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技術 真空チャック部材および真空チャック部材の製造方法。

出願人 京セラ株式会社
発明者 古川茂伸
出願日 2015年5月27日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-107127
公開日 2016年12月28日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2016-225337
状態 特許登録済
技術分野 ウエハ等の容器、移送、固着、位置決め等 工作機械の治具
主要キーワード 周縁線 炭窒化珪素 円板状体 重心位置近傍 流体回収 多孔質セラミック体 ナノメートルレベル 不定比
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
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図面 (7)

課題

載置部の載置面の変形を抑制し、載置部に吸着した半導体ウエハの表面の位置精度を比較的高精度に制御する。

解決手段

平面状の載置面を有する多孔質セラミック体からなる載置部と、前記載置部の外周面を囲んだ、前記外周面と対向する内周面を備える外壁部、および前記載置部の前記載置面と反対側の面と当接するベース面を有する緻密質セラミック体からなる支持部とを備え、前記載置面に載置した対象体を前記載置部を介して真空吸着するための真空チャック部材であって、前記内周面は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記外周面と直接当接する第1領域と、前記第1領域よりも前記ベース面に近い側に、前記内周面の周方向に沿って連続して配置された、前記外周面から離れている第2領域とを備えてなることを特徴とする真空チャック部材を提供する。

概要

背景

従来、半導体製造装置等で用いる、半導体ウエハを固定する治具として、緻密質セラミック体からなる支持部の凹部に半導体ウエハを載置する載置部が設けられた真空チャック部材がある(例えば、特許文献1参照)。この載置部は、例えば多孔質セラミック体を主成分とし、この載置部を介して半導体ウエハを吸引することにより、載置部上に半導体ウエハを吸着させて固定することができる。このような真空チャック部材は、例えば緻密質セラミック体からなる支持部の凹部にガラスペーストを塗布し、その後に予め作製した多孔質体からなる載置部を凹部にはめ込み、ガラスペーストを溶融させた後に冷却して固化したガラス層接合層として、緻密質セラミック体からなる支持部と多孔質体からなる載置部とが接合されて形成されている。

概要

載置部の載置面の変形を抑制し、載置部に吸着した半導体ウエハの表面の位置精度を比較的高精度に制御する。 平面状の載置面を有する多孔質セラミック体からなる載置部と、前記載置部の外周面を囲んだ、前記外周面と対向する内周面を備える外壁部、および前記載置部の前記載置面と反対側の面と当接するベース面を有する緻密質セラミック体からなる支持部とを備え、前記載置面に載置した対象体を前記載置部を介して真空吸着するための真空チャック部材であって、前記内周面は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記外周面と直接当接する第1領域と、前記第1領域よりも前記ベース面に近い側に、前記内周面の周方向に沿って連続して配置された、前記外周面から離れている第2領域とを備えてなることを特徴とする真空チャック部材を提供する。

目的

本発明は、平面状の載置面を有する多孔質セラミック体からなる載置部と、前記載置部の外周面を囲んだ、前記外周面と対向する内周面を備える外壁部、および前記載置部の前記載置面と反対側の面と当接するベース面を有する緻密質セラミック体からなる支持部とを備え、前記載置面に載置した対象体を前記載置部を介して真空吸着するための真空チャック部材であって、前記内周面は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記外周面と直接当接する第1領域と、前記第1領域よりも前記ベース面に近い側に、前記内周面の周方向に沿って連続して配置された、前記外周面から離れている第2領域とを備えてなることを特徴とする真空チャック部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

平面状の載置面を有する多孔質セラミック体からなる載置部と、前記載置部の外周面を囲んだ、前記外周面と対向する内周面を備える外壁部、および前記載置部の前記載置面と反対側の面と当接するベース面を有する緻密質セラミック体からなる支持部とを備え、前記載置面に載置した対象体を前記載置部を介して真空吸着するための真空チャック部材であって、前記内周面は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記外周面と直接当接する第1領域と、前記第1領域よりも前記ベース面に近い側に、前記内周面の周方向に沿って連続して配置された、前記外周面から離れている第2領域とを備えてなることを特徴とする真空チャック部材。

請求項2

前記第1領域は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記載置面の周縁線と直接当接することを特徴とする請求項1記載の真空チャック部材。

請求項3

前記第2領域の前記厚さ方向に沿った長さに比べて、前記第1領域の前記厚さ方向に沿った長さの方が大きいことを特徴とする請求項1または2記載の真空チャック部材。

請求項4

前記外周面は、前記第2領域に対向する部分に、前記反対側の面に接続した傾斜面部を備え、前記傾斜面部は前記反対側の面に近づくにつれて前記載置部の中心軸に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空チャック部材。

請求項5

前記内周面の前記第2領域は、前記ベース面に接続した曲面部を備え、前記曲面部は前記ベース面に近づくにつれて前記載置部の中心軸に近づくように曲がっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空チャック部材。

請求項6

前記載置部は、前記支持部と当接する前記外周面の近傍における密度が、前記載置面の重心位置近傍の密度に比べて大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空チャック部材。

請求項7

平面状の載置面を有する多孔質セラミック体からなる載置部と、前記載置部の外周面を囲んだ、前記外周面と対向する内周面を備える外壁部、および前記載置部の前記載置面と反対側の面と当接するベース面を有する緻密質セラミック体からなる支持部とを備え、前記載置面に載置した対象体を前記載置部を介して真空吸着するための真空チャック部材であって、前記内周面は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記外周面と直接当接する第1領域と、前記第1領域よりも前記ベース面に近い側に配置された、前記外周面から離れて前記外周面に対向する第2領域とを備える真空チャック部材の製造方法であって、前記内周面または前記外周面の少なくともいずれか一方の前記ベース面に近い側に凹状部を形成する工程と、前記支持部を加熱して熱膨張させる工程と、熱膨張した状態の前記支持部の、前記内周面と前記ベース面とで囲まれた領域に、前記支持部よりも低温度の前記載置部を配置する工程と、前記支持部の温度を降温させて前記支持部と前記載置部の温度を均一化させることで前記支持部の膨張緩和させて、前記凹状部に対応する部分で前記内周面と前記外周面とが離れるとともに、前記凹状部に対応する部分以外の部分で前記内周面と前記外周面とが直接当接している真空チャック部材を得る工程とを有することを特徴とする真空チャック部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、真空チャック部材および真空チャック部材の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、半導体製造装置等で用いる、半導体ウエハを固定する治具として、緻密質セラミック体からなる支持部の凹部に半導体ウエハを載置する載置部が設けられた真空チャック部材がある(例えば、特許文献1参照)。この載置部は、例えば多孔質セラミック体を主成分とし、この載置部を介して半導体ウエハを吸引することにより、載置部上に半導体ウエハを吸着させて固定することができる。このような真空チャック部材は、例えば緻密質セラミック体からなる支持部の凹部にガラスペーストを塗布し、その後に予め作製した多孔質体からなる載置部を凹部にはめ込み、ガラスペーストを溶融させた後に冷却して固化したガラス層接合層として、緻密質セラミック体からなる支持部と多孔質体からなる載置部とが接合されて形成されている。

先行技術

0003

特開2010−205789号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このような従来の真空チャック部材では、ガラスペーストを一旦溶融させるので、溶融したガラスペーストの厚さ分布等を高精度に制御することが難しい。例えば半導体製造装置では、半導体ウエハの位置をナノメートル(nm)レベルの精度で制御することが求められており、半導体ウエハを載置する載置部の形状精度も高い精度が求められている。固化したガラスペーストからなる接合層に厚さ分布が存在したり、局所的な凹凸が存在する場合は、この接合層を介して載置部にかかる圧力に大きさの分布が生じたり、局所的に強い力がかかる場合がある。この場合、載置部にかかる力の分布が大きくなったり、局所的に大きな力がかかり、載置部の変形の大きさの分布が大きくなったり、局所的に大きく変形し、載置部の形状精度の制御が難しくなる場合がある。このような変形の大きさの分布に起因して載置部の形状が制御し難い場合、載置部に吸着した半導体ウエハの表面の位置精度を例えばナノメートルレベルの高精度に制御することが難しいといった課題があった。

0005

また、例えば半導体製造装置では、載置部ひいては載置部に載置した半導体ウエハの温度や温度分布を高精度に制御する必要があるが、厚さ分布等を正確に把握することができない接合層が支持部と載置部との間に介在することで、載置部ひいては載置部に載置した半導体ウエハの温度や温度分布を高精度に制御することが難しいといった課題もあった。

0006

また、真空チャック部材は、繰り返し使用することで、多孔質体からなる載置部の孔が目詰りする場合も多い。しかし従来の真空チャック部材は、ガラスペースト等からなる接合層によって支持部に載置部が強固に接合されており、多孔質体からなる載置部を取り外して充分に洗浄することが難しかった。結果、真空チャック部材を継続的に使用した場合、載置部の孔の目詰りによって真空チャック部材の吸着力ウエハの保持力)が徐々に低下していっても、吸着力が低下していく真空チャック部材を使い続ける必要があるといった問題があった。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために、本発明は、平面状の載置面を有する多孔質セラミック体からなる載置部と、前記載置部の外周面を囲んだ、前記外周面と対向する内周面を備える外壁部、および前記載置部の前記載置面と反対側の面と当接するベース面を有する緻密質セラミック体からなる支持部とを備え、前記載置面に載置した対象体を前記載置部を介して真空吸着するための真空チャック部材であって、前記内周面は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記外周面と直接当接する第1領域と、前記第1領域よりも前記ベース面に近い側に、前記内周面の周方向に沿って連続して配置された、前記外周面から離れている第2領域とを備えてなることを特徴とする真空チャック部材を提供する。

0008

また、平面状の載置面を有する多孔質セラミック体からなる載置部と、前記載置部の外周面を囲んだ、前記外周面と対向する内周面を備える外壁部、および前記載置部の前記載置面と反対側の面と当接するベース面を有する緻密質セラミック体からなる支持部とを備え、前記載置面に載置した対象体を前記載置部を介して真空吸着するための真空チャック部材であって、前記内周面は、前記内周面の周方向に沿って連続して前記外周面と直接当接する第1領域と、前記第1領域よりも前記ベース面に近い側に配置された、前記外周面から離れて前記外周面に対向する第2領域とを備える真空チャック部材の製造方法であって、前記内周面または前記外周面の少なくともいずれか一方の前記ベース面に近い側に凹状部を形成する工程と、前記支持部を加熱して熱膨張させる工程と、熱膨張した状態の前記支持部の、前記内周面と前記ベース面とで囲まれた領域に、前記支持部よりも低温度の前記載置部を配置する工程と、前記支持部の温度を降温させて前記支持部と前記載置部の温度を均一化させることで前記支持部の膨張緩和させて、前記凹状部に対応する部分で前記内周面と前記外周面とが離れるとともに、前記凹状部に対応する部分以外の部分で前記内周面と前記外周面とが直接当接している真空チャック部材を得る工程とを有することを特徴とする真空チャック部材の製造方法を併せて提供する。

発明の効果

0009

本発明の真空チャック部材によれば、載置部の載置面の変形を抑制し、載置部に吸着した半導体ウエハの表面の位置精度を比較的高精度に制御することができる。また、本発明の真空チャック部材の製造方法によれば、真空チャック部材から載置部を比較的容易に取り外して洗浄することができ、載置部の孔の目詰りによる吸着力の低下を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の第1の実施形態に係る真空チャック部材を示す斜視図である。
(a)は、図1の真空チャック部材を示す上面図、(b)は、(a)のA−A線における断面図である。
図2(b)のB部の拡大図である。
図1の真空チャック部材に対象体を吸着させた状態を示す断面図である。
(a)および(b)は、本発明の真空チャック部材の他の実施形態について説明する概略断面図である。
(a)〜(d)は、図1真空チャック用部材の製造方法を模式的に示した図である。

実施例

0011

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の真空チャック部材の一実施形態である真空チャック部材1の概略斜視図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は、(a)のA−A線における断面図であり、図3図2(b)のB部の拡大図である。また図4は、図1の真空チャック部材に対象体Wを吸着させた状態を示す断面図である。真空チャック部材1は、平面状の載置面2αを有する多孔質セラミック体2(以降、載置部2ともいう)と、載置部2の外周面2aを囲んだ、外周面2aと対向する内周面4aを備える外壁部41、および載置部2の載置面2αと反対側の面2β(下面2βともいう)と当接するベース面4αを有する緻密質セラミック体4(以降、支持部4ともいう)とを備えている。

0012

支持部4は、中央に円形の凹部を備え、例えば、外壁部41の外径が85〜100mm、厚さが20〜60mmである略円板状の枠体である。載置部2は、例えば、直径が70〜90mm、厚さが10〜20mmの円板状体である。

0013

支持部4は、アルミナ(Al2O3)、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、炭窒化珪素(SiCxNy(xおよびyは、それぞれ0<x<1、0<y<4/3の範囲で、4x+3y=4を満たす数値である。))、酸化珪素(SiO2)、サイアロン(Si6−ZAlZOZN8−Z(zは0.1≦z≦1を満たす数値である。))等の緻密質セラミック体からなる。これら組成定比であっても不定比であってもよい。支持部4の気孔率は、5体積%以下、特に、0.1体積%以下が好ましい。

0014

支持部4には、複数の吸引孔6が設けられている。吸引孔6の開口はベース面4αに設けられている。吸引孔6から空気を吸引すると、載置部2の内部の空気が吸引されて、載置部2の載置面2αに載置された対象体Wが、載置面2αに吸着される。支持部材4にはまた、純水などの液体気体などの冷却用流体が流れる流路9が設けられている。流路9は真空チャック部材1の温度ひいては載置面2αに載置させた対象体Wの温度を制御するものである。この流路9は、図示しない流体供給手段と図示しない流体回収手段とに接続している。真空チャック部材1は、対象体Wの温度制御の自由度と精度とを上げる観点で流路9を備えておくことが好ましいが、流路9を必ずしも備えている必要はない。

0015

なお、支持部4の下方には、真空チャック部材1を支持して固定するための固定ベース(不図示)が備えられる。支持部4と固定ベース(不図示)とは、例えば、円周方向に沿って等間隔に設置された取り付け穴7に挿入されたボルト等を介して連結、固定される。

0016

載置部2は、支持部4を構成する成分を主成分とする多孔質セラミック体からなり、図示しない複数の連通孔を備えている。これら組成は定比であっても不定比であってもよい。載置部2の気孔率は25〜50体積%の範囲内であることが好ましい。気孔率がこの範囲であると、機械的強度および熱伝導率を維持することができるとともに、圧力損失の増加を抑制することができる。支持部4および載置部2のそれぞれの気孔率は、アルキメデス法準拠して求めることができる。

0017

また、載置部2の平均気孔径は、20〜100μmの範囲内であることが好ましい。平均気孔径がこの範囲であると、低い圧力損失を維持することができるとともに、対象体Wの表面の平面度を小さくすることができる。載置部2の平均気孔径は、JIS R 1655−2003に準拠した水銀圧入法により求めることができる。

0018

真空チャック部材1では、後述するように、例えば載置部2の外周面2aが内周面4aの第1領域41aによって押圧されるような力を受けた状態で、載置部2が支持部4に固定(支持)されている。

0019

真空チャック部材1は、図3に示すように、載置部2の載置面2αに載置した対象体Wを載置部2を介して真空吸着するための部材であって、緻密質セラミック体4の内周面4aは、内周面4aの周方向に沿って連続して外周面2aと直接当接する第1領域41aと、第1領域41aよりもベース面4αに近い側に内周面2aの周方向に沿って連続して(
or第1領域41aに沿って)配置された、載置部2の外周面2aから離れている第2領
域42aとを備えている。

0020

真空チャック部材1では、第1領域41aが内周面4aの周方向に沿って連続して外周面2aと直接当接しており、第1領域41aと外周面2aとの間に例えばガラスペースト等の接合部材が存在していない。すなわち、載置部2にかかる圧力の大きさの分布の原因となる接合層の厚さのばらつきがない。このため、制御できない圧力分布や局所的な圧力に起因した、載置部2の変形等が抑制されている。

0021

さらに真空チャック部材1は、第1領域41aよりもベース面4αに近い側に配置された、外周面2aから離れて外周面2aに対向する第2領域42aとを備えている。この第2領域42aに対応する部分では、第2領域42aから載置部2に対して圧力がかかることがない。第2領域42aは、内周面4aまたは外周面2aの少なくともいずれか一方のベース面4αに近い側に凹状部を設けることで形成すればよい。凹状部は、図に示しているような内周面4aまたは外周面2aに部分的に設けられた段差をもった凹部であってもよいし、内周面4aや外周面2aのベース面4α側に設けられた面取り部であってもよい。なお面取り部は、直線状のいわゆるC面でもよいし、曲面(R面)であってもよい。凹状部の形状については特に限定されない。真空チャック部材2では、内周面4aに凹部を有するとともに、外周面2aにも面取り部(傾斜面部22a)を有している。

0022

真空チャック部材1のように、支持部4の内周面2aに凹部を有し、この凹部が第2領域42aに対応する場合は、この第2領域42aに対応する部分に、載置部2の一部をはみ出させて配置することができる。例えば載置部2が内周面4aの第1領域41aから強い圧力を受けた場合、この圧力に応じて載置部2が変形しようとするが、真空チャック部材1では、第2領域42aに対応する部分が部分的にはみ出すように変形し易い。すなわち真空チャック部材1では、第1領域41aから載置部2に強い圧力がかかる状態でも、この圧力は、載置部2の第2領域42aに対応する領域の変形によって解放され易いので、第2領域42aに対応する部分以外の部分の余分な変形が抑制される。特に、載置部2の載置面2αにおける変形を抑制することで、載置部2の載置面2αの平面度を良好に保って、載置部2に吸着した対象体Wの表面の位置精度を高精度に制御することができる。真空チャック部材1では、第2領域42aと外周面2aとの間隔Lは、例えば、0.08mm以上0.32mm以下である。

0023

また、真空チャック部材1は、第1領域41aが内周面4aの周方向に沿って連続して載置面2αの周縁線21aと直接当接している。すなわち、載置面2αの周縁線21aが内周面4aと当接しており、載置面2αと内周面4aとは隙間(間隙)なく当接している。このような構成であると、パーティクル等が載置面2αの周縁線21aと第1領域41aとの間に侵入し難く、侵入したパーティクルの一部が突出することで生じる局所的な凸部や、侵入したパーティクル部分に支持部4からの圧力が集中することで発生する載置部2への局所的な応力集中が抑制されるので、対象体Wを載置面2aに精度よく吸着することができる。

0024

また真空チャック部材1は、ベース面4αから載置面2αに向かう厚さ方向において、第2領域42aの厚さ方向に沿った長さに比べて、第1領域41aの厚さ方向に沿った長さの方が大きい。このような構成であると、載置部2の外周面2aに対する内周面4aによる押圧力が比較的強い。このため、接着剤などの接合層を介して接合していなくても、載置部2を支持部4で比較的強固に支持することができる。

0025

また真空チャック部材1では、真空チャック部材1の載置部2の外周面2aが、第2領域42aに対向する部分に、下面2βに接続した傾斜面部22aを備え、傾斜面部22aは下面2βに近づくにつれて載置部2の中心軸CLに近づくように傾斜している。言い換えれば、載置部2のベース面の外縁部(ベース面と外周面との角部)は面取り部を有して
いる。面取り部はベース面に垂直な断面視で直線状の、いわゆるC面でもよいし、同じ断面視で曲線状の曲面(R面)であってもよい。なお、載置部2の中心軸CLとは、載置面2αの重心位置を通る、載置面2αに垂直な仮想直線である。

0026

図3に示す実施形態の真空チャック部材1の場合、傾斜面部22aと支持部4(より詳しくは内周面4aの第2領域42aとが離れ、載置部2の角に対応する領域(内周面4aとベース面4αとが接続する部分の近傍の領域)に空間を形成することができる。例えば図5(b)に示す実施形態では、載置部2の角部に対応する領域が、内周面4aの第1領域41aに平行な面とベース面4αに平行な面とが接続した稜線を有する角状であり、この稜線を有する角状部には応力等が集中し易く、角状部が破損し易い。図3に示す真空チャック部材1では、載置部2の角に対応する領域(内周面4aとベース面4αとが接続する部分の近傍の領域)に空間を形成しているので、圧力が局所的に集中し難く、載置部2や支持部4の破損が抑制されている。これにより真空チャック部材1では、載置面2αの平面度を良好に保って、載置部に吸着した対象体Wの表面の位置精度を高精度に制御することができる。

0027

また真空チャック部材1では、内周面4aの第2領域42aは、ベース面4αに接続した曲面部42bを備え、曲面部42bはベース面4に近づくにつれて載置部2の中心軸に近づくように曲がっている。いいかえれば、内周面4aとベース面4αとの接続部分の角部は凹曲面となっている。このように内周面4aとベース面4αとの接続部分が曲面状であることで、支持部4における応力の集中も抑制され、支持部4の破損も抑制されている。ここで、曲面部42bの曲率半径は、例えば1.5mm以上2.5mm以下である。

0028

また、載置部2は支持部4と当接する外周面2aの近傍における密度が、載置面2αの重心位置近傍Gの密度に比べて大きい。これは、例えば載置部2の外周面2aが内周面4aによって押圧されることで、載置部2の外周面2aの近傍のセラミック粒子同士の距離が近づくことで起きる。外周面2a近傍における密度が、載置面2αの重心位置(中心軸CLが通過する部分)近傍の密度に比べて大きいことで、衝撃等が加わりやすい外周面2a近傍の機械的強度が強くなり、この外周面2a近傍からのパーティクル脱落等が抑制されている。

0029

図5(a)および(b)は、本発明の真空チャック部材の他の実施形態の拡大断面図である。本発明では、図5(a)のように、支持部4の内周面4aに凹状部を設けずに、載置部2のベース面の外縁部のみに面取り部(図5(a)では傾斜面部22a)を設け、内周面4の面取り部に対向する領域を、外周面2aから離れている第2領域としてもよい。また逆に、載置部2に面取り部を設けずに、支持部4の内周面4aのみに凹状部を設け、この凹状部に対応する部分を第2領域としてもよい。

0030

本実施形態の真空チャック部材1では、載置面2αに載置した対象体Wの表面位置の精度を高精度に制御することができる。また、ガラスペースト等の接合層やこの接合層の厚さ分布等が存在していないので、載置面2αに載置した対象体Wの温度分布を高精度に制御することもできる。

0031

次に、本発明の真空チャック部材の製造方法の一実施形態について、真空チャック部材1の製造方法を例として説明する。

0032

本実施形態の真空チャック部材の製造方法は、内周面4aまたは外周面2aの少なくともいずれか一方のベース面4αに近い側に凹状部を形成する工程と、支持部4を加熱して熱膨張させる工程と、熱膨張した状態の支持部4の内周面4aとベース面4aとで囲まれた領域に、支持部4よりも低温度の載置部2を配置する工程と、支持部4の温度を降温さ
せて支持部4と載置部2の温度を均一化させることで支持部4の膨張を緩和させて、凹状部または面取り部の少なくともいずれか一方に対応する部分で内周面4aと外周面2aとが離れるとともに、対応する部分以外の部分で内周面4aと外周面2aとが直接当接している真空チャック部材を得る工程とを有する。

0033

図6(a)〜(d)は、本発明の真空チャック部材の製造方法の一実施形態について説明する概略断面図である。まず、図6(a)に示すように、緻密質セラミック体4(支持部4)と多孔質セラミック体2(載置部2)とを準備する。この際、内周面4aまたは外周面2aの少なくともいずれか一方のベース面4αに近い側に凹状部を形成しておく。本実施形態では、支持部4の内周面4aのベース面4αに近い側に凹部を形成するとともに、外周面2aのベース面4αの外縁部に面取り部を形成する。これら凹部や面取り部の形成手法は特に限定されず、例えば生成形体加圧成形によって形成してもよいし、生成形体を研削して形成してもよいし、焼成後の焼成体研削加工等を施して形成してもよい。支持部4には、予め吸引孔6が設けられている。吸引孔6の開口はベース面4αに設けられている。なお、図6(b)以降の図では、吸引孔6の符号を省略する。吸引孔6には、この時点で、高温になると蒸発する有機物充填されている。この有機物は、後述する熱処理時に蒸発し、その結果、吸引孔6が空洞になる。

0034

次に、図6(b)に示すように、支持部4を加熱炉等に導入して支持部4を昇温させて支持部4を熱膨張させる。例えば、支持部4を加熱して100℃〜200℃程度まで昇温させる。この加熱によって支持部4は熱膨張し、内周面4aの直径は加熱前に比べて大きくなる。

0035

次に、図6(c)に示すように、熱膨張した状態の支持部4を加熱炉から取り出し、内周面4aとベース面4αとで囲まれた領域に、支持部4よりも低温度の載置部2を配置する。載置部2の外径2aの直径の大きさは、支持部4が熱膨張した状態では、支持4の内周面4aの直径の大きさよりも小さくなるように設定されている。

0036

次に、支持部4の温度を降温させて支持部4と載置部2の温度を均一化させることで支持部4の膨張を緩和させる。この降温させる処理は、特に冷却装置等を用いずに、例えば室温環境下に置いておくだけでもよい。この結果、図6(d)に示すように、内周面4aの直径は降温前に比べて小さくなり、内周面4aと外周面2aとが当接し、さらに外周面2aによって内周面4aが締め付けられるように、外周面2aから内周面4aに圧力がかかって物理的に強固に締結される。このように外周面2aから内周面4aに圧力がかかると、載置部2はその圧力によって変形しようとするが、真空チャック部材1では、第2領域42aに対応する部分が部分的にはみ出すように変形することでこの圧力が解放され易いので、第2領域42aに対応する部分以外の部分の余分な変形が抑制される。

0037

この後、載置面2αが所定の平面度となるように、研磨加工する。研磨の際に用いる砥石は、例えばダイヤモンド砥石ダイヤモンド粒径番手は、例えば#230(粒径68μm)である。研磨しろは、0.5〜2mm程度である。研磨によって、図5(e)に示すように、支持部4の上面と載置部2の載置面2αは面一になる。このような工程を経て、真空チャック部材1を製造することができる。

0038

上述した各実施形態の製造方法で製造した真空チャック部材は、ガラスペースト等の接合層を用いずに支持部4と載置部2とが接合されているので、例えば支持部4を集中的に加熱して載置部2に比べて支持部4の温度を高くし、内周面4aの直径を選択的に大きくすることで、載置部2を支持部4から比較的容易に取外すことができる。このような製造方法で製造された真空チャック部材1は、載置面2αを有する多孔質セラミック体2(載置部2)のみを取り外して洗浄することができるので、比較的長期間にわたって高い吸着
力を維持したまま真空チャック部材1を継続して使用することができる。

0039

また真空チャック部材1では、載置部2を洗浄した後、昇温および降温によって、載置部2を支持部4に取り付けた際、洗浄後の残留パーティクルや脱粒した粒子などは、第2領域42aに配置されることで、残留パーティクルや脱粒した粒子などによって載置部2に局所的に余分な圧力がかかることが抑制されている。

0040

以上、本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。

0041

1真空チャック部材
2多孔質セラミック体(載置部)
2α 載置面
2β 反対側の面(下面)
2a外周面
4緻密質セラミック体(支持部)
4a内周面
4αベース面
41外壁部
22 傾斜面部
41a 第1領域
42a 第2領域
42b曲面部

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