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課題・解決手段

本発明は、モノクローナル抗体5C1及び関連した抗体を提供する。5C1抗体は、α-シヌクレインの残基118-126内のエピトープに結合する。本発明の抗体は、例えば、α-シヌクレインに関連した疾患(特にα-シヌクレイン沈着物蓄積)を治療及び/又は診断するのに有効である。かかる疾患には、レビー小体病、例えばパーキンソン病びまん性レビー小体病(DLBD)、アルツハイマー病のレビー小体変異型(LBV)、アルツハイマー病・パーキンソン病合併自律神経失調症及び多系統萎縮症(MSA)が含まれる。

概要

背景

関連出願についてのクロスリファレンス
本出願は、2012年10月8日に出願の米国特許出願番号第61/711,204号、2012年10月26日に出願の第61/719,281号、2013年6月27日に出願の第61/840,432号及び2013年8月30日に出願の第61/872,366号(全ては、あらゆる目的のために引用によって完全に組込まれたものとする)に関する米国特許法§119(e)の利益を主張する。

配列表
列番号: 1-40を含む配列表を添付しており、引用によって完全に本願明細書に組込まれている。上記配列表は、ASCIIフォーマットにて、_______に作成され、______.txtという名前をつけられ、サイズは______バイトである。

背景
レビー小体病(LBD)としても知られるシヌクレイン病は、ドーパミン作動系変性運動変化認識機能障害、並びにに、レビー小体(LB)及び/又はレビー神経突起の形成によって特徴付けられる(McKeith et al., Neurology (1996) 47: 1113 - 24)。シヌクレイン病には、パーキンソン病(特発性パーキンソン病を含む)、レビー小体型認知症(DLB)としても知られるびまん性レビー小体病(DLBD)、レビー小体変異型アルツハイマー病(LBV)、併発アルツハイマー病/パーキンソン病、純粋自律神経不全症、及び、多系統萎縮症(MSA; 例えば、オリーブ橋小脳変性症、線条体黒質変性症、及びシャイドレーガー症候群)が含まれる。いくつかの非運動兆候及び症状が、疾患の前駆期(つまり、発症前期無症状期、前臨床期又はプレモーター期)におけるシヌクレイン病の前触れであると考えられている。そのような早期兆候には、例えば、レム睡眠行動障害(RBD)、嗅覚消失及び便秘が含まれる(Mahowald et al., Neurology (2010) 75: 488-489)。レビー小体病は、依然として、老齢人口における運動障害及び認知力低下の一般的な原因である(Galasko et al., Arch. Neurol. (1994) 51: 888 - 95)。

αシヌクレインは、βシヌクレイン及びγシヌクレイン並びににシノレチンを含むタンパクの大きなファミリーの一部である。αシヌクレインは、シナプスに関連する正常な状態で発現し、神経可塑性、学習及び記憶において役割を有すると考えられている。αシヌクレインがPD発病の主たる役割を有することを、いくつかの研究が示唆している。病的な状態において、このタンパクは凝集して不溶原繊維を形成し得る。例えば、シヌクレインはLB中に蓄積する(Spillantini et al., Nature (1997) 388: 839 - 40; Takeda et al., J. Pathol. (1998) 152: 367 - 72; Wakabayashi et al., Neurosci. Lett. (1997) 239: 45 - 8)。αシヌクレイン遺伝子における変異は、パーキンソン症候群希少家族型と共分離する(Kruger et al., Nature Gen. (1998) 18: 106 - 8; Polymeropoulos, et al., Science (1997) 276: 2045 - 7)。トランスジェニックマウス(Masliah et al., Science (2000) 287: 1265 - 9)及びショウジョウバエ(Feany et al., Nature (2000) 404: 394 - 8)におけるαシヌクレインの過剰発現は、レビー小体病のいくつかの病理的側面によく似た症状を呈する。しかも、シヌクレインの可溶性オリゴマーが、神経毒性を有するかも知れないことが示唆されている(Conway et al., Proc Natl Acad Sci USA (2000) 97:571 - 576; Volles et al., J. Biochem. (2003) 42: 7871 - 7878)。ヒト、マウスハエなどの多様な種及び動物モデルにおける形態学的及び神経学的変化を伴うアルファシヌクレインの蓄積は、この分子がレビー小体病の進行に寄与することを示唆している。

概要

本発明は、モノクローナル抗体5C1及び関連した抗体を提供する。5C1抗体は、α-シヌクレインの残基118-126内のエピトープに結合する。本発明の抗体は、例えば、α-シヌクレインに関連した疾患(特にα-シヌクレイン沈着物の蓄積)を治療及び/又は診断するのに有効である。かかる疾患には、レビー小体病、例えばパーキンソン病、びまん性レビー小体病(DLBD)、アルツハイマー病のレビー小体変異型(LBV)、アルツハイマー病・パーキンソン病合併自律神経失調症及び多系統萎縮症(MSA)が含まれる。5

目的

本発明は、モノクローナル抗体5C1の、カバットによって規定される3つの重鎖CDRとカバットによって規定される3つの軽鎖CDRを有するモノクローナル抗体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

抗体5C1と同じヒトアルファ-シヌクレイン上のエピトープに結合する、単離されたモノクローナル抗体

請求項2

全長ヒトアルファシヌクレインの残基118-126のアラニンスキャニング変異導入から、残基120、121及び122の各々が残基123及び124の各々よりもモノクローナル抗体結合性関与し、残基123及び124の各々が残基118、119、125及び126の各々よりも結合性に関与することが示される、ヒトアルファシヌクレインに結合する単離されたモノクローナル抗体。

請求項3

列番号:1の残基120-122から実質的になり、配列番号:1の残基118-119を除外しているエピトープにおいてヒトアルファシヌクレインに結合する、請求項2に記載の抗体。

請求項4

配列番号:1の残基120-124からなるエピトープにおいてヒトアルファシヌクレインに結合する、請求項2に記載の抗体。

請求項5

前記抗体は、キメラベニヤ化、ヒト化又はヒト抗体である、請求項1に記載の抗体。

請求項6

モノクローナル抗体5C1の、カバットによって規定される3つの軽鎖CDR及びカバットによって規定される3つの重鎖CDRを含む抗体であって、5C1は、配列番号: 9を含むアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と配列番号: 24を含むアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域によって特徴づけられるマウス抗体である、抗体。

請求項7

前記抗体は、5C1又はそのキメラ、ベニヤ化若しくはヒト化形態である、請求項6に記載の抗体。

請求項8

前記抗体は、ヒト化抗体である、請求項1から7のいずれかに記載の抗体。

請求項9

前記抗体は、キメラ抗体である、請求項1から8のいずれかに記載の抗体。

請求項10

前記抗体は、ベニヤ化抗体である、請求項1から9のいずれかに記載の抗体。

請求項11

前記抗体は、Fab断片又は一本鎖Fvである、請求項1から10のいずれかに記載の抗体。

請求項12

アイソタイプは、ヒトIgG1である、請求項1から11のいずれかに記載の抗体。

請求項13

定常領域において少なくとも一つの変異を有する、請求項1から12のいずれかに記載の抗体。

請求項14

前記変異は、前記定常領域による補体の結合又は活性化を低下させる、請求項13に記載の抗体。

請求項15

EU番号付けによる位置241、264、265、270、296、297、322、329及び331の1又は複数に変異を有する、請求項14に記載の抗体。

請求項16

位置318、320及び322にアラニンを有する、請求項15に記載の抗体。

請求項17

アイソタイプは、ヒトIgG2又はIgG4アイソタイプである、請求項1から11のいずれかに記載の抗体。

請求項18

H4(配列番号: 17)と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域とL3(配列番号: 31)と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む抗体であって、前記抗体は、ヒトアルファシヌクレインに特異的に結合する、抗体。

請求項19

配列番号: 9の3つのカバットCDRと配列番号: 24の3つのカバットCDRを含む、請求項18に記載の抗体。

請求項20

少なくとも一つの位置H11、H27、H30、H48及びH73は、それぞれ、L、Y、T、I及びKであり、少なくとも一つの位置L12及びL14は、Sである、請求項19に記載の抗体。

請求項21

位置H11、H27、H30、H48及びH73は、それぞれ、L、Y、T、I及びKであり、位置L12及びL14は、Sである、請求項20に記載の抗体。

請求項22

少なくとも一つの位置H67、H69及びH94は、それぞれ、A、L及びSである、請求項19から21のいずれかに記載の抗体。

請求項23

位置H67、H69及びH94は、それぞれ、A、L及びSである、請求項22に記載の抗体。

請求項24

位置H94は、Sである、請求項22に記載の抗体。

請求項25

少なくとも一つの位置L2、L49及びL87は、それぞれ、V、N及びFである、請求項19から21のいずれかに記載の抗体。

請求項26

位置L2、L49及びL87は、それぞれ、V、N及びFである、請求項25に記載の抗体。

請求項27

H4(配列番号: 17)と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域とL3(配列番号: 31)と少なくとも95%同一の成熟軽鎖可変領域を含む、請求項18から26のいずれかに記載の抗体。

請求項28

前記成熟重鎖可変領域は重鎖定常領域に融合し、前記成熟軽鎖可変領域は軽鎖定常領域に融合する、請求項18から27のいずれかに記載の抗体。

請求項29

前記重鎖定常領域は、天然ヒト重鎖定常領域と比較してFcγ受容体に対する結合性が低下した前記天然ヒト重鎖定常領域の変異形態である、請求項28に記載の抗体。

請求項30

前記重鎖定常領域は、IgG1アイソタイプのものである、請求項28又は29に記載の抗体。

請求項31

前記成熟重鎖可変領域は、配列番号: 38の配列を有する重鎖定常領域に融合する、及び/又は、前記成熟軽鎖可変領域は、配列番号: 40の配列を有する軽鎖定常領域に融合する、請求項28に記載の抗体。

請求項32

H4及びL3(それぞれ、配列番号: 17及び31)由来の前記成熟重鎖可変領域及び成熟軽鎖可変領域のCDRにおける任意の差異は、位置H60-H65に存在する、請求項18から28のいずれかに記載の抗体。

請求項33

前記成熟重鎖可変領域は、H4(配列番号: 17)と称するアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、L3(配列番号: 31)と称するアミノ酸配列を有する、請求項18に記載の抗体。

請求項34

前記成熟重鎖可変領域は、H5(配列番号: 18)と称するアミノ酸配列を有し、前記成熟軽鎖可変領域は、L3(配列番号: 31)と称するアミノ酸配列を有する、請求項18に記載の抗体。

請求項35

前記抗体は、Fab断片である、請求項1から34のいずれかに記載の抗体。

請求項36

前記抗体は、少なくとも95%w/wの純度である、請求項1から34のいずれかに記載の抗体。

請求項37

請求項1から36のいずれかに記載の抗体と医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物

請求項38

請求項18-35のいずれかに記載の抗体の重鎖及び/又は軽鎖をエンコードしている核酸

請求項39

請求項38に記載の核酸を含む組換え発現ベクター

請求項40

請求項39に記載の組換え発現ベクターを用いて形質転換した宿主細胞

請求項41

マウス抗体の重鎖及び軽鎖可変領域の配列を決定するステップと、前記マウス抗体重鎖のCDRを含むヒト化重鎖をエンコードしている核酸と前記マウス抗体軽鎖のCDRを含むヒト化軽鎖をエンコードしている核酸とを合成するステップと、宿主細胞において前記核酸を発現させてヒト化抗体を生産するステップと、を有し、前記マウス抗体は、5C1である、抗体をヒト化する方法。

請求項42

抗体の重鎖及び軽鎖をエンコードしている核酸を用いて形質転換した細胞を培養することで前記細胞に前記抗体を分泌させるステップと、細胞培養液から前記抗体を精製するステップと、を有し、前記抗体は、5C1のヒト化、キメラ又はベニヤ化形態である、ヒト化、キメラ又はベニヤ化抗体を生産する方法。

請求項43

抗体の重鎖及び軽鎖並びに選択マーカーをエンコードしているベクターを細胞に導入するステップと、前記ベクターのコピー数が増加した細胞を選択する条件下で前記細胞を増殖させるステップと、選択された細胞から単一の細胞を単離するステップと、抗体の収率に基づいて選択された単一の細胞からクローニングされた細胞を保存するステップと、を有し、前記抗体は、5C1のヒト化、キメラ又はベニヤ化形態である、ヒト化、キメラ、ベニヤ化抗体を生産する細胞株を生産する方法。

請求項44

選択条件下で前記細胞を増殖させるステップと、少なくとも100mg/L/106細胞/24hで自然に発現及び分泌している細胞株をスクリーニングするステップと、を更に有する、請求項43に記載の方法。

請求項45

レビー小体病の治療又は効果的な予防方法であって、請求項1から36のいずれかに規定する抗体の効果的な投与計画を施すことにより前記疾患を治療又は効果的に予防するステップを有する、方法。

請求項46

患者は、EM睡眠行動障害(RBD)を患っている、請求項45に記載の方法。

請求項47

レビー小体病を患っている又はそのリスクを有する患者におけるレビー小体形成を低減する方法であって、前記患者に請求項1から36のいずれかによって規定される抗体を効果的な量投与するステップを有する、方法。

請求項48

レビー小体病を患っている又はそのリスクがある患者におけるレビー小体又はシヌクレイン凝集体を減少させる又はシヌクレイン凝集阻害する方法であって、前記患者に請求項1から36のいずれかによって規定される抗体を効果的な量投与するステップを有する、方法。

請求項49

前記疾患は、パーキンソン病である、請求項45から48のいずれかに記載の方法。

請求項50

前記疾患は、多系統萎縮症(MSA)又はレビー小体認知症(DLB)である、請求項45から48のいずれかに記載の方法。

請求項51

前記方法は、前記患者における認知機能の低下を阻害する、請求項45から50のいずれかに記載の方法。

請求項52

前記方法は、神経突起及び/又は軸索アルファシヌクレイン凝集体を減少させる、請求項45から50のいずれかに記載の方法。

請求項53

前記方法は、前記患者における神経炎ジストロフィーを低減する、請求項45から50のいずれかに記載の方法。

請求項54

前記方法は、シナプス及び/又は樹状突起密度を保つ、請求項45から50のいずれかに記載の方法。

請求項55

前記方法は、前記患者におけるシナプトフィジン及び/又はMAP2を保つ、請求項45から50のいずれかに記載の方法。

請求項56

レビー小体病を患っている又はそのリスクがある患者におけるレビー小体を検出する方法であって、前記患者に請求項1から36のいずれかによって規定される抗体を効果的な量投与するステップと、前記患者において結合した抗体を検出するステップと、を有し、前記抗体は、レビー小体に結合する、方法。

背景技術

0001

関連出願についてのクロスリファレンス
本出願は、2012年10月8日に出願の米国特許出願番号第61/711,204号、2012年10月26日に出願の第61/719,281号、2013年6月27日に出願の第61/840,432号及び2013年8月30日に出願の第61/872,366号(全ては、あらゆる目的のために引用によって完全に組込まれたものとする)に関する米国特許法§119(e)の利益を主張する。

0002

配列表
列番号: 1-40を含む配列表を添付しており、引用によって完全に本願明細書に組込まれている。上記配列表は、ASCIIフォーマットにて、_______に作成され、______.txtという名前をつけられ、サイズは______バイトである。

0003

背景
レビー小体病(LBD)としても知られるシヌクレイン病は、ドーパミン作動系変性運動変化認識機能障害、並びにに、レビー小体(LB)及び/又はレビー神経突起の形成によって特徴付けられる(McKeith et al., Neurology (1996) 47: 1113 - 24)。シヌクレイン病には、パーキンソン病(特発性パーキンソン病を含む)、レビー小体型認知症(DLB)としても知られるびまん性レビー小体病(DLBD)、レビー小体変異型アルツハイマー病(LBV)、併発アルツハイマー病/パーキンソン病、純粋自律神経不全症、及び、多系統萎縮症(MSA; 例えば、オリーブ橋小脳変性症、線条体黒質変性症、及びシャイドレーガー症候群)が含まれる。いくつかの非運動兆候及び症状が、疾患の前駆期(つまり、発症前期無症状期、前臨床期又はプレモーター期)におけるシヌクレイン病の前触れであると考えられている。そのような早期兆候には、例えば、レム睡眠行動障害(RBD)、嗅覚消失及び便秘が含まれる(Mahowald et al., Neurology (2010) 75: 488-489)。レビー小体病は、依然として、老齢人口における運動障害及び認知力低下の一般的な原因である(Galasko et al., Arch. Neurol. (1994) 51: 888 - 95)。

0004

αシヌクレインは、βシヌクレイン及びγシヌクレイン並びににシノレチンを含むタンパクの大きなファミリーの一部である。αシヌクレインは、シナプスに関連する正常な状態で発現し、神経可塑性、学習及び記憶において役割を有すると考えられている。αシヌクレインがPD発病の主たる役割を有することを、いくつかの研究が示唆している。病的な状態において、このタンパクは凝集して不溶原繊維を形成し得る。例えば、シヌクレインはLB中に蓄積する(Spillantini et al., Nature (1997) 388: 839 - 40; Takeda et al., J. Pathol. (1998) 152: 367 - 72; Wakabayashi et al., Neurosci. Lett. (1997) 239: 45 - 8)。αシヌクレイン遺伝子における変異は、パーキンソン症候群希少家族型と共分離する(Kruger et al., Nature Gen. (1998) 18: 106 - 8; Polymeropoulos, et al., Science (1997) 276: 2045 - 7)。トランスジェニックマウス(Masliah et al., Science (2000) 287: 1265 - 9)及びショウジョウバエ(Feany et al., Nature (2000) 404: 394 - 8)におけるαシヌクレインの過剰発現は、レビー小体病のいくつかの病理的側面によく似た症状を呈する。しかも、シヌクレインの可溶性オリゴマーが、神経毒性を有するかも知れないことが示唆されている(Conway et al., Proc Natl Acad Sci USA (2000) 97:571 - 576; Volles et al., J. Biochem. (2003) 42: 7871 - 7878)。ヒト、マウスハエなどの多様な種及び動物モデルにおける形態学的及び神経学的変化を伴うアルファシヌクレインの蓄積は、この分子がレビー小体病の進行に寄与することを示唆している。

0005

本発明は、モノクローナル抗体5C1の、カバットによって規定される3つの重鎖CDRとカバットによって規定される3つの軽鎖CDRを有するモノクローナル抗体を提供するものであり、CDRH2以外の各CDRは、最高4つの欠失、挿入又は置換を有することができ、CDRH2は、最高6つの欠失、挿入又は置換を有することができる。5C1は、配列番号: 9を含むアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と配列番号: 24を含むアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域によって特徴づけられるマウス抗体である。任意に、上記抗体は、モノクローナル抗体5C1のカバットによって規定される3つの重鎖CDRとカバットによって規定される3つの軽鎖CDRを有する。任意に、上記モノクローナル抗体は、モノクローナル抗体5C1のヒト化キメラ又はベニヤ化形態である。任意に、上記抗体は、Fab断片又は一本鎖Fvである。任意に、上記抗体は、ヒトIgG1のアイソタイプを有する。任意に、上記抗体は、ヒトIgG2又はIgG4のアイソタイプを有する。

0006

本発明は、H4(配列番号: 17)と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域と、L3(配列番号: 31)と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む抗体を提供するものであり、上記抗体は、ヒトアルファシヌクレインに特異的に結合する。かかる抗体のいくつかは、配列番号: 9の3つのカバットCDRと配列番号: 24の3つのカバットCDRを含む。ある抗体において、位置H11、H27、H30、H48及びH73のうちの少なくとも一つは、それぞれ、L、Y、T、I及びKであり、位置L12及びL14の少なくとも一つは、Sである。ある抗体において、位置H11、H27、H30、H48及びH73は、それぞれ、L、Y、T、I及びKであり、位置L12及びL14は、Sである。ある抗体において、位置H67、H69、H91及びH94のうちの少なくとも一つは、それぞれ、A、L、F及びSである。ある抗体において、位置H67、H69及びH94は、それぞれ、A、L及びSである。ある抗体において、位置H94は、Sである。ある抗体において、位置L2、L45、L49及びL87のうちの少なくとも一つは、それぞれ、V、K、N及びFである。ある抗体において、位置L2、L49及びL87は、それぞれ、V、N及びFである。ある抗体は、H4(配列番号: 17)と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域とL3(配列番号: 31)と少なくとも95%同一の成熟軽鎖可変領域を含む。ある抗体において、H4及びL3(それぞれ、配列番号: 17及び31)を由来とする成熟重鎖可変領域及び成熟軽鎖可変領域のCDRにおける任意の差異は、位置H60-H65にある。

0007

ある抗体は、H4(配列番号: 17)と称するアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域とL3(配列番号: 31)と称するアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。ある抗体は、H5(配列番号: 18)と称するアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域とL3(配列番号: 31)と称するアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。

0008

上記抗体のいずれかにおいて、上記抗体は、定常領域に少なくとも一つの変異を有することができる。任意に、上記変異は、上記定常領域による補体の結合又は活性化を低下させる。任意に、上記抗体は、EU番号付けによる位置241、264、265、270、296、297、322、329及び331のうちの1又は複数に変異を有する。任意に、上記抗体は、位置318、320及び322にアラニンを有する。

0009

上記抗体のいずれかにおいて、成熟重鎖可変領域は重鎖定常領域に融合することができ、成熟軽鎖定常領域は軽鎖定常領域に融合することができる。

0010

上記抗体のいずれかにおいて、重鎖定常領域は、天然ヒト定常領域と比較してFcγ受容体に対する結合性が低下した天然ヒト定常領域の変異形態であってもよい。

0011

上記抗体のいずれかにおいて、重鎖定常領域は、ヒトIgG1アイソタイプのものであってもよい。ある抗体において、アロタイプは、G1m3である。ある抗体において、アロタイプは、G1m1である。

0012

本発明は、抗体をヒト化する方法も提供する。上記方法は、マウス抗体5C1の重鎖及び軽鎖可変領域の配列を決定するステップと、マウス抗体重鎖のCDRを含むヒト化重鎖エンコードしている核酸とマウス抗体軽鎖のCDRを含むヒト化軽鎖をエンコードしている核酸とを合成するステップと、宿主細胞において核酸を発現させてヒト化抗体生産するステップと、を有する。

0013

本発明は、抗体5C1のヒト化、キメラ又はベニヤ化形態を生産する方法であって、上記抗体の重鎖及び軽鎖をエンコードしている核酸を用いて形質転換した細胞を培養することで上記細胞に上記抗体を分泌させるステップと、細胞培養液から上記抗体を精製するステップと、を有する方法も提供する。

0014

本発明は、抗体5C1のヒト化、キメラ、ベニヤ化形態を生産する細胞株を生産する方法であって、抗体の重鎖及び軽鎖並びに選択マーカーをエンコードしているベクターを細胞に導入するステップと、ベクターのコピー数が増加した細胞を選択する条件下で細胞を増殖させるステップと、選択された細胞から単一の細胞を単離するステップと、抗体の収率に基づいて選択された単一の細胞からクローニングされた細胞を保存するステップと、を有する方法も提供する。かかる方法のいくつかは、選択条件下で細胞を増殖させるステップと、少なくとも100mg/L/106細胞/24hで自然に発現及び分泌する細胞株をスクリーニングするステップと、を更に有する。

0015

本発明は、前述の抗体のいずれかを含む医薬組成物を更に提供する。

0016

本発明は、レビー小体病を治療又は効果的に予防する方法であって、前述の抗体のいずれかの効果的な投与計画を施すことにより上記疾患を治療又は効果的に予防するステップを有する方法を更に提供する。

0017

本発明は、レビー小体病を患っている又はそのリスクがある患者においてレビー小体形成を低減する方法であって、上記患者に前述の抗体のいずれかを効果的な量投与するステップを有する方法を更に提供する。

0018

本発明は、レビー小体病を患っている又はそのリスクがある患者を治療する方法であって、上記患者に前述の抗体のいずれかの効果的な投与計画を施すステップを有する方法を更に提供する。ある方法において、上記疾患は、パーキンソン病である。ある方法において、上記疾患は、レム睡眠行動障害(RBD)である。ある方法において、上記疾患は、レビー小体認知症(DLB)又は多系統萎縮症(MSA)である。ある方法においては、上記患者の認識機能の低下が阻害される。ある方法においては、神経突起及び/又は軸索のアルファシヌクレイン凝集体が減少する。ある方法においては、上記患者の神経炎ジストロフィーが低減される。ある方法においては、シナプス及び/又は樹状突起密度が保たれる。ある方法において、上記方法は、上記患者のシナプトフィジン及び/又はMAP2を保つ。

0019

本発明は、レビー小体病を患っている又はそのリスクがある患者におけるレビー小体又はシヌクレイン凝集体を減少させる又はシヌクレイン凝集を阻害する方法であって、上記患者に前述の抗体のいずれかによって規定される抗体を効果的な量投与するステップを有する方法を更に提供する。かかる方法のいくつかにおいて、上記疾患は、パーキンソン病である。ある方法においては、上記患者の認識機能の低下が阻害される。ある方法においては、神経突起及び/又は軸索のアルファシヌクレイン凝集体が減少する。ある方法において、上記患者の神経炎性ジストロフィーが低減される。ある方法においては、シナプス及び/又は樹状突起の密度が保たれる。ある方法において、上記方法は、上記患者のシナプトフィジン及び/又はMAP2を保つ。

0020

本発明は、レビー小体病を患っている又はそのリスクがある患者においてレビー小体を検出する方法であって、上記患者に前述の抗体のいずれかを効果的な量投与するステップと、上記患者において結合した抗体を検出するステップと、を有し、上記抗体は、レビー小体に結合する、方法を更に提供する。任意に、上記抗体は、標識化されている。

0021

本発明は、前述の抗体のいずれかをエンコードすることに適している単離された核酸、1又は複数のベクター及び宿主細胞を更に提供する。

図面の簡単な説明

0022

図1は、マウス5C1の重鎖成熟可変領域のアミノ酸配列を示している。カバット定義に従うCDR領域には、下線を引いて際立たせている。

0023

図2は、マウス5C1の軽鎖成熟可変領域のアミノ酸配列を示している。カバット定義に従うCDR領域には、下線を引いて際立たせている。

0024

図3は、モリス水迷路検査プローブ部分での記憶力に関する、5C1を用いた受動免疫療法の結果を示している。

0025

図4は、円形ビーム検査(round beam test)における速さとエラーに関する、5C1を用いた受動免疫療法の結果を示している。

0026

図5は、種々のヒト化5C1抗体の親和性を試験するELISAアッセイの結果を示している。

0027

図6は、9E4抗体が結合するα-シヌクレインのエピトープを決定するために用いたアラニンスキャニング変異導入実験の結果を示している。図の上部分は、9E4抗体(左パネル)又はコントロール抗体1H7(右パネル)を用いて染色した完全長α-シヌクレイン(野生型又は明示している残基118-126の個々の点変異型)のウェスタンブロットを示している。図の下部分は、9E4抗体が結合するα-シヌクレインのエピトープを示している。

0028

図7は、5C1抗体が結合するα-シヌクレインのエピトープを決定するために用いたアラニンスキャニング変異導入実験の結果を示している。図の上部分は、5C1抗体(左パネル)又はコントロール抗体1H7(右パネル)を用いて染色した完全長α-シヌクレイン(野生型又は明示している残基118-126の個々の点変異型)のウェスタンブロットを示している。図の下部分は、5C1抗体が結合するα-シヌクレインのエピトープを示している。

0029

図8は、5D12抗体が結合するα-シヌクレインのエピトープを決定するために用いたアラニンスキャニング変異導入実験の結果を示している。図の上部分は、5D12抗体(左パネル)又はコントロール抗体1H7(右パネル)を用いて染色した完全長α-シヌクレイン(野生型又は明示している残基118-126の個々の点変異型)のウェスタンブロットを示している。図の下部分は、5D12抗体が結合するα-シヌクレインのエピトープを示している。

0030

図9は、9E4、5C1及び5D12抗体の結合部位近接のα-シヌクレインのアミノ酸の球棒モデルを表している。

0031

配列表の簡単な説明
配列番号: 1は、野生型ヒトα-シヌクレインである。

0032

配列番号: 2は、Jensen et al. (1995)によって報告されている、α-シヌクレインの非アミロイド部分(NAC)のドメインである。

0033

配列番号: 3は、Ueda et al. (1993)によって報告されている、α-シヌクレインの非アミロイド部分(NAC)のドメインである。

0034

配列番号: 4は、ヒトα-シヌクレインの5C1ペプチド免疫原アミノ酸残基118-129である。
VDPDNEAYEGGC

0035

配列番号: 5は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、マウス5C1の重鎖可変領域をエンコードしている核酸配列である。
ATGGAAAGGCACTGGATCTTTCTCTTCCTGTTATCAGTAACTGGAGGTGTCCACTCCCAGGTCCAGCTGCAGCAGTCTGGGGCTGAACTGGCAAAACCTGGGACCTCAGTGCAGATGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTTACTAATTACTGGATGAACTGGATAAAAGCGAGGCCTGGACAGGGTCTGGAATGGATTGGGGCTACTAATCCTAACAATGGTTATACTGACTACAATCAGAGGTTCAAGGACAAGGCCATATTAACTGCAGACAAATCCTCCAATACAGCCTACATGCACCTGAGCAGCCTGACATCTGAAGACTCTGCAGTCTATTTCTGTGCAAGTGGGGGGCACTTGGCTTACTGGGGCCAGGGGACTGTGGTCACTGTCTCTGCA

0036

配列番号: 6は、シグナルペプチド(下線部)を有する、マウス5C1の重鎖可変領域である。
MERHWIFLFLLSVTGGVHSQVQLQQSGAELAKPGTSVQMSCKASGYTFTNYWMNWIKARPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDKAILTADKSSNTAYMHLSSLTSEDSAVYFCASGGHLAYWGQGTVVTVSA

0037

配列番号: 7は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、マウスの5C1軽鎖可変領域をエンコードしている核酸配列である。
ATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGGTGCTGATGTTCTGGATTCCTGCTTCCAGCAGTGATGTTGTGATGACCCAAATTCCACTCTACCTGTCTGTCAGTCCTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGATCTAGTCAGAGCCTTTTCCATAGTAAAGGAAACACCTATTTACATTGGTATCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCAACAGGGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTCAAGATCAGCGGAGTGGAGGCTGAAGATCTGGGAGTTTATTTCTGTTCTCAAAGTGCACATGTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAGA

0038

配列番号: 8は、シグナルペプチド(下線部)を有する、マウス5C1の軽鎖可変領域配列である。
MKLPVRLLVLMFWIPASSSDVVMTQIPLYLSVSPGDQASISCRSSQSLFHSKGNTYLHWYLQKPGQSPKLLINRVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISGVEAEDLGVYFCSQSAHVPWTFGGGTKLEIR

0039

配列番号: 9は、下線を引いてあるCDRを有する、マウス5C1の成熟重鎖可変領域である。下線を引いてあるCDRは、下線を引いてあるCDRH1がカバット及びコチア定義の組み合わせであること以外は、カバットによって定義される。
QVQLQQSGAELAKPGTSVQMSCKASGYTFTNYWMNWIKARPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDKAILTADKSSNTAYMHLSSLTSEDSAVYFCASGGHLAYWGQGTVVTVSA

0040

配列番号: 10は、5C1重鎖CDR1の配列である。
NYWMN

0041

配列番号: 11は、5C1重鎖CDR2の配列である。
ATNPNNGYTDYNQRFKD

0042

配列番号: 12は、5C1重鎖CDR3の配列である。
GGHLAY

0043

配列番号: 13は、ヒトVHアクセプターFR(Acc#AAY42876.1)である。
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFNNYAINWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTTTYAQKFQGRVTITADESTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGNLNWLDPWGQGTLVTVSS

0044

配列番号: 14は、ヒト化5C1H1の配列である。
QVQLVQSGAELKKPGSSVKVSCKASGYTFTNYWMNWVRQAPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDRATLTADKSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGGHLAYWGQGTLVTVSS

0045

配列番号: 15は、ヒト化5C1H2の配列である。
QVQLVQSGAELKKPGSSVKVSCKASGYTFTNYWMNWVRQAPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDRVTITADKSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGGHLAYWGQGTLVTVSS

0046

配列番号: 16は、ヒト化5C1H3の配列である。
QVQLVQSGAELKKPGSSVKVSCKASGYTFTNYWMNWVRQAPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDRATLTADKSTNTAYMELSSLRSEDTAVYFCASGGHLAYWGQGTLVTVSS

0047

配列番号: 17は、ヒト化5C1H4の配列である。
QVQLVQSGAELKKPGSSVKVSCKASGYTFTNYWMNWVRQAPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDRATLTADKSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCASGGHLAYWGQGTLVTVSS

0048

配列番号: 18は、ヒト化5C1H5の配列である。
QVQLVQSGAELKKPGSSVKVSCKASGYTFTNYWMNWVRQAPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDRVTITADKSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCASGGHLAYWGQGTLVTVSS

0049

配列番号: 19は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1H1をエンコードしている塩基配列である。
ATGGAGTTCGGCCTGTCCTGGCTGTTCCTGGTGGCCATCCTGAAGGGCGTGCAGTGCCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGCTGAAGAAGCCCGGCTCCTCCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCACCAACTACTGGATGAACTGGGTGCGCCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTGGAGTGGATCGGCGCCACCAACCCCAACAACGGCTACACCGACTACAACCAGCGCTTCAAGGACCGCGCCACCCTGACCGCCGACAAGTCCACCAACACCGCCTACATGGAGCTGTCCTCCCTGCGCTCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCCGCGGCGGCCACCTGGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCC

0050

配列番号: 20は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1H2をエンコードしている塩基配列である。
ATGGAGTTCGGCCTGTCCTGGCTGTTCCTGGTGGCCATCCTGAAGGGCGTGCAGTGCCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGCTGAAGAAGCCCGGCTCCTCCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCACCAACTACTGGATGAACTGGGTGCGCCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTGGAGTGGATCGGCGCCACCAACCCCAACAACGGCTACACCGACTACAACCAGCGCTTCAAGGACCGCGTGACCATCACCGCCGACAAGTCCACCAACACCGCCTACATGGAGCTGTCCTCCCTGCGCTCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCCGCGGCGGCCACCTGGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCC

0051

配列番号: 21は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1H3をエンコードしている塩基配列である。
ATGGAGTTCGGCCTGTCCTGGCTGTTCCTGGTGGCCATCCTGAAGGGCGTGCAGTGCCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGCTGAAGAAGCCCGGCTCCTCCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCACCAACTACTGGATGAACTGGGTGCGCCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTGGAGTGGATCGGCGCCACCAACCCCAACAACGGCTACACCGACTACAACCAGCGCTTCAAGGACCGCGCCACCCTGACCGCCGACAAGTCCACCAACACCGCCTACATGGAGCTGTCCTCCCTGCGCTCCGAGGACACCGCCGTGTACTTCTGCGCCTCCGGCGGCCACCTGGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCC

0052

配列番号: 22は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1H4をエンコードしている塩基配列である。
ATGGAGTTCGGCCTGTCCTGGCTGTTCCTGGTGGCCATCCTGAAGGGCGTGCAGTGCCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGCTGAAGAAGCCCGGCTCCTCCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCACCAACTACTGGATGAACTGGGTGCGCCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTGGAGTGGATCGGCGCCACCAACCCCAACAACGGCTACACCGACTACAACCAGCGCTTCAAGGACCGCGCCACCCTGACCGCCGACAAGTCCACCAACACCGCCTACATGGAGCTGTCCTCCCTGCGCTCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCTCCGGCGGCCACCTGGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCC

0053

配列番号: 23は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1H5をエンコードしている塩基配列である。
ATGGAGTTCGGCCTGTCCTGGCTGTTCCTGGTGGCCATCCTGAAGGGCGTGCAGTGCCAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGCTGAAGAAGCCCGGCTCCTCCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCACCAACTACTGGATGAACTGGGTGCGCCAGGCCCCCGGCCAGGGCCTGGAGTGGATCGGCGCCACCAACCCCAACAACGGCTACACCGACTACAACCAGCGCTTCAAGGACCGCGTGACCATCACCGCCGACAAGTCCACCAACACCGCCTACATGGAGCTGTCCTCCCTGCGCTCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGCGGCGGCCACCTGGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCC

0054

配列番号: 24は、下線を引いてあるCDRを有する、マウス5C1の成熟軽鎖可変領域配列である。下線を引いてあるCDRは、カバットによって定義される。
DVVMTQIPLYLSVSPGDQASISCRSSQSLFHSKGNTYLHWYLQKPGQSPKLLINRVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISGVEAEDLGVYFCSQSAHVPWTFGGGTKLEIR

0055

配列番号: 25は、5C1軽鎖CDR1の配列である。
RSSQSLFHSKGNTYLH

0056

配列番号: 26は、5C1軽鎖CDR2の配列である。
RVSNRFS

0057

配列番号: 27は、5C1軽鎖CDR3の配列である。
SQSAHVPWT

0058

配列番号: 28は、ヒトVLアクセプターFR(Acc#CAB51293.1)である。
DIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLLHSNGYNYLDWYLQKPGQSPQLLIYLGSNRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQALQTPPTFGGGTKVEIK

0059

配列番号: 29は、ヒト化5C1L1の配列である。
DVVMTQSPLSLSVSPGEPASISCRSSQSLFHSKGNTYLHWYLQKPGQSPKLLINRVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCSQSAHVPWTFGGGTKVEIK

0060

配列番号: 30は、ヒト化5C1L2の配列である。
DIVMTQSPLSLSVSPGEPASISCRSSQSLFHSKGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYRVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCSQSAHVPWTFGGGTKVEIK

0061

配列番号: 31は、ヒト化5C1L3の配列である。
DVVMTQSPLSLSVSPGEPASISCRSSQSLFHSKGNTYLHWYLQKPGQSPQLLINRVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCSQSAHVPWTFGGGTKVEIK

0062

配列番号: 32は、ヒト化5C1L4の配列である。
DIVMTQSPLSLSVSPGEPASISCRSSQSLFHSKGNTYLHWYLQKPGQSPQLLIYRVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCSQSAHVPWTFGGGTKVEIK

0063

配列番号: 33は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1L1をエンコードしている塩基配列である。
ATGGACATGCGCGTGCCCGCCCAGCTGCTGGGCCTGCTGATGCTGTGGGTGTCCGGCTCCTCCGGCGACGTGGTGATGACCCAGTCCCCCCTGTCCCTGTCCGTGTCCCCCGGCGAGCCCGCCTCCATCTCCTGCCGCTCCTCCCAGTCCCTGTTCCACTCCAAGGGCAACACCTACCTGCACTGGTACCTGCAGAAGCCCGGCCAGTCCCCCAAGCTGCTGATCAACCGCGTGTCCAACCGCTTCTCCGGCGTGCCCGACCGCTTCTCCGGCTCCGGCTCCGGCACCGACTTCACCCTGAAGATCTCCCGCGTGGAGGCCGAGGACGTGGGCGTGTACTTCTGCTCCCAGTCCGCCCACGTGCCCTGGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAG

0064

配列番号: 34は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1L2をエンコードしている塩基配列である。
ATGGACATGCGCGTGCCCGCCCAGCTGCTGGGCCTGCTGATGCTGTGGGTGTCCGGCTCCTCCGGCGACATCGTGATGACCCAGTCCCCCCTGTCCCTGTCCGTGTCCCCCGGCGAGCCCGCCTCCATCTCCTGCCGCTCCTCCCAGTCCCTGTTCCACTCCAAGGGCAACACCTACCTGCACTGGTACCTGCAGAAGCCCGGCCAGTCCCCCAAGCTGCTGATCTACCGCGTGTCCAACCGCTTCTCCGGCGTGCCCGACCGCTTCTCCGGCTCCGGCTCCGGCACCGACTTCACCCTGAAGATCTCCCGCGTGGAGGCCGAGGACGTGGGCGTGTACTACTGCTCCCAGTCCGCCCACGTGCCCTGGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAG

0065

配列番号: 35は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1L3をエンコードしている塩基配列である。
ATGGACATGCGCGTGCCCGCCCAGCTGCTGGGCCTGCTGATGCTGTGGGTGTCCGGCTCCTCCGGCGACGTGGTGATGACCCAGTCCCCCCTGTCCCTGTCCGTGTCCCCCGGCGAGCCCGCCTCCATCTCCTGCCGCTCCTCCCAGTCCCTGTTCCACTCCAAGGGCAACACCTACCTGCACTGGTACCTGCAGAAGCCCGGCCAGTCCCCCCAGCTGCTGATCAACCGCGTGTCCAACCGCTTCTCCGGCGTGCCCGACCGCTTCTCCGGCTCCGGCTCCGGCACCGACTTCACCCTGAAGATCTCCCGCGTGGAGGCCGAGGACGTGGGCGTGTACTTCTGCTCCCAGTCCGCCCACGTGCCCTGGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAG

0066

配列番号: 36は、シグナルペプチドをエンコードしている配列(下線部)を有する、ヒト化5C1L4をエンコードしている塩基配列である。
ATGGACATGCGCGTGCCCGCCCAGCTGCTGGGCCTGCTGATGCTGTGGGTGTCCGGCTCCTCCGGCGACATCGTGATGACCCAGTCCCCCCTGTCCCTGTCCGTGTCCCCCGGCGAGCCCGCCTCCATCTCCTGCCGCTCCTCCCAGTCCCTGTTCCACTCCAAGGGCAACACCTACCTGCACTGGTACCTGCAGAAGCCCGGCCAGTCCCCCCAGCTGCTGATCTACCGCGTGTCCAACCGCTTCTCCGGCGTGCCCGACCGCTTCTCCGGCTCCGGCTCCGGCACCGACTTCACCCTGAAGATCTCCCGCGTGGAGGCCGAGGACGTGGGCGTGTACTACTGCTCCCAGTCCGCCCACGTGCCCTGGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAG

0067

配列番号: 37は、例示的なヒトIgG1定常領域をエンコードしている塩基配列である。
GCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGTCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACGCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCCCCGGGTAAATGA

0068

配列番号: 38は、例示的なヒトIgG1定常領域のアミノ酸配列である。
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNVKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

0069

配列番号: 39は、例示的なヒトカッパ軽鎖定常領域をエンコードしている塩基配列である。
ACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG

0070

配列番号: 40は、例示的なヒトカッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列である。
TVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

0071

定義
基本的な抗体構造単位は、サブユニット四量体である。各四量体は、2つの同一のポリペプチド鎖対を含み、各対は1つの「軽」鎖(約25kDa)及び「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与をする、約100〜110個又はそれより多数のアミノ酸の可変領域を含む。まず発現すると、この可変領域は、切断可能シグナルペプチドに一般的には結合している。シグナルペプチドを有しない可変領域は、成熟可変領域と呼ばれることもある。従って、例えば、軽鎖成熟可変領域は、軽鎖シグナルペプチドを有しない軽鎖可変領域を意味する。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与をする定常領域を規定する。定常領域は、CH1領域、ヒンジ領域、CH2領域及びCH3領域の一部又は全部を含むことができる。

0072

軽鎖は、カッパ又はラムダ分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ又はεと分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgG、IgMIgAIgD及びIgEと規定される。軽鎖及び重鎖内において、可変及び定常領域は、約12又は12より多いアミノ酸のJ領域によって連結され、重鎖は、約10又は10より多いアミノ酸のD領域を含んでいる。(Fundamental Immunology (Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y., 1989), Ch. 7を一般的に参照)(全ての目的のために完全に引用したものとする)。

0073

各軽鎖/重鎖対の成熟可変領域は、抗体結合部位を形成する。従って、完全な抗体は、2つの結合部位がある。二機能性抗体又は二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は、同じである。鎖のすべては、3つの超可変領域(相補性決定領域又はCDRとも呼ばれる)によって連結している比較的保全された複数のフレームワーク領域(FR)に関する同じ一般構造を示す。各対における2つの鎖由来のCDRは、フレームワーク領域によって整列配置されて、特異的エピトープと結合することが可能になる。N末端からC末端にかけて、軽鎖及び重鎖の両方は、領域FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4を含む。各領域へのアミノ酸の割り当ては、カバットの定義、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,MD,1987 and 1991)、又は、Chothia & Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987);Chothia et al.,Nature 342:878-883(1989)に従う。カバットはまた、異なる重鎖間又は異なる軽鎖間の対応する残基が、同じ番号を割り当てられる、広く使用されている番号付け規則(カバット番号付け)を提供している(例えば、H83は成熟重鎖可変領域におけるカバット番号付けでの位置83を意味し、同様に、L36は成熟軽鎖可変領域におけるカバット番号付けでの位置36を意味する)。もし明示的に別途明言されていなければ、カバット番号付けが、全体として、抗体の可変領域の位置を指すのに用いられる。

0074

「抗体」という用語には、完全な抗体及びその結合性断片が含まれる。典型的には、断片は、完全な抗体と競合するものであり、標的に対して特異的に結合する抗体を由来とする。断片は、独立した重鎖、独立した軽鎖、Fab、Fab'、F(ab')2、F(ab)c、Fv、一本鎖抗体及び単一ドメイン抗体を含む。単一(可変)ドメイン抗体は、従来型抗体におけるVLパートナーによって隔てられたVH領域(又は、その逆)(Ward et al., 1989, Nature 341: 544-546)と、ラクダ科又は軟骨魚類(例えば、テンジクザメ)のような種由来のVH領域(時には、VHHとも称する)(VH領域は、VL領域と関連していない)を有する(WO 9404678 を参照)。1つの鎖がその天然パートナーによって隔てられた単一ドメイン抗体は、時にはDabとして知られており、ラクダ科又は軟骨魚類由来の単一ドメイン抗体は時にはナノボディとして知られている。定常領域又は定常領域の一部は、単一ドメイン抗体に存在していても存在していなくてもよい。例えば、ラクダ科由来の天然単一可変領域抗体は、VHH可変領域並びにCH2及びCH3定常領域を有する。単一ドメイン抗体(例えばナノボディ)は、従来型抗体に対する類似の手法によってヒト化とする対象であってもよい。Dab抗体は、通常、ヒト起源の抗体から取得される。断片は、組換えDNA技術又は完全な免疫グロブリン酵素的若しくは化学的分離によって生産することができる。

0075

「抗体」の用語は、また、二重特異性抗体及び/又はヒト化抗体を包含する。二重特異性抗体又は二機能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖対及び2つの異なる結合部位を有する、人工ハイブリッド抗体である(例えば、Songsivilai and Lachmann, Clin. Exp. Immunol., 79: 315 - 321 (1990); Kostelny et al., J. Immunol. 148: 1547 - 53 (1992)を参照)。いくつかの二重特異性抗体において、2つの異なる重鎖/軽鎖対には、ヒト化5C1重鎖/軽鎖対、及び、5C1が結合するものとは異なるアルファシヌクレイン上のエピトープに特異的な重鎖/軽鎖対が含まれる。

0076

二重特異性抗体の中には、1つの重鎖/軽鎖対が以下に詳しく開示されるヒト化5C1抗体であり、その重鎖/軽鎖対が、血液脳関門に発現されるインスリン受容体インスリン様増殖因子(IGF)受容体、レプチン受容体リポタンパク質受容体、又はトランスフェリン受容体等の受容体に結合する抗体に由来するものもある(Friden et al., PNAS 88: 4771 - 4775, 1991; Friden et al., Science 259: 373 - 377, 1993)。このような二重特異性抗体は、受容体介在性トランスサイトーシスにより血液脳関門を横切って移送され得る。二重特異性抗体の脳による取り込みは、血液脳関門受容体への親和性が低下するよう二重特異性抗体を設計することによってさらに増大させることができる。上記受容体への親和性が低下すると、脳内における分布が拡大される(例えば、Atwal. Et al. Sci. Trans. Med. 3, 84ra43, 2011; Yu et al. Sci. Trans. Med. 3, 84ra44, 2011参照)。

0077

二重特異性抗体の例としては、(1)軽鎖及び重鎖が短いペプチド結合を介して一列に並んだ2つの可変ドメインをそれぞれ有する、二重可変ドメイン抗体(DVD-Ig)(Wu et al.,Generation and Characterization of a Dual Variable Domain Immunoglobulin(DVD-IgTM)Molecule, In: Antibody Engineering, Springer Berlin Heidelberg (2010))、(2)2つの一本鎖ダイアボディが融合して、標的抗原1つに対し結合部位2つを有する4価の二重特異性抗体になったTandab、(3)scFvがダイアボディと組み合わさって多価分子となったフレキシボディ(flexibody)、(4)プロテインキナーゼAにおける「二量化及びドッキングドメイン」に基づくいわゆる「ドックアンドロック(dock and lock)」分子をFabに適用したもので、異なるFab断片に連結した2つの同一Fab断片からなる3価の二重特異性結合タンパク質を生成できるもの、並びに(5)ヒトFc領域の両末端に融合した2つのscFvを例えば含む、いわゆるスコーピオン分子(Scorpion molecule)が挙げられる。二重特異性抗体の調製に有用なプラットホームの例としては、BiTE(Micromet)、DART(MacroGenics)、Fcab及びMab2(F-star)、Fc組み換えIgGl(Xencor)、又はDuoBody(Fabアーム交換に基づく、Genmab)が挙げられる。

0078

抗原」は、抗体が特異的に結合する要素である。

0079

用語「エピトープ」は、抗体が結合する抗原上の部位を指す。タンパク質抗原に関して、エピトープは、連続アミノ酸、又は1つ以上のタンパク質の三次折り畳みによって並んだ不連続アミノ酸から形成できる。連続アミノ酸から形成されるエピトープは、一般的に、変性溶媒露出されても維持され、一方、三次折り畳みにより形成されるエピトープは、一般的に、変性溶媒での処理で消失する。エピトープは、一般的には少なくとも3個、より一般的には少なくとも5個又は8〜10個のアミノ酸を固有の立体高次構造にて含む。エピトープの立体高次構造を決定する方法には、例えばX線結晶構造解析及び二次元核磁気共鳴が含まれる。例えば、Epitope MappingProtocols, in Methodsin Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E. Morris, Ed. (1996)を参照。エピトープは、C末端残基又はN末端残基を含むことができる。エピトープは、ポリペプチド遊離アミノ基又はポリペプチドの遊離カルボキシル基も含んでいてもよいが、含んでいる必要はない。従って、エピトープは、C末端又はN末端残基を含むことができるが、必ずしも、遊離カルボキシル基又は遊離アミノ基をそれぞれ含むことができるというわけではない。抗体結合特異性は、時にはアミノ酸の範囲によって規定される。例えば、抗体が配列番号:1のアミノ酸118-126内のエピトープに結合すると述べられている場合、その意味するところは、詳述したアミノ酸の範囲内にエピトープがあり、それらには、その範囲の外側の限界を規定しているものも含まれることを意味する。その範囲内のあらゆるアミノ酸がエピトープの一部を構成することを必ずしも意味するわけではない。従って、例えば、配列番号:1のアミノ酸118-126内のエピトープは、配列番号:1の他のセグメント間のアミノ酸118-124、119-125、120-126、120-124又は120-122からなっていてもよい。

0080

同じ又は重複するエピトープを認識する抗体は、標的抗原への他の抗体の結合に競合する1つの抗体の能力を示す、単純な免疫アッセイで同定され得る。抗体のエピトープは、抗原に結合した抗体の接触残基を同定するための、X線結晶構造によっても同定され得る(エピトープは、接触残基によって規定される)。これに代えて、2つの抗体は、一方の抗体の結合を低減又は消去する、抗原におけるすべてのアミノ酸変異が、他方の結合を低減又は消去する場合、同じエピトープを有する。2つの抗体は、一方の抗体の結合を低減又は消去するいくつかのアミノ酸変異が、他方の結合を低減又は消去する場合、重複するエピトープを有する。

0081

抗体間の競合は、対照抗体の共通抗原への特異的結合被験抗体が阻害するアッセイにおいて決定される(例えば、Junghans et al., Cancer Res. 50: 1495, (1990)参照)。競合結合アッセイによる測定において、過剰の被験抗体(例えば、少なくとも2x、5x、10x、20x、又は100x)が対照抗体による結合を少なくとも50%、例えば75%、90%、95%、98%又は99%阻害する場合、被験抗体は対照抗体と競合している。競合アッセイで規定される抗体(競合抗体)には、対照抗体と同じエピトープに結合する抗体と、対照抗体が結合するエピトープに対し立体障害を引き起こすほど近くに位置する隣接エピトープに結合する抗体とが含まれる。

0082

本発明の抗体は、一般的に、少なくとも106、107、108、109又は1010 M-1の親和定数にて、それら明示の標的に結合する。かかる結合は、それを検出できるほど高く、少なくとも一つの無関係な標的に発生する非特異的結合識別可能であるという点で特異的結合である。特異的結合は、特定の機能的グループ間の結合の形成か特定の空間的適合(例えば、鍵と鍵穴型)の結果と言える一方で、非特異的結合は、通常のファンデルワールス力の結果である。しかしながら、特異的結合は、モノクローナル抗体が唯一の標的に結合することを必ずしも意味するわけではない。

0083

抗体配列を比較する場合、配列同一性パーセンテージは、カバット番号付け規則によって最大限に整列配置した抗体配列によって決定される。アライメントの後、対象の抗体領域(例:重鎖又は軽鎖の全ての成熟可変領域)と、対照抗体の同じ領域とを比較する場合、対象の抗体領域と対照抗体領域との間における配列同一性のパーセントは、対象の抗体領域と対照抗体領域の両方において同じアミノ酸によって占められる位置の数を、2つの領域においてアライメントされた位置の総数(ギャップは数に入れない)で割り、100を掛けることでパーセントに変換されるものである。

0084

アミノ酸置換を保存的又は非保存的として分類する目的で、アミノ酸は次のようにグループ分けされる:グループI(疏水性側鎖): met、ala、val、leu、ile;グループII(中性親水性側鎖):cys、ser、thr;グループIII(酸性側鎖):asp、glu;グループIV(塩基性側鎖):asn、gln、his、lys、arg;グループV(鎖配向に影響する残基):gly、pro;及び、グループVI(芳香族側鎖):trp、tyr、phe。保存的置換には、同じクラスのアミノ酸間での置換が含まれる。非保存的置換は、いずれか1つのクラスの要素を、他のクラスの要素と交換することから成る。

0085

モノクローナル抗体は、一般的に、単離された形態にて提供される。これは、上記抗体が一般的にその製造又は精製から生じる他の夾雑物及び干渉するタンパク質に対して少なくとも50%w/wの純度であるが、過剰な医薬的に許容可能な担体又はその使用を促進することを目的とする他のビヒクル薬剤との組み合わせの可能性を排除しないことを意味する。時には、モノクローナル抗体は、かかるモノクローナル抗体の凝集体若しくは断片又は他のタンパク質及び夾雑物に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%w/w/の純度である。かかるモノクローナル抗体のいくつかは、凝集体又は断片を含むことができるが、他のタンパク質及び夾雑物に対して少なくとも99%w/wの純度である。

0086

1つ以上の明記した要素を「含む」組成物又は方法は、明記していない他の要素を含んでよい。例えば、抗体を含む組成物は、その抗体を、単独で、又は他の含有物と組み合わせて、有してよい。

0087

値の範囲の指定には、その範囲に入る又はその範囲を規定するすべての整数、及び、その範囲内の整数によって規定される部分範囲が含まれる。

0088

文脈からそうではないことが明らかでない限り、「約」の用語は、記載値の誤差の範囲(SEM)内の値を包含する。

0089

統計的有意性は、p(0.05)を意味する。

0090

「患者」は、予防治療又は治療治療を受けるヒト及び他の哺乳類の対象を包含する。

0091

ある個体が少なくとも1つの既知危険因子(例えば、遺伝子的因子生化学的因子家族歴因子、環境曝露因子)を有し、その危険因子を有さない個体に比べてその危険因子を有する個体がある疾患を発症するリスクが統計的に有意に高い場合に、その個体はその疾患に対するリスクが大きい。

0092

用語「症状」は、歩行変調等、患者が認識する疾患の主観証拠を指す。「兆候」は、医師により観察される疾患の客観的証拠を指す。

0093

認知機能」とは、注意、記憶、言語の生成及び理解、問題解決、並びに周囲及び自己ケアへの関心等のうちいずれか又は全ての精神的機能を指す。

0094

「向上した認知機能」又は「改善した認知機能」とは、診断時又は治療開始時等における基準値に対する改善を指す。「認知機能の低下」とは、この基準値に対する機能の低下を指す。

0095

ラット又はマウス等の動物モデル系において、認知機能は、対象が空間情報を使用する迷路(モリス水迷路、バーン円形迷路高架式放射状迷路、T迷路等)、恐怖条件付け能動的回避照明オープンフィールド暗所活動度計、高架式十字迷路、2コンパートメント探索試験、又は強制水泳試験等の使用を含む方法によって測定してよい。

0096

ヒトにおいて、認知機能は、いくつかの標準試験のうち1つ以上によって測定できる。認知機能の試験又はアッセイの例は報告されており(Ruoppila, l. and Suutama, T. Scand. J. Soc. Med. Suppl. 53, 44 - 65, 1997)、標準精神測定試験(例えば、ウエクスラー記憶検査、ウェクスラー成人知能検査、レーヴン漸進的マトリックス、シャイエ-サーストーン成人知能検査(Schaie-Thurstone Adult Mental Abilities Test))、神経心理試験(例えば、ルリアネブラスカ)、メタ認知自己評価(例えば、メタ記憶質問票(Metamemory Questionnaire))、視覚空間スクリーニング試験(例えば、ポッペルロイターの図形検査(Poppelreuter's Figures)、時計描画検査、ハチ描画中止検査(Honeycomb Drawing and Cancellation))、認識スクリーニング試験(例えば、フォルスタインミニメンタル・ステート検査)、及び反応時間試験が含まれる。認識能力を試験する上記以外の標準試験には、アルツハイマー病評価尺度認知機能検査(ADAS-cog)、全般的臨床症状評価(CIBIC-plus scale)、アルツハイマー病共同研究日常生活動作スケール(ADCS-ADL)、ミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)、神経精神症状評価法(NPI)、臨床的認知症評価尺度(CDR)、ケンブリッジ神経心理学自動検査バッテリー(CANTAB)又はサンド臨床評価-老人病(SCAG)、ストループ検査、トレイルメイキングウェクスラー数字検査(Wechsler Digit Span)、及びCogStateコンピュータ化認識試験が含まれる。認知機能は、陽電子放射断層撮影(PET)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、単光子放射コンピュータ断層撮影(SPECT)、又は脳機能測定の可能な上記以外の任意の画像化技術といった画像化技術を用いて測定してもよい。

0097

発明の詳細な説明
I.概要
本発明は、モノクローナル抗体5C1及び関連した抗体(例えばα-シヌクレイン上の同じエピトープ(即ち、α-シヌクレインのエピトープ118-126)に結合する抗体)を提供する。本発明の抗体は、例えば、α-シヌクレイン蓄積(特にレビー小体での蓄積)と関連した疾患を治療するのに有効である。かかる疾患には、レビー小体病、例えばパーキンソン病、びまん性レビー小体病(DLBD)、アルツハイマー病のレビー小体変異型(LBV)、アルツハイマー病・パーキンソン病合併自律神経失調症及び多系統萎縮症(MSA)が含まれる。本抗体は、レビー小体病の診断にも有効である。

0098

II.標的分子
天然ヒト野生型α-シヌクレインは、アミノ酸140個からなるペプチドであり、次のアミノ酸配列を有する:
MDVFMKGLSKAKEGVVAAAEKTKQGVAEAAGKTKEGVLYVGSKTKEGVVHGVATVAEKTKEQVTNVGGAVVTGVTAVAQKTVEGAGSIAAATGFVKKDQLGKNEEGAPQEGILEDMPVDPDNEAYEMPSEEGYQDYEPEA(配列番号1)
(Ueda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 11282 - 6, 1993;GenBankアクセッション番号:P37840)。このタンパク質は広く認められた3つのドメイン、即ち、アミノ酸1〜61にわたるKTKE繰り返しドメイン、およそアミノ酸60〜95にわたるNAC(非アミロイド成分)ドメイン、及びおよそアミノ酸98〜140にわたるC末端酸性ドメインを有する。Jensenら(1995)の報告によると、NACは次のアミノ酸配列を有する:
EQVTNVGGAVVTGVTAVAQKTVEGAGSIAAATGFV(配列番号2)
(Jensen et al., Biochem. J. 310. 1:91 - 94; GenBankアクセッション番号 S56746)。しかしながら、Ueda(1993)らの報告によると、NACは次のアミノ酸配列を有する:
KEQVTNVGGAVVTGVTAVAQKTVEGAGS(配列番号3)
(Ueda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:11282 - 6)。

0099

文脈から別の意味が明白でない限り、α-シヌクレイン又はその断片に言及する箇所は、上に示した天然ヒト野生型アミノ酸配列、及びそのヒト対立遺伝子変異型、特にレビー小体病に関連するもの(例えばE46K、A30P、及びA53T、ここで、最初の文字は配列番号1におけるアミノ酸、数字は配列番号1におけるコドンの位置、2番目の文字は対立遺伝子変異型におけるアミノ酸を表す)を含む。こうした変異型は、任意に、単独又は組み合わせにおいて存在し得る。α-シヌクレイン凝集を増進する誘発変異E83Q、A90V、A76Tについても、単独、又は、これら同士の組み合わせ並びに/若しくはヒト対立遺伝子変異型E46K、A30P、及びA53Tとの組み合わせにおいて存在し得る。

0100

III.レビー小体病
レビー小体病(LBD)は、ドーパミン作動系の変性、運動変化、認知障害、及びレビー小体(LB)の形成を特徴とする(McKeith et al.,Neurology(1996)47:1113-24)。レビー小体とは、神経細胞にみられる球状タンパク質沈着物である。これが脳に存在すると、アセチルコリン及びドーパミンを含む化学伝達物質の作用を遮断して、脳の正常な機能を妨害する。レビー小体病には、パーキンソン病(特発性パーキンソン病を含む)、レビー小体型認知症(DLB)としても知られるびまん性レビー小体病(DLBD)、アルツハイマー病のレビー小体変異型(LBV)、アルツハイマー病・パーキンソン病合併、及び多系統萎縮症(MSA、例えば、オリーブ橋小脳変性症、線条体黒質変性症、及びシャイドレーガー症候群)が含まれる。DLBDは、アルツハイマー病及びパーキンソン病の双方と症状が同じである。DLBDは、主としてレビー小体の位置がパーキンソン病とは異なる。DLBDでは、レビー小体は主として皮質に形成される。パーキンソン病では、レビー小体は主として黒質に形成される。他のレビー小体病には、純粋自律神経失調症、レビー小体嚥下障害偶発性LBD、及び遺伝性LBD(例えば、α-シヌクレイン遺伝子、PARK3、及びPARK4の突然変異)が含まれる。

0101

IV. 抗体
A. 結合特異性及び機能的特性
5C1は、重鎖及び軽鎖成熟可変領域がそれぞれ配列番号: 9及び配列番号: 24で示される本発明の例示的な抗体である。本発明は、α-シヌクレインに対する結合を5C1と競合する抗体、又は、5C1と同一又は重複するエピトープに結合するか類似の機能的特性(例えばα-シヌクレインのニューロン凝集体を低下させること、認知機能を向上させること並びに/又はシナプス密度及び/若しくは樹状突起の密度を保つこと)を有する抗体も提供する。

0102

かかる結合特異性を有する他の抗体は、α-シヌクレイン又はその断片(例えば、アミノ酸残基118-126を含む断片又はその部分)を用いてマウスを免疫化し、α-シヌクレインへの結合に関して、任意に5C1と競合させて、得られた抗体をスクリーニングすることによって作製した。断片の使用は、5C1と同じエピトープを有する抗体を作製するのに好ましい。抗体は、(1)行動アッセイ(例えば、モリス水迷路(MWM)試験又は水平ビーム試験)又は脳組織のα-シヌクレイン、α-シヌクレイン凝集、シナプトフィジン、MAP2及び/若しくはPSD95の検出のための免疫学的アッセイを受けるα-シヌクレイントランスジェニック齧歯類モデル;(2) 行動アッセイ(例えば、モリス水迷路(MWM)又は水平ビーム試験)並びに/又は脳組織のα-シヌクレイン、α-シヌクレイン凝集、シナプトフィジン、MAP2及び/若しくはPSD95の検出のための免疫学的アッセイを用いて、α-シヌクレイン蓄積によって特徴づけられる疾患に関する齧歯類又は他の非ヒト動物モデル;及び/又は(3) 適切な行動アッセイを用いて、α-シヌクレイン蓄積と関連した状態にあるヒトにおける、それらの効果に関してスクリーニングすることもできる。あるいは、又は、前述の手法のいずれかに加えて、抗体は、α-シヌクレインの変異形態に関してスクリーニングして、一まとまりの変異変形に対して5C1と同一又は類似の結合プロファイルを示す抗体を同定することができる。この変異は、α-シヌクレインの全体にわたってか、エピトープが公知の残基(例えば、残基118-126)におけるそのセクションにおいて、一残基ずつ又はより広い間隔を空けて、アラニン(又は、アラニンが既に存在している場合はセリン)を用いてシステマチックに置換することであってもよい。

0103

図6-8及び実施例6は、残基118-126内で結合する2つの他の抗体(即ち、9E4及び5D12)と比較して5C1のエピトープを特徴づけている。アラニン変異誘発は、アルファシヌクレインの118-126において、個々のアミノ酸を一つずつ変異させて効果を試験するものである。残基118-126内の種々のアミノ酸の変異によって引き起こされる結合親和性(言い換えると、結合に対する貢献)の相対的変化プロファイルがエピトープを特徴づける。5C1に関して、残基120-122のいずれかの変異誘発は、結合性を最も大きく減少させる。残基123又は124の変異誘発は、著しく結合性を低下させるが、位置120-122のいずれかほどではない。残基118、119、125又は残基126の変異誘発は、親和性が消失せず、本質的に不変である。説明を簡単にするため、変異誘発の効果は、3つのカテゴリーにおよそ細別することができる:残基120-122に関する結合性の実質的に完全な減少(ネガティブコントロールと区別がつかない)、残基118、119、125及び126(ポジティブコントロールと区別がつかない)に関する結合性の実質的な減少がない及び残基123及び124に関する結合親和性の中程度の減少。従って、5C1のエピトープは、残基120-122が結合に最も大きな貢献をしつつ、配列番号:1の残基120-124からなるか又はそれから実質的になる線形エピトープとしておよそ特徴づけることができる。この段落での記述のいずれかによって特徴づけられる5C1エピトープを有する抗体を提供する。ある抗体は、残基120-122から実質的になり且つ残基119-120を除くエピトープによって特徴づけられることから、残基120-122の各々は、任意の他の残基よりも結合親和性に貢献しており、残基119及び120は結合性に対して(例えば、実施例のアラニンスキャニング法によって)検出可能な貢献を示さないことを意味している。残基123及び124は、かかる抗体における結合性に対して貢献が小さくても小さくなくてもよい。

0104

5D12に関して、エピトープは、以下の通りのアラニン変異誘発によって特徴づけられる。残基120-122のいずれかへの変異誘発は、結合性を最も大きく減少させる。残基118、199、123又は124の変異誘発は、著しく結合性を減少させるが、位置120-122のいずれかほどではない。残基125又は残基126の変異誘発は、親和性が消失せず、実質的に不変である。説明を簡単にするため、変異誘発の効果は、3つのカテゴリーにおよそ細別することができる:残基120-122の変異に関する結合性の実質的に完全な減少(ネガティブコントロールと区別がつかない)、残基125及び126(ポジティブコントロールと区別がつかない)に関する結合性の実質的な減少がない及び残基118、119、123及び124に関する結合親和性の中程度の減少。従って、5D12のエピトープは、残基120-122が結合に最も大きな貢献をしつつ、配列番号:1の残基118-124からなるか又はそれから実質的になる線形エピトープとしておよそ特徴づけることができる。この段落又は実施例6の記述のいずれかによって特徴づけられる5D12のエピトープを有する他の抗体を提供する。

0105

同様に、9E4エピトープは、残基118-121、123、124又は126のいずれかよりも結合性が大きく減少する残基122及び125の各々の変異によって特徴づけることができる。説明を簡単にするため、変異誘発の効果は、2つのカテゴリーにおよそ細別することができる:残基122及び125に関する結合性の実質的に完全な減少及び残基118-121、123、124及び126に関する結合性の実質的な減少がない。9E4エピトープは、従って、残基122及び125が9E4との接点(又は、結合性に対する最も大きな貢献)を提供する高次構造的なエピトープとしておよそ特徴づけることができる。この段落又は実施例6の記述のいずれかによって特徴づけられる9E4エピトープを有する他の抗体を提供する。任意に、抗体は、9E4でも9E4と同じCDRを有する他の抗体でもなく、9E4の対応するCDRに対して少なくとも85%の配列同一性を有する少なくとも5つのカバットCDRを有する抗体でもない。

0106

選択されたマウス抗体(例えば、5C1)の結合特異性を有する抗体は、ファージディスプレイ法変法用いて製造することもできる。Winter, WO 92/20791を参照。この方法は、ヒト抗体の生産に特に適している。この方法では、選択したマウス抗体の重鎖又は軽鎖可変領域が出発物質として使用される。例えば、軽鎖可変領域が出発物質として選択される場合、ファージライブラリー構築される。そのファージディスプレイの構成要素は、同じ軽鎖可変領域(即ち、マウス出発物質)と種々の重鎖可変領域を提示する。例えば、重鎖可変領域は、再構成されたヒト重鎖可変領域ライブラリーから得ることができる。α-シヌクレインに強い特異的結合性(例えば、少なくとも108 M-1、好ましくは少なくとも109M-1)を示すファージを選択する。そして、このファージ由来の重鎖可変領域は、更なるファージライブラリーを構成するための出発物質として役に立つ。このライブラリーにおいて、各ファージは、同じ重鎖可変領域(即ち、最初のディスプレイライブラリーから特定される領域)と、種々の軽鎖可変領域をディスプレイする。例えば、軽鎖可変領域は、再構成されたヒト可変軽鎖領域のライブラリーから得ることができる。再度、α-シヌクレインに強い特異的結合性を示すファージを選択する。得られた抗体は、マウス出発物質と同一又は類似のエピトープ特異性を通常有する。

0107

他の抗体は、例示的な抗体(例えば5C1)の重鎖及び軽鎖をエンコードしているcDNAの変異誘発によって得ることができる。従って、成熟重鎖及び/又は軽鎖可変領域のアミノ酸配列において5C1と少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性があり、その機能的特性を維持しているモノクローナル抗体であって、少数の機能的に重要でないアミノ酸置換(例えば、保存的置換)、欠失又は挿入によってそれぞれの抗体と異なるモノクローナル抗体も本発明に含まれる。

0108

本発明には、完全に又は実質的に5C1由来のいくつかの又は全て(例えば、3、4、5及び好ましくは6個)のCDRを有しているモノクローナル抗体も含まれる。かかる抗体は、完全に又は実質的に5C1の重鎖可変領域由来の少なくとも2個、通常全3個のCDRを有する重鎖可変領域及び/又は完全に又は実質的に5C1の軽鎖可変領域由来の少なくとも2個、通常全3個のCDRを有する軽鎖可変領域を含むことができる。好ましい抗体は、重鎖及び軽鎖を両方含む。CDRが4、3、2又は1以下の置換、挿入又は欠失を含む場合(但し、CDRH2(カバットによる規定)は、6、5、4、3、2又は1以下の置換、挿入又は欠失を有することができる)、CDRは実質的に対応する5C1 CDR由来である。かかる抗体は、好ましくは、成熟重鎖及び/又は軽鎖可変領域のアミノ酸配列において5C1と少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性があり、その機能的特性を維持しており、及び/又は、少数の機能的に重要でないアミノ酸置換(例えば、保存的置換)、欠失又は挿入によって5C1と異なる。

0109

好ましい抗体は、5C1と類似の機能的活性(例えば、神経突起及び/若しくは軸索のα-シヌクレイン凝集体の低減、神経炎性ジストロフィーの低減、認知機能の向上、認知機能低下反転、治療若しくは阻害、並びに/又はシナプス密度及び/若しくは樹状突起の密度の保存若しくは上昇)を示す。

0110

B.キメラ及びベニヤ化抗体
本発明は、非ヒト抗体(特に5C1)のキメラ及びベニヤ化形態を更に提供する。

0111

キメラ抗体は、非ヒト抗体(例えば、マウス)の軽鎖及び重鎖成熟可変領域がヒト軽鎖及び重鎖定常領域と結合した抗体である。一般的に、軽鎖及び重鎖定常領域はヒト起源であるが、定常領域は必要に応じて(例えば、適切な動物モデルにおける非ヒト抗体の試験の促進)、種々の非ヒト起源としてもよい。かかる抗体は、実質的又は完全にマウス抗体の結合特異性を保持し、約2/3がヒト定常領域に寄与するヒト配列であってもよい。

0112

ベニヤ化抗体は、いくつか、通常全てCDRと非ヒト抗体の非ヒト可変領域フレームワーク残基のいくつかを保持するが、B細胞又はT細胞エピトープ(例えば露出した残基)(Padlan, Mol. Immunol. 28:489, 1991)に関与することができる他の可変領域フレームワーク残基をヒト抗体配列の対応する位置由来の残基と置き換えたヒト化抗体の一種である。その結果物は、CDRは完全に又は実質的に非ヒト抗体由来であり、非ヒト抗体の可変領域フレームワークは、置換によって、よりヒトのようになっている抗体である。

0113

C.ヒト化抗体
ヒト化5C1抗体は、ヒトα-シヌクレインに特異的に結合する。あるヒト化抗体の親和性(即ち、Ka)は、例えば、マウス5C1抗体の親和性の5又は2倍内であってもよい。あるヒト化抗体は、実験誤差の範囲内でマウス5C1と同じ親和性を有する。あるヒト化抗体は、マウス5C1の親和性より大きい親和性を有する。好ましいヒト化抗体は、同じエピトープに結合して及び/又はヒトα-シヌクレインに対する結合性がマウス5C1と競合する。

0114

ヒト化抗体は、非ヒト「ドナー」抗体(例えば、マウス5C1)由来のCDRがヒト「アクセプター」抗体配列に移植されている、遺伝子操作された抗体である(例えば、Queen、US 5,530,101及び5,585,089、Winter、US 5,225,539、Carter、US 6,407,213、Adair、US 5,859,205 6,881,557、Foote、US 6,881,557)。アクセプター抗体配列は、例えば、成熟ヒト抗体配列、かかる配列の複合体、ヒト抗体配列のコンセンサス配列又は生殖系列領域配列とすることができる。従って、ヒト化5C1抗体は、完全に又は実質的にマウス5C1由来のいくつか又は全てのCDRと、完全に又は実質的にヒト抗体配列由来の可変領域フレームワーク配列及び定常領域(存在する場合)と、を有する抗体である。同様に、ヒト化重鎖は、完全に又は実質的にドナー抗体重鎖由来の少なくとも2個、通常全3個のCDRと、実質的にヒト重鎖可変領域フレームワーク及び定常領域配列由来の重鎖可変領域フレームワーク配列及び重鎖定常領域(存在する場合)と、を有する。同様に、ヒト化軽鎖は、完全に又は実質的にドナー抗体軽鎖由来の少なくとも2個、通常全3個のCDRと、実質的にヒト軽鎖可変領域フレームワーク及び定常領域配列由来の軽鎖可変領域フレームワーク配列及び軽鎖定常領域(存在する場合)と、を有する。ナノボディ及びdAbを除いて、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖及びヒト化軽鎖を含む。好ましくは、(カバットによって規定される)対応する残基の少なくとも85%、90%、95%又は100%が、それぞれのCDR間において同一である。抗体鎖の可変領域フレームワーク配列又は抗体鎖の定常領域は、カバットによって規定される対応する残基と少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である場合、実質的に、ヒト可変領域フレームワーク配列又はヒト定常領域由来である。

0115

ヒト化抗体は、多くの場合、マウス抗体由来の全6個の(好ましくはカバットによる規定の)CDRを組み込んでいるが、それらはマウス抗体由来の全てのCDRより少ない(少なくとも3、4又は5個の)CDRによって作製することもできる(例えばPascalis et al., J. Immunol. 169: 3076, 2002; Vajdos et al., Journal of Molecular Biology, 320: 415-428, 2002; Iwahashi et al., Mol. Immunol. 36:1079-1091, 1999; Tamura et al, Journal of Immunology, 164:1432-1441, 2000)。

0116

ある抗体において、CDRの一部だけ(即ち、結合に必要なCDR残基のサブセット(特異性決定基(SDR)(Kashmiri et al., Methods(2005) 36(1):25-34)と称される))は、ヒト化抗体の結合性を保持するために必要である。抗原に接触せずSDR内に位置しないCDR残基は、コチア超可変ループ(Chothia hypervariable loop)(Chothia, J. Mol. Biol. 196: 901, 1987)の外に存在するカバットCDRの領域から、分子モデリングにより且つ/又は実験的に、又はGonzales et al., Mol. Immunol. 41:863 (2004)に記載される通りに、以前の研究に基づいて特定できる(例えば、CDR H2内の残基H60〜H65の1又は複数又は全ては不要であることが多い)。このようなヒト化抗体において、1つ以上のドナーCDR残基が存在しない又はドナーCDR全体が欠失している位置では、その位置にあるアミノ酸は、アクセプター抗体配列における(カバット番号付けにより)対応する位置を占めるアミノ酸であり得る。アクセプターがドナーアミノ酸を置換するこのような置換をCDRにいくつ含めるかについては、対立する考察同士のバランスが影響する。このような置換により、ヒト化抗体におけるマウスアミノ酸の数が減少し、その結果、免疫原性の可能性が減少する点で、有益である可能性がある。しかし、置換によって親和性が変化することもあり得、親和性の著しい低下は回避することが好ましい。CDR内の置換の位置及び置換対象のアミノ酸についても、実験的に選択できる。

0117

ヒトアクセプター抗体配列を多くの公知のヒト抗体配列の中から任意に選択して、ヒトアクセプター配列可変領域フレームワークとドナー抗体鎖の対応する可変領域フレームワークとの間の高度な配列同一性(例えば、65%-85%の同一性)を提供することができる。

0118

ヒト可変領域フレームワーク残基由来のある種のアミノ酸は、CDRの高次構造及び/又は抗原への結合に対する考え得る影響に基づいて置換を選択することができる。そのような考え得る影響の調査は、特定位置でのアミノ酸の特徴に関するモデル試験、又は特定アミノ酸の置換又は変異誘発の効果に関する経験的な観察によるものである。

0119

例えば、マウス可変領域フレームワーク残基と選択されたヒト可変領域フレームワーク残基との間でアミノ酸が異なる場合、ヒトフレームワークアミノ酸は、マウス抗体由来の等価なフレームワークアミノ酸によって置換することができる。なお、これは、アミノ酸が、
(1)非共有結合的に直接抗原と結合する、
(2)CDR領域と隣接している、
(3) さもなければCDR領域と相互作用する(例えば、CDR領域の約6A内である)(例えば、同種公知の免疫グロブリン鎖解明済み構造物にならって軽鎖又は重鎖を作ることによって同定される)、及び
(4) VL-VHインターフェースに関与している残基であることを相当に予想される場合である。

0120

Queen、US 5,530,101によって規定される区分(1)-(3)由来のフレームワーク残基は、時には代わりとして、カノニカル及びバーニア残基と称する。CDRループの高次構造の規定を補助するフレームワーク残基は、時には、カノニカル残基と称する(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196, 901-917 (1987), Thornton & Martin J. Mol. Biol., 263, 800-815, 1996)。抗原結合性ループ高次構造をサポートし、抗原に対する抗体のフィット性微調整する役割を果たすフレームワーク残基は、時には、バーニア残基(Foote & Winter, 1992, J Mol Bio. 224, 487-499)と称する。

0121

置換候補である他のフレームワーク残基は、潜在的な糖修飾イトを形成している残基である。さらに他の置換候補は、その位置においてはヒト免疫クロブリンには普通ではないアクセプターヒトフレームワークアミノ酸である。これらのアミノ酸は、マウスドナー抗体での相当する位置、又はより典型的なヒト免疫グロブリンでの相当する位置由来のアミノ酸によって置換することができる。

0122

本発明は、マウス5C1抗体のヒト化形態を提供する。マウス抗体は、配列番号: 9及び配列番号: 24をそれぞれ含むアミノ酸配列を有する成熟重鎖及び軽鎖可変領域を含む。本発明は、5つの例示したヒト化成熟重鎖可変領域:H1、配列番号: 14; H2、配列番号: 15; H3、配列番号: 16; H4、配列番号: 17;そして、H5、配列番号: 18を提供する。本発明は、4つの例示したヒト化成熟軽鎖可変領域:L1、配列番号: 29; L2、配列番号: 30; L3、配列番号: 31;そして、L4、配列番号: 32を更に提供する。これらの成熟重鎖及び軽鎖可変領域の任意の置換を含む抗体を提供する(即ち、H1L2、H1L3、H1L4、H2L1、H2L2、H2L3、H2L4、H3L1、H3L2、H3L3、H3L4、H4L1、H4L2、H4L3、H4L4、H5L1、H5L2、H5L3又はH5L4)。H4L3変異体(8つの重鎖復帰変異及び5つの軽鎖復帰変異を含む変異体)は、マウス及びキメラ5C1抗体の親和性の2倍内でα-シヌクレインに対する親和性(ビアコア機器にて測定)を有する。以下の表3を参照。ELISAでの測定において、H4L3変異体は、α-シヌクレインに対する親和性が、キメラ5C1抗体と(実験誤差の範囲内で)実質的に同じであり、マウス5C1抗体よりも優れている。図5を参照。加えて、H5L3変異体(6つの重鎖復帰変異及び5つの軽鎖復帰変異を含む変異体)は、マウス及びキメラ5C1抗体の親和性の4倍内でヒトα-シヌクレインに対する親和性(ビアコア機器にて測定)を提供する。以下の表3を参照。また、H3L4変異体(9つの重鎖復帰変異及び2つの軽鎖復帰変異を含む変異体)は、ヒトα-シヌクレインに対する親和性(ELISAにて測定)が、キメラ5C1抗体と実験誤差の範囲内で実質的に同じであり、H3L3及びH3L1変異体(それぞれ9つの重鎖復帰変異を含み、且つそれぞれ5つ及び6つの軽鎖復帰変異を含む変異体)は、α-シヌクレインに対する親和性(ELISAにて測定)が、マウス5C1抗体よりも優れている。

0123

本発明は、ヒト化成熟重鎖可変領域がH4(配列番号: 17)と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を示し、ヒト化成熟軽鎖可変領域がL3(配列番号:31)と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を示すH4L3ヒト化5C1抗体の変異体を提供する。かかる抗体のいくつかにおいて、H4L3の復帰変異のうちの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個又は全13個は、保持されている。本発明は、ヒト化成熟重鎖可変領域がH5(配列番号: 18)と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を示し、ヒト化成熟軽鎖可変領域がL3(配列番号:31)と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を示すH5L3ヒト化5C1抗体の変異体も提供する。かかる抗体のいくつかにおいて、H5L3の復帰変異のうちの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又は全11個は、保持されている。本発明は、ヒト化成熟重鎖可変領域がH3(配列番号: 16)と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を示し、ヒト化成熟軽鎖可変領域がL4(配列番号:32)と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を示すH3L4ヒト化5C1抗体の変異体も提供する。かかる抗体のいくつかにおいて、H3L4の復帰変異のうちの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又は全11個は、保持されている。ある抗体において、Vh領域における位置H11、H27、H30、H48及びH73の少なくとも一つは、それぞれ、L、Y、T、I及びKである。ある抗体において、Vh領域における位置H11、H27、H30、H48及びH73は、それぞれ、L、Y、T、I及びKである。ある抗体において、Vh領域における位置H67、H69、H91及びH94の少なくとも一つは、それぞれ、A、L、F及びSである。ある抗体において、Vh領域における位置H67、H69及びH94は、例えばバージョンH4において、それぞれ、A、L及びSである。ある抗体において、位置H94は、例えばバージョンH5において、Sである。ある抗体において、Vh領域における位置H67、H69、H91及びH94は、例えばバージョンH3において、それぞれ、A、L、F及びSである。ある抗体において、Vk領域における位置L12及びL14の少なくとも一つは、Sである。ある抗体において、Vk領域における位置L12及びL14の両方は、例えばバージョンL3及びL4において、Sである。ある抗体において、Vk領域における位置L2、L45、L49及びL87の少なくとも一つは、それぞれ、V、K、N及びFである。ある抗体において、Vk領域における位置L2、L49及びL87は、例えばバージョンL3において、それぞれ、V、N及びFである。ある抗体において、Vk領域における位置L2、L45、L49及びL87は、例えばバージョンL1において、それぞれ、V、K、N及びFである。かかるヒト化抗体のCDR領域は、H4L3又はH5L3のCDR領域と同一又は実質的に同一であってもよく、それらは、マウスドナー抗体のものと同じである。CDR領域は、任意の従来の定義(例えば、コチア)によって規定することができるが、好ましくはカバットにより規定される。

0124

ヒト化5C1変異体に関して可能性がある更なるバリエーションの1つは、可変領域フレームワークにおける更なる復帰変異である。ヒト化mAbのCDRと接触しないフレームワーク残基の多くは、ドナーマウスmAb又は他のマウス若しくはヒト抗体の対応する位置由来のアミノ酸の置換を受け入れ可能であり、そして、多くの潜在的なCDR接触残基でさえも置換を受け入れることができ、又は、CDR内のアミノ酸でさえも、例えば、可変領域フレームワークをもたらすのに用いるヒトアクセプター配列の対応する位置で見られる残基を用いて変更することができる。加えて、別のヒトアクセプター配列を、例えば、重鎖及び/又は軽鎖のために用いることができる。種々のアクセプター配列を用いる場合、上述した推奨の復帰変異の1又は複数は、対応するドナー及びアクセプター残基が復帰変異することなく既に同じであるため実行することができない可能性がある。例えば、位置H11が既にLである、H48が既にIである、及び/又、H73が既にKである重鎖アクセプター配列を使用する場合、対応する復帰変異は必要ではない。同様に位置L12及び/又はL14が既にSである軽鎖アクセプター配列を使用する場合、対応する復帰変異は必要ではない。

0125

本発明には、成熟軽鎖及び重鎖可変領域がヒト化5C1 H1L1、H1L2、H1L3、H1L4、H2L1、H2L2、H2L3、H2L4、H3L1、H3L2、H3L3、H4L1、H4L2、H4L4、H5L1、H5L2又はH5L4の成熟軽鎖及び重鎖可変領域と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を示すヒト化抗体も含まれる。かかるヒト化抗体のCDR領域は、マウスドナー抗体のCDR領域と同一又は実質的に同一であってもよい。CDR領域は、任意の従来の定義(例えば、コチア)によって規定することができるが、好ましくはカバットによって規定される。

0126

D.定常領域の選択
キメラ、ヒト化(ベニヤ化を含む)又はヒト抗体の重鎖及び軽鎖可変領域は、fc受容体と相互作用するのに十分な少なくとも一部の定常領域と結合することができる。定常領域は、一般的にヒトのものであるが、必要に応じて非ヒト定常領域を選択することができる。

0127

定常領域の選択は、ある程度は、抗体依存性補体又は細胞媒介細胞傷害性望む否かに依存する。例えば、ヒトアイソタイプIgG1及びIgG3は補体媒介細胞傷害性である一方で、ヒトアイソタイプIgG2及びIgG4は補体媒介細胞傷害性が低いかその性質がない。本発明の抗体における包含に適しているヒトIgG1定常領域は、配列番号: 38の配列を有することができる。軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパとすることができる。本発明の抗体における包含に適しているヒトカッパ軽鎖定常領域は、配列番号: 40の配列を有することができる。抗体は、軽鎖2つ及び重鎖2つを含む四量体として、別個の重鎖として、別個の軽鎖として、Fab、Fab'、F(ab')2若しくはFv断片として、又は重鎖及び軽鎖可変領域がスペーサーを介して連結した一本鎖抗体として、発現させることができる。

0128

ヒト定常領域は、異なる個体間でアロタイプの変形及び同型アロタイプの変形を示し、即ち、異なる個体間において、定常領域は1つ以上の多型位置にて相違し得る。同型アロタイプは、同型アロタイプを認識する血清が1つ以上の他のアイソタイプの非多型領域に結合する点で、アロタイプと異なる。ヒト定常領域に対する言及には、後述するエフェクター機能を低下又は増加させるために任意の天然アロタイプ又は天然アロタイプにおける多様な位置を占めている残基の任意の置換又は最高3、5又は10個の置換をもつ定常領域が含まれる。

0129

軽鎖及び/又は重鎖のアミノ末端又はカルボキシ末端の1個又は数個のアミノ酸、例えば、重鎖のC末端リジン等は、一部又はすべての分子において欠失又は誘導体化されていてもよい。補体依存性細胞毒性若しくはADCC等のエフェクター機能を低減若しくは増大させるために(例えば、Winter et al., 米国特許第5,624,821号、Tso et al., 米国特許第5,834,597号、及びLazar et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103:4005, 2006参照)、又はヒトにおける半減期を伸ばすために(例えば、Hinton et al., J. Biol. Chem. 279:6213, 2004参照)、定常領域において置換を行うことができる。置換の一例には、抗体の半減期を伸ばすための、位置250のGln及び/又は位置428のLeuが含まれる(本段落中、定常領域にEU番号付けを使用)。位置234、235、236及び/又は237のいずれか又は全てを置換すると、Fcy受容体、特にFcyRI受容体に対する親和性が減少する(例えば、US6,624,821号参照)。上記抗体の中には、エフェクター機能を低減させるためにヒトIgG1の位置234、235、及び237におけるアラニン置換を有するものも含まれる。任意に、ヒトIgG2の位置234、236位及び/又は237がアラニンで置換され、位置235がグルタミンで置換される(例えば、US5,624,821号参照)。ある態様において、ヒトIgG1のEU番号付けによる位置241、264、265、270、296、297、322、329及び331の1又は複数における変異を使用している。ある態様において、ヒトIgG1のEU番号付けによる318、320及び322の1又は複数における変異を使用している。ある態様において、アイソタイプは、ヒトIgG2又はIgG4である。

0130

E.ヒト抗体
α-シヌクレインに対するヒト抗体は、後述する様々な技術によって提供される。あるヒト抗体は、競合結合実験によって選択され、そうでなければ5C1として同一又は重複するエピトープ特異性を有するように選択される。ヒト抗体は、免疫原としてα-シヌクレインの断片(例えば、アミノ酸残基118-126)だけを用いて、及び/又は、α-シヌクレイン欠失変異株コレクションに対して抗体をスクリーニングすることによって、特定のエピトープ特異性に関してスクリーニングすることもできる。ヒト抗体を作製するための1つの技術は、トリオーマ法(Oestberg et al., Hybridoma 2:361-367 (1983); Oestberg, U.S. Pat. No. 4,634,664;及びEngleman et al., U.S. Pat. No. 4,634,666)である。他の技術は、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現しているトランスジェニックマウス(例えばXenoMouse(登録商標)、AlivaMab Mouse又はVeloceimmune Mouse)を免疫化すること(例えば、Lonberg et al., W093/1222, U.S. Pat. No. 5,877,397, U.S. Pat. No. 5,874,299, U.S. Pat. No. 5,814,318, U.S. Pat. No. 5,789,650, U.S. Pat. No. 5,770,429, U.S. Pat. No. 5,661,016, U.S. Pat. No. 5,633,425, U.S. Pat. No. 5,625,126, U.S. Pat. No. 5,569,825, U.S. Pat. No. 5,545,806, Nature 148, 1547-1553 (1994), Nature Biotechnology 14, 826 (1996), Kucherlapati及びWO 91/10741を参照)を伴う。他の技術は、ファージディスプレイ(例えば、Dower et al., WO 91/17271並びにMcCafferty et al., WO 92/01047, U.S. Pat. No. 5,877,218, U.S. Pat. No. 5,871,907, U.S. Pat. No. 5,858,657, U.S. Pat. No. 5,837,242, U.S. Pat. No. 5,733,743及びU.S. Pat. No. 5,565,332を参照)である。これらの方法では、ファージのライブラリーを、そのメンバーがそれらの外表面に種々の抗体を提示するように生産する。抗体は、通常、Fv又はFab断片として示される。所望の特異性を有する抗体を提示するファージは、α-シヌクレインペプチド又はその断片に対する高親和性によって選択される。他の技術は、ReddyらのNat Biotechnol. 2010 Sept 28(9):965-9 (Epub 2010 Aug 29)並びにUS 20110053803, 20100099103, 20100291066, 20100035763及び20100151471で概説される一般的なプロトコールに従って、ヒトB細胞由来のDNAの配列を決定することである。簡潔に言えば、B細胞は、抗α-シヌクレイン抗体を有すると思われるヒト(例えば、α-シヌクレイン、その断片、α-シヌクレインを含むより長いポリペプチド又はその断片によって免疫化されたヒト)又は抗イディオタイプ抗体を有すると思われるヒトから取得することができる。そして、B細胞からの抗体のmRNAをcDNAに逆転写し、例えば、454配列決定技術を使用して配列を決定する。各抗体由来の鎖の配列を取得した後に、上記鎖を共に対にして(例えば、バイオインフォーマティックスを使用して)、クローニングし、発現させて所望の特性に関してスクリーニングすることができる。

0131

F.組換え抗体の発現
抗体発現細胞株(例えば、ハイブリドーマ)を使用してキメラ及びヒト化抗体を作製する多くの方法が知られている。例えば、抗体の免疫クロブリン可変領域は、周知の方法を使用してクローニングし、配列を決定することができる。1つの方法において、重鎖可変VH領域は、ハイブリドーマ細胞から作製されるmRNAを使用して、RT-PCRによってクローニングされる。コンセンサスプライマーを、5'プライマー及びg2b定常領域特異的3'プライマーとして、翻訳開始コドンを含むVH領域リーダーペプチドに使用する。例示的なプライマーは、Schenkら(以下、Schenk)の米国特許公開公報US 2005/0009150に記載されている。複数の、個別に導き出されたクローン由来の配列を比較して、増幅の間に改変が導入されていないことを確認することができる。VH領域の配列は、5'RACE RT-PCR法及び3'g2b特異的プライマーによって取得されたVH断片の配列を決定することによって決定又は確認することもできる。

0132

軽鎖可変VL領域は、VH領域と類似した方法にてクローニングすることができる。1つの手法においては、VL領域の増幅のために設計したコンセンサスプライマーセットを設計して、翻訳開始コドンを含むVL領域と、V-J連結領域の下流のCk領域に特異的な3'プライマーをハイブリダイズする。第二の手法においては、5'RACERT-PCR法を用いてVLエンコードcDNAをクローニングする。例示的なプライマーは、上記Schenkに記載されている。そして、クローニングした配列をヒト(又は、他の非ヒト種)定常領域をエンコードしている配列と組合せる。ヒト定常領域をエンコードしている例示的な配列には、ヒトIgG1定常領域をエンコードする配列番号: 37と、ヒトカッパ軽鎖定常領域をエンコードする配列番号: 39が含まれる。

0133

1つの手法において、重鎖及び軽鎖可変領域は、それぞれのVDJ又はVJ連結の下流にスプライスドナー配列をエンコードするように再度工学的操作を行い、哺乳類発現ベクター(例えば、重鎖用のpCMV-hg1及び軽鎖用のpCMV-Mcl)にクローニングする。これらのベクターは、挿入された可変領域カセットの下流に、エクソン断片としてヒトg1及びCk定常領域をエンコードしている。配列の確認の後、重鎖及び軽鎖発現ベクターCHO細胞に共トランスフェクションしてキメラ抗体を生産することができる。トランスフェクションから48時間後に馴化培地回収して、抗体産生のためのウェスタンブロット解析又は抗原結合のためのELISAによって検定する。キメラ抗体は、上記の通りにヒト化する。

0134

キメラ、ベニヤ化、ヒト化及びヒト抗体は、一般的に、組換え発現によって生産される。組換え核酸構築物には、一般的に、天然の関連発制御要素又は異種発現制御要素を含む、抗体鎖のコード配列に実施可能な状態で連結した発現制御配列(例えばプロモーター)が含まれる。一旦ベクターが適切な宿主に組み込まれると、宿主はヌクレオチド配列高レベル発現並びに交差反応抗体の回収及び精製に適する条件下で維持される。

0135

これらの発現ベクターは、一般的に、寄主生物において、エピソーム又は寄主染色体DNAの構成要素として複製可能である。一般に、発現ベクターには、所望のDNA配列によって形質転換したそれらの細胞を検出できるように選択マーカー(例えば、アンピシリン耐性又はハイグロマイシン耐性)が含まれる。

0136

E. coliは、本願明細書において開示するポリペプチドをエンコードしているDNA配列のクローニングに有効な原核生物宿主の一つである。酵母等の微生物もまた、発現に有用である。サッカロミセスは、発現制御配列、複製起点、及び終結配列等を必要に応じて含んだ好適なベクターを有する酵母宿主である。典型的なプロモーターは、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ及び他の糖分解酵素を含む。誘導性酵母プロモーターは、とりわけ、アルコール脱水素酵素イソチトクロームC、並びにマルトース及びガラクトース利用を担う酵素に由来するプロモーターを含む。

0137

哺乳類細胞は、免疫グロブリン又はその断片をコードするヌクレオチドセグメントを発現させるための宿主細胞である。Winnacker, From Genes to Clones, (VCH Publishers, NY, 1987)を参照。完全な異種タンパク質を分泌することができる多くの適切な宿主細胞株が開発されており、これには、CHO細胞、様々なCOS細胞株HeLa細胞L細胞、ヒト胎児腎臓細胞及び骨髄腫細胞株が含まれる。この細胞は、非ヒト細胞であってもよい。これらの細胞に対して使用する発現ベクターは、複製起点、プロモーター、エンハンサー(Queen et al., Immunol. Rev. 89:49 (1986))、並びに、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位ポリアデニル化部位、及び転写終結配列等の必要な処理情報部位といった発現制御配列を含み得る。発現制御配列には、内因性遺伝子サイトメガロウイルスSV40アデノウイルス、及びウシパピローマウイルス等に由来するプロモーターを含むことができる。Co et al., J. Immunol. 148:1149 (1992)を参照。

0138

あるいは、抗体コード配列は、トランスジェニック動物ゲノムへの導入と、その後のトランスジェニック動物のミルク中への発現のための導入遺伝子に組み込むことができる(例えば、U.S. Pat. No. 5,741,957, U.S. Pat. No. 5,304,489, U.S. Pat. No. 5,849,992を参照)。適切な導入遺伝子には、乳腺特異的遺伝子(例えばカゼイン又はベータラクトグロブリン)由来のプロモーター及びエンハンサーと実施可能な状態で連結した軽鎖及び/又は重鎖のためのコード配列が含まれる。

0139

関心のあるDNAセグメントを含むベクターは、細胞寄主のタイプに応じた方法によって寄主細胞へ移すことができる。例えば、塩化カルシウムトランスフェクションは、原核細胞に一般に利用されているが、リン酸カルシウム処理、エレクトロポレーションリポフェクション遺伝子銃(biolistic)又はウイルスに基づくトランスフェクションを他の細胞寄主に用いることができる。哺乳動物細胞を形質転換するために用いる他の方法には、ポリブレンプロトプラスト融合法リポソーム、エレクトロポレーション及びマイクロインジェクションの使用が含まれる。トランスジェニック動物の作製ために、導入遺伝子を、受精した卵母細胞微量注入することができる、又は、胚性幹細胞のゲノムに組み込むことができ、そして、かかる細胞の核を、摘出した卵母細胞に移すことができる。

0140

抗体の重鎖及び軽鎖をコードするベクターを細胞培養に導入した後、細胞プールを、無血清培地における成育産生性及び産生物品質に関してスクリーニングできる。続いて、産生性の最も高い細胞プールをFACS単一細胞クローニングに供することによって、モノクローナル株を生成できる。培養物1Lあたり7.5gを超える産生力価に相当する、細胞当たり1日50pg又は100pgを超える特定の生産性を用いることができる。単一細胞クローンにより産生された抗体を、濁度、ろ過特性、PAGE、IEF、UVスキャン、HP-SEC、糖-オリゴ糖マッピング質量分析、及びELISA又はビアコア等の結合アッセイにより試験できる。クローンを選抜し、複数のバイアルに入れて保存したり、後に使用するために凍結保存したりすることができる。

0141

発現後、プロテインA捕獲HPLC精製、カラムクロマトグラフィーゲル電気泳動等を含む当該技術の標準な手順に従って抗体を精製することができる(概要は、Scopes, Protein Purification(Springer-Verlag, NY, 1982)を参照)。

0142

抗体を商業生産する方法には、コドン最適化、プロモーター、転写要素、及びターミネーターの選択、無血清単一細胞クローニング、細胞バンク、コピー数増幅を目的とした選択マーカーの使用、CHOターミネーター、無血清単一細胞クローニング、タンパク質力価の向上を含む方法を用いることができる(例えば、US 5,786,464, US 6,114,148, US 6,063,598, US 7,569,339, W02004/050884, W02008/012142, W02008/012142, W02005/019442, W02008/107388, and W02009/027471及びUS 5,888,809を参照)。

0143

G. 抗体スクリーニングアッセイ
抗体は、結合アッセイ、機能的なスクリーニング、α-シヌクレイン沈着物と関連する疾患の動物モデルにおけるスクリーニング及び臨床試験を含む、いくつかのスクリーニングの対象とすることができる。結合アッセイは、α-シヌクレイン(又は、その断片(例えばアミノ酸残基118-126))に対する、特異的結合、及び、任意に親和性及びエピトープ特異性を試験する。かかるスクリーニングは、時には、例示的な抗体(例えば5C1)と競争して実行される。任意に、抗体又はα-シヌクレイン標的をかかるアッセイにおいて固定する。機能的なアッセイは、α-シヌクレインを自然に発現している細胞又はDNAをエンコードしているα-シヌクレイン若しくはその断片をトランスフェクションした細胞を含む細胞モデルにおいて実行することができる。好適な細胞には、神経細胞が含まれる。細胞は、(例えば、細胞抽出物又は上清ウェスタンブロット法又は免疫沈降法による)α-シヌクレインレベルの低下、(例えば、免疫組織化学的及び/又は共焦点方法による)凝集α-シヌクレインのレベル低下及び/又はα-シヌクレインに起因する毒性の低下に関して、スクリーニングすることができる。

0144

動物モデルのスクリーニングは、α-シヌクレイン沈着物に関連するヒト疾患(例えばレビー小体病)を模した動物モデルにおける兆候又は症状を治療的に又は予防的に治療する抗体の能力を試験する。モニターすることができる適切な兆候又は症状には、運動バランス、共調運動及び認知欠損が含まれる。障害の程度は、適切なコントロール(例えば、コントロール抗体(例えば、コントロール抗体にマッチするアイソタイプ)、プラセボ又は未処理のコントロール動物における運動バランス、共調運動又は認知欠損症)と比較することによって決定することができる。レビー小体病のトランスジェニック動物モデル又は他の動物モデルは、ヒトα-シヌクレイン導入遺伝子を発現することができる。動物モデルにおける試験を容易にするために、動物モデルに適切な定常領域を有する抗体を用いることができる。対応するマウス抗体又はキメラ抗体が適切な動物モデルにおいて効果的である場合は抗体のヒト化バージョンが効果的であり、ヒト化抗体は類似の結合親和性(例えば、実験誤差範囲内で1.5、2又は3倍)を有すると結論付けることができる。

0145

臨床試験は、安全性及び有効性に関して、α-シヌクレイン沈着に関連する病域を患っているヒトについて試験する。

0146

H.核酸
本発明はまた、上述した重鎖及び軽鎖のいずれかをコードする核酸も提供する。一般的に、上記核酸は、上記成熟重鎖及び軽鎖に融合したシグナルペプチドもコードする。適切な例のシグナルペプチドには、(配列番号: 5のヌクレオチド1-57によってエンコードされている)配列番号: 6のアミノ酸残基1-19及び(配列番号: 7のヌクレオチド1-57によってエンコードされている)配列番号: 8のアミノ酸残基1-19が含まれる。核酸のコード配列を調節配列と操作可能に連結することにより、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、及び転写終結シグナル等のコード配列を確実に発現させることができる。重鎖及び軽鎖をコードする核酸は、単離された形態である可能性もあり、又は1つ以上のベクターにクローニングすることも可能である。核酸は、例えば固相合成又は重複するオリゴヌクレオチドのPCRによって合成できる。重鎖及び軽鎖をコードする核酸は、一続きの核酸として例えば発現ベクター内において連結させることもできるし、分離して、例えば発現ベクターにクローニングすることもできる。

0147

V.治療用途
本発明は、レビー小体病に罹患した又はレビー小体病のリスクのある患者においてレビー小体病を治療又は予防するいくつかの方法を提供する。治療を適用できる患者には、LBD疾患のリスクがあるが無症状である個体のほか、症状のある患者、又はシヌクレイノパチー初期兆候、例えば、EEG低速化、神経精神的兆候(鬱、認知症、幻覚、不安、無関心快感消失)、自律神経系の変化(起立性低血圧膀胱障害、便秘、便失禁流涎、嚥下障害、性機能障害脳血流の変化)、感覚の変化(嗅覚痛覚色識別における感覚異常)、睡眠障害(レム睡眠行動障害(RBD)、レストレスレッグス症候群/周期性四肢運動、睡眠過剰不眠)、並びに種々の他の兆候及び症状(疲労、複視視朦脂漏体重減少/増加)のある患者が含まれる。従って、本方法は、LBDの遺伝的リスクが既知である個体に対し予防的に施すことができる。上記個体には、血縁者にこの疾患の罹患歴を持つ者がいる個体、及び遺伝的又は生化学的マーカー解析によりリスクが確認された個体が含まれる。PDのリスクに対する遺伝的マーカーには、α-シヌクレイン遺伝子、又はパーキン、UCHLI、及びCYP2D6遺伝子における突然変異、特にα-シヌクレイン遺伝子の位置30及び53における突然変異が含まれる。パーキンソン病罹患個体は、安静振戦筋硬直、運動緩慢、及び姿勢不安定を含む臨床症状から確認できる。

0148

無症状の患者に対しては、任意の年齢(例えば、10、20、30)から治療を開始できる。しかし、通常、患者が40、50、60、又は70歳に達するまでは治療を開始する必要はない。治療は通常、一定期間にわたる複数の投薬を必要とする。治療の監視は、抗体をアッセイすることにより、又は治療剤(例えば、切断型α-シヌクレインペプチド)に対する活性化T細胞若しくはB細胞の反応を長期間アッセイすることにより可能となる。反応が低下した場合には、ブースター投与が指示される。

0149

本発明は、患者における有益な治療反応(例えば、神経突起及び/又は軸索アルファシヌクレイン凝集体の減少、神経炎性ジストロフィーの低減、認知機能の向上及び/又は認知機能低下の反転、治療又は阻害)が生じる条件下での抗体組成物の投与による、患者におけるレビー小体病の治療又は効果的な予防法を提供する。ある方法において、新皮質及び/又は大脳基底核ニューロパイルにおける神経炎性ジストロフィーの領域を、コントロールと比較して、10%、20%、30%、40%又はそれより大きく低減することができる。

0150

認知障害、認知機能の進行性の低下、脳形態の変化、及び脳血管機能の変化は、レビー小体病に罹患した又はレビー小体病のリスクがある患者において一般的に観察される。本発明は、かかる患者における認知機能の低下を阻害する方法を提供する。

0151

本発明はまた、シナプス密度及び/又は樹状突起の密度を保持又は増加させる方法も提供する。シナプス又は樹状突起密度の変化の指標は、シナプス形成に対するマーカー(シナプトフィジン)及び/又は樹状突起に対するマーカー(MAP2)によって測定できる。上記方法の中には、シナプス又は樹状突起の密度を健康な対象におけるシナプス又は樹状突起の密度の程度まで回復可能な方法も含まれる。ある方法において、患者におけシナプス又は樹状突起の密度のレベルは、コントロールと比較して、5%、10%、15%、20%、25%、30%又はそれよりも大きく高めることができる。

0152

VI.医薬組成物及び治療の方法
予防的適用において、抗体又はこの医薬組成物は、疾患に罹患し易い又は疾患のリスクがある患者に対し、リスクの低減、重症度の軽減、又は疾患の少なくとも1つの兆候若しくは症状の発症の遅延に有効な投与計画(用量、投与頻度、及び投与経路)により投与される。上記予防的適用の中には、α-シヌクレイン及び切断断片の脳における蓄積の阻害又は遅延、及び/又は有毒作用の阻害又は遅延、及び/又は行動欠陥の進行の阻害又は遅延に有効な投与計画によるものものも含まれる。治療的適用において、抗体は、レビー小体病の疑いのある又はレビー小体病に既に罹患している患者に、疾患の少なくとも1つの兆候又は症状を改良又は少なくともその進行を阻害するのに有効な投与計画(用量、投与頻度、及び投与経路)により投与される。上記治療的適用の中には、α-シヌクレイン及び切断断片、そしてこれに伴う毒性及び/又は行動欠陥の程度を低減又は少なくともその増大を阻害するのに有効な投与計画によるものも含まれる。

0153

投与計画は、治療を受けた個々の患者が、本発明の方法で治療されない同等の患者からなる対照群における平均的な転帰よりも有利な転帰を達成する場合に、又は比較臨床試験(例えば、第II相、第II/III相、又は第III相試験)において、被治療患者対対照患者に、p<0.05、0.01、又はさらに0.001といった有利な転帰が現われる場合に、治療上又は予防上有効であると認められる。

0154

効用量は、投与の方法、対象部位、レビー小体病の種類を含む患者の生理状態、患者がApoE保有者であるか、患者がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬物、及び治療が予防目的であるか治療目的であるかを含む多くの要因に依存して異なる。

0155

抗体投与量の範囲の一例は、患者体重に対し約0.01〜5mg/kg、より一般的には0.1〜3mg/kg、0.15〜2mg/kg、又は0.15〜1.5mg/kgである。抗体は、上記用量で、1日1回、隔日1回、週1回、隔週1回、月1回、年4回、又は経験に基づく分析により決定される他の任意のスケジュールに従って投与できる。治療の一例においては、例えば少なくとも6か月といった長期間にわたり複数回数による投与が必要とされる。治療計画の別の例においては、2週に1回、1か月に1回、又は3〜6か月に1回の投与が必要とされる。

0156

抗体は、末梢経路(即ち、投与された又は誘導された抗体が、血液脳関門を横切って脳内の意図する部位に到達する経路)による投与が可能である。投与経路には、局所静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、くも膜下腔内腹腔内、鼻腔内、又は筋肉内経路が含まれる。上記抗体投与経路の中には、静脈内且つ皮下による経路も含まれる。この種の注射は、腕又は脚の筋肉になされる場合が最も多い。ある方法において、沈着物が蓄積している特定組織に抗体が直接注射される方法、例えば頭蓋内注射も含まれる。

0157

非経口投与用の医薬組成物は、無菌で実質的に等張であり、GMP条件下で製造できる。医薬組成物は、単位用量形態(即ち、単回投与用の投薬量)で提供できる。医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体、希釈剤賦形剤、又は助剤を使用して製剤化できる。配合は選択される投与経路に依存する。注射用途において、抗体は、水溶液で、好ましくは(注射部位不快感軽減の目的で)ハンクス液リンゲル液生理食塩水、又は酢酸緩衝液等の生理学的に適合する緩衝液中に製剤化できる。上記溶液は、懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤等の製剤化剤を含有できる。あるいは、抗体を凍結乾燥させ、使用前に、発熱性物質を含まない滅菌水等の好適なビヒクルで構成することもできる。

0158

本投与計画は、治療する疾患の治療又は予防に有効な他の薬剤と組み合わせての投与に使用できる。例えば、パーキンソン病の場合、WO/2008/103472号に記載のα-シヌクレインに対する免疫療法レボドパドーパミン作動薬、COMT阻害剤MAO-B阻害剤、アマンタジン、又は抗コリン剤を、本投与計画と組み合わせて使用できる。

0159

VII. 他の用途
上述の抗体は、臨床診断若しくは治療、又は研究において、α-シヌクレインの検出を目的として使用できる。上記抗体はまた、α-シヌクレインを有する細胞と、多様な刺激に対するそれらの応答とを検出する際の研究室用の研究試薬として販売できる。こうした使用においては、モノクローナル抗体を蛍光分子スピンラベル分子、酵素、又は放射性同位元素で標識することができ、また、α-シヌクレインのアッセイの実施に必要な全ての試薬を備えたキットの形態で提供できる。上記抗体を、α-シヌクレインを例えばアフィニティクロマトグラフィーにより精製する目的で使用することもできる。

0160

上記抗体は、患者におけるLBの検出に使用できる。こうした方法は、PD、脳にLBが存在することに関連する他の疾患、又はその罹患し易さを診断するため、又はその診断を確認するために有用である。例えば、上記方法は、認知症の症状を呈している患者に対して使用できる。上記患者がLBに罹患している場合、その患者はパーキンソン病等のレビー小体病にも罹患している可能性がある。上記方法はまた、無症状の患者にも使用できる。レビー小体の存在又はそれ以外のα-シヌクレインの異常沈着は、症状性疾患に将来罹患し易いことを示す。上記方法はまた、以前にレビー小体病と診断された患者において、疾患の進行及び/又は治療に対する応答を監視するためにも有用である。

0161

上記方法は、抗体を投与し、次いで、抗体の結合後に抗体を検出することによって実施できる。必要であれば、全長定常領域が欠失している抗体断片、例えばFabを使用することによって、消失反応を回避できる。上記方法の中には、1つの抗体が治療薬及び診断試薬の双方として機能する方法も含まれる。

0162

診断(例えば、生体内造影)を目的として、上記抗体を、静脈注射により患者の身体に、又は頭蓋内注射若しくは頭蓋への貫通孔形成により直接脳に投与できる。試薬の用量は、治療方法における用量と同じ範囲とすべきである。上記抗体は標識するのが通常であるが、上記方法の中には、上記抗体を標識せず、上記抗体に結合する二次標識剤を使用する方法も含まれる。標識の選択は、検出手段に依存する。例えば、光学的検出には蛍光標識が好適である。外科的介入を伴わない断層検出には、常磁性標識の使用が好適である。放射性標識をPET又はSPECTを使用して検出することも可能である。

0163

診断は、標識位置の数、大きさ、及び/又は強度を各基準値と比較することにより行う。上記基準値は、罹患していない個体群における値の平均を表すものであり得る。基準値は、同じ患者について以前に測定した値とすることもできる。例えば、基準値を治療開始前の患者について測定でき、以降の測定値を上記基準値と比較できる。基準に対して値が減少した場合、治療に対する陽性応答が示唆される。

0164

上記抗体を使用して、抗イディオタイプ抗体を産生できる(例えば、Greenspan&Bona,FASEB J.7(5):437-444,1989、及びNissinoff, J.Immunol.147:2429-2438,1991参照)。この抗イディオタイプ抗体は、薬物動態研究、薬力学研究、生体内分布研究、さらにはその抗体で治療した個体における臨床ヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答の研究に利用できる。例えば、抗イディオタイプ抗体は、ヒト化5C1抗体の可変領域に特異的に結合するため、薬物動態研究においてヒト化5C1抗体の検出に使用可能であり、治療を受けた個体におけるヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答を定量化するのに役立つ。

0165

VIII.キット
また、α-シヌクレイン-特異抗体及び取扱説明書を含むキットが提供される。例えば、かかるキットは、上述の診断法を実行するために用いることができる。キットは、ラベルを含むこともできる。キットには、一般的には、キットを使用するための指示を提供する表示が含まれる。表示には、測定した標識のレベルとα-シヌクレインに対する抗体のレベルとを関連づけたチャート又は他の養生文書を含めてもよい。用語"表示"は、一般に、付属される任意の書込素材又は記録素材を指すか、又は、そうでなければその製造、輸送、販売又は使用の間いつでもキットに貼り付いており、そうでなければキットに伴っている、記載又は記録資料である。例えば、用語"表示"には、キットに直接プリントされた文書だけでなく、広告リーフレット及びパンフレット包装資料、指示、オーディオ又はビデオカセット(コンピュータディスク)が含まれる。

0166

また、インビボ画像診断を実行するための診断キットが提供される。かかるキットは、一般的には、本願明細書において記載されているα-シヌクレインのエピトープに結合する抗体を含む。抗体は、標識を付けることができる、又は、二次標識試薬がキットに含まれる。キットは、インビボ画像診断アッセイを実行するための指示を含むことができる。

0167

上記又は下記で引用する全ての特許出願、ウェブサイト、他の出版物、及びアクセッション番号等は、その各々を引用によって本明細書に組み込むことが具体的に個別に示されているかのごとく、その内容全体をあらゆる目的において引用によって本明細書に組み込む。ある配列について、その配列の別のバージョンが異なる時点におけるアクセッション番号に関連付けられている場合、意図されるのは、本出願の有効出願日におけるアクセッション番号に関連付けられたバージョンの配列である。有効出願日は、実際の出願日と、アクセッション番号に言及する優先出願がある場合はその出願日とのうち、早い方が意図される。同様に、出版物又はウェブサイト等の異なるバージョンが異なる時点で公開されている場合、特に記載がなければ、本出願の有効出願日の時点において最も新しいバージョンの公開物が意図される。本発明のあらゆる特徴、ステップ、要素、実施形態、又は態様は、特に記載がなければ、他のいずれとも組み合わせて使用可能である。本発明を、明瞭化及び理解を促すことを目的として例証及び例示を用いてある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内である程度の変更及び改変を実施してもよいことは明らかであろう。

0168

実施例1:マウス5C1の単離
マウス5C1抗体は、ヒツジ抗マウス抗体に連結したペプチド免疫原VDPDNEAYEGGC(配列番号: 14)を含むペプチド複合体を導入されたマウスにおいて生成した。上記ペプチは、C末端GGCペプチドに融合したα-シヌクレインの残基118-126を含み、C末端システイン残基に結合したマレイミドリンカーを介してヒツジ抗マウス抗体に連結させた。

0169

実施例2: α-シヌクレイン抗体を用いた受動免疫化
レビー小体病に関する動物モデルに対するα-シヌクレイン抗体の効果を試験するために、様々なα-シヌクレイン抗体を用いて受動的にマウスを免疫化した。3-4ヵ月齢の野生型、α-シヌクレインノックアウト及びα-シヌクレイントランスジェニック雌(株61)マウスを用いた(n=14/群)。試験した抗体には、
9E4(IgG1、エピトープ:α-シヌクレインのアミノ酸118-126);
5C1(IgG1、免疫原:α-シヌクレインのアミノ酸118-126、システイン-リンカー);
5D12( IgG2、免疫原:α-シヌクレインのアミノ酸118-126、n-リンカー);
1H7(IgG1、エピトープ:α-シヌクレインのアミノ酸91-99);そして、
27-1(IgG1コントロール抗体)が含まれていた。

0170

10mg/kgの抗体用量を計21回、5ヵ月間に渡ってマウスに導入した。加えて、動物に、海馬へのヒトα-シヌクレイン(wt)の片側導入によってヒトα-シヌクレイン(wt)を発現するレンチウイルス(LV)を導入した。

0171

リードアウト抗体には、ケミコン(エピトープ:全長α-シヌクレイン)、ミリポア(エピトープ:全長α-シヌクレイン)及びELADW105(エピトープ:α-シヌクレインのアミノ酸121-124、好ましくは切り詰めたα-シヌクレイン(残基122-124))からのα-シヌクレイン抗体が含まれていた。

0172

エンドポイント:抗体価は、実験の終了前に調べた。モリス水迷路(MWM)及び水平円形ビーム試験を使用して挙動を評価した。様々な直径の2つのビームを用いて、円形ビーム試験により運動バランス、共調運動及び歩行を評価する。ビームA(トレーニングビーム)は、直径がより大きいため、横断するのがより容易である。ビームD(試験ビーム)は、直径がより小さいため、横断するのがより困難である。水迷路を、複数週に渡って10回行い、終了直前にも行った。実験の終了の際に、マウスを屠殺して、α-シヌクレイン凝集、シナプトフィジン及びMAP2に関する神経病理学測定値を取得した。加えて、α-シヌクレイン、PSD95及びシナプトフィジンに関する生化学的測定値を取得した。選択した複数標識及び共焦点標識を、シナプス、ニューロン及び神経膠マーカーを用いて行った。

0173

結果:5D12を除く全ての抗体が、MWM処理でのポジティブな結果と同様に、α-シヌクレイン蓄積を有意に減少させ、シナプス及び樹状突起の密度を保つ結果が示された。9E4抗体は、行動アッセイと同様に、インビトロ及びインビボ試験において効果的だった。特に、この結果は、α-シヌクレイン抗体が神経炎性/軸索のα-シヌクレイン凝集体を減らすことができることを示している。

0174

行動結果:5C1及び9E4抗体は、α-シヌクレイントランスジェニックマウスにおける水迷路の成績を向上させ、1H7は程度がより小さかった。図3を参照。対照的に、5D12抗体は、α-シヌクレイントランスジェニックマウスにおける水迷路の成績を向上させなかった。水平円形ビーム試験に関して、9E4及び1H7抗体は、速さとエラー数の両方によって測定した成績を向上させたが、5D12及び5C1抗体はそうではなかった。図4を参照。図4のデータは、スリップ/10cmの数(即ち、「エラー」)と、走行距離をその距離を走行するのに要した時間で割った割合(即ち、10cm/秒を単位にして測定した「速さ」)として表している。

0175

神経病理学的結果:5C1、9E4及び1H7抗体は、ELADW-105ポジティブ神経突起ジストロフィーを低減させたが、5D12抗体はそうではなかった。α-シヌクレイントランスジェニックマウスにおいて、9E4抗体は、コントロールマウス(即ち、27-1IgG1コントロール抗体を受けたマウス)と比較すると、ニューロパイルの領域を、新皮質において43%、そして、大脳基底核において40%低下させた。9E4抗体も、新皮質及び大脳基底核においてシナプトフィジン及びMAP2に関する染色を保持した。

0176

実施例3: 5C1の可変ドメインの配列決定
mRNAは、QIAGEN(登録商標) OLIGOTEX(登録商標) mRNAキットを使用して、5C1ハイブリドーマ細胞ペレットから抽出して、精製した。次に、精製されたmRNAは、オリゴdTアンチセンスプライマー及びINVITROGEN(登録商標) SUPERSCRIPT(登録商標) IIキットを用いてcDNAに転写した。5C1重鎖及び軽鎖可変領域をコードしている塩基配列を、変性VH及びVLセンスプライマー並びに遺伝子特異的(CH/CL)アンチセンスプライマーを用いてPCRによってcDNAから増幅させた。シグナルペプチド配列、可変ドメイン及び定常ドメイン(アンチセンスプライマーまで)を含むように設計されたPCR産物を、ゲル精製して、平滑末端ベクター又はTAベクターにクローニングし、そして、配列を決定した。配列は、メチオニンからスタートして可変領域を通って定常領域に延在するオープンリーディングフレームを有する少なくとも3つの独立したクローンの分析から導いた。

0177

5C1重鎖可変領域をエンコードしている核酸は、配列番号:5の配列を有する。位置1-19(下線部)のシグナルペプチドを含む、対応するタンパク質配列(図1)は、以下の通りである:
MERHWIFLFLLSVTGGVHSQVQLQQSGAELAKPGTSVQMSCKASGYTFTNYWMNWIKARPGQGLEWIGATNPNNGYTDYNQRFKDKAILTADKSSNTAYMHLSSLTSEDSAVYFCASGGHLAYWGQGTVVTVSA (配列番号: 6)

0178

5C1軽鎖可変領域をエンコードしている核酸は、配列番号:7の配列を有する。位置1-19(下線部)のシグナルペプチドを含む、対応するタンパク質配列(図2)は、以下の通りである:
MKLPVRLLVLMFWIPASSSDVVMTQIPLYLSVSPGDQASISCRSSQSLFHSKGNTYLHWYLQKPGQSPKLLINRVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISGVEAEDLGVYFCSQSAHVPWTFGGGTKLEIR (配列番号: 8)

0179

成熟5C1重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号: 9)は、表1(下記)に示しており、成熟5C1軽鎖可変領域の対応するアミノ酸配列(配列番号: 24)は、表2(下記)に示している。カバット番号付けを全体にわたって使用している。

0180

実施例4:マウス5C1のヒト化
3H6 Vh領域のCDRの分析から、5残基CDR-H1(配列番号: 10)、17残基CDR-H2(配列番号: 11)及び6残基CDR-H3(配列番号: 12)が明らかになる。3H6 Vk領域のCDRの同様の分析から、16残基CDR-L1(配列番号: 25)、7残基CDR-L2(配列番号: 26)及び9残基CDR-L3(配列番号: 27)が明らかになる。

0181

5C1 VkとVh領域間のインターフェースにおける残基の分析から、大部分の残基が通常見られるものであることが明らかになる。

0182

NCBIからの非冗長タンパク質配列データベース検索によって、5C1マウスCDRを移植する適切なヒトフレームワークを選択することができた。Vkに関して、NCBIアクセッションコードCAB51293.1(GI:5578786;配列番号: 28)を有するヒトカッパ軽鎖を選択した。Vhに関して、ヒトIg重鎖AAY42876.1(GI:66096557;配列番号: 13)を選択した。

0183

選択されたヒトフレームワークに基づく復帰変異を有する例示的なヒト化Vh及びVk設計は、それぞれ、表1及び表2に示している。

0184

例示的なヒト化Vh設計
5C1 Vh領域の5つの異なるヒト化バージョン(H1、H2、H3、H4及びH5)を設計した。復帰変異の選択において、残基H11、H27、H30、H48、H67、H69、H73、H91及びH94を最終的に対象とした。ヒト化Vh領域設計の各々において、残基H11、H27、H30、H48及びH73を、それぞれ、L、Y、T、I及びKに復帰変異させた。理由は、上記残基がコチア定義によるCDR-H1の一部(H27及びH30)を形成していた、又は、ヒトフレームワーク配列における対応する残基が低頻度残基(位置H11のV、位置H48のM及び位置H73のE)であったためである。バージョンH1(配列番号: 14)に関して、追加の残基H67及びH69を(それぞれA及びLに)復帰変異させて、CDRパッキングを保存した。バージョンH2(配列番号: 15)において、更なる復帰変異を導入しなかった(即ち、バージョンH1における位置H67及びH69の復帰変異は除去した)。バージョンH3(配列番号: 16)において、追加の残基H67、H69、H91及びH94を(それぞれ、A、L、F及びSに)復帰変異させた。H67、H69及びH94の復帰変異は、CDRパッキングを保存する一方で、H91(Vh/Vkインターフェース残基)は、インターフェースに対する影響を試験するために復帰変異させた。バージョンH4(配列番号: 17)において、追加の残基H67、H69及びH94を(それぞれ、A、L及びSに)復帰変異させた。従って、バージョンH4は、H91における復帰変異を除去した点でH3と異なる。バージョンH5(配列番号: 18)において、追加の残基H94も(Sに)復帰変異させてCDRパッキングを保存させた。

0185

ヒト化5C1 H1、H2、H3、H4及びH5をエンコードしている例示的な塩基配列を、それぞれ、配列番号: 19、20、21、22及び23として提供する。

0186

例示的なヒト化Vk設計
5C1 Vk領域の4つの異なるヒト化バージョン(L1、L2、L3及びL4)を設計した。復帰変異の選択において、残基L2、L12、L14、L45、L49及びL87を最終的に対象にした。ヒト化Vk領域設計の各々において、残基L12及びL14は、Sに復帰変異させた。理由は、ヒトフレームワーク配列における対応する残基(それぞれ、P及びT)が低頻度残基であるためである。バージョンL1(配列番号: 29)に関して、追加の残基L2、L45、L49及びL87を(それぞれ、V、K、N及びFに)復帰変異させた。L2は、カノニカル/CDR相互作用残基である。L45は、マウスからヒトフレームワーク配列への極性/電荷スイッチ(KからQ)を受けることで、フォールディングに影響を与える。L49は、バーニア残基である。そして、L87は、Vh/Vkインターフェース残基である。バージョンL2(配列番号: 30)において、追加の残基L45をKに復帰変異させた。従って、L1と比較して、残基L2、L49及びL87における復帰変異が除去されている。バージョンL3(配列番号: 31)において、追加の残基L2、L49及びL87を(それぞれ、V、N及びFに)復帰変異させた。従って、L1と比較して、残基L45の復帰変異が除去されている。バージョンL4(配列番号: 32)において、更に残基を復帰変異させなかった(即ち、残基L12及びL14だけを復帰変異させた)。

0187

ヒト化5C1 L1、L2、L3及びL4をエンコードしている例示的な塩基配列は、それぞれ、配列番号: 33、34、35及び36として提供される。

0188

実施例5:アルファ-シヌクレインに対するヒト化5C1抗体の親和性
α-シヌクレインに対する5C1ヒト化重鎖及びヒト化軽鎖タンパク質の様々な組合せの親和性は、ELISAによって分析した。図5に示すように、ヒト化5C1抗体のH1L1バージョンは、アッセイ条件下で、α-シヌクレインに対する親和性を示さなかった。対照的に、キメラ5C1抗体は、ネズミ5C1抗体よりも、α-シヌクレインに対する親和性が高かった。ヒト化バージョンH3L4、H4L3とキメラH + L3は、キメラ5C1抗体とほぼ同様に機能した。加えて、ヒト化バージョンH3L3及びH3L1は、H3L4、H4L3及びキメラH + L3よりもわずかに低い親和性であったが、同様に機能した。

0189

また、様々なヒト化5C1抗体バージョンをビアコアによって分析して、結合親和性をより正確に決定した。抗ヒトIgGCM5ビアコアチップは、GE Healthcareが提供するプロトコールに従って作製した。各ヒト化5C1抗体バージョンを、式:Rmax =(捕捉された抗体のRU) *(シヌクレインのMW)/(捕捉された抗体のMW) * 2を用いて、Rmaxが50を超えないレベルに独立して捕捉させた。分母の掛ける2は、抗体上の結合サイトの数に関する。アルファシヌクレインを、予想されるKDより上の〜10Xから予想されるKDよりも下の〜10Xまで濃度を変化させて、チョップ上に流した。データを回収して、二重リファレンスを減算し、ドリフト及び少量の非特異的結合を除いた。データは、1:1のモデル及びグローバルな適合を用いたビアコア評価用ソフトを使用して分析された。

0190

ビアコア分析の結果を表3(下記)にまとめている。データから、アルファシヌクレインに対する親和性の消失の大部分が、いくつかの抗体バージョンにおけるオフフレートの増加に起因することが示されている。親和性データに基づいて、H4L3を、好ましい抗体として同定した。

0191

実施例6:アラニンスキャニング変異導入
抗体5C1、9E4及び5D12が結合するエピトープは、重複するペプチドに結合する抗体によって、アルファシヌクレインの残基118-126内にほぼマップされた。この実施例では、アラニンスキャニング変異導入による、アルファシヌクレインの位置118と126との間の各残基のより厳密なマッピングを記載している。アラニンを用いた理由は、そのメチル官能基が、嵩高くなく、化学的に不活性であり、しかも、他のアミノ酸の多数が有する好ましい二次構造模倣するためである。図6、7及び8の上方部は、それぞれ、抗体9E4、5C1及び5D12を用いて染色したウェスタンブロットの結果を示している。上記ブロットは、全長アルファシヌクレインと、残基118-126のアラニンスキャニング変異導入によって作られたアルファシヌクレインの点変異体と、を含み、0.5mg/mlの抗体を用いて染色した。位置122及び125の変異は、9E4の結合性を実質的に消すことになるが、他の位置の変異は、ほとんど影響がない。従って、9E4は、主に残基122及び125と接触する。位置120-122の変異は、5C1の結合性を実質的に消すことになり、位置123及び124の変異は、結合性を実質的に低下させるが消すことはない。従って、5C1は、主に残基120-122と接触し、程度は低いが、残基123-124と接触する。位置120-122の変異は、5D12の結合性を実質的に消すことはなく、位置118、119、123及び124の変異は、結合性を実質的に低下させるが消すことはなかった。従って、5D12は、主に位置120-122に結合し、程度は低いが、位置118、119、123及び124に結合する。図6-8の各々において、1H7抗体をコントロールとして用いている。1H7は、アルファシヌクレインの残基91-98に結合することから、残基118-126における変異の存在に関係なく、アルファシヌクレインに結合すると思われる。

0192

5C1及び5D12と比較して、9E4の種々の結合特異性は、それらのそれぞれの生成方法が部分的に反映しているのかもしれない。9E4は、全長アルファシヌクレインを用いて免疫化することによって作製され、結果として高次構造のエピトープに結合する抗体となった。5C1及び5D12は、10アミノ酸のペプチドを用いて免疫化することによって作製され、結果として線形エピトープに結合する抗体となった。

0193

図9は、9E4、5C1及び5D12抗体の結合部位に近接するアルファシヌクレインのアミノ酸の球棒モデルである。9E4が結合するエピトープの2つの不連続残基(残基122及び125)は、全長アルファシヌクレインタンパク質の高次構造にポケットを形成する。

実施例

0194

添付の特許請求の範囲の精神又は範囲を逸脱することなく、多くの変更及び修飾を行なうことができる。もし文脈から明らかでなければ、任意のステップ、特徴、実施形態又は態様を任意の他のものと組み合わせて用いることができる。本願明細書に記述した全ての刊行物、特許出願、ウェブサイト、アクセッション番号等は、それぞれ、個々の刊行物又は特許出願が引用によって組込まれることを具体的に個別示しているかのごとく、それらの全部を引用によって本願明細書に組み込まれている。種々のバージョンの引用が存在する場合は、願書の有効出願日が最新のバージョンを意味する。

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