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図面 (15)

課題

本発明は、優れた鎮咳作用を有する蜂蜜画分を提供することを目的とする。

解決手段

(a)蜂蜜を吸着材に接触させ、吸着成分を得る工程と、(b)上記吸着成分をアセトン酢酸エチル又はエタノールである有機溶媒溶出して有機溶媒フラクションを得る工程と、(c)上記有機溶媒フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、蜂蜜画分。

概要

背景

蜂蜜小児かぜによる咳症状に対して有効性を示す可能性が示唆されている(非特許文献1)。メカニズムとしては、蜂蜜の甘味等による唾液又は気道液の分泌促進等が推定されているが、解明には至っていない(非特許文献2)。

は気道の異物又は分泌物を除去する反射機序の1つであり、気道の炎症性変化構造変化又は化学的物理的刺激物吸入によって引き起こされる。咳受容体としてはAδ−線維に存在する急速応答性の受容体(rapidly adapting receptor:RARs)と、C−線維受容体が知られており、これら咳受容体へ刺激が加わると、上喉頭神経迷走神経求心性経路を通って咳嗽を発生させる(非特許文献3)。

鎮咳薬の種類には、中枢性麻薬性鎮咳薬及び非麻薬性鎮咳薬に加え、気管支拡張剤去痰剤、抗病原微生物抗アレルギー剤抗IgE抗体ステロイド漢方等の末梢性鎮咳薬がある。

概要

本発明は、優れた鎮咳作用を有する蜂蜜画分を提供することを目的とする。(a)蜂蜜を吸着材に接触させ、吸着成分を得る工程と、(b)上記吸着成分をアセトン酢酸エチル又はエタノールである有機溶媒溶出して有機溶媒フラクションを得る工程と、(c)上記有機溶媒フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、蜂蜜画分。なし

目的

本発明は、優れた鎮咳作用を有する蜂蜜画分を提供することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(a)蜂蜜吸着材に接触させ、吸着成分を得る工程と、(b)前記吸着成分をアセトン酢酸エチル又はエタノールである有機溶媒溶出して有機溶媒フラクションを得る工程と、(c)前記有機溶媒フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、蜂蜜画分。

請求項2

(b)工程により溶出される前記吸着成分が、水又はメタノールで溶出されない成分である、請求項1に記載の蜂蜜画分。

請求項3

前記有機溶媒がアセトンである、請求項1又は2に記載の蜂蜜画分。

請求項4

(b)工程の前に、前記吸着成分から水で溶出される成分を除去する工程を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蜂蜜画分。

請求項5

(b)工程の前に、前記吸着成分からメタノール、メタノール水溶液又はエタノール水溶液で溶出される成分を除去する工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蜂蜜画分。

請求項6

(b)工程が、(b−1)工程、(b−2)工程及び(b−3)工程からなる群から選ばれる少なくとも1つの工程を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蜂蜜画分。(b−1)前記有機溶媒で溶出される前記吸着成分を溶出時間によって分画し、シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、ヘキサン/酢酸エチルの混合比が4/1である溶媒展開したときにアニスアルデヒド硫酸試液により発色するRf値0.49〜0.55のスポット及び当該スポットよりも発色が薄いRf値0.56〜0.62のスポットを有する画分を前記有機溶媒フラクションとして得る工程。(b−2)前記有機溶媒で溶出される前記吸着成分を溶出時間によって分画し、シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/1である溶媒で展開したときにドラーゲンドルフ試液により発色するRf値0及び0.54〜0.94のスポットを有する画分を前記有機溶媒フラクションとして得る工程。(b−3)前記有機溶媒で溶出される前記吸着成分を溶出時間によって分画し、液体クロマトグラフィー質量分析法において下記条件で測定した場合に2.0〜4.0分の保持時間で検出され、かつm/z438[M+H]及びm/z436[M−H]の分子イオンピークを有するピークを含む画分を前記有機溶媒フラクションとして得る工程。(測定条件カラム:AcquityUPLCBFHC18(φ2.1×100mm、ウォーターズ社製)流速:0.4ml/分カラム温度:40℃溶媒:5%B(0−0.25分)、5−100%B(0.25−10分、リニアグラジエント)、100%B(10−12分)、5%B(12−15分)A:0.05%ギ酸水溶液、B:100%アセトニトリル注入量:2μl

請求項7

(b)工程が、(b−4)(b−2)工程によって得られる画分を逆相吸着材によって更に分画し、下記(1)及び(2)の少なくとも一方の条件を満たす画分を前記有機溶媒フラクションとして得る工程を更に含む、請求項6に記載の蜂蜜画分。(1)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/0.3である溶媒で展開したときにドラーゲンドルフ試液により発色するRf値0〜0.22のスポットを有する。(2)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/水の混合比が1/1/0.3である溶媒で展開したときにニンヒドリン試液により発色するRf値0.02〜0.09、0.10〜0.20及び0.30〜0.53からなる群から選ばれる少なくとも1つのスポットを有する。

請求項8

(d)蜂蜜を酸性吸着材に接触させ、前記酸性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、(e)前記吸着成分を塩基性水溶液により溶出し、塩基性水溶液フラクションを得る工程と、(f)前記塩基性水溶液フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、又は(d’)蜂蜜を塩基性吸着材に接触させ、前記塩基性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、(e’)前記吸着成分を酸性水溶液により溶出し、酸性水溶液フラクションを得る工程と、(f’)前記酸性水溶液フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、蜂蜜画分。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載の蜂蜜画分を有効成分として含む、オピオイド活性剤。

請求項10

請求項1〜8のいずれか一項に記載の蜂蜜画分を有効成分として含む、鎮咳剤又は鎮痛剤

技術分野

0001

本発明は、蜂蜜画分に関する。

背景技術

0002

蜂蜜が小児かぜによる咳症状に対して有効性を示す可能性が示唆されている(非特許文献1)。メカニズムとしては、蜂蜜の甘味等による唾液又は気道液の分泌促進等が推定されているが、解明には至っていない(非特許文献2)。

0003

は気道の異物又は分泌物を除去する反射機序の1つであり、気道の炎症性変化構造変化又は化学的物理的刺激物吸入によって引き起こされる。咳受容体としてはAδ−線維に存在する急速応答性の受容体(rapidly adapting receptor:RARs)と、C−線維受容体が知られており、これら咳受容体へ刺激が加わると、上喉頭神経迷走神経求心性経路を通って咳嗽を発生させる(非特許文献3)。

0004

鎮咳薬の種類には、中枢性麻薬性鎮咳薬及び非麻薬性鎮咳薬に加え、気管支拡張剤去痰剤、抗病原微生物抗アレルギー剤抗IgE抗体ステロイド漢方等の末梢性鎮咳薬がある。

先行技術

0005

Ian M.Paul, Therapeutic Options for Acute Cough Due to Upper Respiratory Infectionsin Children, Lung, 190 (1), 41-44, (2012).
Ian M.Paul, et.al, Effect of Honey, Dextromethorphan, and No Treatment on NocturnalCough and Sleep Quality for Coughing Children and Their Parents, Archives ofpediatrics adolescent medicine, 161 (12), 1140-1146 (2007).
木正人ら、咳嗽の臨床、近畿大医誌、第35巻(3、4号)、145〜149頁、2010
高濱和夫ら、咳‐その多様性と末梢性発現機序、日薬理誌、105、41〜52頁、1995

発明が解決しようとする課題

0006

麻薬性鎮咳薬は、咳嗽に関する中枢興奮を低下させるため効力が強いものの、悪心嘔吐呼吸抑制便秘眠気排尿障害依存性薬剤耐性等の副作用があり、また、気道炎症時の咳に対する抑制作用が弱い。また、非麻薬性鎮咳薬は、依存性や呼吸抑制のような副作用はないものの、めまい口渇、眠気、食欲不振、便秘、頻脈等の副作用があり、かつ一般に効力が弱い。末梢性鎮咳薬は、咳の刺激を伝える求心路又は中枢からの興奮を伝える遠心路末梢(気道、呼吸筋等)で遮断するが、原因疾患治療を行っても改善が不十分であることが少なくない(非特許文献3、4)。既存薬に比べて有効性及び安全性に優れた鎮咳薬の開発が求められている。

0007

本発明は、優れた鎮咳作用を有する蜂蜜画分を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、(a)蜂蜜を吸着材に接触させ、吸着成分を得る工程と、(b)上記吸着成分をアセトン酢酸エチル又はエタノールである有機溶媒溶出して有機溶媒フラクションを得る工程と、(c)上記有機溶媒フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、蜂蜜画分を提供する。上記蜂蜜画分は、優れた鎮咳作用を有する。

0009

(b)工程により溶出される上記吸着成分は、水又はメタノールで溶出されない成分であることが好ましい。これにより、得られる蜂蜜画分をより鎮咳活性の高いものとすることができる。また、上記有機溶媒はアセトンであることが好ましい。

0010

(b)工程の前に、上記吸着成分から水で溶出される成分を除去する工程を更に含むことが好ましい。また、(b)工程の前に、上記吸着成分からメタノール、メタノール水溶液又はエタノール水溶液で溶出される成分を除去する工程を更に含むことが好ましい。

0011

(b)工程は、下記(b−1)工程、(b−2)工程及び(b−3)工程からなる群から選ばれる少なくとも1つの工程を更に含むことが好ましい。
(b−1)上記有機溶媒で溶出される上記吸着成分を溶出時間によって分画し、シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、ヘキサン/酢酸エチルの混合比が4/1である溶媒展開したときにアニスアルデヒド硫酸試液噴霧後105℃で加熱)により発色するRf値0.49〜0.55のスポット及び当該スポットよりも発色が薄いRf値0.56〜0.62のスポットを有する画分を上記有機溶媒フラクションとして得る工程。
(b−2)上記有機溶媒で溶出される上記吸着成分を溶出時間によって分画し、シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/1である溶媒で展開したときにドラーゲンドルフ試液により発色するRf値0及び0.54〜0.94のスポットを有する画分を上記有機溶媒フラクションとして得る工程。
(b−3)上記有機溶媒で溶出される上記吸着成分を溶出時間によって分画し、液体クロマトグラフィー質量分析法において下記条件で測定した場合に2.0〜4.0分の保持時間で検出され、かつm/z438[M+H]及びm/z436[M−H]の分子イオンピークを有するピークを含む画分を上記有機溶媒フラクションとして得る工程。
測定条件
カラム:Acquity UPLC BFH C18(φ2.1×100mm、ウォーターズ社製)
流速:0.4ml/分
カラム温度:40℃
溶媒:5%B(0−0.25分)、5−100%B(0.25−10分、リニアグラジエント)、100%B(10−12分)、5%B(12−15分)
A:0.05%ギ酸水溶液、B:100%アセトニトリル
注入量:2μl

0012

(b)工程は、(b−4)工程を更に含むことが好ましい。(b−4)工程は、(b−2)工程によって得られる画分を、逆相吸着材によって更に分画し、下記(1)及び(2)の少なくとも一方の条件を満たす画分を上記有機溶媒フラクションとして得る工程である。
(1)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/0.3である溶媒で展開したときにドラーゲンドルフ試液により発色するRf値0〜0.22のスポットを有する。
(2)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/水の混合比が1/1/0.3である溶媒で展開したときにニンヒドリン試液(噴霧後105℃で加熱)により発色するRf値0.02〜0.09、0.10〜0.20及び0.30〜0.53からなる群から選ばれる少なくとも1つのスポットを有する。

0013

また、本発明は、(d)蜂蜜を酸性吸着材に接触させ、上記酸性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、(e)上記吸着成分を塩基性水溶液により溶出し、塩基性水溶液フラクションを得る工程と、(f)上記塩基性水溶液フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、又は(d’)蜂蜜を塩基性吸着材に接触させ、上記塩基性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、(e’)上記吸着成分を酸性水溶液により溶出し、酸性水溶液フラクションを得る工程と、(f’)上記酸性水溶液フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる、蜂蜜画分を提供する。

0014

また、本発明は上記蜂蜜画分を有効成分として含む、オピオイド活性剤を提供する。また、本発明は上記蜂蜜画分を有効成分として含む、鎮咳剤又は鎮痛剤を提供する。

発明の効果

0015

本発明により、優れた鎮咳作用を有する蜂蜜画分を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

試験例1−1における咳回数を示すグラフである。
試験例1−2における咳回数を示すグラフである。
試験例1−3における咳回数を示すグラフである。
試験例1−4における咳回数を示すグラフである。
試験例1−5における咳回数を示すグラフである。
試験例1−6における咳回数を示すグラフである。
試験例2−1における咳回数を示すグラフである。
試験例2−2における薄層クロマトグラフィーパターンを示す図である。
試験例2−2における咳回数を示すグラフである。
試験例2−2におけるLCMチャートを示す図である。
試験例2−3における咳回数を示すグラフである。
試験例3−1における咳回数を示すグラフである。
試験例3−2における咳回数を示すグラフである。
試験例4−1における咳回数を示すグラフである。
試験例5−1における咳回数を示すグラフである。

0017

以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

0018

本実施形態に係る蜂蜜画分は、蜂蜜を特定の方法によって分画して得られるものであり、高い鎮咳活性を有する。具体的には、蜂蜜画分は、(a)蜂蜜を吸着材に接触させ、上記吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、(b)上記吸着成分をアセトン、酢酸エチル又はエタノールである有機溶媒で溶出して有機溶媒フラクションを得る工程と、(c)上記有機溶媒フラクションから蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得られる。

0019

(b)工程に用いられるエタノールの濃度は、100%であってもよく、99%以上であってもよい。

0020

(a)工程における吸着材は、吸着材として物質の分離精製に一般的に用いられるものを用いることができ、例えば、活性炭セルロース二酸化ケイ素カオリン珪藻土ベントナイト、シリカゲル、アルミナゼオライト多孔質ガラスシクロデキストリン等を材質とする吸着材、合成吸着材が挙げられる。吸着材は多孔質であってよい。合成吸着材は、例えば、芳香族系、デキストラン誘導体系、メタクリル酸エステル系等の吸着材であってよい。芳香族系吸着材としては、スチレンジビニルベンゼン系吸着材が好ましい。スチレン−ジビニルベンゼン系吸着材である市販品としては、Diaion HP−20、HP−21、SP850(三菱化学社製)、FPX66、XAD7HP、FPX62(オルガノ社製)等が挙げられる。合成吸着材は、酸性陽イオン交換樹脂塩基性陰イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂であってもよい。イオン交換樹脂は、後述の酸性吸着材及び塩基性吸着材と同様のものを適用できる。吸着材は、例えば、カラムに充填して用いることができる。

0021

(b)工程により溶出される吸着成分は、水又はメタノールで溶出されない成分であることが好ましい。例えば、(b)工程の前に、(a)工程で得られた吸着成分を水、メタノール、又はメタノール水溶液で溶出して、吸着成分から水、メタノール、又はメタノール水溶液で溶出される成分を除去することにより、吸着成分中の水又はメタノールで溶出されない成分の割合を高めることができる。メタノール水溶液としては、任意のメタノール濃度のものを用いることができ、例えば50%メタノール水溶液を用いることができる。また、例えば、(a)工程に用いる蜂蜜を予め水に溶解し、蜂蜜水溶液として吸着材に接触させることにより、吸着成分中の水で溶出されない成分の割合を高めることができる。これらの処理により、鎮咳活性の高い画分をより効率的に得ることができる。

0022

また、(b)工程により溶出される吸着成分は、エタノール水溶液で溶出されない成分であってもよい。例えば、(b)工程の前に、(a)工程で得られた吸着成分を予めエタノール水溶液で溶出して、吸着成分から水又はエタノール水溶液で溶出されない成分の割合を高めることができる。エタノール水溶液の濃度は例えば20〜80%であってよく、40〜60%であってもよく、50%であってもよい。これらの処理によって、鎮咳活性の高い画分をより効率的に得ることができる。

0023

(b)工程の前には、吸着成分から水で溶出される成分を除去する工程、吸着成分からメタノール水溶液で溶出される成分を除去する工程、及び吸着成分からメタノールで溶出される成分を除去する工程を含むことが好ましく、これら3つの工程をこの順に含むことが好ましい。このような分画方法により、得られる蜂蜜画分の鎮咳作用をより高めることができる。

0024

得られる蜂蜜画分を食品用途に用いる場合、(a)工程で得られた吸着成分を予め溶出するための溶媒が水及びエタノールであることが好ましく、(b)工程における有機溶媒がエタノールであることが好ましい。

0025

(b)工程では、有機溶媒で溶出される吸着成分を更に分画し、より鎮咳活性の高い画分を選出することが好ましい。吸着成分の分画は、例えば、有機溶媒で吸着成分を溶出する際の溶出時間によって行うことができる。

0026

画分の中から鎮咳活性の高い画分を選出する方法としては、例えば、各画分をシリカゲルの薄層クロマトグラフィーに供し、その展開パターン指標とする方法を用いることができる。溶出時間によって分画された吸着成分は、その溶出時間によって薄層クロマトグラフィーの展開パターンが異なる傾向があり、展開パターンによって、目的の蜂蜜画分を含む有機溶媒フラクションか否かを判別することができる。吸着成分を溶出時間によって分画し、薄層クロマトグラフィーの展開パターンを指標として目的の画分を得る工程としては、具体的には例えば、下記の(b−1)工程、又は(b−2)工程により行うことができる。

0027

(b−1)工程は、有機溶媒で溶出される吸着成分を溶出時間によって分画し、シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、ヘキサン/酢酸エチルの混合比が4/1である溶媒で展開したときにアニスアルデヒド硫酸試液により発色するRf値0.49〜0.55のスポット(以下、スポットAともいう。)及びスポットAよりも発色が薄いRf値0.56〜0.62のスポット(以下、スポットBともいう。)を有する画分を上記有機溶媒フラクションとして得る工程である。

0028

上記特徴を有する画分は、より高い鎮咳活性を有する。スポットAのRf値は0.51〜0.53であることが好ましく、スポットBのRf値は0.58〜0.60であることが好ましい。なお、目的とする高い鎮咳活性を有する蜂蜜画分より溶出時間の遅い画分として、スポットBがスポットAよりも発色が濃い展開パターンを示す画分が得られる。

0029

(b−1)工程で用いるアニスアルデヒド硫酸試液は、p−アニスアルデヒド13mL、酢酸5mL及びエタノール478mLを混合し、濃硫酸18mLを滴下することにより調製することができる。アニスアルデヒド硫酸試液による染色では、試液の噴霧後105℃で加熱することにより発色を確認することができる。

0030

(b−2)工程は、有機溶媒で溶出される上記吸着成分を溶出時間によって分画し、シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/1である溶媒で展開したときにドラーゲンドルフ試液により発色するRf値0及び0.54〜0.94のスポットを有する画分を有機溶媒フラクションとして得る工程である。上記特徴を有する画分は、より高い鎮咳活性を有する。スポットのRf値は0及び0.64〜0.84であることが好ましく、0及び0.69〜0.79であることがより好ましく、0及び0.72〜0.76であることが更に好ましい。

0031

(b−2)工程において用いられるドラーゲンドルフ試液は、次硝酸ビスマス1.7g、酢酸20mL及び蒸留水80mLを混合して調製した混合液5mL、ヨウ化カリウム40g及び蒸留水100mLを混和して調製した混和液5mL、酢酸20mL、並びに蒸留水70mLを混合することにより調製することができる。

0032

(b)工程はまた、(b−3)工程を含んでいてもよい。(b−3)工程は、有機溶媒で溶出される上記吸着成分を溶出時間によって分画し、液体クロマトグラフィー質量分析法において後述の条件で測定した場合に2.0〜4.0分の保持時間で検出され、かつm/z438[M+H]及びm/z436[M−H]の分子イオンピークを有するピークを含む画分を有機溶媒フラクションとして得る工程である。このようなピークを指標として分画することにより、高い鎮咳活性を有する蜂蜜画分を得ることができる。保持時間は2.2〜3.4分であることが好ましく、2.5〜3.1分であることがより好ましく、2.7〜2.9分であることが更に好ましい。

0033

液体クロマトグラフィー質量分析は、例えば、Waters Micromass Quattro Premium(ウォーターズ社製)により行うことができる。液体クロマトグラフィー質量分析法の測定条件は次のとおりである。
カラム:Acquity UPLC BFH C18(φ2.1×100mm、ウォーターズ社製)、流速:0.4ml/分、カラム温度:40℃、溶媒:5%B(0−0.25分)、5−100%B(0.25−10分、リニアグラジエント)、100%B(10−12分)、5%B(12−15分)、A:0.05%ギ酸水溶液、B:100%アセトニトリル、検出波長:295.8nm、検出マス:SIRモードポジティブモードm/z(cone):93.2(10)、239.1(10)、255.4(30)、257.1(30)、438.5(30)、585.3(30)、ネガティブモードm/z(cone):112.9(30)、175.0(30)、253.2(30)、255.2(30)、285.6(30)、449.8(30)、577.8(30)
注入量:2μl

0034

(b−1)工程、(b−2)工程及び(b−3)工程は、いずれか1つを行ってもよく、複数の工程を行ってもよい。(b−2)工程又は(b−3)工程を行うことによって、(b−1)工程のみを行う場合よりも更に鎮咳活性の高い蜂蜜画分を得ることができる。

0035

(b−4)工程
(b)工程では、(b−2)工程で得られる画分を更に分画し、より鎮咳活性の高い画分を選出することが好ましい。(b−2)工程で得られる画分の更なる分画は、例えば、(b−2)工程で得られる画分を、逆相吸着材を用いて逆相クロマトグラフィー等に供することにより行うことができる。得られる画分から、より鎮咳活性の高い画分を選出する方法としては、例えば、各画分をシリカゲルの薄層クロマトグラフィーに供し、その展開パターンを指標とする方法を用いることができる。逆相クロマトグラフィーの溶出時間により分画された画分は、その溶出時間によって薄層クロマトグラフィーの展開パターンが異なる傾向があり、展開パターンによって、目的の蜂蜜画分を含む画分か否かを判別することができる。具体的には例えば、下記の(b−4)工程により行うことができる。

0036

(b−4)工程は、(b−2)工程によって得られる画分を逆相吸着材によって更に分画し、下記(1)及び(2)の少なくとも一方の条件を満たす画分を有機溶媒フラクションとして得る工程である。
(1)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/0.3である溶媒で展開したときにドラーゲンドルフ試液により発色するRf値0〜0.22のスポットを有する。
(2)シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーにおいて、クロロホルム/メタノール/水の混合比が1/1/0.3である溶媒で展開したときにニンヒドリン試液により発色するRf値0.02〜0.09、0.10〜0.20及び0.30〜0.53からなる群から選ばれる少なくとも1つのスポットを有する。

0037

ニンヒドリン試液は、例えばニンヒドリン0.3g、酢酸3mL及びn−ブタノール100mLを混合することにより調製することができる。ニンヒドリン試液による染色では、試液の噴霧後105℃で加熱することにより発色を確認することができる。

0038

逆相クロマトグラフィーは、例えばODS(C18)カラム、C8カラム、C30カラム等の逆相カラムを用いて高速液体クロマトグラフィーにより行うことができる。逆相のODSカラムの市販品としては、例えばcosmosil 5c−18−AR−II(ナカライテスク社製)、Capcell Pak C18 AQ(資生堂社製)、Sunfire C18、Atlantis T3(ウォーターズ社製)、inertsill ODS−3(GLサイエンス社製)、TSKgel ODS−100S(東ソー社製)、Cadenza CD−C18(インタクト社製)、Hydrosphere C18、Pro C8、Pro C18(YMC社製)、Develosil HB ODS−UG−3、Develosil HB ODS−HG−3、Develosil HB C30−UG−3(デベシル社製)等が挙げられる。

0039

上記(1)における薄層クロマトグラフィー展開パターンのスポットは、Rf値が0〜0.12であることが好ましく、Rf値が0〜0.06であることがより好ましい。上記(2)における薄層クロマトグラフィー展開パターンは、Rf値が0.04〜0.07、0.10〜0.18及び0.30〜0.53からなる群から選ばれる少なくとも1つのスポットを有することが好ましく、Rf値が0.10〜0.18であるスポットを有することがより好ましい。

0040

(c)工程では、(b)工程で得られた有機溶媒フラクションから蜂蜜画分を得る。蜂蜜画分は、例えば有機溶媒フラクション中の溶媒を除去することにより、得ることができる。溶媒の除去は、例えば、凍結乾燥加熱乾燥等により行うことができる。

0041

本実施形態に係る蜂蜜画分はまた、(d)蜂蜜を酸性吸着材に接触させ、酸性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、(e)吸着成分を塩基性水溶液により溶出し、塩基性水溶液フラクションを得る工程と、(f)塩基性水溶液から蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得ることもできる。当該方法により得ることができる蜂蜜画分は、高い鎮咳活性を有する。

0042

(d)工程は、具体的には例えば、イオン交換水等の水に溶解した蜂蜜水溶液を、酸性陽イオン交換樹脂等の酸性吸着材に流すことにより行うことができる。酸性陽イオン交換樹脂のイオン形は、例えば、カルシウムイオン形、ナトリウムイオン形等の塩形であってよい。酸性陽イオン交換樹脂は強酸性陽イオン交換樹脂又は弱酸性陽イオン交換樹脂であってよい。酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト200CTNA(オルガノ社製)、SK1B、SK104、SK110、SK112、PK208、PK212、PK216、PK218、PK220、PK228、UBK530、UBK535、UBK530K、UBK535K、UBK555、WK40、WK10、WK11、WK100(いずれも三菱化学社製)等を用いることができる。酸性陽イオン交換樹脂は、予め酸性水溶液及び水でコンディショニングすることが好ましい。コンディショニングに用いる酸性水溶液としては、例えば1Mの塩酸等が好適である。

0043

(e)工程で用いる塩基性水溶液としては、例えば、アンモニア水等のpH8〜9の水溶液を用いることができる。塩基性水溶液はエタノールを含んでいてもよい。(e)工程により溶出される吸着成分は、水で溶出されない成分であることが好ましい。例えば、(e)工程の前に(d)工程で得られた吸着成分を水で溶出し、吸着成分から水で溶出される成分を除去することにより、次の(e)工程により溶出される吸着成分を、水で溶出されない成分とすることができる。

0044

(f)工程において、蜂蜜画分は、例えば塩基性水溶液フラクション中の溶媒を除去することにより得ることができる。溶媒の除去は、例えば、凍結乾燥、加熱乾燥により行うことができる。

0045

本実施形態に係る蜂蜜画分はまた、(d’)蜂蜜を塩基性吸着材に接触させ、塩基性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、(e’)吸着成分を酸性水溶液により溶出し、酸性水溶液フラクションを得る工程と(f’)酸性水溶液から蜂蜜画分を得る工程とを含む方法により得ることができる。

0046

(d’)工程は、具体的には例えば、イオン交換水等の水に溶解した蜂蜜水溶液を、塩基性陰イオン交換樹脂等の塩基性吸着材に流すことにより行うことができる。塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形は、例えば、塩化物イオン形等であってよい。塩基性陰イオン交換樹脂は強塩基性陰イオン交換樹脂又は弱塩基性陰イオン交換樹脂であってよい。塩基性陰イオン交換樹脂はMR形であることが好ましく、また、スチレン系であることが好ましい。塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト2 IRA910CT、IRA402BL(オルガノ社製)、SA10A、SA12A、SA11A、NSA100、UBA120(均一粒径品)、PA306S、PA308、PA312、PA316、PA318L、HPA25、SA20A、SA21A、PA408、PA412、PA418、WA10、WA20、WA21J、WA30(三菱化学社製)等を用いることができる。塩基性陰イオン交換樹脂は、予め塩基性水溶液及び水でコンディショニングすることが好ましい。コンディショニングに用いる塩基性水溶液としては、例えば1Mの水酸化ナトリウム水溶液等が好適である。

0047

蜂蜜水溶液は、塩基性(pH8〜9)に調節されていることが好ましい。pHの調節は、蜂蜜水溶液にアンモニア水等の塩基性水溶液を添加することにより行うことができる。

0048

(e’)工程で用いる酸性水溶液としては、例えば、塩酸、リン酸、酢酸、クエン酸等のpH2〜3の水溶液を用いることができる。酸性水溶液はエタノールを含んでいてもよい。(e’)工程により溶出される吸着成分は、水で溶出されない成分であることが好ましい。例えば、(e’)工程の前に(d’)工程で得られた吸着成分を水で溶出し、吸着成分から水で溶出される成分を除去することにより、次の(e’)工程により溶出される吸着成分を、水で溶出されない成分とすることができる。

0049

(f’)工程において、蜂蜜画分は、例えば塩基性水溶液フラクション中の溶媒を除去することにより得ることができる。溶媒の除去は、例えば、凍結乾燥、加熱乾燥により行うことができる。

0050

上記(d)工程では、蜂蜜を酸性吸着材に接触させる前に、上記(d’)及び(e’)工程と同様の工程を行うことにより予め蜂蜜を分画してもよい。すなわち、(d)工程において、蜂蜜を塩基性吸着材に接触させ、塩基性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、吸着成分を酸性水溶液により溶出し、酸性水溶液フラクションを得る工程とを経てから、当該酸性水溶性フラクションを酸性吸着材に接触させて、酸性吸着材に吸着された吸着成分を得てもよい。

0051

逆に、上記(d’)工程では、蜂蜜を塩基性吸着材に接触させる前に、上記(d)及び(e)工程と同様の工程を行うことにより予め蜂蜜を分画してもよい。すなわち、(d’)工程において、蜂蜜を酸性吸着材に接触させ、酸性吸着材に吸着された吸着成分を得る工程と、吸着成分を塩基性水溶液により溶出し、塩基性水溶液フラクションを得る工程とを経てから、当該塩基性水溶性フラクションを塩基性吸着材に接触させて、塩基性吸着材に吸着された吸着成分を得てもよい。このように、異なる種類の吸着材に接触させる工程を経ることにより、更に鎮咳活性の高い蜂蜜画分を得ることができる。

0052

本実施形態において用いられる蜂蜜の由来は特に限定されず、任意の種類の蜂蜜を用いることができる。蜂蜜としては、例えば、百花蜂蜜、アカシア蜂蜜、ソバ蜂蜜、甘露蜂蜜等が挙げられる。蜂蜜の産地は特に限定されない。

0053

本実施形態に係る蜂蜜画分は、高い鎮咳活性を有する。具体的には、本実施形態に係る蜂蜜画分を摂取することによって、咳嗽を予防又は抑制することができる。したがって、本実施形態に係る蜂蜜画分は、鎮咳剤、咳予防剤又は咳抑制剤として用いることができる。

0054

咳は、咳受容体が刺激されることにより誘発される。咳受容体には、Aδ線維の急速適応受容体とC−線維受容体とがあると考えられている。本実施形態に係る蜂蜜画分は、後述の実施例において示されているように、様々な要因で引き起こされるいずれの種類の咳嗽であっても鎮咳作用を有する。

0055

本実施形態に係る蜂蜜画分はオピオイド活性を有する。具体的には、本実施形態に係る蜂蜜画分が有する生理作用の少なくとも一部は、後述の実施例によって示されているように、オピオイド受容体を介して発揮される作用(オピオイド活性)によるものである。したがって、本実施形態に係る蜂蜜画分は、オピオイド活性剤として用いることができる。

0056

オピオイド活性は、鎮咳活性の他、鎮痛麻酔情動呼吸脈動体温消化管機能摂食、免疫、インシュリンソマトスタチン等のホルモンの分泌調節、電解質の吸収促進、心筋収縮調節等に関与することが知られている(参考文献:山口重樹、「オピオイド鎮痛薬作用機序」、Anet、Vol.18、No.3、12−15頁、2014、特開平6−128287号公報)。したがって、本実施形態に係る蜂蜜画分は、例えば、鎮痛剤、麻酔剤、情動調節剤呼吸調節剤、脈動調節剤、体温調節剤、消化管機能調節剤、摂食調節剤、免疫向上剤、ホルモン分泌調節剤電解質吸収促進剤、心筋収縮調節剤等として用いることもできる。本実施形態に係る蜂蜜画分は、特に鎮咳剤又は鎮痛剤として用いるのに好適である。

0057

本実施形態に係るオピオイド活性剤、鎮咳剤、鎮痛剤、その他の上記剤は、有効成分である蜂蜜画分のみを含むものであってもよく、鎮咳効果鎮痛効果等の上記生理作用を妨げられない限り、溶媒及びその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、薬学的に許容される添加剤賦形剤結合材滑沢剤崩壊剤乳化剤界面活性剤基剤溶解補助剤懸濁化剤等)、食品として許容される成分(例えば、ミネラル類ビタミン類フラボノイド類キノン類ポリフェノール類アミノ酸核酸必須脂肪酸清涼剤結合剤甘味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料香料安定化剤防腐剤徐放調整剤、界面活性剤、溶解剤湿潤剤)を挙げることができる。

0058

本実施形態に係るオピオイド活性剤、鎮咳剤、鎮痛剤、その他の上記剤に含まれる蜂蜜画分の割合は、本発明の効果が得られる範囲であればよく、最終形態等に応じて適宜調整することができ、例えば総量で0.000001〜100質量%の範囲とすることができる。

0059

本実施形態に係る蜂蜜画分、オピオイド活性剤、鎮咳剤、鎮痛剤、その他の上記剤は、固体液体ペースト等のいずれの形状であってもよく、タブレット素錠糖衣錠発泡錠フィルムコート錠チュアブル錠トローチ剤等を含む)、カプセル剤丸剤粉末剤散剤)、細粒剤顆粒剤液剤、懸濁液、乳濁液シロップ、ペースト、注射剤(使用時に、蒸留水又はアミノ酸輸液若しくは電解質輸液等の輸液に配合して液剤として調製する場合を含む)等の剤形であってもよい。これらの各種製剤は、例えば、有効成分である蜂蜜画分と、必要に応じて他の成分とを混合して上記剤形に成形することによって調製することができる。

0060

本実施形態に係る蜂蜜画分は、医薬品及び食品そのものとして使用することができ、医薬品及び食品に添加して使用することもできる。食品としては、食品の3次機能、すなわち体調調節機能が強調された食品であることが好ましい。体調調節機能としては、例えば、鎮咳機能、鎮痛機能、麻酔機能、情動調節機能、呼吸調節機能、脈動調節機能、体温調節機能、消化管機能調節機能、摂食調節機能、免疫向上機能、ホルモン分泌調節機能、電解質の吸収促進機能、心筋の収縮調節機能等が挙げられる。食品の3次機能が強調された食品としては、例えば、健康食品、機能性食品栄養補助食品サプリメント及び特定保健用食品を挙げることができる。

0061

本実施形態に係る蜂蜜画分からなる医薬品若しくは食品、又は本実施形態に係る蜂蜜画分を含む医薬品若しくは食品は、鎮咳用、鎮痛用、麻酔用、情動調節用、呼吸調節用、脈動調節用、体温調節用、消化管機能調節用、摂食調節用、免疫向上用、ホルモン分泌調節用、電解質の吸収促進用、心筋の収縮調節用等であってよい。また、上記医薬品又は食品には、咳を鎮める旨、痛みを鎮める旨、麻酔作用を有する旨、情動を調節する旨、呼吸を調節する旨、脈動を調節する旨、体温を調節する旨、消化管機能を調節する旨、摂食を調節する旨、免疫を向上させる旨、ホルモン分泌を調節する旨、電解質の吸収を促進する旨、心筋の収縮を調節する旨等の表示が付されていてもよい。

0062

本実施形態に係る蜂蜜画分を食品(例えば、健康食品、機能性食品、栄養補助食品又は特定保健用食品)に添加して使用する場合、食品の形態は特に限定されず、例えば、飲料類コーヒージュース茶飲料等の清涼飲料乳飲料乳酸菌飲料ヨーグルト飲料炭酸飲料等);スプレッド類(カスタードクリーム等);ペースト類フルーツペースト等);洋菓子類チョコレートドーナツパイシュークリームガムゼリーキャンデークッキー、ケーキ、プリン等);和菓子類大福、餅、饅頭カステラ、あんみつ羊羹等);氷菓類(アイスクリームアイスキャンデーシャーベット等);食品類カレー丼、雑炊味噌汁スープミートソースパスタ漬物ジャム等);調味料類ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料、スープの素等)であってもよい。

0063

本実施形態に係る蜂蜜画分を添加した医薬品又は食品の製法は特に限定されず、適宜公知の方法に従うことができる。例えば、医薬品又は食品の製造工程における中間製品又は最終製品に、本実施形態に係る蜂蜜画分を混合等して、上記の用途に用いられる医薬品又は食品を得ることができる。

0064

以下、実施例により本発明の実施形態を具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0065

[試験例1]
種々の刺激により咳を誘発したモルモットに対する各種蜂蜜の作用を検討した。

0066

(試験例1−1.クエン酸刺激)
δ線維の急速適応受容体(RARs)を介した咳嗽に対する蜂蜜の作用を検討するため、RARsを刺激するクエン酸で誘発した咳嗽に対する蜂蜜の鎮咳作用を調べた。
ルーマニア産アカシア蜂蜜又は日本産ソバ蜂蜜を、モルモットの体重1kg当たり蜂蜜1gの割合(以下、1g/kg等と表記する。)で正常モルモットに胃内投与した。各蜂蜜は水に溶解したものを胃内投与した。投与30分後にクエン酸(0.1M)を5分間噴霧し、噴霧開始直後から30分間の咳反射の回数を計測した。コントロールとして、蜂蜜水溶液の代わりに水又はデキストロメトルファンDM)水溶液(DM100mg/kg)を用いた他は上記と同様の方法でクエン酸により咳を誘発し、咳反射の回数を計測した。結果を図1に示す。アカシア蜂蜜又はソバ蜂蜜1g/kgの投与により、水のみを与えた場合に比べ咳の回数が有意に減少した。

0067

(試験例1−2.カプサイシン刺激)
C−線維を介した咳嗽を誘発するカプサイシンを用いて蜂蜜の鎮咳作用を調べた。アカシア蜂蜜水溶液を蜂蜜0.1g/kg、0.3g/kg又は1g/kgの割合で正常モルモットに胃内投与した。投与30分後にカプサイシン(10−5M)を5分間噴霧し、その後30分間の咳反射の回数を計測した。コントロールとして、蜂蜜水溶液の代わりに、水又はDM(100mg/kg)水溶液を用いた。結果を図2に示す。アカシア蜂蜜1g/kgの投与により、DM(100mg/kg)とほぼ同等の鎮咳効果を示した。また、蜂蜜の鎮咳作用は濃度依存的であることが示された。

0068

(試験例1−3.タバコ煙刺激)
タバコ煙抽出液(CSE)を1週間モルモットの気管内に投与して、気道炎症を誘導したモルモットを用い、蜂蜜としてアカシア蜂蜜のみを用いた他は、上記試験例1−1と同様の方法で、モルモットにクエン酸刺激により咳嗽を誘発し、蜂蜜の鎮咳作用を調べた。結果を図3に示す。CSE投与を行っていない健常モルモットの咳回数も併せて示す。アカシア蜂蜜1g/kgの投与により、DM(100mg/kg)とほぼ同等の鎮咳効果を示した。

0069

(試験例1−4.亜硫酸ガス刺激)
粘液貯留亢進、当該感受性の亢進及び好中球湿潤といった亜急性軌道炎症に特徴的な病態を示すことが知られている亜硫酸ガス曝露モルモットを用いて、クエン酸刺激により誘発された咳嗽に対する蜂蜜の作用を調べた。亜硫酸ガスを1週間曝露したモルモットを用い、蜂蜜投与割合を0.1g/kg、0.3g/kg又は1g/kgとした他は上記試験例1−1と同様の方法で、モルモットにクエン酸刺激により咳嗽を誘発し、蜂蜜の鎮咳作用を調べた。結果を図4に示す。アカシア蜂蜜及びソバ蜂蜜は、1g/kgの投与により、DM(100mg/kg)とほぼ同等の鎮咳効果を示した。

0070

(試験例1−5.卵白アルブミン
咳喘息アトピー性咳嗽等に代表される好酸球性炎症時の咳嗽に対する作用を検討するため、卵白アルブミン(OVA)感作による気管支喘息モデルを作製し、上記試験例1−1と同様にクエン酸刺激により咳嗽を誘発し、蜂蜜の鎮咳作用を調べた。気管支喘息モデルとしては、左耳介にOVAを皮下投与し、アナフィラキシー反応陽性となった個体のみを試験に用いた。結果を図5に示す。アカシア蜂蜜1g/kgの投与により、DM(100mg/kg)より高い鎮咳効果を示した。

0071

(試験例1−6)
甘露蜂蜜(0.8g/kg)及びアカシア蜂蜜(1g/kg)をそれぞれ正常モルモットに胃内投与した。各蜂蜜は水に溶解したものを胃内投与した。試験例1−1と同様に、投与30分後にクエン酸(0.1M)を5分間噴霧し、噴霧開始直後から30分間の咳反射の回数を計測した。コントロールとして、蜂蜜水溶液の代わりに水を用いた。結果を図6に示す。甘露蜂蜜はアカシア蜂蜜と同等の鎮咳活性を有することが確認された。

0072

[試験例2]
(試験例2−1)
アカシア蜂蜜を100.00g量りとり、水2Lに溶解して蜂蜜水溶液を調製した。Diaion HP−20(三菱化学社製)を充填したカラム(φ5×31cm、500mL)に蜂蜜水溶液をゆっくり5回流し、未吸着成分を水フラクションとして回収した。上記カラムに、50%メタノール水溶液、メタノール、アセトンをそれぞれ2Lずつ順次流し、50%メタノールフラクション(16.86g)、メタノールフラクション(98.33mg)、アセトンフラクション(52.03mg)として回収した(かっこ内は各フラクション中の溶媒を除いた蜂蜜画分の量を示す。以下同じ。)。水フラクションを凍結乾燥して重量を計測したところ、水フラクション中の水を除く蜂蜜画分量は73.1gであった。

0073

水に溶解した各蜂蜜画分の蜂蜜1g/kg相当量を正常モルモットに胃内投与した。投与30分後にクエン酸(0.1M)を5分間噴霧し、噴霧開始直後から30分間の咳反射の回数を計測した。コントロールとして、蜂蜜画分水溶液の代わりに水又はDM水溶液(DM0.3mg/kg)を用いた。結果を図7に示す(平均±標準偏差、n=5〜6、***:p<0.0001(対コントロール))。アセトンフラクション0.52mg/kgにDM0.3mg/kgに匹敵する明確な鎮咳効果が認められた。分画前の蜂蜜と比較すると、アセトンフラクション中の蜂蜜画分の比活性は1,923倍であった。

0074

(試験例2−2)
アカシア蜂蜜を200.00g量りとり、水4Lに溶解して蜂蜜水溶液を調製した。Diaion HP−20を充填したカラム(φ5×31cm、500mL)に蜂蜜水溶液をゆっくり5回流した後、当該カラムに、50%メタノール水溶液、メタノール、をそれぞれ4Lずつ順次流し、50%メタノールフラクション(30.54g)、メタノールフラクション(41.56mg)として回収した。さらに上記カラムにアセトン4Lを流し、溶出時間毎にアセトンフラクションを分取した。

0075

得られた各アセトンフラクション中の蜂蜜画分について、薄層クロマトグラフィー分析を行った。Silica Gel60F254プレート(0.5mm)を用い、各サンプル10mgを1mLのアセトンに溶解したものをスポットした。ヘキサン/酢酸エチルの混合比が4/1の溶媒で展開し、乾燥後、アニスアルデヒド硫酸試液をプレートに噴霧し、105℃で加熱して発色させた。アニスアルデヒド硫酸試液は、p−アニスアルデヒド13mL、酢酸5mL及びエタノール478mLを混合し、濃硫酸18mLを滴下したものを用いた。蜂蜜画分の展開パターンは、3種類に分類されたため、それぞれ溶出時間順にアセトンフラクション1(27.8mg)、アセトンフラクション2(51.4mg)、アセトンフラクション3(9.89mg)とした。アセトンフラクション全体及びアセトンフラクション1〜3の展開結果図8に示す。アセトンフラクション1は、Rf値が0.08、0.47、0.52、0.59であるスポットを少なくとも有しており、Rf値0.59のスポットが0.52のスポットよりも発色が薄いことが特徴であった。アセトンフラクション2は、Rf値0.52及び0.59のスポットを少なくとも有していたが、Rf値0.59のスポットが最も濃く発色していることが特徴であった。アセトンフラクション3はレーン全体の発色が薄いことが特徴であった。

0076

アセトンフラクション1〜3について、それぞれのフラクションから溶媒を除去して得た蜂蜜画分を水に溶解し、各画分の蜂蜜1g/kg相当量を正常モルモットに胃内投与した。投与30分後にクエン酸(0.1M)を5分間噴霧し、噴霧開始直後から30分間の咳反射の回数を計測した。コントロールとして、蜂蜜画分水溶液の代わりに水を用いた。結果を図9に示す。アセトンフラクション1(0.14mg/kg)に高い鎮咳活性が認められた。分画前の蜂蜜と比較すると、アセトンフラクション1中の蜂蜜画分の比活性は7,143倍であった。

0077

メタノールフラクション及びアセトンフラクション1、2について、下記条件によりLCMS(Waters Mictomass Quattro Premium(ウォーターズ社製))による分析を行った。カラムはAcquity UPLC BFH C18(φ2.1×100mm、ウォーターズ社製)を用いた。移動相は0.05%ギ酸水溶液(A)、100%アセトニトリル(B)を用い、グラジエントは、5%B(0−0.25分)、5−100%B(0.25−10分、リニアグラジエント)、100%B(10−12分)、5%B(12−15分)とした。注入量は2μl、流速は0.4ml/分、カラム温度は40℃とし、UV295.8nmで検出した。また、下記条件により分子イオンピークを検出した。
MS検出法:SIR
モード:ポジティブモードm/z(cone):93.2(10)、239.1(10)、255.4(30)、257.1(30)、438.5(30)、585.3(30)、ネガティブモードm/z(cone):112.9(30)、175.0(30)、253.2(30)、255.2(30)、285.6(30)、449.8(30)、577.8(30)

0078

各フラクションについて得られたチャートを図10に示す。鎮咳活性の高かったアセトンフラクション1にのみ、2.8分の保持時間で、295.8nmの紫外線吸収を有し、m/z438[M+H]及びm/z436[M−H]の分子イオンピークを持つピークが含まれていた。また、アセトンフラクション1及びアセトンフラクション2に、保持時間5.7分のクリシンが多く含まれていた。

0079

(試験例2−3)
アカシア蜂蜜を200.00g量りとり、上記試験例2−2と同様に、Diaion HP−20を充填したカラムに蜂蜜水溶液をゆっくり5回流した後、当該カラムに、50%メタノール水溶液、メタノールをそれぞれ4Lずつ順次流した。さらに、アセトン4Lをカラムに流し、溶出時間の早いものから順に100mLを10本、続いて1000mLを3本回収した。得られたフラクションをそれぞれアセトンフラクション1−1〜1−10、アセトンフラクション2(50.59mg)、アセトンフラクション3(5.09mg)、アセトンフラクション4(3.48mg)とした。アセトンフラクション1−1〜1−10について、溶媒を除去してそれぞれ蜂蜜画分を得た。

0080

アセトンフラクション1−1〜1−10から得られた蜂蜜画分について薄層クロマトグラフィー分析を行った。Silica Gel60F254プレート(0.5mm)を用い、各サンプル10mgを1mLのアセトンに溶解したものを2回ずつスポットした。クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/1である溶媒で展開し、乾燥後、ドラーゲンドルフ試液をプレートに噴霧して発色させた。ドラーゲンドルフ試液は、次硝酸ビスマス1.7g、酢酸20mL及び蒸留水80mLを混合して調製した混合液5mL、ヨウ化カリウム40g及び蒸留水100mLを混和して調製した混和液5mL、酢酸20mL、並びに蒸留水70mLを混合することにより調製したものを用いた。各サンプルについて発色が確認されたスポットのRf値を表1に示す。アセトンフラクション1−7、1−8、1−9、1−10はRf値が0、0.74であるスポットを有していた。アセトンフラクション1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6は、Rf値0.74にスポットを有していたが、原点(Rf値0)にはスポットを有していなかった。以降の検討には、同様の傾向の展開パターンを示すアセトンフラクション1−1〜1−6の6つのフラクション(アセトンフラクション1−1−6(1.82mg))、及び1−7〜1−10の4つのフラクション(アセトンフラクション1−7−10(21.72mg))をまとめて用いた。

0081

0082

アセトンフラクション1−1−6、1−7−10、及びアセトンフラクション1−1〜1−10の混合物(アセトンフラクション1)から得られた各蜂蜜画分の蜂蜜2g/kg相当量をそれぞれ正常モルモットに胃内投与し、試験例2−2と同様の方法で鎮咳作用を調べた。コントロールとして、蜂蜜画分水溶液の代わりに、水又はDM水溶液(DM100mg/kg)を用いた。結果を図11に示す(*:p<0.01)。アセトンフラクション1−7−10(0.217mg/kg)に高い鎮咳活性が認められた。分画前の蜂蜜と比較すると、アセトンフラクション1−7−10中の蜂蜜画分の比活性は4,630倍であった。また、試験例2−2と同様にLCMS分析を行うと、アセトンフラクション1−7−10には2.8時間の保持時間で295.8nmの紫外線吸収を有し、m/z438[M+H]及びm/z436[M−H]の分子イオンピークを持つピークが含まれていたが、アセトンフラクション1−1−6には当該ピークは含まれていなかった。

0083

(試験例2−4)
アカシア蜂蜜を200.00g量りとり、水4Lに溶解して蜂蜜水溶液を調製した。Diaion HP−20を充填したカラム(φ5×31cm、500mL)に蜂蜜水溶液をゆっくり5回流した後、50%エタノールを4L流した。さらに、当該カラムにエタノール4Lを流して2Lずつ順次回収した後、アセトン4Lを流して1Lずつ回収し、それぞれ、50%エタノールフラクション(34.24g)、エタノールフラクション1(23.14mg)、エタノールフラクション2(12.71mg)、アセトンフラクション1(16.86)mg、アセトンフラクション2(26.82mg)、アセトンフラクション3−4(6.79mg)として回収した。

0084

得られた各フラクションから溶媒を除去して得た蜂蜜画分を水に溶解し、各蜂蜜画分の蜂蜜1g/kg相当量をそれぞれ正常モルモットに胃内投与し、投与30分後にクエン酸(0.1M)を5分間噴霧し、噴霧開始直後から30分間の咳反射の回数を計測した。エタノールフラクション2(0.62mg/kg)及びアセトンフラクション1(0.07mg/kg)には、DM水溶液(100mg/kg)よりは弱いものの、鎮咳効果が認められた(図示せず)。

0085

[試験例3]
(試験例3−1)
上記試験例2で得られたアセトンフラクション1−7−10の16.96mgを用いてHPLC分取を行った。カラムはCosmosil 5C−18−AR−II(φ20mm×250mm、ナカライテスク)を用いた。移動相は0.1%TFA水(A)とアセトニトリル(B)を用い、グラジエントは、50%B(0−5分)、50−100%B(5−55分、リニアグラジエント)、100%B(55−65分)、50%B(65−75分)とした。流速は10mL/分、カラム温度は40℃、注入量は50μLとし、UV245nmで検出した。それぞれ保持時間0〜25分(HPLCフラクション1、1.71mg)、25〜54分(HPLCフラクション2、3.88mg)、54分(HPLCフラクション3、1.84mg)、54〜75分(HPLCフラクション4、4.89mg)のフラクションを回収した。

0086

得られたフラクションについて2通りの方法により薄層クロマトグラフィー分析を行った。Silica Gel60F254プレート(0.5mm)を用い、各サンプル10mgを1mLのアセトンに溶解したものを1回ずつスポットした。1つめの方法として、クロロホルム/メタノール/酢酸の混合比が9/1/0.3である溶媒で展開し、乾燥後、試験例2−3と同様にドラーゲンドルフ試液をプレートに噴霧して発色させた。各サンプルについて発色が確認されたスポットのRf値を表2に示す。アセトンフラクション1についての結果を併せて示す。HPLCフラクション1では、Rf値0〜0.03及び0.56に発色したスポットが確認された。HPLCフラクション2及び3では、Rf値0〜0.03のスポットは見られなかった。

0087

0088

2つめの方法として、上記と同様にサンプルをスポットしたプレートをクロロホルム/メタノール/水の混合比が1/1/0.3である溶媒で展開し、乾燥後、ニンヒドリン試薬をプレートに噴霧し、105℃で加熱して発色させた。各サンプルについて発色が確認されたスポットのRf値を表3に示す。HPLCフラクション1では、Rf値0.06、0.44、0.47及び0.62の、発色したスポットが確認された。

0089

0090

HPLCフラクション1〜4、及び試験例2−3のアセトンフラクション1−7−10から得られた各蜂蜜画分の蜂蜜2g/kg相当量をそれぞれ正常モルモットに胃内投与し、試験例2−2と同様の方法で鎮咳作用を調べた。コントロールとして、蜂蜜画分水溶液の代わりに水を用いた。結果を図12に示す。HPLCフラクション1(0.017mg/kg)に高い鎮咳活性が認められた。分画前の蜂蜜と比較すると、HPLCフラクション1中の蜂蜜画分の比活性は58,824倍であった。また、試験例2と同様にLCMS分析を行うと、HPLCフラクション1には、2.8分の保持時間で295.8nmの紫外線吸収を有し、m/z438[M+H]及びm/z436[M−H]の分子イオンピークを持つピークが含まれていた。

0091

(試験例3−2)
試験例2−3で得られたアセトンフラクション1−7−10の14.56mgを用いて、分取する保持時間を変更した他は試験例3−1と同様の条件でHPLC分取を行った。保持時間0〜4分(HPLCフラクション1’、0.29mg)、4〜9分(HPLCフラクション2’、1.73mg)、9〜12分(HPLCフラクション3’、0.32mg)、12〜19分(HPLCフラクション4’、0.91mg)、20分(HPLCフラクション5’、0.70mg)、20〜23分(HPLCフラクション6’、1.27mg)、23〜26分(HPLCフラクション7’、0.79mg)のフラクションを回収した。

0092

得られたフラクションについて薄層クロマトグラフィー分析を行った。Silica Gel60F254プレート(0.5mm)を用い、各サンプル10mgを1mLのアセトンに溶解したものを2回ずつスポットした。クロロホルム/メタノール/水の混合比が1/1/0.3である溶媒で展開し、乾燥後、試験例3−1で用いたものと同様にニンヒドリン試薬をプレートに噴霧し、105℃で加熱して発色させた。各サンプルについて発色が確認されたスポットのRf値を表4に示す。HPLCフラクション1’では、Rf値0.05、0.12及び0.51の発色したスポットが確認された。

0093

0094

HPLCフラクション1’〜7’から得られた各蜂蜜画分の蜂蜜2g/kg相当量をそれぞれ正常モルモットに胃内投与し、試験例2−2と同様の方法で鎮咳作用を調べた。コントロールとして、蜂蜜画分水溶液の代わりに水を用いた。結果を図13に示す。HPLCフラクション1’(0.0029mg/kg)に高い鎮咳活性が認められた。分画前の蜂蜜と比較すると、HPLCフラクション1’中の蜂蜜画分の比活性は322,828倍であった。

0095

[試験例4]
(試験例4−1)
アカシア蜂蜜90.00gを0.2Mアンモニア水55mL及び水80mLで希釈してpH9の蜂蜜水溶液を調製し、1M水酸化ナトリウム水溶液及び水でコンディショニングした強塩基性陰イオン交換樹脂(II形IRA910CT CL、φ3×13cm、90mL、オルガノ社製)を充填したカラムに流した。当該カラムに、イオン交換水(1080mL)及び1M塩酸(360mL)をそれぞれこの順に流した。1M塩酸フラクションを回収し、1M塩酸及び水でコンディショニングした強酸性陽イオン交換樹脂(200CTNA、φ2×15.5cm、45mL、オルガノ社製)を充填したカラムに流した。このカラムに、イオン交換水(180mL)及び1Mアンモニア水(180mL)をそれぞれこの順に流し、1Mアンモニア水フラクション(30.76mg)を回収した。得られた各フラクションの蜂蜜1g/kg相当量に対し、試験例2−2と同様の方法により鎮咳作用を調べたところ、1Mアンモニア水フラクションに強い鎮咳活性が認められた(図14)。分画前の蜂蜜と比較すると、1Mアンモニア水フラクション中の蜂蜜画分の比活性は、3,030倍であった。

0096

試験例4−1で得られた1Mアンモニア水フラクションについて、試験例2−2と同様の条件でLCMS分析を行った。1Mアンモニア水フラクションには、2.8分の保持時間で295.8nmの紫外線吸収を有し、m/z438[M+H]及びm/z436[M−H]の分子イオンピークを持つピークが含まれていた。

0097

(試験例4−2)
アカシア蜂蜜40.00gをイオン交換水(60mL)で希釈してpH4の蜂蜜水溶液を調製し、1M塩酸及び水でコンディショニングした強酸性陽イオン交換樹脂(200CTNA、φ2×14.5cm、43mL、オルガノ社製)を充填したカラムに流した。当該カラムに、イオン交換水(344mL)、0.5Mアンモニア水(172mL)及び1Mアンモニア水(172mL)をそれぞれこの順に流し、0.5Mアンモニア水フラクション(1.94mg)及び1Mアンモニア水フラクション(62.5mg)を回収した。得られた各フラクションの蜂蜜1g/kg相当量に対し、試験例2−2と同様の方法により鎮咳作用を調べたところ、両フラクションに強い鎮咳活性が認められた(図示せず)。

0098

[試験例5]
(試験例5−1)
蜂蜜の鎮咳作用がオピオイド受容体を介するか否かを検討するため、ナロキソンの蜂蜜の鎮咳作用への影響を調べた。
亜硫酸ガス曝露モルモットを用い、クエン酸(0.1M)で咳を誘発させた。このモルモットに、アカシア蜂蜜(1g/kg)又は試験例2−1で得られたアセトンフラクション(0.7mg/kg)を胃内投与した群、ナロキソン(0.3mg/kg)を腹腔内に投与してから30分後にアカシア蜂蜜(1g/kg)又は上記アセトンフラクション(0.7mg/kg)を胃内投与した群、及び水のみを投与した群(コントロール)に分けて、咳回数を測定した。その結果、蜂蜜又はアセトンフラクションを投与した群は、コントロールに比べて有意に咳発現回数が減少した。一方、ナロキソン投与後に蜂蜜又はアセトンフラクションを投与した群では、咳回数はコントロールと同程度であった(図15)。

0099

(試験例5−2)
蜂蜜(1g/kg)又はアセトンフラクション(0.7mg/kg)を試験例3−2で得られたHPLCフラクション1’(0.0029mg/kg)に置き換えた以外は試験例5−1と同様の方法で、鎮咳作用へのナロキソンの影響を調べた。その結果、ナロキソン(0.3mg/kg)を腹腔内に投与してから30分後にHPLCフラクション1’を胃内投与した群では、ナロキソンを併用しない場合に比べて鎮咳作用が減少する傾向が確認された(図示せず)。

実施例

0100

蜂蜜の鎮咳作用はオピオイド受容体のアンタゴニストであるナロキソンの腹腔内投与により消失したことから、蜂蜜の鎮咳作用の少なくとも一部はオピオイド受容体を介した作用であることが示唆された。

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