのビオチン及びATP;補助因子としてSNAPタグ基質及びO6−ベンジルグアニンを用いるO6−アルキルグアニン−DNA−アルキルトランスフェラーゼ;並びに基質としてACPタグ及び補助因子としてCoAを用いる4’−ホスホパンテテイニルトランスフェラーゼが含まれる。

0118

方法は、ビオチンリガーゼ及びビオチンリガーゼ基質に関して本明細書で説明されている。したがって、ビオチンリガーゼコンジュゲートプローブは、特異的結合部分及び基質をビオチン化する酵素を含む。例示的な実施態様として、ビオチンリガーゼは、特定の標的に対して選択された一次又は二次抗体に共有結合された。標的Aの近位に位置する、又は標的Aとのダイマーである若しくはさもなければ標的Aと空間的に結合された、標的Bに特異的な第2プローブ(ビオチンリガーゼ基質プローブ)は、第2の標的Bと直接的又は間接的に結合するためのビオチン化基質と第2の特異的結合部分の間のコンジュゲートを含む。

0119

A.ビオチンリガーゼコンジュゲートプローブ
基質をビオチン化することができるいずれの酵素も、本発明の開示された実施態様による適切なビオチンリガーゼプローブを形成するのに使用することができる。切断されたタンパク質形態も、切断されたタンパク質が酵素活性を保持する限り使用することができる。例えば、アミノ末端DNA結合ドメインを欠くタンパク質の切断形態はビオチンリガーゼ活性を保持し、使用することができる。少なくとも60アミノ酸がBirA由来のビオチンリガーゼから除去され得、依然として酵素活性を保持すると現在は考えられている。酵素的ビオチン化は、ビオチンが特定の残基でタンパク質基質に典型的には共有結合されて、ストレプトアビジンにより検出可能なビオチン化産物を産生できるようにする。

0120

1.大腸菌由来のビオチンリガーゼ

0121

特定の開示された実施態様には、ビオチンリガーゼ(BirA由来)がビオチン及びATPの存在下で適切な基質をビオチン化するのに使用された。ビオチン−[アセチル−CoA−カルボキシラーゼ]リガーゼ(EC6.3.4.15)は、以下の反応を触媒する:
ATP+ビオチン+apo−[アセチル−CoA:二酸化炭素リガーゼ(ADP形成)]

AMP二リン酸+[アセチル−CoA:二酸化炭素リガーゼ(ADP形成)

0122

開示された実施態様を実施するのに有用な酵素の1つの例示的なクラスの系統名は、ビオチン:アポ−[アセチル−CoA:二酸化炭素リガーゼ(ADP形成)]リガーゼ(AMP形成)である。他の一般名には、ビオチン−[アセチル−CoAカルボキシラーゼ]シンテターゼ、ビオチン−[アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ]シンテターゼ、アセチル補酵素Aホロカルボキシラーゼシンテターゼ、アセチルCoAホロカルボキシラーゼシンテターゼ、ビオチン:アポカルボキシラーゼリガーゼ、ビオチンホロ酵素シンテターゼ、及びHCSが含まれる。

0123

ビオチンリガーゼは様々な供給源から利用可能である。大腸菌由来のビオチンリガーゼが特定の実施態様に使用された。本出願は、実質的に大腸菌由来のビオチンリガーゼの使用に関して進められるが、当業者は、任意の供給源由来のビオチンリガーゼが使用され得ることを理解するであろう。特定の実施態様には、大腸菌由来のBir A遺伝子が、プラスミドpBIOTIN LIGASEcm由来のDNAテンプレートによるPCRにより増幅された(ビオチンリガーゼは必須遺伝子であるため、いずれの大腸菌ゲノムDNAも同じ目的を果たすことに留意)。5’プライマー配列は、配列番号1として以下に示される:
配列番号1
CATATGGGAAGCGGCCATCACCACCACCATCACGGAGGCGGAGGTTCAGGCTGCAGCAACCTGTCTACCTGTGTGTTGAAGGATAACACCGTGCCAC

0124

この配列は、ポリヒスチジンタグとそれに続くサケカルシトニン由来のジスルフィド架橋(CSNLSTCVL)を含む。ポリヒスチジンタグは、金属親和性精製による精製を促進し、ジスルフィド架橋は、抗体への化学的コンジュゲーションに使用された。3’プライマー配列は、配列番号2として以下に示される:
配列番号2
GCTGTCGACTTATTTTTCTGCACTACGCAGGGATA

0125

大腸菌由来のビオチンリガーゼ遺伝子は、以下の実施例1の方法によるビオチンリガーゼを作製するのに使用された。ビオチンリガーゼは、Ni−NTAカラムで精製されて1リットル培養物から約25ミリグラムを得た。特定の実施態様のための融合タンパク質配列が、配列番号3として以下に示される:
配列番号3
MGSGHHHHHHGGGGSGCSNLSTCVLKDNTVPLKLIALLANGEFHSGEQLGETLGMSRAAINKHIQTLRDWGVDVFTVPGKGYSLPEPIQLLNAKQILGQLDGGSVAVLPVIDSTNQYLLDRIGELKSGDACIAEYQQAGRGRRGRKWFSPFGANLYLSMFWRLEQGPAAAIGLSLVIGIVMAEVLRKLGADKVRVKWPNDLYLQDRKLAGILVELTGKTGDAAQIVIGAGINMAMRRVEESVVNQGWITLQEAGINLDRNTLAAMLIRELRAALELFEQEGLAPYLSRWEKLDNFINRPVKLIIGDKEIFGISRGIDKQGALLLEQDGIIKPWMGGEISLRSAEK

0126

ビオチンリガーゼ酵素アッセイが、実施例2に記載されているように、精製タンパク質及び抗体コンジュゲートの活性を評価するために開発された。反応産物は分析され、ビオチン化の前後にペプチド基質を検出してMALDI−TOFにより確認された。

0127

開示された実施態様を実施するのに適した例示的な酵素のさらなる例には、サーモコッカス・コダカラエンシスKOD1、サーモコッカス・ジリギーAN1、サーモコッカス・ガンマトレランスEJ3、パイロコッカス・アビシGE5、パイロコッカス・ホリコシイOT3、及びC型ボツリヌス菌由来のものが含まれる。適切な酵素のこれらのさらなる例の配列は以下の通りである:
2.ビオチンタンパク質リガーゼ[サーモコッカス・コダカラエンシスKOD1]
配列番号4
MEWNVIRLDEVDSTNEYAKKLIPDVSEGTVVVAKRQTSGRGRKGRAWASPEGGLWMSVILKPPMIDPRLVFVGALAVSDTLRDFGIGAWIKWPNDVWVGNRKISGVLTEVKGDFVIMGVGLNVNNEIPDGLKETATSMMEALGEPVDIGEVLERLLEYLGRWYKTFLENPPLVVEEVRGRTMLIGKEVRVLLDGNDLVGRVITISDDGSLILDVDGQTVKVVYGDVSVRINR
3.ビオチンタンパク質リガーゼ[サーモコッカス・ジリギーAN1]
配列番号5
MWKIIHLDEVDSTNDYAKSIAEESPEGTVVIAKRQTAGKGRKGRSWASPEGGLWMSVILKPERTDPRLVFVGALAVVDTLADFGIKGWIKWPNDVWVEGKKIAGVLTEGKAEKFVVMGIGLNVNNPVPEGLEREATSMIYHTGMELPLDSVLDRLLFHLGGWYGVYKERPELLVEKLRQRTFILGKAVRVTEDDKTIIGRALDVLDDGSLLLEVGGELRRILYGDVSVRPL
4.ビオチンタンパク質リガーゼ[サーモコッカス・ガンマトレランスEJ3]
配列番号6
MEWNIITLDEVDSTNEYARRIAPTAPEGTVVVAKRQTAGRGRKGRRWASPEGGLWMTVILKPKSGPEHVTKLVFVGALAVLDTLHEYGIRGELKWPNDVLVDGKKIAGILSECRLNHFALLGIGLNVNNEIPDELRESAVSMKEVLGRAIDLEEVLNRVLRNLSRWYGLFRNGRHGEILKAVKGSSAVLGKRVRIIEDGEIIAEGIAVDIDNSGALILKGEENTVRVLYGDVSLRFS
5.ビオチンタンパク質リガーゼ[パイロコッカス・アビシGE5]
配列番号7
MLGLKTSVIGRTIIYFQEVASTNDYAKAENLEEGTVIVADRQIKGHGRLERKWESPEGGLWMSVVLTPRVSQEDLPKIVFLGALAVVETLREFSIDARIKWPNDVLVNYRKVAGVLVEAKGEKVILGIGLNVNNKVPDGATSMKQELGSEIPMLNVFKTLVKTLDSLYLKFLESPGKILERAKRSMILGVRVKVLSDGEVEAEGIAEDVDEFGRLIVRLDDGRVKKILYGDVSLRFL
6.ビオチンタンパク質リガーゼ[パイロコッカス・ホリコシイOT3]
配列番号8
MLGLKTSIIGRRVIYFQEITSTNEFAKTSYLEEGTVIVADKQTMGHGRLNRKWESPEGGLWLSIVLSPKVPQKDLPKIVFLGAVGVVETLKEFSIDGRIKWPNDVLVNYKKIAGVLVEGKGDKIVLGIGLNVNNKVPNGATSMKLELGSEVPLLSVFRSLITNLDRLYLNFLKNPMDILNLVRDNMILGVRVKILGDGSFEGIAEDIDDFGRLIIRLDSGEVKKVIYGDVSLRFL
7.ビオチンリガーゼ二官能性タンパク質、推定[C型ボツリヌス菌]
配列番号9
MKEEIISLLKENKDNFISGEKISEKFGITRAAIWKYMKAIKNEGYKIESVSRKGYKLISSPDLLTFQEINPYLTTNYIGKNIMYFNTIDSTNNKAKELGAKDILEGTVVISEEQTGGRGRLGRQWVSPKFKGIWMSIILRPNIEPMEAAKITQIAAAAVCSVIKELGIDVYIKWPNDIVLNNKKICGILTEMSGEINKINYIVLGIGINVNIDKEDFPEYIKDIATSIKIETGLNIQRKELIAKIFNKFEILYDEFINEGTIKKSIEICKGNSALLGKEVKIIRKSTEVFAKALTIAEDGELIVEYDDGKVEKIVSGEVSIRGMYGYV

0128

適切なコンジュゲートを作成する方法の1つの実施態様が、図2図式化して示されている。例えば、約2から約20PEG単位、より典型的には2から約10PEG単位、さらにより典型的には4から8PEG単位を有するPEGリンカーを含むヤギ抗ウサギ:ビオチンリガーゼコンジュゲートが作成された。反応前、PEGリンカーは一方の末端にマレイミド官能基、及び他方の末端にNHSエステルを有し、これにより式MAL−PEG8−NHSを有した。抗体−リンカーコンジュゲートは、NHSエステル官能性により抗体をリンカーに結合して作成された。ビオチンリガーゼ−SSは、反応性スルフヒドリル基を形成するために低減された。低減されたビオチンリガーゼ酵素は、スルフヒドリル基ペンダントマレイミド基の間の反応によりヤギ抗ウサギ:ビオチンリガーゼコンジュゲートを形成するために、抗体−リンカーコンジュゲートと結合された。コンジュゲートは、Superdex 200 HR 10/30ゲルを用いてGE AKTAFPLCで精製された。タンパク質は、PBS(10mMホスフェート、pH=7.4)を用いて溶出された。この合成に関するさらなる詳細は、実施例3に提供されている。この手順は典型的には、1−3ビオチンリガーゼ:1抗体の結合をもたらした。

0129

ビオチンリガーゼ−抗ハプテン抗体コンジュゲートは、類似の方法で形成することができる。例えば、マウス抗ニトロフェニル:Bir Aコンジュゲートが、MAL−PEG8−NHSを用いてこの方法で形成された。他のIgGとのコンジュゲートは、同じ又は類似の条件下で合成された。

0130

コンジュゲートは、他の適切な方法により作成することができる。例えば、コンジュゲートは、以下に示された4FB−HyNic化学(Solulink)を用いて作成された。

0131

通常、抗体は、以下に示された4FB−NHS(Solulink)を用いて修飾された。

0132

ビオチンリガーゼは、HyNic−NHS(Solulink)で修飾された。過剰な試薬の除去後、4FB−Abは、HyNic−ビオチンリガーゼと混合されてビオチンリガーゼ−Abコンジュゲートを形成した。反応は10mMアニリンを用いて触媒された。コンジュゲーション産物は、上記のように精製された。

0133

コンジュゲートの酵素活性は保持されなければならい。さもなければコンジュゲートは、近位標的検出での使用に適さない。それに応じて、コンジュゲートの活性がアッセイされた。特定の例示的なコンジュゲート活性アッセイの結果は、図4−6に示されている。

0134

B.ビオチンリガーゼ基質プローブ
同様に、近位対の標的Bに対する第2プローブには、ビオチンリガーゼ基質が、標的Bに対する特異的結合親和性について選択された特異的結合部分にコンジュゲートされる。コンジュゲーションは、ビオチンリガーゼ基質及び特異的結合部分を効率的に結合するいずれの方法であってもよいが、最も典型的には共有結合を伴う。

0135

特定の実施態様について、ペプチド基質ビオチンリガーゼ標的ペプチド配列(BTS)は、
配列番号10
GGSGLNDIFEAQKIEWHEであった。

0136

HyNic部分は、ヒドラゾン化学による化学的コンジュゲーションを促進するためにN末端に提供された。他の化学、例えばマレイミド化学によるスルフヒドリル修飾も、適切なコンジュゲートの形成に有用である。BTS上の最初の3つのアミノ酸(GGS)は、化学的コンジュゲーションのためのリンカーとして機能する。

0137

ビオチンリガーゼ基質コンジュゲートを作成するための例示的な方法において、抗体は4FB−PEG−PFP活性エステル(Solulink S−1034)と結合された。これらのコンジュゲートに対して、PEGリンカーは典型的には2から約20 PEG単位、より典型的には2から約10 PEG単位、さらにより典型的には4から8 PEG単位を有する。特定の実施態様には、PEGリンカーはPEG4リンカーであった。混合物は精製され、HyNic標識BTS(Biosynthesis, Inc.製)が精製4FB−Abに添加され、得られたコンジュゲートは、VIVASPINフィルターを用いて精製された。BTS対抗体の比は、280nm(Ab)及び350nmの吸光度(4FB−HyNic反応から形成されたヒドラゾン結合)を測定して決定された。典型的には、この合成法は、1抗体あたり2から約5 BTS分子を提供した。このプロセスに従って作成されたコンジュゲートの例には、ヤギ抗ウサギ−BTS、ヤギ抗マウス−BTS、マウス抗ベンゾフラザン−BTS、及びマウス抗ニトロフェニル−BTSが含まれる。

0138

C.リンカー
第1及び第2の両方のプローブに関して、ビオチンリガーゼ及びビオチンリガーゼ基質は、原子に干渉することなく特異的結合部分に直接結合され得る。逆に、第1及び第2プローブの1つ又は両方は、ビオチンリガーゼ又はリガーゼペプチド基質のどちらかの成分を特異的結合部分に連結する化学的リンカーを含むこともできる。種々の長さのリンカーが、例えば基質をビオチンリガーゼの十分近接にしてビオチン化を可能にするように選択され得る。

0139

典型的には、化学的リンカーは二官能性である。すなわち、リンカーは各末端に官能基を含み、官能基は、リンカーを2つのコンジュゲート成分に結合するのに使用される。2つの官能基は同じであってもよく(すなわち、ホモ二官能性リンカー)、又は異なっていてもよい(すなわち、ヘテロ二官能性リンカー)が、より典型的にはヘテロ二官能性である。リンカーが使用される場合、そのような基は、コンジュゲートの2つの成分の結合を可能にする一方で、官能性を損なわないように選択され得る。そのような末端官能基には、例として及び限定することなく、アミン、アルコールチオールヒドラジドカルボニル反応基アルデヒド、酸及びエステルなど)、ビニルケトンエポキシドイソシアネート、マレイミドなど)、付加環化反応し、ジスルフィド結合を形成し、金属又は光反応基に結合することができる官能基が含まれる。特定の例には、第1級又は第2級アミン、ヒドロキサム酸、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートオキシカルボニルイミダゾール、ニトロフェニルエステル、トリフルオロエチルエステル、グリシジルエーテルビニルスルホン、及びマレイミドが含まれる。これらの基は、特異的結合部分及び他の所望の化合物への結合を促進する。

0140

幾つかの実施態様において、リンカーは一般に少なくとも約50ダルトンであるが、より詳細には少なくとも約100ダルトンであり、500ダルトン以上の大きさであってもよい。開示されたコンジュゲートの形成に適したリンカーの第1のクラスは、一又は複数の不飽和部位を有する脂肪族炭化水素鎖、又はアルキル鎖などの脂肪族化合物である。鎖の長さは異なり得るが、典型的には約30原子の実用上限界を有する。約30炭素原子より大きい鎖長は、より小さい鎖長を有する化合物より効果が少ないことが証明されている。故に、脂肪族鎖リンカーは典型的には、約1炭素原子から約30炭素原子の鎖長を有する。しかし、当業者は、特定のリンカーが30より多い原子を有し、及びコンジュゲートが依然として所望された通りに機能するならば、そのような鎖長は依然として本発明の範囲内であることを理解するであろう。

0141

1つの実施態様において、リンカーは、非分岐鎖に2つを超える炭素原子を有する、アミノ又はメルカプト炭化水素などの反応基で官能化された直鎖又は分岐アルキル鎖である。例にはアミノアルキル、アミノアルケニル及びアミノアルキニル基が含まれる。あるいは、リンカーは10−20炭素長のアルキル鎖であり、Si−C直接結合又はエステル,Si−O−C,結合(出典明示により本明細書に援用されるFooteに対する米国特許第5661028号参照)を通じて結合されてもよい。他のリンカーが利用可能であり、当業者に公知である(例えば、各々が出典明示により本明細書に援用される米国特許第5306518号、第4711955号及び第5707804号参照)。

0142

本発明を実施するのに有用なリンカーの第2のクラスは、アルキレンオキシドである。アルキレンオキシドは、エチレングリコールなどのグリコールを参照して本明細書に示される。本発明のコンジュゲートは、リンカーの親水性がコンジュゲートの炭化水素鎖と比べて増加される場合、特に有用であることがわかった。当業者は、酸素原子の数が増加するにつれて化合物の親水性も増加し得ることを理解するであろう。故に、本発明のリンカーは典型的には、(−OCH2CH2−)nの式(nは約2から約20であるが、より詳細にはnは約2から約10、さらにより典型的には約4から約8である)を有し、PEG4からPEG8として表され得る。

0143

本発明の特定の開示された実施態様を実施するのに有用なヘテロ二官能性ポリアルキレングリコールリンカーなどのリンカーは、各々が出典明示により本明細書に援用される、2006年4月28日に出願された米国特許出願第11/413778号、「Nanoparticle Conjugates」;2009年3月13日に出願された米国出願第12/381638号、「Antibody Conjugates」;並びに2010年1月14日に出願された米国特許出願第12/687564号及び米国特許第7695929号、「Molecular Conjugate」を含む、本出願者同時係属出願に記載されている。これらの出願に開示されたリンカーは、特異的結合部分、ビオチンリガーゼ、ビオチンリガーゼ基質、シグナル生成部分、及びハプテンをありとあらゆる所望の組み合わせで連結して、本発明の開示された実施態様で使用するためのコンジュゲートを形成するのに使用することができる。

0144

リンカーの他の例には、天然及び非天然ポリペプチド、炭水化物、ヘテロ原子を含有する可能性があり得る環状又は非環状系を含むペプチドが含まれるが、これらに限定されない。リンカー基はまた、金属イオンの存在が2つ以上のリガンドを統合して複合体を形成するように金属に結合するリガンドも含むことができる。別の実施態様においてリンカーは、互いに対する高い親和性を有する分子対である。そのような高親和性分子には、例えば、ストレプトアビジンとビオチン、ヒスチジンニッケル(Ni)、及びGSTとグルタチオンが含まれる。

0145

特定の例示的なリンカーには、エチレングリコール、PEG2、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10、PEG11、PEG12、PEG13、PEG14、PEG15、PEG16、PEG17、PEG18、PEG19、PEG20などのポリアルキレングリコール、1,4−ジアミノヘキサンキシレンジアミンテレフタル酸、3,6−ジオキサオクタン二酸、エチレンジアミン−N,N−二酢酸、1,1’−エチレンビス(5−オキソ−3−ピロリジンカルボン酸)、4,4’−エチレンピペリジン、スクシンイミジル−6−ヒドラジノニコチンアミド(S−HyNic,HyNic−NHS)、N−スクシンイミジル−4−ホルミルベンゾエート(S−4FB,4−FB−NHS)、マレイミドHyNic(MHPH)、マレイミド4FB(MTFB)、スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−オクタエチレングリコール]エステル(Mal−PEG8−NHS)、スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−テトラエチレングリコール]エステル(Mal−PEG4−NHS)、4−FB−PEG4−PFP、アジドベンゾイルヒドラジド、N−[4−(p−アジドサリシルアミノ)ブチル]−3'−[2'−ピリジルジチオ]プロピオンアミド)、ビススルホスクシンイミジルスべレート、ジメチルアジピミデートジスクシンイミジル酒石酸塩、N−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−4−アジドベンゾエート、N−スクシンイミジル[4−アジドフェニル]−1,3’−ジチオプロピオネート、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチルアミノベンゾエートグルタルアルデヒド、及びスクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート、3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SPDP)、4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(SMCC)等が含まれる。

0146

D.融合タンパク質
化学的リンカーの代わりに、酵素又はペプチド基質が遺伝子レベルで特異的結合部分に結合されてもよい。例えば、ビオチンリガーゼ及び/又はビオチンペプチド基質が、リンカーを用いてコンジュゲートされるのではなく抗体に融合される融合タンパク質が使用されてもよい。

0147

ビオチンリガーゼ及び特異的結合部分の配列をコードする融合タンパク質が使用されてもよい。例えば、以下のDNAヌクレオチド配列が、遺伝子合成、PCR及びギブソンアセンブリの組み合わせにより作成された。
配列番号11
ACATATGCGTGGTAGCCACCACCACCATCATCACGGTAGCGATTTGGGTAAGAAATTGCTGGAGGCAGCACGCGCAGGTCAGGATGACGAAGTGCGTATCCTGATGGCGAATGGCGCGGACGTGAACGCTAAAGACGAATACGGCCTGACGCCGCTGTATCTGGCAACCGCCCATGGCCACCTGGAAATCGTTGAAGTCCTGTTGAAAAACGGTGCCGACGTTAATGCTGTTGATGCGATTGGTTTCACCCCGCTGCATCTGGCCGCGTTTATCGGTCACCTGGAGATTGCGGAGGTGCTGCTGAAACACGGTGCGGATGTCAACGCACAGGATAAGTTTGGCACCGCGTTCGACATCAGCATTGGCAACGGCAATGAGGACCTGGCGGAGATTCTGCAAAAGCTGATGAAGGATAACACCGTGCCACTGAAATTGATTGCCCTGTTAGCGAACGGTGAATTTCACTCTGGCGAGCAGTTGGGTGAAACGCTGGGAATGAGCCGGGCGGCTATTAATAAACACATTCAGACACTGCGTGACTGGGGCGTTGATGTCTTTACCGTTCCGGGTAAAGGATACAGCCTGCCTGAGCCTATCCAGTTACTTAATGCTAAACAGATATTGGGTCAGCTGGATGGCGGTAGTGTAGCCGTGCTGCCAGTGATTGACTCCACGAATCAGTACCTTCTTGATCGTATCGGAGAGCTTAAATCGGGCGATGCTTGCATTGCAGAATACCAGCAGGCTGGCCGTGGTCGCCGGGGTCGGAAATGGTTTTCGCCTTTTGGCGCAAACTTATATTTGTCGATGTTCTGGCGTCTGGAACAAGGCCCGGCGGCGGCGATTGGTTTAAGTCTGGTTATCGGTATCGTGATGGCGGAAGTATTACGCAAGCTGGGTGCAGATAAAGTTCGTGTTAAATGGCCTAATGACCTCTATCTGCAGGATCGCAAGCTGGCAGGCATTCTGGTGGAGCTGACTGGCAAAACTGGCGATGCGGCGCAAATAGTCATTGGAGCCGGGATCAACATGGCAATGCGCCGTGTTGAAGAGAGTGTCGTTAATCAGGGGTGGATCACGCTGCAGGAAGCGGGGATCAATCTCGATCGTAATACGTTGGCGGCCATGCTAATACGTGAATTACGTGCTGCGTTGGAACTCTTCGAACAAGAAGGATTGGCACCTTATCTGTCGCGCTGGGAAAAGCTGGATAATTTTATTAATCGCCCAGTGAAACTTATCATTGGTGATAAAGAAATATTTGGCATTTCACGCGGAATAGACAAACAGGGGGCTTTATTACTTGAGCAGGATGGAATAATAAAACCCTGGATGGGCGGTGAAATATCCCTGCGTAGTGCAGAAAAATAACTCGAG

0148

この配列は、以下のアミノ酸配列を有する融合タンパク質をコードする:
配列番号12
MRGSHHHHHHGSDLGKKLLEAARAGQDDEVRILMANGADVNAKDEYGLTPLYLATAHGHLEIVEVLLKNGADVNAVDAIGFTPLHLAAFIGHLEIAEVLLKHGADVNAQDKFGTAFDISIGNGNEDLAEILQKLMKDNTVPLKLIALLANGEFHSGEQLGETLGMSRAAINKHIQTLRDWGVDVFTVPGKGYSLPEPIQLLNAKQILGQLDGGSVAVLPVIDSTNQYLLDRIGELKSGDACIAEYQQAGRGRRGRKWFSPFGANLYLSMFWRLEQGPAAAIGLSLVIGIVMAEVLRKLGADKVRVKWPNDLYLQDRKLAGILVELTGKTGDAAQIVIGAGINMAMRRVEESVVNQGWITLQEAGINLDRNTLAAMLIRELRAALELFEQEGLAPYLSRWEKLDNFINRPVKLIIGDKEIFGISRGIDKQGALLLEQDGIIKPWMGGEISLRSAEK#

0149

配列番号12に関して、太字はビオチンリガーゼコード配列識別する。太字でない文字は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織試料中のHER2抗原を結合することが知られる抗Her2 DARPinの配列である。アミノ末端のヘキサヒスチジン配列は、タンパク質精製を促進する。Zahndら J. Mol. Boil. (2007) 369, 1015-1028。

0150

別の例は、遺伝子合成、PCR及びギブソンアセンブリにより作成された以下のヌクレオチド配列を有するDNAである。
配列番号13
ATGGCTCAAGTACAACTGCAGCAATCTGGTACAGAGGTAGTTAAACCTGGCGCCTCTGTCAAATTGAGTTGCAAGGCTAGTGGTTACATTTTCACCTCTTATGACATTGACTGGGTTCGTCAAACTCCAGAACAAGGATTGGAATGGATTGGGTGGATCTTTCCTGGTGAGGGCTCTACGGAATACAACGAGAAGTTTAAGGGTAGAGCTACACTTAGTGTCGATAAGTCCTCCTCAACTGCTTACATGGAGCTTACGAGACTTACATCAGAAGATTCAGCCGTGTATTTCTGTGCTAGAGGAGATTACTACCGAAGGTACTTCGACTTATGGGGCCAGGGTACTACTGTGACAGTCAGTTCCGGAGGAGGAGGTTCCGGGGGTGGTGGTTCTGGCGGTGGTGGATCTGATATTGAGTTGACTCAATCACCCACTATCATGTCCGCTTCTCCTGGTGAAAGAGTTACCATGACATGTTCAGCATCTAGTTCAATCAGATACATCTATTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCTCCTCCCCACGTTTACTGATATACGACACCTCAAATGTTGCATCTGGTGTTCCATCAAGATTTTCTGGATCAGGATCCGGAACAAGTTATTCCCTAACCATAAACAGGATGGAAGCAGAGGATGCTGCCACGTATTACTGTCAAGAGTGGTCTGGCTATCCTTACACCTTTGGTGGTGGGACTAAGTTGGAATTGAAACAGGCCGCTGCAGGGCCCCGTCAAAAGGGCGACACAAAATTTATTCTAAATGCAGGTGGCGGTCTGAACGACATCTTCGAGGCTCAGAAAATCGAATGGCACGAATAA

0151

この配列は、以下のアミノ酸配列を有する融合タンパク質をコードする:
配列番号14
MAQVQLQQSGTEVVKPGASVKLSCKASGYIFTSYDIDWVRQTPEQGLEWIGWIFPGEGSTEYNEKFKGRATLSVDKSSSTAYMELTRLTSEDSAVYFCARGDYYRRYFDLWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIELTQSPTIMSASPGERVTMTCSASSSIRYIYWYQQKPGSSPRLLIYDTSNVASGVPSRFSGSGSGTSYSLTINRMEAEDAATYYCQEWSGYPYTFGGGTKLELKQAAAGPRQKGDTKFILNAGGGLNDIFEAQKIEWHE#

0152

太字は、ビオチンリガーゼによりビオチン化され得るBTSアミノ酸配列を示す。太字でない配列は、モノクロナル抗体A10Bに由来するマウス抗ウサギSCFVを表す。Shenら Anal. Chem. 2005, 77, 6834-6842。

0153

同様に、抗ウサギSCFVがビオチンリガーゼに融合される融合タンパク質が作成されており、配列は以下に示される:
配列番号15
MAQVQLQQSGTEVVKPGASVKLSCKASGYIFTSYDIDWVRQTPEQGLEWIGWIFPGEGSTEYNEKFKGRATLSVDKSSSTAYMELTRLTSEDSAVYFCARGDYYRRYFDLWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIELTQSPTIMSASPGERVTMTCSASSSIRYIYWYQQKPGSSPRLLIYDTSNVASGVPSRFSGSGSGTSYSLTINRMEAEDAATYYCQEWSGYPYTFGGGTKLELKQAAAGPRQKGDTKFILNAMKDNTVPLKLIALLANGEFHSGEQLGETLGMSRAAINKHIQTLRDWGVDVFTVPGKGYSLPEPIQLLNAKQILGQLDGGSVAVLPVIDSTNQYLLDRIGELKSGDACIAEYQQAGRGRRGRKWFSPFGANLYLSMFWRLEQGPAAAIGLSLVIGIVMAEVLRKLGADKVRVKWPNDLYLQDRKLAGILVELTGKTGDAAQIVIGAGINMAMRRVEESVVNQGWITLQEAGINLDRNTLAAMLIRELRAALELFEQEGLAPYLSRWEKLDNFINRPVKLIIGDKEIFGISRGIDKQGALLLEQDGIIKPWMGGEISLRSAEK

0154

ビオチンリガーゼが太字により示されているのに対し、抗ウサギSCFVは太字でない。

0155

以下のアミノ酸配列を有するDARPin融合タンパク質も作成されており、太字のBTS配列はDARPinのC末端に融合される。
配列番号16
MRGSHHHHHHGSDLGKKLLEAARAGQDDEVRILMANGADVNAKDEYGLTPLYLATAHGHLEIVEVLLKNGADVNAVDAIGFTPLHLAAFIGHLEIAEVLLKHGADVNAQDKFGTAFDISIGNGNEDLAEILQKLGGGLNDIFEAQKIEWHE#

0156

当業者は、ビオチンリガーゼ及び/又はビオチンリガーゼペプチド基質が、重鎖コード領域と軽鎖コード領域の間のスペーサーなどの一本鎖可変断片(SCFV)におけるN末端又はC末端となり得ることも理解するであろう。当業者は、ビオチンリガーゼ及び/又はビオチンリガーゼペプチド基質が、一方の末端又は両末端に1つを超えるコピーとして存在し得ることも理解するであろう。

0157

E.例示的なコンジュゲートの化学式
本発明のコンジュゲートは典型的には、ビオチンリガーゼ又はビオチンリガーゼ基質にコンジュゲートされる特異的結合部分(SBM)を含む。本開示の特定の実施態様を記載する第1の一般式は、SBM−(リガーゼ又は基質)である。そのような化合物はリンカーも含んでいてもよい。リンカーを有する実施態様は、式SBM−リンカー−(リガーゼ又は基質)を満足する。特定の開示されたコンジュゲートの統合された一般式は、故にSBM−([リンカー)m−(ビオチンリガーゼ又はビオチンリガーゼ基質)]n(mは0から5、及びnは1から10である)である。より詳細には、mは0から2、及びnは1から5である。mが1より大きい場合、リンカーは複数の異なるサブコンポーネントを含む。例えば、SBM及びビオチンリガーゼは両方とも、結合されたリンカーを含み得、リンカーは次いでSBM及びリガーゼ連結するように反応され得る。

0158

特定の実施態様において、本開示によるコンジュゲートは、一般構造体SBM−(リンカー)m−ビオチンリガーゼ(m=0から10、及びより典型的にはm=0から2)を有する。1つの例において、リンカーは、PEG2、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10、PEG11、PEG12、PEG13、PEG14、PEG15、PEG16、PEG17、PEG18、PEG19又はPEG20などのPEGリンカーを含む。これらの実施態様に関して、PEG4は、4つの別個のサブユニットを含むリンカーと対照的に単一のリンカーと見なされる。より特定の実施態様において、SBMは抗体である。さらにより特定の実施態様において、ビオチンリガーゼはBirA由来である。

0159

特定の例においてヤギ抗ウサギ(GAR)は、PEG8リンカーでビオチンリガーゼにコンジュゲートされた。これは、式SBM−(リンカー)m−ビオチンリガーゼ(SBMはGARであり、リンカーはPEG8であり、m=1、リガーゼはBirA由来である)を満足する。

0160

PEG8基は、PEG鎖の一方の末端のカルボン酸官能基とGAR上のアミンの間に形成されたアミド結合を通じてGARに結合される。PEG鎖の他方の末端は、ビオチンリガーゼ上の活性スルフヒドリル基に結合する活性マレイミド(MAL)基を含む。

0161

ビオチンリガーゼ−抗体コンジュゲートの別の例は、マウス抗ニトロフェニル−PEG8−ビオチンリガーゼなどの抗ハプテン抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲートである。

0162

以前の例のように、リンカーは、アミド結合を介して抗体に、及びMAL基を通じてビオチンリガーゼに結合された。

0163

さらに別の例は、マウス抗ニトロフェニル(MsxNP)−4FB−HyNic−ビオチンリガーゼである。

0164

この例においてリンカーは、MsxNP上のアミンを4−ホルミルベンゾエートで活性化し、及びビオチンリガーゼ上のアミンをHyNic基で活性化して形成された4FB−HyNicである。これらの2つの基が次いで結合されてコンジュゲートを形成する。

0165

別の例において、本発明の開示された実施態様によるコンジュゲートは、一般構造体SBM−(リンカー)m−ビオチンリガーゼ基質(m=0から10、より詳細にはm=0から2)を有する。1つの例において、リンカーは、PEG2、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10、PEG11、PEG12、PEG13、PEG14、PEG15、PEG16、PEG17、PEG18、PEG19又はPEG20などのPEGリンカーを含む。特定の実施態様において、基質はBTSである。

0166

特定の例においてヤギ抗ウサギ(GAR)は、PEG4リンカーによりBTSにコンジュゲートされる。これは、式SBM−(リンカー)m−基質(SBMはGARであり、リンカーはPEG4であり、m=1、基質はBTSである)を満足する。

0167

PEG4基は、PEG鎖の一方の末端のカルボン酸官能基とGAR上のアミンの間に形成されたアミド結合を通じてGARに結合される。PEG鎖の他方の末端は、BTSに結合されたHyNic基に結合された4FB基で活性化されている。

0168

別の例は、ヤギ抗マウス(GAM)−PEG4−BTSなどの抗抗体:ビオチンリガーゼ基質コンジュゲートである。

0169

以前の例のように、GAMはアミド結合を介してPEG4に結合される。PEG4は次いで4FB−HyNic化学によりBTSに結合される。

0170

別の例は、マウス抗BF(MsxBF)−PEG4−BTSなどの抗ハプテン抗体:ビオチンリガーゼ基質コンジュゲートである。

0171

抗ハプテン抗体:ビオチンリガーゼ基質コンジュゲートのさらに別の例は、マウス抗ニトロフェニル−PEG4−BTSである。

0172

IV.標的の検出方法
A.一般的考察
図1は、2つの近位標的を検出するための本発明による方法の1つの実施態様を図式化して示す。2つの標的、A及びBは、試料中で潜在的に極近接に位置している。試料は、コンジュゲートが標的Aと結合できるようにする条件下で、ビオチンリガーゼ及び抗A抗体を含む第1プローブコンジュゲートと接触される。試料は、コンジュゲートが標的Bと結合できるようにする条件下で結合されたビオチンリガーゼ基質及び抗B抗体を含む第2プローブコンジュゲートと、同時に又は連続的に接触される。プローブがそれぞれの標的と結合した後、ビオチンリガーゼは、ビオチン化が生じるためには、ビオチンリガーゼ基質に近接した反応距離内になければならない。ビオチン化反応は、ビオチン及びATP依存性である。これらの試薬を添加すると、及びビオチンリガーゼ及びビオチンリガーゼ基質が十分に極近接にあるならば、ビオチンリガーゼ基質はビオチン化される。

0173

B.モデル系
強制近接アッセイ(force proximity assay)が、ビオチンリガーゼ及びBTSコンジュゲートに関して、コンジュゲートを同じ分子又は同じ分子に連結された異なる分子に結合して行われた。これらのアッセイは、組織スライドにおける様々なビオチンリガーゼコンジュゲートの活性を検査するための、及びFFPE組織におけるタンパク質近接性のビオチンリガーゼベ−スのin situ検出の実現可能性を実証するためのモデル系として役立つ。3つのモデル系、すなわち、モデル系1−単一抗体強制近接、モデル系2−ハプテン化抗体強制近接、及びモデル系3−ハプテン標識BSAが使用された。

0174

モデル系1は、図3に図式化して示されている。試料中の単一の標的が、標的との結合用に選択されたウサギ抗体などの一次抗体と結合された。2つのコンジュゲートが次いで作成された。第1のコンジュゲートは、ヤギ抗ウサギ抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲートであり、第2のコンジュゲートは、ヤギ抗ウサギ抗体:BTSコンジュゲートであった。試料はこれらの2つのコンジュゲートと接触され、コンジュゲートはウサギ一次抗体と結合された。ビオチンリガーゼ及びビオチンリガーゼ基質の両方と組織上の同じ分子との結合は極近接を誘導し、ビオチンリガーゼ活性部位とBTSとの物理的接触を可能にした。これは、ビオチン及びATPを添加した際のBTSのビオチン化をもたらした。該反応後のビオチンの存在は、ビオチンリガーゼ及びBTSが、ビオチン化を可能にするのに十分に近い反応近接性にあることを肯定的に示すものであった。

0175

ビオチンは、任意の既知のプロセスにより検出することができる。図3は、ビオチンとストレプトアビジンの間の特異的結合対を形成するストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲートの使用を例示している。HRPの存在は、ジアミノベンジジン(DAB)/H2O2染色を用いて検出された。

0176

このプロセスは、FFPE組織において使用されている。例えば、扁桃組織におけるKi−67検出は、単一抗体強制近接アッセイを用いて達成されている。扁桃組織は、ウサギ抗Ki−67抗体と接触された。試料は次いで、ヤギ抗ウサギ抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲート、及びヤギ抗ウサギ抗体:BTSコンジュゲートを含む第1プローブコンジュゲートと接触された。ATPの添加は染色をもたらした。これは、ビオチン化基質の存在を示すのに対し、ATPの非存在下ではそのような染色は見られなかった。

0177

同様に、HER2は単一抗体強制近接アッセイを用いて検出された。より具体的には、HER2は、Calu−3異種移植片においてビオチンリガーゼ−BTSビオチン化を用いて検出された。この場合もやはり、ウサギ抗HER2(4B5)と結合されたヤギ抗ウサギ抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲート及びヤギ抗ウサギ抗体:BTSコンジュゲートの両方が、HER2検出を可能にするのに使用された。図4は、この検出手順から生じる染色の顕微鏡写真である。これらの結果は、ビオチンリガーゼベ−スのin situ近接アッセイの有用性を実証するさらなる例を提供するものである。

0178

図5は、ハプテン化抗体実施態様の有用性を確証するのに使用された第2のモデル系を例示する概略図である。極近接は、抗ハプテン及び抗種コンジュゲートを用いて達成され、ビオチンリガーゼによるBTSの成功裡のビオチン化を可能にした。

0179

図5に関して、試料中の単一の標的が、所望の標的に対して選択的な一次(10)抗体コンジュゲートと結合された。一次抗体コンジュゲートは、ベンゾフラザンハプテンなどのハプテンにコンジュゲートされたウサギ抗体を含んだ。試料は次いで、マウス抗ベンゾフラザン抗体などの抗ハプテン抗体と接触され、それに続いてヤギ抗ウサギ抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲートを含むプローブと接触された。最後に、試料は、ヤギ抗マウス抗体:BTSコンジュゲートを含むプローブと接触された。このプロセスは、ビオチンリガーゼ及びBTSの両方に同じ標的に結合することを強制し、2つの間の極近接を誘導し、ビオチン及びATPを添加した際のBTSのビオチン化をもたらした。ビオチンは、ストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲートと、それに続くDAB/H2O2染色を用いて検出された。BTSのビオチン化を促進するために、ビオチンリガーゼコンジュゲート及びビオチンリガーゼ基質コンジュゲートと組み合わせてハプテン化抗体を使用することの有用性は、陽性染色の観察により確証された。

0180

図6A及び6Bは、ビオチン化により近位に位置する標的の検出を可能にするために、ビオチンリガーゼコンジュゲート及びビオチンリガーゼ基質コンジュゲートと組み合わせて、ハプテンの抗体媒介検出を使用することの有用性を確証する、さらなる第3の実施態様を例示している。図6Aの例示的な実施態様において、BSAは、2つのハプテンを極近接に配置するように2つのハプテン(ハプテン1及びハプテン2)で同時に標識された。図6Aは、試料中の単一の標的と第1のハプテン1及び第2のハプテン2との接触を例示している。試料は次いで、一次ウサギ抗ハプテン1抗体、及び一次マウス抗ハプテン2抗体と接触された。試料は次いで、ヤギ抗ウサギ抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲート及びヤギ抗マウス抗体:BTSコンジュゲートと接触された。このプロセスは、ビオチンリガーゼ及びBTSの両方に、試料上の近位に位置するハプテン1及びハプテン2に結合することを強制し、これによりビオチンリガーゼとBTSの間の極近接を誘導し、ビオチン及びATPを添加した際のBTSのビオチン化をもたらした。

0181

図6Bは、図6Aに例示された実施態様のコントロ−ルを図式化して示している。図6Bは、第1のBSA分子とハプテン1との接触、及び第2のBSA分子とハプテン2との接触を例示している。BSA−ハプテン1試料は、ウサギ抗ハプテン1抗体と接触され、それに続いてヤギ抗ウサギ抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲートと接触された。BSA−ハプテン2試料は、マウス抗ハプテン2抗体と接触され、それに続いてヤギ抗マウス抗体:BTSコンジュゲートと接触された。この試料へのビオチン及びATPの添加後、ビオチン化は検出されなかった。図6Bの方法において、BSAは単一のハプテンで別々に修飾され、故に2つのハプテンは同じBSA分子上になく、図6Aよりはるかに大きい標的分離距離をもたらした。2つのタイプのハプテン修飾BSA分子を共に混合し、及び図6Aのために例示されたのと同じ検出方を使用してさえ、結合されたビオチンリガーゼとBTSの間の距離は、ビオチン化を可能にするには依然として大き過ぎ、故に陰性染色をもたらした。

0182

C.ホルマリン固定パラフィン包埋試料
本発明の特定の開示された実施態様は特に、典型的には自動染色プラットフォームで使用されるようなホルマリン固定パラフィン包埋試料での使用が意図される。したがって、図7により例示されているように、ホルマリン固定パラフィン包埋試料で使用するための本発明の開示された実施態様の有用性を確証するモデル系が開発された。図7に関して、3つの異なるBSA−ハプテンコンジュゲートが形成された。第1のコンジュゲートは、同じBSA分子上で近位に位置するハプテン1及びハプテン2を含み、第2のコンジュゲートはBSA−ハプテン1コンジュゲートを含み、第3のコンジュゲートはBSA−ハプテン2コンジュゲートを含み、これにより、図6A及び6Bに関して記載されたものと類似の3つのコンジュゲートを形成した。スライド上のホルマリン固定パラフィン包埋試料は次いで、これらの3つのコンジュゲートと接触された。第1のハプテンとしてのジニトロフェニル、及び第2のハプテンとしてのジゴキシゲニンで二重ハプテン標識するために、第1のBSA−ハプテン1/ハプテン2コンジュゲートが、過剰なDig−NHS(Roche)、過剰なDNP−PEG8−NHS(Quanta Biodesign)、及び過剰なMAL−PEG8−MAL(Quanta)を用いて作成された。この産物は、図7の標識Dig/DNP−BSAである。モノハプテン標識には、それぞれMAL−PEG8−MAL(Quanta)を有する過剰なDig−NHS又はDNP−PEG8−NHSが添加された。これらの産物は、使用されたハプテンに従って図7のDig−BSA又はDNP−BSAとして標識される。修飾BSAを産生する全ての3つの反応産物は、Zebaミニスピンカラムを用いて精製された。

0183

ホルマリン固定パラフィン包埋胎盤組織スライドは脱パラフィンされ、抗原賦活は、Benchmark(登録商標)XT(Ventana Medical Systems, Inc.)染色プラットフォームでスタンダードコンディショニングを用いて行われた。各スライド上の8つの非接触組織切片が、組織の部分を除去して作成された。スライドは次いで、Traut試薬で処理されて組織試料のジスルフィド基をチオールに変換し、チオール化スライドは直ちに使用された。

0184

次の工程は、チオール化組織試料をBSAコンジュゲートと接触させることであった。4つのBSA濃度(4μM、2μM、1μM、及び0.5μM)が、二重標識BSA又はモノハプテン標識BSAの1:1混合物のいずれかで使用された。全ての濃度に対して、0.5mg/mLの非修飾BSAが非特異的結合を阻害するために添加された。二重標識BSAは次いで、スライドの左カラム中の各組切片に添加された。4つの総濃度のモノ標識BSAの混合物がスライドの右カラムに添加され、「M」として標識された。組織試料上の遊離残留チオール基クエンチされ、スライドは、いずれの非結合分子も除去するために水で完全にリンスされた。

0185

スライドは次いで、マウス抗ジゴキシゲニン抗体及びウサギ抗ジニトロフェニル抗体を含む一次抗体コンジュゲートと接触された。試料は次いで、ヤギ抗ウサギ抗体:ビオチンリガーゼコンジュゲート及びヤギ抗マウス抗体:BTSコンジュゲートを含む第2プローブと接触され、それに続いてビオチン及びATPが添加された。ビオチン化は、ストレプトアビジン−HRP及びDAB/H2O2染色により検出された。陽性染色は、二重ハプテン標識BSAについて全ての4つの濃度で観察されたが、混合モノハプテン標識BSAについては、最高BSA濃度でさえ非常にかすかな染色のみが見られた。非常に高いBSA総濃度で、2つのモノ標識BSA分子は極近接となり得、検出され得る。そのような事象の確率は、このモデル系で観察されたようにタンパク質濃度の減少と共に劇的に減少する。二重標識BSAに関して、いずれのBSA分子も極めて高い極近接を誘導するのに必要なハプテン含み、BSA濃度依存性の実質的な低減をもたらしたため、2つのBSA分子の極近接は必要とされなかった。これらの結果は、組織中のタンパク質近接をin situ検出するためのビオチンリガーゼ媒介ビオチン化の距離的ストリンジェンシー及び実現可能性をさらに実証した。

0186

D.E−カドヘリン及びβ−カテニン
E−カドヘリン及びその細胞質結合タンパク質、カテニン、及びp120は、主要な細胞間接着複合体を形成する。該複合体は、細胞遊走、増殖、及び生存に関与する(例えばWnt及びRho経路のシグナル伝達)。β−カテニンは多機能タンパク質であり、すなわちβ−カテニンは、細胞核へ移動して転写コアクチベーターとして機能することができる。極性化上皮細胞間結合において複合体を形成することが知られるE−カドヘリン及びβ−カテニンは、本発明の開示された実施態様によるホルマリン固定パラフィン包埋試料中のタンパク質相互作用のin situ検出を確認するのに使用された。

0187

3つの in situビオチンリガーゼ近接アッセイが検査された。第1の2つの実施態様は、抗体及び抗体コンジュゲートスカフォールディングに基づいた。近接する2つの標的間の最大距離は、スカフォールドにおける抗体及び抗体コンジュゲートの数により決定された。第3の実施態様は、チラミド増幅を使用して、(1)低発現標的を検出するのに重要であり得る標的シグナルの1つを増幅し、及び(2)組織タンパク質への共有結合前のTSA反応からの活性化チラミド種の拡散を制限した。チラミドは故に、目的とする標的間の選択的な距離の架橋を可能にする試薬として役立つ。ビオチンリガーゼ−BTS反応は、酵素間活性部位とペプチド基質との物理的接触を必要とすることから、FFPE組織中の固定されたタンパク質標的の検出は、標的分子の距離及び未知の配向のため常に達成され得るわけではない。チラミド沈殿プロセスにより達成される柔軟性は、これらの状況において有用である。本開示の特定の実施態様は、第1の標的と第2の標的の間に生じる共有結合又は特異的結合架橋の使用に関するが、TSA試薬の使用は、少なくとも1つの標的のシグナル伝達範囲を拡大する(チラミド反応性種の拡散に従って)。そのため、増幅された標的は、複数の第3の標的(例えばハプテン)により置換される。第3の標的の幾つかは、標的間の実効距離が低減されるように、第1の標的により近い組織位置の組織に結合される。これは、本明細書に記載された近接アッセイをより遠い距離にある標的において使用できるようにする。

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