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技術 油性分散体およびこの油性分散体を用いた乳化組成物並びにこの乳化組成物を用いた化粧料

出願人 テイカ株式会社
発明者 茅原健二亀井優一
出願日 2015年5月29日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-110852
公開日 2016年12月28日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2016-222602
状態 特許登録済
技術分野 化粧料
主要キーワード 油性分散体 アクリル樹脂粉体 B領域 ヒビテン メタクリル酸アルキルコポリマー 凝集現象 被覆物質 紫外線遮蔽能
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
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図面 (6)

課題

従前においては混合すると凝集を起こしてしまう、酸化亜鉛または酸化チタンメトキシケイ皮酸エチルヘキシルとを凝集現象を起こすことなく、系内に分散させることができる油性分散体およびこの油性分散体を用いた乳化組成物が望まれていた。

解決手段

本発明に係る油性分散体は、酸化亜鉛または酸化チタンと、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルと、ポリヒドロキシ脂肪酸を含有することを特徴とする。

概要

背景

従前から、酸化亜鉛または酸化チタン紫外線遮蔽能を有し、OMCは紫外線吸収能を有していることが知られている。

しかしながら、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとを併用すると凝集現象が発生してしまうことから、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCについては均一な分散状態を形成することが困難であり、またその分散状態を維持することが困難であるという課題があった。
従って、従前においては酸化亜鉛または酸化チタンとOMCを併用してしまうと、酸化亜鉛または酸化チタンの持つ紫外線遮蔽能やOMCの持つ紫外線吸収能を十分かつ安定して発現させることができなかったのである。

なお、酸化亜鉛とOMCとを併用した組成物としては、例えば特許文献1において酸化亜鉛とOMCを含有した紫外線遮蔽性化粧料が開示されている。

概要

従前においては混合すると凝集を起こしてしまう、酸化亜鉛または酸化チタンとメトキシケイ皮酸エチルヘキシルとを凝集現象を起こすことなく、系内に分散させることができる油性分散体およびこの油性分散体を用いた乳化組成物が望まれていた。本発明に係る油性分散体は、酸化亜鉛または酸化チタンと、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルと、ポリヒドロキシ脂肪酸を含有することを特徴とする。

目的

特開2006−335654号公報






しかしながら、係る化粧料は、特許文献1の[0007]にも記載されているとおり、OMCの不快臭を改善することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

前記ポリヒドロキシ脂肪酸の含有量が、油性分散体の全重量に対して0.05〜20重量%であることを特徴とする請求項1に記載の油性分散体。

請求項3

前記メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの含有量が、油性分散体の全重量に対して30〜80重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油性分散体。

請求項4

前記ポリヒドロキシ脂肪酸が、ポリヒドロキシステアリン酸またはポリヒドロキシステアリン酸の誘導体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の油性分散体。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の油性分散体を含有することを特徴とする乳化組成物

請求項6

さらに、乳化剤を含有することを特徴とする請求項5に記載の乳化組成物。

請求項7

さらに、環状シロキサンまたは炭化水素油を含有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の乳化組成物。

請求項8

10%累積粒子径(D10)、50%累積粒子径(D50)、90%累積粒子径(D90)のいずれもが1μm以下であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の乳化組成物。

請求項9

330〜370nmにおける光線透過率が20%以下であることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の乳化組成物。

請求項10

請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の油性分散体を配合したことを特徴とする化粧料

請求項11

請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の乳化組成物を配合したことを特徴とする化粧料。

技術分野

0001

本発明は、紫外線遮蔽能を持つ酸化亜鉛または酸化チタンと、紫外線吸収能を持つメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(Octyl 4−Methoxycinnamate、以下OMCともいう)を含有した油性分散体およびこの油性分散体を用いた乳化組成物に関するものである。詳しくは、従前においては混合すると凝集を起こしてしまう酸化亜鉛または酸化チタンとOMCを、凝集現象を起こすことなく系内に分散させることができる油性分散体およびこの油性分散体を用いた乳化組成物に関するものである。
また、この乳化組成物を用いた化粧料に関するものである。

背景技術

0002

従前から、酸化亜鉛または酸化チタンは紫外線遮蔽能を有し、OMCは紫外線吸収能を有していることが知られている。

0003

しかしながら、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとを併用すると凝集現象が発生してしまうことから、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCについては均一な分散状態を形成することが困難であり、またその分散状態を維持することが困難であるという課題があった。
従って、従前においては酸化亜鉛または酸化チタンとOMCを併用してしまうと、酸化亜鉛または酸化チタンの持つ紫外線遮蔽能やOMCの持つ紫外線吸収能を十分かつ安定して発現させることができなかったのである。

0004

なお、酸化亜鉛とOMCとを併用した組成物としては、例えば特許文献1において酸化亜鉛とOMCを含有した紫外線遮蔽性化粧料が開示されている。

先行技術

0005

特開2006−335654号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、係る化粧料は、特許文献1の[0007]にも記載されているとおり、OMCの不快臭を改善することを目的とするものであり、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとを凝集させることなく併用(分散)することを目的としているものではない。なお、特許文献1には、臭気については評価結果が開示されているが、分散状態については何らの開示もなされていない。

0007

今般、本願発明者らは鋭意検討を行った結果、ポリヒドロキシ脂肪酸を用いることによって、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとを凝集現象を起こすことなく、系内に分散させることができる油性分散体を得ることができるという知見を得るに至った。
また、係る油性分散体を用いて作製した乳化組成物や化粧料は、OMCを用いた従来の乳化組成物や化粧料よりも極めて高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現するものであることがわかった。

0008

本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、従前においては凝集を起こしてしまう酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとを凝集現象を発生させることなく、系内に分散させることができる油性分散体およびこの油性分散体を用いた乳化組成物の提供を目的とするものである。
また、この乳化組成物を用いた化粧料の提供を目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る油性分散体は、酸化亜鉛または酸化チタンと、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルと、ポリヒドロキシ脂肪酸を含有することを特徴とする。

0010

本発明の請求項2に係る油性分散体は、ポリヒドロキシ脂肪酸の含有量が、油性分散体の全重量に対して0.05〜20重量%であることを特徴とする。

0011

本発明の請求項3に係る油性分散体は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの含有量が、油性分散体の全重量に対して30〜80重量%であることを特徴とする。

0012

本発明の請求項4に係る油性分散体は、ポリヒドロキシ脂肪酸が、ポリヒドロキシステアリン酸またはポリヒドロキシステアリン酸の誘導体であることを特徴とする。

0013

本発明の請求項5に係る乳化組成物は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の油性分散体を含有することを特徴とする。

0014

本発明の請求項6に係る乳化組成物は、さらに、乳化剤を含有することを特徴とする。

0015

本発明の請求項7に係る乳化組成物は、さらに、環状シロキサンまたは炭化水素油を含有することを特徴とする。

0016

本発明の請求項8に係る乳化組成物は、10%累積粒子径(D10)、50%累積粒子径(D50)、90%累積粒子径(D90)のいずれもが1μm以下であることを特徴とする。

0017

本発明の請求項9に係る乳化組成物は、330〜370nmにおける光線透過率が20%以下であることを特徴とする。

0018

本発明の請求項10に係る化粧料は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の油性分散体を配合したことを特徴とする。

0019

本発明の請求項11に係る化粧料は、請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の乳化組成物を配合したことを特徴とする。

発明の効果

0020

本発明に係る油性分散体によれば、酸化亜鉛または酸化チタンと、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルと、ポリヒドロキシ脂肪酸とを含有することによって、酸化亜鉛または酸化チタンを凝集させることなくメトキシケイ皮酸エチルヘキシルと混合させることができる。

0021

本発明の請求項2、3に係る油性分散体によれば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルやポリヒドロキシ脂肪酸の含有量を特定の範囲にすることによって、上記の効果をより顕著に発現させることができる。

0022

本発明の請求項4に係る油性分散体によれば、ポリヒドロキシ脂肪酸に特定の化合物を用いることによって、上記の効果をより顕著に発現させることができる。

0023

本発明の請求項5〜9に係る乳化組成物によれば、本発明に係る油性分散体を乳化することによって、油性分散体において凝集することなく均一に分散した酸化亜鉛または酸化チタンとメトキシケイ皮酸エチルヘキシルの分散状態を、O/W型やW/O型などの乳化状態においても安定して維持することができる。

0024

特に、本発明の請求項7に係る油性分散体によれば、分散媒体として環状シロキサンまたは炭化水素油を含有することによって、さらに酸化亜鉛または酸化チタンとメトキシケイ皮酸エチルヘキシルとを凝集させることなく均一に分散し、かつその分散状態を安定させることができる油性分散体を得ることができる。

0025

本発明の請求項10、11に係る化粧料によれば、本発明に係る油性分散体または本発明に係る乳化組成物を用いることによって、酸化亜鉛または酸化チタンの持つ紫外線遮蔽能とメトキシケイ皮酸エチルヘキシルの持つ紫外線吸収能の性能を損なうことなく、両方の性能を十分に発現させることができる化粧料を得ることができる。

図面の簡単な説明

0026

実施例1と比較例1の油性分散体の透過率曲線を示すグラフである。
実施例2と比較例2の油性分散体の透過率曲線を示すグラフである。
実施例3(実施例1の油性分散体を使用)の乳化組成物、比較例3(比較例1の油性分散体を使用)の乳化組成物、比較例4の乳化組成物の作製直後光学顕微鏡写真である。
実施例3(実施例1の油性分散体を使用)の乳化組成物、比較例3(比較例1の油性分散体を使用)の乳化組成物、比較例4の乳化組成物の作製後7日経過時の光学顕微鏡写真である。
実施例3(実施例1の油性分散体を使用)の乳化組成物、比較例3(比較例1の油性分散体を使用)の乳化組成物、比較例4の乳化組成物の透過率曲線を示すグラフである。

0027

本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。

0028

基本構造
本発明に係る油性分散体は、酸化亜鉛または酸化チタンと、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル(OMC)と、ポリヒドロキシ脂肪酸を含有することを基本構造としている。
このように、ポリヒドロキシ脂肪酸を必須成分とすることによって、従前においては凝集現象を起こしてしまう、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとを凝集現象を起こすことなく、系内に分散させることができるのである。

0029

以下、本発明の各構成成分について説明する。

0030

(酸化亜鉛または酸化チタン)
本発明に用いる酸化亜鉛または酸化チタンは、紫外線遮蔽能を有するものであればその他の物性については特に限定されるものではないが、その特性を十分に発揮させるために平均一次粒子径が1〜100nmの範囲のものを使用することが好ましい。また、その中でも5〜70nmの範囲のものを使用することが好ましく、さらにその中でも5〜50nmの範囲のものを使用することが好ましい。

0031

また、本発明に用いる酸化亜鉛または酸化チタンには、表面を各種の化合物で処理したものを用いることもできる。そしてこのような化合物としては、例えばイソステアリン酸またはイソステアリン酸の金属塩が挙げられる。

0032

さらに、イソステアリン酸またはイソステアリン酸の金属塩を用いて表面処理を行う場合には、酸化亜鉛または酸化チタンの耐光性の向上や他物質との反応性を抑制するため、予めアルミニウムなどの無機酸化物もしくは水酸化物によって酸化亜鉛または酸化チタンの被覆処理を行うこともできる。
被覆処理方法としては、例えば酸化亜鉛または酸化チタンを水系で分散させておき、そこへ被覆するアルミニウムなどの無機酸化物もしくは水酸化物の水溶性塩を溶解させ、pH調整を行いつつ粉体表面水酸化アルミニウムなど被覆する物質沈着させることによって、酸化亜鉛または酸化チタンの被覆処理を行う方法などが挙げられる。なおこの際、イソステアリン酸またはイソステアリン酸の金属塩は、被覆するアルミニウムなどの無機酸化物もしくは水酸化物の水溶性塩と同時に、基材となる酸化亜鉛または酸化チタンを分散させた水などに混合してもよいし、先に被覆するアルミニウムなどの無機酸化物もしくは水酸化物の水溶性塩を溶解させて被覆処理を行った後に混合してもよい。

0033

また、イソステアリン酸アルミニウムなどのイソステアリン酸を主要構成成分とする金属塩を用いれば、表面処理の際に、上記した被覆処理と同じ効果を当該処理を行うことなく得ることができる。

0034

ここで上記被覆処理における酸化亜鉛または酸化チタンに対する被覆物質である無機酸化物または水酸化物の比率は、酸化物換算で1〜25重量%、さらに2〜15重量%であることが好ましい。1%未満では耐光性の向上や反応性の抑制を十分に発揮させることができず、25%より多くなると油性分散体中における酸化亜鉛または酸化チタンの比率が減少することによる紫外線遮蔽能の低下が生じ、また被覆処理の効果が頭打ちになってしまうからである。

0035

なお、油性分散体における酸化亜鉛または酸化チタンの含有量については所望する紫外線遮蔽効果に応じて適宜決定されることになるが、油性分散体の粘度、透明性、使用性などの点から、油性分散体の全重量に対して20〜80重量%であることが好ましく、その中でも油性分散体の全重量に対して30〜70重量%であることがより好ましい。

0036

(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)
本発明に用いるメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(OMC)は、紫外線吸収能を有するものであり、紫外線の中でも特にUVB領域波長(約280〜320nm)の紫外線吸収能に優れている化合物である。
なお、油性分散体におけるOMCの含有量については所望する紫外線吸収効果に応じて適宜決定されることになるが、油性分散体の粘度、透明性、使用性などの点から、油性分散体の全重量に対して30〜80重量%であることが好ましく、その中でも油性分散体の全重量に対して40〜60重量%であることがより好ましい。

0037

(ポリヒドロキシ脂肪酸)
本発明に用いられるポリヒドロキシ脂肪酸は、酸化亜鉛または酸化チタンおよびOMCとともに配合されるものであり、油性分散体の系内において酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとの凝集現象を防止するともに、それぞれの材料の分散性を向上させるためのものである。また、油性分散体を用いて後記する乳化組成物を作製した場合においても、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとの凝集現象を防止し、各材料の分散性を向上させる効果を発現させるためのものである。
そしてこのようなポリヒドロキシ脂肪酸の中でもポリヒドロキシステアリン酸またはポリヒドロキシステアリン酸の誘導体を用いることが好ましい。
なお、油性分散体におけるポリヒドロキシ脂肪酸の含有量については、酸化亜鉛または酸化チタンの含有量やOMCの含有量に応じて適宜決定されることになるが、油性分散体の全重量に対して0.05〜20重量%であることが好ましく、その中でも油性分散体の全重量に対して0.1〜10重量%であることがより好ましい。また、酸化亜鉛または酸化チタンを基準とした場合には、酸化亜鉛または酸化チタンに対して0.1〜30重量%であることが好ましく、その中でも酸化亜鉛または酸化チタンに対して0.2〜20重量%であることがより好ましい。

0038

(光線透過率)
さらに上記したとおり、本発明に係る油性分散体は、酸化亜鉛または酸化チタンを凝集させることなくメトキシケイ皮酸エチルヘキシルと混合させることができることから、油性分散体の段階においても高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現することになる。
具体的には、10μm厚のフィルムとして塗布した場合、紫外域においては、250〜350nmにおける光線透過率が5%以下という高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現することになる。一方、可視光域においては、450nm〜700nmにおける光線透過率が80%以上という高い透明性を発現することになるのである。

0039

(製造方法)
本発明に係る油性分散体の製造方法としては特に限定されるものではなく、各構成要件を一度に配合して混合する、いわゆるバッチ処理によって製造することができる。また、まず酸化亜鉛または酸化チタンとポリヒドロキシ脂肪酸を混合し、その後OMCを加えて混合する方法や、まずOMCとポリヒドロキシ脂肪酸を混合し、その後酸化亜鉛または酸化チタンを加えて混合する方法などによって製造することもできる。

0040

(乳化組成物、基本構造)
次に、本発明に係る乳化組成物について説明する。
本発明に係る乳化組成物は、上記した本発明に係る油性分散体を含有することを基本構造としている。また、本発明に係る乳化組成物はO/W型またはW/O型のいずれの乳化形態であっても良く、O/W/O型やW/O/W型といった多相型の乳化形態であっても良い。

0041

(乳化剤)
本発明に係る乳化組成物には、必要に応じて各種の乳化剤を含有することもできる。このように乳化剤を含有することによって、乳化組成物の乳化状態を更に安定して保つことができるのである。このような乳化剤としては、ポリエーテル変性シリコーンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。そしてこれらの中でもPEG−9ジメチコン、PEG−10ジメチコン、イソステアリン酸ソルビタンを用いることが好ましい。
なお、乳化組成物における乳化剤の含有量については、配合される油性分散体の含有量に応じて適宜決定されることになるが、乳化組成物の全重量に対して1〜30重量%であることが好ましく、その中でも乳化組成物の全重量に対して2〜20重量%であることがより好ましい。

0042

(分散媒体)
また、本発明に係る乳化組成物には、分散媒体として環状シロキサンまたは炭化水素油を含有することもできる。
このように分散媒体を含有することによって、さらに酸化亜鉛または酸化チタンとOMCを凝集させることなく均一に分散し、かつその分散状態を安定させた乳化組成物を得ることができるのである。
ここで、環状シロキサンとしては、常温にて液体である必要があることから、5量体(いわゆるD5オイルデカメチルシクロペンタシロキサン)以上のものである必要がある。また、炭化水素油としては、流動パラフィン軽質流動イソパラフィン重質流動イソパラフィンイソブテン水添ポリイソブテンイソヘキサデカンイソデカンイソドデカンエイコサンイソエイコサンスクワランなどが挙げられる。そして、これらの中でも酸化亜鉛または酸化チタンとOMCの分散性に優れる点から、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5オイル)または流動パラフィンを用いることが好ましい。
なお、乳化組成物における分散媒体の含有量については、配合される酸化亜鉛または酸化チタン、OMC、ポリヒドロキシ脂肪酸の含有量に応じて適宜決定されることになるが、乳化組成物の全重量に対して5〜30重量%であることが好ましく、その中でも乳化組成物の全重量に対して10〜20重量%であることがより好ましい。

0043

粒径
本発明に係る乳化組成物は、酸化亜鉛または酸化チタンと、OMCと、ポリヒドロキシ脂肪酸を必須の構成要件としていることによって、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとが凝集を起こすことなく、系内において安定した状態で分散していることになる。
具体的には、10%累積粒子径(D10)、50%累積粒子径(D50)、90%累積粒子径(D90)のいずれもが1μm以下という極めて微粒子の状態で安定して分散していることになるのである。

0044

(光線透過率)
さらに上記したとおり、本発明に係る乳化組成物は、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとが凝集を起こすことなく、系内において安定した状態で分散していることから、OMCを用いた従来の乳化組成物よりも極めて高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現することになる。
具体的には、10μm厚のフィルムとした場合、250〜325nmにおける光線透過率が5%以下という極めて高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現することになるだけでなく、330〜370nmにおける光線透過率についても20%以下という高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現することになるのである。
ここで、酸化亜鉛、酸化チタン、OMCはいずれもいわゆるUVB領域(280〜320nm)の紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現するものであるが、本発明に係る乳化組成物は、酸化亜鉛、酸化チタン、OMCを系内において安定した状態で分散させることができることから、UVB領域(280〜320nm)の紫外線遮蔽能、紫外線吸収能だけでなく、従来、酸化亜鉛または酸化チタンが凝集することに起因して十分な遮蔽能、吸収能を発現できなかった領域であるUVA領域(320〜400nm)についても高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現することになるのである。
さらに、可視光域においては390nmにおける光線透過率が70%以上、かつ410nm〜700nmにおける光線透過率が90%以上という極めて高い透明性を発現することになるのである。

0045

(製造方法)
本発明に係る乳化組成物の製造方法としては特に限定されるものではなく、各構成要件を一度に配合して混合する、いわゆるバッチ処理によって製造することもできるが、より安定した乳化状態(分散状態)の乳化組成物を得ることができる点から、まず水相成分を混合しておき、係る水相成分を油性分散体に少しづつ加えて混合する方法によって製造することが好ましい。

0046

(化粧料)
本発明に係る化粧料は、本発明に係る油性分散体または本発明に係る乳化組成物を配合したものであることから、高い紫外線遮蔽能とともに高い透明性(可視光域の透過性)を継続して発現する化粧料となる。
なお、本発明に係る化粧料においては、上記した本発明の油性分散体または本発明に係る乳化組成物以外に、通常、化粧料で使用される各種の成分を任意で含有することができる。かかる成分としては、上記の各種油類の他、結晶セルロース架橋型メチルポリシロキサンポリエチレン粉末アクリル樹脂粉体などの有機粉体類、タルクマイカセリサイト炭酸マグネシウム炭酸カルシウム酸化鉄紺青群青チタンマイカチタンセリサイト、シリカなどの無機粉体類(なお、これらは用途上支障ない程度に粉体表面がカップリング剤無機化合物などで表面処理されていても良い)、アクリル酸メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤レチノールレチノイン酸トコフェロールリボフラビンピリドキシンアスコルビン酸アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミングリチルリチン酸塩グリチルレチン、ウルソール酸オレアノール酸などのテルペン類エストラジオールエチニルエストラジオールエストリオールなどのステロイド類フェノキシエタノールパラベン類ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤ジメチルアミノ安息香酸エステル類桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが挙げられる。

0047

次に、本発明に係る油性分散体を実施例および比較例に基づいて詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0048

(実施例1)
基材となる酸化亜鉛(テイカ株式会社製:MZ−500、平均一次粒子径25nm)の表面をイソステアリン酸で処理(酸化亜鉛に対して10重量%)した処理粉体1.575kgにメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(BASF製:Uvinul MC80)1.305kgとポリヒドロキシステアリン酸(日清オイリグループ株式会社製:サラコスHS−6C)120gを加え、サンドグラインダーミルを用いて分散処理を行うことによって実施例1の油性分散体を作製した。

0049

(実施例2)
イソステアリン酸で表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製:MT−10EX:平均一次粒子径10nm)1.200kgにメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(BASF製:Uvinul MC80)1.680kgとポリヒドロキシステアリン酸(日清オイリオグループ株式会社製:サラコスHS−6C)120gを加え、サンドグラインダーミルを用いて分散処理を行うことによって実施例2の油性分散体を作製した。

0050

(比較例1)
ポリヒドロキシステアリン酸を使用せず、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの使用量を1.425kgに変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の油性分散体を作製した。

0051

(比較例2)
ポリヒドロキシステアリン酸を使用せず、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルの使用量を1.800kgに変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較例2の油性分散体を作製した。

0052

透過率の評価)
次に、実施例1、2と比較例1、2の油性分散体について透過率の評価を行った。評価は分光光度計U−4100(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。結果を図1、2に示す。
その結果、実施例1、2の油性分散体については、酸化亜鉛または酸化チタンとOMCとが凝集することなく系内に安定して分散していることから、主にUVB領域(具体的には250〜350nm)における紫外線がほとんど透過しないという、優れた紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を有していることがわかった。特に、実施例1の油性分散体においては上記の領域だけでなく、375nmの波長領域までにおいても紫外線がほとんど透過しないという、優れた紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を有していることがわかった。
また可視光域において比較例1、2の油性分散体よりも高い透明性を示すことがわかった。

0053

次に、本発明に係る乳化組成物を実施例および比較例に基づいて詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0054

(実施例3、比較例3、比較例4)
実施例1、比較例1の油性分散体、シリコーン処理された酸化亜鉛(テイカ株式会社製:MZY−303S:平均一次粒子径35nm)をD5オイルにて分散した油性分散体(油性分散体の全重量に対してシリコーン処理した酸化亜鉛を60重量%含有)を用いて、表1に記載の配合比率にて実施例3、比較例3、比較例4の乳化組成物を作製した。
具体的には、まず、表1に記載の油相成分量して容器に入れてディスパーで混合した。次に、表1に記載の水相成分を秤量して別の容器に入れてディスパーで混合した。その後、油相成分を混合した容器に作製した水相成分をゆっくり添加し、ディスパーで混合することによって実施例3、比較例3、比較例4の乳化組成物を作製した。

0055

0056

(乳化状態の評価)
次に、実施例3、比較例3、比較例4の乳化組成物について、作製直後および作製後7日経過時の乳化状態(分散状態)の評価を行った。評価は光学顕微鏡による観察によって行った。結果を図3、4に示す。
その結果、実施例3の乳化組成物は、図3に示すように作製直後だけでなく、図4に示すように作製後7日経過時においても、酸化亜鉛とOMCとが凝集することなく、系内において均一に分散し、かつその分散状態が安定していることが確認できた。
また、光学顕微鏡写真の画像イメージング法で解析した粒子径の測定結果を表2に示すが、実施例3の乳化組成物は、10%累積粒子径(D10)、50%累積粒子径(D50)、90%累積粒子径(D90)の全てにおいて粒子計測できない(1μm以下)程細かく乳化(分散)しており、凝集することなく均一に分散していることがわかった。
一方、比較例3、比較例4の乳化組成物については、図3に示すように作製直後から凝集物が認められ、時間が経過すると図4に示すようにμmオーダーの大きな粒子が確認できたことから、より凝集現象が進んでいることが確認できた。また、光学顕微鏡写真の画像イメージング法で解析した粒子径の測定結果においても、凝集が発生していることが確認できた。

0057

0058

(透過率の評価)
次に、実施例3、比較例3、比較例4の乳化組成物について透過率の評価を行った。評価は分光光度計U−4100(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。結果を図5に示す。
その結果、実施例3の乳化組成物については、酸化亜鉛とOMCとが凝集せずに系内において均一に分散していることから、図5に示すように、まず、主にUVB領域(具体的には250〜325nm)における紫外線がほとんど透過しないという、優れた紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を有していることが確認できた。また、330〜370nmの紫外線に対しても高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を有していることが確認できた。すなわち、実施例3の乳化組成物(本発明に係る乳化組成物)は、酸化亜鉛が有する紫外線遮蔽能とOMCが有する紫外線吸収能とが十分に発現するだけでなく、従来、酸化亜鉛または酸化チタンが凝集することに起因して十分な遮蔽能、吸収能を発現できなかった領域であるUVA領域(320〜400nm)についても高い紫外線遮蔽能、紫外線吸収能を発現することが確認できた。
一方、比較例3、比較例4の乳化組成物は、330〜370nmにおける紫外線の透過率が約50%となり、紫外線遮蔽能と紫外線吸収能が劣る結果となった。

実施例

0059

以上の結果から、本発明に係る油性分散体および乳化組成物は、酸化亜鉛または酸化チタンとメトキシケイ皮酸エチルヘキシルとを凝集させることなく均一に分散させることができ、かつその分散状態を安定させることができることがわかった。そしてその結果、高い紫外線防御効果を示すことがわかった。

0060

本発明の油性分散体は、化粧料(ファンデーション日焼け止めなど)や塗料などに用いることができる。

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