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技術 カリウムを添加した薄膜光電子デバイスの製作

出願人 フリソムアクツィエンゲゼルシャフトエムパ
発明者 チリラ,エイドリアンビューシェーラー,シュテファンピアネッツィ,ファビアンラインハルト,パトリックティワリ,アヨディヤナス
出願日 2013年12月16日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2015-548824
公開日 2016年1月21日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-502281
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 軽量可 プロファイルグラフ モジュール構成要素 参照デバイス スケール機 元素相 フロント接点 テストスイート
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図面 (10)

課題・解決手段

薄膜光電子デバイス(100)を製作する方法(200)及び堆積ゾーン装置(300)であり、方法は、カリウム拡散基板(110)を提供することと、バック接点層(120)を形成することと、ABCカルコゲン化物材料で作られる少なくとも1つの吸収層(130)を形成することと、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することと、少なくとも1つのフロント接点層(150)を形成することとを含み、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つはカリウムであり、上記フロント接点層の形成に続き、バック接点層(120)からフロント接点層(150)までの、バック接点層を含まず、フロント接点層を含む層間隔(470)での、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することに起因する含有量は、カリウムの場合、500ppm〜10000ppmの範囲であり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の場合、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000である。方法(200)及び装置(300)は、高い光起電力変換率及びより高速製造速度を有する、可撓性基板上の光起電力デバイス(100)のより環境に優しい製造に有利である。

概要

背景

光起電力デバイスは一般に、光起電力セル又は光起電力モジュールとして理解される。光起電力モジュールは通常、相互接続された光起電力セルのアレイを備える。

薄膜光起電力又は光電子デバイスは通常、基板上に材料層堆積することによって製造される。薄膜光起電力デバイスは通常、導電積層、少なくとも1つの吸収層任意選択的に少なくとも1つの緩衝層、及び少なくとも1つの透明導電積層を含む積層によってコーティングされた基板を備える。

本発明は、一般にABC2黄銅鉱材料等のABCカルコゲン化物材料ベースとする吸収層を備える光起電力デバイスに関し、Aは、Cu及びAgを含む国際純正応用化学連合によって定義される化学元素周期表の第11族の元素を表し、Bは、In、Ga、及びAlを含む周期表の第13族の元素を表し、Cは、S、Se、及びTeを含む周期表の第16族の元素を表す。ABC2材料の一例は、CIGSとしても知られるCu(In,Ga)Se2半導体である。本発明は、銅−(インジウムガリウム)−(セレンイオウ)、銅−(インジウム、アルミニウム)−セレン、銅−(インジウム,アルミニウム)−(セレン,イオウ)、銅−(亜鉛,錫)−セレン、銅−(亜鉛,錫)−(セレン,イオウ)、(銀、銅)−(インジウム,ガリウム)−セレン、又は(銀、銅)−(インジウム,ガリウム)−(セレン,イオウ)という化合物等の四元、五元、又は多元材料の形態での、銅−インジウム−セレン化物又は銅−ガリウム−セレン化物等の通常の三元ABC組成物のバリエーションにも関する。

薄膜ABC又はABC2光起電力デバイスの光起電力吸収層は、化学蒸着CVD)、物理的蒸着PVD)、噴霧焼結スパッタリングプリントイオンビーム、又は電気めっき等の様々な方法を使用して製造することができる。最も一般的な方法は、通常複数の蒸着源を使用する、真空チャンバ内での蒸着又は共蒸着に基づくものである。歴史的に、ソーダ石灰ガラス基板を使用するアルカリ材料拡散から導出される、アルカリ金属を添加して薄膜ABC2光起電力デバイスの効率を増大させる効果は、多くの従来技術に記載されている(Rudmann,D.(2004)Effects of sodium on growth and properties of Cu(In,Ga)Se2 thin films and solar cells,Doctoral dissertation,Swiss Federal Institute of Technology.<URL:http://e−collection.ethbib.ethz.ch/eserv/eth:27376/eth−27376−02.pdf>から2012年9月17日に検索)。

薄膜ABC2光起電力デバイスの分野での多くの従来技術は、アルカリ金属を添加して、光起電力変換効率を増大させることの利点に触れており、元素Li、Na、K、Rb、Csを含むアルカリ金属群の中でも、前駆体層からナトリウムを拡散させた場合に最良の結果が報告されている(例えば、Contreras et al.(1997)On the Role of Na and Modifications to Cu(In,Ga)Se2 Absorber Materials Using Thin−MF(M=Na,K,Cs)Precursor Layers,NREL/CP−520−22945参照)、又はBodegaardらによる欧州特許第0787354号明細書、又はBasolによる米国特許第20080023336号明細書も参照)。最近の従来技術は、エナメル基板からのナトリウム及びカリウムの拡散に関するデータを提供し、その一方で、カリウムがナトリウムと同様にしてCIGSをドープし、吸収層の成長中にCIGS元素の相互拡散を妨げることにも触れている(Wuerz et al.(2011)CIGS thin−film solar cells and modules on enamelled steel substrates,Solar Energy Materials & Solar Cells 100(2012)132−137)。最も詳しい研究は通常、薄膜デバイスの製造プロセスの様々な段階でのナトリウムの添加又は供給に焦点を合わせてきた。アルカリ金属の中でも多く列挙されるが、制御下で、場合によっては幾らかの量のナトリウムと組み合わせて、特に相当量のカリウムを添加することの有利な効果の探求は、従来技術では不十分であった(例えば、Rudmann,D.(2004)の第66頁参照)。Rudmann,D.(2004)のセクション4.2.2では、ナトリウムの効果と比較してカリウムの有利な効果があまりはっきりとしないことが強調されている。参考のために、ナトリウムがNaFの物理的蒸着を介して添加されるABC2吸収層を有するポリイミド基板上、すなわちカリウム非拡散基板上の光起電力セルに関して、従来技術で達成された最も高い光起電力変換効率は、Chirila et al.(2011)Nature Materials 10,857−861で報告されているように、約18.7%である。

従来技術はこれまで、制御下で相当量のカリウムを薄膜ABC2光起電力デバイスの層にいかに添加するかが、特にナトリウムと組み合わせて、優れた光起電力変換効率を有する光起電力デバイスの類の製造を可能にし得るかについて特に開示してこなかった。従来技術は、制御下での添加から生成されるデバイス内にどれくらいのカリウムが含まれるべきかを開示していない。可撓性光起電力デバイスの製造分野では、制御下でのアルカリ金属の添加に関するノウハウに対する大きなニーズがあり、その理由は、ポリイミド等の幾つかの軽量可性基板は、ソーダ石灰ガラス又はエナメル基板等の剛性基板から受動的に拡散することがわかっているアルカリ金属を含まないためである。

さらに、大半の従来技術は、ナトリウム及びカリウムが吸収層及び光電子デバイスに対して、ドープ、粒界及び欠陥パッシベーション元素相互拡散、結果として生成される組成勾配、並びに開路電圧及び曲線因子の改善等の観測される光電子特性等で同様効果を有すると仮定している。この仮定は、アルカリ金属の組み合わせの制御下での添加に関して発明性を妨げてきた。本発明は、これまでは探求されていなかったカリウムと、ナトリウム等の少なくとも1つの他のアルカリ金属との特定の組み合わせを薄膜光電子デバイス、特にその吸収層に添加する特性を利用する。本発明は、光電子デバイスの層への添加中、別個のアルカリ金属の独立制御を開示する。ドープ、粒界及び欠陥のパッシベーション、元素相互拡散、並びに開路電圧及び曲線因子の改善等の観測される光電子特性等の上述した効果に加えて、本発明のアルカリ金属の添加により、より薄い最適な緩衝層の製造が可能になる。このより薄い最適な緩衝層は、光学損失を低減させ、それにより、デバイスの光起電力変換効率の増大に寄与する。本発明は、カリウムを添加する方法のみならず、結果として生成される薄膜デバイスに残るべきカリウム量、ナトリウムも添加される場合には、カリウムとナトリウムとの比率も指定する。

最後に、本方法により、当業者が低く好ましくない温度と見なす温度でポリイミド基板上に光起電力デバイスの実施形態を製造することにより、出願日において、同様の吸収層技術を使用するが、ガラス基板によって可能なより好ましい高温プロセスで製造される、今まで最高であると証明されているものよりも高い光起電力変換効率がもたらされる。これは、本発明が、高温プロセスの必要性を解消し得るか、又は高温プロセスに役立ち得る進歩に貢献することを示唆する。

概要

薄膜光電子デバイス(100)を製作する方法(200)及び堆積ゾーン装置(300)であり、方法は、カリウム非拡散基板(110)を提供することと、バック接点層(120)を形成することと、ABCカルコゲン化物材料で作られる少なくとも1つの吸収層(130)を形成することと、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することと、少なくとも1つのフロント接点層(150)を形成することとを含み、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つはカリウムであり、上記フロント接点層の形成に続き、バック接点層(120)からフロント接点層(150)までの、バック接点層を含まず、フロント接点層を含む層間隔(470)での、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することに起因する含有量は、カリウムの場合、500ppm〜10000ppmの範囲であり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の場合、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000である。方法(200)及び装置(300)は、高い光起電力変換率及びより高速製造速度を有する、可撓性基板上の光起電力デバイス(100)のより環境に優しい製造に有利である。

目的

本発明の別の態様は、薄膜光電子デバイスを製作する記載の方法を実行する堆積ゾーン装置であり、本装置は、バック接点層コーティングを有するカリウム非拡散基板を上記堆積ゾーン装置に提供する

効果

実績

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請求項1

薄膜光電子デバイス(100)を製作する方法(200)において、カリウム拡散基板(110)を提供すること(210)と、バック接点層(120)を形成すること(220)と、少なくとも1つの吸収層(130)を形成すること(230)であって、前記吸収層は、ABCカルコゲン化物材料三元四元、五元、又は多元バリエーションを含むABCカルコゲン化物材料で作られ、Aは、Cu及びAgを含む国際純正応用化学連合によって定義される化学元素周期表の第11族の元素を表し、Bは、In、Ga、及びAlを含む前記周期表の第13族の元素を表し、Cは、S、Se、及びTeを含む前記周期表の第16族の元素を表す、形成すること(230)と、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加すること(235)と、少なくとも1つのフロント接点層(150)を形成すること(250)と、を含み、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つは、カリウム(K)であり、前記フロント接点層(150)の形成に続き、バック接点層(120)からフロント接点層(150)まで、バック接点層(120)を除き、フロント接点層(150)を含む層間隔(470)での、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することに起因する含有量は、カリウムの場合、500百万分率(ppm)〜10000ppmの範囲であり、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の場合、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの前記含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000であることを特徴とする方法。

請求項2

請求項1に記載の方法において、前記層間隔(470)に含まれるカリウム量は、1000ppm〜2000ppmの範囲であることを特徴とする方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の方法において、前記層間隔(470)内の前記少なくとも1つの他のアルカリ金属はNaであり、その量は5ppm〜500ppmの範囲であることを特徴とする方法。

請求項4

請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法において、前記層間隔(470)でのK/Naのppm比率は2〜2000の範囲であることを特徴とする方法。

請求項5

請求項4に記載の方法において、前記層間隔(470)でのK/Naのppm比率は10〜100の範囲であることを特徴とする方法。

請求項6

請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法において、少なくとも1つの吸収層(130)を形成すること(230)は、物理的蒸着を含むことを特徴とする方法。

請求項7

請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法において、少なくとも1つの吸収層(130)を形成すること(230)は、100℃〜500℃の範囲の基板温度での物理的蒸着を含むことを特徴とする方法。

請求項8

請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法において、少なくとも1つの吸収層(130)はCu(In,Ga)Se2であることを特徴とする方法。

請求項9

請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法において、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加(235)は、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの任意のアルカリ金属の別個の添加を含むことを特徴とする方法。

請求項10

請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法において、Kを添加することは、KFを添加することを含むことを特徴とする方法。

請求項11

請求項10に記載の方法において、前記少なくとも1つの吸収層(130)を形成した後、Kを添加することは、700℃未満の基板温度でKFを物理的蒸着させることを含むことを特徴とする方法。

請求項12

請求項11に記載の方法において、前記少なくとも1つの吸収層(130)を形成した後、Kを添加することは、300℃〜400℃の範囲の基板温度でKFを物理的蒸着させることを含むことを特徴とする方法。

請求項13

請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法において、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加(235)は、前記C元素のうちの少なくとも1つの存在下で行われることを特徴とする方法。

請求項14

請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法において、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することは、前記吸収層(130)を形成した後、320℃〜380℃の範囲の基板温度で、まず、第1の堆積速度でNaFを添加し(734)、次に、第2の堆積速度でKFを添加すること(735)を含む物理的蒸着プロセスを含むことを特徴とする方法。

請求項15

請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法において、吸収層(130)を形成することと、フロント接点層(150)を形成することとの間のステップで、少なくとも1つの緩衝層(140)を形成することを含むことを特徴とする方法。

請求項16

請求項15に記載の方法において、少なくとも1つの緩衝層(140)はCdSを含むことを特徴とする方法。

請求項17

請求項15又は16に記載の方法において、前記緩衝層(140)を形成することは、化学浴堆積を含み、それにより、CdSを含む少なくとも1つの緩衝層を形成することを特徴とする方法。

請求項18

請求項15乃至17の何れか1項に記載の方法において、前記緩衝層(140)は厚さ60nm未満を有することを特徴とする方法。

請求項19

請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法において、前記基板(110)は、ロールツーロール製造装置送り出しロールと巻き取りロールとの間で搬送されることを特徴とする方法。

請求項20

請求項1乃至19の何れか1項に記載の方法において、前記基板(110)はポリイミドであることを特徴とする方法。

請求項21

請求項1に記載の方法によって取得可能な薄膜光電子デバイス(100)において、カリウム非拡散基板(110)と、バック接点層(120)と、少なくとも1つの吸収層(130)であって、ABCカルコゲン化物材料の四元、五元、又は多元バリエーションを含むABCカルコゲン化物材料で作られ、Aは、Cu及びAgを含む国際純正応用化学連合によって定義される化学元素の周期表の第11族の元素を表し、Bは、In、Ga、及びAlを含む前記周期表の第13族の元素を表し、Cは、S、Se、及びTeを含む前記周期表の第16族の元素を表す、少なくとも1つの吸収層(130)と、少なくとも1つのフロント接点層(150)と、を備え、バック接点層(120)からフロント接点層(150)まで、バック接点層(120)を含まず、フロント接点層(150)を含む層間隔(470)は、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を含み、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つは、500ppm〜10000ppmの範囲の量で含まれるカリウム(K)であり、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の含有量は、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの前記含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000であることを特徴とするデバイス(100)。

請求項22

請求項21に記載の装置(100)において、標準試験条件STC)下で測定される場合、特性開路電圧は680mVを超え、短絡電流密度は32mA/cm2を超えることを特徴とするデバイス。

請求項23

請求項1乃至20の何れか1項に記載の方法を実行して、薄膜光電子デバイス(100)を製作する堆積ゾーン装置(300)において、バック接点層コーティング(120)を有するカリウム非拡散基板(110)を前記堆積ゾーン装置に提供する手段と、前記基板の前記バック接点層コーティング側に、少なくとも1つの吸収層を形成するように構成される蒸着源(330)であって、前記少なくとも1つの吸収層は、ABCカルコゲン化物材料の四元、五元、又は多元バリエーションを含むABCカルコゲン化物材料で作られ、Aは、Cu及びAgを含む国際純正応用化学連合によって定義される化学元素の周期表の第11族の元素を表し、Bは、In、Ga、及びAlを含む前記周期表の第13族の元素を表し、Cは、S、Se、及びTeを含む前記周期表の第16族の元素を表す、蒸着源(330)と、2つの異なるアルカリ金属のうちの少なくとも1つを添加する(235)ように構成される少なくとも1つの更なる蒸着源(336s)と、を備え、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つはカリウム(K)であり、前記堆積ゾーン装置(300)は、少なくとも1つのフロント接点層(150)の形成に続き、バック接点層(120)からフロント接点層(150)まで、バック接点層(120)を除き、フロント接点層(150)を含む層間隔(470)での、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することに起因する含有量は、カリウムの場合、500ppm〜10000ppmの範囲であり、前記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の場合、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの前記含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000であるように構成されることを特徴とする堆積ゾーン装置。

技術分野

0001

本発明は、薄膜堆積によって製造される太陽電池及び/又は光電子デバイス、より詳細には、カルコゲン化物半導体又はABC半導体化合物を含む光電子デバイスの複数の層又は積層を形成する際、アルカリ金属を添加することに関する。

背景技術

0002

光起電力デバイスは一般に、光起電力セル又は光起電力モジュールとして理解される。光起電力モジュールは通常、相互接続された光起電力セルのアレイを備える。

0003

薄膜光起電力又は光電子デバイスは通常、基板上に材料層を堆積することによって製造される。薄膜光起電力デバイスは通常、導電積層、少なくとも1つの吸収層任意選択的に少なくとも1つの緩衝層、及び少なくとも1つの透明導電積層を含む積層によってコーティングされた基板を備える。

0004

本発明は、一般にABC2黄銅鉱材料等のABCカルコゲン化物材料ベースとする吸収層を備える光起電力デバイスに関し、Aは、Cu及びAgを含む国際純正応用化学連合によって定義される化学元素周期表の第11族の元素を表し、Bは、In、Ga、及びAlを含む周期表の第13族の元素を表し、Cは、S、Se、及びTeを含む周期表の第16族の元素を表す。ABC2材料の一例は、CIGSとしても知られるCu(In,Ga)Se2半導体である。本発明は、銅−(インジウムガリウム)−(セレンイオウ)、銅−(インジウム、アルミニウム)−セレン、銅−(インジウム,アルミニウム)−(セレン,イオウ)、銅−(亜鉛,錫)−セレン、銅−(亜鉛,錫)−(セレン,イオウ)、(銀、銅)−(インジウム,ガリウム)−セレン、又は(銀、銅)−(インジウム,ガリウム)−(セレン,イオウ)という化合物等の四元、五元、又は多元材料の形態での、銅−インジウム−セレン化物又は銅−ガリウム−セレン化物等の通常の三元ABC組成物のバリエーションにも関する。

0005

薄膜ABC又はABC2光起電力デバイスの光起電力吸収層は、化学蒸着CVD)、物理的蒸着PVD)、噴霧焼結スパッタリングプリントイオンビーム、又は電気めっき等の様々な方法を使用して製造することができる。最も一般的な方法は、通常複数の蒸着源を使用する、真空チャンバ内での蒸着又は共蒸着に基づくものである。歴史的に、ソーダ石灰ガラス基板を使用するアルカリ材料拡散から導出される、アルカリ金属を添加して薄膜ABC2光起電力デバイスの効率を増大させる効果は、多くの従来技術に記載されている(Rudmann,D.(2004)Effects of sodium on growth and properties of Cu(In,Ga)Se2 thin films and solar cells,Doctoral dissertation,Swiss Federal Institute of Technology.<URL:http://e−collection.ethbib.ethz.ch/eserv/eth:27376/eth−27376−02.pdf>から2012年9月17日に検索)。

0006

薄膜ABC2光起電力デバイスの分野での多くの従来技術は、アルカリ金属を添加して、光起電力変換効率を増大させることの利点に触れており、元素Li、Na、K、Rb、Csを含むアルカリ金属群の中でも、前駆体層からナトリウムを拡散させた場合に最良の結果が報告されている(例えば、Contreras et al.(1997)On the Role of Na and Modifications to Cu(In,Ga)Se2 Absorber Materials Using Thin−MF(M=Na,K,Cs)Precursor Layers,NREL/CP−520−22945参照)、又はBodegaardらによる欧州特許第0787354号明細書、又はBasolによる米国特許第20080023336号明細書も参照)。最近の従来技術は、エナメル基板からのナトリウム及びカリウムの拡散に関するデータを提供し、その一方で、カリウムがナトリウムと同様にしてCIGSをドープし、吸収層の成長中にCIGS元素の相互拡散を妨げることにも触れている(Wuerz et al.(2011)CIGS thin−film solar cells and modules on enamelled steel substrates,Solar Energy Materials & Solar Cells 100(2012)132−137)。最も詳しい研究は通常、薄膜デバイスの製造プロセスの様々な段階でのナトリウムの添加又は供給に焦点を合わせてきた。アルカリ金属の中でも多く列挙されるが、制御下で、場合によっては幾らかの量のナトリウムと組み合わせて、特に相当量のカリウムを添加することの有利な効果の探求は、従来技術では不十分であった(例えば、Rudmann,D.(2004)の第66頁参照)。Rudmann,D.(2004)のセクション4.2.2では、ナトリウムの効果と比較してカリウムの有利な効果があまりはっきりとしないことが強調されている。参考のために、ナトリウムがNaFの物理的蒸着を介して添加されるABC2吸収層を有するポリイミド基板上、すなわちカリウム非拡散基板上の光起電力セルに関して、従来技術で達成された最も高い光起電力変換効率は、Chirila et al.(2011)Nature Materials 10,857−861で報告されているように、約18.7%である。

0007

従来技術はこれまで、制御下で相当量のカリウムを薄膜ABC2光起電力デバイスの層にいかに添加するかが、特にナトリウムと組み合わせて、優れた光起電力変換効率を有する光起電力デバイスの類の製造を可能にし得るかについて特に開示してこなかった。従来技術は、制御下での添加から生成されるデバイス内にどれくらいのカリウムが含まれるべきかを開示していない。可撓性光起電力デバイスの製造分野では、制御下でのアルカリ金属の添加に関するノウハウに対する大きなニーズがあり、その理由は、ポリイミド等の幾つかの軽量可性基板は、ソーダ石灰ガラス又はエナメル基板等の剛性基板から受動的に拡散することがわかっているアルカリ金属を含まないためである。

0008

さらに、大半の従来技術は、ナトリウム及びカリウムが吸収層及び光電子デバイスに対して、ドープ、粒界及び欠陥パッシベーション元素相互拡散、結果として生成される組成勾配、並びに開路電圧及び曲線因子の改善等の観測される光電子特性等で同様効果を有すると仮定している。この仮定は、アルカリ金属の組み合わせの制御下での添加に関して発明性を妨げてきた。本発明は、これまでは探求されていなかったカリウムと、ナトリウム等の少なくとも1つの他のアルカリ金属との特定の組み合わせを薄膜光電子デバイス、特にその吸収層に添加する特性を利用する。本発明は、光電子デバイスの層への添加中、別個のアルカリ金属の独立制御を開示する。ドープ、粒界及び欠陥のパッシベーション、元素相互拡散、並びに開路電圧及び曲線因子の改善等の観測される光電子特性等の上述した効果に加えて、本発明のアルカリ金属の添加により、より薄い最適な緩衝層の製造が可能になる。このより薄い最適な緩衝層は、光学損失を低減させ、それにより、デバイスの光起電力変換効率の増大に寄与する。本発明は、カリウムを添加する方法のみならず、結果として生成される薄膜デバイスに残るべきカリウム量、ナトリウムも添加される場合には、カリウムとナトリウムとの比率も指定する。

0009

最後に、本方法により、当業者が低く好ましくない温度と見なす温度でポリイミド基板上に光起電力デバイスの実施形態を製造することにより、出願日において、同様の吸収層技術を使用するが、ガラス基板によって可能なより好ましい高温プロセスで製造される、今まで最高であると証明されているものよりも高い光起電力変換効率がもたらされる。これは、本発明が、高温プロセスの必要性を解消し得るか、又は高温プロセスに役立ち得る進歩に貢献することを示唆する。

0010

本発明は、ABC2黄銅物吸収層を備える高効率薄膜光起電力又は光電子デバイス、特に上記吸収層を有する可撓性光起電力デバイス、より正確には、光起電力変換効率を増大させることがわかっているアルカリ金属を基板内に含まない、ポリイミド等の基板上に製造されるデバイスを製造する課題に対する解決策を提示する。

0011

本発明は、相対的に大量のカリウムを含む光起電力デバイスを提示し、上記デバイスの特徴を記載する。本発明は、光学損失を低減し、ひいては、光起電力変換効率を増大させるという利点を有する上記デバイスを製造する方法も提示する。本方法は特に、プラスチック基板をベースとした可撓性のある光起電力デバイスの製造に有利である。上記方法により製造されるデバイスは、従来技術で記載される方法を使用して製造される同等のデバイスよりも高い光起電力効率を有し、場合によっては望ましくない材料がより少ない。

0012

薄膜光起電力デバイスの分野での一般的な課題は、効率を増大させるための光起電力吸収層のドープに関する。ガラス基板上、場合によってはアルカリ金属を含む材料でコーティングされた基板上に製造される場合、基板のアルカリ金属は吸収層に拡散し、光起電力変換効率を増大させることができる。アルカリ金属を含まない、ポリイミド等の基板の場合、アルカリドープ元素を、例えば物理的蒸着等の堆積技法を介して供給しなければならない。その場合、アルカリ金属は、堆積プロセス中、様々な薄膜層及び界面内並びに様々な薄膜層及び界面にわたって拡散する。

0013

薄膜光起電力デバイスの分野での別の課題は、吸収層、任意選択的な緩衝層、及びフロント接点の界面にある。吸収層のABC2黄銅鉱結晶は、フロント接点層を堆積する前に吸収層を完全に覆うことを保証するために、比較的厚い緩衝層を堆積させる必要があり得るかなりの凹凸を呈する。

0014

薄膜光起電力デバイスの分野での更なる課題は、緩衝層組成によっては、緩衝層が厚いほど、光透過率が低く、したがって、光起電力デバイスの変換効率が低いことである。

0015

薄膜光起電力デバイスの分野での更なる課題は、CdS等の緩衝層の組成によっては、量を最小にすることが望ましい元素であるカドミウムを含むものがあることである。

0016

薄膜光起電力デバイスの製造分野での別の課題は、化学浴堆積(CBD)等の緩衝層の堆積プロセスが廃棄物を生成し得ることである。CdS緩衝層堆積の場合、廃棄物は特殊な処理を必要とし、したがって、廃棄物の量を最小にすることが望ましい。

0017

CdS緩衝層を備える薄膜光起電力デバイスの分野での更なる課題は、緩衝層厚が約40nm未満の場合、光起電力デバイスの曲線因子及び開路電圧が、40nmを超える緩衝層厚を有する光起電力デバイスよりもかなり低くなることである。

0018

最後に、可撓性のある薄膜光起電力デバイスの製造分野での更に別の課題は、材料堆積に大きなプロセスウィンドウ、本発明に関連してより詳細には、アルカリ金属を添加し、続けて少なくとも1つの緩衝層の堆積のプロセスウィンドウから恩恵を受けることが望ましいことである。

0019

したがって、手短に言えば、本発明は、少なくとも1つのABC2黄銅鉱吸収層を備える薄膜光起電力デバイスを製作する方法と、相当量のカリウムを少なくとも1つの他のアルカリ金属と組み合わせて添加することとに関する。上記薄膜光起電力デバイスは、カリウム非拡散であり、且つ/又は基板と上記ABC2黄銅鉱吸収層へのカリウムの拡散を妨げる、少なくとも1つの障壁層等の手段を備える基板−これにより、「カリウム非拡散基板」という用語を定義する−を備える。

0020

本発明では、「添加する」又は「添加される」という用語は、個々の化学元素又は化合物化学元素の形態の化学元素、すなわち、アルカリ金属及びいわゆるその前駆体が、以下の任意について、光電子デバイスの積層を製作するステップで提供されているプロセスを指す:
− 提供される化学元素のうちの少なくとも幾つかが上記積層のうちの少なくとも1つの層に拡散する固体堆積を形成するか、又は
− 化学元素を、堆積中の他の化学元素に同時に提供し、それにより、提供される化学元素のうちの少なくとも幾つか及び他の元素を組み込んだ層を形成するか、又は
− 化学元素を層又は積層に堆積し、それにより、提供される化学元素のうちの少なくとも幾つかから上記層若しくは積層への拡散を介して寄与する。

0021

本発明の有利な効果は、上記吸収層をコーティングする任意選択的な緩衝層の最適な厚さが、同等の光起電力効率を有する従来技術による光起電力デバイスに必要とされる最適な緩衝層よりも薄いことである。別の有利な効果は、相当量のカリウムを少なくとも1つの他のアルカリ金属と組み合わせて添加することにより、仮にカリウムが殆ど又は全く添加されない場合よりも光起電力変換効率が高いデバイスが生成されることである。本発明は、製造プロセスの短縮、製造及びその結果生成されるデバイスの環境への影響の低減、及びより高いデバイス光起電力変換効率に寄与する。

0022

更に詳細に、本方法は、カリウム非拡散基板を提供することと、バック接点層を形成することと、ABCカルコゲン化物材料で作られる少なくとも1つの吸収層を形成することと、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することと、少なくとも1つのフロント接点層を形成することとを含み、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つはカリウム(K)であり、上記フロント接点層の形成に続き、バック接点層からフロント接点層までの、バック接点層を含まず、フロント接点層を含む層間隔での、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することに起因する含有量は、カリウムの場合、500ppm〜10000ppmの範囲であり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の場合、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000である。

0023

本明細書でppmとして表される全ての数量は、上記層間隔内の原子100万個当たりのアルカリ金属の原子数によるものである。

0024

上記方法では、上記層間隔のカリウムの含有量は1000ppm〜2000ppmの範囲内に保ち得る。さらに、上記層間隔中の上記少なくとも1つの他のアルカリ金属はNaであり得、その含有量は5ppm〜500ppmの範囲である。より正確には、上記層間隔で、ppm比率K/Naは2〜2000の範囲であり得る。K/Naのより狭い範囲は10〜100であり得る。更に詳細には、少なくとも1つの吸収層を形成することは、物理的蒸着を含み得る。上記吸収層を形成することは、100℃〜500℃の範囲の基板温度での物理的蒸着を含み得る。上記吸収層はCu(In,Ga)Se2であり得る。上記方法では、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加は、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの任意のアルカリ金属の別個の添加を含み得る。さらに、Kを添加することは、KFを添加することを含み得る。より正確には、上記少なくとも1つの吸収層を形成した後、Kを添加することは、700℃未満の基板温度でKFを物理的蒸着させることを含み得る。より狭い温度範囲では、上記少なくとも1つの吸収層を形成した後、Kを添加することは、300℃〜400℃の範囲の基板温度でKFを物理的蒸着させることを含み得る。さらに、上記2つの異なるアルカリ金属のうちの少なくとも1つの添加は、上記C元素のうちの少なくとも1つの存在下で行われ得る。上記方法では、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することは、上記吸収層を形成した後、320℃〜380℃の範囲の基板温度で、まず、第1の堆積速度でNaFを添加し、次に、第2の堆積速度でKFを添加することを含む物理的蒸着プロセスを含み得る。上記方法は、吸収層を形成することと、フロント接点層を形成することとの間のステップで、少なくとも1つの緩衝層を形成することを含み得る。さらに、少なくとも1つの緩衝層はCdSを含み得る。上記緩衝層を形成することは、化学浴堆積を含み得、それにより、CdSを含む少なくとも1つの緩衝層が形成される。上記緩衝層は厚さ60nm未満を有し得る。上記方法では、上記基板は、ロールツーロール製造装置送り出しロールと巻き取りロールとの間で搬送し得る。上記基板は、ポリイミドであり得る。

0025

本発明は、記載の方法によって取得可能な薄膜光電子デバイスにも関し、本デバイスは、カリウム非拡散基板と、バック接点層と、上述したABCカルコゲン化物材料で作られる少なくとも1つの吸収層と、少なくとも1つのフロント接点層とを備え、バック接点層からフロント接点層までの、バック接点層を含まず、フロント接点層を含む層間隔は、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を含み、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つは、500ppm〜10000ppmの範囲の量で含まれるカリウム(K)であり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の含有量は、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000である。上記デバイスは、標準試験条件STC)下で測定される場合、680mVを超える特性開路電圧と、32mA/cm2を超える短絡電流密度とを有し得る。

0026

本発明の別の態様は、薄膜光電子デバイスを製作する記載の方法を実行する堆積ゾーン装置であり、本装置は、バック接点層コーティングを有するカリウム非拡散基板を上記堆積ゾーン装置に提供する手段と、上記基板のバック接点層コーティング側に、上述したABCカルコゲン化物材料で作られる少なくとも1つの吸収層を形成するように構成される蒸着源と、2つの異なるアルカリ金属のうちの少なくとも1つを添加するように構成される少なくとも1つの更なる蒸着源とを備え、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの少なくとも1つはカリウム(K)であり、更なる蒸着装置は、少なくとも1つのフロント接点層の形成に続き、バック接点層からフロント接点層までの、バック接点層を含まず、フロント接点層を含む層間隔での、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することに起因する含有量は、カリウムの場合、500ppm〜10000ppmの範囲であり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の場合、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000であるように構成される。

発明の効果

0027

本発明の特徴は、有利なことに、薄膜光起電力デバイスの製造分野、より詳細にはカリウム非拡散基板をベースとするそのようなデバイスの吸収層及び緩衝層の製造分野での幾つかの課題を解決する。列挙された利点は、本発明の使用に関して必須であるものとして見なされるべきではない。本発明に製造される可撓性のある薄膜光起電力デバイスを製造する場合、従来技術によるデバイス及びデバイス製造を超える、取得可能な利点としては:
− より高い光起電力変換効率、
− より薄い緩衝層、
− 緩衝層のより高速の堆積、
− 緩衝層堆積プロセスウィンドウの拡大、
−アルカリ金属ドープ元素の堆積プロセスウィンドウの拡大、
− より環境に優しい製造プロセス及びデバイス、
− より低い製造コスト
が挙げられる。

0028

これより、本発明の実施形態について、添付図面を参照して例として説明する。

図面の簡単な説明

0029

図1は、薄膜光電子デバイスの一実施形態の断面である。
図2は、薄膜光電子デバイスを製造する方法のステップを提示する。
図3は、薄膜光電子デバイスを製造する装置の蒸着ゾーンの側面断面である。
図4は、二次イオン質量分析法SIMS)を使用して得られるスパッタ深度プロファイルグラフである。
図5Aは、1組の光起電力デバイスの光起電力デバイス外部量子効率測定値に関連するグラフである。図5Bは、1組の光起電力デバイスの光起電力デバイス外部量子効率の測定値に関連するグラフである。
図6Aは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。図6Bは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。図6Cは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。図6Dは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。図6Eは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。図6Fは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。図6Gは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。図6Hは、CdS緩衝層を形成する持続時間と、フッ化カリウムを添加する持続時間との比較を可能にするグラフである。
図7Aは、1つがカリウムである少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加する堆積温度及び速度のグラフである。図7Bは、1つがカリウムである少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加する堆積温度及び速度のグラフである。
図8Aは、20.4%光起電力変換効率を有する光起電力デバイス実施形態の外部量子効率と、波長及び電流密度と、電圧との関係を提示する。図8Bは、20.4%光起電力変換効率を有する光起電力デバイス実施形態の外部量子効率と、波長及び電流密度と、電圧との関係を提示する。

実施例

0030

より詳細には、「カリウム非拡散基板」は、カリウムを含まないか、又は続けて説明される層へのカリウム元素の拡散があまりに少なすぎて、デバイスの光電子特性を大きく変更することができないほどわずかなカリウムを含む構成要素、通常は材料シートである。カリウム非拡散基板は、基板によって支持されるコーティング又は層へのカリウムの拡散を妨げる手段を備える基板も含む。カリウム非拡散基板は、例えば、基板によって支持されるコーティング又は層へのカリウム元素の拡散を妨げるように特別に処理されたか、又は障壁層がコーティングされた基板であり得る。特別に処理された基板又は障壁コーティング基板は通常、アルカリ金属を含む広範囲の元素が、基板によって支持されるコーティング又は層に拡散しないようにする。

0031

明確にするために、実施形態を示す図中の構成要素は、同じ尺度で描かれていない。

0032

図1は、1つがカリウムである少なくとも2つの異なるアルカリ金属が添加されている材料積層のカリウム非拡散基板110を備える薄膜光電子又は光起電力デバイス100の一実施形態の断面を提示する。

0033

基板110は、剛性又は可撓性であり得、ガラス、コーティングされた金属、プラチックコーティング金属プラスチック金属コーティングプラスチック等のコーティングされたプラスチック、又は可撓性ガラス等の様々な材料又はコーティングされた材料のものであり得る。好ましい可撓性基板材料はポリイミドであり、その理由は、ポリイミドが非常に高い可撓性を有し、高効率光電子デバイスの製造に必要な温度に耐え、金属基板よりも必要な処理が少なく、上に堆積される金属層熱膨張率と同等の熱膨張率を示すためである。業界で入手可能なポリイミド基板は通常、厚さ範囲7μm〜150μmで入手可能である。ポリイミド基板は通常、カリウム非拡散と見なされる。

0034

少なくとも1つの導電層120が基板110をコーティングする。上記導電層又は導電積層は、バック接点としても知られ、好ましくは、導電層が堆積する上記基板110の熱膨張係数と、続けて上に堆積される他の材料の熱膨張係数との両方に近い熱膨張係数(CTE)を有する、様々な導電材料のものであり得る。導電層120は、好ましくは、高い光反射率を有し、一般にMoで作られるが、金属カルコゲン化物モリブデンカルコゲン化物、モリブデンセレン化物(MoSe2等)、NaドープMo、KドープMo、Na及びKドープMo、遷移金属カルコゲン化物錫ドープ酸化インジウム(ITO)、ドープ又は非ドープ酸化インジウム、ドープ又は非ドープ酸化亜鉛窒化ジルコニウム酸化錫窒化チタン、Ti、W、Ta、Au、Ag、Cu、及びNbを有利に使用又は包含することもできる。

0035

少なくとも1つの吸収層130が導電層120をコーティングする。吸収層130はABC材料で作られ、Aは、Cu又はAgを含む国際純正応用化学連合によって定義される化学元素の周期表の第11族の元素を表し、Bは、In、Ga、又はAlを含む周期表の第13族の元素を表し、Cは、S、Se、又はTeを含む周期表の第16族の元素を表す。ABC2材料の一例は、CIGSとしても知られているCu(In,Ga)Se2半導体である。

0036

任意選択的に、少なくとも1つの半導体緩衝層140が吸収層130をコーティングする。上記緩衝層は通常、1.5eVよりも高いエネルギーバンドギャップを有し、例えば、CdS、Cd(S,OH)、CdZnS、硫化インジウム硫化亜鉛セレン化ガリウム、セレン化インジウム、(インジウム,ガリウム)−イオウの化合物、(インジウム,ガリウム)−セレン化物の化合物、酸化錫、酸化亜鉛、Zn(Mg,O)S、Zn(O,S)材料、又はそれらのバリエーションで作られる。

0037

少なくとも1つの透明導電層150が緩衝層140をコーティングする。上記透明導電層は、フロント接点とも呼ばれ、通常、例えば酸化インジウム、酸化錫、又は酸化亜鉛等の材料のドープ又は非ドープバリエーションで作られる透明導電性酸化物(TCO)層を含む。

0038

本発明に寄与して、導電性バック接点層120から透明導電性フロント接点層150まで、導電性バック接点層120を含まず、フロント接点層150を含む層間隔470に含まれるカリウムの量は、原子100万個当たりカリウム原子500個(ppm)〜10000個の範囲であり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の量は、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000である。優れた光起電力変換効率を示す薄膜光起電力デバイスは、好ましくは、1000ppm〜2000ppmの範囲の、上記層間隔470に含まれるカリウム量を有する。

0039

任意選択的に、フロント接点メタライズ格子パターン160は、透明導電層150の部分を覆い、フロント接点導電性を有利に増強し得る。これもまた任意選択的であるが、上記薄膜光起電力デバイスは、薄い材料層又は封入膜等の少なくとも1つの反射防止コーティングでコーティングし得る。

0040

図2は、1つがカリウムである少なくとも2つの異なるアルカリ金属が添加されている材料積層のカリウム非拡散基板110を備える上記薄膜光電子又は光起電力デバイス100を製造する材料堆積ステップを含む方法200を提示する。この方法は、カリウム非拡散であると見なされる基板又は基板から続けて堆積されるコーティングへのアルカリ金属の拡散を妨げる少なくとも1つの障壁層を備え得る基板に特に適すると考えられる。記載の方法は、ポリイミド等のプラスチック基板材料に特に有利である。

0041

材料層堆積の例示的なシーケンスは以下である。この説明の目的は、本発明の趣旨であるアルカリ金属の添加235が行われる状況を明確にすることである。

0042

方法は、カリウム非拡散基板を提供することにより、ステップ210において開始される。上記基板は、基板110に提供される説明に従ってカリウム非拡散と見なされる。

0043

ステップ210に続き、フロント接点層250を形成するステップまで、1つがカリウムである少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加235は、ステップ210からステップ250までの、ステップ210及びステップ250を除く間隔に含まれる任意のステップ中及び/又はステップ間の少なくとも1つのイベントとして行われる。添加を上記ステップ間隔中に行い得ることは、図2ブロック235から出る破線矢印で表される。上記アルカリ金属はそれぞれ、上記アルカリ金属のうちの任意の他のアルカリ金属と同時に、且つ/又は別個の添加イベント中に添加し得る。上記アルカリ金属のそれぞれの添加は、アルカリ金属のうちの少なくとも1つの層若しくは前駆体層を添加すること、アルカリ金属のうちの少なくとも1つを、方法の任意の材料層の形成と同時に添加すること、又は少なくとも1つの層から少なくとも1つの他の材料層にアルカリ金属のうちの少なくとも1つを拡散させることのうちの任意又は組み合わせを含み得る。好ましくは、上記2つの異なるアルカリ金属のうちの少なくとも1つの添加は、少なくとも1つの上記C元素の存在下で行われる。より好ましくは、例えば、KF、KCI、KBr、KI、K2S、K2Se等のいわゆるカリウム含有前駆体を介する添加によるカリウムの添加は、少なくとも1つの上記C元素の存在下で行われる。

0044

ステップ220において、少なくとも1つのバック接点層を形成することは、少なくとも1つの導電層を堆積することを含む。バック接点層の形成は、上記導電層120の説明で列挙された材料のスパッタリング、噴霧、焼結、電着、CVD、PVD、電子ビーム蒸着、又は噴霧等のプロセスを使用して行い得る。

0045

ステップ230において、少なくとも1つの吸収層を形成することは、上記導電層を少なくとも1つのABC吸収層130でコーティングすることを含む。使用される材料は、ABC吸収層130に提供された説明における材料に対応する。上記吸収層は、スパッタリング、噴霧、焼結、CVD、電着、プリント、又はABC材料に好ましい技法としての物理的蒸着等の様々な技法を使用して堆積し得る。吸収層堆積中の基板温度は通常、100℃〜650℃間に含まれる。温度の範囲及び温度変化プロファイルは、少なくとも基板の材料特性、ABC材料を構成する材料の供給速度、及びコーティングプロセスのタイプを含む幾つかのパラメータに依存する。例えば、蒸着プロセスの場合、吸収層形成中の基板温度は通常、600℃未満であり、ポリイミド基板等のより低い温度を必要とする基板を使用する場合、好ましくは500℃未満、より好ましくは100℃〜500℃の範囲である。共蒸着プロセスの場合、吸収層の形成中の基板温度は通常、100℃〜500℃の範囲内である。上記基板温度は、有利なことには、ポリイミド基板と併用し得る。

0046

物理的蒸着等の堆積プロセスでは、例えば、吸収層の形成230が物理的蒸着プロセスを使用して行われる場合、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加235の一環としてのカリウムの添加は、フッ化カリウムKFを供給することにより、物理的蒸着プロセス中及び/又は物理的蒸着プロセスに続けて行い得る。これは例えば、共蒸着物理的蒸着システムを用いて製造する場合に有利であり得る。アルカリ金属カリウムの添加は、好ましくは、5Å/s〜100Å/sの範囲の速度、好ましくは20Å/s〜50Å/sの範囲の速度で供給される元素Seフラックスの存在下で行われる。

0047

少なくとも2つの異なるアルカリ金属の上記添加の基板温度は通常、100℃を超え、700℃未満である。基板温度は、好ましくは、300℃を超え、400℃未満である。当業者は、堆積する材料、薄膜特性、及び基板と互換性を有するように、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の上記添加に適切な温度を選択する。例えば、物理的蒸着プロセスの分野の当業者は、例えばKFの形態のカリウムを、例えばNaFの形態のナトリウム等の幾つかの他のアルカリ金属よりも高い温度で添加し得ることがわかる。KFにより高い添加温度が可能なことを用いて、有利なことに、ステップ230で使用される温度により近い温度で、カリウムから開始してアルカリ金属を添加し、基板温度が低下するにつれて、同じ及び/又は他のアルカリ金属の添加に続き得る。少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加が、通常は700℃未満、可能な場合では約25℃以下の周囲温度等の350℃よりもはるかに低い基板温度で、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの1つ又は複数を追加する状態で行い得ることも当業者はわかる。その後、基板を加熱し、それにより、場合によっては少なくとも1つのC元素の堆積と組み合わせて、光電子デバイスの薄膜層への上記アルカリ金属の拡散を容易にし得る。

0048

少なくとも2つのアルカリ金属を添加すること235によって添加されるカリウム量は、後のステップ250においてフロント接点層150の形成に続き、バック接点層120からフロント接点層150までの、バック接点層120を含まず、フロント接点層150を含む層間隔470に含まれる上記量が、500ppm〜1000ppmの範囲であり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の量が、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000であるようなものである。優れた光起電力変換効率を有する薄膜光起電力デバイスは、好ましくは、約1000ppm〜2000ppmの範囲のカリウム含有量を上記層間隔470に含む。

0049

以下のステップは、本発明の恩恵を受ける作業光起電力デバイスの製造をいかに完成させるかを説明する。

0050

ステップは任意選択的であると見なし得るため、破線枠として表されるステップ240において、緩衝層を形成することは、上記吸収層を少なくとも1つのいわゆる半導体緩衝層140でコーティングすることを含む。使用される材料は、緩衝層140に提供された説明での材料に対応する。上記緩衝層は、CVD、PVD、スパッタリング、焼結、電着、プリント、原子層堆積、又は大気圧での周知の技法として、化学浴堆積等の様々な技法を使用して堆積し得る。上記緩衝層の形成は、好ましくは、アニーリングプロセスに続き、アニーリングプロセスは通常、100℃〜300℃で1分〜30分の持続時間で、好ましくは180℃で2分の持続時間で、空気、可能な場合には制御された組成を有する大気内、又は真空内で行われる。

0051

ステップ240の緩衝層を形成するプロセスを調整するために、当業者は通常、様々な緩衝コーティングプロセス持続時間にわたるテストスイートを開発して、様々な緩衝層厚を備える様々な光起電力デバイスを製造する。次に、最高の光起電力デバイス効率をもたらす緩衝コーティングプロセス持続時間を選択する。さらに、従来技術によるデバイスに対応するものと見なされる参照デバイスを製造するために、少なくとも2つのアルカリ金属を添加するステップ235はアルカリ金属を含むが、本発明で指定されるカリウムの量を含まず、より少量の他のアルカリ金属を含む様々な光起電力デバイスを準備する。上記従来技術によるデバイスは、上記様々な緩衝層厚でコーティングされる。上記従来技術によるデバイスを、本発明により製造されたデバイスと比較することにより、本発明により製造されたデバイスがはるかに高い光起電力変換効率を有することに当業者は気付くであろう。

0052

ステップ250において、フロント接点層を形成することは、上記緩衝層を少なくとも1つの透明導電フロント接点層150でコーティングすることを含む。上記フロント接点層は通常、例えば、PVD、CVD、スパッタリング、噴霧、CBD、電着、又は原子層堆積等の様々な技法を使用してコーティングし得る、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化錫、又は酸化亜鉛等の材料のドープ又は非ドープバリエーションで作られる透明導電酸化物(TCO)層を含む。

0053

任意選択的なステップ260において、フロント接点格子を形成することは、フロント接点メタライズ格子トレース160を透明導電層150の部分に堆積することを含む。これもまた任意選択的に、上記薄膜光起電力デバイスは、薄い材料層又は封入膜等の少なくとも1つの反射防止コーティングでコーティングし得る。

0054

ステップは、セル又はモジュール構成要素画成する動作を含むこともできる。スーパーストレートベースの製造の状況では、方法の製造シーケンス順序は、任意選択的なフロント接点格子を形成すること260と、フロント接点層を形成すること250と、任意選択的な緩衝層を形成すること240と、吸収層を形成すること230と、少なくとも2つのアルカリ金属を添加すること235と、導電バック接点層を形成することとを含む順序で部分的に逆になり得る。

0055

図3は、1つがカリウムである少なくとも2つの異なるアルカリ金属が添加されている材料積層のカリウム非拡散基板110を備える薄膜光電子又は光起電力デバイスを製造する装置の一部分に含まれる堆積ゾーン装置300の側面断面を示す。堆積ゾーン装置300は通常、真空堆積チャンバ内部に含まれて、光起電力モジュールの少なくとも吸収層を製造する。以下、ウェブ325と呼ぶ、平坦パネル又は可撓性ウェブ等のコーティングされる物体は、堆積ゾーン装置300に入り、方向315に従って少なくとも1つの吸収層を形成する1組の源330と、少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加する少なくとも1組の源335とにわたって移動し、次に、堆積ゾーン装置300を出る。

0056

ウェブ325は、以下、バック接点層120と呼ぶ、導電バック接点層又は導電積層でコーティングされる基板110を含む。上記導電積層でコーティングされる前の上記基板は、カリウム非拡散であると見なされる。より経済的なロールツーロール製造の場合、上記基板は、好ましくは、コーティングされた金属、プラスチックコーティング金属、プラスチック、金属コーティングプラスチック等のコーティングされたプラスチック、又は金属コーティング可撓性ガラス等の可撓性材料のものである。導電性金属バック接点がコーティングされた好ましいウェブポリイミド、上記バック接点層は好ましくはMoであるが、金属カルコゲン化物、モリブデンカルコゲン化物、モリブデンセレン化物(MoSe2等)、Mo、遷移金属カルコゲン化物、酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム(In2O3等)、酸化亜鉛、窒化ジルコニウム、酸化錫、窒化チタン、Ti、Cu、Ag、Au、W、Ta、及びNb等の材料の非ドープ、Naドープ、Kドープ、Snドープバリエーション等の幾つかの他の薄膜材料を使用するか、又は包含してもよい。

0057

1組の吸収材堆積源330は、流出プルーム331pを生成する複数の源331sを含み、好ましい共蒸着セットアップでは、流出プルーム331pは重なり得る。上記1組の吸収材堆積源330は、ABC材料の少なくとも1つの吸収層130でウェブ325をコーティングする材料を提供する。

0058

この説明では、蒸着源又は源は、層に堆積させる材料蒸気を搬送する任意の装置である。蒸気は、材料を溶融蒸発、又は昇華させて蒸発されることから生成し得る。蒸気を生成する装置は、基板から離れた位置にあり得、例えば、蒸気はダクトを介して提供され、又は基板の近傍にあり得、例えば、蒸気はノズル又はるつぼスリット開口部を通して提供される。

0059

少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加する1組の源335は、2つの異なるアルカリ金属のうちの少なくとも1つを、その前はフロント接点を支えていたデバイスの層の少なくとも1つに添加する流出プルーム336pを生成する少なくとも1つの源336sを備える。上記アルカリ金属の添加は、好ましくは、上記吸収層130に対して行われる。少なくとも1つの源336sは、好ましくはフッ化カリウムKFの形態のカリウムを含む。好ましくは、少なくとも1つの源336sは、好ましくはフッ化ナトリウムNaFの形態のナトリウムを含む。源336sは、好ましくは共蒸着セットアップとして他のアルカリ金属を提供し得、流出プルーム336pは、流出プルーム331pのうちの少なくとも1つに重なり得る。アルカリ金属を添加する1組の上記源335が、2つ以上の源336sを備える場合、カリウムを含む源は、その材料が、他のアルカリ金属の前、同時、又は後に添加されるように位置決めし得る。さらに、上記装置は、好ましくは、カリウムの添加が行われる上記堆積ゾーンの少なくとも部分内に少なくとも1つのC元素を提供する手段を備える。

0060

少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加する源335によって添加されるカリウム量は、透明フロント接点層150の形成に続き、バック接点層120からフロント接点層150まで、バック接点層120を含まず、フロント接点層150を含む層間隔470に含まれる上記量が、500ppm〜1000ppmの範囲であるようなものであり、上記少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの他のアルカリ金属の場合、5ppm〜2000ppmの範囲であり、カリウムの含有量の多くとも1/2、少なくとも1/2000である。優れた光起電力変換効率を有する薄膜光起電力デバイスは、好ましくは、約1000ppm〜2000ppmのカリウムを上記層間隔470に含む。

0061

フロント接点層150を形成する位置は、上記堆積ゾーン装置300外部であると見なされ、したがって、上記フロント接点層を形成する手段は表されない。

0062

図4図8は、本方法により製造される1組の例示的な光起電力デバイス実施形態の特性データを提示する。上記デバイスは、CIGS吸収層130を備え、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加235を受ける。例示的な各デバイスの上記吸収層は、化学浴堆積(CBD)を受けて、CdS緩衝層240を形成する。上記CBDは異なる持続時間を有して、異なる緩衝層厚を生成し、光起電力変換効率を最大にする緩衝層140の厚さを特定することができる。図4図8は、本発明により製造されるデバイスが、従来技術のデバイスよりも高い効率及び/又は薄い緩衝層を有し得ることを開示する。

0063

図4は、光起電力デバイス内の様々な要素のカウントと、大凡のスパッタ深度との関係をプロットしたスパッタ深度プロファイルグラフである。プロットされる少なくとも2つの異なるアルカリ金属は、カリウム436及びナトリウム437である。グラフは、吸収層を表す銅430、フロント接点層を表す亜鉛450、及びバック接点層を示すモリブデン420についてのデータも提示する。グラフは、所与の深度で、カリウムのカウントがナトリウムのカウントよりも1桁を超えて大きいことがあり得ることを示す。バック接点層120からフロント接点層150までの、バック接点層120を含まず、フロント接点層150を含む層間隔470はそれぞれ、対数尺度プロットのバック接点層の最も浅い極大の高さの半分から、フロント接点層の最も浅い極大の高さの半分まで測定される。スパッタ深度プロファイルグラフは、二次イオン質量分析法(SIMS)を使用して得られた。深度プロファイルデータは、2kVイオンエネルギーを有するO2+一次イオン、400nA、及び300×300μm2スポットを使用するSIMSシステムを用いて得られた。分析された面積は、25kVイオンエネルギーを有するBi1+を使用して100×100μm2であった。

0064

図5A及び図5Bは、照明波長関数として光起電力デバイス外部量子効率(EQE)の測定値に関する。これらの測定値は、光起電力デバイスを製造する際、光起電力変換効率を最大化するように緩衝層コーティングプロセスを調整するのに有用である。

0065

図5Aは、異なる緩衝層厚をそれぞれ有する様々な光起電力デバイスのEQEと照明波長との関係のプロットを提示する。EQE測定値により、電流密度を計算することができる。緩衝層厚は、緩衝層を形成するステップの持続時間に伴って増大する。図5Aでは、緩衝層を形成するステップの持続時間は、10分〜22分の範囲であり、2分単位で増分する。緩衝層を形成するステップの持続時間の20分及び22分の線は、Chirila(2011)等の従来技術による光起電力デバイスで通常使用される緩衝層厚に対応する。

0066

図5Bは、CdS緩衝層を形成する持続時間の関数として電流密度520及び緩衝層厚540のプロットを提示する。電流密度520のデータは、本発明により製造され、標準テスト条件(STC)下で540nm未満の波長で照明された光起電力セルデバイスの例示的な実施形態を用いて得られた、図5Aに提示されるEQE測定値から導出される。電流密度データは、光起電力変換効率の続く計算に使用される。図5Bは、上記緩衝層を形成する化学浴堆積(CBD)持続時間の関数としてのCdS緩衝層厚540の測定値も提示する。図5Bのデータは、図6A〜図6H、図7A、図7Bと組み合わせて、最高光起電力変換効率の主に有利な効果が、最適な厚さの緩衝層を形成することと組み合わせて、本発明により、少なくとも1つが相当多量のカリウムである少なくとも2つの異なるアルカリ金属を添加することに起因することを示すために有用であり、上記緩衝層は、従来技術により製造される光起電力デバイスで通常使用される緩衝層よりもはるかに薄い。例えば、CdS緩衝層を形成するCBDを使用して製造される最高効率光起電力デバイスは、約20nmを超え、且つ約30nm未満の緩衝層厚を有する。

0067

緩衝層厚の測定は、誘電結合プラズマ質量分析法(ICPMS)を使用して行われた。ICPMS分析の場合、約1cm2の材料を薄膜太陽電池のMoバック接点/吸収層界面から切り離した。固体物質を直接、50mLトレース金属なしのポリエチレン管に移し、10mL HNO3(65%w/w)と1mL HCL(32%w/w)との混合液に完全に溶解させた。18MΩ・cm脱イオン水で50mLまで充填した後、分析のために試料をそれ以上、希釈しなかった。認証金属基準(1000μg/mL)を使用する外部較正を用いる誘導結合プラズマ質量分析計で、金属分析を実行した。CdS緩衝層厚は、測定される全てのCd原子が、密度4.82g/cm3を有する完全に平坦なCdS層内に組み込まれ、吸収層へのCd原子のIn拡散を無視すると仮定して、ICPMSによって測定された原子濃度から導出される。吸収層への幾らかのCdのIn拡散が生じ、CdS層は特定の凹凸を有する吸収層上に形成されるため、実際のCdS層厚は、上記表面の凹凸及びCdのIn拡散の程度に応じて、この測定技法により最高で100%まで過大評価される。したがって、ICPMSによる厚さ特定は、実際のCdS緩衝層厚の上限値を提供する。より精密な特定は、例えば、透過電子顕微鏡法(TEM)等のより高価な技法によって行うことができる。

0068

図6A〜図6Hは、光起電力デバイスを特徴付けるために通常使用されるデータを提示し、図6A〜図6Dでは、CdS緩衝層を形成する化学浴堆積の持続時間を比較できるようにし、図6E〜図6Hでは、吸収層を形成した後のフッ化カリウム(KF)供給の持続時間を比較できるようにする。1組の光起電力デバイス実施形態にわたる標準偏差は、垂直バーで示される。なお、提示される堆積又は供給持続時間は、実験室スケール機器を使用してプロトタイプデバイス実施形態を製造するのに使用されるものである。業界レベル機器を用いて、より短い持続時間を取得し得ることを当業者は推測しよう。提示されるデータは、最高の光起電力変換効率を提供する堆積又は供給持続時間をいかに選択するかを示す。

0069

図6Aは、緩衝層を形成する化学浴堆積の持続時間の関数としての開路電圧VOCのグラフである。このグラフは、VOCが約14分〜22分の範囲の持続時間にわたって概ね一定であることを示し、これは、図5Bのプロット540と比較して、約30nm〜65nmの範囲の緩衝厚に対応する。

0070

図6Bは、緩衝層を形成する化学浴堆積の持続時間の関数としての電流密度JSCのグラフである。このグラフは、JSCが、約14分〜22分の範囲で堆積時間が増大する場合に低減することを示し、これは、図5Bのプロット540と比較して、約18nm〜65nmの範囲の緩衝厚に対応する。

0071

図6Cは、緩衝層を形成する化学浴堆積の持続時間の関数としての曲線因子FFのグラフである。グラフは、FFが約14分〜22分の範囲の堆積持続時間にわたって概ね一定であることを示す。

0072

図6Dは、緩衝層を形成する化学浴堆積の持続時間の関数としての光起電力変換効率のグラフである。このグラフは、光起電力変換効率が、堆積持続時間14分で最大であることを示し、これは、図5Bのプロット540と比較して、約30nmの緩衝層厚に対応する。従来技術により製造された光起電力デバイスは通常、40nmよりも厚いCdS緩衝層で最高の光起電力変換効率を示す。したがって、本発明により製造される光起電力デバイスは、従来技術によりも高い光起電力変換効率及びより薄い緩衝層の両方を有するという有利な効果を示す。

0073

図6E〜図6Hは、吸収層を形成した後にカリウムを添加するPVDプロセスとしてのフッ化カリウム供給の持続時間の関数として、開路電圧VOC、電流密度JSC、曲線因子FF、及び光起電力変換効率のそれぞれのグラフである。全てのデバイスは14分CBDを受け、約30nmの緩衝層をデバイスに提供した。図6E〜図6Hはそれぞれ、VOC、JSC、FF、及び光起電力変換効率が、約15分のKF供給で最大になることを示す。値は、約15分〜40分の範囲の持続時間にわたって概ね一定のままである。

0074

図7A及び図7Bは、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の上記添加中の時間の関数としての例示的な基板温度710及び供給速度734、735を提示する。ポリイミド基板上に光起電力デバイスを製造するこの例では、基板温度710は、吸収層の上記形成に使用される約450℃から、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加に使用される約350℃まで低下する。なお、提示される供給持続時間及び速度734、735は、実験室スケール機器を使用してプロトタイプデバイスを製造するのに使用されるものである。業界レベル機器を用いて、より短い持続時間及びより高い供給速度734、735を取得し得ることを当業者は推測しよう。

0075

図7Aの例では、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加は、物理的蒸着プロセスを使用し、例えば、KFカリウム含有前駆体735の形態のアルカリ金属カリウムが、約0.08Å/s〜0.25Å/sの範囲、好ましくは0.125Å/sの有効層堆積と同等の速度で、20分の持続時間にわたって供給される。少なくとも2つのアルカリ金属を添加すること235は、Seの存在下で行われる。少なくとも1つの他のアルカリ金属の添加は、例えば、吸収層の形成前又は形成中に添加され得るため、図7Aには表されていない。

0076

図7Bの例では、少なくとも2つの異なるアルカリ金属の添加は、物理的蒸着プロセスを使用し、例えば、NaFナトリウム含有前駆体734の形態のナトリウムが、まず、約0.3Å/sの速度で20分の持続時間にわたって添加され、次に、場合によっては共蒸着プロセスの一環として、例えば、KFカリウム含有前駆体735の形態のカリウムが、約0.125Å/sの速度で20分の持続時間にわたって添加される。少なくとも2つの異なるアルカリ金属のうちの少なくとも1つの添加は、Seの存在下で行われる。

0077

図8A及び図8Bはそれぞれ、本発明により製造される高光起電力変換効率を有する光電子デバイスの例示的な実施形態での、照明波長の関数としてのEQE及び電圧の関数としての電流密度を提示する。上記デバイスは、ポリイミド基板と、バック接点とフロント接点との間に、少なくとも、1400ppm〜1600ppmの範囲の量のK及び10ppm〜100ppmの範囲の量のNaの添加を受けるCIGS吸収層と、緩衝層とを備える。デバイスの公式認定された光起電力効率は20.4%である。標準テスト条件(STC)下でのデバイスの開路電圧及び短絡電流はそれぞれ、736mV及び35.1mA/cm2で測定された。曲線因子は78.9%である。

0078

上記緩衝層の形成に使用される化学浴堆積は、高純度水(18MΩ・cm)と、1.8×10−3M Cd(CH3COO)2、0.024M SC(NH2)2、及び1.77M NH3溶液との混合物を使用して実行された。試料は溶液中に浸漬され、続けて、70℃に加熱された水浴中に配置される。磁気攪拌機を用いて攪拌が実行される。約20nm〜30nmのCdS緩衝層厚が、約13分〜17分の堆積時間で得られた。

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