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技術 加熱殺菌済み容器詰め卵黄

出願人 キユーピー株式会社
発明者 大高憲子
出願日 2015年5月15日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-099950
公開日 2016年12月22日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-214103
状態 特許登録済
技術分野 肉,卵の保存 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く) 肉類、卵、魚製品
主要キーワード 加熱殺菌温度 カルボナーラ 日持ち性 軟質容器 市場拡大 測定開始後 殻付卵 卵黄膜
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄の提供。

解決手段

卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、前記保存液が多糖類を0.1%以上含有し、前記保存液中の全溶質の合計含有量が1〜10%、前記保存液の粘度が5℃において8000mPa・s以下であり、好ましくは25〜5000mPa・sであり、製造5日後(5℃保存)における前記卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄の粘度が20℃において300〜10000mPa・sである、加熱殺菌済み容器詰め卵黄。保存液と卵黄膜に包まれたままの卵黄とを容器充填し、密封した後、充填密封した容器を加熱殺菌する、加熱殺菌済み容器詰め卵黄の製造方法。

概要

背景

凝固の状態の卵黄は、コクのある濃厚な味ととろみのある独特の物性が好まれており、中食化が進む近年では、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄がトッピングされた丼、カルボナーラハンバーグといった弁当惣菜が数多く販売されている。
このような弁当や惣菜の製造現場においては、殻付卵から卵黄のみを1つ1つ手作業で取り出すのは非常に手間がかかるため、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が容器詰めされた業務用製品が強く求められている。

しかしながら、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄は非常に壊れやすく、また、そのままではほとんど日持ちしない。そのため、本物の卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄を容器詰めした製品はなく、卵黄とゼラチン等を混合して調製した疑似卵黄がしばしば用いられているが(特許文献1、2)、疑似卵黄は卵黄以外の材料を多く含むため、本物の未凝固卵黄が有するとろっとした物性や濃厚な美味しさは得られず満足いくものではなかった。

概要

卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄の提供。卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、前記保存液が多糖類を0.1%以上含有し、前記保存液中の全溶質の合計含有量が1〜10%、前記保存液の粘度が5℃において8000mPa・s以下であり、好ましくは25〜5000mPa・sであり、製造5日後(5℃保存)における前記卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄の粘度が20℃において300〜10000mPa・sである、加熱殺菌済み容器詰め卵黄。保存液と卵黄膜に包まれたままの卵黄とを容器充填し、密封した後、充填密封した容器を加熱殺菌する、加熱殺菌済み容器詰め卵黄の製造方法。なし

目的

本発明は、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、前記保存液が多糖類を0.1質量%以上含有し、前記保存液中の全溶質の合計含有量が1〜10質量%、前記保存液の粘度が5℃において8000mPa・s以下であり、製造5日後(5℃保存)における前記卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄の粘度が20℃において300〜10000mPa・sである、加熱殺菌済み容器詰め卵黄。

請求項2

請求項1記載の加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、前記保存液の粘度が5℃において25〜5000mPa・sである、加熱殺菌済み容器詰め卵黄。

請求項3

請求項1又は2に記載の加熱殺菌済み容器詰め卵黄の製造方法であって、保存液と卵黄膜に包まれたままの卵黄とを容器充填し、密封した後、充填密封した容器を加熱殺菌することを特徴とする、加熱殺菌済み容器詰め卵黄の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄に関する。

背景技術

0002

凝固の状態の卵黄は、コクのある濃厚な味ととろみのある独特の物性が好まれており、中食化が進む近年では、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄がトッピングされた丼、カルボナーラハンバーグといった弁当惣菜が数多く販売されている。
このような弁当や惣菜の製造現場においては、殻付卵から卵黄のみを1つ1つ手作業で取り出すのは非常に手間がかかるため、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が容器詰めされた業務用製品が強く求められている。

0003

しかしながら、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄は非常に壊れやすく、また、そのままではほとんど日持ちしない。そのため、本物の卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄を容器詰めした製品はなく、卵黄とゼラチン等を混合して調製した疑似卵黄がしばしば用いられているが(特許文献1、2)、疑似卵黄は卵黄以外の材料を多く含むため、本物の未凝固卵黄が有するとろっとした物性や濃厚な美味しさは得られず満足いくものではなかった。

先行技術

0004

特開2012−44903号公報
特開2009−131215号公報

発明が解決しようとする課題

0005

発明者は、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄を、静菌剤を含む保存液に浸漬して加熱殺菌することで、日持ち性を高めた容器詰め卵黄製品の調製を試みた。
ところが、静菌剤のみを含む保存液に浸漬した場合、卵黄に保存液の水分が移行してしまい、卵黄本来のとろっとした物性が失われてしまった。これは卵黄と保存液の浸透圧の差に起因すると思われる。
一方で、水の移行を防ぐために保存液中の溶質量を増加させ浸透圧を卵黄に近づけようとすると、卵黄に保存液中の溶質の味がついてしまうか、保存液の粘度が上昇して卵黄に保存液が付着してしまい、卵黄本来の味が損なわれてしまった。

0006

そこで、本発明は、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、保存液に多糖類を含有させつつ、保存液の粘度を一定以下に調整し、全溶質の含有量の合計も特定の範囲にすることにより、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持されることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0008

即ち、本発明は、
(1)卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、
前記保存液が多糖類を0.1質量%以上含有し、
前記保存液中の全溶質の合計含有量が1〜10質量%、
前記保存液の粘度が5℃において8000mPa・s以下であり、
製造5日後(5℃保存)における前記卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄の粘度が20℃において300〜10000mPa・sである、
加熱殺菌済み容器詰め卵黄、
(2)(1)記載の加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、
前記保存液の粘度が5℃において25〜5000mPa・sである、
加熱殺菌済み容器詰め卵黄、
(3)(1)又は(2)に記載の加熱殺菌済み容器詰め卵黄の製造方法であって、
保存液と卵黄膜に包まれたままの卵黄とを容器充填し、密封した後、
充填密封した容器を加熱殺菌することを特徴とする、
加熱殺菌済み容器詰め卵黄の製造方法、
である。

発明の効果

0009

本発明によれば、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄を提供することができ、未凝固卵黄をトッピングしたメニューの弁当や惣菜のさらなる市場拡大に貢献することが期待できる。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明の加熱殺菌済み容器詰め卵黄を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。

0011

<本発明の特徴>
本発明は、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄が保存液に浸漬されている加熱殺菌済み容器詰め卵黄であって、卵黄本来の味や物性が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄であることに特徴を有する。

0012

<卵黄>
本発明の加熱殺菌済み容器詰め卵黄に用いる卵黄は、卵黄膜に包まれ加熱凝固していない卵黄であれば特に限定されず、例えば、鶏卵鶉卵等を割卵して得られる生卵黄もしくは凝固しない程度に加熱した卵黄、卵黄膜を薄いゲル等でコーティングして強化した加工卵黄等を用いればよい。
また、本発明における未凝固卵黄とは、キッチンバット等の平面上で卵黄膜を破った時に卵黄液が自然に半分以上流れ出てくる状態の卵黄を指す。

0013

<保存液>
本発明で用いる保存液は、加熱殺菌時や保管時において、卵黄を浸漬する液である。
本発明の加熱殺菌済み容器詰め卵黄は、製造工程において卵黄を保存液に浸漬した状態で加熱殺菌するため、加熱により凝固する卵白液を保存液として用いることができず、保存液を新たに調製する必要がある。
本発明の保存液は、保存液から卵黄への水の移行を防ぎ、かつ保存液が卵黄のまわりに付着しないために、多糖類を含有し、5℃における粘度が8000mPa・s以下である。

0014

<多糖類>
本発明における多糖類は、一般的に食品に用いられるものであればいずれのものでもよい。
具体的には、例えば、
α化澱粉加工澱粉湿熱処理澱粉デキストリン
セルロース
キチンキトサン
キサンタンガムジェランガムグァーガムローカストビーンガムタマリンドシードガムサイリウムシードガムタラガムグルコマンナン寒天カラギーナンアルギン酸アルギン酸塩類ペクチン大豆多糖類ヒアルロン酸アラビアガムガティガムトラガントガムカラヤガムカードランプルラン等の1種又は2種以上を組み合わせて用いればよい。
卵黄へ保存液が付着しにくいことから、好ましくは、加工澱粉、デキストリン、セルロース、キサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸塩、及びペクチンからなる群から選択される一種以上を用いるとよい。
多糖類の含有量は、0.1%以上であり、さらに0.2%であるとよい。増粘多糖類の含有量が前記下限値以上であることにより、本願発明の効果を得ることができる。

0015

<保存液中の全溶質の合計含有量>
本発明の保存液中の全溶質の合計含有量は、1〜10%であり、さらに2〜7%であるとよい。保存液の溶質が前記範囲内であることにより、卵黄へ水分が移行しにくく、かつ卵黄のまわりに付着しにくい保存液を調製することができる。
なお、ここでいう溶質とは、食塩砂糖等の保存液中に溶解している成分と、セルロース等の溶解せずに分散している成分のどちらも含むものとする。

0016

<保存液の粘度>
保存液の粘度は、5℃において8000mPa・s以下であり、さらに5000mPa・s以下であるとよい。保存液の粘度が前記範囲を上回ると、卵黄のまわりに保存液が付着し、喫食時の雑味となり美味しい卵黄が得られない。保存液の粘度の下限は特に限定されず、水のように粘度がほとんどない保存液であっても、本発明の効果を得ることができるが、卵黄への水分移行を防ぎやすいことから、5℃において25mPa・s以上、さらに50mPa・s以上とすることができる。

0017

<保存液のタンパク質含有量
保存液のタンパク質含有量は、3%以下、さらに1%以下であるとよく、さらに無配合であることが好ましい。保存液のタンパク質含有量が前記範囲内であることにより、加熱殺菌時に保存液が凝固せず、卵黄本来の味が維持された加熱殺菌済み容器詰め卵黄が得られ易い。

0018

<製造5日後(5℃保存)の卵黄の粘度>
本発明における製造5日後(5℃保存)の卵黄の粘度とは、加熱殺菌済み容器詰め卵黄を調製後5日間5℃の温度条件下で保存し、測定したものであり、20℃において300〜10000mPa・sであり、さらに500〜8000mPa・sであるとよい。
加熱処理を施されていない卵黄は、個体差はあるがだいたい300〜950mPa・sであり、加熱殺菌することにより粘度は上昇する。
したがって、製造5日後(5℃保存)の卵黄の粘度が前記範囲内であることにより、卵黄本来のとろっとした物性を維持した加熱殺菌済み容器詰め卵黄を得ることができる。

0019

<粘度の測定方法
保存液及び卵黄の粘度の測定は、BH形粘度計により測定する。測定は、回転数10rpmの条件で、
10mPa.s以上100mPa.s未満ではローターNo.1、
100mPa.s以上4000mPa.s未満ではローターNo.2、
4000mPa.s以上8000mPa.s未満ではローターNo.3、
8000mPa.s以上16000mPa.s未満ではローターNo.4を使用し、
測定開始後ローターが5回転した時の示度により求めた。
なお、卵黄の粘度は、卵黄10個を取り出し撹拌して得られる卵黄液を用いて測定した。

0020

<加熱殺菌>
本発明の加熱殺菌は、卵白を分離した卵黄を保存液に浸漬した状態で行う。本願発明の加熱殺菌温度は、59〜63℃がよく、さらに60〜62℃であるとよい。加熱時間は、サルモネラ菌陰性/25g、大腸菌群が10未満/gになる程度の時間加熱をすればよく、3〜90分とすることができ、さらに5〜70分とすることができる。

0021

<容器>
本発明に用いる容器は、密封・加熱殺菌可能であればよく、材質、形状等は特に制限されない。例えば、プラスチック製の硬質な容器、ポリエチレン製、ポリプロピレン製ビニル製の軟質な容器等が挙げられる。
なお、卵黄の壊れにくさの観点から、容器の容積の95%以上を、卵黄や保存液等の内容物の体積が占めるように容器詰めするとよい。ここでいう容器の容積とは、製造中、輸送中あるいは保存中の容器の状態において、収容することができる最大容量のことである。例えば、卵黄や保存液等の内容物を軟質容器の半分に寄せて、半分に折った状態で保存している場合には、その状態の容器に収容することができる最大容量を、容器の容積とする。

0022

<静菌剤>
本発明の保存液は、卵黄の保存性を高めるため、静菌剤を含有してもよい。
本発明に用いることができる静菌剤は、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、
有機酸有機酸塩リン酸塩ポリリジングリシン等の、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0023

<その他の原料
本発明の保存液は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した原料以外を含有することができ、例えば、シクロデキストリン等のマスキング剤を用いても良い。

0024

<卵黄と保存液の比率
本発明において、容器に収容する際の卵黄と保存液の比率は適宜調節すればよく、例えば、卵黄が保存液に浸漬しやすいために、未凝固卵黄1部に対して保存液が0.5〜2部とすることができる。

0025

<製造方法>
以下、本願発明の加熱殺菌済み容器詰め卵黄の製造方法について説明する。
まず、を割卵し、卵黄だけを卵黄膜に包まれたままの状態で分離する。また、保存液は、清水に保存液の原料を加え、加熱撹拌することで調製する。
次にこれらを容器に充填し、密封する。
最後に、密封した状態で加熱殺菌することで、本願発明の加熱殺菌済み容器詰め卵黄を得ることができる。

0026

以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。

0027

[実施例1]
殻つき生卵(鶏卵、Mサイズ)10個を割卵し、卵黄のみを得た。また、配合表1に基づいて、保存液を調製した。
得られた卵黄10個(200g)と同量の保存液をプラスチック製の軟質容器に充填・密封して、61℃35分間の加熱殺菌を行い加熱殺菌済み容器詰め卵黄を得、実施例1とした。
なお、配合表1に基づき調製した保存液は、存液中の全溶質の合計含有量が3.7%、5℃における粘度が700mPa・sであった。
また、卵黄と保存液を充填した容器は、卵黄と保存液の体積と同じ容積のものを用いた。

0028

[配合表1]
セルロース1.7%
クエン酸無水0.1%
グリシン1%
酢酸ナトリウム0.9%
清水残余

0029

実施例1で調製した加熱殺菌済み容器詰め卵黄を5日間5℃で保存後、袋を開けて卵黄を取り出したところ、卵黄に保存液がほとんど付着することなく取り出すことができた。また、卵黄を室温(20℃)に戻した後に、卵黄10個を撹拌して液卵黄を得、粘度の測定を行ったところ、504mPa・sであり、卵黄本来の物性が維持されていた。
上より、実施例1において、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄であっても、卵黄本来の味や物性を楽しむことができる加熱殺菌済み容器詰め卵黄が得られたことが理解できる。

0030

[比較例1]
保存液中の多糖類であるセルロース1.7%を食塩3.0%に変えた以外は実施例1と全く同様に加熱殺菌済み容器詰め卵黄を得、比較例1を得た。
なお、比較例1にて調製した保存液は、保存液中の全溶質の合計含有量が5.1%、5℃における粘度が50mPa・sであった。

0031

比較例1で調製した加熱殺菌済み容器詰め卵黄を5日間5℃で保存後、袋を開けて卵黄を取り出したところ、卵黄に保存液がほとんど付着することなく取り出すことができた。
ただし、卵黄を室温(20℃)に戻した後に、卵黄10個を撹拌して液卵黄を得、粘度の測定を行ったところ、50mPa・sであり、卵黄本来の物性が失われていた。
以上より、保存液に多糖類を含有していない比較例1においては、卵黄本来の物性が失われてしまうことが理解できる。

0032

[実施例2、比較例2,3]
保存液中の全溶質の合計含有量および粘度が、本発明の効果に与える影響を調べるため、実施例2及び比較例2,3を調製した。
実施例2は、実施例1のセルロース1.7%を、加工澱粉4%に変更した以外は実施例1と全く同様に調製した加熱殺菌済み容器詰め卵黄であり、その保存液中の全溶質の合計含有量は6%、5℃における粘度は120mPa・sであった。
比較例2は、実施例1のセルロース1.7%を、加工澱粉15%に変更した以外は実施例1と全く同様に調製した加熱殺菌済み容器詰め卵黄であり、その保存液中の全溶質の合計含有量は17%、5℃における粘度は8120mPa・sであった。
比較例3は、実施例1のセルロース含有量を、1.7%から6%に増やした以外は実施例1と全く同様に調製した加熱殺菌済み容器詰め卵黄であり、その保存液中の全溶質の合計含有量は8%、5℃における粘度は10600mPa・sであった。

0033

実施例2及び比較例2,3で調製した加熱殺菌済み容器詰め卵黄を5日間5℃で保存後、袋を開けて卵黄を取り出したところ、実施例2は卵黄に保存液がほとんど付着することなく取り出すことができ、取り出した卵黄は卵黄本来の味を感じられるものであった。一方で、比較例2,3は卵黄の取り出し時にかなりの量の保存液が卵黄に付着してしまい、取り出した卵黄は雑味を生じていた。
また、5日間5℃で保存した卵黄を室温(20℃)に戻した後に粘度測定を行ったところ、実施例2が2500mPa・s、比較例2が3230mPa・s、比較例3が2230mPa・sであり、卵黄本来のとろっとした物性を維持していた。
以上より、保存液に多糖類を含有しおり、保存液中の全溶質の合計含有量が1〜10%、粘度が8000mPa・s以下であることにより、卵黄本来の味が維持されることが理解できる。

0034

[試験例1]
実施例1,2以外の多糖類で本発明の効果が得られることを確認するため、実施例3乃至8の加熱殺菌済み容器詰め卵黄を調製した。実施例3乃至8はそれぞれ、実施例1で調製した保存液のセルロースを表1のように変更した以外は実施例1と同様に調製した。

0035

[表1]

0036

表1の通り、実施例3乃至7で調製した卵黄は、保存液が卵黄に付着することなく、また、製造5日後(5℃保存)の粘度が300〜10000mPa・sであった。実施例8で調製した卵黄は、やや保存液が卵黄に付着したが、問題のない程度であった。
すなわち、実施例3乃至8は、卵黄膜に包まれたままの未凝固卵黄であっても、卵黄本来の味や物性を楽しむことができる卵黄であった。

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