図面 (/)

技術 光走査装置及び画像形成装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 石館毅洋
出願日 2015年5月29日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-110404
公開日 2016年12月28日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-224257
状態 特許登録済
技術分野 FAXの走査装置 機械的光走査系 レーザービームプリンタ
主要キーワード 突き当て治具 締結構成 流入箇所 設置ポイント 粘性部材 設置パターン 締結ビス 回転止
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (19)

課題

小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動騒音を低減すること。

解決手段

光源ユニット44と、光源ユニット44より出射された光ビームを偏向する回転多面鏡45と、回転多面鏡45によって偏向された光ビームを感光ドラム50に導くfθレンズ46、折返しミラー47と、回転多面鏡45を回転駆動する駆動モータ41と、光源ユニット44が取付けられ、回転多面鏡45、駆動モータ41、fθレンズ46、折返しミラー47を内部に収容する光学箱49と、光学箱49の内部に取付けられ、折返しミラー47の振動を抑制する動吸振器100、101を備え、fθレンズ46、折返しミラー47は光学箱49の底面に固定されており、動吸振器100、101は、光学箱49の底面に固定されたfθレンズ46、折返しミラー47のうち隣接する少なくとも2つのfθレンズ46、折返しミラー47の間の光学箱49の底面に配置されている。

概要

背景

従来、電子写真方式画像形成装置に用いられる光走査装置では、光源から射出される光ビームを、回転多面鏡により偏向させ、走査結像光学系により感光体に向けて集光して感光体上に光スポットを形成する。そして、この光スポットで感光体を走査して感光体上に潜像を形成するように、光走査装置は構成されている。形成された潜像は現像剤(トナー)により現像され、トナー像は記録紙に転写され、記録紙に定着された後、排紙される。なお、回転多面鏡を回転駆動する駆動モータや、レンズミラーなどの光学部品は、光走査装置の筐体(以下、光学箱という)内に取付けられているのが一般的である。

画像形成装置本体(以下、本体ともいう)の画像出力生産性を左右する光走査装置の項目の1つとして、回転多面鏡を回転駆動する駆動モータの回転数が挙げられる。即ち、本体の画像出力の生産性を高めるための手段として、駆動モータの回転数の高速化が求められている。ところが、駆動モータの回転数を高速化することにより、回転多面鏡の回転によって回転多面鏡に遠心力が作用し、結果として回転多面鏡から駆動モータを介して駆動モータの回転周期に同期した振動エネルギーを光学箱全体に伝播させることになる。これによって、光学箱に支持されたレンズやミラーなどの光学部品が振動し、感光体上の光スポットに駆動モータの回転周期に同期したビーム振れを発生させ、最終的には画素ずれ濃度むら等の画像劣化を引き起こす。更に、光学箱全体に行き渡ったこの振動エネルギーは、光走査装置全体を大小、様々な振幅で揺らし、その結果、騒音が発生してしまうという課題があった。特に近年では、オイル軸受タイプの駆動モータにおいて、高速回転で使用しても、長寿命耐久性能を保持する開発が進んでいる。そのため、従来まで3万rpm前後の回転数で駆動していた駆動モータが、近年では5万rpm弱までの高速回転に対応できる製品化が可能となった。一方で、前述した遠心力のエネルギーは、駆動モータの回転数の二乗で増大する。そのため、従来の回転多面鏡の回転速度では上記振動の画像への影響が小さかったが、今後、回転多面鏡の回転速度のさらなる高速化により課題が顕在化する場合が多くなることが想定される。

このような課題を解決するため、例えば光学箱にゴム等からなる粘弾性部材及び粘弾性体に取付けられたからなる動吸振器を装着することで、駆動モータの回転に伴って生じる振動を低減するような構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、動吸振器とは、振動レベルを低減する機能を有する装置である。即ち、ある加振源からの振動レベルを低減したい系Aに、加振源よりも比較的小型で、加振源の周波数と略等しい固有振動数を有する動吸振器を設置することで、系Aの振動レベルを低減させることができる。動吸振器の固有振動数が加振源周波数と略等しいため、加振源の振動エネルギーを動吸振器が効率的に取り込み、自らが振動することによりエネルギーを消費するため、系Aの振動レベルを低減させることができる。

概要

小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動や騒音を低減すること。光源ユニット44と、光源ユニット44より出射された光ビームを偏向する回転多面鏡45と、回転多面鏡45によって偏向された光ビームを感光ドラム50に導くfθレンズ46、折返しミラー47と、回転多面鏡45を回転駆動する駆動モータ41と、光源ユニット44が取付けられ、回転多面鏡45、駆動モータ41、fθレンズ46、折返しミラー47を内部に収容する光学箱49と、光学箱49の内部に取付けられ、折返しミラー47の振動を抑制する動吸振器100、101を備え、fθレンズ46、折返しミラー47は光学箱49の底面に固定されており、動吸振器100、101は、光学箱49の底面に固定されたfθレンズ46、折返しミラー47のうち隣接する少なくとも2つのfθレンズ46、折返しミラー47の間の光学箱49の底面に配置されている。

目的

本発明はこのような状況のもとでなされたもので、小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動や騒音を低減することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

光走査装置であって、光源と、前記光源より出射された光ビームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡によって偏向された光ビームを感光体に導く複数の光学部材と、前記回転多面鏡を回転駆動する駆動モータと、前記光源が取付けられ、前記回転多面鏡、前記駆動モータ、及び前記光学部材を内部に収容する光学箱と、前記光学箱の内部に取付けられ、前記光学部材の振動を抑制する動吸振器と、を備え、前記複数の光学部材は、前記光学箱の底面に固定されており、前記動吸振器は、前記光学箱の底面に固定された前記複数の光学部材のうち隣接する少なくとも2つの前記光学部材の間の光学箱の底面に配置されていることを特徴とする光走査装置。

請求項2

前記光学箱は、前記回転多面鏡を介して対向する一対の前記光学部材を有し、前記動吸振器は、前記回転多面鏡を介して、前記光学部材の長手方向の対向する位置に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。

請求項3

前記光学部材は、前記光ビームが透過するレンズであり、前記動吸振器は、前記動吸振器の長手方向が隣接する前記レンズの長手方向と平行になるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。

請求項4

前記光学部材は、前記光ビームを反射するミラーであり、前記動吸振器は、前記動吸振器の長手方向が隣接する前記ミラーの長手方向と平行になるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。

請求項5

前記光学部材は、レンズと前記光ビームを反射するミラーであり、前記動吸振器は、前記動吸振器の長手方向が隣接する前記レンズと前記ミラーの長手方向と平行になるように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。

請求項6

前記光学部材の両端部は、前記光学箱に固定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光走査装置。

請求項7

前記動吸振器は、前記光学部材の長手方向の前記両端部の内側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。

請求項8

前記動吸振器は、前記光学箱を介して、前記光学部材が支持された前記光学箱の底面に対向する裏面に取付けられていることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置。

請求項9

前記回転多面鏡及び前記駆動モータが取付けられた基板を有し、前記基板は、前記光学箱が有する複数の座面に固定されており、前記回転多面鏡の回転軸を通り、前記偏向された光ビームの光軸方向で前記光学箱を2つの側に分けたときに、前記動吸振器の前記光学部材の長手方向の取付け位置は、前記複数の座面で形成される前記基板の重心が位置する前記光学箱の側とは異なる側であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光走査装置。

請求項10

前記動吸振器は、金属製の薄板であり、前記光学箱にビス締結されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光走査装置。

請求項11

前記動吸振器の長手方向の両端部は、折返し曲げ加工されていることを特徴とする請求項10に記載の光走査装置。

請求項12

前記動吸振器は、段差が前記薄板の厚さ以下の凸形状の段曲げ部を有し、前記段曲げ部を介して前記光学箱と締結されていることを特徴とする請求項11に記載の光走査装置。

請求項13

前記動吸振器の長手方向の両端部は、前記光学箱の側に折返し曲げ加工されていることを特徴とする請求項12に記載の光走査装置。

請求項14

前記光学箱は、前記動吸振器の折返し曲げ加工された前記両端部が対向する位置に、前記両端部が該光学箱に接触しないように逃げ部を有することを特徴とする請求項13に記載の光走査装置。

請求項15

感光体と、前記感光体に光ビームを照射静電潜像を形成する請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光走査装置と、前記光走査装置により形成された静電潜像を現像トナー像を形成する現像手段と、前記現像手段により形成されたトナー像を記録媒体転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置

技術分野

0001

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関し、特にデジタル複写機レーザビームプリンタファクシミリ装置等の電子写真方式の画像形成装置に備えられる光走査装置に関する。

背景技術

0002

従来、電子写真方式の画像形成装置に用いられる光走査装置では、光源から射出される光ビームを、回転多面鏡により偏向させ、走査結像光学系により感光体に向けて集光して感光体上に光スポットを形成する。そして、この光スポットで感光体を走査して感光体上に潜像を形成するように、光走査装置は構成されている。形成された潜像は現像剤(トナー)により現像され、トナー像は記録紙に転写され、記録紙に定着された後、排紙される。なお、回転多面鏡を回転駆動する駆動モータや、レンズミラーなどの光学部品は、光走査装置の筐体(以下、光学箱という)内に取付けられているのが一般的である。

0003

画像形成装置本体(以下、本体ともいう)の画像出力生産性を左右する光走査装置の項目の1つとして、回転多面鏡を回転駆動する駆動モータの回転数が挙げられる。即ち、本体の画像出力の生産性を高めるための手段として、駆動モータの回転数の高速化が求められている。ところが、駆動モータの回転数を高速化することにより、回転多面鏡の回転によって回転多面鏡に遠心力が作用し、結果として回転多面鏡から駆動モータを介して駆動モータの回転周期に同期した振動エネルギーを光学箱全体に伝播させることになる。これによって、光学箱に支持されたレンズやミラーなどの光学部品が振動し、感光体上の光スポットに駆動モータの回転周期に同期したビーム振れを発生させ、最終的には画素ずれ濃度むら等の画像劣化を引き起こす。更に、光学箱全体に行き渡ったこの振動エネルギーは、光走査装置全体を大小、様々な振幅で揺らし、その結果、騒音が発生してしまうという課題があった。特に近年では、オイル軸受タイプの駆動モータにおいて、高速回転で使用しても、長寿命耐久性能を保持する開発が進んでいる。そのため、従来まで3万rpm前後の回転数で駆動していた駆動モータが、近年では5万rpm弱までの高速回転に対応できる製品化が可能となった。一方で、前述した遠心力のエネルギーは、駆動モータの回転数の二乗で増大する。そのため、従来の回転多面鏡の回転速度では上記振動の画像への影響が小さかったが、今後、回転多面鏡の回転速度のさらなる高速化により課題が顕在化する場合が多くなることが想定される。

0004

このような課題を解決するため、例えば光学箱にゴム等からなる粘弾性部材及び粘弾性体に取付けられたからなる動吸振器を装着することで、駆動モータの回転に伴って生じる振動を低減するような構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、動吸振器とは、振動レベルを低減する機能を有する装置である。即ち、ある加振源からの振動レベルを低減したい系Aに、加振源よりも比較的小型で、加振源の周波数と略等しい固有振動数を有する動吸振器を設置することで、系Aの振動レベルを低減させることができる。動吸振器の固有振動数が加振源周波数と略等しいため、加振源の振動エネルギーを動吸振器が効率的に取り込み、自らが振動することによりエネルギーを消費するため、系Aの振動レベルを低減させることができる。

先行技術

0005

特許第3184370号公報

発明が解決しようとする課題

0006

前述したように、動吸振器を用いることにより、動吸振器が駆動モータの振動エネルギーを消費するため、結果として光学部品や光学箱へ伝播する振動エネルギーが減少し、画像劣化や騒音が抑制されることが期待できる。しかしながら、特許文献1の提案は、振動抑制効果は期待できるものの、動吸振器の性能を十分発揮できる形態とは言い難い。光走査装置の中で振動を抑制したいのは、感光体上への走査線導光及び集光を担っているレンズやミラーなどの光学部品である。振動を抑制するためには、その光学部品の光学箱への光走査装置特有取付け形態踏まえた上で、振動減衰に最も効果的、かつ最適な系が存在するはずであるが、前述した特許文献1では、その点が考慮されていない。更に、近年では画像形成装置本体の小型化の要求から、光走査装置内には振動源である駆動モータの他、レンズやミラーなどの光学部品や、それらに導光される光ビームの光路密集して配置されていることが多い。そのため、動吸振器を配置するに際し、振動抑制効果が高いことに加え、光走査装置の大きさを必要以上に大きくすることなく、光学部品や光路との共存が可能な小型の構成と配置にも留意しなければならない。

0007

本発明はこのような状況のもとでなされたもので、小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動や騒音を低減することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

前述の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。

0009

(1)光走査装置であって、光源と、前記光源より出射された光ビームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡によって偏向された光ビームを感光体に導く複数の光学部材と、前記回転多面鏡を回転駆動する駆動モータと、前記光源が取付けられ、前記回転多面鏡、前記駆動モータ、及び前記光学部材を内部に収容する光学箱と、前記光学箱の内部に取付けられ、前記光学部材の振動を抑制する動吸振器と、を備え、前記複数の光学部材は、前記光学箱の底面に固定されており、前記動吸振器は、前記光学箱の底面に固定された前記複数の光学部材のうち隣接する少なくとも2つの前記光学部材の間の光学箱の底面に配置されていることを特徴とする光走査装置。

0010

(2)感光体と、前記感光体に光ビームを照射静電潜像を形成する前記(1)の光走査装置と、前記光走査装置により形成された静電潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記現像手段により形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。

発明の効果

0011

本発明によれば、小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動や騒音を低減することができる。

図面の簡単な説明

0012

実施例1〜3の画像形成装置の全体構成を示す概略断面図、光走査装置の断面図
実施例1の光走査装置を示す斜視図
実施例1の動吸振器の取付けを示す斜視図
実施例1の動吸振器の断面図、動吸振器の固有モードを示す解析図、動吸振器の弾性腕の長さと固有振動数の関係を示す図
実施例1の初期状態の振動レベルの測定ポイントを示す図
実施例1の初期状態の各測定ポイントの振動レベルを示す図、初期状態の折返しミラー長手方向の振動レベル分布を示す図
実施例1の動吸振器を設置した際の振動レベルの測定ポイントを示す図
実施例1の初期状態と動吸振器を設置した際の各測定ポイントの振動レベルを示す図、動吸振器を設置した際の振動レベル、走査線振れの効果を示す図
実施例1の光走査装置の主走査光線パスを示す上面図
実施例1の光走査装置の主走査光線パスを示す上面図
実施例1の動吸振器の設置位置を示す斜視図
実施例1の動吸振器の設置位置を示す斜視図
実施例1の動吸振器の設置位置と折返しミラーの振動レベルの関係を示すグラフ
実施例1の振動測定及び動吸振器の設置ポイントを示す上面図
実施例1の各測定ポイントの振動レベルを示すグラフ、動吸振器の設置位置と折返しミラーの振動レベルの関係を示したグラフ
実施例2の光走査装置を示す斜視図
実施例2の動吸振器の取付けを示す斜視図、動吸振器の断面図
実施例3の動吸振器の取付けを示す斜視図

0013

以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0014

[画像形成装置の概要
実施例1の画像形成装置の構成について、以下に説明する。図1(a)は、本実施例のタンデム型カラーレーザビームプリンタの全体構成を示す概略構成図である。このレーザビームプリンタ(以下、単にプリンタという)はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の色毎にトナー像を形成する4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Bk(一点鎖線で図示)を備える。また、プリンタは、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Bkからトナー像が転写される中間転写ベルト20を備え、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を記録媒体である記録シートPに転写してカラー画像を形成するように構成されている。以降、各色を表す符号Y、M、C、Bkは、必要な場合を除き省略する。なお、以下の説明において、後述する回転多面鏡45の回転軸方向をZ軸方向、光ビームの走査方向である主走査方向、又は後述する折返しミラーの長手方向をY軸方向、Y軸及びZ軸に垂直な方向をX軸方向とする。

0015

中間転写ベルト20は、無端状に形成され、一対のベルト搬送ローラ21、22にかけ回されており、矢印C方向に回転動作しながら各色の作像エンジン10で形成されたトナー像が転写されるように構成されている。また、中間転写ベルト20を挟んで一方のベルト搬送ローラ21と対向する位置には二次転写ローラ65が配設されている。記録シートPが二次転写ローラ65と中間転写ベルト20との間を通過することによって、中間転写ベルト20から記録シートPにトナー像が転写される。中間転写ベルト20の下側には前述した4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Bkが並列的に配設されており、各色の画像情報に応じて形成したトナー像を中間転写ベルト20に転写するようになっている(以下、一次転写という)。これら4基の作像エンジン10は、中間転写ベルト20の回動方向(矢印C方向)に沿って、イエロー用の作像エンジン10Y、マゼンタ用の作像エンジン10M、シアン用の作像エンジン10C及びブラック用の作像エンジン10Bkの順に配設されている。

0016

また、作像エンジン10の下方には、各作像エンジン10に具備された感光体である感光ドラム50を画像情報に応じて露光する光走査装置40が配設されている。なお、図1(a)では光走査装置40の詳細な図示及び説明は省略し、図1(b)、図2を用いて後述する。光走査装置40は全ての作像エンジン10Y、10M、10C、10Bkに共用されており、各色の画像情報に応じて変調されたレーザビームを出射する図示しない4基の半導体レーザを備えている。また、光走査装置40は、各感光ドラム50に対応する光ビームが感光ドラム50の軸方向(Y軸方向)に走査するように光ビームを偏向する回転多面鏡45、及び回転多面鏡45を回転駆動する駆動モータ41を備えている。回転多面鏡45によって偏向された各光ビームは、光走査装置40内に設置された光学部材によって感光ドラム50上に導かれ、各感光ドラム50を露光する。

0017

各作像エンジン10は、感光ドラム50と、感光ドラム50を一様な電位帯電させる帯電ローラ12と、を備える。また、各作像エンジン10は、光ビームの照射によって露光されることで感光ドラム50上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段である現像器13を備えている。現像器13は、感光ドラム50上の静電潜像をトナーを用いて現像する。

0018

各作像エンジン10の感光ドラム50に対向する位置には、中間転写ベルト20を挟むようにして一次転写ローラ15が配設されている。一次転写ローラ15は、転写電圧印加されることにより、感光ドラム50上のトナー像が中間転写ベルト20に転写される。

0019

一方、記録シートPはプリンタ筐体1の下部に収納される給紙カセット2からプリンタの内部、具体的には中間転写ベルト20と転写手段である二次転写ローラ65とが当接する二次転写位置へ供給される。給紙カセット2の上部には、給紙カセット2内に収容された記録シートPを引き出すためのピックアップローラ24及び給紙ローラ25が並設されている。また、給紙ローラ25と対向する位置には、記録シートPの重送を防止するリタードローラ26が配設されている。プリンタの内部における記録シートPの搬送経路27は、プリンタ筐体1の右側面に沿って略垂直に設けられている。プリンタ筐体1の底部に位置する給紙カセット2から引き出された記録シートPは、搬送経路27を上昇し、二次転写位置に対する記録シートPの突入タイミングを制御するレジストレーションローラ29へと送られる。その後、記録シートPは、二次転写位置においてトナー像が転写された後、搬送方向の下流側に設けられた定着器3(破線で図示)へと送られる。そして、定着器3によってトナー像が定着された記録シートPは、排出ローラ28を経て、プリンタ筐体1の上部に設けられた排紙トレイ1aに排出される。

0020

このように構成されたカラーレーザビームプリンタによるカラー画像の形成に当たっては、まず、各色の画像情報に応じて光走査装置40が各作像エンジン10の感光ドラム50を所定のタイミングで露光する。これによって各作像エンジン10の感光ドラム50上には画像情報に応じた潜像画像が形成される。ここで、良質な画質を得るためには、光走査装置40によって形成される潜像画像が感光ドラム50上の所定の位置に精度よく再現され、かつ、潜像画像を形成するための光ビームの光量は常に安定して所望の値を出せるものでなければならない。

0021

[光走査装置の構成]
図1(b)は、光走査装置40の光学部品取付けの全体像を示した概略図である。光走査装置40の内部及び外周部には、光ビーム(レーザ光)を射出する光源が搭載された光源ユニット44(後述する図2参照)、光ビームを偏向する回転多面鏡45、駆動モータ41が設置されている。回転多面鏡45は、光ビームを反射する複数の反射面(4面以上)を有する。更に光走査装置40には、各光ビームを感光ドラム50上に導くfθレンズ46a〜46d、折返しミラー47a〜47hが設置されている。

0022

光源ユニット44(図2参照)から出射された感光ドラム50Yに対応する光ビーム154(Y走査線154ともいう)は、回転多面鏡45によって偏向され、fθレンズ46aに入射する。fθレンズ46aを通過した光ビーム154は、fθレンズ46bに入射し、fθレンズ46bを通過した後、折返しミラー47aによって反射される。折返しミラー47aによって反射された光ビーム154は、不図示の透明窓を通過して感光ドラム50Yを走査する。

0023

光源ユニット44(図2参照)から出射された感光ドラム50Mに対応する光ビーム155(M走査線155ともいう)は、回転多面鏡45によって偏向され、fθレンズ46aに入射する。fθレンズ46aを通過した光ビーム155は、fθレンズ46bに入射し、fθレンズ46bを通過した後、折返しミラー47b、折返しミラー47f、折返しミラー47dによって反射される。折返しミラー47dによって反射された光ビーム155は、不図示の透明窓を通過して感光ドラム50Mを走査する。

0024

光源ユニット44(図2参照)から出射された感光ドラム50Cに対応する光ビーム156(C走査線156ともいう)は、回転多面鏡45によって偏向され、fθレンズ46cに入射する。fθレンズ46cを通過した光ビーム156は、fθレンズ46dに入射し、fθレンズ46dを通過した光ビーム156は、折返しミラー47e、折返しミラー47f、折返しミラー47gによって反射される。折返しミラー47gによって反射された光ビーム156は、不図示の透明窓を通過して感光ドラム50Cを走査する。

0025

光源ユニット44(図2参照)から出射された感光ドラム50Bkに対応する光ビーム157(K走査線157ともいう)は、回転多面鏡45によって偏向され、fθレンズ46cに入射する。fθレンズ46cを通過した光ビーム157は、fθレンズ46dに入射し、fθレンズ46dを通過した後、折返しミラー47hによって反射される。折返しミラー47hによって反射された光ビーム157は、不図示の透明窓を通過して感光ドラム50Bkを走査する。

0026

[光走査装置の概要]
図2は、図1(a)に示すプリンタ(以下、本体ともいう)に配設された光走査装置40の全体像を示した斜視図である。なお、図2の光走査装置40は、図1(b)に示す光学箱49から上蓋70をはずした状態で図示している。図2中の矢印は、図1(a)に示すプリンタの方向を示している。即ち、図中の「本体前側」は、図1(a)に示す本体の正面側を、「本体左側」、「本体右側」は、それぞれ図1(a)に示す本体の左側、右側を、「本体奥側」は、図1(a)に示すプリンタの背後側を指している。また、図2には、走査レンズ光軸を含むレーザ光路の代表的な光線パスを、図中左側から順に、Y走査線154、M走査線155、C走査線156、K走査線157として示してある。Y走査線154は、上述した作像エンジン10Yの感光ドラム50Yを露光する。同様に、M走査線155、C走査線156、K走査線157は、それぞれ作像エンジン10Mの感光ドラム50M、作像エンジン10Cの感光ドラム50C、作像エンジン10Bkの感光ドラム50Bkを露光する。なお、以下では、作像エンジン10Y、10M、10C、10Bkを、それぞれYステーション(Ystともいう)、Mステーション(Mstともいう)、Cステーション(Cstともいう)、Kステーション(Kstともいう)という。また、図2、及び以下の説明では、図1(b)のfθレンズ46a〜46dを単にfθレンズ46、折返しミラー47a〜47hを単に折返しミラー47という。

0027

光走査装置40の光学箱49の外周部には、レーザ光を射出する光源が搭載された光源ユニット44が設けられている。また、光学箱49には、光源ユニット44から射出されたレーザ光を反射・偏向する回転多面鏡45、回転多面鏡45を支持し高速回転させる駆動モータ41、レーザ光を透過、反射する複数のfθレンズ46、折返しミラー47が設置されている。光学部材であるfθレンズ46、折返しミラー47は、回転多面鏡45によって偏向された光ビーム(レーザ走査光ともいう)を感光体である各作像エンジン10の感光ドラム50上へ案内し、結像するために必要な走査結像光学系として設置されている。また、光源ユニット44は、図中左側がY、Mステーション用の光源ユニット44、図中右側がC、Kステーション用の光源ユニット44となっている。

0028

図2において特徴的なことは、光学箱49上には金属製のYM側動吸振器100(動吸振器100ともいう)とCK側動吸振器101(動吸振器101ともいう)が設置され、それぞれビスによって光学箱49に締結固定されていることである。また、動吸振器100、101は、その長手方向がfθレンズ46や折返しミラー47の長手方向と略平行になるように配置されている。動吸振器の長手方向の向きと、動吸振器による振動減衰効果との間に因果関係はないが、動吸振器の長手方向をfθレンズ46や折返しミラー47の長手方向と平行にすることで、光学箱に設置される光学部品の配置に影響を与えることがなくなる。その結果、光走査装置40の大きさをコンパクトにすることができる。

0029

更に、後述するように、本実施例の動吸振器は、長手方向の腕の長さを変えることで、対象となる加振周波数である駆動モータ41の駆動周波数と、動吸振器の固有振動数とを合致させることができる。動吸振器においては、動吸振器自身の固有振動数と加振周波数を合致させることにより、より高い振動減衰効果が得られる。従って、動吸振器の長手方向と、fθレンズ46や折返しミラー47のそれぞれの長手方向を揃える配置にすることにより、設計自由度が増し、動吸振器の腕の長さを調整することができる。その結果、動吸振器は、幅広い加振周波数に対しても振動減衰効果を得ることができる。更に、動吸振器の長手方向とfθレンズ46、折返しミラー47の長手方向を平行にすることで、動吸振器がfθレンズ46、折返しミラー47を通過する走査線を蹴ってしまい、感光ドラム50上に画像不良が生じるおそれが低減される。これは、光走査装置40の走査線はZ軸方向に角度を有し、動吸振器が占めるZ−Y平面上での光軸方向の占有距離が短いほど、走査線と動吸振器がオーバーラップする距離が短くなるためである。なお、本実施例の動吸振器は、画像形成装置本体からの駆動周波数を合致させるように腕の長さを設定しても良い。即ち、画像形成装置本体には記録シートを搬送するためのローラを回転させる駆動モータや感光ドラムを回転させる駆動モータなど様々なモータが取り付けられている。それらの駆動モータの振動が画像形成装置本体に固定された光走査装置に伝わる。本実施例の動吸振器の腕の長さは、このような画像形成装置本体からの振動周波数に基づいて設定されても良い。

0030

[動吸振器の形状と光学箱への固定方法
次に、動吸振器100、101の形状及び光学箱49への固定方法について、図3を用いて説明する。図3は、図2のCK側動吸振器101周辺部分を拡大した斜視図であり、CK側動吸振器101が光学箱49に取付けられる様子を示している。なお、CK側動吸振器101とYM側動吸振器100の構造、光学箱49への取付け方法は同じであり、以下ではCK側動吸振器101を用いて説明することとする。前述したように、CK側動吸振器101は光学箱49にビスで締結されている。そのため、CK側動吸振器101の中央には、ビス穴151が設けられている。なお、折返し曲げ部104、弾性腕105については後述する。一方、光学箱49には、凸座面102とその内径側にビス穴107(図4(a)参照)が設けられている。CK側動吸振器101を光学箱49に締結する際は、まず凸座面102にCK側動吸振器101を設置し、その後、ビス穴151に締結ビス103を通し、CK側動吸振器101を光学箱49にビス締結する。このとき、ビス穴151の直径は締結ビス103のビス径と等しいため、ビス締結時の嵌合により、CK側動吸振器101は光学箱49に精度良く位置決めされる。

0031

なお、本実施例では、CK側動吸振器101が光学箱49に固定される際の、締結ビス103軸周りの回転方向規制は設けていない。例えば組立てのビス締結時にCK側動吸振器101の回転方向を規制する突き当て治具などを用意すれば、光学箱49やCK側動吸振器101に回転止め形状は不要となる。特に、動吸振器による振動吸収効率を高めるためには、動吸振器の固有振動数が加振源と同じ周波数近傍である必要がある。そのため可能な限り、動吸振器の固有振動数を変え得る光学箱49との不必要な接触は避けるべきであり、あえて光学箱49とCK側動吸振器101との接触は、凸座面102のみの接触としている。光学箱49に対する動吸振器101の回転方向の規制が必要な場合には、後述する実施例2などの方法を取れば良い。

0032

[動吸振器の光学箱との締結構成
図4(a)は、CK側動吸振器101が光学箱49にビス締結された構成を、締結ビス103の中心軸を含むCK側動吸振器101の長手方向で切断した断面図である。図よりCK側動吸振器101は、光学箱49と凸座面102のみで接触し、締結ビス103で光学箱49に固定されているのが分かる。そして、CK側動吸振器101と光学箱49は、CK側動吸振器101と光学箱49との間にはわずかにクリアランス(隙間)を設けられており、凸座面102を除き、CK側動吸振器101と光学箱49は接触していない。また、CK側動吸振器101の特徴として、CK側動吸振器101の長手方向の両端部には、端部を180度折返した折返し曲げ部104(所謂ヘミング曲げであり、以下ヘミング曲げ部104という)が設けられている。ヘミング曲げ部104とCK側動吸振器101の固有振動数の関係については、後述する。図4(a)において、CK側動吸振器101の上部(Z軸+方向)には走査線106(図2のK走査線157に対応)が通っているが、動吸振器101は光学箱49の底面に沿って設置されており、動吸振器101の高さはレーザ光の光路の高さに達していない。そのため、動吸振器101が走査線106を遮ることはなく、感光ドラム50へのレーザ走査を、動吸振器101が遮断することはない。

0033

[弾性腕の構成]
図4(b)は、光学箱49に設置されたCK側動吸振器101が、どのような固有モードで振動するかをシミュレーションにより解析した結果を示した図である。なお、図4(b)では、動吸振器101のみを図示し、締結ビス103、光学箱49は不図示としている。図より、光学箱49に締結されるビス穴151を中心として、すなわち光学箱49と接触する中央部を中心に、動吸振器101の両端が同じ方向(図中の上方向変位108)に変形しているのがわかる。また、図中の下方向変位109は、上方向変位108の後、中央部を中心に、動吸振器101の両端が下方向に変形することを示している。このように、CK側動吸振器101は、中央に設けられた光学箱49とのビス締結部を中心に、両端部が同じ方向の上下動周期的に繰り返す固有モードを有している。

0034

図4(b)に示す固有モードでは、動吸振器101の両端が同じ位相で上下動を繰り返しているが、片側だけの変形モードで考えると自明なように、光学箱49との接触部を基準とした片持ち梁の曲げ1次モードの振動である。曲げ1次モードは、最も単純かつ基本的な振動モードであり、他の高次モードに対し、最も低い周波数で振動する固有モードである。そして、動吸振器としての効果を引き出すためには、CK側動吸振器101中央の光学箱49との接触部(ビス締結部でもある)を中心とした曲げ1次モードの固有振動数と、駆動モータ41の回転周波数を合致させる必要がある。

0035

CK側動吸振器101の曲げ1次モードの固有振動数を変更するには、図3に示す弾性腕105の長さの他、幅や厚み、動吸振器の材質を変えればよい。これらは、計算やシミュレーション等で簡単に求めることができる。また、CK側動吸振器101の両端部に設けられたヘミング曲げ部104は、端部へ質量(マス)を追加することでヘミング曲げをしない場合と比較して、長手方向の長さを短縮した状態でも、ヘミング曲げをしない場合と同じ固有振動数にすることができる。

0036

図4(c)は、動吸振器の弾性腕105の長さと、動吸振器の曲げ1次モードの固有振動数の関係を示すグラフであり、動吸振器の弾性腕105にヘミング曲げがある場合(正方形プロット)と、ない場合(菱形でプロット)の2種類のグラフを示している。図4(c)において、横軸は弾性腕105の片側の長さ[単位:mm]、縦軸は動吸振器の曲げ1次モードの固有振動数[単位:Hz(ヘルツ)]を示す。図に示すように、弾性腕105の長さにより、曲げ1次モードの固有振動数を幅広くチューニングすることができる。例えば、ヘミング曲げがない場合には、曲げ1次モードの固有振動数は約500〜850Hzにチューニング可能であり、ヘミング曲げがある場合には、曲げ1次モードの固有振動数は約700〜1,000Hzにチューニング可能であることがわかる。

0037

ここで、図4(c)よりヘミング曲げがない場合は、例えば700Hz(モータ回転数換算すると42,000rpm)の動吸振器を得るのに必要な弾性腕105は42mmであるが、端部をヘミング曲げ加工するだけで弾性腕105の長さは36mmで済む。即ち、弾性腕両側に換算すると12mm(=(42mm−36mm)×2)短い形状で、同じ固有振動数を有する動吸振器を得ることができる。光学箱49内には、fθレンズ46や折返しミラー47、それらを保持する締結部材、レーザ光路などが配置されており、動吸振器の小型化は設計自由度の向上に繋がる効果がある。

0038

一般的な動吸振器では、動吸振器と光学箱との間に、ゴムなどの粘性ダンパー)部材を挟み込むことがあるが、動吸振器を光学箱に直接、ビス締結するという単純な構成を取っている点も本実施例の特徴である。前者のように、粘性部材を挟む場合は対象となる加振周波数に対し、比較的広い周波数範囲で振動減衰効果が得られる。しかし、本実施例は、曲げ1次モードの固有振動数を駆動モータ41の加振周波数と合致させる思想である。そのため、粘性部材を挟んだ場合には、曲げ1次モードの固有振動数が大幅に低下してしまい、対象となる加振周波数が700Hz(42,000rpm)と高いこともあり、動吸振器の最適な設計値が得られない可能性がある。また、前述したように、粘性部材を挟むことにより広範囲の周波数に対し効果がある一方で、振動減衰効果が低減するおそれも生じる。

0039

以上のことを考慮すると、光走査装置のように対象となる駆動モータ41の加振周波数が明確に定まっている場合には、粘性部材挿入による広範囲の周波数対応よりも、振動減衰効果の高い本実施例の構成の方が好ましいといえる。更に粘性部材がないことにより、粘性部材の経時劣化などの影響も受けにくく、前述したように単純な曲げ1次モードのシミュレーションにより最適な設計値が得られることも、動吸振器を光学箱49に直に締結する利点といえる。

0040

更に、本実施例の動吸振器101は、ビス締結部を中心に片側ではなく両側に弾性腕105を有する構成としており、この構成により、次のような効果を奏することができる。すなわち、弾性腕105が片側だけの場合は、曲げ1次モードで振動する腕が1本のため、弾性腕105が両側にある場合に比べ、動吸振器における加振エネルギーの消費量が1/2となり、光走査装置40への振動減衰効果が低減してしまう。これを避けるために、両側に弾性腕105がある場合と同等の消費エネルギーとなる片側の弾性腕構成にしようとすると、弾性腕を大きくする(弾性腕を長くする)必要があり、その結果、動吸振器の大きさは両側に弾性腕を有する構成とほぼ同じ大きさとなる。ところが、弾性腕105を長くすることにより、曲げ1次モードの固有振動数が大幅に下がり、対象となる駆動モータ41の加振周波数と合致しないため、振動減衰効果が大幅に損なわれることになる。そのため、動吸振器101の弾性腕105の板厚を増すなどの対応が必要となり、両側に弾性腕を有する構成の動吸振器と比較して、大型化することになる。従って、同じ加振エネルギーの消費量で比較した場合、片側腕構成と比べて、両側腕構成の動吸振器の方が省スペース化に適しており、光走査装置の性格上、特に走査線に対する干渉のおそれも少ない。

0041

[動吸振器による振動減衰効果]
(1)動吸振器を設置しないときの光走査装置の振動レベル
次に、本実施例における動吸振器による振動減衰効果について述べる。まず、初めに動吸振器を設置しない状態(以下、初期状態ともいう)の光走査装置40の振動レベルについて、図5を用いて説明する。なお、本実施例では駆動モータ41の回転数を42,000rpm(周波数700Hz)とし、以下では、振動レベルを表す物性値として加速度を用いて説明する。なお、加速度の単位はmm/s2であるが、動吸振器の効果を相対比較するためだけに用いるので、全て共通の値で正規化し、以下では「振動レベル」として説明するものとする。なぜなら、光走査装置上の加速度の値自体は駆動モータ41のアンバランス量次第で増減するため、振動減衰効果の説明の趣旨からは、加速度の数値自体には意味がないためである。また、図示されていないが、光走査装置40自体は、画像形成装置に固定する場合と同じ方法で固定されている。

0042

図5は、駆動モータ41を上述した回転数で駆動させたときの光学箱49上の各部品における振動レベルの測定ポイントを示した図である。なお、以下の図(図5を含む)においては、測定ポイントを見やすくするために、必要な場合を除き、符号を省略している。図中の白丸印(○)の中の数字(以下、丸数字という)は、加速度(振動レベル)の各測定ポイントを示している。また、黒丸(●)の中に数字(以下、白抜き数字という)が記載されている箇所は、光学箱49上の各部品の中で、特に振動レベルが大きかった折返しミラー47の測定ポイントであり、8箇所設けられている。そのうちの4箇所は、図5の左側から中央部にかけて、Ystミラー(白抜き数字1)、Mstミラー1(白抜き数字51)、Mstミラー2(白抜き数字12)、Mstミラー3(白抜き数字22)である。そして、残りの4箇所は、図5の中央部から右側にかけて、Cstミラー3(白抜き数字32)、Cstミラー2(白抜き数字43)、Cstミラー1(白抜き数字52)、Kstミラー(白抜き数字50)である。なお、これらの折返しミラー47の振動レベルは、以下の説明で動吸振器の設置効果について相対比較をするため、特にピックアップするものである。

0043

図6(a)は、初期状態の光学箱49上の各測定ポイントと各測定ポイントにおける振動レベルの関係を表した棒グラフであり、縦軸は振動レベルを、横軸は測定ポイント(数字は図5の測定ポイントの番号)を示す。図6(a)を見ると、駆動モータ41が駆動することにより生じた、駆動モータ41のアンバランス量による遠心力エネルギーが、光学箱49の全域に伝播し、各測定ポイントで強制的に加速度(すなわち振動レベルで示す振動)が生じているのがわかる。また、特徴的なこととしては、光学箱49の加速度(振動レベル)分布は一概に駆動モータ41の近傍(測定ポイント25〜28)が大きい訳ではなく、比較的離れた箇所(例えば測定ポイント3、4、46、47等)でも加速度が大きい箇所が分布している。この理由については後述する。また、図6(b)は、図5の白抜き数字の測定ポイント1、51、12、2、32、43、52、50における振動レベルを示した棒グラフである。図6(a)と比べ、図6(b)に示された測定ポイントが設置された折返しミラー47では、振動レベルが特に大きいことがわかる。図5図6(a)、図6(b)から、光学箱49全域に伝播した駆動モータ41の加振エネルギーは、バネ付勢により光学箱49に取付けられた各種の折返しミラー47に伝播されていることが分かる。そして、その振動レベルは、折返しミラー47に設定した測定ポイントの方が、光学箱49の折返しミラー47を除いた、他の測定ポイントよりも相対的に大きいことがわかる。

0044

また、図6(c)は、測定ポイント10〜14が設置された折返しミラー47であるMstミラー2の振動モードに着目し、Mstミラー2の長手方向の振動レベルの分布を示した棒グラフである。図6(c)より、振動レベルは、折返しミラー47の長手方向の中央部(測定ポイント12)が最も大きく、光学箱49で支持されている両端部(測定ポイント10、14)方向に行くに従って、小さくなっていることがわかる。なお、説明は省略するが、他の折返しミラー47においても同様の振動モードで振動している。その理由は、光学箱49は、折返しミラー47を折返しミラー47の両端部で支持しているためである。折返しミラー47の両端支持部の内側(Y軸方向)には、図2に示すようにレーザ走査光が通っており、そのため折返しミラー47は必然的に両端部で支持する構成を採用せざるを得ない。即ち、折返しミラー47は、その機能上、その両端部が光学箱49に支持されているため、中央部が最大振幅部となる曲げ1次振動モードを必ず有している。そのため、後述するように、折返しミラー47の振動が原因となる走査線の振れは、折返しミラー47の主走査方向(Y軸方向)において中央部の振れ量が最も大きくなる傾向がある。

0045

(2)動吸振器を設置したときの光走査装置の振動レベル
次に、上述した初期状態に対して、動吸振器100、101を図2に示した位置に設置して駆動モータ41を駆動させたときの光学箱49上の各測定ポイントを図7に示す。図7の各測定ポイントの位置及び番号は、図5に示した測定ポイントに対応する。なお、図7では動吸振器100、101が追加されているため、YM側動吸振器100の両端部には測定ポイント53、54が、CK側動吸振器101の両端部には測定ポイント55、56が追加され、逆に測定ポイント3、46が削除されている。

0046

図8(a)は、図7の構成において、図5と同一の条件で駆動モータ41を駆動したときの光学箱49上の各測定ポイントの振動レベルを、図5で測定した初期状態と比較した棒グラフである。図8(a)の縦軸は振動レベルを示し、横軸は測定ポイント(数字は図5の測定ポイントの番号)を示す。各測定ポイントには2つの棒グラフが表示され、左側の棒グラフは動吸振器を設置されていない初期状態での振動レベルを示し、右側の棒グラフはミラー間に動吸振器100、101が設置されたときの振動レベルを示している。なお、図5の測定ポイント3、46は、図7では動吸振器100、101が設置されているため、空欄になっている。一方、図7では図5の測定ポイント3、46の位置にそれぞれYM側動吸振器100、CK側動吸振器101が設置され、動吸振器100、101の両端部に測定ポイント53〜56が追加されている。また、図8(b)は、図8(a)と同様に、初期状態で特に加速度(振動レベル)が大きかった8箇所の測定ポイント1、51、12、22、32、43、52、50の初期状態と動吸振器100、101設置時の振動レベルを比較した棒グラフである。図8(b)の縦軸は振動レベルを示し、横軸は測定ポイントを示す。各測定ポイントには2つの棒グラフが表示され、左側の棒グラフは動吸振器を設置されていない初期状態での振動レベルを示し、右側の棒グラフはミラー間に動吸振器100、101が設置されたときの振動レベルを示している。

0047

まず、図8(a)においては、YM側動吸振器100とCK側動吸振器101の両端部の加速度(測定ポイント53〜56)が光学箱49の中で最も大きくなっている。これは、前述したように動吸振器100、101の弾性腕105の長さ調節により、曲げ1次モードの固有振動数が駆動モータ41の回転周波数700Hz(42000rpm)と合致したことにより、動吸振器100、101が共振するためである。即ち、動吸振器100、101は、自らの自由振動同調して、周期的に注入される駆動モータ41の加振エネルギーを吸収して、大きな振幅を発生させて、運動エネルギーとして消費している。当然ながら、動吸振器100、101はfθレンズ46や折返しミラー47のような光学部材とは異なり、レーザ走査には関与していないため、振幅がいくら大きくなっても、レーザ走査に影響を与えることはない。一方、動吸振器100、101が振動することにより、駆動モータ41の加振エネルギーを消費する効果は非常に大きく、図8(a)に示すように光学箱49全体に伝播する振動エネルギーが大幅に低減されているのが分かる。そして、図8(b)に示すように、折返しミラー47へ伝わる振動エネルギーも動吸振器100、101により低減され、初期状態で振動レベルが大きかった折返しミラー47の振動レベルも大幅に低減されていることが分かる。

0048

[動吸振器による走査線振れ量の減衰効果
図8(c)は、初期状態と動吸振器100、101を設置した場合のレーザ走査光のZ軸方向の走査線振れの最大振幅を示した棒グラフである。図8(c)の縦軸は走査線振れ量を示し、横軸はイエロー(Yst)、マゼンタ(Mst)、シアン(Cst)、ブラック(Kst)の各st(ステーション)の走査線振れの測定箇所、即ち各stに向かう折返しミラー47上の測定箇所を示している。折返しミラー47の測定箇所は、本体前側、中央、奥側の3つに分けられ、相対比較のため初期状態のYst中央で正規化して表示している。先述したように、初期状態においては、折返しミラー47の曲げ1次振動モードにより、折返しミラー47の長手方向の中央における変位が大きいため、走査線の振れ量も前側、奥側と比較して、中央が大きくなっている。特に、折返しミラー47を3枚使用しているMstとCstの走査線振れ量が、折返しミラー47を1枚しか使用しないYst、Kstと比較して、大きくなる傾向が確認できる。これに対し、動吸振器100、101を配置すると、前述したように折返しミラー47の振動レベルが大幅に低減されるため、大部分の箇所で、走査線の振れ量が大幅に改善されているのが分かる。また、各stとも、初期状態では大きかった中央部の変位が、前側、奥側と同等レベル以下になっている。これは、動吸振器100、101を設置したことにより、折返しミラー47の曲げ1次振動モードが、ほとんど励起されないレベルまで振動レベルが低減されたことを示している。

0049

また、図8(c)より、動吸振器100、101を設置したときの各stの走査線振れ量はほぼ等しいレベルとなっている。このことから、動吸振器100、101を設置して振動レベルを低減してもなお残る走査線の振れは、駆動モータ41自身がそのアンバランス量によって回転多面鏡45の面倒れを発生させるように回転していることによるものと推測される。なお、本実施例では、YM側動吸振器100とCK側動吸振器101の2つを光学箱49に設置しているが、これに限定するものではなく、十分な振動減衰効果が確認されれば、1つの動吸振器の設置でもよい。

0050

[動吸振器の設置位置(その1)]
次に、光学箱49上の動吸振器を設置すべき場所(位置)について説明する。前述したように、動吸振器による振動減衰メカニズムとは、加振源の周波数と動吸振器の固有振動数を合致させることで、加振源の振動エネルギーを動吸振器が効率的に取り込み、動吸振器自らが振動することでエネルギーを消費することである。ここで、光走査装置40ならではの特徴として、fθレンズ46や折返しミラー47などの光学部品は、一般的に本実施例のように少なくともその両端部2点で支持された構成を取ることが多い。この理由としては、レーザ光を感光ドラム50の長手方向(主走査方向)に走査するためには、光学部品は細長い形状となり、そのような光学部品をバランスよく安定的に光学箱49に締結するには、その両端部を光学箱49に固定するのが望ましいからである。このように光学部品の両端部は、前述したように光学箱49上に設けられた光学部品用の精度座面にバネなどで押圧固定されている。そして、前述したように駆動モータ41の加振エネルギーは、光学部品の両端部が支持された光学箱49の精度座面を通して、光学部品に伝播される。

0051

これらの事象を考慮すると、光学部品へ伝わる加振エネルギーを減衰させるためには、動吸振器を配置すべき場所として、光学部品の長手方向の両端部の精度座面に効果がある場所、即ち2つの精度座面に挟まれている場所が望ましい。なぜなら、動吸振器を両端部の精度座面よりも外側に設置した場合、近傍の一方の座面には効果があるかもしれないが、他方の精度座面から伝わる振動エネルギーについては、動吸振器から離れているために振動減衰効果が発揮されない可能性があるためである。

0052

以上は、動吸振器の光学部品の長手方向の設置位置に関する工夫であるが、光軸方向に対しては、次のような工夫が挙げられる。即ち、複数の光学部品の振動を効率よく減衰させる方法として、折返しミラー47間の各両端座面(両端部の座面)の間、fθレンズ46間の各両端座面の間、折返しミラー47の両端座面とfθレンズ46の両端座面の間を動吸振器の設置位置とする。これにより、1つの動吸振器で隣接する複数の光学部品の振動を減衰させることができる。

0053

前述した動吸振器が配置される領域は、言い換えれば主走査方向の光線パス(主走査光線パスともいう)と動吸振器の設置位置がオーバーラップしている領域に等しいので、ここで、本実施例における主走査光線パスの光路領域について定義する。図9は、Ystの主走査光線パス142とKstの主走査光線パス143が通過する光路領域を斜線で示した図である。また、図10は、Mstの主走査光線パス144とCstの主走査光線パス145が通過する光路領域を斜線で示した図である。図9、10において、各主走査光線パスは、複数ある光学部品の両端支持部の間を繋げた領域とほぼ等価である。

0054

ここで、主走査光線パス142〜145内に動吸振器を設置した場合と、主走査光線パス142〜145外に動吸振器を設置した場合の、光学部品の振動減衰効果の差について、図2及び、図11図13を用いて説明する。図2は、前述したように、fθレンズ46とYst最終折返しミラー47の間(又はYst及びKstの最終折返しミラー47の間)にYM側動吸振器100とCK側動吸振器101を設置した例である。これに対し、図11は、YM側fθレンズ46とCK側fθレンズ46の間に挟まれるように、YM側動吸振器100とCK側動吸振器101を設置した例である。図2及び図11共に、図9、10に示す主走査光線パス内に動吸振器が設置されているのが分かる。これに対し、図12では、動吸振器141の設置位置は、駆動モータ41を介して、光源ユニット44の反対側(光源ユニット44が取付けられた立壁部とは対向する側の立壁部に近い側)である。即ち、図12は、図9、10に示された主走査光線パスの外側に動吸振器141が設置された例である。

0055

図13は、光学箱49上の各測定ポイントの中で、初期状態のとき(図5)に、特に振動レベル(加速度)が大きかった折返しミラー47上の測定ポイント8箇所における振動レベルを、動吸振器の設置位置毎に比較した棒グラフである。図13の縦軸は振動レベルを示し、横軸は測定ポイント1、51、12、22、32、43、52、50を示す。各測定ポイントにおける振動レベルは、左側から順に初期状態(図5)、動吸振器を折返しミラー間に設置した場合(図2)、動吸振器をfθレンズ間に設置した場合(図11)、動吸振器を主走査光線パス外に設置した場合(図12)を示す。動吸振器が主走査光線パス内に配置された図2図11の構成では、その振動レベルは初期状態(図5)に対し大きく改善されていることが確認できる。一方、動吸振器が主走査光線パス外に配置された図12の構成では、初期状態(図5)に対して改善は見られるものの、図2図11の構成と比較すると、大部分の測定ポイントにおいて改善効果が低いことが分かる。以上の結果より、光走査装置40の機能に起因する光学部品の形状を考えると、動吸振器を配置すべき光軸方向の場所としては、主走査光線パス142〜145内であることが動吸振器による減衰効果を発揮する上で望ましいと言える。

0056

なお、本実施例においては薄板形状の動吸振器を前提に記載してあるが、主走査光線パス内に設置さえされていればよく、薄板形状に限定されるものではない。すなわち、ゴム等でできたダンパーの上に質量を乗せた従来例のような動吸振器の形態においても、主走査光線パス内に設置されていれば同様の効果が得られる。また、本実施例では、製作コストの観点から量産対応が容易なプレス加工を想定し、金属の薄板形状の動吸振器について記載したが、プレス加工で製作される動吸振器に限定されるものではない。例えば金属のブロックから切削加工にて同様の形状の動吸振器を製作しても、同様の振動減衰効果が得られる。

0057

[動吸振器の設置位置(その2)]
続いて、主走査光線パス内に動吸振器を配置する場合において、更に動吸振器による振動減衰効果を高める設置場所について説明する。前述したように、動吸振器による振動減衰メカニズムとは、加振源の周波数と動吸振器の固有振動数を合致させることで、加振源の振動エネルギーを動吸振器が効率的に取り込み、動吸振器自らが振動することでエネルギーを消費することである。そのため、光学箱49上で動吸振器を設置する場所は、加振源からの振動エネルギーが動吸振器に効率的に伝播される場所でなくてはならず、必然的に光学箱49の振幅レベルの比較的大きい箇所であることが望ましい。

0058

そこで、光学箱49の主走査光線パス142、143内において、図14に示す光学部品の長手方向の各測定ポイントにおける、駆動モータ41の加振による振動レベルがどのようになっているかを示したグラフが図15(a)である。図14の測定ポイントは、図2において動吸振器100、101が設置されている長手方向(Y軸方向)に設けられ、動吸振器100側には測定ポイント118〜128が、動吸振器101側には測定ポイント129〜139が設けられている。図15(a)の左側の棒グラフは、動吸振器100側(YMst側)の光学箱49上の測定ポイント118〜128、右側の棒グラフは、動吸振器101側(CKst側)の光学箱49上の測定ポイント129〜139の振動レベルを示している。なお、図15(a)の両グラフにおいて、横軸は光学箱49の測定ポイント、縦軸は振動レベルを示している。図より、YMst側は光学箱49の測定ポイント121、CKst側は光学箱49の測定ポイント133が振動レベルのピークを示している。また、全体的な振動レベルは、光学部品の長手方向において、中央近傍をピークとし、端部に行くに従って振動レベルが低下する山型状(凸形状)に分布していることが分かる。

0059

このように振動レベルが分布するのは、両端部の方向には光学箱49を密閉するための立壁部があって剛性が高いのに対し、中央近傍には走査線が通っているため立壁部のような高いリブを設けることができない光学箱の形状に起因している。即ち、端部に対し、中央近傍は、高さ方向の断面2次モーメントが低く、その結果、外力に対する変位量が大きくなるためである。そのため、端部を節として中央近傍が振動の腹となる膜振動を起こしやすい傾向があり、この現象は光走査装置40の機能上避けることはできない。なお、振動レベルの山型形状が、厳密には駆動モータ41軸上の光学箱49の測定ポイント123、134を頂点とする上凸形状とはなってはいない。光学部品の長手方向において、振動レベルの山型形状が、光源ユニット44が設置された側の振動レベルの方が比較的大きい原因は、駆動モータ41が設置された基板の形状と配置にある。

0060

図14に示すように、駆動モータ41が設置された基板163は、第1駆動モータ締結部158、第2駆動モータ締結部159、第3駆動モータ締結部160の3点で光学箱49にビス締結されている。そのため、駆動モータ41の光学箱49への振動エネルギーの伝播は、この3つの締結部の座面が主たる伝播経路となる。ここで、光学部品の長手方向(Y軸方向)において、駆動モータ41の回転軸を基準に光学箱49を図中X軸方向の点線にて二分すると、3つのビス締結位置は、次のようになる。即ち、第1駆動モータ締結部158は、光源ユニット44が設けられた側(以下、レーザ側ともいう)に位置している。一方、第2駆動モータ締結部159、及び第3駆動モータ締結部160は、光源ユニット44が設けられていない側(以下、反レーザ側ともいう)に位置している。ビス締結位置は反レーザ側に位置している割合が多いために、3点のビス締結位置で形成される重心位置は、二分された光学箱49の反レーザ側に位置していることになる。これらを総合すると、駆動モータ41の振動エネルギーの光学箱49への流入箇所は、反レーザ側の締結部であると見なすことができる。

0061

ここで、光学部品の長手方向(Y軸方向)において、駆動モータ41の回転軸により回転駆動される回転多面鏡45は、光学箱49上でほぼ中央に配置されるのが一般的である。ところが、上述したように、本実施例では、駆動モータ41の振動エネルギーの流入箇所は反レーザ側に位置しており、流入箇所から剛性の高い光学箱49の立壁部までの距離は、反レーザ側よりもレーザ側の方が長い。そのため、レーザ側(本実施例の場合、駆動モータ41の回転軸を基準として基板163のビス締結点が少ない側)の方が、反レーザ側よりも振幅(振動レベル)が大きくなる傾向となる。上述したような光学箱49の形状に起因する現象を鑑みると、動吸振器の設置場所は光線パス内においても、自ずと振動の腹となっている光学箱49の中央近傍である方が望ましい。更に、中央近傍においても、振動の腹のピークとなる駆動モータ41の回転軸を基準に、駆動モータ41の基板163を光学箱49に固定するビス締結点の重心が存在しない側に、即ちレーザ側に動吸振器を設置することが望ましい。

0062

図15(b)は、図14に示す測定ポイントに動吸振器を設置した場合の、初期状態で特に振動レベルが大きかった折返しミラー47上の8箇所の測定ポイントにおける振動レベルを示した棒グラフである。図15(b)の縦軸は振動レベルを示し、横軸は初期状態で特に振動レベルが大きかった8箇所の測定ポイント1、51、12、22、32、43、52、50を示す。また、各測定ポイントには、初期状態における振動レベル(黒塗りつぶし)のほかに、10通りの動吸振器の設置パターンにおける振動レベルを棒グラフで示している。動吸振器の設置パターンは、左から順にYM側動吸振器100及びCK側動吸振器101を、それぞれ測定ポイント118、129に設置したパターンから、測定ポイント127、138に設置したパターンまでの10通りである。

0063

図15(b)より、初期状態の振動レベルに対し、端部側に動吸振器100、101を設置すると振動レベルの低減が見られない場合もあるが、設置位置を中央近傍に移動するに従って、各折返しミラー47の振動レベルが低減する。そして、動吸振器100、101の設置位置が、更に中央近傍から端部側に移るに従って、再び振動レベルが増大する傾向であることが分かる。図15(b)において、各測定ポイントにおける棒グラフが厳密に最下点から綺麗な下凸形状とはなっていないのは、光学箱49の裏面に配置されたリブの配置などが影響しているためである。また、より詳細には、動吸振器100、101は、駆動モータ41の回転軸よりもレーザ側に設置した方が、振動レベルの減衰効果が高い傾向であることがわかる。

0064

上述したように、駆動モータ41による振動や騒音を低減するために、光走査装置40の光学箱49へ動吸振器を設置する場合には、次のような位置に設置するとよい。即ち、動吸振器は、主走査光線の光路内で、光学部材の長手方向においては、光学箱49の外周部の立壁から離れた中央近傍で、駆動モータ41の基板163を光学箱49に固定する締結点の重心が存在しない側に設置するとよい。これによって動吸振器が振動することにより消費されるエネルギーが増加し、結果としてfθレンズや折返しミラーなどの走査結像光学系に伝播する振動エネルギーを抑制でき、画像劣化や騒音が抑制される。

0065

以上説明したように、本実施例によれば、小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動や騒音を低減することができる。

0066

実施例2では、動吸振器のZ軸方向の上部を通る走査線とのクリアランスが大きく取れ、走査線を蹴るおそれが少ない動吸振器の構成について説明する。なお、画像形成装置であるプリンタ及び光走査装置40の機能については、実施例1と同様であるため、以下での説明を省略し、実施例1との差分についてのみ説明する。

0067

[動吸振器の構成]
図16は、本実施例の光学箱49に設置されたCK側動吸振器146(動吸振器146ともいう)の周辺部分を拡大した斜視図である。なお、CK側動吸振器146が光学箱49に設置されている位置は、実施例1のCK側動吸振器101が設置されている位置と同じである(図3参照)。また、図17(a)は、動吸振器146の形状、及び動吸振器146が光学箱49に取付けられる様子を示す斜視図である。なお、図16図17(a)では、CK側動吸振器146しか示されていないが、CK側動吸振器146と同様の不図示のYM側動吸振器が実施例1の図2のYM側動吸振器100と同じ位置に設置されている。CK側動吸振器146とYM側の動吸振器の構造、光学箱49への取付け方法は同じであり、以下ではCK側動吸振器146(以下、動吸振器146ともいう)を用いて説明することとする。

0068

図17(a)に示すように、動吸振器146の中央にはビス穴151が設けられ、光学箱49に締結ビス147で締結されている。また、本実施例の動吸振器146には切欠き部150が設けられ、切欠き部150と光学箱49上に設けられた突起である回転止め149が光学部品の長手方向(Y軸方向)において嵌合している。更に、動吸振器146のビス穴151の直径と締結ビス147のビス径も嵌合しているため、切欠き部150の嵌合は、動吸振器146の回転止めの役割を果たしている。このように、切欠き部150を動吸振器146の長手方向の中央部に設けられたビス穴151の近傍で、曲げ1次モードの振幅が最も少ない箇所に設ける。これにより、回転止め149を設けたことによる曲げ1次モードへの影響を極力抑えたまま、精度が高い動吸振器の設置が可能となる。

0069

また、本実施例の動吸振器146の特徴として、動吸振器の上部を通る走査線とのクリアランスを大きくとることができることにより、レーザ光(走査光)を蹴るおそれを少なくしている点がある。図17(b)は、CK側動吸振器146が光学箱49にビス締結された構成を、締結ビス147の中心軸を含むCK側動吸振器101の長手方向で切断した断面図である。動吸振器146は、実施例1のように光学箱49上に凸座面(精度座面)を設けず、光学箱49との接触面は、段曲げ部153(所謂Z曲げであり、以下、Z曲げ部153という)で座面を形成している。図に示すように、Z曲げ部153の段差は、動吸振器146の板厚以下としているのが特徴である。これにより、走査線106との高さ方向のクリアランスが最も狭くなる締結ビス147のビス頭の高さを低くすることができる。更に、ビス頭を低くする必要がある場合は、例えばビス頭形状を皿ネジにするなどの方法を取ることもできる。

0070

このように、光学箱49に動吸振器146用の精度座面を設けないことは、駆動モータ41による緊急性を要する振動トラブルなどの対策として効果的である。即ち、光学箱49に予め、動吸振器146を設置するためのビス穴さえ設けておけば、駆動モータ41による振動レベルを低減させる必要がある場合には、動吸振器146を設置すれば対処することが可能となる。

0071

また、実施例1では、動吸振器101の両端部のヘミング曲げは、上方向(Z軸+方向)に曲げていた。本実施例では、走査線106とのクリアランスを確保するため、動吸振器146は、曲げ方向を光学箱49の底面に対向する下方向(Z軸−方向)にした裏面ヘミング曲げ部148を有している。そして、裏面ヘミング曲げ部148と光学箱49との干渉を避けるために、光学箱49には、裏面ヘミング曲げ部148と光学箱49が接触しないように、逃げ部152を設けている。上述した構成を取ることで、動吸振器146は、走査線106とのクリアランスを確保することができ、動吸振器設置時の信頼性を向上させることができる。なお、本実施例で説明した動吸振器146は、前述した実施例1での動吸振器の設置位置においても適用することができる。

0072

以上説明したように、本実施例によれば、小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動や騒音を低減することができる。

0073

実施例1、2では、動吸振器は、光学部品が支持されている光学箱の内側に設置されていた。実施例3では、光学部品が設置されていない光学箱の裏面(底面)に動吸振器を設置した場合の構成について説明する。なお、画像形成装置であるプリンタ及び光走査装置40の機能については、実施例1と同等であるため、以下での説明を省略し、実施例1との差分についてのみ説明する。

0074

[動吸振器の構成]
図18は、本実施例の光学箱49を裏面側(底面側)から見た斜視図である。図18に示すように、光学箱49の裏面には、YM側裏面動吸振器161とCK側裏面動吸振器162が設置され、光学箱49にビス締結されている。実施例1で述べたように、光学部品へ伝わる加振エネルギーを減衰させるために動吸振器を配置すべき場所としては、光学部品の長手方向の両端の精度座面に効果がある場所、即ち光学部品の座面の間に挟まれている主走査光線パス内であることが望ましい。実施例1では、光学部品が支持されている光学箱49の表面に動吸振器を配置したが、裏面の同じ位置に配置してもほぼ同様の減衰効果を得ることができる。

0075

光学箱49の裏面には、一般的に光学箱49に強度を付加するために、補強リブ縦横に通っていることが多い。そのため、図18に示すように、補強リブが通っていない空きスペースに動吸振器を設置することができれば、実施例1、2のような動吸振器が走査線と干渉するおそれがなく、振動減衰効果を得ることができる。また、図18に示すように、YM側裏面動吸振器161とCK側裏面動吸振器162の両端は、実施例1の動吸振器と同様、光学箱49とは反対側に曲げられたヘミング曲げ部を有している。例えば、YM側裏面動吸振器161とCK側裏面動吸振器162の構成を実施例2で説明した動吸振器146と同様の構成とし、光学箱49の裏面に裏面ヘミング曲げ部が干渉しないように逃げ部を設けても良い。

実施例

0076

以上説明したように、本実施例によれば、小型化を実現しつつ、駆動モータの回転に伴って生じる振動や騒音を低減することができる。

0077

41駆動モータ
44光源ユニット
45回転多面鏡
46fθレンズ
47折返しミラー
49光学箱
100、101 動吸振器

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日本電気株式会社の「 入出力装置及び入出力装置の設置方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】机上に配置した場合であっても、景観を損なわずかつ利用者に圧迫感を与えることがない操作性の高い入出力装置及び入出力装置の設置方法を提供する。【解決手段】机上Dの所定領域Eへ画像を投影する表示装置... 詳細

  • 富士ゼロックス株式会社の「 画像読取装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】読み取りガラスの裏面からガラス面に対し深い角度から光を照射する場合に比べて、読み取りガラス上のゴミや汚れを使用者に目視で見えやすくすることができる画像読取装置及び画像形成装置を提供する。【解決... 詳細

  • キヤノン株式会社の「 画像形成装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】画像形成条件の調整用のテストパターンの読取画像に異常が生じた場合であっても、画像形成条件の調整を高精度に行うことができる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置(プリンタ300)は、A... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ