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技術 フィルタープレスタイプ拡散透析装置

出願人 AGCエンジニアリング株式会社
発明者 松村幸夫
出願日 2016年5月20日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-101656
公開日 2016年12月28日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2016-221507
状態 特許登録済
技術分野 半透膜を用いた分離 複数瀘過体及びフィルタープレス
主要キーワード ダクト穴 突設部分 排液室 排液ノズル 締め部材 タンバックル 分離回収効率 拡散透析装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月28日)のものです。
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図面 (11)

課題

槽内の回収室排液室の数を増大し、一槽当たりの酸、アルカリ回収能力を増大させると共に、希釈熱によるイオン交換膜の損傷を防止するフィルタープレスタイプ拡散透析装置を提供する。

解決手段

フィルタープレスタイプ拡散透析装置100は、締め具20に通常2〜10個のスタック5を組み込み、両端に締め枠を配置する形態である。各スタック5には通常20から200対、好ましくは40から120対の膜、室枠が用いられる。槽内に組み込まれる多数の対を、スタック5で分割することにより、緩衝枠1と緩衝枠3の間に多くの膜群を配列することが可能となり、槽一槽あたりの膜面積を著しく増大できる。このようにスタック構造化したことでメンテナンス性が向上する。

概要

背景

現在、イオン交換膜を使用した拡散透析装置は、イオン交換膜と室枠とを挟み込んで交互に積層し、液導入枠間に配列して、両端を締付け枠で締め付けることで内部に回収室排液室を交互に形成する構成とされている。

透析装置の一つの用途としては、各種酸廃液アルカリ廃液からのイオン交換膜を用いた拡散透析法による酸もしくはアルカリ回収がある。
拡散透析法は、イオン交換膜を通しての酸、アルカリと不要成分の塩類との濃度拡散速度差を利用して分離回収する方法である。

こうした拡散透析装置に使用される締め具は、1槽毎にボルトナットにて締め付けるタイプが主流である。このボルト締めタイプ電槽は、室枠実体部の外側に締め付けボルトを配列し締め付ける形態であるため、ボルトの締め付け力が直接室枠実体部に伝わらず締め枠を介して力が伝わることとなり締め枠のたわみ変形を生ずることとなる。この締め枠のたわみ変形が大きくなると、締め付けるべき室枠実体部のたわみ変形を生じ、外部リーク、内部リークといった不具合を生ずることとなる。

そのため、締め枠は、締め付け時のたわみ変形を抑制するため、締め付け圧力に見合った板厚が必要で、室枠実体部を覆う大きさ(例えば30mm〜50mm厚み)の鉄板を備える。そして、更には強度を増すためにこの鉄板面にリブ補強が施されている。

拡散透析装置の1槽当たりの能力は、室枠サイズと、回収室と排液室の数にて定まり、このボルト締めタイプ拡散透析装置の透析槽内の回収室と排液室の数は、締め具のたわみ、組み込み解体時の作業性等に起因する。

ここに、回収室枠、イオン交換膜、排液室枠、イオン交換膜の組み合わせにより回収室と排液室が一つずつ形成される。そして、この組み合わせは拡散透析として機能する最小単位であり、以下「対」と定義する。

このような透析装置の例としては、例えば、多数の対を挟み込み一つのユニットを構成する。このユニットを複数並べた上で、全体を締め付け一体化した特許文献1のような締め具が存在する。

一般的な液組成の場合、組み込まれる対の数は、1槽当たり150対程度である。そして、ボルト締めタイプ槽での締め具の重量等のハンドリング性と締め枠のたわみ変形を考慮すると、組み込める室枠のサイズが0.5m2程度となり、1槽当たりの全有効膜面積は150m2程度が一般的である。

概要

槽内の回収室と排液室の数を増大し、一槽当たりの酸、アルカリの回収能力を増大させると共に、希釈熱によるイオン交換膜の損傷を防止するフィルタープレスタイプ拡散透析装置を提供する。フィルタープレスタイプ拡散透析装置100は、締め具20に通常2〜10個のスタック5を組み込み、両端に締め枠を配置する形態である。各スタック5には通常20から200対、好ましくは40から120対の膜、室枠が用いられる。槽内に組み込まれる多数の対を、スタック5で分割することにより、緩衝枠1と緩衝枠3の間に多くの膜群を配列することが可能となり、槽一槽あたりの膜面積を著しく増大できる。このようにスタック構造化したことでメンテナンス性が向上する。

目的

本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、槽内の回収室と排液室の数を増大し、一槽当たりの酸、アルカリの回収能力を増大させると共に、希釈熱によるイオン交換膜の損傷を防止するフィルタープレスタイプ拡散透析装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一対の締め部材の間に配設された複数のスタックと該スタックを前記締め部材を介して締め付ける締め具とを備えたフィルタープレスタイプ拡散透析装置であって、前記スタックは、一対の中間枠の間にイオン交換膜室枠を介在させて交互に配列して形成した一つの回収室と一つの排液室からなる対を複数個配置して構成されたことを特徴とするフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項2

前記締め部材に最も近く配設された中間枠には前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を備えたことを特徴とする請求項1記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項3

前記一対の中間枠のいずれか少なくとも一方には前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項4

前記締め部材に最も近く配設された中間枠には前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を備え、前記締め部材に最も近く配設された中間枠以外の中間枠にはいずれにも前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を有さないことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項5

前記対の個数が2〜20個毎に希釈熱を冷却するための冷却室が配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項6

前記スタックが前記対の積層状態を保持する仮締めボルトを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項7

前記スタック内の対の数が20〜200対であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項8

前記締め具には固定枠と該固定枠に向けて移動自在の遊導枠と前記固定枠に連設されたスライドバーを備え、前記遊導枠と前記中間枠とは前記スライドバーに沿って移動自在であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

請求項9

前記締め具による締め付け圧力が前記遊導枠の単位面積当たり0.1MPa〜0.6MPaであることを特徴とする請求項8に記載のフィルタープレスタイプ拡散透析装置。

技術分野

0001

本発明はフィルタープレスタイプ拡散透析装置に係わり、特に槽内の回収室排液室の数を増大し、一槽当たりの酸、アルカリ回収能力を増大させると共に、希釈熱によるイオン交換膜の損傷を防止するフィルタープレスタイプ拡散透析装置に関する。

背景技術

0002

現在、イオン交換膜を使用した拡散透析装置は、イオン交換膜と室枠とを挟み込んで交互に積層し、液導入枠間に配列して、両端を締付け枠で締め付けることで内部に回収室と排液室を交互に形成する構成とされている。

0003

透析装置の一つの用途としては、各種酸廃液アルカリ廃液からのイオン交換膜を用いた拡散透析法による酸もしくはアルカリ回収がある。
拡散透析法は、イオン交換膜を通しての酸、アルカリと不要成分の塩類との濃度拡散速度差を利用して分離回収する方法である。

0004

こうした拡散透析装置に使用される締め具は、1槽毎にボルトナットにて締め付けるタイプが主流である。このボルト締めタイプ電槽は、室枠実体部の外側に締め付けボルトを配列し締め付ける形態であるため、ボルトの締め付け力が直接室枠実体部に伝わらず締め枠を介して力が伝わることとなり締め枠のたわみ変形を生ずることとなる。この締め枠のたわみ変形が大きくなると、締め付けるべき室枠実体部のたわみ変形を生じ、外部リーク、内部リークといった不具合を生ずることとなる。

0005

そのため、締め枠は、締め付け時のたわみ変形を抑制するため、締め付け圧力に見合った板厚が必要で、室枠実体部を覆う大きさ(例えば30mm〜50mm厚み)の鉄板を備える。そして、更には強度を増すためにこの鉄板面にリブ補強が施されている。

0006

拡散透析装置の1槽当たりの能力は、室枠サイズと、回収室と排液室の数にて定まり、このボルト締めタイプ拡散透析装置の透析槽内の回収室と排液室の数は、締め具のたわみ、組み込み解体時の作業性等に起因する。

0007

ここに、回収室枠、イオン交換膜、排液室枠、イオン交換膜の組み合わせにより回収室と排液室が一つずつ形成される。そして、この組み合わせは拡散透析として機能する最小単位であり、以下「対」と定義する。

0008

このような透析装置の例としては、例えば、多数の対を挟み込み一つのユニットを構成する。このユニットを複数並べた上で、全体を締め付け一体化した特許文献1のような締め具が存在する。

0009

一般的な液組成の場合、組み込まれる対の数は、1槽当たり150対程度である。そして、ボルト締めタイプ槽での締め具の重量等のハンドリング性と締め枠のたわみ変形を考慮すると、組み込める室枠のサイズが0.5m2程度となり、1槽当たりの全有効膜面積は150m2程度が一般的である。

先行技術

0010

中国特許出願番号200520015796.4号公報

発明が解決しようとする課題

0011

ところで、ボルト締めタイプ透析槽の場合、上述の通り、室枠実体部の外側に締め付けボルトを配列し締め付ける形態で有るため、ボルトの締め付け力が直接室枠実体部に伝わらず締め枠を介して力が伝わることとなり締め枠のたわみ変形を生ずることとなる。

0012

このボルト締めタイプ透析槽の槽内組み込み方法としては、従来、透析槽を反転し締め枠上に液導入枠を乗せた後、回収室枠、イオン交換膜、排液室枠、イオン交換膜といった順番に室枠と交換膜とを交互に積層して組み込み、液導入枠を乗せた後締め枠を乗せ、ボルトナットにて締め付ける方法が取られている。

0013

こういった形態の締め付け方法において、組み込まれる対の数を増やした場合、組み込み高さが増すばかりでなく、ボルトの長さも長くなり、均一な締め付けも容易では無く、組み込み、解体作業といったメンテナンス性が非常に悪くなることが想定される。このため、現実的には実施されていない。

0014

また、この拡散透析装置により金属イオン等の不純物を含んだ酸廃液からの酸の回収又はアルカリ廃液からのアルカリの回収が実施できる。そして、イオン交換膜として、酸回収においてはアニオン交換膜が、アルカリ回収においてはカチオン交換膜が用いられる。

0015

これら拡散透析槽内においては、イオン交換膜を移動するイオンの希釈熱により室枠内流路の中央部近辺にて蓄熱を生じイオン交換膜の損傷を生ずる場合がある。

0016

希釈熱の大きな組成液から、酸、アルカリを回収するとき、組み込まれる対の数を増やした場合や、濃度の高い組成液の場合において、イオン移動に伴う希釈熱が大きく回収室側にて発熱、蓄熱を生じる。そして、場合によっては、膜、室枠の発熱損傷を引き起こし、多大なダメージを生ずることとなる。

0017

このことから、処理能力を増強する場合においては、ボルト締めタイプ透析槽を複数台並べて対応する手段を取っているが、広い設置面積が必要となるのが実情である。

0018

本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、槽内の回収室と排液室の数を増大し、一槽当たりの酸、アルカリの回収能力を増大させると共に、希釈熱によるイオン交換膜の損傷を防止するフィルタープレスタイプ拡散透析装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0019

このため本発明(請求項1)は、一対の締め部材の間に配設された複数のスタックと該スタックを前記締め部材を介して締め付ける締め具とを備えたフィルタープレスタイプ拡散透析装置であって、前記スタックは、一対の中間枠の間にイオン交換膜を室枠を介在させて交互に配列して形成した一つの回収室と一つの排液室からなる対を複数個配置して構成されたことを特徴とする。

0020

イオン交換膜を室枠を介在させて交互に配列して一つの回収室と一つの排液室からなる対を形成する。フィルタープレスタイプ拡散透析装置は、槽内に組み込まれる多数の対を、スタックで分割することにより、一対の締め部材の間に多くの対を配列することが可能となり、槽一槽あたりの膜面積を著しく増大できる。

0021

また、本発明(請求項2)は、前記締め部材に最も近く配設された中間枠には前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を備えて構成した。

0022

締め部材に最も近く配設された中間枠には液導入部を備えて構成したので、フィルタープレスタイプ拡散透析装置を簡易に構成できる。

0023

更に、本発明(請求項3)は、前記一対の中間枠のいずれか少なくとも一方には前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を備えたことを特徴とする。

0024

中間枠に対して液導入部を備えることで、他のスタックとの間に液流通を遮断する構造を有するようになる。このことにより、液の分散性がよくなるため、酸、アルカリと不要成分の塩類との分離回収効率が良くなる。このように簡易な構造としたため、スタック個々の状態管理を容易に行うことが可能となる。そして、異常の早期発見に役立つばかりでなく、スタックの異常を生じた場合、異常スタックのみメンテナンスすれば良く、運転管理及びメンテナンス性が著しく向上することとなる。

0025

更に、本発明(請求項4)は、前記締め部材に最も近く配設された中間枠には前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を備え、前記締め部材に最も近く配設された中間枠以外の中間枠にはいずれにも前記回収室と前記排液室に対し液を供給排出する液導入部を有さないことを特徴とする。

0026

フィルタープレスタイプ拡散透析装置を簡易に構成できる。

0027

更に、本発明(請求項5)は、前記対の個数が2〜20個毎に希釈熱を冷却するための冷却室が配置されたことを特徴とする。

0028

冷却室が配置されたことで、希釈熱によるイオン交換膜や室枠の損傷を防止できる。

0029

更に、本発明(請求項6)は、前記スタックが前記対の積層状態を保持する仮締めボルトを備えたことを特徴とする。

0030

仮締めボルトはスタック毎に装着され、ボルトを適度に仮締めすることで、スタック内の多数の室枠と膜の積層物がスタック移動時にその形を保持し脱落しないようにできる。

0031

更に、本発明(請求項7)は、前記スタック内の対の数が20〜200対であることを特徴とする。

0032

更に、本発明(請求項8)は、前記締め具には固定枠と該固定枠に向けて移動自在の遊導枠と前記固定枠に連設されたスライドバーを備え、前記遊導枠と前記中間枠とは前記スライドバーに沿って移動自在であることを特徴とする。

0033

締め具による締め付け時にはスライドバーに沿って遊導枠と中間枠が容易に移動自在である。このため、均一な締め付けが可能となるばかりでなく、締め付け解放時には、締め具からスタックが脱落することは無くメンテナンス上優位である。

0034

更に、本発明(請求項9)は、前記締め具による締め付け圧力が前記遊導枠の単位面積当たり0.1MPa〜0.6MPaであることを特徴とする。

発明の効果

0035

以上説明したように本発明(請求項1)によれば、複数のスタックとスタックを締め付ける締め具とを備えて構成したので、フィルタープレスタイプ拡散透析装置は、槽内に組み込まれる多数の対を、スタックで分割することにより、一対の締め部材の間に多くの対を配列することが可能となる。このため、槽一槽あたりの膜面積を著しく増大できる。

図面の簡単な説明

0036

本発明の実施形態であるフィルタープレスタイプ拡散透析装置の全体構成図
スタックの組み込み構成図
膜室枠配列図(その1)
ノズル付き中間枠の外観図(その1)
ノズル付き中間枠の外観図(その2)
ノズルを有さない中間枠の外観図
排液室枠の構成図
回収室枠の構成図
本発明の別実施形態であるフィルタープレスタイプ拡散透析装置の全体構成図
同上のスタックの組み込み構成図

0037

以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態であるフィルタープレスタイプ拡散透析装置の全体構成図を図1に示す。図1において、フィルタープレスタイプ拡散透析装置100は、緩衝枠1と緩衝枠3の間にスタック5が複数個互いに隣接するように配設されている。

0038

緩衝枠1の左端には遊導枠7が突設され、また、緩衝枠3の右端には固定枠9が突設されている。遊導枠7と固定枠9は締め部材に相当する。固定枠9の下端には水平連結バー11が固着され、この水平連結バー11の左端には立設連結バー13が固着されている。そして、固定枠9と立設連結バー13の間には水平連結バー11と平行にスライドバー15が取り付けられている。スライドバー15は固定枠9と立設連結バー13のそれぞれの手前側と奥側の両側部に配設されている。

0039

立設連結バー13には油圧プレス棒17が通されており、遊導枠7にはこの油圧プレス棒17により左方から押圧力かけられるようになっている。
この押圧力によりスタック5は遊導枠7と固定枠9の間で締め付けられるようになっている。遊導枠7、固定枠9、水平連結バー11、立設連結バー13、スライドバー15、油圧プレス棒17により締め具20が構成されている。

0040

次に、図2にスタックの組み込み構成図、図3に膜室枠配列図を示す。
図2及び図3において、回収室枠21、排液室枠23とイオン交換膜14とが交互に積層され、これらの積層された膜室枠により拡散透析として機能する最小単位である対30が形成されている。そして、対30が複数個積層されたその遊導枠7側の端部にはノズル付き中間枠40が配設され、固定枠9側の端部にはノズル付き中間枠50が配設されている。ノズルは液導入部に相当する。

0041

対30が複数個積層されたその中間部分にはノズルを有さない中間枠60が2個配設されている。ノズル付き中間枠40とノズルを有さない中間枠60間に挟まれた複数個積層された対30とで一つのスタック5が形成されている。同様に、ノズルを有さない中間枠60とノズル付き中間枠50間に挟まれた複数個積層された対30とでもう一つのスタック5が形成されている。

0042

なお、図2では、簡単化のためにスタック5を2個で構成した場合を示したが、図1では、ノズルを有さない一対の中間枠60で構成したスタック5を中間部分に複数配設した例を示している。
また、それぞれのスタック5の対30が複数個積層されたその中央には冷却室枠61が配設され、その両側には、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)等の樹脂製のフィルム63が配置されている。

0043

次に、図4図5及び図6に中間枠の外観図を示す。中間枠類は、スタック5の締め枠としての機能を有する。図4において、ノズル付き中間枠40の枠体41には上部に図中左側にノズル口を有する回収液ノズル42Aが配設されている。そして、ダクト穴32Aが枠体41の図中右上部に配設されている。回収液ノズル42Aはダクト穴32Aとは通孔43Aを介して連通されている。

0044

一方、枠体41の下部には、図中右側にノズル口を有する排液ノズル44Aと、図中左側にノズル口を有する冷却水ノズル45Aとが配設されている。また、ダクト穴32Bが枠体41の図中右下部に配設され、ダクト穴32Cが枠体41の図中下部中央に配設されている。排液ノズル44Aはダクト穴32Bとは通孔43Bを介して連通され、一方、冷却水ノズル45Aはダクト穴32Cとは通孔43Cを介して連通されている。

0045

図5において、ノズル付き中間枠50の枠体52には上部に図中左側にノズル口を有する排液ノズル44Bと、図中右側にノズル口を有する冷却水ノズル45Bとが配設されている。そして、ダクト穴32Dが枠体52の図中右上部に配設され、ダクト穴32Eが枠体52の図中上部中央に配設されている。排液ノズル44Bはダクト穴32Dとは通孔43Dを介して連通され、一方、冷却水ノズル45Bはダクト穴32Eとは通孔43Eを介して連通されている。

0046

一方、枠体52の下部には図中右側にノズル口を有する回収液ノズル42Bが配設されている。また、ダクト穴32Fが枠体52の図中右下部に配設されている。回収液ノズル42Bはダクト穴32Fとは通孔43Fを介して連通されている。

0047

更に、図6において、ノズルを有さない中間枠60の枠体62の上部にはダクト穴32G、32H、32Iが、また、枠体62の下部にはダクト穴32J、32K、32Lが配設されている。

0048

枠体41、52、62の両側部にはL字状の肩付き49が取り付けられている。この肩付き49の上方及び下方にはそれぞれ台座51が形成されている。そして、この台座51には、図1に示すスタック仮締めボルト53が装着されるようになっている。

0049

次に、室枠について説明する。図7の排液室枠の構成図において、排液室枠23のフレーム部72の中央には四角形状の開口62が形成されている。開口62と連通するダクト穴32Mとダクト穴32Rには液流路を確保するためのディストリビューター65A、65Bが嵌合されるようになっている。このディストリビューター65A、65Bには複数本の細い溝が刻設されている。

0050

開口62の内側には排液室枠23の流路部のスペーサーとなるプラスチック製のネット67が配設されている。このネット67はイオン交換膜14同士が互いにくっつかないように、また、被処理液の分散のために配設されている。

0051

なお、図8に示す通り回収室枠21は排液室枠23を丁度裏返したものに相当し、回収室枠21と排液室枠23とは同一の構造を有するものである。また、冷却室枠61は図示していないが、ディストリビューター65A、65Bがダクト穴32Nとダクト穴32Qにそれぞれ嵌合されるように構成されている。

0052

次に、本発明の実施形態であるフィルタープレスタイプ拡散透析装置の作用について説明する。
フィルタープレスタイプ拡散透析装置100は、図1のように締め具20に通常2〜10個のスタック5を組み込み、両端に締め枠を配置する形態である。各スタック5には通常20から200対、好ましくは40から120対の膜、室枠が用いられる。

0053

フィルタープレスタイプ拡散透析装置100は、槽内に組み込まれる多数の対を、スタック5で分割することにより、緩衝枠1と緩衝枠3の間に多くの膜群を配列することが可能となり、槽一槽あたりの膜面積を著しく増大できる。

0054

言い換えれば、従来のボルト締め槽一槽分に相当する複数の対を両端に配置した中間枠40と中間枠60、中間枠60と中間枠60、中間枠60と中間枠50を介して仮締めし、スタック5を構成する形態であり、この方法により従来のボルト締め槽の複数槽をフィルタープレスタイプ拡散透析装置100の1槽内に配列することが可能となる。
また、このようにスタック構造化したことでメンテナンス性が向上する。

0055

次に、排液、回収液の流れについて説明する。中間枠と室枠の向き及び位置の関係を明確にするため、図4図8の各図中には手前側、奥側の旨を付記している。例えば、図4では枠体41の左側に対し手前側、右側に対し奥側の付記があり、枠体41の左側を手前に右側を奥側として見るという趣旨である。
排液は、図4の排液ノズル44Aから流入し、通孔43Bを経てダクト穴32Bを通過し、図3及び図7に示す排液室枠23のダクト穴32Rを通る。その後、ディストリビューター65Bを流れて排液室を上方に向けてゆっくり通過した後、図3中に示すように、ディストリビューター65Aを流れてダクト穴32Mを通る。

0056

ダクト穴32Mを通った排液は図6の中間枠60のダクト穴32Gを通る。そして、最終的には図5の中間枠50のダクト穴32Dを通り、通孔43Dを経て排液ノズル44Bから吐出される。

0057

一方、回収液は、図4の回収液ノズル42Aから流入し、通孔43Aを経てダクト穴32Aを通過し、図3及び図8に示す回収室枠21のダクト穴32Oを通る。その後、ディストリビューター65Aを流れて回収室を下方に向けてゆっくり通過した後、ディストリビューター65Bを流れてダクト穴32Pを通る。

0058

ダクト穴32Pを通った回収液は図6の中間枠60のダクト穴32Jを通る。そして、最終的には図5の中間枠50のダクト穴32Fを通り、通孔43Fを経て回収液ノズル42Bから吐出される。このように、イオン交換膜14を隔てて排液と回収液とは互いに対向するよう流される。

0059

中間枠60はダクト穴32を設けたことで液流を阻害せず流通させる構造となっている。この構造により、液導入のためのノズル配管は、両端に配置された中間枠40と中間枠50にのみ設けるだけで良く簡易な透析装置構造とすることができる。

0060

次に、冷却水構造について説明する。
前述したように、希釈熱の大きな組成液から酸、アルカリを回収するとき、組み込む対の数を増やした場合や、濃度の高い組成液の場合において、イオン移動に伴う希釈熱が大きくなる。このため、回収室側にて発熱、蓄熱を生じ、場合によっては、膜、室枠の発熱損傷を引き起こし、多大なダメージを生ずることとなる。

0061

この蓄熱は、回収室枠21と排液室枠23に流す液流方向に起因している。そして、上述したような液流方向が向流である場合には、イオン移動に伴い発生した希釈熱が流路中央部にて蓄熱し、この流路中央部付近にて異常な温度上昇を引き起こすこととなる。

0062

この流路中央部の蓄熱を防止し目標とする運転温度に管理するために、図3に示すように、スタック5内に希釈熱を冷却するための冷却室枠61を2〜20対間隔にて配置するのが好ましい。この冷却室枠61の両側には、PP、PE等の樹脂製のフィルム63を配置する。このフィルム63の厚みは、50〜300μmが好ましく、このフィルム63により隣室との液混入を防止すると共に隣室との熱交換を容易にすることができる。

0063

なお、冷却室枠61に流す冷却水としては、工水上水、純水等が使用でき、個別の冷却水循環槽と温度調節システム具備した設備とするのが望ましい。そして、この温度調節システムでは、回収液や排液が目標とする運転温度になるように冷却水循環槽より冷却水を供給する。

0064

冷却水は図4の冷却水ノズル45Aから流入し、通孔43Cを経てダクト穴32Cを通過し、冷却室枠61のダクト穴32Qを通る。その後、ディストリビューターを流れて冷却室を上方に向けて通過した後、ディストリビューターを流れてダクト穴32Nを通る。

0065

ダクト穴32Nを通った冷却水は図6の中間枠60のダクト穴32Hを通る。そして、最終的には図5の中間枠50のダクト穴32Eを通り、通孔43Eを経て冷却水ノズル45Bから吐出される。

0066

なお、スタック仮締めボルト53はスタック5毎に装着されており、ボルトを適度に仮締めすることで、スタック5内の多数の室枠21、23とイオン交換膜14の積層物がスタック移動時にその形を保持し脱落しないようにできる。そして、スタック5を締め具20に移動し油圧プレスによる締め付け後はスタック仮締めボルト53を除去できる構造を有するものが望ましい。

0067

更には、締め具20からスタック5を取り外す際には、油圧プレスの締め付け圧力を緩める前に、仮締めできることが望ましいことから、スタック仮締めボルト53としては、締め付けが容易なタンバックルが好ましい。

0068

中間枠40、50は、スタック5の締め枠としての機能とスタック5内の室枠21、23、61への液導入部を兼ね備えた室枠である。

0069

中間枠40、50、60は多数の室枠21、23とイオン交換膜14の積層物を適度に締め付け、その形を保持したまま締め具20に取り付け取り外しするための機能も兼ね備えたもので、材質は、耐薬品性加工性、強度等から、PVC(塩化ビニル樹脂)、CPVC(塩素化塩化ビニル樹脂)、PP(ポリプロピレン樹脂)、PE(ポリエチレン樹脂)、FRP繊維強化プラスチック)等の樹脂製が適している。

0070

中間枠40、50、60の厚み71は、構造体としての強度、仮締め時の変形防止と液導入構造構築のための流動性確保と加工性を考慮し、20〜60mmが好ましい。中間枠40、50、60のサイズは特に制限は無いが、幅が600〜1800mm、高さは1200〜3500mmが好ましい。

0071

図1に示す様に、スタック5及び遊導枠7には肩付き49構造を有しており、締め具20のスライドバー15上にこの肩付き49の突設部分をひっかけ、吊り下げる構造を有している。

0072

この形状により締め付け時スライドバー15上を遊導枠7とスタック5が容易に滑ることになる。このため、均一な締め付けが可能となるばかりでなく、締め付け解放時には、締め具20からスタック5が脱落することは無くメンテナンス上優位であり好ましい。

0073

スライドバー15を具備していることによりスタック5の装着後の移動、締め付け時の滑りが良く均一に締め付けられる。遊導枠7の形状を緩衝枠1、緩衝枠3と同等のサイズとすることにより、締め付け部がボルト締めとは異なり締め付け力が直接室枠実体部に力が加わるため、締め枠の変形も少なく均一な締め付けが可能となる。

0074

締め付け圧力については、室枠材質、形態、使用する膜種により若干異なるが、外部への液漏れ(外部リーク)を極力防ぐ目的で設定され、緩衝枠1の単位面積当たり0.1MPa〜1.0MPaが好ましい。また、遊導枠7のサイズは特に制限は無いが、室枠21、23、イオン交換膜14、中間枠40、50、60等の製作性から考えて、幅は500〜1500mm、高さは1000〜3000mmが好ましい。

0075

次に、この締め具20に組み込む拡散透析槽の1槽当たりの最大有効膜面積を想定する。スタック5内の膜組み込み時の作業性やスタック5のハンドリング性等を考慮すると、1スタック当たり120対、締め具20に組み込むスタック5の数は、全体の締め具の長さを考慮して10スタック、室枠の製作性等を考慮し組み込める室枠の有効膜サイズは、2.0m2程度となる。従って、フィルタープレスタイプ拡散透析装置100の1基当たりの全有効膜面積は、4800m2程度となる。

0076

このように、フィルタープレスタイプ拡散透析装置100の場合には、ボルト締めタイプの約20倍程度にまで対の数を増やすことができる。
なお、上記説明では、ノズル付き中間枠40とノズル付き中間枠50の間にノズルを有しない中間枠60を複数個配設することでスタック5を複数個備えるとして説明した。

0077

しかしながら、図9のフィルタープレスタイプ拡散透析装置の全体構成図及び図10のスタックの組み込み構成図に示すように、すべてのスタック5に対してノズル付き中間枠40とノズル付き中間枠50を備えるようにしてもよい。

0078

図9及び図10において、フィルタープレスタイプ拡散透析装置200では、一対の中間枠40と中間枠50にて構成されるスタック5は、それぞれのスタック毎に独自に液を供給排出する回収液ノズル42A、42Bと、排液ノズル44A、44Bと、冷却水ノズル45A、45Bとを有し、他のスタック5との室枠内ダクト穴32を介しての液流通を遮断する構造を有している。
このことにより、液の分散性がよくなるため、酸、アルカリと不要成分の塩類との分離回収効率が良くなる。このように簡易な構造としたため、スタック個々の状態管理を容易に行うことが可能となる。そして、異常の早期発見に役立つばかりでなく、スタックの異常を生じた場合、異常スタックのみメンテナンスすれば良く、運転管理及びメンテナンス性が著しく向上することとなる。

0079

本発明であるフィルタープレスタイプ拡散透析装置の実施例について以下説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本実施例にはAGCエンジニアリング株式会社製のフィルタープレスタイプ拡散透析装置を用いた。

0080

回収室枠21、排液室枠23、冷却室枠61の室枠サイズは、幅1120mm、高さ2300mmで、室枠の開口62の面積(有効膜面積)は、1.78m2で、厚み1.9mmである。室枠フレーム部72の材質は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー製で片面にリブを突出させた格子状リブシートを使用した。開口62には、ネトロン法にて製造したポリエチレン製ネット67を装着し、ディストリビューター65としては、トンネルタイプディストリビューターを取り付けた。

0081

用意した回収室枠21、排液室枠23、及びアニオン交換膜(AGCエンジニアリング株式会社製DSV)1200対を中間枠にて10個のスタック5に分割した。そして、スタック5内の120対に対し6対毎に冷却室枠61を組み込みんだ。

0082

各スタック5はスタック仮締めボルト53としてのタンバックルにて締結した後、締め具20に移動させた。締め具20では、油圧プレスを用い、締め付け圧力として遊導枠7の単位面積当たり0.3MPaにて締め付けを実施した。
このようにフィルタープレスタイプ拡散透析装置100を構成した後、廃硫酸からの硫酸回収拡散透析を実施した。

0083

運転条件として、廃硫酸組成を、硫酸濃度250g/L、鉄濃度50g/Lとし、排液供給量あたりの有効膜面積を1.04m2/l/h、排液供給量あたりの回収酸流出量との比率を1.4、冷却室温度を25℃にて運転を実施した。

実施例

0084

その結果、回収酸として、鉄濃度1g/L、硫酸濃度166g/L、硫酸の回収率93%と、高い硫酸回収率が得られた。また、1ケ月間の連続透析運転後に、透析槽を解体して内部を観察した結果、イオン交換膜14、室枠21、23の発熱による異常は認められなかった。

0085

1、3緩衝枠
5スタック
7 遊導枠
9固定枠
11 水平連結バー
13 立設連結バー
14イオン交換膜
15スライドバー
17油圧プレス棒
20締め具
21回収室枠
23排液室枠
30 対
32ダクト穴
40、50、60中間枠
41、52、62枠体
42A、42B回収液ノズル
43通孔
44A、44B排液ノズル
45A、45B冷却水ノズル
49 肩付き
51台座
53 スタック仮締めボルト
61冷却室枠
62 開口
63フィルム
65ディストリビューター
67ネット
72フレーム部
100、200フィルタープレスタイプ拡散透析装置

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