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図面 (9)

課題

自動車運転シミュレータによる仮想運転を行わせ、視覚以外の感覚刺激を与えた際の脳波分析することにより、認知能力集中力の低下を正確に判定する。

解決手段

自動車運転能力判定装置は、自動車運転シミュレータと、自動車運転シミュレータによる映像表示を、単位時間当たり所定の視界遮断率開放遮断する視界遮断率調整装置と、自動車運転シミュレータが仮想運転時に提示する情報とは無関係の刺激被験者に与える感覚刺激付与装置と、被験者に装着する脳波計とを備えている。ふらつき量が増大し始める臨界視界遮断率以下の状態と、安全運転限界値を超える限界視界遮断率前後の状態とに切り換え、それぞれの状態で、感覚刺激付与装置により刺激を与えた際、脳波計が検出する部位のうち、刺激に対する感覚を司る部位における誘導電位変動幅計測し両者の差分に基づいて、自動車運転時に必要な視覚情報に対する注意力、集中力を判定する。

概要

背景

本技術分野の背景技術として、特許文献1〜3に開示されるような運転シミュレータを用いた自動車運転能力判定装置が知られている。

概要

自動車運転シミュレータによる仮想運転を行わせ、視覚以外の感覚刺激を与えた際の脳波分析することにより、認知能力集中力の低下を正確に判定する。自動車運転能力判定装置は、自動車運転シミュレータと、自動車運転シミュレータによる映像表示を、単位時間当たり所定の視界遮断率開放遮断する視界遮断率調整装置と、自動車運転シミュレータが仮想運転時に提示する情報とは無関係の刺激被験者に与える感覚刺激付与装置と、被験者に装着する脳波計とを備えている。ふらつき量が増大し始める臨界視界遮断率以下の状態と、安全運転限界値を超える限界視界遮断率前後の状態とに切り換え、それぞれの状態で、感覚刺激付与装置により刺激を与えた際、脳波計が検出する部位のうち、刺激に対する感覚を司る部位における誘導電位変動幅計測し両者の差分に基づいて、自動車運転時に必要な視覚情報に対する注意力、集中力を判定する。

目的

本発明の目的は、自動車運転シミュレータによる仮想運転を行わせる際、特定の感覚刺激を与えた際の脳波を分析することにより、認知能力や集中力の低下を正確に判定できるようにすることにある

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

自動車運転シミュレータと、前記自動車運転シミュレータによる映像表示を、単位時間当たり所定の視界遮断率開放遮断する視界遮断率調整装置と、前記自動車運転シミュレータが仮想運転時に提示する情報とは無関係の感覚刺激であって、視覚以外の感覚刺激を被験者に与える、感覚刺激付与装置と、被験者に装着する脳波計とを備え、前記視界遮断率調整装置により前記視界遮断率を調整し、前記自動車運転シミュレータにより仮想運転を行った際、ステアリング操作量車両横位置変動幅の標準偏差が増大し始める臨界視界遮断率以下の状態と、ステアリング操作量や車両横位置の標準偏差が安全運転限界値を超える限界視界遮断率前後の状態とに切り換え、それぞれの状態で、前記感覚刺激付与装置により刺激を与えた際、前記脳波計が検出する部位のうち、前記刺激に対する感覚を司る部位における誘導電位変動幅計測し、両者の差分に基づいて、自動車運転時に必要な視覚情報に対する注意力集中力を判定するようにしたことを特徴とする自動車運転能力判定装置

請求項2

前記感覚刺激付与装置は、前記自動車運転シミュレータが仮想運転時に提示する情報とは無関係の音声を出力するスピーカあるいはヘッドフォンであり、前記脳波計が誘導電位を計測する部位が、聴覚刺激に対し顕著な脳幹誘発電位変動を発生するFcz電極、Cz電極またはPz電極であることを特徴とする請求項1に記載の自動車運転能力判定装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば、運転免許教習受講者高齢者事故多発者などを対象に、自動車運転能力客観的に判定するための自動車運転能力判定装置に関する。

背景技術

0002

本技術分野の背景技術として、特許文献1〜3に開示されるような運転シミュレータを用いた自動車運転能力判定装置が知られている。

先行技術

0003

特開2014−119657号公報
特開2013−083883号公報
特開平08−137378号公報

発明が解決しようとする課題

0004

こうしたシミュレータは、基本的にディスプレイ上に仮想運転空間再現し、ハンドルブレーキアクセルなどの運転操作の的確性や、事故回避能力といったものを判定するものである。
しかし、シミュレータによる運転能力判定は、実際の運転とは全く異なる状況下で行われ、運転キャリアに大きく左右される。すなわち、運転シミュレータによる運転能力の計測は、運転状態を計測すること自体が目的となっており、課せられた仮想的な運転状況に対して、被験者認知能力集中力について客観的な評価を行うことは困難である。

0005

一方、ドライバー視認行動の計測として、アイカメラ等を使った方法が考えられるが、視線がある場所にあったとしても、必ずしもそこの情報を処理しているとは限らず、“意識のわき見”といわれるような「見ているけど見えていない」という状態を計測することは不可能であった。

0006

実際の交通事故の原因は、信号無視漫然運転脇見運転動静注視、安全不確認等、運転者注意散漫が大きな割合を占めており、運転キャリアの有無に直接関わりなく、認知能力や集中力の低下などがその大きな要因と考えられている。
しかし、漫然運転あるいは脇見運転の原因が、そのときの体調精神状態など偶発的な事象による一時的なものであるのか、認知能力や集中力自体の低下に起因する、本質的なものであるのかを判別することはできない。
加齢等に伴う、本質的な認知能力や集中力の低下については、安全教育道路交通法に基づく則では、根本的な解決策とならず、衝突回避装置等の安全対策を講じた自動車への転換や、カーナビゲーションによる経路選択強制的に安全な道路とする優先機能の導入、さらには、免許返納を促すことが必要となる。

0007

そこで、本発明の目的は、自動車運転シミュレータによる仮想運転を行わせる際、特定の感覚刺激を与えた際の脳波分析することにより、認知能力や集中力の低下を正確に判定できるようにすることにある。

課題を解決するための手段

0008

発明者らは、自動車運転シミュレータによる単位時間当たりの映像遮断時間(視界遮断率)を調整した上で、視覚以外の感覚刺激、例えば、提示する運転環境とはまったく関わりのない聴覚刺激を与えた際に、与えた感覚刺激に反応する部位で計測した脳波における誘発電位変動が、安全運転を行うために大きく関わる、認知能力や集中力に強い相関関係があることを見いだした。
そこで、本発明は、この誘発電位変動を特定の閾値と比較することにより、認知能力や集中力を客観的に評価できるようにする。

0009

より具体的には、本発明の自動車運転能力判定装置は、自動車運転シミュレータと、前記自動車運転シミュレータによる映像表示を、単位時間当たり所定の視界遮断率で開放遮断する視界遮断率調整装置と、前記自動車運転シミュレータが仮想運転時に提示する情報とは無関係の感覚刺激であって、視覚以外の感覚刺激を被験者に与える、感覚刺激付与装置と、被験者に装着する脳波計とを備え、前記視界遮断率調整装置により前記視界遮断率を調整し、前記自動車運転シミュレータにより仮想運転を行った際、ステアリング操作量車両横位置変動幅の標準偏差が増大し始める臨界視界遮断率以下の状態と、ステアリング操作量や車両横位置の標準偏差が安全運転の限界値を超える限界視界遮断率前後の状態とに切り換え、それぞれの状態で、前記感覚刺激付与装置により刺激を与えた際、前記脳波計が検出する部位のうち、前記刺激に対する感覚を司る部位における誘導電位変動幅を計測し、両者の差分に基づいて、自動車運転時に必要な視覚情報に対する注意力、集中力を判定するようにした。

発明の効果

0010

本発明によれば、自動車運転シミュレータによる単位時間当たり映像提示時間(視界遮断率)を制限した際、視覚以外の感覚刺激に反応する部位で計測した脳波における誘発電位変動の変動幅に基づいて、自動車運転時に必要な視覚情報に対する注意力、集中力を正確に判定することが可能となる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、視界遮断率を説明する図である。
図2は、視界遮断率とステアリング操作量の標準偏差(実験対象者全平均値)との関係を示す図である。
図3は、視界遮断率毎と車両横位置変動幅の標準偏差(実験対象者の全平均値)を示す。
図4は、実験対象者18名の視界遮断率と車両横位置変動幅の標準偏差との関係と、代表的な実験対象者2名の臨界視界遮断率を示す。
図5は、実験対象者18名の臨界視界遮断率を示す。
図6は、聴覚刺激を行った際、特定の実験対象者に装着した脳波計のFcz電極で計測した脳波におけるN1成分とP2成分の計測結果を示す。
図7は、実験対象者18名に対し、視界遮断率を0%(Normal)から80%まで変化させたときの聴覚刺激に対するPN差分の変化を示す。
図8は、臨界視界遮断率が高いグループAと、臨界視界遮断率が低いグループBに対し、臨界視界遮断率付近である視界遮断率40%と、限界視界遮断率80%で計測したPN差分の関係を示す。

実施例

0012

以下、実施例を図面を用いて説明する。

0013

本実施例では、自動車運転シミュレータに、運転環境を提示する映像情報単位時間当たり一定時間だけ遮断し、視界遮断率を調整する視界遮断率調整装置を備えている。さらに、運転情報とはまったく関わりのない聴覚刺激を与えるスピーカヘッドフォン、被験者の脳波電位を各部位のプローブで計測する脳波計とを備え、自動車運転シミュレータによる仮想運転中の被験者に対し、所定のタイミングでスピーカやヘッドフォンにノイズ音を発生させ、ノイズ発生タイミングからの脳波計の出力変化を記録できるようになっている。

0014

ところで、複数の被験者に関し、自動車運転シミュレータによる仮想運転中、まず、スピーカやヘッドフォンにノイズ音を発生させることなく、自動車運転シミュレータにより提示される映像を、単位時間あたり一定時間だけ周期的に遮断する。
ここで、例えば、図1に示すように、2秒を1周期、すなわち単位時間として、1600msは、自動車運転シミュレータによる映像を提示し、残りの400msは、自動車運転シミュレータによる運転環境の映像を遮断して、白、グレーあるいは黒一色の画面とした場合、視界遮断率は20%となる。同様に、自動車運転シミュレータによる映像提示時間が1200ms、遮断時間が800msであるとすれば、視界遮断率は40%となる。
なお、視界遮断率80%は、集中豪雨時にワイパ最速モードで作動させても周囲が良く見えない状態にほぼ匹敵するものである。

0015

なお、この実施例では、視界開放/遮断を行う単位時間を2秒とした。この単位時間は、短すぎると、視界遮断率を高くしても、残像により映像情報の変化が取得されるため、運転ディマンドを高めることができない。一方、単位時間を長くしすぎると、視界遮断率を高くした場合、次の視界開放まで運転環境の変化が大きすぎて、遮断時間が1.2秒を超えると、いかに優れた運転者でも、後述するように、次に運転環境が提示された瞬間、大きくふらついてしまい、運転能力が低い者との判別ができなくなってしまう。
この観点で、単位時間は1.2秒から4秒の範囲、好ましくは2秒程度とする。

0016

視界遮断率を順次高めていくと、被験者は、視界開放時の視覚情報に対する注意力、集中力を高め、視界遮断時の間、遮断直前の運転状態を記憶し、次の視界開放時に再現するという、運転時における視覚情報取得要求、いわゆる運転ディマンドが高くなっていく。

0017

運転ディマンドに応じた運転タスクの作業成績を評価するため、実験対象者A〜Rの18名(平均年齢23.1男性16名、女性2名)に対し、視界遮断率毎に、車速、車両横位置(センターラインからの距離)変動幅、ステアリング操作量、車間距離推移を分析した。特定の視界遮断率における走行定性を評価するため、走行区間におけるそれぞれの標準偏差を各指標に基づいて算出した。

0018

図2図3は、そのうち、視界遮断率毎のステアリング操作量と車両横位置変動幅の標準偏差(実験対象者の全平均値)を示す。特に、視界遮断率60%と80%の間で、いわゆるふらつき率が急激に上昇していることが確認できる。そして、ワイパを最速モードで作動させても、十分な視界を確保できないような雨量に相当する視界遮断率80%前後では、すべての実験対象者でふらつき率が上昇し、実験対象者によっては車線を逸脱しかねない限界値に達しており、以下、これを限界視界遮断率という。

0019

一方、図4は、同じ実験対象者A〜Rに対し、視界遮断率と車両横位置変動幅の標準偏差(ふらつき度)との関係を個別に示したものである。例えば、ドライバーMは、視界遮断率33%程度から、車両横位置変動幅が0.45mから上昇し始め、視界遮断率80%では、車両横位置変動幅が1.4mを超えている。
一方、ドライバーAについては、視界遮断率47%程度まで、車両横位置変動幅が0.4m程度を維持し、ここから上昇し始め、視界遮断率80%でも、車両横位置変動幅が0.8mにとどまっている。なお、図4における薄い点線は、他の実験対象者の視界遮断率と車両横位置変動幅の標準偏差との関係を示している。

0020

このように、車両横位置変動幅が上昇し始める視界遮断率を臨界視界遮断率と定義し、実験対象者A〜R毎の臨界視界遮断率を図5に示す。
ここで、全実験対象者A〜Rのうち、臨界視界遮断率が75%ile(パーセンタイル)は、臨界視界遮断率が40%を超えるドライバーA〜Eの5名からなるグループである。一方、全実験対象者A〜Rのうち、臨界視界遮断率が25%ile(パーセンタイル)は、臨界視界遮断率が35%を下回るドライバーO〜Rの4名からなるグループである。

0021

人間は、視覚、聴覚触覚臭覚痛覚等の感覚情報並行処理により認知情報として脳内で処理しているが、一度に処理できる認知情報の処理には限界がある。運転中、視界遮断率が増大すると、実験対象者は、安全を確保するため、自動車運転シミュレータにより限られた時間幅で提示される映像に注意力、集中力の配分を高め、次の視界開放時に提示された運転状況の変化に的確に対応できるよう、可能な限り視覚情報を得ようとする。

0022

視界遮断により発生するふらつきは、こうした視界遮断の間、直前の映像情報を正確に保持することができず、映像情報が得られないことの不安や、次に提示される映像情報が視界遮断中における映像変化予測と大きく異なることに驚いて、ステアリング操作が不安定になったことによるものと考えることができる。
すなわち、臨界視界遮断率が高いほど、映像情報に対する注意力、集中力が高く、認知情報処理能力の配分を優先的に視覚情報に配分し、直前の映像情報を正確に保持していることを意味する。

0023

一方、脳波計は、国際法に基づく脳波測定部位(Fp1、Fp2、Fz、Cz等)で脳幹誘発電位を計測するが、様々な刺激に対し、どの脳波測定部位で顕著な脳幹誘発電位の変動が発生するかは既に解明されている。
そこで、運転シミュレータにより仮想運転を行っている実験対象者に脳波計を装着し、提示する運転環境とはまったく関わりのない、例えば聴覚刺激を与えた際に、この聴覚刺激に対する認知情報の処理配分が低いほど、聴覚刺激に気を取られることなく、安全運転に大きく関わる視覚情報の処理を優先させているということができる。

0024

そこで、全実験対象者に対し、自動車運転シミュレータによる仮想運転中、運転環境とはまったく関わりのない聴覚刺激を与え、関連電位の変動幅の測定を行った。
具体的には、実験対象者が自動車運転シミュレータにより仮想運転を行っている間に、500Hz〜1600Hzまで、100Hz毎に設定された12種類の純音を、音圧レベル約75db/SPLで、ランダム順に発生させる。聴覚刺激の提示間隔は、400ms、500ms、600ms、700ms、800msのうちからランダムに選択され(平均約600ms)、1回の聴覚刺激提示時間は50msとした。なお、偶発的に発生するクリック音等による影響を最小限にするため、最初と最後の10msは、音圧レベルを緩やかに立ち上がり、下がるという特性とした。

0025

脳波計のうち聴覚刺激に対し顕著な脳幹誘発電位変動を発生するFcz電極からの電圧信号は、記録後に0.1〜30Hzのバンドパスフィルタノイズを除去し、そのうち、聴覚刺激の発生開始前100msから600ms後の区間切り出す。
独立成分分析を用いて眼球運動関連の成分を除去した後、加算平均処理を行って事象関連電位を算出する。

0026

FCz電極におけるN1成分、P2成分の頂点潜時を特定し、各成分の頂点潜時の前後12msにおける平均電位を算出する。
振動刺激であれば,Cz電極またはPz電極におけるN1成分、P2成分の頂点潜時を特定し、各成分の頂点潜時の前後12msにおける平均電位を算出する。
なお、自動車運転シミュレータが提示する映像は、ある程度のハンドル操作が必要なカーブ走行等を含むもので、信号交差点先行車急減速、歩行者の飛び出しなどのような一時的な変化がない状況を示すものとする。

0027

図6は、聴覚刺激を行った際、実験対象者に装着した脳波計のFcz電極で検出した脳波のN1成分とP2成分の差分を示している。FCz電極におけるN1成分、P2成分の頂点潜時は、N1=92ms、P2=179msであり、その前後12msにおける各成分の平均電位を算出する。

0028

ここで、聴覚刺激に対するN1成分は、初期聴覚情報処理を反映する成分であること、そして、P2成分は音の弁別などに関連していること、また、これらの成分は聴覚刺激に注意を向けて処理をしていると振幅が大きくなり、注意を向けていないと振幅が小さくなることが知られている。しかし、N1成分とP2成分は頭皮分布が似ていることから成分が重畳することもあり、単純にP2成分の振幅のみを評価するとN1成分の影響を除外できない。
そこで、上述のように算出したP2成分の平均電位とN1成分の平均電位との差分(以下、「PN差分」という。)を取ることでN1成分とP2成分の合計として評価する。

0029

図7は、全実験対象者に対し、視界遮断率を0%(Normal)から80%まで変化させたときの聴覚刺激に対するPN差分の変化を示し、全実験対象者の場合、視界遮断率を80%(限界視界開放率)で初めてPN差分に顕著な減少が現れた。
図5に示した、臨界視界遮断率が高いグループAに属する実験対象者と、臨界視界遮断率が低いグループBに属する実験対象者で区分し、臨界視界遮断率付近である視界遮断率40%と、すべての実験対象者が車線を逸脱しかねない限界値に達した視界遮断率80%(限界視界遮断率)との間での視界遮断率とPN差分との関係を図8に示す。
この図から分かるように、グループAでは、視界遮断率40%から限界視界遮断率80%に増加しても、PN差分は、0.05μV程度減少するだけで、ほとんど変化していない。

0030

一方、グループBでは、グループAと比較して、視界遮断率40%から80%になったとき、PN差分が−0.7μVと大幅に減少する。このように、臨界と限界の視界遮断率とPN差分との間には、強い相関関係があることが分かる。

0031

上記のとおり、臨界視界遮断率を計測することで、運転時の視覚情報に対する注意力、集中力の配分を計測することが可能となるが、視界遮断率を0%から臨界視界遮断率を過ぎた値まで徐々に変化させ、その都度、ふらつき度を計測し、評価を行わなければならないため、計測に時間を要するとともに、被験者の負担も高い。
しかし、単に、適当な視界遮断率で被験者のPN差分を計測したとしても、PN差分には、自動車運転シミュレータによる仮想運転という特殊な状況が与える影響が被験者によって大きく異なるため、正確な判定はできない。

0032

一方、グループAに属する実験対象者が、限界視界開放率を超える視界開放率となるまで、聴覚刺激に対する認知能力の資源配分が変わらないのに対し、グループBに属する実験対象者は、限界視界開放率を超える視界開放率となって、初めて、聴覚刺激に対する認知能力の資源配分を減少させている。すなわち、グループBに属する実験対象者は、限界視界開放率以下の視界開放率まで、聴覚刺激に対する認知能力の資源配分が大きく、視覚情報に対する認知能力の資源配分が低い状態であったこと、すなわち、通常の運転時に視覚情報に対する認知能力の資源配分が十分でなく、注意力、集中力に欠いた運転を行っていると、正確に判定することができる。

0033

そこで、ステアリング操作量や車両横位置の標準偏差に大きな影響を与えない低視界遮断率(図2図3では、0%〜40%)と、すべての実験対象者で、ステアリング操作量や車両横位置の標準偏差に大きな影響が見られた高視界遮断率(図2図3では80%)で、前述のように、聴覚刺激に対するPN差分をそれぞれ計測する。
そして、視界遮断率が低いときのPN差分と視界遮断率が高いときのPN差分との差分をさらにとり、この差分が小さいもの(例えば、0.3μV未満)をグループA、すなわち、運転時に視覚情報に対する集中度が高い、運転能力の高いグループに属するものと判定する。また、この差分が大きいもの(例えば、0.4μV以上)をグループB、すなわち、運転時に視覚情報に対する集中度が低く、運転能力に問題のあるグループに属するものと判定する。

0034

以上説明したように、本発明によれば、認知能力や集中力の低下を客観的かつ正確に判定できるので、交通安全対策を推進するための基礎データとして広く採用されることが期待できる。

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