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技術 炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法

出願人 三菱重工エンジニアリング株式会社三菱瓦斯化学株式会社
発明者 吉岡紘志田中幸男安武聡信平山晴章吉田香織飯嶋正樹原田英文長島広光伊佐早禎則
出願日 2015年5月18日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-100865
公開日 2016年12月22日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-215101
状態 特許登録済
技術分野 触媒 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード X線解析 X線回折法 両性酸化物 副生物量 工業用材料 固体酸点 生成中 強酸触媒
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月22日)のものです。
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図面 (10)

課題

本発明は、生成物原料との共沸を防ぐと共に、炭酸ジブチル生成量を増加しつつ副生不純物の生成量も抑制して、炭酸ジブチルを効率よく製造し、且つ生成した炭酸ジブチルの分離・精製に要するエネルギー量を減らし、製造コストを低減する炭酸ジブチル合成触媒及びその製造方法を提供する。

解決手段

本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒は、ブタノールから合成したアセトンジブチルアセタールにCO2を反応させて炭酸ジブチルを合成するための触媒であって、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3及びゼオライトからなる群より選択される1以上を担体とし、リン酸を触媒成分として前記担体に担持する。

概要

背景

透明性、耐衝撃性耐熱性等に優れた樹脂であるポリカーボネートは、工業用材料向けの需要が順調に伸長している。このポリカーボネートの原料となる炭酸ジアルキルは、各種の方法で合成できることが報告されている。このような炭酸ジアルキルの主な合成法として、ホスゲンアルコールとを反応させて炭酸ジアルキルを生成するホスゲン法が挙げられる。しかし、ホスゲンが強い毒性を有しているため、ホスゲンを使用しない製造法とそれに用いる触媒が切望されている。

このような製造方法及び触媒としては、アセトンメタノールを原料としてアセトンジメチルアセテートを生成し、更にCO2を添加して両性酸化物に酸を担持した触媒の存在下で炭酸ジメチルを生成するため製造方法及び触媒が知られている(例えば、特許文献1)。

しかしながら、上記の例では、生成した炭酸ジアルキルと生成中に存在する原料とにより共沸が生じ、共沸混合物が生じる問題があった。また、このような事態を回避するためにブタノールを用いると、中間生成物炭素長が長くなり、炭酸ジブチルと共に分解副生不純物が多く生成するという問題があった。

概要

本発明は、生成物と原料との共沸を防ぐと共に、炭酸ジブチルの生成量を増加しつつ副生不純物の生成量も抑制して、炭酸ジブチルを効率よく製造し、且つ生成した炭酸ジブチルの分離・精製に要するエネルギー量を減らし、製造コストを低減する炭酸ジブチル合成触媒及びその製造方法を提供する。 本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒は、ブタノールから合成したアセトンジブチルアセタールにCO2を反応させて炭酸ジブチルを合成するための触媒であって、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3及びゼオライトからなる群より選択される1以上を担体とし、リン酸を触媒成分として前記担体に担持する。

目的

本発明は、生成物と原料との共沸を防ぐと共に、炭酸ジブチルの生成量を増加しつつ副生不純物の生成量も抑制して、炭酸ジブチルを効率よく製造する炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ブタノールから合成したアセトンジブチルアセタールにCO2を反応させて炭酸ジブチルを合成するための触媒であって、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3及びゼオライトからなる群より選択される1以上の担体に、リン酸を含む触媒成分を担持した炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項2

前記触媒成分が第一の触媒成分と第二の触媒成分とからなり、リン酸を前記第一触媒成分とし、Ce又はZnの酸化物若しくは塩化物を前記第二触媒成分として含む請求項1に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項3

前記担体が前記触媒成分を2wt%以上8wt%以下の範囲で担持した請求項1又は2に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項4

前記担体が前記第一触媒成分を2wt%以上8wt%以下の範囲で担持し、前記第二触媒成分を0.1wt%以上1wt%以下の範囲で担持した請求項2に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項5

前記触媒成分を担持する前の担体が100℃以上500℃未満の温度で乾燥されたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項6

前記触媒成分を担体に担持した触媒が300℃以上800℃未満の温度で焼成されたものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項7

前記担体に沈殿法により前記触媒成分を担持したものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項8

前記担体がZrO2である請求項1〜7のいずれか一項に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項9

前記触媒中の正方晶系ZrO2の量が単斜晶系ZrO2の量よりも多い請求項8に記載の炭酸ジブチル合成用触媒。

請求項10

ブタノールから合成したアセトンジブチルアセタールにCO2を反応させて炭酸ジブチルを合成するための触媒の製造方法であって、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3及びゼオライトからなる群より選択される1以上の担体に、リン酸を含む触媒成分を担持する工程を含む炭酸ジブチル合成用触媒の製造方法。

請求項11

前記触媒成分を第一触媒成分と第二触媒成分とし、リン酸を前記第一触媒成分とし、Ce又はZnの酸化物若しくは塩化物を前記第二触媒成分として、前記担体に担持する請求項10に記載の炭酸ジブチル合成用触媒の製造方法。

請求項12

前記担持する工程が含浸法を用いる工程であって、ZrO2を担体として、担体を100℃以上500℃未満の温度で乾燥する工程と、前記触媒成分又は前記第一及び第二の触媒成分を含む水溶液を調製し、含浸法により乾燥させた担体に担持する工程と、前記触媒成分を担持した触媒を300℃以上800℃未満の温度で焼成する工程とを少なくとも含む請求項10又は11に記載の炭酸ジブチル合成用触媒の製造方法。

請求項13

前記担持する工程が沈殿法を用いる工程であって、ZrO2の原料を含む第1水溶液を調製する工程と、前記触媒成分の原料を含む第2水溶液を調製し、前記第1水溶液に滴下する工程と、アンモニア水を滴下してpHを調製して沈殿物を得る工程と、前記沈殿物を濾過分離後、得られた粉末を100℃以上500℃未満の温度で乾燥する工程と、前記乾燥された粉末を300℃以上800℃未満の温度で焼成する工程とを少なくとも含む請求項10に記載の炭酸ジブチル合成用触媒の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法に関し、特に、ポリカーボネート原料となる炭酸ジブチルを得るための炭酸ジブチル合成用触媒及び触媒の製造方法に関する。

背景技術

0002

透明性、耐衝撃性耐熱性等に優れた樹脂であるポリカーボネートは、工業用材料向けの需要が順調に伸長している。このポリカーボネートの原料となる炭酸ジアルキルは、各種の方法で合成できることが報告されている。このような炭酸ジアルキルの主な合成法として、ホスゲンアルコールとを反応させて炭酸ジアルキルを生成するホスゲン法が挙げられる。しかし、ホスゲンが強い毒性を有しているため、ホスゲンを使用しない製造法とそれに用いる触媒が切望されている。

0003

このような製造方法及び触媒としては、アセトンメタノールを原料としてアセトンジメチルアセテートを生成し、更にCO2を添加して両性酸化物に酸を担持した触媒の存在下で炭酸ジメチルを生成するため製造方法及び触媒が知られている(例えば、特許文献1)。

0004

しかしながら、上記の例では、生成した炭酸ジアルキルと生成中に存在する原料とにより共沸が生じ、共沸混合物が生じる問題があった。また、このような事態を回避するためにブタノールを用いると、中間生成物炭素長が長くなり、炭酸ジブチルと共に分解副生不純物が多く生成するという問題があった。

先行技術

0005

特開2006−289157号公報

発明が解決しようとする課題

0006

記事情に照らして、本発明は、生成物と原料との共沸を防ぐと共に、炭酸ジブチルの生成量を増加しつつ副生不純物の生成量も抑制して、炭酸ジブチルを効率よく製造する炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒は、ブタノールから合成したアセトンジブチルアセタールにCO2を反応させて炭酸ジブチルを合成するための触媒であって、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3及びゼオライトからなる群より選択される1以上の担体に、リン酸を含む触媒成分を担持することを特徴とする。

0008

また、前記触媒成分を第一の触媒成分と第二の触媒成分として、リン酸を第一触媒成分とし、Ce又はZnの酸化物若しくは塩化物を第二触媒成分として含むことができる。

0009

このような触媒成分又は範囲であっても、生成物と原料との共沸を防ぎ、ポリカーボネートの原料となる炭酸ジブチルを製造することができる。また、生成する炭酸ジブチル量を増加できると共に、分解副生物の生成を抑制して、生成した炭酸ジブチル量に対する副生物量の比を低下できる。更に、生成した炭酸ジブチルの分離・精製に要するエネルギー量を減らして、製造コストを低減することができる。

0010

また、前記担体に前記触媒成分を2wt%以上8wt%以下の範囲で担持することができ、又は、前記担体に第一触媒成分を2wt%以上8wt%以下の範囲で担持し、前記第二触媒成分を0.1wt%以上1wt%以下の範囲で担持することができる。

0011

また、前記触媒成分を担持する前の担体を100℃以上500℃未満の温度で乾燥されたものとすることが好適であり、前記触媒成分を担体に担持した触媒を300℃以上800℃未満の温度で焼成されたものとすることが好適である。

0012

このような範囲であれば、炭酸ジブチルの生成の際の副生物の生成量を低減することができる。その結果、効率よく炭酸ジブチル量を生成し、生成した炭酸ジブチル量に対する副生物量の比を低減できる。

0013

また、前記担体に沈殿法により前記触媒成分を担持したものが好適である。また、前記担体をZrO2とすることが好適である。更に、前記触媒中の正方晶系ZrO2の量が単斜晶系ZrO2の量よりも多いことが好適である。

0014

このような触媒であれば、例えば、担体に触媒成分を含浸する含浸法により調製した触媒と比較して、炭酸ジブチルの生成量を増加できると共に、分解副生物を抑制して、炭酸ジブチルに対する副生物量の比を低減することができる。

0015

また、前記担体をZrO2とすることが好適である。

0016

このような触媒であれば、他の担体と比較して、アセトンジブチルアセタールから生成する炭酸ジブチル量をより増加できると共に、生成した炭酸ジブチル量に対する副生物量の比をより低下できる。

0017

また、本発明は、別の側面にて、炭酸ジブチル合成用触媒の製造方法である。本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒の製造方法は、ブタノールから合成したアセトンジブチルアセタールにCO2を反応させて炭酸ジブチルを合成するための触媒の製造方法であって、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3及びゼオライトからなる群より選択される1以上の担体に、リン酸を含む触媒成分を担持する工程を少なくとも含む。

0018

また、前記触媒成分を第一触媒成分と第二触媒成分とし、リン酸を第一触媒成分とし、Ce又はZnの酸化物若しくは塩化物を第二触媒成分として、前記担体に担持することができる。

0019

更に、前記担持する工程が含浸法を用いる工程であって、ZrO2を担体として、担体を100℃以上500℃未満の温度で乾燥する工程と、前記触媒成分又は第一及び第二の触媒成分を含む水溶液を調製し、含浸法により乾燥させた担体に担持する工程と、前記触媒成分を担体に担持した触媒を300℃以上800℃未満の温度で焼成する工程とを少なくとも含むことができる。

0020

更にまた、前記担持する工程が沈殿法を用いる工程であって、ZrO2の原料を含む第1水溶液を調製する工程と、前記触媒成分の原料を含む第2水溶液を調製し、前記第1水溶液に滴下する工程と、アンモニア水を滴下してpHを調整して沈殿物を得る工程と、前記沈殿物を濾過分離後、得られた粉末を100℃以上500℃未満の温度で乾燥する工程と、前記乾燥された粉末を300℃以上800℃未満の温度で焼成する工程とを少なくとも含むことが好適である。

0021

なお、本願の開示としては、ブタノールとアセトンとを原料とし、固体酸点を有する化合物からなる強酸触媒の存在下で反応させ、アセトンジブチルアセタールを生成する工程と、前記生成したアセトンジブチルアセタールにCO2を触媒の存在下で反応させて、炭酸ジブチルを生成する工程とを備える炭酸ジブチルの製造方法において、前記炭酸ブチルを生成する工程に用いる触媒の調製のためのZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3及びゼオライトからなる群より選択される1以上の担体に、リン酸を含む触媒成分を担持する触媒の使用を含むものである。

発明の効果

0022

本発明によれば、生成物と原料との共沸を防ぐと共に、炭酸ジブチルの生成量を増加しつつ副生不純物の生成量も抑制して、炭酸ジブチルを効率よく製造する炭酸ジブチル合成触媒及びその製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0023

図1は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例1の出口分析結果を示す図である。
図2は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例2の出口液分析結果を示す図である。
図3は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例3の出口液分析結果を示す図である。
図4は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例4の出口液分析結果を示す図である。
図5は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例5の出口液分析結果を示す図である。
図6は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例6の出口液分析結果を示す図である。
図7は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例7の出口液分析結果を示す図である。
図8(a)〜(c)は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例8のX線解析の分析結果を示す図である。
図9は、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、試験例8のX線解析の分析結果を比較する図である。

0024

以下、本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法について、詳細に説明する。本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。

0025

本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒は、担体と触媒成分とを少なくとも含む。
前記担体は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)及びゼオライトからなる群より選択される1以上の酸化物、複合酸化物又は混合酸化物である。これらのうち、炭酸ジブチル量の生成と副生物量の低減との観点から、ZrO2が好ましい。

0026

触媒成分は、リン酸、硫酸スルホン酸塩酸酢酸硝酸等である。これら酸は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。これらのうち、触媒成分はリン酸であることが好ましい。このような触媒成分は、前記担体に担持することができる。なお、前記担体と触媒成分とで複合酸化物を構成する形態も、本発明では「担持」の概念に含める。また、前記触媒成分は、第一触媒成分及び第二の触媒成分とすることができる。この場合、リン酸を第一触媒成分とし、セリウム(Ce)又は亜鉛(Zn)の酸化物若しくは塩化物を第二触媒成分として、前記担体に担持することがより好ましい。この場合も、炭酸ジブチルの生成量を向上させ、且つ生成の際の副生物の量を低減できる。

0027

触媒成分の量は、アセタールから炭酸ジブチルを生成できる量であればよく、限定されない。より具体的には、前記触媒成分の量は、前記担体に対して、2wt%以上8wt%以下の範囲とすることができ、2wt%以上4wt%以下が好ましい。この範囲であれば、炭酸ジブチルの生成量をより増加すると共に、炭酸ジブチル量に対する副生物量の比をより減少することができる。

0028

また、第一触媒成分の量は、前記触媒成分と同一の量とすることができる。より具体的には、前記第一触媒成分の量は、前記担体に対して、2wt%以上4wt%以下の範囲が好ましい。前記第二触媒成分の量は、アセタールから炭酸ジブチルを生成できる量であればよく、限定されない。より具体的には、前記第二触媒成分の量は、前記担体に対して、0.1wt%以上1wt%以下の範囲が好ましく、0.1wt%以上0.2wt%以下がより好ましい。この範囲であれば、炭酸ジブチルの生成量をより増加すると共に、炭酸ジブチル量に対する副生物の量をより減少することができる。

0029

担体は、市販のものを用いることができ、原料から調製してなることもできる。担体の原料としては、担体をZrO2とした場合、水酸化ジルコニウム(Zr(OH4))、オキシ塩化ジルコニウム(Cl2OZr)等を用いることができる。例えば、水酸化ジルコニウムは、公知の焼成工程、粉砕工程を経てZrO2とすることができる。この場合、水酸化ジルコニウムを用いることがより好ましい。この場合、炭酸ジブチル量に対する副生物量の比をより減少することができる。

0030

また、触媒成分も、市販のものを用いることができ、原料から調製してなることもできる。触媒成分の原料としては、触媒成分をリン酸とした場合、リン酸アンモニウム((NH4)3PO4)等が挙げられる。この場合、リン酸を用いることが好ましい。この場合、炭酸ジブチル量に対する副生物の量をより減少することができる。

0031

担体への触媒成分又は第一及び第二の触媒成分の担持方法としては、含浸法、沈殿法等の方法を用いることができる。触媒を含浸法にて調製する場合、本発明に係る炭酸ジブチル触媒の製造方法は、例えば、担体を所定の温度で乾燥する工程(乾燥工程)と、前記触媒成分又は第一及び第二の触媒成分を含む水溶液を調製し、含浸法により乾燥させた担体に担持する工程と、前記触媒成分を担持した触媒を所定の温度で焼成する工程(焼成工程)とを少なくとも含むことができる。更にまた、本発明に係る炭酸ジブチル触媒の製造方法は、任意選択的に、原料から担体と触媒成分とを調製する工程と、焼成後の粉末を圧縮成型し、単一粒径の触媒を得る工程とを含むことができる。

0032

また、沈殿法であれば、例えば、ZrO2とリン酸とを用いた場合、ZrO2とリン酸とが複合酸化物として調製される。また、含浸法よりも、触媒中の正方晶系担体の量を単斜晶系担体の量よりも多くすることができる。そして、炭酸ジブチルの合成量を増加すると共に、炭酸ジブチル量に対する副生物量を減少できる。触媒を沈殿法にて調製する場合、本発明に係る炭酸ジブチル触媒の製造方法は、例えば、担体の原料を含む第1水溶液を調製する工程と、前記触媒成分の原料を含む第2水溶液を調製し、前記第1水溶液に滴下する工程と、アンモニア水等のpH調整剤を滴下してpHを調整し沈殿物を得る工程と、前記沈殿物を濾過分離後、得られた粉末を所定の温度で乾燥する工程(乾燥工程)と、前記乾燥された粉末を所定の温度で焼成する工程(焼成工程)とを少なくとも含むことができる。更にまた、本発明に係る炭酸ジブチル触媒の製造方法は、任意選択的に、焼成後の粉末を圧縮成型し、単一粒径の触媒を得る工程を含むことができる。

0033

含浸法、沈殿法における乾燥工程では、触媒成分を担持する前の担体、又は沈殿法により得られた粉末を公知の乾燥機を用いて乾燥する。このような乾燥工程の温度は、100℃以上500℃以下の範囲とすることができ、100℃以上300℃未満が好ましい。このような範囲であれば、炭酸ジブチルの合成量を増加すると共に、炭酸ジブチル量に対する副生物量をより減少することができる。また、本工程での乾燥時間は、例えば、12時間とすることができる。

0034

焼成工程では、触媒成分を担持した触媒を、公知の焼成炉を用いて焼成する。このような焼成工程の温度は、例えば、300℃以上800℃以下とすることができ、300℃以上500℃以下が好ましい。このような範囲であれば、炭酸ジブチルの合成量を増加すると共に、炭酸ジブチル量に対する副生物量をより減少できる。また、焼成工程の時間は、例えば、3時間とすることができる。

0035

以上のように調製した炭酸ジブチル合成用触媒を用いて、炭酸ジブチル(以下、DBCともいう。)を合成できる。
例えば、ブタノールとアセトンとを原料とし、固体酸点を有する化合物からなる担体に強酸を担持させてなる強酸触媒の存在下で反応させ、アセトンジブチルアセタール(以下、ADBAともいう。)を生成する。その後、下記式(1)のように、前記生成したADBAにCO2を本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒の存在下で反応させて、DBCを得ることができる。

0036

合成工程での温度及び圧力は、ADBAからDBCが合成できる温度及び圧力であればよく、限定されない。より具体的には、合成工程での温度は、好ましくは100℃〜300℃、より好ましくは150℃〜250℃であり、その圧力は、好ましくは10MPa〜50MPa、より好ましくは10MPa〜30MPaである。このような範囲内であれば、ブタノールからの炭酸ジブチルの生成効率を向上することができる。

0037

以下、実施例によって本発明を具体的に説明することにより、本発明の効果を明らかにする。本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法は、本例によって制限されない。

0038

[試験例1]
粉末状の所定量の酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)又はゼオライト(MS−13X)を担体として準備した。各担体を乾燥機にて、110℃にて12時間で乾燥させた後、各担体に対して4wt%となるようにリン酸を含む水溶液を調製し、含浸法によって担体に担持させた。これを、焼成炉にて、300℃にて3時間で焼成した後、得られた粉末を圧縮成型して、単一粒径の触媒を複数得た。なお、本例では、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4)を原料として焼成・粉砕してZrO2を準備した、またリン酸の原料をリン酸(H3PO4)とした。また、ADBAは市販の試薬を用いた。

0039

活性評価I>
前述のように作製した触媒とADBAとを用いて、各触媒に対するDBCの合成活性を評価した。10ccの触媒に対して、ADBAを3.3g/h、ブタノールを3.3g/h、二酸化炭素を22L/hでステンレス製反応器に導入し、所定の反応条件下で反応させて、DBCを生成した。なお、ブタノールはADBAの分解を抑制するために含有し、ブタノールとADBAとを含有する反応液とした。生成したDBC、副生物及び未反応物を含む生成液中の各生成物の濃度を、FID分析計により測定した。前記反応条件としては、圧力を30MPaGとし、GHSVを2000h−1とし、LHSVを0.8h−1とした。結果を図1及び下記表1に示す。表中での1−ブチルアセテート、1,1−ジブトキシブタンブタナールジブチルエーテルヘミアセタール及びその他が副生物として生成した。また、DBC量に対する副生物量の比については、副生物の全量(wt%)をDBC生成量(wt%)で除した値にて評価した。

0040

0041

結果より、表1及び図1に示すように、ZrO2、TiO2、SiO2、Al2O3、又はゼオライト(MS−13X)を担体として、リン酸を触媒成分として担持させた触媒であれば、DBCを合成できることを確認した。これらのうち、担体としてZrO2を用いれば、DBCの生成量が多く、且つDBC生成量に対する副生物量の比を低下できることを確認した。

0042

[試験例2]
ZrO2の担体を乾燥機にて乾燥後、これにリン酸を所定の量で含む水溶液と、酸化セリウム(CeO2)、酸化亜鉛(ZnO)又は塩化セリウム(CeCl2)を担体に対する所定の量で含む水溶液とを、それぞれ調製し、含浸法により担体に担持させた。これを焼成炉にて、300℃にて3時間で焼成した後、得られた粉末を圧縮成型して、単一粒径の触媒を複数得た。なお、ZrO2及びリン酸の原料は、試験例1と同一とした。

0043

<活性評価II>
上記のように作製した各触媒に対して、活性評価Iと同様にして、DBCの合成活性を評価した。なお、反応条件は、試験例1の活性評価Iと同様とした。結果を図2及び下記表2に示す。

0044

0045

結果より、表2及び図2に示すように、リン酸を第一触媒成分とし、CeO2、ZnO又はCeCl2を第二触媒成分とした触媒であれば、DBCを合成できることを確認した。これらのうち、CeO2を第二触媒として用いれば、反応液に対するDBC生成量を7.17wt%と多くすることができた。また、CeCl2を第二触媒として用いれば、反応液に対するDBC生成量を7.90wt%と多くすることができた。更に、第一触媒成分の量は、担体に対して2wt%以上8wt%以下が好ましく、2wt%以上4wt%以下がより好ましいことを確認した。また、第二触媒成分を添加することで、DBC生成量を増加できることがわかった。

0046

[試験例3]
酸化ジルコニウムの原料を水酸化ジルコニウムから酸化ジルコニウムとする、又はリン酸の原料をリン酸からリン酸アンモニウムとした以外、試験例1と同様にして、担体であるZrO2に触媒成分としてリン酸を担持させた触媒を調製した。

0047

<活性評価III>
上記のように作製した各触媒に対して、活性評価Iと同様にして、DBCの合成活性を評価した。なお、反応条件は、試験例1の活性評価Iと同様とした。結果を図3及び表3に示す。

0048

0049

結果より、表3及び図3に示すように、担体の原料を水酸化ジルコニウムから酸化ジルコニウムとした触媒では、DBC生成量を、7.88wt%まで増加できることがわかった。結果より、担体となるZrO2の原料を水酸化ジルコニウムとすることが好ましく、触媒成分となるリン酸の原料をリン酸とすることが好ましいことを確認した。

0050

[試験例4]
触媒成分のリン酸の量を所定の範囲内で変更した以外、試験例1と同様にして、3つの触媒を調製した。リン酸の量は担体に対して2wt%、4wt%及び8wt%とした。

0051

<活性評価IV>
上記各触媒に対して、活性評価Iと同様にして、DBCの合成活性を評価した。なお、反応条件は、試験例1の活性評価Iと同様とした。結果を図4及び下記表4に示す。

0052

0053

結果より、表4及び図4に示すように、触媒成分として、担体に対して2wt%以上8wt%以下の範囲のリン酸を用いれば、DBCを合成することができた。特に、担体に対して2wt%以上4wt%以下のリン酸を触媒成分として用いれば、DBC生成量に対する副生物量の比を低下できることを確認した。

0054

[試験例5]
触媒成分担持前の担体の乾燥温度を所定の範囲内で変更した以外、試験例1と同様にして、3つの触媒を調製した。担体の乾燥温度は、300℃、500℃及び650℃とした。

0055

<活性評価V>
上記のように作製した各触媒に対して、活性評価Iと同様にして、DBCの合成活性を評価した。なお、反応条件は、試験例1の活性評価Iと同様とした。結果を図5及び下記表5に示す。

0056

0057

結果より、表5及び図5に示すように、乾燥温度が300℃以上600℃以下の範囲とした触媒にて、DBCを合成することができた。特に、乾燥温度を100℃以上300℃未満とした範囲では、他の乾燥温度に比べて、DBC生成量に対する副生物量の比を低下できることを確認した。

0058

[試験例6]
触媒成分担持後の担体の焼成温度を所定の範囲内で変更した以外、試験例1と同様にして、3つの触媒を調製した。焼成温度は、300℃、500℃及び800℃とした。

0059

<活性評価VI>
上記のように作製した各触媒に対して、活性評価Iと同様にして、DBCの合成活性を評価した。なお、反応条件は、試験例1の活性評価Iと同様とした。結果を図6及び下記表6に示す。

0060

0061

結果より、表6及び図6に示すように、焼成温度を300℃以上800℃以下とした触媒にて、DBCを効率よく合成できることを確認した。また、焼成温度が300℃を超えて800℃未満、特に500℃とした触媒を用いれば、試験例1のZrO2を担体として300℃で焼成した触媒と比較して、反応液に対するDBCの生成量を6.46wt%から8.52wt%まで増加できると共に、DBC生成量に対する副生物量の比を低下できることを確認した。

0062

[試験例7]
調製方法による活性評価を実施した。含浸法による触媒として、試験例6の含浸法により担体に触媒成分を担持した後、500℃で焼成した触媒を用いた。また、沈殿法による触媒を調製した。沈殿法による調製は、オキシ塩化ジルコニウムを含む水溶液に焼成し、担体とするZrO2に対して4wt%となるようにリン酸アンモニウムを含む水溶液を調製し、これを、オキシ塩化ジルコニウムを含む水溶液に滴下した。混合液にアンモニア水を滴下して沈殿物を得るまでpHを調製し、沈殿物を濾過分離後、得られた粉末を乾燥機にて120℃にて12時間乾燥した。乾燥した粉末を、焼成炉にて500℃にて3時間焼成し、焼成後の粉末を圧縮成型して、単一粒径の触媒を得た。得られた触媒を沈殿法による触媒とした。

0063

<活性評価VII>
上記のように作製した各触媒に対して、活性評価Iと同様にして、DBCの合成活性を評価した。なお、反応条件は、試験例1の活性評価Iと同様とした。結果を図7及び下記表7に示す。

0064

0065

結果より、表7及び図7に示すように、焼成温度が300℃を超えて800℃未満、特に500℃とし、且つ、含浸法又は沈殿法により触媒を形成すれば、試験例1のZrO2を担体とした結果と比較して、反応液に対するDBCの生成量を6.46wt%から8.52wt%又は10.19wt%まで増加でき、且つ、DBC生成量に対する副生物量の比を低下できることを確認した。

0066

[試験例8]
続いて、含浸法と沈殿法による触媒中の結晶の違いを検討した。含浸法により調製した触媒としては、試験例5の担体となるZrO2を500℃で乾燥させた後に、含浸法によりリン酸を担持させた触媒と、試験例6の担体となるZrO2に含浸法によりリン酸を担持させた後、500℃で焼成した触媒を用いた。また、沈殿法により調製した触媒としては、試験例7の沈殿法により調製した触媒を用いた。

0067

X線分析結果I>
X線回折装置を用いたX線回折法(XRD)により、各触媒の回折パターンを測定した。この回折パターンから触媒の結晶系を検討した。図8(a)〜(c)に、各触媒の回折角度(2θ)に対する強度(counts)を示す。また、図9に各触媒の結果を比較したグラフを示す。

実施例

0068

図8(a)〜(b)に示すように、含浸法により調製した触媒では、正方晶系ZrO2の結晶系と単斜晶系ZrO2の結晶系が混在していることがわかった。これに対して、図8(c)に示すように、正方晶系ZrO2の結晶系が主に存在していることを確認できた。そして、図9に示すように、沈殿法により調製した触媒は、含浸法により調製した触媒よりも、正方晶系ZrO2の結晶系が多く、単斜晶系ZrO2の結晶系が少なく存在していることが確認できた。沈殿法により調製した触媒は、DBCの合成量が増加し、DBC量に対する副生物量の比も低下している。結果より、DBCを合成するにあたって、正方晶系ZrO2の存在が有効であり、正方晶系ZrO2の結晶系が、単斜晶系ZrO2の結晶系よりも多いと、DBCの合成量を増加できると共に、不純物/DBC量の比も低下できることがわかった。

0069

本発明に係る炭酸ジブチル合成用触媒及びその製造方法によれば、生成物と原料との共沸を防ぐと共に、炭酸ジブチルの生成量を増加しつつ副生不純物の生成量も抑制して、炭酸ジブチルを効率よく製造することができる。また、その製造の工程数を減らし、製造・設備コストを低減することができる。

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