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技術 ばね機構及び直動変位機構

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 織田豊生
出願日 2016年4月1日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-074670
公開日 2016年12月28日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-226259
状態 特許登録済
技術分野 電動機,発電機と機械的装置等との結合 ばね
主要キーワード 伸縮膜 基体フレーム 各連結ロッド 直動変位 要素部材 要素素子 誘電エラストマー 中空筒
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図面 (6)

課題

トランスデューサの膜状の弾性変形部を、対称性の高い形状で弾性変形させることができると共に、小型なサイズで構成することができるばね機構を提供する。

解決手段

ばね機構2は、トランスデューサ5の弾性変形部11から第1要素部材21に向かって延設されると共に第1要素部材21を弾性変形部11の中心軸線Cの方向に摺動自在に貫通して配置された筒状部材7と、第2要素部材22側から筒状部材7に向かって延設され、筒状部材7に弾性変形部11の中心軸線Cの方向に摺動自在に挿入されたロッド部材32とを備える。

概要

背景

従来、入力エネルギーに応じて面沿い方向に弾性的に伸縮する膜状の弾性変形部を有するトランスデューサを用いて構成されるばね機構に相当するものとして、例えば特許文献1の図6〜図8に記載されている機構が知られている。

上記特許文献1に見られるばね機構は、誘電エラストマー製の伸縮膜と、その厚み方向に電圧印加するための電極とから構成される弾性変形部を有する電歪素子をトランスデューサとして備えると共に、該電歪素子を収容するハウジングを備える。そして、電歪素子の弾性変形部は、その周縁部がハウジングの側壁に支持される。

さらに、特許文献1の図6及び図7に記載されている機構では、電歪素子の弾性変形部の中央部から、該弾性変形部の厚み方向の両側のうちの一方側に延設されたロッドがハウジングに形成された貫通穴を貫通している。

また、特許文献1の図8に記載されている機構では、電歪素子の弾性変形部の中央部から、該弾性変形部の厚み方向の両側に延設されたロッドがハウジングに形成された貫通穴を貫通している。

そして、いずれの機構でも、弾性変形部の面沿い方向の伸縮によって該弾性変形部の中央部が該弾性変形部の中心軸方向(=ロッドの軸心方向)に変位することに連動して、ロッドが移動(直動)するようになっている。

従って、電歪素子の弾性変形部の伸縮によって発生する弾性力を、ロッドを介して外部に伝達することが可能となっている。また、弾性変形部の印加電圧を変化させる(ひいては、入力エネルギーを変化させる)ことで、該弾性変形部の剛性を変化させることも可能である。

概要

トランスデューサの膜状の弾性変形部を、対称性の高い形状で弾性変形させることができると共に、小型なサイズで構成することができるばね機構を提供する。ばね機構2は、トランスデューサ5の弾性変形部11から第1要素部材21に向かって延設されると共に第1要素部材21を弾性変形部11の中心軸線Cの方向に摺動自在に貫通して配置された筒状部材7と、第2要素部材22側から筒状部材7に向かって延設され、筒状部材7に弾性変形部11の中心軸線Cの方向に摺動自在に挿入されたロッド部材32とを備える。

目的

本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、電歪素子等のトランスデューサの膜状の弾性変形部を、対称性の高い形状で弾性変形させることができると共に、小型なサイズで構成することができるばね機構を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力エネルギーに応じて面沿い方向に弾性的に伸縮可能に構成された膜状の弾性変形部を有するトランスデューサと、該トランスデューサの弾性変形部の周縁部を支持する支持部材とを備えるばね機構であって、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線方向での両側に、該弾性変形部と間隔を存して該弾性変形部に各々対向するように配置されると共に前記支持部材に対して各々固定された第1要素部材及び第2要素部材と、前記トランスデューサの弾性変形部から前記第1要素部材に向かって前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線と同方向に延設されると共に、前記第1要素部材を摺動自在に貫通して配置され、前記トランスデューサの弾性変形部側の一端部が開口する中空筒状に形成された筒状部材と、前記第2要素部材側から前記筒状部材に向かって該筒状部材と同軸心に延設され、該筒状部材に摺動自在に挿入されたロッド部材とを備え、一組の前記筒状部材及びロッド部材が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線上に配置され、又は、複数組の前記筒状部材及びロッド部材が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線の周囲で該中心軸線から一定半径円周に沿って等角度間隔で並ぶように配置されていることを特徴とするばね機構。

請求項2

請求項1記載のばね機構において、前記筒状部材及びロッド部材の一組が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線上に配置されていることを特徴とするばね機構。

請求項3

請求項1記載のばね機構において、前記トランスデューサは、厚み方向に積層された複数の弾性変形部を有するトランスデューサであることを特徴とするばね機構。

請求項4

第1部材と第2部材との間の相対変位を行わせる直動変位機構であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載のばね機構と、前記ロッド部材と一体に前記弾性変形部の中心軸線と同方向に移動可能に設けられた直動軸を有し、該直動軸をその軸心方向変位させる駆動力を発生するアクチュエータとを備えており、前記ばね機構の前記筒状部材のうちの、前記第1要素部材から前記トランスデューサと反対側に延在する部分に前記第1部材が連結され、前記ロッド部材が前記直動軸を介して前記第2部材に連結されていることを特徴とする直動変位機構。

請求項5

請求項4記載の直動変位機構において、前記アクチュエータは、前記直動軸としてのネジ軸と該ネジ軸にボールを介して嵌合するナットとを有するボールネジ機構と、該ボールネジ機構のナットを回転駆動するモータとを備えるアクチュエータであることを特徴とする直動変位機構。

請求項6

請求項4又は5記載の直動変位機構において、前記ロッド部材及び直動軸は、同軸心に一体に構成されていることを特徴とする直動変位機構。

技術分野

0001

本発明は、入力エネルギーに応じて面沿い方向に弾性的に伸縮する膜状の弾性変形部を有するトランスデューサを用いて構成されるばね機構と、該ばね機構を有する直動変位機構とに関する。

背景技術

0002

従来、入力エネルギーに応じて面沿い方向に弾性的に伸縮する膜状の弾性変形部を有するトランスデューサを用いて構成されるばね機構に相当するものとして、例えば特許文献1の図6〜図8に記載されている機構が知られている。

0003

上記特許文献1に見られるばね機構は、誘電エラストマー製の伸縮膜と、その厚み方向に電圧印加するための電極とから構成される弾性変形部を有する電歪素子をトランスデューサとして備えると共に、該電歪素子を収容するハウジングを備える。そして、電歪素子の弾性変形部は、その周縁部がハウジングの側壁に支持される。

0004

さらに、特許文献1の図6及び図7に記載されている機構では、電歪素子の弾性変形部の中央部から、該弾性変形部の厚み方向の両側のうちの一方側に延設されたロッドがハウジングに形成された貫通穴を貫通している。

0005

また、特許文献1の図8に記載されている機構では、電歪素子の弾性変形部の中央部から、該弾性変形部の厚み方向の両側に延設されたロッドがハウジングに形成された貫通穴を貫通している。

0006

そして、いずれの機構でも、弾性変形部の面沿い方向の伸縮によって該弾性変形部の中央部が該弾性変形部の中心軸方向(=ロッドの軸心方向)に変位することに連動して、ロッドが移動(直動)するようになっている。

0007

従って、電歪素子の弾性変形部の伸縮によって発生する弾性力を、ロッドを介して外部に伝達することが可能となっている。また、弾性変形部の印加電圧を変化させる(ひいては、入力エネルギーを変化させる)ことで、該弾性変形部の剛性を変化させることも可能である。

先行技術

0008

特開2009−41463号公報

発明が解決しようとする課題

0009

前記特許文献1に見られる如きばね機構に備えられるトランスデューサは、その弾性変形部の面沿い方向の伸縮に応じた弾性変形によって、該弾性変形部の中央部が比較的大きなストロークで変位し得る。ひいては、トランスデューサの弾性変形部の中央部近辺には、弾性変形時応力が集中しやすい。

0010

このため、特に、トランスデューサの弾性変形部の中央部の変位が比較的大きなものとなる弾性変形時に、該弾性変形部の弾性変形が、アンバランスなもの(弾性変形形状の対称性が低い弾性変形)になると、局所的な応力集中による弾性変形部の亀裂等の損傷が発生しやすい。

0011

ここで、前記特許文献1の図6及び図7に記載された構造のばね機構では、電歪素子(トランスデューサ)の弾性変形部の中央部から延設されたロッドが、該弾性変形部の厚み方向(中心軸方向)の片側で、ハウジングの貫通穴を貫通している。このため、該貫通穴の長さを十分に長くしておけば、弾性変形部の弾性変形が極力アンバランスなものとならないように(弾性変形形状の対称性が保たれるように)、該弾性変形部の中央部を変位させることが可能である。

0012

しかるに、この場合、上記貫通穴の長さを十分に長くする必要があるために、該貫通穴を形成するハウジングの厚みを大きくする必要がある。ひいては、ばね機構のサイズの大型化を招いてしまう。

0013

また、前記特許文献1の図8に記載された構造のばね機構では、電歪素子(トランスデューサ)の弾性変形部の中央部から延設されたロッドが、該弾性変形部の厚み方向(中心軸方向)の両側でハウジングの貫通穴を貫通している。この場合、該貫通穴が弾性変形部の厚み方向の両側にあるために、該貫通穴の長さが比較的短くても、弾性変形部の弾性変形が極力アンバランスなものとならないように(弾性変形形状の対称性が保たれるように)、該弾性変形部の中央部を変位させることが可能である。

0014

しかるに、この場合には、ロッドが、ハウジングの両側(弾性変形部の厚み方向での両側)で、ハウジングに対して出没することとなるために、ばね機構の必要配置スペースが大きなものとなってしまう。

0015

本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、電歪素子等のトランスデューサの膜状の弾性変形部を、対称性の高い形状で弾性変形させることができると共に、小型なサイズで構成することができるばね機構を提供することを目的とする。

0016

さらに、該ばね機構を用いて小型なサイズで構成することができる直動変位機構を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明のばね機構は、上記の目的を達成するために、入力エネルギーに応じて面沿い方向に弾性的に伸縮可能に構成された膜状の弾性変形部を有するトランスデューサと、該トランスデューサの弾性変形部の周縁部を支持する支持部材とを備えるばね機構であって、
前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線方向での両側に、該弾性変形部と間隔を存して該弾性変形部に各々対向するように配置されると共に前記支持部材に対して各々固定された第1要素部材及び第2要素部材と、
前記トランスデューサの弾性変形部から前記第1要素部材に向かって前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線と同方向に延設されると共に、前記第1要素部材を摺動自在に貫通して配置され、前記トランスデューサの弾性変形部側の一端部が開口する中空筒状に形成された筒状部材と、
前記第2要素部材側から前記筒状部材に向かって該筒状部材と同軸心に延設され、該筒状部材に摺動自在に挿入されたロッド部材とを備え、
一組の前記筒状部材及びロッド部材が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線上に配置され、又は、複数組の前記筒状部材及びロッド部材が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線の周囲で該中心軸線から一定半径円周に沿って等角度間隔で並ぶように配置されていることを特徴とする(第1発明)。

0018

なお、本発明において、前記第1要素部材及び第2要素部材は、前記支持部材と一体構成のものであってもよい。従って、前記第1要素部材及び第2要素部材は、前記支持部材の一部であってもよい。

0019

かかる本発明によれば、一組の前記筒状部材及びロッド部材が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線上に配置され、又は、複数組の前記筒状部材及びロッド部材が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線の周囲で該中心軸線から一定半径の円周に沿って等角度間隔で並ぶように配置されている。

0020

この場合、前記トランスデューサの弾性変形部から前記第1要素部材に向かって前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線と同方向に延設さた前記筒状部材は、前記第1要素部材を摺動自在に貫通している。そして、この筒状部材に、前記第2要素部材側から該筒状部材と同軸心に延設されたロッド部材が挿入されている。

0021

このため、筒状部材の移動方向は、前記弾性変形部の中心軸線と同方向に高い安定性で規定される。従って、膜状の弾性変形部を、対称性の高い形状(中心軸線に対して軸対称となるような形状)で弾性変形させることが可能となる。

0022

また、筒状部材は、前記中心軸線方向での前記第1要素部材の両側のうち、トランスデューサと反対側には突出すると共に、その突出量がトランスデューサの弾性変形部の弾性変形に応じて変化することとなるものの、前記中心軸線方向での前記第2要素部材の両側のうち、トランスデューサと反対側には、前記筒状部材は突出しない。

0023

従って、第1発明によれば、トランスデューサの膜状の弾性変形部を、対称性の高い形状で弾性変形させることができると共に、ばね機構を小型なサイズで構成することができる。

0024

上記第1発明では、前記筒状部材及びロッド部材の一組が、前記トランスデューサの弾性変形部の中心軸線上に配置されていることが好ましい(第2発明)。

0025

これによれば、ばね機構の部品点数を少なくすることができると共に、前記弾性変形部の中心軸線に直交する方向でのばね機構のサイズを小さくできる。

0026

また、上記第1発明又は第2発明は、前記トランスデューサが、厚み方向に積層された複数の弾性変形部を有するトランスデューサである場合に好適である(第3発明)。

0027

これによれば、前記複数の弾性変形部の弾性変形形状のばらつきを抑制して、該複数の弾性変形部を対称性の高い形状で弾性変形させることができる。

0028

また、本発明の直動変位機構は、第1部材と第2部材との間の相対変位を行わせる直動変位機構であって、
本発明の上記のばね機構と、前記ロッド部材と一体に前記弾性変形部の中心軸線と同方向に移動可能に設けられた直動軸を有し、該直動軸をその軸心方向に変位させる駆動力を発生するアクチュエータとを備えており、
前記ばね機構の前記筒状部材のうちの、前記第1要素部材から前記トランスデューサと反対側に延在する部分に前記第1部材が連結され、前記ロッド部材が前記直動軸を介して前記第2部材に連結されていることを特徴とする(第4発明)。

0029

なお、本発明の直動変位機構において、前記ロッド部材は、前記直動軸に固定されたもの、あるいは、該直動軸と一体に構成されたものとのいずれであってもよい。

0030

かかる本発明の直動変位機構によれば、前記アクチュエータにより前記直動軸をその軸心方向に変位させることで、前記第1部材の前記筒状部材との連結部分と、前記第2部材の前記直動軸との連結部分との間の距離が変化する。これにより、第1部材と第2部材との間の相対変位が行われる。

0031

この場合、第1部材と第2部材との間の任意の相対変位状態において、第1部材又は第2部材に、第1部材の筒状部材との連結部分と、第2部材の直動軸との連結部分との間の距離を変化させようとする外力が作用すると、前記ばね機構のトランスデューサの弾性変形部が弾性変形する。これにより、第1部材と第2部材との間に、上記外力に抗する弾性力が発生する。

0032

この場合、トランスデューサの弾性変形部を、対称性の高い形状で弾性変形させることができるので、上記弾性力を安定に発生させることができる。また、前記トランスデューサへの入力エネルギーの大きさを変化させることで、上記弾性力を滑らかに変化させることができる。また、ばね機構を小型に構成できるので、直動変位機構も小型に構成できる。

0033

上記第4発明では、前記アクチュエータとしては、例えば、前記直動軸としてのネジ軸と該ネジ軸にボールを介して嵌合するナットとを有するボールネジ機構と、該ボールネジ機構のナットを回転駆動するモータとを備えるアクチュエータを採用できる(第5発明)。

0034

これによれば、前記アクチュエータを小型に構成できる。

0035

また、上記第4発明又は第5発明では、前記ロッド部材及び直動軸は、同軸心に一体に構成されていることが好ましい(第6発明)。

0036

これによれば、前記直動軸をその軸心方向に移動させるときに、前記ばね機構の筒状部材内に挿入することが可能となる。このため、該直動軸の変位量を、比較的大きなものとしつつ、直動変位機構を小型に構成することが可能となる。

図面の簡単な説明

0037

本発明の一実施形態の直動変位機構の構成を示す図。
実施形態の直動変位機構の短縮状態を示す図。
実施形態の直動変位機構のトランスデューサ(電歪素子)が弾性変形した状態を示す図。
実施形態の直動変位機構に備えたトランスデューサ(電歪素子)の構造を示す図。
図5A及び図5Bは、変形態様における筒状部材及びロッド部材の配置例を示す図。

実施例

0038

本発明の一実施形態を図1図4を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の直動変位機構1は、第1部材A1と第2部材A2との間の相対変位を行わせる機構である。より詳しくは、直動変位機構1は、第1部材A1との連結部分と、第2部材A2との連結部分とを、それらを結ぶ線分に沿って接近又は離反させるように、第1部材A1と第2部材A2との間の相対変位を行わせる。第1部材A1及び第2部材A2は、任意のものでよい。

0039

一例として、第1部材A1及び第2部材A2として、例えば、ロボットの二つのリンクを採用し得る。この場合、直動変位機構1は、第1部材A1及び第2部材A2を連結する回転型の関節を駆動する機構、あるいは、第1部材A1及び第2部材A2を連結する直動関節機構として使用することができる。ただし、直動変位機構1の適用対象は、ロボットに限られるものでないことはもちろんである。

0040

上記直動変位機構1は、ばね機構2と、直動軸を有するアクチュエータ3とを備える。ばね機構2は、本発明のばね機構の一例である。このばね機構2は、トランスデューサ5、基体フレーム6、及び筒状部材7を有する。

0041

トランスデューサ5は、本実施形態では、印加電圧に応じて面沿い方向に弾性的に伸縮可能な膜状の弾性変形部11を複数備え、該複数の弾性変形部11を厚み方向に積層した構造の電歪素子である。以降、トランスデューサ5を電歪素子5という。

0042

該電歪素子5は、具体的には、例えば図4に示す如く構成される。電歪素子5を構成する各弾性変形部11は、膜状の誘電エラストマー12と、該誘電エラストマー12の厚み方向の両面に付着された膜状の電極13とから構成される。

0043

誘電エラストマー12は、誘電性を有するエラストマーであり、例えばシリコン樹脂アクリル樹脂等により構成される。この誘電エラストマー12は、その厚み方向の両面の電極13,13を介して電圧を印加すると(厚み方向に電界を作用させると)、マクスウェル応力によって厚み方向に圧縮される。そして、該圧縮に伴い、誘電エラストマー12が、面沿い方向に弾性的に伸長する。

0044

また、誘電エラストマー12に対する印加電圧の大きさを変化させることで、該誘電エラストマー12の厚みが変化する。ひいては、該誘電エラストマー12が、面沿い方向に弾性的に伸縮する。

0045

これにより、各弾性変形部11は、印加電圧に応じて面沿い方向に弾性的に伸縮可能なものとなっている。なお、各弾性変形部11は、外力に応じて弾性変形することはもちろんである。

0046

本実施形態では、各弾性変形部11の中央部には、該弾性変形部11の厚み方向に貫通する貫通穴14が穿設されている。そして、各弾性変形部11の外周側の周縁部と、内周側の周縁部とにそれぞれ支持枠15,16が装着されている。

0047

この場合、弾性変形部11のうち、外周側の支持枠15と内周側の支持枠16との間の部分は、円環形状に形成されている。

0048

また、支持枠15,16は、弾性変形部11の誘電エラストマー12を面沿い方向に引っ張った状態で該弾性変形部11に装着されている。従って、誘電エラストマー12は、面沿い方向の引っ張り力が予め付与されたプレストレイン状態となっている。

0049

このため、弾性変形部11は、その誘電エラストマー12に電圧を印加したときに、弾性変形部11の内周側の周縁部が外周側の周縁部に対して該弾性変形部11の中心軸線Cとほぼ同方向(弾性変形部11の厚み方向)に相対変位するような形態で撓むようになっている。

0050

このように弾性変形部11が弾性変形する(撓む)ことで、外周側の支持枠15に対して、内周側の支持枠16が、該弾性変形部11の中心軸線Cとほぼ同方向に相対変位することが可能となっている。

0051

以降、各弾性変形部11とこれに装着された支持枠15,16とから構成される構造体を電歪要素素子5aという。

0052

本実施形態の電歪素子5は、上記の如くそれぞれ構成された複数の電歪要素素子5aを、それぞれの弾性変形部11の中心軸線Cが、同一の中心軸線Cとなるように、該弾性変形部11の厚み方向に積層して構成されている。

0053

この場合、当該複数の電歪要素素子5aの外周側の支持枠15が接着剤等により相互に固着されると共に、内周側の支持枠16が接着剤等により相互に固着される。これにより、電歪素子5が構成される。

0054

図1に示す電歪素子5は、このように構成された電歪素子5を簡略的に記載している。この場合、図1では、図示の便宜上、複数の電歪要素素子5aの外周側の支持枠15の積層体と、内周側の支持枠16の積層体とをそれぞれ、一体構成のものとして記載している。以降の説明では、外周側の支持枠15の積層体を単に電歪素子5の支持枠15と称し、内周側の支持枠16の積層体を、単に電歪素子5の支持枠16と称する。

0055

また、電歪素子5において、各弾性変形部11の共通の中心軸線Cを、単に、電歪素子5の中心軸線Cと称する。

0056

なお、電歪素子5の各電歪要素素子5aの弾性変形部11に対する電圧の印加は、例えば、支持枠15に接続される図示しない配線等を介して行われる。

0057

図1の説明に戻って、ばね機構2の基体フレーム6は、本実施形態では、中心軸線Cの方向での電歪素子5の両側に、該電歪素子5と間隔を存して配置された第1プレート21及び第2プレート22と、該第1プレート21及び第2プレート22を連結する複数の連結ロッド23とから構成されている。

0058

電歪素子5と第1プレート21及び第2プレート22のそれぞれのとの間の間隔は、該間隔内で、電歪素子5の弾性変形部11の弾性変形(撓み)を行い得るように設定されている。

0059

各連結ロッド23は、電歪素子5の弾性変形部11の周囲に、電歪素子5の中心軸線Cと同方向に延在するように配設されている。そして、各連結ロッド23の両端部が、第1プレート21及び第2プレート22に各々固定されている。

0060

また、各連結ロッド23は、電歪素子5の外周側の支持枠15に挿通されて、該支持枠15に固定されている。これにより、電歪素子5の弾性変形部11の外周側の周縁部が、支持枠15を介して基体フレーム6の連結ロッド23に支持されている。

0061

補足すると、基体フレーム6の連結ロッド23は、本発明における支持部材に相当し、第1プレート21及び第2プレート22は、それぞれ、本発明における第1要素部材、第2要素部材に相当する。

0062

ばね機構2の筒状部材7は、第1プレート21の中央部に固定されたガイド部21aに形成された穴(図示省略)を摺動自在に貫通して、電歪素子5の中心軸線Cと同軸心に配置されている。

0063

該筒状部材7は、その一端部(図1の左側端部)が第2プレート22に向かって開口する中空の筒状部材である。そして、該筒状部材7の開口端部が、基体フレーム6の第1プレート21及び第2プレート22の間に位置する電歪素子5の中央部の貫通穴14に挿入されると共に、該筒状部材7の開口端部の外周が、電歪素子5の内周側の支持枠16に固着されている。

0064

これにより、筒状部材7は、電歪素子5の弾性変形部11の中央部に位置する支持枠16から、第1プレート21側に向かって、電歪素子5の中心軸線Cと同方向に延在するように配置されると共に、第1プレート21を摺動自在に貫通している。

0065

また、筒状部材7の電歪素子5と反対側の端部(図1の右側端部)は第1部材A1に連結されている。本実施形態では、筒状部材7の電歪素子5と反対側の端部に固定された環状の連結部材24が支軸25を介して第1部材A1に連結されている。これにより、筒状部材7は、第1部材A1に対して支軸25の軸心周り図1紙面に垂直な方向の軸心周り)に相対回転し得るように、該第1部材A1に軸支されている。

0066

次に、前記アクチュエータ3は、例えば、直動軸としてのネジ軸32と、該ネジ軸32にボール(図示省略)を介して嵌合されたナット33とを有するボールネジ機構31と、動力源としてのモータ34とを備える。

0067

モータ34は、本実施形態では、例えば電動モータである。このモータ34の筐体34aの一端部(図1の右側端部)には、モータ34のロータ(図示省略)の回転角度又は回転速度に応じた検出信号を出力する回転検出器35が装着されている。該回転検出器35は、例えばロータリエンコーダ等により構成される。この回転検出器35の検出信号は、モータ34の動作制御に利用される。

0068

そして、モータ34の筐体34aは、回転検出器35を介して、前記基体フレーム6の第2プレート22に固定されている。

0069

補足すると、モータ34として、電動モータ以外のモータ、例えば油圧モータを採用することもできる。

0070

ボールネジ機構31のネジ軸32(直動軸)は、モータ34の筐体34a、回転検出器35及び基体フレーム6の第2プレート22を貫通して配設されている。この場合、ネジ軸32は、電歪素子5の中心軸線Cと同軸心に配置されている。

0071

そして、ネジ軸32のうちの、第2プレート22から突出した部分(図1の右側部分)が、前記筒状部材7に摺動自在に挿入されている。

0072

なお、本実施形態では、ネジ軸32は、筒状部材7に挿入される部分にもネジが形成さされているが、該筒状部材7に挿入される部分には、ネジが形成されていなくてもよい。

0073

補足すると、ネジ軸32は、本発明における直動軸としての機能とロッド部材としての機能とを併せ持つものである。このため、本実施形態では、直動軸とロッド部材とが一体に構成されていることとなる。

0074

また、ネジ軸32のうちの、基体フレーム6と反対側の端部(図1の左側端部)が第2部材A2に連結されている。本実施形態では、ネジ軸32のうちの、基体フレーム6と反対側の端部に固定された環状の連結部材36が支軸37を介して第2部材A2に連結されている。これにより、ネジ軸32は、第2部材A2に対して支軸37の軸心周り(図1の紙面に垂直な方向の軸心周り)に相対回転し得るように、該第2部材A2に軸支されている。

0075

ボールネジ機構31のナット33は、モータ34から回転駆動力が付与されるように、モータ34の筐体34aの内部において、モータ34のロータに接続されている。

0076

本実施形態の直動変位機構1は、以上の如く構成されている。かかる構成の直動変位機構1では、アクチュエータ3のモータ34によりナット33を回転駆動することにより、ネジ軸32が、筒状部材7に対して摺動しつつ、該ネジ軸32の軸心方向(中心軸線Cと同方向)に移動するようになっている。

0077

これにより、第1部材A1の筒状部材7との連結部分と、第2部材A2のネジ軸32との連結部分と間の相対変位(接近又は離反)が行われるようになっている。

0078

例えば、図1に示す状態から、ネジ軸32を図1の右向きに移動させるようにナット33を回転駆動することで、図2に示すように、第1部材A1の筒状部材7との連結部分と、第2部材A2のネジ軸32との連結部分と間の距離(中心軸線Cの方向の距離)を短くするように、第1部材A1及び第2部材A2を相対変位させることができる。

0079

また、第1部材A1の筒状部材7との連結部分と、第2部材A2のネジ軸32との連結部分と間の任意の距離状態において、該1部材A1又は第2部材A2に対して電歪素子5の中心軸線Cの方向の外力(並進力)が作用すると、電歪素子5の内周側の支持枠16が外周側の支持枠15に対して中心軸線Cの方向に変位するように、弾性変形部11が弾性的に撓む。

0080

例えば、図2に示す状態において、第1部材A1に対して、第2部材A2との距離(中心軸線C上での距離)を縮める方向の外力が作用した場合には、図3に示すように電歪素子5の弾性変形部11が弾性的に撓む。これにより、第1部材A1と第2部材A2との間に弾性力が発生することとなる。

0081

この場合、電歪素子5の弾性変形部11に対する印加電圧を変化させることで、該弾性変形部11がその面沿い方向に伸縮し、ひいては、電歪素子5の弾性変形部11の剛性を変化させることも可能である。

0082

また、電歪素子5の内周側の支持枠16に固定された筒状部材7の移動方向は、該筒状部材7が貫通する第1プレート21のガイド部21aと、該筒状部材7にロッド部材として挿入されたネジ軸32(直動軸)とにより、電歪素子5の中心軸線Cと同軸心の方向に規定される。

0083

このため、電歪素子5の弾性変形部11の弾性変形時には、電歪素子5の外周側の支持枠15に対する内周側の支持枠16の相対変位方向が、電歪素子5の中心軸線Cの方向に規定される。その結果、電歪素子5の各弾性変形部11は、いずれも対称性の高い形状(中心軸線Cに対して軸対象となるような形状)で弾性変形する。

0084

従って、いずれかの弾性変形部11の中央部付近で、過度に局所的な応力集中が生じることが防止され、該弾性変形部11の亀裂等の損傷が生じるのが防止される。

0085

また、電歪素子5の弾性変形部11の中央部に連結された筒状部材7の、基体フレーム6の第1プレート21から第2プレート22と反対側に突出した部分は、電歪素子5の弾性変形部11の撓みに伴い、第1プレート21の外側(第2プレート22と反対側)で中心軸線Cの方向に動く一方、筒状部材7の、第1プレート21よりも第2プレート22側の部分は、電歪素子5の弾性変形部11の撓みに伴い、第1プレート21と第2プレート22との間の間隔内で中心軸線Cの方向に動く。

0086

このため、電歪素子5の中心軸線Cの方向(筒状部材7の軸心方向)でのばね機構2の長さが比較的短いもので済み、該ばね機構2を小型に構成できる。

0087

また、筒状部材7とアクチュエータ3の直動軸としてのネジ軸32とが同軸心に配置されているので、電歪素子5の中心軸線Cと直交する方向での直動変位機構1の幅を小さなものにすることができる。ひいては、小型な直動変位機構1を実現できる。

0088

なお、本発明のばね機構及び直動変位機構は、上記実施形態のものに限られないことはもちろんである。以下に、前記実施形態の変形態様をいくつか説明する。

0089

前記実施形態では、筒状部材7に挿入するロッド部材を、アクチュエータ3の直動軸としてのネジ軸32により構成した。ただし、ネジ軸32(直動軸)とロッド部材とを別体に構成して、該ネジ軸32(直動軸)とロッド部材とを適宜の連結部材を介して連結してもよい。この場合、ネジ軸32(直動軸)と筒状部材7とは、それぞれの軸心が、該軸心と直交する方向に間隔を有していてもよい(それぞれの軸心が異なっていてもよい)。

0090

また、前記実施形態では、ロッド部材としてのネジ軸32と、筒状部材7とを電歪素子5の弾性変形部11の中心軸線C上に同軸心に配置した。ただし、例えば、図5A又は図5Bに例示するように、電歪素子5の弾性変形部11に連結する筒状部材41と、該筒状部材41に挿入するロッド部材42との組を複数組備えておき、それらの複数組の筒状部材41及びロッド部材42を、弾性変形部11の中心軸線Cから一定半径の円周に沿って、等角度間隔で配置するようにしてもよい。

0091

このようにした場合であっても、弾性変形部11を対称性の高い形状(中心軸線Cに対して軸対称となる形状)で弾性変形させることができる。

0092

なお、図5A及び図5Bでは、ばね機構に備える筒状部材41とロッド部材42との組数は、それぞれ、3組、4組であるが、さらに多くの組の筒状部材41及びロッド部材42がばね機構に備えられていてもよい。

0093

また、前記実施形態では、アクチュエータ3は、ボールネジ機構31を有する構成とした。ただし、アクチュエータ3は、例えば直動軸としてピストンロッドを有する油圧シリンダ等により構成されていてもよい。

0094

また、前記実施形態で、モータ34をボールネジ機構31のネジ軸32の軸心上に配置した。ただし、モータ34を、例えばネジ軸32の側方に配置して、ボールネジ機構31のナット33に、モータ34から適宜の動力伝達機構プーリギヤ等)を介して回転駆動力を付与するようにしてもよい。

0095

また、前記実施形態では、電歪素子5は、積層された複数の弾性変形部11を有するものとした。ただし、電歪素子5は、単一の弾性変形部11を備えるものであってもよい。

0096

また、前記実施形態では、トランスデューサを電歪素子5により構成した。ただし、本発明におけるトランスデューサは、電歪素子に限られるものではない。本発明におけるトランスデューサは、例えば磁気エネルギー熱エネルギー等、電気エネルギー以外のエネルギーを入力エネルギーとして、弾性変形部の弾性変形(面沿い方向の伸縮)が生じるものであってもよい。

0097

また、本発明のばね機構は、直動変位機構に限らず、種々様々な装置に適用できる。

0098

1…直動変位機構、2…ばね機構、3…アクチュエータ、5…電歪素子(トランスデューサ)、7…筒状部材、11…弾性変形部、23…連結ロッド(支持部材)、21…第1プレート(第1要素部材)、22…第2プレート(第2要素部材)、31…ボールネジ機構、32…ネジ軸(直動軸、ロッド部材)、33…ナット、34…モータ、C…中心軸線。

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