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技術 温度異常検出システム、温度異常検出方法

出願人 東海旅客鉄道株式会社
発明者 大庭拓也関根孝
出願日 2016年4月28日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-091713
公開日 2016年12月22日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-218053
状態 特許登録済
技術分野 温度及び熱量の測定 機関車
主要キーワード 計測温度値 規定倍率 監視対象部位 推定温度値 表面温度値 光電方式 移動平均期間 乖離値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出する。

解決手段

車両編成が検出された移動体に含まれる監視対象部位の温度値参照温度から乖離する値である乖離温度値を計算する乖離温度値計算部16、特定編成評価値を計算された乖離温度値から抽出する特定編成評価値抽出部17、計算された乖離温度値に基づき、すべての編成検出移動体における温度値の移動平均である全編成移動平均を計算する全編成移動平均計算部18、全編成移動平均に基づき移動平均の標準偏差である移動平均標準偏差を計算する移動平均標準偏差計算部19、特定編成評価値と移動平均標準偏差に予め設定された規定倍率を乗じた異常閾値とを比較し、特定編成評価値が異常閾値よりも大きい場合に監視対象部位に温度異常が発生していると判定する温度以上検出部21より構成される。

概要

背景

鉄道車両など軌道上を走行する車両では、車輪を支持する軸の両端に、その軸を回転可能に支持する車軸軸受けがそれぞれ取り付けられている。この車軸軸受けとしては、潤滑油等の液体潤滑に依存する滑り軸受け固体潤滑を利用した転がり軸受けがある。なお、このような車軸軸受けはそれを支持する構造を含めて一般的に軸箱とも呼ばれるため、以下の説明では軸箱と適宜表記する。

ところで、このような軸箱においては、走行時に高速で回転する軸を回転可能に支持するために多量の熱を発生させる。そして、発生した熱により車両走行時に軸箱の温度が異常上昇し、過熱および焼損等の事故が発生し得る。このため、このような軸箱の過熱および焼損等の発生を未然に防ぐために、軸箱の温度異常を検出する技術が提案されている。

例えば、特許文献1には、走行中である車両の監視対象機器表面温度外気温との差を温度上昇値として機器ごとに算出し、過去の一定時間内における温度上昇値から各機器温度上昇のしきい値を設定し、現在の温度上昇値としきい値とを比較することで各機器の温度異常を監視する技術について記載されている。

概要

軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出する。車両編成が検出された移動体に含まれる監視対象部位の温度値参照温度から乖離する値である乖離温度値を計算する乖離温度値計算部16、特定編成評価値を計算された乖離温度値から抽出する特定編成評価値抽出部17、計算された乖離温度値に基づき、すべての編成検出移動体における温度値の移動平均である全編成移動平均を計算する全編成移動平均計算部18、全編成移動平均に基づき移動平均の標準偏差である移動平均標準偏差を計算する移動平均標準偏差計算部19、特定編成評価値と移動平均標準偏差に予め設定された規定倍率を乗じた異常閾値とを比較し、特定編成評価値が異常閾値よりも大きい場合に監視対象部位に温度異常が発生していると判定する温度以上検出部21より構成される。

目的

本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

一つ以上の車両から編成される移動体監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出ステムであって、前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出する編成検出手段と、前記編成検出手段によって前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得する温度値取得手段と、前記温度値取得手段が取得した前記監視対象部位の温度値と相関関係を有する参照温度を検出する参照温度検出手段と、前記温度値取得手段によって取得された前記監視対象部位の温度値が、前記参照温度検出手段によって検出された参照温度から乖離する値である乖離温度値を計算する乖離温度値計算手段と、前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体の前記監視対象部位を特定編成監視対象部位とし、前記乖離温度値計算手段によって計算された前記特定編成監視対象部位についての前記乖離温度値を、前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを評価するための評価値である特定編成評価値として抽出する特定編成評価値抽出手段と、前記乖離温度値計算手段によって計算された乖離温度値に基づき、すべての前記編成検出移動体における温度値の移動平均である全編成移動平均を計算する全編成移動平均計算手段と、前記全編成移動平均計算手段によって計算された前記全編成移動平均に基づき移動平均の標準偏差である移動平均標準偏差を計算する移動平均標準偏差計算手段と、前記特定編成評価値抽出手段によって抽出された前記特定編成評価値と前記移動平均標準偏差計算手段によって計算された前記移動平均標準偏差に予め設定された規定倍率を乗じた異常閾値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき、前記特定編成評価値が前記異常閾値よりも大きい場合に前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生していると判定する温度異常判定手段と、を備えることを特徴とする温度異常検出システム。

請求項2

一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出方法であって、前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出し、前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得し、取得した前記監視対象部位の温度値と相関関係を有する参照温度を検出し、取得された前記監視対象部位の温度値が、検出された参照温度から乖離する値である乖離温度値を計算し、前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体の前記監視対象部位を特定編成監視対象部位とし、計算された前記特定編成監視対象部位についての前記乖離温度値を、前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを評価するための評価値である特定編成評価値として抽出し、計算された前記乖離温度値に基づき、すべての前記編成検出移動体における温度値の移動平均である全編成移動平均を計算し、計算された前記全編成移動平均に基づき移動平均の標準偏差である移動平均標準偏差を計算し、前記特定編成評価値と前記移動平均標準偏差に予め設定された規定倍率を乗じた異常閾値とを比較し、前記特定編成評価値と前記移動平均標準偏差との比較結果に基づき、前記評価値が前記異常閾値よりも大きい場合に前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生していると判定することを特徴とする温度異常検出方法。

技術分野

0001

本発明は、軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出する技術に関する。

背景技術

0002

鉄道車両など軌道上を走行する車両では、車輪を支持する軸の両端に、その軸を回転可能に支持する車軸軸受けがそれぞれ取り付けられている。この車軸軸受けとしては、潤滑油等の液体潤滑に依存する滑り軸受け固体潤滑を利用した転がり軸受けがある。なお、このような車軸軸受けはそれを支持する構造を含めて一般的に軸箱とも呼ばれるため、以下の説明では軸箱と適宜表記する。

0003

ところで、このような軸箱においては、走行時に高速で回転する軸を回転可能に支持するために多量の熱を発生させる。そして、発生した熱により車両走行時に軸箱の温度が異常上昇し、過熱および焼損等の事故が発生し得る。このため、このような軸箱の過熱および焼損等の発生を未然に防ぐために、軸箱の温度異常を検出する技術が提案されている。

0004

例えば、特許文献1には、走行中である車両の監視対象機器表面温度外気温との差を温度上昇値として機器ごとに算出し、過去の一定時間内における温度上昇値から各機器温度上昇のしきい値を設定し、現在の温度上昇値としきい値とを比較することで各機器の温度異常を監視する技術について記載されている。

先行技術

0005

特開平10−62271号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1に記載の技術では、監視対象機器の表面温度と外気温との差である温度上昇値としきい値とを比較することで各機器の温度異常を監視するが、表面温度と外気温との間には相関関係があるものの、その相関関係は常に一定であるわけではなく、太陽光入射方向や風向き(雨雪が吹き付ける方向)等に起因する外乱の影響を受けて変化する。従って、この外乱の影響による温度上昇値の変動分が、温度異常として検出すべき表面温度の変化分と同程度に大きい場合、温度異常を精度良く検出することができないという問題があった。

0007

本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するためになされた本発明の温度異常検出ステムは、一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出システムであって、前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出する編成検出手段と、前記編成検出手段によって前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得する温度値取得手段と、前記温度値取得手段が取得した前記監視対象部位の温度値と相関関係を有する参照温度を検出する参照温度検出手段と、前記温度値取得手段によって取得された前記監視対象部位の温度値が、前記参照温度検出手段によって検出された参照温度から乖離する値である乖離温度値を計算する乖離温度値計算手段と、前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体の前記監視対象部位を特定編成監視対象部位とし、前記乖離温度値計算手段によって計算された前記特定編成監視対象部位についての前記乖離温度値を、前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを評価するための評価値である特定編成評価値として抽出する特定編成評価値抽出手段と、前記乖離温度値計算手段によって計算された乖離温度値に基づき、すべての前記編成検出移動体における温度値の移動平均である全編成移動平均を計算する全編成移動平均計算手段と、前記全編成移動平均計算手段によって計算された前記全編成移動平均に基づき移動平均の標準偏差である移動平均標準偏差を計算する移動平均標準偏差計算手段と、前記特定編成評価値抽出手段によって抽出された前記特定編成評価値と前記移動平均標準偏差計算手段によって計算された前記移動平均標準偏差に予め設定された規定倍率を乗じた異常閾値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づき、前記特定編成評価値が前記異常閾値よりも大きい場合に前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生していると判定する温度異常判定手段と、を備えることを特徴とする。

0009

このように構成された本発明の温度異常検出システムによれば、統計的手法を用いて、監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判断しているため、判断対象となるデータのばらつきによらず、精度よく判断を行うことができる。しかも、統計的手法が適用される個々のデータとして乖離温度値を用いている。このため、監視対象部位の温度値に含まれる外的要因により作用する影響の傾向、例えば、太陽光の入射や風向き(雨雪が吹き付ける方向)等に起因する外乱の影響を抑制することができ、統計的手法を用いて行われる判断、即ち、監視対象部位に温度異常が発生しているか否かの判断の精度をより向上させることができる。したがって、本発明の温度異常検出システムによれば、監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出することができる。

0010

上記課題を解決するためになされた本発明の温度異常検出方法は、一つ以上の車両から編成される移動体の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する温度異常検出方法であって、前記移動体の車両編成を前記移動体ごとに検出し、前記車両編成が検出された移動体を編成検出移動体として、前記編成検出移動体に含まれる前記監視対象部位の温度値を取得し、取得した前記監視対象部位の温度値と相関関係を有する参照温度を検出し、取得された前記監視対象部位の温度値が、検出された参照温度から乖離する値である乖離温度値を計算し、前記車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成を選択して特定編成とし、前記編成検出移動体のうち前記特定編成を有する移動体の前記監視対象部位を特定編成監視対象部位とし、計算された前記特定編成監視対象部位についての前記乖離温度値を、前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを評価するための評価値である特定編成評価値として抽出し、計算された前記乖離温度値に基づき、すべての前記編成検出移動体における温度値の移動平均である全編成移動平均を計算し、計算された前記全編成移動平均に基づき移動平均の標準偏差である移動平均標準偏差を計算し、前記特定編成評価値と前記移動平均標準偏差に予め設定された規定倍率を乗じた異常閾値とを比較し、前記特定編成評価値と前記異常閾値との比較結果に基づき、前記特定編成評価値が前記異常閾値よりも大きい場合に前記特定編成監視対象部位に温度異常が発生していると判定することを特徴とする。

0011

このように構成された本発明の温度異常検出方法によれば、統計的手法を用いて、監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判断しているため、判断対象となるデータのばらつきによらず、精度よく判断を行うことができる。しかも、統計的手法が適用される個々のデータとして乖離温度値を用いている。このため、監視対象部位の温度値に含まれる外的要因により作用する影響の傾向、例えば、太陽光の入射や風向き(雨雪が吹き付ける方向)等に起因する外乱の影響を抑制することができ、統計的手法を用いて行われる判断、即ち、監視対象部位に温度異常が発生しているか否かの判断の精度をより向上させることができる。したがって、本発明の温度異常検出方法によれば、監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出することができる。

図面の簡単な説明

0012

温度異常検出システム1を示す概略構成図である。
温度異常検出を示す説明図である。

実施例

0013

以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。なお、本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
図1に示す温度異常検出システム1は、軌道走行車両などの一つ以上の車両から編成される移動体としての列車の監視対象部位に温度異常が発生していることを検出する機能を有する。

0014

[1.温度異常検出システム1の構成]
温度異常検出システム1は、異常検知条件入力部10と、機器温度センサ11と、列車(編成)検出部12と、機器部位検出部13と、データ処理部14と、記憶部15と、乖離温度値計算部16と、特定編成評価値抽出部17と、全編成移動平均計算部18と、移動平均標準偏差計算部19と、比較部20と、温度異常検出部21と、を備える。

0015

なお、温度異常検出システム1は、周知のCPU、ROM、RAM、入出力回路であるI/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインなどで構成されるコンピュータを搭載しており、このうちのCPUが、データ処理部14、乖離温度値計算部16、特定編成評価値抽出部17、全編成移動平均計算部18、移動平均標準偏差計算部19、比較部20および温度異常検出部21として機能し、RAMが記憶部15として機能する。

0016

また、CPUは、ROMおよびRAMに記憶された制御プログラムおよびデータにより制御を行なう。ROMは、プログラム格納領域データ記憶領域とを有している。プログラム格納領域には制御プログラムが格納され、データ記憶領域には制御プログラムの動作に必要なデータが格納されている。また、制御プログラムは、RAM上にてワークメモリを作業領域とする形で動作する。

0017

[1.1.異常検知条件入力部10の構成]
異常検知条件入力部10は、監視対象部位に対する温度異常検知の条件を入力する。そして、異常検知条件入力部10は、入力した異常検知の条件を、データ処理部14を介して移動平均標準偏差計算部19に出力する。

0018

[1.2.機器温度センサ11の構成]
機器温度センサ11は、線路(軌道)が敷設された地上側に、線路を走行する列車の両側方それぞれに対応して配置され、監視対象部位の放射熱を検知して監視対象部位の温度値を測定する。より具体的には、機器温度センサ11は、筐体の内部に赤外線放射温度計を内蔵する構成を有しており、赤外線放射温度計が、温度を有する物体放射する赤外線の強さ(エネルギー量)を検知することにより、線路を通過する列車の各車両の監視対象部位の温度を、非接触で計測する。なお、監視対象部位とは、温度異常が発生しているか否かを監視すべき対象となる部位である。監視対象部位は、列車の一部であり、例えば軸箱や車軸などが挙げられる。また、本実施形態では、線路を走行する列車の両側方それぞれに対応して配置された二つのセンサを総称して機器温度センサ11と呼ぶこととする。

0019

なお、この機器温度センサ11は、CPUからの指示に従って、予め設定された測定開始時刻となったら上述の測定を開始し、予め設定された測定終了時刻となったら測定を終了する。このとき、機器温度センサ11は、後述する列車(編成)検出部12によって車両編成が検出された列車を編成検出列車(編成検出移動体)として、編成検出列車に含まれる監視対象部位の温度値を取得し、取得した温度値を、データ処理部14を介して乖離温度値計算部16に出力する。

0020

なお、機器温度センサ11は、温度値取得手段に該当する。
[1.3.列車(編成)検出部12の構成]
列車(編成)検出部12は、線路を通過する列車の編成番号を検出する。具体的には、列車を構成する車両の車体に貼り付けたICカードに編成名が登録されていて、列車通過時に地上に設けられた図示しないアンテナによって情報を受信し、編成名を当該列車(編成)検出部12に読み込むようになっている。このように、列車(編成)検出部12は、列車の車両編成を検出する。

0021

なお、列車(編成)検出部12は、編成検出手段に該当する。
[1.4.機器部位検出部13の構成]
機器部位検出部13は、車輪のフランジ部が近接すると信号を出力し、非接触で車輪の通過タイミングを精度良く検知可能である。なお、このような非接触での検出手法としては、例えば高周波誘導方式や光電方式が挙げられる。

0022

[1.5.データ処理部14の構成]
データ処理部14は、機器温度センサ11からの出力信号、列車(編成)検出部12からの出力信号、機器部位検出部13からの出力信号に基づき各種演算を実行して、通過する列車の車両編成(編成名)、列車の車種、軸箱が設置される号車番号、軸箱の軸位、および軸箱が設置される側が海側山側の区別を判断し、その判断結果を乖離温度値計算部16に出力する。

0023

また、データ処理部14は、記憶部15との間でデータのやり取りが可能であり、上述の判断結果を記憶部15に出力して記憶させたり、記憶部15が記憶する各種データを読み出して乖離温度値計算部16に出力したりする。

0024

[1.6.記憶部15の構成]
記憶部15は、各種情報を記憶しておくために用いられる。
[1.7.乖離温度値計算部16の構成]
乖離温度値計算部16は、機器温度センサ11が取得した監視対象部位の温度値が参照温度としての外気温度から乖離する値である乖離温度値を計算する。このように、監視対象部位の温度値が参照温度から乖離する値を算出することで、監視対象部位の温度値から、外気温度の変動や気象条件等による影響を排除することができる。外気温度は、監視対象部位の温度値と相関関係を有する参照温度に該当する。なお、外気温度については、機器温度センサ11が監視対象部位の温度値を計測する際に外気温度も計測するようにしてもよいし、図示しない温度計が外気温度を計測するようにしてもよい。また、乖離温度値については、例えば、特開2010−179706号公報に記載される手法で計算される表面温度値および推定温度値を用いて、表面温度値が推定温度値から乖離する値である乖離値を計算して当該乖離温度値として用いてもよい。また、外気温度の代わりに監視対象部位の周囲に配置される機器の表面温度を参照温度として用いても良い。

0025

なお、乖離温度値計算部16は、参照温度検出手段および乖離温度値計算手段に該当する。
[1.8.特定編成評価値抽出部17の構成]
特定編成評価値抽出部17は、特定編成監視対象部位についての特定編成評価値を抽出する。特定編成とは、車両編成のうち、予め設定された特定の車両編成である。特定編成監視対象部位は、特定編成を有する列車の監視対象部位である。特定編成評価値は、特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを評価するための評価値である。まず、特定編成評価値抽出部17は、乖離温度値計算部16によって計算された乖離温度値のうち、特定編成監視対象部位の乖離温度値を選択する。続いて、特定編成評価値抽出部17は、選択した乖離温度値から、予め設定された算出期間中の乖離温度値を更に選択する。この算出期間については、現在から直近の期間でもよいし、過去のある時刻から遡った期間でもよい。図2に示すように、特定編成監視対象部位の温度を計測した時刻である計測時刻横軸、乖離温度値を縦軸とした2次元平面としてのグラフ上において、互いに対応する計測時刻と特定編成監視対象部位の乖離温度値との関係を示す関係点をプロットする。このグラフ上にプロットされた関係点を結ぶ線分は、特定編成監視対象部位の乖離温度値が算出期間中に時間の経過とともに変動した推移を示す線分である乖離温度値推移線となる。さらに、特定編成評価値抽出部17は、乖離温度値推移線上の一つ以上の任意の関係点の縦軸上の値を特定編成評価値とする。

0026

なお、特定編成については、すべての車両編成の中から一つの車両編成を予め設定しておき、本実施形態の温度異常の判定を行うが、すべての車両編成の中から一つずつ選択して、複数の車両編成またはすべての車両編成について、本実施形態の温度異常の判定を行うようにしてもよい。

0027

なお、特定編成評価値抽出部17は特定編成評価値抽出手段に該当する。
[1.9.全編成移動平均計算部18の構成]
全編成移動平均計算部18は、乖離温度値計算部16によって計算された乖離温度値に基づき、全編成移動平均を計算する。具体的には、全編成移動平均計算部18は、すべての編成検出列車における温度値の移動平均である全編成移動平均を計算する。例えば、乖離温度値について、直近の算出期間中の乖離温度値の平均値を計算する。移動平均の算出期間は、上記の計測温度値の推移の算出期間と同様であり、測定対象や異常検知要件などの諸条件に応じた最適化により変更可能である。

0028

なお、全編成移動平均計算部18は全編成移動平均計算手段に該当する。
[1.10.移動平均標準偏差計算部19の構成]
移動平均標準偏差計算部19は、全編成移動平均計算部18によって計算された全編成移動平均に基づき移動平均の標準偏差である移動平均標準偏差を計算する。このとき、移動平均標準偏差計算部19は、異常検知条件入力部10から入力された異常検知の条件を入力として、移動平均期間、標準偏差の規定倍率等のパラメータを異常検知の条件に収まるように最適化した上で、移動平均標準偏差を算出する。ここで、異常検知の条件については、温度異常状態が継続することを検知するとの観点から設定される。なお、温度異常状態が継続することの認定については、例えば、所定数のデータが連続すること、温度異常状態が所定の割合(%)を超えること、温度値を予め設定された回数を計測したうちの所定回数が温度異常状態であることなどの少なくとも何れか一つを満たす場合とすることが挙げられる。このため、本実施形態では、ユーザ側で異常検知の条件を設定する必要はないという特徴がある。

0029

なお、移動平均標準偏差計算部19は移動平均標準偏差計算手段に該当する。
[1.11.比較部20の構成]
比較部20は、特定編成評価値抽出部17によって抽出された特定編成評価値と、移動平均標準偏差計算部19によって計算された移動平均標準偏差に予め設定された規定倍率を乗じた異常閾値とを比較する。異常閾値は、監視対象部位に温度異常が発生していると判定するための閾値である。なお、規定倍率については、予め実験等により設定される。

0030

なお、比較部20は比較手段に該当する。
[1.12.温度異常検出部21の構成]
温度異常検出部21は、比較部20による比較結果に基づき特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、温度異常検出部21は、比較部20による比較結果として、特定編成評価値が異常閾値よりも大きい場合に、特定編成監視対象部位に温度異常が発生していると判定する。

0031

なお、温度異常検出部21は温度異常判定手段に該当する。
[2.実施形態の効果]
このように本実施形態の温度異常検出システム1によれば、統計的手法を用いて、特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かを判断しているため、判断対象となるデータのばらつきによらず、精度よく判断を行うことができる。しかも、統計的手法が適用される個々のデータとして乖離温度値を用いている。このため、特定編成監視対象部位の温度値に含まれる外的要因により作用する影響の傾向、例えば、太陽光の入射や風向き(雨雪が吹き付ける方向)等に起因する外乱の影響を抑制することができ、統計的手法を用いて行われる判断、即ち、特定編成監視対象部位に温度異常が発生しているか否かの判断の精度をより向上させることができる。したがって、特定編成監視対象部位に温度異常が発生していることを精度良く検出することができる。

0032

[3.他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。

0033

(1)上記実施形態では、乖離温度値推移線上の一つ以上の任意の関係点の縦軸上の値を特定編成評価値として、特定編成評価値と異常閾値とを比較し、特定編成評価値が異常閾値よりも大きい場合に、特定編成監視対象部位に温度異常が発生していると判定するが、これには限られない。例えば、特定編成監視対象部位についての個々の乖離温度値を特定編成評価値として、特定編成評価値と異常閾値とを比較し、特定編成評価値が異常閾値よりも大きい場合に、特定編成監視対象部位に温度異常が発生していると判定するようにしてもよい。

0034

1…温度異常検出システム、10…異常検知条件入力部、11…機器温度センサ、12…列車(編成)検出部、13…機器部位検出部、14…データ処理部、15…記憶部、16…乖離温度値計算部、17…特定編成評価値抽出部、18…全編成移動平均計算部、19…移動平均標準偏差計算部、20…比較部、21…温度異常検出部。

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