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技術 転炉の炉体

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 田和聡典高橋幸雄内田祐一寺畠知道田中秀栄
出願日 2016年4月19日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-083893
公開日 2016年12月28日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-223007
状態 特許登録済
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 噴流領域 半円領域 中央領 水滴飛散 飛散状況 円環状領域 混合度 操業停止
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
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図面 (11)

課題

混合特性を向上させ、地金ダスト飛散を低減し、設備コストを低減することができる転炉炉体を提供すること。

解決手段

溶銑浴面における酸素ガス噴流領域に対応した、炉体の底部111の中央領域d1内に、底部111の中心を対称の中心として点対称且つ底部111の中心を通る対称線L1に対して線対称に設けられる複数の第1の羽口131a〜131dと、底部111の中央領域d1よりも外側に、底部111の中心に対して点対称に設けられる複数の第2の羽口132a,132bとを有し、複数の第2の羽口132a,132bは、点対称な第2の羽口132a,132b同士を結んだ直線L2が、複数の第1の羽口131a〜131bの対称線に対して5度以上30度以下の角度で傾いて配され、複数の第1の羽口131a〜131bの数は、複数の第2の羽口132a,132bの数の1.0倍以上である。

概要

背景

溶銑酸化精錬処理する処理装置として、上吹きランスと底吹き羽口とを有する上底吹き転炉が知られている。上底吹き転炉では、炉体に収容された溶銑に上吹きランスから酸素ガスを吹き込むことで、溶銑を攪拌および酸化精錬する。このとき、溶銑は、酸化精錬されることにより、含有する珪素や燐、炭素等の成分が酸化除去される。また、上底吹き転炉では、炉体の底部に設けられた底吹き羽口から不活性ガス等が吹き込まれることにより、溶銑の攪拌力が強まり、精錬反応が促進される。

このような上底吹き転炉では、スラグメタル間での精錬反応を促進させるため、上記の溶銑の攪拌に加え、溶銑の浴面に生じるスラグを効率よく攪拌する必要がある。溶銑およびスラグの攪拌効率を共に高め、混合特性を向上させる方法としては、炉体の底部の円環状領域に羽口を配置する方法や、炉体の底部の円環状領域およびその径方向外方にそれぞれ羽口を配置する方法が知られている(例えば、特許文献1,2,5)。

さらに、上吹き転炉では、混合特性の向上に加え、スピッティング等による地金ダスト飛散を抑制する必要がある。混合特性の向上および地金の飛散を抑制する方法としては、底吹き羽口に加え、炉体の側壁に横吹き羽口を設ける方法が知られている(例えば、特許文献3,4)。

概要

混合特性を向上させ、地金やダストの飛散を低減し、設備コストを低減することができる転炉の炉体を提供すること。溶銑の浴面における酸素ガスの噴流領域に対応した、炉体の底部111の中央領域d1内に、底部111の中心を対称の中心として点対称且つ底部111の中心を通る対称線L1に対して線対称に設けられる複数の第1の羽口131a〜131dと、底部111の中央領域d1よりも外側に、底部111の中心に対して点対称に設けられる複数の第2の羽口132a,132bとを有し、複数の第2の羽口132a,132bは、点対称な第2の羽口132a,132b同士を結んだ直線L2が、複数の第1の羽口131a〜131bの対称線に対して5度以上30度以下の角度で傾いて配され、複数の第1の羽口131a〜131bの数は、複数の第2の羽口132a,132bの数の1.0倍以上である。

目的

本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、混合特性を向上させ、地金やダストの飛散を低減し、設備コストを低減することができる転炉の炉体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上吹きランスから吹きこまれる酸素ガスによって溶銑精錬処理する転炉炉体であって、前記溶銑の浴面における前記酸素ガスの噴流領域に対応した、前記炉体の底部の中央領域内に、前記底部の中心を対称の中心として点対称且つ前記底部の中心を通る対称線に対して線対称に設けられる複数の第1の羽口と、前記底部の前記中央領域よりも外側に、前記底部の中心に対して点対称に設けられる複数の第2の羽口とを有し、前記複数の第2の羽口は、点対称な第2の羽口同士を結んだ直線が、前記複数の第1の羽口の対称線に対して5度以上30度以下の角度で傾いて配され、前記複数の第1の羽口の数は、前記複数の第2の羽口の数の1.0倍以上であることを特徴とする転炉の炉体。

技術分野

0001

本開示は、転炉炉体に関する。

背景技術

0002

溶銑酸化精錬処理する処理装置として、上吹きランスと底吹き羽口とを有する上底吹き転炉が知られている。上底吹き転炉では、炉体に収容された溶銑に上吹きランスから酸素ガスを吹き込むことで、溶銑を攪拌および酸化精錬する。このとき、溶銑は、酸化精錬されることにより、含有する珪素や燐、炭素等の成分が酸化除去される。また、上底吹き転炉では、炉体の底部に設けられた底吹き羽口から不活性ガス等が吹き込まれることにより、溶銑の攪拌力が強まり、精錬反応が促進される。

0003

このような上底吹き転炉では、スラグメタル間での精錬反応を促進させるため、上記の溶銑の攪拌に加え、溶銑の浴面に生じるスラグを効率よく攪拌する必要がある。溶銑およびスラグの攪拌効率を共に高め、混合特性を向上させる方法としては、炉体の底部の円環状領域に羽口を配置する方法や、炉体の底部の円環状領域およびその径方向外方にそれぞれ羽口を配置する方法が知られている(例えば、特許文献1,2,5)。

0004

さらに、上吹き転炉では、混合特性の向上に加え、スピッティング等による地金ダスト飛散を抑制する必要がある。混合特性の向上および地金の飛散を抑制する方法としては、底吹き羽口に加え、炉体の側壁に横吹き羽口を設ける方法が知られている(例えば、特許文献3,4)。

先行技術

0005

特開昭57−51212号公報
特開昭57−39114号公報
特開平9−31517号公報
特開平9−176719号公報
特開2014−58708号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1,2に記載の方法では、スピッティングによる地金やダストの飛散が問題となる。地金やダストの飛散は、上吹きランスから吹きこまれる酸素ガスと、羽口から吹き込まれるガスとの干渉によって生じ、精錬処理における歩留りの低下を招き、飛散した地金やダストがランスへ付着するため操業停止要因となる。特に、転炉での生産能力向上を目的として、上吹きランスからの送酸速度を増加させる場合、地金やダストの飛散量が増加するため、これらの問題が顕著となる。

0007

また、特許文献3,4に記載の方法では、一般的な上底吹き転炉に適用する場合、横吹き羽口とその付帯設備を新たに設ける必要があるため、設備改造に伴う設備コストの増大が問題となる。
さらに、特許文献5に記載の方法では、特許文献3,4に記載の回転運動打ち消されるため、後述する旋回流が発生しなくなる。このため、攪拌力が低下し、スラグが滞留することで、混合特性が低下することが問題となる。

0008

そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、混合特性を向上させ、地金やダストの飛散を低減し、設備コストを低減することができる転炉の炉体を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様によれば、上吹きランスから吹きこまれる酸素ガスによって溶銑を精錬処理する転炉の炉体であって、溶銑の浴面位置における酸素ガスの噴流領域に対応した、炉体の底部の中央領域内に、底部の中心に対して点対称且つ線対称に設けられた複数の第1の羽口と、底部の噴流領域よりも外側に、底部の中心に対して点対称に設けられた複数の第2の羽口とを有し、複数の第1の羽口の数は、複数の第2の羽口の数の1.0倍超であり、複数の第1の羽口は、線対称の対称線が、点対称な第2の羽口同士を結んだ直線に対して、5度以上30度以下の角度で傾いて配されることを特徴とする転炉の炉体が提供される。

発明の効果

0010

本発明の一態様によれば、混合特性を向上させ、地金やダストの飛散を低減し、設備コストを低減することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態の転炉を示す模式図である。
平面視における羽口の配列を示す模式図である。
浴面の溶銑の流れを示す模式図である。
平面視における羽口の配列の変形例を示す模式図である。
平面視における羽口の配列の変形例を示す模式図である。
平面視における羽口の配列の変形例を示す模式図である。
比較例1の平面視における羽口の配列を示す模式図である。
比較例2の平面視における羽口の配列を示す模式図である。
実施例における水滴飛散量の測定結果を示すグラフである。
実施例における混合度の測定結果を示すグラフである。

0012

以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
<転炉の設備構成
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る転炉1の炉体11について説明する。図1に示すように、転炉1は、炉体11と、上吹きランス12とを有する。転炉1は、炉体11に収容された溶銑2に上吹きランス12から酸素ガスgを吹き込むことで、溶銑2を酸化精錬する。酸化精錬により、溶銑2に含有される珪素や燐、炭素が除去される。

0013

炉体11は、上端が開口した洋梨状容器であり、底部111と壁部112とからなり、内部の全面に耐火物が設けられる。また、炉体11は、底部111に複数の羽口13を有する。上吹きランス12は、炉体11の上下方向に延在するランスであり、下端に設けられたノズル孔から酸素ガスgを噴射する。複数の羽口13は、図2に示すように、4個の第1の羽口131a〜131dと、2個の第2の羽口132a〜132bとからなり、炉体11の底部111に設けられる。複数の羽口13は、ガス供給管14に接続され、ガス供給管14から供給されるArガスやN2ガス等の不活性ガスを炉体11の内部に吹き込む。

0014

4個の第1の羽口131a〜131dは、図2に示すように、底部111の略円形状の中央領域d1の内側に、中央領域d1の外周に沿って設けられる。中央領域d1は、炉体11に収容された溶銑2の浴面20における、上吹きランス12から吹き込まれた酸素ガスgが直接当たる噴流領域d2に対応する領域であり、炉体11の上下方向に対して噴流領域d2に重畳する底部111の領域である。また、4個の第1の羽口131a〜131dは、底部111の中心を対称の中心として点対称且つ底部111の中心を通る対称線L1に対して線対称に設けられる。つまり、第1の羽口131a,131c、および第1の羽口131b,131dがそれぞれ点対称となるように設けられ、第1の羽口131a,131dと第1の羽口131b,131cとが対称線L1に対してそれぞれ線対称となるように設けられる。

0015

2個の第2の羽口132a,132bは、底部111の中央領域d1よりも外側に、底部111の中心に対して点対称に設けられる。また、2個の第2の羽口132a,132bは、2個の第2の羽口132a,132b同士を結んだ直線L2が、4個の第1の羽口131a〜131dの対称線L1に対して、時計回りに角度α(度)傾いて配される。角度αは、5度以上30度以下である。なお、角度αが5度未満あるいは30度超となる場合、後述する旋回流が十分に形成されなくなるため、攪拌力が低下してしまう。

0016

上記構成の転炉1では、図3に示すように、浴面20において、4個の第1の羽口131a〜131dから吹き込まれる不活性ガスによって、底部111の中心から径方向外方へ対称線L1に沿った溶銑2の流れが生じる。そして、2個の第2の羽口132a,132bによって、中心からの流れが壁部112に沿うように曲がることで、反時計回りの方向に旋回する旋回流が形成される。この旋回流によって、溶銑2およびスラグ3が強い攪拌力で攪拌されるため、混合特性を向上させることができる。さらに、旋回流によって、スラグ3を滞留させることなく攪拌させることができる。

0017

<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである
例えば、上記実施形態では、4個の第1の羽口131a〜131dを中央領域d1の外周上に設けるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。4個の第1の羽口131a〜131dは、中央領域d1内に、底部111の中心を対称の中心として点対称、且つ底部111の中心を通る対称線L1に対して線対称に設けられれば、図2に示す以外の位置に設けられてもよい。例えば、図4に示す一例のように、4個の第1の羽口131a〜131dは、図2に示した例よりも中央領域d1の径方向内方側に設けられてもよい。

0018

また、上記実施形態では、羽口13として、第1の羽口が4個、第2の羽口を2個設ける構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。第1の羽口は、中央領域d1内に、底部111の中心を対称の中心として点対称、且つ底部111の中心を通る対称線L1に対して線対称となるように複数個設けられればよく、設けられる数が上記の数に限定されない。また、第2の羽口は、中央領域d1よりも外側に、底部111の中心を対称の中心として点対称に設けられ、点対称な第2の羽口同士を結んだ直線L2が、第1の羽口の対称線L1に対して5度以上30度以下の角度で傾いていればよく、設けられる数が上記の数に限定されない。第1および第2の羽口を上記の構成とすることにより、溶銑2は、底部111の中心から第1の羽口の対称線に沿って径方向外方へ流れ、その後、第2の羽口によって壁部112に沿って旋回して流れる。このため、溶銑2に旋回流を生じさせることができる。なお、第1の羽口の数は、第2の羽口の数の1.0倍以上とする。これにより、酸素ガスgの噴流領域d2に内に半数以上の羽口13が設けられるため、地金やダストの飛散を低減させることができる。

0019

例えば、図2に示した構成の変形例として、図5に一例を示す。図5では、炉体11には、羽口13として、4個の第1の羽口131a〜131dと、4個の第2の羽口132a〜132dとを有する。4個の第1の羽口131a〜131dは、底部111の中心を通る2つの対称線L1,L3に対してそれぞれ線対称、且つ底部111の中心を対称の中心として点対称に設けられる。4個の第2の羽口132a〜132dは、底部111の中心を対称の中心として点対称に設けられる。また、4個の第2の羽口132a〜132dは、点対称な第2の羽口132b,132dを結んだ直線L2および点対称な第2の羽口132a,132cを結んだ直線L4が、対称線L1,L3に対して時計回りにそれぞれ角度α(度)傾いて設けられる。このような構成の転炉1では、溶銑2が、底部111の中心から4個の第1の羽口131a〜131dの対称線L1,L3に沿って径方向外方へ流れ、その後、4個の第2の羽口132a〜132dによって壁部112に沿って旋回して流れる。このため、溶銑2に旋回流を生じさせることができる。

0020

また、例えば、図2に示した構成の変形例として、図6に一例を示す。図6では、炉体11には、羽口13として、6個の第1の羽口131a〜131fと、2個の第2の羽口132a,132bとを有する。6個の第1の羽口131a〜131fは、対称線L1に平行に並んで設けられる。2個の第2の羽口132a,132bは、上記実施形態と同様であり、第2の羽口132a,132bを結んだ直線L2が対称線L1に対して時計回りに角度α(度)傾いて設けられる。このような構成の転炉1では、溶銑2が、底部111の中心から6個の第1の羽口131a〜131fの対称線L1に沿って径方向外方へ流れ、その後、2個の第2の羽口132a,132bによって壁部112に沿って旋回して流れる。このため、溶銑2に旋回流を生じさせることができる。

0021

また、上記実施形態では、直線L2が対称線L1に対して反時計回りに傾くように羽口13が設けられるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、羽口13は、直線L2が対称線L1に対して反時計回りに傾いて設けられてもよい。この場合、時計回りに旋回する旋回流を生じさせることができる。

0022

<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係る転炉1の炉体11は、上吹きランス12から吹きこまれる酸素ガスgによって溶銑2を精錬処理する転炉1の炉体11であって、溶銑2の浴面20における酸素ガスgの噴流領域d2に対応した、炉体11の底部111の中央領域d1内に、底部111の中心を対称の中心として点対称且つ底部111の中心を通る対称線L1に対して線対称に設けられる複数の第1の羽口131a〜131dと、底部111の中央領域d1よりも外側に、底部111の中心に対して点対称に設けられる複数の第2の羽口132a,132bとを有し、複数の第2の羽口132a,132bは、点対称な第2の羽口132a,132b同士を結んだ直線L2が、複数の第1の羽口131a〜131bの対称線に対して5度以上30度以下の角度で傾いて配され、複数の第1の羽口131a〜131bの数は、複数の第2の羽口132a,132bの数の1.0倍以上である。

0023

ここで、羽口13の直上では、浴面20は、羽口13から吹き込まれる不活性ガスによって押し上げられる。このとき、押し上げられた浴面20が、酸素ガスgが吹き込まれる噴流領域d2よりも外側にある場合、浴面20における剪断力が強くなるため、地金やダストの飛散量が増加する。一方、押し上げられた浴面20が、酸素ガスgが吹き込まれる噴流領域d2の内側にある場合、酸素ガスgによって浴面20の押し上げが抑えこまれ、剪断力も低減することから、地金やダストの飛散量が低減する。このため、上記構成によれば、噴流領域d3と重畳する中央領域d1内に、半数以上の羽口13から不活性ガスを吹き込むことにより、地金やダストの飛散を低減させることができる。また、地金やダストの飛散を低減が可能となることから、上吹きランス12から吹き込まれる酸素ガスgの流量を安定的に増大させることができ、生産効率を向上させることができる。

0024

また、上記構成によれば、複数の第1の羽口131a〜131dおよび複数の第2の羽口132a,132bによって、旋回流を生じさせることができるため、混合特性を向上させることができる。
さらに、上記構成の炉体11は、通常の上底吹き転炉の炉体の羽口位置を変更することで実現できるため、例えば特許文献3,4のように、炉体の底部以外の位置に羽口を設ける必要がない。このため、設備コストを低減させることができる。

0025

次に、本発明者らが行った実施例について説明する。実施例では、羽口13を設ける位置の違いによる、混合特性および地金の飛散状況を確認するため、転炉1を模した水モデル実験を行った。実施例では、図2と同様に羽口13を配した転炉型容器に、溶銑2を模した水を入れ、上吹きランス12および羽口13からそれぞれ不活性ガスを吹き込むことで水を攪拌し、混合特性を調査するために混合度を測定し、地金やダストの飛散量を調査するため水滴飛散量の測定を行った。

0026

混合度の測定では、水よりも比重の小さい2色の球状疑似スラグを、転炉型容器に収容された水の浴面の半円領域にそれぞれ浮かべ、所定時間混合した後、1色の球状疑似スラグの浴面での分散を測定することで混合度を測定した。具体的には、下記(1)式を用いて混合度Mを求めた。(1)式において、σは測定時における着目した1色の球状疑似スラグの分散、σ0は完全分離状態での着目した1色の球状疑似スラグの分散、およびσrは完全混合状態での着目した1色の球状疑似スラグの分散をそれぞれ示す。

0027

また、水滴飛散量の測定では、転炉型容器の上端開口部に、8個の吸水シートを直径方向に等間隔に並べて設け、所定時間攪拌した後における、各吸水シートの給水量を測定することで、炉体11の直径方向における水滴飛散量の分布を測定した。
さらに、比較例1,2として、図7および図8に示す羽口13の配置の炉体11を模した転炉型容器について実施例と同様に水モデル実験を行い、混合度および水滴飛散量の調査を行った。図7に示す比較例1では、中央領域d1よりも外側に、8個の羽口13a〜13hを設けた。また、羽口13a〜13dと羽口13e〜13hとが、底部111の中心を通る対称線L1に対して線対称となり、羽口13a,13e、羽口13b,13f、羽口13c,13g、および羽口13d,13hがそれぞれ底部111の中心に対して点対称となるように配した。図8に示す比較例2では、中央領域d1内に2個の羽口13a,13bを設け、中央領域d1の外側に6個の羽口13c〜13fを設けた。また、羽口13a〜13fを、線対称および点対称とならないように無秩序に、且つ半数超の羽口が図8に示す底部111の下半分の領域に集まるように配した。

0028

図9に水滴飛散量の測定結果を示す。図9において、横軸は吸水シートの設定位置を示し、設置位置A〜Hの順に直径方向の一端側から他端側へ並んで設けられた8枚の吸水シートをそれぞれ示す。また、図9において、縦軸は、吸水シートの吸水量を指数化した水滴飛散量を示す。図9に示すように、実施例では、全ての設置位置において比較例1,2よりも水滴飛散量が低位となることを確認した。このため、上記実施形態の炉体11によれば、地金やダストの飛散量が低減されることが確認された。

実施例

0029

図10に混合度の測定結果を示す。図10において、縦軸は(1)式から算出される混合度Mを示す。図10に示すように、比較例1、実施例1および比較例2の順に混合度が低位となることを確認した。また、混合度の測定において、比較例1,2では、浴面20に球状疑似スラグが滞留し、流動しにくい領域が生じることを確認した。特に、混合度が最も高位であった比較例1では、対称線L1の壁部112に近い領域、比較例2では設けられた羽口の割合が少ない図8の上半分の領域において滞留が生じ易いことを確認した。これに対して、実施例では、球状疑似スラグが滞留することなく、浴面20上を旋回して流動することを確認した。このことから、上記実施形態に係る炉体11を用いることで、溶銑2の混合度の向上およびスラグ3の攪拌効率の向上が両立でき、混合特性が向上することを確認できた。

0030

1転炉
11炉体
111 底部
112 壁部
12 上吹きランス
13羽口
131a〜131f 第1の羽口
132a〜132d 第2の羽口
14ガス供給管
2溶銑
20浴面
21噴流領域
3スラグ
d1中央領域
d2 噴流領域
g 酸素ガス

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