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技術 振動波モータ

出願人 キヤノン株式会社
発明者 能登悟郎
出願日 2015年5月29日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-109280
公開日 2016年12月28日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-226129
状態 特許登録済
技術分野 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ
主要キーワード 当接範囲 超音波領域 上げモード 次振動モード 当接面積 振動波 次振動 楕円運動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
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図面 (8)

課題

従来は、振動子保持部材との当接範囲が不明確なので、振動子の振動阻害される可能性があった。そこで、振動子全体の振動を阻害しない保持構造を有する振動波モータを提供する。

解決手段

楕円運動を発生する振動子10と、振動子10を保持する保持手段11と、振動子10により駆動される被駆動体120と、を有する振動波モータにおいて、保持手段11は、振動子10と当接する第1の当接部11b及び第2の当接部11cを備え、振動子10は、第1の当接部11bと当接する箇所に第1の変位部1b、及び前記第2の当接部11cに当接する箇所に第2の変位部1cを有し、第1の変位部1bの変位は、第2の変位部1cの変位より小さく、保持手段11の第1の当接部11bの面積は、第2の当接部11cの面積より大きいとする構成にした。

概要

背景

従来から、振動子の所定の場所に楕円運動を生じさせることで、振動子と、該振動子と摩擦接触する摩擦部材とが相対移動を行う超音波モータや、この超音波モータをカメラ機構部やレンズ駆動源として備えた撮像装置に関する様々な提案がされている。特許文献1には、超音波モータが開示されており、この超音波モータを構成している振動子は、圧電素子を備え、圧電素子に互いに位相の異なる2相交流電圧印加可能に構成されている。そして、圧電素子への電圧印加によって振動子の表面に配された突起部などに楕円形状の振動波励起させ、この振動子の突起部を摩擦部材に加圧接触させることにより駆動力を発生させ、所望の駆動力で振動子が摩擦部材の表面を摺動するように構成されている。この振動子には、支持部(接合部)が設けられていると共に、その支持部にて振動子を保持固定する保持部材が備えられている。また、特許文献2には、例えば、圧電素子から構成された振動子において、振動子の張り出し部が固定部よりも大きな振動変位をすることで、張り出し部に振動エネルギーを蓄えさせ、固定部への振動エネルギーの集中を避けることが開示されている。

概要

従来は、振動子と保持部材との当接範囲が不明確なので、振動子の振動阻害される可能性があった。そこで、振動子全体の振動を阻害しない保持構造を有する振動波モータを提供する。楕円運動を発生する振動子10と、振動子10を保持する保持手段11と、振動子10により駆動される被駆動体120と、を有する振動波モータにおいて、保持手段11は、振動子10と当接する第1の当接部11b及び第2の当接部11cを備え、振動子10は、第1の当接部11bと当接する箇所に第1の変位部1b、及び前記第2の当接部11cに当接する箇所に第2の変位部1cを有し、第1の変位部1bの変位は、第2の変位部1cの変位より小さく、保持手段11の第1の当接部11bの面積は、第2の当接部11cの面積より大きいとする構成にした。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、振動子全体の振動を阻害しない保持構造を有する振動波モータ(超音波モータ)を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

楕円運動を発生する振動子と、前記振動子を保持する保持手段と、前記振動子により駆動される被駆動体と、を有する、振動波モータにおいて、前記保持手段は、前記振動子と当接する第1の当接部及び第2の当接部を備え、前記振動子は、前記第1の当接部と当接する箇所に第1の変位部、及び前記第2の当接部に当接する箇所に第2の変位部を有し、前記第1の変位部の変位は、前記第2の変位部の変位より小さく、前記保持手段の前記第1の当接部の面積は、前記第2の当接部の面積より大きいことを特徴とする、振動波モータ。

請求項2

前記振動子の前記第1の変位部と前記第2の変位部との間には、前記保持手段と当接する保持部が設けられており、前記第1の当接部と前記第2の当接部との間には、前記保持部と当接する固定部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の振動波モータ。

請求項3

前記振動子が楕円運動を発生している際に、前記保持部に振動の節が位置することを特徴とする、請求項2に記載の振動波モータ。

請求項4

前記保持部には、前記振動子を前記保持手段に位置決めするための位置決め穴が設けられていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の振動波モータ。

請求項5

前記固定部には、前記振動子を前記保持手段に位置決めするための位置決め部が設けられていることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の振動波モータ。

請求項6

前記振動子と前記保持手段とは、前記位置決め部の周辺に塗布された接着剤にて接着固定されていることを特徴とする、請求項5に記載の振動波モータ。

請求項7

前記第1の当接部の幅方向の寸法をW、前記位置決め部の径寸法を2r、前記振動子から前記位置決め部の高さをH、前記振動子と前記保持手段とを接着固定する接着剤の前記振動子との接触角をθ、前記接着剤の前記振動子からの高さをhとした時に、前記接着剤の高さhが以下の関係式満足することを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載の振動波モータ。H≧h=tanθ×(W/2−r)

請求項8

前記振動波モータは、前記楕円運動が超音波振動する超音波モータであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動波モータ。

請求項9

請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動波モータを駆動源に使用したAFレンズを備えた撮像装置

技術分野

0001

本発明は、振動子と、該振動子と摩擦接触する摩擦部材とで構成され、振動子と摩擦部材とが相対移動を行う振動波モータに関する。

背景技術

0002

従来から、振動子の所定の場所に楕円運動を生じさせることで、振動子と、該振動子と摩擦接触する摩擦部材とが相対移動を行う超音波モータや、この超音波モータをカメラ機構部やレンズ駆動源として備えた撮像装置に関する様々な提案がされている。特許文献1には、超音波モータが開示されており、この超音波モータを構成している振動子は、圧電素子を備え、圧電素子に互いに位相の異なる2相交流電圧印加可能に構成されている。そして、圧電素子への電圧印加によって振動子の表面に配された突起部などに楕円形状の振動波励起させ、この振動子の突起部を摩擦部材に加圧接触させることにより駆動力を発生させ、所望の駆動力で振動子が摩擦部材の表面を摺動するように構成されている。この振動子には、支持部(接合部)が設けられていると共に、その支持部にて振動子を保持固定する保持部材が備えられている。また、特許文献2には、例えば、圧電素子から構成された振動子において、振動子の張り出し部が固定部よりも大きな振動変位をすることで、張り出し部に振動エネルギーを蓄えさせ、固定部への振動エネルギーの集中を避けることが開示されている。

先行技術

0003

特開2013−158151号公報
特開2011−254587号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、振動子の保持部が保持部材によって保持固定される場合において、振動子の突起部などを所望の楕円運動を効率良く発生させるためには、振動子の振動阻害しないような保持構造が必要である。つまり、所望の場所に楕円運動を発生させるに際し、振動子の保持部では振動が発生していないが、その周辺では振動が発生しているので、振動子の保持部における振動は、極力抑えるような保持構造を設計することが重要である。しかしながら、振動子の保持を確実なものとするために、保持部材と振動子の保持部との当接範囲を広くすると、振動子の振動が阻害されてしまう。そして、振動子に所望の楕円運動が発生しなくなり、超音波モータが動作不良となってしまう。従来技術においては、保持部材と振動子の保持部との当接範囲が特定されていないので、振動子の振動が阻害されるという問題があった。

0005

そこで本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、振動子全体の振動を阻害しない保持構造を有する振動波モータ(超音波モータ)を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために本発明は、楕円運動を発生する振動子と、振動子を保持する保持手段と、振動子により駆動される被駆動体と、を有する振動波モータにおいて、保持手段は、振動子と当接する第1の当接部及び第2の当接部を備え、振動子は、第1の当接部と当接する箇所に第1の変位部、及び第2の当接部に当接する箇所に第2の変位部を有し、第1の変位部の変位は、第2の変位部の変位より小さく、保持手段の第1の当接部の面積は、第2の当接部の面積より大きいことを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、振動子全体の振動を阻害しない保持構造を有する振動波モータを提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

(a)本発明における振動波モータの構成を示す斜視図である。(b)本発明における圧電素子2の電極の構成を示す図である。
(a)本発明における振動子10において、X方向の曲げ次振動モードの際に発生する振動の腹と節の位置を示す図である。(b)本発明における振動子10において、Y方向の曲げ1次振動モードの際に発生する振動の腹と節の位置を示す図である。
本発明における振動子10において、曲げ1次振動と曲げ2次振動とを組み合わせた際に接触部3aに楕円運動が励振された状態を示す図である。
本発明における振動子ユニット121とAFレンズ120の連結状態を示す図である。
本発明における振動子10と保持部材11の分解斜視図である。
(a)本発明における振動子10と保持部材11とを接着等で一体にした状態の平面図である。(b)(a)の断面線(b)−(b)における断面図である。
本発明における振動子10と保持部材11とを接着等で一体にした状態の側面図である。

実施例

0009

(実施例)
以下、図1から図7を参照して、本発明の振動波モータについて説明する。さらに、図1から図4を用いて、振動子ユニット121を駆動源として光軸OL方向に駆動される不図示の撮像装置が備えるAFレンズ120について説明する。なお、本明細書では、後述する振動子10に発生する楕円運動により、振動子10が移動する方向(光軸OL方向)をX方向とする。また、後述する付勢部材13による加圧方向をZ方向とする。さらに、X方向とZ方向に垂直な方向をY方向とする。

0010

図1(a)に示すように、振動子10は、例えば金属である弾性体1と弾性体1の底面(裏面側)に接着等で接合された圧電素子2によって構成されている。弾性体1の上面側には、複数の凸部3が設けられている。凸部3には、図2に示すように被駆動部材であるスライダー4と接触する接触部3aが設けられている。なお、振動子10は本発明の振動子に、AFレンズ120は本発明の被駆動体に相当する。

0011

図1(b)に示すように、圧電素子2は分極処理されており、2つの電極A1、A2が備えられている。この2つの電極A1、A2に後述する交流電圧V1、V2が印加されると、2つのモードの振動が発生する。その2つの振動モードについて、図2(a)、(b)を用いて以下に説明する。

0012

圧電素子2の2つの電極A1、A2に逆相の交流電圧V1、V2が印加されると、振動子10にX方向の曲げ2次振動モードが励起される。図2(a)は、X方向の曲げ2次振動モードの際に発生する腹と節の位置を示す。10a、10b、10cは、曲げ2次振動モードの節の位置である。10f、10gは、曲げ2次振動モードの腹の位置である。節の位置10a、10b、10cでは、曲げ2次振動モードによるZ方向の振動は非常に小さい。そして、前述の凸部3に設けられた接触部3aは、節の位置10a及び10cに位置付けられているため、Z方向にはほとんど振動しないが、X方向には振動する。よって、X方向の曲げ2次振動モードが励起されると、接触部3a、つまり振動子10にX方向の振動が発生する。なお、この接触部3aがX方向にのみ振動するモードを送りモードと定義する。

0013

次に、曲げ1次振動モードについて説明する。圧電素子2の2つの電極A1、A2に同相の交流電圧V1、V2が印加されると、振動子10にY方向の曲げ1次振動モードが励起される。図2(b)は、Y方向の曲げ1次振動モードの際に発生する腹と節の位置を示す。10d、10eは、曲げ1次振動モードの節の位置である。10hは、曲げ1次振動モードの腹の位置である。節の位置10d、10eでは、曲げ1次振動モードによるZ方向の振動は非常に小さい。そして、前述の凸部3に設けられた接触部3aは、腹の位置10hに位置付けられているため、Z方向に大きく振動する。よって、Y方向の曲げ1次振動モードが励起されると、接触部3a、つまり振動子10にZ方向の振動が発生する。なお、この接触部3aがZ方向にのみ振動するモードを突き上げモードと定義する。

0014

そして、上述の曲げ1次振動と曲げ2次振動とを組み合わせることにより、図3に示すように、接触部3aに楕円運動が励振される。そして、図4に示すように、楕円運動が励振された接触部3aをスライダー4に加圧接触させることで、スライダー4に対して、振動子10が一方向(図4中、X方向)に駆動される。

0015

また、圧電素子2に印加される交流電圧の周波数を変更することによって、楕円運動の楕円比を保持しながら、楕円の大きさを変更することができる。圧電素子2に印加される交流電圧の周波数を振動子10の共振周波数(fr)に近付けることによって、楕円運動の楕円の大きさが大きくなり、それに伴い振動子10の駆動速度が速くなる。逆に、圧電素子2に印加される交流電圧の周波数を振動子10の共振周波数から遠ざけることによって、楕円運動の楕円の大きさが小さくなり、それに伴い振動子10の駆動速度が遅くなる。なお、楕円運動を発生させる振動が、超音波領域振動数の振動(超音波振動)の場合もありうる。

0016

さらに、圧電素子2に設けられた電極A1、A2に印加される交流電圧V1、V2の位相を変更することによって、接触部3aの楕円運動の楕円比を変更することができる。つまり、位相差が0度の場合は、圧電素子2の2つの電極A1、A2に同相の交流電圧V1、V2が印加されるので、前述のように、突き上げモードの振動が励起される。また、位相差が180度の場合は、圧電素子2の2つの電極A1、A2に逆相の交流電圧V1、V2が印加されるので、前述のように、送りモードの振動が励起される。そして、位相差が0度から180度の場合は、位相差の大きさに応じて、突き上げモードであるZ方向の振幅と送りモードであるX方向の振幅の大きさの比が変わる。これらにより、接触部3aには、設定された位相差に応じた楕円比の楕円運動が励振される。

0017

なお、図3に示すように、振動子10の接触部3aが楕円運動をしない時の振動子10の基準位置をLとすると、接触部3aに楕円運動が励振される時には、振動子10の保持部1a(詳細は後述)はほとんど変位しない。一方、振動子10の変位部1b(詳細は後述)と変位部1c(詳細は後述)のそれぞれの基準位置Lからの振動変位は、保持部1aに比べて大きい。また、振動子10の変位部1bと変位部1cのそれぞれの基準位置Lからの振動変位を比べると、相対的に接触部3aに近い変位部1cの方が大きくなっている。

0018

これは、特許文献2に開示されているように、振動子10の変位部1cが保持部1aよりも大きな振動変位をすることで、変位部1cに振動エネルギーを蓄えさせ、保持部1aへの振動エネルギーの集中を避けることができるためである。これにより、保持部1aの振動変位を抑制することで、保持部1aが後述の保持部材11に固定される際に、その保持部11a(詳細は後述)から振動子10の振動エネルギーが消散することを防ぐことが可能となる。よって、保持部1a、変位部1b及び変位部1cの基準位置Lからの振動変位の大小関係が上述のようになっている。また、保持部1aの位置に振動の節を位置付けることも可能である。これによって、保持部1aの振動変位が抑制されることになる。なお、保持部1aは本発明の保持部に、変位部1bは本発明の第1の変位部に、変位部1cは本発明の第2の変位部に相当する。

0019

図4は、振動子ユニット121を駆動源として使用したAFレンズ120が光軸OL方向に駆動される機構を示す。振動子10は、保持部材11に保持され、加圧部材12によってスライダー4の方向に加圧される。圧縮バネなどの付勢部材13によって、加圧部材12が振動子10を加圧するのに必要な加圧力が発生される。保持枠14は、保持部材11を保持し、連結部材15を介してAFレンズ120と一体化されている。振動子ユニット121は、振動子10、保持部材11、加圧部材12、付勢部材13、保持枠14で構成されている。なお、保持部材11は、本発明の保持手段に相当する。

0020

付勢部材13は、一端部が加圧部材12に保持され、他端部が振動子10に当接されている。付勢部材13によって図4の矢印Aで示される方向に、振動子10がスライダー4に加圧接触され、振動子10の圧電素子2に所望の周波数と位相差で交流電圧が印加されることによって、振動子ユニット121はX方向、つまり、光軸OLの方向に駆動される。なお、保持部材11には、後述するように、振動子10を位置決めするための位置決めダボ11dが設けられている。その位置決めダボ11dとスライダー4とのZ方向のクリアランスをCとする。クリアランスCは、例えば、接触部3aが図2又は図3に示されるように変位した際、位置決めダボ11dがスライダー4に接触しないクリアランスを意味する。また、AFレンズ120は、連結部材15を介して振動子ユニット121と一体化されているので、振動子ユニット121が光軸OLの方向に駆動されると、一体的にAFレンズ120も光軸OLの方向に駆動される。なお、振動子ユニット121は、本発明の振動波モータに相当する。

0021

図5に、振動子10と保持部材11の分解斜視図を示す。振動子10の弾性体1には、保持部1a、保持部1aと凸部3を結ぶ方向(図5のX方向)に延出している変位部1b及び1c、位置決め穴1dがX方向に左右対で設けられている。保持部1aは保持部材11に保持され、位置決め穴1dは後述の保持部材11の位置決めダボ11dに嵌合される。保持部材11には、振動子10を保持する保持部11a、振動子10と当接する振動子受け部11b及び11c、振動子10の位置決め穴1dと嵌合する位置決めダボ11dがX方向に左右対で設けられている。なお、保持部11aは本発明の固定部に、振動子受け部11bは本発明の第1の当接部に、振動子受け部11cは本発明の第2の当接部に相当する。

0022

対で設けられている位置決め穴1dに位置決めダボ11dが嵌合し、また、変位部1b、1cと振動子受け部11b、11cとがそれぞれ当接するので、振動子10は、保持部材11に対して、X、Y、Z方向、それぞれの所定位置に位置決めされる。なお、位置決め穴1dは、本発明の位置決め穴に、位置決めダボ11dは本発明の位置決め部に相当する。

0023

図6(a)は、振動子10と保持部材11とを接着等で一体にした状態の平面図、図6(b)は、図6(a)の断面線(b)−(b)における断面図を示す。図5及び図6(b)に示すように、振動子受け部11bが変位部1bと当接する範囲X1と、振動子受け部11cが変位部1cと当接する範囲X2とを比べると、X1>X2の関係となっている。この関係により、変位部1bが保持部材11と当接する面積の方が、変位部1cが保持部材11と当接する面積よりも大きくなる。その理由を以下に述べる。

0024

振動子10が保持部材11に固定されても、振動子10の接触部3aに励振された楕円運動は、ほとんど減衰されない方が望ましい。図3に示されるように、接触部3aに楕円運動が励振される時に、振動子10の変位部1bの基準位置Lからの振動変位よりも振動子10の変位部1cの基準位置Lからの振動変位の方が大きい。よって、変位部1cと振動子受け部11cの当接面積が大きくなるほど、変位部1cの振動が抑制されてしまう。その結果、接触部3aの楕円運動が抑制されるばかりではなく、変位部1cが振動しなくなり、保持部1aの近傍や変位部1bの基準位置Lからの振動変位が大きくなるなど、他の振動モード(以下、不要モードと呼ぶ)が発生してしまう。この不要モードの発生によって、接触部3aに発生する楕円運動が阻害されたり、不要モードが起因となる異音が生じたりする不具合が発生する。

0025

他方、例えば振動子10を保持部材11に接着で固定する際には、振動子10に発生する楕円運動で接着剥れが発生しないよう、接着信頼性を増すために振動子10と保持部材11との当接面積は大きいほど良い。つまり、振動子10と保持部材11とを接着固定する際には、不要モードが発生しないように、かつ、振動子10と保持部材11との固定箇所(保持部1a及び保持部11a)での接着剥れが発生しないようにすることが必要である。そのためには、保持部1a及び位置決め穴1dと保持部11a及び位置決めダボ11d、かつ、変位部1bと振動子受け部11bで振動子10と保持部材11を接着すると良い。

0026

前述のように、振動子受け部11bが変位部1bと当接する範囲X1と、振動子受け部11cが変位部1cと当接する範囲X2を比べると、X1>X2の関係となっている。この関係により、変位部1bが保持部材11と当接する面積の方が、変位部1cが保持部材11と当接する面積よりも大きくなるので、振動子10と保持部材11との接着面積も大きくなる。これにより、接触部3aに発生する楕円運動を阻害せず、接着信頼性を増すことができる。

0027

以上述べたように、振動子10の接触部3aに楕円運動が励振される時に振動変位が小さい部位の当接面積を増加させることによって、振動子全体の振動を阻害しない保持構造を有する振動波モータを提供することが可能になる。

0028

なお、振動子10と保持部材11との固定方法として、位置決めダボ11dの周辺に接着剤を塗布して振動子10と保持部材11とを接着固定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。位置決め穴1dが配設される保持部1aと、位置決めダボ11dが配設される保持部11aとを溶接等で固着する際に、変位部1bと振動子受け部11bが、また変位部1cと振動子受け部11cが当接する場合には、同様な効果が得られることは言うまでもない。

0029

図7は、振動子10と保持部材11とを接着固定した時の側面図を示す。位置決めダボ11dの周囲に接着剤を塗布して振動子10の弾性体1と保持部材11とを接着固定する際には、振動子受け部11bのY方向の寸法(以下、幅方向の寸法と呼ぶ)と、位置決めダボ11dの高さHとの関係を考える。図7において、保持部材11の振動子受け部11bの幅方向の寸法をW、位置決めダボ11dの径寸法を2r、弾性体1からの高さをH、振動子10と保持部材11を接着固定する接着剤Bの弾性体1との接触角をθ、弾性体1から接着剤Bの高さをhとする。

0030

図4に示されるように、位置決めダボ11dの高さHは、スライダー4とのクリアランスCを超えて高くはならない。また、弾性体1から接着剤Bの高さhも同様である。その理由は以下の通りである。保持部材11などの各部品製造誤差などにより、位置決めダボ11dの高さHもしくは、接着剤Bの高さhの少なくともいずれか一方がクリアランスCを超えて高くなる場合がある。そのような場合、振動子ユニット121が光軸OLの方向に駆動する時に、位置決めダボ11dもしくは、接着剤Bがスライダー4と接触してしまい、振動子ユニット121の動作不良を誘発する。よって、位置決めダボ11dの高さH及び接着剤Bの高さhは、スライダー4とのクリアランスCを超えて高くなるように設計することはできない。

0031

よって、接着剤Bの高さhが以下の関係式(1)を満足するように、保持部材11の振動子受け部11bの幅方向の寸法(W)と位置決めダボ11dの径寸法(2r)を決定する。
H≧h=tanθ×(W/2−r)・・・(1)

0032

これにより、接着剤Bの高さhが位置決めダボ11dの高さHを超えることはなく、また、振動子受け部11bの幅方向の寸法Wを超えて接着剤Bが広がることがない。さらに、接着剤Bが変位部1cの振動を抑制することがないので、振動子10の接触部3aに楕円運動が励振される時に、接触部3aの楕円運動も抑制されず、また、不要モードが発生されない。なお、保持部材11の材質プラスチック製であるので、接触角θは一般的に90度未満となり、関係式(1)が発散することがない。

0033

以上述べたように、振動子10の接触部3aに楕円運動が励振される時に振動変位が小さい部位の当接面積を大きくすることによって、振動子全体の振動を阻害しない保持構造を有する振動波モータを提供することができる。

0034

1a 保持部
1b変位部(第1の変位部)
1c 変位部(第2の変位部)
1d位置決め穴
2圧電素子
3a 接触部
4スライダー
10振動子
11保持部材(保持手段)
11a 保持部(固定部)
11b 振動子受け部(第1の当接部)
11c 振動子受け部(第2の当接部)
11d位置決めダボ(位置決め部)
120AFレンズ(被駆動体)
B 接着剤

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