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技術 レーザ加工方法およびレーザ加工装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 本木裕
出願日 2015年5月21日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2015-103929
公開日 2016年12月22日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2016-215245
状態 特許登録済
技術分野 レーザ加工 ガラスの再成形、後処理、切断、輸送等
主要キーワード 通過板 脆弱材料 貫通孔形成位置 貫通孔形成領域 加工タイミング 寄生パラメータ 冷却剤供給 レーザ光照射ヘッド
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

位置精度を維持しつつ、クラックレスで高品質レーザ加工を実現することのできる、レーザ加工方法を得ること。

解決手段

被加工物であるガラス基板11の表面を冷却被膜としての親水性膜21で覆う工程と、親水性膜21で被覆されたガラス基板11を一定速度で搬送しながら、協調制御ガルバノスキャナにより、レーザ光走査し、親水性膜21を介してガラス基板11にレーザ光を照射し、レーザ光が照射される領域に貫通孔12を形成する工程とを含む。

概要

背景

近年、情報ニーズ多様化と、情報のデジタル化に伴い、情報通信機器高速化が急速に進められている。従来から用いられてきたメタル配線では高速化に限界がある。そこで、伝送速度、伝送距離の両面で優れ、消費電力の少ない光インターコネクションが注目されている。光インターコネクションを用いたデータ伝送システムは、信号送信用IC(IntegratedCircuit)、プリント回路基板ケーブルなどの接続媒体信号受信用ICで構成される。ICと回路基板とでは、配線デザインルールが異なるため、信号送信用IC、信号受信用IC等の光デバイスと、回路基板とをつなぐインターポーザが必要となる。

光インターコネクションにおいて使用するインターポーザの基板材料として、ガラスは、透光性が高く、シリコンに比べて安価であることから、高速伝送用インターポーザとして注目されている。

光デバイスとインターポーザの接続にはフリップチップ実装が用いられることが多い。フリップチップ実装は、ワイヤを用いたワイヤボンディングによる接続に比べて配線長が短く、寄生パラメータが小さいため、高周波伝送特性に優れている。フリップチップ実装では、光でデバイス受発光面基板と対向するように配置される、いわゆるフェースダウンとなるため、光信号光路位置精度は、インターポーザの実装パッドの平面方向の位置精度に大きく依存する。またフリップチップ実装は高温下で行われるため、光デバイスとインターポーザの熱膨張係数差が小さいほど、残留応力の小さい実装が可能となる。

そこで光デバイスを構成する基板材料である、シリコン、あるいはガリウムヒ素ガリウムナイトライドなどの化合物半導体との熱膨張率差の小さい、ホウ珪酸ガラスを初めとするガラスが高速通信用インターポーザとして、注目が高まっている。

面発光レーザ等の発光素子は、熱抵抗が大きく、通電による発熱素子特性に与える影響が大きいため、放熱機構が必要であり、さらには高密度実装が進むにつれて実装面積最大限に有効利用する必要がある。以上の観点からも、高速伝送用インターポーザとしては、表面側および裏面側の両面に配線層を形成するとともに、これらの配線をつなぐスルーホール高精度化が、光インターコネクションの高速化および高集積化に必須となっている。

そこでスルーホールの微細化および位置精度の向上は、高速伝送用インターポーザの性能を決定する大きな要因となっている。その一方で、上述したように、発光素子の使用時つまり通電時の発熱、実装時の処理熱など、高速伝送用インターポーザに用いられるガラス基板は高温となる機会が多いため、ガラス基板はできるだけ応力歪の小さい状態で供給する必要がある。

ガラス基板へのスルーホールの形成には、レーザが用いられる。ガラス基板へのレーザ加工時の最大の問題は、応力歪あるいはクラックの発生である。レーザ加工時のガラス基板へのクラックの発生を防止する方法として、例えば特許文献1の技術が開示されている。特許文献1では、被加工物に対し水中でレーザ照射を行う技術が、開示されている。水を使用することで、こうした脆弱材料への影響を防ぐことは、有効である。

また、特許文献2には、レーザ光乱反射を防ぐため、レーザ光照射ヘッドに、レーザ光を透過し、冷却液に接触して冷却液と大気とを隔離する境界壁をなす境界通過板を設ける技術が開示されている。特許文献2の技術では、冷却によるクラック発生防止に加え、空気と冷却液との界面での乱反射を防ぐことはできる。

概要

位置精度を維持しつつ、クラックレスで高品質のレーザ加工を実現することのできる、レーザ加工方法を得ること。被加工物であるガラス基板11の表面を冷却被膜としての親水性膜21で覆う工程と、親水性膜21で被覆されたガラス基板11を一定速度で搬送しながら、協調制御ガルバノスキャナにより、レーザ光を走査し、親水性膜21を介してガラス基板11にレーザ光を照射し、レーザ光が照射される領域に貫通孔12を形成する工程とを含む。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加工精度を維持しつつ、応力の発生を防ぎ、クラックレスで高品質のレーザ加工を実現することのできる、レーザ加工方法を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

被加工物の表面を冷却被膜で覆う工程と、前記冷却被膜で被覆された被加工物を一定速度で搬送しながら、協調制御ガルバノスキャナにより、レーザ光走査し、前記冷却被膜を介して前記被加工物に前記レーザ光を照射し、レーザ光が照射される領域に貫通孔を形成する工程とを含むことを特徴とするレーザ加工方法

請求項2

前記被加工物は、ガラス基板であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。

請求項3

前記冷却被膜で覆う工程は、前記ガラス基板に親水性処理を行う工程であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工方法。

請求項4

前記冷却被膜で覆う工程は、前記ガラス基板に厚さ20nm以上1μm以下の水の膜を形成する工程であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工方法。

請求項5

前記冷却被膜で覆う工程は、前記ガラス基板に冷却剤を供給する工程であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工方法。

請求項6

前記冷却被膜で覆う工程は、前記レーザ光が照射される領域に、選択的に冷却剤を供給する工程であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工方法。

請求項7

前記冷却被膜で覆う工程に先立ちレーザ照射により、被加工物の貫通孔形成領域浅溝を形成する工程と、前記浅溝に前記冷却剤を充填する工程とを含み、前記貫通孔を形成する工程は、前記冷却剤に位置合わせをしながら前記浅溝に合わせて、レーザ照射により貫通孔を形成する工程であることを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工方法。

請求項8

被加工物の表面に、冷却剤を供給し、前記表面に冷却被膜を形成する冷却剤供給部と、前記冷却剤の供給により前記冷却被膜で被覆された前記被加工物を一定速度で搬送する搬送部と、レーザ発振器と、前記レーザ発振器からのレーザ光を、あらかじめ決められた速度で走査するスキャナとを備え、前記冷却被膜を介して前記被加工物にレーザ照射を行うことで、貫通孔を形成することを特徴とするレーザ加工装置

請求項9

前記被加工物を搬送する搬送部が、前記被加工物を囲む枠体を備え、前記冷却剤供給部は、前記冷却剤を充填した冷却槽と、前記被加工物に前記冷却剤を供給する供給ノズルとを備え、前記枠体は、あらかじめ決められた高さを有し、前記冷却剤を、前記被加工物表面で保持し、前記冷却槽に前記冷却剤をオーバーフローすることを特徴とする請求項8に記載のレーザ加工装置。

技術分野

0001

本発明は、レーザ加工方法およびレーザ加工装置係り、特に加工時のクラックの発生防止に関する。

背景技術

0002

近年、情報ニーズ多様化と、情報のデジタル化に伴い、情報通信機器高速化が急速に進められている。従来から用いられてきたメタル配線では高速化に限界がある。そこで、伝送速度、伝送距離の両面で優れ、消費電力の少ない光インターコネクションが注目されている。光インターコネクションを用いたデータ伝送システムは、信号送信用IC(IntegratedCircuit)、プリント回路基板ケーブルなどの接続媒体信号受信用ICで構成される。ICと回路基板とでは、配線デザインルールが異なるため、信号送信用IC、信号受信用IC等の光デバイスと、回路基板とをつなぐインターポーザが必要となる。

0003

光インターコネクションにおいて使用するインターポーザの基板材料として、ガラスは、透光性が高く、シリコンに比べて安価であることから、高速伝送用インターポーザとして注目されている。

0004

光デバイスとインターポーザの接続にはフリップチップ実装が用いられることが多い。フリップチップ実装は、ワイヤを用いたワイヤボンディングによる接続に比べて配線長が短く、寄生パラメータが小さいため、高周波伝送特性に優れている。フリップチップ実装では、光でデバイス受発光面基板と対向するように配置される、いわゆるフェースダウンとなるため、光信号光路位置精度は、インターポーザの実装パッドの平面方向の位置精度に大きく依存する。またフリップチップ実装は高温下で行われるため、光デバイスとインターポーザの熱膨張係数差が小さいほど、残留応力の小さい実装が可能となる。

0005

そこで光デバイスを構成する基板材料である、シリコン、あるいはガリウムヒ素ガリウムナイトライドなどの化合物半導体との熱膨張率差の小さい、ホウ珪酸ガラスを初めとするガラスが高速通信用インターポーザとして、注目が高まっている。

0006

面発光レーザ等の発光素子は、熱抵抗が大きく、通電による発熱素子特性に与える影響が大きいため、放熱機構が必要であり、さらには高密度実装が進むにつれて実装面積最大限に有効利用する必要がある。以上の観点からも、高速伝送用インターポーザとしては、表面側および裏面側の両面に配線層を形成するとともに、これらの配線をつなぐスルーホール高精度化が、光インターコネクションの高速化および高集積化に必須となっている。

0007

そこでスルーホールの微細化および位置精度の向上は、高速伝送用インターポーザの性能を決定する大きな要因となっている。その一方で、上述したように、発光素子の使用時つまり通電時の発熱、実装時の処理熱など、高速伝送用インターポーザに用いられるガラス基板は高温となる機会が多いため、ガラス基板はできるだけ応力歪の小さい状態で供給する必要がある。

0008

ガラス基板へのスルーホールの形成には、レーザが用いられる。ガラス基板へのレーザ加工時の最大の問題は、応力歪あるいはクラックの発生である。レーザ加工時のガラス基板へのクラックの発生を防止する方法として、例えば特許文献1の技術が開示されている。特許文献1では、被加工物に対し水中でレーザ照射を行う技術が、開示されている。水を使用することで、こうした脆弱材料への影響を防ぐことは、有効である。

0009

また、特許文献2には、レーザ光乱反射を防ぐため、レーザ光照射ヘッドに、レーザ光を透過し、冷却液に接触して冷却液と大気とを隔離する境界壁をなす境界通過板を設ける技術が開示されている。特許文献2の技術では、冷却によるクラック発生防止に加え、空気と冷却液との界面での乱反射を防ぐことはできる。

先行技術

0010

特開昭61−206587号公報
特開平7−256479号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、上記特許文献1の技術によれば、レーザ加工時のガラス基板へのクラックの発生を防止できるものの、高速通信用インターポーザにおいては、高精度の位置決めをはじめとする高度の加工精度が必要であることから、水中でのレーザ光のゆらぎ、あるいは屈折などにより、実際の適用は困難であった。

0012

また、特許文献2の技術では、冷却によるクラック発生防止に加え、空気と冷却液との界面での乱反射を防ぐことはできるものの、大がかりなレーザ照射ヘッドが必要となり、量産に用いるのは困難であった。また被加工物を搬送しながら、レーザ加工をするのは難しいという問題もあった。

0013

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加工精度を維持しつつ、応力の発生を防ぎ、クラックレスで高品質のレーザ加工を実現することのできる、レーザ加工方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被加工物の表面を冷却被膜で覆う工程と、冷却被膜で被覆された被加工物を一定速度で搬送しながら、協調制御ガルバノスキャナにより、レーザ光を走査し、冷却被膜を介して被加工物にレーザ光を照射し、レーザ光が照射される領域に貫通孔を形成する工程とを含む。

発明の効果

0015

本発明によれば、位置精度を維持しつつ、応力の発生を防ぎ、クラックレスで高品質のレーザ加工を実現することのできる、レーザ加工方法を得ることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0016

実施の形態1にかかるレーザ加工方法を模式的に示す図
実施の形態1に係るレーザ加工方法で形成したガラスインターポーザを示す図
実施の形態1のレーザ加工装置を示す図
(a)から(e)は、実施の形態1のレーザ加工方法を用いたガラスインターポーザの製造工程を示す工程断面図
ガラスインターポーザの製造工程を示すフローチャート
実施の形態1のレーザ加工方法を用いて形成したガラスインターポーザを用いたメモリ装置を示す図
実施の形態2にかかるレーザ加工方法を模式的に示す図
実施の形態2にかかるレーザ加工方法におけるガラス基板の位置と、ガラス基板の搬送速度との関係を示す図
(a)から(e)は、実施の形態3のレーザ加工方法を用いたガラスインターポーザの製造工程を示す工程断面図
(a)から(e)は、実施の形態4のレーザ加工方法を用いたガラスインターポーザの製造工程を示す工程断面図
実施の形態5にかかるレーザ加工方法を模式的に示す図

実施例

0017

以下に、本発明の実施の形態にかかるレーザ加工方法およびレーザ加工装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため各層あるいは各部材の縮尺現実と異なる場合があり、各図面間においても同様である。また、断面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付さない場合がある。

0018

実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるレーザ加工方法を模式的に示す図である。図2は、実施の形態1に係るレーザ加工方法で形成したガラスインターポーザを示す図である。図3は、実施の形態1のレーザ加工装置を示す図である。図4(a)から(e)は、実施の形態1のレーザ加工方法を用いたガラスインターポーザの製造工程を示す工程断面図、図5は同ガラスインターポーザの製造工程を示すフローチャートである。図6は、実施の形態1の工程レーザ加工方法を用いて形成したガラスインターポーザを用いたメモリ装置を示す図である。実施の形態1のレーザ加工方法では、被加工物であるガラス基板11の表面を冷却被膜としての親水性膜21で覆う工程と、親水性膜21で被覆されたガラス基板11を一定速度で搬送しながら、協調制御でガルバノスキャナにより走査して、レーザ照射を行い、親水性膜21を介してガラス基板11に貫通孔12を形成する。

0019

実施の形態1のレーザ加工方法では、ガラス基板11加工時のクラック発生を防止するため、親水性膜21で加工孔である貫通孔12の形成領域付近を覆う。レーザ加工工程では、レーザ入射側の親水性膜21表面が波立たないようにするため、レーザ光はガルバノスキャナ33X,33Y、Fθレンズ36などの光学系を用いて光走査集光を行って加工する。そしてガラス基板11表面上の表面張力を最小化するため、予めガラス基板11上に親水性膜21を施している。親水性膜21の膜厚は、レーザ光の屈折による位置ずれを防ぐためになるべく薄くするのがよく、レーザの照射エネルギーによる温度上昇を抑制するためには、熱容量を大きくするのが望ましい。

0020

実施の形態1のレーザ加工方法で得られるガラスインターポーザ10は、図2に断面図を示すように、ガラス基板11と、ガラス基板11に配列され、スルーホールを構成する貫通孔12と、第1主面11Aおよび第2主面11Bに形成された第1電極13および第2電極14とを具備している。そして、貫通孔12内には、第1電極13および第2電極14を電気的に接続する、導電性部材からなる貫通電極15が形成されている。ガラス基板11を貫通する貫通孔12に形成された貫通電極15により、ガラス基板11の厚さ方向に電流パスが形成され、配線長の短縮化が可能となり、高密度でかつ低抵抗の実装が実現される。

0021

レーザ加工装置1は、図3に示すように、レーザ加工を行うレーザ加工部30と、加工位置及び加工タイミングを制御する加工制御装置34とを具備しているが詳細については後述する。

0022

次に、実施の形態1のレーザ加工方法を用いたガラスインターポーザ10の製造方法について、図4(a)から(e)の工程断面図および図5の製造工程のフローチャートを参照しつつ説明する。

0023

まず、図4(a)に示すように、ガラス基板11を用意し、開始ステップS100で、製造工程を開始し、洗浄ステップS101で、通例の方法でガラス基板11の洗浄を行う。

0024

次いで、図4(b)に示すように、親水性処理テップS102でガラス基板11に対し親水性処理を行い、表面に親水性膜21を形成する。

0025

ガラス基板11の洗浄および親水性膜21の形成について説明する。実施の形態1の方法は、ステップS101において実施される洗浄工程と、ステップS102において実施される親水成膜形成工程と、を含む。

0026

親水性膜21の形成に先立ち、まず、ガラス基板11の洗浄を行う。ステップS101の洗浄工程では、まずリンガラスエッチングを行い、フッ酸(HF)、またはHFと硝酸(HNO3)と硫酸(H2SO4)との混酸等の、HFを含む溶液エッチング液に用いたウェットエッチング処理によって、表面に付着しているリンガラス層エッチング除去する。HFを含む溶液におけるフッ酸の濃度は特に限定されない。また、HFを含む溶液であるエッチング液へのガラス基板11の浸漬時間は、諸条件により適宜設定されればよい。

0027

リンガラスエッチング工程では、たとえばHF:H2O=1:10で調製されたHF溶液にガラス基板11を450秒間浸漬して、ガラス基板11の表面に形成されているリンガラス層などの付着物をエッチング除去する。

0028

そしてリンガラスエッチングの実施後に、ガラス基板11の表面に純水を供給することによって、ガラス基板11の表面に残存している、HFを含む溶液を純水で洗浄する。洗浄工程では、たとえばガラス基板11を純水に浸漬して、ガラス基板11の表面に残留しているHF溶液を洗浄により洗い流す。

0029

洗浄後のガラス基板11の表面は、HF溶液に浸漬したために疎水性になっている。そこで、洗浄工程の実施後に、酸化作用を有する酸化性薬液をガラス基板11の表面に供給することによって、ガラス基板11の表面にウェット酸化処理によりシリコン酸化膜を均一に形成して、ガラス基板11の表面を均一に親水化する親水性処理を行う。酸化性薬液は、たとえばオゾンガスを溶解させたオゾン水および過酸化水素水が例示される。

0030

親水性処理工程では、純水による洗浄後に、たとえば酸化性薬液が貯留された貯留槽にガラス基板11を浸漬することで、ガラス基板11の表面に酸化膜である親水性膜21を均一に形成してガラス基板11表面を均一に親水化する。

0031

酸化性薬液としては、たとえばオゾンガスを溶解させたオゾン水を使用する。そして、オゾン水が貯留された貯留槽にガラス基板11を浸漬した後、溶存オゾン濃度既定の濃度に調整したオゾン水を貯留槽に常時供給して、貯留槽のオゾン水の溶存オゾン濃度を一定に保つ。オゾン水の溶存オゾン濃度は、0.1mg/L以上であればよく、高濃度ほど短時間での親水化処理が可能である。オゾン水の溶存オゾン濃度は、より好ましくは1mg/L以上である。なお、高濃度オゾン水の製造上の理由の観点から、オゾン水の溶存オゾン濃度の上限は、180mg/Lである。オゾン水の溶存オゾン濃度は、0.1mg/L程度の場合は、オゾン水へのガラス基板11の浸漬時間は30秒以上であればよい。つまりガラス基板11の表面が全体的に見て親水状態となり完全に濡れた状態で一様な水の膜が形成されていればよい。

0032

次いで、図4(c)に示すように、表面である第1主面11Aに親水性膜21を有するガラス基板11に対し、図3のレーザ加工装置1を用いて、貫通孔12の形成ステップS103で、位置決めを行いながら、レーザ照射により順次方向dに沿って貫通孔12を形成する。レーザ照射時、ガラス基板11表面は親水性膜21で被覆されており、一様で薄い親水性膜21が形成されていることで、レーザ光の屈折による位置ずれを生じることなく、高精度の微細な貫通孔12を高密度に形成することができる。また、一様で薄い親水性膜が形成されていることで、レーザ照射時の熱に対し、確実な冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣を親水性膜21とともに、流出することができる。冷却効果を得るためには厚い方がよいが、レーザ照射に際して屈折による光路のずれを防ぐためには薄いのが望ましい。ここで親水性膜21の厚さは、厚さ20nm以上1mm以下とする。

0033

順次レーザ照射を行い、図4(d)に示すように、ガラス基板11上に貫通孔12を形成する。貫通孔12を形成したのち、電極形成領域および貫通孔12へのストライクめっきステップS104により、全面に薄いストライクめっき層を形成し、パターニングして、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、電極形成領域および貫通孔12内を覆うストライクめっき層パターンを形成する。

0034

そして最後に、図4(e)に示すように、はんだめっきステップS105により、ストライクめっき層パターン形成のなされた電極形成領域および貫通孔12に、はんだめっき層を形成し、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、貫通孔12内を覆うはんだめっき層を形成し、第1電極13、第2電極14及び貫通電極15を形成する。以上のようにしてガラスインターポーザ10が完成する。

0035

なお、親水性膜21が表面に残留している場合には、貫通孔12の形成後、めっき工程に先立ち、親水性膜21を除去するために低濃度酸性溶液をガラス基板11の表面に吹き付けたりあるいは、還元性ガスを含有する不活性ガスを吹き付けたりする洗浄工程を追加しても良い。洗浄工程で、親水性膜21は、レーザ加工による残渣とともに除去され、清浄な表面を得ることができる。また、親水性膜21が、完成後のガラスインターポーザ10表面に残留していてもよく、レーザ照射によって形成し親水性膜21が焼失した貫通孔12に選択的にめっき層が形成できればよいため、除去することなく親水性膜21をパッシベーション膜として残留させたままデバイスを形成するのも有用である。

0036

図6に、メモリ装置100を示すように、ガラスインターポーザ10の第1主面10A上に、CPU16、および記憶部であるメモリ17を積層して実装する。そして、ガラスインターポーザ10の第2主面10Bにはんだボール18からなるボールグリッドアレイを形成し、ボールグリッドアレイを介してプリント基板19の配線パターン19P上にガラスインターポーザ10を実装し、メモリ装置100が完成する。

0037

次に、実施の形態1のレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置1のレーザ加工部30について説明する。レーザ加工部30は、ガラス基板11をXYZ方向に搬送可能な、搬送部としての基板載置台31と、基板載置台31と協調制御でレーザ発振器32から発振されたレーザ光を、加工エリア内でX方向およびY方向に走査するガルバノスキャナ33Xおよび33Yとを有している。ガルバノスキャナ33Xおよび33Yは、加工制御装置34によってガルバノミラー35Xおよび35Yを回動させることで、レーザ光を、加工エリア内でX方向およびY方向に走査する。ここでレーザ発振器32はCO2レーザを用いている。

0038

ガルバノミラー35X,35Yは、概略楕円形ミラー面を有したミラーを用いて構成されており、レーザ光37を反射して所定の角度に偏向させる。ガルバノミラー35Xは、レーザ光37をX方向に偏向させ、ガルバノミラー35Yは、レーザ光37をY方向に偏向させる。

0039

Fθレンズ36は、テレセントリック性を有した集光レンズである。Fθレンズ36は、レーザ光37を被加工物であるガラス基板11の第1主面11Aに対して垂直な方向に偏向させるとともに、レーザ光37をガラス基板11の加工位置すなわちスルーホール形成位置に集光させる。これにより、Fθレンズ36は、XY面に垂直なZ方向に、レーザ光37の主光線の向きを揃える。

0040

XYテーブルである基板載置台31は、被加工物であるガラス基板11が載置されるとともに、図示しないX軸モータおよびY軸モータの駆動によってXY平面内を移動する。これにより、基板載置台31は、ガラス基板11を面内方向すなわちX方向およびY方向へ移動させる。

0041

加工制御装置34は、レーザ発振器32および、ガルバノスキャナ33Xおよび33Yなどのレーザ加工部30の各要素に接続されており、レーザ発振器32およびレーザ加工部30を制御する。加工制御装置34は、ガラス基板11をレーザ加工する際には、加工プログラムに設定されたレーザ加工条件をレーザ発振器32とレーザ加工部30に指示する。ここでのレーザ加工条件は、レーザ光37のパルス出射タイミングレーザ照射位置などを含んでいる。

0042

加工制御装置34は、コンピュータなどによって構成されており、レーザ発振器32あるいはレーザ加工部30をNC(Numerical Control)制御等の制御によって制御する。加工制御装置34は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えている。加工制御装置34がレーザ発振器32あるいはレーザ加工部30を制御する際には、CPUが、ユーザによる図示しない入力部からの入力によって、ROM内に格納されている加工プログラムを読み出しRAM内プログラム格納領域展開して各種処理を実行する。各種処理に際して生じる各種データは、RAM内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶される。これにより、加工制御装置34は、レーザ発振器32およびレーザ加工部30を制御する。

0043

基板載置台31を移動させることなく、ガルバノ機構すなわち、ガルバノスキャナ33X,33Y、ガルバノミラー35X,35Yの動作によってレーザ加工が可能な範囲すなわち走査可能領域がガルバノエリアつまりスキャンエリアである。レーザ加工装置1では、基板載置台31をXY平面内で移動させた後、ガルバノスキャナ33X,33Yによってレーザ光37を2次元走査する。XYテーブルである基板載置台31は、各ガルバノエリアの中心がFθレンズ36の中心直下すなわちガルバノ原点となるよう順番に移動していく。

0044

ガルバノ機構は、ガルバノエリア内に設定されている各孔位置が順番にレーザ光37の照射位置となるよう動作する。レーザ加工装置1がガラス基板11へのレーザ加工を行う際には、ガルバノスキャナ33Xがガルバノミラー35Xを回動させ、ガルバノミラー35Xがレーザ発振器32から送られてくるレーザ光37を反射する。ガルバノミラー35Xは、回動することで、レーザ光37の進行方向を変化させる。ガルバノミラー35Xあるいは35Yの回動速度は、レーザ入射側のガラス基板11表面の親水性膜21が波立たないようにするため、ガラス基板11を一定速度で動かし続けながら、ガルバノスキャナ33Xあるいは33Yと合わせた協調制御でレーザ加工していく。なお、ガルバノミラー35Xあるいは35Yの回動速度がガラス基板11の搬送速度に対して、一定速度をもつ、つまり加速度をもたない状態であれば親水性膜21が波立つことなく、静止状態を維持することができるため、レーザ照射位置にばらつきが生じることなく、高精度の位置制御を行うことができる。

0045

さらに、ガルバノスキャナ33Yは、ガルバノミラー35Yを回動させ、ガルバノミラー35Yは、ガルバノミラー35Xから送られてくるレーザ光37を反射する。ガルバノミラー35Yは、回動することで、レーザ光37の進行方向を変化させる。これにより、ガルバノミラー35X,35Yは、レーザ光37の照射領域を、ガラス基板11の面内方向すなわちXY方向に対して移動させる。

0046

レーザ加工装置1では、基板載置台31によるガルバノエリア間の移動とガルバノ機構によるガルバノエリア内でのレーザ光37の2次元走査とが、被加工物であるガラス基板11上で順番に行なわれていく。これにより、ガラス基板11上の全ての加工位置がレーザ加工される。

0047

ガルバノミラー35Xの先端部のうちFθレンズ36側の先端部とFθレンズ36との間の距離D1は、焦点距離の短いFθレンズ36では狭くなる。Fθレンズ36側の先端部とFθレンズ36との間の距離D1は例えば10mm以下である。本実施の形態のガルバノスキャナ33Xは、ガルバノミラー35Xの先端部側軸受けなどの面倒れ振動を防止する構造部材を配置することなくガルバノスキャナ33Xを構成しているので、軸受けなどの構造部材がFθレンズ36と干渉することなくガルバノスキャナ33Xをレーザ加工装置1に装着することができる。以上のように、焦点距離の短いFθレンズ36であっても、ガルバノミラー35Xの面倒れが起こらないガルバノスキャナ33X,33Yをレーザ加工装置1に搭載することが可能となり、集光性の高いレーザ加工を高精度に行うことが可能となる。

0048

以上のようにして、レーザ光の屈折による位置ずれを生じることなく、高精度の微細な貫通孔12を高密度に形成することができる。また、一様で薄い親水性膜21が形成されていることで、冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣を親水性膜21とともに、流出することができる。従って、実施の形態1のレーザ加工方法では、位置精度を維持しつつ、ガラス基板11に対して、応力歪なし、ひいてはクラックレスで高品質のレーザ加工を実現することができ、高精度で信頼性の高い配線回路を備えたガラスインターポーザ10を得ることができる。

0049

なお、親水性膜21の形成については、実施の形態1の方法に限定されるものではなく、親水性処理による親水性膜形成ステップS102におけるオゾン水洗浄を、硫酸過酸化水素:H2SO4+H2O2を用いたSPM洗浄および塩酸過酸化水素:HCl+H2O2+H2Oを用いたHPM洗浄に代えても良い。

0050

ここで、SPM洗浄液としては、たとえば硫酸(H2SO4)80wt%+過酸化水素水(H2O2)5wt%+H2Oの組成混合液を用いることができる。また、HPM洗浄液としては、たとえば塩酸(HCl)10wt%+過酸化水素(H2O2)5wt%+H2O)の組成の混合液を用いることができる。

0051

実施の形態1において冷却剤供給部は図示しないが、親水性膜21を形成するための溶液槽が冷却剤供給部に相当すると考えることもできる。

0052

実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2にかかるレーザ加工方法を模式的に示す図である。実施の形態1では、ガラス基板11表面に親水性膜21を形成してレーザ照射を行ったが、実施の形態2では、冷却剤供給部としてのノズル23から冷却剤22を供給しながら、レーザ照射を行い、貫通孔12を形成する方法である。レーザ加工部30は実施の形態1と同様であるためここでは説明を省略する。

0053

実施の形態1のレーザ加工方法では、ガラス基板11加工時の応力歪あるいはクラック発生を防止するため、親水性膜21で加工孔である貫通孔12の形成領域付近を覆ったが、実施の形態2のレーザ加工方法では、冷却剤22をガラス基板11表面に供給しながら、レーザ照射を行う。実施の形態2では、レーザ入射側の冷却剤22表面が波立たないようにするため、レーザ光37はガルバノスキャナ33X,33Y、Fθレンズ36などの光学系を用いて光走査、集光を行って加工する。そしてガラス基板11表面上の表面張力を最小化し、一定速度で冷却剤22としての水を流す。

0054

実施の形態2においても実施の形態1で用いたのと同様、レーザ加工を行うレーザ加工部30と、図示は省略するが、加工位置及び加工タイミングを制御する加工制御装置とを具備したレーザ加工装置1を用いる。

0055

レーザ加工方法についても、図4(c)および図5のステップS103によるレーザ照射工程からスタートする以外は実施の形態1のレーザ加工方法と同様である。

0056

図4(c)に示した、親水性膜21に代えて、表面である第1主面11Aに冷却剤22としての水を供給しながら、ガラス基板11に対し、図3のレーザ加工装置1を用いて、レーザ照射による貫通孔の形成ステップS103で、レーザ照射により順次貫通孔12を形成する。レーザ照射時、ガラス基板11表面には、一様で薄い水の膜が形成されていることで、レーザ光の屈折による位置ずれを生じることなく、高精度の微細な貫通孔12を高密度に形成することができる。また、一様で薄い水の膜が形成されていることで、冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣を水の膜とともに、流出することができる。

0057

ガルバノミラー35Xあるいは35Yの回動により走査されるレーザ照射は、レーザ入射側のガラス基板11表面の冷却剤22が波立たないようにするため、ガラス基板11を一定速度で動かし続けながら、ガルバノスキャナと合わせた協調制御で、狙い位置に精度良くレーザ光を走査、照射を行い、加工を進めていく。図8は、ガラス基板11の位置と、基板載置台31の駆動によるガラス基板11の搬送速度との関係を示す図である。横軸はガラス基板11のX方向の位置、縦軸は搬送速度である。なお、ガルバノミラー35Xあるいは35Yの回動速度がガラス基板11の搬送速度に対して、一定速度をもつレーザ照射領域R、つまり加速度をもたない領域でレーザ照射を行う。加速度をもたない状態であれば冷却剤22が波立つことなく、静止状態を維持することができるため、レーザ照射による貫通孔形成位置にばらつきが生じることなく、高精度の位置制御を行うことができる。

0058

順次レーザ照射を行い、図4(d)に示したのと同様に、ガラス基板11上に貫通孔12を形成する。貫通孔12を形成したのち、電極形成領域および貫通孔12へのストライクめっきステップS104により、全面に薄いストライクめっき層を形成し、パターニングして、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、電極形成領域および貫通孔12内を覆うストライクめっき層パターンを形成する。

0059

そして最後に、図4(e)に示したのと同様に、はんだめっきステップS105により、ストライクめっき層パターン形成のなされた電極形成領域および貫通孔12に、はんだめっき層を形成し、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、貫通孔12内を覆うはんだめっき層を形成し第1電極13、第2電極14及び貫通電極15を形成する。以上のようにしてガラスインターポーザ10が完成する。

0060

実施の形態2のレーザ加工方法によっても、位置精度を維持しつつ、冷却しながらレーザ照射を行うことで、ガラス基板に対して、応力歪なし、ひいてはクラックレスで高品質のレーザ加工を実現することができ、高精度で信頼性の高い配線回路を備えたガラスインターポーザを得ることができる。

0061

冷却剤としての水の膜の厚さは、冷却効果を得るためには厚い方がよいが、レーザ照射に際して屈折による光路のずれを防ぐためには薄い方が望ましい。ここで冷却剤としての水の厚さは、厚さ20nm以上1mm以下とする。

0062

なお、実施の形態2では、冷却剤として水を供給しながらレーザ加工を行ったが、水の他、熱容量の大きい液体、あるいはアルコールなども適用可能である。アルコールなど、相転移を伴う冷却剤を用いることで、気化熱をレーザ照射領域から奪いながらレーザ照射を行うようにすることで、厚い液層を形成することなく冷却効果を高めることができる。

0063

実施の形態3.
図9(a)から(e)は、本発明の実施の形態3にかかるレーザ加工方法を模式的に示す図である。実施の形態3では、ガラス基板11表面のレーザ照射領域RLに選択的にジェル状冷却剤24のパターンを形成しておき、ジェル状冷却剤24のパターンを狙ってレーザ照射を行う方法である。

0064

実施の形態3においても実施の形態1および2で用いたのと同様、レーザ加工を行うレーザ加工部30と、図示は省略するが、加工位置及び加工タイミングを制御する加工制御装置とを具備したレーザ加工装置1を用いる。

0065

レーザ加工方法についても実施の形態1と同様であるが、まず、図9(a)に示すように、ガラス基板11を用意し、通例の方法でガラス基板11の洗浄を行う。

0066

次いで、図9(b)に示すように、ジェル供給ノズルを用いて、ガラス基板11表面のレーザ照射領域RLに選択的にジェル状冷却剤24のパターンを形成する。ジェル状冷却剤24のパターン精度を高くするように高精度のジェル供給ノズルを用いるのが望ましい。また、ジェル状冷却剤24のパターンを、レーザ照射工程における位置合わせパターンとして用いることができるように色を付け、ガラス基板11表面との識別が可能となるようにしてもよい。

0067

次いで、図9(c)に示すように、表面である第1主面11Aにジェル状冷却剤24のパターンが形成されたガラス基板11に対し、図3のレーザ加工装置1を用いて、ジェル状冷却剤24に向けて、位置決めを行いながら、レーザ照射により順次方向dに沿って貫通孔12を形成する。レーザ照射時、ガラス基板11表面のレーザ照射領域RLはジェル状冷却剤24で覆われており、ジェル状冷却剤24を蒸発させながら、レーザ照射がなされ、高精度の微細な貫通孔12を高密度に形成することができる。また、ジェル状冷却剤24のパターン上をレーザ照射し、蒸発させることで、冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣をジェル状冷却剤24とともに、流出することができる。

0068

順次レーザ照射を行い、図9(d)に示すように、ガラス基板11上に貫通孔12を形成する。貫通孔12を形成したのち、電極および貫通孔12へのストライクめっきステップS104により、全面に薄いストライクめっき層を形成し、パターニングして、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、電極形成領域および貫通孔12内を覆うストライクめっき層パターンを形成する。

0069

そして最後に、図9(e)に示すように、はんだめっきステップS105により、ストライクめっき層パターン形成のなされた電極形成領域および貫通孔12に、はんだめっき層を形成し、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、貫通孔12内を覆うはんだめっき層を形成し第1電極13、第2電極14及び貫通電極15を形成する。以上のようにしてガラスインターポーザ10が完成する。

0070

実施の形態3の方法によれば、パターン状に形成したジェル状冷却剤24を蒸発させながら、レーザ照射がなされ、冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣をジェル状冷却剤24とともに、流出することができる。従って、実施の形態3のレーザ加工方法によれば、高精度の微細な貫通孔12を応力歪なし、ひいてはクラックレスで高密度に形成することができる。

0071

実施の形態4.
図10(a)から図10(e)は、本発明の実施の形態4にかかるレーザ加工方法を用いたガラスインターポーザの製造工程を示す工程断面図である。実施の形態4では、まず、ガラス基板11表面のレーザ照射領域RLに、レーザ照射により浅溝12Sを形成し、浅溝12S内に冷却剤25を充填し、選択的に冷却剤25のパターンを形成しておき、冷却剤25のパターンを狙ってレーザ照射を行う方法である。

0072

実施の形態4においても実施の形態1から3で用いたのと同様、レーザ加工を行うレーザ加工部30と、加工位置及び加工タイミングを制御する加工制御装置34とを具備したレーザ加工装置1を用いる。

0073

レーザ加工方法についても実施の形態1と同様であるが、まず、図10(a)に示すように、ガラス基板11を用意し、通例の方法でガラス基板11の洗浄を行う。

0074

次いで、図10(b)に示すように、レーザ加工装置1を用いて、ガラス基板11表面のレーザ照射領域RLにレーザ照射を行い浅溝12Sのパターンを形成する。

0075

次いで、図10(c)に示すように、図示しない供給ノズルを用いて、ガラス基板11表面のレーザ照射領域RLに形成された浅溝12S内に選択的に冷却剤25のパターンを形成する。また、冷却剤25のパターンを、レーザ照射工程における位置合わせパターンとして用いることができるように色を付け、ガラス基板11の表面との識別が可能となるようにするのが望ましい。

0076

次いで、図10(d)に示すように、表面である第1主面11Aに冷却剤25の形成されたガラス基板11に対し、図3のレーザ加工装置1を用いて、冷却剤25に向けて、位置決めを行いながら、レーザ照射により順次貫通孔12を形成する。レーザ照射時、ガラス基板11表面のレーザ照射領域RLは冷却剤25で覆われており、冷却剤25を蒸発させながら、レーザ照射がなされ、高精度の微細な貫通孔12を高密度に形成することができる。また、冷却剤25のパターン上をレーザ照射し、蒸発させることで、冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣を冷却剤25とともに、流出することができる。

0077

順次レーザ照射を行い、図10(d)に示すように、ガラス基板11上に貫通孔12を形成する。貫通孔12を形成した後、電極形成領域および貫通孔12へのストライクめっきステップS104により、全面に薄いストライクめっき層を形成し、パターニングして、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、電極形成領域および貫通孔12内を覆うストライクめっき層パターンを形成する。

0078

そして最後に、図10(e)に示すように、はんだめっきステップS105により、ストライクめっき層パターン形成のなされた電極形成領域および貫通孔12に、はんだめっき層を形成し、第1主面11Aおよび第2主面11Bから、貫通孔12内を覆うはんだめっき層を形成し第1電極13、第2電極14及び貫通電極15を形成する。以上のようにしてガラスインターポーザ10が完成する。

0079

実施の形態4の方法によれば、レーザ照射によって形成した浅溝12S内にパターン状に形成した冷却剤25を蒸発させながら、レーザ照射がなされ、冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣を冷却剤25とともに、流出することができる。従って、実施の形態4のレーザ加工方法によれば、高精度の微細な貫通孔12を高密度に形成することができる。

0080

なお、実施の形態4で用いる冷却剤は、浅溝12Sに充填するため、ノズルからの液体供給で容易にパターニングし得、パターニングのためのマスクも不要であるが、実施の形態3で用いたジェル状冷却剤を用いることで、取り扱いが容易となる。

0081

また、実施の形態4の方法によれば、実際にはレーザ照射による浅溝の形成と、浅溝に位置合わせをしながらレーザ照射により貫通孔を形成するという、2段階のレーザ照射で貫通孔を形成する。従って、1回あたりのレーザ照射深さを浅くすることができ、しかも位置合わせは冷却機能位置合わせ用パターンとを兼ねたパターンを用いて効率よく、貫通孔の形成を行うことができるため、応力歪なし、ひいてはクラックレスで、位置精度が高く、アスペクト比の高い貫通孔の形成が可能となる。

0082

実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5にかかるレーザ加工方法およびレーザ加工装置を模式的に示す図である。実施の形態5では、まず、ガラス基板11表面に冷却剤を供給しながらレーザ照射領域RLに、レーザ照射により貫通孔12を形成する方法において、冷却槽40に充填された冷却液26としての水内に、基板載置台31を設置し、基板載置台31上に液体を溜める枠体41を設置し、ガラス基板11表面に、枠体41の高さh分だけの水を保持しつつレーザ照射を行うものである。

0083

ガラス基板11を搬送する搬送部の基板載置台31が、液体を溜める枠体41を有している。そして、冷却剤としての水を供給するノズル23と、冷却液26を充填した冷却槽40とを備え、枠体41は、冷却液26をガラス基板11表面で保持し、冷却槽40にオーバーフローするように、あらかじめ決められた高さhを有する。基板載置台31については詳細を省略するが、図示しない搬送部に接続され、ガラス基板11を載置してあらかじめ決められた搬送速度で搬送する。

0084

実施の形態5においても実施の形態1から4で用いたのと同様、レーザ加工を行うレーザ加工部30と、加工位置及び加工タイミングを制御する加工制御装置34とを具備したレーザ加工装置1を用いる。

0085

冷却槽40内に冷却液26を充填し、基板載置台31上に設置されたガラス基板11上に液体を溜める枠体41を設置し、ノズル23からガラス基板11表面に、冷却液26を供給する。冷却液26をオーバーフローさせながら供給することで、枠体41の高さh分だけの水をガラス基板11表面に保持しつつレーザ照射を行うものである。

0086

ここで枠体41は、冷却液26としての水がガラス基板11表面に厚さ20nm以上1mm以下の水の膜を形成する高さとするのが望ましい。20nmに満たないと冷却効果が十分でなく、1mmを超えると、レーザ光の屈折により貫通孔の加工精度が低下する。

0087

以上のようにして、ガラス基板11上での冷却液の厚さを制御しつつ冷却液を供給することができるため、レーザ光の屈折による位置ずれを生じることなく、高精度の微細な貫通孔を高密度に形成することができる。また、一様で薄い水の膜が形成されていることで、冷却効果を得ることができるとともに、形成された貫通孔12からレーザ照射による残渣を水の膜とともに、流出することができる。また、ガラス基板11を載置した基板載置台31は裏面側も水で覆われているため、裏面からの冷却効果も高く、加工精度を高めかつ応力歪ひいてはクラックも発生を抑制しつつ信頼性の高いガラスインターポーザを得ることが可能となる。従って、実施の形態5のレーザ加工方法では、位置精度を維持しつつ、ガラス基板11に対して、応力歪なし、ひいてはクラックレスで高品質のレーザ加工を実現することができ、高精度で信頼性の高い配線回路を備えたガラスインターポーザを得ることができる。

0088

なお実施の形態1から5についてはガラス基板11に対する貫通孔12の形成について説明したが、被加工物としてはガラス基板11に限定されることなく、シリコン、化合物半導体、有機物などにも適用可能である。また、レーザ発振器についても、CO2レーザに限定されることなく、被加工物に対して吸収可能な波長を有するものは、適宜選択可能である。

0089

以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

0090

1レーザ加工装置、10ガラスインターポーザ、10A 第1主面、10B 第2主面、11ガラス基板、11A 第1主面、11B 第2主面、12貫通孔、12S浅溝、13 第1電極、14 第2電極、15貫通電極、16 CPU、17メモリ、18はんだボール、19プリント基板、19P配線パターン、21親水性膜、22冷却剤、23ノズル、24ジェル状冷却剤、25 冷却剤、30レーザ加工部、31基板載置台、32レーザ発振器、33X,33Yガルバノスキャナ、34加工制御装置、35X,35Yガルバノミラー、36 Fθレンズ、37レーザ光、40冷却槽、100メモリ装置。

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