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技術 クローディンを発現するガン疾患を処置するための剤

出願人 バイオエヌテックアーゲーガニメドファーマシューティカルズゲーエムベーハートロン−トランスラショナルオンコロジーアンデアウニヴェリジテーツメディツィンデアヨハネスグーテンベルク−ウニヴェルシテートマインツゲマインニューツィゲゲーエムベーハー
発明者 サヒン,ウグルテューレヒ,エズレムシュタドラー,クリスティアーネホラント,ユリアベーア−マハムッド,ハヤツバイセルト,ティムプリューム,ラウラルギャル,ファブリスイエンドレツキ,アルネフィードラー,マルクス
出願日 2013年11月12日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2015-542186
公開日 2016年1月7日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-500059
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 負荷体 番号表記 間隔長 校正済み 溶解割合 バックグラウンドサンプル 光子放射線 放射性線源
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この項目の情報は公開日時点(2016年1月7日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、T細胞に結合することを可能にするCD3に対して特異的である結合ドメインと、腫瘍に伴うクローディン分子に対して特異的である結合ドメインとを含有する結合剤、および、該結合剤または該結合剤をコードする核酸を、ガン処置するために使用する方法を提供する。

概要

背景

クローディン18(CLDN18)分子は、4つの膜貫通する疎水性領域および2つの細胞外ループ(疎水性領域1および疎水性領域2によって囲まれるループ1;疎水性領域3および疎水性領域4によって囲まれるループ2)を有する内在性膜貫通タンパク質テトラスパニン)である。CLDN18には、2つの異なるスプライス変化体が存在し、これらがマウスおよびヒトにおいて記載されている(Niimi、Mol.Cell.Biol.、21:7380〜90、2001)。これらのスプライス変化体(Genbankアクセション番号:スプライス変化体1(CLDN18.1):NP_057453、NM_016369、および、スプライス変化体2(CLDN18.2):NM_001002026、NP_001002026)は分子量がおよそ27,9kD/27,72kDである。スプライス変化体のCLDN18.1およびCLDN18.2は、最初の膜貫通(TM)領域およびループ1を含むN末端部分が異なり、これに対して、C末端の一次タンパク質配列は同一である。

正常な組織では、CLDN18.2の検出可能な発現は、CLDN18.2が短寿命分化した胃上皮細胞の表面にもっぱら発現されるを除いて全く認められない。CLDN18.2は、悪性形質転換過程において維持されており、したがって、ヒト胃ガン細胞の表面にしばしば呈示される。そのうえ、この汎腫瘍抗原は、食道腺ガン膵臓ガンおよび腺ガンにおいて顕著なレベル異所性活性化される。CLDN18.2タンパク質はまた、胃ガン腺ガンのリンパ節転移物に、また、とりわけ卵巣内への遠位転移物(いわゆるクルケンベルグ腫瘍)に局在化する。

CLDN6は、一連の異なるヒトガン細胞において発現し、一方、正常な組織における発現は胎盤に限定される。

ガン細胞と正常な細胞との間における様々なクローディン(例えば、CLDN18.2およびCLDN6など)の示差的発現、それらの膜局在化、および、毒性と関連した正常な組織の大部分にはそれらが存在しないことにより、これらの分子がガン免疫療法のための魅力的な標的になっており、したがって、クローディンを標的化するための抗体に基づく治療学を使用することにより、高レベル治療特異性が見込まれる。
T細胞の潜在能力をガンの処置のために使用する取り組みには、腫瘍由来のタンパク質、RNAまたはペプチド抗原を用いるワクチン接種、腫瘍由来のエクスビボ拡大されたT細胞の注入(これは養子移入と呼ばれる)、T細胞受容体遺伝子移入、あるいは、二重特異性抗体または三重特異性抗体によるT細胞の直接的関与が含まれる。同様に、T細胞応答の多くの刺激剤が併用で、または単独療法として臨床試験されており、例えば、Toll様受容体のためのリガンド、T細胞上のCTLA−4を阻止する抗体、免疫刺激性サイトカイン、または、ガン細胞の免疫回避に関与する分子(例えば、TGF−ベータまたはB7−H1など)を中和する抗体などが臨床試験されている。T細胞に基づく治療法の集中的な開発が、患者の腫瘍がT細胞によって浸潤されるならば、患者は有意に長く生存するようであるという所見によって動機づけられる。そのうえ、数多くのマウスモデルは、様々な手段によるT細胞の関与により、大きな腫瘍さえも根絶することができることを示しており、いくつかのT細胞治療法が近年では、著しい進歩を、様々なガン適応症を処置することにおいてもたらしている。

概要

本発明は、T細胞に結合することを可能にするCD3に対して特異的である結合ドメインと、腫瘍に伴うクローディン分子に対して特異的である結合ドメインとを含有する結合剤、および、該結合剤または該結合剤をコードする核酸を、ガンを処置するために使用する方法を提供する。

目的

Niimi、Mol.Cell.Biol.、21:7380〜90、2001






ガン疾患の治療法のための新規な剤および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

少なくとも2つの結合ドメインを含み、第1の結合ドメインがクローディン(CLDN)に結合し、かつ、第2の結合ドメインがCD3に結合する結合剤

請求項2

二重特異性分子である請求項1に記載の結合剤。

請求項3

前記二重特異性分子が二重特異性抗体である、請求項2に記載の結合剤。

請求項4

前記二重特異性抗体が二重特異性単鎖抗体である、請求項3に記載の結合剤。

請求項5

前記クローディンがガン細胞において発現される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項6

前記クローディンがガン細胞の表面に発現される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項7

前記クローディンが、クローディン18.2およびクローディン6からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項8

前記第1の結合ドメインが前記クローディンの細胞外ドメインに結合する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項9

前記第2の結合ドメインがCD3のイプシロン鎖に結合する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項10

前記CD3がT細胞の表面に発現される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項11

当該結合剤がT細胞上のCD3に結合することにより、前記T細胞の増殖および/または活性化が引き起こされ、ただし、前記活性化されたT細胞により、細胞傷害性因子(例えば、パーフォリンおよびグランザイム)が好ましくは放出され、かつ、ガン細胞の細胞溶解およびアポトーシスが開始される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項12

クローディンに対する前記結合および/またはCD3に対する前記結合が特異的な結合である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項13

全長型抗体または抗体フラグメント形式である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項14

少なくとも2つの結合ドメインを伴う一組の抗体可変ドメイン(好ましくは4つの抗体可変ドメイン)を含み、ただし、少なくとも1つの結合ドメインがクローディンに結合し、かつ、少なくとも1つの結合ドメインがCD3に結合する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項15

免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH)で、クローディン抗原に対する特異性を有する可変ドメイン(VH(CLDN))、免疫グロブリンの軽鎖の可変ドメイン(VL)で、クローディン抗原に対する特異性を有する可変ドメイン(VL(CLDN))、免疫グロブリンの重鎖の可変ドメイン(VH)で、CD3に対する特異性を有する可変ドメイン(VH(CD3))、および、免疫グロブリンの軽鎖の可変ドメイン(VL)で、CD3に対する特異性を有する可変ドメイン(VL(CD3))を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項16

同じポリペプチド鎖において軽鎖可変ドメインにつながれる重鎖可変ドメインを含むジアボディーの形式であり、その結果、これら2つのドメイン対形成しないようにされる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項17

前記ジアボディーが2つのポリペプチド鎖を含み、ただし、一方のポリペプチドがVH(CLDN)およびVL(CD3)を含み、他方のポリペプチド鎖がVH(CD3)およびVL(CLDN)を含む、請求項16に記載の結合剤。

請求項18

リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子からなる二重特異性単鎖抗体の形式である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項19

前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)が、N末端からC末端に、VH(CLDN)−VL(CLDN)−VH(CD3)−VL(CD3)の順、VH(CD3)−VL(CD3)−VH(CLDN)−VL(CLDN)の順、または、VH(CD3)−VL(CD3)−VL(CLDN)−VH(CLDN)の順で配置される、請求項18に記載の結合剤。

請求項20

前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)が、長いペプチドリンカーを介して、好ましくは、(GGGGS)3またはVE(GGGGS)2GGVDのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを介してつながれる、請求項19に記載の結合剤。

請求項21

前記2つのVH−VL型scFvユニットまたはVL−VH型scFvユニットが、短いペプチドリンカーを介して、好ましくは、SGGGGSまたはGGGGSのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを介してつながれる、請求項19または20に記載の結合剤。

請求項22

前記CLDNがCLDN18.2であり、前記VH(CLDN)が、配列番号8によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)が、配列番号15によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項23

前記CLDNがCLDN6であり、前記VH(CLDN)が、配列番号22によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)が、配列番号23によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項24

前記VH(CD3)が、配列番号36によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CD3)が、配列番号37によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む、請求項15〜23のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項25

前記CLDNがCLDN18.2であり、かつ、当該結合剤が、配列番号38、配列番号39、配列番号40および配列番号41からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含む、請求項1〜22および24のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項26

前記CLDNがCLDN6であり、かつ、当該結合剤が、配列番号42、配列番号43、配列番号44および配列番号45からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含む、請求項1〜21、23および24のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項27

CLDN18.2を発現する前記ガン細胞が、胃ガン食道ガン膵臓ガンガン(例えば、非小細胞肺ガン(NSCLC)など)、乳ガン卵巣ガン結腸ガン、肝ガン、頭頸部ガン、胆嚢のガン、ならびに、それらの転移物、クルケベル腫瘍腹膜転移物および/またはリンパ節転移物からなる群から選択されるガンのガン細胞である、請求項5〜22、24および25のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項28

CLDN6を発現する前記ガン細胞が、膀胱ガン、卵巣ガン(特に、卵巣ガンおよび卵巣奇形ガン)、肺ガン(小細胞肺ガン(SCLC)および非小細胞肺ガン(NSCLC)を含むが、特に、扁平上皮肺ガンおよび扁平上皮肺腺ガン)、胃ガン、乳ガン、肝ガン、膵臓ガン、皮膚ガン(特に、基底細胞ガンおよび扁平上皮ガン)、悪性メラノーマ、頭頸部ガン(特に、悪性多形性腺腫)、肉腫(特に、滑膜肉腫および滑膜ガン肉腫)、胆管ガン、膀胱のガン(特に、移行上皮ガンおよび移行上皮乳頭状ガン)、腎臓ガン(特に、明細胞ガンおよび乳頭状腎細胞ガンを含む腎細胞ガン)、結腸ガン、小腸ガン(回腸のガン、特に、小腸腺ガンおよび回腸の腺ガンを含む)、精巣胎児性ガン、胎盤絨毛ガン、子宮頸ガン、精巣ガン(特に、精巣セミノーマ、精巣奇形腫および胎芽性精巣ガン)、子宮ガン、胚細胞腫瘍(例えば、奇形ガンまたは胚性ガン腫など、特に、精巣の胚細胞腫瘍)、および、それらの転移形態物からなる群から選択されるガンのガン細胞である、請求項5〜21、23、24および26のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項29

N末端の分泌シグナルおよび/またはC末端のヒスチジンエピトープタグ(好ましくはヒスチジンが6個のエピトープタグ)を有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の結合剤。

請求項30

請求項1〜29のいずれか一項に記載される結合剤をコードする組換え核酸

請求項31

ベクターの形態またはRNAの形態である請求項30に記載の組換え核酸。

請求項32

請求項30または31に記載される組換え核酸を含む宿主細胞

請求項33

治療において使用されるための、特に、ガンを処置することまたは防止することにおいて使用されるための、請求項1〜29のいずれか一項に記載の結合剤、請求項30または31に記載の組換え核酸、あるいは、請求項32に記載の宿主細胞。

請求項34

請求項1〜29のいずれか一項に記載される結合剤、請求項30または31に記載される組換え核酸、あるいは、請求項32に記載される宿主細胞を含む医薬組成物

請求項35

請求項34に記載される医薬組成物を患者投与することを含む、ガン疾患を処置するか、または防止する方法。

請求項36

前記ガンの細胞が、前記結合剤が結合することができるクローディンを発現する、請求項33に記載の結合剤、組換え核酸または宿主細胞、あるいは、請求項35に記載の方法。

請求項37

前記クローディンがCLDN18.2であり、かつ、前記ガンが、胃ガン、食道ガン、膵臓ガン、肺ガン(例えば、非小細胞肺ガン(NSCLC)など)、乳ガン、卵巣ガン、結腸ガン、肝ガン、頭頸部ガン、胆嚢のガン、ならびに、それらの転移物、クルケンベルグ腫瘍、腹膜転移物および/またはリンパ節転移物からなる群から選択される、請求項36に記載の結合剤、組換え核酸、宿主細胞または方法。

請求項38

前記クローディンがCLDN6であり、かつ、前記ガンが、膀胱ガン、卵巣ガン(特に、卵巣腺ガンおよび卵巣奇形ガン)、肺ガン(小細胞肺ガン(SCLC)および非小細胞肺ガン(NSCLC)を含むが、特に、扁平上皮肺ガンおよび扁平上皮肺腺ガン)、胃ガン、乳ガン、肝ガン、膵臓ガン、皮膚ガン(特に、基底細胞ガンおよび扁平上皮ガン)、悪性メラノーマ、頭頸部ガン(特に、悪性多形性腺腫)、肉腫(特に、滑膜肉腫および滑膜ガン肉腫)、胆管ガン、膀胱のガン(特に、移行上皮ガンおよび移行上皮乳頭状ガン)、腎臓ガン(特に、腎明細胞ガンおよび乳頭状腎細胞ガンを含む腎細胞ガン)、結腸ガン、小腸ガン(回腸のガン、特に、小腸腺ガンおよび回腸の腺ガンを含む)、精巣胎児性ガン、胎盤性絨毛ガン、子宮頸ガン、精巣ガン(特に、精巣セミノーマ、精巣奇形腫および胎芽性精巣ガン)、子宮ガン、胚細胞腫瘍(例えば、奇形ガンまたは胚性ガン腫など、特に、精巣の胚細胞腫瘍)、および、それらの転移形態物からなる群から選択される、請求項36に記載の結合剤、組換え核酸、宿主細胞または方法。

技術分野

0001

クローディンは、上皮および内皮タイトジャンクションの内部に位置する内在性膜タンパク質である。クローディンは、2つの細胞外ループを伴う4つの膜貫通セグメント、ならびに、細胞質に位置するN末端およびC末端を有することが予測される。クローディン(CLDN)ファミリー膜貫通タンパク質は、非常に重要な役割を上皮および内皮のタイトジャンクションの維持において果たしており、また、細胞骨格の維持および細胞シグナル伝達においても役割を果たしているかもしれない。

背景技術

0002

クローディン18(CLDN18)分子は、4つの膜貫通する疎水性領域および2つの細胞外ループ(疎水性領域1および疎水性領域2によって囲まれるループ1;疎水性領域3および疎水性領域4によって囲まれるループ2)を有する内在性の膜貫通タンパク質(テトラスパニン)である。CLDN18には、2つの異なるスプライス変化体が存在し、これらがマウスおよびヒトにおいて記載されている(Niimi、Mol.Cell.Biol.、21:7380〜90、2001)。これらのスプライス変化体(Genbankアクセション番号:スプライス変化体1(CLDN18.1):NP_057453、NM_016369、および、スプライス変化体2(CLDN18.2):NM_001002026、NP_001002026)は分子量がおよそ27,9kD/27,72kDである。スプライス変化体のCLDN18.1およびCLDN18.2は、最初の膜貫通(TM)領域およびループ1を含むN末端部分が異なり、これに対して、C末端の一次タンパク質配列は同一である。

0003

正常な組織では、CLDN18.2の検出可能な発現は、CLDN18.2が短寿命分化した胃上皮細胞の表面にもっぱら発現されるを除いて全く認められない。CLDN18.2は、悪性形質転換過程において維持されており、したがって、ヒト胃ガン細胞の表面にしばしば呈示される。そのうえ、この汎腫瘍抗原は、食道腺ガン膵臓ガンおよび腺ガンにおいて顕著なレベル異所性活性化される。CLDN18.2タンパク質はまた、胃ガン腺ガンのリンパ節転移物に、また、とりわけ卵巣内への遠位転移物(いわゆるクルケンベルグ腫瘍)に局在化する。

0004

CLDN6は、一連の異なるヒトガン細胞において発現し、一方、正常な組織における発現は胎盤に限定される。

0005

ガン細胞と正常な細胞との間における様々なクローディン(例えば、CLDN18.2およびCLDN6など)の示差的発現、それらの膜局在化、および、毒性と関連した正常な組織の大部分にはそれらが存在しないことにより、これらの分子がガン免疫療法のための魅力的な標的になっており、したがって、クローディンを標的化するための抗体に基づく治療学を使用することにより、高レベル治療特異性が見込まれる。
T細胞の潜在能力をガンの処置のために使用する取り組みには、腫瘍由来のタンパク質、RNAまたはペプチド抗原を用いるワクチン接種、腫瘍由来のエクスビボ拡大されたT細胞の注入(これは養子移入と呼ばれる)、T細胞受容体遺伝子移入、あるいは、二重特異性抗体または三重特異性抗体によるT細胞の直接的関与が含まれる。同様に、T細胞応答の多くの刺激剤が併用で、または単独療法として臨床試験されており、例えば、Toll様受容体のためのリガンド、T細胞上のCTLA−4を阻止する抗体、免疫刺激性サイトカイン、または、ガン細胞の免疫回避に関与する分子(例えば、TGF−ベータまたはB7−H1など)を中和する抗体などが臨床試験されている。T細胞に基づく治療法の集中的な開発が、患者の腫瘍がT細胞によって浸潤されるならば、患者は有意に長く生存するようであるという所見によって動機づけられる。そのうえ、数多くのマウスモデルは、様々な手段によるT細胞の関与により、大きな腫瘍さえも根絶することができることを示しており、いくつかのT細胞治療法が近年では、著しい進歩を、様々なガン適応症を処置することにおいてもたらしている。

先行技術

0006

Niimi、Mol.Cell.Biol.、21:7380〜90、2001

発明が解決しようとする課題

0007

ガン疾患の治療法のための新規な剤および方法を提供することが本発明の目的の1つであった。

課題を解決するための手段

0008

本発明の根底にある課題の解決策は、腫瘍に伴うクローディン分子に対して、すなわち、ガン細胞に対して特異的である結合ドメインを含有する結合剤を作製するという考えに基づく。他の結合ドメインが、T細胞に結合することを可能にするCD3に対して特異的であり、かつ、T細胞を複合体の中に引き入れることを可能にし、したがって、これにより、T細胞の細胞傷害性影響を標的としてのガン細胞に向けさせることが可能になる。この複合体の形成は、細胞傷害性T細胞におけるシグナル伝達を自身で、または、補助細胞との組合せでのどちらかで誘導することができ、これにより、細胞傷害性媒介因子の放出が引き起こされる。

0009

本発明者らは、クローディンおよびCD3を標的化する結合剤が、強力なT細胞媒介細胞溶解を誘導することができ、かつ、腫瘍疾患を処置することにおいて効果的であることを初めて報告する。

0010

1つの局面において、本発明は、少なくとも2つの結合ドメインを含み、第1の結合ドメインがクローディンに結合し、かつ、第2の結合ドメインがCD3に結合する結合剤に関連する。本発明の結合剤は、(CD3受容体会合することによって)細胞傷害性細胞に結合し、かつ、標的として破壊されることになる、CLDNを発現するガン細胞に結合する場合がある。

0011

1つの実施形態において、前記結合剤は二重特異性分子であり、例えば、二重特異性抗体などであり、具体的には二重特異性単鎖抗体である。1つの実施形態において、前記クローディンはガン細胞において発現される。1つの実施形態において、前記クローディンはガン細胞の表面に発現される。1つの実施形態において、前記クローディンは、クローディン18.2およびクローディン6からなる群から選択される。1つの実施形態において、前記第1の結合ドメインは前記クローディンの細胞外ドメインに結合する。1つの実施形態において、前記第1の結合ドメインは、生細胞の表面に存在するCLDNの生来型エピトープに結合する。1つの実施形態において、前記第1の結合ドメインはCLDNの最初の細胞外ループに結合する。1つの実施形態において、前記第2の結合ドメインはCD3のイプシロン鎖に結合する。1つの実施形態において、前記CD3はT細胞の表面に発現される。1つの実施形態において、前記結合剤がT細胞上のCD3に結合することにより、前記T細胞の増殖および/または活性化が引き起こされ、ただし、前記活性化されたT細胞により、細胞傷害性因子(例えば、パーフォリンおよびグランザイム)が好ましくは放出され、かつ、ガン細胞の細胞溶解およびアポトーシスが開始される。1つの実施形態において、クローディンに対する前記結合および/またはCD3に対する前記結合は特異的な結合である。

0012

1つの実施形態において、前記結合剤は全長型抗体または抗体フラグメント形式である。1つの実施形態において、前記結合剤は、少なくとも2つの結合ドメインを伴う4つの抗体可変ドメインを含み、ただし、少なくとも1つの結合ドメインがクローディンに結合し、かつ、少なくとも1つの結合ドメインがCD3に結合する。1つの実施形態において、前記結合剤は、免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH)で、クローディン抗原に対する特異性を有する可変ドメイン(VH(CLDN))、免疫グロブリンの軽鎖の可変ドメイン(VL)で、クローディン抗原に対する特異性を有する可変ドメイン(VL(CLDN))、免疫グロブリンの重鎖の可変ドメイン(VH)で、CD3に対する特異性を有する可変ドメイン(VH(CD3))、および、免疫グロブリンの軽鎖の可変ドメイン(VL)で、CD3に対する特異性を有する可変ドメイン(VL(CD3))を含む。

0013

1つの実施形態において、前記結合剤は、同じポリペプチド鎖において軽鎖可変ドメインにつながれる重鎖可変ドメインを含むジアボディーの形式であり、その結果、これら2つのドメイン対形成しないようにされる。1つの実施形態において、前記ジアボディーは2つのポリペプチド鎖を含み、ただし、一方のポリペプチドがVH(CLDN)およびVL(CD3)を含み、他方のポリペプチド鎖がVH(CD3)およびVL(CLDN)を含む。

0014

1つの実施形態において、前記結合剤は、リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子からなる二重特異性単鎖抗体の形式であり、ただし、前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)が好ましくは、N末端からC末端に、VH(CLDN)−VL(CLDN)−VH(CD3)−VL(CD3)の順、VH(CD3)−VL(CD3)−VH(CLDN)−VL(CLDN)の順、または、VH(CD3)−VL(CD3)−VL(CLDN)−VH(CLDN)の順で配置される。1つの実施形態において、前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)は、長いペプチドリンカーを介して、好ましくは、(GGGGS)3またはVE(GGGGS)2GGVDのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記2つのVH−VL型scFvユニットまたはVL−VH型scFvユニットは、短いペプチドリンカーを介して、好ましくは、SGGGGSまたはGGGGSのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを介してつながれる。

0015

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN18.2であり、前記VH(CLDN)は、配列番号8によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)は、配列番号15によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0016

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN18.2であり、前記VH(CLDN)は、配列番号6によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)は、配列番号11によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0017

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN6であり、前記VH(CLDN)は、配列番号22によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)は、配列番号23によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0018

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN6であり、前記VH(CLDN)は、配列番号22によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)は、配列番号97、配列番号98、配列番号99または配列番号100によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0019

1つの実施形態において、前記VH(CD3)は、配列番号36、配列番号94または配列番号95によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CD3)は、配列番号37または配列番号96によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0020

1つの実施形態において、前記VH(CD3)は、配列番号36によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CD3)は、配列番号37によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0021

1つの実施形態において、前記VH(CD3)は、配列番号95によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CD3)は、配列番号96によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0022

1つの局面において、本発明の結合剤は、リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子を含む二重特異性単鎖抗体の形式であり、ただし、前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)がN末端からC末端に、VH(CLDN)−VL(CLDN)−VH(CD3)−VL(CD3)の順で配置される。1つの実施形態において、前記VH(CD3)およびVL(CD3)は、15個〜20個、好ましくは15個または20個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)4を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記VH(CLDN)およびVL(CLDN)は、15個〜20個、好ましくは15個または20個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)4を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記2つのVH−VL型scFvユニットは、アミノ酸配列SGGGGSを含むリンカーペプチドを介してつながれる。前記2つのVH−VL型scFvユニットのうちの1つまたは両方が1つまたは複数の相互接続ジスルフィド架橋を含む場合がある。

0023

1つの局面において、本発明の結合剤は、リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子を含む二重特異性単鎖抗体の形式であり、ただし、前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)がN末端からC末端に、VL(CLDN)−VH(CLDN)−VH(CD3)−VL(CD3)の順で配置される。1つの実施形態において、前記VH(CD3)およびVL(CD3)は、15個〜20個、好ましくは15個または20個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)4を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記VL(CLDN)およびVH(CLDN)は、20個〜25個、好ましくは20個または25個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)5を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記VL−VH型scFvユニットおよびVH−VL型scFvユニットは、アミノ酸配列SGGGGSを含むリンカーペプチドを介してつながれる。前記2つのVL−VH型scFvユニットまたはVH−VL型scFvユニットのうちの1つまたは両方が1つまたは複数の相互接続ジスルフィド架橋を含む場合がある。

0024

1つの局面において、本発明の結合剤は、リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子を含む二重特異性単鎖抗体の形式であり、ただし、前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)がN末端からC末端に、VH(CLDN)−VL(CLDN)−VL(CD3)−VH(CD3)の順で配置される。好ましくは、前記VL(CD3)−VH(CD3)scFvユニットは1つまたは複数の相互接続ジスルフィド架橋を含む。1つの実施形態において、前記VL(CD3)およびVH(CD3)は、20個〜25個、好ましくは20個または25個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)5を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記VH(CLDN)およびVL(CLDN)は、15個〜20個、好ましくは15個または20個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)4を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記VH−VL型scFvユニットおよびVL−VH型scFvユニットは、アミノ酸配列SGGGGSを含むリンカーペプチドを介してつながれる。前記VH(CLDN)−VL(CLDN)scFvユニットは1つまたは複数の相互接続ジスルフィド架橋を含む場合がある。

0025

1つの局面において、本発明の結合剤は、リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子を含む二重特異性単鎖抗体の形式であり、ただし、前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)がN末端からC末端に、VL(CLDN)−VH(CLDN)−VL(CD3)−VH(CD3)の順で配置される。好ましくは、前記VL(CD3)−VH(CD3)scFvユニットは1つまたは複数の相互接続ジスルフィド架橋を含む。1つの実施形態において、前記VL(CD3)およびVH(CD3)は、20個〜25個、好ましくは20個または25個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)5を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記VL(CLDN)およびVH(CLDN)は、20個〜25個、好ましくは20個または25個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)5を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記2つのVL−VH型scFvユニットは、アミノ酸配列SGGGGSを含むリンカーペプチドを介してつながれる。前記VL(CLDN)−VH(CLDN)scFvユニットは1つまたは複数の相互接続ジスルフィド架橋を含む場合がある。

0026

上記局面のいずれかの1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN18.2である。好ましくは、前記VH(CLDN)は、配列番号8によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)は、配列番号15によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。代替において、前記VH(CLDN)は、配列番号6によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CLDN)は、配列番号11によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。1つの実施形態において、前記VH(CD3)は、配列番号95によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CD3)は、配列番号96によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0027

1つの局面において、本発明の結合剤は、リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子を含む二重特異性単鎖抗体の形式であり、ただし、前記重鎖可変領域(VH)およびその対応する軽鎖可変領域(VL)がN末端からC末端に、VH(CLDN)−VL(CLDN)−VH(CD3)−VL(CD3)の順またはVH(CD3)−VL(CD3)−VH(CLDN)−VL(CLDN)の順で配置される。1つの実施形態において、前記VH(CLDN)およびVL(CLDN)は、15個〜20個、好ましくは15個または20個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列(GGGGS)3を含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記VH(CD3)およびVL(CD3)は、15個〜20個、好ましくは15個または20個のアミノ酸(好ましくはグリシンおよび/またはセリン)からなるペプチドリンカーを介してつながれ、好ましくは、アミノ酸配列GGGGS(GGS)3GGGSを含むペプチドリンカーを介してつながれる。1つの実施形態において、前記2つのVH−VL型scFvユニットは、アミノ酸配列SGGGGSを含むリンカーペプチドを介してつながれる。

0028

上記局面の1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN6である。好ましくは、前記VH(CLDN)は、配列番号22によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。好ましくは、前記VL(CLDN)は、配列番号98、配列番号99または配列番号100によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。最も好ましくは、前記VL(CLDN)は、配列番号99によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。 1つの実施形態において、前記VH(CD3)は、配列番号95によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含み、かつ、前記VL(CD3)は、配列番号96によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントあるいは前記アミノ酸配列またはフラグメントの変化体を含む。

0029

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN18.2であり、かつ、本発明の前記結合剤は、配列番号38、配列番号39、配列番号40および配列番号41からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含む。

0030

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN18.2であり、かつ、本発明の前記結合剤は、配列番号103、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92および配列番号93からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含む。1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN18.2であり、かつ、前記結合剤は、配列番号103、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92および配列番号93からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含み、ただし、前記アミノ酸配列は、分泌シグナル、例えば、N末端の分泌シグナルなど、具体的には、分泌シグナルが存在するならば、配列番号51による配列を欠いており、かつ/または、Hisタグ、例えば、C末端のHisタグなど、具体的には、Hisタグが存在するならば、配列Gly−Gly−Ser−(His)6または配列(His)6を欠いている。

0031

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN6であり、かつ、本発明の前記結合剤は、配列番号42、配列番号43、配列番号44および配列番号45からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含む。

0032

1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN6であり、かつ、本発明の前記結合剤は、配列番号101、配列番号102、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64および配列番号65からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含む。1つの実施形態において、前記CLDNはCLDN6であり、かつ、前記結合剤は、配列番号101、配列番号102、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64および配列番号65からなる群から選択されるアミノ酸配列あるいはそのフラグメントまたは変化体を含み、ただし、前記アミノ酸配列は、分泌シグナル、例えば、N末端の分泌シグナルなど、具体的には、分泌シグナルが存在するならば、配列番号51による配列を欠いており、かつ/または、Hisタグ、例えば、C末端のHisタグなど、具体的には、Hisタグが存在するならば、配列Gly−Gly−Ser−(His)6または配列(His)6を欠いている。

0033

1つの実施形態において、CLDN18.2を発現する前記ガン細胞は、胃ガン、食道ガン膵臓ガン、肺ガン(例えば、非小細胞肺ガン(NSCLC)など)、乳ガン卵巣ガン結腸ガン、肝ガン、頭頸部ガン、胆嚢のガン、ならびに、それらの転移物、クルケンベルグ腫瘍、腹膜転移物および/またはリンパ節転移物からなる群から選択されるガンのガン細胞である。

0034

1つの実施形態において、CLDN6を発現する前記ガン細胞は、膀胱ガン、卵巣ガン(特に、卵巣腺ガンおよび卵巣奇形ガン)、肺ガン(小細胞肺ガン(SCLC)および非小細胞肺ガン(NSCLC)を含むが、特に、扁平上皮肺ガンおよび扁平上皮肺腺ガン)、胃ガン、乳ガン、肝ガン、膵臓ガン、皮膚ガン(特に、基底細胞ガンおよび扁平上皮ガン)、悪性メラノーマ、頭頸部ガン(特に、悪性多形性腺腫)、肉腫(特に、滑膜肉腫および滑膜ガン肉腫)、胆管ガン、膀胱のガン(特に、移行上皮ガンおよび移行上皮乳頭状ガン)、腎臓ガン(特に、明細胞ガンおよび乳頭状腎細胞ガンを含む腎細胞ガン)、結腸ガン、小腸ガン(回腸のガン、特に、小腸腺ガンおよび回腸の腺ガンを含む)、精巣胎児性ガン、胎盤性絨毛ガン、子宮頸ガン、精巣ガン(特に、精巣セミノーマ、精巣奇形腫および胎芽性精巣ガン)、子宮ガン、胚細胞腫瘍(例えば、奇形ガンまたは胚性ガン腫など、特に、精巣の胚細胞腫瘍)、および、それらの転移形態物からなる群から選択されるガンのガン細胞である。

0035

1つの実施形態において、前記結合剤は、N末端の分泌シグナルおよび/またはC末端のヒスチジンエピトープタグ(好ましくはヒシジン(hisidin)が6個のエピトープタグ)を有する。

0036

1つの局面において、本発明は、本発明の結合剤をコードする組換え核酸に関連する。1つの実施形態において、組換え核酸はベクターの形態である。1つの実施形態において、組換え核酸はRNAである。

0037

1つの局面において、本発明は、本発明の組換え核酸を含む宿主細胞に関連する。

0038

1つの局面において、本発明は、治療において使用されるための、特に、ガンを処置することまたは防止することにおいて使用されるための本発明の結合剤、本発明の組換え核酸または本発明の宿主細胞に関連する。

0039

1つの局面において、本発明は、本発明の結合剤、本発明の組換え核酸または本発明の宿主細胞を含む医薬組成物に関連する。

0040

1つの局面において、本発明は、本発明の医薬組成物を患者に投与することを含む、ガン疾患を処置するか、または防止する方法に関連する。

0041

1つの実施形態において、前記ガンの細胞は、前記結合剤が結合することができるクローディンを発現する。

0042

1つの実施形態において、前記クローディンはCLDN18.2であり、かつ、前記ガンは、胃ガン、食道ガン、膵臓ガン、肺ガン(例えば、非小細胞肺ガン(NSCLC)など)、乳ガン、卵巣ガン、結腸ガン、肝ガン、頭頸部ガン、胆嚢のガン、ならびに、それらの転移物、クルケンベルグ腫瘍、腹膜転移物および/またはリンパ節転移物からなる群から選択される。

0043

1つの実施形態において、前記クローディンはCLDN6であり、かつ、前記ガンは、膀胱ガン、卵巣ガン(特に、卵巣腺ガンおよび卵巣奇形ガン)、肺ガン(小細胞肺ガン(SCLC)および非小細胞肺ガン(NSCLC)を含むが、特に、扁平上皮肺ガンおよび扁平上皮肺腺ガン)、胃ガン、乳ガン、肝ガン、膵臓ガン、皮膚ガン(特に、基底細胞ガンおよび扁平上皮ガン)、悪性メラノーマ、頭頸部ガン(特に、悪性多形性腺腫)、肉腫(特に、滑膜肉腫および滑膜ガン肉腫)、胆管ガン、膀胱のガン(特に、移行上皮ガンおよび移行上皮乳頭状ガン)、腎臓ガン(特に、腎明細胞ガンおよび乳頭状腎細胞ガンを含む腎細胞ガン)、結腸ガン、小腸ガン(回腸のガン、特に、小腸腺ガンおよび回腸の腺ガンを含む)、精巣胎児性ガン、胎盤性絨毛ガン、子宮頸ガン、精巣ガン(特に、精巣セミノーマ、精巣奇形腫および胎芽性精巣ガン)、子宮ガン、胚細胞腫瘍(例えば、奇形ガンまたは胚性ガン腫など、特に、精巣の胚細胞腫瘍)、および、それらの転移形態物からなる群から選択される。

0044

1つの態様において、本発明は、本明細書中に記載される処置方法において使用されるための本明細書中に記載されるような結合剤、または、該結合剤をコードする本明細書中に記載されるような核酸、または、本明細書中に記載されるような宿主細胞を提供する。1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される処置方法において使用されるための本明細書中に記載されるような医薬組成物を提供する。

0045

本発明によれば、CLDN18.2は好ましくは、配列番号1によるアミノ酸配列を有し、CLDN6は好ましくは、配列番号2または配列番号3によるアミノ酸配列を有する。

0046

本発明の他の特徴および利点が下記の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。

図面の簡単な説明

0047

TAA CLDN18.2を標的化する組換えbi−scFvタンパク質の設計を例示するモジュール配置図。 抗TAA可変領域に関する(A)N末端位置および(B)C末端位置におけるbi−scFvの設計。抗CLDN18.2のVH領域およびVL領域が、モノクローナルなCLDN18.2抗体(mCLDN18.2ab)の配列から作製される。抗CD3は、下記のモノクローナルなCD3抗体の配列から作製されるVH領域およびVL領域を包括的に表す:UCHT1−HU(ヒト化mAB)、UCHT1、CLB−T3、TR66、145−2C11。Bi−scFvは二重特異性単鎖可変フラグメントを示す;Hisはヘキサヒスチジルタグを示す;HUは、ヒト化されたことを示す;LLは、長いリンカー(15個〜18個のアミノ酸)を示す;Secは分泌シグナルを示す;SLは、短いリンカー(5個〜6個のアミノ酸)を示す;TAAは腫瘍関連抗原を示す;Vは抗体の重(H)鎖および軽(L)鎖の可変領域を示す。
特異的な標的細胞溶解に対するドメイン配向および抗CD3−scFv選抜の影響:5'−mCLDN18.2abVH−VL_TR66VH−VL−3'型bi−scFvの1BiMABおよびno.15が最も強力な変化体である。 CLDN18.2およびCD3に対して向けられるいくつかのbi−scFv変化体を、それらの効力を細胞傷害性アッセイにおいて比較するためにHEK293T細胞において一過性に発現させ、Ni−NTカラムを用いて小規模精製した。CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞で、ルシフェラーゼを安定的に発現するNugC4細胞を標的細胞として選んだ。ヒトT細胞および標的細胞を96ウエル形式において5ng/mlのそれぞれのbi−scFvタンパク質とともに5:1のE:T比でインキュベーションした。陰性コントロールとして、発現されないTAAを標的化するno.35、ならびに、no.11およびno.16(これらはともに、ヒトT細胞ではなく、マウスT細胞を標的化する)を選んだ。それぞれ試験サンプルを六連で置床し、Lminのためのコントロールサンプルを九連で置床した。分析前の共インキュベーション時間が、8時間、16時間および24時間であった。ルシフェリン溶液所与の時点で加えた後、発光を、Infinite M200 TECANリーダーで測定した。特異的な標的細胞溶解を、コントロールbi−scFvのno.35(Lmin)を用いたサンプルに対する正規化によって計算した。最も強力なbi−scFvタンパク質、すなわち、1BiMABおよびno.15は、ドメイン配向およびmAB TR66の抗CD3起源がともに同じであり、しかし、それらのコドン最適化(HSおよびCHO、それぞれ)および長いリンカー配列において異なる。CHOはチャイニーズハムスター卵巣を示す;mABはモノクローナル抗体を示す;HUは、ヒト化されたことを示す;TAAは腫瘍関連抗原を示す。
bi−scFvタンパク質1BiMABのクーマシーゲルおよびウエスタンブロット分析。 1BiMABを安定的に発現するモノクローナルなHEK293細胞のFCS非含有上清をNi−NTAアフィニティークロマトグラフィーIMAC)により精製した。種々の精製段階アリコートを4−12%Bis−Trisゲルに負荷した。(A)細胞上清、溶出液素通り画分および8個の分画物のクーマシー染色。最初に溶出されたピークの分画物を捨て、2番目に溶出されたピークの分画物をさらなる研究のためにプールし、PBSに対して透析し、続いて、200mMアルギニン緩衝液に対して透析した。(レーン1:HEK293/1BiMAB SN;レーン2:IMAC素通り画分;レーン3〜レーン4:溶出ピーク1の分画物(これらは捨てられた);レーン5〜レーン10:溶出ピーク2の分画物(これらはプールされた))(B)3回の独立した精製から得られる0.5μgの1BiMABのウエスタンブロット分析(レーン1、レーン2、レーン3)。検出を一次のモノクローナル抗His抗体および二次のペルオキシダーゼコンジュゲート化抗マウス抗体により行った。IMACは固定化金属アフィニティークロマトグラフィーを示す;PBSはリン酸塩緩衝化生理的食塩水を示す;SNは上清を示す;WBはウエスタンブロットを示す。
bi−scFvタンパク質1BiMABはCLDN18.2発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。
bi−scFvタンパク質1BiMABはCLDN18.2発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。
bi−scFvタンパク質1BiMABはCLDN18.2発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。
bi−scFvタンパク質1BiMABはCLDN18.2発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。 (A)CLDN18.2を内因的に発現する2.5×105個のNugC4細胞を、50μg/mlの1BiMAB、または、陽性コントロールとしての10μg/mlのmCLDN18.2ab、および、それらの対応するAPCコンジュゲート化二次抗体とインキュベーションした。コントロール染色には、単独での二次のAPCコンジュゲート化抗体(g−a−h、g−a−m)、抗Hisおよびg−a−m APC、または、1BiMABおよびg−a−m APCが含まれた。分析をフローサイトメトリーにより行った。APCシグナルMFIをFlowJoソフトウエアによって計算した。(B)CLDN18.2を内因的に発現する1×105個のNugC4細胞を、増大する1BiMAB濃度(20pg/ml〜20μg/ml)、抗Hisおよびg−a−m APCにより染色した。陰性コントロールとして、細胞を抗Hisおよびg−a−m APCとインキュベーションした。陽性コントロールとして、mCLDN18.2abおよびg−a−h APCを使用した。APCシグナルのMFIをFlowJoソフトウエアによって計算した。(C)1×106個のヒトT細胞を、増大する1BiMAB濃度(2ng/ml〜2μg/ml)、抗Hisおよびg−a−m APCとインキュベーションした。陰性コントロールとして、細胞を、抗Hisおよびg−a−m APC、または、単独でのg−a−m APCとインキュベーションした。APCシグナルのMFIをFlowJoソフトウエアによって計算した。(D)1×105個のCLDN18.2陰性PA−1細胞を、増大する1BiMAB濃度(10ng/ml〜10μg/ml)、抗Hisおよびg−a−m APCとインキュベーションした。陰性コントロールとして、細胞を、抗Hisおよびg−a−m APC、または、単独でのg−a−h APCにより染色した。10μg/mlのmCLDN18.2abおよびg−a−h APCを使用して、細胞のCLDN18.2陰性を確認した。 g−a−hはヤギ抗ヒトを示す;g−a−mはヤギ抗マウスを示す;MFIは平均蛍光強度を示す;TLはTリンパ球を示す。
bi−scFvタンパク質1BiMABはT細胞のクラスター化をCLDN18.2陽性標的細胞の表面で引き起こす。CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞を6ウエルプレートにおいて、1ng/mlおよび1μg/mlの1BiMAB、ならびに、5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞と24時間インキュベーションした。単独でのT細胞(TL)、単独での標的細胞(NugC4)、および、標的細胞を伴うヒトT細胞(−ctrl)をコントロールサンプルとして選んだ。24時間後、サンプルを、Nikon Eclipse Ti顕微鏡で200×の倍率により写真撮影した。白の矢印は標的細胞上のT細胞のクラスターを示す。TLはTリンパ球を示す。
1BiMABはT細胞活性化を用量依存的様式で媒介する。 CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞を24ウエル形式において二連で、増大する濃度のbi−scFvタンパク質1BiMAB(0.001ng/ml〜1000ng/ml)および5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞と24時間および48時間インキュベーションした。コントロールとして、ヒトT細胞を、1BiMABによって媒介されるT細胞の標的依存的活性化を確認するためにNugC4標的細胞を伴うことなく1ng/ml〜1000ng/mlの1BiMABとインキュベーションした。24時間後(A)および48時間後(B)、T細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PEおよび抗CD69−APCにより標識し、フローサイトメトリーによって分析した。TLはTリンパ球を示す。
1BiMABは、CLDN18.2の高発現細胞株、低発現細胞株および非発現細胞株との長期間のインキュベーションの後でさえ、厳密に標的依存的なT細胞活性化を媒介する。 (A)6つの腫瘍細胞株の総RNAからもたらされるRTPCRデータが示される。ハウスキーピング遺伝子HPRTに対して正規化されるCLDN18.2発現のCt値が2つの独立した実験から計算されている。乳ガン細胞株MCF7(灰色棒)を陰性のCLDN18.2発現コントロール細胞株として選んだ。(B)(A)からのガン細胞株を6ウエル形式において二連で、5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞を伴って、または伴うことなく、5ng/mlのbi−scFvタンパク質1BiMABと144時間インキュベーションした。T細胞を、抗CD3−FITC、抗CD25−PEおよび抗CD69−APCにより標識して、全T細胞集団(CD3)、T細胞の初期活性化(CD69)および後期活性化(CD25)をフローサイトメトリーによって分析した。TLはTリンパ球を示す。
1BiMABはT細胞の増殖およびグランザイムBのアップレギュレーションをCLDN18.2陽性標的細胞の存在下でのみ誘導する。 (A)ヒトT細胞をCFSE染色し、単独で(TL)、あるいは、1ng/mlの1BiMABの存在下(TL+1ng/ml 1BiMAB)、NugC4細胞の存在下(TL+NugC4)、または、NugC4細胞および1ng/mlの1BiMABの存在下(TL+1ng/ml 1BiMAB+NugC4)で120時間培養した。5:1のエフェクター対標的比を選択した。T細胞の増殖を示すCFSEシグナルの低下をフローサイトメトリーによって分析した。(B)ヒトT細胞を、NugC4標的細胞を伴って、または伴うことなく、かつ、5ng/mlのbi−scFv 1BiMABタンパク質を伴って、または伴うことなくインキュベーションした。エフェクター対標的比が6ウエル形式において5:1であった。96時間の共インキュベーションの後、T細胞を集め、抗GrB−PEにより細胞内染色し、フローサイトメトリーによって分析した。抗GrB−PEシグナルのMFIをFlowJoソフトウエアによって計算した。非染色サンプル(TL+NugC4+5ng/ml 1BiMAB)のシグナルをすべてのサンプルから差し引いた。CFSEはカルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステルを示す;GrBはグランザイムBを示す;MFIは平均蛍光強度を示す;PEはフィコエリトリンを示す;TLはTリンパ球を示す。
48時間後における特異的な標的細胞溶解についての1BiMABのEC50はおよそ10pg/mlである。 CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞で、ルシフェラーゼを安定的に発現するNugC4細胞を96ウエル形式において三連で、5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞を伴って、増大する濃度(0.001ng/ml〜1000ng/ml)でのbi−scFvタンパク質1BiMABと24時間および48時間インキュベーションした。最小溶解(Lmin)コントロールとして、エフェクター細胞および標的細胞を、bi−scFv 1BiMABを伴うことなく置床した。自然発光カウント数に対して正規化するための最大溶解(Lmax)を、Triton X−100をルシフェリン添加の直前に、エフェクター細胞および標的細胞をbi−scFvの非存在下で含有するコントロールウエルに加えることによって達成した。ルシフェリン溶液を加えた後、発光を、Infinite M200 Tecanマイクロプレートリーダーで24時間後および48時間後に測定した。特異的な標的細胞溶解を下記の式によって計算した:%特異的溶解=[1−(発光試験サンプル−Lmax)/(Lmin−Lmax)]×100。値を1BiMAB濃度のlog10に対してプロットした。EC50は50%最大有効濃度を示す;Lは溶解を示す。
1BiMABはインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。
1BiMABはインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。
1BiMABはインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。
1BiMABはインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。 NOD.Cg−PrkdscidIL2rgtm1Wjl/SzJ(NSG)マウスに、CLDN18.2を安定的に発現する1×107個のHEK293をSC注入した。5日後、2×107個のヒトPBMCエフェクター細胞をG3群およびG4群にIP注入し、コントロール群(G1およびG2)はPBSのみを受けた。動物あたり5μgのbi−scFvタンパク質1BiMAB、または、コントロールとしてのビヒクル毎日のIP適用を翌日から開始した。治療を22日間にわたって施し、腫瘍体積を、カリパスを使用して測定し、下記の式によって計算した:mm3=長さ(mm)×幅(mm)×(幅(mm)/2)。(A)マウス個々の腫瘍体積および群あたりのメジアンが、0日目および15日目の処置日(上段列)、ならびに、処置終了後の3日および13日(下段列)について示される。(B)ヒトエフェクター細胞が移植される2つの処置群平均腫瘍体積が示される。ダッシュ記号は、屠殺された動物を示す。(C)すべての群を腫瘍接種日から41日目まで示すカプラン・マイヤー生存曲線。動物を、腫瘍体積が500mm3を超えるとすぐに屠殺した。41日目の後、すべての残存動物を、マウスの脾臓におけるヒトエフェクター細胞の生着を分析するために屠殺した。(D)すべてのマウスの脾細胞を単離し、ヒトT細胞をフローサイトメトリーによって検出するために抗CD45−APCおよび抗CD3−FITCにより染色した。メジアン生着がボックスプロット図で示される。Gは群を示す;IPは腹腔内を示す;PBMCは末梢血単核細胞を示す;PBSはリン酸塩緩衝化生理的食塩水を示す;SCは皮下を示す。
TAA CLDN6を標的化する組換えbi−scFvタンパク質の設計を例示するモジュール配置図。 抗TAA可変領域に関する(A)N末端位置および(B)C末端位置におけるbi−scFvの設計。抗CLDN6のVH領域およびVL領域が、モノクローナルなCLDN6抗体(mCLDN6ab)の配列から作製される。抗CD3のVH領域およびVL領域が、モノクローナルなCD3抗体TR66の配列から作製される。Bi−scFvは二重特異性の単鎖可変フラグメントを示す;Hisはヘキサヒスチジルタグを示す;LLは、長いリンカー(15個〜18個のアミノ酸)を示す;Secは分泌シグナルを示す;SLは、短いリンカー(5個のアミノ酸)を示す;TAAは腫瘍関連抗原を示す;Vは抗体の重(H)鎖および軽(L)鎖の可変領域を示す。
bi−scFvタンパク質の6PHU5および6PHU3はT細胞のクラスター化をCLDN6陽性標的細胞の表面で引き起こす。 CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を6ウエルプレートにおいて、50ng/mlの6PHU5または6PHU3、および、5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞と24時間インキュベーションした。単独でのT細胞(TL)、単独での標的細胞(PA−1)、および、標的細胞を伴うヒトT細胞(−ctrl)をコントロールサンプルとして選んだ。24時間後、サンプルを、Nikon Eclipse Ti顕微鏡で200×の倍率により写真撮影した。白の矢印は標的細胞上のT細胞のクラスターを示す。TLはTリンパ球を示す。
効力に対するドメイン配向の影響:bi−scFvタンパク質6PHU3は、T細胞活性化を誘導することにおいて6PHU5よりもわずかに効率的である。 CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を6ウエル形式において二連で、増大する濃度(5ng/ml〜200ng/ml)の6PHU5または6PHU3および5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞と44時間インキュベーションした。コントロールとして、ヒトT細胞を、標的細胞を伴うことなく、100ng/mlおよび200ng/mlの6PHU5または6PHU3とインキュベーションした。44時間後、T細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PEおよび抗CD69−APCにより標識した。用量依存的なT細胞活性化をフローサイトメトリーによって分析した。Huはヒトを示す;TLはTリンパ球を示す。
6PHU3タンパク質のクーマシーゲルおよびウエスタンブロット分析。 6PHU3を安定的に発現するポリクローナルなHEK293細胞のFCS非含有上清をNi−NTAアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)により精製した。種々の精製段階のアリコートを4−12%Bis−Trisゲルに負荷した。(A)細胞上清、溶出液の素通り画分および9個の分画物のクーマシー染色。最初に溶出されたピークの分画物を捨て、2番目および3番目に溶出されたピークの分画物をさらなる研究のためにプールし、PBSに対して透析し、続いて、200mMアルギニン緩衝液に対して透析した。(レーン1:HEK293/6PHU3 SN;レーン2:IMAC素通り画分;レーン3〜レーン5:溶出ピーク1の分画物(これらは捨てられた);レーン6〜レーン11:溶出ピーク2および溶出ピーク3の分画物(これらはプールされた))(B)2回の独立した精製から得られる0.5μgの6PHU3のウエスタンブロット分析。検出を一次のモノクローナル抗His抗体および二次のペルオキシダーゼコンジュゲート化抗マウス抗体により行った。IMACは固定化金属アフィニティークロマトグラフィーを示す;PBSはリン酸塩緩衝化生理的食塩水を示す;SNは上清を示す;WBはウエスタンブロットを示す。
bi−scFvタンパク質6PHU3はCLDN6発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。
bi−scFvタンパク質6PHU3はCLDN6発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。
bi−scFvタンパク質6PHU3はCLDN6発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。
bi−scFvタンパク質6PHU3はCLDN6発現標的細胞およびヒトT細胞に効率的かつ特異的に結合する。 (A)CLDN6を内因的に発現する1×105個のPA−1細胞およびOV−90細胞を、増大する濃度の6PHU3またはコントロールbi−scFvの1BiMAB(10ng/ml〜10μg/ml)および10μg/mlのmCLDN6abまたはコントロールmABのmCLDN18.2abと、それらの対応するAPCコンジュゲート化二次抗体を伴ってインキュベーションした。コントロール染色は単独での二次のAPCコンジュゲート化抗体(g−a−h、g−a−m)であった。分析をフローサイトメトリーにより行った。APCシグナルのMFIをFlowJoソフトウエアによって計算した。(B)5×105個のヒトT細胞を、増大する6PHU3濃度(100ng/ml〜10μg/ml)、抗Hisおよびg−a−mPEとインキュベーションした。陰性コントロールとして、細胞を、抗Hisおよびg−a−mPE、または、単独でのg−a−mPEとインキュベーションした。PEシグナルのMFIをFlowJoソフトウエアによって計算した。(C)1×105個のCLDN6陰性NugC4細胞を、増大する6PHU3濃度および1BiMAB濃度(10ng/ml〜10μg/ml)、抗Hisおよびg−a−m APCとインキュベーションした。陰性コントロールとして、細胞を単独でのg−a−m APCとインキュベーションした。10μg/mlのmCLDN6abおよびg−a−h APCを使用して、細胞のCLDN6陰性を確認した。陽性コントロールとして、mCLDN18.2abおよびg−a−h APCを使用した。APCシグナルのMFIをFlowJoソフトウエアによって計算した。APCはアロフィコシアニンを示す;g−a−hはヤギ抗ヒトを示す;g−a−mはヤギ抗マウスを示す;mABはモノクローナル抗体を示す;MFIは平均蛍光強度を示す;PEはフィコエリトリンを示す;TLはTリンパ球を示す。
6PHU3はT細胞活性化を用量依存的様式で媒介する。 CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を24ウエル形式において二連で、増大する濃度のbi−scFvタンパク質6PHU3(0.001ng/ml〜1000ng/ml)および5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞と24時間および48時間インキュベーションした。コントロールとして、ヒトT細胞を、6PHU3によって媒介されるT細胞の標的依存的活性化を確認するためにPA−1標的細胞を伴うことなく1ng/ml〜1000ng/mlの6PHU3とインキュベーションした。24時間後(A)および48時間後(B)、T細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PEおよび抗CD69−APCにより標識し、フローサイトメトリーによって分析した。TLはTリンパ球を示す。
48時間後における特異的な標的細胞溶解についての6PHU3のEC50がおよそ10pg/mlである。 ルシフェラーゼを安定的に発現する、CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を96ウエル形式において三連で、5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞を伴って、増大する濃度(0.001ng/ml〜1000ng/ml)での6PHU3タンパク質と24時間および48時間インキュベーションした。最小溶解コントロール(Lmin)として、エフェクター細胞および標的細胞を、bi−scFv 6PHU3を伴うことなく置床した。自然発光カウント数に対して正規化するための最大溶解(Lmax)を、Triton X−100をルシフェリン添加の直前に、エフェクター細胞および標的細胞をbi−scFvの非存在下で含有するコントロールウエルに加えることによって達成した。ルシフェリン溶液を加えた後、発光を、Infinite M200 Tecanマイクロプレートリーダーで24時間後および48時間後に測定した。特異的な標的細胞溶解を下記の式によって計算した:%特異的溶解=[1−(発光試験サンプル−Lmax)/(Lmin−Lmax)]×100。値を6PHU3濃度のlog10に対してプロットした。EC50は50%最大有効濃度を示す;Lは溶解を示す。
6PHU3はインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。
6PHU3はインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。
6PHU3はインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。
6PHU3はインビボ治療効力を進行SC腫瘍モデルにおいて示す。 NOD.Cg−PrkdscidIL2rgtm1Wjl/SzJ(NSG)マウスに、CLDN6を内因的に発現する1×107個のPA−1をSC注入した。15日後、2×107個のヒトPBMCをG3群およびG4群にIP注入し、コントロール群(G1およびG2)はPBSのみを受けた。動物あたり5μgの6PHU3、あるいは、コントロールとしてのコントロールbi−scFvの1BiMABまたは単独でのビヒクルの毎日のIP適用をPBMC注入の5日後から開始した。治療を25日間にわたって施し、腫瘍体積を、カリパスを使用して測定し、下記の式によって計算した:mm3=長さ(mm)×幅(mm)×(幅(mm)/2)。(A)マウス個々の腫瘍体積および群あたりのメジアンが、0日目および14日目の処置日(上段)ならびに21日目および25日目の処置日(下段)について示される。(B)すべての処置群の平均腫瘍体積が示される。ダッシュ記号は、屠殺された動物を示す。(C)腫瘍接種日から45日目までのすべての群のカプラン・マイヤー生存曲線が示される。動物を、腫瘍体積が1500mm3を超えたときに屠殺した。45日目の後、すべての残存動物を、マウスに脾臓におけるヒトエフェクター細胞の生着を分析するために屠殺した。(D)すべてのマウスの脾細胞を単離し、ヒトT細胞をフローサイトメトリーによって検出するために抗CD45−APCおよび抗CD3−FITCにより染色した。メジアン生着がボックスプロット図で示される。IPは腹腔内を示す;PBMCは末梢血単核細胞を示す;PBSはリン酸塩緩衝化生理的食塩水を示す;SCは皮下を示す。
6PHU3処置に対する応答における、SC PA−1腫瘍の中への高まったT細胞浸潤
6PHU3処置に対する応答における、SC PA−1腫瘍の中への高まったT細胞浸潤。
6PHU3処置に対する応答における、SC PA−1腫瘍の中への高まったT細胞浸潤。 NSGマウスに、CLDN6を内因的に発現する1×107個のPA−1をSC注入した。15日後、2×107個のヒトPBMCをG3群およびG4群にIP注入し、コントロール群(G1およびG2)はPBSのみを受けた。動物あたり5μgの6PHU3、あるいは、コントロールとしてのコントロールbi−scFvの1BiMABまたは単独でのビヒクルの毎日のIP適用をPBMC注入の5日後から開始した。腫瘍を、サイズが1500mm3となったときまたは実験が終了したときに解剖し、パラフィン包埋化のために4%の緩衝化ホルムアルデヒド溶液において保存した。 SC PA−1腫瘍のパラフィン包埋された腫瘍組織免疫組織化学的染色に供した。連続切片をポリクローナル一次抗体の抗クローディン6または抗ヒトCD3のどちらかにより染色した。一次抗体を、二次のHRPコンジュゲート抗ウサギ抗体を使用して検出した。A〜Eの上段列はCLDN6染色を示し、下段列はCD3染色を示す。画像を、Miraxスキャナーを用いて取り込んだ。(A)および(B)は、ヒトエフェクター細胞を全く受けず、かつ、ビヒクルまたはbi−scFv 6PHU3を受けたPBSコントロール群のG1およびG2をそれぞれ示す。(C)は、ヒトエフェクター細胞およびビヒクルを処置として受けたコントロール群G3を示す。(D)は、ヒトエフェクター細胞およびbi−scFv 6PHU3を処置として受けた群G4を示す。(E)は、ヒトエフェクター細胞およびコントロールbi−scFv 1BiMABを受けたコントロール群G5を示す。陽性シグナルが赤色の染色として現れる。黒の矢印はCD3シグナルの実例を示す。IPは腹腔内を示す;PBMCは末梢血単核細胞を示す;PBSはリン酸塩緩衝化生理的食塩水を示す;SCは皮下を示す。
TAA CLDN18.2を標的化するbi−scFv抗体をコードするIVTRNA分子の概略的例示。 抗CLDN18.2bi−scFv抗体をコードするインビトロ転写されたRNA配列の略図。(A)抗TAA可変領域に関する5'側位置および3'側位置におけるIVT−mRNA。(B)抗TAA可変領域に関する5'側位置におけるIVTアルファウイルスレプリコン。抗CLDN18.2のVH領域およびVL領域をモノクローナルなCLDN18.2抗体(mCLDN18.2ab)の配列から作製した。"Cap"が、ARCA、ベータ−S−ARCA(D1)またはベータ−S−ARCA(D2)に代わって一律に使用される。(A)において、"anti−CD3"は、下記のモノクローナルなCD3抗体の配列から作製されるVH領域およびVL領域を包括的に表す:UCHT1−HU(ヒト化mAB)、UCHT1、CLB−T3、TR66、145−2C11。(B)において、"anti−CD3"は、TR66に由来するVHおよびVLのみを表す。Aはアデニンを示す;bi−scFvは二重特異性の単鎖可変フラグメントを示す;hAgはヒトアルファグロビンの5'−UTRを示す;hBgはヒトベータグロビンの3'−UTRを示す;Hisはヘキサヒスチジルタグを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;LLは、長いリンカー(15個〜18個のアミノ酸)を示す;nsP1〜4は非構造タンパク質1〜4を示す;Secは分泌シグナルを示す;sgPはサブゲノムプロモーターを示す;SLは、短いリンカー(5個〜6個のアミノ酸)を示す;TAAは腫瘍関連抗原を示す;UTRは非翻訳領域を示す;Vは抗体の重(H)鎖および軽(L)鎖の可変領域を示す。
標的依存的なT細胞活性化および特異的な標的細胞溶解に対するドメイン配向および抗CD3−scFv選抜の影響。 CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞を、それらの効力を細胞傷害性アッセイにおいて比較するために、CLDN18.2およびCD3に対して向けられるいくつかのbi−scFv変化体により一過性にトランスフェクションした。変化体につき、5×106個のNugC4細胞を20μg/mlのIVT−mRNAによりエレクトロポレーションした。トランスフェクションされた標的細胞を計数し、1×105個の細胞を6ウエルプレートあたり播種し、5:1のE:T比でヒト細胞傷害性T細胞(CD8+の選択されたT細胞)とインキュベーションした。陰性コントロールとして、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNA(ctrl)と、CLDN18.2を標的化し、しかし、T細胞を標的化しない元のIgGmABのchCLDN18.2ab(ctrl IgG)とを選んだ。1BiMABタンパク質が5ng/mlの濃度で陽性コントロールとして役立った。バックグラウンドでの死細胞の参照として、エレクトロポレーションされた標的細胞を、T細胞を伴うことなく播種し、また、バックグラウンドでの活性化の参照として、T細胞を、標的細胞を伴うことなく播種した。それぞれのサンプルを二連で播種した。48時間後、T細胞および標的細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PE、抗CD69−APCおよび生死染色のための7−AADにより標識し、フローサイトメトリーによって分析した。(A)TAA依存的なbi−scFv媒介のT細胞活性化がすべての抗CLDN18.2bi−scFv変化体により認められた。(B)特異的な標的細胞溶解を、7−AAD参照集団を7−AADサンプル標的細胞集団から差し引くことによって求めた。わずかなより大きい標的細胞溶解を引き起こすbi−scFv抗体、すなわち、1BiMABおよびno.5は、ドメイン配向およびmAB TR66の抗CD3起源がともに同じであり、しかし、それらのコドン最適化(HSおよびCHO、それぞれ)および長いリンカー配列において異なる。bi−scFvは二重特異性単鎖可変フラグメントを示す;ctrlはコントロールを示す;IgGは免疫グロブリンGを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
1BiMABのIVT−mRNAによりトランスフェクションされる標的細胞とヒトT細胞との共インキュベーションはT細胞のクラスター化を引き起こす。CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞を、80μg/mlの1BiMAB IVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションし、96ウエルプレートにおいて5:1のエフェクター対標的比でのヒト細胞傷害性T細胞(CD8+の選択されたT細胞)と共インキュベーションした。陰性コントロールサンプルとして、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNAによりトランスフェクションされたNugC4標的細胞(−ctrl)で、ヒト細胞傷害性T細胞と共インキュベーションされるものを使用した(上段列、左側)。下段列は、コントロールbi−scFvのIVT−mRNA(左側)または1BiMABのIVT−mRNA(右側)によりトランスフェクションされたNugC4細胞で、ヒトT細胞を伴わないものを示す。24時間の共インキュベーションの後、サンプルを、Nikon Eclipse Ti顕微鏡により200×の倍率で写真撮影した。白の矢印は標的細胞上のT細胞のクラスターを示す。CTLは細胞傷害性Tリンパ球を示す;ctrlはコントロールを示す;huはヒトを示す。
IVT−mRNAによるトランスフェクションの後の標的細胞によって分泌される1BiMABはT細胞の活性化を濃度依存的様式で媒介する。 CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞を、0.4μg/ml〜40μg/mlの1BiMAB IVT−mRNAおよび適量のルシフェラーゼIVT−mRNAを含有する合計で40μg/mlのIVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。トランスフェクションされた標的細胞を6ウエルプレートにおいて二連で、5:1のエフェクター対標的比でのヒト細胞傷害性T細胞(CD8+の選択されたT細胞)と共インキュベーションした。T細胞活性化の参照として、ヒトT細胞を、40μg/mlのルシフェラーゼIVT−mRNA(0.0μg/mlの1BiMAB IVT−mRNA)によりトランスフェクションされるNugC4標的細胞と共インキュベーションした。24時間後(A)および48時間後(B)、T細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PEおよび抗CD69−APCにより標識し、フローサイトメトリーによって分析した。グラフは、FlowJoソフトウエアを用いて求められる場合の陽性染色された細胞傷害性ヒトT細胞の百分率を明らかにする。IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
IVT−mRNAによるトランスフェクションの後の標的細胞によって分泌される1BiMABは濃度依存的な標的細胞溶解を引き起こす。 CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞を、0.4μg/ml〜40μg/mlの1BiMAB IVT−mRNAおよび適量のルシフェラーゼIVT−mRNAを含有する合計で40μg/mlのIVT−mRNAにより、または、参照サンプルとしての40μg/mlのルシフェラーゼIVT−mRNAのみによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。トランスフェクションされた標的細胞を5:1のエフェクター対標的比でのヒト細胞傷害性T細胞(CD8+の選択されたT細胞)とともに播種し、または、それぞれの個々のエレクトロポレーションによるバックグラウンドでの死んでいる標的細胞の百分率を求めるためにエフェクター細胞を伴うことなく播種した。すべてのサンプルを6ウエルプレートにおいて二連で培養した。24時間後(A)および48時間後(B)、T細胞を集め、生死染色のためのヨウ化プロピジウム(PI)により標識し、フローサイトメトリーによって分析した。死んでいる(PI+)標的細胞の百分率をFlowJoソフトウエアにより求めた。値をさらに、それぞれの個々のバックグラウンドサンプルに対して、かつ、参照サンプルに対して正規化した。IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
T細胞の増殖がCLDN18.2の存在下において標的細胞による1BiMAB分泌に応答して特異的に誘導される。 ヒトT細胞をアッセイのためにCFSE染色した。T細胞を、標的細胞を伴うことなく(T細胞)、陽性の活性化コントロールとしての5μg/mlのOKT3および2μg/mlのαCD28との組合せで(+ctrl)、または、5ng/mlの標的化しないコントロールbi−scFvとともに(−ctrlタンパク質)、または、5ng/mlの1BiMABタンパク質(1BiMABタンパク質)とともに培養した。T細胞と、CLDN18.2を過剰発現するNugC4標的細胞とを一緒に(T細胞+CLDN18.2陽性標的細胞)、何も伴うことなく(模擬)、または、5ng/mlの1BiMABタンパク質(1BiMABタンパク質)とインキュベーションした。IVT−mRNAを試験するために、NugC4細胞を、20μg/mlの1BiMAB IVT−mRNA(1BiMAB mRNA)、または、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNA(−ctrl mRNA)によりトランスフェクションし、T細胞とインキュベーションした。加えて、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNAによりトランスフェクションされるNugC4細胞を、5ng/mlの1BiMABタンパク質と組み合わせた(−ctrl mRNA+1BiMABタンパク質)。さらなる特異性コントロールとして、CLDN18.2を発現しない標的細胞株MDA−MB−231をT細胞と一緒に伴うサンプルを含めた(T細胞+CLDN18.2陰性標的細胞)。MDA−MB−231を処理しないで使用し、何も伴うことなく(模擬)、または、5ng/mlのコントロールbi−scFvタンパク質(−ctrlタンパク質)または5ng/mlの1BiMABタンパク質(1BiMABタンパク質)とインキュベーションしたか、あるいは、MDA−MB−231を、20μg/mlの1BiMAB IVT−mRNA(1BiMAB mRNA)、または、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNA(−ctrl mRNA)によりトランスフェクションした。アッセイを96ウエルにおいて5:1のエフェクター対標的比で行い、それぞれのサンプルが三連であり、インキュベーション時間が72時間であった。T細胞の増殖を示すCFSEシグナルの低下をフローサイトメトリーによって分析し、FlowJoソフトウエアによって計算し、%増殖性T細胞としてプロットした。CFSEはカルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステルを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す。
1BiMAB分泌に対する応答におけるT細胞の活性化およびT細胞媒介の標的細胞溶解が0.3:1のエフェクター対標的比により始まる。 CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞を、40μg/mlの1BiMAB IVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。トランスフェクションされた標的細胞を6ウエルプレートにおいて二連で、0.3:1から10:1までの示されたエフェクター対標的比でのヒト細胞傷害性T細胞(CD8+の選択されたT細胞)と共インキュベーションした。参照として、ヒトT細胞を標的細胞の非存在下で培養し((A)、1:0)、また、コントロールIVT−mRNAによりトランスフェクションされる標的細胞をエフェクター細胞の非存在下で培養した((B)、0:1)。陰性コントロールとして、ヒトT細胞を、40μg/mlのルシフェラーゼIVT−mRNAによりトランスフェクションされるNugC4標的細胞(ctrl IVT−mRNA)と、10:1のE:T比で共インキュベーションした((A)および(B) ctrl IVT−mRNA、10:1)。48時間後、細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PE、抗CD69−APCおよび生死染色のためのヨウ化プロピジウム(PI)により標識し、フローサイトメトリーによって分析した。(A)は、陽性染色された細胞傷害性ヒトT細胞の百分率を示す。(B)は、死んでいる(PI+)標的細胞の百分率を明らかにする。すべての値をFlowJoソフトウエアにより求めた。E:Tはエフェクター対標的を示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
ヒト細胞傷害性T細胞はbi−scFvのIVT−mRNAのレシピエント細胞および産生細胞として働くことができる。 ヒト細胞傷害性T細胞をCD8陽性選択によってPBMCから新たに単離し、続いて、80μg/mlまたは240μg/mlの1BiMAB IVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。トランスフェクションされたエフェクター細胞を6ウエルプレートにおいて二連で、5:1のエフェクター対標的比で、CLDN18.2を内因的に発現するNugC4標的細胞と共インキュベーションした。参照として、処理されていないヒトT細胞を標的細胞とともに培養した。陰性コントロールとして、80μg/mlまたは240μg/mlのeGFPコントロールIVT−mRNAによりトランスフェクションされるヒトT細胞をNugC4標的細胞と共インキュベーションした。48時間後、細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PE、抗CD69−APCおよび生死染色のためのヨウ化プロピジウム(PI)により標識し、フローサイトメトリーによって分析した。(A)は、陽性染色された細胞傷害性ヒトT細胞の百分率を示す。(B)において、参照サンプルに対して正規化される死んでいる(PI+)標的細胞の百分率がプロットされる。すべての値をFlowJoソフトウエアにより求めた。ctrlはコントロールを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
1BiMABのIVT−mRNAによりトランスフェクションされるCLDN18.2陰性標的細胞はT細胞によって溶解されない。 ルシフェラーゼを安定的に発現するCLDN18.2陰性細胞株PA−1は標的細胞株として役立った。5×106個のPA−1/luc細胞を合計で40μg/mlのIVT−mRNAによりエレクトロポレーションによってトランスフェクションした。4μg/mlおよび40μg/mlの1BiMAB IVT−mRNA、または、陽性コントロールとしての、内因的に発現されるCLDN6を標的化する6RHU3をトランスフェクションした。bi−scFv陰性コントロールとして、発現されないTAAを標的化する40μg/mlのbi−scFv IVT−mRNA(−ctrl)をトランスフェクションした。このIVT−mRNAは4μg/mlのIVT−mRNAサンプルにおけるフィルアップ(fill−up)用RNAとしてもまた役立った(IVT−mRNA 4μg/ml 1BiMAB、IVT−mRNA 4μg/ml 6RHU3)。bi−scFv陰性コントロールによりトランスフェクションされたPA−1/luc細胞およびエフェクター細胞との組合せでの1BiMABおよび6PHU3を用いたタンパク質コントロールサンプルが含まれた。 トランスフェクションされた標的細胞を5:1のエフェクター対標的比でヒト細胞傷害性T細胞(汎T細胞)とともに播種した。すべてのサンプルを96ウエル形式において三連で播種し、72時間にわたって共インキュベーションした。最小溶解コントロール(Lmin)として、それぞれの個々のトランスフェクションされた標的細胞サンプルを、エフェクター細胞を伴うことなく播種した。自然発光カウント数に対して正規化するための最大溶解(Lmax)を、Triton X−100をルシフェリン添加前に、エフェクター細胞および処理されていない標的細胞を含有するコントロールウエル(Lmax1)、または、処理されていない標的細胞を単独で含有するコントロールウエル(Lmax2)に加えることによって達成した。ルシフェリン溶液を加えた30分後、発光を、Infinite M200 Tecanマイクロプレートリーダーで測定した。特異的な標的細胞溶解を下記の式によって計算した:%特異的溶解=[1−(発光試験サンプル−Lmax1)/(Lmin_試験サンプル−Lmax2)]×100。ctrlはコントロールを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す。
bi−scFv IVT−mRNAまたはbi−scFv IVT−レプリコンRNAによりトランスフェクションされる哺乳動物細胞による1BiMAB産生の証拠
bi−scFv IVT−mRNAまたはbi−scFv IVT−レプリコンRNAによりトランスフェクションされる哺乳動物細胞による1BiMAB産生の証拠。
bi−scFv IVT−mRNAまたはbi−scFv IVT−レプリコンRNAによりトランスフェクションされる哺乳動物細胞による1BiMAB産生の証拠。 (A)5×106個のBHK21細胞を、40μg/mlの1BiMAB IVT−mRNAまたは1BiMAB IVT−レプリコンRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。模擬コントロールとして、細胞を、RNAを伴うことなくエレクトロポレーションした。トランスフェクションの18時間後、上清および細胞を集めた。細胞を溶解し、上清を約50倍の濃縮に供した。処理されていない上清および濃縮された上清を、Ni−NTAプレート、抗chCLDN18.2abイディオタイプmABおよび二次のAPコンジュゲート化抗体を使用してELISAによって分析した。2倍ずつで2.3ng/mlから37.5ng/mlにまで及ぶ希釈列における精製された1BiMABタンパク質を標準物として使用した。(B)濃縮された上清、(A)の細胞溶解物、および、陽性コントロールとしての0.1μgの精製された1BiMABタンパク質をSDS−PAGEにより分離した。ウエスタンブロット分析を一次のモノクローナル抗His抗体および二次のペルオキシダーゼコンジュゲート化抗マウス抗体により行った。(C)5×106個のBHK21細胞を、40μg/mlの1BiMAB IVT−mRNAまたはno.25 IVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。模擬コントロールとして、細胞を、RNAを伴うことなくエレクトロポレーションした。トランスフェクションの48時間後、上清を集め、40倍の濃縮に供した。SN、および、陽性コントロールとしての0.1μgの精製された1BiMABタンパク質をSDS−PAGEにより分離した。ウエスタンブロット分析を一次のモノクローナル抗His抗体および二次のペルオキシダーゼコンジュゲート化抗マウス抗体により行った。ctrlはコントロールを示す;mABはモノクローナル抗体を示す;SNは上清を示す;WBはウエスタンブロットを示す。
1BiMABのbi−scFv IVT−mRNAまたはIVT−レプリコンRNAの注入はインビボ産生および検出可能な1BiMAB bi−scFv分子をマウスにおいて引き起こす。 10μgの1BiMAB IVT−mRNAを、EBKのIVT−mRNAを伴って、または伴うことなく、あるいは、10μgの1BiMAB IVT−レプリコンを、NSGマウスにIM注入した。注入の2日後、4日後および7日後に採取される血液からの血清インビトロ細胞傷害性アッセイにおいて適用した。CLDN18.2およびルシフェラーゼを安定的に発現するNugC4−LVT−CLDN18.2/luc標的細胞を、20μlのサンプル上清とともに48時間、30:1のE:T比でのヒトT細胞と共インキュベーションした。標準物1BiMABタンパク質コントロール、LminおよびLmaxは、20μlのNSG模擬血清を含有した。EBKはワクシニアウイルスタンパク質カクテル(E3、B−18R、K3)を示す;IMは筋肉内を示す。
TAA CLDN6を標的化するbi−scFv抗体をコードするIVT−RNA分子の概略的例示。 抗CLDN6 bi−scFv抗体をコードするインビトロ転写されたRNA配列の略図。(A)抗TAA可変領域に関する5'側位置および3'側位置におけるIVT mRNA。(B)抗TAA可変領域に関する3'側位置におけるIVTアルファウイルスレプリコン。抗CLDN6のVH領域およびVL領域が、モノクローナルなCLDN6抗体(mCLDN6ab)の配列から作製される。"Cap"が、ARCA、ベータ−S−ARCA(D1)またはベータ−S−ARCA(D2)に代わって一律に使用される。抗CD3のVH領域およびVL領域が、モノクローナルなCD3抗体TR66の配列から作製される。Aはアデニンを示す;bi−scFvは二重特異性の単鎖可変フラグメントを示す;hAgはヒトアルファグロビンの5'−UTRを示す;hBgはヒトベータグロビンの3'−UTRを示す;Hisはヘキサヒスチジルタグを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;LLは、長いリンカー(15個〜18個のアミノ酸)を示す;nsP1〜4は非構造タンパク質1〜4を示す;Secは分泌シグナルを示す;sgPはサブゲノムプロモーターを示す;SLは、短いリンカー(5個〜6個のアミノ酸)を示す;TAAは腫瘍関連抗原を示す;UTRは非翻訳領域を示す;Vは抗体の重(H)鎖および軽(L)鎖の可変領域を示す。
抗CLDN6 bi−scFv IVT−mRNAによりトランスフェクションされる標的細胞とヒトT細胞との共インキュベーションはT細胞のクラスター化を引き起こす。CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を、20μg/mlの6RHU5 IVT−mRNAまたは6RHU3 IVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションし、6ウエルプレートにおいて5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞(汎T細胞)と共インキュベーションした。陰性コントロールサンプルとして、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNAによりトランスフェクションされたPA−1標的細胞(−ctrl)で、ヒトT細胞と共インキュベーションされるものを使用した(上段列、左側写真)。中段列は、非処理のPA−1細胞およびヒトT細胞で、陰性コントロールとして、タンパク質を伴わない場合(模擬、左側写真)、あるいは、陽性コントロールとして、50μg/mlの精製された抗CLDN6 bi−scFvタンパク質の6PHU5(中央)または6PHU3(右側)を伴う場合を示す。下段列は単独での非処理のPA−1細胞(左側)およびヒトT細胞(右側)を示す。24時間の共インキュベーションの後、サンプルを、Nikon Eclipse Ti顕微鏡により200×の倍率で写真撮影した。白の矢印は標的細胞上のT細胞のクラスターを示す。bi−scFvは二重特異性の単鎖可変フラグメントを示す;ctrlはコントロールを示す;huはヒトを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
効力に対するドメイン配向の影響:抗CLDN6 bi−scFv 6RHU3による標的細胞のトランスフェクションは、6RHU5による場合よりも大きい割合の活性化されたT細胞をもたらす。 CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を、それらの効力をT細胞活性化アッセイにおいて比較するために、CLDN6およびCD3に対して向けられる2つのbi−scFv変化体(6RHU5および6RHU3)により一過性にトランスフェクションした。変化体につき、5×106個のPA−1細胞を20μg/mlのIVT−mRNAによりエレクトロポレーションした。トランスフェクションされた標的細胞を再計数し、1×105個の細胞を6ウエルプレートあたり播種し、5:1のE:T比でヒト細胞傷害性T細胞(CD8+の選択されたT細胞)とインキュベーションした。陰性コントロールとして、処理されていない標的細胞(hu TL+PA−1 非処理)と、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNAによりトランスフェクションされる標的細胞(hu TL+PA−1 −ctrl)とを選んだ。6PHU5タンパク質が50ng/mlの濃度で陽性コントロールとして役立った(hu TL+PA−1タンパク質ctrl)。さらに、T細胞を、標的細胞を伴うことなく、バックグラウンドでの活性化の参照として、6PHU5タンパク質を伴って、または伴うことなく播種した。それぞれのサンプルを二連で播種した。分析を24時間後および48時間後に行った:T細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PE、抗CD69−APCおよび生死染色のための7−AADにより標識し、フローサイトメトリーによって分析した。TAA依存的なbi−scFv媒介のT細胞活性化が、共インキュベーションの24時間後(A)および48時間後(B)に両方の抗CLDN6 bi−scFv変化体により認められた。bi−scFv 6RHU3によるトランスフェクションは、およそ20%より大きいT細胞活性化を両方の時点で引き起こした。bi−scFvは二重特異性の単鎖可変フラグメントを示す;ctrlはコントロールを示す;huはヒトを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
6RHU3の分泌はT細胞活性化を濃度依存的様式で媒介する。 CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を、0.2μg/ml〜20μg/mlの6RHU3 IVT−mRNAと、発現されないTAAを標的化する適量のbi−scFv IVT−mRNAとを含有する合計で20μg/mlのIVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。発現されないTAAを標的化する20μg/mlのbi−scFv IVT−mRNA(0.0μg/mlの6RHU3 IVT−mRNA)のトランスフェクションは、特異性コントロールとして役立った。トランスフェクションされた標的細胞を6ウエルプレートにおいて二連で、5:1のエフェクター対標的比でのヒト細胞傷害性T細胞(汎T細胞)と共インキュベーションした。T細胞活性化の参照として、ヒトT細胞を、6PHU5タンパク質を伴うことなく単独で(hu TL−)、または、6PHU5タンパク質とともに培養した(hu TLタンパク質ctrl)。陰性コントロールとして、T細胞を、処理されていないPA−1標的細胞と共インキュベーションした(hu TL+PA−1 −ctrl)。6PHU5タンパク質が50ng/mlの濃度で陽性コントロールとして役立った(hu TL+PA−1タンパク質ctrl)。48時間後、T細胞を集め、抗CD3−FITC、抗CD25−PEおよび抗CD69−APCにより標識し、フローサイトメトリーによって分析した。グラフは、FlowJoソフトウエアにより求められる場合の陽性染色されたヒトT細胞の百分率を明らかにする。bi−scFvは二重特異性の単鎖可変フラグメントを示す;ctrlはコントロールを示す;huはヒトを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す;TLはTリンパ球を示す。
48時間後における特異的な標的細胞溶解についての6RHU3のEC50がおよそ200ng/mlである。 ルシフェラーゼを安定的に発現する、CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を、0.004μg/ml〜13.3μg/mlの6RHU3と、発現されないTAAを標的化する適量のbi−scFv IVT−mRNAとを含有する合計で13.3μg/mlのbi−scFv IVT−mRNAの総濃度を用いたエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。トランスフェクションされた標的細胞を96ウエル形式において三連で、5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞とともに播種した。最小溶解コントロール(Lmin)として、それぞれの個々のトランスフェクションされた標的細胞サンプルを、エフェクター細胞を伴うことなく播種した。自然発光カウント数に対して正規化するための最大溶解(Lmax)を、Triton X−100をルシフェリン添加の直前に、エフェクター細胞および処理されていない標的細胞を含有するコントロールウエルに加えることによって達成した。ルシフェリン溶液を加えた30分後、発光を、Infinite M200 Tecanマイクロプレートリーダーで24時間後および48時間後に測定した。特異的な標的細胞溶解を下記の式によって計算した:%特異的溶解=[1−(発光試験サンプル−Lmax)/(Lmin_試験サンプル−Lmax)]×100。値を6RHU3濃度のlog10に対してプロットした。EC50は50%最大有効濃度を示す;Lは溶解を示す。
T細胞の増殖がCLDN6の存在下において標的細胞による6RHU3分泌に応答して特異的に誘導される。 ヒトT細胞をアッセイのためにCFSE染色した。T細胞を、標的細胞を伴うことなく(T細胞)、陽性の活性化コントロールとして5μg/mlのOKT3および2μg/mlのαCD28との組合せで(+ctrl)、または、5ng/mlの標的化しないコントロールbi−scFvとともに(−ctrlタンパク質)、または、5ng/mlの6PHU3タンパク質(6PHU3タンパク質)とともに培養した。T細胞と、CLDN6を内因的に発現するPA−1標的細胞とを一緒に(T細胞+CLDN6陽性標的細胞)、何も伴うことなく(模擬)、または、5ng/mlの6PHU3タンパク質(6PHU3タンパク質)とインキュベーションした。IVT−mRNAを試験するために、PA−1細胞を、20μg/mlの6RHU3 IVT−mRNA(6RHU3 mRNA)、または、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNA(−ctrl mRNA)によりトランスフェクションし、T細胞とインキュベーションした。加えて、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNAによりトランスフェクションされるPA−1細胞を、5ng/mlの6PHU3タンパク質と組み合わせた(−ctrl mRNA+6PHU3タンパク質)。さらなる特異性コントロールとして、CLDN6を発現しない標的細胞株MDA−MB−231をT細胞と一緒に伴うサンプルを含めた(T細胞+CLDN6陰性標的細胞)。MDA−MB−231を処理しないで使用し、何も伴うことなく(模擬)、または、5ng/mlのコントロールbi−scFvタンパク質(−ctrlタンパク質)もしくは5ng/mlの6PHU3(6PHU3タンパク質)とインキュベーションしたか、あるいは、MDA−MB−231を、20μg/mlの6RHU3 IVT−mRNA(6RHU3 mRNA)、または、発現されないTAAを標的化するbi−scFv IVT−mRNA(−ctrl mRNA)によりトランスフェクションした。アッセイを96ウエルにおいて5:1のエフェクター対標的比で行い、それぞれのサンプルが三連であり、インキュベーション時間が72時間であった。T細胞の増殖を示すCFSEシグナルの低下をフローサイトメトリーによって分析し、FlowJoソフトウエアによって計算し、%増殖性T細胞としてプロットした。CFSEはカルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステルを示す;IVTは、インビトロ転写されたことを示す;mRNAはメッセンジャーRNAを示す。
bi−scFvのIVT−mRNAまたはIVT−レプリコンRNAによりトランスフェクションされる哺乳動物細胞による6RHU3翻訳の証拠。
bi−scFvのIVT−mRNAまたはIVT−レプリコンRNAによりトランスフェクションされる哺乳動物細胞による6RHU3翻訳の証拠。
bi−scFvのIVT−mRNAまたはIVT−レプリコンRNAによりトランスフェクションされる哺乳動物細胞による6RHU3翻訳の証拠。 (A)5×106個のBHK21細胞を、40μg/mlの6RHU3 IVT−mRNAまたは6RHU3 IVT−レプリコンRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。40μg/mlのno.25 IVT−mRNAのトランスフェクションを追加のサンプルとして含めた。模擬ctrlとして、細胞を、RNAを伴うことなくエレクトロポレーションした。トランスフェクションの18時間後、上清および細胞を集めた。細胞を溶解し、上清を約50倍の濃縮に供した。非処理の上清および濃縮された上清を、Ni−NTAプレート、抗mCLDN6abイディオタイプmABおよび二次のAPコンジュゲート化抗体を使用してELISAによって分析した。2倍ずつで2.3ng/mlから150ng/mlにまで及ぶ希釈列における精製された6PHU3タンパク質を標準物として使用した。(B)濃縮された上清、(A)の細胞溶解物、および、陽性コントロールとしての0.1μgの精製された6PHU3タンパク質をSDS−PAGEにより分離した。ウエスタンブロット分析を一次のモノクローナル抗His抗体および二次のペルオキシダーゼコンジュゲート化抗マウス抗体により行った。(C)5×106個のBHK21細胞を、40μg/mlの6RHU3 IVT−mRNAまたはno.25 IVT−mRNAによりエレクトロポレーションによって一過性にトランスフェクションした。模擬コントロールとして、細胞を、RNAを伴うことなくエレクトロポレーションした。トランスフェクションの48時間後、上清を集め、40倍の濃縮に供した。SN、および、陽性コントロールとしての0.1μgの精製された6PHU3タンパク質をSDS−PAGEにより分離した。ウエスタンブロット分析を一次のモノクローナル抗His抗体および二次のペルオキシダーゼコンジュゲート化抗マウス抗体により行った。ctrlはコントロールを示す;mABはモノクローナル抗体を示す;SNは上清を示す;WBはウエスタンブロットを示す。
6RHU3 bi−scFvのIVT−mRNAまたはIVT−レプリコンRNAの注入はインビボ翻訳および検出可能なbi−scFv分子をマウスにおいて引き起こす。 10μgの6RHU3 IVT−mRNAを、EBKのIVT−mRNAを伴って、または伴うことなく、あるいは、10μgの6RHU3 IVT−レプリコンを、NSGマウスにIM注入した。注入の7日後に採取される血液からの血清をインビトロ細胞傷害性アッセイにおいて適用した。CLDN6を内因的に発現し、かつ、ルシフェラーゼを安定的に発現するPA−1/luc標的細胞を、20μlのサンプル血清とともに48時間、30:1のE:T比でのヒトT細胞と共インキュベーションした。標準物6PHU3タンパク質コントロール、LminおよびLmaxは、20μlのNSG模擬血清を含有した。EBKはワクシニアウイルスタンパク質カクテル(E3、B−18R、K3)を示す;IMは筋肉内を示す。
scFv抗CD3結合ドメインをタンパク質のC末端部分に含有する抗CLDN18.2bi−scFvタンパク質の細胞傷害性結果。
scFv抗CD3結合ドメインをタンパク質のC末端部分に含有する抗CLDN18.2bi−scFvタンパク質の細胞傷害性結果。
scFv抗CD3結合ドメインをタンパク質のC末端部分に含有する抗CLDN18.2bi−scFvタンパク質の細胞傷害性結果。
scFv抗CD3結合ドメインをタンパク質のC末端部分に含有する抗CLDN18.2bi−scFvタンパク質の細胞傷害性結果。 CLDN18.2およびCD3に対して向けられるbi−scFv変化体を、それらの効力を細胞傷害性アッセイにおいて比較するためにCHO細胞において一過性に発現させ、プロテイン−L樹脂により精製した。CLDN18.2を内因的に発現するNugC4細胞で、ルシフェラーゼを安定的に発現するNugC4細胞を標的細胞として選んだ。ヒトT細胞および標的細胞を96ウエル形式において、5000ng/ml、1000ng/ml、200ng/mlおよび40ng/mlのそれぞれのbi−scFvタンパク質とともに5:1のE:T比でインキュベーションした。それぞれの試験サンプルを三連で置床し、Lminのためのコントロールサンプルを三連で置床した。分析前の共インキュベーション時間が24時間および48時間であった。ルシフェリン溶液を所与の時点で加えた後、発光を、Infinite M200 TECANリーダーで測定した。特異的な標的細胞溶解をそれぞれの濃度について計算し、特異的な標的細胞溶解が報告された。 a.抗CD3の可変ドメインがVH−VLのドメイン順序であり、LL4ペプチドリンカーによって隔てられる。 b.抗CD3の可変ドメインがVH−VLの順序であり、LL4ペプチドリンカーによって隔てられる。scFv抗CD3は相互接続ジスルフィド架橋をVHドメインとVLドメインとの間に含有する。 c.抗CD3の可変ドメインがVL−VHの順序であり、LL5ペプチドリンカーによって隔てられる。 d.抗CD3の可変ドメインがVL−VHの順序であり、LL5ペプチドリンカーによって隔てられる。scFv抗CD3は相互接続ジスルフィド架橋をVLドメインとVHドメインとの間に含有する。
抗CLDN6 bi−scFvタンパク質を用いたルシフェラーゼ細胞傷害性アッセイで得られるEC50値のアッセイ内比較。 ルシフェラーゼ細胞傷害性アッセイをT細胞調製のための3名の異なるドナーに関して行った。計算されたEC50値(これらは、24時間および48時間のインキュベーションの後、6つの試験された抗CLDN6 bi−scFvタンパク質により計算される)が、それぞれの独立したアッセイについて報告される(A、BおよびC)。CLDN6を内因的に発現するPA−1細胞を96ウエル形式において三連で、増大する濃度(AおよびBについては0.025ng/ml〜50000ng/ml、Cについては0.0025ng/ml〜5000ng/ml)の抗CLDN6 bi−scFvタンパク質および5:1のエフェクター対標的比でのヒトT細胞と24時間および48時間インキュベーションした。最小溶解コントロール(Lmin)として、エフェクター細胞および標的細胞を、bi−scFvタンパク質を伴うことなく置床した。自然発光カウント数に対して正規化するための最大溶解(Lmax)を、Triton X−100をルシフェリン添加の直前に、エフェクター細胞および標的細胞をbi−scFvの非存在下で含有するコントロールウエルに加えることによって達成した。ルシフェリン溶液を加えた30分後、発光を、24時間および48時間の標的細胞およびエフェクター細胞のインキュベーションの後、Infinite M200 Tecanマイクロプレートリーダーで測定した。特異的な標的細胞溶解を下記の式によって計算した:%特異的溶解=[1−(発光試験サンプル−Lmax)/(Lmin−Lmax)]×100。EC50は50%最大有効濃度を示す;Lは溶解を示す;NAは、適用されないことを示す。

0048

本発明は下記において詳しく記載されるにもかかわらず、本明細書中に記載される特定の方法論プロトコルおよび試薬は変化することがあるので、本発明は、本明細書中に記載される特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されないことを理解しなければならない。また、本明細書中で使用される術語は、特定の実施形態を記載するという目的のためだけであり、添付された特許請求の範囲によってのみ限定されることになる本発明の範囲を限定するために意図されないことも理解しなければならない。別途定義される場合を除き、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。

0049

下記において、本発明の構成要素が記載されるであろう。これらの構成要素が具体的な実施形態とともに列挙されており、しかしながら、これらは、さらなる実施形態を創出するために、どのような様式であれ、また、どのような数であれ、組み合わされ得ることが理解されなければならない。様々に記載されている実施例および好ましい実施形態は、本発明を明示的に記載された実施形態のみに限定するために解釈してはならない。この記載は、明示的に記載された実施形態を開示されている構成要素および/または好ましい構成要素のいくつとでも組み合わせる実施形態を裏づけるために、また、包含するために理解されなければならない。そのうえ、本特許出願におけるすべての記載された構成要素のどのような並び替えおよび組合せも、文脈がそれ以外のことを示す場合を除き、本特許出願の記載によって開示されると見なされなければならない。

0050

好ましくは、本明細書中で使用される用語は、"A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)"(H.G.W.Leuenberger、B.NagelおよびH.Kolbl編、Helvetica Chimica Acta、CH−4010 Basel、スイス、(1995))に記載されるように定義される。

0051

本発明の実施では、別途示される場合を除き、この分野における文献において説明される、化学生化学細胞生物学免疫学および組換えDNA技術の従来の方法が用いられるであろう(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(J.Sambrook他編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、1989)を参照のこと)。

0052

本明細書および下記の特許請求の範囲の全体を通して、文脈が他のことを要求する場合を除き、単語"comprise"(含む)および変化形(例えば、"comprises"および"comprising"など)は、言及されたある構成要素、整数または工程、あるいは複数の構成要素、複数の整数または複数の工程の群を包含し、しかし、何らかの他の構成要素、整数または工程、あるいは複数の構成要素、複数の整数または複数の工程の群を除外しないことを暗示することが理解されるであろう。だが、いくつかの実施形態では、そのような他の構成要素、整数または工程、あるいは複数の構成要素、複数の整数または複数の工程の群が除外される、すなわち、主題が、ある構成要素、整数または工程、あるいは複数の構成要素、複数の整数または複数の工程の群からなる場合がある。本発明を記載するという状況(とりわけ、特許請求の範囲の文脈)で使用される用語"a"および用語"an"および用語"the"ならびに類似する言及は、本明細書中に別途示される場合または文脈によって明確に矛盾する場合を除き、単数および複数の両方を包含するように解釈されなければならない。本明細書中における値の範囲の列挙は、当該範囲に含まれるそれぞれの別個の値を個々に示す簡略的方法として役立つために単に意図されるだけである。本明細書中で別途示される場合を除き、それぞれの個々の値が、その値が本明細書中に個々に列挙されていたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載されるすべての方法が、本明細書中に別途示される場合または文脈によって明確に矛盾する場合を除き、どのような順であれ、好適な順で行われることが可能である。ありとあらゆる例、または、例示的語法(例えば、"such as"(例えば、・・・など))の使用は、本明細書中に提供される場合、単に発明をより良く例示することのみを意図し、本発明または特許請求の範囲に対し限定を置くものではない。本明細書における語法はどれも、どのような構成要素であれ、本発明の実施に不可欠である主張されていない構成要素を示すとして解釈してはならない。

0053

いくつかの文書が本明細書の本文を通して引用される。上記または下記のどちらにおいてであろうと、本明細書中に引用される文書(すべての特許、特許出願、科学的刊行物製造者仕様書説明書などを含む)のそれぞれが本明細書により、それらの全体において参照によって組み込まれる。本明細書中には、本発明は、そのような開示に先行する資格先行発明によってないということを認めるものとして解釈されるものは何もない。

0054

クローディンは、タイトジャンクションの最も重要な成分である一群のタンパク質であり、タイトジャンクションにおいて、これらのタンパク質は、上皮の細胞の間での細胞間隙における分子の流れを制御する傍細胞バリアを規定する。クローディンは、N端側末端およびC端側末端がともに細胞質に位置する、膜を4回またがる膜貫通タンパク質である。1番目の細胞外ループ(これはEC1またはECL1と呼ばれる)は平均して53個のアミノ酸からなり、2番目の細胞外ループ(これはEC2またはECL2と呼ばれる)は24個前後のアミノ酸からなる。クローディンファミリーの細胞表面タンパク質、例えば、CLDN6およびCLDN18.2などが、様々な起源の腫瘍において発現され、これらは、それらの選択的発現(毒性と関連した正常な組織では発現が認められない)および原形質膜への局在化のために抗体媒介のガン免疫療法に関連して標的構造物として特に適する。

0055

本発明との関連において、好ましいクローディンがCLDN6およびCLDN18.2である。CLDN6およびCLDN18.2は、腫瘍組織において示差的に発現されるとして特定されており、CLDN18.2を発現する唯一の正常な組織が胃であり、CLDN6を発現する唯一の正常な組織が胎盤である。

0056

CLDN18.2は、胃粘膜の分化した上皮細胞における正常な組織において選択的に発現される。CLDN18.2は、様々な起源のガンにおいて、例えば、膵臓ガン腫、食道ガン腫、胃ガン腫、気管支ガン腫、乳ガン腫およびENT腫瘍などにおいて発現される。CLDN18.2は原発性腫瘍の防止および/または処置のための有益な標的であり、例えば、胃ガン、食道ガン、膵臓ガン、肺ガン(例えば、非小細胞肺ガン(NSCLC)など)、卵巣ガン、結腸ガン、肝ガン、頭頸部ガンおよび胆嚢のガンならびにそれらの転移物(特に、胃ガン転移物、例えば、クルケンベルグ腫瘍、腹膜転移物およびリンパ節転移物など)などの防止および/または処置のための有益な標的である。

0057

CLDN6は、例えば、卵巣ガン、肺ガン、胃ガン、乳ガン、肝ガン、膵臓ガン、皮膚ガン、メラノーマ、頭頸部ガン、肉腫、胆管ガン、腎細胞ガンおよび膀胱ガンにおいて発現されることが見出されている。CLDN6は、卵巣ガン(特に、卵巣腺ガンおよび卵巣奇形ガン)、肺ガン(小細胞肺ガン(SCLC)および非小細胞肺ガン(NSCLC)を含むが、特に、扁平上皮肺ガンおよび扁平上皮肺腺ガン)、胃ガン、乳ガン、肝ガン、膵臓ガン、皮膚ガン(特に、基底細胞ガンおよび扁平上皮ガン)、悪性メラノーマ、頭頸部ガン(特に、悪性多形性腺腫)、肉腫(特に、滑膜肉腫および滑膜ガン肉腫)、胆管ガン、膀胱のガン(特に、移行上皮ガンおよび移行上皮乳頭状ガン)、腎臓ガン(特に、腎明細胞ガンおよび乳頭状腎細胞ガンを含む腎細胞ガン)、結腸ガン、小腸ガン(回腸のガン、特に、小腸腺ガンおよび回腸の腺ガンを含む)、精巣胎児性ガン、胎盤性絨毛ガン、子宮頸ガン、精巣ガン(特に、精巣セミノーマ、精巣奇形腫および胎芽性精巣ガン)、子宮ガン、胚細胞腫瘍(例えば、奇形ガンまたは胚性ガン腫など、特に、精巣の胚細胞腫瘍)、および、それらの転移形態物の防止および/または処置のための特に好ましい標的である。1つの実施形態において、CLDN6発現に伴うガン疾患が、卵巣ガン、肺ガン、転移性卵巣ガンおよび転移性肺ガンからなる群から選択される。好ましくは、卵巣ガンはガン腫または腺ガンである。好ましくは、肺ガンはガン腫または腺ガンであり、好ましくは細気管支ガンであり、例えば、細気管支ガン腫または細気管支腺ガンなどである。

0058

用語「CLDN」は本明細書中で使用される場合、クローディンを意味し、CLDN18.2およびCLDN6を包含する。好ましくは、クローディンはヒトのクローディンである。

0059

用語「CLDN18」はクローディン18を示し、これには、クローディン18のスプライス変化体1(クローディン18.1(CLDN18.1))およびクローディン18のスプライス変化体2(クローディン18.2(CLDN18.2))を含めて、どのような変化体も含まれる。

0060

用語「CLDN18.2」は好ましくはヒトCLDN18.2に関連し、特に、配列表の配列番号1によるアミノ酸配列または前記アミノ酸配列の変化体を含むタンパク質、好ましくは、配列表の配列番号1によるアミノ酸配列または前記アミノ酸配列の変化体からなるタンパク質を示す。CLDN18.2の1番目の細胞外ループは好ましくは、配列番号1に示されるアミノ酸配列のアミノ酸27〜アミノ酸81を含み、より好ましくは、配列番号1に示されるアミノ酸配列のアミノ酸29〜アミノ酸78を含む。CLDN18.2の2番目の細胞外ループは好ましくは、配列番号1に示されるアミノ酸配列のアミノ酸140〜アミノ酸180を含む。前記1番目の細胞外ループおよび2番目の細胞外ループは好ましくは、CLDN18.2の細胞外部分を形成する。

0061

用語「CLDN6」は好ましくはヒトCLDN6に関連し、特に、配列表の配列番号2または配列番号3のアミノ酸配列あるいは前記アミノ酸配列の変化体を含むタンパク質、好ましくは、配列表の配列番号2または配列番号3のアミノ酸配列あるいは前記アミノ酸配列の変化体からなるタンパク質を示す。CLDN6の1番目の細胞外ループは好ましくは、配列番号2に示されるアミノ酸配列または配列番号3に示されるアミノ酸配列のアミノ酸28〜アミノ酸80を含み、より好ましくは、配列番号2に示されるアミノ酸配列または配列番号3に示されるアミノ酸配列のアミノ酸28〜アミノ酸76を含む。CLDN6の2番目の細胞外ループは好ましくは、配列番号2に示されるアミノ酸配列または配列番号3に示されるアミノ酸配列のアミノ酸138〜アミノ酸160を含み、好ましくは、配列番号2に示されるアミノ酸配列または配列番号3に示されるアミノ酸配列のアミノ酸141〜アミノ酸159を含み、より好ましくは、配列番号2に示されるアミノ酸配列または配列番号3に示されるアミノ酸配列のアミノ酸145〜アミノ酸157を含む。前記1番目の細胞外ループおよび2番目の細胞外ループは好ましくは、CLDN6の細胞外部分を形成する。

0062

本発明による用語「変化体」は特に、変異体、スプライス変化体、立体配座体、イソ型対立遺伝子変化体、種変化体および種ホモログを示し、特に、天然に存在するそれらを示す。対立遺伝子変化体は、遺伝子の正常な配列における変化体に関連し、だが、その意味は多くの場合に不明である。完全な遺伝子配列決定により、多くの場合、数多くの対立遺伝子変化体が所与の遺伝子について特定される。種ホモログは、所与の核酸配列またはアミノ酸配列の起源の種とは異なる起源の種を有する核酸配列またはアミノ酸配列である。用語「変化体」は、翻訳後修飾された変化体および立体配座変化体のどのようなものも包含するものとする。

0063

本明細書中に記載される結合剤の第2の標的分子がCD3(分化クラスター3)である。CD3複合体は、成熟型ヒトT細胞、胸腺細胞、および、ナチュラルキラー細胞サブセットの表面に多分子のT細胞受容体(TCR)複合体の一部として発現される抗原を意味する。このT細胞共受容体タンパク質複合体であり、4つの異なった鎖から構成される。哺乳動物において、この複合体は、CD3γ鎖、CD3δ鎖および2つのCD3ε鎖を含有する。これらの鎖は、T細胞受容体(TCR)として知られている分子およびζ鎖と会合して、活性化シグナルをTリンパ球において生じさせる。TCR、ζ鎖およびCD3分子が一緒になって、TCR複合体を構成する。

0064

ヒトCD3イプシロンはGenBankアクセション番号NM_000733で示され、配列番号4を含む。ヒトCD3ガンマはGenBankアクセション番号NM000073で示される。ヒトCD3デルタはGenBankアクセション番号NM_000732で示される。CD3はTCRのシグナル伝達に関わっている。LinおよびWeiss(Journal of Cell Science 114、243〜244(2001))によって記載されるように、MHC提示された特異的な抗原エピトープが結合することによるTCR複合体の活性化はSrcファミリーのキナーゼによる免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)のリン酸化をもたらし、これにより、Ca2+放出を含むT細胞活性化をもたらすさらなるキナーゼの動員が誘発される。T細胞上におけるCD3のクラスター化、例えば、固定化された抗CD3抗体によるCD3のクラスター化により、T細胞受容体の関与と類似するが、そのクローン典型的な特異性とは無関係なT細胞活性化が引き起こされる。

0065

本明細書中で使用される場合、「CD3」はヒトCD3を包含し、多分子のT細胞受容体複合体の一部としてヒトT細胞の表面に発現される抗原を意味する。

0066

CD3に関して、本発明の結合剤は好ましくはCD3のイプシロン鎖を認識し、特に、CD3イプシロンの最初の27個のN末端アミノ酸またはこの27アミノ酸範囲機能的フラグメントに対応するエピトープを認識する。

0067

本発明によれば、用語「クローディン陽性ガン」または類似する用語は、クローディンを発現するガン細胞、好ましくは、クローディンをその表面に発現するガン細胞を伴うガンを意味する。

0068

「細胞表面」は、この技術分野におけるその通常の意味に従って使用され、したがって、タンパク質および他の分子による結合のために接触可能である細胞の外側を包含する。

0069

クローディンが細胞の表面に位置し、かつ、細胞に加えられるクローディン特異的な抗体による結合のために接触可能であるならば、クローディンは前記細胞の表面に発現している。

0070

用語「細胞外部分」は本発明との関連では、細胞の細胞外空間に面し、かつ、好ましくは、前記細胞の外側から、例えば、抗原結合分子(例えば、細胞の外側に位置する抗体など)によって接触可能である分子(例えば、タンパク質など)の一部分を示す。好ましくは、この用語は、1つまたは複数の細胞外ループまたは細胞外ドメインあるいはそれらのフラグメントを示す。

0071

用語「一部分」または用語「フラグメント」は本明細書中では交換可能に使用され、連続している構成要素を示す。例えば、構造物(例えば、アミノ酸配列またはタンパク質など)の一部分は、前記構造物の連続している構成要素を示す。構造物の部分、一部分またはフラグメントは好ましくは、前記構造物の1つまたは複数の機能的性質を含む。例えば、エピトープまたはペプチドの部分、一部分またはフラグメントは好ましくは、それらが由来するエピトープまたはペプチドと免疫学的に同等である。タンパク質配列の一部分またはフラグメントは好ましくは、当該タンパク質配列の少なくとも6個、特に、少なくとも8個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個または少なくとも100個の連続するアミノ酸の配列を含む。

0072

本発明によれば、CLDN18.2は、発現レベルが、胃の細胞または胃の組織における発現と比較してそれよりも低いならば、細胞において実質的に発現していない。好ましくは、発現レベルは胃の細胞または胃の組織における発現の10%未満であり、好ましくは5%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満または0.05%未満であり、あるいは、それよりも一層低い。好ましくは、CLDN18.2は、発現レベルが胃以外の非ガン性組織における発現レベルを最大でも2倍しか超えていないならば、好ましくは最大でも1.5倍しか超えていないならば、好ましくは前記非ガン性組織における発現レベルを超えていないならば、細胞において実質的に発現していない。好ましくは、CLDN18.2は、発現レベルが検出限界を下回っているならば、および/または、発現レベルが低すぎて、細胞に加えられるCLDN18.2特異的抗体による結合を可能にすることができないならば、細胞において実質的に発現していない。

0073

本発明によれば、CLDN18.2は、発現レベルが胃以外の非ガン性組織における発現レベルを好ましくは2倍を超えて、好ましくは10倍を超えて、100倍を超えて、1000倍を超えて、または10000倍を超えて超えるならば、細胞において発現している。好ましくは、CLDN18.2は、発現レベルが検出限界を上回っているならば、および/または、発現レベルが、細胞に加えられるCLDN18.2特異的抗体による結合を可能にするために十分に高いならば、細胞において発現している。好ましくは、細胞において発現されるCLDN18.2は前記細胞の表面に発現されるか、または露出する。

0074

本発明によれば、CLDN6は、発現レベルが、胎盤の細胞または胎盤の組織における発現と比較してそれよりも低いならば、細胞において実質的に発現していない。好ましくは、発現レベルは胎盤の細胞または胎盤の組織における発現の10%未満であり、好ましくは5%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満または0.05%未満であり、あるいは、それよりも一層低い。好ましくは、CLDN6は、発現レベルが胎盤以外の非ガン性組織における発現レベルを最大でも2倍しか超えていないならば、好ましくは最大でも1.5倍しか超えていないならば、好ましくは前記非ガン性組織における発現レベルを超えていないならば、細胞において実質的に発現していない。好ましくは、CLDN6は、発現レベルが検出限界を下回っているならば、および/または、発現レベルが低すぎて、細胞に加えられるCLDN6特異的抗体による結合を可能にすることができないならば、細胞において実質的に発現していない。

0075

本発明によれば、CLDN6は、発現レベルが胎盤以外の非ガン性組織における発現レベルを好ましくは2倍を超えて、好ましくは10倍を超えて、100倍を超えて、1000倍を超えて、または10000倍を超えて超えるならば、細胞において発現している。好ましくは、CLDN6は、発現レベルが検出限界を上回っているならば、および/または、発現レベルが、細胞に加えられるCLDN6特異的抗体による結合を可能にするために十分に高いならば、細胞において発現している。好ましくは、細胞において発現されるCLDN6は前記細胞の表面に発現されるか、または露出する。

0076

本発明によれば、用語「疾患」は、どのような病理学的状態をも示し、これには、ガン、特に、本明細書中に記載されるガンのそのような形態が含まれる。ガンまたは特定の形態のガンに対する本明細書中での参照はどれも、そのガン転移物もまた包含する。好ましい実施形態において、本特許出願に従って処置されるための疾患は、クローディン(CLDN)を発現する細胞、例えば、CLDN18.2および/またはCLDN6などを発現する細胞を伴う。

0077

「CLDNを発現する細胞に関連する疾患」または類似する表現は、本発明によれば、CLDNが患部組織または患部器官の細胞において発現されることを意味する。1つの実施形態において、患部組織または患部器官の細胞におけるCLDN発現が、健康な組織または器官における状態と比較して増大している。増大は、少なくとも10%の増大を示し、特に、少なくとも20%の増大、少なくとも50%の増大、少なくとも100%の増大、少なくとも200%の増大、少なくとも500%の増大、少なくとも1000%の増大、少なくとも10000%の増大またはそれよりも一層大きい増大を示す。1つの実施形態において、発現は患部組織において見出されるだけであり、一方、健康な組織における発現は抑制されている。本発明によれば、CLDNを発現する細胞に関連する疾患には、ガン疾患が含まれる。そのうえ、本発明によれば、ガン疾患は好ましくは、ガン細胞がCLDNを発現するガン疾患である。

0078

本明細書中で使用される場合、「ガン疾患」または「ガン」には、異常に調節された細胞成長細胞増殖細胞分化細胞接着および/または細胞遊走によって特徴づけられる疾患が含まれる。「ガン細胞」によって、急速な制御されない細胞増殖によって成長し、かつ、新しい成長を開始させた刺激が終わった後も成長し続ける正常でない細胞が意味される。好ましくは、「ガン疾患」は、CLDNを発現する細胞によって特徴づけられ、ガン細胞がCLDNを発現する。CLDNを発現する細胞は好ましくはガン細胞であり、好ましくは、本明細書中に記載されるガンのガン細胞である。

0079

用語「ガン」は本発明によれば、白血病、セミノーマ、メラノーマ、奇形腫、リンパ腫神経芽細胞腫神経膠腫直腸ガン、子宮内膜ガン、腎臓ガン、副腎ガン、甲状腺ガン、血液ガン、皮膚ガン、脳のガン、子宮頸ガン、腸ガン、肝臓ガン、結腸ガン、胃ガン、腸ガン、頭頸部ガン、胃腸ガン、リンパ節ガン、食道ガン、結腸直腸ガン、膵臓ガン、鼻咽頭(ENT)ガン、乳ガン、前立腺ガン、子宮のガン、卵巣ガンおよび肺ガン、ならびに、それらの転移物を含む。その例が、肺ガン腫、乳房ガン腫、前立腺ガン腫、結腸ガン腫、腎細胞ガン腫、子宮頸ガン腫、あるいは、上記で記載されるガンタイプまたは腫瘍の転移物である。ガンの用語は本発明によれば、ガン転移物もまた含む。

0080

本発明によれば、「ガン(腫)」は、上皮細胞に由来する悪性腫瘍である。この一群は、乳ガン、前立腺ガン、肺ガンおよび結腸ガンの一般的な形態を含めて、最も一般的なガンを表す。

0081

「腺ガン」は、腺組織に起源を有するガンである。この組織はまた、上皮組織として知られているより大きい組織カテゴリーの一部である。上皮組織には、皮膚、腺、ならびに、身体の空洞および器官を裏打ちする様々な他の組織が含まれる。上皮は発生学的には、外胚葉内胚葉および中胚葉に由来する。腺ガンとして分類されるためには、細胞は、分泌特性を有する限り、腺の一部分であることは必ずしも必要ない。この形態のガン腫が、ヒトを含めて、一部の高等哺乳動物において生じ得る。高分化型腺ガンは、それらが由来する腺組織に似る傾向があり、一方、低分化型腺ガンはそのような傾向を有しない場合がある。生検物からの細胞を染色することによって、病理学者は、腫瘍が腺ガンまたは何らかの他のタイプのガンであるかを決定するであろう。様々な腺ガンが、身体内の腺の遍在性のために身体の多くの組織において生じる可能性がある。それぞれの腺が同じ物質を分泌し続けないかもしれないが、細胞に対する外分泌機能が存在する限り、その細胞は腺であると見なされ、したがって、その悪性形態は腺ガンと呼ばれる。悪性の腺ガンは、そのための十分な時間が与えられるならば、他の組織に侵入し、多くの場合には転移する。卵巣の腺ガンは卵巣ガン腫の最も一般的なタイプである。これには、漿液性腺ガンおよび粘液性腺ガン、明細胞腺ガン、ならびに、類内膜腺ガンが含まれる。

0082

「転移」によって、ガン細胞がその最初の部位から身体の別の部分に広がることが意味される。転移の形成は非常に複雑なプロセスであり、原発性腫瘍からの悪性細胞剥離細胞外マトリックスへの侵入、体腔および血管に進入するための内皮基底膜への浸透、その後、血液によって運ばれた後では標的器官への浸潤に依存する。最後に、標的部位における新しい腫瘍の成長が血管形成に依存する。腫瘍転移は多くの場合、原発性腫瘍を除いた後でさえ生じる。なぜならば、腫瘍細胞または腫瘍成分が残存し、転移能発達させる場合があるからである。1つの実施形態において、用語「転移」は本発明によれば、原発性腫瘍および局所リンパ節系から遠く離れている転移物に関連する「遠位転移」に関連する。1つの実施形態において、用語「転移」は本発明によれば、リンパ節転移に関連する。本発明の治療を使用して処置可能である転移の1つの特定の形態が、原発部位としての胃ガンに起源を有する転移である。好ましい実施形態において、そのような胃ガン転移は、クルケンベルグ腫瘍、腹膜転移および/またはリンパ節転移である。

0083

クルケンベルグ腫瘍は、すべての卵巣腫瘍の1%〜2%を占める卵巣の珍しい転移性腫瘍である。クルケンベルグ腫瘍の予後は依然として非常に不良であり、クルケンベルグ腫瘍のための確立された処置は存在しない。クルケンベルグ腫瘍は卵巣の転移性印環細胞腺ガンである。胃が、ほとんどのクルケンベルグ腫瘍症例における原発部位である(70%)。結腸のガン腫、虫垂のガン腫および乳房のガン腫(主に浸潤性小葉ガン)が、次に最も一般的な原発部位である。胆嚢、胆道、膵臓、小腸、ファーター膨大部子宮頸部および膀胱/尿膜管のガン腫に起源を有するクルケンベルグ腫瘍の希な症例が報告されている。

0084

「処置する」によって、腫瘍のサイズまたは腫瘍の数を被験体において縮小することを含めて、疾患を防止するか、または排除すること;疾患を被験体において停止させるか、または遅らせること;新しい疾患の発達を被験体において阻害するか、または遅らせること;症状の頻度もしくは重篤度および/または再発を、現時点で疾患を有する被験体において、または、以前に疾患を有したことがある被験体において低下させること;ならびに/あるいは、被験体の寿命延ばすこと、すなわち、増大させることのために、化合物または組成物あるいは化合物または組成物の組合せを被験体に投与することが意味される。

0085

特に、用語「疾患の処置」には、疾患を治療すること、疾患の継続期間を短縮すること、疾患を改善すること、疾患を防止すること、疾患の進行または悪化を遅くするか、または阻害すること、あるいは、疾患の発症またはその症状を防止するか、または遅らせることが含まれる。

0086

本発明との関連において、「保護する」、「防止する」、「予防的」、「防止的」または「保護的」などの用語は、被験体における疾患の発生および/または伝播の防止または処置または両方に関連し、特に、被験体が疾患を発達させるであろう可能性を最小限に抑えること、または、疾患の発達を遅らせることに関連する。例えば、ガンの危険性がある人が、ガンを防止するための治療の候補であると考えられる。

0087

「危険性がある」によって、一般的な集団と比較して、疾患(特にガン)を発達させる可能性が通常よりも大きいとして特定される対象が意味される。加えて、疾患(特にガン)を有したことがある被験体、または、現時点で疾患(特にガン)を有する被験体は、疾患を発達させることについての増大した危険性を有する被験体である。なぜならば、そのような被験体は疾患を発達させ続けることがあるからである。現時点でガンを有する被験体、または、ガンを有したことがある被験体はまた、ガン転移についての増大した危険性を有する。

0088

用語「患者」は、本発明によれば、処置のための被験体、特に、疾患を有する被験体を意味し、これには、ヒト、ヒト以外の霊長類および別の動物、特に、哺乳動物、例えば、ウシウマブタヒツジ、ヤギ、イヌネコまたは齧歯類(例えば、マウスおよびラットなど)などが含まれる。特に好ましい実施形態において、患者はヒトである。

0089

「標的細胞」は、どのような細胞であれ、望まれない細胞(例えば、ガン細胞など)を意味するものとする。好ましい実施形態において、標的細胞はCLDNを発現する。

0090

用語「抗原」は、免疫応答が向けられ、かつ/または、向けられることになるエピトープを含む剤(例えば、タンパク質またはペプチドなど)に関連する。好ましい実施形態において、抗原は、腫瘍関連抗原(例えば、CLDN18.2またはCLDN6など)、すなわち、細胞質、細胞表面および細胞核に由来する場合があるガン細胞の構成成分であり、特に、好ましくは多量に、細胞内に、またはガン細胞上の表面抗原として産生されるそのような抗原である。

0091

本発明との関連において、用語「腫瘍関連抗原」は好ましくは、正常な状態のもとでは、限定された数の組織および/または器官において、あるいは、特定の発達段階において特異的に発現され、かつ、1つまたは複数の腫瘍組織またはガン組織において発現されるか、あるいは異常に発現されるタンパク質に関連する。本発明との関連において、腫瘍関連抗原は好ましくは、ガン細胞の細胞表面に関連し、正常な組織においては好ましくは発現されないか、または、ほんの希にしか発現されない。

0092

用語「エピトープ」は、分子における抗原決定基、すなわち、免疫系によって認識される分子における一部分、例えば、抗体によって認識される分子における一部分を示す。例えば、エピトープは、免疫系によって認識される抗原上の離れた三次元部位である。エピトープは通常の場合、分子(例えば、アミノ酸または糖側鎖など)の化学的に活性な表面群化からなり、通常の場合、特異的な三次元の構造的特徴、同様にまた、特異的な電荷特徴を有する。配座的エピトープおよび非配座的エピトープが、後者に対する結合ではなく、前者に対する結合が変性溶媒の存在下では失われるという点で区別される。タンパク質のエピトープは好ましくは、前記タンパク質の連続した部分または不連続な部分を含み、好ましくは、長さが5個〜100個の間のアミノ酸であり、好ましくは5個〜50個の間のアミノ酸であり、より好ましくは8個〜30個の間のアミノ酸であり、最も好ましくは10個〜25個の間のアミノ酸であり、例えば、エピトープは長さが好ましくは、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個または25個のアミノ酸である場合がある。

0093

用語「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互につながれる少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質を示す。用語「抗体」には、モノクローナル抗体、組換え抗体ヒト抗体ヒト化抗体およびキメラ抗体が含まれる。それぞれの重鎖が重鎖可変領域(本明細書中ではVHと略記される)および重鎖定常領域から構成される。それぞれの軽鎖が軽鎖可変領域(本明細書中ではVLと略記される)および軽鎖定常領域から構成される。VH領域およびVL領域はさらに、より保存されている領域(これはフレームワーク領域(FR)と呼ばれる)が散らばる超可変性の領域(これは相補性決定領域(CDR)と呼ばれる)に細かく分けることができる。それぞれのVHおよびVLが3つのCDRおよび4つのFRから構成され、これらがアミノ末端からカルボキシ末端に、下記の順で配置される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫グロブリンが、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の最初の成分(Clq)を含めて、宿主の組織または因子に結合することを媒介する場合がある。

0094

用語「モノクローナル抗体」は本明細書中で使用される場合、単一分子組成抗体分子調製物を示す。モノクローナル抗体は単一の結合特異性および親和性を呈示する。1つの実施形態において、モノクローナル抗体が、ヒト以外の動物(例えば、マウス)から得られるB細胞不死化細胞に融合されて含むハイブリドーマによって産生される。

0095

用語「組換え抗体」は本明細書中で使用される場合、組換え手段によって調製される、発現される、作出される、または単離されるすべての抗体を包含する:例えば、(a)免疫グロブリン遺伝子について遺伝子組換えまたは染色体組換えである動物(例えば、マウス)から、あるいは、当該動物から調製されるハイブリドーマから単離される抗体;(b)抗体を発現するように形質転換される宿主細胞から単離される抗体、例えば、トランスフェクトーマから単離される抗体;(c)組換えのコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離される抗体;および(d)免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列スプライシングすることを伴う何らかの他の手段によって調製される、発現される、作出される、または単離される抗体。

0096

用語「ヒト抗体」は本明細書中で使用される場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を包含することが意図される。ヒト抗体は、ヒト生殖系列の免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでのランダム変異誘発または部位特異的変異誘発によって、あるいは、インビボでの体細胞変異によって導入される変異)を含む場合がある。

0097

用語「ヒト化抗体」は、ヒト以外の種から得られる免疫グロブリンに実質的に由来する抗原結合部位を有する分子であって、当該分子の残る免疫グロブリン構造がヒト免疫グロブリンの構造および/または配列に基づく分子を示す。抗原結合部位は、定常ドメインに融合される完全な可変ドメイン、または、可変ドメインにおいて適切なフレームワーク領域にグラフト化される相補性決定領域(CDR)のみのどちらかを含む場合がある。抗原結合部位は野生型である場合があり、あるいは、1つまたは複数のアミノ酸置換によって改変される場合があり、例えば、よりヒト免疫グロブリンに酷似するように改変される場合がある。いくつかの形態のヒト化抗体はすべてのCDR配列を保っている(例えば、マウス抗体に由来する6つすべてのCDRを含有するヒト化されたマウス抗体)。他の形態は、元の抗体に関して変化させられる1つまたは複数のCDRを有する。

0098

用語「キメラ抗体」は、重鎖および軽鎖のアミノ酸配列のそれぞれの1つの部分が、特定の種に由来する抗体または特定のクラスに属する抗体における対応する配列に対して相同的であり、一方、鎖の残るセグメントが別の抗体における対応する配列に対して相同的であるそのような抗体を示す。典型的には、軽鎖および重鎖の両方の鎖の可変領域が、哺乳動物の1つの種に由来する抗体の可変領域に似ており、一方、定常部分が、別の種に由来する抗体の配列に対して相同的である。そのようなキメラ形態に対する1つの明確な利点が、可変領域が好都合には、例えば、ヒト細胞調製物に由来する定常領域との組合せで、ヒト以外の宿主生物に由来する容易に入手可能なB細胞またはハイブリドーマを使用して、現在知られている供給源に由来し得るということである。可変領域は、調製が容易であるという利点を有しており、かつ、特異性が供給源によって影響されないが、定常領域がヒトであることは、抗体が注射されたときには、免疫応答をヒト被験体から誘発する可能性が、ヒト以外の供給源に由来する定常領域が誘発するであろうよりも低い。しかしながら、定義はこの特定の例に限定されない。

0099

抗体は、マウス、ラット、ウサギモルモットおよびヒト(これらに限定されない)を含めて、種々の種に由来する場合がある。

0100

本明細書中に記載される抗体には、IgA抗体(例えば、IgA1抗体またはIgA2抗体など)、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgE抗体IgM抗体およびIgD抗体が含まれる。様々な実施形態において、抗体は、IgG1抗体、より具体的にはIgG1カッパイソタイプまたはIgG1ラムダイソタイプ(すなわち、IgG1、κ、λ)、IgG2a抗体(例えば、IgG2a、κ、λ)、IgG2b抗体(例えば、IgG2b、κ、λ)、IgG3抗体(例えば、IgG3、κ、λ)またはIgG4抗体(例えば、IgG4、κ、λ)である。

0101

本明細書中で使用される場合、「異種抗体」は、そのような抗体を産生する遺伝子組換え動物に関連して定義される。この用語は、遺伝子組換え生物からならない生物に見出されるアミノ酸配列またはこれに対応するコードする核酸配列を有し、かつ、一般には、遺伝子組換え生物以外の種に由来する抗体を示す。

0102

本明細書中で使用される場合、「ヘテロハイブリッド抗体」は、異なる生物起源の軽鎖および重鎖を有する抗体を示す。例えば、マウス軽鎖を伴うヒト重鎖を有する抗体がヘテロハイブリッド抗体である。

0103

本明細書中に記載される抗体は好ましくは単離される。「単離された抗体」は、本明細書中で使用される場合、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を示すことが意図される(例えば、CLDN18.2に特異的に結合する単離された抗体は、CLDN18.2以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、ヒトCLDN18.2のエピトープ、イソ型または変化体に特異的に結合する単離された抗体は、例えば、他の種に由来する他の関連した抗原(例えば、CLDN18.2の種ホモログ)に対する交差反応性を有する場合がある。そのうえ、単離された抗体は、他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まない場合がある。本発明の1つの実施形態において、「単離された」モノクローナル抗体の組合せは、様々な抗体が異なる特異性を有し、かつ、十分に規定された組成物または混合物において組み合わされることに関連する。

0104

抗体の「抗原結合部分」(または単に「結合性部分」)または抗体の「抗原結合フラグメント」(または単に「結合性フラグメント」)の用語あるいは類似する用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つまたは複数のフラグメントを示す。抗体の抗原結合機能全長抗体のフラグメントによって果たされ得ることが示されている。抗体の「抗原結合部分」の用語の範囲内に包含される結合性フラグメントの例には、(i)Fabフラグメント、すなわち、VLドメイン、VHドメイン、CLドメインおよびCHドメインからなる一価のフラグメント;(ii)F(ab')2フラグメント、すなわち、ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結される2つのFabフラグメントを含む二価のフラグメント;(iii)VHドメインおよびCHドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体のただ1つだけのアームのVLドメインおよびVHドメインからなるFvフラグメント;(v)VHドメインからなるdAbフラグメント(Ward他(1989)、Nature、341:544〜546);(vi)単離された相補性決定領域(CDR);ならびに(vii)合成リンカーによって必要に応じてつながれる場合がある2つ以上の単離されたCDRの組合せが含まれる。そのうえ、Fvフラグメントの2つのドメイン、すなわち、VLおよびVHは、別個の遺伝子によってコードされるにもかかわらず、それらは、VL領域およびVH領域が対形成して一価の分子(これは単鎖Fv(scFv)として知られている)を形成する単一のタンパク質鎖として作製されることを可能にする合成リンカーによって、組換え法を使用してつなぐことができる(例えば、Bird他(1988)、Science、242:423〜426、および、Huston他(1988)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:5879〜5883を参照のこと)。そのような単鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合フラグメント」の用語の範囲内に包含されることが意図される。さらなる例が、(i)免疫グロブリンのヒンジ領域ポリペプチドに融合される結合ドメインポリペプチド、(ii)ヒンジ領域に融合される免疫グロブリン重鎖CH2定常領域、および、(iii)CH2定常領域に融合される免疫グロブリン重鎖CH3定常領域を含む結合ドメイン・免疫グロブリン融合タンパク質である。結合ドメインポリペプチドは重鎖可変領域または軽鎖可変領域であることが可能である。結合ドメイン・免疫グロブリン融合タンパク質がさらに、米国特許出願公開第2003/0118592号および同第2003/0133939号に開示される。これらの抗体フラグメントは、当業者に知られている従来の技術を使用して得られ、フラグメントは、無傷の抗体がスクリーニングされるのと同じ様式で有用性についてスクリーニングされる。

0105

用語「結合ドメイン」は、本発明に関連して、所与の標的構造/抗原/エピトープに結合する/と相互作用する構造物(例えば、抗体の構造)を特徴とする。したがって、本発明による結合ドメインは「抗原相互作用部位」を示す。

0106

本発明の目的のために本明細書中に記載されるようなすべての抗体および抗体の誘導体(例えば、抗体フラグメントなど)が用語「抗体」によって包含される。用語「抗体誘導体」は抗体のどのような改変された形態をも示し、例えば、抗体と別の剤または抗体とのコンジュゲート、あるいは、抗体フラグメントを示す。さらに、本明細書中に記載されるような抗体および抗体の誘導体は、本発明の結合剤(例えば、抗体フラグメントなど)を製造するために有用である。

0107

天然に存在する抗体は一般に単一特異性である。すなわち、天然に存在する抗体はただ1つだけの抗原に結合する。本発明は、(CD3受容体と会合することによって)細胞傷害性細胞に結合し、かつ、(CLDNと会合することによって)ガン細胞に結合する結合剤を提供する。本発明の結合剤は、少なくとも二重特異性または多特異性(例えば、三重特異性、四重特異性など)である。

0108

本発明の結合剤は、抗体分子の形式、または、抗体様分子の形式、または、抗体様性質を有するタンパク質足場の形式、または、少なくとも2つの結合特異性を有する環状ペプチドの形式である場合がある。したがって、結合剤は、本明細書中に記載されるような1つまたは複数の抗体あるいはそのフラグメントを含む場合がある。

0109

本発明によれば、二重特異性分子、特に、二重特異性タンパク質、例えば、二重特異性抗体などは、2つの異なる結合特異性を有し、したがって、2つの異なるタイプの抗原(例えば、CLDNおよびCD3など)に結合し得る分子である。特に、用語「二重特異性抗体」は、本明細書中で使用される場合、2つの抗原結合部位を含み、第1の結合部位が第1の抗原またはエピトープに対する親和性を有し、かつ、第2の結合部位が、第1の抗原またはエピトープと異なる第2の抗原またはエピトープに対する親和性を有する抗体を示す。具体的には、二重特異性抗体は、2つの異なる抗体のフラグメントから構成され(この場合、2つの異なる抗体の前記フラグメントにより、2つの結合ドメインが形成される)、かつ、その結果として、2つの異なるタイプの抗原に結合する人為的なタンパク質である。本発明による二重特異性抗体は、免疫細胞(例えば、免疫エフェクター細胞など)に対して、特に、(CD3に結合することによって)T細胞(例えば、細胞傷害性細胞など)に対して、かつ、破壊されるために(腫瘍関連抗原CLDNに結合することによって)ガン細胞のような標的細胞に対して同時に結合するために操作される。

0110

用語「二重特異性抗体」にはまた、ジアボディーが含まれる。ジアボディーは、VHドメインおよびVLドメインが単一ポリペプチド鎖で発現させられ、しかし、同じ鎖にあるこれら2つのドメインの間における対形成を可能にするには短すぎるリンカーが使用され、それにより、これらのドメインが別の鎖の相補的なドメインと対形成することが強制させられ、2つの抗原結合部位がもたらされる二価の二重特異性抗体である(例えば、Holliger,P.他(1993)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444〜6448;Poljak,R.J.他(1994)、Structure、2:1121〜1123を参照のこと)。

0111

「多特異性の結合剤」は、3つ以上の異なる結合特異性を有する分子である。

0112

本発明に従って特に好ましいものが、二重特異性抗体フラグメントを含む二重特異性抗体であり、特に、二重特異性単鎖抗体フラグメントを含む二重特異性単鎖抗体である。用語「二重特異性単鎖抗体」は、2つの結合ドメインを含む単一ポリペプチド鎖を意味する。特に、本発明による用語「二重特異性単鎖抗体」または用語「単鎖二重特異性抗体」あるいは関連する用語は好ましくは、少なくとも2つの抗体可変領域を、完全な免疫グロブリンには存在する定常部分および/またはFc部分欠く単一ポリペプチド鎖において連結することから生じる抗体構築物を意味する。

0113

例えば、二重特異性単鎖抗体は、合計で2つの抗体可変領域(例えば、2つのVH領域、それぞれが別個の抗原に特異的に結合することができる)が、短いポリペプチドスペーサーを介して互いにつながれ、その結果、それらの間に置かれたスペーサーを伴うこれら2つの抗体可変領域が単一の連続したポリペプチド鎖として存在するようにされる構築物である場合がある。二重特異性単鎖抗体の別の一例が、3つの抗体可変領域を有する単一ポリペプチド鎖である場合がある。ここで、2つの抗体可変領域が、例えば、1つのVHおよび1つのVLが、これら2つの抗体可変領域が合成ポリペプチドリンカーを介して互いにつながれるscFvを構成してもよく、ただし、この場合、後者は多くの場合、タンパク質分解に対して最大限抵抗性のままでありながら、最小限に免疫原性であるように遺伝子操作される。このscFvは特定の抗原に特異的に結合することができ、また、当該scFvが結合する抗原とは異なる抗原に結合することができるさらなる抗体可変領域(例えば、VH領域)につながれる。二重特異性単鎖抗体のさらに別の一例が、4つの抗体可変領域を有する単一ポリペプチド鎖である場合がある。ここで、第1の2つの抗体可変領域が、例えば、VH領域およびVL領域が、1つの抗原に結合することができる1つのscFvを形成する場合があり、これに対して、第2のVH領域およびVL領域が、別の抗原に結合することができる第2のscFvを形成する場合がある。単一の連続したポリペプチド鎖の内部において、1つの特異性の個々の抗体可変領域が好都合には、合成ポリペプチドリンカーによって隔てられる場合があり、これに対して、それぞれのscFvが好都合には、上記で記載されるような短いポリペプチドスペーサーによって隔てられる場合がある。

0114

本発明の1つの実施形態によれば、二重特異性抗体の第1の結合ドメインは1つの抗体可変ドメインを含み、好ましくはVHHドメインを含む。本発明の1つの実施形態によれば、二重特異性抗体の第1の結合ドメインは2つの抗体可変ドメインを含み、好ましくはscFv、すなわち、VH−VLまたはVL−VHを含む。本発明の1つの実施形態によれば、二重特異性抗体の第2の結合ドメインは1つの抗体可変ドメインを含み、好ましくはVHHドメインを含む。本発明の1つの実施形態によれば、二重特異性抗体の第2の結合ドメインは2つの抗体可変ドメインを含み、好ましくはscFv、すなわち、VH−VLまたはVL−VHを含む。したがって、その最小形態において、本発明による二重特異性抗体における抗体可変領域の総数はほんの2にすぎない。例えば、そのような抗体は2つのVHドメインまたは2つのVHHドメインを含むことができるかもしれない。

0115

本発明の1つの実施形態によれば、二重特異性抗体の第1の結合ドメインおよび第2の結合ドメインはそれぞれが1つの抗体可変ドメインを含み、好ましくはVHHドメインを含む。本発明の1つの実施形態によれば、二重特異性抗体の第1の結合ドメインおよび第2の結合ドメインはそれぞれが2つの抗体可変ドメインを含み、好ましくはscFv、すなわち、VH−VLまたはVL−VHを含む。この実施形態において、本発明の結合剤は好ましくは、(i)CLDN抗体の重鎖可変ドメイン(VH)、(ii)CLDN抗体の軽鎖可変ドメイン(VL)、(iii)CD3抗体の重鎖可変ドメイン(VH)、および、(iv)CD3抗体の軽鎖可変ドメイン(VL)を含む。

0116

二重特異性の全長型抗体が、2つのモノクローナル抗体を共有結合により連結することによって、または、従来のハイブリッド−ハイブリドーマ技術によって得られる場合がある。2つのモノクローナル抗体を共有結合により連結することが、Anderson、Blood、80(1992)、2826〜34に記載される。本発明との関連において、これらの抗体の一方の抗体がCLDNに対して特異的であり、他方の抗体がCD3に対して特異的である。

0117

1つの実施形態において、二重特異性の結合剤は、異なる特異性を有する2つの連続するN端側可変ドメインを含有する重鎖と、異なる特異性を有する2つの連続する可変ドメインを有する軽鎖とを有し、その結果、2つの異なる特異性を有する4つの結合ドメインをもたらす抗体様分子の形式であり(Wu他、Nat.Biotechnology、2007、25(11))、ただし、この場合、一方の特異性がCD3であり、他方の特異性がCLDNである。

0118

好ましい実施形態において、本発明の二重特異性の結合剤は抗体フラグメントの形式である。

0119

1つの実施形態において、本発明による二重特異性分子は2つのFab領域を含み、この場合、一方が、CLDNに対するものであり、他方が、CD3に対するものである。1つの実施形態において、本発明の分子は抗原結合フラグメント(Fab)2複合体である。Fab2複合体は2つのFabフラグメントから構成され、この場合、一方のFabフラグメントが、CD3抗原に対して特異的なFvドメイン(すなわち、VHドメインおよびVLドメイン)を含み、他方のFabフラグメントが、CLDNに対して特異的なFvドメインを含む。これらのFabフラグメントのそれぞれが、2つの単一鎖から、すなわち、VL−CLモジュールおよびVH−CHモジュールから構成される場合がある。代替において、個々のFabフラグメントのそれぞれが単一鎖で配置される場合があり、好ましくはVL−CL−CH−VHで配置される場合があり、かつ、個々の可変ドメインおよび定常ドメインがペプチドリンカーによりつながれる場合がある。一般に、個々の単一鎖およびFabフラグメントは、ジスルフィド結合、接着性ドメイン、化学的に連結されて、および/またはペプチドリンカーを介してつながれる場合がある。二重特異性分子はまた、3つ以上のFabフラグメントを含む場合があり、特に、分子は、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の異なる抗原に対する特異性を有するFab3、Fab4またはマルチマーFab複合体である場合がある。本発明にはまた、化学的に連結されたFabが含まれる。

0120

1つの実施形態において、本発明による結合剤には、様々なタイプの二価および三価の単鎖可変フラグメント(scFv)、すなわち、2つの抗体の可変ドメインを模倣する融合タンパク質が含まれる。単鎖可変フラグメント(scFv)は、免疫グロブリンの重鎖(VH)および軽鎖(VL)の可変領域が10個〜約25個のアミノ酸の短いリンカーペプチドによりつながれる融合タンパク質である。リンカーは通常、柔軟性のためにグリシンに富み、同様にまた、溶解性のためにセリンまたはトレオニンに富み、VHのN末端をVLのC末端とつなぐこと、または、逆に、VLのN末端をVHのC末端とつなぐことのどちらも可能である。二価(divalent、bivalent)の単鎖可変フラグメント(di−scFv、bi−scFv)は、2つのscFvを連結することによって操作することができる。これを、2つのVH領域および2つのVL領域を有する単一ペプチド鎖を作製することによって行うことができ、これにより、タンデム型scFvがもたらされる。本発明にはまた、3つ以上のscFv結合ドメインを含む多特異性分子が含まれる。このことは、分子が多数の抗原特異性を含み、三重特異性分子、四重特異性分子または多特異性分子であること、あるいは、分子が、同じ抗原に対する特異性を有する2つ以上のscFv結合ドメインを含む二重特異性分子であることのどちらも可能にする。特に、本発明の分子は多特異性単鎖Fvである場合がある。

0121

別の可能性が、2つの可変領域が一緒に折り重なるには短すぎるリンカーペプチド(約5個のアミノ酸)を用い、これにより、scFVが二量体化することを強制するscFvを作出することである。このタイプはジアボディーとして知られている。さらにより短いリンカー(1個または2個のアミノ酸)は、三量体(いわゆるトリアボディーまたはトリボディー)の形成を引き起こす。テトラボディーもまた作製されている。それらは、それらの標的に対して、ジアボディーよりも一層大きい親和性を示す。

0122

二重特異性抗体フラグメントの特に好ましい一例がジアボディー(Kipriyanov、Int.J.Cancer、77(1998)、763〜772)であり、これは小さい二価かつ二重特異性の抗体フラグメントである。ジアボディーは、重鎖可変ドメイン(VH)を、同じ鎖にある2つのドメインの間における対形成を可能にするには短すぎるペプチドリンカーによってつながれる同じポリペプチド鎖(VH−VL)における軽鎖可変ドメイン(VL)につながれて含む。このことは、別の鎖の相補的なドメインとの対形成を強制し、2つの機能的な抗原結合部位を有する二量体分子の組立てを促進させる。本発明の二重特異性ジアボディー構築するために、抗CD3抗体および抗CLDN抗体のVドメインが、VH(CD3)−VL(CLDN)、VH(CLDN)−VL(CD3)の2つの鎖を作出するために融合される場合がある。それぞれの鎖は単独では、それぞれの抗原に結合することができず、しかし、抗CD3抗体および抗CLDN抗体の機能的な抗原結合部位を、他方の鎖と対形成したときに再形成する。この目的を達成するために、同じ鎖にある2つのドメインの間における対形成を可能にするには短すぎるペプチドリンカーが使用される。分子内二量体化のためには短すぎる重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインとの間のリンカーとともに、これら2つのscFv分子は共発現され、自己集合して、2つの結合部位を反対側に有する二重特異性分子を形成する。

0123

1つの実施形態において、本発明による多特異性分子は免疫グロブリンの可変ドメイン(VH、VL)および定常ドメイン(C)を含む。1つの実施形態において、二重特異性分子はミニボディーであり、好ましくは、それぞれの鎖の定常ドメイン(C)を介して互いにつながれる2つの単一のVH−VL−C鎖を含むミニボディーである。この局面によれば、対応する可変重鎖領域(VH)、対応する可変軽鎖領域(VL)、および、定常ドメイン(C)が、N末端からC末端に、VH(CLDN)−VL(CLDN)−(C)およびVH(CD3)−VL(CD3)−C(式中、Cは好ましくはCH3ドメインである)の順で配置される。定常ドメインの対形成により、ミニボディーの形成がもたらされる。

0124

別の特に好ましい局面によれば、本発明の二重特異性の結合剤は、少なくとも2つの結合ドメインを含むか、または、少なくとも2つの結合ドメインからなり、それにより、前記ドメインの一方がCLDNに結合し、第2のドメインがCD3に結合する二重特異性単鎖抗体構築物の形式である。そのような分子は、「二重特異性T細胞エンゲージャー(engager)」(BiTE)とも呼ばれるものであり(用語BiTEは、1つのアームがCD3に対して特異的である二重特異性分子を示すだけである)、リンカーペプチドを介してつながれる2つのscFv分子からなる。

0125

本明細書中で使用される場合、「二重特異性単鎖抗体」は、2つの結合ドメインを含む単一ポリペプチド鎖を意味する。それぞれの結合ドメインが抗体重鎖からの可変領域(「VH領域」)を含み、ただし、この場合、第1の結合ドメインのVH領域がCLDNに特異的に結合し、第2の結合ドメインのVH領域がCD3に特異的に結合する。これら2つの結合ドメインは必要に応じて、短いポリペプチドスペーサーによって互いに連結される。ポリペプチドスペーサーについての限定されない一例が、Gly−Gly−Gly−Gly−Ser(G−G−G−G−S)およびその反復体である。それぞれの結合ドメインはさらに、抗体軽鎖からの1つの可変領域(「VL領域」)を含む場合があり、この場合、第1の結合ドメインおよび第2の結合ドメインのそれぞれの内部のVH領域およびVL領域が、第1の結合ドメインのVH領域およびVL領域ならびに第2の結合ドメインのVH領域およびVL領域が互いに対形成することを可能にするために十分に長いポリペプチドリンカーを介して互いに連結される。

0126

この局面によれば、対応する可変重鎖領域(VH)および対応する可変軽鎖領域(VL)が、N末端からC末端に、VH(CLDN)−VL(CLDN)−VH(CD3)−VL(CD3)の順、VH(CD3)−VL(CD3)−VH(CLDN)−VL(CLDN)の順、または、VH(CD3)−VL(CD3)−VL(CLDN)−VH(CLDN)の順で配置される。しかしながら、本発明の二重特異性単鎖抗体は、他のドメイン配置、例えば、VL(CLDN)−VH(CLDN)−VH(CD3)−VL(CD3)、VL(CLDN)−VH(CLDN)−VL(CD3)−VH(CD3)、VH(CLDN)−VL(CLDN)−VL(CD3)−VH(CD3)、VL(CD3)−VH(CD3)−VH(CLDN)−VL(CLDN)、VL(CD3)−VH(CD3)−VL(CLDN)−VH(CLDN)などを含むこともまた想定される。

0127

長いリンカーは一般には、対応する可変重鎖領域(VH)および対応する可変軽鎖領域(VL)をつないで、scFv結合ドメインをもたらし、一方、短いリンカーは一般に、2つのscFv結合ドメインをつなぐ。リンカーは一般に、柔軟性およびプロテアーゼ抵抗性を提供するように設計され、好ましくは、リンカーはグリシンおよび/またはセリンのアミノ酸残基を含む。短いペプチドリンカーは、12個以下のアミノ酸から、例えば、11個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個のアミノ酸から、好ましくは5個または6個のアミノ酸からなる場合がある。短いペプチドリンカーは好ましくは、SGGGGSまたはGGGGSのアミノ酸配列を含む。長いペプチドリンカーは、12個以上のアミノ酸から、例えば、15個〜25個のアミノ酸または15個〜20個のアミノ酸または15個〜18個のアミノ酸からなる場合がある。長いペプチドリンカーは好ましくは、(GGGGS)3またはVE(GGSGGS)2GGVDのアミノ酸配列を含む。さらなる長いペプチドリンカーは、(GGGGS)4、(GGGGS)5またはGGGGS(GGS)3GGGSのアミノ酸配列を含む場合がある。

0128

本発明による結合剤はまた、当該分子の分泌を容易にするためのアミノ酸配列(例えば、N末端の分泌シグナルなど)、および/あるいは、当該分子の結合、精製または検出を容易にする1つまたは複数のエピトープタグを含む場合がある。

0129

好ましくは、分泌シグナルは、分泌経路の十分な通過および/または細胞外環境への結合剤の分泌を可能にするシグナル配列(例えば、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55のいずれか1つから選択されるシグナル配列)である。好ましくは、分泌シグナル配列は切断可能であり、成熟型結合剤から除かれる。分泌シグナル配列は好ましくは、結合剤が産生される細胞または生物に関して選定される。

0130

エピトープタグのアミノ酸配列が、結合剤のアミノ酸配列の中のどのような位置に対してでも導入される場合があり、また、コードされたタンパク質構造の内部においてループの形態を取る場合があり、あるいは、結合剤にN末端またはC末端で融合される場合がある。好ましくは、エピトープタグは結合剤にC末端で融合される。エピトープタグは、当該タグを結合剤から除くことを可能にする切断部位を含有する場合がある。前記エピトープタグは、天然条件および/または変性条件のもとで機能的であるどのような種類のエピトープタグであることも可能であり、好ましくはヒスチジンタグであり、最も好ましくは6個のヒスチジンを含むタグである。

0131

本発明の二重特異性の結合剤は、前記第1の結合メインおよび第2の結合メインに加えて、例えば、腫瘍細胞に対する選択性を高めるために役立つさらなる結合ドメインを含有する場合がある。このことを、例えば、腫瘍細胞上に発現される他の抗原に結合する結合ドメインを提供することによって達成することができる。

0132

本発明との関連において、作製された結合剤は好ましくは、本明細書中に記載されるような免疫エフェクター機能を誘発することができる。好ましくは、前記免疫エフェクター機能は、腫瘍関連抗原CLDNをその表面に有する細胞に対するものである。

0133

用語「免疫エフェクター機能」は本発明との関連では、例えば、腫瘍の播種および転移の阻害を含めて、腫瘍成長の阻害および/または腫瘍発達の阻害をもたらす、免疫系の成分によって媒介されるどのような機能をも含む。好ましくは、免疫エフェクター機能により、腫瘍細胞の殺傷がもたらされる。そのような機能は、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性食作用ADCP)、腫瘍関連抗原を有する細胞におけるアポトーシスの誘導、腫瘍関連抗原を有する細胞の細胞溶解、および/または、腫瘍関連抗原を有する細胞の増殖の阻害を含む。結合剤はまた、ガン細胞の表面の腫瘍関連抗原に単に結合することによって影響を及ぼす場合がある。例えば、抗体は、ガン細胞の表面の腫瘍関連抗原に単に結合することによって腫瘍関連抗原の機能を阻止するか、または、アポトーシスを誘導する場合がある。

0134

本明細書中に記載される結合剤は治療用の成分または薬剤にコンジュゲート化される場合があり、例えば、細胞毒、薬物(例えば、免疫抑制剤)または放射性同位体などにコンジュゲート化される場合がある。細胞毒または細胞毒性剤には、細胞にとって有害であり、かつ、特に細胞を殺すどのような薬剤も含まれる。例には、タキソールサイトカラシンBグラミシジンD、臭化エチジウムエメチンマイトマイシンエトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチンビンブラスチンコルヒチンドキソルビシンダウノルビシンジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロンミトラマイシンアクチノマシンD、1−デヒドロテストステロングルココルチコイド類プロカインテトラカインリドカインプロプラノロールおよびピューロマイシンならびにそれらのアナログおよびホモログが含まれる。コンジュゲートを形成するための好適な治療用薬剤には、下記の薬剤が含まれるが、それらに限定されない:代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン6−チオグアニンシタラビンフルダラビン5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ(thioepa)、クロラムブシルメルファランカルムスチンBSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミドブスルファンジブロモマンニトールストレプトゾトシンマイトマイシンC、ならびに、cis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)(シスプラチン))、アントラサイクリン系薬剤(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前はアクチノマシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンおよびアントラマイシン(AMC))、ならびに、有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)。好ましい実施形態において、治療用薬剤は細胞毒性剤または放射性毒性剤である。別の実施形態において、治療用薬剤は免疫抑制剤である。さらに別の実施形態において、治療用薬剤はGMCSFである。好ましい実施形態において、治療用薬剤は、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、スルファート、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミドまたはリシンAである。

0135

結合剤はまた、細胞傷害性の放射性医薬品を作製するために放射性同位体(例えば、ヨウ素−131、イットリウム−90またはインジウム−111)にコンジュゲート化することができる。

0136

そのような治療用成分を抗体にコンジュゲート化するための様々な技術が広く知られている。例えば、Arnon他、"Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy"、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy、Reisfeld他(編)、243頁〜56頁(Alan R.Liss,Inc.、1985);Hellstrom他、"Antibodies For Drug Delivery"、Controlled Drug Delivery(第2版)、Robinson他(編)、623頁〜53頁(Marcel Dekker,Inc.、1987);Thorpe、"Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review"、Monoclonal Antibodies'84:Biological And Clinical Applications、Pinchera他(編)、475頁〜506頁(1985);"Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy"、Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy、Baldwin他(編)、303頁〜16頁(Academic Press、1985)、および、Thorpe他、"The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates"、Immunol.Rev.、62(1982)、119〜58を参照のこと。

0137

用語「結合(性)」は本発明によれば、好ましくは、特異的な結合に関連する。

0138

本発明によれば、抗体などの剤は、所定の標的に対する著しい親和性を有し、かつ、標準的なアッセイにおいてこの所定の標的に結合するならば、この所定の標的に結合することができる。「親和性」または「結合親和性」は多くの場合、平衡解離定数(KD)によって測定される。好ましくは、用語「著しい親和性」は、10−5M以下、10−6M以下、10−7M以下、10−8M以下、10−9M以下、10−10M以下、10−11M以下または10−12M以下の解離定数(KD)により所定の標的に結合することを示す。

0139

剤は、標的に対する著しい親和性を全く有さず、かつ、標準的なアッセイにおいてこの標識に有意に結合しないならば、特に、検出可能なほどに結合しないならば、この標的に(実質的に)結合することができない。好ましくは、剤は、前記標的が2μg/mlまでの濃度で存在するならば、好ましくは10μg/mlまでの濃度で存在するならば、より好ましくは20μg/mlまでの濃度で存在するならば、特に、50μg/mlまたは100μg/mlまたはそれ以上までの濃度で存在するならば、前記標的に検出可能なほどに結合しない。好ましくは、剤は、この剤が結合することができる所定の標的に対する結合についてのKDよりも少なくとも10倍大きいKDにより、100倍大きいKDにより、103倍大きいKDにより、104倍大きいKDにより、105倍大きいKDにより、または、106倍大きいKDにより標的に結合するならば、この標的に対する著しい親和性を有していない。例えば、剤が、この剤が結合することができる標的に結合することについてのKDが10−7Mであるならば、この剤が著しい親和性を全く有しない標的に対する結合についてのKDは、少なくとも10−6M、10−5M、10−4M、10−3M、10−2Mまたは10−1Mであろうと思われる。

0140

抗体などの剤は、所定の標的に結合することができ、一方で、他の標的には結合することができないならば、すなわち、著しい親和性を他の標的に対して全く有さず、かつ、標準的なアッセイにおいて他の標的に有意に結合しないならば、この所定の標的に対して特異的である。本発明によれば、剤がCLDNに結合することができ、しかし、他の標的には(実質的に)結合することができないならば、この剤はCLDNに対して特異的である。好ましくは、そのような他の標的に対する親和性および結合が、CLDN非関連のタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインヒト血清アルブミンHSA)またはクローディン以外の膜貫通タンパク質(例えば、MHC分子またはトランスフェリン受容体など)あるいは何らかの他の指定されたポリペプチドなど)に対する親和性または結合を有意に超えないならば、剤はCLDNに対して特異的である。好ましくは、剤は、この剤が特異的でない標的に対する結合についてのKDの少なくとも10分の1であるKDにより、100分の1であるKDにより、103分の1であるKDにより、104分の1であるKDにより、105分の1であるKDにより、または、106分の1であるKDにより所定の標的に結合するならば、この所定の標的に対して特異的である。例えば、剤が、この剤が特異的である標的に結合することについてのKDが10−7Mであるならば、この剤が特異的でない標的に対する結合についてのKDは、少なくとも10−6M、10−5M、10−4M、10−3M、10−2Mまたは10−1Mであろうと思われる。

0141

標的に対する剤の結合を、いずれかの好適な方法(例えば、Berzofsky他、"Antibody−Antigen Interactions"、Fundamental Immunology、Paul,W.E.編、Raven Press New York、NY(1984);Kuby,Janis、Immunology、W.H.Freeman and Company、New York、NY(1992)を参照のこと)および本明細書中に記載される方法を使用して実験的に求めることができる。親和性が、従来の技術を使用して、例えば、平衡透析などによって;BIAcore 2000装置を、製造者によって概略される一般的手順を使用して使用することによって;放射能標識された標的抗原を使用する放射免疫アッセイによって;または、当業者に知られている別の方法によって容易に求められる場合がある。親和性データは、例えば、Scatchard他(Ann N.Y.Acad.ScL、51:660(1949))の方法によって分析される場合がある。特定の抗体−抗原相互作用の測定された親和性は、異なる条件(例えば、塩濃度、pH)のもとで測定されるならば、異なる可能性がある。したがって、親和性および他の抗原結合パラメーター(例えば、KD、IC50)の測定は好ましくは、抗体および抗原の標準化された溶液ならびに標準化された緩衝液を用いて行われる。

0142

本明細書中で使用される場合、「イソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgMまたはIgG1)を示す。

0143

本明細書中で使用される場合、「イソタイプスイッチング」は、抗体のクラス、すなわち、抗体のイソタイプが1つのIgクラスから他のIgクラスの1つに変化する現象を示す。

0144

用語「天然に存在する」は、対象物に適用されるように本明細書中で使用される場合、対象物が自然界に見出され得るという事実を示す。例えば、自然界の供給源から単離することができ、かつ、実験室において人によって意図的に改変されていない、生物(ウイルスを含む)に存在するポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列は、天然に存在している。

0145

用語「再編成された」は本明細書中で使用される場合、Vセグメントが、本質的には完全なVHドメインまたはVLドメインをそれぞれコードする配座でD−JセグメントまたはJセグメントにじかに隣接して配置される重鎖免疫グロブリン遺伝子座または軽鎖免疫グロブリン遺伝子座の配置を示す。再編成された免疫グロブリン(抗体)遺伝子の遺伝子座を、生殖系列のDNAに対する比較によって特定することができる;再編成された遺伝子座は、少なくとも1つの組み換えられたヘプタマーノナマー相同性エレメントを有するであろう。

0146

用語「再編成されていない配置」または用語「生殖系列配置」は、Vセグメントに関連して本明細書中で使用される場合、Vセグメントが、DセグメントまたはJセグメントにじかに隣接しているようには組み換えられない配置を示す。

0147

1つの実施形態において、本発明の結合剤は、CLDN18.2に結合する能力、すなわち、CLDN18.2に存在するエピトープに結合する能力、好ましくは、CLDN18.2の細胞外ドメイン(特に、1番目の細胞外ループ、好ましくはCLDN18.2のアミノ酸位置29〜アミノ酸位置78)の中に位置するエピトープに結合する能力を有する。特定の実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は、CLDN18.1の表面に存在しないCLDN18.2上のエピトープに結合する。

0148

CLDN18.2に結合する能力を有する剤は好ましくは、CLDN18.2には結合するが、CLDN18.1には結合しない。好ましくは、CLDN18.2に結合する能力を有する剤はCLDN18.2に対して特異的である。好ましくは、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は、細胞表面に発現されるCLDN18.2に結合する。特定の好ましい実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は、生細胞の表面に存在するCLDN18.2の生来型エピトープに結合する。

0149

好ましい実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10およびそれらのフラグメントからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含む。

0150

好ましい実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19およびそれらのフラグメントからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。

0151

ある特定の好ましい実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は、下記の可能性(i)〜可能性(ix)から選択される重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)の組合せを含む:
(i)VHは、配列番号5によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号12によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(ii)VHは、配列番号6によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号11によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(iii)VHは、配列番号7によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号13によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(iv)VHは、配列番号9によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号16によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(v)VHは、配列番号8によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号15によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(vi)VHは、配列番号10によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号14によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(vii)VHは、配列番号10によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号17によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(viii)VHは、配列番号10によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号18によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む;
(ix)VHは、配列番号10によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号19によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む。

0152

特に好ましい実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)の下記の組合せを含む:
VHは、配列番号8によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号15によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む。

0153

さらなる特に好ましい実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する剤は重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)の下記の組合せを含む:
VHは、配列番号6によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含み、VLは、配列番号11によって表されるアミノ酸配列またはそのフラグメントを含む。

0154

用語「フラグメント」は特に、重鎖可変領域(VH)および/または軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域(CDR)の1つまたは複数を示し、好ましくは、少なくとも、重鎖可変領域(VH)および/または軽鎖可変領域(VL)のCDR3可変領域を示す。1つの実施形態において、相補性決定領域(CDR)の前記1つまたは複数は、一組の相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)から選択される。特に好ましい実施形態において、用語「フラグメント」は、重鎖可変領域(VH)および/または軽鎖可変領域(VL)の相補性決定領域のCDR1、CDR2およびCDR3を示す。

0155

1つの実施形態において、1つまたは複数のCDR、一組のCDRあるいは複数組のCDRの組合せを含む本明細書中に記載されるような結合剤は、前記CDRをそれらの介在フレームワーク領域と一緒に含む。好ましくは、部分はまた、1番目および4番目のフレームワーク領域のどちらかまたは両方の少なくとも約50%を含むであろうし、ただし、前記50%は1番目のフレームワーク領域のC端側50%および4番目のフレームワーク領域のN端側50%である。組換えDNA技術によって作製される結合剤の構築は、本発明の可変領域を、免疫グロブリン重鎖、他の可変ドメイン(例えば、ジアボディーの製造において)またはタンパク質標識を含むさらなるタンパク質配列につなぐためのリンカーの導入を含めて、クローニング工程または他の操作工程を容易にするために導入されるリンカーによってコードされる可変領域のN端側またはC端側の残基の導入をもたらす場合がある。

0156

1つの実施形態において、1つまたは複数のCDR、一組のCDRあるいは複数組のCDRの組合せを含む本明細書中に記載されるような結合剤は、前記CDRをヒト抗体フレームワーク内に含む。

0157

1つの実施形態において、本発明の結合剤は、CLDN6に結合する能力、すなわち、CLDN6に存在するエピトープに結合する能力、好ましくは、CLDN6の細胞外ドメイン(特に、1番目の細胞外ループ、好ましくはCLDN6のアミノ酸位置28〜アミノ酸位置76、または、2番目の細胞外ループ、好ましくはCLDN6のアミノ酸位置141〜アミノ酸位置159)の中に位置するエピトープに結合する能力を有する。特定の実施形態において、CLDN6に結合する能力を有する剤は、CLDN9の表面に存在しないCLDN6上のエピトープに結合する。好ましくは、CLDN6に結合する能力を有する剤は、CLDN4および/またはCLDN3の表面に存在しないCLDN6上のエピトープに結合する。最も好ましくは、CLDN6に結合する能力を有する剤は、CLDN6以外のCLDNタンパク質の表面に存在しないCLDN6上のエピトープに結合する。

0158

CLDN6に結合する能力を有する剤は好ましくは、CLDN6には結合するが、CLDN9には結合せず、かつ、好ましくは、CLDN4および/またはCLDN3には結合しない。好ましくは、CLDN6に結合する能力を有する剤はCLDN6に対して特異的である。好ましくは、CLDN6に結合する能力を有する剤は、細胞表面に発現されるCLDN6に結合する。特定の好ましい実施形態において、CLDN6に結合する能力を有する剤は、生細胞の表面に存在するCLDN6の生来型エピトープに結合する。

0159

好ましい実施形態において、CLDN6に結合する能力を有する剤は、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26およびそれらのフラグメントからなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)を含む。

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