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技術 線量予測装置、線量予測方法及び線量予測プログラム

出願人 東京電力ホールディングス株式会社
発明者 渡邉史紀平尾和紀
出願日 2015年5月29日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-109549
公開日 2016年12月28日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2016-223876
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 局面形状 近似計算法 減衰距離 医療関連施設 光子フラックス 光子線 計算コード 計算点
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

評価対象の3次元形状モデルを可能な限り忠実模擬し、かつ、放射線源広範囲分布する場合でも膨大な時間を要せずに計算結果を求められる線量予測装置を提供する。

解決手段

3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理部13と、3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定部14と、所定位置計算点を設定する第2情報設定部14と、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を計算する線量計算処理部16と、を備える。

概要

背景

環境中の放射線量分布予測(評価)する場合、線量予測プログラムを用いて放射線源からの放射線量の予測が行われる。線量予測プログラムの代表例として、モンテカルロ法による放射線の輸送計算コード(以下、モンテカルロ輸送計算コードという。)が知られている。モンテカルロ法は、乱数を用いたシミュレーションを数多くの回数行うことにより近似解を求める計算手法である。モンテカルロ輸送計算コードは、放射線の輸送計算(体系内での多数の粒子散乱と吸収、体系外への粒子の漏れ等の計算)をモンテカルロ法を用いて求め、所定の環境下における放射線量を評価する計算コードである。例えば、下記特許文献1には、モンテカルロ輸送計算コードを用いて原子炉機器遮蔽体を有する遮蔽体領域放射化の程度を評価する方法が開示されている。

概要

評価対象の3次元形状モデルを可能な限り忠実模擬し、かつ、放射線源が広範囲分布する場合でも膨大な時間を要せずに計算結果を求められる線量予測装置を提供する。3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理部13と、3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定部14と、所定位置計算点を設定する第2情報設定部14と、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を計算する線量計算処理部16と、を備える。

目的

本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、評価対象の形状モデルを可能な限り忠実に模擬することができ、かつ、放射線源が広範囲に分布する場合でも膨大な時間を要せずに予測結果を求めることができる線量予測装置、線量予測方法及び線量予測プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

次元形状モデル形状表面放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理部と、前記3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに前記放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定部と、所定位置計算点を設定する第2情報設定部と、前記各セルに設定された前記放射線源からの前記計算点における放射線量を計算する線量計算処理部と、を備える線量予測装置

請求項2

前記計算点から距離が近いセルを分割することにより前記メッシュを細分化する細分化処理部を備える請求項1に記載の線量予測装置。

請求項3

前記細分化処理部は、セルの面積と等しい等価円の中心と前記計算点とを結ぶ線と、前記等価円の円周上の所定位置と前記計算点とを結ぶ線とでなす角度が一定角度以上である場合に、前記セルを分割する請求項2に記載の線量予測装置。

請求項4

前記第1情報設定部は、各セルに対して、各セルの深さ方向に層状に点線源を設定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の線量予測装置。

請求項5

前記第1情報設定部は、各セルに対して、各層の点線源の深さ方向の強度分布を設定する請求項4に記載の線量予測装置。

請求項6

前記CG処理部は、地形データ標高データ、及び建物等の形状データに基づいて前記3次元形状モデルを作成する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の線量予測装置。

請求項7

前記CG処理部は、前記3次元形状モデルの形状表面にカラー情報で放射線源情報を設定する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の線量予測装置。

請求項8

前記CG処理部は、除染前後の放射線源強度分布に基づき、前記3次元形状モデルの形状表面に前記放射線源情報を設定し、前記線量計算処理部で計算された除染前後の放射線量分布の画像を生成する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の線量予測装置。

請求項9

前記線量計算処理部は、前記各セルに設定された前記放射線源からの前記計算点における放射線量を点減衰計算法に基づき計算する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の線量予測装置。

請求項10

前記計算点と各セルとの間に物体が存在するか否かを判定する見通し判定部と、前記見通し判定部で前記計算点と各セルとの間に前記物体が存在すると判定された場合、前記物体による各セルの放射線源からの放射線の減衰を計算する遮蔽計算処理部と、を備え、前記線量計算処理部は、前記遮蔽計算処理部で計算された前記放射線の減衰を加味して前記計算点における放射線量を計算する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の線量予測装置。

請求項11

前記CG処理部は、前記3次元形状モデルの形状表面に放射線透過率を設定し、前記遮蔽計算処理部は、前記放射線透過率及び前記物体の厚さに基づいて、前記物体による各セルの放射線源からの放射線の減衰を計算する請求項10に記載の線量予測装置。

請求項12

3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定することと、前記3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに前記放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定することと、所定位置に計算点を設定することと、前記各セルに設定された前記放射線源からの前記計算点における放射線量を計算することと、を含む線量予測方法

請求項13

コンピュータに、3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理と、前記3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに前記放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定処理と、所定位置に計算点を設定する第2情報設定処理と、前記各セルに設定された前記放射線源からの前記計算点における放射線量を計算する線量計算処理と、を実行させる線量予測プログラム

技術分野

0001

本発明は、放射線源からの放射線量を予測する線量予測装置、線量予測方法及び線量予測プログラムに関する。

背景技術

0002

環境中の放射線量分布を予測(評価)する場合、線量予測プログラムを用いて放射線源からの放射線量の予測が行われる。線量予測プログラムの代表例として、モンテカルロ法による放射線の輸送計算コード(以下、モンテカルロ輸送計算コードという。)が知られている。モンテカルロ法は、乱数を用いたシミュレーションを数多くの回数行うことにより近似解を求める計算手法である。モンテカルロ輸送計算コードは、放射線の輸送計算(体系内での多数の粒子散乱と吸収、体系外への粒子の漏れ等の計算)をモンテカルロ法を用いて求め、所定の環境下における放射線量を評価する計算コードである。例えば、下記特許文献1には、モンテカルロ輸送計算コードを用いて原子炉機器遮蔽体を有する遮蔽体領域放射化の程度を評価する方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2014−238358号公報

発明が解決しようとする課題

0004

線量予測プログラムを用いて放射線量を予測(評価)する場合、放射線源や遮蔽体などの評価対象の寸法やCADデータなどに基づき、評価対象の3次元形状モデル(3次元形状情報)を自動的に作成するプログラムが開発されている。しかしながら、このようなプログラムによる3次元形状モデルの作成は、平板円柱等といった単純な幾何形状を組み合わせることで実際の評価対象を模擬するものである。従って、放射線源や遮蔽体などの評価対象の形状として取り扱える形状が制限される。すなわち、複雑な幾何形状の3次元形状モデルを作成することは困難である。このため、例えば自然地形のように評価対象が単純な幾何形状の組み合わせで構成されていない場合、評価対象の3次元形状モデルと実際の評価対象の形状との差が生じ、その差によって線量予測プログラムによる予測結果(計算結果)に誤差が生じてしまう。

0005

また、モンテカルロ輸送計算コードのような線量予測プログラムは、一般に、放射線源の位置が局所的又は限定的に存在するような環境下における放射線量の予測に用いられる。例えば、原子力施設医療関連施設などの遮蔽設計における放射線量の予測に用いられることが多い。従って、評価対象の放射線源の位置が局所的又は限定的に存在しない場合、すなわち、放射線源が広範囲分布するような場合は、放射線源からの放射線量を1か所毎(局所的)に評価しなければならない。このため、広範囲に分布するすべての放射線源からの放射線量を評価するためには膨大な時間がかかってしまう。

0006

本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、評価対象の形状モデルを可能な限り忠実に模擬することができ、かつ、放射線源が広範囲に分布する場合でも膨大な時間を要せずに予測結果を求めることができる線量予測装置、線量予測方法及び線量予測プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明は、3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理部と、3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定部と、所定位置計算点を設定する第2情報設定部と、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を計算する線量計算処理部と、を備える線量予測装置を提供する。

0008

また、計算点から距離が近いセルを分割することによりメッシュを細分化する細分化処理部を備える構成でもよい。また、細分化処理部は、セルの面積と等しい等価円の中心と計算点とを結ぶ線と、等価円の円周上の所定位置と計算点とを結ぶ線とでなす角度が一定角度以上である場合に、セルを分割する構成でもよい。

0009

また、第1情報設定部は、各セルに対して、各セルの深さ方向に層状に点線源を設定する構成でもよい。また、第1情報設定部は、各セルに対して、各層の点線源の深さ方向の強度分布を設定する構成でもよい。

0010

また、CG処理部は、地形データ標高データ、及び建物等の形状データに基づいて3次元形状モデルを作成する構成でもよい。また、CG処理部は、3次元形状モデルの形状表面にカラー情報で放射線源情報を設定する構成でもよい。また、CG処理部は、除染前後の放射線源強度分布に基づき、3次元形状モデルの形状表面に放射線源情報を設定し、線量計算処理部で計算された除染前後の放射線量分布の画像を生成する構成でもよい。また、線量計算処理部は、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を点減衰計算法に基づき計算する構成でもよい。

0011

また、計算点と各セルとの間に物体が存在するか否かを判定する見通し判定部と、見通し判定部で計算点と各セルとの間に物体が存在すると判定された場合、物体による各セルの放射線源からの放射線の減衰を計算する遮蔽計算処理部と、を備え、線量計算処理部は、遮蔽計算処理部で計算された放射線の減衰を加味して計算点における放射線量を計算する構成でもよい。また、CG処理部は、3次元形状モデルの形状表面に放射線透過率を設定し、遮蔽計算処理部は、放射線透過率及び物体の厚さに基づいて、物体による各セルの放射線源からの放射線の減衰を計算する構成でもよい。

0012

また、本発明は、3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定することと、3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定することと、所定位置に計算点を設定することと、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を計算することと、を含む線量予測方法を提供する。

0013

また、本発明は、コンピュータに、3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理と、3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定処理と、所定位置に計算点を設定する第2情報設定処理と、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を計算する線量計算処理と、を実行させる線量予測プログラムを提供する。

発明の効果

0014

本発明によれば、3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理部と、3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定部と、所定位置に計算点を設定する第2情報設定部と、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を計算する線量計算処理部とを備える。このような構成によれば、評価対象の3次元形状モデルを可能な限り忠実に模擬することができる。その結果、評価対象の3次元形状モデルと実際の評価対象の3次元形状との差が小さくなり、放射線量の計算結果の誤差も小さくすることができる。また、各セルに放射線源を設定することで、放射線源が広範囲に分布する場合でも膨大な時間を要せずに計算点における計算結果(予測結果)を求めることができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の線量予測装置が備える制御プログラム及びその制御プログラムで処理される情報を示す図である。
第1実施形態に係る線量予測装置の構成を示すブロック図である。
3次元形状モデルに複数の単位領域のメッシュが設定された状態を示す図である。
図3に示すメッシュ内のセルを示す図である。
層状体線源モデルの構成を示す図である。
セルの分割を説明するための図である。
入力ファイル生成処理の一例を示すフローチャートである。
空間線量の計算処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示す3次元形状モデルのメッシュを細分化した状態を示す図である。
第2実施形態に係る線量予測装置の一例を示すブロック図である。
見通し判定処理を説明するための解析情報メッシュの一例を示す図である。
放射線源の強度分布の変形例を示す図である。

実施例

0016

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現する場合がある。

0017

<第1実施形態>
本発明の線量予測装置が備える制御プログラム及びその制御プログラムで処理される情報について説明する。図1は、本発明の線量予測装置が備える制御プログラム及びその制御プログラムで処理される情報を示す図である。図1に示す本発明の線量予測装置は、制御プログラムとして3次元CGプログラム200(3次元コンピュータ・グラフィックス・プログラム)と線量予測プログラム210とを備える。3次元CGプログラム200は、3次元形状モデルの作成(モデリング)や3次元形状モデルの画像の生成(レンダリング)を行うプログラムである。線量予測プログラム210は、放射線源からの放射線量を予測するプログラムである。

0018

3次元CGプログラム200は、計算対象の情報100を入力する。図1に示すように、計算対象の情報100は、地形データ(地図データ)や標高データ、建物等の形状データ、除染前後の放射線源強度分布、表面放射線透過率などの情報を含む。

0019

ここで、地形データは、線量予測装置による評価対象の地域における地形(地図)を示す2次元データであり、標高データは、地形データの各地点標高を示すデータである。また、建物等の形状データは、線量予測装置による評価対象の地域に存在する建物等の形状を示す3次元データである。また、放射線源強度分布は、例えば、線量予測装置による評価対象の地域の各地点においてモニタリング等によって得られた計測値(高さ1cmの空間線量率[μSv/h])を示すデータである。線量予測装置による評価対象の地域が放射性物質汚染された地域の場合、作業者は、除染が行われる前の放射線源強度分布と、除染が行われた後の放射線源強度分布とを3次元CGプログラム200に入力する。また、表面放射線透過率は、線量予測装置による評価対象の地域における表面の放射線透過率を示すデータである。

0020

3次元CGプログラム200は、地形データ、標高データ、及び建物等の形状データに基づいて3次元形状モデルを作成する。例えば、3次元CGプログラム200は、地形データと標高データに基づいて評価対象の地域の地形についての3次元形状をポリゴンメッシュ再現し、建物等の形状データに基づいて評価対象の地域内に存在する建物等の3次元形状をポリゴンメッシュで再現することにより、評価対象の地域における3次元形状モデルを作成する。

0021

また、3次元CGプログラム200は、放射線源強度分布に基づいて3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定する。具体的には、3次元CGプログラム200は、3次元形状モデルの形状表面における各ポリゴンメッシュに、放射線源強度に対応するカラー情報(例えば256諧調のカラー情報)をテクスチャマッピングする。例えば、3次元形状モデルの形状表面において、相対的に放射線源強度が高い部分を赤色とし、相対的に放射線源強度が低い部分を青色とする。

0022

このように、3次元CGプログラム200により作成される3次元形状モデル、及び3次元CGプログラム200により3次元形状モデルの形状表面(各ポリゴンメッシュ)にカラー情報として設定される放射線源情報を解析情報110という。3次元CGプログラム200は、3次元形状モデルと放射線源情報(カラー情報)をCG共通フォーマットのデータ(汎用の3次元CGプログラムにおいて共通フォーマットのデータ)として生成することが可能である。3次元CGプログラム200は、CG共通フォーマットの解析情報110を線量予測プログラム210に出力する。

0023

線量予測プログラム210は、3次元CGプログラム200から出力される解析情報110(3次元形状モデル、放射線源情報)を入力する。また、線量予測プログラム210は、作業者による操作部(図2に示すキーボード2やマウス3)の操作に応じて、テキストデータである設定情報120を入力する。設定情報120は、図1に示すように、計算制御情報、モデルオプション、計算点座標放射線関連データなどを含む。

0024

ここで、計算制御情報は、放射線量を計算する場合の計算手法(近似計算法)における係数設定値などの情報、評価対象の地域における放射線量を計算する位置(以下、計算点又は評価点という。)の数を示す情報などを含む。モデルオプションは、放射線源モデル(本実施形態では、各セルの厚さ方向(深さ方向)に層状に点線源が堆積しているものとみなすモデル;図5に示す層状体積線源モデルを参照)における線源の分布状況などを示す情報である。計算点座標は、計算点の3次元座標を示す情報である。放射線関連データは、放射線源における放射線核種構成割合などの情報である。解析情報110及び設定情報120を入力ファイルという。

0025

線量予測プログラム210は、入力ファイルを読み込み、入力ファイルに含まれる解析情報110及び設定情報120に基づいて、計算点における放射線量(放射線強度)を計算する。そして、線量予測プログラム210は、評価対象の地域における除染前後の線量分布線量低減比などの情報を含む計算結果130を3次元CGプログラム200に出力する。計算結果130はCG共通フォーマットのデータとして生成される。また、線量予測プログラム210は、テキストデータである詳細計算結果140を表示装置図2参照)などに出力する。

0026

3次元CGプログラム200は、計算結果130に含まれる評価対象の地域における除染前後の線量分布や線量低減比などの情報に基づいて、3次元形状モデルにおける除染前の線量分布や除染後の線量分布、除染前後の線量低減比を表す画像を生成する。これにより、除染前後の線量分布や線量低減比を視覚的に認識することができる。

0027

図2は、第1実施形態に係る線量予測装置1の構成を示すブロック図である。図2に示す第1実施形態に係る線量予測装置1は、放射線源からの放射線量を予測(評価)する装置である。本実施形態では、線量予測装置1は、広範囲に分布する放射線源からの放射線量の分布を予測する。この線量予測装置1は、例えばコンピュータにより構成される。図2に示すように、線量予測装置1は、表示装置2、キーボード3、及びマウス4と接続されている。

0028

線量予測装置1は、図2に示すように、演算処理部10及び記憶部20を有している。演算処理部10は、放射線量の予測に関する制御全般を司る。記憶部20は、演算処理部10に各種処理を実行させるための制御プログラム(図1に示す3次元CGプログラム200、線量予測プログラム210、不図示のオペレーティングシステムなど)や、演算処理部10が各種処理を行うために必要な情報(図1に示す計算対象の情報100、解析情報110、設定情報120)、計算結果の情報(図1に示す計算結果130や詳細計算結果140)などを記憶する。

0029

演算処理部10は、図2に示すように、表示制御部11、データ入力部12、CG処理部13、情報設定部14(第1情報設定部、第2情報設定部)、細分化処理部15、及び線量計算処理部16を有している。なお、表示制御部11及びデータ入力部12は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置がオペレーティングシステムに基づいて実行する処理又は制御に相当し、CG処理部13は、演算装置が3次元CGプログラム200に基づいて実行する処理又は制御に相当し、情報設定部14、細分化処理部15及び線量計算処理部16は、演算装置が線量予測プログラム210に基づいて実行する処理又は制御に相当する。

0030

表示制御部11は、液晶表示ディスプレイのような表示装置2における情報の表示に関する制御を司る。例えば、表示制御部11は、表示装置2の表示画面に、CG処理部13により生成される3次元形状モデルの画像を表示する制御や、各種情報を入力するための情報入力領域の画像を表示する制御などを行う。データ入力部12は、キーボード3及びマウス4と接続される。このデータ入力部12は、作業者によるキーボード3やマウス4の操作に応じて情報(計算対象の情報100、設定情報120など)を入力する。

0031

CG処理部13は、CG処理(コンピュータ・グラフィックス処理)を行う処理部である。このCG処理部13は、地形データや標高データ、建物等の形状に基づいて3次元形状モデル(3次元の形状情報)を作成する処理(モデリング処理)、3次元形状モデルの各ポリゴンメッシュに放射線源情報を設定する処理を行う。また、CG処理部13は、3次元の形状情報の画像を生成する処理(レンダリング処理)などを行う。また、CG処理部13は、線量計算処理部16で計算された計算結果130(除染前後の線量分布、線量低減比など)に基づいて、除染効果を視覚的に表した3次元形状モデルの画像を表示装置2に表示する。

0032

情報設定部14は、CG処理部13で作成されたCG共通フォーマットの3次元形状モデルを別のフォーマット(線量予測プログラム210による計算処理用のデータフォーマット)に再設定する。そして、情報設定部14は、CG処理部13で作成された3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより、3次元形状モデルの形状表面に複数の単位領域のメッシュを設定する。複数の単位領域のメッシュは、CG処理部13で作成された3次元形状モデルにおけるポリゴンメッシュと同一の大きさの領域でも異なる大きさの領域でもよい。また、情報設定部14は、3次元形状モデルの形状表面に設定された放射線源情報(カラー情報)に基づいて、各々のメッシュ単位の放射線源の強度を計算する。

0033

図3は、3次元形状モデル300に複数の単位領域のメッシュが設定された状態を示す図である。図3に示す3次元形状モデル300では、建物などの物体310,320が設けられている。また、3次元形状モデル300は、直交する等間隔の複数の線により複数の方形状の単位領域のメッシュMに分割されている。3次元形状モデル300において、領域300aは低放射線源の領域であり、領域300bは高放射線源の領域である。高放射線源の領域300bの各メッシュMに設定される放射線源の強度は、低放射線源の領域300aの各メッシュMに設定される放射線源の強度よりも高いことを表している。なお、図3においては、地表から所定距離の高さ(地表面から所定距離だけ離れた位置)に計算点400が設定されている。計算点400の高さは任意であるが、例えば1mの高さを基本とする。

0034

図2の説明に戻り、情報設定部14は、3次元形状モデルの形状表面に設定した各メッシュを4つのセルに分割する。そして、情報設定部14は、各セルに点線源を設定する。

0035

図4は、図3に示すメッシュM内のセルSel1〜Sel4を示す図である。各々のメッシュMは4つの頂点p1〜p4の位置情報により特定される。4つの頂点p1〜p4で構成される平面上のメッシュMで3次元形状モデルの局面形状を構成することができない。従って、メッシュMの中心に頂点p5を追加することで、メッシュMを4つのセルSel1〜Sel4に分割する。また、情報設定部14は、各々のメッシュ全体の放射線源の強度に基づいて、分割した各セルSel1〜Sel4の中心(又は重心)に仮想的に点線源r1〜r4があるものと仮定して各点線源r1〜r4の線量を計算する。そして、情報設定部14は、各セルSel1〜Sel4の中心(又は重心)に点線源r1〜r4をそれぞれ設定する。

0036

また、図2の説明に戻り、情報設定部14は、設定情報120のモデルオプションに基づいて、各セルに対して、各セルの厚さ方向(深さ方向)に層状(レイヤ状)に点線源が堆積しているものとする層状体積線源モデルを設定する。これにより、1つのレイヤ(層)における放射線源が1つの点線源で近似される。

0037

図5は、層状体積線源モデルの構成を示す図である。図5においては、階層化されたセルSeliの構成及び放射線源ri1〜rij〜rimの深さ方向の強度分布を示している。モデルオプションには、各セルSeliの表面に対する法線方向(法線ベクトルの方向)にどれくらいの距離までの深さ(厚さ)にするか、また、その深さを何層に分割するか、を示す情報が設定されている。図5に示す例では、セルSeliは、所定の深さまで深さ方向にm個の層(第1層〜第j層〜第m層)が設定され、m個の層に各1個の点線源(点線源ri1〜点線源rij〜点線源rim)が設定されている。情報設定部14は、モデルオプションに基づいて、各々のセルに対して、所定個の層を設定するとともに、各層に所定個の点線源を設定する。なお、3次元形状モデルの表面が土の場合は、情報設定部14はセルの深さ(厚さ)として例えば4cm〜5cm程度の深さを設定する。

0038

また、モデルオプションには、各層の点線源ri1〜rij〜rimの深さ方向の強度分布の情報が設定されている。図5に示す例では、点線源ri1〜rij〜rimの強度分布W1は、深さによって強度が変わらない一様分布である。点線源ri1〜rij〜rimの強度分布W2は、深くなる程に強度が直線的に減少する直線減少(ランプ状)分布である。情報設定部14は、各層の点線源ri1〜rij〜rimの強度分布もセルSeliに対応つけて設定する。以上のように、3次元形状モデルを構成する各セルに対して、深さ方向に層状の点線源が設定された情報を解析情報メッシュという。

0039

図2の説明に戻り、情報設定部14は、設定情報120の計算点座標で表される位置に計算点を設定する。細分化処理部15は、計算点から距離が近いセルを分割することによりメッシュを細分化する処理を行う。

0040

図6は、セルの分割を説明するための図である。図6に示す三角形のセルSelは、長さL1の辺と、長さL2の辺と、長さL3の辺とで構成されている。また、セルSelの中心位置(の各層)に点線源rが設定されている。細分化処理部15は、セルSelの頂点の位置に基づいてセルSelの面積を計算する。そして、細分化処理部15は、セルSelの面積と等しい等価円Cを想定し、その等価円Cの中心をセルSelの中心と一致させる。図6に示すように、等価円Cの半径はRである。細分化処理部15は、計算点400と等価円Cの中心点とを結ぶ線と、計算点400と等価円Cの円周上の所定位置とを結ぶ線とでなす角度αを求める。細分化処理部15は、角度αが予め決められた一定の角度以上である場合、セルSelを分割する。なお、予め決められた一定の角度は設定情報120の計算制御情報に設定される。

0041

細分化処理部15は、セルSelを構成する3つの辺のうち、最も長い辺(図6に示す例では長さL1の辺)を特定する。そして、細分化処理部15は、特定した辺の所定位置(例えば辺の中心位置)の点Pdと、特定した辺に対抗するセルSelの頂点とを結ぶ線でセルSelを分割する。この場合、図6に示すように、セルSelはセルSel−1とセルSel—2に分割される。このような処理を繰り返し実行する。以上の処理を行うことで、計算点400に近いセルSelが細かく分割される。細分化処理部15がセルを分割した場合、情報設定部14は、細分化処理部15で分割された各セルの面積などに応じて、各セルにおける各層の点線源の強度を計算する。そして、情報設定部14は、分割された各セルにおける各層に点線源を設定する。

0042

線量計算処理部16は、3次元形状モデルを構成する各セルに層状に設定された点線源からの計算点400における放射線量(放射線強度)を近似計算法の一種である点減衰核計算法に基づいて計算する。なお、点減衰核計算法については後述する。

0043

次に、線量予測装置1による放射線量(放射線強度)の予測の動作について説明する。

0044

図7は、入力ファイルの生成処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理において、データ入力部12は、作業者によるキーボード3やマウス4の操作に応じて計算対象の情報100を入力する(ステップS1)。CG処理部13は、入力した計算対象の情報100のうちの地形データや標高データなどから3次元形状モデルを作成する(ステップS2)。また、CG処理部13は、入力した計算対象の情報100のうちの放射線源強度分布に基づいて、3次元形状モデルを構成する各ポリゴンメッシュに放射線源情報をカラー情報で設定する(ステップS3)。そして、CG処理部13は、放射線源情報が設定された3次元形状モデルを解析情報110として記憶部20に記憶する(ステップS4)。

0045

なお、データ入力部12は、作業者によるキーボード3やマウス4の操作に応じて、計算制御情報、モデルオプション、計算点座標、放射線関連データなどを含む解析情報110を入力し、入力した解析情報110を記憶部20に記憶する。

0046

図8は、空間線量の計算処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理において、情報設定部14は、記憶部20に記憶されている解析情報110及び設定情報120から構成される入力ファイルを読み込む(ステップS11)。そして、情報設定部14は、読み込んだ入力ファイルの解析情報110及び設定情報120に基づいて解析情報メッシュを設定する(ステップS12)。

0047

すなわち、上述したように、情報設定部14は、CG処理部13で作成された3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより、3次元形状モデルの形状表面に複数の単位領域のメッシュを設定する。また、情報設定部14は、3次元形状モデルの形状表面に設定された放射線源情報(カラー情報)に基づいて、各々のメッシュ単位の放射線源の強度を計算する。また、情報設定部14は、3次元形状モデルの形状表面に設定した各メッシュを4つのセルに分割する。そして、情報設定部14は、各セルに点線源を設定する。また、情報設定部14は、設定情報120のモデルオプションに基づいて、各セルに対して、各セルの深さ方向に層状に点線源が堆積しているものとする層状体積線源モデルを設定する。

0048

次に、情報設定部14は、空間線量の計算点を設定する(ステップS13)。そして、細分化処理部15は、ステップS13で設定した計算点から距離が近いセルを分割することにより解析情報メッシュを細分化する細分化処理(詳細化処理)を実行する(ステップS14)。細分化処理部15がセルを分割した場合、情報設定部14は、細分化処理部15で分割された各セルの面積などに応じて、各セルにおける各層の点線源の強度を計算し、計算した強度の点線源を各層に設定する。

0049

図9は、図3に示す3次元形状モデルのメッシュを細分化した状態を示す図である。図9に示すように、計算点400に近い領域300Pのメッシュが最も細かく細分化されている。領域300Pの次に計算点400に近い領域300Qのメッシュは、領域300Pのメッシュよりも粗い。領域300Qの次に計算点400に近い領域300Rのメッシュは、領域300Qのメッシュよりも粗い。領域300Rの次に計算点400に近い領域300Sのメッシュは、領域300Rのメッシュよりも粗い。

0050

このように、計算点400に近いメッシュを細分化(つまりメッシュ内のセルの分割)を行うことにより、計算点400における放射線量の計算において誤差を極力小さくすることができる。すなわち、計算点400に近いメッシュ(セル)における放射線源が放射線量の計算に与える影響が大きく、計算点400に近いメッシュ(セル)が粗いと、各層の点線源から計算点までの距離などが変わってしまい、放射線量の計算における誤差が大きくなる。しかし、計算点400に近いメッシュを細分化を行うことで、そのような誤差を小さくすることができる。

0051

次に、線量計算処理部16は、3次元形状モデルを構成する各セルに層状に設定された点線源からの計算点400における放射線量を点減衰核計算法に基づいて計算する(ステップS15)。具体的には、図5に示す層状体積線源モデルにおいて、線量計算処理部16は、点減衰核計算法に基づき、セルごとに下記の式(1)を用いて、計算点400における放射線量(放射線強度)を計算する。

0052

0053

ここで、Iiはセルiによる放射線量(光子フラックス[photons/m2s]もしくは相対値)を示す。Refrdensは変換係数(任意)を示す。Siはセルiの放射能強度(0.0〜1.0の任意数値:3次元形状モデルのカラー設定)を示す。Asiはセルiの面積[m2]を示す。Fnは放射線核種から放出される光子エネルギーnの構成割合を示す。BAi,nはセルiの放射線核種から放出される光子エネルギーnの主媒体ビルドアップ係数を示す。例えば空気が主媒体となる。BSi,n,jはセルiの第j層の放射線核種から放出される光子エネルギーnの体積線源のビルドアップ係数を示す。Sorilyi,jはセルiの第j層における放射能体積密度(相対値もしくは[Bq/m3])を示す。Thlayerは1層分の厚さ[m]を示す。

0054

μanは放射線核種から放出される光子エネルギーnの主媒体中の線減衰係数を示す。μνnは体積線源中の線減衰係数を示す。DISiはセルiの中心と計算点との距離を示す。plenlyi,jはセルiの第j層からの放射線が体積線源中を横切る距離(線減衰距離)を示す。pdislyi,jはセルiの第j層と計算点との距離を示す。なお、添え字iはセルを表すインデックスであり、nは放射線核種から放出される光子エネルギーを表すインデックスであり、jは層(レイヤ)を表すインデックスである。

0055

なお、放射線核種からは、一般に複数のエネルギーの異なる光子ガンマ線等)が放出される。これらの光子の減衰は、エネルギーにより異なるので、減衰係数μanは、核種から放出されるエネルギーの異なる光子線(ガンマ線等)毎に定義している。

0056

線量計算処理部16は、3次元形状モデルを構成するすべてのセルSeliによる放射線量を足し合わせることで、計算点400における放射線量の総和を求める。また、放射線関連データで放射線各種の構成割合が指定されている場合(例えば、セシウム137が何パーセントセシウム134が何パーセント、その他の核種が何パーセントなどのように指定されている場合)、線量計算処理部16は、各々の放射線各種についての計算点400における放射線量の総和を求め、それらの値を足し合わせる。

0057

次に、線量計算処理部16は、設定情報120の計算点座標で指定されたすべての計算点における放射線量を計算したか否かを判定する(ステップS16)。線量計算処理部16がすべての計算点における放射線量を計算していないと判定した場合は(ステップS16のNO)、情報設定部14はメッシュの初期化を実行する(ステップS17)。すなわち、情報設定部14はメッシュを細分化していない状態(図3に示す状態)に戻す。そして、ステップS13〜S17の処理を繰り返し実行する。線量計算処理部16は、すべての計算点における放射線量を計算したと判定した場合は(ステップS16のYES)、計算結果(計算結果130、詳細計算結果140)を出力する(ステップS18)。

0058

その後、CG処理部13は、計算結果130に含まれる評価対象の地域における除染前後の線量分布や線量低減比などの情報に基づいて、3次元形状モデルにおける除染前の線量分布や除染後の線量分布、除染前後の線量低減比を表す画像を生成する。表示制御部11は、CG処理部13で生成された画像を表示装置2に出力して表示させる。これにより、作業者は除染前後の線量分布の変化などを視覚的に認識することができる。また、表示制御部11は、線量計算処理部16から出力される詳細計算結果140を表示装置2に出力して表示させる。これにより、作業者は詳細な計算結果をテキストデータで確認することができる。

0059

以上に説明したように、第1実施形態では、3次元形状モデルの形状表面に放射線源の強度を示す放射線源情報を設定するCG処理部13と、3次元形状モデルの形状表面をメッシュ状に区切ることにより複数のメッシュを設定するとともに各メッシュに複数のセルを設定し、各セルに放射線源情報に応じた放射線強度の放射線源を設定する第1情報設定部14と、所定位置に計算点を設定する第2情報設定部14と、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を計算する線量計算処理部16と、を備える。このような構成によれば、評価対象の3次元形状モデルを可能な限り忠実に模擬することができ、かつ、放射線源が広範囲に分布する場合でも膨大な時間を要せずに計算結果(予測結果)を求めることができる。

0060

また、第1実施形態では、計算点から距離が近いセルを分割することによりメッシュを細分化する細分化処理部15を備えるので、計算点における放射線量の計算において誤差を小さくすることができる。また、第1実施形態では、細分化処理部15は、セルの面積と等しい等価円の中心と計算点とを結ぶ線と、等価円の円周上の所定位置と計算点とを結ぶ線とでなす角度が一定角度以上である場合に、セルを分割する。このような構成によれば、メッシュを細分化するか(セルを分割するか)否かの判定の精度を高めることができ、より一層、放射線量の計算における誤差を小さくすることができる。

0061

また、第1実施形態では、第1情報設定部14は、各セルに対して、各セルの深さ方向に層状に点線源を設定する。このような構成によれば、地表の表面だけでなく土の中に放射線源が存在するような、汚染された環境下における実際の放射線源のモデルを高い精度で模擬することができる。その結果、放射線量の計算結果(予測結果)の精度を向上させることができる。

0062

また、第1実施形態では、第1情報設定部14は、各セルに対して、各層の点線源の深さ方向の強度分布を設定するので、汚染された環境下における実際の放射線源のモデルをより一層高い精度で模擬することができ、放射線量の計算結果(予測結果)の精度もより一層向上させることができる。

0063

また、第1実施形態では、CG処理部13は、地形データ、標高データ、及び建物等の形状データに基づいて3次元形状モデルを作成するので、自然地形や構造物などの任意形状の3次元形状モデルを作成することができる。また、第1実施形態では、CG処理部13は、3次元形状モデルの形状表面にカラー情報で放射線源情報を設定するので、CG共通フォーマットのデータとして3次元形状モデルを作成することができ、作業者による使い勝手が向上する。また、第1実施形態では、CG処理部13は、除染前後の放射線源強度分布に基づき、3次元形状モデルの形状表面に放射線源情報を設定し、線量計算処理部で計算された除染前後の放射線量分布の画像を生成する。このような構成によれば、作業者が視覚的に除染効果を確認することができる。

0064

また、第1実施形態では、線量計算処理部16は、各セルに設定された放射線源からの計算点における放射線量を点減衰核計算法に基づき計算するので、高い精度の計算結果(予測結果、評価結果)を得ることができる。

0065

<第2実施形態>
上記した第1実施形態では、計算点と各セルとの間に存在する物体による放射線の減衰について考慮していなかった。これに対し、第2実施形態では、計算点と各セルとの間に存在する物体による放射線の減衰を考慮して放射線量を計算する。

0066

図10は、第2実施形態に係る線量予測装置1Aの一例を示すブロック図である。図10に示す線量予測装置1Aの演算処理部10Aは、図2に示した線量予測装置1の演算処理部10と異なり、見通し判定部17及び遮蔽計算処理部18を有している。見通し判定部17は、計算点と各セルとの間に物体が存在するか否かを判定する処理部である。遮蔽計算処理部18は、見通し判定部17で計算点と各セルとの間に物体が存在すると判定された場合、物体による各セルの放射線源からの放射線の減衰を計算する処理部である。線量計算処理部16は、遮蔽計算処理部18で計算された放射線の減衰を加味した上で計算点における放射線量を計算する。

0067

図11は、見通し判定処理を説明するための3次元形状モデルを示す図である。図11に示す3次元形状モデル500の形状表面には、放射線透過率(放射線透過係数、遮蔽係数)がCG処理部13によって設定されているものとする。すなわち、計算対象の情報100の中に放射線透過率の分布情報を含める。CG処理部13は、放射線透過率の分布情報に基づいて、3次元形状モデル500の形状表面を構成するポリゴンメッシュごとに放射線透過率を設定する。例えば、CG処理部13は、放射線源情報が設定される3次元形状モデルとは異なる3次元形状モデルに放射線透過率を設定する。この場合、2つの3次元形状モデルが作成されることとなる。

0068

図11に示すように、3次元形状モデル500は、建物(構造物)510が設置されている。また、3次元形状モデル500において、計算点400は建物510の付近に設定されている。計算点400から建物510を見た場合に、領域500aは建物510の陰に隠れてしまう。領域500aのメッシュ(メッシュ内のセル)と計算点400との間に物体(建物510)が存在することになる。

0069

見通し判定部17は、例えば図8のステップS15の処理内において、計算点400の位置(3次元座標)と各メッシュ(又は各メッシュ内のセル)の位置(例えば中心位置の3次元座標)との間に建物510が存在するか否か判定する。そして、線量計算処理部16は、各セルの放射線源からの放射線量を計算する。次に、見通し判定部17が計算点400の位置と各メッシュの位置との間に建物510が存在すると判定した場合は、遮蔽計算処理部18は、建物510による各メッシュ内のセルの放射線源からの放射線の減衰を計算する。

0070

具体的には、遮蔽計算処理部18は、CG処理部13により3次元形状モデル500の形状表面に設定された放射線透過率に基づいて、建物510の放射線透過率を認識する。また、遮蔽計算処理部18は、セルの放射線源からの放射線が建物510を通過する距離を計算する。そして、遮蔽計算処理部18は、建物510の放射線透過率と放射線が建物510を通過する距離に基づいて、建物510によって放射線がどれくらい減衰するか(放射線がどれくらい透過するか)を計算する。遮蔽計算処理部18は、計算結果に基づいて、計算点400における放射線量を補正する。

0071

以上に説明したように、第2実施形態では、計算点400と各セルとの間に物体510が存在するか否かを判定する見通し判定部17と、見通し判定部17で計算点400と各セルとの間に物体510が存在すると判定された場合、物体510による各セルの放射線源からの放射線の減衰を計算する遮蔽計算処理部18とを備え、線量計算処理部16は、遮蔽計算処理部18で計算された放射線の減衰を加味して計算点における放射線量を計算する。このような構成によれば、より高精度な計算結果(予測結果)を得ることができる。

0072

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更又は改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態を適宜組み合わせて適用することも可能である。

0073

例えば、放射線源モデルにおける各層の点線源の強度分布は、図5に示したような一様分布や直線減少(ランプ状)分布に限定されない。図12は、放射線源の強度分布の変形例を示す図である。図12(1)は、放射線源モデルにおける各層の点線源の強度分布が直線上に変化する分布であり、図12(2)は、放射線源モデルにおける各層の点線源の強度分布が指数関数上に減衰する分布である。情報設定部14が図12に示すような放射線源の強度分布を設定した上で、線量計算処理部16が計算点における放射線強度を計算してもよい。

0074

また、情報設定部14は、放射線源モデルにおける所定の層にだけ放射線源を設定し、その放射線源の強度分布を設定してもよい。また、近似計算法として上記の式(1)に示したものに限らず、例えば上記の式(1)を簡略化した式を用いてもよい。また、近似計算法として点減衰核計算法を用いる場合に限らず、他の計算法を用いてもよい。この場合、計算制御情報でどのような計算手法を用いるかを示す情報を指定してもよい。

0075

また、セルの分割の方法も図6に示した方法に限定されず、他の方法であってもよい。例えば、計算点400とセルの中心(重心)との距離が一定距離以内である場合に当該セルを分割する方法でもよい。

0076

また、図1に示すように、3次元CGプログラム200と線量予測プログラム210とを異なるプログラムで構成していたが、1つの制御プログラムで3次元CGプログラム200の処理と線量予測プログラム210の処理を行う構成でもよい。

0077

また、上記した各実施形態では、線量予測装置1は1台のコンピュータで実現されることを想定していた。しかし、線量予測装置1は複数台のコンピュータで構成してもよい。例えば、3次元CGプログラム200を備えた第1コンピュータが3次元形状モデルの作成や、3次元形状モデルへの放射線源情報の設定などを行う。第1コンピュータが3次元CGプログラム200を用いて作成した放射線源情報などが設定された3次元形状モデルと設定情報をネットワークを介して第2コンピュータ(例えばサーバ)に送信する。第2コンピュータは、線量予測プログラム210を備え、線量予測プログラム210を用いて放射線量の計算を行う。そして、第2コンピュータは、計算結果をネットワークを介して第1コンピュータに送信する。

0078

1 線量予測装置
2表示装置
10演算処理部
11表示制御部
12データ入力部
13CG処理部
14情報設定部(第1情報設定部、第2情報設定部)
15細分化処理部
16線量計算処理部
17見通し判定部
18遮蔽計算処理部
100計算対象の情報
110解析情報
120設定情報
130計算結果
140 詳細計算結果
200 3次元CGプログラム
210 線量予測プログラム
300,500 3次元形状モデル
400計算点
Mメッシュ
Sel セル

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