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技術 交流損失測定装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 川上達彦川村武青木学今村幸信
出願日 2015年5月19日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-101492
公開日 2016年12月22日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-217818
状態 特許登録済
技術分野 熱的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 輻射損失 伝熱損失 磁場印加コイル フーリエの法則 鞍型形状 電流リード線 段温度 円柱構造
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2016年12月22日)のものです。
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図面 (5)

課題

本発明は、外部磁場による超電導体交流損失を、超電導体の温度を変えて測定することができる交流損失測定装置を提供することを課題とする。

解決手段

超電導検体磁場印加コイル輻射シールド真空容器と第1冷却手段と第2冷却手段を有し、第1冷却手段または第2冷却手段は温度調整機構を備え、磁場印加コイルと輻射シールドを第1冷却部、超電導被検体を第2冷却部として、第1、第2冷却部はそれぞれ第1、第2冷却手段によって冷却される交流損失測定装置において、超電導被検体と第2冷却手段の間に高熱抵抗部材が設置され、高熱抵抗部材に少なくとも2か所の温度測定手段が設置されることを特徴とする超電導体の交流損失測定装置。

概要

背景

超電導体交流損失計測方法は、交流磁場印加時における超電導体の温度上昇を測定する測温法、または冷媒蒸発量を測定する蒸発法がある。測温法は蒸発法に比べ測定精度が高く、加熱出力を印加もしくは遮断した際の温度変化時定数が短いという利点がある(例えば、特開平7-27725号)。この文献の例では、被検体真空中に置かれ、かつ熱抵抗を介して液体ヘリウム容器と接触するように配置される。

概要

本発明は、外部磁場による超電導体の交流損失を、超電導体の温度を変えて測定することができる交流損失測定装置を提供することを課題とする。超電導被検体と磁場印加コイル輻射シールド真空容器と第1冷却手段と第2冷却手段を有し、第1冷却手段または第2冷却手段は温度調整機構を備え、磁場印加コイルと輻射シールドを第1冷却部、超電導被検体を第2冷却部として、第1、第2冷却部はそれぞれ第1、第2冷却手段によって冷却される交流損失測定装置において、超電導被検体と第2冷却手段の間に高熱抵抗部材が設置され、高熱抵抗部材に少なくとも2か所の温度測定手段が設置されることを特徴とする超電導体の交流損失測定装置。 1

目的

効果

実績

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請求項1

検体を設置するホルダと、前記ホルダに設置される前記被検体に磁場を印加する磁場印加コイルと、前記ホルダを支持する第2冷却部材と、前記第2冷却部材よりも高い温度に冷却される第1冷却部材と、前記ホルダと前記第2冷却部材との互いに接触するように配置される柱状部材と、前記ホルダ、前記磁場印加コイル、前記第1冷却部材、前記第2冷却部材および前記柱状部材を単一空間に格納するように形成される輻射シールドと、前記輻射シールドが格納される真空容器と、前記第2冷却部材に取り付けられる第2冷却手段と、前記第1冷却部材および前記輻射シールドに取り付けられる第1冷却手段と、前記柱状部材の表面であって、かつ前記ホルダと前記第2冷却部材とを結ぶ軸上において、前記第2冷却部材よりも前記ホルダの近くに設けられた第1温度測定手段と、前記柱状部材の表面であって、かつ前記ホルダと前記第2冷却部材とを結ぶ軸上において、前記ホルダよりも前記第2冷却部材の近くに設けられた第2温度測定手段と、前記第1温度測定手段および前記第2温度測定手段に接続される計測装置と、を備える交流損失測定装置。温度測定手段

請求項2

請求項1に記載の交流損失測定装置であって、前記第2冷却手段または前記第1冷却手段に取り付けられた温度調整装置を備える交流損失測定装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の交流損失測定装置であって、前記第2冷却手段はGM冷凍機の2段冷却ステージであって、前記第1冷却手段はGM冷凍機の1段冷却ステージであって、前記1段冷却ステージおよび前記2段冷却ステージは一台のGM冷凍機が備える交流損失測定装置。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の交流損失測定装置であって、前記第1温度測定手段および前記第2温度測定手段は、それぞれ前記ホルダと前記第2冷却部材とを結ぶ軸と直交する平面上で異なる位置に複数個設けられる温度測定手段温度測定手段交流損失測定装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の交流損失測定装置であって、前記柱状部材は、中空薄肉円筒形状の部材である交流損失測定装置。

請求項6

請求項5に記載の交流損失測定装置であって、前記第1温度測定手段または前記第2温度測定手段は、前記中空薄肉の円筒形状である柱状部材の外側面および内側面のそれぞれに設けられ交流損失測定装置。

技術分野

0001

本発明は、超電導体交流損失を測定する装置に関する。

背景技術

0002

超電導体の交流損失の計測方法は、交流磁場印加時における超電導体の温度上昇を測定する測温法、または冷媒蒸発量を測定する蒸発法がある。測温法は蒸発法に比べ測定精度が高く、加熱出力を印加もしくは遮断した際の温度変化時定数が短いという利点がある(例えば、特開平7-27725号)。この文献の例では、被検体真空中に置かれ、かつ熱抵抗を介して液体ヘリウム容器と接触するように配置される。

先行技術

0003

特開平7-27725

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、特開平7-27725の方法では、被検体は液体ヘリウムによって冷却されるため、被検体の温度は4Kに固定される。したがって、高温超電導体を使用した超電導機器について、4K以外の任意の温度下における交流損失を測定することができない。

課題を解決するための手段

0005

前記課題を解決するために、本発明は様々な実施形態を含むが、その一例は「被検体を設置するホルダと、前記ホルダに設置される前記被検体に磁場を印加する磁場印加コイルと、前記ホルダを支持する第2冷却部材と、前記第2冷却部材よりも高い温度に冷却される第1冷却部材と、前記ホルダと前記第2冷却部材との互いに接触するように配置される柱状部材と、前記ホルダ、前記磁場印加コイル、前記第1冷却部材、前記第2冷却部材および前記柱状部材を単一空間に格納するように形成される輻射シールドと、前記輻射シールドが格納される真空容器と、前記第2冷却部材に取り付けられる第2冷却手段と、前記第1冷却部材および前記輻射シールドに取り付けられる第1冷却手段と、前記柱状部材の表面であって、かつ前記ホルダと前記第2冷却部材とを結ぶ軸上において、前記第2冷却部材よりも前記ホルダの近くに設けられた第1温度測定手段と、前記柱状部材の表面であって、かつ前記ホルダと前記第2冷却部材とを結ぶ軸上において、前記ホルダよりも前記第2冷却部材の近くに設けられた第2温度測定手段と、前記第1温度測定手段および前記第2温度測定手段に接続される計測装置と、を備える交流損失測定装置」が挙げられる。

発明の効果

0006

本発明によれば、高温超電導体を使用した超電導機器について、4K以外の任意の温度下における交流損失を測定することができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明の実施例1に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図である。
本発明の実施例2に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図である。
本発明の実施例3に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図である。
本発明の実施例4に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図である。

0008

以下、実施例を図面を用いて説明する。

0009

超電導体は高磁界発生手段として種々の分野で利用される。例えば磁気共鳴イメージング(MRI)装置等に実用される超電導コイルは、液体ヘリウムの蒸発温度である4Kの極低温超電導状態を維持する材料が選択される。代表例はNbTiやNb3Sn等の金属超電導体であって、このような材料を使用した超電導線が主に使用される。一方、これらの金属超電導体よりも臨界温度の高いMgB2や酸化物超電導体(以下、高温超電導体と表記)を使用することもある。高温超電導体を使った超電導コイルは、4K以上の温度であっても超電導状態を維持できる。そのため、液体ヘリウムを使用せずとも、伝導冷却方式によって超電導状態を維持することが可能である。

0010

伝導冷却方式は、液体ヘリウムを使用する浸漬冷却方式に対して、希少資源であるヘリウムの使用量が極めて少なく、運転コストが低い利点がある。また、冷凍機を用いた伝導冷却方式は、冷凍機の出力を調整することによって、超電導コイルの運転温度を調整し、運転温度を任意に設計できる。

0011

ここで超電導体、特に高温超電導体を交流機器に適用するに当たっては、超電導体に交流電流あるいは磁場が作用する際に生じる発熱(交流損失)の評価が重要である。例えば、MRI装置向けの超電導コイルでは、撮像を行う際に例えば数十から数千ヘルツパルス状の傾斜磁場が超電導コイルに作用する。このパルス状の傾斜磁場によって交流損失が発生し、交流損失によって超電導体が昇温し臨界温度を超えると、クエンチコイル全体が常電導転移し、磁場が消失すること)が起こる。クエンチが発生すると超電導コイルを臨界温度以下への冷却し、その上で励磁をやり直すまではMRI装置を使用できなくなる。

0012

このようなクエンチが発生する可能性を抑制するためには、交流損失を含めた全ての発熱量を冷凍機器冷凍能力以下としてクエンチを起こさない設計とすることが重要であり、交流損失の評価が必要である。なお、超電導体の交流損失は温度に依存して変化することが知られているため、先に挙げたMRI装置に高温超電導体を利用するのであれば、運転温度の範囲を例えば15Kから30Kとして、この温度範囲における交流損失の評価が必要である。

0013

図1に、本発明の実施例1に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図を示す。なお、本発明は超電導体以外の物質に関して交流損失を測定してもよい。

0014

本装置は、超電導体の被検体1と、被検体1を収容し輻射シールド3を格納する真空容器2と、真空容器2から被検体1への輻射熱遮蔽するための輻射シールド3と、被検体1に交流磁場を印加するための磁場印加コイル4と、第1冷却手段5と第2冷却手段6と、被検体1の設置台14およびコイルボビン7と接触するように配置された柱状部材である高熱抵抗部材17と、高熱抵抗部材17に設置された少なくとも2箇所の温度測定手段18によって構成される。なお、温度測定手段18は、図示しない計測装置に接続され、出力された信号に基づき種々の計算が実行される。

0015

磁場印加コイル4および輻射シールド3は第1冷却部材である設置台11から、被検体1は第2冷却部材である設置台14から冷却される。第1、第2冷却部材はそれぞれ第1冷却手段5、第2冷却手段6によって冷却される。例えば、第1冷却手段5、第2冷却手段6は、2段式GM冷凍機の1段冷却ステージ、2段冷却ステージである。第1冷却手段5、第2冷却手段6には、電気抵抗の大きい例えばマンガニン線やニクロム線等を使ったヒーター温度調整装置)が設置され、出力を変化させることで第1冷却手段5、第2冷却手段6の温度を任意に調整できる。なお、計測環境が定まっている場合は、このような温度調整装置を取り付けずに、第1冷却部材と第2冷却部材が所定の温度となるように第1冷却手段5および第2冷却手段6を設計してもよい。

0016

被検体1は例えば、NbTiやNb3Sn等の金属超電導体、MgB2、酸化物超電導体等の高温超電導体を使った超電導線材をコイルボビン7に巻線した超電導コイルである。被検体1を設置するためのホルダが、本実施例ではコイルボビン7である。コイルボビン7は、交流磁場印加時に渦電流損失が生じるのを回避するため、ガラス繊維強化樹脂FRP)等の電気抵抗率の大きい物質を使うことが望ましい。なお、コイルボビン7の形状は円形状に限らず、例えばレーストラック形状鞍型形状をしていてもよい。また、被検体1は超電導ケーブルバルク超電導体でもよい。またホルダはボビン形状に限ることなく、被検体1の形状に応じて決定してよい。例えば超電導バルクなどの塊状の被検体について測定する場合は、皿状のホルダでもよい。

0017

また図1に示すように被検体1は、第2冷却部である設置台14から柱状部材である高熱抵抗部材17Cを経由し、さらにコイルボビン7を介して第2冷却手段6から冷却される。

0018

真空容器2の中は、断熱のため真空状態に保たれる。輻射シールド3は、放射率の小さい材質(例えばアルミ)を選択すべきであって、荷重支持体8を介して真空容器2から支持される。また、輻射シールド3は、コイルボビン7、磁場印加コイル4、設置台11、設置台14および高熱抵抗部材17を単一空間に格納するように形成される。

0019

荷重支持体8は真空容器2からの伝熱量を小さくするため、低温における熱伝導率の小さいFRP等を使って構成する。輻射シールド3は低温における熱伝導率の大きい銅を加工した可とう導体13bによって第1冷却手段5に接続される。可とう導体13bの代わりに、銅の伝熱板を使用してもよい。

0020

磁場印加コイル4は、コイルボビン9に銅の導線が巻線された構成である。巻線は巻崩れの防止と、巻線間の熱伝導率を大きくするため、樹脂含浸もしくは低温における熱伝導率の大きい接着剤接着されることが望ましい。コイルボビン9は、交流磁場印可時に生じる渦電流により磁場が打ち消されないよう、電気抵抗率が大きいFRPやベークライトを使って製作することが望ましい。

0021

磁場印加コイル4は、荷重支持体10によって設置台11から支持される。設置台11は荷重支持体8、12によって、真空容器2から支持される。設置台11は、低温における熱伝導率の大きい銅を加工して製作した可とう導体13aによって、第1冷却手段5に接続される。磁場印可コイル4の導線は電流リード線を介して真空容器2の外にある交流電源配線される。コイルボビン9から被検体1への輻射熱を抑制するためには、磁場印可コイル4及びコイルボビン9は冷却されることが好ましく、荷重支持体10は低温における熱伝導率の大きい銅やアルミを使うことが望ましい。コイルボビン9から被検体1に向かう輻射熱を抑制することで、交流損失による発熱を測定する際のノイズを低減し、測定精度を向上できる。

0022

さらに、測定時の電流印加に伴い生じるジュール発熱除熱するため、磁場印加コイル4の巻線部に銅の伝熱板を取り付け、可とう導体等によって伝熱板と第1冷却手段5を接続することが望ましい。なお、GM冷凍機を用いた場合の第1冷却手段5の温度は約30Kから80Kであり、銅酸化物超電導体の臨界温度よりも低いことから、磁場印加コイル4は超電導体としてもよい。これにより、銅の導線に比べ大きな電流を印加できるので、振幅の大きな交流磁場による交流損失を測定できる利点がある。

0023

本実施例のように被検体1より直径の大きい磁場印可コイル4を被検体1と同軸に配置する場合、磁場印可コイル4は被検体1に対して軸方向に長いソレノイド形状をしていることが好ましい。これにより、磁場印可コイル4から被検体1に印加される磁場の空間分布が均一に近づくため、精度良く測定できる。

0024

なお、磁場印可コイル4の形状、配置に制限はなく、例えば、被検体1よりも小さなコイルとして、被検体1の一部に局所的に磁場を印加するような構成としてもよい。

0025

本実施例は被検体1と第2冷却手段6との間に高熱抵抗部材17が設置され、高熱抵抗部材17に少なくとも2箇所の温度測定手段18が設置されることを特徴としている。より詳細には、図1に示すように、第1の温度測定手段18aが、高熱抵抗部材17の表面であって、かつコイルボビン7と設置台14とを結ぶ軸上において、設置台14よりもコイルボビン7の近くに設けられ、第2の温度独低手段18bが、高熱抵抗部材17の表面であって、かつコイルボビン7と設置台14とを結ぶ軸上において、コイルボビン7よりも設置台14の近くに設けられる。なお、第1、第2という呼び方は便宜的なものであって、冷却手段からの距離が異なる位置に温度測定手段を設けておけばよい。

0026

以下、本実施例の交流測定装置測定原理と高熱抵抗部材17の望ましい構成と装置の測定原理について説明する。

0027

被検体1は高熱抵抗部材17を介して、低温における熱伝導率の大きい銅を使った冷却板14に接続される。冷却板14は熱伝導率の大きい銅を使った可とう導体15によって第2冷却手段6に接続される。冷却板14は、荷重支持体16によって設置台11から支持される。荷重支持体16は設置台11からの伝熱量を小さくするため、低温における熱伝導率の小さいFRP等を採用するとよい。

0028

本装置を用いた測定では、磁場印可コイル4より交流磁場を印加し、高熱抵抗部材17に配置された少なくとも2つの温度測定手段18の温度を測定する。温度測定手段18は高熱抵抗部材17の表面であって、被検体1に近い(高温側)の第1の温度測定手段18aと第2冷却手段に近い(低温側)の第2の温度測定手段18bに配置される。交流磁場により被検体1に生じる交流損失はコイルボビン1と高熱抵抗部材17と冷却板14を通過し、第2冷却手段6に伝わる。高熱抵抗部材17を通過する熱流束分布が軸方向に直交する断面において一様な場合、高熱抵抗部材17を通過する熱流束Qは、高熱抵抗部材17の断面積をA[m2]、熱伝導率をλ[W/m・K]、高温側18aと低温側18bの温度計側部18間の距離をL[m]、高温側18aの温度をTH[K]、低温側18bの温度をTL[K]とすると、フーリエの法則より以下の式(数1)で表される。

0029

0030

一般にλは温度によって変化するが、THとTLの差が小さい場合、λは温度計側部18間で一定とみなすことができ、下記(数2)のように変形される。

0031

0032

ここで、ΔTは高温側18aと低温側18bの温度差であり、下記の式(数3)で定義される。

0033

0034

被検体1の交流損失は、数1あるいは数2を用いて評価される。被検体1よりも温度の高いコイルボビン9あるいは輻射シールド3から被検体1への輻射損失や、計測線からの伝熱損失が、被検体1の交流損失に対して無視できない大きさである時は、上記損失をQから差し引くことで、被検体1の交流損失が求められる。数1あるいは数2は熱流束の通過する方向に垂直な断面において熱流束の分布が一様であることを仮定しているため、断面内の温度分布が一様であることが前提となる。

0035

高熱抵抗部材17は、円柱構造をしていることが望ましい。これにより、断面における周回方向の温度分布が一様になる利点がある。高熱抵抗部材17は、電気抵抗率が大きく熱伝導率が小さいFRP等を利用することが望ましい。これにより、高熱抵抗部材17に発生する渦電流損失の発生を回避でき、また、ΔTが大きくなり、交流損失の測定分解能が小さくなる。なお、FRPは一例に過ぎず、計測条件に適した材料があればそれを採用してよい。

0036

高熱抵抗部材17の一方の端部は被検体1のコイルボビン7と接続される。高熱抵抗部材17とコイルボビン7は接着材もしくはボルト等の締結部材によって連結される。高熱抵抗部材17とコイルボビン7の接触熱抵抗は小さいことが望ましい。締結の場合は、接触熱抵抗が小さい接合剤を高熱抵抗部材17とコイルボビン7の間に挟むことが望ましい。もしくは、高熱抵抗部材17とコイルボビン7の間に柔らかいインジウム等の薄膜を間に挟んでもよい。これにより、接触熱抵抗を無視できるほど小さくすることができる。締結部材は渦電流の発生を回避するため、電気抵抗率FRPを利用することが望ましい。なお、高熱抵抗部材17とコイルボビン7は一体の構成でもよい。これにより、高熱抵抗部材17とコイルボビン7の間の接触熱抵抗による温度差が生じない利点がある。また、高熱抵抗部材17とコイルボビン7の間に低温における熱伝導率の大きいアルミニウム等を挿入してもよい。これにより、熱流束の通過する方向に垂直な断面における温度分布の不均一性が生じるのを防ぐことが出来、精度良い測定が可能となる利点がある。先に述べたインジウムは低温における熱伝導率が大きいため、温度分布を一様とする意味でも効果的である。

0037

高熱抵抗部材17のもう一方の端部は冷却板14に接続される。高熱抵抗部材17と冷却板14は接着材もしくはボルト等の締結部材によって連結される。高熱抵抗部材17と冷却板14の間は、先に述べたような接着剤や接合剤を間に挟みボルト等で締結することが望ましい。

0038

高熱抵抗部材17に配置される温度測定手段18は例えばセルノックス温度計である。高熱抵抗部材17と温度測定手段18との間の接触熱抵抗を無視できる程小さくするため、温度計測部18の表面には先に述べたような接合剤が塗付されることが望ましい。また、高熱抵抗部材17のうち温度計測装置18を設置する箇所は平面状に加工されることが望ましい。これにより、高熱抵抗部材17と温度測定手段18の接触面積が大きくなり、接触熱抵抗が小さくなる長所がある。さらに、温度計測装置8にはスプリングワッシャー付きのボルトで高熱抵抗部材17に締結された押し板によって、一定の面圧加圧されていてもよい。これにより高熱抵抗部材17と温度測定手段18が密着し、接触熱抵抗が小さくなる長所がある。

0039

温度計側部18からの計測線(図示せず)は真空容器2の外から導入され、熱侵入量を低減するため設置台11と冷却板14の2箇所で温度定点がとられる。高熱抵抗部材17は冷却板14よりも温度が高いので、計測線からの伝熱損失を低減するため計測線の熱抵抗は十分に高くする必要がある。そのため、計測線は低温における熱伝導率の大きいマンガニン線等からなり、線径を小さくかつ長さを大きくすることが望ましい。また、計測の際に生じるノイズを低減するため、計測線をより合わせ交流磁場による誘導電圧を小さくすることが望ましい。

0040

また、本実施例の交流測定装置は、先に述べたようなMRI装置における超電導磁石について、傾斜磁場に起因する交流損失を任意の温度条件下で測定することも可能である。すなわち傾斜磁場コイルから発されるパルス状の磁場を磁場印加コイル4に模擬させることで、MRI装置環境下における超電導体に発生する交流損失を測定できる。特に傾斜磁場はパルス状に発される高周波磁場であるため、従来のように液体ヘリウム化で計測を実行しようとすると、液体ヘリウム容器が導電性の高い部材である場合は遮蔽されてしまい測定が困難となる。また、液体ヘリウム環境下では測定温度は4Kに固定されてしまうため、任意の温度環境での計測は困難である。

0041

しかし、本実施例の交流測定装置であれば、磁場印加コイル4と被検体1との間には大きな渦電流を発生させることで交流磁場を遮蔽するような部材が存在せず、かつ第1冷却手段5または第2冷却手段6、あるいは両方の温度を調整することによって任意の温度環境を設定し、交流損失を測定することができる。

0042

図2に本発明の実施例2に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図を示す。実施例2の測定装置が、実施例1の測定装置と異なっている点は、温度測定手段18が高熱抵抗部材17の表面であって、かつ軸方向(つまり設置台14とコイルボビン7とを結ぶ直線)に直交する面上に少なくとも2箇所設置される点である。図2では、温度測定手段18の第1の温度測定手段18a(高温側)と第2の温度測定手段18b(低温側)に対して180度ずらした位置に温度測定手段18c、18dが配置される。高熱抵抗部材17を通過する熱流束の分布が軸方向に直交する断面において一様な場合、温度測定手段18aと18c、18bと18dの温度は同一である。したがって、これらの平均値をとることで測定値不確かさが小さくなる。また、被検体1に局所的な交流損失が生じた場合、高熱抵抗部材17の軸方向に直交する断面内が一定温度とならないことが考えられるが、本実施例の構成とすることで、軸方向に直交する断面内の温度分布を測定でき、局所的な交流損失に対しても精度良い測定が可能となる。

0043

図3に本発明の実施例3に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図を示す。実施例2の測定装置が、実施例1の測定装置と異なっている点は、高熱抵抗部材17が中空薄肉円筒形状である点である。これにより、高熱抵抗部材17の軸方向に垂直な断面内における外側面と内側面の温度に差がつきにくく、熱流束の分布が一様となりやすい。したがって、熱流束の精度良い測定が可能となる利点がある。

実施例

0044

図4に本発明の実施例4に係る超電導体の交流損失測定装置の全体概略図を示す。実施例4の測定装置が、実施例3の測定装置と異なっている点は、温度計測部18が中空薄肉の高熱抵抗部材17の外周側と内周側に設置される点である。図4では、高熱抵抗部材17の外周側に設置された温度測定手段18の高温側18aと低温側18bに高熱抵抗部材17を介して対向する位置に温度測定手段18c、18dが配置される。高熱抵抗部材17を通過する熱流束の分布が軸方向に直交する断面内で一様な場合、温度測定手段18aと18c、18bと18dの温度は同一である。したがって、これらの平均値をとることで測定値の不確かさが小さくなり、測定精度が向上する。また、被検体1で局所的な交流損失が生じる場合に対しては、実施例2と同じく温度分布を測定でき、更に実施例3と同じく温度測定手段18の外側面と内側面の温度に差がつきにくく、精度良い測定が可能となる。

0045

1 被検体
2真空容器
3輻射シールド
4 磁場印可コイル
5 第1冷却手段
6 第2冷却手段
7コイルボビン(ホルダ)
8、12、16荷重支持体
9、 コイルボビン
10、12 荷重支持体
11設置台(第1冷却部材)
13a、13b、15 可とう導体
14冷却板(第2冷却部材)
17高熱抵抗部材(柱状部材)
18a〜18d温度測定手段

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