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技術 サルシン及び他の関連する真菌リボトキシンに由来するリボトキシン分子

出願人 リサーチコーポレーションテクノロジーズインコーポレイテッド
発明者 ゲールセンカートアール.ジョーンズティモシーデイビッドカーフランシスジョセフハーンアーロン
出願日 2014年3月3日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2016-500564
公開日 2016年4月25日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-512251
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 微生物による化合物の製造 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード ヒンジ構成要素 物理的変更 ポケット位置 化学接合 レストリクタ 輸送条件 参照文 収集分析
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年4月25日)のものです。
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図面 (11)

課題・解決手段

本出願は、α−サルシンクラビンギガンチン、マイトギリン、及びレストクトシンを含む真菌リボトキシン由来する修飾T細胞エピトープ、並びに1又は複数の修飾エピトープを含む修飾リボトキシン分子に関する。修飾リボトキシン分子は、野生型リボトキシンのようにタンパク質の合成を阻害するが、対応する野生型リボトキシンと比較して低減された免疫原性を呈する。別の態様は、目的の標的に結合するのに有効な標的分子に融合又は接合、或いは連結された修飾リボトキシンを含む融合タンパク質に関する。別の態様は、疾患又は状態の治療又は管理に対する修飾リボトキシン又は融合タンパク質の使用に関する。

概要

背景

α−サルシンは、糸状菌であるアスペルギルスギガンテウム(Aspergillus giganteum)MDH18894の生成物として1965年に発見された最初のリボトキシンの一つである。或る特定の肉腫細胞株に対するその毒性により命名された。この毒性は、後に1970年代中ごろ、動物界全体で保存されるリボソームRNA(サルシン−リシンループ)の或る特定のセグメント毒素による特異的な切断に起因すると特定された。上記毒素によるそのリボソームRNAの切断は、細胞によるタンパク質産生阻害する。上記毒素は毒性が高く、アポトーシス機構により細胞を殺傷する。

α−サルシンは、150アミノ酸タンパク質である(非特許文献1)。α−サルシンの構造について多くが知られている。Tyr48、His50、Glu96、Arg121、His137及びLeu145は、RNAse活性活性部位に重要なアミノ酸である。5本鎖ベータシート及び単一のα−へリックスが上記分子の3D構造に重要である。上記タンパク質は2つのジスルフィド結合を含む。α−サルシンと関連する生物由来する分子との間の大半の自然変異は、これらの構造的要素間のループ中にある。アミノ酸7〜22の欠失は、タンパク質の高次構造に影響を及ぼさないようである。(しかしながら、膜相互作用には影響を及ぼす)。上記分子は高い等電点を伴って非常に高い負電荷を帯びる。アミノ酸116〜139は、細胞膜の通過等の細胞膜相互作用に関与する可能性がある。Asn54は、基質に対する結合ポケットに関与する可能性がある。Arg121は、脂質膜との相互作用に重要な可能性がある。サルシンの免疫原性は十分に研究されていない。

他の真菌リボトキシンは、α−サルシンと同じファミリーに属し、他のアスペルギルス種によって産生され、例えば、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストクトシンを含む。このファミリーのリボトキシンのメンバーは、一般に85%超の高いアミノ酸同一性共有し(非特許文献1)、同じ機構、すなわち、リボソームRNAの保存されたサルシンリッチループ中のホスホジエステル結合を切断することにより、毒性を媒介する。クラビン及びギガンチンは150アミノ酸長であるのに対し、A.レストリクタス(A. restrictus)から単離された同じポリペプチド変異体であるレストリクトシン及びマイトギリンは149アミノ酸長である。

概要

本出願は、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンを含む真菌リボトキシンに由来する修飾T細胞エピトープ、並びに1又は複数の修飾エピトープを含む修飾リボトキシン分子に関する。修飾リボトキシン分子は、野生型リボトキシンのようにタンパク質の合成を阻害するが、対応する野生型リボトキシンと比較して低減された免疫原性を呈する。別の態様は、目的の標的に結合するのに有効な標的分子に融合又は接合、或いは連結された修飾リボトキシンを含む融合タンパク質に関する。別の態様は、疾患又は状態の治療又は管理に対する修飾リボトキシン又は融合タンパク質の使用に関する。A

目的

本発明の様々な実施形態の検討を容易にするため、以下の具体的な用語の説明を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)と比較して少なくとも1つの突然変異を含む修飾サルシンポリペプチドであって、前記少なくとも1つの突然変異が前記野生型α−サルシンポリペプチドの第1のT細胞エピトープ及び/又は第2のT細胞エピトープ内にあり、前記第1のT細胞エピトープがアミノ酸配列XKNPKTNKY(配列番号44)(ここで、XはQ又はDQである)からなり、前記第2のT細胞エピトープがアミノ酸配列IIAHKENQ(配列番号4)からなる、修飾サルシンポリペプチド。

請求項2

前記修飾サルシンポリペプチドが、タンパク質合成阻害し、且つ前記野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)と比較して減少したT細胞応答を誘発する、請求項1に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項3

前記少なくとも1つの突然変異が前記第1のT細胞エピトープ内にある、請求項2に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項4

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異が、DQKNPKTNKY(配列番号6)のアミノ酸配列を有する野生型T細胞エピトープの1又は複数のP−1、P1、P4、P6、P7又はP9のMHCクラスIIアンカー残基にある、請求項3に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項5

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異が、1又は複数のD9A、D9T、Q10K、Q10R、Q10A、P13I、15TG、15TQ、15TH、N16R、N16K、N16A、Y18H、Y18K、又はY18Rである、請求項4に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項6

前記修飾サルシンポリペプチドが野生型α−サルシン(配列番号1)よりも毒性である、請求項1に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項7

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異が、前記野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)の1又は複数のアミノ酸Q10、T15、N16、又はY18である、請求項4に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項8

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異が、Q10K、N16R、N16K、Y18K、又はY18Rである、請求項7に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項9

前記少なくとも1つの突然変異が前記第2のT細胞エピトープ内にある、請求項2に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項10

前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異がIIAHTKENQ(配列番号4)のアミノ酸配列を有する野生型T細胞エピトープの1又は複数のP1、P4、P6、P7又はP9のMHCクラスIIアンカー残基にある、請求項9に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項11

前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異が、1又は複数のI134A、K139D、K139E、K139G、K139Q、K139H、K139N、E140D、Q142D、Q142N、Q142T、Q142E、Q142R、又はQ142Gである、請求項10に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項12

前記修飾サルシンポリペプチドが野生型α−サルシン(配列番号1)よりも毒性である、請求項10に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項13

前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異が、前記野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)の1又は複数のアミノ酸K139、E140、又はQ142である、請求項10に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項14

前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの突然変異が、K139D、K139E、Q142N、又はQ142Tである、請求項13に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項15

少なくとも1つの第1の突然変異が前記第1のT細胞エピトープ内にあり、少なくとも1つの第2の突然変異が前記第2のT細胞エピトープ内にある、請求項2に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項16

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第1の突然変異が、DQKNPKTNKY(配列番号6)のアミノ酸配列を有する野生型T細胞エピトープの1又は複数のP−1、P1、P4、P6、P7、又はP9のMHCクラスIIアンカー残基にあり、前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第2の突然変異が、IIAHTKENQ(配列番号4)のアミノ酸配列を有する野生型T細胞エピトープの1又は複数のP1、P4、P6、P7、又はP9のMHCクラスIIアンカー残基にある、請求項15に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項17

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第1の突然変異が、1又は複数のD9A、D9T、Q10K、Q10R、Q10A、P13I、T15G、T15Q、T15H、N16R、N16K、N16A、Y18H、Y18K、又はY18Rであり、前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第2の突然変異が、1又は複数のI134A、K139D、K139E、K139G、K139Q、K139H、K139N、E140D、Q142D、Q142N、Q142T、Q142E、Q142R、又はQ142Gである、請求項16に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項18

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第1の突然変異が、野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)の1又は複数のアミノ酸Q10、T15、N16、又はY18にあり、前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第2の突然変異が、野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)の1又は複数のアミノ酸K139、E140、又はQ142にある、請求項16に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項19

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第1の突然変異が、1又は複数のQ10K、N16R、N16K、Y18K、又はY18Rであり、前記第2のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第2の突然変異が、1又は複数のK139D、K139E、Q142N、又はQ142Tである、請求項18に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項20

前記第1のT細胞エピトープ内の少なくとも1つの第1の突然変異が、アミノ酸Q10における第1の突然変異を含み、前記第2のT細胞エピトープの少なくとも1つの第2の突然変異がアミノ酸K139における第2の突然変異及びアミノ酸Q142における第3の突然変異を含む、請求項18に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項21

前記第1の突然変異がQ10K又はN16Rであり、前記第2の突然変異がK139D又はK139Eであり、前記第3の突然変異がQ142Tである、請求項20に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項22

前記タンパク質合成の阻害が、invitro転写及び翻訳アッセイ(IVTT)を使用して測定される、請求項2に記載の修飾サルシンポリペプチド。

請求項23

請求項1に記載の修飾サルシンポリペプチドと、薬学的に許容可能な賦形剤又は担体とを含む組成物

請求項24

標的分子接合された又は融合された請求項1に記載の修飾サルシンポリペプチドを含む融合タンパク質

請求項25

前記標的分子が抗体又はその抗体結合フラグメントである、請求項24に記載の融合タンパク質。

請求項26

請求項1に記載の修飾サルシンポリペプチド又は請求項24に記載の融合タンパク質をコードする単離された核酸

請求項27

請求項26に記載の核酸を含む発現ベクター

請求項28

請求項27に記載の発現ベクターにより形質転換された宿主細胞

請求項29

請求項28に記載の宿主細胞を培養すること、及び該宿主細胞から発現された修飾サルシンポリペプチド又は融合タンパクを精製することを含む、請求項1に記載の修飾サルシンポリペプチド又は請求項24に記載の融合タンパク質を生産する方法。

技術分野

0001

本発明は、サルシン及び他の関連する真菌リボトキシン由来するリボトキシン分子に関する。

背景技術

0002

α−サルシンは、糸状菌であるアスペルギルスギガンテウム(Aspergillus giganteum)MDH18894の生成物として1965年に発見された最初のリボトキシンの一つである。或る特定の肉腫細胞株に対するその毒性により命名された。この毒性は、後に1970年代中ごろ、動物界全体で保存されるリボソームRNA(サルシン−リシンループ)の或る特定のセグメント毒素による特異的な切断に起因すると特定された。上記毒素によるそのリボソームRNAの切断は、細胞によるタンパク質産生阻害する。上記毒素は毒性が高く、アポトーシス機構により細胞を殺傷する。

0003

α−サルシンは、150アミノ酸タンパク質である(非特許文献1)。α−サルシンの構造について多くが知られている。Tyr48、His50、Glu96、Arg121、His137及びLeu145は、RNAse活性活性部位に重要なアミノ酸である。5本鎖ベータシート及び単一のα−へリックスが上記分子の3D構造に重要である。上記タンパク質は2つのジスルフィド結合を含む。α−サルシンと関連する生物に由来する分子との間の大半の自然変異は、これらの構造的要素間のループ中にある。アミノ酸7〜22の欠失は、タンパク質の高次構造に影響を及ぼさないようである。(しかしながら、膜相互作用には影響を及ぼす)。上記分子は高い等電点を伴って非常に高い負電荷を帯びる。アミノ酸116〜139は、細胞膜の通過等の細胞膜相互作用に関与する可能性がある。Asn54は、基質に対する結合ポケットに関与する可能性がある。Arg121は、脂質膜との相互作用に重要な可能性がある。サルシンの免疫原性は十分に研究されていない。

0004

他の真菌リボトキシンは、α−サルシンと同じファミリーに属し、他のアスペルギルス種によって産生され、例えば、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストクトシンを含む。このファミリーのリボトキシンのメンバーは、一般に85%超の高いアミノ酸同一性共有し(非特許文献1)、同じ機構、すなわち、リボソームRNAの保存されたサルシンリッチループ中のホスホジエステル結合を切断することにより、毒性を媒介する。クラビン及びギガンチンは150アミノ酸長であるのに対し、A.レストリクタス(A. restrictus)から単離された同じポリペプチド変異体であるレストリクトシン及びマイトギリンは149アミノ酸長である。

先行技術

0005

Lacadena et al., 2007, FEMS Microbiol Rev 31, 212-237

0006

簡潔には、本開示は、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンを含む真菌リボトキシンの修飾リボトキシンエピトープ、例えば「修飾リボトキシンエピトープ」を特徴とする。いかなる理論又は機構にも束縛されることを意図するものではないが、本出願に開示される修飾リボトキシンエピトープは、対応する野生型リボトキシンエピトープと比較して、ヒトMHCクラスIIに対する減少した結合を有し、及び/又は減少したT細胞応答を誘発すると考えられる。

0007

或る一つの例示的な実施の形態では、上記修飾T細胞エピトープは、XKNPKTNKY(配列番号44)(ここで、XはQ又はDQである)のアミノ酸配列を有する野生型T細胞エピトープの1又は複数のアミノ酸修飾を含む。別の例示的な実施の形態では、修飾T細胞エピトープは、IIAHKENQ(配列番号4)のアミノ酸配列を有する野生型T細胞エピトープの1又は複数のアミノ酸修飾を含む。

0008

また、本開示は、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンを含む真菌リボトキシンの構造に基づく修飾分子、例えば、「修飾リボトキシン分子」を特徴とする。いかなる理論又は機構にも束縛されることを意図するものではないが、本発明の修飾リボトキシン分子は、野生型リボトキシンと比較して、ヒトに対して免疫原性が低いと考えられる。分子の有効性は、特に、その分子が治療又は予防の状況で使用される場合に望ましくない免疫応答によって制限される場合がある。したがって、或る特定の例では、分子の免疫原性を低減することが望ましい場合がある。

0009

或る一つの例示的な実施の形態では、修飾サルシンポリペプチドは野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)と比較して少なくとも1つの突然変異を含み、少なくとも1つの突然変異が野生型α−サルシンポリペプチドの第1のT細胞エピトープ及び/又は第2のT細胞エピトープ内にあり、第1のT細胞エピトープがアミノ酸配列XKNPKTNKY(配列番号44)(ここで、XはQ又はDQである)からなり、第2のT細胞エピトープがアミノ酸配列IIAHTKENQ(配列番号4)からなる。

0010

また、本開示は、修飾リボトキシン分子(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシン)及び標的分子を含む融合タンパクを特徴とする。標的分子として、限定されないが、抗体、Fabフラグメント単鎖可変フラグメント(scFvs)、VHドメイン改変されたCH2ドメイン、ペプチドサイトカインホルモン、他のタンパク質スキャフォルド等を挙げることができる。上記融合タンパク質は、治療剤として使用されてもよい。例えば、或る実施の形態では、上記融合タンパクは、望ましくない病原体又は癌細胞を標的とする。そのため、或る特定の実施の形態は、疾患又は状態を治療又は管理するため修飾リボトキシン分子を含む融合タンパク質を使用する方法に関する。

0011

別の態様は、上記修飾リボトキシン分子(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシン)又はそれらを含む融合タンパク質をコードする核酸コンストラクトに関する。上記核酸コンストラクトを、例えば、宿主細胞における上記核酸コンストラクトの発現、及び上記修飾リボトキシン分子又は融合タンパク質を単離することによって上記修飾リボトキシン分子又は融合タンパク質を産生する方法に使用することができる。

0012

本明細書に記載される特徴又は特徴の組合せはいずれも、任意のかかる組合せに含まれる特徴が、文脈、本明細書、及び当業者の知識から明らかなように、相互に矛盾しない限り、本発明の範囲に含まれる。本発明の追加の利点及び態様は、以下の詳細な説明において明らかである。

0013

本発明の更なる理解を提供するため含まれ、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の態様を解説し、本発明の説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。

図面の簡単な説明

0014

RCT02研究コホート(n=52)、並びに世界、欧州及び北米集団において発現されるドナーアロタイプ頻度の比較を示す図である。
サルシン配列にかかる12アミノ酸が重複する46個の15−merペプチド、並びにヌル突然変異体E96Q及びH137Qにかかる2セットの5ペプチドを試験するEpiScreen(商標アッセイの結果を示す図である。各エピトープを6つ組(sextuplicate)の培養で試験し、図2Aにおいて非調整(全ての複製物)又は図2Bにおいて調整(異常値を除外)としてデータを表した。応答するドナーの数(SI>2)が完全なデータセットラス2×SD(両方のデータセットで6.6%)に対する平均応答よりも大きい場合にペプチドを陽性とした。
α−サルシン毒素及び単一アミノ酸変異体のEpiScreen(商標)T細胞エピトープマッピングによって同定されたエピトープを示す。A)エピトープ1(残基10〜18)及び(図3Aは、それぞれ表示順に、配列番号51及び配列番号53、並びにそれらの対応する突然変異体配列を配列番号52及び配列番号54として、それぞれ開示する)B)エピトープ2(残基134〜142)(図3Bは、それぞれ表示順に、配列番号55及び配列番号57、並びにそれらの対応する突然変異体配列を配列番号56及び配列番号58として、それぞれ開示する)。
B−Per抽出の後の可溶性(S)画分及び不溶性(I)画分の抗Hisウェスタンブロットによるα−サルシン二重エピトープ変異体の発現の分析を示す図である。サイズマーカーは、予め染色されたタンパク質スタンダードFermentas PageRuler Plus(カタログ番号SM1811)である。
野生型α−サルシン、α−サルシンヌル突然変異体H137Q、及び様々なα−サルシン二重変異体を含む可溶性抽出物を使用するIVTTアッセイの結果を示す図である。
野生型α−サルシン、α−サルシンヌル突然変異体(H137Q)、及びα−サルシンの三重/四重変異体をコードするプラスミドを使用するIVTTアッセイの結果を示す図である。
α−サルシン三重変異体タンパク質発現の分析を示す図である。図7Aは、B−Per抽出後の可溶性(S)画分及び不溶性(I)の画分の抗Hisウェスタンブロットである。図7Bは、His精製変異体のクーマシーブルー染色SDS−PAGEゲルである。
野生型α−サルシン、α−サルシンヌル突然変異体(H137Q)、及びα−サルシンの三重変異体の精製タンパク質を使用するIVTTアッセイの結果を示す図である。
野生型α−サルシン、α−サルシンヌル突然変異体(H137Q)、及びα−サルシンの三重変異体を使用する細胞(Jurkat)の細胞毒性アッセイの結果を示す図である。

0015

関連出願の相互参照
本出願は、2013年11月12日付で出願された米国仮特許出願第61/902,972号、及び2013年3月14日付で出願された米国仮特許出願第61/783,589号の利益を主張し、その出願日に依拠し、その開示全体引用することにより本明細書の一部をなすものとする。

0016

配列表
本出願は、ASCIIフォーマット電子的に提出された配列表を含み、その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。2014年2月27日付けで作製された上記ASCIIコピー名前は0185.0001−PCT_SL.txtであり、42413バイトのサイズである。

0017

定義
本発明の様々な実施形態の検討を容易にするため、以下の具体的な用語の説明を提供する。

0018

分子生物学細胞生物学、及び免疫学における共通の用語の定義は、Kuby Immunology, Thomas J. Kindt, Richard A. Goldsby, Barbara Anne Osborne, Janis Kuby, published by W.H. Freeman, 2007 (ISBN 1429202114)、及びGenes IX, Benjamin Lewin, published by Jones & Bartlett Publishers, 2007 (ISBN-10: 0763740632)に見出され得る。

0019

抗体:免疫グロブリン遺伝子又は免疫グロブリン遺伝子のフラグメントによって実質的にコードされる1又は複数のポリペプチドを含むタンパク質(又は複合体)。免疫グロブリン遺伝子は、カッパラムダアルファガンマデルタイプシロン、及びミュー定常領域遺伝子、並びに無数免疫グロブリン可変領域遺伝子を含み得る。軽鎖は、カッパ又はラムダのいずれかとして分類され得る。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、又はイプシロンとして分類され、それぞれ、順に免疫グロブリンIgGIgMIgAIgD、及びIgEのクラスを定義し得る。

0020

本明細書で使用される、「抗体」の用語は、インタクト免疫グロブリン、また同じくフラグメント(例えば、約10kDa〜100kDaの分子量を有する)を含む。抗体フラグメントは、(1)Fabパパイン酵素による抗体全体消化によって産生されてインタクトの軽鎖及び1つの重鎖の一部を生じる、抗体分子一価抗原結合フラグメントを含むフラグメント;(2)Fab’、ペプシン酵素によって抗体全体を処理した後、還元してインタクトな軽鎖及び重鎖の一部を生じることによって得られる抗体分子のフラグメント;1つの抗体分子当たり2つのFab’フグメントが得られる;(3)(Fab’)2、その後の還元を行わずに抗体全体をペプシン酵素で処理することによって得られる抗体のフラグメント;(4)F(ab’)2、2つのジスルフィド結合によって共に保持される2つのFab’フラグメントの二量体;(5)Fv、2本の鎖として発現される軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域を含む遺伝子改変されたフラグメント;並びに(6)scFv、遺伝子融合された単鎖分子として好適なポリペプチドリンカーにより連結された、単鎖抗体、軽鎖の可変領域を含む遺伝子改変された分子、重鎖の可変領域、を含んでもよい。抗体フラグメントを作製する方法は通例となっている(例えば、Harlow and Lane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, CSHL, New York, 1999を参照されたい)。抗体フラグメントは上述の例に限定されない、例えば、抗体フラグメントはVH、VL等を含み得る。

0021

抗体はモノクローナルであってもポリクローナルであってもよい。モノクローナル抗体は、様々な方法、例えば、ファージディスプレイ及びヒト抗体ライブラリを含む方法から調製され得る。モノクローナル抗体産生に関する手順の例は、Longberg及びHuzar (Int Rev Immunol., 1995, 13:65-93)、Kellermann及びGreen (Curr Opin Biotechnol., 2002, 13:593-7)、並びにHarlow及びLane (Using Antibodies: A Laboratory Manual, CSHL, New York, 1999)に記載される。齧歯類ハイブリッドーマを調製する古典的な方法はKohler及びMilstein (Nature 256:495-97, 1975)において検討されている。

0022

ヒト化抗体等の標準的な「ヒト化」免疫グロブリンは、ヒトフレームワーク領域、及び非ヒト(例えば、マウスラット、合成等)免疫グロブリンに由来する1又は複数のCDRを含む免疫グロブリンである。ヒト化抗体は、CDRを供給するドナー抗体と同じ又は類似の抗原に結合する。上記分子は、遺伝子工学によって構築され得る(例えば、米国特許第5,585,089号を参照されたい)。

0023

抗原:抗体の産生又はT細胞応答を刺激することができる化合物組成物、又は物質であり、注射される又は吸収される組成物を含む。抗原(Ag)は、特異的な液性免疫又は細胞性免疫の生成物と反応する。或る実施形態では、抗原は、かかる相互作用が免疫応答を生じるか否かに関わらず、修飾サルシン分子及び/又はリボトキシン融合タンパク質(例えば、結合部分)の特異的な結合標的の場合もある。

0024

結合活性多重結合形態へと編成され得るように、それ自体が多重結合であるか、又は細胞若しくはウイルスの表面に存在するかのいずれかである多価の標的抗原又は受容体に同時に結合し得る、二価又は多価の結合部位による結果としての(例えば、増加した)結合親和性。例えば、免疫グロブリンの2つのFabアームは、いずれの部位も免疫グロブリンが解離するように非結合でなくてはならないことから、単一のFabアームの結合と比較して、抗原に対してかかる結合活性の増加を提供することができる。

0025

結合親和性:結合部位とリガンドとの間(例えば、結合部分、例えば抗体と抗原又はエピトープとの間)の結合の強度。結合部位XのリガンドYに対する親和性は、溶液中に存在するXの結合部位の半分を占めるのに必要なYの濃度である、解離定数(Kd)によって表される。より低い(Kd)は、より強い又はより高い親和性のXとYとの間の相互作用を示し、より低い濃度のリガンドがその部位を占めるのに必要とされる。一般に、結合親和性は、パラトープ(エピトープを認識する分子の部分)によって認識されるエピトープ中の1又は複数のアミノ酸の変更、修飾、及び/又は置換によって影響を受ける可能性がある。また、結合親和性は、パラトープ中の1又は複数のアミノ酸の変更、修飾及び/又は置換によって影響を受ける場合がある。結合親和性は、抗原を結合する抗体の親和性であってもよい。

0026

或る一つの例では、Ag−ELISAアッセイにおいてエンドポイント滴定によって結合親和性を測定することができる。結合親和性は、修飾された/置換されたエピトープについて特異的な抗体のエンドポイント力価が、変更されていないエピトープと比較して、少なくとも4倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍以上等異なる場合、抗体パラトープによって認識されるエピトープ中の1又は複数のアミノ酸の修飾及び/又は置換によって実質的に低下(又は測定可能な程度に減少)され得る。

0027

CH2又はCH3ドメイン分子:免疫グロブリンのCH2ドメイン又はCH3ドメインに由来するポリペプチド(又はポリペプチドをコードする核酸)。別段の指示がない限り、免疫グロブリンは、IgG、IgA、IgD、IgE又はIgMであってもよい。CH2又はCH3分子は、構造化されていないアミノ酸配列のループによって接続されるいくつかの平行なβストランドで構成される。CH2又はCH3ドメイン分子は、完全な超可変ループ等の追加のアミノ酸配列(複数の場合がある)を更に含むことができる。或る実施形態では、CH2又はCH3ドメインは、その分子のループ領域に1又は複数の突然変異を含む。或る実施形態では、CH2ドメイン又はCH3ドメインは、スキャフォルド領域中に(例えば、安定化等のため)1又は複数の突然変異を含む。CH2又はCH3ドメインの「ループ領域」は、βシートの領域の間に位置するタンパク質の部分を指す(例えば、各CH2ドメインは、N末端からC末端に向けて7つのβシートA〜Gを含む)。CH2ドメインは6つのループ領域、すなわちループ1、ループ2、ループ3、ループA−B、ループC−D、及びループE−Fを含む。ループA−B、ループC−D、及びループE−Fは、βシートのAとB、CとD、及びEとFの間にそれぞれ位置する。ループ1、ループ2、及びループ3は、βシートのBとC、DとE、及びFとGの間にそれぞれ位置する。天然のCH2ドメイン中のこれらのループは、構造ループと呼ばれることが多い。CH2ドメイン分子の非限定的な例は、国際公開第2009/099961号に見ることができる。

0028

天然のCH2ドメイン分子及びCH3ドメイン分子は、サイズが小さく、通常15kD未満である。改変されたCH2ドメイン分子及びCH3ドメイン分子は、ループ領域に挿入されたドナーループの長さ、いくつのドナーループが挿入されたか、別の分子(結合部分、エフェクタ分子、又は標識等)がCH2又はCH3ドメインに接合又は連結されたかどうかに応じてサイズが変化し得る。CH2ドメインは、IgG、IgA、又はIgDに由来してもよい。CH2ドメインは、IgG、IgA、又はIgDのCH2ドメインに相同なIgE又はIgMのCH3ドメインに由来してもよい。

0029

CH2D:CH2ドメイン分子又はCH3ドメイン分子。CH2ドメイン分子又はCH3ドメイン分子は、その分子が抗原を特異的に結合するように改変されてもよい。抗原に結合するように改変されたCH2ドメイン分子及びCH3ドメイン分子は、Fc受容体結合を維持することができる既知の抗原特異的結合抗体ドメインに基づく分子のうち最も小さい。

0030

接触する:固体及び液体の形態の両方を含む、直接的な物理的関連の配置。

0031

変性ポリヌクレオチド:本明細書で使用される「変性ポリヌクレオチド」は、遺伝暗号における重複性の結果として変性される配列を含むタンパク質(例えば、修飾サルシン分子、融合タンパク質)をコードするポリヌクレオチドである。20の天然アミノ酸が存在し、その大半は1より多いコドンによって特定されている。したがって、そのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質(例えば、修飾サルシン分子、融合タンパク質)のアミノ酸配列が変化されない限り、全ての変性ヌクレオチド配列が包含される。

0032

上記コドンは、選択された宿主生物において良好に発現されることが好ましい。変性種コーディング核酸の使用は、異なる発現系において発現を最適化する場合がある(「コドン最適化」)。例えば、E.コリ(E. coli)発現系は或る1つのアミノ酸に対して1つのコドンを好むのに対し、ピキアタンパク質発現系はタンパク質のその位置の同じアミノ酸に対して異なるコドンを好む場合がある。

0033

ドメイン:残りのタンパク質から独立してその三次構造を維持するタンパク質構造。或る場合には、ドメインは、別々の機能特性を有し、機能を失わずに付加、除去又は別のタンパク質に輸送され得る。

0034

エフェクタ分子:分子又はキメラ分子が標的とされる細胞に対して所望の効果を有することが意図される分子又はキメラ分子の部分。エフェクタ分子は、エフェクタ部分(EM)、治療剤若しくは診断剤、又は類似の用語としても知られている。エフェクタ分子の例として、限定されないが、検出可能な標識、生物学的に活性なタンパク質、薬物、細胞毒素分子、又は毒素(細胞毒素分子)が挙げられる。

0035

エピトープ:抗原決定基。これらは、抗原性である分子上の特定の化学基、又は連続若しくは不連続なペプチド配列であり、すなわち、それらは特異的な免疫応答を誘発する。抗体は、抗体及び一致する(又は同族の)エピトープの三次元構造に基づいて特定の抗原性エピトープを結合する。

0036

発現:タンパク質への核酸配列翻訳。タンパク質は発現され、細胞内に残り、細胞表面膜の構成要素となるか、又は細胞外基質若しくは培地中に分泌され得る。

0037

発現制御配列:制御可能に連結される異種の核酸配列の発現を調節する核酸配列。発現制御配列が転写、必要に応じて核酸配列の翻訳を制御及び調節する場合に、発現制御配列は核酸配列に制御可能に連結される。そのため、発現制御配列は、タンパク質コーディング遺伝子の前に適切なプロモーターエンハンサー転写ターミネーター開始コドン(例えば、ATG)、イントロンに対するスプライシングシグナル、遺伝子にmRNAの適切な転写を可能とする正確なリーディングフレームの維持、及び停止コドンを含むことができる。「制御配列」の用語は、少なくともその存在が発現に影響を与え得る構成要素を含むことが意図され、また、その存在が有利である追加の構成要素、例えば、リーダー配列及び融合パートナー配列を含んでもよい。発現制御配列はプロモーターを含んでもよい。

0038

プロモーターは、核酸の転写を指示する核酸制御配列のアレイである。プロモーターは、ポリメラーゼII型プロモーターの場合、TATA要素等の転写の開始部位に近い必要な核酸配列を含む。また、プロモーターは、転写開始部位から数千塩基対も遠くに位置し得る遠位エンハンサー要素又はリプレッサー要素を含んでもよい。構成型プロモーター及び誘導性プロモーターの両方が含まれる(例えば、Bitter et al. (1987) Methodsin Enzymology 153:516-544を参照されたい)。

0039

また、細胞型特異的、組織特異的に制御可能なプロモーター依存性遺伝子発現を与えるのに十分な、又は外部シグナル若しくは物質によって誘導可能なプロモーター要素も含まれ、かかる要素は、遺伝子の5’領域又は3’領域に位置してもよい。構成型プロモーター及び誘導性プロモーターの両方が含まれる(例えば、Bitter et al. (1987) Methodsin Enzymology 153:516-544を参照されたい)。例えば、細菌系においてクローニングする場合、バクテリオファージラムダのpL、plac、ptrp、ptac(ptrp−lacハイブリッドプロモーター)等の誘導性プロモーターを使用してもよい。或る実施形態では、哺乳動物細胞系においてクローニングする場合、哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(メタロチオネインプロモーター等)又は哺乳動物ウイルス(レトロウイルスの長末端反復配列アデノウイルス後期プロモーターワクシニアウイルス7.5Kプロモーター等)を使用することができる。また、組換えDNA又は合成技術によって産生されるプロモーターは、核酸配列の転写を提供するため使用され得る。

0040

ポリヌクレオチドは、挿入された宿主遺伝子配列の効率的な転写を促進するプロモーター配列を含む発現ベクターへと挿入され得る。発現ベクターは、典型的には複製起点、プロモーター、また、形質転換された細胞の表現型選択を可能とする特異的な核酸配列を含む。

0041

発現系:遺伝子産物、例えば、タンパク質を発現する系。発現系は、細胞系であってもよく、無細胞系であってもよい。発現系の例として、限定されないが、細菌系(例えば、E.コリ、B.サチリス(B. subtilis))、酵母系(例えば、ピキア、S.セレビジエ(S. cerevisiae))、昆虫系、真核生物細胞系、ウイルス系(例えば、バキュロウイルス、ラムダ、レトロウイルス)等が挙げられる。

0042

Fc結合領域:CH2領域のFcRn結合領域は、アミノ酸残基M252、I253、S254、T256、V259、V308、H310、Q311(IgGのKabatナンバリング)を含むことが知られている。これらのアミノ酸残基は、全長IgG分子及び/又はFcフラグメントをFcRnとの相互作用に直接影響するCH2ドメインの残基に配置する研究により同定されてきた。これらの一連調査は、特に、(a)Fcに結合したFcRn複合体の結晶学の研究、(b)様々なヒトアイソタイプ(IgG、IgG2、IgG3及びIgG4)と互い、並びにFcRn結合及び血漿半減期において相違を呈する他の種に由来するIgGとを比較し、具体的なアミノ酸残基の相違に対して特性の変化を関連付けること、並びに(c)突然変異分析、特に、FcRnに対する増強された結合を示しながら、FcRn相互作用のpH依存性を維持する突然変異の単離を解明してきた。これらの3つのアプローチは全て、FcRnとの相互作用にCH2領域の同じ領域が重要であることを強調する。また、IgGのCH3ドメインは、FcRnとの相互作用に貢献するが、H310のプロトン付加脱プロトンは、上記相互作用のpH依存性の主な原因であり、十分であると考えられている。本発明では、リボトキシン融合タンパク質は、融合タンパク質分子の半減期を増すため機能性FcRn結合部位(又は追加の結合部位)を有するCH2ドメインを含んでもよい。

0043

異種性:異種性のポリペプチド又はポリヌクレオチドは、異なる起源又は種に由来するポリペプチド又はポリヌクレオチドを指す。

0044

免疫応答:B細胞、T細胞、マクロファージ、又は多核球等の免疫系細胞の抗原等の刺激に対する応答。免疫応答は、宿主の防御応答に関与する身体の任意の細胞、例えば、インターフェロン又はサイトカインを分泌する上皮細胞を含み得る。免疫応答は、限定されないが、生得の免疫応答又は炎症を含む。

0045

免疫複合体:エフェクタ分子の標的分子への共有結合。エフェクタ分子は、検出可能な標識、生物学的に活性なタンパク質、薬物、細胞特性分子、又は毒素(細胞毒性分子)であってもよい。

0046

毒素の具体的で非限定的な例として、限定されないが、アブリン、リシン、緑膿菌外毒素(PE35、PE37、PE38、及びPE40等のPE)、ジフテリア毒素(DT)、ボツリヌス毒素、低分子毒素、サポリン、レストリクトシン又はゲロニン、サルシン、リシン、それらのフラグメント又はそれらの修飾毒素が挙げられる。他の細胞毒素物質として、オーリスタチンマイタンシノイド、及び細胞溶解性ペプチドが挙げられる。他の免疫複合体は、薬物分子ADC、すなわち「抗体薬物複合体」;Ducry and Stump, Bioconj Chem 21: 5-13, 2010;Erikson et al., Bioconj Chem 21: 84-92, 2010)に連結された結合タンパク質(例えば、結合部分を有する標的分子)で構成され得る。これらの毒素/免疫毒素は、直接又は間接細胞成長を阻害するか、又は細胞を殺傷する。例えば、PE及びDTは典型的には肝毒性により死をもたらす非常に毒性の化合物である。しかしながら、PE及びDTは、毒素の生来標的成分(PEのドメインIa、及びDTのB鎖等)を除去し、それを異なる標的部分と置き換えることにより免疫毒素としての用途の形態へと修飾され得る。或る実施形態では、本発明の修飾サルシン分子又は融合タンパク質は、エフェクタ分子(EM)につなげられる。抗体(又はそのフラグメント)に接合された薬物(例えば、細胞毒性物質)である抗体薬物複合体(ADC)は、それらの複合体結合パートナーへと治療分子送達する。エフェクタ分子は、低分子薬物、又はエリスロポエチン等の生物学的に活性なタンパク質であってもよい。或る実施形態では、エフェクタ分子は、VH又はCH1ドメイン等の免疫グロブリンドメインであってもよい。或る実施形態では、エフェクタ分子につなげられた修飾サルシン分子又は融合タンパク質は、その半減期を増加するため、脂質又は他の分子、タンパク質若しくはペプチドに更につなげられてもよい。結合は、化学的手段又は組換え手段のいずれかであってもよい。「化学的手段」は、2つの分子の間に形成されて1つの分子を形成する共有結合が存在するような、修飾サルシン分子又は融合タンパク質とエフェクタ分子との間の反応を指す。ペプチドリンカー短鎖ペプチド配列)が修飾サルシン分子又は融合タンパク質とエフェクタ分子との間に含まれてもよい。かかるリンカーは、所望の作用部位においてエフェクタ分子を放出するため内因性又は外因性のリンカーによるタンパク質加水分解に供され得る。免疫複合体は、本来は、抗体及びエフェクタ分子等の別々の機能性を有する2つの分子から調製されることから、免疫複合体は「キメラ分子」と呼ばれることもある。したがって、本明細書で使用される「キメラ分子」の用語は、エフェクタ分子に接合(カップリングされた)リガンド、抗体、又はそれらのフラグメント若しくはドメイン等の標的部分を指す。

0047

「接合すること」、「つなぐこと」、「結合すること」、又は「連結すること」の用語は、2つのポリペプチドを1つの連続するポリペプチド分子とすること、又は放射性ヌクレオチド又は他の分子をポリペプチドに共有結合により付着することを指す。具体的な内容において、上記用語は、或る実施形態では、抗体部分等のリガンドをエフェクタ分子(「EM」)につなぐことを指す場合がある。また、「接合すること」、「つなぐこと」、「結合すること」、又は「連結すること」の用語は、ペプチドを毒素(例えば、サルシン、修飾サルシン分子等)に付着することを指す。

0048

免疫原:適切な条件下で、動物における抗体産生又はT細胞応答等の免疫応答を刺激することができる化合物、組成物、又は物質であり、動物に注射又は吸収される組成物を含む。

0049

本明細書で使用される「免疫原性」の用語は、免疫応答を誘発する免疫原の能力である。免疫応答は、液性応答であってもよく、細胞応答であってもよい。免疫応答は、T細胞応答であることが好ましい。免疫応答の活性化を測定することは、当該技術分野でよく知られている幾つかの方法によって行われ得る。

0050

本明細書で使用される「減少した免疫原性」の用語は、修飾リボトキシン又は修飾リボトキシン融合タンパク質が対応する非修飾リボトキシン又は非修飾リボトキシン融合タンパク質よりも免疫原性が少ないことを意味する。修飾リボトキシン又は修飾リボトキシン融合タンパク質は、対応する非修飾リボトキシン又は非修飾リボトキシン融合タンパク質と比較して減少したT細胞応答を誘発することが好ましい。

0051

本明細書で使用される「減少したT細胞応答」の用語は、修飾リボトキシン又は修飾リボトキシン融合タンパク質が、対応する非修飾リボトキシン又は非修飾リボトキシン融合タンパク質よりも、CD8+枯渇ヒト末梢血単核細胞を使用するin vitro T細胞増殖(3{H}−チミジン取り込み)アッセイによって測定されるより少ないT細胞活性化を誘導することを意味する。或る一つの実施形態では、修飾リボトキシン又は修飾リボトキシン融合タンパク質の刺激指数(SI)は2.0未満、より好ましくは1.5未満である。本明細書で使用される「刺激指数」の用語は、修飾リボトキシン又は修飾リボトキシン融合タンパク質のT細胞を活性化する能力を指す。SIは、従来通り1試験試料当たりの平均cpm/1対照試料試験ペプチドを全く含まない)当たりの平均cpmとして提供される。

0052

単離された:それから、他の染色体又は染色体外DNA及びRNA並びに他の抗体を含むタンパク質等の上記成分が天然に生じる(例えば、細胞の他の生体成分)他の生体成分から実質的に分離され精製された「単離された」生体成分(核酸分子又はタンパク質等)。「単離された」核酸及びタンパク質は、標準的な精製方法によって精製された核酸及びタンパク質を含む。「単離された抗体」は、その抗原特異性が維持されるように他のタンパク質又は生体成分から実質的に分離されるか、又は精製された抗体である。また、上記用語は、宿主細胞において組換え発現により調製された核酸及びタンパク質、また同じく化学的に合成された核酸若しくはタンパク質、又はそれらのフラグメントを包含する。

0053

標識:直接又は間接に別の分子(例えば、修飾サルシン分子、標的分子、リボトキシン融合タンパク質等)に接合されてその分子の検出を容易にする検出可能な化合物又は組成物。標識の具体的で非限定的な例として、蛍光タグ酵素結合、及び放射性同位体が挙げられる。SARCIN TORIBOTOXIN?

0054

リガンド接触残基(Ligand contact residue)又は特異性決定残基(SDR):リガンド又は抗原との接触に参加する分子内のアミノ酸残基。リガンド接触残基は、特異性決定残基(SDR)としても知られている。

0055

リンカー:共有結合又は非常に密接な非共有結合、すなわち、特に、グリシンセリンプロリンアラニン富む様々なアミノ酸配列、若しくは免疫グロブリンドメインを接続する天然の結合アミノ酸配列の変異体の化学接合又は直接遺伝子融合、及び/又は例えば、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、例えば、分離したPEG(dPEG)を含む糖。典型的な長さは、2〜20以上のアミノ酸の範囲であってもよいが、本発明はこれらの長さ(例えば、リンカーは1〜20アミノ酸のペプチドであってもよい)に限定されない。最適な長さは、具体的な標的抗原(複数の場合がある)のスペーシング及び方向と一致するように変化して、エントロピーを最小化するが、複数の抗原の効果的な結合を可能とし得る。

0056

修飾:タンパク質の配列、構造等に対する変化、又は核酸配列等に対する変化。本明細書で使用される「修飾された(修飾した)」又は「修飾」の用語は、1又は複数の突然変異、欠失、置換、物理的変更(例えば、架橋修飾、構成成分の共有結合、翻訳後修飾、例えば、アセチル化グリコシル化等、又はそれらの組合せ)等、又はそれらの組合せを含み得る。修飾、例えば、突然変異は、無作為の修飾(例えば、ランダム変異誘発)に限定されず、合理的設計も含む。

0057

多量体化ドメイン:タンパク質内の多くのドメインが非常に密接な非共有結合二量体、又は他のタンパク質ドメイン(複数の場合がある)との会合による多量体を形成することが知られている。最も小さい例の幾つかは、いわゆるロイシンジッパーモチーフであり、自己会合してホモ二量体(例えば、GCN4)を形成し得る7アミノ酸繰返しを含む小型のドメインであるか、代替的には、ロイシンジッパーモチーフは優先的に別のロイシンジッパーと会合してヘテロ二量体(例えば、myc/max二量体)、又はより複雑な四量体を形成し得るいずれかである(Chem Biol. 2008 Sep 22;15(9):908-19. A heterospecific leucine zipper tetramer. Deng Y, Liu J, Zheng Q, Li Q, Kallenbach NR, Lu M.)。7アミノ酸繰返しにおいてロイシンに代えてイソロイシンを有する密接に関係するドメインは、三量体コイルドコイル」の集合(例えば、HIVgp41)を形成する。二量体の7アミノ酸繰返しにおけるイソロイシンのロイシンへの置換は、有利な構造を三量体に変更し得る。小さいドメインは製造に有利であり、全タンパク質分子に対して小さいサイズを維持するが、より大きなドメインは多量体形成に有用な場合がある。非共有結合多量体を形成する任意のドメインが採用され得る。例えば、IgGのCH3ドメインはホモ二量体を形成するのに対し、IgGのCH1ドメイン及びCLドメインはヘテロ二量体を形成する。

0058

核酸:ホスホジエステル結合を介して、関連する天然の構造変異体、及びその合成非天然類縁体に連結されるヌクレオチド単位リボヌクレオチドデオキシリボヌクレオチド、関連する天然の構造変異体、及びその合成非天然類縁体)で構成されるポリマー。そのため、上記用語は、ヌクレオチド及びそれらの間の結合が非天然合成類縁体、例えば、限定されないが、ホスホロチオエートホスホロアデートメチルホスホネートキラル−メチルホスホネート、2’−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)等を含むヌクレオチドポリマーを含む。かかるポリヌクレオチドを、例えば、自動化DNA合成装置を使用して合成することができる。「オリゴヌクレオチド」の用語は、典型的には、一般的には約50ヌクレオチド以下の短いポリヌクレオチドを指す。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)によって表される場合、これは、「U」が「T」に置き換わる相補的RNA配列(すなわち、A、U、G、C)も含むと理解される。

0059

ヌクレオチド配列を説明するため、本明細書において従来の表記法、すなわち、1本鎖ヌクレオチド配列の左側の末端を5’末端とし、2本鎖ヌクレオチド配列の左側方向を5’方向と呼ぶ表記法を使用する。新生RNA転写産物へのヌクレオチドの5’から3’方向の付加は、転写方向と呼ばれる。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖は「コーディング鎖」と呼ばれ、そのDNAから転写されたmRNAと同じ配列であって、RNA転写産物の5’から5’末端に位置する配列を有するDNA鎖上の配列は、「上流配列」と呼ばれ、RNAと同じ配列を有するDNA鎖上の配列であって、コーディングRNA転写産物の3’から3’末端である配列は「下流配列」と呼ばれる。

0060

cDNAは、mRNAに対して相補的又は同一である1本鎖又は2本鎖のいずれかの形態のDNAを指す。「コードしている」は、他のポリマー及び規定されたヌクレオチドの配列(すなわち、rRNAtRNA及びmRNA)又は規定されたアミノ酸の配列及びそれから生じる生物学的特性のいずれかを有する生物学的なプロセスにおける巨大分子合成用テンプレート役割を果たす、遺伝子、cDNA、又はmRNA等のポリヌクレオチド中のヌクレオチドの具体的な配列の生得的な特性を指す。そのため、遺伝子は、その遺伝子によって産生されたmRNAの転写及び翻訳が細胞又は他の生物系においてタンパク質を産生する場合、そのタンパク質をコードする。そのヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であり、通常配列表に提供されるコーディング鎖、及び遺伝子又はcDNAの転写用のテンプレートとして使用される非コーディング鎖の両方が、タンパク質又はその遺伝子若しくはcDNAの他の生成物をコードするとされる場合がある。別段の明示がない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、互いに変性種であり、同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチオ配列を含む。タンパク質及びRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンを含む場合がある。

0061

組換え核酸は、本来結合していないヌクレオチド配列を有する核酸を指し、そうでなければ分離された配列の2つのセグメントを人工的に合わせることによって作製され得る。この人工的な結合は、化学合成、又はより一般的には、核酸の単離されたセグメントの人工的な操作によって、例えば、遺伝子工学の技術によって完成されることが多い。組換え核酸は、好適な宿主細胞を形質転換又は形質移入するために使用することができる増幅した又は会合した核酸を含む核酸ベクターを含む。組換え核酸を含む宿主細胞は、「組換え宿主細胞」と呼ばれる。遺伝子は、その後、組換え宿主細胞において発現されて「組換えポリペプチド」を産生する。また、組換え核酸は、非コーディング機能(例えば、プロモーター、複製起点、リボソーム結合部位等)の役目をする場合がある。

0062

制御可能に連結された;第1の核酸配列は、その第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関係で配置される場合に、第2の核酸配列に制御可能に連結される。例えば、プロモーターは、そのプロモーターがコーディング配列の転写又は発現に影響を及ぼす場合、コーディング配列に制御可能に連結される。一般に、制御可能に連結されたDNA配列は連続しており、2つのタンパク質コーディング領域を結びつける必要がある場合、同じリーディングフレーム内に存在する。

0063

薬学的に許容可能なビヒクル:本開示において有用な薬学的に許容可能な担体(ビヒクル)は、従来のものであってもよいが、従来のビヒクルに限定されない。例えば、E. W. Martin, Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 15th Edition (1975)、及びD. B. Troy, ed. Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore MD and Philadelphia, PA, 21st Edition (2006)は、1又は複数の抗体等の1又は複数の治療用化合物又は分子と、追加の薬剤との薬学的な送達に適した組成物及び製剤を記載する。

0064

一般に、担体の性質は、採用される投与の特定の様式に依存する。例えば、非経口製剤は、通常、水、生理学食塩水平衡塩類溶液デキストロース水溶液グリセロール等のビヒクルとしての薬学的及び生理学的に許容可能な流体を含む、注射用の流体を含む。非限定的な例として、注射用トラスツズマブに対する製剤は、注射前に滅菌水再構成される、L−ヒスチジンHCl、L−ヒスチジン、トレハロース二水和物、及びポリソルベート20を乾燥粉末としてガラス容器中に含む。非経口又は皮下の用途のための抗体及びタンパク質の他の製剤は当該技術分野でよく知られている。固体組成物(例えば、粉末丸剤錠剤、又はカプセルの形態)に対しては、従来の非毒性固体担体は、例えば、医薬品等級マンニトールラクトースデンプン、又はステアリン酸マグネシウムを含むことができる。生物学的に中立な担体に加えて、投与される医薬組成物は、湿潤剤又は乳化剤保存剤、及び、例えば酢酸ナトリウム又はソルビタンモノラウレート等のpH緩衝剤等の少量の非毒性の助剤物質を含有してもよい。

0065

ポリペプチド:単量体アミド結合によってつながったアミノ酸残基であるポリマー。アミノ酸がα−アミノ酸である場合、L−光学異性体又はD−光学異性体のいずれかを使用することができる。本明細書で使用される「ポリペプチド」又は「タンパク質」の用語は、任意のアミノ酸配列を包含することが意図され、糖タンパク質等の修飾配列を含む。「ポリペプチド」の用語は、その内容に応じて天然タンパク質、また同じく組換えにより又は合成により生成されたタンパク質を含んでもよい。「残基」又は「アミノ酸残基」の用語は、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドに組み込まれるアミノ酸に対する参照を含む。

0066

「保存的」アミノ酸置換は、ポリペプチドの活性又は抗原性に実質的に影響しないか又はそれらを減少しない置換である。例えば、ポリペプチドは、最大で約1、最大で約2、最大で約5、最大で約10、又は最大で約15の保存的置換を有することができ、元のポリペプチドに結合する抗体を特異的に結合することができる。また、保存的変化の用語は、置換したポリペプチドへと産生された抗体もまた非置換のポリペプチドと免疫反応する限り、非置換の親アミノ酸に代えて置換したアミノ酸の使用を含む。保存的置換の例としては、(i)Ala−Ser;(ii)Arg−Lys;(iii)Asn−Gin又はHis;(iv)Asp−Glu;(v)Cys−Ser;(vi)Gin−Asn;(vii)Glu−Asp;(viii)His−Asn又はGln;(ix)Ile−Leu又はVal;(x)Leu−Ile又はVal;(xi)Lys−Arg、Gln、又はGlu;(xii)Met−Leu又はIle;(xiii)Phe−Met、Leu、又はTyr;(xiv)Ser−Thr;(xv)Thr−Ser;(xvi)Trp−Tyr;(xvii)Tyr−Trp又はPhe;(xviii)Val−Ile又はLeuが挙げられる。

0067

保存的置換は、一般的に、(a)置換の範囲におけるポリペプチド骨格、例えばシート又はヘリックス立体配置としての構造、(b)標的部位における分子の電荷又は疎水性及び/又は(c)側鎖の大きさを維持する。一般にタンパク質特性において最も大きな変化をもたらすと予想される置換は非保存的であり、例えば、(a)親水性残基、例えば、セリン若しくはスレオニンを疎水性残基、例えばロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンバリン、若しくはアラニンに(又はそれによって)置換する、(b)システイン若しくはプロリンを任意の他の残基に(又はそれによって)置換する、(c)正電荷を持つ側鎖を有する残基、例えば、リシン、アルギニン、若しくはヒスチジンを、負電荷を持つ残基、例えば、グルタミン酸若しくはアスパラギン酸に(又はそれによって)置換する、又は(d)嵩高い側鎖を有する残基、例えば、フェニルアラニンを、側鎖を有しないもの、例えば、グリシンに(又はそれによって)置換する、変化である。

0068

疾患を予防すること、治療すること、管理すること又は改善すること:疾患を「予防すること」は、疾患の全面的な発症を阻害することを指す。「治療すること」は、疾患が発症し始めた後に疾患の兆候若しくは症状、又は病理学的状態を改善する治療的介入を指す。「管理すること」は、疾患の兆候又は症状を悪化させない治療的介入を指す。「改善すること」は、疾患の兆候又は症状の数又は重症度の減少を指す。

0069

プローブ及びプライマー:プローブは、検出可能な標識又はレポーター分子に付着した単離された核酸を含む。プライマーは短い核酸であり、例えば、15ヌクレオチド長以上のDNAオリゴヌクレオチドであってもよい。プライマーは、核酸ハイブリダイゼーションによって相補的な標的DNA鎖アニールしてプライマーと標的DNA鎖との間でハイブリッドを形成し、その後、DNAポリメラーゼ酵素によって標的DNA鎖に沿って伸長する。プライマー対は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)又は当該技術分野で既知の他の核酸増幅方法によって核酸配列の増幅に使用され得る。当業者は、特定のプローブ又はプライマーの特異性はその長さに伴って増加することを理解するであろう。そのため、例えば、20の連続するヌクレオチドを含むプライマーは、わずか15ヌクレオチドの対応するプライマーよりも高い特異性で標的にアニールする。よって、より大きな特異性を得るため、プローブ及びプライマーは、20、25、30、35、40、50以上の連続するヌクレオチドを含むものを選択してもよい。

0070

精製された(精製した):精製された(精製した)の用語は絶対的な純粋さを必要とするものではなく、むしろ相対的な用語として意図される。そのため、例えば、精製した分子は、分子がその天然の状態と比較して、例えば、細胞抽出物又は生体液内のその純度と比較して測定可能な程度まで精製される、天然に関連するタンパク質及び他の汚染物質から全体又は一部が単離されるものである。

0071

「精製された(精製した)」の用語は、類縁体若しくは模倣物、又は他の生物学的に活性な化合物としてのかかる所望の生成物を含み、他の化合物の付着を可能とするため、及び/又は治療的処置又は診断手順において有用な製剤に対して提供するため、追加の化合物又は部分がその分子に結合される。

0072

一般的に、実質的に精製された分子は、治療用投与のための完全な医薬製剤において各化合物と追加の原料との混合又は製剤化の前に、調製物中に全ての巨大分子種の80%超を含む。追加の原料は、薬学的な担体、賦形剤緩衝液吸収促進剤安定化剤、保存剤、アジュバント又は他のそのような共同原料(co-ingredients)を含んでもよい。より典型的には、上記分子は、他の製剤原料と混合する前に精製された調製物中に存在する全ての巨大分子種の90%超、しばしば95%超となるように精製される。他の場合では、精製された調製物は、本質的に均質であり、他の巨大分子種は1%未満である。

0073

組換えタンパク質:組換え核酸に関しては上記の「組換え核酸」を参照されたい。組換えタンパク質又はポリペプチドは、天然ではない配列を有するか、又はそうでなければ分離された配列の2つのセグメントの人工的な結合によって作製された配列を有するものである。この人工的な結合は、化学合成、又はより一般的には、核酸の単離されたセグメントの人工操作によって、例えば、遺伝子工学の技術によってなされることが多い。組換えタンパク質は、異種性のタンパク質の合成を指示する遺伝要素によって形質導入された、形質移入された、又は形質転換された細胞において作製され得る。また、組換えタンパク質は、無細胞系においても作製され得る。特に有用な宿主細胞として、CHO及びHEK 293等の哺乳動物細胞、昆虫細胞、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)若しくはサッカロミセス等の酵母、又はE.コリ若しくはシュードモナス等の細菌細胞が挙げられる。

0074

試料:全体を代表する部分、一片又は区分。この用語は、例えば、被験体から得られた試料を含む任意の材料を包含する。

0075

生体試料」は、限定されないが、細胞、組織、及び体液を含む被験体から得られる試料である。体液として、例えば、唾液脳脊髄液、尿、血液、並びに血清及びリンパ球(B細胞、T細胞及びそれらのサブフラクション等)を含む血液の派生物及び画分が挙げられる。組織として、例えば、非固定、凍結ホルマリン固定及び/又はパラフィン包埋された組織を含む、生検剖検によるもの、及び病理標本、また同じく生検された又は外科的に摘除された組織が挙げられる。

0076

或る実施形態では、血液又は血清等の生体試料は、被験体から得られる。生体試料は、典型的にはラット、マウス、ウシイヌモルモットウサギ又は霊長類等の哺乳動物から得られる。或る実施形態では、霊長類は、マカクチンパンジー、又はヒトである。

0077

スキャフォルド:他のドメイン、ループ、突然変異等の導入に使用されることが多いプラットフォーム分子。例として、CH2又はCH3ドメインスキャフォルドは、CH2ドメイン又はCH3ドメインに対して抗原結合を与えるためドナーループ及び/又は突然変異(ループ領域等への)を導入するため使用され得るCH2ドメイン又はCH3ドメインである。或る実施形態では、スキャフォルドは、本来の分子と比べて増加した安定性を呈するように変更されてもよい。例えば、スキャフォルドにシステイン残基対を導入するため突然変異を行って、1又は複数の非天然ジスルフィド結合の形成を可能としてもよい。スキャフォルドはこれらの定義に限定されない。別の例では、スキャフォルドは、フィブロネクチンIII型ドメイン、セントリンアフィボディ、DARPINS、環状ペプチドナノ抗体ラマ由来のVHHドメイン)、シャークドメイン(shark domains)等であってもよい。

0078

配列同一性:ヌクレオチド配列間又はアミノ酸配列間の類似性は、配列間の類似性に関して表現され、別名で配列同一性と呼ばれる。配列同一性は、パーセント同一性(又は類似性若しくは相同性)に関してしばしば測定され、その割合が高くなると2つの配列はより類似している。ホモログ又は変異体は、標準的な方法を使用して整列した場合に全体又は特定の領域で比較的高い程度の配列同一性を持つ。

0079

比較のための配列のアライメント方法は、当該技術分野でよく知られている。様々なプログラム及びアラインメトアルゴリズムがSmith and Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482, 1981;Needleman and Wunsch, Journal of Molecular Biol. 48:443, 1970;Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444, 1988;Higgins and Sharp, Gene 73:237-244, 1988;Higgins and Sharp, CABIOS 5:151-153, 1989;Corpet et al., Nucleic AcidsResearch 16:10881-10890, 1988;及びPearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444, 1988. Altschul et al., Nature Genetics 6:119-129, 1994に記載されている。

0080

NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST(商標))(Altschul et al., Journal of MoIecular Biology 215:403-410, 1990.)は、配列分析プログラムであるblastp、blastn、blastx、tblastn、及びtblastxに関連する使用に対し、National Center for Biotechnology Information(メリーランド州ベセスダのNCBI)を含む幾つかの供給元より、及びインターネット上で利用可能である。

0081

特異的結合物質:実質的に規定の標的にのみ結合する物質。そのため、抗原特異的結合物質は、抗原性のポリペプチド又はその抗原性のフラグメントに実質的に結合する物質である。或る一つの実施形態では、特異的結合物質は、抗原性のポリペプチド若しくはその抗原性のフラグメントに特異的に結合するモノクローナル若しくはポリクローナルの抗体、又はペプチド若しくはスキャフォルド分子である。

0082

「特異的に結合する」の用語は、非標的(例えば、検出可能な量のその標的を欠く細胞又は組織)ではなく、標的(例えば、その結合物質の標的を有する細胞又は組織)と結合物質又は標的部分(ホルモン、ペプチド、ペプチドフラグメント、ドメイン、サイトカイン、他のリガンド及び受容体、スキャフォルド等)の全体又は一部における選択的会合を指す。もちろん、ある程度の非特異的な相互作用は分子と非標的細胞又は組織との間で生じ得ると認識されている。それにも関わらず、特異的結合は、抗原の特異的な認識によって媒介されて区別され得る。特定のタンパク質と特異的反応性の分子の選択に対して、様々な免疫アッセイフォーマットがふさわしい。例えば、固相ELISA免疫アッセイが日常的に使用される。

0083

被験体:ヒト及び非ヒト哺乳動物の両方を含む部類脊椎動物を含む、多細胞生体

0084

治療剤は、核酸、タンパク質、ペプチド、アミノ酸又はその誘導体、糖タンパク質、放射性同位体、脂質、糖、低分子、組換えウイルス等のような化合物を含む。核酸治療部分及び診断部分として、アンチセンス核酸一本鎖又は二重鎖のDNAとの共有結合架橋のための誘導オリゴヌクレオチド、及びトリプレクス形成オリゴヌクレオチドが挙げられる。代替的には、標的部分に連結された分子は、薬物、核酸(アンチセンス核酸等)、又は循環系への直接暴露から保護することができる別の治療用部分等の治療用組成物を含有するリポソーム又はミセル等の封入系であってもよい。抗体に付着したリポソームを調製する手段は、当業者によく知られている。例えば、米国特許第4,957,735号、及びConnor et al. 1985, Pharm. Ther. 28:341-365を参照されたい。診断剤又は診断部分は、放射性同位体及び他の検出可能な標識を含む。かかる目的に有用な検出可能な標識は当該技術分野でよく知られており、Tc99m、In111、32P、125I、及び131I等の放射性同位体、フルオロフォア化学発光剤、及び酵素が挙げられる。

0085

治療的有効量:その薬剤によって治療されている被験体において所望の効果を達成するのに十分な指定の薬剤の量。かかる薬剤は、本明細書に記載される修飾リボトキシン分子(例えば、修飾したサルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン分子)及び融合タンパク質を含む。例えば、これは、癌等の疾患又は状態の予防、治療、又は改善に有用な修飾サルシン分子を含む融合タンパク質の量であってもよい。理想的には、修飾リボトキシン分子(例えば、修飾したサルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン分子)又は融合タンパク質の治療的有効量は、被験体において実質的な細胞毒性効果を引き起こさずに被験体において状態又は疾患を予防、治療、又は改善するのに十分な量である。被験体を予防、改善、及び/又は治療するのに有用な治療的有効量の薬剤は、治療される被験体、病気の種類及び重症度、並びに治療用組成物の投与方式に依存する。

0086

毒素:免疫複合体を参照されたい。

0087

形質導入された(形質導入した):形質導入された(形質導入した)細胞は、分子生物学の技術によってそこに核酸分子が導入された細胞である。本明細書で使用される形質導入の用語は、ウイルスベクターによる形質移入、プラスミドベクターによる形質転換、及び電子穿孔法によるネイキッドDNAの導入、リポフェクション、及びパーティクルガン加速を含む、それによってかかる細胞へと核酸分子を導入し得る全ての技術を包含する。かかる細胞は形質転換細胞と呼ばれることがある。

0088

ベクター:宿主細胞に導入され、それにより形質転換宿主細胞を産生する核酸分子。ベクターは、宿主細胞においてその複製を可能とする複製起点等の核酸配列を含んでもよい。また、ベクターは、1又は複数の選択可能なマーカー遺伝子及び当該技術で知られている他の遺伝要素を含んでもよい。

0089

詳細な説明
本開示は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子を提供し、ここで、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシン(例えば、野生型のα−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)と比較してより免疫原性が少ないか、非免疫原性である。野生型リボトキシン(例えば、野生型のα−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子を修飾して「修飾リボトキシン分子」を作製し、ここで、野生型リボトキシン分子の修飾は、その免疫原性を減少する、例えば、(以下に記載されるように)T細胞エピトープの数を減少するか、又は排除する。本明細書で使用される「修飾された(修飾した)」の用語は、1又は複数の突然変異、欠失、付加、置換、切断、物理的変更(例えば、架橋修飾、構成要素の共有結合、翻訳後修飾、例えば、アセチル化、グリコシル化)等を含んでもよい。

0090

T細胞エピトープ
免疫系の抗原提示細胞がタンパク質を取り込む場合、タンパク質はペプチドへとタンパク質分解性消化に供され(「プロセスされ(processed)」)、その一部はMHCクラスII分子に結合してT細胞に対して抗原提示細胞の表面上に提示される。MHCクラスIIに対するペプチドの結合は、ペプチドのアミノ酸側鎖MHC溝内の特異的結合「ポケット」、例えば、34のヒトMHCクラスIIアレルの自由(open-ended)結合溝内の位置p1、p4、p6、p7、及びp9のポケットとの相互作用に起因すると考えられる。クラスIIMHC分子のp1、p4、p6、p7、及びp9のポケット位置と相互作用するペプチドのアミノ酸は、アンカー残基(例えば、P1、P4、P6、P7、及びP9クラスIIMHCアンカー残基)と呼ばれる。

0091

かかる提示されたペプチドがCD4+(ヘルパー)T細胞を活性化する状況では、これらのペプチドはCD4+T細胞エピトープと規定され、これは、ペプチドとMHCクラスIIとの複合体がT細胞受容体によって結合される場合に生じ、同時刺激シグナルと併せて、T細胞活性化をもたらす。そのような場合、これらのペプチドはMHCクラスII分子内の溝内で結合し、MHCクラスIIにおけるアロタイプ変異はかかるタンパク質の結合に影響を与える場合があり、或る場合では少数のアロタイプへの結合を限定し得る(「アロタイプ制限された」)。他の場合では、ペプチドは種々のMHCアロタイプに幅広く結合することができ、かかる非制限結合は「乱交雑(promiscuous)」又は「変性」結合と呼ばれる。

0092

修飾サルシン分子
表1は、野生型α−サルシン(配列番号1)に対応する配列を示す。本発明の修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン、例えば、野生型α−サルシン又は野生型α−サルシンのフラグメントに由来する。

0093

0094

2013年3月15日付で出願された米国仮出願第61/783,589号(その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする)は、可能性のあるT細胞エピトープを同定するための野生型α−サルシンタンパク質のin silico分析を記載する。簡潔には、野生型α−サルシン配列に由来する全ての重複する9merペプチドを34のヒトMHCクラスIIDRアロタイプのデータベースに通し、各々のMHCクラスII分子との一致及び相互作用に基づいて個別に採点した。

0095

この研究による結果は、野生型αサルシンが、残基24(L/ロイシン)にp1アンカーを有する単一の乱交雑な高親和性MHC結合ペプチド、並びに残基122(V/バリン)及び残基134(I/イソロイシン)にp1アンカーを有する2つの乱交雑な中程度の親和性MHC結合ペプチドを含む、少なくとも3つの可能性のあるT細胞エピトープを含むことを示唆する(表2を参照されたい)。他の可能性のある低い〜非常に低い免疫原性のT細胞エピトープも同定された。

0096

0097

野生型α−サルシンをEpiScreen(商標)(イギリスケンブリッジ)免疫原性アッセイによって更に分析し、野生型α−サルシン内のT細胞エピトープの存在及び可能性を同定した。簡潔には、12アミノ酸によって重複し、野生型α−サルシンにかかる46の15merペプチドを、集団においてHLA−DRアレルの広がりを最もよく代表するように選択された50の健康なPBMCドナーに対する増殖について試験した。この分析から、表3に示されるように、野生型α−サルシン内に2つのT細胞エピトープが同定された。

0098

0099

サルシンエピトープ1は、膜及び相互作用、並びにリボソームへのα−サルシンの結合に関与するN末端22アミノ酸領域内の野生型α−サルシンのアミノ酸残基10〜18に対応する。サルシンエピトープ1は、N末端すぐ隣のアミノ酸(P−1アンカー残基)を含んでもよく、そのため、野生型α−サルシンのアミノ酸9〜18に対応するアミノ酸配列DQKNPKTNKY(配列番号6)を含んでもよい。

0100

サルシンエピトープ1は、ヒトMHCクラスII結合を減少するか、又は排除するように修飾され得る。或る1つの実施形態では、修飾サルシンエピトープ1は、サルシンエピトープ1の1又は複数のP−1、P1、P4、P6、P7、又はP9のMHCクラスIIアンカー残基において1又は複数の突然変異を有し、ここで、P−1アンカー残基は、野生型α−サルシンにおいてサルシンエピトープ1のすぐN末端のアミノ酸(D)に対応する。別の実施形態では、修飾サルシンエピトープ1は、1又は複数の以下の置換、すなわち、P−1の残基D9においてD9T若しくはD9A、P1アンカーの残基Q10において、Q10K、Q10R、若しくはQ10A、P4アンカーの残基P13においてP13I、P6アンカーの残基T15においてT15G、T15Q、若しくはT15H、P7アンカー残基のN16においてN16R、N16K、N16A、及び/又はP9アンカーの残基Y18においてY18H、Y18K、若しくはY18Rを有する。言い換えれば、修飾サルシンエピトープ1は、X1X2KNX3KX4X5KX6(ここで、X1はD、A、又はT、X2はQ、K、R、又はA、X3はP又はI、X4はT、G、Q、又はH、X5はN、R、K、又はA、及びX6はY、H、K、又はR)(配列番号7)のアミノ酸配列を有する。

0101

1又は複数のアンカー残基の修飾に加えて、修飾されたエピトープが野生型αサルシンと比較して減少したMHCクラスII結合を維持する限り、サルシンエピトープ1において1又は複数の非アンカー残基を修飾することも可能である。サルシンエピトープ1と、他の関連する真菌リボトキシンにおける対応するエピトープの整列は、非アンカー残基の置換を可能とする手引きを提供する。当業者は、従来の方法及び技術を使用して、他の非アンカー残基置換を容易に同定することができるであろう。

0102

別の実施形態では、修飾サルシンエピトープ1は、X1X2NX3KX4X5KX6(ここで、X1はQ、K、R、又はA、X2はK、又はL、X3はP、又はI、X4はT、G、Q、又はH、X5はN、R、K又はA、及びX6はY、H、K、R、又はW)(配列番号8)のアミノ酸配列を有する。更に別の実施形態では、修飾サルシンエピトープ1は、X1X2X3NX4KX5X6KX7(ここで、X1はD、A、又はT、X2はQ、K、R、又はA、X3はK又はL、X4はP又はI、X5はT、G、Q、又はH、X6はN、R、K又はA、及びX7はY、H、K、R、又はW)(配列番号9)のアミノ酸配列を有する。

0103

サルシンエピトープ2は、野生型α−サルシンのアミノ酸残基134〜142に対応し、そのため、触媒三残基の一部であるH137にかかる。サルシンエピトープ2は、ヒトMHCクラスII結合を減少するか、又は排除するように修飾され得る。或る1つの実施形態では、修飾サルシンエピトープ2は、サルシンエピトープ2の1又は複数のP1、P6、P7、又はP9のMHCクラスIIアンカー残基において1又は複数の突然変異を有する。別の実施形態では、修飾サルシンエピトープ2は、1又は複数の以下の置換、すなわち、P1アンカーの残基I134においてI134A、P6アンカーの残基K139においてK139D、K139E、K139G、K139Q、K139H、若しくはK139N、P7アンカー残基のE140においてE140D、及び/又はP9アンカーの残基Q142においてQ142D、Q142N、Q142T、Q142E、Q142R、若しくはQ142Gを有する。言い換えれば、修飾サルシンエピトープ2は、X1IAHTX2X3NX4(ここで、X1はI、又はA、X2はK、D、E、G、Q、H、又はN、X3はE、又はD;及びX4はQ、D、N、T、E、R、又はG)(配列番号10)のアミノ酸配列を有する。

0104

1又は複数のアンカー残基の修飾に加えて、修飾されたエピトープが野生型αサルシンと比較して減少したMHCクラスII結合を維持する限り、サルシンエピトープ2において1又は複数の非アンカー残基を修飾することも可能である。サルシンエピトープ2と、他の関連する真菌リボトキシンにおける対応するエピトープの整列は、非アンカー残基の置換を可能とする手引きを提供する。当業者は、従来の方法及び技術を使用して、他の非アンカー残基置換を容易に同定することができるであろう。

0105

別の実施形態では、修飾サルシンエピトープ2は、X1X2AHX3X4X5NX6(ここで、X1はI、又はA、X2はI、又はV、X3はT、又はQ、X4はK、D、E、G、Q、H、又はN、X5はE、又はD、及びX6はQ、D、N、T、E、R、又はG)(配列番号11)のアミノ酸配列を有する。

0106

いかなる理論又は機構にも束縛されることを意図するものではないが、本明細書に記載されるヒトMHCクラスII結合を減少又は排除する突然変異は、ヒトにおいて野生型α−サルシンの免疫原性を減少又は排除に役立つ可能性があると考えられる(例えば、T細胞エピトープの数及び/又は免疫原性を減少することにより)。

0107

或る実施形態では、修飾サルシン分子は、野生型α−サルシンと比較して少なくとも1つ少ないT細胞エピトープ(又は、少なくとも2つ少ないT細胞エピトープ、少なくとも3つ少ないT細胞エピトープ等)を含む。例えば、野生型α−サルシンが2つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、1つのT細胞エピトープ又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型α−サルシンが3つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾サルシン分子は2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型α−サルシンが10のT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、9つのT細胞エピトープ、8つのT細胞エピトープ、7つのT細胞エピトープ、6つのT細胞エピトープ、5つのT細胞エピトープ、4つのT細胞エピトープ、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型α−サルシンが8つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、7つのT細胞エピトープ、6つのT細胞エピトープ、5つのT細胞エピトープ、4つのT細胞エピトープ、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型α−サルシンが6つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、5つのT細胞エピトープ、4つのT細胞エピトープ、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型α−サルシンが4つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。

0108

より具体的には、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシンと比較して、少なくとも1つの突然変異を含んでもよく、親α−サルシンは少なくとも野生型α−サルシンの一部(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)である。或る1つの実施形態では、少なくとも1つの突然変異は、例えば、MHCクラスII分子に対して減少した結合能力を有する、若しくはMHCクラスII分子に対して結合能力を有しないエピトープを生じるか、又は対応する野生型α−サルシンと比較して減少したT細胞応答を誘発する修飾サルシン分子を生じる、T細胞エピトープの突然変異を含む。例えば、少なくとも1つの突然変異は、サルシンT細胞エピトープ1(配列番号5又は配列番号6)内、及び/又はサルシンT細胞エピトープ2(配列番号4)内にあってもよい。

0109

或る実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して、少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異は、(野生型α−サルシンの)アミノ酸D9、Q10、P13、T15、N16、又はY18の少なくとも1つの突然変異を含む。

0110

例えば、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して、1又は複数の以下の突然変異、すなわちD9T、D9A、Q10K、Q10R、Q10A、P13I、T15G、T15Q、T15H、N16R、N16K、N16A、Y18H、Y18K、又はY18Rを含む。

0111

或る実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して、少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異は、アミノ酸I134、K139、E140、又はQ142の少なくとも1つの突然変異を含む。

0112

例えば、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して、1又は複数の以下の突然変異、すなわちI134A、K139D、K139E、K139G、K139Q、K139H、K139N、E140D、Q142D、Q142N、Q142T、Q142E、Q142R、又はQ142Gを含む。

0113

他の実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して、第1及び第2の突然変異を含み、ここで、第1の突然変異は(野生型α−サルシンの)アミノ酸D9、Q10、P13、T15、N16、又はY18の少なくとも1つの突然変異を含み、第2の突然変異は(野生型α−サルシンの)アミノ酸I134、K139、E140、又はQ142の少なくとも1つの突然変異を含む。例えば、或る特定の実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して1又は複数の以下の突然変異、すなわち、Q10における第1の突然変異及びK139若しくはQ142における第2の突然変異、N16における第1の突然変異及びK139若しくはQ142における第2の突然変異、又はY18における第1の突然変異及びK139若しくはQ142における第2の突然変異を含む。

0114

例えば、或る実施形態では、修飾サルシン分子は、野生型α−サルシン(配列番号1)と比較して第1の突然変異を含み(ここで、第1の突然変異はD9T、D9A、Q10K、Q10R、Q10A、P13I、T15G、T15Q、T15H、N16R、N16K、N16A、Y18H、Y18K、又はY18Rから選択される)、また野生型α−サルシンと比較して第2の突然変異を含む(ここで、第2の突然変異はI134A、K139D、K139E、K139G、K139Q、K139H、K139N、E140D、Q142D、Q142N、Q142T、Q142E、Q142R、又はQ142Gから選択される)。

0115

他の実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して1又は複数の以下の突然変異、すなわち、Q10Kを含む第1の突然変異及びK139D、K139E、Q142N、若しくはQ142Tを含む第2の突然変異、N16Rを含む第1の突然変異及びK139D、K139E、Q142N、若しくはQ142Tを含む第2の突然変異、N16Rを含む第1の突然変異及びK139D、K139E、Q142N、若しくはQ142Tを含む第2の突然変異、N16Kを含む第1の突然変異及びK139D、K139E、Q142N、若しくはQ142Tを含む第2の突然変異、Y18Kを含む第1の突然変異及びK139D、K139E、Q142N、若しくはQ142Tを含む第2の突然変異、又はY18Rを含む第1の突然変異及びK139D、K139E、Q142N、若しくはQ142Tを含む第2の突然変異を含む。

0116

他の実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して3つの突然変異を含む。例えば、修飾サルシン分子は、サルシンT細胞エピトープ1(配列番号5又は配列番号6)内の第1及び第2の突然変異、並びにサルシンT細胞エピトープ2(配列番号4)内の第3の突然変異を含んでもよい。代替的には、修飾サルシン分子は、サルシンT細胞エピトープ1(配列番号5又は配列番号6)内の第1の突然変異、並びにサルシンT細胞エピトープ2(配列番号4)内の第2及び第3の突然変異を含んでもよい。

0117

或る特定の実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して1又は複数の以下の突然変異、すなわち、アミノ酸Q10又はN16における第1の突然変異、K139における第2の突然変異、及びQ142における第3の突然変異を含む。或る1つの実施形態ではQ10又はN16における第1の突然変異は、Q10K、Q10R、若しくはQ10A、又はN16R、N16K、若しくはN16A(好ましくはQ10K又はN16R)から選択される。別の実施形態では、K139における第2の突然変異は、K139D、K139E、K139G、K139Q、K139H、又はK139N(好ましくはK139D又はK139E)から選択される。別の実施形態では、Q142における第3の突然変異は、Q142D、Q142N、Q142T、Q142E、Q142R、又はQ142G(好ましくは、Q142T)から選択される。

0118

更に別の実施形態では、第1の突然変異はQ10K又はN16Rであり、第2の突然変異はK139E又はK139Dであり、第3の突然変異はQ142Tである。別の実施形態では、第1の突然変異はQ10Kであり、第2の突然変異はK139Eであり、第3の突然変異はQ142Tである。別の実施形態では、第1の突然変異はQ10Kであり、第2の突然変異はK139Dであり、第3の突然変異はQ142Tである。別の実施形態では、第1の突然変異はN16Rであり、第2の突然変異はK139Eであり、第3の突然変異はQ142Tである。別の実施形態では、第1の突然変異はN16Rであり、第2の突然変異はK139Dであり、第3の突然変異はQ142Tである。

0119

他の実施形態では、修飾サルシン分子は、「親」α−サルシン(例えば、野生型α−サルシン、野生型α−サルシンのフラグメント等)と比較して4つの突然変異を含む。例えば、修飾サルシン分子は、サルシンT細胞エピトープ1(配列番号5又は配列番号6)内に2つの突然変異、及びサルシンT細胞エピトープ2(配列番号4)内に2つの突然変異、サルシンT細胞エピトープ1(配列番号5又は配列番号6)内に1つの突然変異、及びサルシンT細胞エピトープ2(配列番号4)内に3つの突然変異、又はサルシンT細胞エピトープ1(配列番号5又は配列番号6)内に3つの突然変異、及びサルシンT細胞エピトープ2(配列番号4)内に1つの突然変異を含んでもよい。

0120

更に別の実施形態では、修飾サルシンポリペプチドは、野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)と比較して少なくとも1つの突然変異を含み、その修飾サルシンポリペプチドのアミノ酸配列は、
AVTWTCLNX1X2 KNX3KX4X5KX6ET KRLLYNQNKAESNSHHAPLS DGKTGSSYPH WFTNGYDGDG KLPKGRTPIK FGKSDCDRPP KHSKDGNGKT DHYLLEFPTF PDGHDYKFDS KKPKENPGPARVIYTYPNKV FCGX7IAHTX8X9 NX10GELKLCSH
(ここで、上記修飾サルシンポリペプチドが野生型α−サルシンポリペプチド(配列番号1)と同一でない限り、X1〜X10は任意のアミノ酸であってもよい)(配列番号12)を含む。

0121

別の実施形態では、X1はD、A、又はTであり、X2はQ、K、R、又はAであり、X3はP又はIであり、X4はT、G、Q、又はHであり、X5はN、R、K又はAであり、X6はY、H、K、又はRであり、X7はI又はAであり、X8はK、D、E、G、Q、H、又はNであり、X9はE又はDであり、X10はQ、D、N、T、E、R、又はG(配列番号13)である。

0122

表4は、修飾サルシン分子の非限定的な例を記載する。表4における修飾サルシン分子は、上述の1又は複数のアミノ酸置換を含む。

0123

0124

野生型α−サルシンの修飾は、上述のようなアミノ酸置換を含んでもよい。或る実施形態では、アミノ酸置換は、1アミノ酸置換(例えば、Q10A)、2アミノ酸置換(例えば、Q10A及びQ142G)、3アミノ酸置換(例えば、Q10A、N16A、Q142G)、4アミノ酸置換、5アミノ酸置換、6アミノ酸置換、7アミノ酸置換、8アミノ酸置換、9アミノ酸置換、10アミノ酸置換、又は10超のアミノ酸置換である。

0125

野生型α−サルシンの修飾は、アミノ酸置換に限定されない。例えば、修飾は、アミノ酸欠失又はアミノ酸付加を含んでもよい。或る実施形態では、アミノ酸欠失は、1アミノ酸欠失、2アミノ酸欠失、3アミノ酸欠失、4アミノ酸欠失、5アミノ酸欠失、6アミノ酸欠失、7アミノ酸欠失、8アミノ酸欠失、9アミノ酸欠失、10アミノ酸欠失、又は10超のアミノ酸欠失である。或る実施形態では、アミノ酸付加は、1アミノ酸付加、2アミノ酸付加、3アミノ酸付加、4アミノ酸付加、5アミノ酸付加、6アミノ酸付加、7アミノ酸付加、8アミノ酸付加、9アミノ酸付加、10アミノ酸付加、又は10超のアミノ酸付加である。欠失及び/又は付加は、T細胞エピトープ領域以外の分子の領域における欠失に対応してもよい。

0126

野生型α−サルシンは、2つのジスルフィド結合(アミノ酸Cys6とCys148との間、及びアミノ酸Cys76とCys132との間)を有する。或る実施形態では、修飾サルシン分子は、追加のジスルフィド結合を含む。或る実施形態では、追加のジスルフィド結合は、野生型のジスルフィド結合部位に隣接する部位に付加されてもよい。或る実施形態では、追加のジスルフィド結合は、アミノ酸の付加により分子中に組み込まれてもよい。或る実施形態では、ジスルフィド結合はアミノ酸の置換により分子中に組み込まれてもよい。或る実施形態では、修飾サルシン分子はジスルフィド結合を有しない。

0127

野生型α−サルシンの修飾は、(上述のような)アミノ酸置換、及び追加の修飾、例えば、欠失、付加、切断(例えば、N末端切断、C末端切断)、又はそれらの組合せを含んでもよい。

0128

他の修飾真菌リボトキシン分子
先に述べたように、α−サルシンに加えて、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンを含む他のアスペルギルス種によって産生される他の関連するリボトキシンファミリーのメンバーが存在する。表5は、野生型のクラビン(配列番号24)、ギガンチン(配列番号25)、マイトギリン(配列番号26)、及びレストリクトシン(配列番号45)に対応する配列を示す。本発明の修飾されたクラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンの分子は、「親」のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシン、例えば、野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、若しくはストリクトシン、又は野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、若しくはレストリクトシンのフラグメントにそれぞれ由来する。

0129

0130

タンパク質分子の免疫原性の分析のための迅速な方法の例は、ヒトMHCクラスII分子へのペプチド結合予測を含む。MHCクラスIIに結合するごく一部のペプチドが実際のT細胞エピトープであるが、MHCクラスIIへのペプチド結合の分析は、CD4+T細胞エピトープがMHCクラスIIを結合することから、タンパク質配列の免疫原性の可能性の迅速な分析を提供することができる。さらに、乱交雑な高親和性MHCクラスII結合ペプチドは、T細胞エピトープの存在と相関することが示され(Hill et al., 2003, Arthritis Res Ther, 1:R40-R48)、それにより、かかる乱交雑な結合ペプチドの分析は「可能性のある」T細胞エピトープの分析の根拠を提供する。

0131

かかる相互作用をモデル化するため、ペプチドスレッディングソフトウェア(国際公開第02/069232号、国際公開第98/59244号)に基づく、iTope(Perry et al., 2008, Drugs in R&D, 9(6) 385-396)等のコンピュータ法が開発されてきた。iTopeでは、目的の配列に由来する重複する9merを34の異なるヒトMHCクラスII DRアロタイプとの相互作用について個別に試験し、MHCクラスII分子の各々とのそれらの一致及び相互作用に基づいて個別に採点する。各MHCアロタイプについて、相互作用の合わせた強度は、各9merのペプチドの物理的な結合強度の予測、及び高親和性結合のペプチドの指定を提供し得る。34のMHCクラスIIアロタイプの全てに対する9merの結合の収集分析により、乱交雑な又は制限された結合の程度を決定することができる。これは、それによりT細胞エピトープ活性を有する可能性が高いと考えられる、乱交雑な高親和性MHCクラスII結合ペプチドの同定を可能とする。

0132

非自己ヒトMHCクラスIIバインダーについてクラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンの野生型アミノ酸配列を分析した。野生型リボトキシン配列に由来する全ての重複する9merを34のヒトMHCクラスII DRアロタイプのデータベースに通し、MHCクラスII分子の各々との一致及び相互作用に基づいて個別に採点した。MHCクラスIIアロタイプ(「p1アンカー」)に対する9merペプチド結合の第1の残基の位置である、MHCクラスIIに対する予測される結合は、0.55〜0.6の結合スコアを有するか、又は結合スコアは0.6超であった。免疫原性の可能性があるペプチドを含む領域は「乱交雑な高い」及び「乱交雑な中程度の」と示される。「乱交雑な高」MHC結合ペプチドは、MHCクラスIIに対する全アレル結合の50%であり、また高親和性アレル結合の50%と規定される。「乱交雑な中程度の」MHC結合ペプチドは、MHCクラスIIに対する全アレル結合の50%であるが、MHCクラスIIに対する高親和性アレル結合の50%未満と規定される。

0133

この研究の結果は、野生型クラビンが、残基134(I/イソロイシン)にp1アンカーを有する乱交雑な高親和性MHC結合ペプチドを含む幾つかの可能性あるT細胞エピトープ、並びに残基63(L/ロイシン)、122(V/バリン)、及び130(V/バリン)にp1アンカーを有する3つの乱交雑な中程度の親和性のMHC結合ペプチドを含むことを示唆する(表6を参照されたい)。可能性のある低〜非常に低い免疫原性のT細胞エピトープも同定された。

0134

0135

さらに、α−サルシンのEpiScreen(商標)(イギリス、ケンブリッジ)免疫原性分析は、クラビンがQ10のp1アンカー残基を有する以下のT細胞エピトープ、QKNPKTNKY(配列番号5)を含むことを示唆する。

0136

また、in silicoの研究も、野生型ギガンチンが、残基63(L/ロイシン)及び残基122(V/バリン)においてp1アンカーを有する2つの乱交雑な高親和性MHC結合ペプチドを含む、幾つかの可能性のあるT細胞エピトープを含むことを示唆する(表7を参照されたい)。可能性のある低〜非常に低い免疫原性のT細胞エピトープも同定された。

0137

0138

さらに、α−サルシンのEpiScreen(商標)(イギリス、ケンブリッジ)免疫原性分析は、ギガンチンが、それぞれ、Q10及びI134のp1アンカー残基を有する以下の2つのT細胞エピトープ、QKNIKTNKY(配列番号31)及びIIAHTRENQ(配列番号32)を含むことを示唆する。

0139

また、in silicoの研究も、アスペルギルス・レストリクタス(Aspergillus restrictus)から単離された同じタンパク質の変異体である野生型のマイトギリン及びレストリクトシンが、残基62(I/イソロイシン)、残基129(V/バリン)、及び残基133(I/イソロイシン)にp1アンカーを有する3つの乱交雑な高親和性のMHC結合ペプチド、並びに残基121(V/バリン)にp1アンカーを有する単一の乱交雑な中程度の親和性のMHC結合ペプチドを含む、幾つかの可能性のあるT細胞エピトープを含むことを示唆する(表8を参照されたい)。可能性のある低〜非常に低い免疫原性のT細胞エピトープも同定された。

0140

0141

さらに、α−サルシンのEpiScreen(商標)(イギリス、ケンブリッジ)免疫原性分析は、マイトギリン及びレストリクトシンが、Q10のp1アンカー残基を有する以下のT細胞エピトープ、QLNPKTNKW(配列番号36)を含むことを示唆する。

0142

上記で同定されたクラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンのT細胞エピトープは、ヒトMHCクラスII結合を減少又は排除するように修飾され得る。或る1つの実施形態では修飾されたクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシンのT細胞エピトープは、1又は複数のP1、P4、P6、P7、又はP9のMHCクラスIIアンカー残基において1又は複数の突然変異を有する。

0143

或る1つの実施形態では、p1アンカーQ10を有する修飾されたクラビン又はギガンチンのエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわち、P1の残基Q10においてQ10K、Q10R、若しくはQ10A、P4アンカーの残基P13において(クラビンについてのみ)P13I、P6アンカーの残基T15においてT15G、T15Q、若しくはT15H、P7アンカーの残基N16においてN16R、N16K、若しくはN16A、及び/又はP9アンカーの残基Y18においてY18H、Y18K、若しくはY18Rを有する。

0144

別の実施形態では、p1アンカーQ9を有する修飾されたマイトギリン又はレストリクトシンのエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわち、P1アンカーの残基Q9においてQ9K、Q9R、若しくはQ9A、P4アンカーの残基P12においてP12I、P6アンカーの残基T14においてT14G、T14Q、若しくはT14H、P7アンカーの残基N15においてN15R、N15K、若しくはN15A、及び/又はP9アンカーの残基Y17においてY17H、Y17K、若しくはY17Rを有する。

0145

別の実施形態では、p1アンカーL63を有する修飾クラビンエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわちP1アンカーの残基L63においてL63A若しくはL63D、P4アンカーの残基R66においてR66G、R66Q、R66H、R66N、R66D、R66E、P7アンカーの残基I69においてI69A、若しくはI69D、及び/又はP9アンカーの残基W71においてW71G、W71A、W71D、若しくはW71Eを有する。

0146

別の実施形態では、p1アンカーL63を有する修飾ギガンチンエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわちP1アンカーの残基L63においてL63A若しくはL63D、P4アンカーの残基R66においてR66G、R66Q、R66H、R66N、R66D、R66E、P7アンカーの残基I69においてI69A、若しくはI69D、及び/又はP9アンカーの残基F71においてF71G、F71A、F71D、若しくはF71Eを有する。

0147

別の実施形態では、p1アンカーI62を有する修飾されたマイトギリン又はレストリクトシンのエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわちP1アンカーの残基I62においてI62A若しくはI62D、P4アンカーの残基R65においてR65G、R65Q、R65H、R65N、R65D、R65E、P7アンカーの残基I68においてI68A、若しくはI68D、及び/又はP9アンカーの残基F70においてF70G、F70A、F70D、若しくはF70Eを有する。

0148

別の実施形態では、p1アンカーV122を有する修飾されたクラビン又はギガンチンのエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわちP1アンカーの残基V122においてV122A、V122K、若しくはV122R、P4アンカーの残基T125においてT125G、T125Q、若しくはT125H、P6アンカーの残基P127においてP127I、P7アンカーの残基N128においてN128R、N128K、若しくはN128A、及び/又はP9アンカーの残基V130においてV130A、V130K、若しくはV130Rを有する。

0149

別の実施形態では、p1アンカーV121を有する修飾されたマイトギリン又はレストリクトシンのエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわちP1アンカーの残基V121においてV121A、V121K、若しくはV121R、P4アンカーの残基T124においてT124G、T124Q、若しくはT124H、P6アンカーの残基P126においてP126I、P7アンカーの残基N127においてN127R、N127K、若しくはN127A、及び/又はP9アンカーの残基V129においてV129A、V129K、若しくはV129Rを有する。

0150

別の実施形態では、p1アンカーV130を有する修飾クラビンエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわち、P1アンカーの残基V130においてV130A、V130K、若しくはV130R、P4アンカーの残基G133において、G133A、G133D、G133E、若しくはG133K、P7アンカーの残基A136において、A136R、A136K、若しくはA136D、及び/又はP9アンカーの残基T138において、T138G若しくはT138Hを有する。

0151

別の実施形態では、p1アンカーV129を有する修飾されたマイトギリン又はレストリクトシンのエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわち、P1アンカーの残基V129においてV129A、V129K、若しくはV129R、P4アンカーの残基G132において、G132A、G132D、G132E、若しくはG132K、P7アンカーの残基A135において、A135R、A135K、若しくはA135D、及び/又はP9アンカーの残基Q137において、Q137G若しくはQ137Hを有する。

0152

別の実施形態では、p1アンカーI134を有する修飾クラビンエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわち、P1アンカーの残基I134においてI134A、P6アンカーの残基R139において、R139D、R139E、R139G、R139Q、R139H、若しくはR139N、P7アンカーの残基E140において、E140D、及び/又はP9アンカーの残基Q142において、Q142D、Q142N、Q142T、Q142E、Q142R若しくはQ142Gを有する。

0153

別の実施形態では、p1アンカーI133を有する修飾されたマイトギリン又はレストリクトシンのエピトープは、1又は複数の以下の置換、すなわち、P1アンカーの残基I133においてI133A、P6アンカーの残基R138において、R138D、R138E、R138G、R138Q、R138H、若しくはR138N、P7アンカーの残基G139において、G139D、及び/又はP9アンカーの残基Q141において、Q141D、Q141N、Q141T、Q141E、Q141R、若しくはQ141Gを有する。

0154

1又は複数のアンカー残基を修飾することに加えて、その修飾エピトープが対応する野生型リボトキシンと比較して減少したMHCクラスII結合を維持する限り、上記に特定されるクラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンのT細胞エピトープにおいて1又は複数の非アンカー残基を修飾することもできる。

0155

或る実施形態では、修飾T細胞エピトープは、修飾リボトキシン分子(例えば、修飾されたクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシンの分子)の一部であり、修飾リボトキシン分子は、対応する野生型リボトキシンと比較して少なくとも1つ少ないT細胞エピトープ(又は、少なくとも2つ少ないT細胞エピトープ、少なくとも3つ少ないT細胞エピトープ等)を含む。例えば、野生型リボトキシンが2つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾リボトキシン分子は、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型リボトキシンが3つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾リボトキシン分子は、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型リボトキシンが10のT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾リボトキシン分子は9つのT細胞エピトープ、8つのT細胞エピトープ、7つのT細胞エピトープ、6つのT細胞エピトープ、5つのT細胞エピトープ、4つのT細胞エピトープ、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型リボトキシンが8つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾リボトキシン分子は7つのT細胞エピトープ、6つのT細胞エピトープ、5つのT細胞エピトープ、4つのT細胞エピトープ、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型リボトキシンが6つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾リボトキシン分子は5つのT細胞エピトープ、4つのT細胞エピトープ、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。或いは、野生型リボトキシンが4つのT細胞エピトープを含む場合、或る実施形態では、修飾リボトキシン分子は、3つのT細胞エピトープ、2つのT細胞エピトープ、1つのT細胞エピトープ、又は0のT細胞エピトープを含む。

0156

より具体的には、修飾リボトキシン分子(例えば、修飾されたクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシンの分子)は、「親」リボトキシンと比較して少なくとも1つの突然変異を含んでもよく、親リボトキシンは野生型リボトキシン(例えば、野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン、野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシンのフラグメント等)の少なくとも一部である。或る1つの実施形態では、少なくとも1つの突然変異は、例えば、MHCクラスII分子に対して減少した結合能力を有する、又はMHCクラスII分子に対して結合能力を有しないエピトープを生じる、T細胞エピトープの突然変異を含む。

0157

より具体的には、修飾リボトキシン分子は、「親」リボトキシンと比較して、少なくとも1つの突然変異を含んでもよく、親リボトキシンは野生型リボトキシン(例えば、野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン、野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシンのフラグメント等)の少なくとも一部である。或る1つの実施形態では、少なくとも1つの突然変異は、例えば、MHCクラスII分子に対して減少した結合能力を有する、又はMHCクラスII分子に対して結合能力を有しないエピトープを生じる、T細胞エピトープの突然変異を含む。例えば、少なくとも1つの突然変異は、1若しくは複数の以下のクラビンT細胞エピトープ(配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号3、及び/又は配列番号5)内、1若しくは複数の以下のギガンチンT細胞エピトープ(配列番号30、配列番号31、配列番号32、及び/又は配列番号3)内、又は1若しくは複数の以下のマイトギリン若しくはレストリクトシンのT細胞エピトープ(配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、及び/又は配列番号3)内であってもよい。

0158

或る実施形態では、修飾クラビン分子は、「親」クラビン(例えば、野生型クラビン、野生型クラビンのフラグメント等)と比較して少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異は、(野生型クラビンの)少なくとも1つのアミノ酸Q10、P13、T15、N16、Y18、L63、R66、I69、W71、V122、T125、P127、N128、V130、G133、I134、A136、T138、R139、E140、又はQ142の突然変異を含む。

0159

或る実施形態では、修飾ギガンチン分子は、「親」ギガンチン(例えば、野生型ギガンチン、野生型ギガンチンのフラグメント等)と比較して少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異は、(野生型ギガンチンの)少なくとも1つのアミノ酸Q10、T15、N16、Y18、L63、R66、I69、F71、V122、T125、P127、N128、V130の突然変異を含む。

0160

他の実施形態では、修飾されたマイトギリン又はレストリクトシンの分子は、「親」のマイトギリン又はレストリクトシン(例えば、野生型のマイトギリン又はレストリクトシン、野生型のマイトギリン又はレストリクトシンのフラグメント等)と比較して、少なくとも1つの突然変異を含み、ここで、少なくとも1つの突然変異は、(野生型のマイトギリン又はレストリクトシンの)少なくとも1つのアミノ酸Q9、P12、T14、N15、Y17、I62、R65、I68、F70、V121、T124、P126、N127、V129、G132、I133、A135、Q137、R138、G139、又はQ141の突然変異を含む。

0161

野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシンの修飾は、上述のアミノ酸置換を含んでもよい。或る実施形態では、アミノ酸置換は、1アミノ酸置換(例えば、Q10A)、2アミノ酸置換(例えば、Q10A及びQ142G)、3アミノ酸置換(例えば、Q10A、N16A、Q142G)、4アミノ酸置換、5アミノ酸置換、6アミノ酸置換、7アミノ酸置換、8アミノ酸置換、9アミノ酸置換、10アミノ酸置換、又は10超のアミノ酸置換である。

0162

野生型のクラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシンの修飾は、アミノ酸置換に限定されない。例えば、上記修飾は、アミノ酸欠失又はアミノ酸付加を含んでもよい。或る実施形態では、アミノ酸欠失は、1アミノ酸欠失、2アミノ酸欠失、3アミノ酸欠失、4アミノ酸欠失、5アミノ酸欠失、6アミノ酸欠失、7アミノ酸欠失、8アミノ酸欠失、9アミノ酸欠失、10アミノ酸欠失、又は10超のアミノ酸欠失である。或る実施形態では、アミノ酸付加は、1アミノ酸付加、2アミノ酸付加、3アミノ酸付加、4アミノ酸付加、5アミノ酸付加、6アミノ酸付加、7アミノ酸付加、8アミノ酸付加、9アミノ酸付加、10アミノ酸付加、又は10超のアミノ酸付加である。欠失及び/又は付加は、T細胞エピトープ領域以外の分子の領域における欠失に対応してもよい。

0163

リボ毒性(RIBOTOXICITY)及び細胞毒性
修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの細胞毒性を維持し得る。細胞毒性は、具体的な基質、例えば、オリゴヌクレオチド基質(例えば、リボソーム)に対するリボ核酸分解活性、細胞系アッセイにおいてタンパク質合成干渉する能力、又は特定の細胞型に対する細胞殺傷活性を指す場合がある。例えば、細胞毒性アッセイは、毒素がリボソームを分解する能力を測定してもよい。細胞毒性は上述の定義に限定されない。

0164

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと同程度に細胞毒性であってもよい。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、少なくとも対応する野生型リボトキシンと同程度に細胞毒性である。或る特定の実施形態において、驚くべきことに、修飾サルシン分子が、野生型α−サルシンよりも細胞毒性であることを発見した。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンよりも低細胞毒性である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのわずか10%未満の低細胞毒性である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのわずか15%未満の低細胞毒性である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのわずか20%未満の低毒性である。

0165

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのコアリボトキシン構造を維持する。本明細書で使用される「コアリボトキシン構造」の用語は、野生型リボトキシンのアルファへリックス及びベータシートの配置を指す。例えば、或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと同じアルファへリックス配置を有し、例えば、アルファへリックスの一般的な構造を同じように維持する。或る実施形態では、アルファへリックスのアミノ酸は、野生型リボトキシンと同じままである。アルファへリックスアミノ酸は、マイトギリン又はレストリクトシンについてGlu27〜Ala37(Perez-Canadilas et al., J Mol Biol 2009, 299:1061-73)又はGlu26〜Ala36を指す場合がある。或る実施形態では、アルファへリックスにおける1又は複数のアミノ酸が修飾され得るが、アルファへリックスの構造は維持されたままである。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと同じベータシート構造を有し、例えば、ベータシートの一般的な構造を同じように維持する。或る実施形態では、ベータシートのアミノ酸は野生型リボトキシンと同じままである。或る実施形態では、アルファへリックスの1又は複数のアミノ酸が修飾され得るが、アルファへリックスの構造は維持されたままである。ベータシートのアミノ酸は、マイトギリン又はレストリクトシンにおいてHis50〜Phe52及び/又はLeu94〜Phe97及び/又はAla120〜Tyr124及び/又はGly133〜Thr138及び/又はGlu144〜Leu146(Perez-Canadilas et al., J Mol Biol 2009, 299:1061-73)、又はHis49〜Phe51及び/又はLeu93〜Phe96及び/又はAla119〜Tyr123及び/又はGly132〜Gln138及び/又はAsp143〜Leu146を指す場合がある。或る実施形態では、活性部位の1又は複数のアミノ酸、例えば、His50及び/又はGlu96及び/又はArg121及び/又はHis137(又は、マイトギリン若しくはレストリクトシンにおいてHis49、Glu95、Arg120、及び/又はHis136)は修飾リボトキシン分子において変化されない。或る実施形態では、活性部位の1又は複数のアミノ酸が修飾される。

0166

修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのリボ毒性を維持し得る。リボ毒性は、具体的な基質、例えば、オリゴヌクレオチド基質(例えば、リボソーム)に対するリボ毒性(例えば、核酸分解)活性を指す場合があり、又は細胞系アッセイにおけるタンパク質合成を干渉する能力を指す場合がある。リボ毒性は、上述の定義に限定されない。

0167

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと同程度にリボ毒性であってもよい。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと少なくとも同程度にリボ毒性である。或る特定の実施形態において、驚くべきことに、修飾サルシン分子が野生型α−サルシンよりもリボ毒性であることを発見した。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンよりもリボ毒性が低い。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのわずか10%未満の低いリボ毒性である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのわずか15%未満の低いリボ毒性である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのわずか20%未満の低いリボ毒性である。

0168

サルシンのリボ毒性及び細胞毒性に対するアッセイは当該技術分野でよく知られており、Carreras-Sangra et al., 2012, PEDS 25, 425-35に記載される。従来のリボ毒性及び細胞毒性のアッセイとして、本出願の実施例に記載されるin vitro転写翻訳(IVTT)アッセイが挙げられる。

0169

安定性及び溶解性
タンパク質の安定性は、保存条件又は輸送条件に耐えるタンパク質の能力を決定し得る。また、安定性は、投与後(例えば、血清中での)そのタンパク質の半減期に影響し得る。タンパク質の融解温度、又はタンパク質がその三次構造を喪失する温度は、タンパク質の物理的安定性の測定の非限定的な例である。

0170

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの融解温度を維持する(「融解温度を維持する」の用語は、プラス又はマイナス2%、プラス又はマイナス5%、プラス又はマイナス10%を指す場合がある)。例えば、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、その融解温度が対応する野生型リボトキシンの融解温度のプラス又はマイナス5%以内である場合に、対応する野生型リボトキシンの融解温度を維持する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンよりも高い融解温度を有する。

0171

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンよりも低い融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの融解温度よりも2度超低い融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの融解温度よりも5度超低い融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの融解温度よりも10度超低い融解温度を有する。

0172

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は少なくとも40℃の融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は少なくとも50℃の融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は少なくとも60℃の融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は少なくとも65℃の融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は少なくとも70℃の融解温度を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は少なくとも80℃の融解温度を有する。かかるタンパク質の融解温度を決定する方法は、当業者によく知られている(例えば、Gong et al., 2009,JBC 284:21, pp 14203-14210、及び国際公開第2009/099961号を参照されたい)。

0173

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの溶解性を維持する(「溶解性を維持する」の用語は、プラス又はマイナス2%、プラス又はマイナス5%、プラス又はマイナス10%を指す場合がある)。例えば、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、その溶解性が野生型リボトキシンの溶解性のプラス又はマイナス5%以内である場合に野生型リボトキシンの溶解性を維持する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンよりも高い溶解性を有する。

0174

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンよりも低い溶解性を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの溶解性のわずか10%未満の溶解性を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの溶解性のわずか15%未満の溶解性を有する。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンの溶解性のわずか20%未満の溶解性を有する。

0175

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子又は融合タンパク質は、タグを含む。タグとして、限定されないが、Hisタグ、flagタグ等を挙げることができる。

0176

いかなる理論又は機構にも束縛されることを意図するものではないが、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、及びレストリクトシンは、血清プロテアーゼによって分解されないと考えられる。また、それらは、リソソーム又は細胞質のプロテアーゼに対して比較的抵抗性であると考えられる。或る実施形態では、修飾リボトキシン分子を作製するための野生型リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子に対する修飾(複数の場合がある)は、野生型リボトキシンのプロテアーゼ耐性特性に影響しない。例えば、或る実施形態では、修飾(複数の場合がある)は、プロテアーゼ切断部位を付加しない。

0177

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンのプロテアーゼ耐性特性を保持する(例えば、血清プロテアーゼ及び/又はリソソームプロテアーゼ及び/又は細胞質プロテアーゼに供された場合)。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと比較して、わずか10%未満のプロテアーゼ耐性である(例えば、血清プロテアーゼ及び/又はリソソームプロテアーゼ及び/又は細胞質プロテアーゼに供された場合)。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと比較して、わずか20%未満のプロテアーゼ耐性である(例えば、血清プロテアーゼ及び/又はリソソームプロテアーゼ及び/又は細胞質プロテアーゼに供された場合)。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと比較して、わずか30%未満のプロテアーゼ耐性である(例えば、血清プロテアーゼ及び/又はリソソームプロテアーゼ及び/又は細胞質プロテアーゼに供された場合)。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと比較して、わずか40%未満のプロテアーゼ耐性である(例えば、血清プロテアーゼ及び/又はリソソームプロテアーゼ及び/又は細胞質プロテアーゼに供された場合)。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、対応する野生型リボトキシンと比較して、わずか50%未満のプロテアーゼ耐性である(例えば、血清プロテアーゼ及び/又はリソソームプロテアーゼ及び/又は細胞質プロテアーゼに供された場合)。

0178

リボトキシン融合タンパク質
また、本発明は、リボトキシン融合タンパク質、例えば、上述の修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子を含むリボトキシン融合タンパク質を特徴とする。或る実施形態では、リボトキシン融合タンパク質は、対応する野生型リボトキシンと比較してヒトにおいて減少した免疫原性を有し、標的の結合に有効な標的分子を有する、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子を含む。

0179

標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子に連結されてもよい。或る実施形態では、標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子に組み込まれてもよい。

0180

或る実施形態では、標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のN末端に連結される。或る実施形態では、標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のC末端に連結される。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、標的分子のN末端に連結される。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、標的分子のC末端に連結される。或る実施形態では、標的分子のN末端は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のC末端に連結される。或る実施形態では、標的分子のN末端は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のN末端に連結される。或る実施形態では、標的分子のC末端は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のC末端に連結される。或る実施形態では、標的分子のC末端は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のN末端に連結される。

0181

リンカー
修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子と標的分子を融合タンパク質において共に連結するため、リンカーを使用してもよい。或る実施形態では、標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のC末端にリンカーを介して連結される。或る実施形態では、標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のN末端にリンカーを介して連結される。或る実施形態では、融合タンパク質は修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子と標的分子とのオリゴマーである。例えば、或る実施形態では、融合タンパク質は、2つの標的分子と、1つの修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子とを含む。或る実施形態では、融合タンパク質は2つの修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子と、1つの標的分子とを含む。融合タンパク質を連結して共にオリゴマーを形成するため、又は融合タンパク質内の構成要素を共に連結するため、1又は複数のリンカーを使用してもよい。

0182

リンカーは融合タンパク質の全体構造、及び融合タンパク質の構成要素の機能性領域近接性に影響する場合がある。例えば、プロリン残基は、タンパク質の構造を曲げるか、又は捻れさせることが知られており、そのため、1又は複数のプロリン残基を含むリンカーは融合タンパク質の構造を曲げるか、又は捻れさせる可能性がある。

0183

リンカーは、例えば、限定されないが、様々なアミノ酸長及び/又は配列のペプチドを含んでもよい。或る実施形態では、リンカーは、0アミノ酸長〜10アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、0アミノ酸長〜15アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、0アミノ酸長〜20アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、1アミノ酸長〜10アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、1アミノ酸長〜15アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、1アミノ酸長〜20アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、2アミノ酸長〜20アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、3アミノ酸長〜20アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、4アミノ酸長〜20アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、5アミノ酸長〜10アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、10アミノ酸長〜15アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、15アミノ酸長〜20アミノ酸長のものである。或る実施形態では、リンカーは、20超のアミノ酸長のものである。最適な長さは、具体的な標的(複数の場合がある)のスペーシング及び方向に一致するように変化し得る。

0184

リンカーは、融合タンパク質をコードする遺伝子にコードされてもよい。或る実施形態では、リンカーは融合タンパク質の一部に共有結合(例えば、架橋)されてもよい。リンカーは共有結合、又は非常に緊密な非共有結合、すなわち、様々なアミノ酸配列、例えば、(a)グリシン、セリン、プロリン、アラニンに富むもの、若しくは(b)免疫グロブリンドメインを接続する天然連結アミノ酸配列の変異体の化学的結合又は直接的な遺伝子融合であってもよい。

0185

或る実施形態では、リンカーは、非ペプチド構成要素(例えば、糖残基重金属イオン、治療用化学物質、ポリエチレングリコール(PEG)、例えば、分離したPEG等の化学物質)を含む。

0186

或る実施形態では、dPEGは、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のセリン、チロシン、システイン、又はリシンのいずれか1つにおいて、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子に連結される。或る実施形態では、dPEGは、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のグリコシル化部位に連結される。或る実施形態では、dPEGは、標的分子のセリン、チロシン、システイン、又はリシンのいずれか1つにおいて標的分子に連結される。或る実施形態では、dPEGは、標的分子のグリコシル化部位に連結される。或る実施形態では、dPEGは約200ダルトン〜10000ダルトンである。

0187

或る実施形態では、リンカーはヒンジ構成要素である。例えば、標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子上の後半ヒンジ構成要素を結合することができる前半ヒンジ構成要素を含んでもよい。或る実施形態では、ヒンジ構成要素は、1又は複数の多量体化ドメインを含む。多量体化ドメインは、ヒンジ構成要素からタンパク質分解によって結果的に切断され得るように構成されてもよい。リンカー中にその特定の設計された認識配列に対して十分な特異性を呈するが、融合タンパク質の任意の他の配列を切断しない、任意のプロテアーゼを使用してもよい。切断は、最終融合タンパク質分子がプロテアーゼ認識部位の一部であるいかなる追加のアミノ酸残基も維持しないように、認識モチーフの最末端で生じ得る。プロテアーゼは、微量のプロテアーゼが精製(例えば、第X因子トロンビン)の後に持ち越されても、患者にわずかな影響を有するか、又は何らの影響も有しない酵素であってもよい。

0188

切断可能なリンカー(又はアダプター)の例は、Heisler et al., 2003, Int. J. Cancer 103 277-282、及びKeller et al., 2001, J Control Release 74, 259-261に見ることができる。例えば、リンカー(アダプター)は、細胞質切断可能ペプチド(cytosolic cleavable peptide:CCP)、膜輸送ペプチド(membrane transfer peptide:MTP)及びエンドソーム切断可能ペプチド(endosomal cleavable peptide:ECP)を含む。融合タンパク質のエンドイト—シスの際、酵素切断がMTPを露出するリガンドを放出して、CCPの酵素切断によってMTPが毒素(例えば、サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)から放出されるサイトゾル中への移行を可能とする。本明細書に記載されるリボトキシン融合タンパク質は、類似の切断可能なリンカー、又は上記の参照文献に記載されるようなリンカーの様々な構成要素を使用してもよい。

0189

先に述べたように、融合タンパク質はオリゴマーであってもよく、例えば、融合タンパク質は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子に連結された標的分子二量体(又は複数の標的分子)を含んでもよい。或る実施形態では、標的分子は二量体である。或る実施形態では、標的分子は三量体である。或る実施形態では、標的分子は四量体である。或る実施形態では、標的分子は五量体である。或る実施形態では、融合タンパク質は5より多いサブユニットを含む。或る実施形態では、融合タンパク質はオリゴマーであってもよく、例えば、融合タンパク質は、標的分子に連結された修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子の二量体(又は複数の修飾リボトキシン分子)を含んでもよい。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は二量体である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は三量体である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は四量体である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は五量体である。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は5より多いサブユニットを含む。

0190

2若しくは複数の標的分子、又は2若しくは複数の修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子をリンカーによって連結してもよく、ここで、リンカーは任意の適切な場所で個々の標的分子又は修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子に付着され得る。リンカーが標的分子上に付着され得る場所の例として、CH2ドメインのC末端、N末端、システインが先行する又はシステインが続くC末端又はN末端が挙げられる。或る実施形態では、(例えば、二量体、三量体等を形成するための)2以上の標的分子又は修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子の連結は、システイン間のジスルフィド結合の形成によって制御される。

0191

或る実施形態では、リンカーは、2−イミノチオラン、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオプロピオネート(SPDP)、4−スクシンイミジルオキシカルボニル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、N−スクシンイミジル(4−ヨードアセチルアミノベンゾエート(SIAB)、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニルブチレート(SMPB)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC)、ビスジアゾベンジジン及びグルタルアルデヒドからなる群から選択され得る。或る実施形態では、リンカーをアミノ酸基アミノ基、カルボン酸基スルフヒドリル基又はヒドロキシル基に付着させてもよい。リンカーが付着し得るアミノ基としては、例えば、アラニン、リシン、又はプロリンを挙げることができる。リンカーが付着し得るカルボン酸基は、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸であってもよい。リンカーが付着し得るスルフヒドリル基は、例えば、システインであってもよい。リンカーが付着し得るヒドロキシル基は、例えば、セリン、トレオニン、又はチロシンであってもよい。標的分子を別の標的分子に(又は、標的分子を修飾リボトキシン分子に)化学的に付着することが可能な当業者に知られている任意のカップリング化学を使用することができる。

0192

標的分子及び標的
融合タンパク質は、標的を結合するのに有効な標的分子を含む。或る実施形態では、標的分子はペプチドを含む。或る実施形態では、標的分子は、抗体、抗体フラグメント、単鎖可変フラグメント(scFv)、ナノボディアブジュリン(abdurin)、CH2ドメイン分子、CH2ドメインフラグメント、CH3ドメイン分子、CH3ドメインフラグメント、タンパク質スキャフォルド、ホルモン、受容体結合ペプチド等、又はそれらの組合せを含む。或る実施形態では、標的分子は結合部分を含み、その結合部分はVHドメイン、VLドメイン、フィブロネクチンの第10のIII型ドメイン、設計されたアンキリンリピートタンパク質、セントリンスキャフォルド、ペプチドリガンドタンパク質リガンド、受容体、ホルモン、酵素、サイトカイン、小分子、それらのフラグメント等、又はそれらの組合せを含む。標的分子は、上述の例に限定されない。

0193

或る実施形態では、標的分子は、抗原結合領域を含む。或る実施形態では、標的分子は、約20kDa未満の分子量を有するCH2ドメイン分子である。或る実施形態では、標的分子は、少なくとも1つの機能性FcRn結合部位を含む。或る実施形態では、標的分子は、複数のFcRn結合部位(例えば、改善された血清半減期のため)を含む。

0194

或る実施形態では、リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)融合タンパク質は、例えば、そのリボトキシン融合タンパク質が1つの標的に特異的である、単一特異的分子である。或る実施形態では、リボトキシン融合タンパク質は、例えば、そのリボトキシン融合タンパク質が2つの標的に特異的である、二重特異的分子である。或る実施形態では、リボトキシン融合タンパク質は、例えば、そのリボトキシン融合タンパク質が3つの標的に特異的である、三重特異的分子である。或る実施形態では、リボトキシン融合タンパク質は、3よりも多い標的に特異的である。

0195

或る実施形態では、標的分子は、第1のエピトープに特異的な少なくとも第1のパラトープを含む。或る実施形態では、標的分子は、第1のエピトープに各々特異的な少なくとも2つの第1のパラトープを含む。或る実施形態では、標的分子は、第1のエピトープに特異的な第1のパラトープ、及び第2のエピトープに特異的な第2のパラトープを含む。

0196

先に述べたように、リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)融合タンパク質は、少なくとも1つの追加の標的分子を更に含んでもよい。例えば、或る実施形態では、リボトキシン融合タンパク質は、例えば、標的分子又は修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のいずれかに連結された、第2の標的分子を更に含む。或る実施形態では、リボトキシン融合タンパク質は、第3の標的分子を更に含む。或る実施形態では、リボトキシン融合タンパク質は、第4の標的分子を更に含む。

0197

或る実施形態では、第2の標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のN末端に連結され、上記標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のC末端に連結される。或る実施形態では、第2の標的分子は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のC末端に連結され、上記標的分子は修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のN末端に連結される。

0198

或る実施形態では、第2の標的分子は、第1のエピトープに特異的な第1のパラトープを含む。或る実施形態では、第2の標的分子は、第2のエピトープに特異的な第2のパラトープを含む。或る実施形態では、標的分子は、第1のエピトープに特異的な第3のパラトープ、又は第3のエピトープに特異的な第4のパラトープを含む。

0199

先に述べたように、リボトキシン融合タンパク質は、少なくとも1つの追加の修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子を更に含んでもよい。例えば、或る実施形態では、リボトキシン融合タンパクは、第2の修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子を更に含む。或る実施形態では、第2の修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、修飾リボトキシン分子に連結される。或る実施形態では、第2の修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、標的分子に連結される。

0200

上記標的は、任意の適切な標的であってもよい。標的として、細胞、腫瘍細胞免疫細胞、タンパク質、ペプチド、分子、細菌、ウイルス、原生生物、真菌等、又はそれらの組合せが挙げられる。例えば、或る実施形態では、標的は受容体、例えば、細胞表面受容体である。具体的な標的の非限定的な例として、Her2受容体、PMSA、ヌクレオリン細胞死受容体(例えば、Fas受容体腫瘍壊死因子受容体等)、CD22、CD19、CD79b、DR5、ephA2、Muc1、EGFRVEGFR、CTLA−4、細菌及び真菌の細胞表面受容体、CD80等が挙げられる。

0201

或る実施形態では、リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)融合タンパク質は、画像化試薬、放射性同位体、薬物、免疫複合体等、又はそれらの組合せを更に含む。画像化試薬、放射性同位体、薬物、又は免疫複合体は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子及び/又は標的分子に連結されてもよい。

0202

細胞透過性及び保持
(例えば、リボトキシン融合タンパク質の)修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子にとって、膜透過性欠損する(又は野生型リボトキシンと比較して減少した膜透過性を有する)ことは有利な場合がある。これは、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子をより安全に患者に投与することを可能とし得る。例えば、(例えば、リボトキシン融合タンパク質の)修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子が標的分子から切断された場合、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、(リボトキシン融合タンパク質の標的分子の特異性に従い)意図される標的細胞でない細胞によって取り込まれることがない(又は、取り込まれる可能性が低い)。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、膜相互作用に重要な1又は複数のアミノ酸において突然変異を含む。例えば、或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、アミノ酸R120又はR121に突然変異を含む。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、突然変異R120Q又はR121Qを含む。或る実施形態では、修飾リボトキシンは、突然変異R120S又はR121Sを含む。

0203

膜透過性の突然変異は、T細胞エピトープ部位における突然変異と必ずしも一体でなくてもよい。しかしながら、或る実施形態では、膜透過性の突然変異は、T細胞エピトープ部位における1又は複数の突然変異(上述の突然変異)と一体である。

0204

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、その膜透過性を減少したが、その細胞毒性を減少しない突然変異を含む。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、その膜透過性を減少したが、そのリボ毒性を減少しない突然変異(例えば、リボソームのSRL部位に対するターゲッティング及び/又は結合は影響されない)を含む。

0205

或る実施形態では、分子は、(例えば、リボトキシン融合タンパク質の)修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子のN末端に結合され、上記分子は、標的細胞における修飾サルシン分子の取り込みに際して切断され得る。

0206

減少した膜透過性を有する修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、R120Q、R120S、R121Q、又はR121Sの突然変異に限定されない。例えば、α−サルシン、ギガンチン、若しくはクラビンの最初の22アミノ酸、又はレストリクトシン若しくはマイトギリンの最初の21アミノ酸は、膜相互作用(及びrRNAサルシンリッチループの標的部へのトラフィッキング)に重要な可能性がある。或る実施形態では、リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)の最初の21アミノ酸又は22アミノ酸のうち1又は複数を修飾して膜相互作用を変更する。例えば、或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、最初の5アミノ酸における欠失、最初の10アミノ酸における欠失、最初の15アミノ酸における欠失、最初の20アミノ酸における欠失、最初の22アミノ酸における欠失を含む。或る実施形態では、配列番号38の1又は複数のアミノ酸を修飾、例えば、欠失、置換してもよい。代替的には、膜透過性を排除(又は減少)するのを補助するため、アミノ酸をN末端に付加(例えば、tag等)してもよい。

0207

リボトキシン融合タンパク質は、野生型リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)、リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)単独、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子単独、及び/又は標的分子単独と比較して、増強した特性(例えば、増強された細胞保持)を有し得る。例えば、或る実施形態では、標的分子は、その細胞透過性を増強するように修飾される。或る実施形態では、リボトキシンは、(上述の通り)その細胞透過性を減少するように修飾される。或る実施形態では、標的分子は細胞透過性を増強するように修飾され、リボトキシンはその細胞透過性を減少するように修飾される。

0208

或る実施形態では、融合タンパク質は、標的分子単独と比較して増加した細胞透過性を有する。或る実施形態では、融合タンパク質は修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子単独と比較して増加した細胞透過性を有する。或る実施形態では、融合タンパク質は、野生型リボトキシンと比較して細胞透過性を増加するように修飾される。或る実施形態では、融合タンパク質は、標的分子単独と比較して細胞透過性を増加するように修飾される。或る実施形態では、融合タンパク質は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子単独と比較して細胞透過性を増加するように修飾される。或る実施形態では、融合タンパク質は、野生型リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)と比較して増加した細胞保持を有する。

0209

或る実施形態では、融合タンパク質は、標的分子単独と比較して増加した細胞保持を有する。或る実施形態では、融合タンパク質は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子単独と比較して増加した細胞保持を有する。或る実施形態では、融合タンパク質は、野生型リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)と比較して細胞保持を増加するように修飾される。或る実施形態では、融合タンパク質は、標的分子単独と比較して細胞保持を増加するように修飾される。或る実施形態では、融合タンパク質は、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子単独と比較して細胞保持を増加するように修飾される。

0210

リボトキシン融合タンパク質は、エンドソームから逃れることを可能とする手段(例えば、リンカー)を含んでもよい。或る実施形態では、リンカーは細胞質において切断されるように設計される。或る実施形態では、血液、例えば血清中でリンカーを切断することができない。

0211

発現
修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子及び/又はリボトキシン融合タンパク質は、任意の適切な発現系において発現されてもよい。例えば、或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子及び/又はリボトキシン融合タンパク質は、E.コリ発現系において発現される。或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子及び/又はリボトキシン融合タンパク質は、ピキア・パストリス発現系において発現される。

0212

医薬組成物
或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子は、医薬組成物を含むか、又はそれに含有される。或る実施形態では、上記融合タンパク質は、医薬組成物を含むか、又はそれに含有される。抗体及びペプチドに関する医薬組成物の例は、当業者によく知られており、以下に記載される。

0213

或る実施形態では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子又は融合タンパク質は、増加した安定性(例えば、血清半減期)を与える分子(又は複数の分子)に結合される。デキストラン、様々なポリエチレングリコール(PEG)、及びアルブミン結合ペプチドは、この目的の非常に一般的なスキャフォルドである(例えば、Dennis et al., 2002, Journal of Biological Chemistry 33:238390を参照されたい)。上記分子は、様々な機構、例えば、化学処理及び/又はタンパク質構造、配列の等の修飾等(例えば、Ashkenazi et al., 1997, Current Opinions in Immunology 9:195-200、米国特許第5,612,034号、米国特許第6,103,233号を参照されたい)によって、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子又は融合タンパク質に接合されてもよい。上記分子(例えば、デキストラン、PEG等)は、結合ループと反対側のタンパク質の末端においてシステインを組み込むことによって反応性スルフヒドリルにより、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子又は融合タンパク質に結合されてもよい。かかる技術は、当該技術分野でよく知られている。別の例では、修飾リボトキシン(例えば、α−サルシン、クラビン、ギガンチン、マイトギリン、又はレストリクトシン)分子又は融合タンパク質は、循環半減期を増加するため血清中においてアルブミンを利用するように、アルブミンに特異的に結合してもよい。

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