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技術 コーティングまたはインク組成物を基材に塗布し、放射線照射する方法、およびその産物

出願人 サンケミカルコーポレイション
発明者 ユエメイ・チャンプラサド・ケー・アディカリ
出願日 2016年9月26日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2016-186710
公開日 2016年12月28日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2016-221521
状態 特許登録済
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法
主要キーワード ワット量 ストローク距離 吸光係数α 基材表面層 吸収種 分析表面 低官能性 各放射線源
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
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図面 (10)

課題

本発明は、コーティングまたはインク組成物非多孔性基材の表面に塗布する工程を含む両面放射線照射法を説明する。

解決手段

コーティングまたはインク組成物が塗布されている非多孔性基材表面に、放射線を1回以上照射する。加えて、未塗布の非多孔性基材表面に、放射線を1回以上照射する。この両面放射線照射法は、非多孔性基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物の接着性および/または硬化性を向上させる。本発明は、コーティングまたはインク組成物がその表面に塗布されている放射線照射済み非多孔性基材であって、上記の方法の工程によって作製される基材も説明する。

概要

背景

透明または半透明基材に塗布したインクまたはコーティング組成物は従来、基材の片面のみから放射線照射を行って硬化させる。一般に、インクまたはコーティング組成物が直接その上に塗布されている表面に、放射線照射する。片面放射線照射は、重合度に影響を及ぼす。

不均一な重合は、基材のz方向における光強度の低下に起因する場合がある。ランベルトベールの法則に従って、基材を通る光の透過率Tと、基材の吸光係数αとその材料を光が通過する距離(すなわち路長)lとの積との間に、対数依存性が存在する。液体では、光の透過率は下記のように定義される。



式中、εは、吸収剤モル吸収係数(すなわち消光係数)であり、cは、材料中の吸収種の濃度であり、I0およびIは、入射光および透過光の強度または力である。

フリーラジカル重合は、C=C結合が相互に反応し合ってポリマーを形成させるときに収縮を引き起こす。放射線の吸収拡散性および回折性により、放射線源の近くのインクまたはコーティング組成物は典型的には、放射線源の遠くのインクまたはコーティング組成物よりも収縮する。加えて、基材の上面と接触するインクまたはコーティング組成物のモノマーは、ラジカルの濃度が低い基材底面に由来するラジカルと反応するよりも、硬化済み表面層にすでにつながれた基材表面層に由来するラジカルとの方が反応しやすい。したがって、不均一な重合により、コーティングまたはインク組成物を縁部から基材の中心の方に収縮させるとともに、コーティングまたはインク組成物が塗布されていない底面から、コーティングまたはインク組成物が塗布されている表面の方に収縮させる。このため、図1に示されているように、硬化後、インクまたはコーティングの厚い層の反りが観察されることがよくある。したがって、これらの層は、基材から浮き出たり、および/または、基材から分離可能になったりする傾向がある。

ここ十年余り、塗布したコーティングまたはインク組成物と、ガラス転移温度Tg、結晶密度、および/または引張強度の高い基材との間の接着性を向上させる要請が、製造者の間で高まっている。これは主に、硬化済み組成物層が基材から浮き出る傾向に起因する。基材のTgおよび/または結晶密度を下げるために、プライマー処理または化学処理を施した層(単一または複数)を基材に塗布すると、接着性は向上させることができるが、材料費の著しい増加が見込まれる。さらに、追加の加工工程および設備が必要になる。

接着性を向上させるために、接着促進剤も使用されてきた。しかし、接着促進剤は、プライマー層または化学処理した層に関して上述したような課題と同様の課題を生じさせる。加えて、接着促進剤は使い勝手がよくなく、場合によっては、皮膚および目を刺激することもある。また、接着促進剤は、移動する傾向があるので、毒性の問題が生じる。さらに、接着促進剤は低官能性モノマーを含み、特に、放射線強度インク層表面よりもかなり弱いインク層底部の近くでは、ポリマー主鎖に組み込まれにくい。これは、硬化速度に影響を及ぼす。

したがって、当該技術分野においては、Tgが高いか、または結晶密度(引張強度)が高い基材に塗布されているコーティングおよびインク組成物の接着性能の向上に対するニーズが存在する。

基材に塗布されているインクおよびコーティング組成物の硬化速度の向上に対するニーズも存在する。

接着性および/または硬化性の向上した製品に対するニーズがさらに存在する。

概要

本発明は、コーティングまたはインク組成物を非多孔性基材の表面に塗布する工程を含む両面放射線照射法を説明する。コーティングまたはインク組成物が塗布されている非多孔性基材表面に、放射線を1回以上照射する。加えて、未塗布の非多孔性基材表面に、放射線を1回以上照射する。この両面放射線照射法は、非多孔性基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物の接着性および/または硬化性を向上させる。本発明は、コーティングまたはインク組成物がその表面に塗布されている放射線照射済み非多孔性基材であって、上記の方法の工程によって作製される基材も説明する。

目的

効果

実績

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請求項1

コーティングまたはインク組成物非多孔性基材に塗布する方法であって、前記組成物を前記非多孔性基材の第1の表面に塗布する工程と、前記非多孔性基材の前記塗布済みの第1の表面に放射線を1回以上照射する工程と、前記非多孔性基材の第2の表面に放射線を1回以上照射する工程と、を含み、前記非多孔性基材がプライマー処理または化学処理されておらず、前記第2の表面に放射線を照射してから、前記塗布済みの第1の表面に照射する、方法。

請求項2

前記塗布済みの第1の表面に、前記第2の表面よりも少ない合計回数で放射線を照射する、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記非多孔性基材が透明または半透明である、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記非多孔性基材が、ポリプロピレンポリエチレンポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコールポリ塩化ビニル、またはこれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記組成物がエネルギー硬化性インクである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記エネルギー硬化性インクが1つ以上の熱可塑性アクリル不活性樹脂を含む、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記第1の表面と前記第2の表面の両方に放射線放射をした後、前記組成物の95%以上が前記基材に付着している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

前記組成物の99%以上が前記基材に付着している、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記組成物の99.99%以上が前記基材に付着している、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記第1の表面と前記第2の表面の両方に化学線を照射してから、30mlの模擬食品液に浸した場合、前記組成物の51cm2の表面積からの抽出性モノマーが2,000ppb未満である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本願は、2010年12月13日に提出された米国特許仮出願第61/422,279号(あらゆる目的において、参照により、その全体が本明細書に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる)に基づく利益を主張するものである。

0002

広くは、本発明は、エネルギー硬化性コーティングまたはインク組成物基材に塗布してから、その組成物に両面照射して接着性を向上させる方法に関する。本発明は、両面放射線照射法によって作製される新規硬化物にも関する。

背景技術

0003

透明または半透明の基材に塗布したインクまたはコーティング組成物は従来、基材の片面のみから放射線照射を行って硬化させる。一般に、インクまたはコーティング組成物が直接その上に塗布されている表面に、放射線を照射する。片面放射線照射は、重合度に影響を及ぼす。

0004

不均一な重合は、基材のz方向における光強度の低下に起因する場合がある。ランベルトベールの法則に従って、基材を通る光の透過率Tと、基材の吸光係数αとその材料を光が通過する距離(すなわち路長)lとの積との間に、対数依存性が存在する。液体では、光の透過率は下記のように定義される。



式中、εは、吸収剤モル吸収係数(すなわち消光係数)であり、cは、材料中の吸収種の濃度であり、I0およびIは、入射光および透過光の強度または力である。

0005

フリーラジカル重合は、C=C結合が相互に反応し合ってポリマーを形成させるときに収縮を引き起こす。放射線の吸収拡散性および回折性により、放射線源の近くのインクまたはコーティング組成物は典型的には、放射線源の遠くのインクまたはコーティング組成物よりも収縮する。加えて、基材の上面と接触するインクまたはコーティング組成物のモノマーは、ラジカルの濃度が低い基材底面に由来するラジカルと反応するよりも、硬化済み表面層にすでにつながれた基材表面層に由来するラジカルとの方が反応しやすい。したがって、不均一な重合により、コーティングまたはインク組成物を縁部から基材の中心の方に収縮させるとともに、コーティングまたはインク組成物が塗布されていない底面から、コーティングまたはインク組成物が塗布されている表面の方に収縮させる。このため、図1に示されているように、硬化後、インクまたはコーティングの厚い層の反りが観察されることがよくある。したがって、これらの層は、基材から浮き出たり、および/または、基材から分離可能になったりする傾向がある。

0006

ここ十年余り、塗布したコーティングまたはインク組成物と、ガラス転移温度Tg、結晶密度、および/または引張強度の高い基材との間の接着性を向上させる要請が、製造者の間で高まっている。これは主に、硬化済み組成物層が基材から浮き出る傾向に起因する。基材のTgおよび/または結晶密度を下げるために、プライマー処理または化学処理を施した層(単一または複数)を基材に塗布すると、接着性は向上させることができるが、材料費の著しい増加が見込まれる。さらに、追加の加工工程および設備が必要になる。

0007

接着性を向上させるために、接着促進剤も使用されてきた。しかし、接着促進剤は、プライマー層または化学処理した層に関して上述したような課題と同様の課題を生じさせる。加えて、接着促進剤は使い勝手がよくなく、場合によっては、皮膚および目を刺激することもある。また、接着促進剤は、移動する傾向があるので、毒性の問題が生じる。さらに、接着促進剤は低官能性モノマーを含み、特に、放射線強度インク層表面よりもかなり弱いインク層底部の近くでは、ポリマー主鎖に組み込まれにくい。これは、硬化速度に影響を及ぼす。

0008

したがって、当該技術分野においては、Tgが高いか、または結晶密度(引張強度)が高い基材に塗布されているコーティングおよびインク組成物の接着性能の向上に対するニーズが存在する。

0009

基材に塗布されているインクおよびコーティング組成物の硬化速度の向上に対するニーズも存在する。

0010

接着性および/または硬化性の向上した製品に対するニーズがさらに存在する。

0011

驚くべきことに、両面(すなわち2表面)放射線照射によって、非多孔性基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物の接着性能が著しく向上することを本発明者らは発見した。具体的には、組成物の硬化性および収縮方向を操作して、塗布および硬化済み組成物の深さを通じて、より均一にモノマーを架橋させる。

0012

本発明の1つの利点は、非多孔性基材に塗布したコーティングまたはインク組成物を、接着性を向上させる形で、放射線照射するためのコスト的に優しい方法である。

0013

本発明の別の例示的な利点は、非多孔性基材に塗布されている放射線照射済みコーティングまたはインク組成物であって、硬化速度(すなわちスループット)の向上したコーティングまたはインク組成物である。

0014

本発明のさらなる例示的な利点は、基材に塗布されている、環境に優しい放射線照射済みコーティングまたはインク組成物である。

0015

本発明のさらなる例示的な利点は、両面放射線照射法による、非多孔性基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物の変形の低減または排除である。

0016

本発明は、非多孔性基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物であって、組成物が塗布されている基材表面と、組成物が塗布されていない基材表面の両方から放射線照射したコーティングまたはインク組成物の接着性および/または硬化速度を向上させる方法を説明するものである。別の例示的な実施形態では、非多孔性の透明または半透明な基材にコーティングまたはインク組成物を塗布し、組成物が塗布されている基材表面と、組成物が塗布されていない基材表面の両方から放射線照射する方法を説明する。さらなる実施形態では、プライマー処理または化学処理が施されていない非多孔性基材に、コーティングまたはインク組成物を塗布し、組成物が塗布されている基材表面と、組成物が塗布されていない基材表面の両方から放射線照射する方法を説明する。さらなる実施形態では、化学処理またはプライマー処理が施されていない非多孔性の透明または半透明な基材に、コーティングまたはインク組成物を塗布し、組成物が塗布されている基材表面と、組成物が塗布されていない基材表面の両方から放射線照射する方法を説明する。

0017

上記の実施形態では、コーティングまたはインク組成物が上に塗布されている基材上側または基材上面に、放射線源から放射線を1回以上照射するのに加えて、基材底面にも、放射線源から放射線を1回以上照射する。基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物に両面放射線照射を行うこの方法は、接着性および硬化性を向上させる。

0018

本発明のさらなる例示的な実施形態では、コーティングまたはインク組成物が上に塗布されている放射線照射済み多孔性基材であって、基材の第1の表面にコーティングを塗布する工程と、基材の塗布済みの第1の表面に放射線を1回以上照射する工程と、基材の未塗布の第2の表面に放射線を1回以上照射する工程によって作製される基材を説明する。さらなる例示的な実施形態では、基材は多孔性であるとともに、化学処理またはプライマー処理を施されていない。さらなる例示的な実施形態では、基材は多孔性であるとともに、透明または半透明である。別のさらなる例示的な実施形態では、基材は多孔性であるとともに、化学処理またはプライマー処理が施されていないうえに、透明または半透明である。

0019

放射線源から基材に放射線を印加するための様々な設定が可能である。好ましい実施形態では、放射線は放射線源に由来し、底面に印加してから、別の放射線源に由来する放射線を、インクが上に塗布されている基材上面に印加する。良好な接着性および/または硬化性をもたらすために、放射線源からの放射線を基材の上側または底側から繰り返し照射する作業を最適化してよい。

0020

上記の概要も、下記の詳細な説明も、例示的かつ説明的なものであり、特許請求されているような本発明をさらに説明することを意図しているものと理解されたい。

図面の簡単な説明

0021

添付の図面は、本発明をさらに理解してもらうために含められているとともに、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであり、本発明の実施形態を例示し、本書の説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。

0022

片面硬化中の反りの程度を示す図である。
コーティングされていない延伸ポリプロピレン(OPP)基材に塗布されているインク膜であって、片面硬化を行ったインク膜と、両面硬化を行ったインク膜(まず、インクが塗布されている表面に放射線照射してから、未塗布の表面に放射線照射した)の接着性の対比を示す図である。
コーティングされていない高密度ポリエチレン(HDPE)基材に塗布したインク膜であって、片面硬化を行ったインク膜と、両面硬化を行ったインク膜(まず、インクが塗布されている表面に放射線照射してから、未塗布の表面に放射線照射した)の接着性の対比を示す図である。
コーティングされていない2軸延伸ポリプロピレンBOPP)基材に塗布されているインク膜であって、片面硬化を行ったインク膜と、両面硬化を行ったインク膜(第1の照射は上面から行い、第2の照射は底面から行った)の接着性の対比を示す図である。
コーティングされていない延伸ポリプロピレン(OPP)基材に塗布したインク膜であって、まず未塗布の表面に照射してから、インクが塗布されている表面に照射することによって両面硬化を行ったインク膜と、まず、インクが塗布されている表面に放射線照射してから、未塗布の表面に放射線照射することによって両面硬化を行ったインク膜の接着性の対比を示す図である。
コーティングされていないOPP基材に塗布した黒色インク膜であって、片面硬化を行ったインク膜と、まず、インクが塗布されている表面に照射してから、未塗布の表面に照射することによって両面硬化を行ったインク膜の接着性の対比を示す図である。
まず、インク組成物が塗布されている基材表面を放射線源によって硬化させてから、インク組成物が塗布されている表面を別の放射線源によって硬化させる両面硬化法を示す図である。
インク組成物が塗布されている基材表面を放射線源によって硬化させてから、インク組成物が塗布されている表面を別の放射線源によって硬化させる両面硬化法を示す図である。
塗布済みの基材表面と未塗布の表面を複数の放射線源によって同時に硬化させる両面硬化を示す図である。

実施例

0023

以下、添付の図面に例示されている本発明の実施形態および実施例について詳細に言及する。

0024

基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物への両面放射線照射によって、コーティングまたはインク組成物の深さを通じてさらに均一に架橋されることを本発明の発明者らは発見した。同様に、この新規な硬化技法は、接着性および/または硬化性を向上させる。例示的な実施形態では、コーティングまたはインク組成物に、非多孔性基材の上側または上面と底側または底面の両方から放射線を照射する。別の例示的な実施形態では、プライマー処理または化学処理が施されていない(すなわちコーティングされていない)非多孔性基材の上側または上面と底側または底面の両方から放射線照射したコーティングまたはインク組成物は、接着性が向上する。さらなる例示的な実施形態では、非多孔性の透明または半透明な基材の上側または上面と底側または底面の両方から放射線照射したコーティングまたはインク組成物は、接着性が向上する。さらなる例示的な実施形態では、化学処理またはプライマー処理が施されていない非多孔性の透明または半透明な基材の上側または上面と底側または底面の両方から放射線照射したコーティングまたはインク組成物は、接着性が向上する。

0025

本発明者らの両面放射線照射法によって、プライマー処理または化学処理が施されている層(基材に印刷されているコーティングまたはインク組成物の接着性を向上させるためによく使われる)を基材に付着させる必要性がなくなると本発明者らは考えている。この必要性がなくなることによって、追加の材料費を大幅に軽減および/または排除できる。加えて、硬化時に、コーティングまたはインク組成物の収縮および/または移動を軽減できる。本発明の両面放射線照射法によって、少量の接着促進剤が存在する場合、プライマー処理または化学処理が施されていない基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物の接着性を向上させるのをその接着促進剤が補助可能になると本発明者らは理解している。

0026

しかしながら、この新規な放射線照射法を用いて、プライマー処理または化学処理が施されている基材に組成物を塗布したところ、プライマー処理または化学処理が施されていない基材で実験を行った場合に得られる接着性の結果と少なくとも同程度か、またはそれよりも向上した接着性の結果が得られた。プライマー処理または化学処理が施されている基材に塗布されているインクまたはコーティング組成物で、本発明の方法を用いることの考えられる利点の1つは、硬化速度(すなわちスループット)の向上である。

0027

例示的な実施形態では、両面放射線照射プロセスは、好適なコーティングまたはインク組成物がその上に印刷されている多孔性基材上で行う。この好適な組成物はエネルギー硬化性であってよい。あるいは、組成物はエネルギー硬化性でなくてもよい。さらなる例示的な実施形態では、不活性樹脂または低官能性モノマー/オリゴマーを含むエネルギー硬化性組成物を基材に塗布する。エネルギー硬化性組成物中のこのような添加物が、重合中の収縮を軽減すると本発明者らは理解している。収縮の軽減は、引張強度と結晶密度の高い基材から硬化済み層が浮き出るのを軽減または防止するのに欠かせないものである。

0028

本発明によれば、基材の塗布済みの表面または未塗布の表面のいずれかに放射線を1回以上印加してよい。基材表面に照射する放射線の頻度およびパターンは、基材の種類に従って最適化してよい。最適化は、コーティングまたはインク組成物の種類にも左右される。最適化は、硬化速度および温度条件にも左右されることがある。最適化は、基材、コーティングまたはインク組成物、および硬化条件の個々、または、これらの組み合わせに左右されることもある。

0029

別の例示的な実施形態では、組成物が塗布されている基材表面、または組成物が塗布されていない基材表面に、同時に放射線を印加してもよい。放射線源は、異なる種類のものであってもよい。あるいは、放射線源は同じ種類のものであってもよい。

0030

さらなる実施形態では、未塗布の表面に放射線源から放射線を照射してから、インクまたはコーティング組成物が塗布されている表面に放射線源から放射線を照射すると、まず、組成物が印刷されている表面に放射線源から放射線を照射するよりも、接着性が向上することが分かった。まず、未塗布の基材表面から放射線硬化させると、基材と接する第1のモノマー層が最初に硬化されると本発明者は考えている。したがって、これらのモノマーを基材から引き離す力が存在しない。加えて、組成物が塗布されている基材表面上の遊離モノマーは、引き離される代わりに、組成物膜の底部に引き寄せられる可能性の方が高い。

0031

さらなる実施形態では、インクまたはコーティング組成物が上に塗布されている透明または半透明な基材に対して、底部を最初に照射する両面放射線照射法を実施すると、硬化速度がかなり向上する。

0032

上述のように、両面硬化法には、多くの考え得る構成および変形形態がある。最も好ましい3つの構成について、以下でさらに詳細に論じる。図7に示されているように、表面にインクが印刷されている基材は、第1の硬化ステーションを通る。まず、組成物が印刷されている表面に放射線が照射される。続いて、基材は第2の硬化ステーションを通り、基材の非印刷面に放射線が照射される。図8に示されているように、表面にインクが印刷されている基材は、第1の硬化ステーションを通る。まず、非印刷面に放射線が照射される。続いて、基材は第2の硬化ステーションを通り、インクが印刷されている表面に放射線が照射される。図9に示されているように、表面にインクが印刷されている基材は、同時に2つの硬化ステーションを通る。第1の硬化ステーションは、インクが印刷されている表面に放射線を照射し、第2の硬化ステーションは、非印刷面に放射線を照射する。下で詳細に説明されているように、上記の各両面硬化法は、片面放射線照射よりも高い接着性を示す。

0033

基材の両面に少なくとも1回放射線を照射することを条件として、放射硬化パターンに加えて、放射線源から各基材表面に照射される放射線の頻度(すなわち繰り返し数)を最適化することができる。繰り返し数、および、基材に塗布されているコーティングまたはインク組成物を硬化させるパターンに影響を及ぼし得る1つの要因としては、組成物の不透明度および色を挙げてよい。別の要因としては、組成物膜の厚みを挙げてよい。別の要因としては、基材の種類、品質、およびテクスチャーを挙げてよい。さらに別の要因としては、インクが印刷されている表面および印刷されていない表面の硬化に用いる放射線源の数および種類を挙げてよい。別の要因としては、両面硬化法で用いる各放射線源電力(すなわちワット量)を挙げてよい。

0034

1つの実施形態では、放射線硬化の頻度およびパターンとしては、未塗布の表面と塗布済みの表面の両方に放射線を2回照射する(ただし、未塗布の表面に少なくとも1回放射線を照射してから、組成物塗布済みの表面に放射線を照射する)ことが挙げられる。別の実施形態では、未塗布の表面に3回放射線を照射し、塗布済みの表面に2回照射する(ただし、未塗布の表面に少なくとも1回照射してから、塗布済みの表面に照射する)。さらなる実施形態では、未塗布の表面に3回放射線を照射し、塗布済みの表面に1回放射線を照射する(ただし、未塗布の表面に少なくとも1回照射してから、塗布済みの表面に照射する)。

0035

本発明では、いずれの種類の放射線を用いてもよい。放射線の種類は、両面硬化法で用いる基材およびコーティングまたはインク組成物に左右されることがある。本発明では、放射線は化学線であってよい。詳細には、化学線としては、例えばLEDまたは水銀ランプによって得られる紫外線を挙げてよい。化学線としては、電子ビーム(EB)も挙げてよい。さらに、化学線としてはカチオン重合も挙げてよい。化学線としては可視光も挙げてよい。化学線としては赤外線も挙げてよい。化学線としてはレーザー光線も挙げてよい。化学線としてはマイクロ波放射線も挙げてよい。さらに、化学線としては電離放射線も挙げてよい。

0036

さらなる実施形態では、複数の放射線源を用いる一方で、放射線の種類は同じであってもよい。あるいは、複数の放射線源を用いてよい一方で、放射線の種類は異なっていてもよい。例示的な構成では、インクまたはコーティング組成物が塗布されている基材表面に、UVによって放射線を照射し、未塗布の表面に、LEDによって放射線を照射する。あるいは、組成物が塗布されている表面に、LEDによって放射線を照射し、未塗布の表面にUVによって放射線を照射する。別の実施形態では、未塗布の表面にUVによって放射線を1回照射し、LEDによって放射線を1回照射し(順番は問わない)、組成物が塗布されている表面にUVによって放射線を1回照射する。さらに別の実施形態では、未塗布の表面にUVによって放射線を1回照射し、LEDによって放射線を1回照射し(順番は問わない)、組成物が塗布されている表面にLEDによって放射線を1回照射する。

0037

組成物が塗布されている表面または未塗布の表面のいずれかに対する、UVまたはLEDランプなどの放射線源の数を増やすと、さらに速いライン速度において、接着性および/または硬化性を向上させる助けとなることがある。用いるランプの数を増やすと、低いランプ出力または速い硬化速度を補う助けとなることもある。別の例示的な実施形態では、接着性の向上は、ライン速度の向上を可能にすることにより、スループットに直接影響を及ぼすことがある。さらなる例示的な実施形態では、硬化性の向上も、放射線源のライン速度の向上を可能にすることにより、スループットに影響を及ぼす。例えば、図5は、プライマー処理または化学処理が施されていない延伸ポリプロピレン(OPP)基材に塗布されている市販のインクに、300ワットの水銀UVランプを用いて300FPMで放射線照射したサンプルを示している。サンプルの左側には、まず、未塗布の基材表面から放射線を照射した後、インクが塗布されている基材表面から照射した。一方で、サンプルの右側には、まず、インクが塗布されている基材表面から放射線を照射した後、未塗布の表面に放射線を照射した。図に示されているように、標準的な剥離試験後左手側では、基材から剥がれたコーティングはほとんど見られなかったが、右手側では、標準的な剥離試験中に、非常に多くの量のコーティングが剥がれた。また、左手側では、右側よりも硬化転換または硬化度が向上し、ほぼ2倍のMEK往復摩擦回数に耐えた。

0038

パッケージ産業、特にプラスチック関連のパッケージ産業の顧客は、基材とインク膜間の良好な接着性の実現を強く望んでいる。基材によって特性は異なるので、接着性は、その上に印刷されているコーティングまたはインクの収縮によって大きく変化し得る。したがって、適切なコーティングまたはインク配合の選択は、最終硬化物の接着性を向上させ、収縮を軽減するための重要なパラメーターである。

0039

基材のいくつかの重要な特性は、機械方向弾性率(Pa)および/または溶融温度である。機械方向弾性率は、基材フィルムをどの程度容易に引き伸ばせるかという関係を説明するものである。パッケージ産業で用いられるいくつかの一般的なプラスチック基材は、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンフタレート(PET)、ポリエチレンフタレートグリコール(PETG)、およびポリ塩化ビニルPVC)である。表1には、上記基材材料の一部の一般的な引張強度と溶融温度が列挙されている。

0040

0041

本発明では多種多様なインク組成物を用いることができる。詳細には、本開示で論じられている実験では、FLNFV5482107、FLNFV1482594、FLTSV9483557:Starluxe Intense BlackというSun Chemical製インクを用いた。加えて、R3590−113−1という実験用インクを用いた。表2に、これらの各インクの組成が示されている。

0042

表2に示されているように、これらの各インクは、多官能性モノマーを含む。ただし、R3590−113−1は、オリゴマーを含まず、その代わりに、1つ以上の熱可塑性アクリル不活性樹脂を含む。

0043

0044

接着試験
本発明に従って、標準的な剥離試験を用いて、基材上のコーティングまたはインクの接着性を定量化した。具体的には、放射線照射後すぐに、サンプルの表面全体に、3M 600 Scotch Transparent Tapeをしっかり付着させた。サンプルの表面と直角に手の力を加えることによって、そのテープを素早く剥がした。そのサンプルにおける薄片の脱離を目視検査した。一般に、サンプルの外観は0〜3の尺度分類し、0(インク剥離なし)が最良の尺度であり、5(インクが完全に剥離)が最悪の尺度である。薄片脱離が見られなかったサンプル面積に対する、薄片脱離が見られたサンプル表面積を割り出すことによって、サンプルの接着性を数字で定量化することもできる。

0045

(MEK摩擦試験
この試験方法を用いて、ASTMD4756に従って硬化の程度を割り出す。この試験は、硬化済みの膜が破損するか、または突き破られるまで、MEKを含浸させたチーズクロスまたは綿パッドで、硬化済みの膜の表面を摩擦することを含む。チーズクロスの種類、ストローク距離ストローク速度、および摩擦動作における大まかな印加圧力は、プロトコールに定められており、参照により、その全体が組み込まれる。摩擦は、往復摩擦として計数する(前方への摩擦1回と、後方への摩擦1回が、1回の往復摩擦を構成する)。

0046

抽出性試験)
模擬高脂肪食品を用いて、下記の試験法に従い、基材の、食品と接しない側(インクが印刷されていない側)で抽出性試験を行った。

0047

いずれのサンプルも、食品と接しない側の移動試験によって、2重で分析した。ステンレス鋼移動セルを用いて、サンプルを分析した。各サンプルの分析表面積は51cm2で、抽出体積は30mlであった。用いた模擬食品液(FSL)は、95%のエタノールと5%の水からなる模擬高脂肪食品であった。溶媒体積の表面積に対する比は、0.59ml/cm2(3.8ml/平方インチ)であった。これは、FDAガイドラインの10ml/平方インチよりも高濃度であり、検出限界の低下を可能にする。

0048

印刷したサンプルをFSLに浸し、40℃で24時間の抽出期間を置いた。抽出期間の経過後、印刷サンプルをFSLから取り出し、下記のように、溶解した成分(抽出された成分)を分析した。30mlの(FSL)抽出物に、100ppbの内部標準d10アントラセンを添加してから、75℃の窒素緩流を用いて、約1.0mlまで濃縮した。この濃縮抽出物を5.0mlの塩化メチレン希釈してから、室温の窒素緩流を用いて、さらに約1.0mlまで濃縮した。この濃縮抽出物をガスクロマトグラフィーおよび/または質量分析によって分析した。

0049

本発明の好ましい実施形態を含め、本発明について詳細に説明してきた。しかしながら、当業者が本開示について考察すれば、本発明に対して、本発明の範囲および趣旨内に収まる修正および/または改良を行えることは明らかであろう。

0050

(結果および考察)
下記の実施例は、本発明の具体的な態様を例示しており、いかなる点においても、本発明の範囲を限定することは意図されておらず、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。

0051

(実施例1)
図2に示されているとともに、下記の表3に記載されているように、市販のUVフレキソインクであるSun Chemical製のMaxD cyan(すなわちFLNFV5482107)を、コーティングされていないOPP膜に、800線、1.89bcmのアナロクスを用いて塗布し、300ワットの水銀ランプを中出力で200FPMにて用いて硬化させた。

0052

UV光が当たらないように、印刷部分右側を覆った状態にして、印刷部分左側を、その表面からUVランプで2回照射した。続いて、印刷部分左側の両側を覆い、UV光が当たらないようにし、印刷部分右側に1回、インクが印刷されている表面から照射を行ってから、インクが印刷されていない表面から、基材を透過するように照射した。照射直後に、3M 600 Scotch Transparent Tapeを用いて接着試験を行った。図2に示されているように、両面照射したインクは、インクが印刷されている表面からのみ照射したインクよりも、接着性が有意に高かった。例えば、上記のような標準的な剥離試験を行ったところ、左手側では、そのコーティングの剥離は5%未満であった。標準的な剥離試験を行ったところ、右手側では、そのコーティングの剥離は約95%であった。

0053

左手側は、5回のMEK往復摩擦に耐え、右手側は、10回のMEK往復摩擦に耐えた。すなわち、両面硬化の硬化速度は片面硬化の2倍であった。

0054

(実施例2)
図3に示されているとともに、下記の表3に記載されているように、市販のUVフレキソインクであるSun Chemical製のMaxD white(すなわちFLNFV1482594)を、コーティングされていないHDPE膜に、360線、4.14bcmのアナロックスを用いて塗布し、300ワットの水銀ランプを中出力で250FPMにて用いて硬化させた。

0055

UV光が当たらないように、印刷部分右側を覆った状態にして、印刷部分左側を、インクが印刷されている表面からUVランプで2回照射した。続いて、印刷部分左側を覆い、UV光が当たらないようにし、印刷部分右側に1回、インクが印刷されている表面からUVランプで照射してから、インクが印刷されていない表面から、基材を透過するように照射した。照射直後に、3M 600 Scotch Transparent Tapeを用いて接着試験を行った。

0056

図3に示されているように、両面照射したインクは、インクが印刷されている表面からのみ照射したインクよりも、接着性が有意に高かった。例えば、上記のような標準的な剥離試験を行ったところ、左手側では、そのコーティングの剥離は1%未満であった。標準的な剥離試験を行ったところ、右手側では、そのコーティングの剥離は約95%であった。

0057

左手側は、100回超のMEK往復摩擦に耐え、右手側も、100回超のMEK往復摩擦に耐えた。

0058

(実施例3)
図4に示されているとともに、下記の表3に記載されているように、アクリル樹脂二官能性および三官能性アクリレートモノマー、TiO2、顔料分散剤、UV反応開始剤化合物、ならびに防止剤からなる実験用のUVフレキ白色インク(すなわちR3590−113−1)を、コーティングされていないBOPP膜に、360線、4.14bcmのアナロックスを用いて塗布し、300ワットの水銀ランプを中出力で200FPMにて用いて硬化させた。

0059

UV光が当たらないように、印刷部分右側を覆った状態にして、印刷部分左側を、インクが印刷されている表面からUVランプで2回照射した。続いて、印刷部分左側を覆い、UV光が当たらないようにし、右側に、インクが印刷されている表面からUVランプで照射してから、インクが印刷されていない表面から、基材を透過するように照射した。照射直後に、3M 600 Scotch Transparent Tapeを用いて接着試験を行った。

0060

図4に示されているように、両面照射したインクは、インクが印刷されている表面からのみ照射したインクよりも、接着性が有意に高かった。例えば、上記のような標準的な剥離試験を行ったところ、左手側では、剥離はほとんど見られなかった。標準的な剥離試験を行ったところ、右手側では、そのコーティングの剥離は約90%であった。

0061

左手側は、100回超のMEK往復摩擦に耐え、右手側も、100回超のMEK往復摩擦に耐えた。

0062

(実施例4)
図5に示されているとともに、下記の表3に記載されているように、実施例1で用いたものと同じ市販のインク(すなわち、MaxD cyan−FLNFV5482107を、コーティングされていないOPP膜に、800線、1.89bcmのアナロックスを用いて塗布し、300ワットの水銀ランプを中出力で300FPMにて用いて硬化させた。

0063

この実施例では、印刷部分の左側および右側の両方に、インクが印刷されている表面、およびインクが印刷されていない表面の両方から、両面照射を行った。重大な違いは、左側には、まず、印刷されていない基材表面から照射を行った後、インクが印刷されている表面に照射を行った点である。右側には、逆の順番で照射を行った。まず、インクが印刷されている表面から照射した後に、インクが印刷されていない表面から照射した。図5は、まず、インクが印刷されていない表面から照射を行ったインクの方が、上記のテープ試験において、高い接着性を示したのに加え、上記のMEK往復摩擦試験による硬化速度が速かった。例えば、まず、インクが印刷されていない表面から放射線照射を行った場合には、コーティングの剥離がほとんど見られなかった。これに対し、まず、インクが印刷されている表面から照射した場合には、ほぼすべてのコーティングが剥離した。硬化速度に関しては、まず、インクが印刷されていない表面から硬化させた場合では、MEK試験結果が15回であったのに対し、まず、インクが印刷されている表面から硬化させた場合では、MEK試験結果は7回であった。したがって、本発明による両面硬化法では、まず、インクが印刷されていない表面から硬化した場合の硬化速度は、まず、インクが印刷されている表面から硬化させた場合のほぼ2倍である。

0064

加えて、まず、インクが印刷されている表面から照射したインクでは、ライン速度200FPMの実施例1の結果と比べると、速度が速い方が(300FPM)、接着性が失われた。ただし、上述のように、インクが印刷されていない表面から照射したインクは、ライン速度300FPMでも良好な接着性を保持していた。

0065

(実施例5)
図6に示されているとともに、下記の表3に記載されているように、市販のUV平版用インクであるSun Chemical製のStarluxe black(すなわちFLTSV9483557)を、コーティングされていないOPP膜に、Little Joe製校正機を用いて塗布し、300ワットの水銀ランプを300FPMで用いて硬化させた。

0066

UV光が当たらないように、印刷部分左側を覆った状態にして、印刷部分右側を、インクが印刷されている表面からUVランプで2回照射した。続いて、印刷部分右側を覆い、UV光が当たらないようにし、左側に、インクが印刷されている表面からUVランプで照射を行ってから、インクが印刷されていない表面から照射した。照射直後に、3M 600 Scotch Transparent Tapeを用いて接着試験を行った。その結果(図6に示されている)により、両面硬化したインクの方が、片面硬化したインクよりも、接着性が高いことが示されている。

0067

図6に示されているように、両面照射したインクは、インクが印刷されている表面からのみ照射したインクよりも、接着性が有意に高かった。例えば、上記のような標準的な剥離試験を行ったところ、左手側では、剥離はほとんど見られなかった(すなわち1%未満)。標準的な剥離試験を行ったところ、右手側では、そのコーティングの剥離は約95%であった。

0068

実施例5は、本発明の両面硬化法を用いて、不透明な暗い色のエネルギー硬化性インク(このケースでは不透明な黒色インク)であって、放射線を吸収する傾向が強いことから、硬化性および接着性の問題が起こりやすいことが周知であるインクの接着性を向上させることができることを表す代表的な例である。

0069

上記の実施例で用いたインクは、青、黒、および白色に着色したインクであるが、実質的にいずれの顔料もしくは染料、またはこれらの組み合わせを含むいずれの着色インク、さらには、顔料を含まない(未着色の)コーティングでも、本発明の両面硬化法を利用可能であることが分かる。好ましい実施形態では、両面硬化法で見られる硬化性および接着性の結果の改善によって、エネルギー硬化性インクの印刷および硬化で通常見られるものよりも不透明なインクの利用を促進できる。本発明の両面硬化プロセスの恩恵を受けることになる1つの具体的な色は、黒色インク、特に不透明な黒色インク(放射線を強く吸収するために、その深さを通じて均一に硬化させにくいことが周知である)であろう。

0070

本開示における実施例は、便宜上の目的、および試験目的のみで、手動校正刷り、Little Joe製校正機、またはスクリーン印刷プロセスを用いて調製した。本発明の両面硬化法は、石版印刷フレキソ印刷スクリーン印刷インクジェット印刷エアロゾルジェット印刷グラビア印刷デジタル印刷凸版印刷ドライオフセット印刷などのようないずれの伝統的な印刷プロセスによって調製した印刷部分にも適用可能であることが分かる。

0071

図2および3に示されているようなMEK摩擦試験結果では、硬化性と接着性が個別かつ独立した現象であることが示されている。本発明の両面硬化法では、硬化性(MEK摩擦によって測定した値)が同じ場合でも、接着性(標準的な接着テープ試験で測定した値)が向上するからである。加えて、実施例1〜5に開示されている印刷部分はいずれも、業界標準サムツイスト試験UVインク業界で、インク膜が適性に硬化するかを試験する目的で使用される伝統的な方法)に合格した。これはさらに、十分に硬化したインクの接着性が、本発明の両面硬化法によって向上することを示している。

0072

本発明の両面硬化プロセスは、片面硬化によってインクがすでに許容可能な接着性および硬化性を示すケースに限定されない。これらのケースでは、本発明の両面硬化プロセスを用いて、即時的および長期的な接着性および硬化性を向上できるとともに、即時的および長期的な化学的および機械的耐性も向上できる。

0073

0074

(実施例6)
コロナ処理した未コーティングのBOPP透明膜の上に、上記の実施例3で用いたUVフレキソ白色実験用インクを380メッシュでスクリーン印刷することによって、一連複製印刷部分を調製した。LEDランプを用いて、表4に示されている各種の構成およびライン速度で、この複製印刷部分を硬化させた。

0075

この実施例では、高強度水冷式LEDランプPhoseon Fireline Systemを用いた。このLEDランプの仕様は下記のとおりであった。
放射照度:8W/cm2
総UV電力:最大360W
ピーク放射照度:最大72W/cm2
UV出力:380〜420nm

0076

0077

各サンプル6A〜Dに対する実験はそれぞれ、15m/分、35m/分、および60m/分のライン速度で行った。テープ接着試験結果は、1〜3の尺度で評価した。接着は、各実施例1〜5について上記した方法と同様にして行った。具体的には、放射線照射後すぐに、サンプルの表面全体に、3M 600 Scotch Transparent Tapeをしっかり付着させた。サンプルの表面と直角に手の力を加えることによって、そのテープを素早く剥がした。

0078

3という値は、すべてのインクが剥離したことを示しており、すなわち、テープ接着試験による破損を示している。2という値は、部分的にインクが剥離したことを示しており、この場合も、接着試験による破損を示している。1という値は、インクがわずかしか剥離しなかったか、まったく剥離しなかったことを示しており、サンプルが接着試験に合格したことを示している。さらに、1〜2という値は、部分的にインクが剥離したことを示しており、接着試験によるわずかな破損を示している。

0079

サンプル6B、6C、および6Dで両面硬化プロセス用の放射線源として用いたLEDランプは、サンプル6Aで行った片面硬化の場合よりも接着性が高い印刷部をもたらした。サンプル6Cでは、例えば、インク膜を、まず、インクが印刷されていない表面から硬化させてから、インクが印刷されている表面を硬化すると、サンプル6Bよりも接着性が高くなる。

0080

表4には、両面硬化プロセスによって、インクが印刷されていない表面およびインクが印刷されている表面の一方または両方を複数回硬化させる例示的な実施形態も示されている。サンプル6Dでは、例えば、インクが印刷されていない底面と、インクが印刷されている上面のそれぞれに2回放射線を照射することによって、インク膜を硬化させる。サンプル6Dでは、インクが印刷されていない底面と、インクが印刷されている上面の両方を1回しか硬化させないサンプル6Bおよび6Cのそれぞれよりも、接着性の結果が改善される。

0081

本発明者らによれば、様々な要因(インクの不透明度および色、インク膜の厚み、用いる具体的な基材、硬化ランプの電力が挙げられるが、これらに限らない)に基づき、片面または両面(順番は問わない)を1回以上硬化させる必要がある場合がある。いくつかの硬化法としては、インクが印刷されていない表面を2回/インクが印刷されている表面を2回、インクが印刷されていない表面を3回/インクが印刷されている表面を2回、インクが印刷されていない表面を3回/インクが印刷されている表面を1回などを挙げてよい。

0082

実施例6でLEDランプを用いることにより、本発明の両面硬化法が伝統的な水銀UV硬化ランプに限定されないことも浮き彫りになっている。

0083

(実施例7)
MaxD cyanをHDPE膜に、800線、1.89bcmのアナロックスを用いて印刷することによって、2組の複製印刷部(サンプル7Aおよび7B)を調製した。300ワットの水銀ランプを中出力で150FPMのライン速度で用いて、印刷した膜を硬化させた。

0084

印刷膜7Aは、インクが印刷されている上面のみから、2つの別個のUV光照射によって硬化させた。印刷膜7Bは、UV光照射によって、まず、インクが印刷されていない底面から硬化させた後、インクが印刷されている上面を硬化させた。結果は表5に示されている。

0085

0086

95%ETOHの模擬食品抽出溶媒を用いて、各サンプル7Aおよび7Bの抽出物量の濃度(パーツパービリオン(PPB))を評価した。表5に示されているように、サンプル7Aの表面面積の1,176ng/cm2、およびサンプル7Bの表面面積の2,258ng/cm2が抽出溶媒に暴露された。

0087

具体的には、本発明の両面硬化法によって、硬化済みインク膜の抽出物量は低下した。すなわち、移動量が低下した。7Bにおける両面硬化法によるインク由来抽出物の量は、7Aにおける片面硬化によるインク由来抽出物量よりも約50%少なかった。7Bで抽出成分が低下したことにより、エネルギー硬化性インクは、毒性、および、直接または非直接的な食品との接触に関するFDAコンプライアンスガイドラインの点において、使い勝手が向上する。

0088

本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明において、様々な修正および変形を行えることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の修正形態および変形形態が添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内であれば、本発明は、それらを網羅することを意図している。

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