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課題・解決手段
概要
背景
赤外(IR)線検出器は、例えば、例えば動物、自動車、飛行機、砲火、ミサイル、爆発、炎等の物体によって放射される赤外線等の熱エネルギーに応答する。この熱エネルギーは、通常、人間の目には見えない。従って、赤外線検出器を用いることにより、目に見えない物体を知覚することができ、および/または、可視物体の代替的な像を得ることができる。
赤外線検出器に対して有用な電気信号を提供するために赤外線エネルギーの吸収によって励起することができる材料が知られている。幾つかの赤外線検出器は、赤外線で加熱するとその材料において導電率の変化が発生するという事実を利用する。この導電率の変化を用いて、赤外線感受性材料に印加される信号が変調される。これらの赤外線検出器は、目的によっては十分であるが、こうした赤外線検出器における反応時間は、動作が完全に熱効果によって決まるため本質的に長い。
別のタイプの赤外線検出器は、光伝導性原理に基づいて作用する或る特定の材料を採用し、それにより、材料が赤外線エネルギーの吸収によって励起されると、材料における導電率が変化する。これらの光伝導性材料のうちの幾つかは、使用することができ、非常に短い時定数を有している。
鉛塩は、或る特定の波長の赤外線エネルギーの検出に対してもっとも感受性の高い材料のうちの幾つか、特にセレン化鉛及び硫化鉛材料を提供する。これらの材料を利用する赤外線検出器は、通常、基板の上にセレン化鉛または硫化鉛の薄膜を備え、その薄膜または薄層の反対側に電気リード線が接続されている。鉛塩の薄膜は、基板上への真空蒸発若しくは真空蒸着の何れかによって、或いは、溶液から基板上に化学蒸着することによって形成することができる。
概要
センサー、センサーを含むシステム、並びにこうしたセンサーおよびシステムを使用する方法が提供される。一態様では、センサーは、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されたセンサー素子を含む。センサー素子は、相互接続された複数のセグメントを含み、各セグメントは焦電結晶を備え、センサーは、何れかのセグメントに赤外線が照射されると単一の単体信号を発生することができる。
目的
鉛塩は、或る特定の波長の赤外線エネルギーの検出に対してもっとも感受性の高い材料のうちの幾つか、特にセレン化鉛及び硫化鉛材料を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
請求項2
請求項3
前記センサー素子は5つ以上の側面を含む請求項1に記載のセンサー。
請求項4
前記センサー素子は楕円形である請求項3に記載のセンサー。
請求項5
請求項6
各焦電結晶は鉛塩結晶を含む請求項1に記載のセンサー。
請求項7
各セグメントは、約±20%の範囲内の実質的に同様の抵抗値を有する請求項1に記載のセンサー。
請求項8
赤外線センサーであって、ハウジングと、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、相互接続された複数の焦電セグメントを含む焦電素子であって、該赤外線センサーは、何れかのセグメントに赤外線が照射されると単一の単体信号を発生するように構成されている焦電素子とを具備する赤外線センサー。
請求項9
前記焦電素子は5つ以上の側面を含む請求項8に記載の赤外線センサー。
請求項10
前記焦電素子は、少なくとも部分的に弓形である周辺部を有する請求項9に記載の赤外線センサー。
請求項11
前記焦電素子は鉛塩結晶を含む請求項8に記載の赤外線センサー。
請求項12
前記ハウジングは缶パッケージを有する請求項8に記載の赤外線センサー。
請求項13
前記焦電素子は、前記窓に少なくとも部分的に位置合せされており、前記赤外線センサーは、前記窓を覆うレンズを更に具備する請求項8に記載の赤外線センサー。
請求項14
各焦電セグメントは、約±20%の範囲内の実質的に同様の抵抗値を有する請求項8に記載の赤外線センサー。
請求項15
赤外線を検出するシステムであって、半球形アレイに配置された複数のセンサーであって、各センサーは、ハウジングと、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、相互接続された複数のセグメントを含むセンサー素子であって、前記センサーは、該センサーの何れかのセグメントに赤外線が照射されると単一の単体信号を発生するように構成されているセンサー素子とを備えたセンサーを具備する赤外線を検出するシステム。
請求項16
各センサー素子は5つ以上の側面を含む請求項15に記載のシステム。
請求項17
前記センサー素子は、楕円形または円形のうちの一方であるように構成されている請求項16に記載のシステム。
請求項18
各センサー素子は鉛塩結晶を含む請求項16に記載のシステム。
請求項19
各ハウジングは缶パッケージを有する請求項15に記載の赤外線システム。
請求項20
所与のセンサー内の各セグメントは、約±20%の範囲内の実質的に同様の抵抗値を有する請求項14に記載のシステム。
技術分野
0002
[関連出願]
本願は、2012年12月28日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第61/747037号の利益を主張するものであり、この米国特許仮出願は、本願と一体をなすものとして引用する。
背景技術
0003
赤外(IR)線検出器は、例えば、例えば動物、自動車、飛行機、砲火、ミサイル、爆発、炎等の物体によって放射される赤外線等の熱エネルギーに応答する。この熱エネルギーは、通常、人間の目には見えない。従って、赤外線検出器を用いることにより、目に見えない物体を知覚することができ、および/または、可視物体の代替的な像を得ることができる。
0004
赤外線検出器に対して有用な電気信号を提供するために赤外線エネルギーの吸収によって励起することができる材料が知られている。幾つかの赤外線検出器は、赤外線で加熱するとその材料において導電率の変化が発生するという事実を利用する。この導電率の変化を用いて、赤外線感受性材料に印加される信号が変調される。これらの赤外線検出器は、目的によっては十分であるが、こうした赤外線検出器における反応時間は、動作が完全に熱効果によって決まるため本質的に長い。
0005
別のタイプの赤外線検出器は、光伝導性原理に基づいて作用する或る特定の材料を採用し、それにより、材料が赤外線エネルギーの吸収によって励起されると、材料における導電率が変化する。これらの光伝導性材料のうちの幾つかは、使用することができ、非常に短い時定数を有している。
0006
鉛塩は、或る特定の波長の赤外線エネルギーの検出に対してもっとも感受性の高い材料のうちの幾つか、特にセレン化鉛及び硫化鉛材料を提供する。これらの材料を利用する赤外線検出器は、通常、基板の上にセレン化鉛または硫化鉛の薄膜を備え、その薄膜または薄層の反対側に電気リード線が接続されている。鉛塩の薄膜は、基板上への真空蒸発若しくは真空蒸着の何れかによって、或いは、溶液から基板上に化学蒸着することによって形成することができる。
0008
一態様では、センサーが提供される。センサーは、限定されないが、ハウジング内に位置するセンサー素子を含み、センサー素子は、相互接続された複数のセグメントを含み、各セグメントは焦電結晶を備え、センサーは、何れかのセグメントに赤外線が照射されると単一の単体信号を発生する。
0009
別の態様では、赤外線センサーが提供される。赤外線センサーは、限定されないが、窓を形成するハウジングと、ハウジング内に位置する焦電素子とを含み、焦電素子は、相互接続された複数の焦電セグメントを含み、相互接続された複数の焦電セグメントは、赤外線が照射されると単一の単体信号を発生する。
0010
更なる態様では、赤外線を検出するシステムが提供される。システムは、限定されないが、半球状アレイに配置された複数のセンサーを含み、各センサーは、窓を形成するハウジングと、ハウジング内に位置するセンサー素子とを含む。センサー素子は、相互接続された複数のセグメントを含む。相互接続された複数のセグメントは、赤外線が照射されると単一の単体信号を発生する。
0011
更に別の態様では、センサーが提供され、センサーは、相互接続された複数のセグメントを含むセンサー素子を含む。各セグメントは焦電結晶を備え、センサーは、何れかのセグメントに赤外線が照射されると単一の単体信号を発生するように構成されている。
0012
更に別の態様では、赤外線センサーが提供され、赤外線センサーは、ハウジングと、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、相互接続された複数の焦電セグメントを含む焦電素子とを備える。赤外線センサーは、何れかのセグメントに赤外線が照射されると単一の単体信号を発生するように構成されている。
0013
また別の例では、赤外線を検出するシステムが提供され、本システムは、半球形アレイに配置された複数のセンサーを備える。各センサーは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、相互接続された複数のセグメントを含むセンサー素子とを備える。センサーは、センサーの何れかのセグメントに赤外線が照射されると単一の単体信号を発生するように構成されている。
図面の簡単な説明
0015
一実施形態によるハウジング内に収容され、回路基板または集積回路(IC)デバイスに実装されたセンサー素子を含む例示的な赤外線センサーの斜視図である。
一実施形態によるハウジング内に収容され、回路基板または集積回路(IC)デバイスに実装されたセンサー素子を有する赤外線センサーの上面図である。
一実施形態による複数のセグメントを有するセンサー素子の上面図である。
一実施形態による複数のセグメントを有するセンサー素子の上に重ね合わされた単一素子を有するセンサー素子の上面図である。
一実施形態によるハウジング内に収容されたセンサー素子を有する赤外線センサーの斜視図である。
一実施形態による赤外線センサーのアレイを有する検出器を示す図である。
実施例
0016
時に、赤外線検出器を、例えば砲火から等の赤外線を検出するために、球状または半球状のアレイに配置する場合がある。現在、赤外線検出器は、比較の目的で本開示のセンサー素子101の上に置かれた、図4に示す正方形または矩形のセンサー素子250を使用して、円形の缶ハウジング内に収容される赤外線を検出することが多い。こうした構成の問題は、センサー素子が正方形であり、ハウジングが円形であるため、デッドスポットと呼ばれる、検出を行うことができない相当量の領域がある、ということである。赤外線がデッドスポットに入ると、殆ど或いは全く検出を行うことができない。従って、例えば弾丸から放出される赤外線を検出する確率を増大させるために、アレイにおけるデッドスポットの量を低減することが望ましい。
0017
本開示では、例えば、5つ以上の辺がある多角形等、5つ以上の側面があるセンサー素子、或いは他の場合では、楕円形、円形若しくは他の弓形の周辺部を有するセンサー素子をハウジング内に配置することにより、アレイにおいてデッドスポットの量を低減することができ、例えば、弾丸からの放出される赤外線を検出する確率を増大させることができる。
0018
図1、2、5を参照すると、ハウジング125とハウジング125内に配置されたセンサー素子101とを含む例示的な赤外線センサー100が示されている。図示する例示的な実施形態では、ハウジング125は缶パッケージ形状を有している。赤外線センサー100は、赤外線140を検出するように構成されており、高感度とすることができ、時定数が低い。図6を参照すると、1つの例示的な実施形態では、検出器200は、赤外線140を検出するために複数の赤外線センサー100または赤外線センサー100のアレイ210を含むことができる。幾つかの例示的な実施形態では、赤外線センサー100のアレイ210は、より広い検出野を提供するように球形または半球形である。赤外線センサー100を用いて、例えば、炎、爆発、弾丸、ミサイル発射等、種々の赤外線140源を検出することができる。
0019
ハウジング125は、好ましくは、例えば真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属から構成された金属ハウジングである。しかしながら、ハウジング125は、任意の剛性材料から作製することができ、本発明の意図された趣旨および範囲内にあり得る。図示する例示的な実施形態では、ハウジング125は、円筒状の缶パッケージ130である。ハウジング125は、キャップ132に接続されたステム131を含む。ハウジング125は、赤外線140が通過する光学窓133を形成している。図1に示す赤外線センサー100と同様に、レンズ150が、ハウジングの外側でかつ窓133の上に実装されている。窓133は、最大表面積を有しかつレンズ150とより適切に嵌合するように、楕円形および/または円形とすることができる。代替的に、窓133は、例えば、5つ以上の辺がある多角形または任意の弓形の周辺部を有する形状等、他の形状とすることができる。レンズ150は、赤外線140を収集しハウジング125内に収容されたセンサー素子101の上に集束させるのに有用である。レンズ150は、赤外線140を収集しそれをセンサー素子101上に集束させるように凸状とすることができる。
0020
センサー素子101は、放射線、より詳細には赤外線を検出するように使用することができる任意のセンサーを含む。1つの例示的な実施形態では、センサー素子101は、加熱されるか或いは赤外線140が照射されると電気を発生するか或いは抵抗を変化させる、焦電結晶または相互接続された複数の焦電結晶を含む。限定されないが、セレン化鉛および/または硫化鉛(PbSおよびPbSe)等の鉛塩結晶、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、酸化亜鉛、ニオブ酸ストロンチウムバリウム(SrBaNb2O6)および強誘電材料を含む、種々の材料が、焦電結晶を形成することができる。センサー素子101は、赤外線に対して感受性が高く、赤外線が照射されると電気を発生するか或いは抵抗を変化させる、焦電素子または焦電結晶を含むことができる。赤外線は、可視光より波長が長く、約0.7マイクロメートル(μm)の可視スペクトルの名目上の赤色端から約300.0μmにおよぶ。幾つかの例示的な実施形態では、センサー素子101は、約0.7μmから約25.0μmの波長の赤外線に対して感受性が高い。他の例示的な実施形態では、センサー素子101は、約1.0μmから約7.0μmの波長の赤外線に対して感受性が高い。更に例示的な実施形態では、センサー素子101は、約1.0μmから約5.5μmの波長の赤外線に対して感受性が高い。幾つかの例示的な実施形態では、センサー素子101は、例えば、約100マイクロ秒(μsec)から約1000μsec等、時定数が非常に短い材料から構成されている。他の例示的な実施形態では、センサー素子101は、例えば約150μsecから約500μsec等、時定数が非常に短い材料から構成されている。
0021
赤外線センサー100は、センサー素子101の出力電流を処理するように構成される信号処理回路の大部分を含む集積回路(IC)デバイス102を含む。赤外線センサー100は、少なくとも一対の接点136、138を含み、それらを通して、センサー素子101の抵抗のあらゆる変化を測定し、或いはセンサー素子101によって発生する出力電流を受け取るために、あらゆるバイアス電圧またはバイアス電流が向けられる。図示する例示的な実施形態では、接点136、138は、センサー素子101に隣接して位置している。しかしながら、他の例示的な実施形態では、接点136、138は、センサー素子101の下または上に位置することができる。接点136、138は、センサー素子101によって発生する出力電流、或いはセンサー素子101におけるいかなる抵抗も正確に測定するために使用されるバイアス電圧等、センサー素子101からのいかなる信号も最適に受け取るために、例えば、金、銀、銅等、高導電性材料から作製することができる。赤外線センサー100は、センサー素子101をICデバイス102に接続する複数の相互接続またはリード線120を含む。図示する例示的な実施形態では、ICデバイス102はハウジング125内に位置している。代替的に、ICデバイス102は、他の位置に配置することができ、本発明の趣旨および範囲内にあり得る。幾つかの例示的な実施形態では、赤外線センサー100は、センサー素子101からのあらゆる信号を更に処理するために第2のICデバイス105に接続されている。
0022
幾つかの例示的な実施形態では、ICデバイス102は、電流−電圧変換回路、電圧増幅回路および出力回路を含む。電流−電圧変換回路は演算増幅器を備え、そこでは、帰還容量(コンデンサ)が反転入力ポートと出力ポートとの間に接続され、基準電圧が非反転入力ポートから電力回路に供給される。
0023
図1、3を参照すると、センサー素子101は、相互接続された複数のセグメント110に分割することができかつそれらを含む。各セグメント110は、単一の焦電結晶を含むことができる。セグメント110は、センサー素子101に赤外線が照射されるとセンサー素子101から単一の単体信号を発生するように、直列に或いは並列に相互接続されている。例えば、センサー素子101が、赤外線140が照射されると電気を発生する場合、各セグメント110によって発生する電気の量は、焦電セグメント110が直列に接続されているか、或いは、並列に接続されているかに基づいて、加算されるか或いは除算されて、単一の信号を形成する。逆に、センサー素子101が、赤外線140が照射されると抵抗を変化させる場合、各セグメント110の抵抗は、セグメント110が直列に接続されているか並列に接続されているかに基づいて、加算されるか或いは除算されて、単一の信号を形成する。何れの場合も、相互接続された複数のセグメント110に分割されかつそれらを含むセンサー素子101は、センサー素子101が単一の単体結晶を含んでいるかのように、依然として単一の信号を発生する。そして、センサー素子101と接触した赤外線140を測定し検出するために、ICデバイス102により、単一の単体信号が分析される。
0024
幾つかの例示的な実施形態では、各セグメント110は、例えば、各セグメント110に対して抵抗値が実質的に同様である等、同じまたは実質的に同様の特性を有することができる。従って、各セグメント110が互いに接続される(例えば、並列に接続される)と、抵抗がセグメント110の数で除算されて、センサー素子101全体のベース抵抗値が得られる。各セグメント110が実質的に同様の特性を有する幾つかの例示的な実施形態では、こうした特性は、値が互いの約±20%の範囲内である。各セグメント110が実質的に同様の特性を有する他の例示的な実施形態では、こうした特性は、値が互いの約±10%の範囲内である。各セグメント110が実質的に同様の特性を有する更なる例示的な実施形態では、こうした特性は、値が互いの約±3%の範囲内である。
0025
特に図3を参照すると、いかなるセグメント110の、幅Wを高さHで除算した各セグメント110のアスペクト比も、同じであるか、実質的に同様であるか、他のあらゆるセグメント110の約±25%の範囲内、約±10%の範囲内、約±5%の範囲内または約±1%の範囲内とすることができる。セグメント110の間でこれらのアスペクト比および他のアスペクト比を維持することにより、各セグメント110は、例えばセンサーの間で抵抗値が実質的に同様である等、実質的に同じ特性を有する。従って、セグメント110は、並列に接続することができ、それにより、各セグメント110によって発生する信号をセグメント110の総数Nで除算して、センサー素子101から正確な単一の単体信号を得ることができる。
0026
続けて図3を参照すると、セグメント110は、各検出器のアスペクト比を全てのセグメント110にわたって実質的に同様とすることができるように各々が異なる幅Wおよび高さHである。幾つかの例示的な実施形態では、単一の単体信号を発生する単一のセンサー素子101を形成するために、全てのセグメント110が並列に接続される。この構成により、複数のセグメント110間でセグメント化された、単一のセンサー素子101を含む単一の赤外線センサー100が提供される。各セグメント110は、例えば各セグメント110に対して抵抗値が実質的に同様である等、同じであるか、実質的に同様であるか或いは一定の特性を有し、そのため、各セグメント110が互いに(例えば、並列に)接続されると、抵抗はセグメント110の数で除算され、センサー素子101全体のベース抵抗値が得られる。例えば、センサー素子101が18個のセグメント110を有し、各セグメント110が18メガオームの抵抗値を有している場合、センサー素子101全体の抵抗値は、1つのセグメント110の抵抗値(すなわち、18メガオーム)をセグメントの総数(すなわち、18)で除算した値であり、それは、1.0メガオームの抵抗値に等しい。正方形検出器の場合、1.0メガオームが目標抵抗となる。センサー素子101全体に対する抵抗値は、約±10%の範囲内で正方形検出器に対する抵抗値と実質的に同様である。
0027
1つの例示的な実施形態では、セグメント110は、単一焦電結晶等の単一センサー素子101の表面にイオンミリングを行い、可能な限り最低量の材料を除去して別個のセグメント110を形成することにより形成される。センサー素子101から材料を除去することにより、センサー素子101の全表面積が縮小する。幾つかの例示的な実施形態では、セグメント110間の除去される材料の線は、約20ミクロン未満である。他の例示的な実施形態では、セグメント110間の除去される材料の線は、約10ミクロン未満である。更なる例示的な実施形態では、セグメント110間の除去される材料の線は、約7ミクロン未満である。
0028
1つの例示的な実施形態では、センサー素子101の形状は、ハウジング125の形状に一致するかまたは近似しており、更に、センサー素子101の表面積を最大限にし、かつデッドスポットを最小限にするために、光学窓133の形状に一致することができる。1つの例示的な実施形態では、センサー素子101は5つ以上の側面を有している。他の例示的な実施形態では、センサー素子101は7つ以上の側面を有している。また更なる例示的な実施形態では、センサー素子101は11以上の側面を有している。更に他の例示的な実施形態では、センサー素子101は26以上の側面を有している。更なる実施形態では、センサー素子101は無数の側面を有するか、或いは、図3に示すように楕円形および/または円形の形状である。
0029
センサー素子101は、5つまたは7つ以上の側面を有する場合、検出器を横切って1つの接点136から反対側の接点138までバイアスのより均一な分布を可能にするために、複数のセグメント110を含む。こうした均一な分布により、センサー素子101の出力/信号特性に殆ど或いは全く差がなく、赤外線等の放射線の「スポット」がセンサー素子101にぶつかる場所に関らず、センサー素子101の感度に殆ど或いは全く差がないことが可能になる。
0030
図4を参照すると、本開示のセンサー素子101が示されており、そこでは、センサー素子101の上に正方形または矩形のセンサー素子250が配置され、センサー素子101とセンサー素子250との違いが示されている。円形の形状のセンサー素子101により、同じパッケージまたはハウジングを備えた正方形または矩形のセンサー素子250のおよそ3.1倍の有効面積を可能にすることができる。更に、5つ以上の側面があるセンサー素子101(すなわち、楕円形および/または円形)により、ハウジング125の窓133に近接して取り付けられたとき、はるかに広い視野(FOV)が可能になる。全て、デッドスポットが低減したセンサー100またはセンサーのアレイ210の構築を可能にする。
0031
本明細書で利用する「およそ」、「約」、「実質的に」という用語および同様の用語は、本開示の主題が関連する技術分野における当業者による一般的かつ許容される使用と一致する広い意味を有するように意図されており、1つの限定しない実施形態では、それらの用語は、10%の範囲内、別の実施形態では5%の範囲内、別の実施形態では1%の範囲内、別の実施形態では0.5%の範囲内であるように定義される。本開示を検討する当業者により、これらの用語が、記載されかつ請求項に係る或る特定の特徴について、これらの特徴の範囲を提供される厳密な数値範囲に限定することなく記述するのを可能にするように意図されていることが理解されるべきである。従って、これらの用語は、記載されかつ請求項に係る主題の非実質的なまたは重要ではない変更または改変が、添付の特許請求の範囲に列挙されているような本発明の範囲内にあるようにみなされることを指示するものとして解釈されるべきである。
0032
本明細書で用いる「結合された」、「接続された」等の用語は、2つの部材を互いに直接または間接的に接合することを意味する。こうした接合は、固定(例えば、永久的)である場合もあれば可動(例えば、取外し可能または解除可能)である場合もある。こうした接合は、2つの部材、或いは、2つの部材および任意の追加の中間部材が互いに単一の単体として一体的に形成されているか、或いは、2つの部材若しくは2つの部材および任意の追加の中間部材が互いに取り付けられて、達成することができる。本明細書において要素の位置を言及する場合(例えば、「頂部」、「底部」、「上」、「下」等)、それは、単に、図における様々な要素の向きを記述するために使用されている。他の例示的な実施形態による様々な要素の向きを変更することができることと、こうした変形は本開示によって包含されることとが留意されるべきである。
0033
本開示の要約書が、読み手が技術開示の本質を迅速につきとめることを可能にするために提供される。その理解を踏まえれば、要約書は特許請求の範囲の範囲若しくは意味を解釈または限定するのに用いられるのではないことが示される。更に、上記の発明を実施するための形態において、種々の特徴が、本開示を合理化する目的から種々の実施形態にともにグループ化されていることを認識することができる。本開示の方法は請求項に係る実施形態が各請求項において明記されているよりも多くの特徴を要するという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映しているように、本発明の主題は、開示されている単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない特徴にある。従って、添付の特許請求の範囲は、本明細書の発明を実施するための形態に含まれ、各請求項は別個に請求される主題として独立している。
0034
本開示の種々の実施形態を記載してきたが、当業者には本開示の範囲内で他の実施形態および実施態様が可能であることが明白であろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその均等物を除き限定されない。
0035
100赤外線センサー
101センサー素子
102集積回路(IC)デバイス
105 デバイス
110焦電セグメント
120リード線
125ハウジング
130缶パッケージ
131ステム
132キャップ
133光学窓
136接点
138 接点
140赤外線
150レンズ
200検出器
210アレイ
250 センサー素子