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技術 リセット式半受動剛性ダンパ及びその使用方法

出願人 オハイオユニバーシティ
発明者 ウォルシュ,ケネス・ケイ.
出願日 2013年12月13日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2015-548004
公開日 2016年2月25日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2016-505738
状態 特許登録済
技術分野 防振装置 異常な外部の影響に耐えるための建築物 流体減衰装置
主要キーワード 延長レバー ラック要素 構造応答 収容シリンダ 変位式 レバー要素 機構構成要素 フィードバック構成要素
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

運動減衰させるのに使用されるリセット式半受動剛性ダンパ(RSPSD)である。その様なRSPSDの実施形態は、例えば、溝付ラックへ接続されているピストン式シリンダと、ラックとラックより上方のスロット付チャネルの間に配設されているばね仕掛けレバーと、を含んでいる。レバーの一端は、他端がラックと一体に動いてゆく際に、チャネル内部で枢動式に且つ垂直方向に動けるようになっている。センサが提供されていてシリンダ側の迂回弁通信している。ラックの運動方向の変化が強制的にレバーをスロット付チャネルの更に中へと進ませ、最終的にセンサをトリガさせ、するとセンサが迂回弁を開くように信号を送信する。ラックが動き続けてゆくと、レバーは最終的に方向を逆転させ、戻しばねによって強制的にスロット付チャネルへ下げ戻される。センサの感知範囲から離れ次第、弁は閉じるように信号連絡される。

概要

背景

[0002]様々な設計及びサイズの剛性ダンパが知られている。本発明に関連する剛性ダンパは、概して、運動減衰させるべく設計され使用される。1つのその様な運動型式は地震時における構造物の運動である。

[0003]歴史を通して、地震は社会壊滅打撃を与え、往々にして甚大な経済的損失及び人命損失をもたらすこともあった。CATDAT被害地震データベースによれば、地震は5,000億ドルを超える世界経済損失並びに推定20,000人の死亡者数を生じさせている。米連邦緊急事態管理局(FEMA)は、米国にとって地震の最小平均費用は年当たり50億ドルであると推定している。但し、たった1回の大地震が平均年推定額をはるかに超える費用を生じさせることもある。例えば、1994年カリフォルニア州ノースリッジ地震は単独で260億ドルもの多額な費用を生じさせており、カリフォルニア州部のサンアドレア断層に沿った別の大地震なら1,800人の死亡者数と2,000億ドルより多い損失をもたらし得ると予測される。

[0004]地震によって生じる損失を低減する1つの方策は、公共インフラ脆弱性を最小限にすることである。これは、インフラの補強及び/又は構造制御の実施を通じて実現させることができる。

[0005]構造制御がここでの関心事である。構造制御は、ハードウェア要件に依存して、能動、受動、半能動に大別される。各部類で多大な量の研究が行われており、構造制御装置の広範に及ぶ応用が実現されてきた。3つの制御型式のうち、半能動制御が、その適応性、最小所要パワー、及び固有安定性により、最近注目を集めることが増えてきた。結果として、幾つかの新しい画期的な半能動制御装置出現した。これらのうちの1つであるリセット式半能動剛性ダンパ(RSASD:resetting semi-active stiffness damper)は、断層近傍地震動(near-field ground motion)存在下の構造物の応答低減化に有効であることが証明されている。このことは特に、この種の地震動が高ピーク加速度及び長周期高速パルスを特徴とし公共インフラへの破壊及び深刻な被害関与するものであることから重要である。

[0006]RSASDは、全体として、ピストンと、圧縮空気又は液圧流体充填された複動シリンダと、弁を有する迂回ループと、から成る(図1a参照)。シリンダは、ピストンヘッドによって2つの室へ分けられ、室同士は迂回ループによって接続されている。迂回弁が閉じられると、シリンダ内流体はピストンの作用により圧縮される。弁が開かれると、圧縮の結果として流体に蓄えられたエネルギーが熱に変わり放散される。故に、RSASDが図1bに示されている様に構造物に設置されている場合、RSASDは弁が閉じられているときには構造物へ剛性を追加し弁が開かれているときには構造物から剛性を除去する。

[0007]RSASDの構造物に対して剛性を追加及び除去する能力は、機械的エネルギー蓄積し次いで放散する能力に相関する。故に、RSASDは、弁を適切な時点に開閉することによって、機械的エネルギーを構造物から抜き出すことができる。この基本的コンセプトから、リセットモードコンセプトが、RSASDによって所与動作サイクル中に放散される機械的エネルギーの量を最大化するという目的を持って出現した。リセットモードでは、弁は流動速度がゼロに等しくなるまでは閉じられたままであり、ゼロに等しくなった時点で弁はパルス開閉され、装置の剛性を有効にリセットする。結果として、RSASDは、それが接続されている構造物からの機械的エネルギーを常に蓄え、最大エネルギー蓄積量に達したときに限ってエネルギーを放散させる。

[0008]上述のリセットモードコンセプトの実施には、ピストン位置確定するためのエンコーダ類、ピストン運動の方向の変化を検知するためのマイクロコントローラ流体流量を調整するための電気サーボ弁、及びこれら構成要素を動作させるための小型電源、の様なフィードバック構成要素の使用が必要になる。このリセットモードコンセプトの1つの利点は、それが各RSASDピストン位置についての局所情報に基づいて実施でき、他の場所の構造応答の知識を要しない(即ち、分散制御論理である)ということだ。

[0009]別の利点は、制御論理が応答依存性であり、故に、不正確に推定されたり経時的に変化したりすることもあり得る構造特性についての精密情報に頼る必要がないということだ。RSASDの更に別の利点は、それによって構造物へ送達される制御力変位依存性質である。このことは特に、高速パルスを特徴とする断層近傍地震動に曝される構造物にとっては重要であり、その場合、速度依存性装置からの力が制御装置容量を超過することも往々にしてあるということで、装置のための過度に大きな筋交いステムが必要になり、構造物の応答に悪影響が出ないともかぎらないわけである。RSASDの様な変位依存制御装置はこれらの影響を受けず、故に、断層近傍地震動に曝される構造物の応答を制御するのにうってつけである。

[0010]上述の利点に加え、RSASDを使用した構造制御システムは、単純で、信頼性高く、また他の半能動制御システムに対比して相対的に安価である。これは、装置の造りが、開発が尽くされ容易に入手可能となっている既存の空気圧式又は液圧式ダンパ技術への軽微な外的修正に基づいたものであることに因る。

[0011]半能動制御技術に典型的なこととして、RSASDもまたその作動に付きまとう幾つかの複雑性を抱えている。第1に、RSASDの制御規則は、関連付けられる構造物が最大変位又はゼロ速度に達したときに当該構造物から剛性が除去されることを要件としている。これは、センサ、マイクロコントローラ、及び弁を制御するための小型アクチュエータから成るフィードバック制御システムを通じて実現される。結果として、フィードバック制御システムはフィードバック規則に対比して不均衡に複雑化する。

[0012]また、フィードバック制御システムは、ピストンがその最大変位に達したとき、即ちピストン速度の符号(sign)に変化があったときに、弁をパルス開閉させるように設計されている。但し、これは、センサ信号の何らかのノイズ干渉)又は何らかの高周波振幅構造振動が弁をトリガし、それにより装置を誤った時期にリセットさせてしまうこともあり得ることを意味する。これを防ぐためには、デッドバンド及び位置信号への閾値を使用せざるを得ない。閾値は、確実に既定の最小ピストン変位が起こったうえで始めて装置がリセットされるようにするために使用される。デッドバンドは、位置信号のピストン最大位置と一致していない局所ピークに基づいた装置のリセットを排除する。

[0013]閾値の成果として、リセットはピストンが或る最小距離を動いた後にしか起こらない。デッドバンドの成果として、弁はピストンの実最大変位が起こった後ほどなくしてトリガされる。

[0014]以上の解説から、RSASDは構造制御のために使用されるにあたって利点を有してはいるものの、なお同様の成果を提供するより単純な装置に対する必要性が存在することが理解されよう。本発明の実施形態はこの必要性を満たす。

概要

運動を減衰させるのに使用されるリセット式半受動剛性ダンパ(RSPSD)である。その様なRSPSDの実施形態は、例えば、溝付ラックへ接続されているピストン式シリンダと、ラックとラックより上方のスロット付チャネルの間に配設されているばね仕掛けレバーと、を含んでいる。レバーの一端は、他端がラックと一体に動いてゆく際に、チャネル内部で枢動式に且つ垂直方向に動けるようになっている。センサが提供されていてシリンダ側の迂回弁と通信している。ラックの運動方向の変化が強制的にレバーをスロット付チャネルの更に中へと進ませ、最終的にセンサをトリガさせ、するとセンサが迂回弁を開くように信号を送信する。ラックが動き続けてゆくと、レバーは最終的に方向を逆転させ、戻しばねによって強制的にスロット付チャネルへ下げ戻される。センサの感知範囲から離れ次第、弁は閉じるように信号連絡される。a

目的

[0004]地震によって生じる損失を低減する1つの方策は、公共インフラの脆弱性を最小限にすることである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

リセット式半受動剛性ダンパ(RSPSD:resetting semi-passive stiffness damper)において、シリンダ内部に配置されている往復動式ピストンと、前記ピストンへ一端を連結されている直線変位溝付ラックと、減衰させるべき構造物と前記溝付ラックの他端の間に連結されているアクチュエータと、トリガ組立体であって、前記溝付ラックと当該溝付ラックより上方のスロット付チャネルの間に配設されていて、その第1端を前記溝付ラックと接触させ、その第2端を前記チャネル内に可動式常在させている変位式ばね仕掛けレバーと、前記チャネルと関連付けられていて、前記レバーの一部分がその感知距離内に在るときにはいつでも当該レバーを検知するように配置されているセンサと、を備えるトリガ組立体と、前記シリンダと関連付けられていて、前記トリガ組立体の前記センサからの開放信号及び閉鎖信号を受信するように当該センサと通信している迂回弁と、を備えているRSPSD。

請求項2

前記チャネル内の前記レバーの垂直方向移動は、式、即ち、によって、前記ラックの移動距離関係付けられ、ここに、Lは前記バーの長さ、x0は前記スロット付チャネルと前記レバーの前記ラックとの接触点の間の距離、x(t)は前記ラック及び前記レバー端の運動の距離、dは前記スロット付チャネル内部の前記レバーの合計垂直方向移動距離であり、y(t)は0<x(t)<2(x0)について有効である、請求項1に記載のRSPSD。

請求項3

前記迂回弁は、前記レバーの位置が式y(t)<sを満たしている間は閉じられ、ここに、sは前記レバーが前記チャネル内部で前記センサの前記感知範囲内に入るのに移動しなくてはならない垂直方向距離である、請求項2に記載のRSPSD。

請求項4

前記レバーがs≦y(t)<dとなる位置に達したとき、前記迂回弁は開くように仕向けられ、前記RSPSD内の圧力は平衡し、前記ダンパ力はゼロに落ちてゆき、前記迂回弁は、前記レバーが前記式y(t)<sを満たす位置へ動くまで開いたままとなる、請求項2に記載のRSPSD。

請求項5

圧力平衡は、0<x(t)<2(x0)且つs≦y(t)<dの間に起こることになる、請求項4に記載のRSPSD。

請求項6

リセット式半受動剛性ダンパ(RSPSD)において、シリンダ内部に配置されている往復動式ピストンと、前記ピストンの直線運動によって直接又は間接に回転できる回転式ディスクであって、円周フランジを延ばしている回転式ディスクと、減衰させるべき構造物と前記ピストンの間に連結されているアクチュエータと、前記ディスクの回転が自身の回転を生じさせないようにして当該ディスクへ取り付けられているトリガ組立体であって、前記ディスクの前記円周フランジとスロット付チャネルの間に配設されていて、その第1端を前記ディスクの前記円周フランジと接触させ、その第2端を前記チャネル内に可動式に常在させている変位式ばね仕掛けレバーと、前記チャネルと関連付けられていて、前記レバーの一部分がその感知距離内に在るときにはいつでも当該レバーを検知するように配置されているセンサと、を備えるトリガ組立体と、前記シリンダと関連付けられていて、前記トリガ組立体の前記センサからの開放信号及び閉鎖信号を受信するように当該センサと通信している迂回弁と、を備えており、前記ピストンの往復動が前記ディスクの前後転を生じさせ、前記ディスクの前記回転が、前記レバーの前記第1端に前記ディスクの前記円周フランジと一体に動くように仕向け、且つ前記レバーの第2端に前記スロットチャネル内部で往復動するように仕向けることになる、RSPSD。

請求項7

前記チャネル内部の前記レバーの垂直方向移動は、式、即ち、によって、前記ピストンの移動距離に関係付けられ、ここに、Lは前記レバーの長さ、RLは前記ディスクの半径、φ0は前記レバーと前記レバーの前記第1端から延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)は前記ピストンの運動の距離、dは前記スロット付チャネル内部の前記レバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0は前記スロット付チャネルと前記レバーの前記ディスク円周フランジとの接触点の間の距離である、請求項6に記載のRSPSD。

請求項8

前記ディスクは2つのディスクのうちの第1ディスクであり、堅いシャフトの一端へ回転可能に固定されており、第2ディスクは、前記堅いシャフトの他端へ回転可能に固定されていて、前記第1ディスクよりも小さい直径であり、前記ピストンの直線運動によって直接又は間接に回転でき、前記ピストンの往復動が前記第2ディスクの前後転を生じさせ、ひいては前記第1ディスクの前後転を生じさせることになる、請求項6に記載のRSPSD。

請求項9

前記ピストンの直線移動距離当たり前記チャネル内前記レバーの垂直方向移動は、式、即ち、によって定義され、ここに、Lは前記レバーの長さ、RLは前記第1ディスクの半径、φ0は前記レバーと前記第1ディスクの前記レバー第1端へ延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)は前記ピストンの運動の距離、Rpは前記第2ディスクの半径、dは前記スロット付チャネル内部の前記レバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0は前記スロット付チャネルと前記レバーの前記第1ディスク円周フランジとの接触点の間の距離である、請求項8に記載のRSPSD。

請求項10

リセット式半受動剛性ダンパ(RSPSD)において、シリンダ内部に配置されている往復動式ピストンと、円柱体と、前記円柱体へ回転可能に取り付けられていて、前記ピストンの直線運動によって直接又は間接に回転できる回転式ディスクと、減衰させるべき構造物と前記ピストンの間に連結されているアクチュエータと、前記ディスク上方で前記円柱体へ取り付けられているトリガ組立体であって、前記ディスクの周面と前記ディスク上方に配置されているスロット付チャネルの間に配設されていて、その第1端を前記ディスクの前記周面と接触させ、その第2端を前記チャネル内に可動式に常在させている変位式ばね仕掛けレバーと、前記チャネルと関連付けられていて、前記レバーの一部分がその感知距離内に在るときにはいつでも当該レバーを検知するように配置されているセンサと、を備えるトリガ組立体と、前記シリンダと関連付けられていて、前記トリガ組立体の前記センサからの開放信号及び閉鎖信号を受信するように当該センサと通信している迂回弁と、を備えており、前記ピストンの往復動が前記ディスクの前後転を生じさせ、前記ディスクの前記回転が、前記レバーの前記第1端に前記ディスクの前記周面と一体に動くように仕向け、且つ前記レバーの第2端に前記スロットチャネル内部で往復動するように仕向けることになる、RSPSD。

請求項11

前記ピストンの直線移動距離当たり前記チャネル内前記レバーの垂直方向移動は、式、即ち、によって定義され、ここに、Lは前記レバーの長さ、RLは前記ディスクの半径、φ0は垂直線と前記レバーの前記第1端へ延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)は前記ピストンの運動の距離、dは前記スロット付チャネル内部の前記レバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0は前記スロット付チャネルと前記レバーの前記ディスク周面との接触点の間の距離である、請求項10に記載のRSPSD。

請求項12

前記ディスクの前記周面は、前記ディスクから延びている円周フランジである、請求項10に記載のRSPSD。

請求項13

前記ディスクは2つのディスクのうちの第1ディスクであり、堅いシャフトの一端へ回転可能に固定されており、第2ディスクは、前記堅いシャフトの他端へ回転可能に固定されていて、前記第1ディスクよりも小さい直径であり、前記ピストンの直線運動によって直接又は間接に回転でき、前記ピストンの往復動が前記第2ディスクの前後転を生じさせ、ひいては前記第1ディスクの前後転を生じさせることになる、請求項10に記載のRSPSD。

請求項14

前記ピストンの直線移動距離当たり前記レバーの垂直方向移動は、式、即ち、によって定義され、ここに、Lは前記レバーの長さ、RLは前記第1ディスクの半径、φ0は垂直線と前記第1ディスクの前記レバー第1端へ延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)はピストンの運動の距離、Rpは第2ディスクの半径、dはスロット付チャネル内部のレバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0はスロット付チャネルとレバーの第1ディスク周面との接触点の間の距離である、請求項13に記載のRSPSD。

請求項15

前記ピストンの直線変位及び速度に対比した前記第1ディスク上の点の周方向変位及び速度は、前記第1ディスクの前記第2ディスクに対する半径比を増加させることによって拡大できる、請求項8又は13に記載のRSPSD。

請求項16

前記センサは前記チャネル内に配置されている、上記請求項の何れか1項に記載のRSPSD。

請求項17

前記センサは前記チャネルより下方に配置されている、上記請求項の何れか1項に記載のRSPSD。

技術分野

0001

[0001]本発明は、剛性ダンパ、その様な剛性ダンパから成るシステム、及びその使用方法に向けられている。

背景技術

0002

[0002]様々な設計及びサイズの剛性ダンパが知られている。本発明に関連する剛性ダンパは、概して、運動減衰させるべく設計され使用される。1つのその様な運動型式は地震時における構造物の運動である。

0003

[0003]歴史を通して、地震は社会壊滅打撃を与え、往々にして甚大な経済的損失及び人命損失をもたらすこともあった。CATDAT被害地震データベースによれば、地震は5,000億ドルを超える世界経済損失並びに推定20,000人の死亡者数を生じさせている。米連邦緊急事態管理局(FEMA)は、米国にとって地震の最小平均費用は年当たり50億ドルであると推定している。但し、たった1回の大地震が平均年推定額をはるかに超える費用を生じさせることもある。例えば、1994年カリフォルニア州ノースリッジ地震は単独で260億ドルもの多額な費用を生じさせており、カリフォルニア州部のサンアドレア断層に沿った別の大地震なら1,800人の死亡者数と2,000億ドルより多い損失をもたらし得ると予測される。

0004

[0004]地震によって生じる損失を低減する1つの方策は、公共インフラ脆弱性を最小限にすることである。これは、インフラの補強及び/又は構造制御の実施を通じて実現させることができる。

0005

[0005]構造制御がここでの関心事である。構造制御は、ハードウェア要件に依存して、能動、受動、半能動に大別される。各部類で多大な量の研究が行われており、構造制御装置の広範に及ぶ応用が実現されてきた。3つの制御型式のうち、半能動制御が、その適応性、最小所要パワー、及び固有安定性により、最近注目を集めることが増えてきた。結果として、幾つかの新しい画期的な半能動制御装置出現した。これらのうちの1つであるリセット式半能動剛性ダンパ(RSASD:resetting semi-active stiffness damper)は、断層近傍地震動(near-field ground motion)存在下の構造物の応答低減化に有効であることが証明されている。このことは特に、この種の地震動が高ピーク加速度及び長周期高速パルスを特徴とし公共インフラへの破壊及び深刻な被害関与するものであることから重要である。

0006

[0006]RSASDは、全体として、ピストンと、圧縮空気又は液圧流体充填された複動シリンダと、弁を有する迂回ループと、から成る(図1a参照)。シリンダは、ピストンヘッドによって2つの室へ分けられ、室同士は迂回ループによって接続されている。迂回弁が閉じられると、シリンダ内流体はピストンの作用により圧縮される。弁が開かれると、圧縮の結果として流体に蓄えられたエネルギーが熱に変わり放散される。故に、RSASDが図1bに示されている様に構造物に設置されている場合、RSASDは弁が閉じられているときには構造物へ剛性を追加し弁が開かれているときには構造物から剛性を除去する。

0007

[0007]RSASDの構造物に対して剛性を追加及び除去する能力は、機械的エネルギー蓄積し次いで放散する能力に相関する。故に、RSASDは、弁を適切な時点に開閉することによって、機械的エネルギーを構造物から抜き出すことができる。この基本的コンセプトから、リセットモードコンセプトが、RSASDによって所与動作サイクル中に放散される機械的エネルギーの量を最大化するという目的を持って出現した。リセットモードでは、弁は流動速度がゼロに等しくなるまでは閉じられたままであり、ゼロに等しくなった時点で弁はパルス開閉され、装置の剛性を有効にリセットする。結果として、RSASDは、それが接続されている構造物からの機械的エネルギーを常に蓄え、最大エネルギー蓄積量に達したときに限ってエネルギーを放散させる。

0008

[0008]上述のリセットモードコンセプトの実施には、ピストン位置確定するためのエンコーダ類、ピストン運動の方向の変化を検知するためのマイクロコントローラ流体流量を調整するための電気サーボ弁、及びこれら構成要素を動作させるための小型電源、の様なフィードバック構成要素の使用が必要になる。このリセットモードコンセプトの1つの利点は、それが各RSASDピストン位置についての局所情報に基づいて実施でき、他の場所の構造応答の知識を要しない(即ち、分散制御論理である)ということだ。

0009

[0009]別の利点は、制御論理が応答依存性であり、故に、不正確に推定されたり経時的に変化したりすることもあり得る構造特性についての精密情報に頼る必要がないということだ。RSASDの更に別の利点は、それによって構造物へ送達される制御力変位依存性質である。このことは特に、高速パルスを特徴とする断層近傍地震動に曝される構造物にとっては重要であり、その場合、速度依存性装置からの力が制御装置容量を超過することも往々にしてあるということで、装置のための過度に大きな筋交いシステムが必要になり、構造物の応答に悪影響が出ないともかぎらないわけである。RSASDの様な変位依存制御装置はこれらの影響を受けず、故に、断層近傍地震動に曝される構造物の応答を制御するのにうってつけである。

0010

[0010]上述の利点に加え、RSASDを使用した構造制御システムは、単純で、信頼性高く、また他の半能動制御システムに対比して相対的に安価である。これは、装置の造りが、開発が尽くされ容易に入手可能となっている既存の空気圧式又は液圧式ダンパ技術への軽微な外的修正に基づいたものであることに因る。

0011

[0011]半能動制御技術に典型的なこととして、RSASDもまたその作動に付きまとう幾つかの複雑性を抱えている。第1に、RSASDの制御規則は、関連付けられる構造物が最大変位又はゼロ速度に達したときに当該構造物から剛性が除去されることを要件としている。これは、センサ、マイクロコントローラ、及び弁を制御するための小型アクチュエータから成るフィードバック制御システムを通じて実現される。結果として、フィードバック制御システムはフィードバック規則に対比して不均衡に複雑化する。

0012

[0012]また、フィードバック制御システムは、ピストンがその最大変位に達したとき、即ちピストン速度の符号(sign)に変化があったときに、弁をパルス開閉させるように設計されている。但し、これは、センサ信号の何らかのノイズ干渉)又は何らかの高周波振幅構造振動が弁をトリガし、それにより装置を誤った時期にリセットさせてしまうこともあり得ることを意味する。これを防ぐためには、デッドバンド及び位置信号への閾値を使用せざるを得ない。閾値は、確実に既定の最小ピストン変位が起こったうえで始めて装置がリセットされるようにするために使用される。デッドバンドは、位置信号のピストン最大位置と一致していない局所ピークに基づいた装置のリセットを排除する。

0013

[0013]閾値の成果として、リセットはピストンが或る最小距離を動いた後にしか起こらない。デッドバンドの成果として、弁はピストンの実最大変位が起こった後ほどなくしてトリガされる。

0014

[0014]以上の解説から、RSASDは構造制御のために使用されるにあたって利点を有してはいるものの、なお同様の成果を提供するより単純な装置に対する必要性が存在することが理解されよう。本発明の実施形態はこの必要性を満たす。

発明が解決しようとする課題

0015

[0015]構造制御のため及び潜在的には他の減衰用途のための複雑性のより低い剛性ダンパ装置及びシステム並びにその様なダンパ装置の使用方法をここに提案する。より具体的には、本発明は、RSASD装置でのフィードバックシステムに成り代わることができ、しかも同じ又は同様の制御効果を実現することのできる、画期的且つ単純な機構であるリセット式半受動剛性ダンパ(RSPSD:resetting semi-passive stiffness damper)の様々な実施形態を含んでいる。

0016

[0016]RSASDフィードバック制御システムのセンサでのノイズの問題は、RSPSDの場合には排除される。RSPSD設計では、閾値及びデッドバンドは付きものであるが、低レベルの構造振動及び局所ピークに起因する不要なリセットを排除するよう制御されるようになっている。RSPSDは実際にフィードバックシステムに頼らないので、RSPSDはRSASDより信頼性高く且つ安価である。低費用で同じ制御効果を提供するより信頼性高い装置は、構造制御社会での受容可能性を高め、この技術を構造物所有者にとってより魅力的なものにするはずである。

課題を解決するための手段

0017

[0017]提案されているRSPSDの例示としての実施形態が図2に概略的に表現されている。示されている様に、ピストンが溝付ラックと直列に接続されている。ばね仕掛けトリガレバーが、ラックより上方のスロット付チャネル内に配設されている。レバーは、垂直方向に動けるようになっていて、また端周りにチャネルスロット内で回転できるようになっている。レバーの他端はラックの溝に載っている。近接センサがシリンダ側の迂回弁と通信している。

0018

[0018]ひとたびシステムが稼働されたら、レバーの垂直方向位置はラックが方向を変えるまでは影響を受けないままであり、ラックが方向を変えた時点で、ラック側の溝間に乗っているレバーの端が係合される。係合されてしまうと、ラックの更なる運動は、強制的にレバーを回転させ、その間、同時にそれをスロット付チャネル内で垂直方向に駆動する。レバーは、既定位置に達したとき近接センサをトリガし、すると近接センサは迂回弁を開くように信号を送信する。ラックが動き続けてゆくと、レバーはその最大垂直方向位置に達し、方向を逆転させ、次いで戻しばねによって強制的にスロット付チャネルへ下げ戻される。ひとたびレバーがセンサの近傍から去ったら、弁は閉じる。レバーがラック上に今度は反対側の位置に向き付けられて載った状態で、ラックの運動が次に方向を変えるとプロセスが繰り返される。

0019

[0019]上記の例示としてのRSPSDの説明から、その作動中、ピストンが向きを変える都度、弁はパルス開閉され、それによりエネルギーが振動する構造物から抜き出されるのを可能にさせる、ということが理解されよう。また、使用されている唯一のセンサは、レバーが或る一定範囲内に入っている間は設定された電圧を迂回弁へ送る近接センサである。従って、先に説明されている既知のRSASDの複雑性は排除される。

0020

[0020]代わりの実施形態では、RSPSDは、スロット付チャネル内でのレバーの位置に基づいて弁を手動で開閉するように修正されてもよい。その様な実施形態では、典型的なRSASDに付きものの電気的構成要素全てが取り去られてもよく、そうすれば結果として得られる装置は実際にはリセット式受動剛性ダンパ(RPSD:resetting passive stiffness damper)として機能することになろう。RPSDなら完全受動制御技術ということになる。

0021

[0021]上記特徴に加え、本発明の他の態様は、次に続く図面の説明及び例示としての実施形態から容易に自明となるはずであり、幾つかの図面を跨いで同様の符号は同一又は同等の特徴を指している。

図面の簡単な説明

0022

[0022]典型的なRSASDの造りを概略的に表現している。
[0023]構造物に設置された図1aのRSASDを描いている。
[0024]本発明によるRSPSDの或る例示としての実施形態を概略的に表現している。
[0025]本発明の例示としてのRSPSDのレバー要素の関連付けられるラック要素変位前の位置及び運動を概略的に示している。
[0025]本発明の例示としてのRSPSDのレバー要素の関連付けられるラック要素変位後の位置及び運動を概略的に示している。
[0026]ラック要素の運動中のレバー要素の変位をグラフで示している。
[0027]レバー要素と関連付けられる特定の設計パラメータをグラフで示している。
[0028]例示としてのRSPSDの試験中のラック要素の運動をグラフで表現している。
[0028]例示としてのRSPSDの試験中のレバー要素の運動をグラフで表現している。
[0029]例示としてのRSPSDのセンサ要素感知距離の変化の効果を示すヒステリシスチャートである。
[0029]例示としてのRSPSDのセンサ要素の感知距離の変化の効果を示すヒステリシスチャートである。
[0030]例示としてのRSPSDのヒステリシス特性を例示としてのRSASDと比較した表である。
[0031]構造制御シミュレーション中の例示としてのRSPSDの制御された変位対制御されていない変位をグラフで描いている。
[0031]構造制御シミュレーション中の例示としてのRSPSDの制御された加速度応答対制御されていない加速度応答をグラフで描いている。
[0032]構造制御シミュレーション中の例示としてのRSASDの制御された変位対制御されていない変位をグラフで描いている。
[0032]構造制御シミュレーション中の例示としてのRSASDの制御された加速度応答対制御されていない加速度応答をグラフで描いている。
[0033]図8a図8bのグラフに対応する例示としてのRSPSDがノースリッジ地震時に見られたものと同様の地震動の力に曝された場合に放散させるエネルギーをグラフで描いている。
[0033]図9a図9bのグラフに対応する例示としてのRSASDがノースリッジ地震時に見られたものと同様の地震動の力に曝された場合に放散させるエネルギーをグラフで描いている。
[0034]シミュレーション中の上記例示としてのRSPSD及びRSASDと関連付けられるピーク応答データを数値提示している。
[0035]本発明のRSPSDと共に使用することのできる代わりの実施形態の非増幅型トリガレバー組立体を概略的に示している。
[0035]本発明のRSPSDと共に使用することのできる代わりの実施形態の増幅型トリガレバー組立体を概略的に示している。
[0036]本発明のRSPSDと共に使用することのできる更に代わりの実施形態の非増幅型トリガレバー組立体を概略的に示している。
[0036]本発明のRSPSDと共に使用することのできる更に代わりの実施形態の増幅型トリガレバー組立体を概略的に示している。
[0037]チャネル内のレバーの垂直方向変位対ダンパピストン水平方向変位を、図2図12a、及び図13aに示されている構成についてグラフで比較している。
[0038]RSPSDの設計におけるより高い柔軟性を提供するために、RSPSDのレバーへ接続できる或る例示としてのシザージャッキ機構を描いている。
[0039]使用中の図15のシザージャッキ機構の2つの接合部間の相対水平方向変位のプロットである。
[0040]本発明のRSPSDと共に使用することのできるトリガレバー組立体の更に別の例示としての実施形態を概略的に描いており、当該実施形態では単一機構がレバーと増幅用構成要素の両方の役目を果たしている。
[0041]図17レバー組立体の上チャネル部分内でのロッド部分の垂直方向変位対ラック要素の水平方向変位を、異なる比値rについてグラフで示している。
[0042]本発明のRSPSDと共に使用することのできるトリガレバー組立体の別の代わりの実施形態を概略的に示している。

実施例

0023

[0043]再度図2及び図3を参照すると、本発明によるRSPSD5の或る例示としての実施形態は、全体として、溝付ラック15と直列に接続されているピストン収容シリンダ10を含んでいることが理解されよう。長さ(L)を有するトリガレバー20が、スロット付チャネル25内の、ラック15より上方の距離(y0)に配設されている一端を有している。チャネルは、垂直円柱体30、など、と関連付けられていてもよい。レバー20は、チャネル25内に配置されているばね35によって下向きに付勢されている。

0024

[0044]レバー20は、チャネル25内部を垂直方向に動けるようになっていて、またチャネル内に常在しているほうの端周りに回転できるようになっている。レバー20の反対側の端は、スロット付チャネル25から横断距離(x0)のところでラック15の溝上にラックに対して(θ0)の初期向きに載っている。範囲(r)を有する近接センサの様なセンサ40が、チャネル25のラック15から最も遠いほうの端付近の、レバーのチャネル内に常在しているほうの端より上方の距離(h)に設置されている。レバー20は、近接センサ40の感知範囲内に入るには選択された距離(s)を移動しなくてはならない。近接センサ40は、シリンダ10側の迂回弁45と通信する。

0025

[0045]次に図3a図3bを参照すると、レバー20の運動及びRSPSD5の作動をより深く理解することができる。図3aに示されている様に、ラック15は初期には左へ動いてゆく。ラック15が初期方向に動き続ける限り、レバー20の垂直方向位置は影響を受けないままである。しかしながら、図3bに示されている様にラック15の運動方向が(矢印で指示されている様に)逆転すると、レバー20のラック接触端はラック15の溝と係合した状態になる。係合してしまうと、ラック15の新たな方向への更なる運動は、強制的にレバー20を回転させ、その間、同時にレバーをスロット付チャネル25の中へ或る関連付けられる距離(y(t))だけ駆動する。レバーの垂直方向運動は、そのラック接触端の横断運動を引き起こしもし、当該運動の距離は(x(t))で指示されている。レバー20が移動する合計垂直方向距離は(d)で表示されている。三角法を使用すると、レバーが移動する垂直方向距離(y(t))は、

0026

0027

と表すことができ、ここに、(y(t))は0<x(t)<2・(x0)について有効である。

0028

[0046]レバー20は既定位置に達すると近接センサ40をトリガし、すると近接センサ40は迂回弁45を開くように信号を送信する。ラック15が動き続けてゆくと、レバー20はその最大垂直方向位置に達し、方向を逆転させ、次いで戻しばねによって強制的にチャネル25に沿って逆方向に戻される。レバー20が近接センサ40の感知範囲(r)から離れ次第、弁45は閉じる。レバー20のラック接触端が今度はラック15上で反対方向に向き付けられている状態で、ラックの運動が次に方向を変えると上述のレバー運動及び関連付けられるプロセスが繰り返される。

0029

[0047]0<x(t)<2・(x0)についての(yt)のプロットが図4aに提供されている。プロットのy軸には、レバー20が近接センサ40の範囲(r)内に入るために移動しなくてはならない距離(s)と合計移動距離(d)が含まれている。y(t)<sについて、レバー20は係合されるがセンサ40の範囲内には入っておらず、RSPSD側の弁45は閉じたままとなる。ひとたび(s)≦y(t)<(d)になったら、電気信号が弁45へ送信され、弁45は開き、RSPSD内の圧力が平衡し、ダンパ力はゼロに落ちる。レバー20が(d)に達し、方向を変え、チャネル25へ下がり戻り始める際、弁45は開いたままである。ひとたびレバー20がセンサ40の範囲(r)から出てしまったら、即ちy(t)<sになったら、電圧はゼロに落ち、弁45は再び閉じる。而して、装置内の圧力平衡は0<x(t)<2・(x0)且つ(s)≦y(t)<(d)の間に起こっており、それを条件として使用し、装置5のリセットを様々な数値シミュレーションモデル化した。

0030

[0048]本発明によるRSPSDは、RSASDと同様に機能し、但しより少ないフィードバック制御構成要素を使用して機能するので、装置の作動を単純化でき信頼性が高まる、ということが望ましい。理想的なRSPSDは、ラックの方向変化毎の制御力の瞬間リセットを実現することができるはずである。換言すると、弁が開き、力がゼロに落ち、そしてピストン速度がゼロになった瞬間に弁が再度閉じることになる。この作動がRSPSDによる最大エネルギー放散を保証することになる。匹敵する性能は、RSASDを使用した場合、信号の遅延、制御論理、及び弁の作動のせいで実現不可能である。RSPSDでは、これは主として機械的構成要素限界のせいで実施できない。即ち、レバーが係合し垂直方向にセンサに向かって動き始めるのにかかる時間と関連付けられる遅延が存在する。この遅延は、図4a曲線の下左手部分によって表現されている。この時間中に、ピストンは既に方向を変えてしまっており、装置に蓄えられたエネルギーは、装置が設置されている構造物へ瞬時に移し戻される。

0031

[0049]RSPSDと関連付けられる第2の遅延が存在しており、それもまたRSPSDが理想的性能を実現するのを妨げる。より具体的には、ひとたび弁が開かれ圧力が平衡したら、弁はレバーが近接センサの感知範囲から離れるまで、即ちy(t)<sとなるまで、開いたままになる。これは、図4aの曲線の上部分によって表現されている。この時間中、装置の剛性はゼロであり、構造物からのエネルギーは蓄えられない。レバーがセンサに到達し次いでセンサから離れるのにかかる組合せ時間を、これ以後、装置の「リセット遅延」と呼ぶことにする。信号移動時間及び弁の開/閉に起因する遅延は、図4aの曲線の上部分に組み入れられている。

0032

[0050]RSPSDがRSASDと同様に機能するためには、RSPSDの上述の遅延のどちらもが、ラック−レバー機構の設計を通じて最小限にされなくてはならない。これは、図4aの曲線の対応する部分を小さくすることによって、即ち(d)、(x0)、及び(s−d)を小さくすることによって、実現させることができる。感知距離(s)は、近接センサの場所(h)及び範囲(r)によって確定され、一方、距離(d)及び(x0)はレバーの長さ(L)及び初期向き(θ0)に依存する。近接センサは様々な標準範囲(例えば2mm−12mm)のものがあり、上記センサの高さは簡単に制御されるので、主たる設計考慮事項レバー長さ(L)と初期向き(θ0)である。図4bは、30°<(θ0)<60°且つ(L)=25.4mm(1インチ)についての(d)及び(x0)の変化を示している。

0033

[0051](d)及び(x0)の更なる減少は、レバーの長さ(L)を小さくすることによって実現させることができる。故に、ラック−レバー機構は、リセット遅延が設計パラメータ(L)、(θ0)、(h)、及び(r)の選択を通じて小さくなるように設計されればよい。とはいえ、ラック−レバー機構構成要素の最小サイズに対する実用上の制限及び装置の圧力平衡のための所要最小時間にも考慮が払われなければならない。これまでの研究は、圧力平衡のための時間は空気圧式弁については大凡20−40msの範囲にあることを示している。

0034

シミュレーション
[0052]ラック−レバー機構の実現可能性を実証するため及び数式(1)を立証することを目的として、CADと複雑システムの設計を支援する有限要素分析を組み合わせた市販のソフトウェアパッケージであるSolid Edgeでシミュレーションを行った。ラック−レバーモデルは、長さ(L)=70mm(〜2.75インチ)及び(θ0)=41°のレバーであって、その結果、(d)の値=24.24mm(〜1インチ)及び(x0)の値=53mm(〜2インチ)となるレバーで構成した。ラックを、図5aに示されている様に、振幅±150mm(±6インチ)及び0.25Hzの周波数を有する正弦波変位を通じて駆動した。レバーの垂直方向変位を分析のために記録した。同じシステムをMatlabで数式(1)を使用してシミュレートしており、結果がSolid Edgeからのものと併せて図5bに提示されている。

0035

[0053]図5a図5bは、ラックが方向を変える(その最大正又は負変位に達する)都度、レバーが係合され垂直方向にその最大変位まで駆動されることを実証している。Solid Edge曲線の始まりの余分な「ハンプ」は、レバーの初期向きとラックの動きの組合せに起因するものであり、結果としてレバーの瞬時係合及び垂直方向(ここでの図面に関して)変位が引き起こされることに因る。Matlabでのシミュレーションについて、最初のラック方向変化までレバーは係合されないようにラックが動くものと仮定した。実用では、この初期「ハンプ」はRSPSDを構造物の動きの開始時点でリセットさせることになるはずである。但し、この時点では装置にはエネルギーが蓄えられておらず、この特徴はRSPSD性能全体には殆ど影響を及ぼさないものと予想される。

0036

[0054]図5bのもう1つの観察は、レバーがゼロ変位位置へ戻る際のSolid Edgeに現れているレバーの小振幅揺動である。これらの揺動は、レバーに作用する戻しばね(図2参照)からの力に因るものであり、短時間で収まる。これらの振動の振幅は、小さいとはいえ、潜在的に不要な装置リセットを引き起こす可能性がある。これは、感知距離(s)が揺動の最大振幅より大きくなるように設計することによって、又は少量の追加の減衰をシステムに組み入れることによって、回避することができる。2つの曲線の小差にかかわらず、図5bは、数式(1)がラック−レバーシステムの一般的な動きを精度よくモデル化していることを実証している。

0037

ヒステリシス
[0055]リセット式剛性装置は、振動性構造物からのエネルギーを蓄積及び放散することによって働く。1動作サイクルで最大エネルギーを放散させることは、ピストン速度がゼロに等しくなった時点で装置をリセットすることによって実現されるが、先に言及されている様にこの理想的性能は実用上はリセット動作遅れのせいで実現可能ではない。

0038

[0056]リセット式装置のエネルギー放散容量は、そのヒステリシス曲線面積によって特徴付けられる。RSPSDの容量を実証するために、図2に示されているセットアップを基にMatlabでシミュレーションを行った。機構構成要素の最小寸法に対する実用上の制限を考慮しながらリセット遅延を低減させることを目的に、レバー長さ(L)=12.7mm(0.5インチ)を初期向き(θ0)=30°と共に使用した。その結果としての(x0)及び(d)の値はそれぞれ11mm(〜0.5インチ)及び6.35mm(0.25インチ)であった。近接センサの高さ及び範囲は、RSPSD性能に対する(s)の効果を実証することを目的に、(s)=2mm及び(s)=6mmを現出させるように変えた。空気圧式ダンパの有効剛性はkd=32.89kN/mmであると仮定している。比較のために、理想的RSASDについてのヒステリシス曲線も算出させた。全シミュレーションについて、装置のピストンは、±50.8mm(±2インチ)の振幅を有する正弦波変位を通じ0.6s、1.8s、及び5.4sの期間で駆動させた。T=0.6sで2つの異なる(s)値について、RSPSDのヒステリシス曲線を図6a図6bに理想的RSASDの曲線と併せて提示している。

0039

[0057]図6a及び図6bの比較は、所与の(d)値について装置のヒステリシスへの感知距離(s)の効果を明らかにした。広い感知距離(s)の場合、ピストンが方向を変えた際のダンパ力のゼロ化にはより大きな遅れが出ている。これは、感知されそして弁の開放が起こる前にレバーがより長い距離を移動するせいである。先に言及されている様に、これは構造物へ戻し移される蓄積エネルギーと相関にあり、それによりヒステリシス曲線下面積が理想的RSASDと比較して小さいということになる。

0040

[0058]また一方、広い感知距離(s)は、レバーがセンサの近傍に留まる時間((s)≦y(t)<(d))が縮まるせいで弁がより速く閉じるということも意味している。結果として、力がゼロ化した後より早くエネルギーが蓄えられ始める。狭い感知距離(s)の場合、力はより早くゼロに落ち、より少ないエネルギーが構造物へ戻し移される。他方、レバーはセンサの近傍でより多くの時間を過ごし、それにより、弁が開いている時間を増加させ、力がゼロ化した後のエネルギーの蓄積を遅らせる。結果として、装置によって放散されるエネルギーの量はこの場合も同様に理想的RSASDより少なくなる。結局、感知距離(s)はRSPSDのヒステリシス曲線をシフトさせるだけで、(s)=2mmと(s)=6mmで同じエネルギー量が放散されており、エネルギーは常にRSASDの場合より少ない。このことは、RSPSDと理想的RSASDの両方についての異なる入力期間での放散エネルギー(E)を表現している表1(図7)の列3−列4に示されている。

0041

[0059]結果は、感知距離(s)はそれが装置のエネルギー放散特性に影響しないことから任意に設定されればよいということを示唆するものである。とはいえ、圧力が開弁中に平衡する時間を持てるようにするためレバーがセンサの近傍に留まるべき最小時間に対する制約はなお存在し、この時間は感知距離(s)及び合計移動距離(d)に直接関係付けられる。これまでの研究は、この時間が弁の特性に依存して20ms−40msの範囲にあると確定している。

0042

[0060]RSPSDがこの最小限の要件に合致するかどうかを見極めることを目的に、レバーがセンサの近傍に在る時間(ts)を各RSPSDで全3通りの入力期間について計算した。3つの計算の結果は、表1の列5及び列6に提示されており、(ts)は期間が小さいほど及び感知距離(s)が広いほど小さくなることを示している。また、列6から、T=0.6sで(s)=6mmの場合の(ts)は17msしかなく、故に最小限の要件である20ms−40msに合致しないことが観察される。表1に提示されているデータに基づき、RSPSDの設計には、確実にリセット中の圧力平衡のための十分な時間が取れるようにすると同時に弁が開いている時間が最小限になるように注意深い配慮が払われるべきである。

0043

構造応答軽減
[0061]構造制御装置としてのRSPSDの潜在能力を評価することを目的に、関連文献(即ち、2009年Lu及びLin)から適合させた単一自由度(SDOF)建造物を使用して追加のシミュレーションを行った。建造物はT=0.6sの期間及び5%の減衰比を有している。但し、より大きな期間を有するSDOF建造物についてRSPSDの性能を調査するために、建造物の剛性を下げてT=1.8s及びT=5.4sの期間を有する2つの追加の建造物を現出させた。それら建造物をノースリッジ地震中に経験された0.84gのピーク地動加速度を有する地震動に曝した。RSPSDについては、感知距離についての(S)=2mm及び(S)=6mmという感知距離値を含め、先の項に説明されている同じ設計パラメータを再度使用した。比較のため、建造物の非制御応答と理想的RSASDを備えた建造物の応答も得た。

0044

[0062]図8a図8b及び図9a図9bは、RSPSD装置及びRSASD装置についてT=0.6sの建造物の時間履歴変位及び絶対加速度応答をグラフで提示している。RSPSDについて、感知距離(s)は2mmであった。各グラフの実線は制御された応答を表現している。グラフは、両方の装置が建造物の変位応答を低減するには有効であるが加速度応答を低減するにはあまり有効でないことを示唆している。

0045

[0063]図10a図10bは、地震時に各装置によって放散されることになるエネルギーをグラフで表現しており、RSPSDのエネルギー放散容量がRSASDに匹敵することを実証している。

0046

[0064]残り2つの建造物についての応答と(s)=2mm及び(s)=6mmの感知距離を有するRSPSDについての応答が表2(図11)に提示されている。表2の列2−列5は、RSPSDが全3通りの建造物のピーク変位応答の低減化に有効であり、その性能はRSASDに匹敵することを示している。また一方、列6−列9は、(s)=2mm及び(s)=6mmの感知距離を有するRSPSD並びにRSASDは、非制御の場合に比べ、建造物の絶対加速度を増加させることを示している。また、RSPSDの性能はこの場合も同様にRSASDに匹敵している。

0047

[0065]1.8s及び5.4sの期間の建造物について感知距離(s)=6mmを有するRSPSDの変位応答は(s)=2mmを使用して得られるものより僅かに小さい、ということに注目するのは興味深い。また一方、全3通りの建造物の加速度応答低減化に関しては、感知距離(s)=2mmを使用しているRSPSDは感知距離(s)=6mmを使用しているRSPSDを凌いでいる。これらの結果は、感知距離(s)=2mm及び(s)=6mmを有するRSPSDによって放散されるエネルギーが正弦波変位入力について同じであるとはいえ、感知距離はランダム励起に曝される可撓性構造物の応答に僅かながら実際に効果を有していることを示唆している。

0048

[0066]最後に、圧力平衡のための時間(ts)をRSPSDで感知距離(s)と前記3通りの建造物の両方について監視した。(s)=6mmについては、(ts)の値は全3通りの建造物について圧力平衡のための所要最小値未満であることが判明した。他方、(s)=2mmを使用した場合の全3通りの建造物についての(ts)の最小値は、所要範囲の上限値である42msであった。

0049

[0067]本発明のRSPSDと共に使用することのできる非増幅型及び増幅型の代わりの実施形態のトリガレバー組立体50、85がそれぞれ図12a図12bに概略的に示されている。その様なレバー組立体50、85は、図2の例示としてのRSPSD5と共に使用されてもよいし、又はここには具体的に図示又は説明されていない他の代わりの実施形態と共に使用されてもよい。

0050

[0068]図12aのトリガレバー組立体50は、前と同様に、長さ(L)及びスロット付チャネル60内に配設されている第2端を有するレバー55を含んでいることが示されている。レバー55は、この場合も同様に、チャネル60内に配置されているばね65によって下向きに付勢されている。この実施形態では、レバー55及びチャネル60はディスク70へ、チャネルとレバーを示されている垂直方向位置に留まらせたままディスクが回転するのを許容するやり方で取り付けられている。範囲(r)を有する近接センサ75は、この場合も同様に、チャネル60のディスク70から最も遠いほうの端付近の、レバー55のチャネル内に常在しているほうの端より上方の距離(h)に配置されている。

0051

[0069]
[0070]ディスク70はその円周の周りに、レバー55の第2端をチャネル内に配置させたままにレバーの第1端のための接触点を提供するフランジ(指示されていない)を有している。ディスク70の回転は、レバー55の第1端にディスクの円周に沿って点Aから点A’まで動くように仕向ける。この時間中、レバー55の第2端はチャネル60内部で点Bから点B’の間を上下に動く。チャネル60内部でのレバー55のこの運動がDに配置されている近接センサ75をトリガする。

0052

[0071]図12aに示されている構成について、ディスク70はRSPSDのダンパピストン80又はそれと一体に動く要素上に乗っているか又は取り付けられている。その結果、ダンパピストン80又は関連付けられる要素の運動は、上述のディスク70の回転及びその結果としてのレバー55の運動を生じさせることになる。

0053

[0072]図12aに示されている構成の図2に示されている構成に対比した主たる便益は、組立体を直接ダンパシリンダへ付着させることによって組立体全体をダンパピストン上に取り付けることができ、図2のラック15及び垂直円柱体30の必要性がないことである。図12aレバー構成図2に示されているレバー構成の間の主な違いは、図12aの構成ではピストンダンパの同じ水平方向変位についてチャネル内のレバーの垂直方向変位がより小さいことである。以下の数式(2)は、図12aに示されている構成について、チャネル内のレバーの垂直方向変位をダンパピストンの水平方向変位に関係付けている。

0054

0055

ここに、Lはレバーの長さ、RLはディスクの半径、φ0はレバーとレバーの第1端から延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)はピストンの運動の距離、dはスロット付チャネル内部のレバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0はスロット付チャネルとレバーのディスク円周フランジとの接触点の間の距離である。

0056

[0073]図12bは、図12aのトリガレバー組立体50の変型を描いている。図12bのトリガレバー組立体85は、図12aのトリガレバー組立体50の各種要素全てを採用しており、スロット付チャネル60内に配設されている第2端を有するレバー55を含んでいて、レバー55はチャネル内に配置されているばね65によって下向きに付勢されていて、近位センサ75はチャネル60のディスク70から最も遠いほうの端付近に配置されている。レバー55及びチャネル60は、この場合も同様に、ディスク70へ、チャネル及びレバーを示されている垂直方向位置に留まらせたままディスクが回転するのを許容するやり方で取り付けられている。

0057

[0074]但し、図12bのトリガレバー組立体85では、レバー及びチャネルが取り付けられているディスク70は組立体内に存在する2つのディスクのうちの大きいほうである。より具体的には、この実施形態では、大ディスク70は堅いシャフト95の一端へ固定され、一方、小ディスク90は堅いシャフト95の他端へ固定されていて、大ディスク70と小ディスク90とシャフト95が同じ角度変位で回転するようになっており、小ディスク90がRSPSDのダンパピストン80又はそれと一体に動く要素上に乗っているか又は取り付けられている。また、ディスク−シャフト組立体は、チャネル及びレバーを示されている垂直方向位置に留まらせたまま大ディスク70と小ディスク90とシャフト95が回転するのを許容するやり方で取り付けられている。その結果、ダンパピストン80又は関連付けられる要素の直線運動は小ディスク90を回転させ、ひいては図12aの構成に関して上述されている大ディスク70の回転及びその結果としてのレバー55の運動を生じさせることになる。

0058

[0075]図12bの構成では、小ディスク90と関連付けられるダンパピストン80の水平方向変位/速度は、大ディスク70上の点Aの周方向変位/速度に、2つのディスクの半径比により関係付けられる。大ディスク70の半径を小ディスク90の半径より大きくすることによって、大ディスク70上の点Aの周方向変位/速度は、ダンパピストン80の水平方向変位/速度に対比して、大ディスク70対小ディスク90の半径比に従って拡大される。

0059

[0076]この構成の便益はRSPSD設計の柔軟性がより高くなることである。例えば、大ディスク70対小ディスク90の半径比は、大ディスク70上の点Aがダンパピストン80の水平方向速度の2倍の周方向速度により動くように調節されてもよい。結果として、ダンパピストン80の同じ水平方向変位について、図12aに示されている構成に対比すると、レバー55は点Aから点A’までより速く動き、レバーはセンサ75の感知範囲内でより少ない時間を過ごし、リセット時間は縮まることになる。

0060

[0077]図12bの構成を使用して、図12aの構成と同じリセット時間を、但しより長いレバーについて、実現させることもできる。以下の数式(3)は、図12bに示されている構成について、チャネル内のレバーの垂直方向変位をダンパピストンの水平方向変位に関係付けている。

0061

0062

ここに、Lはレバーの長さ、RLは大ディスクの半径、φ0はレバーと第1ディスクのレバー第1端へ延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)はピストンの運動の距離、Rpは小ディスクの半径、dはスロット付チャネル内部のレバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0はスロット付チャネルとレバーの第1ディスク円周フランジとの接触点の間の距離である。

0063

[0078]本発明のRSPSDと共に使用することのできる更に代わりの実施形態の非増幅型及び増幅型のトリガレバー組立体100、140がそれぞれ図13a図13bに概略的に示されている。その様なレバー組立体100、140は、図2の例示としてのRSPSD5と共に使用されてもよいし、又はここには具体的に図示又は説明されていない他の代わりの実施形態と共に使用されてもよい。

0064

[0079]図13aのレバー組立体100は、この場合も同様に、長さ(L)及びスロット付チャネル110内に配設されている第2端を有するレバー105を含んでいることが示されている。レバー105は、この場合も同様に、チャネル110内に配置されているばね115によって下向きに付勢されている。この実施形態では、レバー105及びチャネル110は円柱体120又は類似要素と関連付けられており、当該円柱体120又は類似要素自体がディスク125へ軸によって取り付けられているか又はチャネル及びレバーを示されている垂直方向位置に留まらせたままディスクが回転するのを許容する何か他のやり方で取り付けられている。範囲(r)を有する近接センサ130は、この場合も同様に、チャネル110のディスク125から最も遠いほうの端付近の、レバー105のチャネル内に常在しているほうの端より上方の距離(h)に配置されている。

0065

[0080]この実施形態では、チャネル110は、レバーの第2端をチャネル110内に留まらせたままレバーとディスク125の間の接触点がディスク又はそれへ付着されているフランジの周囲(円周)に沿って起こるようにして配置されている。ディスク125の回転は、レバー105の第1端に、ディスク125の円周に沿って、点Aから点A’まで動くように仕向ける。この時間中、レバー105の第2端は、チャネル110内部で点Bから点B’の間を上下に動く。チャネル110内部でのレバー105のこの運動がDに配置されている近接センサ130をトリガする。

0066

[0081]図13aに示されている構成について、ディスク125はダンパピストン135又はそれと一体に動く要素上に乗っているか又は取り付けられている。その結果、ダンパピストン135又は関連付けられる要素の運動は、上述のディスク125の回転及びその結果としてのレバー105の運動を生じさせることになる。

0067

[0082]図13aに示されている構成の図2に示されている構成に対比した主たる便益は、組立体を直接ダンパシリンダへ付着させることによって組立体全体をダンパピストン上に取り付けることができ、図2のラック15及び垂直円柱体30の必要性がないことである。図13aのレバー構成と図2に示されているレバー構成の主な相違は、図13aの構成ではピストンダンパの同じ水平方向変位についてチャネル内のレバーの垂直方向変位がより大きいことである。数式(4)は、チャネル内のレバーの垂直方向変位をダンパピストンの水平方向変位に関係付けている。

0068

0069

ここに、Lはレバーの長さ、RLはディスクの半径、φ0は垂直線とレバーの第1端へ延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)はピストンの運動の距離、dはスロット付チャネル内部のレバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0はスロット付チャネルとレバーのディスク周面との接触点の間の距離である。

0070

[0083]図13bは、図13aのトリガレバー組立体100の変型を描いている。図12bのトリガレバー組立体140は、図13aのトリガレバー組立体100の各種要素全てを採用しており、スロット付チャネル110内に配設されている第2端を有するレバー105を含んでいて、レバー105はチャネル内に配置されているばね115によって下向きに付勢されていて、近位センサ130はチャネル110のディスク125から最も遠いほうの端付近に配置されている。レバー105及びチャネル110はこの場合も同様に円柱体120又は類似要素へ取り付けられており、当該円柱体120又は類似要素自体がディスク125へ軸によって取り付けられているか又はチャネル及びレバーを示されている垂直方向位置に留まらせたままディスクが回転するのを許容する何か他のやり方で取り付けられている。

0071

[0084]但し、図13bのトリガレバー組立体140では、レバー及びチャネルが取り付けられているディスク125は組立体内に存在する2つのディスクのうちの大きいほうである。より具体的には、この実施形態では、大ディスク125は堅いシャフト150の一端へ固定され、一方、小ディスク145は堅いシャフト150の他端へ固定されていて、大ディスク125と小ディスク145と堅いシャフト150が同じ角度変位で回転するようになっており、小ディスク145がRSPSDのダンパピストン135又はそれと一体に動く要素上に乗っているか又は取り付けられている。また、ディスク−シャフト組立体は、チャネル及びレバーを示されている垂直方向位置に留まらせたまま大ディスク125と小ディスク145とシャフト150が回転するのを許容するやり方で取り付けられている。その結果、ダンパピストン135又は関連付けられる要素の直線運動は小ディスク145を回転させ、ひいては図13aの構成に関して上述されている大ディスク125の回転及びその結果としてのレバー105の運動を生じさせることになる。

0072

[0085]図13bの構成では、小ディスク145と関連付けられるダンパピストン135の水平方向変位/速度は、大ディスク125上の点Aの周方向変位/速度に、2つのディスクの半径比により関係付けられる。大ディスク125の半径を小ディスク145の半径より大きくすることによって、大ディスク125上の点Aの周方向変位/速度は、ダンパピストン135の水平方向変位/速度に対比して、大ディスク125対小ディスク145の半径比に従って拡大される。

0073

[0086]この構成の便益はRSPSD設計の柔軟性がより高くなることである。例えば、大ディスク125対小ディスク145の半径比は、大ディスク125上の点Aがダンパピストン135の水平方向速度の2倍の周方向速度により動くように調節されてもよい。結果として、ダンパピストン80の同じ水平方向変位について、図13aに示されている構成に対比すると、レバー105は点Aから点A’までより速く動き、レバーはセンサ130の感知範囲でより少ない時間を過ごし、リセット時間は縮まることになる。

0074

[0087]図13bの構成を使用して、図13aの構成と同じリセット時間を、但しより長いレバーについて、実現させることもできる。以下の数式(5)は、図13bに示されている構成について、チャネル内のレバーの垂直方向変位をダンパピストンの水平方向変位に関係付けている。

0075

0076

ここに、Lはレバーの長さ、RLは大ディスクの半径、φ0は垂直線と第1ディスクのレバー第1端へ延ばした半径方向の線の間に形成される角度、xp(t)はピストンの運動の距離、Rpは小ディスクの半径、dはスロット付チャネル内部のレバーの合計垂直方向移動距離、そしてx0はスロット付チャネルとレバーの第1ディスク周面との接触点の間の距離である。

0077

[0088]チャネル内のレバーの垂直方向変位対ダンパピストンの水平方向変位の、図2図12a、及び図13aに示されている構成についての比較が、図14にグラフで示されている。3つの曲線の見分け方に関し、yは図2のレバーの垂直方向変位、yinは図12aのレバーの垂直方向変位、そしてyoutは図13aのレバーの垂直方向変位を表現している。

0078

[0089]図14は、レバー−チャネルのディスク上への取り付けの効果が、ディスク無しの構成に対比して、チャネル内のレバーの垂直方向変位を増加又は減少させることになる、ということを実証している。感知距離(s)を有する近接センサについて、これはレバーがセンサの感知範囲に入っている時間を増加させるか又は減少させるかのどちらかであり、結果的にリセット時間の(ディスク無し構成に対比した)増加又は減少をもたらすことになる。

0079

[0090]異なるRSPSD構成の目的は、チャネル内のレバーの垂直方向変位とダンパピストンの水平方向変位の間の関係性に対するより多くの制御を提供し、RSPSD設計における柔軟性を高くすることにつなげることである。この目的を念頭に置き、図2図12a、及び図13aの各々の構成を、図15に示されている様なシザージャッキ機構200を組み入れることによって更に修正することができる。

0080

[0091]シザージャッキ機構200は、等しい長さlの4つの部材から、それらの端(接合部)を当初はシザージャッキ中心線に対して角度α0の向きに一体にピン留めして構成されている。シザージャッキの一端は静止点Dへ付着されており、一方、他端はレバーの垂直チャネル内に配置されているほうの端Bへ付着されている。チャネル内のレバー端の点Bから点B’への垂直方向変位が、シザージャッキの接合部Cの点Cから点C’への水平方向変位を生じさせ、それによりEに配置されている近接センサをトリガする。

0081

[0092]適正に設計されたシザージャッキを組み入れることによって、接合部Cの水平方向変位をチャネル内のレバーの垂直方向変位に対比して増加させるか又は減少させるかすることができ、それによりRSPSDの設計におけるより高い柔軟性が提供される。接合部Cの水平方向変位をレバーの垂直方向変位に対比して増加させた場合について、結果は、同じ感知距離sでのシザージャッキ無しの場合に対比して近接センサが係合される時間の量が減少するというものである。結果として、シザージャッキはRSPSDのリセット時間を縮めるのに使用することができる。接合部Cの水平方向変位をレバーの垂直方向変位に対比して減少させた場合については逆が当て嵌まる。以下の数式(6)は、シザージャッキ上の接合部Cの水平方向変位をチャネル内のレバーの垂直方向変位に関係付けている。

0082

0083

[0093]図16は、図15に示されている接合部Cの水平方向変位対点Bから点Dへの合計垂直方向レバー変位のプロットである。図16は、角度α0の値が10度及び30度に等しい場合、接合部Cの水平方向変位は初期にはレバーの垂直方向変位に対比して増加することを実証している。但し、レバーの垂直方向変位が増加してゆくにつれ、レバーの水平方向変位における相対増加量は減少する。また一方、角度α0の値が60度に等しい場合、接合部Cの水平方向変位は常にレバーの垂直方向変位より小さくなる。

0084

[0094]本発明の更に別の例示としての実施形態が図17に示されている。RSPSDのこの例示としての実施形態250では、単一の機構がシステムのレバー兼増幅用構成要素の役目を果たしている。この構成では、レバー255は、一端がラック270と点Aで接触にある一方で他端はロッドCDへ点Cで枢動式に接続されていてレバーABCがロッドCD周りに点Cで回転自在となるように延長されている。延長レバーは、下チャネル260へ点Bで回転可能に接続されていて、レバーは下チャネル内部で垂直方向に動けるように及び下チャネル内に常在するその点B周りに回転できるようになっている。ロッドCDは上チャネル265へ点Dで接続されていて、ロッドは上チャネル内部で垂直方向に動けるように及び上チャネル内に常在するその端D周りに回転するようになっている。

0085

[0095]ラック270の水平方向変位はレバーのラックと接触しているほうの端を点Aから点A’へ駆動する。この時間中、レバーABCは、下チャネルを点Bから点B’へ上昇し且つ同時にチャネル内に常在する点B周りに回転する。レバーABCの垂直方向変位及び回転にはロッドCDの垂直方向変位及び回転が伴い、それによりロッドCDの上チャネル内の点Dにある端は点Dから点D’へ動かされ、点Eに配置されている近接センサをトリガする。

0086

[0096]この構成では、Aでラックと接触しているレバー端の点Aから点A’への水平方向変位/速度は、点Cの点CからC’への水平方向変位/速度に、レバーABCの腕長さの比r、即ち、

0087

0088

で関係付けられる。腕BCの長さを腕ABより長くすることによって、点Cの水平方向範囲/速度は点Aの水平方向変位/速度に対比してrに従って拡大される。この構成の利点はRSPSD設計の柔軟性がより高くなることである。例えば、レバーの腕長さの比rは、点Cの水平方向速度が点Aの水平方向速度の2倍になるように調節されてもよい。点Cの水平方向変位が図2に示されているラック変位に等しくされている場合、(図2に示されている構成に対比して)ロッドは点Cから点C’までより速く動き、レバーはセンサの感知範囲内でより少ない時間を過ごし、リセット時間は縮まることになる。

0089

[0097]図17の構成を使用して、図2の構成と同じリセット時間を、但しより長いレバーについて、実現させることもできる。これに関し、数式(7)は上チャネル265内のロッドCDの垂直方向変位をラック270の水平方向変位に関係付けている。

0090

0091

[0098]図18は、上チャネル265内のロッドCDの水平方向変位対ラック270の水平方向変位を異なる比rについてグラフで示しており、図17に示されている構成のレバーABCの増幅効果を実証している。図17に示されている代わりの構成も同様に図12a図12b及び図13a図13bに示されているディスク構成に取り付けることができる。

0092

[0099]本発明のRSPSDと共に使用することのできる別の代わりの実施形態のトリガレバー組立体300が図19に概略的に示されている。その様なレバー組立体300は、図2の例示としてのRSPSD5と共に使用されてもよいし、又はここには具体的に図示又は説明されていない他の代わりの実施形態と共に使用されてもよい。また、図3a図3b図12a図12b図13a図13b、及び図17のトリガレバー組立体は、近接センサを図19に示されているような位置へ動かすように修正されてもよいと理解されたい。

0093

[0100]図19のトリガレバー組立体300は、前と同様に、長さ(L)とスロット付チャネル315内のラック305より上方の距離(y0)に配設されている第1端を有するレバー310を含んでいることが示されている。レバー310は、この場合も同様に、チャネル315内に配置されているばね320によって下向きに付勢されている。

0094

[0101]これまでの実施形態と同じ様に、レバー310はチャネル315内部を垂直方向に動けるようになっていて、またチャネル内に常在するその端周りに回転できるようになっている。レバー310の反対側の端はスロット付チャネル315から横断距離(x0)のところでラック305の溝上にラックに対して(θ)の向きに載っている。レバー310とラック305の間の角度θは時間依存であるので、角度は図19にはθ(t)と表現されている。

0095

[0102]図3a図3bに示されている実施形態と同様のやり方で、図19の組立体300のラック305が左に動いてゆくとき、レバー310の垂直方向位置は影響を受けないままである。但し、ラック305の運動の方向が逆転し右(図19に指示)へ動いたとき、レバー310のラック接触端はラック305の溝と係合した状態になり、係合してしまうと、この方向への更なるラックの運動は強制的にレバーを回転させ、その間、同時にレバーをスロット付チャネル315の中へ或る関連付けられる距離(y(t))だけ駆動する。ラック305の水平方向運動は、レバー310のラック接触端の同様の運動を引き起こしもし、何れかの所与の時点での当該運動の距離は(xr(t))で指示されている。

0096

[0103]これまでに説明されているトリガレバー組立体の様に、このトリガレバー組立体300も、シリンダ10側の迂回弁45と通信する近接センサ325を採用している。但し、これまでに説明されている例示としてのトリガレバー組立体とは違い、トリガレバー組立体のこの変型300は、チャネル315の外に配置されている近接センサ325を採用している。より具体的には、近接センサ325は、チャネル315のラック305に最も近いほうの端より下方の距離(h)に配置されていて、感知方向がラック−レバー機構の動きが起こる平面に実質的に垂直になるような向きにある(即ち、感知方向は図19紙面から垂直に延びている)。

0097

[0104]図19の構成では、近接センサ325をトリガする感知材料(具体的には示されていない)は、チャネル315内に常在する端ではなしにレバー310の本体へ取り付けられていてもよい。代わりに、レバー310自身がセンサ325をトリガするようになっていてもよい。感知材料(存在する場合)は、更に、レバー310の先端がラック305に係合され距離2(x0)を進んでゆくときに近接センサを通り越すような高さに配置されている。センサ325は、レバーがセンサの感知範囲(s)内に在るときはいつでもトリガされる。この構成の便益は、レバー長さ(L)及び初期レバー位置(x0)を、ラック305の極めて小さい変位が近接センサ325をトリガしダンパをリセットするように設計できることであり、それによりラックが方向を変える毎にエネルギーを逃がしそして再度素早く蓄えさせることができる。

0098

[0105]本発明の特定の例示としての実施形態を以上に詳細に説明しているが、本発明の範囲はその様な開示によって限定されると考えられてはならない。そうではなく、本発明の精神から逸脱することなく修正が実施可能である。例えば、ここに示され説明されている溝付又は歯状のラック要素は、単にレバーを上述の様に変位させられるだけの高い摩擦のレバー接触面を含んでいる別の型式のアクチュエータと置き換えられてもよい。別の非限定的な修正は、ひとたび開かれたら振動特性にかかわらず或る設定された時間に亘って開いたままとなるプログラム可能な弁の使用を含んでいる。本発明によるRSPSDの実施形態は、更に、構造制御の分野以外にも用途があろう。例えば、その様な他の用途には、限定するわけではないが、車両のサスペンション航空機ランディングギヤが含まれよう。

0099

5 RSPSD
10ピストン収容シリンダ
15溝付ラック
20トリガレバー
25スロット付チャネル
30 垂直円柱体
35 ばね
40近接センサ
45迂回弁
50レバー組立体
55レバー
60 スロット付チャネル
65 ばね
70ディスク
75 近接センサ
80ダンパピストン
85 レバー組立体
90小ディスク
95シャフト
100 トリガレバー組立体
105 レバー
110 スロット付チャネル
115 ばね
120 円柱体
125 ディスク
130 近接センサ
135 ダンパピストン
140 トリガレバー組立体
145 小ディスク
150 シャフト
200シザージャッキ機構
250 RSPSD
255 レバー
260 下チャネル
265 上チャネル
270 ラック
300 レバー組立体
305 ラック
310 レバー
315 スロット付チャネル
320 ばね
325 近接センサ

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