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技術 熱処理装置

出願人 株式会社SCREENホールディングス
発明者 布施和彦伊藤禎朗小野行雄
出願日 2015年5月26日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-106031
公開日 2016年12月22日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2016-219719
状態 特許登録済
技術分野 ウエハ等の容器、移送、固着、位置決め等 アニール
主要キーワード 減衰プレート 予備加熱段階 反射リング ベローズ型 内側空 フィラメント方式 緩衝空間 各動作機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

フラッシュ光照射時における基板跳躍および割れを防止することができる熱処理装置を提供する。

解決手段

熱処理装置のチャンバーに固定的に設置された基台71上に空気バネ72を介してサセプター74を支持している。半導体ウェハーWは、サセプター74上に立設された支持ピン75によって支持される。フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが急激に変形することによってサセプター74および半導体ウェハーWの双方に作用する力は空気バネ72によって吸収されて緩和される。その結果、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの跳躍および割れを防止することができるとともに、サセプター74の破損をも防止することができる。

概要

背景

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物元素イオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。

そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、例えば特許文献1,2には、半導体ウェハーの表面側にフラッシュランプ等のパルス発光ランプを配置し、裏面側にハロゲンランプ等の連続点灯ランプを配置し、それらの組み合わせによって所望の熱処理を行うものが開示されている。特許文献1,2に開示の熱処理装置においては、ハロゲンランプ等によって半導体ウェハーをある程度の温度まで予備加熱し、その後フラッシュランプからのパルス加熱によって所望の処理温度にまで昇温している。

ところで、フラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇する一方で裏面温度はそれ程には上昇しない。このため、半導体ウェハーの表面のみに急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが上面を凸として反るように変形する。そして、次の瞬間には反動で半導体ウェハーが下面を凸として反るように変形する。その結果、半導体ウェハーを支持しているサセプター上にてウェハー激しく振動し、サセプターから半導体ウェハーが跳躍したり、さらには衝撃で半導体ウェハーもしくはサセプターの支持ピン割れる不具合がある。

このため、特許文献3には、減衰プレートから0.5mm〜3mmの距離だけ離して半導体ウェハーを支持し、フラッシュ光照射時に減衰プレートと半導体ウェハーとの間に挟み込まれた気体ガス圧によって半導体ウェハーの振動を減衰させることが提案されている。

概要

フラッシュ光照射時における基板の跳躍および割れを防止することができる熱処理装置を提供する。熱処理装置のチャンバーに固定的に設置された基台71上に空気バネ72を介してサセプター74を支持している。半導体ウェハーWは、サセプター74上に立設された支持ピン75によって支持される。フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが急激に変形することによってサセプター74および半導体ウェハーWの双方に作用する力は空気バネ72によって吸収されて緩和される。その結果、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの跳躍および割れを防止することができるとともに、サセプター74の破損をも防止することができる。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射時における基板の跳躍および割れを防止することができる熱処理装置を提供する

効果

実績

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請求項1

基板フラッシュ光照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、基板を収容するチャンバーと、上面に立設された複数の支持ピンを介して当該上面から所定の間隔を隔てて基板を支持する平板形状のサセプターと、前記チャンバー内にて前記サセプターを支持する弾性部材と、前記サセプターに支持された基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、を備えることを特徴とする熱処理装置。

請求項2

請求項1記載の熱処理装置において、前記弾性部材は空気バネであることを特徴とする熱処理装置。

請求項3

請求項1記載の熱処理装置において、前記弾性部材はコイルスプリングであることを特徴とする熱処理装置。

技術分野

0001

本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。

背景技術

0002

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物元素イオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。

0003

そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

0004

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

0005

このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、例えば特許文献1,2には、半導体ウェハーの表面側にフラッシュランプ等のパルス発光ランプを配置し、裏面側にハロゲンランプ等の連続点灯ランプを配置し、それらの組み合わせによって所望の熱処理を行うものが開示されている。特許文献1,2に開示の熱処理装置においては、ハロゲンランプ等によって半導体ウェハーをある程度の温度まで予備加熱し、その後フラッシュランプからのパルス加熱によって所望の処理温度にまで昇温している。

0006

ところで、フラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇する一方で裏面温度はそれ程には上昇しない。このため、半導体ウェハーの表面のみに急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが上面を凸として反るように変形する。そして、次の瞬間には反動で半導体ウェハーが下面を凸として反るように変形する。その結果、半導体ウェハーを支持しているサセプター上にてウェハー激しく振動し、サセプターから半導体ウェハーが跳躍したり、さらには衝撃で半導体ウェハーもしくはサセプターの支持ピン割れる不具合がある。

0007

このため、特許文献3には、減衰プレートから0.5mm〜3mmの距離だけ離して半導体ウェハーを支持し、フラッシュ光照射時に減衰プレートと半導体ウェハーとの間に挟み込まれた気体ガス圧によって半導体ウェハーの振動を減衰させることが提案されている。

先行技術

0008

特開昭60−258928号公報
特表2005−527972号公報
特表2007−519232号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献3に提示されるような技術によっても、フラッシュ光照射時に、半導体ウェハーの跳躍を抑制することができず、依然としてフラッシュ光照射時の半導体ウェハーまたは支持ピンの破損という危険性が残っている。

0010

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射時における基板の跳躍および割れを防止することができる熱処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、上面に立設された複数の支持ピンを介して当該上面から所定の間隔を隔てて基板を支持する平板形状のサセプターと、前記チャンバー内にて前記サセプターを支持する弾性部材と、前記サセプターに支持された基板にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、を備えることを特徴とする。

0012

また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記弾性部材は空気バネであることを特徴とする。

0013

また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記弾性部材はコイルスプリングであることを特徴とする。

発明の効果

0014

請求項1から請求項3の発明によれば、基板を支持するサセプターを弾性部材によって支持しているため、フラッシュ光照射時に基板が急激に変形したときにサセプターおよび基板の双方に作用する力を緩和することができ、フラッシュ光照射時における基板の跳躍および割れを防止することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
保持部の側面図である。
サセプターの平面図である。
空気バネの近傍を拡大した図である。
移載機構の平面図である。
移載機構の側面図である。
複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。
保持部によって半導体ウェハーが保持された状態を示す図である。
半導体ウェハーにフラッシュ光が照射された瞬間の状態を示す図である。

実施例

0016

以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0017

図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。本実施形態の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。

0018

熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。

0019

チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。

0020

また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。

0021

チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。

0022

チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。また、反射リング68,69の内周面電解ニッケルメッキによって鏡面とされている。

0023

また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。

0024

また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガス(本実施形態では窒素ガス(N2))を供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は窒素ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、窒素ガス供給源85から緩衝空間82に窒素ガスが送給される。緩衝空間82に流入した窒素ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。なお、処理ガスは窒素ガスに限定されるものではなく、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガス、または、酸素(O2)、水素(H2)、塩素(Cl2)、塩化水素(HCl)、オゾン(O3)、アンモニア(NH3)などの反応性ガスであっても良い。

0025

一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、窒素ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場ユーティリティであっても良い。

0026

また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。

0027

図2は、保持部7の側面図である。チャンバー6内にて半導体ウェハーWを保持する保持部7は、基台71、サセプター74および空気バネ72を備えて構成される。基台71は、石英にて形成された板状部材であり、凹部62の底面に載置されることによってチャンバー6の壁面に設置される。

0028

図3は、サセプター74の平面図である。サセプター74は、石英にて形成された略円形平板状部材である。サセプター74の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、サセプター74は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。サセプター74の上面には複数本の支持ピン75が立設されている。本実施形態においては、サセプター74の外周円と同心円の周上に沿って60°毎に計6本の支持ピン75が立設されている。6本の支持ピン75を配置した円の径(対向する支持ピン75間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さい(例えば、半導体ウェハーWの径が300mmであれば、支持ピン75を配置した円の径は280mm)。6本の支持ピン75のそれぞれは石英にて形成されている。また、サセプター74の上面には、支持ピン75によって支持される半導体ウェハーWの周囲を囲むように複数本のガイドピンまたはガイドリングが設けられている(いずれも図示省略)。ガイドピンまたはガイドリングは、6本の支持ピン75によって支持される半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれを防止する。さらに、サセプター74には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。

0029

図2に示すように、サセプター74は複数個(本実施形態では6個)の空気バネ72を挟み込んで基台71上に設置されている。すなわち、基台71の上面に複数個の空気バネ72が設けられるとともに、それら複数個の空気バネ72によってサセプター74が支持されている。

0030

図4は、空気バネ72の近傍を拡大した図である。空気バネ72は、圧縮空気弾性力を利用したバネである。空気バネ72としては、公知の種々のタイプのものを採用することができ、例えばゴムベローズの上下を板部材で閉塞したものの内部空間に圧縮空気を封入したベローズ型のものを用いることができる。

0031

基台71はチャンバー6の壁面に固定的に設置されており、その基台71の上面に複数個の空気バネ72を介してサセプター74が支持されている。基台71はチャンバー6に安定支持されているものの、その上に空気バネ72を介してサセプター74を支持することにより、サセプター74にはサスペンション機能を付与することができる。

0032

また、空気バネ72によって支持されるサセプター74の上面に立設された複数本の支持ピン75によって半導体ウェハーWは点接触で支持される。すなわち、半導体ウェハーWは、複数本の支持ピン75を介してサセプター74の上面から所定の間隔を隔てて支持されることとなる。その結果、サセプター74に支持される半導体ウェハーWの裏面とサセプター74の上面との間には薄い気体層が存在することとなる。

0033

図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。

0034

また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプター74に穿設された貫通孔79(図3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプター74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、上面から見たときに、サセプター74に支持される半導体ウェハーWとは重ならない位置である。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。

0035

図1戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。

0036

複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。

0037

キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧印加して絶縁破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノン原子あるいは分子励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。

0038

また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。

0039

チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する光照射部である。

0040

図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。保持部7に保持された円板形状の半導体ウェハーWの主面よりも広い領域に複数のハロゲンランプHLが配置されている。また、当該半導体ウェハーWの主面のうち下面と対向する領域に複数のハロゲンランプHLが配置されている。

0041

図1および図7に示すように、40本のハロゲンランプHLが上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。

0042

また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。

0043

また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。

0044

ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメント通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。

0045

また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。

0046

制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用メモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。

0047

上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。

0048

次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。

0049

まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。

0050

また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。

0051

続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプター74の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。

0052

半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプター74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。サセプター74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置に退避する。

0053

図8は、保持部7によって半導体ウェハーWが保持された状態を示す図である。なお、図8および後述の図9では、説明の便宜上、各要素を誇張して描いている。上述したように、保持部7のサセプター74は複数個の空気バネ72によってサスペンション機能を有するように支持されている。そのサセプター74の上面に複数本の支持ピン75が立設されており、移載機構10から渡された半導体ウェハーWはそれら複数本の支持ピン75によって点接触で支持されることにより保持部7に保持される。保持部7に保持される半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)とサセプター74の上面との間には支持ピン75の高さに相当する間隔が存在している。すなわち、保持部7に保持される半導体ウェハーWの裏面とサセプター74の上面との間には薄い気体層が挟み込まれた状態となっている。

0054

半導体ウェハーWが保持部7によって水平姿勢にて下方より保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64、基台71およびサセプター74を透過して半導体ウェハーWの裏面から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。

0055

ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が図示省略の温度センサーによって測定されている。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、温度センサーによる測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。

0056

半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。

0057

このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている(図7参照)。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。さらに、チャンバー側部61に装着された反射リング69の内周面は鏡面とされているため、この反射リング69の内周面によって半導体ウェハーWの周縁部に向けて反射する光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布をより均一なものとすることができる。

0058

ハロゲンランプHLからの光照射によって半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLが半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。

0059

フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。

0060

図9は、半導体ウェハーWにフラッシュ光が照射された瞬間の状態を示す図である。フラッシュ光照射によって、半導体ウェハーWの表面温度は瞬間的に1000℃以上の処理温度T2にまで上昇する一方、その瞬間の裏面温度は予備加熱温度T1からさほどには上昇しない。すなわち、半導体ウェハーWの表面と裏面とに瞬間的に大きな温度差が発生するのである。その結果、図9に示すように、半導体ウェハーWの表面のみに急激な熱膨張が生じ、裏面はほとんど熱膨張しないために、半導体ウェハーWが表面を凸面とするように瞬間的に反る。続いて、次の瞬間には、半導体ウェハーWの表面から裏面側にも熱が伝導するとともに、上記の表面を凸面とする反りの反動によって裏面を凸面とするように反る。以降、半導体ウェハーWは表面と裏面とが交互に凸面となるような反りを繰り返して振動することとなる。

0061

ここで、従来のように、サセプター74が固定的に設置されていた場合には、半導体ウェハーWが表面を凸面とするように反ると、半導体ウェハーWの端縁部がサセプター74の上面に衝突する。逆に、半導体ウェハーWが裏面を凸面とするように反ると、半導体ウェハーWの中央部がサセプター74の上面に衝突する。その結果、半導体ウェハーWが跳躍したり、サセプター74の上面に傷がついたり、最悪の場合ウェハー割れが生じるおそれもあった。また、半導体ウェハーWの変形によって、半導体ウェハーWに直接接触する支持ピン75に大きな力が作用するため、支持ピン75が破損することもあった。

0062

そこで、本発明に係る熱処理装置1においては、チャンバー6内にて空気バネ72によってサセプター74を支持している。空気バネ72でサセプター74を支持することによってサセプター74にはサスペンション機能が付与されており、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの変形に起因してサセプター74に作用する力を吸収することができる。これにより、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWおよびサセプター74の双方に作用する力を緩和することができ、半導体ウェハーWの跳躍および割れ並びにサセプター74の破損(特に、支持ピン75の破損)を防止することができる。

0063

フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は温度センサーによって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプター74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプター74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。

0064

本実施形態においては、サセプター74上に立設された複数本の支持ピン75によって半導体ウェハーWを支持することにより、半導体ウェハーWの裏面とサセプター74の上面との間に薄い気体層を挟み込むとともに、サセプター74を空気バネ72によって支持している。これにより、半導体ウェハーWの変形に起因して半導体ウェハーWおよびサセプター74の双方に作用する力を緩和することができる。その結果、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの跳躍および割れを防止することができるとともに、サセプター74の破損をも防止することができる。

0065

以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、空気バネ72によってサセプター74を支持していたが、これに限定されるものではなく、例えばアルミニウム製のコイルスプリングによってサセプター74を支持するようにしても良い。コイルスプリングによってサセプター74を支持するようにしても、半導体ウェハーWおよびサセプター74の双方に作用する力を緩和することができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、空気バネ72やコイルスプリング等の弾性部材によってサセプター74をチャンバー6内にて支持すれば、半導体ウェハーWおよびサセプター74の双方に作用する力を緩和することができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。

0066

また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、上段および下段に複数する配置する形態であれば任意の数とすることができる。

0067

また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の熱処理、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコン結晶化に適用するようにしても良い。

0068

1熱処理装置
3 制御部
4ハロゲン加熱部
5フラッシュ加熱部
6チャンバー
7 保持部
10 移載機構
64 下側チャンバー窓
65熱処理空間
71基台
72空気バネ
74サセプター
75支持ピン
FLフラッシュランプ
HLハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

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