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技術 負圧式倍力装置

出願人 株式会社アドヴィックス
発明者 仲川雅樹井上陽治服部正文
出願日 2015年5月29日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2015-110468
公開日 2016年12月28日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2016-222116
状態 特許登録済
技術分野 ブレーキシステム(ブースタ)
主要キーワード 金属可 正円形状 反動部材 球状先端 入力軸部材 可動隔壁 離間部分 弾性可
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

バルブボディフィルタの間の摺動抵抗の増大を抑制することができる負圧式倍力装置を提供する。

解決手段

本発明は、バルブボディ22で区画され大気大気弁V2とを接続する大気導入路221と、バルブボディ22に摺動可能に大気導入路221に配置され、中心部分に入力軸部材31が挿通される挿通孔51が形成されたフィルタ5と、を備え、挿通孔51の内周面51aの少なくとも一部は、バルブボディ22と入力軸部材31とが平行な状態又は入力軸部材31の最大傾斜状態において、フィルタ5の一方側と他方側とを連通させるように入力軸部材31から離間している。

概要

背景

一般に、負圧式倍力装置は、バルブボディ内に区画され大気大気弁とを接続する大気導入路と、この大気導入路に摺動可能に配置されバルブボディ内に流入する大気をろ過するフィルタと、運転者ブレーキ操作ペダル操作)に応じて前進する入力部材と、を備えている。フィルタの軸中心には、入力部材が挿通される挿通孔が形成されている。挿通孔は、挿通孔を構成するフィルタの内周面全周が入力部材の外周面に当接するように、入力部材の形状と同形状(正円)に形成されている。このような負圧式倍力装置は、例えば特開2014−125134号公報に記載されている。

概要

バルブボディとフィルタの間の摺動抵抗の増大を抑制することができる負圧式倍力装置を提供する。 本発明は、バルブボディ22で区画され大気と大気弁V2とを接続する大気導入路221と、バルブボディ22に摺動可能に大気導入路221に配置され、中心部分に入力軸部材31が挿通される挿通孔51が形成されたフィルタ5と、を備え、挿通孔51の内周面51aの少なくとも一部は、バルブボディ22と入力軸部材31とが平行な状態又は入力軸部材31の最大傾斜状態において、フィルタ5の一方側と他方側とを連通させるように入力軸部材31から離間している。

目的

本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、バルブボディとフィルタの間の摺動抵抗の増大を抑制することができる負圧式倍力装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ハウジング内を一方の負圧室と他方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに進退可能に組み付けられ一端部にて前記可動隔壁に連結されたバルブボディと、前記バルブボディ内に前記バルブボディに対して進退可能に配置され、外部からの操作力に応じて移動する入力軸部材と、前記バルブボディと前記入力軸部材の相対位置に応じて、前記変圧室と大気との間を連通・遮断する大気弁と、前記バルブボディと前記入力軸部材の相対位置に応じて、前記負圧室と前記変圧室との間を連通・遮断する負圧弁と、前記バルブボディで区画され大気と前記大気弁とを連通させる大気導入路と、前記バルブボディに摺動可能に前記大気導入路に配置され、中心部分に前記入力軸部材が挿通される挿通孔が形成されたフィルタと、を備え、前記挿通孔の内周面の少なくとも一部は、前記バルブボディと前記入力軸部材とが平行な状態、又は前記入力軸部材が非動作及び作動中に最も傾いた最大傾斜状態において、前記フィルタの一方側と他方側とを連通させるように前記入力軸部材から離間している負圧式倍力装置

請求項2

前記入力軸部材と同軸的に配置され前記フィルタに当接する筒状のリテーナを備え、前記フィルタの軸方向から見た断面における前記挿通孔の輪郭線は、前記バルブボディと前記入力軸部材とが平行な状態、又は前記入力軸部材が非動作及び作動中に最も傾いた最大傾斜状態において、前記リテーナと前記フィルタの当接面よりも前記入力軸部材側に位置している請求項1に記載の負圧式倍力装置。

請求項3

前記フィルタの軸方向から見た断面における前記挿通孔の輪郭線は、非正円形状である請求項1又は2に記載の負圧式倍力装置。

請求項4

前記挿通孔の内周面には、前記入力軸部材に向けて突出して前記入力軸部材に当接した突出部が形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の負圧式倍力装置。

請求項5

前記フィルタの軸方向から見た断面における前記挿通孔の輪郭線は、楕円形状である請求項1〜3の何れか一項に記載の負圧式倍力装置。

技術分野

0001

本発明は、負圧式倍力装置に関する。

背景技術

0002

一般に、負圧式倍力装置は、バルブボディ内に区画され大気大気弁とを接続する大気導入路と、この大気導入路に摺動可能に配置されバルブボディ内に流入する大気をろ過するフィルタと、運転者ブレーキ操作ペダル操作)に応じて前進する入力部材と、を備えている。フィルタの軸中心には、入力部材が挿通される挿通孔が形成されている。挿通孔は、挿通孔を構成するフィルタの内周面全周が入力部材の外周面に当接するように、入力部材の形状と同形状(正円)に形成されている。このような負圧式倍力装置は、例えば特開2014−125134号公報に記載されている。

先行技術

0003

特開2014−125134号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ここで、入力部材が、配置状態又は移動過程において、バルブボディの軸線に対して傾斜する構成である場合、当該傾斜した入力部材によりフィルタがバルブボディに押し付けられる。これにより、バルブボディとフィルタとの間の摺動抵抗が大きくなってしまう。摺動抵抗の増大により、負圧式倍力装置の作動において、作動初期にはバルブボディの動き出しが遅くなり、作動途中から急激にバルブボディが前進するという動きが発生し得る。つまり、摺動抵抗の増大により、運転者に不連続なペダルフィーリングを与えるおそれがある。

0005

本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、バルブボディとフィルタの間の摺動抵抗の増大を抑制することができる負圧式倍力装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の負圧式倍力装置は、ハウジング内を一方の負圧室と他方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに進退可能に組み付けられ一端部にて前記可動隔壁に連結されたバルブボディと、前記バルブボディ内に前記バルブボディに対して進退可能に配置され、外部からの操作力に応じて移動する入力軸部材と、前記バルブボディと前記入力軸部材の相対位置に応じて、前記変圧室と大気との間を連通・遮断する大気弁と、前記バルブボディと前記入力軸部材の相対位置に応じて、前記負圧室と前記変圧室との間を連通・遮断する負圧弁と、前記バルブボディで区画され大気と前記大気弁とを連通させる大気導入路と、前記バルブボディに摺動可能に前記大気導入路に配置され、中心部分に前記入力軸部材が挿通される挿通孔が形成されたフィルタと、を備え、前記挿通孔の内周面の少なくとも一部は、前記バルブボディと前記入力軸部材とが平行な状態、又は前記入力軸部材が非動作及び作動中に最も傾いた最大傾斜状態において、前記フィルタの一方側と他方側とを連通させるように前記入力軸部材から離間している。

発明の効果

0007

本発明の負圧式倍力装置によれば、フィルタに形成された挿通孔の内周面の少なくとも一部が入力軸部材から離間している。このため、入力軸部材がバルブボディに対して傾斜した際、入力軸部材が離間部分に形成された空間を移動することにより、又は離間部分により変形しやすくなった接触部分の変形により、傾斜による径方向外側への力が吸収される。したがって、フィルタがバルブボディを押し付ける力が減少し、バルブボディとフィルタの間の摺動抵抗の増加が抑制される。

図面の簡単な説明

0008

第一実施例の負圧式倍力装置の構成を示す断面図である。
第一実施例のバルブボディ内の構成を示す断面図である。
第一実施例のブレーキペダルを説明するための説明図である。
第一実施例のフィルタを示す、軸方向から見た正面図である。
入力と時間の関係を説明するための説明図である。
第二実施例のフィルタを示す、軸方向から見た正面図である。
第三実施例のフィルタを示す、軸方向から見た正面図である。
第三実施例のフィルタを示す断面図である。

実施例

0009

以下に、本発明の実施形態に係る負圧式倍力装置について図面に基づいて説明する。なお、図1及び図2におけるフィルタ5については、図3のI−I線断面で表されている。また、図4図6、及び図7において、当接面52は内周縁の線のみ表す。また、説明において、負圧式倍力装置の一方(図の左側)を前方とし、他方(図の右側)を後方とし、図の上下方向を上下方向とする。

0010

<第一実施例>
図1及び図2に示すように、負圧式倍力装置1は、主に、ハウジング10と、パワーピストン20と、ブーツ19と、入力部材30と、負圧弁V1と、大気弁V2と、リテーナ36と、フィルタ5と、を備えている。

0011

ハウジング10には、パワーピストン20が前後方向に移動可能に組付けられている。パワーピストン20は、可動隔壁21及びバルブボディ22を備えている。ハウジング10内は、可動隔壁21により前方の負圧室R1と後方の変圧室R2に区画されている。ハウジング10は、前方に配置されたフロントシェル11と、フロントシェル11の後端部に組み付けられたリヤシェル12と、を備えている。フロントシェル11には、負圧室R1を負圧源(例えば、図示省略のエンジン吸気マニホールド)に常時連通させるための負圧導入管11aが設けられている。また、フロントシェル11には、ブレーキマスタシリンダ(図示省略)の後端部が気密的に組み付けられている。ブレーキマスタシリンダのピストン(図示省略)は、そのシリンダ本体から後方に突出して負圧室R1内に突入しており、後述する出力軸35の先端部35aによって前方に押動されるように構成されている。なお、ハウジング10は、フロントシェル11及びリヤシェル12を気密的に貫通する取付ボルト12aと、リヤシェル12を気密的に貫通する取付ボルト12bと、を備えている。取付ボルト12a、12bは、ハウジング10を静止部材(すなわち車体)(図示省略)に固定する。取付ボルト12aは、前方でブレーキマスタシリンダ(図示省略)を支持する。

0012

可動隔壁21は、環状のプレート21aと、環状のダイアフラム21bとで構成されている。可動隔壁21は、ハウジング10内にて前後方向(パワーピストン20の軸方向)へ移動可能に設置されている。ダイアフラム21bは、その外周縁に形成された環状の外周ビード部21a1により、ハウジング10に気密的に挟持されている。また、ダイアフラム21bは、その内周縁に形成された環状の内周ビード部21a2により、プレート21aの内周部とともにバルブボディ22の外周部に気密的に固定されている。

0013

バルブボディ22は、可動隔壁21の内周部に連結された樹脂製の中空体であって、円筒状に形成された中間部位にてハウジング10のリヤシェル12に気密的かつ前後方向(パワーピストン20の軸方向)へ移動可能に組付けられている。バルブボディ22は、フロントシェル11との間に介装されたリターンスプリング13によって後方に向けて付勢されている。バルブボディ22には、前後方向にて貫通する段付軸孔22aが形成されている。軸孔22aの後方部分は、後述する通気孔19aと大気弁V2とを接続する大気導入路221を構成する。つまり、バルブボディ22内には、大気導入路221が形成されている。換言すると、バルブボディ22は、大気導入路221を区画している。大気導入路221は、通気孔19aを介して、大気と大気弁V2とを連通させる流路である。

0014

また、バルブボディ22には、一対の負圧連通路22b(図では一方のみ表示)が形成されている。負圧連通路22bは、後端が軸孔22aの中間段部Aに開口し、前端が負圧室R1に開口する流路である。また、バルブボディ22には、軸孔22aの前方部分に略直交し、後述するキー部材39を外周から挿通可能なキー取付孔22cが形成されている。

0015

ブーツ19は、蛇腹状の前方部位191と後方部位192とを有するゴム製の被覆部材である。ブーツ19は、バルブボディ22のハウジング10外への突出部位被覆している。前方部位191の前端部は、リヤシェル12の後端部に係合している。後方部位192は、前方部位191の後端部に一体に形成されており、バルブボディ22の後端開口を塞ぐようにバルブボディ22の後端部に配置されている。後方部位192には、複数の通気孔19aが設けられている。通気孔19aは、大気と大気導入路221とを連通させるための孔である。

0016

入力部材30は、ブレーキ操作に応じて前進する軸状部材である。具体的に、入力部材30は、入力軸(「入力軸部材」に相当する)31と、プランジャエアバルブ)32と、を備えている。入力軸31及びプランジャ32は、軸孔22aに同軸的に組み付けられている。また、プランジャ32の前方には、軸孔22aに対して、連結部材33、反動部材34、及び出力軸(出力部材)35が同軸的に組み付けられている。

0017

入力軸31は、バルブボディ22に対して進退可能であり、球状先端部31aにてプランジャ32の受承連結部32cに関節状に連結されている。入力軸31は、プランジャ32に対して揺動可能となっている。つまり、入力軸31は、プランジャ32及びバルブボディ22の軸方向に対して傾斜することができる。例えば、入力軸31は、初期状態において後端が上方となるように傾斜している。

0018

入力軸31は、図3に示すように、後端ねじ部(図示省略)にてヨークYを介してブレーキペダルPに連結されている。入力軸31は、ブレーキペダルPの操作に応じて前進する。入力軸31は、マスタシリンダ踏力を入力するための入力部材であるといえる。また、入力軸31は、その中間段部Aに係止されたリテーナ36を介してリターンスプリング37に係合していて、リターンスプリング37によって後方に向けて付勢されている。また、入力軸31に連結されているプランジャ32も、リターンスプリング37によって後方に向けて付勢されている。リテーナ36は、入力軸31と同軸的に入力軸31に対して設けられた筒状部材である。リテーナ36は、フィルタ5に当接している。リテーナ36は、リターンスプリング37の付勢力により、入力軸31(入力部材30)及びフィルタ5をブーツ19の後方部位192に向けて押圧している。リテーナ36とフィルタ5の当接面52は、環状となる(図4参照)。リテーナ36は、入力軸31を初期位置に復帰させる機能を有している。

0019

プランジャ32は、その前端部32aが連結部材33を介して反動部材34の後面中央部位に当接可能となるように配置されている。前端部32aは、連結部材33を介して、出力に対する反動部材34からの反力を部分的に受ける部分である。プランジャ32の中間部位には、環状溝部32bが形成されている。環状溝部32bは、キー部材39に係合可能に形成されている。また、プランジャ32の後端部には、大気弁V2を構成する環状の大気弁座32dが形成されている。出力軸35は、反動部材34とともにバルブボディ22の軸孔22aの前端部内に前後方向へ移動可能に組付けられている。出力軸35の先端部35aは、ブレーキマスタシリンダにおけるピストンの係合部(凹部)に押動可能に当接している。出力軸35は、制動作動時には、ブレーキマスタシリンダのピストンから受ける反力を反動部材34に伝達する。

0020

キー部材39は、バルブボディ22、プランジャ32、及びハウジング10(当接部12c)に対して当接・離脱可能であり、バルブボディ22に対するプランジャ32の軸方向に沿った移動量を規定する。キー部材39は、バルブボディ22に対するプランジャ32の前後方向移動を規定する機能と、ハウジング10に対するパワーピストン20の後方への移動限界位置(バルブボディ22の初期位置)を規定する機能を有している。キー部材39は、バルブボディ22とプランジャ32のそれぞれに対して軸方向に所要量相対移動可能に組付けられている。

0021

負圧弁V1は、プランジャ32のバルブボディ22に対する進退に応じて負圧室R1と変圧室R2との間を連通・遮断する弁機構である。換言すると、負圧弁V1は、バルブボディ22と入力軸31(入力部材30)の相対位置に応じて、負圧室R1と変圧室R2との間を連通・遮断する。負圧弁V1は、負圧弁部41b1と、負圧弁座22dと、で構成されている。負圧弁部41b1は、バルブボディ22内に配置された弁体41の一部である。

0022

弁体41は、軸孔22aに配置された全体として筒状の部材である。弁体41は、バルブボディ22の内周面に組み付けられた固定部41aと、固定部41aに対して軸方向に相対移動可能な可動部41bと、固定部41aと可動部41bとを接続する接続部41dと、を備えている。可動部41bは、固定部41aの前方側に配置されている。可動部41bは、圧縮スプリング43によって前方に向けて付勢されている。圧縮スプリング43は、前端が可動部41bに当接し、後端がリテーナ36に当接した圧縮されたスプリングであって、後端に向かうほど小径となるように形成されている。可動部41bの前端部外周側が負圧弁部41b1を構成している。換言すると、負圧弁部41b1は、可動部41bの前端部に形成されている。なお、可動部41bは、弾性材からなる弾性可動部41eと、弾性可動部41eの後面に固定されている金属材からなる環状板状に形成された金属可動部41fと、から構成されている。弾性可動部41eは接続部41dと一体的に接続されている。

0023

負圧弁座22dは、負圧連通路22bの後端部に形成されている。換言すると、負圧連通路22bの後端部分が負圧弁座22dを構成している。負圧弁部41b1が負圧弁座22dに当接(着座)した状態は負圧弁V1の閉鎖を意味し、負圧弁部41b1が負圧弁座22dから離間(離座)した状態は負圧弁V1の開口を意味する。

0024

大気弁V2は、プランジャ32のバルブボディ22に対する進退に応じて変圧室R2と大気(通気孔19a)との間を連通・遮断する弁機構である。換言すると、大気弁V2は、バルブボディ22と入力軸31(入力部材30)の相対位置に応じて、変圧室R2と大気(通気孔19a)の間を連通・遮断する。大気弁V2は、大気弁部41b2と、大気弁座32dと、で構成されている。大気弁部41b2は、弁体41の一部であり、可動部41bの前端部の内周側に形成されている。換言すると、可動部41bの前端部内周側が大気弁部41b2を構成している。大気弁部41b2は、初期位置でプランジャ32の後端面(大気弁座32d)の周方向全周に当接するように、環状に形成されている。大気弁座32dは、プランジャ32の後端部に環状に形成されている。換言すると、プランジャ32の後端部分(フランジ部分)が大気弁座32dを構成している。大気弁部41b2が大気弁座32dに当接(着座)した状態は大気弁V2の閉鎖を意味し、大気弁部41b2が大気弁座32dから離間(離座)した状態は大気弁V2の開口を意味する。

0025

フィルタ5は、バルブボディ22内に流入する空気をろ過する部材である。フィルタ5は、バルブボディ22に摺動可能に大気導入路221に配置されている。フィルタ5は、中心部分に入力軸31が挿通される挿通孔51が形成されている。図4に示すように、挿通孔51の内周面(すなわちフィルタ5の内周面)51aの少なくとも一部は、バルブボディ22と入力軸31とが平行な状態(以下、「平行状態」とも称する)又は最大傾斜状態において、フィルタ5の一方側(前方側)と他方側(後方側)とを連通させるように入力軸31から離間している。換言すると、挿通孔51の内周面51aの少なくとも一部は、軸方向に貫通路51cを形成するように入力軸31から離間している。最大傾斜状態とは、非動作時及び作動時を含む一連のブレーキ操作において、入力軸31がバルブボディ22に対して最も傾いた状態である。例えば、初期状態(ブレーキ非操作時:非動作時)の入力軸31が最大傾斜状態である場合もあるし、ブレーキ操作中(作動時)のある位置での入力軸31が最大傾斜状態である場合もある。本発明は、平行状態及び最大傾斜状態の両方で上記離間状態であるものを含む。また、フィルタ5の軸方向から見た断面(軸方向に直交する平面で切断した断面)における挿通孔51の輪郭線は、平行状態又は最大傾斜状態において、リテーナ36とフィルタ5の当接面52よりも入力軸31側(径方向内側)に位置している。

0026

第一実施例では、少なくとも平行状態において、挿通孔51の内周面51aの一部(周方向の一部)が、軸方向に貫通路51cを形成するように入力軸31から離間している。フィルタ5を軸方向から見た断面における挿通孔51の輪郭線は、非正円形状である。換言すると、入力軸31の軸方向一方側又は軸方向他方側から見た挿通孔51の輪郭線は、非正円形状である。この挿通孔51の内周面51aには、入力軸31に向けて突出して入力軸31に当接した複数の突出部51bが形成されている。第一実施例では、4つの突出部51bが内周面51aに等間隔に形成されている。すべての突出部51bは、平行状態において入力軸31に当接している。突出部51bは、内周面51aの一部といえる。図4では、突出部51bは、内周面51aにおける上下左右に形成されている。挿通孔51の内周面51aと入力軸31とが離間している部分(離間部分)が、周方向に4か所形成されている。当該離間部分により形成される貫通路51cは、軸方向から見て、通気孔19aと重なっていない(オーバーラップしていない)。

0027

第一実施例の負圧式倍力装置1によれば、突出部51bを除き、挿通孔51と入力軸31の間に隙間(離間部分)が形成されている。突出部51bは変形しやすく、変形による径方向外側への影響は、内周面51aが入力軸31に全周接触している場合と比べて小さい。このため、入力軸31がバルブボディ22に対して傾斜した際、傾斜による径方向外側への力が突出部51bの変形により吸収され、フィルタ5がバルブボディ22を押し付ける力が減少する。これにより、バルブボディ22とフィルタ5の間の摺動抵抗の増加が抑制される。

0028

例えば図5に示すように、摺動抵抗の増大が抑制されることで、入力軸31の初期揺動が大きくても、入力荷重変動(図の破線参照)の発生を抑制することができる。フィルタ5とバルブボディ22の間の摺動抵抗が大きい場合、当該摺動抵抗によりバルブボディ22の動きが阻害される。これにより、大気弁V2が開かれることによる可動隔壁21の前進とバルブボディ22の前進との間にタイムラグが生じ得る。そして、図5の破線に示すように、バルブボディ22が急に前進することによって、入力荷重の変動が発生し得る。つまり、ブレーキフィーリングの悪化が懸念される。しかし、本実施例によれば、このような現象の発生を抑制することができる。

0029

また、軸方向から見た断面における挿通孔51の輪郭線が、平行状態及び/又は最大傾斜状態において、リテーナ36とフィルタ5の当接面52よりも径方向内側(入力軸31側)に位置していることから、貫通路51cが直接大気導入路221に開口することがなく、通気孔19aから流入した空気をより確実にフィルタ5でろ過することが可能となる。

0030

また、挿通孔51の輪郭線を非正円形状とすることで、軸方向から見た外郭形状正円形状である入力軸31に対して、離間部分を容易に形成することができる。また、挿通孔51に突出部51bが形成されているため、組み付け時の入力軸31の位置決めが容易となる。第一実施例では、複数の突出部51bが設けられているため、より位置決めが容易となる。また、突出部51bは、入力軸31に対する全周接触の場合の内周面51aよりも変形しやすく、摺動抵抗の増加が効果的に抑制される。また、本実施例によれば、フィルタ5を変更するのみで良く、従来装置への適用が容易である。

0031

<第二実施例>
第二実施例の負圧式倍力装置は、第一実施例に比べて、挿通孔51の形状の点で異なっている。したがって、当該異なっている部分を説明し、他の部位についての説明は省略する。図面は、第一実施例の図面を参照できる。

0032

図6に示すように、第二実施例において、フィルタ5を軸方向から見た断面における挿通孔51の輪郭線は、楕円形状である。具体的に、この挿通孔51の輪郭線は、上下方向(入力軸31の傾斜方向と同方向)が長径となる楕円形状である。つまり、離間部分(貫通路51c)は入力軸31の上下方向に位置し、内周面51aと入力軸31とが接触している部分は入力軸31の左右方向に位置している。挿通孔51の楕円形状における短径部分(左右部分)が入力軸31に当接しており、入力軸31の位置決め効果が発揮される。

0033

また、上記挿通孔51の輪郭線は、リテーナ36とフィルタ5の当接面52よりも径方向内側(入力軸31側)に位置している。また、挿通孔51は、入力軸31の想定される最大傾斜状態において、離間部分の内周面51aと入力軸31が当接しないように形成されている。

0034

第二実施例の負圧式倍力装置によれば、第一実施例同様の効果が発揮される。さらに第二実施例では、最大傾斜状態において、挿通孔51のうち離間部分の内周面51aが入力軸31と当接しないため、入力軸31の傾斜によりフィルタ5がバルブボディ22に押し付けられることなく、摺動抵抗の増大がより効果的に抑制される。

0035

なお、フィルタ5の組み付け時に、楕円の長径が上下方向以外となるように、バルブボディ22に配置されていても良い。離間部分(貫通路51c)が入力軸31の上下方向以外に位置している場合でも、離間部分があることにより、入力軸31傾斜時にフィルタ5がバルブボディ22に押し付けられる力は減少し、摺動抵抗の増大は抑制される。また、ブレーキ操作が行われるなかで、フィルタ5が回転し、離間部分の位置が移動することも考えられる。例えば、ブレーキ操作中、入力軸31の傾斜方向と挿通孔51の長径方向が同方向になるように、フィルタ5が回転する。ブレーキ作動時に、離間部分が入力軸31の傾斜方向(上下方向)に位置することが効果的である。

0036

<第三実施例>
第三実施例の負圧式倍力装置は、第一実施例に比べて、挿通孔51の形状の点で異なっている。したがって、当該異なっている部分を説明し、他の部位についての説明は省略する。図面は、第一実施例の図面を参照できる。

0037

図7及び図8に示すように、第三実施例の挿通孔51の内周面51a全周は、平行状態において、入力軸31から離間している。さらに、第三実施例では、軸方向から見た断面における挿通孔51の輪郭線は、軸方向から見た入力軸31の外郭同様、正円形状になっている。挿通孔51の輪郭線の径は、入力軸31の径よりも大きく、当接面52の径よりも小さい。また、フィルタ5は、最大傾斜状態において、挿通孔51の内周面51aと入力軸31が当接しないように形成されている。つまり、挿通孔51の輪郭線の径は、最大傾斜状態において内周面51aと入力軸31が接触しない長さに設定されている。第三実施例の負圧式倍力装置によれば、第二実施例同様の効果が発揮される。また、挿通孔51の全周が離間部分であるため(又は輪郭線が正円形状であるため)、作業者が挿通孔51の向き(配置方向)に注意する必要がなく、フィルタ5の組み付けが容易である。ただし、組み付け時の入力軸31の位置決めの点では、第一実施例及び第二実施例が優れている。なお、第二実施例の断面図についても、図8と同様であり、図8を参照できる。

0038

<その他>
本発明は、上記実施例に限られない。例えば、挿通孔51の輪郭線は、ひし形等の多角形であっても良い。また、突出部51bは、挿通孔51の内周面51aに1つ形成されていても良い。また、突出部51bは、例えば内周面51aの前端部、軸方向中央部、及び/又は後端部に形成されるなど、内周面51aの軸方向の一部に形成されても良い。また、第二実施例及び第三実施例において、挿通孔51は、最大傾斜状態で又は最大傾斜状態になる前に、内周面51aと入力軸31が当接するように形成されても良い。この場合でも、入力軸31が傾斜した際、入力軸31が離間部分(貫通路51c内)を移動することで、摺動抵抗の増大を抑制することができる。また、取付ボルト12aは前方と後方で別部材であっても良く、負圧式倍力装置1はタイロッド式でなくても良い。

0039

また、入力軸31に外部で接続するブレーキペダルPは、リンク式であっても良い。リンク式の場合、入力軸31に傾斜が発生しやすく、本発明の適用がより効果的である。そして、ブレーキペダルPの初期位置において入力軸31がバルブボディ22に対して傾斜している場合も、上記実施例同様の効果が発揮され、本発明は効果的である。また、フィルタ5は、軸方向に重なった複数の層(分離可能又は固定)で形成されても良い。また、リテーナ36には、貫通孔が形成されていても良い。当接面52は、一部切断された環状でも良い。また、第一実施例の貫通路51cは、入力軸31の最大傾斜状態において、突出部51bを除く内周面51aが入力軸31と当接しないように形成されても良い。また、第一実施例の貫通路51cが上下(又は上下左右)に位置するように、複数の突出部51bが形成されても良い。そして、この場合も、入力軸31の最大傾斜状態において、突出部51bを除く内周面51aと入力軸31とが当接しないように、挿通孔51が形成されても良い。これによっても、入力軸31の位置決めと、摺動抵抗の低減を効果的に実現することができる。

0040

(まとめ)
本実施例の負圧式倍力装置は、以下のように記載することができる。すなわち、本実施例の負圧式倍力装置は、ハウジング10内を一方の負圧室R1と他方の変圧室R2とに区画する可動隔壁21と、ハウジング10に進退可能に組み付けられ一端部にて可動隔壁21に連結されたバルブボディ22と、バルブボディ22内にバルブボディ22に対して進退可能に配置され、外部からの操作力に応じて移動する入力軸部材31と、(バルブボディ22の他端部に配置され、バルブボディ22内と大気とを連通させる通気孔19aが形成された他端部材192と、)バルブボディ22と入力軸部材31の相対位置に応じて、変圧室R2と大気(通気孔19a)との間を連通・遮断する大気弁V2と、バルブボディ22と入力軸部材31の相対位置に応じて、負圧室R1と変圧室R2との間を連通・遮断する負圧弁V1と、バルブボディ22で区画され大気(通気孔19a)と大気弁V2とを連通させる大気導入路221と、バルブボディ22に摺動可能に大気導入路221に配置され、中心部分に入力軸部材31が挿通される挿通孔51が形成されたフィルタ5と、を備え、挿通孔51の内周面51aの少なくとも一部は、バルブボディ22と入力軸部材31とが平行な状態、又は入力軸部材31が非動作及び動作中に最も傾いた最大傾斜状態において、フィルタ5の一方側と他方側とを連通させるように入力軸部材31から離間している。
また、負圧式倍力装置は、入力軸部材31と同軸的に配置され入力軸部材31及びフィルタ5を他端部材192に向けて押圧する筒状のリテーナ36を備え、フィルタ5の軸方向から見た断面における挿通孔51の輪郭線は、バルブボディ22と入力軸部材31とが平行な状態、又は入力軸部材31が非動作及び動作中に最も傾いた最大傾斜状態において、リテーナ36とフィルタ5の当接面52よりも入力軸部材31側に位置していても良い。
また、フィルタ5の軸方向から見た断面における挿通孔51の輪郭線は、非正円形状であっても良い。また、挿通孔51の内周面51aには、入力軸部材31に向けて突出して入力軸部材31に当接した突出部51bが形成されていても良い。また、フィルタ5の軸方向から見た断面における挿通孔51の輪郭線は、楕円形状であっても良い。

0041

1…負圧式倍力装置、10…ハウジング、11…フロントシェル、12…リヤシェル、19…ブーツ、192…後方部位(他端部材)、19a…通気孔、21…可動隔壁、22…バルブボディ、221…大気導入路、31…入力軸(入力軸部材)、32…プランジャ、36…リテーナ、5…フィルタ、51…挿通孔、51a…内周面、52…当接面、R1…負圧室、R2…変圧室、V1…負圧弁、V2…大気弁。

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