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技術 深部経頭蓋磁気刺激のための円形コイル

出願人 ブレインズウェイリミテッド
発明者 ザンゲンアブラハムロスイフタック
出願日 2014年2月20日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2015-558586
公開日 2016年3月10日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-507323
状態 特許登録済
技術分野 磁気治療器
主要キーワード 曲線状経路 変位システム 運動閾値 相対電界強度 突出型 ファントムモデル 頭部ファントム 部分的組合せ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題・解決手段

前頭葉領域、後頭葉領域、頭頂葉領域、右側頭領域および左側頭領域に位置特異的である経頭蓋磁気刺激コイルは、実質的に円方向に電流フローを有する複数の離隔している刺激用エレメントと、実質的に同じ円方向に電流フローを有する複数のリターン・エレメントとを用いて設計される。

概要

背景

経頭蓋磁気刺激TMS)は、脳、または他のヒト器官に短い磁気パルス印加し、それによって神経構造活性化するために用いられる非侵襲性技術である。パルスは、患者の外部に配置した(例えば、脳治療のために頭皮上に配置した)電磁コイル刺激装置によって高電流を通過させることにより与えられ、その下にある組織に電流を誘導し、それによって局在性軸索脱分極を生成する。この技術は、様々な神経行動学的および神経学的障害に対する潜在的に有望な治療選択肢となるのみならず、中枢神経系研究における主要なツールとなった。

大部分の既知TMSコイルは、脳皮質における表層脳領域刺激するが、コイルからの距離の関数としての誘導電磁界減衰率が高い。従って、深い方の神経構造に作用する有効性は低い。誘導電界の強度が大幅に増加すれば、深い方の神経構造を刺激することが可能であろう。とは言え、かかる増加した強度での操作は、痙攣および組織に対する生理学的損傷のリスクを増加させかねない。

表層領域の最小限の刺激を伴う深部脳TMSのための方法は、深部脳刺激を可能にし、一方では副作用を最小限に抑える、特許文献1に開示される。そこに記載されたデバイスは、ベースおよび延長部を含み、ベースは、電流フローの個々の経路のための個々の巻線を有し、延長部は、脳の他の領域の不要な刺激を最小限に抑えるように設計される。

しかしながら、他の脳領域への影響を最小限にするとともに深部神経構造を含む脳の特定領域を標的とすることができる、より特別に設計されたコイルに対するニーズが存在する。刺激されることが望ましい具体的な脳領域の例は、前頭葉領域、後頭葉領域、頭頂葉領域、右側頭領域および左側頭領域である。他の例は、特定の軸状(axial)・スライス周りのような、脳の或る周縁における深い方の脳領域を含む脳領域の活性化を含みうる。

このように、前頭葉、後頭葉、頭頂葉または側頭葉脳領域に位置特異的である、深部TMSのために特別に設計されたコイルに対するニーズが存在する。コイルは、母集団の大部分に対して利用可能なTMS刺激装置を用いて所望の電界分布を脳内に誘導する必要があり、同時に、神経刺激を可能とするであろう電界強度を関連する脳組織内に誘導しなければならない。刺激強度は、被験者ごと運動閾値に基づいて各被験者それぞれについて所定通りにキャリブレーションされる。従って、コイル効率は、関連する母集団の大部分に関する運動閾値および刺激強度が、利用可能な刺激装置電力出力に対して許容範囲内にあることを保証しなければならない。

コイル設計は、エネルギー消費、コイル加熱速度、小型および操作の容易さに関して効率的でなければならない。

概要

前頭葉領域、後頭葉領域、頭頂葉領域、右側頭領域および左側頭領域に位置特異的である経頭蓋磁気刺激コイルは、実質的に円方向に電流フローを有する複数の離隔している刺激用エレメントと、実質的に同じ円方向に電流フローを有する複数のリターン・エレメントとを用いて設計される。

目的

コイルは、実質的に平行な複数の刺激用エレメントを有するベース部であって、体の部分の第1の区分の少なくとも一部を取り囲み、実質的に円形の経路に電気の流れを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

体の部分の磁気刺激のためのコイルであって、実質的に平行な複数の刺激用エレメントを含むベース部であって、体の部分の第1の区分の少なくとも一部を取り囲み、実質的に円形経路電気の流れを提供するように構成された、前記ベース部と、実質的に平行な複数のリターン・エレメントを含むリターン部であって、前記体の部分の第2の区分の少なくとも一部を取り囲み、前記第2の区分は前記第1の区分と異なるものとし、前記ベース部の前記実質的に円形の経路の延長に電気の流れを提供するように構成された、前記リターン部と、を備える、コイル。

請求項2

前記ベース部は、第1のベース部群と、ある距離により前記第1のベース部群から分離している第2のベース部群とを備える、請求項1に記載のコイル。

請求項3

前記ベース部は、前記体の部分と接触するように構成された、請求項1に記載のコイル。

請求項4

前記複数のリターン・エレメントのうちの少なくともいくつかは、前記体の部分と接触するように構成された、請求項1に記載のコイル。

請求項5

前記複数のリターン・エレメントのうちの少なくともいくつかは、前記体の部分から突出するように構成された、請求項1に記載のコイル。

請求項6

前記体の部分は頭であり、前記体の部分の前記第1の区分は、前記頭の前頭部、前記頭の頭頂部、前記頭の側頭部および前記頭の後頭部のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のコイル。

請求項7

前記体の部分は頭であり、前記体の部分の前記第2の区分は、前記頭の前頭部、前記頭の頭頂部、前記頭の側頭部および前記頭の後頭部のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のコイル。

請求項8

病気治療するための方法であって、体の部分上に円形コイルを配置するステップであって、前記円形コイルは、実質的に平行な複数の刺激用エレメントを有するベース部であって、体の部分の第1の区分の少なくとも一部を取り囲み、実質的に円形の経路に電気の流れを提供するように構成された、前記ベース部と、実質的に平行な複数のリターン・エレメントを有するリターン部であって、前記体の部分の第2の区分の少なくとも一部を取り囲み、前記第2の区分は前記第1の区分と異なるものとし、前記ベース部の前記実質的に円形の経路の延長に電気の流れを提供するように構成された、前記リターン部とを含む、ステップと、前記円形コイルを用いて前記体の部分を刺激するステップと、を備える、方法。

請求項9

前記病気の治療は、うつ病双極性障害分裂病アルツハイマー病パーキンソン病軽度認知障害(MCI:mildcognitiveimpairment)、神経変性疾患ADHD、薬物中毒喫煙中毒アルコール中毒賭博問題、摂食障害肥満症自閉症アスペルガー疾患、てんかん、または偏頭痛のうちの少なくとも1つを治療することを備える、請求項8に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、一群深部経頭蓋磁気刺激TMS:transcranial magnetic stimulation)コイルに関し、コイルの刺激部は、少なくとも部分的に円形であり、体器官の少なくとも区分を取り囲むように構成される。

背景技術

0002

経頭蓋磁気刺激(TMS)は、脳、または他のヒト器官に短い磁気パルス印加し、それによって神経構造活性化するために用いられる非侵襲性技術である。パルスは、患者の外部に配置した(例えば、脳治療のために頭皮上に配置した)電磁コイル刺激装置によって高電流を通過させることにより与えられ、その下にある組織に電流を誘導し、それによって局在性軸索脱分極を生成する。この技術は、様々な神経行動学的および神経学的障害に対する潜在的に有望な治療選択肢となるのみならず、中枢神経系研究における主要なツールとなった。

0003

大部分の既知TMSコイルは、脳皮質における表層脳領域を刺激するが、コイルからの距離の関数としての誘導電磁界減衰率が高い。従って、深い方の神経構造に作用する有効性は低い。誘導電界の強度が大幅に増加すれば、深い方の神経構造を刺激することが可能であろう。とは言え、かかる増加した強度での操作は、痙攣および組織に対する生理学的損傷のリスクを増加させかねない。

0004

表層領域の最小限の刺激を伴う深部脳TMSのための方法は、深部脳刺激を可能にし、一方では副作用を最小限に抑える、特許文献1に開示される。そこに記載されたデバイスは、ベースおよび延長部を含み、ベースは、電流フローの個々の経路のための個々の巻線を有し、延長部は、脳の他の領域の不要な刺激を最小限に抑えるように設計される。

0005

しかしながら、他の脳領域への影響を最小限にするとともに深部神経構造を含む脳の特定領域を標的とすることができる、より特別に設計されたコイルに対するニーズが存在する。刺激されることが望ましい具体的な脳領域の例は、前頭葉領域、後頭葉領域、頭頂葉領域、右側頭領域および左側頭領域である。他の例は、特定の軸状(axial)・スライス周りのような、脳の或る周縁における深い方の脳領域を含む脳領域の活性化を含みうる。

0006

このように、前頭葉、後頭葉、頭頂葉または側頭葉脳領域に位置特異的である、深部TMSのために特別に設計されたコイルに対するニーズが存在する。コイルは、母集団の大部分に対して利用可能なTMS刺激装置を用いて所望の電界分布を脳内に誘導する必要があり、同時に、神経刺激を可能とするであろう電界強度を関連する脳組織内に誘導しなければならない。刺激強度は、被験者ごと運動閾値に基づいて各被験者それぞれについて所定通りにキャリブレーションされる。従って、コイル効率は、関連する母集団の大部分に関する運動閾値および刺激強度が、利用可能な刺激装置電力出力に対して許容範囲内にあることを保証しなければならない。

0007

コイル設計は、エネルギー消費、コイル加熱速度、小型および操作の容易さに関して効率的でなければならない。

先行技術

0008

米国特許第7,407,478号

課題を解決するための手段

0009

本発明の一実施形態に従って、経頭蓋磁気刺激のためのコイルが提供される。コイルは、実質的に平行な複数の刺激用エレメントを有するベース部であって、体の部分の第1の区分の少なくとも一部を取り囲み、実質的に円形の経路に電気の流れを提供するように構成されたベース部と、実質的に平行な複数のリターン・エレメントを有するリターン部であって、第1の区分と異なる体の部分の第2の区分の少なくとも一部を取り囲み、ベース部の実質的に円形の経路の延長に電気の流れを提供するように構成されたリターン部とを含む。

0010

本発明の実施形態において、ベース部は、ヒトの頭もしくは頭部、または別の体器官に対して相補的である。ベースは、関連する体器官(例えば、ヒトの頭もしくは頭部)に追随することが可能なフレキシビリティを有する。

0011

ベースは、本明細書において「主方向(main direction)」と呼ばれる、1つ以上の共通の方向に電流を運ぶ個々の刺激用エレメントを含む。この主方向に、体器官内で主な生理学的効果(例えば、神経刺激)が誘発される。これらのエレメントは、狭いセグメント密集するのではなく、むしろ体器官の周りの様々な位置に分散される。いくつかの実施形態では、個々のエレメントがベース全体にわたって均一に分散される。他の実施形態では、いくつかまたはすべてのエレメントが群間いくらか距離をおいた2つ以上の群に分けられてもよい。隣接するエレメント間の間隔は、一様、可変的、周期的(periodic)またはその他であってもよい。いくつかまたはすべてのエレメントが群に分けられる実施形態では、隣接する群間もしくは群と隣接するエレメントとの間の間隔、および各群の幅は、ベース全体にわたって一様、可変的、周期的またはその他であってもよい。エレメントの任意の組み合わせまたは配置が本発明の範囲内に含まれ、固有の特徴は、エレメントが狭いセグメント内に密集しないことである。

0012

主方向に電流を運ぶベース中の個々のエレメントは、それらの経路のすべてまたは実質的な部分において、すべてまたは大部分が関連する体器官(例えば、ヒト頭蓋の一部)に対して接線方向にある。深い方の脳領域における活性化の有効性を最適化するためには、誘導電界の非接線成分を最小限に抑えることが望ましい。誘導電界の方位は、一般に、交流電流を運ぶエレメントの方位に平行なため、特にベースおよびその近傍では、体器官(例えば、ヒト頭蓋)に対して接線方向にないコイル・エレメントの部分を最小限に抑えることが望ましい。

0013

1つ以上の主方向と反対の方向に電流を運ぶコイル・エレメントは、ベースから離れて配置される。これらのエレメントは、本明細書では「リターン・エレメント(return elements)」と呼ばれる。いくつかの実施形態において、リターン・エレメントは、ベースに比べて、他の体器官または体器官の他の部分(例えば、他の頭部領域)に隣接して位置する。これらのリターン・エレメントは、「接触型リターン・エレメント」と称される。他の実施形態では、リターン・エレメントは、体からいくらか距離をおいて位置し、体と接触するようには構成されない。これらのリターン・エレメントは、「突出型リターン・エレメント」と称される。いくつかの実施形態において、リターン・エレメントのうちのいくつかは接触型であり、それらのうちのいくつかは突出型である。

0014

刺激用エレメントは、体器官(例えば、ヒトの頭または頭部)を取り囲む。いくつかの実施形態では、コイルは、いくらかの領域で頭または他の体器官に追随する単一のベースを含む。いくつかの実施形態では、ベースは、前頭皮層領域に隣接し、一方で他の実施形態では、ベースは、頭蓋の後頭領域、側頭領域または頭頂領域に隣接する。いくつかの実施形態では、ベースは、複数の部分を含み、各部分は、体器官、例えば頭、の異なる領域に追随する。隣接するエレメント間の間隔は、1つのベース部内と別のベース部内では異なってもよい。

0015

リターン・エレメントは、ベースから、またはベースの特定の部分から離れて位置する。いくつかの実施形態では、リターン・エレメントは、ベース・エレメントの延長として、それと同様の面内で体の部分(例えば、頭)を囲む。例えば、いくつかの実施形態では、ベース・エレメントが前頭領域に隣接してもよく、リターン・エレメントが後頭領域に隣接してもよい。刺激用エレメントをリターン・エレメントに接続する接続用エレメントは、例えば、右および左半球上の側頭葉に沿って延びてもよい。いくつかの実施形態では、リターン・エレメントは、刺激用エレメントと異なる面内を延びてもよい。例えば、ベースの刺激用エレメントは、後頭領域に隣接してもよく、一方でリターン・エレメントは、頭頂領域に沿って延びてもよい。いくつかの実施形態では、リターン・エレメントは、刺激用エレメントから離れた頭部領域と接触する。いくつかの実施形態では、すべての刺激用エレメントおよび/またはすべてのリターン・エレメントが接触型エレメントであり、一方でエレメント間の間隔およびエレメントの密度は、異なる領域で変化してもよい。いくつかの実施形態では、リターン・エレメントは、突出型エレメントである。さらに他の実施形態では、リターン・エレメントのうちのいくつかは接触型であり、いくつかは突出型である。同様に、接続用エレメントは、接触型、突出型、または部分的に接触型かつ部分的に突出型であってもよい。

0016

ベースの定義は、電流を運ぶコイルの機能エレメントに関する。しかし、デバイスの他のエレメント、例えば、機械部品ケースおよびカバーに関しては何も制限がない。従って、ベースのいくらかのエレメントは、追加のコイル・エレメント、例えば、リターン・エレメントおよび他のエレメントが入ったケースに入れられてもよい。

0017

コイルは、所望の電界分布を脳内に誘導する必要があり、同時に、神経刺激を誘発するのに十分に高い電界強度を関連する脳組織内に誘導しなければならない。

0018

コイルのいくつかの特徴は、上記の目標を達成するために重要である。これらは、以下を含む。

0019

1.ベース部エレメントの配置。この配置をコイル設計ごとおよび具体的な目標ごとに最適化しなければならない。2つの競合する究極目標の間に相互作用が生じうる:一方では、より良好な深さ侵入プロファイル、すなわち、表層領域と比較して深い方の標的脳領域におけるより高い相対電界、他方では標的脳領域におけるより高い絶対電界強度。非限定の例として、ベース部がエレメントの2つの群を含み、それらの間にいくらかの距離dがあると想定する。dが増加すると深さ侵入プロファイルは改善するであろうが、標的脳領域における絶対電界強度が減少しかねない。この強度は、市販の刺激装置を用いて母集団の大多数標的神経構造に所望の生理学的効果を誘発させることが可能でなければならない。従って、他の構成パラメータのみならず、距離dをコイル設計ごとに最適化しなければならない。

0020

2.ベース部に対するリターン部の位置。これらの部分間の距離を設計ごとに最適化しなければならない。短過ぎる距離は、リターン・エレメントの影響に起因して、標的脳領域における全誘導電界の減少をもたらすことになろう。長過ぎる距離は、長い接続用コイル・エレメントが必要になり、それらの影響を考慮しなければならない。そのうえ、容易な位置、ナビゲーションおよび頭を覆う配置に関してコイル・サイズを最適化しなければならない。

0021

3.脳に対するリターン部の位置。リターン・エレメントは、近い方の脳領域に影響を及ぼす。リターン部の位置は、任意の脳構造に対するそれらの影響を考慮しなければならず、設計は、最小限の望ましくない副作用、例えば、運動活性化または痛みをもたらすものでなければならない。

0022

4.リターン・エレメントのタイプ。リターン・エレメントは、先に定義した接触型または突出型のいずれかでありうる。接触型および突出型リターン・エレメントの間の比率は、様々な態様において非常に重要であり、具体的なコイル設計ごとに最適化しなければならない。一般に、突出型エレメントは、脳表面上に静電荷蓄積を誘導する。これは、標的脳領域に誘導される絶対電界の減少をもたらし、表層領域と比較して深い方の脳領域における相対電界強度の減少ももたらす。他方、接触型エレメントは、隣接する脳領域における影響を増加させうる。従って、それぞれの場合に精緻な最適化を行わなければならない。

0023

5.突出型リターン・エレメントを含むコイルにおける、突出型リターン・エレメントの頭からの距離。より長い距離は、脳に対するリターン・エレメントの直接的な影響を減少させるが、リターン・エレメントに接続してそれらを頭から遠ざける、より長い非接線方向のコイル・エレメントの存在に起因して電荷蓄積を増加させる。この影響を考慮するために、それぞれの場合に精緻な最適化を行わなければならない。

0024

6.総合的なコイル・インダクタンスコイル巻線の数、長さ、構成およびパッキングパラメータを所望の範囲のコイル・インダクタンスをもたらすように計画しなければならない。通常、TMSコイル・インダクタンスに関する所望の範囲は、15および30マイクロヘンリの間にある。高過ぎるインダクタンスは、コイルの有効性を減少させ、パルス幅を増加させかねず、しばしばコイル抵抗、エネルギー消費およびコイル加熱の増加と関連付けられる。小さ過ぎるインダクタンスは、刺激装置部品を損傷しかねない速い変化率の電流をもたらすことがある。

0025

別に定義されない限り、本明細書に用いられるすべての技術および科学用語は、本発明が属する分野における当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実施または試験には本明細書に記載されるのと同様または等価な方法および材料を用いることができるが、適切な方法および材料は、以下に記載される。競合の場合には、定義を含めて、本特許明細書を優先することになろう。加えて、材料、方法、および例は、例示的であるに過ぎず、限定を意図するものではない。

0026

本発明の上記およびさらなる利点は、以下の記載を添付図面と併せて参照することによりさらによく理解できる。

図面の簡単な説明

0027

本発明の実施形態による、円形コイルに関する刺激の原理を示す略図である。
本発明の実施形態による、図1の円形コイルのベース部の略図である。
本発明の実施形態による、図1の円形コイルのベース部の略図である。
本発明の実施形態による、図1の円形コイルのベース部の略図である。
ベースおよびリターン部が本発明の実施形態による様々な構成を有する、図1の円形コイルのベース部およびリターン部の略図である。
ベースおよびリターン部が本発明の実施形態による様々な構成を有する、図1の円形コイルのベース部およびリターン部の略図である。
本発明の実施形態による、図1の円形コイルのリターン部の図である。
頭の解剖学的区分の図である。
本発明の実施形態による、図1の円形コイルの例であるコイルの斜視図である。
本発明の実施形態による、図1の円形コイルの例であるコイルの斜視図である。
本発明の実施形態による、図1の円形コイルの例であるコイルの斜視図である。
ヒト頭部ファントムモデルで測定した図6のコイルの電界分布マップの図である。
ヒト頭部ファントムモデルで測定した図7のコイルの電界分布マップの図である。
ヒト頭部ファントムモデルで測定した図8のコイルの電界分布マップの図である。

0028

当然のことながら、説明の簡潔さおよび明確さのために、図面に示されるエレメントは、必ずしも正確に、または縮尺通りには描かれていない。例えば、いくつかのエレメントの寸法が明確さのために他のエレメントに比べて誇張されることもあり、いくつかの物理的構成要素が1つの機能ブロックまたはエレメントに含められることもある。さらにまた、適切と思われるところでは、対応または類似するエレメントを示すために複数の図面のうちで参照数字が繰り返されることもある。そのうえ、図面に示されるブロックのうちのいくつかが単一の機能に組み合わされることもある。

0029

以下の詳細な記載には、本発明の十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細が提示される。本発明がこれらの具体的な詳細なしに実行できることを当業者は理解するであろう。他の事例では、本発明を曖昧にしないために、よく知られた方法、手順、構成要素および構造が詳細に記載されなかったこともある。

0030

本発明は、深部TMSのための円形コイルおよびその使用方法を対象とする。本発明によるシステムおよび方法の原理ならびに操作は、図面および付随する記載を参照するとさらによく理解できる。

0031

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の記載に提示されるか、または図面に示される構造の詳細および構成要素の配置にはその適用が限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態あるいは様々な方法での実行または実施が可能である。また、本明細書に使用される表現および用語は、説明のためであり、限定的であると見做してはならないことを理解すべきである。

0032

次に、本発明の実施形態による、円形コイルに関する刺激の原理を示す略図である図1を参照する。図1に示される実施形態において、円形コイルの略図は、本発明の実施形態による円形のコイルのエレメントを示すが、これらのエレメントの実際の外観を示すわけではない。図1に示されるように、円形コイル10は、ベース部12およびリターン部32を含む。「円形コイル」は、ベース部12が体の部分の少なくとも一部を取り囲み、リターン部32が体の部分の少なくとも一部を取り囲むコイルとして定義される。ベース部12およびリターン部32は、形状が半円形であるとして図1に概略的に示される。しかしながら、例えば図2Bを参照して、以下にさらに記載されるように、他の形状が可能であり、それらの形状も本発明の実施形態に従って体の部分を取り囲むように構成できることがすぐにわかるはずである。ベース部12は、電気の流れの方向を示すための矢印とともに図1に示される複数の刺激用エレメント20を含む。複数の刺激用エレメント20は、第1の刺激用エレメント21、第2の刺激用エレメント22、第3の刺激用エレメント23、第4の刺激用エレメント24および第5の刺激用エレメント25とラベル付けされた個々の刺激用エレメントとして示される。図1には5つの個々の刺激用エレメントが概略的に示されるが、円形コイル10は、任意の適切な数の刺激用エレメントを含んでもよく、本明細書に示される量には限定されないことがすぐにわかるはずである。複数の刺激用エレメント20は、実質的に互いに平行であり、距離により互いに離隔しており、第1および第2の刺激用エレメント21および22は、第1の刺激用距離D1により分離し、第2および第3の刺激用エレメント22および23は、第2の刺激用距離D2により分離し、第3および第4の刺激用エレメント23および24は、第3の刺激用距離D3により分離し、第4および第5の刺激用エレメント24および25は、第4の刺激用距離D4により分離しているなどである。刺激用距離D1、D2、D3などは、互いに等しくてもよく、もしくはランダムまたは周期的に変化してもよい。それぞれの刺激用エレメント20の電気刺激の方向は、実質的に同じであり、少なくとも部分的に円形である。すなわち、電流は、複数の刺激用エレメントのそれぞれを通って曲線状または円形の経路を流れ、複数の刺激用エレメント20は、刺激用エレメント21〜25ごとに電流が同じ曲線状または円形の経路を流れるが、距離D1〜D4によって分離するように互いに入れ子になっている。

0033

リターン部32は、複数のリターン・エレメント40を含む。リターン・エレメント40は、電気の流れの方向を示すための矢印とともに図1に示される。複数のリターン・エレメント40は、第1の刺激用エレメント21に対応する第1のリターン・エレメント41、第2の刺激用エレメント22に対応する第2のリターン・エレメント42、第3の刺激用エレメント23に対応する第3のリターン・エレメント43、第4の刺激用エレメント24に対応する第4のリターン・エレメント44、および第5の刺激用エレメント25に対応する第5のリターン・エレメント45とラベル付けされた個々のリターン・エレメントとして示される。図1には5つの個々のリターン・エレメントが概略的に示されるが、円形コイル10は、任意の適切な数のリターン・エレメントを含んでもよく、本明細書に示される量には限定されないことがすぐにわかるはずである。一般に、リターン・エレメント40の数は、刺激用エレメント20の数に対応する。複数のリターン・エレメント40は、実質的に互いに平行であり、距離により互いに離隔しており、第1および第2のリターン・エレメント41および42は、第1のリターン距離D10により分離し、第2および第3のリターン・エレメント42および43は、第2のリターン距離D11により分離し、第3および第4の刺激用エレメント43および44は、第3のリターン距離D12により分離し、第4および第5のリターン・エレメント44および45は、第4のリターン距離D13により分離しているなどである。刺激距離(stimulating distance)D10、D11、D12などは、互いに等しくてもよく、もしくはランダムまたは周期的に変化してもよい。リターン・エレメント40のための電気の流れの方向は、刺激用エレメント20のための電気の流れの円形経路の延長であることが図1からすぐにわかるはずである。従って、刺激用エレメント20のための電気の流れが時計回り方向であれば、リターン・エレメント40のための電気の流れも時計回り方向である。刺激用エレメント20のための電気の流れが反時計回り方向であれば、リターン・エレメント40のための電気の流れも反時計回り方向である。いくつかの実施形態において、刺激用エレメント20は、接続用エレメント52経由でリターン・エレメント40に電気的に接続する。図1に示されるように、接続用エレメント52は、刺激用エレメント20およびリターン・エレメント40と同じ時計回りまたは反時計回り方向に電気の流れを運ぶ。

0034

次に、本発明の実施形態による、ベース部12の略図である図2Aおよび2Bを参照する。一実施形態において、図2Aに概略的に示されるように、ベース部12は、第1のベース部群14および第2のベース部群16を含む。第1のベース部群14は、第1のベース部群距離D20により第2のベース部群16から分離していてもよい。いくつかの実施形態では、追加のベース部群も含まれて、追加のベース部群距離により互いに分離していてもよい。各ベース部群は、位置、間隔およびリターン・エレメントへの接続を含むいくつかの判定基準のうちの1つにより群として定義される。例えば、第1のベース部群14は、等しい距離D1およびD2によりそれぞれが分離している複数の刺激用エレメントを含みうるのに対して、第2のベース部群16は、等しい距離D3およびD4により互いに分離している複数の刺激用エレメントを含みうる。ここでD1およびD2は、D3およびD4とは異なる。別の実施形態では、第1のベース部群14は、頭の一部分上に置かれるように構成されてもよく、一方で第2のベース部群16は、頭の別の部分上に置かれるように構成されてもよい。さらに別の実施形態では、第1のベース部群14は、頭と接触しているリターン・エレメントに接続してもよく、第2のベース部群16は、頭から突出しているリターン・エレメントに接続してもよい。第1のベース部群14における電流フローの方向は、第2のベース部群16における電流フローの方向と実質的に同じであることがすぐにわかるはずである。

0035

次に、本発明の追加の実施形態による、ベース部12の図である図2Bおよび2Cを参照する。本明細書に示される実施形態において、ベース部12は、変更された曲線状経路を辿る複数の刺激用エレメント20を含む。例えば、図2Bに示されるように、複数の刺激用エレメント20のそれぞれは、実質的に半円形の経路の2つの端部に段を形成して構成される。別の例として、図2Cに示されるように、複数の刺激用エレメント20のそれぞれは、部分的に外向きの曲線および部分的に直線を形成して構成される。多くの他の構成が可能である。すべての実施形態において、複数の刺激用エレメントは、体の部分、例えば頭の形状に追随して、体の部分の少なくとも一部を取り囲むように構成される。

0036

リターン部32は、ベース部12と同様のパターンに従ってもよく、または異なる構成を有してもよい。例えば、図3Aに示されるように、ベース部12は、段構成を含んでもよく、一方でリターン部32は、半円形であってもよい。別の例として、図3Bに示されるように、ベース部12は、第1の構成を有する第1のベース部群14および第2の構成を有する第2のベース部群16を含んでもよく、一方でリターン部32は、リターン・エレメント40(return elements 20)のすべてに関して単一の構成を有する。代わりに、リターン部32が複数のリターン部群を含んでもよい。

0037

次に、本発明の実施形態による、リターン部32の図である図4を参照する。図4に示されるのは、頭の脇に置かれるように構成されたリターン部32があるが、リターン部32の同様の構成は、他の領域、例えば、頭の後部に用いられてもよいことがすぐに分かるはずである。リターン・エレメント40は、2つの異なる高さで示され、リターン・エレメント40のうちのいくつかは、体の部分と接触するように構成されて、(図示されない)ベース部12と同一面上にある。これらのリターン・エレメント40は、接触型リターン・エレメント54と呼ばれる。リターン・エレメント40のうちのいくつかは、ベース部12の面から突出しているように構成され、突出型リターン・エレメント56と呼ばれる。突出型リターン・エレメント56が円形コイル10から突出するように構成されて、ベース部12が接触するように構成された体の部分とそれらが接触しないように構成される限り、突出型リターン・エレメント56(Protruding return elements 52)は、ベース部12からある垂直距離またはある水平距離にありうる。従って、接続用エレメント52は、水平接続用エレメント51であってもよく、もしくは垂直接続用エレメント53であってもよく、またはリターン部32をベース部12に接続するために必要とされるような追加の構成を有してもよい。

0038

いくつかの実施形態では、複数のリターン・エレメント40のうちのいくつかは接触型リターン・エレメント54であり、複数のリターン・エレメント40のうちのいくつかは突出型リターン・エレメント56である。いくつかの実施形態では、複数のリターン・エレメント40のすべてが接触型リターン・エレメント54である。いくつかの実施形態では、複数のリターン・エレメント40のすべてが突出型リターン・エレメント56である。突出型および/または接触型リターン・エレメントの任意の組み合わせが可能であり、本発明の範囲内に含まれる。

0039

次に、頭100の解剖学的区分の図である図5を参照する。本発明を説明するために、頭100は、4つの区分、すなわち、頭100の前部における前頭部102、前頭部102の後ろの頭100の頂部における頭頂部104、頭100の脇の側頭部106、および頭100の後部における後頭部108を有する。円形コイル10は、刺激用エレメント20をもつベース部12が頭100の第1の区分上に設置できて少なくとも部分的にそれを取り囲み、リターン・エレメント40をもつリターン部32が第1の区分と異なる頭100の第2の区分上に設置できて少なくとも部分的にそれを取り囲むように構成される。従って、例えば、ベース部12が前頭部102上に、リターン部32が頭頂部104上に置かれてもよい。代わりに、ベース部12が頭頂部104上に、リターン部が後頭部108上に置かれてもよい。他の例では、ベース部12が前頭部102上に、リターン部32が後頭部108上に置かれてもよい。このような方法で、ベース部12は、頭の或る区分を刺激し、一方でリターン部は、脳の刺激される区分から離れた区分においてリターン電流を戻す。いくつかの実施形態では、ベース部12もリターン部32も頭に隣接し、いくつかの実施形態では、ベース部12は頭に隣接し、一方でリターン部32は頭から離れている。いくつかの実施形態では、接続用エレメント52は頭に隣接し、他の実施形態では、接続用エレメント52は頭から離れている。

0040

次に、本発明の実施形態による、円形コイル10の例である、コイル110の斜視図である図6を参照する。コイル110は、複数の刺激用エレメント20の第1のベース部群14、複数の刺激用エレメント20の第2のベース部群16、および複数の刺激用エレメント20の第3のベース部群18を有するベース部12を含む。コイル110は、複数の刺激用エレメント20に対応するリターン・エレメント40を含んだリターン部32をさらに含む。従って、リターン部32は、第1のベース部群14に対応する第1のリターン部群34、第2のベース部群16に対応する第2のリターン部群36、および第3のベース部群18に対応する第3のリターン部群38も含む。本明細書に示される実施形態において、ベース部12は、頭100の前頭部102上に置かれるように構成され、リターン部32は、頭100の後頭部108上に置かれるように構成される。第1のベース部群14は、ベース部12の頂部に置かれ、第1のベース部群14(first base portion group 34)に対応する第1のリターン部群34は、突出型リターン・エレメント56からなる。第2のベース部群16は、第1のベース部群14の下方に置かれ、第2のベース部群16の複数の刺激用エレメント20の間の距離は、第1の群14の複数の刺激用エレメント20の間の距離より大きい。第2のベース部群16(first base portion group 16)に対応する第2のリターン部群36は、頭100の後頭部108と接触して少なくとも部分的にそれを取り囲むように構成された接触型リターン・エレメント54からなる。第3のベース部群18は、第1および第2のベース部群14および16の下方に置かれ、第1および第2のベース部群14および16の複数の刺激用エレメント20と異なる形状を有する複数の刺激用エレメント20を含む。第3のベース部群18に対応する第3のリターン部群38は、接触型リターン・エレメント54からなり、第2のリターン部群36の上方に置かれる。第3のリターン部群38も頭100の後頭部108上に置かれるように構成される。接続用エレメント52は、垂直接続用エレメント53および水平接続用エレメント51を含み、水平接続用エレメント51は、ベース部12から突出している。

0041

コイル110は、外側および内側前頭前および眼窩前頭脳領域を左右対称に刺激するために用いられ、例えば、アルツハイマー病の治療に有用でありうる。

0042

次に、本発明の実施形態による、円形コイル10の例である、コイル210の斜視図である図7を参照する。コイル210は、コイル110と同様の構造である。しかしながら、コイル210の第3のベース部群18は、コイル110の第3のベース部群18と異なる構成を有する。コイル210の第3のベース部群18(Third base portion 18)は、図2Bに示されるような段構成を有する。

0043

コイル210は、外側および内側前頭前および眼窩前頭脳領域を左右対称に刺激するために用いられ、例えば、アルツハイマー病の治療に有用でありうる。

0044

次に、本発明の実施形態による、円形コイル10の例である、コイル310の斜視図である図8を参照する。

0045

コイル310は、複数の刺激用エレメント20の第1のベース部群14および複数の刺激用エレメント20の第2のベース部群16を有するベース部12を含む。コイル310は、複数の刺激用エレメント20に対応するリターン・エレメント40を含んだリターン部32をさらに含む。本明細書に示される実施形態において、ベース部12は、頭100の後頭部108上に置かれるように構成され、リターン部32は、頭100の頭頂部104の頂部上に置かれるように構成される。代わりに、ベース部12が頭100の頭頂部104上に置かれてもよく、リターン部が頭100の後頭部108上に置かれてもよい。第1のベース部群14は、ベース部12の低い方の部分に置かれ、第2のベース部群16は、第1のベース部群14より高く置かれて、距離D20により第1のベース部群14から分離している。リターン部32のリターン・エレメント40は、頭の部分と接触して少なくとも部分的にそれを取り囲むように構成された接触型リターン・エレメント54である。接続用エレメント52も頭と接触するように構成される。

0046

コイル310は、後頭脳領域および小脳における領域を刺激するために用いられ、例えば、パーキンソン病または偏頭痛の治療に有用でありうる。

0047

図6のコイル110によって生成した電界分布をヒト頭部ファントムモデルで測定した。1mmの分解能をもつ変位システムを用い、プローブファントムモデルの内部で3方向に移動させて、全頭部モデル体積におけるコイル110の電界分布を1cmの解像度で測定した。軸状(Axial)および状(coronal)電界マップを生成した。各解剖学的脳領域における誘導電界を示すために、電界マップを解剖学的T1強調MRI冠状スライスに重ね合わせた。

0048

次に、ヒト頭部ファントムモデルで測定したコイル110の電界分布マップの図である図9を参照する。電界マップを閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。暗画素は、神経活性化のための閾値を超えた電界の大きさを示す。閾値は、手の運動の活性化に必要な閾値の許容範囲内である100V/mにセットした。電界の分布を表すマップをコイル110について描くために用いた刺激装置電力出力の強度は、手の運動皮質部位のおよその深さに従い、1.5cmの深さにおいて、神経運動閾値の120%を得るために必要なレベルにセットした。コイル110のベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界(supra−threshold field)が外側前頭前、内側前頭前および眼窩前頭領域に、ならびに頭頂領域に両側性に誘導されることがわかる。コイル110は、アルツハイマー病に苦しむ被験者を治療する安全性および有効性を研究する臨床試験に用いられている。被験者は、4週にわたる週3回の治療と追加の4週にわたる週1回の治療とを受ける。評価は、1〜8週に行い、さらに16週後、すなわち、治療完了の8週後にも行う。38人の患者の解析は、このコイルを用いて10Hz周波数で治療した群では、8週の治療期間の終了時に0.9ポイントの改善があり、16週のフォローアップでは2.2ポイントの追加の改善(3.1ポイントの総合的な改善)があったことを明らかにした。シャム群は、8週では何も変化を示さず、16週のフォローアップでは1.1ポイントの悪化(総合的に1.1ポイントの悪化)を示した。刺激群において8ポイント超改善した患者(レスポンダー)のパーセンテージは、シャム群における7%と対照的に18%であった。個々の患者のデータの解析から、ベースラインで重い方の認知機能障害をもつ被験者は、ベースラインで重くない方の認知機能障害をもつ被験者に比べて、積極的治療からより多くの改善を得たものと思われる。コンピュータ化したMindstream(登録商標グローバル認知スコアでは、8および16週時点において、治療を受けた群の改善には、シャ対照群で測定した変化に比べて有意な(p<0.05)差が観察された。

0049

次に、図7のコイル210の電界分布マップの図である図10を参照する。コイル210によって生成した電界分布を図9に関する同じ方法を用いて測定した。電界マップを運動閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を前頭前皮質を覆って配置したときに、閾上電界が外側前頭前、内側前頭前および眼窩前頭領域に、および頭頂領域の両側に誘導されることがわかる。

0050

次に、図8のコイル310の電界分布マップの図である図11を参照する。コイル310によって生成した電界分布を図9に関する同じ方法を用いて測定した。電界マップを運動閾値の120%にセットした刺激装置出力に対して示す。コイルのベース部を後頭皮質を覆って配置したときに、閾上電界が後頭および小脳領域に、および頭頂領域の両側に誘導されることがわかる。

0051

当然のことながら、明確さのために、別々の実施形態の文脈で記載された本発明のいくらかの特徴は、また、単一の実施形態における組み合わせで提供されてもよい。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で記載された本発明の様々な特徴は、別々に、また、任意の適切な部分的組合せで提供されてもよい。

実施例

0052

本発明のいくらかの特徴が本明細書に図示され、記載されたが、多くの修正置換、変更、および均等物を当業者は想起するであろう。それゆえに、添付される特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨に含まれるすべてのかかる修正および変更に及ぶことが理解されるべきである。

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