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技術 ロフルミラストN−酸化物の吸入によって自己免疫、呼吸器性および炎症性の障害を処置する方法

出願人 インコゼン・セラピューティクス・プライベート・リミテッド
発明者 スワループ・クマール・ヴァッカランカ
出願日 2014年1月28日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-554296
公開日 2016年2月18日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2016-505067
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 容積レベル ミョウバン溶液 テスト品 隔離期間 例示的実施 物理的性 ビーズミリング ふるい分析
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図面 (7)

課題・解決手段

本開示は、自己免疫呼吸および/または炎症性の疾患および状態を処置するために有用な薬学的組成物に(およびその方法に)関する。この方法は、ロフルミラスト酸化物吸入によってその必要な被験体投与することを包含する。本開示は具体的には、吸入によってロフルミラストN酸化物を投与することによる喘息および慢性閉塞性肺疾患COPD)の処置に関する。

概要

背景

自己免疫呼吸器性および炎症性の疾患、例えば、慢性閉塞性障害COPD)および喘息は、免疫系の機能不全または過剰な活性に関連する慢性であり、かつ進行性である場合が多い疾患である。

喘息は、小児の間では最も一般的な慢性の疾患であり、また数百万例の成人にも影響する。世界中で2億3500万ほどの人がこの疾患に罹っている。

COPDは高度に蔓延している状態であって、世界中の罹患状態および死亡の主な原因である。この疾患が進行するにつれて、COPDがある患者高頻度増悪する傾向になる場合があり、患者の不安、健康状態の悪化、肺機能の低下および死亡率の増大を生じる。呼吸機能を悪化するこれらのエピソードは、ヘルスケア利用、入院およびコストの増大につながる。より悪いことには、頻繁な増悪は、肺機能のより速い悪化に関連し、それによって平均余命が短くなる。

COPDおよび喘息に加えて、肺の他のアレルギー性および/または炎症性障害としては、嚢胞性線維症および特発性肺線維症(IPF)のような疾患が挙げられる。

慢性閉塞性肺疾患グローバルイニシアチブ(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)(GOLD)の推奨によれば、COPDのファーストライン治療は、長時間作用性のβ−アゴニストおよび長時間作用性のムスカリン性アンタゴニストおよび吸入コルチコステロイドである。しかし、これらの薬物は、その分子および細胞ベースを標的とするのではなく、疾患に関連する症状および増悪を低減する。従って、COPD治療ではさらなる改善がやはり必要である。

PDE4インヒビターであるロフルミラスト(Daliresp(登録商標))は、米国では、慢性気管支炎および増悪の既往をともなう重篤なCOPDを有する患者においてCOPD増悪リスクを低減するための経口療法として承認されている。

2010年の4月には、FDAに対する肺アレルギー薬諮問委員会(Pulmonary−Allergy Drugs Advisory Committee)(PADAC)は、わずかな利益および有害事象についての可能性に起因して、ロフルミラスト承認に対して10対5で反対に投票した。2011年の3月には、FDAは、当初追求されたものより狭い適応で、ロフルミラストを承認した(すなわち、慢性気管支炎および増悪の既往に関連する重篤なCOPDを有する患者でのCOPD増悪のリスクを低減するための処置)。ロフルミラストは用量依存性の毒性を有すると報告されており、このせいでロフルミラストの高用量での使用は制限される。下の表は、ロフルミラストを投与されているうち少なくとも2%で生じ、かつプラシーボより多い有害事象(AE)を示す。

R.W.Chapmanら、European Journal of Pharmacology,571,215−221(2007)は、その治療指数を改善する企図でBrown Norwayラットに対する吸入によるロフルミラストの投与を包含する実験を報告している。

Dalirespのラベルによれば、ロフルミラストN酸化物は、ロフルミラストの活性な代謝物である。国際公開番号WO2001/90076およびWO2011/163469(両方とも本明細書において参照によって援用される)は、ロフルミラストN酸化物の調製および特定の使用を開示している。ロフルミラストおよびロフルミラストN酸化物についてのさらなる有効性前臨床および臨床の情報は、A.Hatzelmannら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,297,267−279,2001;Center For Drug Evaluation And Research Pharmacology Review(s) on Roflumilast(出願番号:022522Origls000)(米国のFDAのウェブサイトにおいてオンライン利用可能);D.S.Bundschuhら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,297,280−290,2001;Rabeら、Br.J.Pharmacol.,16353〜67,2011;Zuzana Diamantら、Pulmonary Pharmacology & Therapeutics 24,4(2011)353;およびS.Vollertら、Diabetologia,55,2779〜2788,2012(各々が参照によって本明細書に援用される)に示される。

概要

本開示は、自己免疫、呼吸および/または炎症性の疾患および状態を処置するために有用な薬学的組成物に(およびその方法に)関する。この方法は、ロフルミラストN酸化物を吸入によってその必要な被験体に投与することを包含する。本開示は具体的には、吸入によってロフルミラストN酸化物を投与することによる喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置に関する。

目的

本発明は、自己免疫、呼吸器性および/または炎症性の疾患または状態を、有効量のロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩の肺投与によって(例えば、吸入によって)処置する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

その必要な被験体において自己免疫呼吸器性または炎症性の疾患または状態を処置する方法であって、有効量のロフルミラスト酸化物またはその薬学的に許容される塩の投与包含する、方法。

請求項2

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が吸入によって投与される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が吸入によってドライパウダー溶液または懸濁物として投与される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩がドライパウダーとして投与される、請求項3に記載の方法。

請求項5

ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が溶液または懸濁物として投与される、請求項3に記載の方法。

請求項6

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が約5μg〜約2000μgの単回用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が約20μg〜約1200μgの単回用量で投与される、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が50μg〜1000μgの単回用量で投与される、請求項6に記載の方法。

請求項9

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が100μg〜8000μgの単回用量で投与される、請求項6に記載の方法。

請求項10

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が100μg、200μg、400μg、または600μgの単回用量で投与される、請求項6に記載の方法。

請求項11

前記疾患または状態が喘息COPD、慢性閉塞性細気管支炎急性気管支炎慢性気管支炎肺気腫アレルギー性鼻炎および非アレルギー性鼻炎から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

前記疾患または状態が喘息である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

前記疾患または状態がCOPDである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が長時間作用性β2アゴニスト、M3アンタゴニストコルチコステロイド、またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせて投与される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

前記長時間作用性β2アゴニストがカルモテロール、GSK−642444、インダカテロールミルテロール、アルフォルモテロール、フォルモテロール、サルブタモール、フォルモテロール、レバルブテロールテルブタリン、AZD−3199、BI−1744−CL、LAS−100977、バンブテロールイソプロテレノールプロカテロールクレンブテロールレプロテロール、フェノテロール、ASF−1020、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項12に記載の方法。

請求項16

前記M3アンタゴニストがアクリジニウムチオトロピウムイプラトロピウムおよびオキシトロピウム、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項14に記載の方法。

請求項17

前記コルチコステロイドがデキサメタゾンフルチカゾンフロ酸フルチカゾン、プレドニゾロンベタメタゾンブデソニドモメタゾン、モメタゾンフロ酸塩、トリアムシノロンアセトニドシクレソニドTPI−1020、ベクロメタゾンベクロメタゾンジプロピオネートプレドニゾンデフラザコート、ヒドロコルチゾンQAE−397、フルニソリド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。

請求項18

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が無水物、溶媒和物、または水和物である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

約10ミクロン未満(例えば、約0.1〜約10ミクロン、例えば約0.5〜約5ミクロン)のd50またはd90を有しているロフルミラストN酸化物。

請求項20

前記d50またはd90が(i)約10ミクロン以下、(ii)約6ミクロン未満、または(iii)約1ミクロンと約6ミクロンとの間である、請求項19に記載のロフルミラストN酸化物。

請求項21

吸入に適切な10ミクロン以下のd50またはd90を有しているロフルミラストN酸化物。

請求項22

(i)約6ミクロン未満または(ii)約1ミクロンと約6ミクロンとの間のd50またはd90を有している、請求項21に記載のロフルミラストN酸化物。

請求項23

ロフルミラストN酸化物および、必要に応じて、1つ以上の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含んでいる薬学的組成物であって、前記組成物が吸入によって投与される、薬学的組成物。

請求項24

定量吸入器MDI)またはドライパウダー吸入器DPI)の形態である、請求項23に記載の薬学的組成物。

請求項25

前記薬学的組成物が活性成分としてロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩の微粉末化された粒子生理学的に許容される薬理学的に不活性固体の担体の粒子とを含んでいる吸入可能なドライパウダーの形態である、請求項23に記載の薬学的組成物。

請求項26

前記薬学的組成物が活性成分としてロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩、噴霧剤ならびに、必要に応じて、1つ以上の共溶媒、薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含んでいるエアロゾルの形態である、請求項23に記載の薬学的組成物。

請求項27

前記ロフルミラストN酸化物が前記噴霧剤中の微粉末化されたロフルミラストN酸化物の粒子の懸濁物の形態である、請求項26に記載の薬学的組成物。

請求項28

前記ロフルミラストN酸化物のd50またはd90が(i)約10ミクロン以下、(ii)約6ミクロン未満または(iii)約1ミクロンと約6ミクロンとの間である、請求項23〜27のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項29

長時間作用性β2アゴニスト、M3アゴニスト、コルチコステロイド、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含んでいる、請求項23〜28のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

請求項30

前記長時間作用性β2アゴニストが、カルモテロール、GSK−642444、インダカテロール、ミルベテロール、アルフォルモテロール、フォルモテロール、サルブタモール、フォルモテロール、レバルブテロール、テルブタリン、AZD−3199、BI−1744−CL、LAS−100977、バンブテロール、イソプロテレノール、プロカテロール、クレンブテロール、レプロテロール、フェノテロール、ASF−1020、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項29に記載の薬学的組成物。

請求項31

前記M3アンタゴニストがアクリジニウム、チオトロピウム、イプラトロピウムおよびオキシトロピウム、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項29に記載の薬学的組成物。

請求項32

前記コルチコステロイドがデキサメタゾン、フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、ブデソニド、モメタゾン、モメタゾンフロ酸塩、トリアムシノロンアセトニド、シクレソニド、TPI−1020、ベクロメタゾン、ベクロメタゾンジプロピオネート、プレドニゾン、デフラザコート、ヒドロコルチゾン、QAE−397、フルニソリド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項29に記載の薬学的組成物。

請求項33

前記ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩が無水物、溶媒和物、または水和物である、請求項23〜32のいずれか1項に記載の薬学的組成物。

技術分野

0001

本出願は、各々、その全体が参照によって本明細書に援用される、2013年1月28出願のインド特許出願番号354/CHE/2013、および2013年1月28日出願の同第355/CHE/2013号の恩典を請求する。

0002

発明の分野
本発明は、自己免疫呼吸器性および/または炎症性の疾患または状態、例えば、喘息COPD、ならびにの他のアレルギー性および/または炎症性の障害を、ロフルミラスト酸化物またはその薬学的に許容される塩の肺投与によって(例えば、吸入によって)処置する方法に関する。本発明はまた、この方法での使用のための薬学的組成物にも関する。

背景技術

0003

自己免疫、呼吸器性および炎症性の疾患、例えば、慢性閉塞性の肺の障害(COPD)および喘息は、免疫系の機能不全または過剰な活性に関連する慢性であり、かつ進行性である場合が多い疾患である。

0004

喘息は、小児の間では最も一般的な慢性の疾患であり、また数百万例の成人にも影響する。世界中で2億3500万ほどの人がこの疾患に罹っている。

0005

COPDは高度に蔓延している状態であって、世界中の罹患状態および死亡の主な原因である。この疾患が進行するにつれて、COPDがある患者高頻度増悪する傾向になる場合があり、患者の不安、健康状態の悪化、肺機能の低下および死亡率の増大を生じる。呼吸機能を悪化するこれらのエピソードは、ヘルスケア利用、入院およびコストの増大につながる。より悪いことには、頻繁な増悪は、肺機能のより速い悪化に関連し、それによって平均余命が短くなる。

0006

COPDおよび喘息に加えて、肺の他のアレルギー性および/または炎症性障害としては、嚢胞性線維症および特発性肺線維症(IPF)のような疾患が挙げられる。

0007

慢性閉塞性肺疾患グローバルイニシアチブ(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)(GOLD)の推奨によれば、COPDのファーストライン治療は、長時間作用性のβ−アゴニストおよび長時間作用性のムスカリン性アンタゴニストおよび吸入コルチコステロイドである。しかし、これらの薬物は、その分子および細胞ベースを標的とするのではなく、疾患に関連する症状および増悪を低減する。従って、COPD治療ではさらなる改善がやはり必要である。

0008

PDE4インヒビターであるロフルミラスト(Daliresp(登録商標))は、米国では、慢性気管支炎および増悪の既往をともなう重篤なCOPDを有する患者においてCOPD増悪リスクを低減するための経口療法として承認されている。

0009

2010年の4月には、FDAに対する肺アレルギー薬諮問委員会(Pulmonary−Allergy Drugs Advisory Committee)(PADAC)は、わずかな利益および有害事象についての可能性に起因して、ロフルミラスト承認に対して10対5で反対に投票した。2011年の3月には、FDAは、当初追求されたものより狭い適応で、ロフルミラストを承認した(すなわち、慢性気管支炎および増悪の既往に関連する重篤なCOPDを有する患者でのCOPD増悪のリスクを低減するための処置)。ロフルミラストは用量依存性の毒性を有すると報告されており、このせいでロフルミラストの高用量での使用は制限される。下の表は、ロフルミラストを投与されているうち少なくとも2%で生じ、かつプラシーボより多い有害事象(AE)を示す。

0010

0011

R.W.Chapmanら、European Journal of Pharmacology,571,215−221(2007)は、その治療指数を改善する企図でBrown Norwayラットに対する吸入によるロフルミラストの投与を包含する実験を報告している。

0012

Dalirespのラベルによれば、ロフルミラストN酸化物は、ロフルミラストの活性な代謝物である。国際公開番号WO2001/90076およびWO2011/163469(両方とも本明細書において参照によって援用される)は、ロフルミラストN酸化物の調製および特定の使用を開示している。ロフルミラストおよびロフルミラストN酸化物についてのさらなる有効性前臨床および臨床の情報は、A.Hatzelmannら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,297,267−279,2001;Center For Drug Evaluation And Research Pharmacology Review(s) on Roflumilast(出願番号:022522Origls000)(米国のFDAのウェブサイトにおいてオンライン利用可能);D.S.Bundschuhら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,297,280−290,2001;Rabeら、Br.J.Pharmacol.,16353〜67,2011;Zuzana Diamantら、Pulmonary Pharmacology & Therapeutics 24,4(2011)353;およびS.Vollertら、Diabetologia,55,2779〜2788,2012(各々が参照によって本明細書に援用される)に示される。

0013

インド特許出願番号第354/CHE/2013号
インド特許出願番号第355/CHE/2013号
国際公開番号WO2001/90076
国際公開番号WO2011/163469

先行技術

0014

R.W.Chapmanら、European Journal of Pharmacology,571,215−221(2007)
A.Hatzelmannら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,297,267−279,2001
D.S.Bundschuhら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,297,280−290,2001
Rabeら、Br.J.Pharmacol.,16353〜67,2011
Zuzana Diamantら、Pulmonary Pharmacology & Therapeutics 24,4(2011)353
S.Vollertら、Diabetologia,55,2779〜2788,2012

発明が解決しようとする課題

0015

現在利用可能な介入治療にかかわらず、喘息およびCOPDのような呼吸器障害は、重要で満たされていない医学的必要性を有する疾患分類のままである。有害事象が少なく、治療がさらに有効である治療が必要である。

課題を解決するための手段

0016

発明の要旨
本発明は、自己免疫、呼吸器性および/または炎症性の疾患または状態を、有効量のロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩の肺投与によって(例えば、吸入によって)処置する方法を提供する。なんら特定の理論に結び付けられるものではないが、本発明者らは、ロフルミラストN酸化物の肺投与が、ロフルミラストN酸化物およびロフルミラストの低い血漿レベルを生じ、従って、ロフルミラストの経口投与よりも副作用が少ないという理論を立てる。さらに、ロフルミラストN酸化物の肺送達は、ロフルミラストの経口送達よりも広い治療濃度域を有する。これによって、薬物をより低用量で投与すること、および/または有害事象が少なないままで薬物投与計画を長くさせることが可能になる。

0017

この疾患または状態は、喘息、COPD、慢性閉塞性細気管支炎、慢性気管支炎、またはアレルギー性もしくは非アレルギー性鼻炎であってもよい。好ましい実施形態では、この疾患または状態は、喘息またはCOPDである。

0018

ロフルミラストN酸化物(またはその薬学的に許容される塩)は、ドライパウダー溶液または懸濁物の形態で吸入によって投与されてもよい。一実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、ドライパウダーとして投与される。別の実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、溶液として、または懸濁物として投与される。ロフルミラストN酸化物は、例えば、定量吸入器MDI)を用いて投与されてもまたはドライパウダー吸入器DPI)を用いて投与されてもよい。あるいは、ロフルミラストN酸化物は、ネブライザー(例えば、超音波ネブライザー)で投与されてもよい。

0019

一実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、約5μg〜約2000μgの単回用量として投与される。別の実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、約20μg〜約1200μgの単回用量として投与される。ロフルミラストN酸化物の1つ以上の用量が1日に投与されてもよい。

0020

さらに別の実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、約50μg〜約1000μgの単回用量として、例えば、約100μg〜約800μgの単回用量、例えば、約100μg、約200μg、約400μgまたは約600μgの単回用量として投与される。

0021

本発明はまた、ロフルミラストN酸化物および必要に応じて1つ以上の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含んでいる肺投与(例えば、吸入による)に適切な薬学的組成物に関する。この薬学的組成物は、喘息またはCOPDの処置のためなど、本明細書に記載の処置の方法において用いられ得る。

0022

この薬学的組成物は、活性成分としてロフルミラストN酸化物と、必要に応じて生理学的に許容される、薬理学的に不活性な固体の担体の粒子とを含んでいる吸入可能なドライパウダーの形態であってもよい。1つの好ましい実施形態では、ロフルミラストN酸化物粒子は、微粉末化された形態である。

0023

さらに別の実施形態は、活性成分としてロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩、噴霧剤、ならびに必要に応じて1つ以上の共溶媒、薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含んでいる肺投与のために適切なエアロゾルの形態である薬学的組成物である。

0024

なお別の実施形態は、ロフルミラストN酸化物またはその薬学的に許容される塩の粒子の懸濁物(例えば、ロフルミラストN酸化物の微粉末化された粒子)を噴霧剤中に含んでいる肺投与のために適切なエアロゾルの形態である薬学的組成物である。

0025

なお別の実施形態は、ロフルミラストN酸化物を含んでいる薬学的組成物を含む定量吸入器(MDI)またはドライパウダー吸入器(DPI)である。

0026

本明細書に記載される任意の方法または組成物では、ロフルミラストN酸化物は、約10ミクロン未満の粒径(例えば、d50またはd90)を有し得る。好ましい実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、約10ミクロン以下、好ましくは約6ミクロン未満、さらに好ましくは約1〜約6ミクロンの質量中央径、d50またはd90を有する。さらに別の実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、約10ミクロン未満(例えば、約0.1〜約10ミクロン、例えば約0.5〜約5ミクロン)の質量中央粒径d50またはd90を有する。

0027

ロフルミラストN酸化物は、無水物、溶媒和物水和物または薬学的に許容される酸あるいは塩基との塩の形態であってもよい。本明細書に記載の任意の方法または組成物のさらなる実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、第二の活性剤、例えば、1つ以上のロイコトリエンレセプターアンタゴニスト、例としては、LTD4−アンタゴニスト、コルチコステロイド、H1レセプターアンタゴニスト、β2アドレナリン受容体アゴニスト、COX−2選択性インヒビター、スタチン非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、M2および/またはM3アンタゴニスト、ベータミメティックス、追加のPDE4−インヒビター、EGFR−インヒビター、CCR3−インヒビター、iNOS−インヒビター、SYK−インヒビター、グルココルチコイド、δ2アゴニスト、p38キナーゼインヒビター、NK1レセプターアンタゴニスト、または任意の前述の任意の組み合わせと組み合わされてもよい。

0028

本明細書に記載の任意の方法または組成物の好ましい実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、長時間作用性β2アゴニスト(LABA)、M3アンタゴニスト、コルチコステロイド、およびそれらの任意の組み合わせから選択される第二の活性成分と組み合わされる。

図面の簡単な説明

0029

雌のウイスターラット気管支肺胞洗浄液(BALF)中のLPS誘発性好中球増加症阻害に対する、経口的に投与されたビヒクルおよびロフルミラスト(RFL)(0.3、1、3、および10mg/kg)の効果を示している散布図である(実施例3B.A)。
雌のウイスターラットのBALF中のLPS誘発性の好中球増加症の阻害に対する、気管内に(IT)投与されたロフルミラスト(RFL)(10、30および100μg/kg)の効果を示している散布図である(実施例3B.A)。
雌のウイスターラットのBALF中のLPS誘発性の好中球増加症の阻害に対する、気管内に(IT)投与されたロフルミラストN酸化物(N酸化物)(10、30および100μg/kg)の効果を示している散布図である(実施例3B.A)。
BALB/cマウスにおける煙草の煙誘発性の細胞浸潤で観察された、経口的に投与されたロフルミラスト(RFL)(1、3および10mg/kg(1日2回))の効果を示している散布図である(実施例3B.B)。
BALB/cマウスにおける煙草の煙誘発性の細胞浸潤で観察された、経口的に投与されたロフルミラスト(RFL)(1、3および10mg/kg(1日2回))の効果を示している散布図である(実施例3B.B)。
鼻腔内に投与されたロフルミラストN酸化物(N酸化物)(0.003、0.03、0.3および3g/kg(鼻腔内))後のBALB/cマウスにおける4日での煙草の煙誘発性の細胞浸潤COPDモデルにおける、それぞれマクロファージおよび好中球の数を示している散布図である(実施例3B.B)。
鼻腔内に投与されたロフルミラストN酸化物(N酸化物)(0.003、0.03、0.3および3g/kg(鼻腔内))後のBALB/cマウスにおける4日での煙草の煙誘発性の細胞浸潤COPDモデルにおける、それぞれマクロファージおよび好中球の数を示している散布図である(実施例3B.B)。

実施例

0030

発明の詳細な説明
本発明の方法は、少量の活性な化合物を用いて呼吸器性および炎症性の疾患および状態の処置を可能にする、ならびに/または呼吸器性および炎症性の疾患および状態の処置をより効率的な方式で長期間にわたって可能にする。本発明の方法はまた、ロフルミラストN酸化物の経口投与の際に期待されるよりもロフルミラストまたはロフルミラストN酸化物の全身的な副作用を低下することも可能にする。

0031

ロフルミラストN酸化物は以下の式を有する:

0032

ロフルミラストN酸化物は、薬学的に許容される塩の形態であってもよい。適切な薬学的に許容される塩としては限定するものではないが、Li、Na、K、Ca、Mg、Fe、Cu、Zn、およびMnのような無機塩基由来の塩;Ν,Ν’−ジアセチルエチレンジアミングルカミントリエチルアミンコリン水酸化物ジシクロヘキシルアミンメトホルミンベンジルアミントリアルキルアミン、およびチアミンなどの有機塩基の塩;アルキルフェニルアミングリシノール、およびフェニルグリシノールなどのキラル塩基の塩;グリシンアラニンバリンロイシンイソロイシンノルロイシンチロシンシスチンシステインメチオニンプロリンヒドロキシプロリンヒスチジンオルニチンン、リジンアルギニン、およびセリンのような天然アミノ酸の塩;MeIおよび(Me)2SO4のような、アルキルハライドおよびアルキルサルフェートとの本発明の化合物の四級アンモニウム塩;D−異性体または置換アミノ酸のような非天然アミノ酸の塩;グアニンの塩;ならびに置換グアニジンの塩であって、置換基ニトロ、アミノアルキルアルケニルアルキニルアンモニウムから選択される塩、または置換アンモニウム塩およびアルミニウム塩が挙げられる。適切な塩としてはまた、酸付加塩であって、必要に応じて、例えば、硫酸塩、硝酸塩リン酸塩過塩素酸塩ホウ酸塩ヒドロハライド酢酸塩酒石酸塩マレイン酸塩クエン酸塩フマル酸塩コハク酸塩パモ酸塩メタンスルホン酸塩安息香酸塩サリチル酸塩ベンゼンスルホン酸塩アスコルビン酸塩グリセロリン酸塩、およびケトグルタル酸塩が挙げられる。

0033

本明細書において分子量等の物理的性質に対し、または化学式等の化学的性質に対して範囲が使用される場合、その中の範囲および特定の実施形態のすべての組み合わせおよび副組み合わせが、含まれるものとする。「約」という用語は、数値または数値範囲について述べている場合、言及されている数値または数値範囲が、実験上のばらつきの範囲内(または統計的な実験誤差内)の近似であることを意味し、従って、この数値または数値範囲は、記載された数値または数値範囲から、例えば、1%〜15%異なってもよい。「含んでいる(comprising)」という用語(および「含む(compriseまたはcomprises)または有している(having)または包含している(including)」などの関連語)は、記載された特徴「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」実施形態、例えば、任意の物質組成、組成物、方法またはプロセスなどの実施形態を包含する。

0034

「有効量」または「治療上有効な量」という用語は、限定はされないが、下記で定義されるような疾患の処置を含む、意図されている用途を達成するのに十分な本明細書に記載のロフルミラストN酸化物の量を指す。治療有効量は、意図されている用途(インビトロまたはインビボ)、または治療を受けている被験体および疾患状態、例えば、被験体の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与様式などによって異なる場合があり、この量は、当業者によって容易に決定され得る。この用語はまた、標的細胞における特定の応答、例えば血小板粘着および/または細胞遊走の減少を誘発するであろう用量にも当てはまる。具体的な用量は、選択された吸入によるロフルミラストN酸化物の特定の投与法(例えば、噴霧化吸入用エアロゾル、または吸入用ドライパウダーによる)、従うべき投与計画、他の化合物と併せて投与されるかどうか、投与のタイミング、それが投与される組織、およびそれを運搬する物理的送達系に応じて変化するであろう。

0035

本明細書において用いる場合、「処置、治療(treatment)」、「処置、治療すること(treating)」という用語は、限定するものではないが、治療利益および/または予防効果を含む有益な、または所望の結果を得るためのアプローチを指す。治療効果が意味するものは、処置されている基礎疾患根絶または改善である。また、治療効果は、患者が未だ基礎疾患を患っているかにはかかわらず、この患者においてある改善が確認されるように、その基礎疾患に伴う生理的症状のうちの1つ以上が根絶または改善されることによっても達成される。予防効果を目的として、この組成物は、この疾患の診断がなされていない場合であっても、特定の疾患を発症する危険性がある患者に対して投与されても、または疾患の生理的症状のうちの1つ以上を報告している患者に対して投与されてもよい。

0036

「治療効果(therapeutic effect)」とは、本明細書において用いる場合、上記の治療効果(therapeutic benefit)および/または予防効果を包含する。予防効果としては、疾患もしくは状態の発生を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは状態の症状の発現を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは状態の進行を遅延、停止、もしくは逆行させること、またはその任意の組み合わせが包含される。

0037

「被験体」または「患者」という用語は本明細書において用いられる場合、哺乳動物、例えばヒトなどの任意の動物を指す。本明細書に記載の方法および組成物は、ヒトの治療および獣医学的応用の両方において有用であり得る。いくつかの実施形態では、患者は哺乳動物であり、一部の実施形態では、患者はヒトである。獣医学の目的に関しては、「被験体」または「患者」という用語は、限定するものではないが、ウシヒツジブタウマ、およびヤギを含む家畜イヌおよびネコなどの愛玩動物外来のおよび/または動物園の動物;マウス、ラット、ウサギモルモット、およびハムスターを含む実験動物;ならびにニワトリシチメンチョウ、アヒル、およびガチョウなどの家禽を包含する。

0038

炎症応答」とは、本明細書において用いる場合、発赤、熱、腫脹および疼痛(すなわち、炎症)によって特徴づけられ、典型的には組織の傷害または破壊を伴う。炎症応答は通常、組織の傷害または破壊によって誘導される限局性防御応答であり、この応答は、傷害性物質および傷害組織の両方を破壊する、希釈する、または囲む(wall off)(隔離する)ように働く。炎症応答は特に、白血球の流入および/または白血球(例えば、好中球)の走化性と関係している。炎症応答は、病原性生物体およびウイルスによる感染、心筋梗塞または脳卒中後外傷または再灌流などの非感染性手段、外来抗原に対する免疫応答、および自己免疫疾患に起因し得る。本発明による方法およびロフルミラストN酸化物を用いた処置に適している炎症応答には、特異的な防御システムの反応と関連する状態、および非特異的な防御システムの反答と関連する状態が包含される。

0039

本発明の方法としては、炎症性細胞の活性化と関連する状態の処置のための方法が含まれる。「炎症性細胞の活性化」とは、刺激(限定するものではないが、サイトカイン抗原または自己抗体を含む)による増殖性細胞応答の誘導、可溶性メディエーター(限定するものではないが、サイトカイン、活性酸素酵素プロスタノイド、または血管作用性アミンを含む)の産生、または炎症性細胞(限定するものではないが、単球、マクロファージ、Tリンパ球Bリンパ球顆粒球(好中球、好塩基球、および好酸球を含む多形核白血球)、マスト細胞樹状細胞ランゲルハンス細胞、および内皮細胞を含む)中での新しいもしくは増加したメディエーター(限定するものではないが、主要組織適合抗原または細胞接着分子を含む)の細胞表面発現を指す。これらの細胞におけるこれらの表現型の1つまたは組み合わせの活性化が、炎症性状態惹起永続化、または増悪の一因となり得ることは、当業者には明らかであろう。

0040

アレルギー性疾患」とは、本明細書において用いる場合、アレルギーに起因する任意の症状、組織の損傷、または組織機能喪失を指す。

0041

関節炎疾患」とは、本明細書において用いる場合、様々な病因に起因する関節の炎症性病変によって特徴づけられる任意の疾患を指す。

0042

本発明の薬学的組成物は、コルチコステロイドを含んでもよい。同様に、本明細書に記載の方法は、コルチコステロイドと同時処置されてもよいし、および/または同時投与されてもよい。ロフルミラストN酸化物およびコルチコステロイドは同じ組成物中であってもよいし、または同時投与される別の組成物中であってもよい。適切なコルチコステロイドとしては、限定するものではないが、デキサメタゾンフルチカゾンフロ酸フルチカゾン、プレドニゾロンベタメタゾンブデソニドモメタゾン、モメタゾンフロ酸塩、トリアムシノロンアセトニドシクレソニドTPI−1020、ベクロメタゾン、ベクロメタゾンジプロピオネートプレドニゾンデフラザコート、ヒドロコルチゾンQAE−397、フルニソリド、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0043

本発明の薬学的組成物は、第二の成分、例えば、1つ以上のLABA(長時間作用性β2アゴニスト)、M3アンタゴニスト、コルチコステロイドおよび前述のいずれかの任意の組み合わせを含んでもよい。同様に、本明細書に記載される方法は、このような第二の成分との同時処置および/または同時投与を含んでもよい。ロフルミラストN酸化物および第二の成分は、同じ組成物中であってもよいし、または同時投与される別の組成物中であってもよい。

0044

また本発明は、任意の疾患の予防または処置のための方法であって、ここではPDE4レセプターの活性が関係しており、PDE4レセプター活性の阻害が所望され、この方法が、その必要な患者に対して治療上有効な量のロフルミラストN酸化物を単独で、またはLABA(長時間作用性β2アゴニスト)、M3アンタゴニストおよび/またはコルチコステロイドから選択される第二のコンクティブ(compactive)剤と組み合わせて投与することを包含する、方法を提供する。

0045

PDE4レセプターの活性およびPDE4レセプターの阻害が関係する疾患としては、例えば、喘息およびCOPDのような気道閉塞によって特徴づけられる気道の疾患が挙げられる。

0046

本発明はまた、ロフルミラストN酸化物を含んでいる単回用量または複数回用量のドライパウダー吸入器、定量吸入器またはソフトミストネブライザーであり得る装置にも関する。

0047

また本発明は、ロフルミラストN酸化物の薬学的組成物を単独で、または追加の活性成分と組み合わせて、1つ以上の薬学的に許容される担体および/または賦形剤と混合して含んでいるキット、ならびに単回用量または複数回用量のドライパウダー吸入器、定量吸入器またはソフトミストネブライザーであり得る装置にも関する。

0048

気道では、環状ヌクレオチドの、特にcAMPの細胞内レベルの上昇に対する生理学的応答は、肥満細胞、マクロファージ、Tリンパ球、好酸球および好中球などの免疫および炎症促進性の細胞の活性の抑制につながり、その結果IL−I、IL−3および腫瘍壊死因子α(TNF−α)などのサイトカインを含む炎症性メディエーターの放出の減少を生じる。またこれは、気道平滑筋弛緩および浮腫の減少にもつながる。

0049

ロフルミラストN酸化物などのPDE−4インヒビターは、nM範囲でPDE4酵素に対してインビトロで阻害活性を示し、かつCOPDの動物モデルにおいて気管内投与の際に肺で顕著な活性を示す。またそれらは、肺で徐放性の肺レベルを示し、血漿中で検出不能であり、これは短い全身作用指標である。

0050

本明細書に示されるような気道の疾患の処置のためには、ロフルミラストN酸化物を吸入によって投与する。吸入可能な調製物としては例えば、吸入可能な粉末、噴霧剤含有の定量エアロゾルおよび噴霧剤なしの吸入可能な処方物が挙げられる。

0051

ドライパウダーとしての投与のために、公知の単回または複数回用量の吸入器を利用してもよい。ドライパウダーは、ゼラチンプラスチックもしくは他のカプセルカートリッジまたはブリスターパック中に、あるいはリザーバー中に充填されてもよい。一般にはロフルミラストN酸化物に対して化学的に不活性な希釈剤または担体、例えば、ラクトースまたは吸引性フラクション(respirable fraction)を改善するために適切な任意の他の添加物を本発明の粉末化した化合物に添加してもよい。

0052

ヒドロフルオロアルカンのような噴霧剤ガスを含んでいる吸入エアロゾルは、溶液中または分散型のいずれかでロフルミラストN酸化物を含んでもよい。また噴霧剤由来の処方物は、他の成分、例えば、共溶媒、安定化剤および必要に応じて他の賦形剤も含んでよい。

0053

ロフルミラストN酸化物を含んでいる噴霧剤なしの吸入可能な処方物は、水性アルコール性または水アルコール性の媒体中の溶液または懸濁液の形態であってもよく、それらは公知のジェットネブライザーもしくは超音波ネブライザーによって送達されてもよいし、またはRespimat(登録商標)のようなソフトミストネブライザーによって送達されてもよい。

0054

ロフルミラストN酸化物は、単独の活性成分として投与されてもよいし、または例えば、限定するものではないが、β2−アゴニスト、コルチコステロイドおよびM3アンタゴニストのような呼吸障害の処置に現在用いられているものを含む1つ以上の他の薬学的な活性成分と組み合わせて投与されてもよい。

0055

ロフルミラストN酸化物の投与量は、処置されるべき特定の疾患、症状の重篤度、投与間隔頻度、利用されるロフルミラストN酸化物、ロフルミラストN酸化物の有効性、毒性プロフィール、および薬物動態学的プロフィールを含む種々の要因に依存し得る。

0056

有利には、ロフルミラストN酸化物は吸入経路によって投与され得る。ロフルミラストN酸化物の投薬量は好ましくは、約0.01〜約20mg/日、例えば、約0.1〜約10mg/日である。さらに好ましくは、この投薬量は約0.1〜約5mg/日である。

0057

好ましくは、ロフルミラストN酸化物は単独で、または他の活性成分と組み合わせて、喘息、慢性気管支炎および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような任意の閉塞性の呼吸器疾患の予防、処置、阻害または抑制のために投与されてもよい。

0058

ロフルミラストN酸化物は、PDE4酵素の活性が関与しており、PDE4酵素活性の阻害が望ましい任意の疾患、またはPDE4活性によって媒介される疾患状態(例えば、PDE4が過剰発現されるかまたは過活性である疾患状態)の予防および/または処置のために投与されてもよい。

0060

またこのような疾患の例としては、神経および精神の障害、例えば、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症ALS)、多系統委縮症(MSA)、統合失調症パーキンソン病ハンチントン病ピック病抑うつ、脳卒中、および脊髄損傷が挙げられる。

0061

薬学的組成物
本発明の一態様は、吸入可能なドライパウダーの形態でロフルミラストN酸化物を含んでいる薬学的処方物を提供し、ここでこの処方物は、活性成分としてロフルミラストN酸化物の微粉末化された粒子、および生理学的に許容される薬理学的に不活性な固体の担体の粒子を含む。本発明以前には、ロフルミラストN酸化物が吸入に適切な微粉末化された粒子として調製され得ることは公知ではなかった。

0062

別の態様によれば、本発明は、本明細書に記載の任意の実施形態の吸入可能なドライパウダーを含んでいるドライパウダー吸入器を提供する。

0063

本発明のさらなる態様は、ある疾患であってPDE4酵素が関与しており、PDE4酵素活性の阻害が望ましい疾患、またはPDE4活性によって媒介される疾患状態の予防および/または処置のための使用のため、ならびに具体的には喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような炎症性または閉塞性の気道疾患の予防および/または処置のための使用のための本発明の吸入可能なドライパウダーを指す。

0064

本発明の別の態様は、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの炎症性または閉塞性の気道疾患を予防、処置、阻害または抑制するための方法を指し、この方法は、本明細書に記載の任意の実施形態による治療上有効な量の吸入可能なドライパウダーの吸入による投与を包含する。

0065

本発明の別の態様は、本明細書に記載される任意の実施形態による吸入可能なドライパウダーを含んでいるパッケージ、およびドライパウダー吸入器に関する。

0066

「単回の治療上有効な用量」とは、吸入器の作動の際に吸入によって1回で投与される活性成分の量を意味する。「単回の治療上有効な用量」は、1回以上の作動、好ましくは、吸入器の1回の作動(ショット)で送達され得る。「作動」とは、単回の活動による(例えば、機械的または呼吸による)装置からの活性成分の放出を意味する。

0067

おおまかに言えば、粒子の粒径は、レーザー回折により、体積直径(volume diameter)として公知の特徴的な球相当径を測定することによって定量される。またこの粒径は、例えば、ふるい分析器のような適切な公知の装置によって質量直径を測定することによっても定量され得る。

0068

体積直径(VD)は、粒子の密度による質量直径(mass diameter)(MD)に関連する(粒子についてサイズ非依存性密度を想定する)。

0069

粒径は、質量直径(MD)の立場から表現されてもよく、粒径分布は、以下に関して表現される:i)質量中央径(MMD)、これは粒子のそれぞれ重量あたり、または容積あたり50%の直径に相当する、およびii)MD(それぞれ、粒子の10%および90%のミクロン)。MMDおよび平均粒径という用語は、交換可能に用いられる。粒径の測定では、d90、d50およびd10はそれぞれ、その物質の90%、50%および10%が、特定されたミクロンのサイズ未満であることを意味する。

0070

粒径のレーザー回折測定は、乾式法(ここでは気流中の化合物/塩の懸濁物が、レーザービームを横切る)を用いてもよいし、または湿式法(ここではイソオクタン(例えば、化合物がイソオクタンに可溶性である場合)または水中の0.1%Tween80のような液体分散媒体中の化合物/塩の懸濁物が、レーザービームを横切る)を用いてもよい。レーザー回折では、粒径は、例えば、Malvern MastersizerまたはSympatec装置を用いて測定され得る。例えば、レーザー回折による粒径測定および/または分析は、以下のいずれかまたは全て(好ましくは全て)を用い得る:Malvern Mastersizerロングベッドバージョン、水に含有される0.1%のTween80の分散媒体、約1500rpmの撹拌速度、最終分散および分析の前の約3分の超音波処理、300RF(Reverse Fourier)レンズ、および/またはMalvernソフトウェアによるFraunhofer算出。他に特定しない限り、全てのd50およびd90測定を、湿式法を用いてレーザー回折によって測定する。

0071

「吸引性フラクション」という表現は、患者の深部肺に到達する活性粒子パーセンテージ指数を指す。また吸引性フラクションは、微粒子画分とも呼ばれ、一般的な薬局方に報告されている手順によって、Multistage Cascade ImpactorまたはMulti Stage Liquid Impinger(MLSI)などの適切なインビトロの装置を用いて評価される。これは、送達される用量と微粒子の質量(もとは微粒子用量)との間の比で算出される。30%を超える吸引性フラクションは、良好な吸入性能の指数である。

0072

送達される用量は、装置中の累積的な沈着から算出されるが、微粒子質量は、粒子<4.7ミクロンに相当する、フィルターAF)に対するステージ3(S3)上の沈着から算出される。「正確な治療上有効な用量の活性成分」という表現は、送達される平均の1日用量と平均の放出用量との間の変動が15%以下、好ましくは10%未満である処方物を指す。

0073

一態様では、本発明の組成物は、ロフルミラストN酸化物の微粉末化された粒子、および生理学的に許容される薬理学的に不活性な固体の担体の粒子を含んでいる吸入可能なドライパウダーの形態の薬学的処方物である。

0074

本発明による組成物は、吸入器からの吸入による投与の場合、治療上有効な単回用量(本明細書において以降では単回用量)のロフルミラストN酸化物が約5μg〜約2000μg、例えば、約20μg〜約1200μg、例えば、約50μg〜約1000μg、約100μg〜約800μg、または約100μg〜約600μgを含むような量で、活性成分を含む。

0075

好ましい実施形態によれば、この単回用量は約100〜約300μgであってもよいが、別の好ましい実施形態によれば;この単回用量は約200〜約800μg、さらに好ましくは約300μg〜約600μg含まれてもよい。他の実施形態では、この単回用量は約100μg、約200μg、約400μgまたは約600μgであってもよい。

0076

この単回用量は、患者の疾患および状態(体重、性別、年齢)の種類および重篤度に依存し、1日に1回以上、好ましくは1日に1回または2回投与されるものとする。

0077

ロフルミラストN酸化物を含んでいる薬学的組成物の1日用量は約100μg〜約2000μg、好ましくは約200μg〜約1000μg、さらに好ましくは約200μg〜約800μg、それよりさらに好ましくは約100μg〜約600μgを含むものとする。

0078

一実施形態では、この一日用量は、1回投与で到達されても、または2回投与で到達されてもよい。

0079

別の実施形態では、この一日用量は、1回投与で到達され、吸入器の1回の作動で送達され得る。

0080

別の実施形態では、この一日用量は、1回投与で到達され、吸入器の2回以上の作動、好ましくは2回の作動で送達され得る。

0081

別の実施形態では、この一日用量は、2回の投与で到達され、吸入器の1回の作動で送達され得る。

0082

別の実施形態では、この一日用量は、2回の投与で到達され、吸入器の2回以上の作動、好ましくは2回の作動で送達され得る。

0083

本発明による処方物中のロフルミラストN酸化物の粒子は好ましくは、微細粉砕された(微粉末化)形態であり、すなわち、それらの質量中央径は、一般には約10ミクロン以下、好ましくは約6ミクロン未満であるものとし、さらに好ましくは約1〜約6ミクロンに含まれるものとする。

0084

活性成分は、公知の方法を用いて、例えば、粉砕、直接沈殿噴霧乾燥凍結乾燥または超臨界流体によって所望の粒径に生成され得る。

0085

担体粒子は、任意の生理学的に許容される薬理学的に不活性な物質、または吸入使用に適切な物質の組み合わせからできていてもよい。

0086

例えば、担体粒子は、糖アルコール類ポリオール類、例えば、ソルビトールマンニトールおよびキシリトール、ならびに結晶性の糖、例としては、単糖類および二糖類無機の塩、例えば、塩化ナトリウムおよび炭酸カルシウム有機の塩、例えば、乳酸ナトリウム;ならびに他の有機化合物、例えば、尿素多糖類、例えば、デンプンおよびその誘導体オリゴ糖類、例えばシクロデキストリンおよびデキストリンから選択され得る。

0087

有利には、担体粒子は、結晶性の糖、例えば、グルコースもしくはアラビノースなどの単糖、またはマルトースサッカロースデキストロースもしくはラクトースなどの二糖からできている。

0088

本明細書に記載される処方物は、公知の方法によって調製され得る。一般には、このプロセスは以下の工程を包含する:
i)活性成分および担体を一緒微粒子化する工程;ならびにii)得られた共微粒子化された混合物凝集および球状化に供する工程。

0089

あるいは、このプロセスは以下の工程を包含する:
i)活性成分および担体を別々に微粒子化する工程;ii)微粒子化された成分を混合する工程;ならびにiii)得られた混合物を凝集および球状化に供する工程。

0090

本発明の処方物がある規則的な混合物の形態である場合、これは、吸入装置の作動の際に担体粒子からの活性な粒子の放出を促進し得、それによって吸引性フラクションを改善する添加物質を有利に含み得る。

0091

担体の粗粒子の表面に結合されることが好ましい追加の物質とは、担体粒子とは異なる物質である。

0092

この添加物質はアミノ酸であってもよく、好ましくは、ロイシン、イソロイシン、リジン、バリン、メチオニン、およびフェニルアラニンから選択される。この添加物は、アミノ酸の誘導体の塩、例えば、アスパルテームまたはアセフルファカリウムであってもよい。

0093

あるいは、添加物質は、1つ以上の水溶性界面活性物質、例えば、レシチン、具体的には大豆レシチンを含んでもよい。

0094

本発明の特定の実施形態では、添加物質は、ステアリン酸およびその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウムラウリル硫酸ナトリウムフマル酸ステアリルナトリウムステアリルアルコールスクロースモノパルミタートからなる群より選択される1つ以上の潤滑剤を含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。

0095

他の可能性のある添加物質としては、滑石二酸化チタン、二酸化アルミニウム、および二酸化ケイ素が挙げられる。

0096

有利には、この添加粒子は、約35ミクロン未満の出発平均粒径またはd50を有する。好ましくは、それらは1約5ミクロンを超えない、さらに好ましくは約10ミクロンを超えない平均粒径またはd50を有する。

0097

添加物質の至適量は、その添加物質の化学的組成および他の特性に依存する。一般には、添加物の量は、処方物の総量に基づいて約10重量%を超えない。特定の実施形態では、添加物質の量は、処方物の総重量に基づいて約5重量%を超えない、好ましくは約2重量%を超えない、約1重量%を超えない、または約0.5重量%を超えない。一般には、添加物質の量は、処方物の総重量に基づいて少なくとも0.01重量%である。

0098

規則的な混合物の形態である本発明の処方物はまた、約15ミクロン以下、好ましくは約10ミクロン以下、それよりさらに好ましくは約6ミクロン以下の質量中央径(MMD)を有する生理学的に許容される薬理学的に不活性な物質の微粒子を含んでもよい。

0099

生理学的に許容される薬理学的に不活性な物質の微粒子のパーセンテージは、処方物の総量の約0.1〜約40%に有利に含まれる。

0100

好ましくは、この粗粒子および微粒子は、同じ生理学的に許容される薬理学的に不活性な物質から構成されている。

0101

本発明による規則的な混合物の形態の処方物は、公知の方法に応じて調製されてもよい。適切な方法は、担体の粗粒子、任意の微細な担体粒子および添加粒子を一緒に混合する工程と、微細に粉砕されたロフルミラストN酸化物をこの得られた混合物に最終的に添加する工程とを包含し得る。本発明による好ましい処方物は、国際公開番号WO2001/78693に報告される方法によって調製されてもよい。

0102

微小粒子中に包埋される添加物質の存在は、公知の方法によって、例えば、微量熱量測定に連結された電子走査顕微鏡によって検出され得る。

0103

本発明の処方物はさらに、呼吸疾患の予防および/または処置に有用な他の治療剤、例えば、サルブタモールサルメテロール、およびビラテロールなどのβ2アゴニスト、プロピオン酸フルチカゾンまたはフロ酸フルチカゾン、フルニソリド、モメタゾンフロ酸塩、ロフレポニドおよびシクレソニドなどのコルチコステロイド、臭化イプラトロピウムオキシトロピウム臭化物臭化チオトロピウムオキシブチニンなどの抗コリン剤または抗ムスカリン剤、ならびにそれらの組み合わせを含んでもよい。

0104

本明細書に記載されるドライパウダー処方物は、全ての慣習的なドライパウダー吸入器、例えば、単位用量または複数回用量の吸入器で用いられてもよい。

0105

例えば、本発明の処方物は、硬性ゼラチンカプセル中に充填され、次にAerolizer(商標)のような単位用量吸入器に充填されてもよい。代替的に、粉末としての処方物は、国際公開番号WO2004/012801に記載されるもののような粉末リザーバーを備える複数回用量の吸入器に充填されてもよい。

0106

本発明はまた、医薬としての使用のための、前に記載の処方物のいずれか1つに関する。

0107

一態様では、本発明は、加圧定用量吸入器(Pressurized Metered Dose Inhaler)(pMDI)によるエアロゾル投与に適切な、(本明細書において以降ではpMDI処方物と呼ぶ)、ロフルミラストN酸化物および噴霧剤を含んでいる薬学的処方物を提供する。

0108

特定の実施形態では、pMDI処方物は、エアロゾル処方物の投与の際に肺への活性成分の吸入を可能にするように、噴霧剤中の微粉末化されたロフルミラストN酸化物の粒子の懸濁物の形態であってもよい。

0109

有利には、活性成分の粒子は、約10ミクロン未満、好ましくは約1〜約10ミクロンの範囲、さらに好ましくは約1〜約6ミクロンの質量中央径(MMD)を有するものである。

0110

任意の加圧液化(pressure−liquefied)噴霧剤、好ましくはヒドロフルオロアルカン(HFA)噴霧剤を用いてもよい。HFA噴霧剤の適切な例としては、限定するものではないが、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA227)およびそれらの混合物が挙げられる。

0111

特定の実施形態では、噴霧剤はHFA134aを含んでもよいが、他の実施形態では、噴霧剤はHFA227、またはその混合物を任意の比で含んでもよい。

0112

ある特定の実施形態では、懸濁物pMDI処方物は、バルブの潤滑としても機能し得るサーファクタントを含む。

0113

適切なサーファクタントは当該分野で公知であり、これには例えば、ソルビタンエステル類、例えば、ソルビタントリオレエートソルビタンモノラウレートソルビタンモノオレエートおよびそれらのエトキシル化誘導体、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80エチレンオキシドプロピレンオキシドコポリマー、および他の剤、例えば、天然または合成のレシチン、オレイン酸ポリビニルピロリドンPVP)、好ましくはPVP(K25)およびポリビニルアルコールオリーブ油モノラウリン酸グリセリルコーン油綿実油またはヒマワリ種子油ミリスチン酸イソプロピルオレイルアルコールポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテルステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、オキシエチレンおよびオキシプロピレンブロックコポリマージエチレングリコールジオレエート、テトラヒドロフルフリルオレエートエチルオレエートグリセリルモノオレエートモノステアリン酸グリセリルグリセリルモノリシノレート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルピリジニウムクロライド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーおよびエトキシル化アルコール、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)300−1000、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、Antarox、Brij、および前述の任意の組み合わせが挙げられる。

0114

本発明によるpMDI処方物中に存在し得るサーファクタントの量は、通常は約0.001〜約3.0%(w/w)、好ましくは約0.005〜約1.0%(w/w)の範囲である。

0115

必要に応じて、pMDI処方物は共溶媒を含んでもよい。適切な共溶媒としては、限定するものではないが、1つ以上のヒドロキシル基または他の極性基を含む極性の化合物が挙げられる。例えば、適切な共溶媒としては、アルコール、例えば、エタノール、好ましくは無水エタノールイソプロパノールグリコール、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはグリセロールグリコールエーテル;およびポリオキシエチレンアルコール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0116

一実施形態では、共溶媒は無水エタノールである。好ましい実施形態では、無水エタノールは、約20%(w/w)未満、好ましくは約15%未満、さらに好ましくは約1%〜約5%(w/w)、最も好ましくは約1%(w/w)または約5%(w/w)の濃度で用いられる。

0117

他の実施形態では、本発明によるpMDI処方物は、さらに追加の賦形剤を含んでもよい。追加の賦形剤の例としては、糖、例えば、ラクトース、アミノ酸、例えば、アラニン、ベタイン、システイン、および/または抗酸化物質、例えば、アスコルビン酸クエン酸エデト酸ナトリウムエデト酸トコフェロールブチルヒドロキシトルエンブチルヒドロキシアニソールおよびパルミチン酸アスコルビルが挙げられる。

0118

賦形剤に対する薬物の重量比は一般には、約1:0.1〜約1:100の範囲である。

0119

本発明の薬学的なpMDI処方物は、ロフルミラストN酸化物を約0.02〜約0.7%(w/w)、好ましくは約0.05〜約0.5%の量で、共溶媒を約1〜約5%(w/w)の量で、および1つ以上のサーファクタントを約0.001%〜約3%(w/w)の量で含んでもよい。

0120

本発明による懸濁物pMDI処方物を調製するために、ロフルミラストN酸化物を当該分野で公知の方法によって微粉末化して、活性物質を、5μm以下およびより好ましくは3μm以下などのd50またはd90など、吸入のために適切な典型的な粒子サイズを有する粒子の形態で調製する。

0121

別の局面によれば、本発明は、本発明の薬学的処方物を充填されたキャニスター、および活性成分の毎日の治療上有効な用量を送達するための定量バルブを含んでいるpMDIを提供する。

0122

本発明のpMDI処方物をpMDIに充填する。pMDIは、定量バルブを取り付けられたキャニスターを含む。定量バルブの作動によって、ごく一部の噴霧生成物を被験体に放出することが可能になる。

0123

一実施形態では、この処方物は、約25μl〜約100μlの容積を送達できる定量バルブによって作動される。

0124

有利には、処方物を充填されたMDI装置は、用量カウンター装備されてもよい。

0125

従来のバル製造法および公知の機械を、充填されたキャニスターの市販の生成物についての大規模バッチの調製のために使用してもよい。

0126

例えば、本発明によるpMDI懸濁物処方物は、冷却された噴霧剤または必要に応じて噴霧剤および必要に応じてさらに賦形剤の事前混合されたブレンドへ活性成分を添加すること、次いで適切なミキサーを用いて得られた懸濁物を分散することによって調製され得る。ホモジナイゼーション後、懸濁物をMDIキャニスターに充填してもよく、このキャニスターはキャニスターに定量バルブを圧接することによって閉じられる。

0127

あるいは、活性成分および必要に応じてさらに賦形剤を、容器に添加してもよい。次いで液化された噴霧剤を加圧下で容器に導入し、活性成分を、適切なミキサーおよびホモジナイザーを用いて分散してホモジナイズする。ホモジナイゼーション後、バルク処方物を、バルブ・ツー・バルブの移行法を用いることによって個々のMDIキャニスターに移してもよい。

0128

あるいは、共溶媒は、存在する場合、室圧で容器に導入される。活性成分および任意のさらなる賦形剤は、適切なホモジナイザーを用いて添加され、ホモジナイズされる。エタノール懸濁物は、撹拌下で保持される。次いで、エタノールのバルクを開放キャニスター中に投与する。バルブをの上に置いて圧接する。最終的に、キャニスターは、バルブを通じて最終溶液処方物を加圧充填される。

0129

本発明によるpMDI処方物は、用いられる定量バルブの容積次第で、1mlあたり約0.1mg〜約50mgのロフルミラストN酸化物、好ましくは1mlあたり約0.5mg〜約25mgのロフルミラストN酸化物を含んでもよい。

0130

微粉末化されたロフルミラストN酸化物および噴霧剤の粒子を含んでいる懸濁物の形態のpMDI処方物は、活性成分を、吸入器からの吸入による投与の場合、ロフルミラストN酸化物の毎日の治療上有効な用量(本明細書において以降では一日用量)が約5μg〜約2000μg、好ましくは約20μg〜約1500μg、さらにより好ましくは約50μg〜約1000μg、それよりさらに好ましくは約60μg〜約800μg、なおさらに好ましくは約200μg〜約600μgであるような量で含む。

0131

好ましい実施形態によれば、単回用量は約100μg〜約300μgである。別の好ましい実施形態によれば、単回用量は約200μg〜約800μg、さらに好ましくは約300μg〜約600μgである。

0132

さらなる実施形態では、単回用量は約100μg、約200μg、約400μgまたは約600μgであってもよい。

0133

単回用量は、患者の疾患の種類および重篤度ならびに条件(体重、性別、年齢)に依存して、1日に1回以上、好ましくは1日に1回投与される。

0134

1日用量は、薬学的組成物が含まれる吸入器の1回または2回またはそれを超える作動(ショット)で送達されてもよい。例えば、400μgの1日用量は400μgの1ショットで投与されてもよいし、または200μg用量の2ショットとして投与されてもよい。

0135

別の態様では、ロフルミラストN酸化物を、溶解するかまたは懸濁して、単回用量または複数回用量のバイアル処方物のいずれかとして利用可能な、噴霧型の水溶液または懸濁液(ここで噴霧処方物と呼ばれる)を得てもよい。

0136

噴霧処方物は、適切な緩衝液および/または等張性剤を用いてpHおよび/または等張性を調節されてもよく、必要に応じて、またこれは、安定化剤および/または保存剤を含んでもよい。

0137

また本発明は、ネブライザーにより活性成分の一日治療用量を送達するための本明細書に記載のような噴霧処方物を充填された単回用量または複数回用量のバイアルを提供する。

0138

本発明の噴霧による投与のためのすぐ使用できる調製物の形態での液体の、噴霧剤なしの薬学的処方物は、ロフルミラストN酸化物を、1日用量が約35μg〜約7000μg、好ましくは約70μg〜約3500μg、なおさらに好ましくは約175μg〜約2800μg、なおさらに好ましくは約280μg〜約2100μg、なおさらに好ましくは約350μg〜約1750μgであるような量を含む。

0139

好ましい実施形態によれば、単回用量は約350μg〜約700μgに含まれてもよいが、別の好ましい実施形態によれば、単回用量は約700μg〜約1400μgに含まれてもよい。

0140

さらなる実施形態では、単回用量は約350μg、約700μgまたは1400μgであってもよい。

0141

処方物は好ましくは、すぐ使用できる処方物として用いられる。

0142

別の実施形態では、この噴霧処方物はまた、溶液中の再構成のための単位用量で凍結乾燥された形態であってもよい。この実施形態では、凍結乾燥された調製物の単回用量は、使用前に再構成されてもよい。

0143

また、これらの噴霧処方物は、複数回用量のバイアル、または好ましくは、単回投薬投与のための単回用量バイアルなどの適切な容器中に分配されてもよい。このような単回用量バイアルは事前滅菌されてもよく、または好ましくは、「吹き込み、充填および密閉」技術を用いて無菌的に充填されてもよい(http://www.brevettiangela.comを参照のこと)。この充填は好ましくは不活性雰囲気下で行われる。

0144

溶液処方物は濾過によって有利に滅菌され得る。

0145

単回用量バイアルは好ましくは2mlの容積である。懸濁物処方のためには、滅菌プロセスは、公知の技術を通じて行われる。

0146

これらの処方物は、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、メッシュ振動(mesh−vibrating)ネブライザー、ソフトミスト(soft−mist)ネブライザー、例えば、Respimat(登録商標)などのような適切な噴霧装置を用いる投与を意図している。

0147

また本発明は、単回用量投与のためのバイアル中に充填される本明細書に記載のような噴霧処方物およびネブライザーを含んでいるキットにも関する。

0148

本発明の全てのpMDIおよび噴霧処方物はさらに、呼吸器障害の処置で用いられる治療剤などの他の治療剤、例えば、コルチコステロイド、例えば、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、フルニソリド、モメタゾンフロ酸塩、ロフレポニドおよびシクレソニド;抗コリン性剤または抗ムスカリン性剤、例えば、臭化イプラトロピウム、オキシトロピウム臭化物、臭化グリコピロニウムおよび臭化チオトロピウム;長時間作用性β2アゴニスト、例えば、ビランテロール、インダカテロールミルベテロール、サルブタモール、レバルブテロールテルブタリン、AZD−3199、BI−1744−CL、LAS−100977、バンブテロールイソプロテレノールプロカテロールクレンブテロールレプロテロール、フェノテロールおよびASF−1020、ならびにそれらの塩を含んでもよい。

0149

本発明はまた、医薬としての使用のための、前に記載の処方物のいずれか1つに関する。

0150

さらなる態様では、本発明は、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの炎症性または閉塞性の気道疾患の予防および/または処置における使用のために、前に記載の処方物のいずれか1つを含む。

0151

さらなる態様では、本発明は、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの炎症性または閉塞性の気道疾患の予防および/または処置における、前に記載の処方物のいずれか1つの使用を包含する。

0152

なおさらなる態様では、本発明は、前に記載の処方物の1つの有効量の吸入による投与を包含する、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの炎症性または閉塞性の気道疾患を予防および/または処置する方法を包含する。

0153

本発明の全ての処方物の投与は、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸性疾患の軽度、中度または重度急性または慢性の症状の予防および/もしくは処置のため、または予防的処置のために適応され得る。慢性閉塞性細気管支炎および慢性気管支炎のような、炎症および粘液の存在の結果としての末梢気道閉塞によって特徴付けられる他の呼吸器障害もまた、この種の処方物によって利益がある場合がある。

0154

本発明のさらなる実施形態は、呼吸器および炎症性の疾患または状態(特にここでこの気道および炎症性の疾患および状態が喘息、アレルギー性および非アレルギー性の鼻炎ならびにCOPDから選択される)の処置における使用のための本発明による薬学的組成物に関する。

0155

本明細書に記載の任意の方法または組成物のさらなる実施形態では、ロフルミラストN酸化物は、例えば、LTD4−アンタゴニストを含むロイコトリエンレセプターアンタゴニスト、コルチコステロイド、H1レセプターアンタゴニスト、β2アドレナリン受容体アゴニスト、COX−2選択性インヒビター、スタチン、非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)、M2および/またはM3アンタゴニスト、ベータミメティックス、追加のPDE4−インヒビター、EGFR−インヒビター、CCR3−インヒビター、iNOS−インヒビター、SYK−インヒビター、グルココルチコイド、δ2アゴニスト、p38キナーゼインヒビター、NK1レセプターアンタゴニストおよびそれらの任意の組み合わせから選択される第二の活性剤と組み合わされる。

0156

本発明における使用のための適切なβ2アゴニストとしては、限定するものではないが、アルフォルモテロール、バンブテロール、ビトルテロールブロキサテロール(broxaterol)、カルブテロール(carbuterol)、クレンブテロール、ドペキサミン、フェノテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリンイブテロール、イソエタリンイソプレナリンレボサルブタモールマブテロールメルアドリンメタプロテレノール、ノロロール(nolomirole)、オルシプレナリンピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リトドリンリモテロール、サルブタモール、サルメファモール、サルメテロール、シベナデット、ソテネロットスルフォンテロール(sulfonterol)、テルブタリン、チアラミドツロブテロール、GSK−597901、GSK−159797、GSK−678007、GSK−642444、GSK−159802、HOKU−81、(−)−2−[7(S)−[2(R)−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニルエチルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチルオキシ]−N,N−ジメチルアセトアミド塩酸塩一水和物カルモテロール、QAB−149および5−[2−(5,6−ジエチルインダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシプロピルスルホニルエチル]アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(1−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンズオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンズオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンズオキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンズオキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンズオキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノール、1−(4−エトキシカルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、およびそれらの組み合わせ(各々は、必要に応じて、それらのラセミ体エナンチオマージアステレオマー、または混合物の形態であり、また必要に応じて薬理学的に適合性の酸付加塩の形である)が挙げられる。

0157

本発明における使用のための適切なコルチコステロイドおよびグルココルチコイドとしては、限定するものではないが、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンデキサメサゾン、ナフロコート(naflocort)、デフラザコート、ハロプレドン酢酸塩、ブデソニド、ベクロメタゾン二プロピオン酸塩、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニドフルオシノニド、クロコルトロンピバル酸塩、メチルプレドニゾロンアセポナート、パルミチン酸デキサメサゾン、チプレダン、ヒドロコルチゾンアセポナート、プレドニカルベート、二プロピオン酸アルクロメタゾンハロメタゾン、メチルプレドニゾロンスレプタネート(suleptanate)、モメタゾンフロ酸塩、リメキソロンファルネシル酸プレドニゾロン、シクレソニド、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、エタボンロテプレドノール、ベタメタゾン酪酸塩プロピオン酸塩、フルニソリド、プレドニゾン、デキサメサゾンリン酸ナトリウム塩、トリアムシノロン、ベタメタゾン17−吉草酸塩、ベタメタゾン、ベタメタゾン二プロピオン酸塩、ヒドロコルチゾン酢酸塩、ヒドロコルチゾンナトリウムコハク酸塩、プレドニゾロンリン酸ナトリウム塩、ヒドロコルチゾンプロブテート(probutate)およびそれらの組み合わせが挙げられる。

0158

本発明における使用のための適切なLTD4アンタゴニストとしては、限定するものではないが、トメルカスト(tomelukast)、イブジラスト、ポビルカスト、プランルカスト水和物、ザフィルカスト、リトルカスト(ritolukast)、ベルルカスト(verlukast)、スルカスト(sulukast)、シナルカスト、イラルカストナトリウムモンテルカストナトリウム、4−[4−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシプロピルスルホニルフェニル]−4−オキソ酪酸、[[5−[[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロピル]チオ]−1,3,4−チアジアゾル−2−イル]チオ]酢酸、9−[(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−n−プロピルフェノキシ)メチル]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、5−[3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)ビニル]フェニル]−8−(N,N−ジメチルカルバモイル)−4,6−ジチアオクタン酸ナトリウム塩;3−[1−[3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)ビニル]フェニル]−1−[3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロピルスルファニルメチルスルファニルプロピオン酸ナトリウム塩、6−(2−シクロヘキシルエチル)−[1,3,4]チアジアゾロ[3,2−a]−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−9(1H)−オン、4−[6−アセチル−3−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルチオプロポキシ]−2−プロピルフェノキシ]酪酸、(R)−3−メトキシ−4−[1−メチル−5−[N−(2−メチル−4,4,4−トリフルオロブチル)カルバモイルインドル−3−イルメチル]−N−(2−メチルフェニルスルホニルベンズアミド、(R)−3−[2−メトキシ−4−[N−(2−メチルフェニルスルホニル)カルバモイル]ベンジル]−1−メチル−N−(4,4,4−トリフルオロ−2−メチルブチルインドール−5−カルボキサミド、(+)−4(S)−(4−カルボキシフェニルチオ)−7−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]−5(Z)−ヘプテン酸、国際出願番号PCT/EP03/12581の化合物、およびそれらの組み合わせが挙げられる。

0159

本発明における使用のためのegfr−キナーゼの適切なインヒビターとしては、限定するものではないが、パリフルミン、セツキシマブゲフィチニブ、レピフェルミン、エルロチニブ塩酸塩、カネルニブ(canertinib)二塩酸塩ラパチニブ、N−[4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−3−シアノ−7−エトキシキノリン−6−イル]−4−(ジメチルアミノ)−2(E)−ブテンアミド、およびそれらの組み合わせが挙げられる。

0160

本発明における使用のための適切なp38キナーゼインヒビターとしては、限定するものではないが、クロルチアゾールジシレート(edisylate)、ドラマピモド(doramapimod)、5−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(2,4−ジフルオロフェニルスルファニル)−6H−ピリミド[3,4−b]ピリダジン−6−オン、4−アセトアミド−N−(tert−ブチル)ベンズアミド、SCIO−469(Clin Pharmacol Ther 2004,75(2)の抄訳に記載)、PII−7およびVX−702(Circulation 2003,108(17,補遺4)、抄訳 882に記載)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。

0161

本発明における使用のための適切なNK1−受容体アンタゴニストとしては、限定するものではないが、ノルピタンチウムベシル酸塩、ダピタント、ラネピタント、ボフォピタント(vofopitant)塩酸塩アプレピタント、エズロピタント、N−[3−(2−ペンチルフェニルプロピオニル]−スレオニル−N−メチル−2,3−デヒドロチロシルロイシル−D−フェニルアラニルアロ−スレオニル−アスパラギニル−セリンC−1.7−O−3.1ラクトン、1−メチルインドール−3−イルカルボニル−[4(R)−ヒドロキシ]−L−プロリル−[3−(2−ナフチル)]−L−アラニンN−ベンジル−N−メチルアミド、(+)−(2S,3S)−3−[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシベンジルアミノ]−2−フェニルピペリジン、(2R,4S)−N−[1−[3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル]−2−(4−クロロベンジルピペリジン−4−イル]キノリン−4−カルボキサミド、3−[2(R)−[1(R)−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]−3(S)−(4−フルオロフェニル)モルホリン−4−イルメチル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−ホスフィン酸ビス(N−メチル−D−グルカミン)塩;[3−[2(R)−[1(R)−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]−3(S)−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニルメチル]−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル]ホスホン酸1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−D−グルシトール(1:2)塩、1’−[2−[2(R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル]スピロベンゾ[c]チオフェン−1(3H)−4’−ピペリジン]2(S)−オキシド塩酸塩および化合物CS−003(Eur Respir J 2003,22(補遺45):抄訳P2664に記載)およびそれらの組み合わせが挙げられる。

0162

本発明における使用のための適切なNSAIDとしては、限定するものではないが、アセクロフェナクアセメタシンアセチルサリチル酸アルクロフェナク、アルミノプロフェンアンフェナクアンピロキシカム、アムトルメチンアシル(Amtolmetinguacil)、アニロラク(Anirolac)、アントラフェニン(antrafenin)、アザプロパゾン、ベノリラート、ベルモプロフェン(Bermoprofen)、ビンダリト(bindarit)、ブロムフェナクブクロキシン酸(bucloxis acid)、ブコロームブフェキサマク、ブマジゾン、ブチフェン(butibufen)、ブチキシラト(Butixirat)、カルバサラーカルシウムカルプロフェン(carprofen)、トリサルチル酸コリンマグネシウムセレコキシブシンメタシン(Cinmetacin)、シンノキシカム(Cinnoxicam)、クリダナク、クロブザリト(Clobuzarit)デボキサメト(Deboxamet)、デクスイブプロフェンデクスケトプロフェンジクロフェナクジフルニサル、ドロキシカムエルテナク(Etenac)、エンフェナム酸(Efenamsaeure) エテルサラト(Etersalat)、エトドラクエトフェナメート、エトリコキシブ、フェクロブゾン(Feclobuzon)、フェルビナクフェンブフェン、フェンクロフェナク、フェノプロフェンフェンチアザク、フェプラジノール(Fepradinol) フェプラゾン(Feprazon)、フロブフェン(Flobufen)、フロクタフェニンフルフェナム酸(flufenam acid)、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フロフェナク(Furofenac)、フルプロフェン(Furprofen)、グルカメタシン(Glucametacin)、イブフェナク、イブプロフェンインドブフェンインドメタシン、インドメタシンフラシル(Indometacin farnesil)、インドプロフェン、イソキセパクイソキシカム、ケトプロフェンケトロラクロベンザリット、ロナゾラク、ロルノキシカムロキソプロフェンルミラコキシブ、メクロフェナミック(meclofenamic)、メクロフェン、メフェナム酸(mefenam acid)、メロキシカムメサラジン、ミロプロフェン(Miro Profen)、モフェゾラクナブメトンナプロキセン、ニフルミク酸(niflumic acid)、オルサラジンオキサプロジンオキシピナク、オキシペンブタゾン、パレコキシブフェニルブタゾンペルビプロフェン(Pelbiprofen)、ピメプロフェン(Pimeprofen)、ピラゾラク(Pirazolac)、ピロキシカムピルプロフェンプラノプロフェンプリフェロン(Prifelon)、プリノモド(Prinomod)、プログルメタシン、プロカゾン、プロチジン酸(Protizinsaeure)、ロフェコキシブ、ロマザリト(Romazarit)、サリチルアミドサリチル酸、サルミステイン(Salmi Stein)、サルナセジン(Salnacedin)、サルサラート、スリンダク、スドキシカム、スプロフェンタルニフルマト(Tlniflumat)、テニダップ、テノサル(Tnosal)、テノキシカムテポキサリン(tepoxalin)、チアプロフェン酸(tiaprofenic acid)、タラミド(Taramid)、チルノプロフェンアルバメル(Tilnoprofenarbamel)、チメガジン(timegadin)、チノリジン、チオピナク(Tiopinac)、トルフェナム酸、トルメチン、ウフェナマートバルデコキシブ(valdecoxib)、キモプロフェン(Ximoprofen)、ザルトプロフェン、ゾリプロフェン(Zoliprofen)およびそれらの組み合わせが挙げられる。

0163

本明細書に記載される組み合わせは、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)の同時の、併用のまたは連続した阻害により寛解し易い任意の障害の処置に用いられ得る。従って、本発明は、これらの障害の処置の方法、およびこれらの障害の処置のための医薬の製造における本発明の併用の使用も包含する。

0164

このような障害の好ましい例は、呼吸性の疾患、例えば、喘息、急性もしくは慢性の気管支炎肺気腫、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)であり、ここでは気管支拡張剤の使用が有益な効果を有すると期待される。

0165

ロフルミラストN酸化物の微粉末化
1つの好ましい実施形態では、吸入によって投与されるロフルミラストN酸化物は、微粉末化される。微粉末化は、機械的な衝撃によって(例えば、ハンマーミルピンミルまたはビーズミリングのようなミルの使用によって)または液体エネルギーを介した衝撃によって(例えば、ジェットミリングまたはスパイラルジェットミルもしくは流動床ジェットミルの使用によって)行われてもよい。微粉末化および微粉末化過程の追加の詳細は、Spring 2005 Pharmaceutical Manufacturing and Packaging Sourcerarticle(J. M Larranによる),Journal of Pharmaceutical Processing,「Advances in Powder Micronization Technology in Pharmaceutical Industry by Hokosawa Micron Powder System」; 微粉末化についてのWikipedia項目;G.Gianola,「Micronization Systems−Innovative Equipment Design and Applications」(Advances in Pharmaceutical Processingに提示)(Somerset,NJ,2012)およびR.Smith,「Micronization of Active Pharmaceutical Ingredients to Nanometer Scale」、(Advances in Pharmaceutical Processingに提示)(Somerset,NJ,2012)に示される。

0166

下に示されるのは、Alpine Spiral Jet Mill (HOSOKAWA)を用いるロフルミラストN酸化物の微粉末化のために用いられる例示的な方法である。この過程は以下の工程を包含した
●15gmのロフルミラストN酸化物を量した。
圧縮空気供給用のメインノブを開放した。
ベンチャー(venture)圧力を6.0バールに、リング圧力を0.5バールに調節した。
●ロフルミラストN酸化物を約200mg/分の供給速度ホッパーを通じて手動的に添加した。
●微粉末化の完了後、メイン空気供給ノブをオフに回して、微粉末化されたロフルミラストN酸化物を収集した。
収率:約9.0g(約60%の収率)。D90の粒径分布(Particle Size Distribution)(PSD):3.021μm; D50:1.564μmおよびD10:0.777μm。

0167

実施例
本発明はここで、以下の非限定的な実施例によってさらに例示される。

0168

下の実験では、ロフルミラスト−N酸化物を低用量で吸入によって効率的に送達して、経口的に投与されるロフルミラストについて観察されるもの以上の生物学的効果を達成し得ることが示される。

0169

実施例1:ロフルミラストおよびロフルミラストN酸化物の肺ミクロソーム定性
ラット、イヌおよびヒトの肺ミクロソームを用いて代謝安定性研究を行った。ラット、イヌおよびヒトの肺ミクロソームを用いる研究のためのプロトコール(Xenotech,USA由来)を下に示す。

0170

0.4mgのタンパク質を、リン酸塩緩衝液(pH約7.4)中に含まれる2mMのNADPH(補因子)とともに15分間370℃でプレインキュベートし、次いで1μΜのテスト品目を添加し、さらに60分間三連インキュベートした。その反応混合物を、内部標準を含有するメタノールを用いて終わらせて、さらに遠心分離して、LC−MS/MSによって上清中に残る試験品目を分析した。残留する親化合物パーセントを、0分で終わらせた同様のサンプルと比較して算出した。表1は、肺の代謝安定性データを示す。

0171

実施例2:薬物動態学的(PK)研究
気管内(IT)経路による肺動態
雄および雌のウイスターラットを秤量して、種々の時点で群に無作為化した。ロフルミラストN酸化物を、気管内投与のための適切なビヒクル中の懸濁物として調製した。気管内投薬のために、動物をケタミン(50mg/kg;i.p.)で麻酔して、ロフルミラストN酸化物をラット用Intratracheal Microsprayer(登録商標)Aerosolizerを介して0.5mlのガラスシリンジ(Model IA−1B−R−GL500)(Penn Century,US)を用いて投与した。0.5ml/kgの容積レベルを、ラットの気道系に1.0mg/kgの用量で単回用量のおよび複数回用量の研究のために投与した。動物を正常な規則的食餌条件下で維持して、ラットの咀嚼食餌はその研究全体にわたって自由に提供した。血液および肺のサンプル(全ての収集は各々の動物から各々150μl)をサンプリングスケジュールに従って収集した。血液サンプル眼窩静脈叢から、抗凝固剤としてEDTA二カリウムを含有する微量遠心管中に収集した。血液サンプルを直ちに1000gの速度で4℃で10分間遠心分離して、分離した血漿サンプルを−80℃より下で凍結して分析まで保管した。全てのサンプル中のロフルミラストN酸化物の血漿および肺での濃度を、確立した方法のとおりLC−MS/MS(X−Calibur2.0.7ソフトウェアを用いる)によって分析した。定量下限(LOQ)未満のサンプルを、生データ中で定量限界未満(BLQ)(below level of quantification)と呼び、結果を適宜作表した。薬物動態学的パラメーターCmax、AUC0−t、AUC0−∞、Tmax、t1/2、Kel、VZおよびCLZを、WinNonlin(Phoenix6.1ソフトウェア)を用いて、上の濃度について推定して、結果を作表した。血漿の薬物動態パラメーターを、濃度データからng/mlとして算出した。CmaxおよびAUC値は、それぞれng/mlおよびng・h/mlとして報告した。肺の薬物動態学的パラメーターを、濃度データからng/gとして算出した。CmaxおよびAUC値は、それぞれng/gおよびng−h/gを単位として報告した。肺対血漿の濃度比を、1に等しい血漿密度を仮定することによって算出した。ロフルミラストN酸化物の時間−平均血漿濃度プロットを、Graph pad Prism 5.02ソフトウェアを用いて行った。表2は、単回および複数回用量の研究についての肺および血漿の動態を示す。

0172

0173

実施例3:吸入研究
吸入研究のために、ロフルミラストN酸化物を懸濁物として投与する。ロフルミラストN酸化物(100mg)を乳鉢に入れて、重量測定希釈における適切な溶媒の添加後に粉砕して微細な懸濁液を得る。

0174

吸入懸濁物投与のためには、動物をプレキシガラスチャンバに入れて、ロフルミラストN酸化物に(適切な濃度で)30分間、エアロゾルの形態で、適切な流速で(L/分)Piston Nebulizer(Infi−Neb,USA)を用いて、曝した。

0175

ドライパウダー吸入投与のために、動物をケタミン(50mg/kg;i.p.(腹腔内))で麻酔し、次いでその動物に微粉末化されたロフルミラストN酸化物と適切な担体の混合物を粉末の形態で、気管内通気法(Penn Centuryガス注入パウダー送達デバイス(DP−4,US)を用いる)を介して投与する。

0176

実施例3A:インビトロの生物学的研究
MH−S(マウス肺胞マクロファージ)細胞におけるリポポリサッカライド(LPS)誘発性TNFα:
MH−Sとは、LPSによる誘発の際に大量のTNFαを分泌するマウスの肺胞マクロファージ細胞株である。細胞は1ウェルあたり150,000個の細胞で播種される。種々の濃度のロフルミラストN酸化物をLPSの添加の15分前に添加する。LPS(1μg/ml)を添加し、次いで4時間インキュベートする。上清をインキュベーション期間終わりに収集して、TNFαを、ELISAキットを用いて推定する。阻害パーセントおよびIC50値を決定する。

0177

THP−1(ヒト単球)細胞におけるLPS誘発性TNFα:THP−1とは、内因性のpAKTレベルが上昇しており、LPSによる誘発の際に大量のTNFαを分泌する単球性細胞株である。細胞は、1ウェルあたり150,000個の細胞で播種される。種々の濃度のロフルミラストN酸化物を添加する。LPS(1μg/ml)を添加し、次いで4時間インキュベートする。上清をインキュベーション期間の終わりに収集して、TNFαを、ELISAキットを用いて推定する。阻害パーセントおよびIC50値を決定する。

0178

ヒト全血におけるCon A+PMA誘発性IFNγ:新鮮に収集したヒトの全血(HWB)を培地で希釈して、所望の濃度のインヒビターとともに15分間インキュベートする。サイトカイン放出コンカナバリン(Concanavalin)A(25μg/ml)+酢酸ミリスチン酸ホルボール(50ng/ml)の添加で誘発する。上清を20時間後に収集して、IFNγを、ELISAキットを用いて推定する。阻害パーセントおよびIC50値を決定する。

0179

末梢血単核細胞(PBMC)におけるCon A+PMA誘発性IFNγ:全血由来のPBMCを、Histopaqueを用いる密度勾配によって単離して、所望の濃度のインヒビターとともに15分間インキュベートする。サイトカイン放出をコンカナバリンA(25μg/ml)+酢酸ミリスチン酸ホルボール(50ng/ml)の添加で誘発する。上清を20時間後に収集して、IFNγを、ELISAキットを用いて推定する。阻害パーセントおよびIC50値を決定する。

0180

実施例3B:インビボの生物学的研究
A.雌のSprague−Dawleyラットモデルにおけるリポポリサッカライド(LPS)誘発性の肺好中球増加
好中球(neutrophila)の過大な補充およびその後の活性化は、重篤な喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、および急性呼吸窮迫症候群のような気道および肺におけるいくつかの炎症性の疾患の発達および経過について重要であると考えられる。好中球増加(neutrophila)がこれらの疾患に寄与する機序は、好中球エラスターゼのようなタンパク質分解性酵素および遊離の活性酸素の放出を含み得る。放出された場合、これらの化合物は、気管支収縮気管支過敏性、過剰分泌、上皮の損傷、および気道の組織再構築を生じ得る。

0181

ロフルミラストを、経口投与のための適切なビヒクル中の懸濁物として調製した。気管内投与のために、ロフルミラストまたはロフルミラストN酸化物は、ドライパウダー混合物として調製し、ドライパウダー吸入器(Insufflator)(Penn−Century,USA)を用いることによって投与した。動物をケタミンで麻酔して、LPS溶液を、ロフルミラスト(経口的に0.3、1、3、および10mg/kgの用量で)の1時間後、またはロフルミラスト(10、30および100μg/kg i.t.(気管内)の用量で)の30分後、またはロフルミラストN酸化物投与(10、30および100μg/kg,i.tの用量で)の30分後に気管内に投与した。LPS滴下6時間後、動物を麻酔下で放血し、次いで気管にカニューレ挿入して、肺をヘパリン化PBS(1単位/ml)の5mlのアリコートを用い気管カニューレを通じて4回洗浄した(総容積20ml)。BAL(気管支肺胞洗浄)液を、総細胞および白血球数についてアッセイするまで2〜8℃で保管した。気管支肺胞液を遠心分離して(500×gで10分間)、次いで得られた細胞ペレットを0.5mlのヘパリン化生理食塩水中に再懸濁した。白血球の総数を、血球計数器を用いてBAL液中で決定して、1×106細胞/mlに調節した。種々の細胞数手技的に算出した。100マイクロリットルの細胞懸濁物を、サイトスピン3を用いて遠心分離して細胞スメアを調製した。この細胞スメアを、血液染色溶液を用いて鑑別のために染色し、スライドを顕微鏡で観察して、それらの形態学的特徴に従って好酸球を特定した。細胞スメアの300の白血球の中で各々の細胞種の数を決定してパーセンテージとして表した。各々のBAL液中の好中球の総数を算出した。

0182

ロフルミラストおよびロフルミラストN酸化物を気管内に(i.t)、100、30、および10g/kg用量で、それぞれ1:200;1:500;および1:1000の薬物:ラクトース混合物として投与した。

0183

i.ロフルミラストの有効用
ロフルミラストは経口投与の際に、0.3、1、3および10mg/kgで、コントロール群と比較して好中球浸潤において用量依存性の阻害を示した。結果を図1に示す。阻害パーセントは、それぞれ、7.89%、43.46%、68.02%、および92.21%であり、50%阻害(ED50)用量は1.8mg/kgであった。

0184

ロフルミラストは気管内投与の際に、10、30および100μg/kgで、コントロール群と比較して好中球浸潤において用量依存性の阻害を示した。結果を図2に示す。阻害パーセントは、それぞれ、31.76%、60.47%、および64.40%であり、50%阻害(ED50)用量は26μg/kgであった。

0185

ii.ロフルミラストN酸化物の有効量。
ロフルミラストN酸化物は気管内投与の際に、10、30および100μg/kgで、コントロール群と比較して好中球浸潤において用量依存性の阻害を示した。結果を図3に示す。阻害パーセントは、それぞれ、37.52%、49.66%、および69.48%であって、50%阻害(ED50)用量は27μg/kgであった。

0186

B.雌のBalb/cマウスにおける急性の煙草の煙誘発性の細胞浸潤
動物を実験の開始前に7日間順化させた。その動物を、その体重に基づいて種々の群に無作為分布させた。ロフルミラストの経口投与のため、およびロフルミラストN酸化物の鼻腔内投与のため、ロフルミラストまたはロフルミラストN酸化物を適切なビヒクル中の懸濁物として調製した。1日目、マウスにロフルミラストN酸化物またはロフルミラストを投与し、1時間後、その動物を全身暴露ボックスに入れた。1日および2日目に、そのマウスを6本の煙草の主流煙に、そして3日目および4日目には8本の煙草の主流煙に曝した。各々の煙草の煙に対する暴露を10分間続けた(タバコは最初の2分で完全に燃え尽き、続いて動物のベンチレーターで気流に、次いで20分間新鮮な部屋の空気に曝された)。二本目の煙草の後ごとに、新鮮な部屋の空気への暴露を伴う追加の20分間の中断を行った。コントロールの動物を室温チャンバに曝した。1日目〜4日目に、動物にロフルミラストN酸化物またはロフルミラストを投与した。5日目に、最後の煙草の煙(cigarette smoke)(CS)暴露の24時間後、その動物を麻酔下で放血して、気管にカニューレを挿入し、肺をヘパリン化PBS(1単位/ml)の0.5mlのアリコートを用い気管カニューレを通じて4回洗浄した(総容積20ml)。収集した気管支肺胞液(BAL)を遠心分離して、総細胞および白血球数のためにアッセイするまで2〜8℃で保管した。BAL液を遠心分離(500×gで10分間)して、得られた細胞ペレットを0.5mlのヘパリン化生理食塩水中に再懸濁した。白血球の総数をBAL液中で決定して、1×106細胞/mlに調節した。種々の細胞数を手技的に、ディクイック染色によって算出した。40マイクロリットルの細胞懸濁物を、サイトスピン3を用いて遠心分離して細胞スメアを調製した。この細胞スメアを、血液染色溶液を用いて鑑別のために染色し、顕微鏡で観察して、それらの形態学的特徴に従って細胞種を特定した。細胞スメアの300の白血球のうち各々の細胞種の数を決定してパーセンテージとして表し、各々のBAL液中の好中球およびマクロファージの数を算出した。

0187

ロフルミラストおよびロフルミラストN酸化物をポリソルベート80(1%v/v)およびメチルセルロース(MC)(0.5%w/v)中の懸濁物として、それぞれ経口投与および鼻腔内投与のために用いた。

0188

i.ロフルミラストの有効用量
ロフルミラストは経口投与の際に、1、3および10mg/kgで、コントロール群と比較してマクロファージ浸潤において用量依存性の阻害を示した。阻害パーセントは、それぞれ、22.2%、51.00%、および69.11%であり、50%阻害(ED50)用量は3.5mg/kgであった。好中球浸潤における用量依存性の阻害を観察し、阻害パーセントはそれぞれ、70.85%、73.69%、および83.01%であり、50%阻害(ED50)用量は1.75mg/kgであった。マクロファージおよび好中球についての結果をそれぞれ、図4Aおよび図4Bに示す。

0189

ii.ロフルミラストN酸化物の有効量。
ロフルミラストN酸化物は鼻腔内投与の際に、0.003、0.03、0.3および3mg/kgで、コントロール群と比較してマクロファージ浸潤において用量依存性の阻害を示した。阻害パーセントは、それぞれ、50.68%、55.10%、62.79%および63.35%であって、50%阻害(ED50)用量は0.049mg/kgであった。好中球浸潤における用量依存性の阻害を観察し、阻害パーセントはそれぞれ、26.60%、59.28%、66.49%および72.08%であった。50%阻害(ED50)用量は0.038mg/kgであった。マクロファージおよび好中球についての結果をそれぞれ、図5Aおよび図5Bに示す。

0190

C.雄のモルモットにおけるオボアルブミン誘発性の肺好酸球増加症
気道炎症および過敏反応性(AHR)は、気管支喘息の顕著な特徴であって、識別性の特徴である。事前感作されたマウスの同じアレルゲンによる刺激は、優先的な好酸球浸潤を伴う気道炎症を誘発し、結果としてAHRを誘発する。気道音の神経制御の変化および気道上皮剥離に関連する肺の好酸球増加および気道の再構築は、喘息におけるAHRに寄与し得る。

0191

隔離期間の後、0.3mLの血液サンプルを眼窩静脈から、眼窩後神経叢法によって、各々の個々の動物から収集して、細胞分析器(ADVIA 2120、Siemens)で分析する。それらの総細胞カウントに基づいて、モルモットを無作為化して、種々の群に分ける。識別のために消せないマーキングペン耳介マークする。0日目に、体重を記録して、次いでその動物を50μgのオボアルブミンおよび10mgのミョウバン溶液(1mL)を用いて腹腔内で感作する。7日目および14日目に、上記の感作プロトコールを繰り返す。ロフルミラストN酸化物を、適切なビヒクル中の懸濁物としてまたはドライパウダー混合物として調製する。ロフルミラストN酸化物またはビヒクルを、エアロゾル懸濁物によってまたはドライパウダー吹き込みによって投与する。18日目に、動物をロフルミラストN酸化物で処置する。19日目および20日目に、動物をロフルミラストN酸化物で処置して、1分あたり0.2mlの流速の超音波ネブライザーを用いて0.5%(w/v)のオボアルブミンに10分間曝す。21日目に、絶食させた動物をロフルミラストN酸化物で処置し、投与15分後、動物に1%(w/v)のオボアルブミン溶液を10分間噴霧する。コントロール群の動物を0.5%(w/v)のメチルセルロース(ビヒクル)で処置する。ニセのコントロール群は、0、7および14日に10mgのミョウバンで感作し、19、20および21日に同じ噴霧速度を用いて生理食塩水溶液に曝す。OVAチャレンジの24時間後、血液サンプルおよびBAL液を収集する。サンプルを、血液分析器(AD VIA 2120、Siemens)を用いて総細胞数について分析し、白血球数の計測を手技的に行う。

0192

実施例4:安全性および毒性
経口投与によるロフルミラストに比較して吸入によるロフルミラストN酸化物の安全性を決定するために、7日および14日の反復用量の安全性研究を、下の表5に示されるプロトコールに従って行う。

0193

0194

結果を表6に示す。

0195

ロフルミラストN酸化物の気管内投与は、有意な毒性を示したロフルミラストの経口投与に比較して安全であることが見出された。

0196

ロフルミラストN酸化物(1000μg/kg)の気管内投与は、安全であることが見出され、27μg/kgというそのED50に基づいて37倍を超える有意な治療濃度域を呈する。対照的に、ロフルミラスト(10mg/kg)の経口投与では、1.8mg/kgというそのED50を考えれば、治療指数はより低かった(すなわち、これは5.5倍でさえ毒性である)。

0197

ロフルミラストN酸化物に関連する代謝安定性、薬物動態、インビボ有効性および安全性研究についての前述のデータによって、吸入によるロフルミラストN酸化物の投与が、ロフルミラストの経口投与に比較した場合、安全性の有意な改善を伴う所望の治療効果を有することが示される。

0198

本明細書において、具体的実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、これらの実施形態は、単に本発明の原理および応用の例示であることが理解されるべきである。従って、上記の趣旨および本発明の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態に多くの改変を行い得ること、および他の構成が考案され得ることが理解されるべきである。添付の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義していること、ならびにこれらの請求項およびそれらの等価物の範囲内の方法および構造はそれらによってカバーされることが意図される。

0199

本出願において引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、各々の個々の刊行物、特許または特許出願が、参照により本明細書に援用されることが具体的および個々に示されるのと同じ程度まで、参照により本明細書に援用される。

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