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技術 金属薄板の成形限界試験方法および成形限界試験装置

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 岩間隆史佐藤健太郎畑幸子吉冨一成櫻井真治時枝佳代白石栄一
出願日 2015年5月21日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-103613
公開日 2016年12月22日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-215242
状態 特許登録済
技術分野 型打ち,へら絞り,深絞り
主要キーワード 概略半球状 ボルダ 変形様式 変形比 平面ひずみ 破断限界 記載範囲 高張力薄鋼板
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図面 (6)

課題

試験片が高強度金属薄板であってかつブランクホルダ押圧力が小さい場合でも直径100mm未満の試験片を用いて成形限界試験できる金属薄板の成形限界試験方法を提供することにある。

解決手段

円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチ凸曲面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験するに際し、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに前記成形試験部を囲繞するように突設したワイヤービードで前記ブランクの流動抵抗を与えて前記成形試験部への前記ブランクの流入を抑制することを特徴とするものである。

概要

背景

自動車車体の材料として使用される金属薄板一種である薄鋼板は、大部分がプレスにより成形されて車体の各部品になる。部品のプレス成形性は、部品形状によって変わり、また材料の延性など材料特性の影響も大きい。近年、車体の衝突安全性向上が要求されるなか、薄鋼板の高強度化が進んでいるが、そのことは同時に、薄鋼板の延性の低下をもたらしている。このため、プレス成形性をCAE事前に確認して金型を設計する工程が多く取られるようになってきており、薄鋼板の成形限界を把握する必要性が高まってきている。

薄鋼板等の金属薄板の成形限界判定には通常、成形限界線図(Forming Limit Diagram:FLD)が用いられているが、この成形限界線図は、プレス成形における各変形様式(等2軸変形、不等2軸変形、平面ひずみ変形、一軸変形)での成形限界を実験室規模での成形試験により測定して作成するものであり、試験片の幅を変えることでX,Y方向の変形比が変化するので、その幅をいくつかの水準に変化させて、試験片の破断時のX,Y方向のひずみ量を測定している.

従来の成形限界試験では、直径100mm以上の比較的大型の試験片が用いられており、実験室規模で作製するテスト用の薄鋼板では板サイズが小さいため、このような大型の試験片では試験片数が確保できないという問題がある。また、最近は引張強度で980Mpa級以上の超高強度鋼板自動車の車体に多く使われ始め、その成形限界を測定する機会が増加しているが、薄鋼板の強度が高くなると、しわ押さえビードでは成形試験部へのブランクの流入を押さえられず、所望の変形様式での破断が得られないという問題もある。そしてしわ押さえ力を上げると、薄鋼板の延性が低いためビード成形部で判断することもあり、その場合は正確な破断測定ができないという問題もある。

ところで、プレス成形におけるビードに関して、特許文献1には、自動車のフードインナーを成形する際に、ブランクボルダでブランクを保持した際のしわ低減のために丸ビードや角ビードステップビード等を用いる技術が開示され、また、特許文献2にも同様に、ブランクホルダでブランクを保持してビード成形する際のブランクしわの発生を抑制する方法が開示されている。

概要

試験片が高強度金属薄板であってかつブランクホルダの押圧力が小さい場合でも直径100mm未満の試験片を用いて成形限界を試験できる金属薄板の成形限界試験方法を提供することにある。円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチ凸曲面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験するに際し、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに前記成形試験部を囲繞するように突設したワイヤービードで前記ブランクの流動抵抗を与えて前記成形試験部への前記ブランクの流入を抑制することを特徴とするものである。

目的

本発明は、上述した発明者の知見に鑑みて、従来よりも小型の試験片で、かつ必要枚数も少ない条件で従来と同様の結果を得ることができる、金属薄板の成形限界試験方法および成形限界試験装置を提供する

効果

実績

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請求項1

円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチ凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界試験するに際し、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに前記成形試験部を囲繞するように突設したワイヤービードで前記ブランクの流動抵抗を与えて前記成形試験部への前記ブランクの流入を抑制することを特徴とする金属薄板の成形限界試験方法

請求項2

前記試験片のプレス成形中に前記ダイの中央孔を介して、前記試験片の少なくとも中央部の表面に設けたグリッドパターンカメラ撮像することを特徴とする、請求項1記載の金属薄板の成形限界試験方法。

請求項3

円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチの凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験する金属薄板の成形限界試験装置において、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに、前記成形試験部を囲繞するようにワイヤービードが突設されていることを特徴とする金属薄板の成形限界試験装置。

請求項4

前記ダイもしくは前記ブランクホルダが、ビード台を交換可能に有し、前記ビード台上に前記ワイヤービードが突設されていることを特徴とする、請求項3記載の金属薄板の成形限界試験装置。

技術分野

0001

本発明は、薄鋼板等の金属薄板プレス成形時の成形限界を測定するための成形試験に関するものであり、特には、従来よりも小型の試験片でも試験を可能にする試験方法および試験装置に関するものである。

背景技術

0002

自動車車体の材料として使用される金属薄板の一種である薄鋼板は、大部分がプレスにより成形されて車体の各部品になる。部品のプレス成形性は、部品形状によって変わり、また材料の延性など材料特性の影響も大きい。近年、車体の衝突安全性向上が要求されるなか、薄鋼板の高強度化が進んでいるが、そのことは同時に、薄鋼板の延性の低下をもたらしている。このため、プレス成形性をCAE事前に確認して金型を設計する工程が多く取られるようになってきており、薄鋼板の成形限界を把握する必要性が高まってきている。

0003

薄鋼板等の金属薄板の成形限界判定には通常、成形限界線図(Forming Limit Diagram:FLD)が用いられているが、この成形限界線図は、プレス成形における各変形様式(等2軸変形、不等2軸変形、平面ひずみ変形、一軸変形)での成形限界を実験室規模での成形試験により測定して作成するものであり、試験片の幅を変えることでX,Y方向の変形比が変化するので、その幅をいくつかの水準に変化させて、試験片の破断時のX,Y方向のひずみ量を測定している.

0004

従来の成形限界試験では、直径100mm以上の比較的大型の試験片が用いられており、実験室規模で作製するテスト用の薄鋼板では板サイズが小さいため、このような大型の試験片では試験片数が確保できないという問題がある。また、最近は引張強度で980Mpa級以上の超高強度鋼板自動車の車体に多く使われ始め、その成形限界を測定する機会が増加しているが、薄鋼板の強度が高くなると、しわ押さえビードでは成形試験部へのブランクの流入を押さえられず、所望の変形様式での破断が得られないという問題もある。そしてしわ押さえ力を上げると、薄鋼板の延性が低いためビード成形部で判断することもあり、その場合は正確な破断測定ができないという問題もある。

0005

ところで、プレス成形におけるビードに関して、特許文献1には、自動車のフードインナーを成形する際に、ブランクボルダでブランクを保持した際のしわ低減のために丸ビードや角ビードステップビード等を用いる技術が開示され、また、特許文献2にも同様に、ブランクホルダでブランクを保持してビード成形する際のブランクしわの発生を抑制する方法が開示されている。

先行技術

0006

特開2000−317535号公報
特開平08−039160号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、これら特許文献1,2記載の内容は何れも、比較的材料強度の低いパネル部品を対象としており、薄鋼板の高強度化による限界成形部へのブランク流入やビード成形部の破断を抑制し得るものではない。

0008

さらに、従来の成形限界試験においては、大きい試験片が必要であるとともに、成形限界近傍の試験片を複数枚作製する必要があることから、試験片の材料が大量に必要となるため、工場で量産される製品板からしか試験片を取ることができないという問題があった。

0009

そして、これらの問題点について研究した本発明者は、実験室規模で作製するテスト用の薄鋼板等の金属薄板から試験片を取ることができれば、超高強度鋼板の開発の促進に繋がるという点に着目した。

0010

本発明は、上述した発明者の知見に鑑みて、従来よりも小型の試験片で、かつ必要枚数も少ない条件で従来と同様の結果を得ることができる、金属薄板の成形限界試験方法および成形限界試験装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決する本発明の金属薄板の成形限界試験方法は、円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチ凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験するに際し、
前記ダイもしくは前記ブランクホルダに前記成形試験部を囲繞するように突設したワイヤービードで前記ブランクの流動抵抗を与えて前記成形試験部への前記ブランクの流入を抑制することを特徴とするものである。

0012

なお、本発明の金属薄板の成形限界試験方法においては、前記試験片のプレス成形中に前記ダイの中央孔を介して、前記試験片の少なくとも中央部の表面に設けたグリッドパターンカメラ撮像することとすると、試験片の成形ひずみ量および成形ひずみ分布を連続的に測定することができることから、試験結果のより詳細な判定が可能になるので好ましい。

0013

また、上記課題を解決する本発明の金属薄板の成形限界試験装置は、円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチの凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験する装置において、
前記ダイもしくは前記ブランクホルダに、前記成形試験部を囲繞するようにワイヤービードが突設されていることを特徴とするものである。

0014

なお、本発明の金属薄板の成形限界試験装置においては、前記ダイもしくは前記ブランクホルダが、ビード台を交換可能に有し、前記ビード台上に前記ワイヤービードが突設されていると、前記試験片のプレス成形中に前記ワイヤービードによってダイもしくはブランクホルダが磨耗した場合でも、そのビード台のみの取替えで済むことから高価なダイやブランクホルダをその都度作製する必要がないため、試験装置を安価に使用することができるので好ましい。

発明の効果

0015

本発明の金属薄板の成形限界試験方法によれば、円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチの凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験するに際し、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに前記成形試験部を囲繞するように突設したワイヤービードで前記ブランクの流動に抵抗を与えて前記成形試験部への前記ブランクの流入を抑制するので、その試験片の寸法・形状を適宜選択することで、等二軸変形、不等二軸変形、平面ひずみ変形および一軸変形の全ての変形モードでの破断限界を測定し得て、超高張力薄鋼板等の高強度金属薄板の成形限界を正確に把握することができ、しかも、試験片が高強度金属薄板であって、かつブランクホルダの押圧力が小さい場合でも、直径100mm未満の試験片を用いて金属薄板の成形限界を試験し得て、実験室規模で作製するテスト用の金属薄板から必要数の試験片を採取することができ、超高強度鋼板等の高強度金属薄板の開発促進に貢献することができる。

0016

また、本発明の金属薄板の成形限界試験装置によれば、円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチの凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験する装置において、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに、前記成形試験部を囲繞するようにワイヤービードが突設されていることから、そのワイヤービードがブランクの流動に抵抗を与えて成形試験部へのブランクの流入を抑制するので、試験片の寸法・形状を適宜選択することで、等二軸変形、不等二軸変形、平面ひずみ変形および一軸変形の全ての変形モードでの破断限界を測定し得て、超高張力薄鋼板等の高強度金属薄板の成形限界を正確に把握することができ、しかも、試験片が高強度金属薄板であって、かつブランクホルダの押圧力が小さい場合でも、直径100mm未満の試験片を用いて金属薄板の成形限界を試験し得て、実験室規模で作製するテスト用の金属薄板から必要数の試験片を採取することができ、超高強度鋼板等の高強度金属薄板の開発促進に貢献することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の金属薄板の成形限界試験方法の一実施形態に用いられる、本発明の金属薄板の成形限界試験装置の一実施形態を試験前の準備状態で示す断面図である。
上記実施形態の金属薄板の成形限界試験装置におけるダイとビード台とワイヤービードとを、試験片の一例とともに示す分解斜視図である。
上記実施形態の金属薄板の成形限界試験装置を用いた、上記実施形態の金属薄板の成形限界試験方法における試験片のプレス成形中の状態を示す断面図である。
上記実施形態の金属薄板の成形限界試験方法によるプレス成形後の試験片のひずみ分布を測定した結果を示す斜視図である。
ワイヤービードを用いない従来の金属薄板の成形限界試験方法によるプレス成形後の試験片のひずみ分布を測定した結果を示す斜視図である。

実施例

0018

以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、本発明の金属薄板の成形限界試験方法の一実施形態に用いられる、本発明の金属薄板の成形限界試験装置の一実施形態を試験前の準備状態で示す断面図、また図2は、上記実施形態の金属薄板の成形限界試験装置におけるダイとビード台とワイヤービードとを、試験片の一例とともに示す分解斜視図であり、図中、符号1はダイ、2はブランクホルダ、3はパンチ、4は試験片をそれぞれ示す。

0019

ダイ1は、図2に示すように中央孔1aを有して円環状をなしており、ブランクホルダ2も同様に、中央孔2aを有して円環状をなしている。ダイ1はその中央孔1aの周囲に、ダイ1の下面1bよりも下方に突出する円環状のステップビード1cを有しており、ブランクホルダ2はその中央孔2aの周囲に、ダイ1のステップビード1cを収容するようにブランクホルダ2の上面2bよりも一段低くなったビード受け部2cを有している。ブランクホルダ2の上面2bの、ビード受け部2cへ繋がる角部には、試験片4のプレス成形の際のその角部の磨耗を抑制するために面取り部2dが形成されている。

0020

パンチ3は、中実丸棒状をなしており、そのパンチ3の先端部3aは、概略半球状の凸曲面を有している。また、試験片4は、基本形状が円板状をなすとともに、図示例では互いに直径方向対抗する二箇所の側部を円弧状に切り欠かれて、中央部4aを最も幅狭に形成されている。なお、試験片4の形状は試験する変形モードに応じて、円板状の基本形状のままの他、中央部4aの幅寸法を変更したり、中央部4aを一定幅の帯状にしたりすることができる。

0021

ダイ1の下面1bには、ステップビード1bを囲繞する円環状の浅い凹部1dが形成され、ダイ1は、その凹部1d内に交換可能に嵌装された円環状のビード台5を有している。そして、ダイ1の下面1bと実質的に同一平面をなすビード台5の下面5aには、ステップビード1bの近傍の位置に横断面が半円状をなす円環状の溝部5bが形成されるとともに、その溝部5b内に概略上側半部を嵌入された状態で、略円環状のワイヤービード6が突設されている。

0022

なお、ワイヤービード6は、無端の環状のものでも良く、図2に示すように周方向切れ目があるものでも良い。また、ワイヤービード6を形成するワイヤー(金属線)の材質は、試験片4より硬いものであれば鋼、ステンレスなど種類を問わないが、ワイヤーの直径(太さ)は、試験片4の板厚以下であることが望ましい。ワイヤーの直径が試験片4の板厚より大きいと、ダイ1とブランクホルダ2とで試験片4の周辺部のブランク4bを挟持するしわ押さえ時に、ワイヤービード6をブランク4bの表面に充分に押し込むことができず、ワイヤービード6とブランク4bとの掛合力が小さくなって、ワイヤービード6の、ブランク4bの流動に抵抗を与えてダイ1の中央孔1a内の成形試験部7へのブランク4bの流入を抑制する働きが減ずるためである。

0023

図3は、上記実施形態の金属薄板の成形限界試験装置を用いた、上記実施形態の金属薄板の成形限界試験方法における試験片のプレス成形中の状態を示す断面図であり、この実施形態の金属薄板の成形限界試験装置を用いた、この実施形態の金属薄板の成形限界試験方法によれば、例えば薄鋼板からなる直径100mm未満の小型の試験片4を使用するとともに、上述の如くその形状や中央部4aの幅を適宜異ならせ、その試験片4を図3に示すように、例えばプレス機にセットしたダイ1とブランクホルダ2との間に配置し、そのプレス機で例えばダイ1をブランクホルダ2に向けて押圧して、試験片4の周辺部のブランク4bをステップビード1bとビード受け部2cとでステップ状に変形させて挟持し、その状態で上記プレス機によりパンチ3を上昇させて、パンチ3の先端部3aで成形試験部7内に位置する試験片4の中央部4aを押し上げてプレス成形することで、等二軸変形、不等二軸変形、平面ひずみ変形および一軸変形の、全ての変形モードでの破断限界を測定することができる。

0024

しかも、この実施形態の金属薄板の成形限界試験装置を用いた、この実施形態の金属薄板の成形限界試験方法によれば、パンチ3の先端部3aで試験片4の中央部4aをプレス成形するためにダイ1とブランクホルダ2とで試験片4の周辺部のブランク4bを挟持する際に、ブランクホルダ2の面取り部2dと対向する位置でワイヤービード6をブランク4bの表面に押し込んでブランク4bと掛合させ、ブランク4bの流動に抵抗を与えて成形試験部7へのブランク4bの流入を抑制するので、実験室規模で作製するテスト用の金属薄板から必要数の試験片を採取して、超高張力薄鋼板の成形限界の評価を行うことができる。

0025

さらに、この実施形態の金属薄板の成形限界試験装置によれば、ダイ1が、ビード台5を交換可能に有し、そのビード台5上にワイヤービード6が突設されているので、試験片4のプレス成形中にワイヤービード6によってダイ1が磨耗した場合でもそのビード台5のみの取替えで済むことから、高価なダイ1を磨耗の都度作製する必要がないため、試験装置を安価に使用することができる。

0026

(実施例)
図4は、上記実施形態の金属薄板の成形限界試験方法によるプレス成形後の試験片4のひずみ分布を測定した結果を示す斜視図、また図5は、ワイヤービード6を用いない従来の金属薄板の成形限界試験方法によるプレス成形後の試験片4のひずみ分布を測定した結果を示す斜視図であり、ここでは何れも上記実施形態の金属薄板の成形限界試験装置を用い、従来技術としての、ワイヤービード6が無い場合(ワイヤービード6を付けない場合)と、本発明の実施例としての、ワイヤービード6が有る場合との二つの場合について、プレス成形を実施した。

0027

試験片4は、基本形状を直径65mmの円板状とするとともに、図2に示すようにその円板状の形状の周辺部の互いに直径方向に対抗する位置に円弧状の切り欠き部を形成して、中央部4aの最も幅狭の部分の幅を32mmとしたものであり、その材料には980MPa級冷延鋼板で板厚1.4mmのものを用いた。試験片4の表面には図示しないグリッドパターンを付与し、パンチ3による試験片4のプレス成形中にダイ1の中央孔1aを介してそのグリッドパターンの変形状態を図示しないビデオカメラで連続的に撮像することで、成形限界試験と同時にひずみ量およびその分布状態も測定した。上記実施形態の金属薄板の成形限界試験方法によれば、このようにカメラの画像を用いることで試験結果をより詳細に判定することができる。

0028

上記試験の結果、ワイヤービード6が無い従来の試験方法の場合は、図5に示すように試験片4のブランク4b(材料)がダイ1のステップビード1bとブランクホルダ2のビード受け部2cとの間から成形試験部7内にかけてパンチ3側に入り込んでしまい、試験片4の中央部4aで破断が発生しなかったが、ワイヤービード6が有る本発明の実施例の試験方法では、ワイヤービード6で材料流入が抑制され、試験片4の中央部4aで破断部Bが発生した。

0029

以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限られるものでなく、所要に応じて特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、上記例ではワイヤービード6はダイ1の凹部1d内に交換可能に嵌装された円環状のビード台5に突設されているが、代わりにダイ1の下面1bに突設されていても良く、あるいはワイヤービード6はブランクホルダ2の凹部内に交換可能に嵌装された円環状のビード台5に突設され、もしくはブランクホルダ2の上面2bに突設されていても良い。

0030

かくして本発明の金属薄板の成形限界試験方法によれば、円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチの凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験するに際し、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに前記成形試験部を囲繞するように突設したワイヤービードで前記ブランクの流動に抵抗を与えて前記成形試験部への前記ブランクの流入を抑制するので、その試験片の寸法・形状を適宜選択することで、等二軸変形、不等二軸変形、平面ひずみ変形および一軸変形の全ての変形モードでの破断限界を測定し得て、超高張力薄鋼板等の高強度金属薄板の成形限界を正確に把握することができ、しかも、試験片が高強度金属薄板であって、かつブランクホルダの押圧力が小さい場合でも、直径100mm未満の試験片を用いて金属薄板の成形限界を試験し得て、実験室規模で作製するテスト用の金属薄板から必要数の試験片を採取することができ、超高強度鋼板等の高強度金属薄板の開発促進に貢献することができる。

0031

また、本発明の金属薄板の成形限界試験装置によれば、円環状のダイと円環状のブランクホルダとで、金属薄板からなる直径100mm未満の試験片の周辺部のブランクを挟持しつつ、前記試験片の中央部を、前記ブランクホルダの中央孔を通って前記ダイの中央孔内の成形試験部に嵌入するパンチの凸面状の先端部で押圧してプレス成形することで、その試験片の成形限界を試験する装置において、前記ダイもしくは前記ブランクホルダに、前記成形試験部を囲繞するようにワイヤービードが突設されていることから、そのワイヤービードがブランクの流動に抵抗を与えて成形試験部へのブランクの流入を抑制するので、試験片の寸法・形状を適宜選択することで、等二軸変形、不等二軸変形、平面ひずみ変形および一軸変形の全ての変形モードでの破断限界を測定し得て、超高張力薄鋼板等の高強度金属薄板の成形限界を正確に把握することができ、しかも、試験片が高強度金属薄板であって、かつブランクホルダの押圧力が小さい場合でも、直径100mm未満の試験片を用いて金属薄板の成形限界を試験し得て、実験室規模で作製するテスト用の金属薄板から必要数の試験片を採取することができ、超高強度鋼板等の高強度金属薄板の開発促進に貢献することができる。

0032

1 ダイ
1a中央孔
1b 下面
1cステップビード
1d
2ブランクホルダ
2a 中央孔
2b 上面
2cビード受け部
2d面取り部
3パンチ
3a 先端部
4試験片
4a 中央部
4bブランク
5 ビード台
5a 下面
5b 溝部
6ワイヤービード
B破断部

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