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図面 (6)

課題・解決手段

C型肝炎ウイルス(HCV抗原の検出のためのモノクローナル抗体が提供される。この抗体は、HCVコア抗原のアミノ酸残基134−171の脂質結合ドメインの少なくとも1つのエピトープと特異的に免疫反応性である。さらに、HCV感染を検出するための、抗体を使用するイムノアッセイ方法、抗体を含むキットおよび組成物が提供される。

概要

背景

WHO統計値によると、世界中で170,000,000人もの人々が、肝臓ウイルス感染であるC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している。HCVに感染した人の75から85%は、慢性感染に進行し、これらの症例のおよそ20%は、感染の20年後に肝硬変または肝細胞癌を含む慢性C型肝炎合併症発症する。HCV感染に現在推奨される処置は、インターフェロン薬物とリバビリン薬物との併用であるが、この処置は全ての症例で有効なわけではなく、C型肝炎関連の肝臓病末期においては、肝臓移植が示される。現在、HCV感染を防ぐために利用できるワクチンは存在せず、したがって、感染を避けるあらゆる警戒が取られなければならない。

したがって、患者ケア、ならびに血液および血液製剤によるまたは密接な個人的接触によるC型肝炎ウイルス(HCV)の伝搬の予防は、感度の高い検出アッセイを用いた過度用心を必要とする。このことは、HCVのキャリアおよびHCV汚染された血液もしくは血液製剤をスクリーニングして同定するための、特異的な方法を必要とする。HCV曝露血清学的決定は、ヒト血漿または血清に存在するHCVの検出に依存する。これは、ウイルスによってコードされる明らかな構造タンパク質および非構造タンパク質の検出によって、達成され得る。

HCVウイルスは、フラビウイルス(Flaviviridae)科ヘパシウイルス(Hepacivirus)属における、(+)センス一本鎖エンベロープRNAウイルスである。このウイルスゲノムは、およそ10kb長であり、3011個のアミノ酸ポリタンパク質前駆体をコードする。HCVゲノムは、独特のポリタンパク質をコードする大きな1つのオープンリーディングフレーム(ORF)を有する。このポリタンパク質は、細胞性およびウイルス性プロテアーゼによって、3つの構造タンパク質、すなわち、コアタンパク質、E1タンパク質、およびE2タンパク質、ならびに少なくとも6つの非構造タンパク質であるNS2タンパク質、NS3タンパク質、NS4Aタンパク質、NS4Bタンパク質、NS5Aタンパク質およびNS5Bタンパク質に、翻訳と同時におよび翻訳後に処理される。(Chooら、Science 244:359−362(1989))。

HCV曝露後に、ウイルスは、感受性肝細胞侵入し、ウイルス複製が起こる。およそ10日間の暗黒期の間、ウイルスは顕在化せず(すなわち、ウイルスRNAは検出できず)、血清トランスアミナーゼベルは、正常値の範囲内であり、HCVに対する免疫反応証拠は何ら存在しない(Buschら、Transfusion 40:143(2000))。代表的に、曝露の約10日間後に、HCV RNAは検出可能であり、しばしば、ウイルス負荷は、血清1ml当たり100,000−120,000,000のHCVRNAコピーである。典型的には、数週間後、ALTレベルにおける増加が観察され、これは、肝臓の炎症を示す。抗体は、曝露の平均約70日間後に検出される。

血清/血漿中の、HCVに対する抗体の検出によるまたはウイルス特異的分子(例えば、HCV RNAまたはHCVコアタンパク質)によるかのいずれかである、HCVに対する曝露についての血液のスクリーニングは、患者のケアの不可欠および重要な部分である。これらの試験によりHCVに曝露されていると同定されている個体に由来する血液または血液製剤は、血液供給から取り除かれ、血液製剤のレシピエントへの流通のために利用されない(米国特許第6,172,189号を参照されたい。)。これらの試験はまた、HCV感染に起因する肝臓病を診断するための臨床現場においても使用され得る。

血清学的抗体試験は、ウイルスポリタンパク質の選択された断片を表す組換え抗原または合成ペプチドの使用に依存する。第1世代抗HCVスクリーニング試験は、非構造NS−4タンパク質(C100−3)に位置する配列から生じた組換えタンパク質HCV遺伝子型1a)に対する抗体の検出に基づいていた(Chooら、Science 244:359(1989);Kuoら、Science 244:362(1989))。第1世代アッセイは、慢性HCV感染を有する個体のおよそ10%および急性HCV感染を示す患者の10−30%までにおいて、抗体を検出し損なった。第2世代抗HCVアッセイは、HCVゲノム(HCV遺伝子型1a)の3つの異なる領域から組み込まれた組換えタンパク質を有する。これらの領域は、コアタンパク質、NS3タンパク質およびNS4タンパク質由来アミノ酸配列を含み(Mimmsら、Lancet 336:1590(1990);Brestersら、Vox Sang 62:213(1992))、HCV感染した血液ドナーを同定することにおいて第1世代を凌ぐ顕著な改善を可能にした(Aachら、N Engl J Med 325:1325(1991);Kleinmanら、Transfusion 32:805(1992))。第2世代アッセイは、慢性HCV症例の100%近く(Hino K.、Intervirology 37:77(1994))および感染12週間後までの急性症例のほぼ100%(Alterら、N Engl J Med 327:1899(1992);Brestersら、Vox Sang 62:213(1992))において、抗体を検出する。第3世代試験は、NS5領域由来のアミノ酸配列ならびにコア、NS3およびNS4由来の抗原発現する組換えタンパク質を含む。幾つかの研究は、第3世代試験と第2世代試験とを比較し、感受性におけるわずかな改善を示した(Leeら、Transfusion 35:845(1995);Courouceら Transfusion 34:790−795(1994))が、この改善は、主に、NS5タンパク質を含めるよりもむしろNS3タンパク質の変化に起因する(Courouceら、Lancet 343:853(1994))。

一般に、第2および第3世代のHCV抗体試験は、HCVに対する曝露の約70日後に曝露を検出する。HCVは、持続的な、そして多くの場合生涯にわたる感染を確立するので、HCVに対する抗体の検出は、HCVに対する曝露を決定するための非常に効率的な方法を表す。しかし、抗体試験のみでは、曝露後70日間以内のHCV感染固体を検出し損なうことが多い。

HCV抗原についての試験は、HCVに対する曝露を、抗体試験よりも有意に早く検出し、血清転換前の期間にHCVに対する曝露を検出するための核酸試験に対する代替法を表すことが、示唆されている。HCV抗原検出試験は、迅速であり、単純であり、試料抽出または他の前処理を必要としない場合があり、およびHCV RNA試験において起こり得る操作の誤り(例えば、汚染)を起こしにくい。したがって、HCVコア抗原試験は、血液ドナーをスクリーニングするためまたは抗ウイルス治療モニタリングするための、HCV RNAに対する実際的な代替法を提示する。

既存のHCV抗原試験は、血清中または血漿中のHCVコア抗原の存在を検出することに依存する。HCVコアタンパク質は、ポリタンパク質の最初の191アミノ酸を含むHCVの構造タンパク質であり、ゲノムRNAにキャプシド形成する内部ウイルスコートを形成する。2つの異なる種類の血清学的アッセイが、開発されており、これらは、血清におけるHCVコア抗原の検出を可能にする。1つのアッセイ形式は、対象におけるHCVコア抗原を血清転換前に検出し、血液ドナーをスクリーニングする際に利用されており、他方で、他のアッセイ形式は、そのHCV抗体状態にかかわらずC型肝炎患者においてのみコア抗原を検出し、HCVに対する曝露を診断するために臨床研究室においてまたは抗体治療をモニタリングするために利用されている。現在利用可能なコア抗原検出アッセイは、全て、コアタンパク質のアミノ酸1−125に位置するHCVコアのDNA結合ドメインに対する抗体を使用する。コアタンパク質はまた、アミノ酸134−171の間に位置する脂質結合ドメインをも含有する。コアタンパク質のこの部分由来の抗原は現在までに記載されておらず、今まで、コア検出は、DNA結合ドメインに対する抗体を必要とすると考えられていた。

概要

C型肝炎ウイルス(HCV)抗原の検出のためのモノクローナル抗体が提供される。この抗体は、HCVコア抗原のアミノ酸残基134−171の脂質結合ドメインの少なくとも1つのエピトープと特異的に免疫反応性である。さらに、HCV感染を検出するための、抗体を使用するイムノアッセイ方法、抗体を含むキットおよび組成物が提供される。

目的

本発明の別の態様は、HCVコア抗原の脂質結合ドメインと特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体であって、図1Aに列挙される抗体からなる群より選択される重鎖可変ドメインおよび図1Bに列挙される抗体からなる群より選択される軽鎖可変ドメインを有するモノクローナル抗体を提供する

効果

実績

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請求項1

請求項2

HCVコア抗原が、HCVアミノ酸残基134−171である、請求項1に記載のモノクローナル抗体。

請求項3

アミノ酸配列MGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRLEDGVNYATGNLPGによって形成される少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する、請求項1に記載のモノクローナル抗体。

請求項4

HCVコア抗原のアミノ酸141−161、134−154および151−171によって形成されるエピトープと免疫反応性である、請求項1に記載のモノクローナル抗体。

請求項5

HCVコア抗原の脂質結合ドメインと特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体であって、表1Aに列挙されている抗体からなる群より選択される重鎖可変ドメインおよび表1Bに列挙されている抗体からなる群より選択される軽鎖可変ドメインを有するモノクローナル抗体。

請求項6

請求項1に記載のモノクローナル抗体を含むイムノアッセイ試薬であって、抗体が検出可能な標識で標識されている、イムノアッセイ試薬。

請求項7

請求項1に記載のモノクローナル抗体を含むイムノアッセイ試薬であって、抗体が固相に結合している、イムノアッセイ試薬。

請求項8

HCV抗原に対するさらなる抗体をさらに含む、請求項6または請求項7に記載のイムノアッセイ試薬。

請求項9

さらなる抗体が、さらなる抗コア抗体である、請求項8に記載のイムノアッセイ試薬。

請求項10

試験試料中のHCVの検出のためのイムノアッセイであって、(i)HCVを含有すると疑われる試験試料を、HCVコア抗原を指向する第1の抗体と接触させて、第1の抗体と試験試料中に位置する抗原との間の複合体を形成させる工程、(ii)工程(i)において形成された前記複合体を、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体と接触させ、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体と工程(i)において形成された複合体中の抗原との間の複合体を形成する工程であって、請求項1から6のいずれかに記載の抗体は検出可能に標識されている工程、および(iii)工程(ii)において形成された複合体の標識を検出する工程を含むイムノアッセイ。

請求項11

第1の抗体が、HCVコア抗原のDNA結合ドメインを指向する、請求項10に記載のイムノアッセイ。

請求項12

工程(ii)の抗体が、蛍光標識によって標識されている、請求項10に記載のイムノアッセイ。

請求項13

標識が、アクリジニウムである、請求項12に記載のイムノアッセイ。

請求項14

工程(i)の抗体が、固相に結合している、請求項10に記載のイムノアッセイ。

請求項15

工程(i)の抗体が、工程(ii)の抗体とは異なる請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体を含む、請求項10に記載のイムノアッセイ。

請求項16

工程(i)の抗体が、工程(ii)の抗体と同じ請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体を含む、請求項10に記載のイムノアッセイ。

請求項17

試験試料が患者から得られ、方法が、患者を診断する、予後診断する、または患者の治療予防処置の有効性を評価する工程をさらに含み、方法が患者の治療/予防処置の有効性を評価する工程をさらに含む場合、方法が、有効性を改善する必要があれば患者の治療/予防処置を改変する工程をさらに含む又は含まない、請求項10に記載のイムノアッセイ方法

請求項18

自動化システムまたは半自動化ステムにおける使用のために適合されている、請求項17に記載のイムノアッセイ方法。

請求項19

請求項1に記載の免疫診断試薬、および試験試料中のHCVの検出のためのイムノアッセイにおける免疫診断試薬の使用のための指示書を含むキット

技術分野

0001

本出願は、2013年3月14日に提出された米国仮特許出願第61/783,529号に対する優先権を主張するPCT特許出願として提出された。上記の出願の本文全体は、その全体を参照により本明細書に組み込む。

0002

本開示は、HCVコアタンパク質に対する新規モノクローナル抗体、ならびにHCV感染の検出のためのその使用のための方法および組成物に関する。

背景技術

0003

WHO統計値によると、世界中で170,000,000人もの人々が、肝臓ウイルス感染であるC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している。HCVに感染した人の75から85%は、慢性感染に進行し、これらの症例のおよそ20%は、感染の20年後に肝硬変または肝細胞癌を含む慢性C型肝炎合併症発症する。HCV感染に現在推奨される処置は、インターフェロン薬物とリバビリン薬物との併用であるが、この処置は全ての症例で有効なわけではなく、C型肝炎関連の肝臓病末期においては、肝臓移植が示される。現在、HCV感染を防ぐために利用できるワクチンは存在せず、したがって、感染を避けるあらゆる警戒が取られなければならない。

0004

したがって、患者ケア、ならびに血液および血液製剤によるまたは密接な個人的接触によるC型肝炎ウイルス(HCV)の伝搬の予防は、感度の高い検出アッセイを用いた過度用心を必要とする。このことは、HCVのキャリアおよびHCV汚染された血液もしくは血液製剤をスクリーニングして同定するための、特異的な方法を必要とする。HCV曝露血清学的決定は、ヒト血漿または血清に存在するHCVの検出に依存する。これは、ウイルスによってコードされる明らかな構造タンパク質および非構造タンパク質の検出によって、達成され得る。

0005

HCVウイルスは、フラビウイルス(Flaviviridae)科ヘパシウイルス(Hepacivirus)属における、(+)センス一本鎖エンベロープRNAウイルスである。このウイルスゲノムは、およそ10kb長であり、3011個のアミノ酸ポリタンパク質前駆体をコードする。HCVゲノムは、独特のポリタンパク質をコードする大きな1つのオープンリーディングフレーム(ORF)を有する。このポリタンパク質は、細胞性およびウイルス性プロテアーゼによって、3つの構造タンパク質、すなわち、コアタンパク質、E1タンパク質、およびE2タンパク質、ならびに少なくとも6つの非構造タンパク質であるNS2タンパク質、NS3タンパク質、NS4Aタンパク質、NS4Bタンパク質、NS5Aタンパク質およびNS5Bタンパク質に、翻訳と同時におよび翻訳後に処理される。(Chooら、Science 244:359−362(1989))。

0006

HCV曝露後に、ウイルスは、感受性肝細胞侵入し、ウイルス複製が起こる。およそ10日間の暗黒期の間、ウイルスは顕在化せず(すなわち、ウイルスRNAは検出できず)、血清トランスアミナーゼベルは、正常値の範囲内であり、HCVに対する免疫反応証拠は何ら存在しない(Buschら、Transfusion 40:143(2000))。代表的に、曝露の約10日間後に、HCV RNAは検出可能であり、しばしば、ウイルス負荷は、血清1ml当たり100,000−120,000,000のHCVRNAコピーである。典型的には、数週間後、ALTレベルにおける増加が観察され、これは、肝臓の炎症を示す。抗体は、曝露の平均約70日間後に検出される。

0007

血清/血漿中の、HCVに対する抗体の検出によるまたはウイルス特異的分子(例えば、HCV RNAまたはHCVコアタンパク質)によるかのいずれかである、HCVに対する曝露についての血液のスクリーニングは、患者のケアの不可欠および重要な部分である。これらの試験によりHCVに曝露されていると同定されている個体に由来する血液または血液製剤は、血液供給から取り除かれ、血液製剤のレシピエントへの流通のために利用されない(米国特許第6,172,189号を参照されたい。)。これらの試験はまた、HCV感染に起因する肝臓病を診断するための臨床現場においても使用され得る。

0008

血清学的抗体試験は、ウイルスポリタンパク質の選択された断片を表す組換え抗原または合成ペプチドの使用に依存する。第1世代抗HCVスクリーニング試験は、非構造NS−4タンパク質(C100−3)に位置する配列から生じた組換えタンパク質HCV遺伝子型1a)に対する抗体の検出に基づいていた(Chooら、Science 244:359(1989);Kuoら、Science 244:362(1989))。第1世代アッセイは、慢性HCV感染を有する個体のおよそ10%および急性HCV感染を示す患者の10−30%までにおいて、抗体を検出し損なった。第2世代抗HCVアッセイは、HCVゲノム(HCV遺伝子型1a)の3つの異なる領域から組み込まれた組換えタンパク質を有する。これらの領域は、コアタンパク質、NS3タンパク質およびNS4タンパク質由来アミノ酸配列を含み(Mimmsら、Lancet 336:1590(1990);Brestersら、Vox Sang 62:213(1992))、HCV感染した血液ドナーを同定することにおいて第1世代を凌ぐ顕著な改善を可能にした(Aachら、N Engl J Med 325:1325(1991);Kleinmanら、Transfusion 32:805(1992))。第2世代アッセイは、慢性HCV症例の100%近く(Hino K.、Intervirology 37:77(1994))および感染12週間後までの急性症例のほぼ100%(Alterら、N Engl J Med 327:1899(1992);Brestersら、Vox Sang 62:213(1992))において、抗体を検出する。第3世代試験は、NS5領域由来のアミノ酸配列ならびにコア、NS3およびNS4由来の抗原発現する組換えタンパク質を含む。幾つかの研究は、第3世代試験と第2世代試験とを比較し、感受性におけるわずかな改善を示した(Leeら、Transfusion 35:845(1995);Courouceら Transfusion 34:790−795(1994))が、この改善は、主に、NS5タンパク質を含めるよりもむしろNS3タンパク質の変化に起因する(Courouceら、Lancet 343:853(1994))。

0009

一般に、第2および第3世代のHCV抗体試験は、HCVに対する曝露の約70日後に曝露を検出する。HCVは、持続的な、そして多くの場合生涯にわたる感染を確立するので、HCVに対する抗体の検出は、HCVに対する曝露を決定するための非常に効率的な方法を表す。しかし、抗体試験のみでは、曝露後70日間以内のHCV感染固体を検出し損なうことが多い。

0010

HCV抗原についての試験は、HCVに対する曝露を、抗体試験よりも有意に早く検出し、血清転換前の期間にHCVに対する曝露を検出するための核酸試験に対する代替法を表すことが、示唆されている。HCV抗原検出試験は、迅速であり、単純であり、試料抽出または他の前処理を必要としない場合があり、およびHCV RNA試験において起こり得る操作の誤り(例えば、汚染)を起こしにくい。したがって、HCVコア抗原試験は、血液ドナーをスクリーニングするためまたは抗ウイルス治療モニタリングするための、HCV RNAに対する実際的な代替法を提示する。

0011

既存のHCV抗原試験は、血清中または血漿中のHCVコア抗原の存在を検出することに依存する。HCVコアタンパク質は、ポリタンパク質の最初の191アミノ酸を含むHCVの構造タンパク質であり、ゲノムRNAにキャプシド形成する内部ウイルスコートを形成する。2つの異なる種類の血清学的アッセイが、開発されており、これらは、血清におけるHCVコア抗原の検出を可能にする。1つのアッセイ形式は、対象におけるHCVコア抗原を血清転換前に検出し、血液ドナーをスクリーニングする際に利用されており、他方で、他のアッセイ形式は、そのHCV抗体状態にかかわらずC型肝炎患者においてのみコア抗原を検出し、HCVに対する曝露を診断するために臨床研究室においてまたは抗体治療をモニタリングするために利用されている。現在利用可能なコア抗原検出アッセイは、全て、コアタンパク質のアミノ酸1−125に位置するHCVコアのDNA結合ドメインに対する抗体を使用する。コアタンパク質はまた、アミノ酸134−171の間に位置する脂質結合ドメインをも含有する。コアタンパク質のこの部分由来の抗原は現在までに記載されておらず、今まで、コア検出は、DNA結合ドメインに対する抗体を必要とすると考えられていた。

0012

米国特許第6,172,189号明細書

先行技術

0013

Chooら、Science 244:359−362(1989)
Buschら、Transfusion 40:143(2000)
Kuoら、Science 244:362(1989)
Mimmsら、Lancet 336:1590(1990)
Brestersら、Vox Sang 62:213(1992)
Aachら、N Engl J Med 325:1325(1991)
Kleinmanら、Transfusion 32:805(1992)
Hino K.、Intervirology 37:77(1994)
Alterら、N Engl J Med 327:1899(1992)
Leeら、Transfusion 35:845(1995)
Courouceら Transfusion 34:790−795(1994)
Courouceら、Lancet 343:853(1994)

発明が解決しようとする課題

0014

したがって、HCVコア抗原を容易に検出し得る結合タンパク質は、患者におけるHCV曝露の検出の利用可能な方法を著しく改善する。したがって、スクリーニング試験において容易に利用され得る新規な抗体についての必要性が認識されている。

課題を解決するための手段

0015

(発明の要旨)
本発明は、一般に、HCVコア抗原の脂質結合ドメインに特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体を対象とする。より具体的には、HCVコア抗原は、HCVのアミノ酸残基134−171である。より特定の実施形態において、抗体は、アミノ酸配列MGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRLEDGVNYATGNLPGによって形成される少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する。より詳細な実施形態において、抗体は、HCVコア抗原のアミノ酸141−161、134−154および151−171によって形成されるエピトープと免疫反応性である。

0016

本発明の別の態様は、HCVコア抗原の脂質結合ドメインと特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体であって、図1Aに列挙される抗体からなる群より選択される重鎖可変ドメインおよび図1Bに列挙される抗体からなる群より選択される軽鎖可変ドメインを有するモノクローナル抗体を提供する。

0017

本明細書に記載の抗体のいずれかは、イムノアッセイ試薬として調製され得、特に、このような試薬は、好ましくは、検出可能標識によって標識されることが企図される。

0018

なお他の実施形態において、本発明のイムノアッセイ試薬は、固相に結合している本明細書で開示される抗体の1つ以上を含む。

0019

本発明の抗体を含むイムノアッセイ試薬は、HCV抗原に対するさらなる抗体をさらに含み得る。例えば、このようなさらなる抗体は、さらなる抗コア抗体である。

0020

本発明のさらなる態様は、試験試料中のHCVの検出のためのイムノアッセイであって、
(i)HCVを含有すると疑われる試験試料を、HCVコア抗原を指向する第1の抗体と接触させて、前記第1の抗体と前記試験試料中に位置する抗原との間の複合体を形成する工程、
(ii)工程(i)において形成された前記複合体を、請求項1から6のいずれかに記載の抗体と接触させ、請求項1から6のいずれかに記載の抗体と工程(i)において形成された複合体中の抗原との間の複合体を形成する工程であって、請求項1から6のいずれかに記載の抗体は検出可能に標識されている工程、および
(Iii)工程(ii)において形成された複合体の標識を検出する工程
を含むイムノアッセイを対象とする。

0021

より詳細な実施形態において、イムノアッセイは、第1の抗体がHCVコア抗原のDNA結合ドメインを指向することをさらに特徴とし得る。より特定の実施形態において、工程(ii)で使用される抗体は、蛍光標識によって標識されている。例示的な実施形態において、標識は、アクリジニウムである。

0022

いくつかの実施形態において、イムノアッセイは、工程(i)の抗体が固相上にコーティングされているイムノアッセイである。特に好ましい実施形態において、工程(i)の抗体は、工程(ii)の抗体とは異なる抗体を含む。あるいは、イムノアッセイは、工程(i)の抗体が工程(ii)の抗体と同じ抗体を含むイムノアッセイである。

0023

本発明のイムノアッセイのいずれかは、患者から得られた試験試料において使用され得、この方法は、患者を診断する、患者を予後診断する、または患者の治療/予防処置の有効性を評価する工程をさらに含み、方法が患者の治療/予防処置の有効性を評価する工程をさらに含む場合、方法は、有効性を改善する必要があれば患者の治療/予防処置を改変する工程を場合によってさらに含む。

0024

本明細書でさらに詳細に記載されるように、本発明のイムノアッセイのいずれかは、自動化システムまたは半自動化ステムにおける使用のために容易に適合され得ることが、当業者によって理解される。

図面の簡単な説明

0025

本発明の好ましい抗体の重鎖可変ドメインを示す図である。
本発明の好ましい抗体の重鎖可変ドメインを示す図である。
本発明の好ましい抗体の軽鎖可変ドメインを示す図である。
本発明の好ましい抗体の軽鎖可変ドメインを示す図である。
図1Aのアラインメントから派生したクラスタリング図の2つの表現を示す図である。

0026

本発明は、C型肝炎ウイルスコア抗原、詳細には、コア抗原のアミノ酸134−171の間の脂質結合ドメインを指向するモノクローナル抗体の開発を記載する。使用した免疫源は、合成ペプチドであり、ハイブリドーマのスクリーニングは、免疫源ペプチドと134−171領域内の3つの重複するより小さいペプチドのセットとの両方を利用した。さらに、アミノ酸1−169を表す組換えコア抗原を、HCVコアタンパク質と反応性であると同定されたモノクローナル抗体の効力を決定するためのスクリーニングのために使用した。抗体は、抗原、免疫源ペプチドおよび免疫源を含むより小さい重複するペプチドに対する、これらの反応性によって描写される。免疫源ペプチドに対する抗体の結合反応速度論を、BIAcore 4000装置を用いたSPR(表面プラスモン共鳴)によって決定した。組換えコア抗原に対する免疫反応性を、標準ELISAによって決定した。

0027

さらに、本発明のモノクローナル抗体が、コア抗原の存在を分析する際に有用であることを示すために、コア抗原捕捉マイクロタイタープレートアッセイを、HCVコアのDNA結合ドメイン内のエピトープを指向するモノクローナル抗体(例えば、アミノ酸1−125)を捕捉試薬として、本発明の134−171指向抗体を検出試薬として用いて実施した。これらのアッセイは、本発明の134−171指向抗体の、HCVコア抗原検出イムノアッセイのための有用性を実証する結果を出した。これは、HCVコアの2つの主要ドメインを捕捉および検出のために独立して標識する抗原捕捉アッセイの最初の実証である。以前に報告されたコア抗原検出アッセイは、DNA結合ドメインの範囲内(例えば、アミノ酸1−125)のエピトープに結合する抗体を使用する。

0028

本発明の抗体を産生するため、BSAに連結したアミノ酸134−171からのHCVコア遺伝子型コンセンサス配列からなる合成ペプチドによってマウス免疫化した。より具体的には、免疫源は、以下の配列を有した:

0029

0030

さらに、3つの特異的なN末端ビオチン化エピトープ領域に対するモノクローナル抗体の結合もまた、性質決定され、実施例においてさらに議論される。具体的には、3つの重複するエピトープは、上記の領域に由来し、以下の配列を有した:

0031

0032

免疫源を、BSAにコンジュゲートし、抗体を産生した。別の実施形態において、免疫源を、TTおよび原線維にコンジュゲートした。TT配列は、マウスにおいてより強力な免疫反応を提供するために、しばしば使用される。TTコンジュゲートの配列は、以下であった:

0033

原線維コンジュゲートの配列は、以下であった:

0034

0035

Bリンパ球を、骨髄腫融合パートナーと融合し、ハイブリドーマを作製して、これを、免疫源ペプチド、免疫源ペプチド配列内の3つの重複するペプチドおよび組換えHCVコア抗原に対する反応性について、スクリーニングした。Biacore 4000を用いる反応速度論プロファイリングは、抗体のクラスターの同定を可能にした。ここで、クラスターは、免疫源ペプチドまたは重複する134−171領域のより短いペプチドに対して結合するその能力によって規定される。これらの結果を、ELISAによって決定される組換え抗原に対する免疫反応性またはその欠如と組み合わせ、類似の特徴(特異性)を有すグループへの抗体のさらなる描写を可能にした。

0036

実施例においてより詳細に議論されるスクリーニング結果簡潔まとめると、最も大きな免疫反応は、BSAに連結したペプチドによって免疫化されたマウスにおいて見られた。さらに、これらのマウスからの応答は、主として141−161領域に集中したが、アミノ酸134−154領域および151−171領域に対するある程度の応答もまた存在した。TTに連結したHCVペプチドにより、免疫反応が見られたが、この応答は、BSAによるものほど強くなかった。この応答は、全ての3エピトープ領域にわたって広がっていた。他方で、原線維ネットワークを形成するペプチドに連結したアミノ酸134−171ペプチドを用いて免疫化したマウスは、有意な免疫反応を示さなかった。本発明の抗体は、図1Aおよび1B、ならびに実施例においてより詳細に記載される。

0037

これらの研究のために使用されるHCVコア抗原を、イー・コリ(E.coli)において発現させ、以前に公開された方法(Boulantら、J.Virol.(2005)、79(17):11353−11365)に基づく、IMACを用いた後に逆相HPLCを用いる2工程プロセスにおいて精製した。

0038

この様式で、HCVコアの脂質結合ドメインに特異的な相当たくさんのモノクローナル抗体を産生した。これらのモノクローナル抗体は、感染固体の血清および血漿におけるHCVコア抗原の検出のための診断アッセイの開発において、有用性を有する。本発明の前に、HCV全長コアペプチドに対する結合活性を示したコアアミノ酸134−171領域内の複数のエピトープに対するモノクローナル抗体の生成は、何ら報告されていなかった。本発明のモノクローナル抗体を利用することは、HCVコア抗原の2つの主要なドメインが標的化される、コア抗原検出のためのイムノアッセイの開発を可能にする。以前のコア抗原アッセイは、アミノ酸1−125(核酸結合ドメイン)内のエピトープを指向するモノクローナル抗体の使用を記載した。以前に記載されたモノクローナル抗体は、HCVコアの核酸結合ドメインを標的することしかできないので、これらは、最善でも、コアタンパク質断片、崩壊産物、または内部翻訳開始により生じるより小さなコアタンパク質の検出において、非効率的およびしばしば無効であった。本発明は、試験試料中に存在するHCVコアをより効率的および迅速に検出するための試薬として使用可能である特異的モノクローナル抗体を提供することにより、以前のアッセイにおけるこれらの欠点を初めて克服した。

0039

特に、本明細書に記載の抗体は、HCVコア抗原を検出のために有用な試薬であり、HCVの生活環調査を容易にするために有用な試薬である。上述のように、HCVにコードされたタンパク質は、リボソームが内部リボソーム侵入部位(IRES)に結合し、翻訳を開始し、ウイルスポリタンパク質の合成をもたらし、このポリタンパク質は開裂して古典的HCVタンパク質であるp21コア、E1、E2、p7および非構造タンパク質を産生する、協奏的なプロセスにおいて発現される。ウイルスポリメラーゼを含むあらゆるウイルス酵素は、コア遺伝子領域における翻訳の開始なしには作製できない。この一時的な関係性ゆえに、この領域における翻訳事象は、全てのHCVタンパク質の発現を制御すると考えられている。したがって、コア遺伝子およびその遺伝子産物の完全な理解が、ウイルスの生活環の理解に必須であり、ウイルス病原性メカニズムに対する我々の理解に光を投げかけ得る。近年、ミニコアと呼ばれる保存的ウイルスタンパク質の新規なファミリーが、記載されている(Engら、J Virol.2009年4月;83(7):3104−3114)。これらのタンパク質は、コア遺伝子と同じリーディングフレーム内でコードされるが、全長コアタンパク質の翻訳後プロセシングよりもむしろ内部翻訳開始事象に由来すると考えられる。記載されるミニコアタンパク質の1つは、「91ミニコア」と呼ばれ、コア内の推定開始コドンから名付けられる。「134ミニコア」もまた存在し、多くのHCV単離物におけるメチオニンをコードするコドン134における翻訳開始に由来するとの仮説が立てられる。しかし、本質的に脂質結合ドメインに由来するミニコアの検出を可能にする試薬は、利用可能ではない。このようなタンパク質は、HCV持続性において重要な役割を果たし得る。

0040

モノクローナル抗体は、HCVコア134−171に由来する直鎖状の合成ペプチドに対して惹起されるので、これらが、感染した個体に存在するHCVコアのネイティブの完全なコア抗原またはプロセシング形態に結合するか否かは未知である。しかし、本発明のモノクローナル抗体は、アミノ酸134−171からの直鎖状HCVコア領域によって呈示される少なくとも1つ以上のエピトープに結合することができるので、このような結合は、これらのモノクローナル抗体をHCV検出アッセイにおいて著しく有用であるようにするために充分である。本発明のモノクローナル抗体のいくつかは、組換えコア抗原と反応し、それ以外はこれと反応しない。このことは、コアアミノ酸134−171領域内に、直鎖状エピトープと高次構造エピトープとの両方が存在することを示唆する。直鎖状エピトープまたは高次構造エピトープのいずれかを認識する抗体は、概して、感染細胞内のウイルスアセンブリおよびウイルス生活環の研究のために非常に有用なツールである。

0041

最後に、これらの試薬はまた、脂質結合ドメインのみの存在を決定することが所望されるイムノアッセイにおいても使用され得る。感染固体におけるミニコアの循環レベルに関してわずかしか分かっていないので、これらは、アミノ酸1−125の領域を含有するコアタンパク質よりもずっと高いレベルで存在する。アミノ酸1−125の領域外のHCVコアペプチドを検出する抗体を提供することで、本発明は、これらの現在利用可能なアッセイよりもずっと感度の高いHCVコア抗原検出アッセイを提供する。

0042

(定義)
本明細書で使用される場合、抗体、タンパク質またはペプチドと二次化学種との相互作用に関する用語「特異的結合」または「特異的に結合すること」は、この相互作用が、化学種における特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存すること、例えば、抗体が、タンパク質を全体的に認識し結合するよりもむしろ、特異的タンパク質構造を認識し結合することを意味する。抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、標識「A」を含有する反応物中のエピトープAを含有する分子(または遊離の未標識A)の存在は、抗体に結合する標識A量を低下させる。

0043

用語「抗体」は、本明細書で使用される場合、広範に、2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖である4つのポリペプチド鎖からなる任意の免疫グロブリンIg)分子、またはIg分子の必須エピトープ結合特性を保持したその任意の機能的断片変異体バリアントまたは派生物をいう。このような変異体抗体、バリアント抗体、または誘導体抗体の形式は、当該分野で公知である。その非限定実施形態が、以下で議論される。

0044

全長抗体において、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書でHCVRまたはVHと略される。)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CHL、CH2およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書でLCVRまたはVLと略される。)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存的な領域が散在する相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分化され得る。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRからなり、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端へ以下の順番で並んでいる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。免疫グロブリン分子は、任意の型(例えば、IgGIgEIgMIgDIgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであってもよい。

0045

用語「Fc領域」は、免疫グロブリン重鎖C末端領域を規定するために使用され、免疫グロブリン重鎖は、インタクトな抗体のパパイン消化によって生成され得る。Fc領域は、ネイティブ配列Fc領域であっても、バリアントFc領域であってもよい。免疫グロブリンのFc領域は、一般に、2つの定常ドメインであるCH2ドメインおよびCH3ドメイン、および場合によってCH4ドメインを含む。抗体エフェクター機能を変えるためのFc部分におけるアミノ酸残基の置き換えは、当該分野で公知である(Winterら 米国特許第5,648,260号および同第5,624,821号)。抗体のFc部分は、いくつかの重要なエフェクター機能、例えば、サイトカイン誘導ADCC食作用補体依存性細胞毒性(CDC)、ならびに抗体および抗原−抗体複合体半減期クリアランス速度を媒介する。いくつかの場合、これらのエフェクター機能は治療抗体に望ましいが、他の場合、治療目的に依存して、不必要であるまたは有害ですらあり得る。特定のヒトIgGイソ型、特にIgG1およびIgG3は、それぞれFcγR5および補体Clqへの結合を介して、ADCCおよびCDCを媒介する。新生児Fcレセプター(FcRn)は、抗体の循環半減期を決定する重要な構成要素である。少なくとも1つのアミノ酸残基が、抗体の定常領域、例えば抗体のFc領域において置き換えられ、抗体のエフェクター機能が改変される。免疫グロブリンの2つの同一の重鎖の二量体化は、CH3ドメインの二量体化によって媒介され、ヒンジ領域内のジスルフィド結合によって安定化される(Huberら Nature;264:415−20;Thiesら 1999 J Mol Biol; 293:67−79。)。重鎖−重鎖ジスルフィド結合を妨げるヒンジ領域内のシステイン残基突然変異は、CH3ドメインの二量体化を不安定化させる。CH3二量体化を担う残基は、同定されている(Dall’Acqua 1998 Biochemistry 37:9266−73)。したがって、一価の半Igを生成することが、可能である。興味深いことに、これらの一価の半Ig分子は、IgGおよびIgAサブクラスの両方について、天然で見出されている(Seligman 1978 Ann Immunol 129:855−70;Biewengaら 1983 Clin Exp Immunol 51:395−400)。FcRn:Ig Fc領域の化学量論は、2:1であると決定されており(Westら 2000 Biochemistry 39:9698−708)、半Fcは、FcRn結合を媒介するために充分である(Kimら 1994 Eur J Immunol;24:542−548。)。CH3ドメインの二量体化を破壊する突然変異は、CH3二量体化のために重要な残基がCH3 bシート構造内側境界上に位置している一方で、FcRn結合を担う領域はCH2−CH3ドメインの外側境界上に位置しているため、FcRn結合に対してより大きな悪影響を有さなくてもよい。しかし、半Ig分子は、通常抗体の大きさよりもより小さい大きさに起因して、組織浸透において特定の利点を有し得る。少なくとも1つのアミノ酸残基は、本発明の結合タンパク質の定常領域、例えばFc領域において置き換えられ得、重鎖の二量体化が破壊されて、半DVD Ig分子をもたらす。IgGの抗炎症活性は、IgGFc断片のN連結グリカンシアリル化に完全に依存する。抗炎症活性のための正確なグリカン必要条件が決定され、それにより、適切なIgG1 Fc断片が作製されることによって大きく増大された効力を有する完全組換えシアリル化IgG1 Fcを生成し得る(Anthony,R.M.ら(2008)Science 320:373−376)。

0046

抗体の「抗原結合部分」という用語(または単純に「抗体部分」)は、本書中で使用される場合、抗原に対して特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の断片をいう。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片によって実施され得ることが示されている。このような抗体実施形態はまた、二特異的、二重特異的、または多特異的形式であってもよく、具体的には、2種以上の異なる抗原に結合する形式であってもよい。抗体の「抗原結合部分」という用語内に含まれる結合断片の例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結する2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)2断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の1本の腕のVLおよびVHドメインからなるFv断片;(v)1つの可変ドメインを含むdAb断片(Wardら、(1989)Nature 341:544−546、Winterら、PCT公開WO90/05144A1、参照により本明細書に組み込む。);ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVLおよびVHは別個の遺伝子によってコードされているが、これらは、組換え方法を用いて、これらを1つのタンパク質鎖として作製することができる合成リンカーによって合わせられ得、このタンパク質鎖において、VLおよびVH領域の対は、一価の分子を形成する(単鎖Fv(scFv)として公知である;例えば、Birdら(1988)Science 242:423−426;およびHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照されたい。)。このような単鎖抗体はまた、抗体の「抗原結合部分」という用語の範囲内に含まれることが企図される。単鎖抗体の他の形態、例えばダイアボディもまた含まれる。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが1つのポリペプチド鎖において発現されるが、同じ鎖において2つのドメインの間を対合するためには短すぎるリンカーを使用するため、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対合するように強いて2つの抗原結合部位を作る、二価の二特異性抗体である。(例えば、Holliger P.ら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448;Poljak R.J.ら(1994)Structure 2:1121−1123を参照されたい。)このような抗体結合部分は、当該分野で公知である。(例えば、KontermannおよびDubel編、Antibody Engineering(2001)Springer−Verlag.New York.790 pp.(ISBN 3−540−41354−5)を参照されたい。)さらに、単鎖抗体はまた、直列したFvセグメントの一対(VH−−CH1−VH−−CH1)を含む「直鎖抗体」をも含み、これは、相補的軽鎖ポリペプチド一緒になって、一対の抗原結合領域を形成する(Zapataら、Protein Eng.8(10):1057−1062(1995);および米国特許第5,641,870号)。

0047

用語「多価結合タンパク質」は、本明細書を通して、2つ以上の抗原結合部位を含む結合タンパク質を述べるために使用される。一態様において、多価結合タンパク質は、3つ以上の抗原結合部位を有するように操作され、一般に、天然に存在する抗体ではない。二重可変ドメイン(DVD)結合タンパク質は、2つ以上の抗原結合部位を含み、四価または多価の結合タンパク質である。DVDは、本書中で記載される場合、一特異的である、すなわち、HCVコアタンパク質などの1つの抗原に結合可能である、または多特異的、すなわち、2種以上の抗原に結合可能である。2つの重鎖DVDポリペプチドおよび2つの軽鎖DVDポリペプチドを含むDVD結合タンパク質は、DVD−Igと呼ばれ、例えば、米国特許第7,612,181号に記載される。この開示は、参照により本明細書に組み込む。DVD−Igの各半分は、重鎖DVDポリペプチドおよび軽鎖DVDポリペプチド、および2つの抗原結合部位を含む。各結合部位は、1つの抗原結合部位につき抗原結合に全部で6つのCDRが関与する重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む。

0048

結合タンパク質の「機能的抗原結合部位」は、標的抗原に結合可能である部位である。抗原結合部位の抗原結合親和性は、抗原結合部位が由来する親抗体ほど強い必要はないが、抗原に結合する能力は、抗原に結合する抗体を評価するための公知の種々の方法の任意の1つを用いて測定可能でなければならない。その上、本明細書の多価抗体の各抗原結合部位の抗原結合親和性は、定量的に同じである必要はない。

0049

免疫グロブリン定常ドメイン」は、重鎖または軽鎖定常ドメインをいう。ヒトIgG重鎖および軽鎖定常ドメインアミノ酸配列は、当該分野で公知である。

0050

用語「モノクローナル抗体」または「mAb」は、本明細書で使用される場合、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、集団を構成する個々の抗体がわずかな量で存在し得る天然に存在し得る突然変異を除いて同一である集団から、得られる抗体をいう。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、1つの抗原を指向する。さらに、代表的には異なる決定基(エピトープ)を指向する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物対照的に、各mAbは、抗原における1つの決定基を指向する。修飾語モノクローナル」は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするとは解釈されない。

0051

用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むことが企図される。本開示のヒト抗体は、例えばCDR、特にCDR3において、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロランダム突然変異誘発もしくは部位特異的突然変異誘発、またはインビボ体細胞突然変異によって誘導された突然変異)を含み得る。しかし、用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、別の哺乳動物種、例えばマウスの生殖系列に由来するCDRがヒトフレームワーク配列上にグラフトされている抗体を含むことは、意図されない。

0052

用語「組換えヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、組換え手段によって調製されるか、発現されるか、作製されるかまたは単離される全てのヒト抗体、例えば、宿主細胞内にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現された抗体(以下の第II節Cにおいてさらに詳細に記載する。)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(Hoogenboom H.R.(1997)TIB Tech.15:62−70;Azzazy H.およびHighsmith W.E.(2002)Clin.Biochem.35:425−445;Gavilondo J.V.およびLarrick J.W.(2002)BioTechniques 29:128−145;Hoogenboom H.および Chames P.(2000)Immunology Today 21:371−378)、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてのトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(Taylor、L.D.ら(1992)Nucl.AcidsRes.20:6287−6295;Kellermann S−A.およびGreen L.L.(2002)Current Opinion in Biotechnology 13:593−597;Little M.ら(2000)Immunology Today 21:364−370を参照されたい。)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段により調製されるか、発現されるか、作製されるかもしくは単離される抗体を、含むことを企図する。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変領域および定常領域を有する。このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列についての動物トランスジェニックが使用される場合には、インビボ体細胞突然変異誘発)に供され、その結果、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来するまたはこれに関連する配列がインビボのヒト抗体生殖系列レパートリーの中に天然に存在し得ない配列であるようになる。

0053

「親和性成熟」抗体は、その1つ以上のCDRにおいて1つ以上の改変を有する抗体であって、この改変は、抗原についての抗体の親和性において、このような改変を有さない親抗体と比較して改善をもたらす抗体である。例示的な親和性成熟抗体は、標的抗原についてのナノモル濃度またはピコモル濃度ですらある親和性を有する。親和性成熟抗体は、当該分野で公知の手順によって産生される。Marksら BidlTechnology 10:779−783(1992)は、VHおよびVLドメインシャフリングによる親和性成熟を記載する。CDRおよび/またはフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、以下によって記載される:Barbasら Proc Nat.Acad.Sci,USA 91:3809−3813(1994);Schierら Gene 169:147−155(1995);Yeltonら J.Immunol.155:1994−2004(1995);Jacksonら、J.Immunol.154(7):3310−9(1995);Hawkinsら、J.Mol.Biol.226:889−896(1992)、ならびに活性増大アミノ酸残基による選択的突然変異位置、接触または超変異位置における選択的突然変異は、米国特許第6,914,128 B1号に記載される。

0054

用語「キメラ抗体」は、1つの種由来の重鎖および軽鎖可変領域配列および別の種由来の定常領域配列を含む抗体、例えば、ヒト定常領域に連結したマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体をいう。

0055

用語「CDRグラフト抗体」は、1つの種由来の重鎖および軽鎖可変領域を含むが、VHおよび/またはVLの1つ以上のCDR領域の配列が、別の種のCDR配列と置き換わっている抗体、例えば、1つ以上のマウスCDR(例えば、CDR3)がヒトCDR配列と置き換わっているマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体をいう。

0056

用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種(例えば、マウス)由来の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むが、VHおよび/またはVL配列の少なくとも一部が、より「ヒト様」に、すなわち、よりヒト生殖系列可変配列に類似するように改変されている抗体をいう。ヒト化抗体の1つの型は、ヒトCDR配列が非ヒトVHおよびVL配列に導入されて、対応する非ヒトCDR配列と置き換わっている、CDRグラフト抗体である。また、「ヒト化抗体」は、目的の抗原に免疫特異的に結合し、実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域および実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含む、抗体またはそのバリアント、誘導体、アナログもしくは断片である。本明細書で使用される場合、CDRの文脈における用語「実質的に」は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列に対し少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRをいう。ヒト化抗体は、少なくとも1つの、代表的には2つの、可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的に全てを含み、ここで、CDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である。1つの態様において、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、代表的にはヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖および重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含有する。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。特定の実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメインおよび/またはヒト化重鎖のみを含有する。

0057

用語「Kabat番号付け」、「Kabat定義」および「Kabatラベリング」は、相互交換可能に使用される。当該分野で認識されるこれらの用語は、抗体またはその抗原結合部分の重鎖および軽鎖可変領域における他のアミノ酸残基よりも可変(すなわち、超可変)であるアミノ酸残基の番号付けのシステムをいう(Kabatら (1971)Ann.NY Acad,Sci.190:382−391およびKabat,E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91−3242)。重鎖可変領域について、超可変領域は、CDR1についてアミノ酸位置31から35、CDR2についてアミノ酸位置50から65、およびCDR3についてアミノ酸位置95から102の範囲に及ぶ。軽鎖可変領域について、超可変領域は、CDR1についてアミノ酸位置24から34、CDR2についてアミノ酸位置50から56、およびCDR3についてアミノ酸位置89から97の範囲に及ぶ。

0058

本明細書で使用される場合、用語「CDR」は、抗体可変配列内の相補性決定領域をいう。重鎖および軽鎖の可変領域各々において、3つのCDRが存在し、これらは、可変領域の各々について、CDR1、CDR2およびCDR3と名付けられる。用語「CDRセット」は、本明細書で使用される場合、抗原に結合可能である1つの可変領域に生じる3つのCDRの群をいう。これらのCDRの正確な境界は、異なるシステムに従って別個に規定されている。Kabatによって記載されるシステム(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda、Md.(1987)および(1991))は、抗体の任意の可変領域に適用可能な明確な残基番号付けシステムのみならず、3つのCDRを規定する正確な残基境界をも提供する。これらのCDRは、Kabat CDRと呼ばれ得る。Chothiaおよび共同研究者ら(Chothia & Lesk、J.Mol.Biol.196:901−917(1987)およびChothiaら、Nature 342:877−883(1989))は、Kabat CDR内の特定の下位部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有することを除きほぼ同一なペプチド骨格構造を採用することを見出した。これらの下位部分は、L1、L2およびL3またはH1、H2およびH3と名付けられ、ここで、「L」および「H」は、それぞれ軽鎖領域および重鎖領域をいう。これらの領域は、Chothia CDRと呼ばれ、Kabat CDRと重複する境界を有する。Kabat CDRと重複する、CDRを規定する他の境界は、Padlan(FASEB J.9:133−139(1995))およびMacCallum(J Mol Biol 262(5):732−45(1996))によって記載されている。なお他のCDR境界定義は、本明細書のシステムの1つに厳密に従わなくてもよいが、特定の残基もしくは残基の群またはCDE全体ですら抗原結合に有意に影響を与えないという予測または実験的知見の観点から、これらが短かろうと長かろうと、それでもなおKabat CDRと重複する。本明細書で使用される方法は、これらのシステムのいずれかに従って規定されるCDRを利用し得るが、特定の実施形態は、KabatまたはChothiaの規定したCDRを用いる。

0059

本明細書で使用される場合、用語「フレームワーク」または「フレームワーク配列」は、CDRを除いた残りの可変領域の配列をいう。CDR配列の正確な規定は、異なるシステムによって決定され得るので、フレームワーク配列の意味は、それに対応して異なって解釈される。6つのCDR(軽鎖のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3、ならびに重鎖のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3)はまた、軽鎖および重鎖においてフレームワーク領域を各鎖4つの領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分け、ここで、CDR1はFR1とFR2との間に、CDR2はFR2とFR3と間に、およびCDR3はFR3とFR4との間に位置づけられる。特定の下位領域FR1、FR2、FR3またはFR4を特定することなく、別の言い方であるフレームワーク領域は、1つの天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内のFRを合わせて言い表す。本明細書で使用される場合、FRは、フレームワーク領域を構成する4つの下位領域のうちの1つの表し、FRsは、4つの下位領域の2つ以上を表す。本明細書で使用される場合、用語「生殖系列抗体遺伝子」または「遺伝子断片」は、遺伝子再編および特定の免疫グロブリンの発現についての突然変異をもたらす成熟プロセスが起こっていない非リンパ細胞によってコードされる免疫グロブリン配列をいう。(例えば、Shapiroら、Crit.Rev.Immunol.22(3):183−200(2002);Marchalonisら、Adv Exp Med.Biol.484:13−30(2001)を参照されたい。)。本開示の種々の実施形態によって提供される利点の1つは、生殖系列抗体遺伝子は、成熟抗体遺伝子よりも、種において個体の不可欠なアミノ酸配列構造特徴を保存する可能性が高いという認識に発し、したがって、この種において治療的に使用される場合、外来性供給源由来であると認識されにくい。

0060

本明細書で使用される場合、用語「ヒト化抗体」は、目的の抗原に免疫特異的に結合し、実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域および実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含む、抗体またはそのバリアント、誘導体、アナログもしくは断片である。本明細書で使用される場合、CDRの文脈における用語「実質的に」は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列に対し少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRをいう。ヒト化抗体は、少なくとも1つの、代表的には2つの、可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的に全てを含み、ここで、CDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である。好ましくは、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、代表的にはヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖および重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含む。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。詳細な実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメインおよび/またはヒト化重鎖のみを含有する。

0061

本明細書で使用される場合、用語「中和」は、結合タンパク質が抗原に特異的に結合する際に、抗原の生物学的活性反作用することをいう。1つの態様において、中和結合タンパク質は、サイトカインに結合し、その生物学的活性を、少なくとも約20%、40%、60%、80%、85%またはそれ以上低下させる。

0062

用語「エピトープ」は、免疫グロブリンまたはT細胞レセプターに特異的に結合可能である任意のポリペプチド決定基を含む。特定の実施形態において、エピトープ決定基としては、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニルなどの分子の化学的に活性な表面分類を含み、特定の実施形態において、特定の三次元構造特徴および/または特定の電荷特徴を有し得る。エピトープは、抗体によって結合される抗原の領域である。特定の実施形態において、抗体は、その標的抗原をタンパク質および/または高分子複合混合物中に認識した際に特異的に結合すると言われる。抗体は、抗体が交差競合する(あるものが、他のものの結合またはその効果の調節を妨げる。)場合、「同じエピトープに結合する」と言われる。加えて、エピトープの構造的定義(重複、類似、同一)は、情報価値があるが、機能的定義は、しばしば、これらが構造的(結合)および機能的(調節、競合)パラメータ包含するので、より妥当である。

0063

用語「表面プラスモン共鳴」は、本明細書で使用される場合、例えば、BIAcore(登録商標)システム(BIAcore International AB、a GE Healthcare company、Uppsala、Sweden and Piscataway、N.J.)を用いるバイオセンサーマトリクス内のタンパク質濃度における変化の検出により、実時間生物特異的相互作用の分析を可能にする光学現象をいう。さらなる説明については、Jonsson Uら(1993)Ann.Biol.Clin.51:19−26;Jonsson U.ら(1991)Biotechniques 11:620−627;Johnsson,B.ら(1995)J.Mol.Recognit.8:125−131;およびJohnnson B.ら(1991)Anal.Biochem.198:268−277を参照されたい。

0064

用語「Kon」は、本明細書で使用される場合、当該分野で公知のように、例えば、抗体/抗原複合体を形成する、結合タンパク質(例えば、抗体)の抗原に対する結合についてのオンレー定数を意図する。「Kon」はまた、用語「結合速度定数」または「ka」としても知られ、本明細書で相互交換可能に使用される。この値は、抗体の標的抗原に対する結合速度または抗体と抗原との間の複合体形成の速度を示す。

0065

用語「Koff」は、本明細書で使用される場合、当該分野で公知のように、例えば、抗体/抗原複合体からの結合タンパク質(例えば、抗体)の解離についてのオフレート定数、または「解離速度定数」を意図する。この値は、抗体の標的抗原からの解離速度またはAb−Ag複合体の抗体と抗原とに遊離させる経時的な分離を示す。

0066

用語「KD」は、本明細書で使用される場合、「平衡解離定数」をいうこと、および平衡における力価測定において得られた値、または結合速度定数(kon)によって解離速度定数(koff)を除算することにより得られた値をいうことを企図する。結合速度定数、解離速度定数および平衡解離定数は、抗原に対する抗体の結合親和性を表すために使用される。結合速度定数および解離速度定数を決定するための方法は、当該分野で周知である。蛍光ベースの技術を用いることは、平衡において生理学緩衝液中で試料を試験するための、高い感度および能力を提供する。他の実験的アプローチおよびBIAcore(登録商標)(生物分子相互作用分析)アッセイなどの装置が、使用され得る(例えば、BIAcore International AB、a GE Healthcare company、Uppsala、Swedenから入手可能な装置)。さらに、Sapidyne Instruments(Boise、Id.)から入手可能であるKinExA(登録商標)(速度論除外アッセイ:Kinetic Exclusion Assay)アッセイもまた、使用され得る。

0067

「標識」および「検出可能標識」は、抗体または分析物などの特異的結合パートナーに結合する部分を、例えば、抗体および分析物などの特異的結合対メンバー間の反応を検出可能にすることを意味し、特異的結合パートナー、例えば、抗体または分析物が、標識されると「検出可能に標識された」といわれる。したがって、用語「標識結合タンパク質」は、本明細書で使用される場合、結合タンパク質の同定を提供する組み込まれた標識を有するタンパク質をいう。1つの態様において、標識は、視覚的にまたは装置手段によって、検出可能であるシグナルを生成し得る検出可能マーカーであり、例えば、放射性標識アミノ酸の組み込みまたは印をつけたアビジン(例えば、蛍光マーカーを含有するストレプトアビジンまたは光学的もしくは比色定量方法によって検出可能である酵素活性)によって検出可能であるビオチン化部分へのポリペプチドの結合である。ポリペプチドについての標識の例としては、放射性同位体または放射性核種(例えば、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoまたは153Sm);色素原、蛍光標識(例えば、FITCローダミンランタニドリン)、酵素標識(例えば、西ワサビペルオキシダーゼルシフェラーゼアルカリホスファターゼ);化学発光マーカー;ビオチン化基;二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体についての結合部位金属結合ドメインエピトープタグ);およびガドリニウムキレートなどの磁性薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイのために一般的に使用される標識の代表的な例としては、光を発する部分、例えばアクリジニウム化合物および蛍光を発する部分、例えばフルオレセインが挙げられる。他の標識は、本明細書に記載されている。この点において、この部分自体は、検出可能でなくてもよいが、なお別の部分による反応の際に検出可能になってもよい。「検出可能標識」の使用は、後者の検出可能標識を含むことを意図する。

0068

用語「コンジュゲート」は、治療剤または細胞毒性剤などの二次化学部分に化学的に連結した、抗体などの結合タンパク質をいう。用語「薬剤」は、化学化合物、化学化合物の混合物、生物学的高分子、または生物学的物質から作製された抽出物をいうために、本明細書で使用される。1つの態様において、治療剤または細胞毒性剤としては、百日咳毒素タキソールサイトカラシンBグラミシジンD、臭化エチジウムエメチンマイトマイシンエトポシド、テノポシド、ビンクリスチンビンブラスチンコルヒチンドキソルビシンダウノルビシンジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロンミトラマイシンアクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロングルココルチコイドプロカインテトラカインリドカインプロプラノロールおよびピューロマイシンならびにこれらのアナログもしくはホモログが挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイの文脈で使用される場合、コンジュゲート抗体は、検出抗体として使用される検出可能標識抗体である。

0069

用語「単離されたポリヌクレオチド」および「単離されたヌクレオチド分子」は、本明細書で相互交換可能に使用され、(例えば、ゲノム、cDNAもしくは合成起源、またはこれらのいくつかの組み合わせの)ポリヌクレオチドを意味し、これは、「単離されたポリヌクレオチド」または「単離されたヌクレオチド分子」が天然で見出されるポリヌクレオチドの全てもしくは一部を伴わない、または大型配列の一部として天然で存在しない。「単離されたポリヌクレオチド」または「単離されたヌクレオチド分子」は、天然で連結していないポリヌクレオチドに作動可能に連結され得る。

0070

用語「調整する(regulate)」および「調節する(modulate)」は、本明細書で相互交換可能に使用され、目的の分子の活性(例えば、サイトカインの生物学的活性)における変化または改変をいう。調節は、目的の分子の特定の活性の大きさまたは機能を増大してもよく、または低減してもよい。分子の例示的な活性および機能としては、結合特徴、酵素活性、細胞レセプター活性化およびシグナル伝達が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、用語「調節因子」は、本明細書で使用される場合、目的の分子の活性または機能(例えば、サイトカインの生物学的活性)を変化または改変させることができる化合物である。例えば、調節因子は、調節因子の非存在下で観察される活性または機能の大きさと比較して、分子の特定の活性または機能の大きさの増大または低減を引き起こし得る。特定の実施形態において、調節因子は、インヒビターであり、これは、分子の少なくとも1つの活性または機能の大きさを低減する。例示的なインヒビターとしては、タンパク質、ペプチド、抗体、ペプチボディ炭水化物または有機低分子が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチボディは、WO01/83525において記載されている。

0071

「患者」および「対象」は、本明細書で相互交換可能に使用され、霊長類(例えば、ヒト、サルおよびチンパンジー)、非霊長類(例えば、雌ウシブタラクダラマウマヤギウサギヒツジハムスターモルモットネコイヌラット、マウス、クジラ)を含む哺乳動物鳥類(例えば、アヒルまたはガチョウ)ならびにサメなどの動物をいう。好ましくは、患者または対象はヒトであり、例えば、疾患、障害もしくは状態について処置されるまたは評価されているヒト、疾患、障害もしくは状態についてのリスクを有するヒト、疾患、障害もしくは状態を有するヒト、および/または、疾患、障害もしくは状態について処置されているヒトである。

0072

用語「試料」は、本明細書で使用される場合、最も広い意味で使用される。「生物学的試料」としては、本明細書で使用される場合、生物または以前生物であったもの由来の、任意の量の物質が挙げられるが、これらに限定されない。このような生物としては、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ウサギおよび他の動物が挙げられるが、これらに限定されない。このような物質としては、血液、(例えば全血)、血漿、血清、尿、羊水滑液内皮細胞白血球単球、他の細胞器官、組織、骨髄リンパ節および脾臓が挙げられるが、これらに限定されない。

0073

「構成要素(Component)」、「構成要素(components)」および「少なくとも1つの構成要素」は、一般に、捕捉抗体、検出もしくはコンジュゲート抗体、対照、キャリブレーター一連のキャリブレーター、感度パネル容器、緩衝液、希釈剤、塩、酵素、酵素の補因子、検出試薬、前処理試薬溶液基質(例えば、溶液として)、停止溶液などをいい、これらは、本明細書に記載の方法および当該分野で公知の他の方法に従って、患者の尿、血清または血漿試料などの試験試料のアッセイのためのキット中に含められ得る。したがって、本開示の文脈において、「少なくとも1つの構成要素」、「構成要素(component)」および「構成要素(components)」は、ポリペプチドまたは上述の様な他の分析物、例えばポリペプチドなどの分析物を含む組成物を含み得、これは、抗分析物(例えば、抗ポリペプチド)抗体への結合などによって固体支持体上に場合によって固定化される。いくつかの構成要素は、溶液中であってもよく、またはアッセイにおける使用のための再構成のために凍結乾燥されてもよい。

0074

「対照」は、分析物ではないことがわかっている組成物(「陰性対照」)または分析物を含有することがわかっている組成物(「陽性対照」)をいう。陽性対照は、既知の濃度の分析物を含み得る。「対照」、「陽性対照」および「キャリブレーター」は、本明細書で相互交換可能に使用され、既知の濃度の分析物を含む組成物をいう。「陽性対照」は、アッセイ性能特徴を確立するために使用され得、試薬(例えば、分析物)の強度の有用な指標である。

0075

「所定のカットオフ」および「所定のレベル」は、一般に、評価するために使用されるアッセイカットオフ値をいい、これは、アッセイ結果を所定のカットオフ/レベルに対して比較することにより、診断/予後診断/治療効力結果を評価するために使用され、ここで、所定のカットオフ/レベルは、種々の臨床パラメータ(例えば、疾患の重症度、進行/非進行/改善など)と事前に結びつけられているまたは関連付けられている。本開示は、例示的所定のレベルを提供し得るが、カットオフ値は、イムノアッセイの性質(例えば、使用する抗体など)に応じて変動し得ることは、周知である。さらに、本明細書の開示を他のイムノアッセイに適合させて、本開示に基づくこれらの他のイムノアッセイのためのイムノアッセイ特異的カットオフ値を得ることは、充分に当業者の技術範囲内である。所定のカットオフ/レベルの正確な値は、アッセイ間で変動し得るが、相関性(が存在する場合)は、一般的に適用可能であるはずである。

0076

本明細書に記載の診断アッセイにおいて使用される「所定の試薬」、例えば、溶解試薬沈殿試薬および/または可溶化試薬は、試験試料中に存在する任意の細胞を溶解させるか、および/または任意の分析物を可溶化させる。前処理は、本明細書でさらに記載されるように、全ての試料のために必要ではない。他の中でも、分析物(例えば、目的のポリペプチド)の可溶化は、試料中に存在する内在性結合タンパク質のいずれかに起因する分析物の放出を伴い得る。前処理試薬は、均一であってもよく(分離工程を必要としない。)、または不均一であってもよい(分離工程を必要とする。)。不均一な前処理試薬の使用により、アッセイの次の工程に進める前に、任意の沈殿した分析物結合タンパク質の、試験試料からの除去が存在する。

0077

本明細書に記載のイムノアッセイおよびキットの文脈において、「品質管理試薬」としては、キャリブレーター、対照および感度パネルが挙げられる。「キャリブレーター」または「標準」は、代表的に、抗体または分析物などの分析物の濃度の補間のためのキャリブレーション(標準)曲線を確立するために、(例えば1以上、例えば多数)使用される。あるいは、所定の陽性陰性カットオフに近い1つのキャリブレーターが、使用されてもよい。複数のキャリブレーター(すなわち、1を超えるキャリブレーターまたは変動量のキャリブレーター)は、「感度パネル」を含むように、組み合わせて使用されてもよい。

0078

「リスク」は、特定の事象が現在存在している、または将来のいくつかの時点で生じる可能性または蓋然性をいう。「リスク層別化」は、特定の疾患、障害または状態を発症することの低、中程度、高および最高リスクに臨床医が患者の分類をすることを可能にする、一連の既知の臨床リスク因子をいう。

0079

「特異的」および「特異性」は、特異的結合対(例えば、抗原(またはその断片)および抗体(またはその抗原反応性断片))のメンバー間の相互作用の文脈において、相互作用の選択された反応性をいう。語句「特異的に結合する」または同様の語句は、抗体(またはその抗原反応性断片)が分析物(またはその断片)に特異的に結合し、他の物質には特異的に結合しない能力をいう。

0080

「特異的結合パートナー」は、特異的結合対のメンバーである。特異的結合対は、化学的または物理的手段により互いに特異的に結合する、2つの異なる分子を含む。したがって、一般的イムノアッセイの抗原と抗体との特異的結合対に加え、他の特異的結合対として、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物およびレクチン相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよびレセプター分子、補因子および酵素、酵素インヒビターおよび酵素などが挙げられ得る。さらに、特異的結合対としては、元の特異的結合メンバー類似体であるメンバー、例えば、分析物アナログを含み得る。免疫反応特異的結合メンバーとしては、単離されたまたは組換えによって産生されたかを問わず、抗原、抗原断片および抗体が挙げられ、この抗体は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、ならびにその複合体、断片およびバリアント(バリアントの断片を含む)を含む。

0081

モノクローナル抗体
図1Aおよび1Bは、HCVコア抗原に特異的であることが決定されている、より詳細には、HCVコア抗原の脂質結合ドメインに特異的であることが決定されている、種々の抗体の配列を示す。これらのモノクローナル抗体は、HCVコア抗原の脂質結合ドメインに対し特異的に免疫反応性であることが見出された。より具体的には、本発明の抗体は、以下のアミノ酸配列によって形成される少なくとも1つのエピトープに特異的に結合することが見出される:MGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRVLEDGVNYATGNLPG。特に、モノクローナル抗体は、少なくとも、HCVコア抗原のアミノ酸141−161、134−154および151−171によって形成されるエピトープと免疫反応性である。これらのモノクローナル抗体の開示を考慮すると、本発明は、このような試験試料中のHCVコア抗原の存在を決定することにより、試験試料中のHCVの存在の迅速で効率的な検出を容易にする、特異的イムノアッセイにおけるその使用を企図する。

0082

本明細書に記載のモノクローナル抗体(図1Aおよび1Bを参照されたい。)の重鎖および軽鎖のCDRを含むモノクローナル抗体およびその任意の誘導体(例えば、断片もしくはバリアント)をこのような誘導体がHCVコアタンパク質脂質結合ドメインに特異的に結合する特性を保持する限り含む、抗HCVコア結合タンパク質は、哺乳動物におけるC型肝炎ウイルス感染を診断するまたは予後診断するためのイムノアッセイにおいて、使用され得る。本開示を通じて使用されるように、「哺乳動物」は、ヒトおよび非ヒト霊長類、ならびに他の動物を含む。イムノアッセイおよび関連方法における標的分析物は、HCVコアタンパク質の脂質結合ドメインであり、したがって、標的分析物は、例えばHCV感染後の試料中に存在するHCVコアタンパク質であることが理解される。さらに、イムノアッセイは、少なくとも1つの分析物がHCVコアタンパク質であり、第2もしくは追加の標的分析物が別のコアタンパク質分析物(例えば、HCVコアタンパク質のDNA結合ドメイン)であるまたはHCVコアタンパク質ではない分析物であり得る場合、2以上の標的分析物を検出し得ることが、理解されるべきである。

0083

抗HCVコアモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド(DNA)配列および推定タンパク質配列を、アミノ酸134−171からのHCVコア遺伝子型1コンセンサス配列および破傷風トキソイド(TT)ペプチド配列からなる合成ペプチドによって免疫化したマウスによって得た。いくつかの実施形態において、アミノ酸134−171配列を、BSAにコンジュゲートした。しかし、他の実施形態において、合成ペプチドを、当該分野で公知の方法によって、マウスにおいてより強力な免疫反応を提供するためにしばしば使用されるTT配列にもコンジュゲートした。この方法は、本明細書以下および例えば以下において、詳細に記載される:Goding J.W.1983.Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、Pladermic Press,Inc.、NY、N.Y.、56頁 97頁。簡潔にいうと、ヒト−ヒトハイブリドーマを産生するために、ヒトリンパ球ドナーが選択される。HCVに感染したとわかっているドナーは(感染が、例えば血液中抗ウイルス抗体の存在によってまたはウイルス培養によって示されている場合)、好適なリンパ球ドナーとして貢献し得る。リンパ球は、末梢血試料から単離され得る、またはドナーが脾臓除去を受けた場合には脾臓細胞が使用され得る。エスプタイン−バーウイルス(EBV)が、ヒトリンパ球を固定化するために使用され、またはヒト融合パートナーが、ヒト−ヒトハイブリドーマを産生するために使用され得る。ペプチドによる初回インビトロ免疫化もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生において使用され得る。不死化細胞によって分泌される抗体がスクリーニングされ、所望の特異性の抗体を分泌するクローンを決定する。モノクローナル抗HCVコア抗体について、抗体は、HCVコアタンパク質に結合しなければならず、より詳細には、それぞれ、HCVコアタンパク質の脂質結合ドメインに結合しなければならない。所望の特異性の抗体を産生する細胞が、選択される。モノクローナル抗体を得るための当該分野で公知の他の方法が、使用され得る。以下の実施例は、いかにして抗HCVコアモノクローナル抗体が得られ、および細胞培養物中で成長したハイブリドーマ細胞からのmRNAの単離後に性質決定されるかを記載する。本発明の抗HCVコアモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖可変領域の推定アミノ酸配列は、それぞれ図1Aおよび図1Bに挙げられる。

0084

重鎖および軽鎖ドメインの推定アミノ酸配列に、配列番号を割り当て、これをコードする対応するcDNA配列を、付表AにおけるSequence Tableに示す。

0085

Sequence Tableに示すcDNA配列は、本開示のcDNAの例示的な実施形態を表す。バリエーションが、ここで示されるcDNA配列において企図される。このようなバリエーションとしては、Sequence Tableで示される対応するタンパク質のアナログの産生を指向可能である核酸配列を生じるものが挙げられる。遺伝コード縮重に起因して、対応するタンパク質またはそのアナログの産生を指向可能であり続けるDNA配列をもたらす多くのヌクレオチドの置換が行われ得ることが、理解される。本明細書に記載の配列のいずれかと機能的に等価であるこのようなバリアントDNA配列の全ては、本開示に含まれる。

0086

本明細書に記載の任意の結合タンパク質(図1Aおよび1Bにおいて示される本発明のモノクローナル抗体によって例示される。)のバリアントは、アミノ酸の付加(例えば挿入)、欠失または保存的置換によりアミノ酸配列において所定のタンパク質(例えば、抗HCVコアモノクローナル抗体)とは異なるが、所定のタンパク質の生物学的活性を保持するタンパク質(またはポリペプチド)を意味する。アミノ酸の保存的置換、すなわち、類似の特性(例えば、親水性および電荷領域の程度および分布)を有する異なるアミノ酸によるアミノ酸の置き換えは、当該分野で、代表的にわずかな変化を含むと認識される。これらのわずかな変化は、当該分野で理解されるように、アミノ酸の疎水性インデックスを考慮することによって、部分的に同定され得る(例えば、Kyteら、J.Mol.Biol.157:105−132(1982)を参照されたい。)。アミノ酸の疎水性インデックスは、その疎水性および電荷の考慮に基づく。類似の疎水性インデックスのアミノ酸が置換され、なおタンパク質機能を保持することが、当該分野で公知である。1つの態様において、±2の疎水性インデックスを有するアミノ酸が、置換される。アミノ酸の親水性もまた、生物学的機能を保持するタンパク質を生じる置換を明らかにするために使用され得る。ペプチドの文脈において、アミノ酸の親水性の考慮は、このペプチドの最も高い局所平均親水性の計算を可能にし、抗原性および免疫原性と十分に相関すると報告されている有用な手段である(例えば、米国特許第4,554,101号を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込む。)。類似の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該分野で理解されるように、生物学的活性、例えば免疫原性を保持するペプチドを生じ得る。1つの態様において、置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸によって行われる。アミノ酸の疎水性インデックスと親水性値との両方が、このアミノ酸の特定の側鎖によって影響される。この観察と一致して、生物学的機能と適合性であるアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさおよび他の特性によって明らかになるように、アミノ酸、特にこれらのアミノ酸の側鎖の相対的類似性に依存すると理解される。「バリアント」はまた、タンパク分解リン酸化または他の翻訳後修飾によって異なった処理をされているが、なおその生物学的活性または抗原反応性、例えば、IL−18に対する結合能力を保持するポリペプチドまたはその断片を記載するためにも使用され得る。文脈によって否定されない限り、本明細書で「バリアント」の使用は、バリアントの断片を含むことが企図される。

0087

本発明の抗体またはこれらの抗体の抗原結合断片(例えば、本発明の抗体の重鎖および軽鎖CDRを含む断片)はまた、遺伝子操作によっても産生され得る。例えば、重鎖および軽鎖遺伝子の両方のイー・コリにおける発現のための技術は、PCT特許出願:公開番号WO901443、WO901443およびWO9014424、およびHuseら、1989 Science 246:1275 1281の主題である。本開示はまた、本書中で記載されている核酸分子を含む単離された組換えベクター、およびこのような組換えベクターを含む宿主細胞をも含む。ベクターは、連結されている別の核酸を輸送可能な構築物であり得る、核酸分子である。ベクターは、好ましいまたは必要な任意の操作エレメントを含んでもよい。好ましいベクターは、制限部位が記載されており、核酸配列の転写のために必要な操作エレメントを含有するものである。このような操作エレメントは、例えば、少なくとも1つの適切なプロモーター、少なくとも1つのオペレーター、少なくとも1つのリーダー配列、少なくとも1つの終止コドン、および核酸配列の適切な転写およびその後の翻訳のために必要であるかまたは好ましい任意の他のDNA配列を含む。このようなベクターは、少なくとも1つの選択可能マーカーと共に宿主生物によって認識される少なくとも1つの複製起点、および核酸配列の転写を開始し得る少なくとも1つのプロモーター配列を含む。ベクターは、さらなるDNAセグメントライゲーションされ得るプラスミドであってもよい。ベクターは、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノム内にライゲーションされ得るウイルスベクターであってもよい。特定のベクターは、これらが導入された宿主細胞において自己複製可能である(例えば、細菌複製起源を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際に宿主細胞のゲノム内に組み込まれ得、それによって、宿主ゲノムと共に複製される。さらに、特定のベクターは、これらが作動可能に連結された遺伝子の発現を対象とすることができる。このようなベクターは、本明細書で「組換え発現ベクター」(または単に、「発現ベクター」)と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に使用されるベクターの形態であるので、相互交換可能に使用され得る。しかし、本開示は、同等な機能を果たす他の形態の発現ベクター、例えばウイルスベクター(例えば、複製不全レトロウイルスアデノウイルスおよびアデノ関連ウイルス)を含むことを意図する。

0088

作動可能に連結した配列は、その意図する様式においてそれらが機能することを可能にする関係性である。コード配列に作動可能に連結した制御配列は、制御配列と適合性である条件下でコード配列の発現が達成される様式で、ライゲーションされる。作動可能に連結した配列は、目的の遺伝子を制御するために、目的の遺伝子と連続する発現制御配列と、トランスでまたは離れて作動する発現制御配列との両方を含む。発現制御配列は、それらがライゲーションされているコード配列の発現およびプロセシングを果たすために必要なポリヌクレオチド配列である。発現制御配列は、適切な転写開始配列終止配列、プロモーター配列およびエンハンサー配列;スプライシングシグナルおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を向上させる配列(すなわち、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;ならびに、所望される場合、タンパク質分泌を増大する配列を含む。このような制御配列の性質は、宿主生物に依存して異なり、原核生物においては、このような制御配列は、一般に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終止配列を含み、真核生物においては、このような制御配列は、プロモーターおよび転写終止配列を含む。制御配列は、存在が発現およびプロセシングに必須である構成要素を含み、存在が有益であるさらなる構成要素、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列を含んでもよい。

0089

宿主細胞は、この細胞に組換えによって本発明の抗体を産生させるために、外来性DNAを宿主細胞内に導入するベクターによって形質転換され得る。形質転換は、当該分野で周知の種々の方法を用いて、天然条件下または人工条件下で起こり得る。形質転換は、外来性核酸配列原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞の中に挿入するための、任意の公知の方法に依存し得る。この方法は、形質転換される宿主細胞に基づいて選択され、ウイルス感染、エレクトロポレーションリポフェクション、および微粒子銃が挙げられ得るが、これらに限定されない。形質転換細胞は、挿入されたDNAが自己複製可能プラスミドとしてまたは宿主染色体の一部としてのいずれかで複製可能である安定的形質転換細胞、および限られた時間の間挿入されたDNAまたはRNAを一時的に発現する細胞を含む。

0090

好適な宿主生物としては、例えば、HeLa、MRC−5またはCV−1などの真核細胞系が挙げられるが、これらに限定されない。宿主細胞などの宿主生物は、当該分野で周知である、ベクターの増幅およびタンパク質の発現のために適切な条件下で培養される。発現された組換えタンパク質は、やはり当該分野で周知である多くの方法のいずれかによって、検出され得る。

0091

本発明のHCV検出態様は、この抗体が、単に、HCVコア抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体であることを必要とするだけであるが、いくつかの実施形態において、本発明の抗体のヒト化バージョンを産生することが望ましい場合がある。「ヒト化」抗体およびその産生は、当業者に周知である。「ヒト化」抗体の概説は、Morrison S.、1985 Science 229:1202およびOiら、1986 BioTechniques 4:214によって提供される。あるいは、好適な「ヒト化」抗体は、CDRまたはCEA置換によって産生される(Jonesら、1986 Nature 321:552;Verhoeyanら、1988 Science 239:1534;Biedlerら 1988 J.Immunol.141:4053、これらの開示全体は、本明細書で参考によって組み込まれる)。

0092

他の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体は、操作され誘導体化された結合タンパク質の産生のための有用な開始物質として寄与し得、本明細書に記載の1つ以上の抗HCVモノクローナル抗体を含む二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)結合タンパク質が挙げられる。例えば、HCVコアタンパク質に対し独特の結合親和性を有するDVD−Igが、例えば、米国特許第7,612,181号に記載されているように産生され得、この開示は、参照により本明細書に組み込む。DVD−Ig結合タンパク質は、1つ以上の標的に結合可能である。好ましくは、結合タンパク質は、VD1−(X1)n−VD2−C−−(X2)nを含むポリペプチド鎖を含み、ここで、VD1は、第1の可変ドメインであり、VD2は、第2の可変ドメインであり、Cは、定常ドメインであり、X1は、アミノ酸またはポリペプチドを表し、X2は、Fc領域を表し、およびnは、0または1である。結合タンパク質は、種々の技術を用いて産生され得る。

0093

例示的な技術において、DVD−Igは、4つの機能的抗原結合部位を形成する4つのポリペプチド鎖と共に形成され得る。したがって、例えば、DVD−Igは、HCVコアタンパク質の結合を可能にする。結合タンパク質は、HCVコアタンパク質の生物学的機能を調節可能であるか、または、HCVコアタンパク質を中和可能である。例示的なこのような結合タンパク質は、本発明の抗体の1つと少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む少なくとも1つの重鎖可変ドメインと、この軽鎖可変ドメインの配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む少なくとも対応する軽鎖可変ドメインとを有する。

0094

DVD結合タンパク質の可変ドメインは、目的の抗原に結合可能であるポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を含む、親抗体から得られ得る。本明細書で記載されているHCVコアタンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体は、好適な親抗体である。一般に、DVD結合タンパク質のために使用される抗体は、天然に存在してもよく、または組換え技術によって生成されてもよい。

0095

モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換えおよびファージディスプレイ技術またはこれらの組み合わせの使用を含む、当該分野で公知の広範な種々の技術を用いて調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、抗HCVコアタンパク質モノクローナル抗体を調製するために本明細書に記載されたもの、ならびに、当該分野および例えば以下の教示において公知のものを含む、ハイブリドーマ技術を用いて産生され得る。Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版 1988);Hammerlingら、in:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681(Elsevier,N.Y.、1981)(前記参考文献は、その全体を参照により本明細書に組み込む)。用語「モノクローナル抗体」は、本明細書で使用される場合、ハイブリドーマ技術を通して産生される抗体に限定されない。用語「モノクローナル抗体」は、任意の真核原核またはファージクローンを含む1つのクローンに由来する抗体をいい、それが産生された方法ではない。ハイブリドーマは、以下の実施例1で議論されるように、強力なハイブリドーマ増殖、高い抗体産生および所望の抗体特徴を含む所望の特徴について、選択され、クローニングされ、さらにスクリーニングされる。ハイブリドーマは、インビボで同系動物内で、免疫系を欠く動物、例えばヌードマウス内で、またはインビトロで細胞培養において、培養されて拡大される。ハイブリドーマの選択、クローニングおよび拡大方法は、当業者に周知である。好ましい実施形態において、ハイブリドーマは、マウスハイブリドーマである。別の好ましい実施形態において、ハイブリドーマは、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシまたはウマなどの、非ヒト非マウス種において産生される。別の実施形態において、ハイブリドーマは、ヒト非分泌性骨髄腫が特定の抗原に結合可能な抗体を発現するヒト細胞と融合された、ヒトハイブリドーマである。

0096

組換えモノクローナル抗体はまた、以下で記載される、当該分野で選択されたリンパ球抗体方法(SLAM)と呼ばれる手順を用いて、1つの単離されたリンパ球からも生成される:米国特許第5,627,052号、PCT公開WO92/02551およびBabcock,J.S.ら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843−7848。この方法において、目的の抗体を分泌する1つの細胞、例えば、免疫化動物に由来するリンパ球を同定し、cDNAの重鎖および軽鎖可変領域を逆転写酵素PCRによって細胞から救出し、次いで、これらの可変領域を、適切な免疫グロブリン定常領域(例えば、ヒト定常領域)の中で、哺乳動物宿主細胞、例えばCOSまたはCHO細胞において、発現させ得る。増幅した免疫グロブリン配列によってトランスフェクトした宿主細胞は、インビボ選択したリンパ球に由来し、次いで、例えば、目的の抗原に対する抗体を発現する細胞を単離するためのトランスフェクトされた細胞のパニングにより、インビトロでさらなる分析および選択を受け得る。増幅した免疫グロブリン配列は、さらに、例えば、PCT公開WO97/29131およびPCT公開WO00/56772で記載されているようなインビトロ親和性成熟法によって、インビトロで操作され得る。

0097

モノクローナル抗体はまた、いくつかの、または全ての、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む、非ヒト動物を目的の抗原により免疫化することによっても、産生される。好ましい実施形態において、非ヒト動物は、XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスであり、これは、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の大きな断片を含み、マウス抗体産生を欠損した、操作されたマウス系統である。例えば、Greenら Nature Genetics 7:13−21(1994)ならびに米国特許第5,916,771号、第5,939,598号、第5,985,615号、第5,998,209号、第6,075,181号、第6,091,001号、第6,114,598号および第6,130,364号を参照されたい。また、WO91/10741(1991年7月25日公開)、WO94/02602(1994年2月3日公開)、WO96/34096およびWO96/33735(両者とも1996年10月31日公開)、WO98/16654(1998年4月23日公開)、WO98/24893(1998年6月11日公開)、WO98/50433(1998年11月12日公開)、WO99/45031(1999年9月10日公開)、WO99/53049(1999年10月21日公開)、WO00 09560(2000年2月24日公開)ならびにWO 00/037504(2000年6月29日公開)もまた、参照されたい。XENOMOUSE.RTM.トランスジェニックマウスは、完全ヒト抗体の成体様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒトMabを生成する。XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスは、ヒト重鎖遺伝子座およびx軽鎖遺伝子座メガベースサイズの生殖系列構造YAC断片の導入を通して、ヒト抗体レパートリーのおよそ80%を含有する。Mendezら、Nature Genetics 15:146−156(1997)、Green and Jakobovits J.Exp.Med.188:483−495(1998)を参照されたい、これらの開示は、参照により本明細書に組み込む。

0098

親抗体を作製するために、インビトロ方法もまた使用され得、ここで、抗体ライブラリーが、所望の結合特異性を有する抗体を同定するために、スクリーニングされる。組換え抗体ライブラリーのこのようなスクリーニングのための方法は、当該分野で周知であり、例えば、:Ladnerら 米国特許第5,223,409号;Kangら PCT公開番号WO92/18619;Dowerら PCT公開番号WO91/17271;Winterら PCT公開番号WO92/20791;Marklandら PCT公開番号WO92/15679;Breitlingら PCT公開番号WO93/01288;McCaffertyら PCT公開番号WO92/01047;Garrardら PCT公開番号WO92/09690;Fuchsら(1991)Bio/Technology 9:1370−1372;Hayら(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81−85;Huseら(1989)Science 246:1275−1281;McCaffertyら、Nature(1990)348:552−554;Griffithsら(1993)EMBO J.12:725−734;Hawkinsら(1992)J Mol Biol 226:889−896;Clacksonら(1991)Nature 352:624−628;Gramら(1992)PNAS 89:3576−3580;Garradら(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboomら(1991)Nuc Acid Res 19:4133−4137;およびBarbasら(1991)PNAS 88:7978−7982、米国特許出願公開第20030186374号、ならびにPCT公開番号WO97/29131。これらの各々の内容は、参照により本明細書に組み込む。

0099

親抗体はまた、当該分野で公知の種々のファージディスプレイ方法を用いて生成されてもよい。ファージディスプレイ方法において、機能的抗体ドメインが、これらをコードするポリヌクレオチド配列を保有するファージ粒子の表面上に呈示される。特に、このようなファージは、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示するために、利用され得る。目的の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原によって、例えば標識抗原または固体表面もしくはビーズに結合もしくは捕捉された抗原を用いて、選択され得るかまたは同定され得る。これらの方法において使用されるファージは、代表的には、Fab、Fvまたはジスルフィド安定化Fv抗体ドメインを有するファージから発現され、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかと組換えによって融合された、fdおよびM13結合ドメインを含む繊維状ファージである。ファージディスプレイ方法の例は、本明細書に記載の抗体を作製するために使用され得るものであり、以下に開示されるものを含む:Brinkmanら、J.Immunol.Methods182:41−50(1995);Amesら、J.Immunol.Methods 184:177−186(1995);Kettleboroughら Eur.J.Immunol.24:952−958(1994);Persicら、Gene 187 9−18(1997);Burtonら、Advances in Immunology 57:191−280(1994);PCT出願番号PCT/GB91/01134;PCT公開WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;ならびに米国特許第5,698,426号;第5,223,409号;第5,403,484号;第5,580,717号;第5,427,908号;第5,750,753号;第5,821,047号;第5,571,698号;第5,427,908号;第5,516,637号;第5,780,225号;第5,658,727号;第5,733,743号および第5,969,108号であり、これらのそれぞれは、その全体を参照により本明細書に組み込む。

0100

上記参考文献において記載されているように、ファージ選択の後、ファージ由来の抗体コード領域は単離され得、ヒト抗体または任意の他の所望の抗原結合断片を含む抗体全体を生成するために使用されて、哺乳動物細胞昆虫細胞植物細胞酵母および細菌を含む任意の所望の宿主中で、例えば、以下で詳細に記載されるように、発現される。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を組換えによって産生する技術は、以下で記載されているような当該分野で公知の方法を用いて使用されてもよい:PCT公開WO92/22324;Mullinaxら、BioTechniques 12(6):864−869(1992);およびSawaiら、AJRI34:26−34(1995);およびBetterら、Science 240:1041−1043(1988)(これらの参考文献は、その全体を参照に組み込む。)。単鎖Fvを産生するために使用され得る例示的な技術としては、以下に記載されているものが挙げられる:米国特許第4,946,778号および第5,258,498号;Hustonら、Methodsin Enzymology 203:46−88(1991);Shuら、PNAS 90:7995−7999(1993);およびSkerraら Science 240:1038−1040(1988)。

0101

組換え抗体ライブラリーのファージディスプレイによるスクリーニングの代わりに、大型のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングするための当該分野で公知の他の方法論が、親抗体を同定するために適用されてもよい。代替の発現系の1つの型は、以下で記載されているRNAタンパク質融合体として発現される組換え抗体ライブラリーにおけるものである:PCT公開番号WO98/31700(SzostakおよびRoberts)ならびにRoberts R.W.およびSzostak J.W.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:12297−12302。この系において、共有結合融合が、ペプチジルアクセプター抗生物質であるピューロマイシンをその3’末端に保有する合成mRNAのインビトロ翻訳によって、mRNAとこれをコードするペプチドまたはタンパク質との間に作られる。したがって、特異的mRNAは、コードするペプチドまたはタンパク質(例えば抗体もしくはその部分)の特性(例えば二重特異性抗原に対する抗体もしくはその部分の結合)に基づき、mRNAの複合混合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)から富化され得る。このようなライブラリーのスクリーニングから回収された抗体またはその部分をコードする核酸配列は、上述の様な組換え手段によって(例えば、哺乳動物宿主細胞において)発現され得、さらに、元の選択された配列内に突然変異が導入されているmRNAペプチド融合の追加のスクリーニング、または組換え抗体のインビトロでの親和性成熟のための他の方法により、上述のように、さらなる親和性成熟に供され得る。

0102

別のアプローチにおいて、親抗体はまた、当該分野で公知の酵母ディスプレイ方法を用いて産生されてもよい。酵母ディスプレイ方法において、抗体ドメインを酵母細胞壁繋ぎ、酵母の表面上にそれらを提示するために、遺伝的方法が使用される。詳細には、このような酵母は、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示するために利用され得る。酵母ディスプレイ方法の例は、親抗体を作製するために使用され得るものであり、参照により本明細書に組み込むWittrupらの米国特許第6,699,658号で開示されるものを含む。

0103

本明細書に記載のモノクローナル抗体は、CDRグラフト親抗体およびヒト化親抗体を生成するために、さらに改変されてもよい。CDRグラフト親抗体は、ヒト抗体由来の重鎖および軽鎖可変領域配列を含み、ここで、VHおよび/またはVLの1つ以上のCDR領域が、目的の抗原に結合可能であるマウス抗体のCDR配列と置き換えられる。任意のヒト抗体由来のフレームワーク配列は、CDRグラフのためのテンプレートとして寄与し得る。しかし、このようなフレームワーク上の直鎖置き換えは、しばしば、抗原に対する結合親和性の何らかの欠失をもたらす。より相同なヒト抗体は、元のマウス抗体に対し、ヒトフレームワークを有するマウスCDRの組み合わせが、親和性を低減し得るCDRの歪みを導入する可能性が低い。したがって、CDRではなく、マウス可変フレームワークを置き換えるために選択されたヒト可変フレームワークが、マウス抗体可変領域フレームワークに対し少なくとも65%の配列同一性を有することが好ましい。CDRを除くヒトおよびマウス可変領域が、少なくとも70%の配列同一性を有することがより好ましい。CDRを除くヒトおよびマウス可変領域が、少なくとも75%の配列同一性を有することがなおより好ましい。CDRを除くヒトおよびマウス可変領域が、少なくとも80%の配列同一性を有することが最も好ましい。このような抗体を産生するための方法は、当該分野で公知である(EP239,400;PCT公開WO91/09967;米国特許第5,225,539号;第5,530,101号;および第5,585,089号を参照されたい。)、ベニヤリングまたはリサーフシング(EP592,106;EP519,596;Padlan、Molecular Immunology 28(4/5):489−498(1991);Studnickaら、Protein Engineering 7(6):805−814(1994);Roguskaら、PNAS 91:969−973(1994))、およびチェーンシャフリング(米国特許第5,565,352号)。

0104

ヒト化抗体は、非ヒト種由来の1つ以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する、所望の抗原に結合する非ヒト種抗体由来抗体分子である。公知のヒトIg配列は、例えば、以下に開示される:www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez−/query.fcgi;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.sciquest.com/;www.abcam.com/;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.public.iastate.edu/.about.pedro/research_tools.html;www.mgen.uni−heidelberg.de/SD/IT/IT.html;www.whfreeman.com/immunology/CH−05/kuby05.html;www.library.thinkquest.org/12429/Immune/Antibody.html;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab/;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/m−ikeimages.html;www.antibodyresource.com/;mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology.html.www.immunologylink.com/;pathbox.wustl.edu/.about.hcenter/index.−html;www.biotech.ufl.edu/.about.hcl/;www.pebio.com/pa/340913/340913.html−;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody/;www.m.ehime−u.acjp/.about.yasuhito−/Elisa.html;www.biodesign.com/table.asp;www.icnet.uk/axp/facs/davies/lin−ks.html;www.biotech.ufl.edu/.about.fccl/protocol.html;www.isac−net.org/sites_geo.html;aximtl.imt.uni−marburg.de/.about.rek/AEP−Start.html;baserv.uci.kun.nl/.aboutjraats/linksl.html;www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu/;www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc/pu−blic/INTRO.html;www.ibt.unam.mx/virV_−mice.html;imgt.cnusc.fr:8104/;www.biochem.ucl.ac.uk/.about.martin/abs/index.html;antibody.bath.ac.uk/;abgen.cvm.tamu.edu/lab/wwwabgen.html;www.unizh.ch/.about.honegger/AHOseminar/Slide01.html;www.cryst.bbk.ac.uk/.about.ubcg07s/;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/humanisation/TAHHP.html;www.ibt.unam.mx/vir/structure/stataim.html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;www.cryst.bioc.cam.ac.uk/.abo−ut.fmolina/Webpages/Pept/spottech.html;wwwjerini.de/fr roducts.htm;www.patents.ibm.con/ibm.html.Kabat et al.、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S.Dept.Health(1983)、これらの全体を参照により本明細書に組み込む。このような導入された配列は、免疫原性を低減するため、または、結合親和性、結合速度、解離速度、アビディティ、特異性、半減期もしくは当該分野で公知の他の好適な特徴を、低下させるか、増強させるかもしくは改変するために、使用され得る。

0105

ヒトフレームワーク領域におけるフレームワーク残基は、CDRドナー抗体から対応する残基を置換して、抗原結合を変え、好ましくは改善し得る。これらのフレームワーク置換は、当該分野で周知の方法によって、例えば、抗原結合のために重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRとフレームワーク残基との相互作用のモデリング、および特定の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較により、同定される。(例えば、Queenら、米国特許第5,585,089号;Riechmannら、Nature 332:323(1988)を参照されたい。これらは、その全体を参照により本明細書に組み込む。)三次元免グロブリンモデルは、一般的に利用可能であり、当業者に周知である。選択された候補免疫グロブリン配列の予想三次元立体構造を説明し図示することができるコンピュータープログラムが、利用可能である。これらのディスプレイの調査は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の可能性のある役割の分析、すなわち、その抗原に結合する免疫グロブリンの候補の能力に影響を及ぼす残基の分析を可能にする。この方法において、FR残基は、コンセンサス配列および重要配列から選択されて、組み合わされ、所望の抗体特徴、例えば標的抗原に対する親和性の向上が、達成される。一般的に、CDR残基は、直接的におよび最も実質的に、抗原結合に影響及ぼすことに関与する。抗体は、以下に記載されているものなどであるが、これらに限定されない、当該分野で公知の種々の技術を用いてヒト化され得る:Jonesら、Nature 321:522(1986);Verhoeyenら、Science 239:1534(1988))、Simsら、J.Immunol.151:2296(1993);ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.196:901(1987)、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Prestaら、J.Immunol.151:2623(1993)、Padlan、Molecular Immunology 28(4/5):489−498(1991);Studnickaら、Protein Engineering 7(6):805−814(1994);Roguskaら、PNAS 91:969−973(1994);PCT公開WO91/09967、PCT/:US98/16280、US96/18978、US91/09630、US91/05939、US94/01234、GB89/01334、GB91/01134、GB92/01755;WO90/14443、WO90/14424、WO90/14430、EP229246、EP592,106;EP519,596、EP239,400、米国特許第5,565,332号、第5,723,323号、第5,976,862号、第5,824,514号、第5,817,483号、第5,814,476号、第5,763,192号、第5,723,323号、第5,766,886号、第5,714,352号、第6,204,023号、第6,180,370号、第5,693,762号、第5,530,101号、第5,585,089号、第5,225,539号;第4,816,567号、このそれぞれを、その中に挙げられた参考文献を含めて、参照により本明細書に組み込む。

0106

当該分野で周知であるように、親モノクローナル抗体は、HCVタンパク質を含む、またはHCVタンパク質に加えて、特定の標的に結合可能である種々のモノクローナル抗体から選択されてもよい。

0107

親モノクローナル抗体はまた、使用のため、臨床試験において、または臨床使用のための開発において認可された種々の治療抗体から、特に、HCV感染の症状の処置において、またはHCV感染と共存する特に肝細胞癌腫を含む癌などの状態または疾患の処置において適用可能であり得る治療抗体からも、選択され得る。

0108

本発明を通して述べられるように、本発明の抗体を標識することが、望ましい場合がある。標識抗体(または本発明の抗体の1つに由来する結合タンパク質)は、別の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)を誘導体化するか、またはこれに連結する抗体を含む。例えば、別の抗体(例えば、二特異性抗体またはダイアボディ)、検出可能薬剤、細胞毒性剤、医薬品、および/または別の分子とタンパク質の結合を媒介し得るタンパク質またはペプチド(例えば、ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグ)などの1つ以上の他の分子実体と(化学的カップリング遺伝子融合非共有結合またはそれ以外により)機能的に連結することにより、モノクローナル抗体は、誘導体化され得る。

0109

モノクローナル抗体が誘導体化され得る有用な検出可能な薬剤は、蛍光化合物を含む。例示的な蛍光検出可能薬剤としては、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリドフィコエリトリンなどが挙げられる。抗体はまた、検出可能酵素、例えばアルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどによって誘導体化され得る。検出可能酵素によって誘導体化される場合、検出は、酵素を使用して検出可能反応産物を産生するさらなる試薬を添加することによって達成される。例えば、検出可能薬剤である西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能である着色反応産物を生じる。本発明のモノクローナル抗体はまた、ビオチンによって誘導体化され得、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定、またはその逆を通して検出され得る。

0110

本発明の組成物は、試験試料中のHCVコア抗原の存在を決定するための診断適用における実証された使用を有するので、本発明の組成物はまた、哺乳動物に対するインビボ投与のための診断または治療目的を果たし得ることが、企図される。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、本書中で開示される1つ以上の抗HCVコア結合タンパク質を活性成分として含む医薬組成物および診断組成物を提供する。医薬組成物または診断組成物は、本明細書に記載の任意のモノクローナル抗体、またはその任意の組み合わせ、および医薬として許容できる担体、希釈剤および/または賦形剤を含み得る。一般的に、医薬組成物および診断組成物は、活性成分を、担体、希釈剤および/または賦形剤と組み合わせることによって調製される。

0111

本明細書に記載の結合タンパク質を含む組成物は、障害の診断、検出またはモニタリングにおける使用であるが、これらに限定されない使用のためのものであるが、障害または1つ以上のその症状の予防、処置、管理または緩和における使用、および/または研究における使用をも見出す。詳細な実施形態において、組成物は、本発明の1つ以上のモノクローナル抗体または本発明の1つ以上のモノクローナル抗体に由来する結合タンパク質を含む。別の実施形態において、組成物は、本明細書に記載の1つ以上のモノクローナル抗体またはそれに由来する結合タンパク質、および本明細書に記載のモノクローナル抗体またはそれに由来する結合タンパク質以外の1つ以上の診断、予後診断または治療薬剤を含む。

0112

イムノアッセイ
本開示に従うイムノアッセイは、当該分野で一般に認識されている技術を含み、これらとしては、例えば、ラジオイムノアッセイウエスタンブロットアッセイ、免疫蛍光アッセイ、酵素イムノアッセイ、化学発光アッセイ免疫組織学アッセイ、免疫沈降などが挙げられる。ELISAについて当該分野で公知である標準的技術は、周知であり、例えば、Methodsin Immunodiagnosis、第2版、RoseおよびBigazzi編、John Wiley and Sons、1980およびCampbellら、Methods of Immunology、W.A.Benjamin,Inc.、1964に記載されている。これらの両方を参照により本明細書に組み込む。イムノアッセイは、当該分野に記載されているように、直接的、間接的、競合的または非競合的なイムノアッセイであり得る(Oellerich、M.1984.J.Clin.Chem.Clin.BioChem 22:895 904)。このような検出アッセイのために適切な生物学的試料としては、血液、血漿、血清、肝臓、唾液、リンパ球または他の単核細胞が挙げられるが、これらに限定されない。

0113

好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体は、HCVの検出のために特異的なイムノアッセイにおいて使用される。例としては、サンドイッチイムノアッセイ、放射性同位体検出(ラジオイムノアッセイ(RIA))および酵素検出(酵素イムノアッセイ(EIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、Quantikine ELISAアッセイ、R&D Systems、Minneapolis、Minn.))競合阻害イムノアッセイ(例えば、順方向および逆方向)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、酵素増幅イムノアッセイ技術(EMIT)、生物発光共鳴エネルギー遷移(BRET)および均一化学発光アッセイなどが挙げられるが、これらに限定されない。SELDIベースのイムノアッセイにおいて、HCVコア(またはその断片)などの目的の分析物に特異的に結合する捕捉試薬は、事前活性化タンパク質チップアレイなどの質量分析プローブの表面に結合される。次いで、分析物(またはその断片)は、バイオチップ上に特異的に捕捉され、捕捉分析物(またはその断片)は、質量分析によって検出される。あるいは、分析物(またはその断片)は、捕捉試薬から溶出され得、従来的MALDI(マトリクス支援レーザー脱離イオン化)またはSELDIによって、検出され得る。化学発光微粒子イムノアッセイ、特に、ARCHITECT(登録商標)自動化分析機(Abbott Laboratories、Abbott Park、Ill.)を使用するアッセイが、好ましいイムノアッセイの一例である。

0114

試料中のヒトC型肝炎ウイルスの存在または量を決定するためのイムノアッセイは、例えば、試料中に存在し得る任意のヒトC型肝炎ウイルスに結合タンパク質が結合するために充分な時間にわたり、HCVコアタンパク質結合タンパク質を試料と合わせること、および試料中に存在するヒトC型肝炎の存在または量を、ヒトC型肝炎コアタンパク質に対する結合タンパク質の特異的結合に基づいて決定することを含む。本開示はまた、試料中のヒトHCVの存在または非存在を検出するためのイムノアッセイデバイスをも包含し、ここで、デバイスは、固体支持体上に固定化された、本明細書に記載の抗体のいずれかを含む。抗HCVコア抗体およびその任意のアナログは、キットの形態で、単独で、または二次抗体などの他の試薬と組み合わせて、イムノアッセイにおける使用のために調製され得る。

0115

尿、血液、血清および血漿、ならびに他の体液収集し、操作し、そして処理するための当該分野で周知の方法は、例えば、本発明の抗HCVコア抗体が免疫診断試薬としておよび/または分析物イムノアッセイキットにおいて使用される場合に、本開示の実践において使用される。試験試料は、HCVコア抗原に加えて、例えば、抗体、抗原、ハプテンホルモン、薬物、酵素、レセプター、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドを含む、さらなる部分を含み得る。例えば、試料は、対象から得られる全血試料であってもよい。試験試料、特に全血が、本明細書に記載のイムノアッセイの前、例えば、前処理試薬によって処置されることが、必要であるか、または所望される場合がある。前処理が必要ない場合(例えば、ほとんどの尿試料)においてさえ、前処理が、場合によって(例えば、市販のプラットホームにおけるレジメンの一部として)実施されてもよい。

0116

前処理試薬は、本開示のイムノアッセイおよびキットによる使用のために適切な、任意の試薬であってもよい。前処理は、場合によって、以下を含む:(a)1種以上の溶媒(例えば、メタノールおよびエチレングリコール)ならびに、場合によって、塩、(b)1種以上の溶媒および塩、ならびに、場合によって、洗剤、(c)洗剤、または(d)洗剤および塩。前処理試薬は、当該分野で公知であり、このような前処理は、以前に記載されているように、例えば、文献に記載されているように(例えば、Yatscoffら、Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood、Clin.Chem.36:1969−1973(1990)、およびWallemacqら、Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood andEMIT Cyclosporine Assays、Clin.Chem.45:432−435(1999))、Abbott TDx、AxSYM(登録商標)およびARCHITECT(登録商標)分析機(Abbott Laboratories、 Abbott Park,Ill.)におけるアッセイのために使用されるように、ならびに/または市販のアッセイとして、使用され得る。さらに、前処理は、以下において記載されるように実施され得る:米国特許第5,135,875号、欧州特許公開第0471293号、米国仮特許出願第60/878,017号(2006年12月29日出願)および米国特許出願公開第2008/0020401号(前処理に関するその教示について、その全体を参照により組み込む。)。

0117

前処理試薬の使用により、アッセイは、試験試料中の事前形成された/既存の免疫複合体またはウイルス粒子の破壊によって、より感度が高くなる。このような前処理試験試料において、試料中の抗HCVコア抗体は、抗原から分離されて、次いで、試料中に残存する抗原は、本発明のモノクローナル抗体を用いてHCVコア抗原の存在について試験される。したがって、試験試料中のHCVコア抗原は、抗体捕捉工程に供されて、試験試料中に存在する任意のHCV抗原を捕捉する。

0118

いくつかの他の実施形態において、前処理の使用は、このような分離工程を必要としない。試験試料および前処理試薬の混合物全体が、標的抗原(この場合、HCVコア抗原、または特に、HCVコア抗原脂質結合ドメイン)に対して特異的な抗体と接触させられる。このようなアッセイのために使用される前処理試薬は、典型的には、HCV抗原を捕捉するために使用される第1抗体による捕捉の前または捕捉の間に、前処理試験試料混合物中に希釈される。このような希釈にもかかわらず、特定の量の前処理試薬が、捕捉の間に、試験試料混合物中になお存在し得る。捕捉試薬は、本発明の抗体であってもよく、あるいは、別の抗HCVコア抗原抗体であってもよく、または、実際に、HCVの非コアタンパク質抗原を対象とする抗体(例えば、エンベロープタンパク質、E1もしくはE2、またはHCVの他の部分に対する抗体)であってもよい。

0119

1つのアッセイ形式において、試験試料が対象から得られた後、第1の混合物が調製される。混合物は、所定の抗原の存在について(例えば、今回の場合、HCVコア抗原の存在について)評価される試験試料および第1の特異的結合パートナー(代表的には、HCVエピトープを認識する抗体)を含有し、ここで、この第1の特異的結合パートナーおよび試験試料中に含有される任意のHCV抗原は、第1抗体−抗原複合体を形成する。試験試料および第1の特異的結合パートナーを添加して混合物が形成される順番は、重要ではない。第1の特異的結合パートナーは、固相上に固定化され得るが、代替の実施形態において、第1の特異的結合パートナーは、溶液相に存在し得る。(第1の特異的結合パートナー、および場合によって、第2の特異的結合パートナーについての)イムノアッセイにおいて使用される固相は、当該分野で公知の任意の固相であってもよく、例えば、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、足場分子フィルムろ紙ディスクおよびチップであってもよいが、これらに限定されない。

0120

記載されている方法は、固相が微粒子を含む自動化システムおよび半自動化システムに含まれる微粒子技術を利用するシステムへの適応を受けやすい。このようなシステムは、係属米国特許出願425,651号および425,643号に記載されるものを含み、これらは、それぞれ公開EPO出願EP 0 425 633およびEP 0 424 634に対応し、これらを参照により本明細書に組み込む。

0121

第1の特異的結合パートナー−分析物複合体を含有する混合物が形成された後、任意の未結合分析物が、当該分野で公知の任意の技術を用いて複合体から除去される。例えば、未結合分析物は、洗浄によって除去され得る。しかし、第1の特異的結合パートナーは、第1の特異的結合パートナーによる試験試料中に存在する分析物の最大結合を最適化するために、試験試料中に存在する任意の分析物よりも多く存在することが、望ましい。

0122

未結合分析物の除去後、第2の特異的結合パートナーが混合物に添加されて、第1の特異的結合パートナー−分析物−第2の特異的結合パートナー複合体を形成する。第2の特異的結合パートナーは、第1の特異的結合パートナーによって結合された分析物上のエピトープとは異なる分析物上のエピトープに結合する、抗分析物抗体であることが好ましい。単なる例として、アッセイがHCVコア抗原の検出のためのものであることを想定すると、HCVコア抗原のDNA結合ドメインに特異的である第1の「捕捉」抗体が使用され(あるいは、第1抗体は、本明細書に記載の抗体のような、HCVコア抗原脂質結合ドメインに特異的である抗HCVコア抗体である)、一旦この第1の捕捉抗体が試料由来のHCVコアタンパク質を捕捉すると、HCVコア抗原の脂質結合ドメインを結合する第2の抗コア抗原抗体(第1抗体がDNA結合ドメインに結合した場合、あるいは、第1抗体がHCVコア抗原脂質結合ドメインに特異的な第1抗体である場合、第2抗体は、HCVコア抗原のDNA結合ドメインに特異的であり得る。)。好ましくは、このような実施形態において、[捕捉抗体−抗原−第2抗体]複合体の検出を容易にするために、第2の特異的結合パートナーは、上述のような検出可能標識によって標識されるかまたはこれを含有する。

0123

当該分野で公知である任意の好適な検出可能標識が、使用され得る。例えば、検出可能標識は、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、32Pおよび33P)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリペルオキシダーゼ、グルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼなど)、化学発光標識(例えば、アクリジニウムエステルチオエステルまたはスルホンアミドルミノールイソルミノール、フェナントリジニウムエステルなど)、蛍光標識(例えば、フルオレセイン(例えば、5−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、3’6−カルボキシフルオレセイン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレセイン、6−テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートなど))、ローダミン、フィコビリタンパク質、R−フィコエリトリン、量子ドット(例えば、硫化亜鉛キャッピングされたセレン化カドミウム)、温度測定標識、またはイムノポリメラーゼ連鎖反応標識であってもよい。標識の導入、標識手順および標識の検出は、以下において見出される:PolakおよびVan Noorden、Introduction to Immunocytochemistry、第2巻補完、Springer Verlag、N.Y.(1997)、およびHaugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996)(Molecular Probes,Inc.、Eugene、Oreg.によって出版された、ハンドブックカタログとを合わせたものである)。蛍光標識は、FPIAにおいて使用され得る(例えば、米国特許第5,593,896号、第5,573,904号、第5,496,925号、第5,359,093号および第5,352,803号を参照されたい。これらは、その全体を参照により本明細書に組み込む。)。アクリジニウム化合物は、均一化学発光アッセイにおいて検出可能標識として使用され得る(例えば、Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.16:1324−1328(2006);Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.4:2313−2317(2004);Adamczykら、Biorg.Med.Chem.Lett.14:3917−3921(2004);およびAdamczykら、Org.Lett.5:3779−3782(2003)を参照されたい。)。

0124

好ましいアクリジニウム化合物は、アクリジニウム−9−カルボキサミドである。アクリジニウム9−カルボキサミドを調製するための方法は、以下に記載される:Mattingly J.Biolumin.Chemilumin.6:107−114(1991);Adamczykら、J.Org.Chem.63:5636−5639(1998);Adamczykら、Tetrahedron 55:10899−10914(1999);Adamczykら、Org.Lett.1:779−781(1999);Adamczykら、Bioconjugate Chem.11:714−724(2000);Mattinglyら、In Luminescence Biotechnology:Instruments and Applications;Dyke K.V.編、CRCPress:Boca Raton、77−105頁(2002);Adamczykら、Org.Lett.5:3779−3782(2003);および米国特許第5,468,646号、第5,543,524号および第5,783,699号(これらの各々は、これに関するその教示について、その全体を参照により本明細書に組み込む。)。

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