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技術 Tat−NR2B9cの凍結乾燥製剤

出願人 ノノインコーポレイテッド
発明者 ガーマン,ジョナサンデイヴィッド
出願日 2013年11月25日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-545156
公開日 2016年1月28日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2016-502537
状態 特許登録済
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 残留液滴 扱い温度 合計領域 温度分析 緩衝範囲 加速温度 容器体積 殺菌ろ過
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月28日)のものです。
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図面 (8)

課題・解決手段

本発明は、活性薬剤、特にTAT-NR2B9cの凍結乾燥製剤を提供する。TAT-NR2B9cは、脳卒中、動脈瘤くも膜下出血及び他の神経学的又は神経外傷状態治療する有望性を示している。かかる製剤は、室温で安定であることから、疾患又は事故現場、又は、病院へ移動中において投与する救急車においてかかる製剤の供給の維持管理が容易になる。

概要

背景

関連出願についてのクロスリファレンス
本願は、2012年11月28日に出願された61/730,952の非仮出願であり、全ての目的のために完全に引用している。

配列表の引用
2013年11月20日に作成された16キロバイトの427409SEQLIST.txtと称する配列表を引用している。

背景
Tat-NR2B9c(NA-1)は、PSD-95を阻害する薬剤であることから、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)と神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)との結合を破壊して、脳虚血によって誘導される興奮毒性を低減する。治療により、梗塞サイズ及び機能障害は、低減される。TAT-NR2B9c(NA-1)は、第二相試験が良好であった(WO 2010144721及びAarts et al., Science 298, 846-850 (2002) (Hill et al., The Lancet Neurology, 11:942 - 950 (2012))を参照)。

TAT-NR2B9cは、深刻な副作用がないため、出血がないことを確認するために作成された当該技術分野において承認されている基準による診断なしに、脳卒中又は他の虚血状態又は出血状態が疑われている場合でも投与することができる。例えば、TAT-NR2B9cは、脳卒中又は神経外傷が発生した(例えば、患者の家において)場所で又は対象を病院へ搬送している救急車において投与することができる。

本発明の概要
本発明は、pH6-7でTAT-NR2B9c(配列番号:6)、ヒスチジン及びトレハロースを含んでいる未凍結乾燥製剤を提供する。任意に、TAT-NR2B9cは70-120mg/mlの濃度であり、ヒスチジンは15-100mMの濃度であり、トレハロースは80-160mMの濃度である。任意に、TAT-NR2B9cは70-120mg/mlの濃度であり、ヒスチジンは20-100mMの濃度であり、トレハロースは100-140mMの濃度である。

任意に、Tat-NR2B9cは70-120mg/mlの濃度であり、ヒスチジンは20-50mMの濃度であり、トレハロースの濃度は100-140mMであり、pHは6-7である。任意に、ヒスチジンの濃度は20mMであり、トレハロースの濃度は100-200mM、好ましくは120mMであり、TAT-NR2B9cの濃度は90mg/mlである。

本発明は、更に、上述の未凍結乾燥製剤のいずれかを凍結乾燥することによって作成された凍結乾燥製剤を提供する。

本発明は、更に、上述の凍結乾燥製剤と水溶液とを組み合わせることによって作成された再構成製剤を提供する。任意に、水溶液は、水又は通常の生理食塩水である。任意に、再構成製剤の量は、未凍結乾燥製剤の量の3-6倍である。

本発明は、更に、15-25mg/mlの濃度のTAT-NR2B9cと、4-20mMの濃度のヒスチジンと、20-30mMの濃度のトレハロースをpH 6-7で含む再構成製剤を提供する。

本発明は、更に、以下のステップを含む、製剤を作成する方法を提供する。

室温で少なくとも1週間、本願明細書に記載の凍結乾燥製剤サンプルを保存するステップと、凍結乾燥製剤を再構成するステップ。

本方法は、任意に通常の生理食塩水にて更に希釈した後に再構成製剤を患者に投与するステップを更に含むことができる。任意に、上記患者は、CNSに対する外傷又は脳卒中を患っている。

任意に、上記凍結乾燥サンプルは、救急車に保管される。任意に、上記患者は、くも膜下出血を患っている。任意に、上記患者は、動脈瘤に関する血管内修復を受けている。

概要

本発明は、活性薬剤、特にTAT-NR2B9cの凍結乾燥製剤を提供する。TAT-NR2B9cは、脳卒中、動脈瘤、くも膜下出血及び他の神経学的又は神経外傷状態を治療する有望性を示している。かかる製剤は、室温で安定であることから、疾患又は事故現場、又は、病院へ移動中において投与する救急車においてかかる製剤の供給の維持管理が容易になる。

目的

本発明の概要
本発明は、pH6-7でTAT-NR2B9c(配列番号:6)、ヒスチジン及びトレハロースを含んでいる未凍結乾燥製剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

pH6-7においてトレハロースヒスチジン及びTAT-NR2B9c(配列番号:6)を含む、未凍結乾燥製剤

請求項2

前記TAT-NR2B9cは、70-120mg/mlの濃度であり、前記ヒスチジンは、15-100mMの濃度であり、前記トレハロースは、80-160mMの濃度である、請求項1に記載の未凍結乾燥製剤。

請求項3

前記TAT-NR2B9cは、70-120mg/mlの濃度であり、前記ヒスチジンは、20-100mMの濃度であり、前記トレハロースは、100-140mMの濃度である、請求項1に記載の未凍結乾燥製剤。

請求項4

前記Tat-NR2B9cは、70-120mg/mlの濃度であり、前記ヒスチジンは、20-50mMの濃度であり、前記トレハロースは、100-140mMの濃度である、請求項1に記載の未凍結乾燥製剤。

請求項5

前記ヒスチジンの濃度は、20mMであり、前記トレハロースの濃度は、100-200mM、好ましくは120mMであり、前記TAT-NR2B9cの濃度は、90mg/mlである、請求項1に記載の未凍結乾燥製剤。

請求項6

請求項1-5のいずれかに記載の未凍結乾燥製剤を凍結乾燥することによって作成された凍結乾燥製剤。

請求項7

請求項6に記載の凍結乾燥製剤と水溶液との組み合わせによって作成された、再構成製剤

請求項8

前記水溶液は、水又は正常生理食塩水である、請求項7に記載の再構成製剤。

請求項9

前記再構成製剤の量は、未凍結乾燥製剤の量の3-6倍である、請求項7に記載の再構成製剤。

請求項10

pH 6-7での20-30mMの濃度におけるトレハロース、4-20mMの濃度におけるヒスチジン及び15-25mg/mlの濃度におけるTAT-NR2B9cを含む、再構成製剤。

請求項11

室温で少なくとも1週間、請求項4に記載の凍結乾燥製剤サンプルを保存するステップと、前記凍結乾燥製剤を再構成するステップと、を有する、製剤作成方法

請求項12

患者へ前記再構成製剤を、任意に、正常生理食塩水への更なる希釈をした後に、投与するステップを更に有する、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記患者は、CNSに脳卒中又は外傷を患っている、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記凍結乾燥サンプルは、救急車に保存される、請求項11に記載の方法。

請求項15

前記患者は、くも膜下出血を患っている、請求項11に記載の方法。

請求項16

前記患者は、動脈瘤に関する血管内修復を受けている、請求項11に記載の方法。

背景技術

0001

関連出願についてのクロスリファレンス
本願は、2012年11月28日に出願された61/730,952の非仮出願であり、全ての目的のために完全に引用している。

0002

配列表の引用
2013年11月20日に作成された16キロバイトの427409SEQLIST.txtと称する配列表を引用している。

0003

背景
Tat-NR2B9c(NA-1)は、PSD-95を阻害する薬剤であることから、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)と神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)との結合を破壊して、脳虚血によって誘導される興奮毒性を低減する。治療により、梗塞サイズ及び機能障害は、低減される。TAT-NR2B9c(NA-1)は、第二相試験が良好であった(WO 2010144721及びAarts et al., Science 298, 846-850 (2002) (Hill et al., The Lancet Neurology, 11:942 - 950 (2012))を参照)。

0004

TAT-NR2B9cは、深刻な副作用がないため、出血がないことを確認するために作成された当該技術分野において承認されている基準による診断なしに、脳卒中又は他の虚血状態又は出血状態が疑われている場合でも投与することができる。例えば、TAT-NR2B9cは、脳卒中又は神経外傷が発生した(例えば、患者の家において)場所で又は対象を病院へ搬送している救急車において投与することができる。

0005

本発明の概要
本発明は、pH6-7でTAT-NR2B9c(配列番号:6)、ヒスチジン及びトレハロースを含んでいる未凍結乾燥製剤を提供する。任意に、TAT-NR2B9cは70-120mg/mlの濃度であり、ヒスチジンは15-100mMの濃度であり、トレハロースは80-160mMの濃度である。任意に、TAT-NR2B9cは70-120mg/mlの濃度であり、ヒスチジンは20-100mMの濃度であり、トレハロースは100-140mMの濃度である。

0006

任意に、Tat-NR2B9cは70-120mg/mlの濃度であり、ヒスチジンは20-50mMの濃度であり、トレハロースの濃度は100-140mMであり、pHは6-7である。任意に、ヒスチジンの濃度は20mMであり、トレハロースの濃度は100-200mM、好ましくは120mMであり、TAT-NR2B9cの濃度は90mg/mlである。

0007

本発明は、更に、上述の未凍結乾燥製剤のいずれかを凍結乾燥することによって作成された凍結乾燥製剤を提供する。

0008

本発明は、更に、上述の凍結乾燥製剤と水溶液とを組み合わせることによって作成された再構成製剤を提供する。任意に、水溶液は、水又は通常の生理食塩水である。任意に、再構成製剤の量は、未凍結乾燥製剤の量の3-6倍である。

0009

本発明は、更に、15-25mg/mlの濃度のTAT-NR2B9cと、4-20mMの濃度のヒスチジンと、20-30mMの濃度のトレハロースをpH 6-7で含む再構成製剤を提供する。

0010

本発明は、更に、以下のステップを含む、製剤を作成する方法を提供する。

0011

室温で少なくとも1週間、本願明細書に記載の凍結乾燥製剤サンプルを保存するステップと、凍結乾燥製剤を再構成するステップ。

0012

本方法は、任意に通常の生理食塩水にて更に希釈した後に再構成製剤を患者に投与するステップを更に含むことができる。任意に、上記患者は、CNSに対する外傷又は脳卒中を患っている。

0013

任意に、上記凍結乾燥サンプルは、救急車に保管される。任意に、上記患者は、くも膜下出血を患っている。任意に、上記患者は、動脈瘤に関する血管内修復を受けている。

図面の簡単な説明

0014

グラフは、NA-1の種々の製剤を用いた治療後の、3PVO脳卒中後ラット脳の梗塞領域を示している。

0015

図2A:棒グラフは、-20℃及び40℃での種々のNA-1製剤の安定性を示している。y軸は、RP-HPLCを使用して合計領域%で測定される、貯蔵温度で1週後のNA-1の純度を表している。図2B:図2Aと同じデータであるが、緩衝液とpHによって整理したものである。

0016

棒グラフは、-20℃及び40℃における、種々の増量剤及び塩の存在下でのヒスチジン緩衝液(pH 6.5)中の20mg/mlのNA-1の安定性を(HPLCによって)示している。

0017

マンニトール(A)又はマンニトール及びNaCl(B)の存在下での、ヒスチジン緩衝液(pH 6.5)中の20mg/mlのNA-1の示差走査熱量測定グラフである。

0018

トレハロース(A)又はトレハロース及びNaCl(B)の存在下での、ヒスチジン緩衝液(pH 6.5)中の20mg/mlのNA-1の示差走査熱量測定グラフである。

0019

デキストラン-40(A)又はデキストラン-40及びNaCl(B)の存在下での、ヒスチジン緩衝液(pH 6.5)の20mg/mlのNA-1の示差走査熱量測定グラフである。

0020

図7A: 120mMのトレハロースを含有する100mMのヒスチジン(pH 6.5)中の90mg/mlのNA-1を3mL凍結乾燥した後の固形物外観である。図7B:種々の量のヒスチジン及びトレハロースを含有する他のNA-1製剤の固形物の外観である。

0021

定義
活性成分と同様に、凍結乾燥製剤は、構成成分に関する以下のクラスを1又は複数含むことができる。上記クラスは、排他的でなく、言い換えれば、同じ薬剤の構成成分は、複数のクラスに含まれる。

0022

「増量剤」は、冷凍乾燥ペプチド構成物を提供する。増量剤には、とりわけ、マンニトール、トレハロース、デキストラン-40、グリシンラクトースソルビトール及びスクロースが含まれる。医薬的に高品質な固形物を提供することに加えて、増量剤は、崩壊温度を変えること、凍結融解保護(ガラス転移温度)をもたらすこと、及び、長期保管に対するタンパク質安定性を高めることに関して有効な特性を与えることもできる。これらの薬剤は、浸透圧調節剤としても役立たせることができる。

0023

緩衝液は、凍結乾燥の前に、許容可能な範囲の溶液pHを維持する薬剤である。好ましい緩衝液は、ヒスチジンである。他の緩衝液には、スクシナート(ナトリウム又はカリウム)、ヒスチジン、シトラート(ナトリウム)、グルコナートアセテートホスファートトリス等が含まれる。好ましい緩衝液は、pH約5.5から〜約7又は約6〜約7.7の範囲、好ましくはpH約6.5において効果的である。この範囲にpHを制御する緩衝液の例には、スクシナート(例えば琥珀酸ナトリウム)、グルコナート、ヒスチジン、シトラート及び他の有機酸緩衝液が含まれる。

0024

凍結保護物質」は、おそらくタンパク質表面から優先して除かれることによって、凍結誘導ストレスに対するペプチド安定性をもたらす。一次及び二次乾燥並びに長期の製品保管の間の保護をもたらすこともできる。例として、ポリマー(例えばデキストラン及びポリエチレングリコール)、糖(例えばスクロース、グルコース、トレハロース及びラクトース)、界面活性剤(例えばポリソルベート)、そして、アミノ酸(例えばグリシン、アルギニン及びセリン)が挙げられる。

0025

凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)は、乾燥又は「脱水」プロセス(一次及び二次乾燥サイクル)の間、おそらく、アモルファスガラス質の基材を提供することによって、及び、乾燥過程の間に除去される水分子に代えて水素結合によるタンパク質との結合によって、ペプチド安定性をもたらす。これが、ペプチド高次構造を維持して、凍結乾燥サイクル間のペプチド分解を最低限にし、長期の製品安定性を向上させるのを補助する。具体例としては、ポリオール又は糖(例えばスクロース及びトレハロース)が含まれる。

0026

これまでに記載していない範囲に関して、他の分解安定剤又は阻害剤には、脱アミド阻害剤、界面活性剤、いくつかの一般的なもの(ソルビタンポリエトキシレート脂肪酸エステル(例えば、ポリソルベート20又はポリソルベート80)、ポロキサマー188及び洗浄剤を含むことができる。

0027

用語「凍結乾燥」、「凍結乾燥した」及び「凍結乾燥する」は、乾燥する素材を初めに凍結させて、凍った溶媒又は冷凍溶媒を減圧環境下にて昇華させて除去するプロセスを指す。

0028

医薬製剤」又は組成物は、活性薬剤が有効であり、その製剤を投与する対象にとって毒である追加の構成成分を含まない調製品である。

0029

「再構成時間」は、肉眼にて粒子を含まない溶液を用いて凍結乾燥製剤を再水和するのに必要な時間である。

0030

「安定」凍結乾燥ペプチド製剤とは、少なくとも一週間、1ヶ月又はより好ましくは少なくとも3ヵ月、少なくとも6ヵ月又は1年間、20℃で有意な変化が観察されないものである。ペプチドの10%、好ましくは5%以下がSEC-HPLCによる測定にて分解されている場合は、重大な変化とはみなさない。再水和された溶液は、無色又は視覚分析によってわずかに乳白色の透明である。製剤の濃度、pH及びオスモル濃度は、保管後の変化が+/-10%以下である。力価は、作成された新鮮コントロールサンプルの70-130%、好ましくは80-120%又は時には80-100%以内にある。10%、好ましくは5%以下のクリッピングは、観察される。10%、好ましくは5%以下の凝集が形成される。安定性は、Peptide and Protein Drug Delivery, 247-301, Vincent Lee Ed., Marcel Dekker, Inc., New York, N.Y., Pubs. (1991)及びJones, A. Adv. Drug Delivery Rev. 10:29-90 (1993)において検討されている様々な方法で測定することができる。

0031

等張」という用語は、関心をある製剤がヒト血液と本質的に同じ浸透圧を有することを意味する。等張製剤は、約270-328mOsmの浸透圧を一般に有する。わずかに低張な圧力は250-269であり、わずかに高張な圧力は328-350mOsmである。浸透圧は、例えば、蒸気圧又は氷点浸透圧計を使用して測定することができる。

0032

浸透圧調節剤:塩類(NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2)を、コントロール浸透圧に対する浸透圧調節剤として用いることができる。加えて、凍結保護物質/凍結乾燥保護剤及び/又は増量剤(例えばスクロース、マンニトール又はグリシン)は、浸透圧調節剤の役割を果すことができる。

0033

濃度又はpH等の数値は、値を測定可能な精度を反映している許容範囲内で与えられる。文脈上別段の解釈を要する場合を除き、微小な値は、最も近い整数に丸められる。文脈上別段の解釈を要する場合を除き、値の範囲の説明は、任意の整数、又は、使用可能な範囲内のサブ範囲を意味する。

0034

詳細な説明
I.概要
本発明は、活性薬剤、特にTAT-NR2B9cの凍結乾燥製剤を提供する。かかる製剤は、室温で安定であることから、疾患又は事故現場、又は、かかる現場と医療施設との間において投与する救急隊員又は救急車等においてかかる製剤の供給の維持管理が容易になる。

0035

凍結乾燥製剤は、活性薬剤、緩衝液、増量剤及び水を含む未凍結乾燥製剤から作製される。他の構成成分、例えば、凍結又は凍結乾燥保存剤、医薬的に許容可能なキャリア等が存在していても存在していなくてもよい。好ましい活性薬剤は、TAT-NR2B9cである。好ましい緩衝液は、ヒスチジンである。好ましい増量剤は、トレハロースである。トレハロースは、凍結又は凍結乾燥保存剤としての役割も果す。例示的な未凍結乾燥製剤は、活性薬剤(例えば、TAT-NR2B9c)、ヒスチジン(例えば、10-100mM、15-100mM、15-80mM、40-60mM又は15-60mM、例えば、20mM又は任意に50mM、又は、20-50mM)及びトレハロース(50-200mM、好ましくは80-160mM、100-140mM、より好ましくは、120mM)を含む。pHは、5.5〜7.5、より好ましくは6-7、より好ましくは6.5である。活性薬剤(例えば、TAT-NR2B9c)の濃度は、20-200mg/ml、好ましくは50-150mg/ml、より好ましくは70-120mg/ml又は90mg/mlである。したがって、例示的な未凍結乾燥製剤は、20mMのヒスチジン、120mMのトレハロース及び90mg/mlのTAT-NR2B9cである。

0036

凍結乾燥後、凍結乾燥製剤は、重量当たりの水分含量が低く、好ましくは約0%-5%水、より好ましくは2.5%未満である。凍結乾燥製剤は、フリーザー(例えば、-20又は-70℃)、冷蔵庫(0-4℃)、又は、室温(20-25℃)で保存することができる。

0037

活性薬剤は、水溶液、好ましくは注射用の水又は任意に通常の生理食塩水(0.8-1.0%の生理食塩水及び好ましくは0.9%の生理食塩水)において再構成される。再構成品は、未凍結乾燥製剤と同一若しくは類似の量又はそれよりも多い量とすることができる。好ましくは、上記量は、再構成品のほうが再構成前のものよりも多い(例えば、3-6倍多い)。例えば、3-5mlの未凍結乾燥量は、13.5mlの量として再構成することができる。再構成後、ヒスチジンの濃度は、好ましくは2-20mM(例えば、2-7mM又は4.5mM)であり、トレハロースの濃度は、好ましくは15-45mM又は20-30mM又は25-27mMである。活性薬剤は、好ましくは10-30mg/ml、例えば15-25、18-20又は20mg/mlの有効薬剤(例えば、TAT-NR2B9c)の濃度である。再構成後の例示的な製剤は、4-5mMのヒスチジン、26-27mMのトレハロース及び20mg/mlのTAT-NR2B9c(最も近い整数に丸めた濃度)を有する。再構成製剤は、例えば、静脈内注射のための通常の生理食塩水が入っている流体バッグに加わえることによって投与前に更に希釈することができる。

0038

凍結乾燥の方法は、例えば、Methodsin Enzymology, Vol. 22, Pages 33-39, Academic Press, New York (1971)、及び、Freeze-Drying, E. W. Flosdorf, Rheinhold, New York (1949)に記載されている。TAT-NR2B9cは、使用の際に再構成するのと同じバイアルにおいて好ましくは凍結乾燥される。TAT-NR2B9cの水溶液は、任意に、ペプチドに一般的に使用される殺菌ろ過ステム(例えば、0.22ミクロンフィルタ)によるフィルタリングの後にバイアルに加えられる。製剤は、例えば実施例に記載されている制御されたサイクルにおいて凍結乾燥させてもよい。未凍結乾燥製剤は、バイアルに入れて、低温及び低圧下で凍結乾燥させてもよい。凍結乾燥後、バイアルを封止してもよい。使用のために、凍結乾燥品は、注射用の水、通常の生理食塩水又は他の医薬的に許容可能なキャリア又は希釈液によって再構成される。

0039

様々な容器が凍結乾燥に適している。容器は、この容器が部分真空下で密閉して保存しても外圧に耐えることができなければならない。上記容器は、外側から内部まで合理的な熱伝達許容する素材でできていなければならない。容器のサイズは、凍結乾燥される溶液が利用可能な量の20%以下を占めるか、又は、容器体積に関する当時一般的なUSP推奨と一致する過剰量によっていっぱいにすることができるようでなければならない。例えば、0.5mlの溶液は、3mlのバイアルに満たすことができる。上記バイアルは、ガラス(例えばホウ珪酸塩)又はプラスチック(例えばポリプロピレン)でできていてもよい。

0040

生物学的材料を凍結乾燥するために一般的に用いられるガラス瓶を使用することができる。他の適切な容器は、2区画シリンジであり、1つの区画は凍結乾燥TAT-NR2B9cペプチドの固形物を含み、そして、他の区画は水性希釈液を含む。凍結乾燥が完了した後、バイアル又はアンプル内の減圧状態は、系に不活性ガス充填することによって解放させて、標準的な装置によって適切な場所にとめて、圧着封止させてもよい。かかる方法によって、無菌最終産物が確実になる。凍結乾燥薬の区画と希釈液との間の壊れやすいシールを有するバッグのような、その他の2区画方法を同様に用いることができる。

0041

II.活性薬剤
活性薬剤は、PSD-95に結合することによって、PSD-95と1又は複数のNMDAR(例えば、2A、2B、2C又は2D)又はnNOS(例えば、Swiss-Prot P29475)との間の相互作用を阻害する。かかる薬剤は、脳卒中及び、NMDAR興奮毒性によって少なとも部分的に媒介される他の神経学的状態による1又は複数の損傷作用を低減するのに有効である。かかる薬剤には、NMDA受容体PLモチーフ又はPSD-95のPDZドメインを含む、又は、それに基づくアミノ酸配列を有するペプチドが含まれる。かかるペプチドは、PSD-95とnNOSと他のグルタミン酸受容体(例えば、カイニット受容体又はAMPA受容体)、例えばKV1-4とGluR6との間の相互作用を阻害することもできる。好ましいペプチドは、シナプス後肥厚-95タンパク質(PSD-95)(ヒトアミノ酸配列は、Stathakism, Genomics 44(1):71-82 (1997)が提供)のPDZドメイン1及び2と、ニューロンN-メチル-D-アスパラギン酸受容体(Mandich et al., Genomics 22, 216-8 (1994))のNR2Bサブユニットを含む1又は複数のNMDA受容体2サブユニットC末端PL配列との間の相互作用を阻害する。NMDAR2Bは、GenBankID 4099612、C末端20アミノ酸FNGSSNGHVYEKLSSIESDV(配列番号:11)及びPLモチーフESDV(配列番号:12)を有する。好ましいペプチドは、ヒト形態のPSD-95ヒトNMDAR受容体を阻害する。しかしながら、阻害は、タンパク質の種変異体からも示すことできる。使用可能なNMDA及びグルタミン酸受容体のリストを以下に示す。

0042

ペプチドは、上記サブユニットのいずれかのC末端由来のPLモチーフを含む又はそのモチーフに基づくことができ、[S/T]-X-[V/L]を含むアミノ酸配列を有することができる。この配列は、本発明のペプチドのC末端に好ましくは見出される。好ましいペプチドは、それらのC末端に[E/D/N/Q]-[S/T]-[D/E/Q/N]-[V/L](配列番号:38)を含むアミノ酸配列を有する。例示的なペプチドは、C末端アミノ酸としてESDV(配列番号:12)、ESEV(配列番号:29)、ETDV(配列番号:39)、ETEV(配列番号:40)、DTDV(配列番号:41)及びDTEV(配列番号:42)を含む。2つの特に好ましいペプチドは、KLSSIESDV(配列番号:5)及びKLSSIETDV(配列番号:43)である。かかるペプチドは、通常、3-25のアミノ酸(内在化ペプチドを含まない)、5-10アミノ酸のペプチド長を有し、特に9アミノ酸(内在化ペプチドを含まない)が好ましい。いくつかのかかるペプチドにおいて、全てのアミノ酸は、NMDA受容体のC末端由来である(内在化ペプチド由来のアミノ酸を含まない)。

0043

本発明のペプチド及びペプチドミメティックは、修飾アミノ酸残基(例えば、Nアルキル化された残基)を含むことができる。N末端アルキル修飾は、例えば、N-メチル、N-エチル、N-プロピル、N-ブチル、N-シクロヘキシルメチル、N-シクロヘキシルエチル、N-ベンジル、N-フェニルエチル、N-フェニルプロピル、N-(3、4-ジクロロフェニル)プロピル、N-(3,4-ジフルオロフェニル)プロピル、そして、N-(ナフタレン-2-イル)エチル)を挙げることができる。

0044

Bach, J. Med. Chem. 51, 6450-6459 (2008)及びWO 2010/004003は、一連のNR2B9c(配列番号:6)のアナログを記載している。PDZ-結合活性は、たった3つのC末端アミノ酸(SDV)を有するペプチドによって示される。Bachは、X1tSX2V(配列番号:68)(t及びSは二者択一のアミノ酸であり、X1はE、Q及びA又はそのアナログから選択され、X2はA、Q、D、N、N-Me-A、N-Me-Q、N-Me-D、及び、N-Me-N又はそのアナログから選択される)からなる又は含むアミノ酸配列を有するアナログも報告している。任意に、上記ペプチドは、P3位置(C末端、即ち、tSによって占められる位置由来の第三アミノ酸)においてNアルキル化される。ペプチドは、シクロヘキサン又は芳香族置換基を用いてNアルキル化することができ、ペプチド又はペプチドアナログ末端アミノ基と置換基との間のスペーサー基を更に含む。上記スペーサーは、アルキル基であり、好ましくはメチレンエチレンプロピレン及びブチレンから選択される。芳香族置換基は、1又は2つのハロゲン及び/又はアルキル基によって置換された芳香族環又はナフタレン-2-イル部分であってもよい。

0045

他の修飾を、活性に悪影響を与えることなく組み込むこともできる。それらには、D-異性体のアミノ酸での天然L-異性体のアミノ酸の1又は複数の置換が含まれる。したがって、L-構成(化学種の構造によって、R又はSと称することも可能)の天然の任意のアミノ酸は、同じ化学構造型のアミノ酸又はペプチドミメティック(D-アミノ酸と一般に呼ばれるが更にR-又はS-形態と称することができる逆のキラリティーのもの)と置き換えることができる。したがって、ペプチドミメティックは、1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのD-アミノ酸を含む、又は、少なくとも50%若しくは全てがD-アミノ酸であってもよい。いくつかがD残基のペプチドミメティック又は全てのD残基のペプチドミメティックは、時には、「インベルソ」ペプチドと称される。

0046

ペプチドミメティックには、レトロペプチドも含まれる。レトロペプチドは、逆アミノ酸配列を有する。ペプチドミメティックには、アミノ酸の順序が逆であるレトロインベルソペプチドも含まれるため、本来のC末端アミノ酸はN末端に現れ、D-アミノ酸がL-アミノ酸の場所に用いられる。WO 2008/014917には、アミノ酸配列vdseisslk-rrrqrrkkrgyin(配列番号:69)(小文字はDアミノ酸を明示)を有するTat-NR2B9cのレトロインベルソアナログが記載されており、それが脳虚血を効果的に阻害することを報告している。本願明細書に記載の他の有効ペプチドは、Rv-Tat-NR2B9c(RRRQRRKKRGYKLSSIESDV;配列番号:70)である。

0047

リンカー(例えば、ポリエチレングリコールリンカー)を用いて、ペプチド又はペプチドミメティックの活性部分を二量体化し、タンデム型PDZドメインを含むタンパク質に対するその親和性及び選択性を向上させることができる。例えば、Bach et al., (2009) Angew. Chem. Int. Ed. 48:9685-9689及びWO 2010/004003を参照。PLモチーフ含有ペプチドは、好ましくは、かかる2つの分子のN末端を結合して、C末端を自由端にして二量体化される。Bachは、NMDAR 2BのC末端由来の五量体ペプチドIESDV(配列番号:71)がPSD-95に対するNMDAR 2Bの結合を阻害するのに有効であったと更に報告している。IETDV(配列番号:73)は、IESDVの代わりに用いることもできる。任意に、PEGの約2-10コピーを、リンカーとしてタンデムに結合することができる。任意に、上記リンカーを、内在化ペプチドに取り付けて又は脂質化して、細胞取り込みを高めることもできる。例証されている二量体阻害剤の例は、以下に示している(Bach et al., PNAS 109 (2012) 3317-3322を参照)。本願明細書に開示されているPSD-95阻害剤のいずれかを、IETDVの代わりに用いることができる。そして、任意の内在化ペプチド又は脂質化部分をtatの代わりに用いることができる。示している他のリンカーを用いることもできる。

0048

IETAVには配列番号:26、YGRKKRRQRRRには配列番号:2、rrrqrrkkrには配列番号:10(小文字はD-アミノ酸を明示)が割り当てられている。

0049

ペプチド、ペプチドミメティック又は他の薬剤の適切な薬理活性は、本願に記載の治験及び霊長類での試験前に以前述べた脳卒中のラットモデルを使用して、必要に応じて確認することができる。ペプチド又はペプチドミメティックは、例えばUS 20050059597(引用によって組み込まれている)に記載されているアッセイを用いて、PSD-95とNMDAR 2Bとの間の相互作用を阻害する能力についてスクリーニングすることもできる。有効なペプチドは、一般的に、かかるアッセイにおいて50μM、25μM、10μM、0.1μM又は0.01μM未満のIC50値を有する。好ましいペプチドは、一般的に、0.001-1μMの間、好ましくは0.001-0.05、0.05-0.5又は0.05〜0.1μMのIC50値を有する。ペプチド又は他の薬剤が1つの相互作用(例えば、NMDAR2Bに対するPSD-95の相互作用)の結合を阻害するとして特徴づけられると、かかる記述はペプチド又は薬剤が他の相互作用も阻害(例えば、nNOSに対するPSD-95結合の阻害)することを排除しない。

0050

ペプチド(例えば、今しがた記載したもの)を任意に誘導体化(例えば、アセチル化リン酸化ミリストイル化ゲラニル化、ペグ化及び/又はグリコシル化)して、阻害剤の結合親和性を向上させるか、細胞膜を通過して輸送する阻害剤の能力を向上させるか、又は、安定性を向上させることができる。特定の例として、C末端から第三番目の残基がS又はTである阻害剤に関して、この残基はペプチドの使用前にリン酸化することができる。

0051

薬理学的薬剤を内在化ペプチドに結合して、細胞への取り込み及び/又は血液脳関門の通過を容易にすることができる。内在化ペプチドは、多くの細胞又はウィルスタンパク質が膜を横断することができる比較的短いペプチドの周知のクラスである。内在化ペプチド(別名、細胞膜トランスダクションペプチド又は細胞透過ペプチド)は、例えば、5-30アミノ酸を含む。かかるペプチドは、一般的に、膜を通過するそれらの通行を容易にすると考えられているアルギニン及び/又はリジン残基に関する上記の通常の表記から判断して、(一般的なタンパク質と比較して)カチオン電荷を有する。いくつかのかかるペプチドは、少なくとも5つ、6つ、7つ又は8つのアルギニン及び/又はリジン残基を有する。例として、アンテナペディアタンパク質(Bonfanti, Cancer Res. 57, 1442-6 (1997))(及び、その変異体)、ヒト免疫不全症ウイルスのtatタンパク質、タンパク質VP22、単純ヘルペスウイルスタイプ1のUL49遺伝子の産物、ペネトラチン、SynB1及び3、トランスポータン、両親媒性、gp41NLS、ポリArg、及びいくつかの植物及び細菌タンパク質毒素、例えば、リシンアブリン、モデッシンジフテリア毒素コレラトキシン炭疽毒素、及び熱に不安定な毒素及び緑膿菌外毒素A(ETA)が挙げられる。その他は、以下の引用文献(Temsamani, Drug Discovery Today, 9(23):1012-1019, 2004; De Coupade, Biochem J., 390:407-418, 2005; Saalik Bioconjugate Chem. 15: 1246-1253, 2004; Zhao, Medicinal Research Reviews 24(1):1-12, 2004; Deshayes, Cellular and Molecular Life Sciences 62:1839-49, 2005); Gao, ACS Chem. Biol. 2011, 6, 484-491, SG3 (RLSGMNEVLSFRWL(配列番号:9))、StalmansPLoS ONE 2013, 8(8) e71752, 1-11及び別冊(すべては、引用によって組み込まれている)に記載されている。

0052

好ましい内在化ペプチドは、HIVウイルス由来のtatである。以前の仕事において報告したtatペプチドは、HIVTatタンパク質に見られる標準的なアミノ酸配列YGRKKRRQRRR(配列番号:2)からなる又はを含む。かかるtatモチーフに隣接する追加の残基が(薬理学的薬剤のそばに)存在している場合、上記残基は、例えば、tatタンパク質からこのセグメントに隣接している天然アミノ酸、2つのペプチドドメインを結合させるのに典型的に用いられる同種のスペーサー又はリンカーアミノ酸(例えば、gly(ser)4(配列番号:44)、TGEKP(配列番号:45)、GGRRGGGS(配列番号:46)又はLRQRDGERP(配列番号:47))であってもよい(例えば、Tang et al. (1996), J. Biol. Chem. 271, 15682-15686; Hennecke et al. (1998), Protein Eng. 11, 405-410)を参照)、又は、隣接残基のない変異体の取り込み能力を著しく減らさない任意の他のアミノ酸であってもよい。好ましくは、有効ペプチド以外の隣接アミノ酸の数は、YGRKKRRQRRR(配列番号:2)の両側において10を超えない。YGRKKRRQRRR(配列番号:2)のC末端に隣接する追加のアミノ酸残基を含む1つの適切なtatペプチドは、YGRKKRRQRRRPQ(配列番号:48)である。しかしながら、好ましくは、隣接アミノ酸は存在していない。使用することができる他のtatペプチドとして、GRKKRRQRRRPQ(配列番号:4)及びGRKKRRQRRRP(配列番号:72)が挙げられる。

0053

N型カルシウムチャネルに結合する能力が低下した上記tatペプチドの変異体は、WO/2008/109010に記載されている。かかる変異体は、アミノ酸配列XGRKKRRQRRR(配列番号:49)からなる又は含むことができる(Xは、Y以外のアミノ酸又はアミノ酸なし(Gの場合は、遊離N末端残基))。好ましいtatペプチドは、Fによって置換されたN末端Y残基を有する。したがって、FGRKKRRQRRR(配列番号:3)からなる又は含むtatペプチドが好ましい。tatペプチドの他の好ましい変異体は、GRKKRRQRRR(配列番号:1)からなる。他の好ましいtatペプチドは、RRRQRRKKRG又はRRRQRRKKRGY(配列番号:70のアミノ酸1-10又は1-11)からなる又は含む。N型カルシウムチャネルを阻害しない薬理学的薬剤の取り込みを容易にする他のtat誘導ペプチドとしては、以下に提示するものが挙げられる。

0054

Xは、遊離アミ末端、1若しくは複数のアミノ酸又は共役部分を表すことができる。内在化ペプチドは、インベルソ又はレトロ又はインベルソレトロ形態にて(結合したペプチド又はペプチドミメティックがかかる形態であろうがなかろうが)使用することができる。例えば、好ましいキメラペプチドは、YGRKKRRQRRR-KLSSIESDV(配列番号:6 (別名、NA-1又はTat-NR2B9c))又はYGRKKRRQRRR-KLSSIETDV(配列番号:7)からなる又は含むアミノ酸配列を有する。他の好ましいペプチドは、RRRQRRKKRGY-KLSSIESDV(配列番号:70(別名、RvTat-NR2B9c)又はRRRQRRKKRGY-KLSSIETDV(配列番号:37)からなる又は含むアミノ酸配列を含む。

0055

内在化ペプチドは、従来法によって薬理学的薬剤に取り付けることができる。例えば、上記薬剤は、化学結合によって(例えば、結合又は接合薬剤を介して)内在化ペプチドに結合することができる。多数のかかる薬剤は、商業的に入手可能であり、S. S. Wong, Chemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking,CRCPress (1991)によって検討されている。架橋試薬のいくつか例として、J-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート(SPDP)又はN,N'-(1,3-フェニレン)ビスマレイミド;N,N'-エチレンビス-(ヨードアセトアミド)又は6〜11個の炭素メチレンブリッジ(スルフヒドリル基に比較的特異的)を有する他のかかる試薬;そして、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン(それは、不可逆結合をアミノ基とチロシン基が不可逆結合を形成)が挙げられる。他の架橋試薬として、p,p'-ジフルオロ-m,m'-ジニトロジフェニルスルホン(アミノ基とフェノール基が不可逆架橋を形成);ジメチルアジイミド酸(アミノ基に特異的);フェノール-1,4-ジスルホニルクロリド(主にアミノ基と反応);ヘキサメチレンジイソシアナート又はジイソチオシアネート又はアゾフェニル-p-ジイソシアナート(主にアミノ基と反応);グルタルアルデヒド(いくつかの種々の側鎖と反応)及びジスジアゾベンジジン(disdiazobenzidine)(主にチロシン及びヒスチジンと反応)が挙げられる。

0056

ペプチドである薬理学的薬剤に関して、内在化ペプチドへの結合は、内在化ペプチドに融合したペプチド配列(好ましくはそのN末端で融合)を含む融合タンパク質を作製することによって達成することができる。

0057

PSD-95を阻害するペプチド(又は、他の薬剤)を内在化ペプチドに結合する代わりに、又は、それと同様に、かかるペプチドを脂質に結合させて(脂質化)、単独のペプチドと比較して複合体の疎水性を増加させることにより、細胞膜を通過する及び/又は脳関門を通過する結合ペプチドの通行を容易させることができる。脂質化は好ましくはN-末端アミノ酸に実行されるが、内部アミノ酸に実行することもできる。ただし、PSD-95とNMDAR 2Bとの間の相互作用を阻害するペプチドの能力を50%超えで低下させることはない。好ましくは、脂質化は、最もC末端にある4つのアミノ酸のうちの1つ以外のアミノ酸に実行される。脂質は、水よりもエーテルに溶解する有機分子であり、脂肪酸グリセリド及びステロールが挙げられる。脂質化の適切な形態として、ゲラニル化、ゲラニルゲラニル化及びイソプレニル化だけでなく、ミリストイル化、パルミトイル化又は好ましくは10-20の炭素の鎖長を有する他の脂肪酸(例えばラウリン酸及びステアリン酸)との結合が挙げられる。天然タンパク質翻訳後修飾において生じるタイプの脂質化が好ましい。ペプチドのN-末端アミノ酸のアルファ-アミノ基に対するアミド結合の形成を経た脂肪酸との脂質化も好ましい。脂質化は、未脂質化アミノ酸を含むペプチド合成によってでもよく、in vitroでの酵素的な実行であってもよく、組み換え発現によってでもよく、ペプチドの化学的な架橋又は化学的な誘導体化によってでもよい。ミリストイル化及び他の脂質修飾によって改良されるアミノ酸は、商業的に入手可能である。

0058

脂質化は、好ましくは、標準的なtatペプチドを高用量(例えば、3mg/kg又は3mg/kg超)で投与する場合に見られる一過性血圧低下を引き起こすことなく、又は、標準的なtatペプチドに結合した同じペプチドよりも低下が少なくとも小さい状態で、細胞膜及び/又は血液脳関門を通過する結合ペプチド(例えば、KLSSIESDV(配列番号:5)又はKLSSIETDV(配列番号:43))の通行を容易にする。

0059

薬理学的ペプチド(任意にtatペプチドに融合したペプチド)は、固相法又は組換え方法によって合成することができる。ペプチドミメティックは、科学論文及び特許文献(例えば、Organic Syntheses Collective Volumes, Gilman et al. (Eds) John Wiley & Sons, Inc., NY, al-Obeidi (1998) Mol. Biotechnol. 9:205-223; Hruby (1997) Curr. Opin. Chem. Biol. 1:114-119; Ostergaard (1997) Mol. Divers. 3:17-27; Ostresh (1996) Methods Enzymol. 267: 220-234)に記載されている様々な手順及び手法を用いて合成することができる。

0060

III.疾患
凍結乾燥製剤は、様々な疾患、特に神経疾患及び特に興奮毒性によって部分的には媒介される疾患を治療するのに有効である。かかる疾患及び状態として、脳卒中、てんかん低酸素症、くも膜下出血、脳卒中(例えば外傷性脳損傷及び脊髄損傷)と関連していないCNSに対する外傷、他の脳虚血、アルツハイマー病及びパーキンソン病が挙げられる。興奮毒性と関連していることが知られていない、本発明の薬剤によって治療可能な他の神経疾患には、不安及び痛みが含まれる。

0061

脳卒中は、原因に関係なくCNSにおける血流障害から生じる状態である。潜在的な原因には、塞栓症、出血及び血栓症が含まれる。ある神経細胞は、血流障害の結果として即死する。これらの細胞は、グルタメートを含むそれらの構成分子を放出して、次々とNMDA受容体を活性化して、細胞内のカルシウム濃度及び細胞内酵素ベルを増加させることによって、更なるニューロン細胞死を導く(興奮毒性カスケード)。CNS組織死因は、梗塞と呼ばれている。梗塞体積(すなわち、脳における脳卒中から生じた死神経細胞の体積)は、脳卒中から生じる病理学的損傷の程度の指標として使用することができる。症状の影響は、両方とも梗塞の体積と脳におけるその場所の両方に依存する。障害指数を、徴候的な損傷の基準(例えばRankin Stroke Outcome Scale(Rankin, Scott Med J;2:200-15 (1957))及びBarthel Index)として使用することができる。Rankin Scaleは、以下の通り、患者の全状態を直接評価することに基づいている。
0:症状が全くない。
1:症状にもかかわらず重大な障害がない;全ての通常業務及び活動が実施可能。
2:軽度の障害;前の全ての活動が実施不可能であるが、補助なく自身のことに気を配ることができる。
3:中等度の障害ある程度の補助は必要であるが、補助なしで歩くことが可能。
4:中等度から重度の障害;補助なしで歩くことができない、且つ、補助なしで自身の身体の要求に対応することができない。
5:重度の障害;寝たきり失調及び一定の看護及び配慮が必要。

0062

Barthel Indexは、10個の基礎的な日常生活動作を実施する患者の能力についての一連の質問に基づくものであり、スコアは0から100の間であり、スコアが低いほうが障害度が高いことを示す(Mahoney et al, Maryland State Medical Journal 14:56-61 (1965))。

0063

あるいは、脳卒中重症度/結果は、NIH脳卒中スケールを使用して判断することができる(ワールドワイドウェブninds.nih.gov/doctors/NIH Stroke ScaleJBooklet.pdfで利用可能)。

0064

このスケールは、意識、運動感覚及び言語機能の患者の水準の評価を含む11群の機能を実施する患者の能力に基づいている。

0065

虚血性脳卒中は、より詳しくは、それが脳への血流遮断によって引き起こされる一種の脳卒中を指す。この種の遮断の根底にある状態は、最も一般的には、血管壁に沿って覆う脂肪沈着の進行である。この状態は、アテローム硬化症と呼ばれている。これらの脂肪沈着は、2種類の障害を引き起こす可能性がある。脳血栓症とは、血管が詰まった部分で発症する血栓(血塊)をいう。「脳塞栓症」とは、一般的に、循環系の他の位置(通常、心臓及び上胸部頸部大血管)において形成される血塊をいう。そして、一部の血塊が剥離して、血流に入り、それが通行するには余りにも小さい血管に達するまで脳の血管を通じて走行する。塞栓症の第二の重要な原因は、心房細動として知られている不整脈である。それによって、凝血塊を心臓において形成して移動し、脳へ走行することができる状態が作られる。虚血性脳卒中の更なる潜在的原因は、出血、血栓症、動脈又は静脈解離心停止、出血を含む任意の原因によるショック及び医原性の原因(例えば脳血管又は脳に通じる血管の直接的外科手術上の損傷又は心臓手術)である。虚血性脳卒中は、脳卒中の全てのケースの約83パーセントを占める。

0066

一過性脳乏血発作(TIA)は、重要でないか、脳卒中の警告である。TIAにおいて、虚血性脳卒中を示す状態が存在し、典型的な脳卒中の警戒発展する。しかしながら、障害(血塊)は、短い時間発生して、正常なメカニズムを通じてそれ自体を分解する傾向にある。心臓手術を受けている患者は、一過性脳虚血発作リスクが特にある。

0067

出血性脳卒中は、脳卒中ケースの約17パーセントを占める。それは、弱い血管が破裂して脳の周囲に血液が流れることから生じる。血液は、脳組織周辺蓄積して圧迫する。出血性脳卒中の2つの一般的なタイプは、脳内出血及びくも膜下出血である。出血性脳卒中は、弱い血管の破裂から生じる。弱い血管の破裂の潜在的な原因には、高血圧性出血が含まれ、高血圧は、血管の破裂又は弱い血管の根底にある他の原因(例えば脳動脈瘤動静脈奇形(AVM)又は海綿状奇形を含む脳血管奇形の破裂)を引き起こす。出血性脳卒中は、梗塞において血管を弱める虚血性脳卒中の出血性変化又は異常に弱い血管を含むCNSにおける一次又は転移性腫瘍による出血から生じる可能性もある。出血性脳卒中は、医原性の原因(例えば脳血管への直接的外科手術上の損傷)から生じる可能性もある。動脈瘤は、血管の弱い領域の膨張である。未処置のままにすると、動脈瘤は、それが破裂して脳における出血するまで弱くなり続ける。動静脈奇形(AVM)は、異常に形成された血管のクラスターである。海綿状奇形は、弱い静脈構造からの出血を引き起こし得る静脈異常である。これらの血管の任意の1つは、破裂する可能性があり、脳における出血も引き起こす。出血性脳卒中は、物理的外傷の結果として生じることもある。脳の一部における出血性脳卒中は、出血性脳卒中において失われた血液の不足による別の虚血性脳卒中を導く可能性がある。

0068

治療に適する1つの患者のクラスは、脳に供給している血管に関与する若しくは関与する可能性がある、そうでなければ脳若しくはCNSに関与する若しくは関与する可能性がある外科手術処置を受けている患者である。いくつかの例では、心肺バイパス頚動脈ステント術、脳又は大動脈弓冠状動脈の診断的血管造影脈管外科的処置及び神経外科的処置を受けている患者である。かかる患者の更なる例は、上記セクションIVにて述べている。脳動脈瘤患者が特に適している。かかる患者は、動脈瘤を留め血液を閉ざすこと、又は、小さいコイルを用いて若しくは動脈瘤が現れている血管にステントを導入して若しくはマイクロカテーテルを挿入して動脈瘤を遮断する血管内手術を実行することを含む様々な外科的処置によって治療することができる。血管内処置は、動脈瘤を留めることより侵襲性が低く、より良好な患者の転帰と関連しているが、この転帰は小さい梗塞の発生率がそれでも高い。かかる患者は、上述のNMDAR 2BとのPSD95の相互作用の阻害剤及び、とりわけ、ペプチドYGRKKRRQRRRKLSSIESDV(配列番号:6 (別名Tat-NR2B9c))を含む上記薬剤を用いて治療することができる。手術を実行することに対する投与のタイミングは、上記の通り、治験による可能性がある。

0069

治療に適する患者の他のクラスは、動脈瘤の有無にかかわらずくも膜下出血を患っている患者である(US 61/570,264を参照)。

0070

IV.投与に関する有効的な投与計画
再構成後、凍結乾燥製剤は、治療する疾患を患っている患者の疾患の少なくとも一つの兆候又は症状の更なる悪化を治癒するか、低減させるか、又は阻害するのに有効な量、頻度及び投与経路にて活性薬剤(例えば、NR2B9c)が投与されるように投与される。治療上有効量は、著しく本発明の薬剤で治療されない、疾患又は状態を患っている患者(又は、動物モデル)のコントロール群の損傷と比較して、本発明の薬剤で治療される疾患を患っている患者(又は、動物モデル)群において治療される疾患又は状態の少なくとも一つの兆候又は症状の更なる悪化を治癒するか、低減させるか又は阻害するのに十分な活性薬剤の量を意味する。上記量は、個々に治療した患者が本発明の方法によって治療されていない比較患者のコントロール群における平均転帰より良好な転帰を達成する場合、治療的に有効であるとも考えられる。治療的に有効な投与計画には、本発明の目的を達成するの必要な投与頻度及び経路で治療的に有効な量を投与することが含まれる。

0071

脳卒中又は他の虚血性状態を患っている患者に関して、活性薬剤は、脳卒中又は他の虚血性状態の損傷の影響を低減させるのに有効な投与量、頻度及び経路を含む投与計画にて投与される。治療を必要とする状態が脳卒中である場合、転帰は、梗塞体積又は障害指数によって決定することができ、個々に治療した患者がRankinスケールが2又は2未満及びより少ないもの及びBarthelスケールが75又は75超の障害度を示す場合、又は、治療した患者群が比較未治療群よりも障害度のスコア分布が大幅に改善した(すなわち、障害がより小さい)ことを示す場合、用量は治療的に有効であると考えられる(Lees et at L, N Engl J Med 2006;354:588-600を参照)。単回用量の薬剤で、通常、脳卒中の治療には充分である。

0072

本発明は、障害のリスクがある対象における障害の予防のための方法及び製剤も提供する。通常、かかる対象は、コントロール群と比較して障害(例えば、状態、病気、障害又は疾患)が進行する可能性が高い。コントロール群には、例えば、診断も受けておらず障害の家族歴もない母集団(例えば、年齢性別人種及び/又は民族マッチした母集団)から選択される1又は複数の個人を含めることができる。対象は、障害と関連する「危険因子」がその対象と関連しているとことが見出された場合、障害のリスクがあると考えることができる。危険因子には、対象群に対する統計学的又は疫学調査を通じた、所定の障害に伴う任意の活量形質事象又は特性を含めることができる。したがって、対象は、根底にある危険要因を同定する調査が具体的に対象を含まなかった場合であっても、障害のリスクがあるとして分類することができる。例えば、心臓手術を受けている対象は、心臓手術を受けた対象群とそれを受けなかった対象群と比較して一過性脳虚血発作の頻度が増加するため、一過性脳虚血発作のリスクにさらされている。

0073

脳卒中に関する他の一般的な危険要因には、年齢、家族歴、性別、脳卒中、一過性脳乏血発作又は心臓発作事前発病率、高血圧、喫煙糖尿病けい動脈又は他の動脈疾患、心房細動、他の心臓病(例えば心臓病、心不全拡張心筋症心臓弁疾患及び/又は先天性心臓の欠陥)、高血液コレステロール及び飽和脂肪トランス脂肪又はコレステロールが高い食事が含まれる。

0074

予防において、再構成後の凍結乾燥製剤は、疾患のリスクがあるがまだ疾患を患っていない患者に、疾患の少なくとも一つの兆候又は症状の進行を防止、遅延又は阻害するのに十分な量、頻度及び経路で投与される。予防的に有効な量は、著しく本発明のキメラ薬剤で治療されていない疾患のリスクがある患者(又は、動物モデル)のコントロール群と比較して、薬剤で治療した疾患のリスクがある患者(又は、動物モデル)の群における疾患の少なくとも一つの兆候又は症状を防止、阻害又は遅延させるのに十分な薬剤の量を意味する。上記量は、個々に治療した患者が本発明の方法によって治療されていない比較患者のコントロール群における平均転帰より良好な転帰を達成する場合、予防的に有効であるとも考えられる。予防的に有効な投与計画には、本発明の目的を達成するの必要な投与頻度及び経路で予防的に有効な量を投与することが含まれる。脳卒中の差し迫ったリスクがある患者(例えば、心臓手術を受けている患者)における脳卒中の予防に関して、単回用量の薬剤で通常充分である。

0075

薬剤に応じて、投与は、非経口、静脈内、経鼻、経口的、皮下、動脈内、脳内、髄腔内、腹膜内、局所鼻腔内、筋肉内であってもよい。静脈内投与は、ペプチド薬剤に好ましい。

0076

ヒトに対する投与に関して、活性薬剤(例えば、Tat-NR2B9c)の好ましい用量は、2-3mg/kg、より好ましくは2.6mg/kgである。明示の用量は、一般的な病院の設備で用量を計量することができる精度に固有誤差を含むものとして理解すべきである。かかる量は、単回量投与(即ち、疾患の事象当たり一回の用量)に関するものである。

0077

有効薬剤(例えばTat-NR2B9c)は、好ましくは血管への注入によって、より好ましくは静脈内注入によって送達される。注入時間は、(例えば、肥満細胞脱顆粒及びヒスタミン放出に起因する)副作用及び有効性の両方に影響を及ぼす可能性がある。一般的に、所定の用量レベルに関して、より短い注入時間は、ヒスタミン放出を導くおそれがある。しかしながら、より短い注入時間は、有効性が向上する可能性もある。本発明の実施はメカニズムの理解に依存しないが、後者の結果は、キメラの薬剤が最適治療のレベルに達していないという結果として、キメラ薬剤の血漿中の半減期と比較して遅延が有意であるという理由と、患者における病状の進行と比較して遅延が有意であるという理由の両方にて説明することができる。キメラ薬剤Tat-NR2B9cに関して、これらの考慮点のバランスがとれる好ましい注入時間は、5-15分、より好ましくは、10分である。明示の時間は、+/-10%の誤差を含むものとして理解すべきである。注入時間には、最初の分散由来の任意の残留液滴(それがなければ完了となる)を洗浄するための分散洗浄のための任意の追加時間が含まれない。Tat-NR2B9cの注入時間は、他の活性薬剤のためのガイドの役割を果すこともできる。

0078

理解の明瞭性を目的として本発明を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲の範囲内で一定の変更を行ってよい。本願で引用するすべての出版物寄託番号、及び特許文献は、そうであると個々に示されているのと同程度に、すべての目的のために、参照によってその全体が取り込まれる。異なる時点で、1つ以上の配列が受託番号に関連付けられている場合、その受託番号に関連する配列は、本出願の有効な出願日のものであることが意図されている。有効な出願日は、問題の受託番号を開示した最も早い優先出願の日である。文脈から他に明らかでない限り、本発明のあらゆる要素、実施形態、工程、機能又は特徴は、他との組み合わせで実施することが可能である。

0079

実施例1:標準的な緩衝液及び賦形剤がin vivoでNA-1の有効性を妨げないことの証明。
5つの液体性製剤調合して、20mg/mLの濃度のNA-1とした。表1には、ビヒクル組成ロット番号及び、調合時の力価、純度並びにpHを挙げている。約5mLの各製剤を、試験用バイアル瓶に入れた。バイアル瓶を-20℃で凍結させて、輸送又は液体保管条件シミュレーションした。



1力価及び純度は、TFA法を使用するRP-HPLC分析によって評価した。
2製剤#2の純度は、他の製剤より顕著に低かった。
3ホスファート緩衝製剤のpHは、初期緩衝pHの7.0から顕著にそれた。

0080

ホスファート緩衝製剤はpHを維持しなかったが、ヒスチジン緩衝液は製剤化から試験まで間、維持したことから、ヒスチジンが製剤化にとって優れた緩衝液であろうことが示された。

0081

製剤1-5を、ラットにおける脳卒中の3-軟膜血管閉塞(3PVO)モデルにおいて試験した。脳卒中を患ったラットに、大腿静脈への静脈内投与によって製剤のうちの1つを与えて、この動物を脳卒中の24時間後に屠殺した。脳を取得して固定化し、塩化トリフェニルテトラゾリウム(TTC)にて染色することによって脳の虚血性部分を視覚化した。試験製剤の全てが、生理食塩水のみのコントロールと比較して動物における有意な神経保護をもたらすことができた(図1)。

0082

方法
虚血の3-軟膜血管閉塞モデル
実験をラットに実施した。以前記載したように、永続的な3-軟膜血管閉塞(3PVO)を実施した[Angiogenic protection from focal ischemia with angiotensin II type 1 receptor blockade in the rat. Forder et al., Am J Physiol HeartCirc Physiol. 2005 Apr;288(4):H1989-96]。要するに、250g〜350gのラットに、ケタミン(100mg/kg)、アセプロマジン(2mg/kg)及びキシラジン(5mg/kg)を0.5ml/kg筋内注射して麻酔した。必要に応じて初回量の1/3を追加した。肛門温度プローブを挿入して、動物を約37℃に維持した加温パッドに置いた。頭蓋骨正中切開を経て露出させて、組織がないように掻き取った。解剖顕微鏡及び空気式歯科用ドリルを用いて、頭蓋骨に長方形穿設し、頭蓋骨の断片から持ち上げつつ硬膜を完全に保ちながら6〜8mmの頭蓋窓を右体感覚皮質上に作製した(前頂部に対して尾側に2mm、横方向に5mm)。3-軟膜細動脈中大脳動脈分岐を、軸周り焼灼した。皮質を選択して、硬膜を通じて電気的に焼灼した。焼灼後、頭皮縫合した。ラットが完全に復帰するまで、各ラットを、体温を維持するための加温灯下の個々のケージに戻した。食品及び水を供給した。3PVO虚血の1時間後、ラット重量に基づいて〜0.45mL生理食塩水中に3nmol/gのNA1製剤をラットに導入した。5分間かけて容量を投与した。

0083

手術の24時間後に、脳を早急に取得した。コロナスライス(2mm)を脳から取得して、37℃で15分間、2%の塩化トリフェニルテトラゾリウム(TTC)(Sigma-Aldrich St. Louis MO)においてインキュベートした。画像をスキャン(CanoScan 4200F Canon)して数値化した。

0084

実施例2:種々の緩衝液及び種々のpHの値におけるNA-1安定性の測定緩衝液のスクリーニング
賦形剤スクリーニングのために、10種類の緩衝液を調合して1mg/mLのNA-1とした。サンプルを、25℃/60%の相対湿度(RH)及び40℃/75%のRHにて保存した。t=0及びt=1週目の安定性(純度)を、RP-HPLC(TFA及びMSA方法)による純度に関してサンプルを試験した。結果を表2及び3に示す。

0085

この結果は、pH 6.0とpH 6.5の間に緩衝作用をもつ液性媒体中のNA-1については安定性が向上することを示している。この範囲からいずれかの方向に外れると分解が増加するようである。MSA法によって作成したデータから、pHと緩衝液の種類の両方に依存した明白な分解パターンが示され、将来の製剤開発に対する有益な見通しがもたらされた。MSA法を使用したHPLC面積%による主ピーク純度に関する結果を表2に提供している。一方、TFA法を用いたHPLC面積%による主ピーク純度に関する結果を表3に提供している。

0086

この結果から、NA-1溶液の安定性はpH 6.0〜6.5の緩衝作用を有する媒体において最も維持され、ビヒクルは依然としてIV投与に十分通用することが示されている。一般的に、ヒスチジン及びクエン酸緩衝系は、25℃又は40℃の促進的安定条件に1週間保持したときでも、完全な形態のNA-1を維持することが可能であった。

0087

緩衝液の種類を選択するときには、考慮する要因がいくつかある:各媒体で生じる特定の分解パターン及び同定された関連物質又は毒物学的懸念に関する任意のデータは、特定の関連物質を回避すべき場合、決定過程合理化することができる。試験期間の間、pH 6から6.5のヒスチジン及びシトラート緩衝液は、分解産物をほとんど示さなかった。この研究において使用したヒスチジン緩衝液自体は、NA-1を添加していないヒスチジン緩衝液に存在していた夾雑物を含んでいた。従って、かかる夾雑物のないヒスチジンの供給業者を同定することによって、分析がより単純になるだろう。表4は、NA-1安定性の観点から、緩衝液の種類の概要を提供するものである。

0088

実施例3:塩化ナトリウム含有量を変化させた、ヒスチジン及びシトラート緩衝液並びに種々のpH値でのNA-1安定性の測定。
この研究の目的は、液剤中のNA-1安定性及びpHに対する塩化ナトリウム(NaCl)の影響を証明することとした。1mg/mLのNA-1を有する緩衝作用をもつ製剤を表5にリストしている。pHに関する結果は表6に提供している。このデータは、研究の間、かなり一貫した結果を示している。しかしながら、顕著なシフトが、NaClを追加したシトラートで起こり、緩衝能に影響を与えて、pHが〜0.2ユニット低下した。選択したpH6.0及び6.5は、シトラートの理想的な緩衝範囲(pH 2.5-5.6)の外側にあるため、調合プロセスの間の様々な添加剤の添加が困難になる可能性があり、製剤の頑丈さを評価する際には考慮すべきである。

0089

この結果から、ヒスチジン及びシトラートによる緩衝作用を有するNA-1溶液への200mMのNaClの追加は、1週間の凍結保存であっても40℃の加速温度での保存であっても溶液のpHに著しい影響を与えないことが示されている。

0090

次に、凍結及び加速温度で1週間保存した際の、これらの製剤中のNA-1の安定性を検討した。表7は、MSA勾配を有するRP-HPLC法を使用した試験結果を示している。このデータは、図2A及び2Bにも示している。図2Aは、左から右(低安定性から高安定性)にソートした製剤の加速安定性を示している。図2Bは、緩衝剤による相対的加速安定性を示している。

0091

これらの結果から、NA-1溶液の安定性は、pH 6.5で最も維持され、NaClの追加は安定性をわずかに向上させることができることが示されている(図2A及び2B)。ヒスチジン緩衝液の緩衝能及び相対的安定性が高いため、特に0.28の相対的停留時間(RRT)とともに移動する夾雑物を除くと(夾雑物の面積は上記表に含まれていることから、NA-1のピーク面積に関しては安定性値が低くなる)、pH 6.5でのヒスチジン緩衝液の種類が凍結乾燥研究を始めるのに最善の製剤である。

0092

pH 6.5でのビヒクルは、IV投与に十分通用する。

0093

実施例4:安定凍結乾燥固形物を形成する、NA-1のための増量剤の選択
凍結乾燥の際に良好な固形物にして安定性を向上させる増量剤を同定するために、表8で概説されるように、50mMのヒスチジン緩衝液、増量剤及びNaCl中の20mg/mLのNA-1溶液をいくつか調合した。凍結乾燥プロセスの間にNA-1製剤にさらす時間及び取扱い温度をシミュレーションするために、これらのサンプルを、-20℃(コントロール)及び40℃/75%RH(試験)で保存し、HPLC(MSA法)による純度及びpHに関して1週間の保管後に分析した。pH安定性に関する結果は、表9で概説しており、種々の液剤中のNA-1の安定性に関する結果は、表10及び図3に示している。

0094

NA-1安定性に対する増量液剤の結果
マンニトール、トレハロース及びデキストラン-40は、pHを6.5で良好に維持され(表9)、高温での保存の際には液体の形態として1週間にわたる純度の低下は約1%である(表10)。NA-1凍結乾燥充填溶液の化学的安定性に関して、マンニトール及びトレハロースは、デキストラン-40溶液よりも良好な安定性をNA-1に与えるため、好ましい増量剤である(図3)。

0095

実施例5:凍結乾燥サイクルの設計を容易にする増量剤の温度分析
NA-1凍結乾燥製剤からの凍結乾燥サイクル開発の一部として、増量剤サンプルの表(表8)に提示する充填溶液を、製剤におけるガラス転移(Tg)を含む温度特性に関して示差走査熱量測定(DSC)によって評価した。結果を表11にリストしている。DSCのトレースを図4A-6Bに示している。

0096

20mg/mLのNA-1濃度において、試験したNA-1製剤は、低い温度で開始する広範囲溶融イベントによって特徴づけられる温度プロファイルを示した。この広範な溶融が、マンニトール製剤に一般的に見られる結晶化イベントを遮断した。これは、製品がガラス転移温度を決して超えないように強い凍結乾燥サイクルを実行する必要があることを示している。この場合、NA-1製剤充填溶液の観察されたガラス転移に基づいて、増量剤としてのマンニトールの使用は、-40℃(測定可能なサイクルを実行できる一般的な限界)よりも低い主乾燥温度を必要とする。温度プロファイルに関して、トレハロース及びデキストラン-40は、増量剤として優れている。しかしながら、トレハロースを含有する液体製剤中のNA-1の安定性は、デキストランを含有するものよりも優れていたならば、トレハロースは試験したものの中で好ましい増量剤である。

0097

乾燥により長い凍結乾燥サイクルを必要とするであろうTg温度が比較的低いため、凍結乾燥する液体の量を減らせるように、標準的な増量剤をより広い範囲から検討して閉鎖系の容器への充填量を減らすことを試みた。充填量を減少させて270mg/バイアル瓶にするために、ヒスチジン中のNA-1(pH 6.5)、及び、ヒスチジン+トレハロース中のNA-1(pH 6.5)の溶解安定性研究を実施した。サンプルは、見えるように、35、50、75及び100 mg/mLで分析した。全ての溶液は、t=0及びt=24時間で鮮明であった。このデータに基づくと、90mg/mLのNA-1製剤を用いて3mLよりも少ない充填量を使用することができた。これは、目標のバイアル瓶に270mgを提供するものである。様々な量がバイアル瓶中に要求され得るが、270mgとは、2.6mg/kgの用量を100kgの患者に提供するものである。患者へ投与する標的再構成濃度を20mg/mL(しかしながら、1mg/mlから100mg/mlまでは可能)と仮定したとしても、270mgのNA-1が入っている20mLの凍結乾燥バイアルでは、13.5mLの再構成量を使用することができる。従って、バイアル中のNA-1の凍結乾燥品に関する最適な液量は、2.5mLから10mLである。

0098

より広い範囲の増量剤を、凍結乾燥開発を進める前に試験した。Tgを表12に示している。ヒスチジン中の100mg/mLのNA-1(pH 6.5)は、また、DSCによって評価した。データは、表12に含まれている。

0099

表12のDSCデータに基づいて、活性製剤及びプラセボ製剤の両方に選択性がある製剤が幾つか存在する。一般的に、製剤5及び11は、Tgに関して、活性製品として最も見込みがあるものである。何れの増量剤も、プラセボ製品の使用に適しているだろう。しかしながら、製剤4(マンニトール)は、アニールする場合、サイクル長が最も短いだろうし、最も望ましいだろう(外観は、活性製剤とマッチしている必要がある)。

0100

最適な活性製剤を決定するのと同時に、溶液安定性、凍結乾燥サイクルの頑丈さ及び化学安定性を考慮することは重要である。表12の製剤5(トレハロース)は、加速条件での良好な溶液安定性及び凍結乾燥化学的安定性を証明したが(データは後ほど掲載)、13.5mLの充填構成での、より長い凍結乾燥サイクルを必要とする。このより長いサイクル長は、将来の商業的生産において理想的ではない可能性があり、より短いサイクルが望ましい。表12からの製剤11(100mg/mLのNA-1、増量剤なし)は、製剤5より高いガラス転移温度を有することから、より暖かくより短いサイクルが可能である。加えて、充填量が少ないと、各バイアルから昇華させるがより少ないため、実行時間が著しく短くなるだろう。

0101

実施例6:増量剤、スケール及び凍結乾燥条件を変化させてのNA-1の安定性増量剤の加速安定性
NA-1製剤の小さいバッチを凍結乾燥させて、25℃、40℃及び60℃で1週間後に固体状態安定性を評価した。3つの異なるビヒクル中に、20mg/mLの有効濃度のNA-1を調整した。t=0及びt=1週目における、サンプルの、HPLC(MSA法)による純度、量、pH、再構成及び外観を評価した。含水量は、t=0だけ評価した。

0102

全てのNA-1製剤は、白色の凍結乾燥固形物として現れ、t=0及びt=1週目のときに10秒未満で再構成した。

0103

製剤ビヒクルを表13に記載し、それぞれのガラス転移温度と含水量の結果をリストしている。pH、NA-1の量及びNA-1の純度の結果は、表14-16に記載している。

0104

3つ全ての増量剤、トレハロース、デキストラン-40及びトレハロース:デキストラン-40は、pH6.5を維持し(表14)、60℃での純度は、1週間後、0.5-2.5%の範囲で減少した(表15)。デキストラン-40を含み60℃で保存された両製剤は、滞留時間(RT)から6.0で、関連物質の成長を示した。これらの関連物質は、トレハロースサンプルには存在していなかったことから、トレハロースは凍結乾燥製剤を安定させる効果を有し、デキストラン-40は特定の分解生成物を生じさせる可能性があることが示唆された。

0105

増量剤中のデキストラン-40の包含は、より暖かい主乾燥温度を可能にするが、増量剤としてのデキストラン-40は安定性が最も低いことを証明した。トレハロース及びデキストラン-40(1:1)の組合せは、単独のトレハロースよりも約10℃温かいガラス転移温度になる。しかしながら、60℃での安定性がトレハロース及びデキストラン単独サンプルの中間に見えるため、トレハロースが好ましい増量剤である。

0106

凍結乾燥されたNA-1製剤の開発:小スケール実験#2
NA-1製剤の小さいバッチを凍結乾燥させて、主乾燥の間、5℃での棚温度のセットを評価した。50mMのヒスチジン(pH 6.5)及び120mMのトレハロース中に27mg/mLの有効濃度のNA-1を調整した。サイクルパラメーターは、表17で概説している。4つの20mLガラス凍結乾燥バイアルを10mLで満たした。2つのバイアルは、温度プローブによって調べた。



1大きいバイアルサイズ及び充填量に基づく一次乾燥温度(ガラス転移温度に直接関係しない)。

0107

充填量が大きいため、蒸発冷却補償するために棚温度をガラス転移温度よりも著しく暖かく設定する必要がある。一次乾燥中の溶液温度は-29℃であった。これは、DSC熱分析からの-28℃のガラス転移温度に近い。

0108

90mg/mlのNA-1の凍結乾燥加速安定性(小スケール3)
小スケール3の充填溶液を調整する前に、緩衝液(50mMのヒスチジン、pH 6.5)中の90mg/mLのNA-1のpHを評価した。溶液のpHは、6.04であった。NA-1の濃度を増加させると、緩衝強さも増加させる必要があることを測定した。溶液を、150mM、100mM、75mM及び水で作成して、pHを評価した。pHは、表18にリストしている。小スケール3を、pH 6.5の100mMのヒスチジン緩衝液に調合して、NA-1の追加後、pHを6.5に再調整した。

0109

NA-1製剤の小さなバッチを凍結乾燥させて、25℃及び60℃で1週間の保管後、固体状態安定性を評価した。2つの90mg/mLのNA-1製剤を調整した(緩衝液と、トレハロースを有する緩衝液)。t=0及びt=1週目における、サンプルの、HPLC(MSA方法)による純度、含水量、再構成及び外観を評価した。

0110

全てのNA-1製剤は、白色の凍結乾燥固形物として現れた。あるケーキは、熱分解されていた。プラセボ製剤は、視覚的に、活性製剤と類似していた。

0111

再構成時間は、以前の製剤における10秒未満と比較して、約1.5分であった。再構成時間の増加は、NA-1及びヒスチジンの濃度の増加に起因している可能性が最も高い。更なる試験から、再懸濁時間を短くしても、50及び75mMのヒスチジン緩衝液濃度を有するNA-1の安定性が良好であることが示された。また、この研究のために使用した2mLのバイアルサイズのために、1mLの水だけを凍結乾燥品に加えた。実際の再構成量は、この小スケール構成においては4.5mLである。再構成時間は、多量の希釈液を使用する場合に最も向上しそうである。

0112

バイアル瓶を、25℃及び60℃で安定に設置して、1週間の保管後に試験した。

0113

視覚的外観データに基づくと、トレハロースサンプルから、より高品質な固形物が得られた。凍結乾燥サイクルは、-32℃一次乾燥温度にて、5日にわたって保存的に実施した。温度プローブデータに基づくと、サイクルを短くすることができることから、より濃度が高くより充填量が低いと、最適化されたサイクルがより短くなることを示している。

0114

純度の結果は、表19で概説している。

0115

この加速安定性データに基づくと、トレハロースは、凍結乾燥化学的安定性を向上させる、NA-1製剤に対する安定効果を示している。トレハロースがこの安定効果を与えることができる一方で、他の標準的な増量剤(例えば、他のペプチドに使用するデキストラン及びマンニトール)は与えることができないことは、驚くべきことである。

0116

充填量を低下させることは、周囲にあるバイアルの競合蒸発冷却を最小限にして、昇華する水に対する抵抗性を最小限にする。

0117

凍結乾燥サイクルの開発-小スケール4(プラセボ及び活性)
小スケール4の凍結乾燥サイクル開発を開始して、3mL充填のための固形物の外観及び凍結乾燥条件を試験した。試験したサンプルは、120mMのトレハロース及び90mg/kgのNA-1を有するpH 6.5の100mMのHis、又は、トレハロースを除いた同一のサンプルとした。保存的な4日間のサイクルを、表20にて説明しているように実施した。プラセボ及び活性バイアルを、以前の実験で使用した小バイアル瓶の代わりに、20mLのガラス凍結乾燥バイアル瓶に、3mLの充填構成と共に入れた。能動的温度プローブを用いて、凍結乾燥サイクル中の温度を確認した。得られた活性バイアルを図7Aに示している。

0118

20mLのバイアル瓶中の90mg/mlの製剤は、4日間のサイクルで高品質な固形物を形成した。温度プローブデータから、サイクルは、3日まで短縮するできることが示唆された。

0119

プラセボ及び活性に関する含水量は、0.01%及び0.00%であった。

0120

凍結乾燥サイクルの開発-小スケール5(プラセボ及び活性)
小さいスケール5を実施して、治験にマッチするプラセボバイアルを明らかにするために調査して、可能性がある商業スケール(270mg/バイアル瓶)で製剤をするための再懸濁時間を調査した。10個のプラセボ製剤と1つの活性製剤について、外観及び再構成時間を評価した。活性固形物は、洗練された白色の固形物であり、バイアル瓶の壁の表面周辺に亀裂が入った収縮が僅かに見られた。プラセボ固形物は、白色であり、トレハロースの含有量が多い固形物においてはより多くの亀裂が見られた。

0121

13.5mLの水によって、バイアルを再構成した。溶解時間を表21にリストしている。活性凍結乾燥品を即座に再懸濁したが、無色透明の溶液になる前に、17.6秒間濁った。全てのプラセボは、無色透明の溶液であった。

0122

安定性、再懸濁時間及び凍結乾燥時間に基づくと、NA-1のための好ましい商用製剤(未凍結乾燥)は、20-100mMのヒスチジン、120mMのトレハロース(pH 6.5)である。トレハロース濃度は、再懸濁時間を除いて、安定性又は固形物の高品質を失うことなく上げることができる。

0123

固形物の形成及びプラセボにマッチする視覚的外観及び再懸濁時間におけるトレハロースの増加に関する試験
プラセボによりマッチさせるために、様々な濃度のトレハロースを、3又は5mLの充填量でNA-1有り無しで試験した。

0124

まず、活性製剤及びプラセボ製剤をひとまとめにする。そして、3mLの充填及び5mLの充填に関して最も視覚的にマッチするものに着目して選び出す。分析試料(充填溶液及び1力価サンプル)をここでは分析している。表22及び23は、試験した製剤のサブセットを示している。表22. 活性製剤図7Bは、上記活性製剤の外観を示している。




図7Bは、上記活性製剤の外観を示している。



表24は、上記サンプルのための凍結乾燥サイクル条件を示している。

0125

実施例7:20mMのヒスチジン緩衝液(pH 6.5)及び120mMのトレハロース中における、凍結乾燥した270mgのNA-1の安定性凍結乾燥された製剤の調製
NA-1製剤の小さなバッチは、20mMのヒスチジン(pH 6.)及び120mMのトレハロース中における90mg/mLで調製して、凍結乾燥し、-20℃、40℃及び60℃で4週間後に固体状態安定性を評価した。表25は、凍結乾燥条件を示している。

0126

サンプルを、一定の温度のオーブンに保存して、13.2mL(最終量は13.5)の純度、力価及び再構成時間を、0、1、2及び4週目で評価した。貯蔵温度及び時間ごとのデータを、表26A-Cに示している。

0127

NA-1の製剤は、-20℃で安定である。40℃及び60℃の貯蔵温度に関して、1.07、1.1及び1.29の相対的滞留時間(RRT)での潜在的不純物は、MSAHPLCアッセイを使用して、ゆっくり増加し、最も大きな成長は、1.07 RRTに現る。40℃での貯蔵温度に関して、不純物は、1ヵ月かけて0.09%から0.27%まで増加する。60℃での貯蔵温度に関して、不純物は0.09%から0.59%まで増加する。不純物は、-20℃では観察されなかった。Arrnehius方程式を用いて補間される不純物は、25℃で16ヵ月又は5℃で123ヵ月後には0.5%未満であり、室温で>60ヵ月間及び5℃で数年間では2%未満である。したがって、この製剤及び関連製剤は、凍結乾燥製剤の室温貯蔵に適している。

実施例

0128

全体の結論
安定性、再懸濁時間及び凍結乾燥時間に基づくと、NA-1に好ましい商用製剤は、20-100mMのヒスチジン、120mMのトレハロース(pH 6.5)である。トレハロース濃度は、安定性又は固形物の高品質を失うことなく上げることができるが、再懸濁時間は、トレハロース濃度の増加によって増加する。

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    【課題・解決手段】本発明は、魚に対するアレルギーの新規抗原、魚に対するアレルギーの診断方法および診断キット、当該抗原を含む医薬組成物、当該抗原が除去された魚、魚卵、当該魚もしくは当該魚卵加工品、または... 詳細

  • 国立大学法人横浜国立大学の「 毛髪再生用細胞包埋ビーズ及びその製造方法、並びに毛髪再生用キット」が 公開されました。( 2019/05/09)

    【課題・解決手段】高い毛髪再生活性を有する毛髪再生用細胞包埋ビーズ及びその製造方法を提供する。毛髪再生用細胞包埋ビーズは、間葉系細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する。毛髪再生用細胞包埋ビーズの製... 詳細

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