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技術 ロボット装置及びステッピングモータ制御装置

出願人 ライフロボティクス株式会社
発明者 尹祐根
出願日 2015年5月28日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2015-108404
公開日 2016年12月28日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2016-221604
状態 未査定
技術分野 マニプレータ
主要キーワード 伸張距離 アームロッド 基台面 静止用 伸縮距離 連結コマ 略中心線 伸長距離
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
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図面 (8)

課題

ダイレクトティーチングにおける作業者負担軽減及び作業者の安全性向上。

解決手段

ロボット装置は、ステッピングモータアクチュエータとする関節部J1−J6を有するアーム機構と作業者によるダイレクトティーチングを制御する制御部100とを備える。制御部100は、関節部J1−J6の関節変数、アーム機構を構成するアームの重心質量に基づいて関節部にかかる自重による負荷トルクに等価で逆向きの静止トルクを計算するトルク計算部104と、ステッピングモータに静止トルクを発生させるために必要な励磁電流値を計算する電流値計算部105と、励磁電流値を静止指令とともにステッピングモータのドライバに出力する出力部107と、これら計算処理、励磁電流値と静止指令の出力処理を作業者によるアームの手動操作期間にわたって繰り返すために各部を制御するシステム制御部101とを有する。

概要

背景

ステッピングモータは、回転角パルス信号の数に比例するので基本的にフィードバック回路の必要性がなく、オープンループ制御が可能であることで、ACモータDCモータよりも有利である反面、過負荷がかかったり、パルス周波数が高すぎると同期外れで制御が乱れるいわゆる「脱調」が生じるとのデメリットがある。このデメリットによりロボット装置アクチュエータとしてステッピングモータを採用することは一般的ではない。

その一方で、ロボット装置では、オペレータロボットアームが動くべき作業点経由点、また作業点での手先作業内容などの動作をロボット装置に教示する必要があり、実際に作業者アームを動かしてその動作を教示することをダイレクトティーチングと呼ばれる。

一般的には、ダイレクトティーチングでは、ロボットアームの重量により一人の作業者では動かせない事態も生じている。典型的には、ロボットアームの重量をカウンターウェイトによりキャンセルし、またモータアシスト機能により作業者がロボットアームを動かす方向にアクチュエータで動かすような制御により、作業者がロボットアームを動かす力を軽減させるように様々な対策がなされている。

前者の対策では、ロボットアーム自体の重量が増加してしまう。後者では駆動されたロボットアームの移動による作業者に衝突する恐れがないとはいえない。

概要

ダイレクトティーチングにおける作業者の負担軽減及び作業者の安全性向上。ロボット装置は、ステッピングモータをアクチュエータとする関節部J1−J6を有するアーム機構と作業者によるダイレクトティーチングを制御する制御部100とを備える。制御部100は、関節部J1−J6の関節変数、アーム機構を構成するアームの重心質量に基づいて関節部にかかる自重による負荷トルクに等価で逆向きの静止トルクを計算するトルク計算部104と、ステッピングモータに静止トルクを発生させるために必要な励磁電流値を計算する電流値計算部105と、励磁電流値を静止指令とともにステッピングモータのドライバに出力する出力部107と、これら計算処理、励磁電流値と静止指令の出力処理を作業者によるアームの手動操作期間にわたって繰り返すために各部を制御するシステム制御部101とを有する。

目的

目的は、ダイレクトティーチングにおける作業者の負担軽減及び作業者の安全性向上にステッピングモータの脱調現象活用することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ステッピングモータアクチュエータとする関節部を有するアームを備えたロボット装置ダイレクトティーチング制御装置において、前記関節部の関節変数、前記アームの重心質量に基づいて前記関節部にかかる自重による負荷トルクに等価で逆向きの静止トルクを計算するトルク計算部と、前記ステッピングモータに前記静止トルクを発生させるために必要な励磁電流値を計算する電流値計算部と、前記励磁電流値を静止指令とともに前記ステッピングモータのドライバに出力する出力部と、前記静止トルクの計算処理、前記励磁電流値の計算処理、前記励磁電流値と前記静止指令の出力処理オペレータによる前記アームの手動操作期間にわたって繰り返すために前記トルク計算部、前記電流値計算部、前記出力部を制御する制御部とを具備することを特徴とするダイレクトティーチング制御装置。

請求項2

前記アーム機構は、基部と、前記基部の略中心線に係る第1軸回りねじり回転間接部と前記第1軸に直交する第2軸回りの曲げ回転間接部と前記第2軸に直交する第3軸に沿った直動伸縮性を有する直動伸縮関節部とを有し、前記制御部は、前記ねじり回転間接部に対しては前記静止トルクの計算処理、前記励磁電流値の計算処理、前記励磁電流値と前記静止指令の出力処理を実行しないことを特徴とする請求項1記載のダイレクトティーチング制御装置。

請求項3

前記制御部は、前記ねじり回転間接部とともに前期直動伸縮関節部に対しても前記静止トルクの計算処理、前記励磁電流値の計算処理、前記励磁電流値と前記静止指令の出力処理を実行しないことを特徴とする請求項2記載のダイレクトティーチング制御装置。

請求項4

ステッピングモータをアクチュエータとする関節部を有するアームを備えたアーム機構と、前記アームへのオペレータによるダイレクトティーチングを制御するダイレクトティーチング制御部とを備え、前記ダイレクトティーチング制御部は、前記関節部の関節変数、前記アームの重心質量に基づいて前記関節部にかかる自重による負荷トルクに等価で逆向きの静止トルクを計算するトルク計算部と、前記ステッピングモータに前記静止トルクを発生させるために必要な励磁電流値を計算する電流値計算部と、前記励磁電流値を静止指令とともに前記ステッピングモータのドライバに出力する出力部と、前記静止トルクの計算処理、前記励磁電流値の計算処理、前記励磁電流値と前記静止指令の出力処理をオペレータによる前記アームの手動操作期間にわたって繰り返すために前記トルク計算部、前記電流値計算部、前記出力部を制御する制御部とを有することを特徴とするロボット装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態はロボット装置及びステッピングモータ制御装置に関する。

背景技術

0002

ステッピングモータは、回転角パルス信号の数に比例するので基本的にフィードバック回路の必要性がなく、オープンループ制御が可能であることで、ACモータDCモータよりも有利である反面、過負荷がかかったり、パルス周波数が高すぎると同期外れで制御が乱れるいわゆる「脱調」が生じるとのデメリットがある。このデメリットによりロボット装置のアクチュエータとしてステッピングモータを採用することは一般的ではない。

0003

その一方で、ロボット装置では、オペレータロボットアームが動くべき作業点経由点、また作業点での手先作業内容などの動作をロボット装置に教示する必要があり、実際に作業者アームを動かしてその動作を教示することをダイレクトティーチングと呼ばれる。

0004

一般的には、ダイレクトティーチングでは、ロボットアームの重量により一人の作業者では動かせない事態も生じている。典型的には、ロボットアームの重量をカウンターウェイトによりキャンセルし、またモータアシスト機能により作業者がロボットアームを動かす方向にアクチュエータで動かすような制御により、作業者がロボットアームを動かす力を軽減させるように様々な対策がなされている。

0005

前者の対策では、ロボットアーム自体の重量が増加してしまう。後者では駆動されたロボットアームの移動による作業者に衝突する恐れがないとはいえない。

発明が解決しようとする課題

0006

目的は、ダイレクトティーチングにおける作業者の負担軽減及び作業者の安全性向上にステッピングモータの脱調現象活用することにある。

課題を解決するための手段

0007

本実施形態による「ステッピングモータをアクチュエータとする関節部を有するアームを備えたロボット装置のダイレクトティーチング制御装置」は、関節部の関節変数、アームの重心質量に基づいて関節部にかかる自重による負荷トルクに等価で逆向きの静止トルクトルク計算部で計算する。この静止トルクをステッピングモータに発生させるために必要な励磁電流値電流値計算部で計算する。出力部は励磁電流値を静止指令とともにステッピングモータのドライバに出力する。制御部によるトルク計算部、電流値計算部、出力部の制御により、静止トルクの計算処理、励磁電流値の計算処理、励磁電流値と静止指令の出力処理をオペレータによるアームの手動操作期間にわたって繰り返す。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本実施形態に係るロボット装置のロボットアーム機構外観斜視図である。
図2は、図1のロボットアーム機構の内部構造を示す側面図である。
図3は、図1のロボットアーム機構の構成を図記号表現により示す図である。
図4は、本実施形態に係るロボット装置の構成を示すブロック図である
図5は、図4のダイレクトティーチング制御装置によるダイレクトティーチング時のアーム保持制御手順を説明するためのフローチャートである。
図6は、図5の手順の説明補足図であって、アーム機構の3種の姿勢を示す図である。
図7は、図5の手順の説明補足図であって、図6姿勢変化に応じた、関節部J2のステッピングモータへの静止用励磁電流値の時間変化を示す図である。

実施例

0009

以下、図面を参照しながら本実施形態に係るロボット装置又はそれに装備されるダイレクトティーチング制御装置を説明する。本実施形態に係るダイレクトティーチング制御装置は、ロボットハンドによる作業が行われる作業位置や、作業位置から次の作業位置までに経由する経由位置等の手先軌道を作業者がロボット装置の、例えばロボットハンドを直接手で持って動かしてロボット装置に記憶させる、いわゆるダイレクトティーチングを支援するものである。ロボット装置は、ステッピングモータをアクチュエータとする関節部を有するロボットアーム機構を備える。当該ロボット装置としては、垂直多関節アーム機構を例に説明する。特に複数の関節部のうち一が直動伸縮関節を備えた垂直多関節アーム機構として説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。

0010

本実施形態の主題は、ダイレクトティーチングにおける作業者の負担軽減及び作業者の安全性向上にステッピングモータの脱調現象を積極的に活用することにある。つまり、関節部にはそのアームの自重による負荷トルクがかかる。その負荷トルクを関節変数、アームの重心質量等に基づいて計算する。それと等価で逆向きの静止トルクをステッピングモータで発生させる。それによりアームはその位置でその自重と釣り合った状態で静止する。その状態で作業者がダイレクトティーチングにおいてアームを動かすと、静止トルクを超過する過負荷によりステッピングモータは脱調を生じる。従って作業者はアームを軽快に移動させることができる。アームが移動している間、その位置、姿勢ごとに静止トルクの計算が繰り返され、その位置でアームはその自重と釣り合う状態が維持される。このようにロボット装置の関節部のアクチュエータにステッピングモータを採用し、ステッピングモータに静止トルクを生じさせるようその駆動制御をすることで、ダイレクトティーチングにおける作業者の負担軽減及び作業者の安全性向上を実現できる。

0011

図1は、本実施形態に係るロボット装置の外観斜視図である。ロボット装置を構成するロボットアーム機構は、略円筒形状の基部10と基部10に接続されるアーム部2とアーム部2の先端に取り付けられる手首部4とを有する。手首部4には図示しないアダプタが設けられている。例えば、アダプタは後述の第6回転軸RA6の回転部に設けられる。手首部4に設けられたアダプタには、用途に応じたロボットハンドが取り付けられる。

0012

ロボットアーム機構は、複数、ここでは6つの関節部J1,J2,J3,J4,J5,J6を有する。複数の関節部J1,J2,J3,J4,J5,J6は基部10から順番に配設される。一般的に、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3は根元3軸と呼ばれ、第4、第5、第6関節部J4,J5,J6はロボットハンドの姿勢を変化させる手首3軸と呼ばれる。手首部4は第4、第5、第6関節部J4,J5,J6を有する。根元3軸を構成する関節部J1,J2,J3の少なくとも一つは直動伸縮関節である。ここでは第3関節部J3が直動伸縮関節部、特に伸縮距離の比較的長い関節部として構成される。アーム部2は直動伸縮関節部J3(第3関節部J3)の伸縮部分を表している。

0013

第1関節部J1は基台面に対して例えば垂直に支持される第1回転軸RA1を中心としたねじり関節である。第2関節部J2は第1回転軸RA1に対して垂直に配置される第2回転軸RA2を中心とした曲げ関節である。第3関節部J3は、第2回転軸RA2に対して垂直に配置される第3軸(移動軸)RA3を中心として直線的にアーム部2が伸縮する関節である。

0014

第4関節部J4は、第4回転軸RA4を中心としたねじり関節である。第4回転軸RA4は、後述の第7関節部J7が回転していないとき、つまりアーム部2の全体が直線形状にあるとき、第3移動軸RA3と略一致する。第5関節部J5は第4回転軸RA4に対して直交する第5回転軸RA5を中心とした曲げ関節である。第6関節部J6は第4回転軸RA4に対して直交し、第5回転軸RA5に対して垂直に配置される第6回転軸RA6を中心とした曲げ関節である。

0015

基部10を成すアーム支持体(第1支持体)11aは、第1関節部J1の第1回転軸RA1を中心に形成される円筒形状の中空構造を有する。第1関節部J1は図示しない固定台に取り付けられる。第1関節部J1が回転するとき、アーム部2は第1支持体11aの軸回転とともに左右に旋回する。なお、第1支持体11aが接地面に固定されていてもよい。その場合、第1支持体11aとは独立してアーム部2が旋回する構造に設けられる。第1支持体11aの上部には第2支持部11bが接続される。

0016

第2支持部11bは第1支持部11aに連続する中空構造を有する。第2支持部11bの一端は第1関節部J1の回転部に取り付けられる。第2支持部11bの他端は開放され、第3支持部11cが第2関節部J2の第2回転軸RA2において回動自在に嵌め込まれる。第3支持部11cは第1支持部11a及び第2支持部に連通する鱗状外装からなる中空構造を有する。第3支持部11cは、第2関節部J2の曲げ回転に伴ってその後部が第2支持部11bに収容され、また送出される。ロボットアーム機構の直動伸縮関節部J3(第3関節部J3)を構成するアーム部2の後部はその収縮により第1支持部11aと第2支持部11bの連続する中空構造の内部に収納される。

0017

第3支持部11cはその後端下部において第2支持部11bの開放端下部に対して第2回転軸RA2を中心として回動自在に嵌め込まれる。それにより第2回転軸RA2を中心とした曲げ関節部としての第2関節部J2が構成される。第2関節部J2が回動するとき、アーム部2は第2回転軸RA2を中心に垂直方向に回動、つまり起伏動作をする。

0018

第4関節部J4は、アーム部2の伸縮方向に沿ったアーム中心軸、つまり第3関節部J3の第3移動軸RA3に典型的には接する第4回転軸RA4を有するねじり関節である。第4関節部J4が回転すると、手首部4及び手首部4に取り付けられたロボットハンドは第4回転軸RA4を中心に回転する。第5関節部J5は、第4関節部J4の第4回転軸RA4に対して直交する第5回転軸RA5を有する曲げ関節部である。第5関節部J5が回転すると、第5関節部J5から先端にかけてロボットハンドとともに上下(第5回転軸RA5を中心に垂直方向)に回動する。第6関節部J6は、第4関節部J4の第4回転軸RA4に直交し、第5関節部J5の第5回転軸RA5に垂直な第6回転軸RA6を有する曲げ関節である。第6関節部J6が回転すると、ロボットハンドは左右に旋回する。

0019

上記の通り手首部4のアダプタに取り付けられたロボットハンドは、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3により任意位置に移動され、第4、第5、第6関節部J4、J5、J6により任意姿勢に配置される。特に第3関節部J3のアーム部2の伸縮距離の長さは、基部10の近接位置から遠隔位置までの広範囲の対象にロボットハンドを到達させることを可能にする。第3関節部J3はそれを構成する直動伸縮機構により実現される直線的な伸縮動作とその伸縮距離の長さとが特徴的である。

0020

図2は、図1のロボットアーム機構の内部構造を示す斜視図である。直動伸縮機構はアーム部2と射出部30とを有する。アーム部2は第1連結コマ列21と第2連結コマ列22とを有する。第1連結コマ列21は複数の第1連結コマ23からなる。第1連結コマ23は略平板形に構成される。前後の第1連結コマ23は、互いの端部箇所においてピンにより屈曲自在に列状に連結される。第1連結コマ列21は内側や外側に自在に屈曲できる。

0021

第2連結コマ列22は複数の第2連結コマ24からなる。第2連結コマ24は横断面コ字形状の短溝状体に構成される。前後の第2連結コマ24は、互いの底面端部箇所においてピンにより屈曲自在に列状に連結される。第2連結コマ列22は内側に屈曲できる。第2連結コマ24の断面はコ字形状であるので、第2連結コマ列22は、隣り合う第2連結コマ24の側板同士が衝突して、外側には屈曲しない。なお、第1、第2連結コマ23、24の第2回転軸RA2に向いた面を内面、その反対側の面を外面というものとする。第1連結コマ列21のうち先頭の第1連結コマ23と、第2連結コマ列22のうち先頭の第2連結コマ24とは結合コマ27により接続される。例えば、結合コマ27は第2連結コマ24と第1連結コマ23とを合成した形状を有している。

0022

射出部30は、複数の上部ローラ31と複数の下部ローラ32とが角筒形状のフレーム35に支持されてなる。例えば、複数の上部ローラ31は第1連結コマ23の長さと略等価な間隔を隔ててアーム中心軸に沿って配列される。同様に、複数の下部ローラ32は第2連結コマ24の長さと略等価な間隔を隔ててアーム中心軸に沿って配列される。射出部30の後方には、ガイドローラ40とドライブギア50とが第1連結コマ列21を挟んで対向するように設けられる。ドライブギア50は図示しない減速器を介してステッピングモータ330に接続される。第1連結コマ23の内面には連結方向に沿ってリニアギアが形成されている。複数の第1連結コマ23が直線状に整列されたときに互いのリニアギアは直線状につながって、長いリニアギアを構成する。ドライブギア50は、直線状のリニアギアにかみ合わされる。直線状につながったリニアギアはドライブギア50とともにラックアンドピニオン機構を構成する。

0023

アーム伸長時、モータ55が駆動し、ドライブギア50が順回転すると、第1連結コマ列21はガイドローラ40により、アーム中心軸と平行な姿勢となって、上部ローラ31と下部ローラ32との間に誘導される。第1連結コマ列21の移動に伴い、第2連結コマ列22は射出部30の後方に配置された図示しないガイドレールにより射出部30の上部ローラ31と下部ローラ32との間に誘導される。上部ローラ31と下部ローラ32との間に誘導された第1、第2連結コマ列21,22は互いに押圧される。これにより、第1、第2連結コマ列21,22による柱状体が構成される。射出部30は、第1、第2連結コマ列21,22を接合して柱状体を構成するとともに、その柱状体を上下左右に支持する。第1、第2連結コマ列21、22の接合による柱状体が射出部30により堅持されることで、第1、第2連結コマ列21,22の接合状態が保持される。第1、第2連結コマ列21、22の接合状態が維持されているとき、第1、第2連結コマ列21,22の屈曲は互いに拘束される。それにより第1、第2連結コマ列21、22は、一定の剛性を備えた柱状体を構成する。柱状体とは、第2連結コマ列22に第1連結コマ列21が接合されてなる柱状の棒体を言う。この柱状体は第2連結コマ24が第1連結コマ23とともに全体として様々な断面形状の筒状体に構成される。筒状体とは上下左右が天板底板及び両側板で囲まれ、前端部と後端部とが開放された形状として定義される。第1、第2連結コマ列21、22の接合による柱状体は、結合コマ27が始端となって、第3移動軸RA3に沿って直線的に第3支持部11cの開口から外に向かって送り出される。

0024

アーム収縮時、モータ55が駆動し、ドライブギア50が逆回転されると、ドライブギア50と係合している第1連結コマ列21が第1支持体11a内に引き戻される。第1連結コマ列の移動に伴って、柱状体が第3支持体11c内に引き戻される。引き戻された柱状体は射出部30後方で分離される。例えば、柱状体を構成する第1連結コマ列21はガイドローラ40とドライブギア50とに挟まれ、柱状体を構成する第2連結コマ列22は重力により下方に引かれ、それにより第2連結コマ列22と第1連結コマ列21とは互いに離反される。離反された第1、第2連結コマ列21,22はそれぞれ屈曲可能な状態に復帰する。収納に際しては、射出部30から、第1支持体11a(基部10)の内部の収納部に第2連結コマ列22は内側に屈曲されて搬送され、第1連結コマ列21も第2連結コマ列22と同じ方向(内側)に屈曲されて搬送される。第1連結コマ列21は第2連結コマ列22に略平行な状態で格納される。

0025

図3は、図1のロボットアーム機構を図記号表現により示す図である。ロボットアーム機構において、根元3軸を構成する第1関節部J1と第2関節部J2と第3関節部J3とにより3つの位置自由度が実現される。また、手首3軸を構成する第4関節部J4と第5関節部J5と第6関節部J6とにより3つの姿勢自由度が実現される。

0026

ロボット座標系Σbは第1関節部J1の第1回転軸RA1上の任意位置を原点とした座標系である。ロボット座標系Σbにおいて、直交3軸(Xb、Yb,Zb)が規定されている。Zb軸は第1回転軸RA1に平行な軸である。Xb軸とYb軸とは互いに直交し、且つZb軸に直交する軸である。手先座標系Σhは、手首部4に取り付けられたロボットハンド5の任意位置(手先基準点)を原点とした座標系である。例えば、ロボットハンド5が2指ハンドのとき、手先基準点(以下、単に手先という。)の位置は2指先間中央位置に規定される。手先座標系Σhにおいて、直交3軸(Xh、Yh,Zh)が規定されている。Zh軸は第6回転軸RA6に平行な軸である。Xh軸とYh軸とは互いに直交し、且つZh軸に直交する軸である。例えば、Xh軸は、ロボットハンド5の前後方向に平行な軸である。手先姿勢とは、手先座標系Σhのロボット座標系Σbに対する直交3軸各々周りの回転角(Xh軸周りの回転角(ヨウ角)α、Yh軸周りの回転角(ピッチ角)β、Zh軸周りの回転角(ロール角)γとして与えられる。

0027

第1関節部J1は、第1支持部11aと第2支持部11bとの間に配設されており、回転軸RA1を中心としたねじり関節として構成されている。回転軸RA1は第1関節部J1の固定部が設置される基台の基準面BPに垂直に配置される。

0028

第2関節部J2は回転軸RA2を中心とした曲げ関節として構成される。第2関節部J2の回転軸RA2は空間座標系上のXb軸に平行に設けられる。第2関節部J2の回転軸RA2は第1関節部J1の回転軸RA1に対して垂直な向きに設けられる。さらに第2関節部J2は、第1関節部J1に対して、第1回転軸RA1の方向(Zb軸方向)と第1回転軸RA1に垂直なYb軸方向との2方向に関してオフセットされる。第2関節部J2が第1関節部J1に対して上記2方向にオフセットされるように、第2支持体11bは第1支持体11aに取り付けられる。第1関節部J1に第2関節部J2を接続する仮想的なアームロッド部分(リンク部分)は、先端が直角に曲がった2つの形状体が組み合わされたクランク形状を有している。この仮想的なアームロッド部分は、中空構造を有する第1、第2支持体11a、11bにより構成される。

0029

第3関節部J3は移動軸RA3を中心とした直動伸縮関節として構成される。第3関節部J3の移動軸RA3は第2関節部J2の回転軸RA2に対して垂直な向きに設けられる。第2関節部J2の回転角がゼロ度、つまりアーム部2の起伏角がゼロ度であってアーム部2が水平な基準姿勢においては、第3関節部J3の移動軸RA3は、第2関節部J2の回転軸RA2とともに第1関節部J1の回転軸RA1にも垂直な方向に設けられる。空間座標系上では、第3関節部J3の移動軸RA3はXb軸及びZb軸に対して垂直なYb軸に平行に設けられる。さらに、第3関節部J3は、第2関節部J2に対して、その回転軸RA2の方向(Yb軸方向)と、移動軸RA3に直交するZb軸の方向との2方向に関してオフセットされる。第3関節部J3が第2関節部J2に対して上記2方向にオフセットされるように、第3支持体11cは第2支持体11bに取り付けられる。第2関節部J2に第3関節部J3を接続する仮想的なアームロッド部分(リンク部分)は、先端が垂直に曲がった鈎形状体を有している。この仮想的なアームロッド部分は、第2、第3支持体11b、11cにより構成される。

0030

第4関節部J4は回転軸RA4を中心としたねじり関節として構成される。第4関節部J4の回転軸RA4は第3関節部J3の移動軸RA3に略一致するよう配置される。
第5関節部J5は回転軸RA5を中心とした曲げ関節として構成される。第5関節部J5の回転軸RA5は第3関節部J3の移動軸RA3及び第4関節部J4の回転軸RA4に略直交するよう配置される。
第6関節部J6は回転軸RA6を中心としたねじり関節として構成される。第6関節部J6の回転軸RA6は第4関節部J4の回転軸RA4及び第5関節部J5の回転軸RA5に略直交するよう配置される。第6関節部J6は手先効果器としてのロボットハンド5を左右に旋回するために設けられている。なお、第6関節部J6は、その回転軸RA6が第4関節部J4の回転軸RA4及び第5関節部J5の回転軸RA5に略直交する曲げ関節として構成されてもよい。

0031

このように複数の関節部J1−J6の根元3軸のうちの一つの曲げ関節部を直動伸縮関節部に換装し、第1関節部J1に対して第2関節部J2を2方向にオフセットさせ、第2関節部J2に対して第3関節部J3を2方向にオフセットさせることにより、本実施形態に係るロボット装置のロボットアーム機構は、特異点姿勢を構造上解消している。

0032

図4は、本実施形態に係るロボット装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るロボット装置のロボットアーム機構の関節部J1,J2,J3,J4,J5、J6には、アクチュエータとして、それぞれステッピングモータ310,320,330,340,350,360が設けられている。ここでは、ステッピングモータは5相ステッピングモータとする。ステッピングモータ310,320,330,340,350,360には、ドライバユニット210、220,230,240,250,260が電気的に接続されている。典型的には、ドライバユニット210、220,230,240,250,260は、それぞれ制御対象のステッピングモータに併設される。これらドライバユニット210、220,230,240,250,260は、同一の構成を有し、ダイレクトティーチング制御装置100からの制御信号に従って、制御対象のステッピングモータに対して同一の動作をする。ここでは、ドライバユニット210のみ説明し、他のドライバユニット220,230,240,250,260の説明は省略する。

0033

ドライバユニット210は、ステッピングモータ310の駆動および停止を制御する。ドライバユニット210は、制御部211と、電源回路212と、パルス信号発生部213と、ロータリーエンコーダ215と、カウンタ217とを有する。制御部211は、ダイレクトティーチング制御装置100から入力された指令値に従って、ドライバユニット210を統括して制御する。

0034

周知の通り、ステッピングモータ310は、ドライブシャフトが接続されたロータの周囲に複数のステータコイルを配置してなる。ステータコイルはスイッチング素子を介して電源回路に接続される。これらスイッチング素子をパルス信号により順番にオンさせることでロータは所定のステップ角で順次回転する。パルス信号の周波数(パルス周波数)を変化させることで回転速度を変える事ができる。特定のスイッチング素子のオン状態を継続させ、特定のステータコイルの通電状態を継続させることによりステッピングモータ310を静止させることができる。このときの静止トルクは電源回路からステータコイルに供給する励磁電流を変化させることで変更させることができる。なお、静止トルクはアームの自重による負荷トルクと釣り合うトルクであり、いわゆる励磁最大静止トルクとは明確に区別される。

0035

制御部211にはダイレクトティーチング制御装置100からステッピングモータ310の励磁電流値を表す指令コードが入力される。制御部211は、電源回路212に対して、指令コードに応じた制御信号を出力する。電源回路212は、電流可変のAC/DC変換方式電源回路であり、指令コードにより指定された励磁電流値の電流を発生する。発生された励磁電流はステッピングモータ310のステータコイルに供給される。

0036

また、ドライバユニット210内の制御部211には、ダイレクトティーチング制御装置100からステッピングモータ310を現在位置で静止させるための静止指令信号が入力される。ステッピングモータ310は、現在位置に対応する相のステータコイルに継続的に電流を供給することによりその位置で静止する。そのために、静止指令信号として例えば関節部J1の現在の関節角度θ1(t)(関節変数)を表すコードが与えられる。同様に、関節部J2,J4、J5,J6に対応するドライバユニット220,240,250,260各々には現在の関節角度θ2(t)、θ4(t)、θ5(t)、θ6(t)を表すコードを含む静止指令信号が、関節部J3に対応するドライバユニット230には現在の伸張距離直動変位)L3(t)を表すコードを含む静止指令信号がダイレクトティーチング制御装置100から入力される。なお、関節部J1,J2,J4,J5、J6において、関節角度とは、基準位置からの正負回転角度を表し、関節部J3において、伸縮距離とは、最も収縮した状態からの距離を表す。関節角度と伸長距離とを関節変数と総称する。

0037

パルス信号発生部213は、現在の関節変数から、制御部211から指示された所定の制御周期△t(例えば10ms)後の関節角度との差をステップ角で除算することによりパルス数を決定し、制御周期△tをパルス数で除算しその逆数によりパルス周波数を決定する。静止時には、制御部211からは、所定の制御周期△t(例えば10ms)後の関節角度として、現在の関節変数が与えられる。それによりステッピングパルスはステッピングモータ310の複数の相(コイル)のうち、ステッピングモータ310の現在位置に対応する相だけに出力される。これにより、ステッピングモータ310は現在位置で留まることができる。このとき、ステッピングモータ310には、励磁電流値に応じた静止トルクが発生する。

0038

ロータリーエンコーダ215は、ステッピングモータ310のドライブシャフトに接続され、一定の回転角ごとにパルス信号(エンコーダパルス)を出力する。カウンタ217は、ロータリーエンコーダ215から出力されたエンコーダパルスの数を回転方向に応じて加減算することによりカウント数を計算する。このカウント数はステッピングモータ310のドライブシャフトの基準位置(原点)でリセットされる。カウンタ217は、リセット回数とカウント数とに基づいて関節部J1の関節角度θ1(t)(関節変数)を計算する。

0039

ダイレクトティーチング制御装置100は、システム制御部101と、操作部インターフェース102と、位置・姿勢記憶部103と、ダイナミクス計算部104と、静止用励磁電流決定部105と、出力部107と、ドライバユニットインターフェース106とを有する。ダイレクトティーチング制御装置100には、ドライバユニット210から、カウンタ217により計算された関節部J1−J6各々の現在の関節変数に関するデータがドライバユニットインターフェース106を介して所定の制御周期毎(例えば、10ms毎)に入力される。

0040

システム制御部101は、CPU(Central Processing Unit)と半導体メモリ等を有し、ダイレクトティーチング制御装置100を統括して制御する。システム制御部101には、制御/データバス109を介して各部が接続されている。

0041

ダイレクトティーチング制御装置100には、操作部インターフェース102を介して操作部50が接続されている。操作部50は、ダイレクトティーチングにおいて作業者が作業位置や経由位置、各作業位置での手先作業内容等を登録するためのインターフェースとして機能する。例えば、操作部50は、ロボット装置の制御モードを、通常のモードからダイレクトティーチングのモードに切り替えるための切り替えスイッチを備える。また、操作部50は、作業者が手先軌道を登録するための登録スイッチを備える。システム制御部101は、登録スイッチが押されたときの関節部J1−J6の関節変数のセットを登録スイッチが押された順番とともに後述の位置・姿勢記憶部103に順次記憶させる。操作部50を構成する入力デバイスは、他のデバイス、例えば、マウスキーボードトラックボールおよびタッチパネル等で代替が可能である。

0042

位置・姿勢記憶部103は、ダイレクトティーチングにより作業者により教示された動作シーケンスデータを記憶する。動作シーケンスデータにおいて、手先基準点の始点、終点及び始点と終点との間の中間点とがロボット座標系で記述されている。これら各点には、関節部J1−J6各々の関節変数の値、移動時間、ロボットハンドの作業内容等の指令値が関連付けされている。移動時間とロボットハンドの作業内容とは、操作部50を介した作業者の操作に従って、ダイレクトティーチング期間に登録されてもよいし、それ以外の期間に登録されてもよい。

0043

ダイナミクス計算部104はそのROMに6つの関節部J1−J6にそれぞれ対応するダイナミクスモデル保管している。ダイナミクスモデルは、各関節部J1−J6にかかるトルクを関節変数に基づいて計算するための計算式である。ダイナミクスモデルは、当該ロボットアーム機構の構造的特徴、つまり関節部J1−J6を連結するリンク各々の重心位置、リンク質量、リンク長等に基づいて関節部J1−J6ごとに事前に計算されている。例えば、関節部J1には、ロボットアーム機構における関節部J1より先の構造的特徴に応じた自重による負荷トルクが発生される。例えば関節部J1用のダイナミクスモデルに、関節部J1−J6各々の現在の関節変数を適用することにより、関節部J1にかかるアーム自重による負荷トルクが計算される。さらにこの自重による負荷トルクに等価で逆向きのトルクが計算される。このトルクを関節部J1に発生させることにより、関節部J1ではアーム部2は重量と釣り合った状態で静止する。以下、このトルクを静止トルクと称する。他の関節部J2−J6も同様にそれぞれ対応するダイナミクスモデルにその時々の全関節部J1−J6の関節変数を適用することにより、アーム部2の自重に釣り合って静止するために関節部J2−J5に必要とされる静止トルクT2(t)〜T6(t)が計算される。

0044

静止用励磁電流決定部105は、ステッピングモータ310に供給する励磁電流の励磁電流値Is1(t)を決定する。静止用励磁電流決定部105は、ステッピングモータ310のトルクと励磁電流値とを対応付け対応表のデータを保持する。静止用励磁電流決定部105は、対応表を参照し、ダイナミクス計算部104で計算された関節部J1の静止トルクT1(t)に対応する静止用の励磁電流値Is1(t)を決定する。静止用励磁電流決定部105は、同様の方法で、関節部J2−J6の静止用の励磁電流値Is2(t)〜Is6(t)を計算する。

0045

なお、ここでは、静止用励磁電流決定部105は、ダイナミクス計算部104により計算された関節部J1の静止トルクT1(t)に対応する静止用の励磁電流値Is1(t)を決定した。しかしながら、ダイナミクス計算部104による静止トルクの計算には、ロボットアーム機構の内部の摩擦力等の誤差要因が含まれている。したがって、静止用励磁電流決定部105は、関節部J1にダイナミクス計算部104により計算された静止トルクT1(t)よりもわずかに大きい静止トルクを発生させるために、例えば、計算された静止トルクの1.1倍に対応する静止用の励磁電流値を決定してもよい。

0046

出力部107は、システム制御部101の制御に従って、ダイレクトティーチング制御装置100で決定された関節部J1−J6に対応する指令値をドライバユニット210に対して出力する。具体的には、出力部107は、静止用励磁電流決定部105で決定された静止用の励磁電流値Is1(t)を表す指令コードを、ドライバユニット210から入力された現在の関節角度θ1(t)を表すコードを含む静止指令信号とともにドライバユニット210に対して出力する。同様に、出力部107は、システム制御部101の制御に従って、関節部J2−J6毎の指令値(静止用の励磁電流値と現在の関節変数)をドライバユニット220〜260に対して出力する。

0047

以下、本実施形態に係るロボット装置のダイレクトティーチング制御装置100によるダイレクトティーチング時のアーム保持制御手順について図5を参照して説明し、その補足説明図6図7を参照して行う。図5は、図4のダイレクトティーチング制御装置100によるダイレクトティーチング時のアーム保持制御手順を説明するためのフローチャートである。図6は、図5の手順の説明補足図であって、ロボットアーム機構の3種の姿勢を示す図である。図7は、図5の手順の説明補足図であって、図6の姿勢変化に応じた、関節部J2のステッピングモータに供給する静止用の励磁電流値の時間変化を示す図である。

0048

(工程S1)ダイレクトティーチングのモードに移行
操作部50の切り替えスイッチによるダイレクトティーチングのON操作に従って、システム制御部101によりダイレクトティーチングプログラム起動される。

0049

(工程S2)関節部の関節変数の入力
ダイレクトティーチングプログラムが起動され、まずドライバユニット210からダイレクトティーチング制御装置100に、関節部J1−J6にそれぞれ対応する現在の関節変数θ1(t)、θ2(t)、L3(t)、θ4(t)、θ5(t)、θ6(t)が入力される。

0050

(工程S3)関節部J1−J6の静止トルクの計算処理
ダイナミクス計算部104により、関節部J1−J6各々の現在の関節変数θ1(t)〜θ6(t)に基づいて、ダイナミクスモデルにより、関節部J1−J6各々にかかる自重による負荷トルクに等価で逆向きの静止トルクT1(t)〜T6(t)が計算される。

0051

(工程S4)静止用の励磁電流値の計算処理
静止用励磁電流決定部105により、トルクと励磁電流値との対応表を参照することにより、工程S3でダイナミクス計算部104により計算された静止トルクT1(t)〜T6(t)を、ステッピングモータ310〜360が発生するために必要な静止用の励磁電流値Is1(t)〜Is6(t)が決定される。

0052

(工程S5)ドライバユニットに出力
出力部107から関節部J1−J6のドライバユニット210〜260各々の制御部211に指令値として、工程S4で決定された励磁電流値Is1(t)〜Is6(t)を表すコードを、現在の関節変数θ1(t)〜θ6(t)を表すコードを含む静止指令信号とともに出力される。

0053

(工程S6)ダイレクトティーチングの終了の判定処理
ダイレクトティーチングが行われている期間、少なくともオペレータによるハンドやアームの手動操作期間にわたって、工程S2〜工程S5までの工程が所定の周期で繰り返し行わせるために、システム制御部101により各部が制御される。操作部50の切り替えスイッチによるダイレクトティーチングのOFF操作に従って、システム制御部101によりダイレクトティーチングプログラムが終了される。

0054

次に、図5の補足説明を図6図7を参照して行う。図6は、図5の手順の説明補足図であって、ロボットアーム機構の3種の姿勢を示す図である。図7は、図5の手順の説明補足図であって、図6の姿勢変化に応じた、関節部J2のステッピングモータ320への静止用励磁電流値の時間変化を示す図である。ここでは説明の便宜上、ステッピングモータ320は、5相(A相〜E相)、つまりペアのステータコイルが5セット装備されていると仮定する。図6(a)、図6(b)、図6(c)はそれぞれ時刻t0、t1、t2におけるロボットアーム機構の姿勢を示している。ここでは、時刻t0にダイレクトティーチングが開始され、時刻t1と時刻t2とにロボットアーム機構が手動操作されたものとする。

0055

ダイレクトティーチング開始時(時刻t0)において、関節部J2のステッピングモータ320には、図6(a)のロボットアーム機構の姿勢における関節部J2の現在位置に対応するA相(コイル)に、静止用の励磁電流値It0を有する励磁電流が供給される。これにより、ステッピングモータ320には、励磁電流値It0に対応する静止トルクが発生され、関節部J2は現在位置で静止される。この静止トルクは、図6(a)に示す姿勢のロボットアーム機構において、自重により関節部J2にかかる負荷トルクに逆向きで等価である。そのため、ステッピングモータ320は、少しでも負荷がかかるとすぐに脱調する状態である。そのため、作業者がロボットアーム機構に少しでも力をかけると、ステッピングモータ320に脱調が発生する。

0056

したがって、時刻t1の作業者によるロボットアーム機構の手動操作において、作業者は大きな力を使うことなく、軽快な手動操作でロボットアーム機構を図6(a)に示す姿勢から図6(b)に示す姿勢まで移動させることができる。ロボットアーム機構が移動されている期間、制御周期毎に指令値(現在の関節変数と励磁電流値)がダイレクトティーチング制御装置100から、関節部J1−J6のドライバユニット210〜260に出力される。そのため、作業者は、ロボットアーム機構を図6(a)に示す姿勢から図6(b)に示す姿勢になるまで手動で移動させた後、ロボットアーム機構から手を離しても、ロボットアーム機構は作業者が手を離した時点での姿勢(図6(b))で保持される。これは、作業者がロボットアーム機構から手を離した時点で、既に関節部J2のステッピングモータ320の現在位置に対応するB相(コイル)に、静止用の励磁電流値It1を有する励磁電流が供給されているからである。これにより、ステッピングモータ320には、励磁電流値It1に対応する静止トルクが発生され、関節部J2は現在位置で静止される。この静止トルクは、図6(b)に示す姿勢のロボットアーム機構において、自重により関節部J2にかかる負荷トルクに逆向きで等価である。そのため、ステッピングモータ320は、少しでも負荷がかかるとすぐに脱調する状態である。したがって、時刻t2の作業者によるロボットアーム機構の手動操作においても、作業者は大きな力を使うことなく、軽快な手動操作でロボットアーム機構を図6(b)に示す姿勢から図6(c)に示す姿勢まで移動させることができる。作業者は、ロボットアーム機構を図6(b)に示す姿勢から図6(c)に示す姿勢になるまで手動で移動させた後、ロボットアーム機構から手を離しても、ロボットアーム機構は作業者が手を離した時点での姿勢(図6(c))で保持される。このとき、関節部J2のステッピングモータ320には、図6(c)のロボットアーム機構の姿勢における関節部J2の現在位置に対応するE相(コイル)に、静止用の励磁電流値It1を有する励磁電流が供給される。なお、図6(b)、図6(c)のロボットアーム機構の姿勢における関節部J2に自重によりかかる重力方向に平行な負荷は、図6(a)のロボットアーム機構の水平姿勢のときに比べて小さい。そのため、励磁電流値It1、It2は励磁電流値It0よりも小さい。

0057

また、本実施形態に係るロボット装置のロボットアーム機構において、例えば、基部10は基台面(地面)に垂直に設けられ、第1関節部J1は基台面に対して垂直な第1回転軸RA1を中心としたねじり関節である。そのため、ダイレクトティーチングにおいて、関節部J1は、関節部J1のステッピングモータ310に励磁電流を供給しない、いわゆるフリーの状態にする方がよい。したがって、システム制御部101は、ダイレクトティーチングにおけるアーム保持制御の制御対象から関節部J1に対応するドライバユニット210を除外し、関節部J1に対応するドライバユニット210に対する制御信号の出力処理を実行しなくてもよい。同様に、第3関節部J3を構成する直動伸縮機構において、アーム部2は射出部30により支持されている。そのため、ダイレクトティーチングにおけるアーム保持制御において、関節部J3は、関節部J3のステッピングモータ330に励磁電流を供給しない、いわゆるフリーの状態にしてもよい。したがって、システム制御部101は、ダイレクトティーチングにおけるアーム保持制御の制御対象から関節部J3に対応するドライバユニット230を除外し、関節部J3に対応するドライバユニット230に対する制御信号の出力処理を実行しなくてもよい。

0058

以上説明した本実施形態に係るロボット装置のアーム保持制御によれば、関節部J1−J6に発生させる静止トルクを、ロボットアーム機構の姿勢変化に応じて動的に変更することができる。このとき、関節部J1−J6各々には、現在位置で静止し続けるために必要な最低限の静止トルクが発生される。当該静止トルクは、ロボットアーム機構の姿勢において自重により関節部J1−J6にかかる負荷と略等価または負荷よりもわずかに大きい値を有する。したがって、関節部J1−J6各々のステッピングモータは、少しの負荷がかかるとすぐに脱調してしまう状態にある。そのため、作業者によりロボットアーム機構が手動操作されると、ステッピングモータは静止トルク以上の負荷がかかるため脱調し、これにより、作業者は、ロボットアーム機構の手動操作を大きな力を使うことなく、軽快に行うことができる。また、作業者がロボットアーム機構から手を離した時点で、既に関節部J1−J6には、その位置で静止し続けるために必要な最低限の静止トルクがかけられているため、作業者は、ロボットアーム機構の姿勢を、ロボットアーム機構から手を離した状態で保持させることができる。

0059

ダイレクトティーチングにおいて、作業者は、ロボット装置に、動作シーケンスデータを教示するために、ロボットアーム機構の手動操作と、ロボットアーム機構の位置の登録作業とを繰り返し行う。ダイレクトティーチング期間、少なくとも作業者によるアームの手動操作期間にわたって、アーム保持制御により、作業者は大きな力を使うことなくロボットアーム機構の手動操作を行うことができ、ロボットアーム機構から手を離した位置でロボットアーム機構の姿勢を保持させることができる。したがって、本実施形態に係るロボット装置は、ステッピングモータの脱調現象を活用して、ダイレクトティーチングにおける作業者の負担を軽減し、作業者の安全性を向上させることができる。

0060

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0061

50…操作部、100…ダイレクトティーチング制御装置、101…システム制御部、102…操作部I/F、103…位置・姿勢記憶部、104…ダイナミクス計算部、105…静止用励磁電流決定部、106…ドライバユニットI/F、107…出力部、109…制御/データバス、210〜260…ドライバユニット、211…制御部、212…電源回路、213…パルス信号発生部、215…エンコーダ、217…カウンタ、310…ステッピングモータ

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