図面 (/)

技術 薄膜太陽電池の加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法

出願人 三星ダイヤモンド工業株式会社
発明者 山田充木下知子中谷郁祥
出願日 2015年5月8日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2015-095656
公開日 2016年12月15日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-213317
状態 特許登録済
技術分野 光起電力装置
主要キーワード ヘッドガイド 切替点 種類目 ZnS薄膜 加工終了点 仕上がり品質 レーザースクライブ法 加工開始点
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (16)

課題

スクライブラインの形成に要する時間を短縮することに寄与する薄膜太陽電池加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法を提供する。

解決手段

薄膜太陽電池の加工装置は、中間層23が形成された基板10が載せられるステージと、中間層23にスクライブライン30を形成する刃物と、刃物を中間層23に押し付けヘッドと、ヘッドをステージに対して相対的に移動させることにより、互いに平行な複数の第1のスクライブライン31が中間層23に形成されるように刃物を走査する走査手段と、ヘッドおよび走査手段の動作を制御する制御装置とを備える。制御装置は、1本の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yから別の第1のスクライブライン31の他方の加工開始点31Xまで刃物を押し付けながら走査することにより、加工終了点31Yと加工開始点31Xとを繋げる第2のスクライブライン32を形成する。

概要

背景

従来の薄膜太陽電池の製造工程は、基板上に形成された半導体または金属の薄膜を複数の領域に分割するためのスクライブラインを形成するスクライブ加工を含む。スクライブ加工方法の1つとしてメカニカルスクライブ法が知られている。メカニカルスクライブ法では、半導体または金属の薄膜に刃物押し付けながら刃物を走査することにより、薄膜にスクライブラインを形成する。

メカニカルスクライブ法の一例である特許文献1の加工方法では、スクライブラインの加工前に薄膜の下層露出した部分である開口部を形成し、開口部においてスクライブラインの加工開始点に対応する箇所に刃物を降下させ、その刃物を走査することにより薄膜にスクライブラインを形成する。

メカニカルスクライブ法の別の一例である特許文献2の加工方法では、最初に刃先エッジ部を薄膜に押し付けて切り込みを形成し、次に刃先を薄膜から離間させ、次に刃先の姿勢を変えて刃先の面取り部を薄膜に押し付け、その状態で刃物を走査することにより薄膜にスクライブラインを形成する。

概要

スクライブラインの形成に要する時間を短縮することに寄与する薄膜太陽電池の加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法を提供する。薄膜太陽電池の加工装置は、中間層23が形成された基板10が載せられるステージと、中間層23にスクライブライン30を形成する刃物と、刃物を中間層23に押し付けるヘッドと、ヘッドをステージに対して相対的に移動させることにより、互いに平行な複数の第1のスクライブライン31が中間層23に形成されるように刃物を走査する走査手段と、ヘッドおよび走査手段の動作を制御する制御装置とを備える。制御装置は、1本の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yから別の第1のスクライブライン31の他方の加工開始点31Xまで刃物を押し付けながら走査することにより、加工終了点31Yと加工開始点31Xとを繋げる第2のスクライブライン32を形成する。

目的

本発明の目的は、スクライブラインの形成に要する時間を短縮することに寄与する薄膜太陽電池の加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

薄膜が形成された基板が載せられるステージと、前記薄膜にスクライブラインを形成する刃物と、前記刃物を前記薄膜に押し付けヘッドと、前記ヘッドを前記ステージに対して相対的に移動させることにより、互いに平行な少なくとも2本の第1のスクライブラインが前記薄膜に形成されるように前記刃物を走査する走査手段と、前記ヘッドおよび前記走査手段の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの一方の加工終了点から前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの他方の加工開始点まで前記刃物を前記薄膜に押し付けながら走査することにより前記加工終了点と前記加工開始点とを繋げる第2のスクライブラインを前記薄膜に形成する薄膜太陽電池加工装置

請求項2

前記制御装置は、前記第2のスクライブラインの形成時における前記刃物の走査速度を前記第1のスクライブラインの形成時における前記刃物の走査速度よりも遅くする請求項1に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項3

前記制御装置は、前記第2のスクライブラインの形成時において前記刃物を前記薄膜に押し付ける力である押付力を前記第1のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも弱くする請求項1または2に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項4

前記制御装置は、前記第1のスクライブラインの形成時において前記刃物を前記薄膜に押し付ける力である押付力を前記第2のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも弱くする請求項1または2に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項5

前記制御装置は、前記第2のスクライブラインの加工開始点から所定の位置までの部分の形成時において前記刃物を前記薄膜に押し付ける力である押付力を前記第1のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも弱くし、前記所定の位置から前記第2のスクライブラインの加工終了点までの部分の形成時における前記押付力を前記第1のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも強くする請求項1または2に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項6

前記所定の位置は前記第2のスクライブラインの加工終了点の直前の位置である請求項5に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項7

前記制御装置は円弧状の形状を有する前記第2のスクライブラインが前記薄膜に形成されるように前記走査手段の動作を制御する請求項1〜6のいずれか一項に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項8

前記制御装置は前記第2のスクライブライン上の同一の部分を前記刃物が往復するように前記走査手段の動作を制御する請求項1〜7のいずれか一項に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項9

前記刃物の長手方向に交差する断面における前記刃物の刃先の形状が円形である請求項1〜8のいずれか一項に記載の薄膜太陽電池の加工装置。

請求項10

基板に形成された薄膜に刃物を押し付けた状態において前記刃物を走査することにより互いに平行な少なくとも2本の第1のスクライブラインを前記薄膜に形成する薄膜太陽電池の加工方法であって、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの一方が前記薄膜に形成されるように前記刃物を走査する第1の工程と、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの一方の加工終了点から前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの他方の加工開始点まで前記刃物を前記薄膜に押し付けながら走査することにより前記加工終了点と前記加工開始点とを繋げる第2のスクライブラインを前記薄膜に形成する第2の工程と、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの他方が前記薄膜に形成されるように前記刃物を走査する第3の工程とを備える薄膜太陽電池の加工方法。

技術分野

0001

本発明は薄膜太陽電池加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法に関する。

背景技術

0002

従来の薄膜太陽電池の製造工程は、基板上に形成された半導体または金属の薄膜を複数の領域に分割するためのスクライブラインを形成するスクライブ加工を含む。スクライブ加工方法の1つとしてメカニカルスクライブ法が知られている。メカニカルスクライブ法では、半導体または金属の薄膜に刃物押し付けながら刃物を走査することにより、薄膜にスクライブラインを形成する。

0003

メカニカルスクライブ法の一例である特許文献1の加工方法では、スクライブラインの加工前に薄膜の下層露出した部分である開口部を形成し、開口部においてスクライブラインの加工開始点に対応する箇所に刃物を降下させ、その刃物を走査することにより薄膜にスクライブラインを形成する。

0004

メカニカルスクライブ法の別の一例である特許文献2の加工方法では、最初に刃先エッジ部を薄膜に押し付けて切り込みを形成し、次に刃先を薄膜から離間させ、次に刃先の姿勢を変えて刃先の面取り部を薄膜に押し付け、その状態で刃物を走査することにより薄膜にスクライブラインを形成する。

先行技術

0005

特許第5486057号公報
特開2013−141702号公報

発明が解決しようとする課題

0006

薄膜太陽電池の製造に関して、生産性を高めるためにスクライブ加工に要する工程を簡素化し、加工時間を短縮することが望まれる。一方、特許文献1の加工方法によれば、スクライブラインを形成する前に開口部を形成する工程が必要となるため、加工工程が複雑化するおそれ、および、スクライブラインの形成に要する時間が長くなるおそれがある。また、特許文献2の加工方法によれば、薄膜に切り込みを形成する工程とスクライブラインを形成する工程との間に、刃物の昇降および刃物の姿勢の変更が必要となるため、装置の構成が複雑化するおそれ、および、スクライブラインの加工に要する時間が長くなるおそれがある。

0007

なお、薄膜太陽電池の薄膜をスクライブ加工するために用いられる刃物の刃先は、一般に先端の幅が数十μm程度であることから、刃物を加工対象物に向けて降下させる速度が速い場合、刃物が加工対象物に接触したときに刃先が損傷するおそれがある。このため、スクライブ加工に要する時間を短縮するために、刃物を降下させる速度を速めるという手法を取りにくい。

0008

本発明の目的は、スクライブラインの形成に要する時間を短縮することに寄与する薄膜太陽電池の加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

〔1〕本発明に従う薄膜太陽電池の加工装置の一形態は、薄膜が形成された基板が載せられるステージと、前記薄膜にスクライブラインを形成する刃物と、前記刃物を前記薄膜に押し付けるヘッドと、前記ヘッドを前記ステージに対して相対的に移動させることにより、互いに平行な少なくとも2本の第1のスクライブラインが前記薄膜に形成されるように前記刃物を走査する走査手段と、前記ヘッドおよび前記走査手段の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの一方の加工終了点から前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの他方の加工開始点まで前記刃物を前記薄膜に押し付けながら走査することにより前記加工終了点と前記加工開始点とを繋げる第2のスクライブラインを前記薄膜に形成する。

0010

この加工装置によれば、一方の第1のスクライブラインの形成が終了した後にそれに続けて第2のスクライブラインが形成され、さらにその形成が終了した後に続けて他方の第1のスクライブラインが形成される。このように、刃物が押し付けられた状態が維持されながら各スクライブラインが形成されるため、スクライブラインの加工工程の前に開口部が形成される場合、および、スクライブラインを形成する過程において刃物の昇降が実施される場合と比較して、工程の内容および刃物の動作が簡素化される。このため、スクライブラインの形成に要する時間が短縮される。なお、薄膜太陽電池が積層構造を備える薄膜を備える場合、基板に形成される薄膜は、積層が完了した薄膜または積層途中の薄膜を意味する。

0011

〔2〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記制御装置は、前記第2のスクライブラインの形成時における前記刃物の走査速度を前記第1のスクライブラインの形成時における前記刃物の走査速度よりも遅くする。

0012

一方の第1のスクライブラインと他方の第1のスクライブラインとを繋げる第2のスクライブラインの役割から、第2のスクライブラインの形成時において刃物にかかる力の方向の変化の度合が第1のスクライブラインの形成時よりも大きくなりやすい。上記〔2〕に記載の加工装置によれば、そのような第2のスクライブラインの形成時における刃物の走査速度が遅い速度に設定されるため、刃物にかかる負荷が軽減される。

0013

〔3〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記制御装置は、前記第2のスクライブラインの形成時において前記刃物を前記薄膜に押し付ける力である押付力を前記第1のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも弱くする。

0014

一方の第1のスクライブラインと他方の第1のスクライブラインとを繋げる第2のスクライブラインの役割から、第2のスクライブラインの形成時において刃物にかかる力の方向の変化の度合が第1のスクライブラインの形成時よりも大きくなりやすい。上記〔3〕に記載の加工装置によれば、そのような第2のスクライブラインの形成時における刃物の押付力が弱い力に設定されるため、刃物にかかる負荷が軽減される。

0015

〔4〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記制御装置は、前記第1のスクライブラインの形成時において前記刃物を前記薄膜に押し付ける力である押付力を前記第2のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも弱くする。

0016

第1のスクライブラインの長さは基本的には、一方の第1のスクライブラインと他方の第1のスクライブラインとを繋げるという補助的な役割を持つ第2のスクライブラインの長さよりも長く設定される。上記〔4〕に記載の加工装置によれば、そのような第1のスクライブラインの形成時における刃物の押付力が弱い力に設定されるため、スクライブラインの形成にともなう刃物の摩耗が低減される。

0017

〔5〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記制御装置は、前記第2のスクライブラインの加工開始点から所定の位置までの部分の形成時において前記刃物を前記薄膜に押し付ける力である押付力を前記第1のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも弱くし、前記所定の位置から前記第2のスクライブラインの加工終了点までの部分の形成時における前記押付力を前記第1のスクライブラインの形成時における前記押付力よりも強くする。

0018

この加工装置によれば、薄膜または積層途中の薄膜がより確実に除去された第2のスクライブラインが形成されやすく、それにともない他方の第1のスクライブラインの加工開始点においても薄膜または積層途中の薄膜が確実に除去され、第1のスクライブラインが安定して形成される。また、所定の位置までの形成時における刃物の押付力が弱い力に設定されるため、第2のスクライブラインの形成時に刃物にかかる負荷が軽減される。

0019

〔6〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記所定の位置は前記第2のスクライブラインの加工終了点の直前の位置である。
この加工装置によれば、押付力が強められる部分が第2のスクライブラインの加工終了点を含む狭い範囲に限定されるため、第2のスクライブラインの形成時に刃物にかかる負荷が一層軽減される。

0020

〔7〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記制御装置は円弧状の形状を有する前記第2のスクライブラインが前記薄膜に形成されるように前記走査手段の動作を制御する。

0021

〔8〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記制御装置は前記第2のスクライブライン上の同一の部分を前記刃物が往復するように前記走査手段の動作を制御する。
この加工装置によれば、第2のスクライブラインの形成時において刃物が往復する部分の薄膜または積層途中の薄膜が確実に除去され、引き続き加工される第1のスクライブラインの加工開始点においても薄膜または積層途中の薄膜が確実に除去され、第1のスクライブラインが安定して形成される。

0022

〔9〕前記薄膜太陽電池の加工装置の一例によれば、前記刃物の長手方向に交差する断面における前記刃物の刃先の形状が円形である。
この加工装置によれば、刃先の断面が角を含む場合と比較して、刃先が摩耗した場合における刃先の初期の形状からの変化の度合が小さいため、同一の刃物が長期間にわたって使用される場合においてスクライブラインの仕上がり品質がばらつきにくい。

0023

〔10〕本発明に従う薄膜太陽電池の製造方法の一形態は、基板に形成された薄膜に刃物を押し付けた状態において前記刃物を走査することにより互いに平行な少なくとも2本の第1のスクライブラインを前記薄膜に形成する薄膜太陽電池の加工方法であって、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの一方が前記薄膜に形成されるように前記刃物を走査する第1の工程と、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの一方の加工終了点から前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの他方の加工開始点まで前記刃物を前記薄膜に押し付けながら走査することにより前記加工終了点と前記加工開始点とを繋げる第2のスクライブラインを前記薄膜に形成する第2の工程と、前記少なくとも2本の第1のスクライブラインの他方が前記薄膜に形成されるように前記刃物を走査する第3の工程とを備える。

0024

この加工方法によれば、一方の第1のスクライブラインの形成が終了した後にそれに続けて第2のスクライブラインが形成され、さらにその形成が終了した後に続けて他方の第1のスクライブラインが形成される。このように、刃物が押し付けられた状態が維持されながら各スクライブラインが形成されるため、スクライブラインの加工工程の前に開口部が形成される場合、および、スクライブラインを形成する過程において刃物の昇降が実施される場合と比較して、工程の内容および刃物の動作が簡素化される。このため、スクライブラインの形成に要する時間が短縮される。

発明の効果

0025

上記薄膜太陽電池の加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法はスクライブラインの形成に要する時間を短縮することに寄与する。

図面の簡単な説明

0026

は実施の形態の薄膜太陽電池の加工装置の斜視図である。
図1の刃物の斜視図である。
図1の加工装置のブロック図である。
は加工装置による加工完了後の薄膜太陽電池の平面図である。
図4のX−X断面図である。
は第1の電極形成工程が完了した製造途中の薄膜太陽電池の断面図である。
中間層形成工程が完了した製造途中の薄膜太陽電池の断面図である。
は第1の工程の第1の段階における薄膜太陽電池の平面図である。
は第1の工程の第2の段階における薄膜太陽電池の平面図である。
は第2の工程における薄膜太陽電池の平面図である。
は第3の工程における薄膜太陽電池の平面図である。
は第4の工程における薄膜太陽電池の平面図である。
は第1の変形例の薄膜太陽電池の平面図である。
は第2の変形例の薄膜太陽電池の平面図である。
は第3の変形例の薄膜太陽電池の平面図である。

実施例

0027

(実施の形態)
図1は薄膜太陽電池1を製造する機能を備えた加工装置100の斜視図である。加工装置100は各種の構成要素を収容する本体110、製造途中の薄膜太陽電池1が載せられるステージ130、その薄膜太陽電池1を加工するヘッド150、ヘッド150をステージ130に対して相対的に移動させるヘッドガイド170、ステージ130の様子を撮影するカメラ140、および、ヘッド150等の動作を制御する制御装置120を備える。

0028

ステージ130は本体110により支持される。ステージ130の上面である載置面131は薄膜太陽電池1を支持可能な平面である。ヘッドガイド170は、本体110の奥行き方向であるY方向において本体110に対して移動可能な第1のガイド171、および、第1のガイド171により支持され本体110の幅方向であるX方向に延びる第2のガイド172を備える。第1のガイド171および第2のガイド172は本体110に対して一体的に移動する。

0029

ヘッド150は、X方向に並べられ、ステージ130に対して昇降可能な複数の刃物160を備え、第2のガイド172に沿って移動可能な状態で第2のガイド172により支持される。ヘッド150は、ステージ130に載置された製造途中の薄膜太陽電池1に刃物160を押し付ける力である押付力を調節可能であり、薄膜太陽電池1の加工工程等に応じて設定される所定の押付力で刃物160を薄膜太陽電池1に押し付ける。ヘッド150が備える刃物160の本数の一例は2本である。図2に示されるとおり、刃物160の刃先161は円錐台状を有する。刃物160の長手方向に直交する断面における刃先161の形状は円形である。

0030

図3は加工装置100の機能ブロックを示すブロック図である。加工装置100は、第1のガイド171をステージ130に対してY方向に移動させる第1のアクチュエータ201、ヘッド150を第2のガイド172に対してX方向に移動させる第2のアクチュエータ202、ならびに、刃物160をステージ130に接近する方向およびステージ130から離間する方向に移動させる第3のアクチュエータ203をさらに備える。第1のアクチュエータ201は本体110内に搭載される。第2のアクチュエータ202はヘッドガイド170内に搭載される。第3のアクチュエータ203はヘッド150内に搭載される。なお、第1のアクチュエータ201、第2のアクチュエータ202、および、ヘッドガイド170は刃物160を走査する走査手段を構成している。

0031

制御装置120は、スクライブライン30を形成するための制御を含む各種の制御を実行する制御部121、および、制御のために必要な情報を記憶するメモリ122を備え、第1のアクチュエータ201、第2のアクチュエータ202、第3のアクチュエータ203、および、カメラ140と電気的に接続される。制御部121の一例はマイクロコンピューターまたはFPGA(Field of Programmable Gate Array)である。

0032

制御部121はヘッド150、ヘッドガイド170、および、カメラ140の動作を制御する。制御部121の制御により第1のアクチュエータ201および第2のアクチュエータ202が駆動することにより、ヘッド150がステージ130に対して移動し、これによりヘッド150の刃物160がY方向およびX方向に走査される。

0033

図4は加工装置100による加工完了後の薄膜太陽電池1の平面図である。図5図4のX−X断面図である。図5に示されるとおり、薄膜太陽電池1は基板10およびその上に形成された薄膜20を備える。薄膜20は積層構造を備える。薄膜20を構成する複数の層は、基板10上に形成された第1の電極21、第1の電極21と電気的に接続された第2の電極22、および、第1の電極21と第2の電極22との間に形成された中間層23である。第1の電極21、ならびに、第1の電極21および中間層23により構成される層は、それぞれ積層途中の薄膜である。第2の電極22の上面の角にはステージ130上における薄膜太陽電池1の位置を検出するために用いられるアライメントマーク40が形成されている。

0034

中間層23は積層構造を備える。中間層23を構成する複数の層は、第1の電極21上に形成された光吸収層23A、光吸収層23A上に形成されたバッファ層23B、および、バッファ層23B上に形成された絶縁層23Cである。

0035

薄膜20には3種類のスクライブライン30が形成されている。1種類目のスクライブライン30は、第1の電極21を分割するスクライブライン30Aである。2種類目のスクライブライン30は、中間層23を分割するスクライブライン30Bである。3種類目のスクライブライン30は、第2の電極22および中間層23を分割するスクライブライン30Cである。スクライブライン30Aはメカニカルスクライブ法とは別の加工方法、例えばレーザースクライブ法により形成される。スクライブライン30Bおよびスクライブライン30Cは加工装置100を用いたメカニカルスクライブ法により形成される。

0036

スクライブライン30Aは光吸収層23Aの一部により埋められている。スクライブライン30Bは第2の電極22の一部により埋められている。スクライブライン30Cは他の物体により埋められていない。スクライブライン30Bを埋める第2の電極22の一部が第1の電極21と接触していることにより、第1の電極21と第2の電極22とが電気的に接続される。

0037

スクライブライン30Bおよびスクライブライン30Cは、加工開始点30Xから加工終了点30Yまでにわたり延びる溝であり、その加工工程の点から複数の第1のスクライブライン31および複数の第2のスクライブライン32の2種類の領域に区分される。スクライブライン30Bおよびスクライブライン30Cは実質的に連続して形成された複数の第1のスクライブライン31および複数の第2のスクライブライン32により構成される1本の溝である。

0038

第1のスクライブライン31は基板10の辺に平行な長いスクライブライン30であり、加工開始点31Xから加工終了点31Yまでにわたり延びる直線である。第2のスクライブライン32は刃物160による第1のスクライブライン31の加工を補助するために形成され、X方向において隣り合う一方の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yと他方の第1のスクライブライン31の加工開始点31Xとを繋げる。一例では、第2のスクライブライン32の形状は円弧状である。第2のスクライブライン32の長さは第1のスクライブライン31の長さよりも短い。

0039

なお、図4および図8図12では、加工開始点30Xが模式的に点として表示されているが、実際の加工開始点30Xはスクライブライン30B、30Cの他の部分と実質的に同じ幅を有し、目視により加工開始点30Xとスクライブライン30B、30Cの他の部分との相違識別することは困難である。

0040

薄膜20に関する製造工程は大きくは3つの工程、すなわち、第1の電極形成工程、中間層形成工程、および、第2の電極形成工程に区分される。図6は第1の電極形成工程が完了した製造途中の薄膜太陽電池1の断面である。図7は中間層形成工程が完了した製造途中の薄膜太陽電池1の断面である。図5は加工装置100による加工完了後の薄膜太陽電池1の断面である。

0041

第1の電極形成工程では、最初に基板10上に第1の電極21が形成される。基板10の材質の一例はソーダライムガラスである。第1の電極21の材質の一例はモリブデンである。次に、第1の電極21を分割するスクライブライン30である複数のスクライブライン30Aが第1の電極21に形成される。

0042

中間層形成工程では、最初に第1の電極21上に光吸収層23Aが形成される。次に、光吸収層23A上にバッファ層23Bが形成される。次に、バッファ層23B上に絶縁層23Cが形成される。光吸収層23Aの一例は化合物半導体薄膜である。バッファ層23Bの一例はZnS薄膜である。絶縁層23Cの一例はZnO薄膜である。

0043

次に、加工装置100により中間層23に複数のスクライブライン30Bが形成される。スクライブライン30Bはスクライブライン30Aに対してX方向の一方に所定の距離だけオフセットした位置に形成される。

0044

第2の電極形成工程では、最初に中間層23上に第2の電極22が形成される。第2の電極22の材質の一例はZnO:Al薄膜である。次に、薄膜20を構成する第2の電極22および中間層23を分割するスクライブライン30である複数のスクライブライン30Cが第2の電極22および中間層23に形成される。

0045

図8図10はメカニカルスクライブ法によるスクライブライン30の具体的な加工工程に関する図である。ここでは、スクライブライン30を代表してスクライブライン30Bの加工工程を取り上げている。スクライブライン30Cはスクライブライン30Bの加工工程に準じた加工工程を経て形成される。

0046

図8に示される第1の工程の第1の段階では、ステージ130の載置面131に平行な仮想面である走査面上における基板10に対する刃物160の位置が調節される。一例では、第1の工程における第1の段階は次の具体的な工程を含む。制御装置120はカメラ140により検出されたアライメントマーク40の位置に基づいて、走査面上における加工開始点30Xの座標を算出し、刃先161の座標が加工開始点30Xの座標と一致するように各アクチュエータ201、202に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて各アクチュエータ201、202が駆動することにより、刃先161の座標が加工開始点30Xの座標と実質的に一致する。なお、中間層23に最初に形成される第1のスクライブライン31の加工開始点31Xとスクライブライン30Bの加工開始点30Xとは同一の点である。また、中間層23に最後に形成される第1のスクライブライン31の加工終了点31Yとスクライブライン30Bの加工終了点30Yとは同一の点である。

0047

図9に示される第1の工程の第2の段階では、刃先161が中間層23に押し付けられ、中間層23に第1のスクライブライン31が形成される。一例では、第1の工程の第2の段階は次の具体的な工程を含む。制御装置120は最初に、刃先161が第1の押付力で中間層23に押し付けられるように第3のアクチュエータ203に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて第3のアクチュエータ203が駆動することにより、刃先161が下降して第1の押付力で中間層23に押し付けられ、刃先161の先端が中間層23に食い込む。なお、第1の押付力の一例は1.3Nである。

0048

制御装置120は次に、刃物160が第1の走査速度で第1のスクライブライン31の加工開始点31Xから加工終了点31Yに向かう方向である第1の方向D1へ移動するように第1のアクチュエータ201に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて第1のアクチュエータ201が駆動することにより、刃先161が中間層23に押し付けられた状態において刃物160が第1の方向D1へ移動し、中間層23が刃先161により剥離され、中間層23に第1のスクライブライン31が形成される。なお、第1の走査速度の一例は1000mm/秒である。

0049

制御装置120は次に、刃物160の位置が第1のスクライブライン31の加工終了点31Yに到達したことに基づいて、刃物160の走査が一旦停止するように第1のアクチュエータ201に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて第1のアクチュエータ201が駆動することにより、刃物160が加工終了点31Yで停止し、加工開始点31Xから加工終了点31Yまでの長さを持つ第1のスクライブライン31が形成される。なお、第1のスクライブライン31の長さは基板10のサイズに応じて設定され、通常は0.2m程度から1m程度の範囲に含まれる。

0050

図10に示される第2の工程では、中間層23に第2のスクライブライン32が形成される。一例では、第2の工程は次の具体的な工程を含む。制御装置120は最初に、刃物160が第2の押付力で中間層23に押し付けられ、その刃物160がX方向において隣り合う一方の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yから他方の第1のスクライブライン31の加工開始点31Xに第2の走査速度で移動するように各アクチュエータ201、202に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて各アクチュエータ201、202が駆動することにより、刃先161が中間層23に押し付けられた状態において刃物160がX方向において隣り合う加工終了点31Yから加工開始点31Xに移動する。

0051

刃物160が移動することにより中間層23が除去され、第2のスクライブライン32が形成される。なお、第2の押付力の一例は第1の押付力よりも弱い0.9Nである。第2の走査速度の一例は第1の走査速度よりも遅い50mm/秒である。第2の走査速度が第1の走査速度よりも遅いことにより第2のスクライブライン32の加工が安定するため、上述のとおり第2の押付力が第1の押付力よりも弱い力に設定されても中間層23が確実に除去される。

0052

制御装置120は次に、刃物160の位置が2番目の第1のスクライブライン31の加工開始点31Xに到達したことに基づいて、刃物160の走査が一旦停止するように各アクチュエータ201、202に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて各アクチュエータ201、202が駆動することにより、刃物160が2番目の第1のスクライブライン31の加工開始点31Xで停止し、円弧状の第2のスクライブライン32が形成される。

0053

図11に示される第3の工程では、刃先161が中間層23に押し付けられた状態が維持され、中間層23に次の第1のスクライブライン31が形成される。一例では、第3の工程は次の具体的な工程を含む。制御装置120は最初に、刃先161が第1の押付力で中間層23に押し付けられるように第3のアクチュエータ203に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて第3のアクチュエータ203が駆動することにより、刃先161が下降して第1の押付力で中間層23に押し付けられる。

0054

制御装置120は次に、刃物160が第1の走査速度で第1の方向D1とは反対の方向である第2の方向D2へ移動するように第1のアクチュエータ201に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて第1のアクチュエータ201が駆動することにより、刃先161が中間層23に押し付けられた状態において刃物160が第2の方向D2へ移動し、中間層23が刃先161により剥離され、中間層23に次の第1のスクライブライン31が形成される。

0055

制御装置120は次に、刃物160の位置が加工終了点31Yに到達したことに基づいて、刃物160の走査が一旦停止するように第1のアクチュエータ201に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて第1のアクチュエータ201が駆動することにより、刃物160が加工終了点31Yで停止し、加工開始点31Xから加工終了点31Yまでの長さを持つ第1のスクライブライン31が形成される。

0056

図12に示される第4の工程では、中間層23に次の第2のスクライブライン32が形成される。一例では、第4の工程は次の具体的な工程を含む。制御装置120は最初に、刃物160が第2の押付力で中間層23に押し付けられ、その刃物160がX方向において隣り合う一方の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yから他方の第1のスクライブライン31の加工開始点31Xに第2の走査速度で移動するように各アクチュエータ201、202に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて各アクチュエータ201、202が駆動することにより、刃先161が中間層23に押し付けられた状態において刃物160がX方向において隣り合う加工終了点31Yから加工開始点31Xに移動する。刃物160が移動することにより中間層23が除去され、第2のスクライブライン32が形成される。

0057

制御装置120は次に、刃物160の位置が3番目の第1のスクライブライン31の加工開始点31Xに到達したことに基づいて、刃物160の走査が一旦停止するように各アクチュエータ201、202に指令信号を出力する。その指令信号に基づいて各アクチュエータ201、202が駆動することにより、刃物160が加工開始点31Xで停止し、円弧状の第2のスクライブライン32が形成される。

0058

加工装置100によれば、ヘッド150に複数本の刃物160が取り付けられているため、第1の方向D1または第2の方向D2に刃物160が1回走査されることにより複数の第1のスクライブライン31が中間層23に同時に形成される。また、X方向において隣り合う加工終了点31Yから加工開始点31Xに刃物160が1回走査されることにより、複数の第2のスクライブライン32が中間層23に同時に形成される。

0059

第1の工程から第4の工程を1回実施したことにより、互いに平行な一対の第1のスクライブライン31、一対の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yと加工開始点31Xとを繋げる第2のスクライブライン32、および、他方の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yに繋がる第2のスクライブライン32が中間層23に形成される。その後、制御装置120は第1の工程から第4の工程を繰り返すことにより、中間層23への形成が予定されている残りの複数の第1のスクライブライン31および複数の第2のスクライブライン32を形成する。

0060

加工装置100によれば、例えば以下に示される効果が得られる。
(1)加工装置100は、互いに平行でありX方向に隣り合う一方の第1のスクライブライン31の加工終了点30Yから他方の第1のスクライブライン31の加工開始点30Xまで刃物160を薄膜20または積層途中の薄膜に押し付けながら走査する。この構成によれば、刃物160が押し付けられた状態が維持されながら各スクライブライン31、32が形成されるため、スクライブライン30の加工工程の前に開口部が形成される場合、および、スクライブライン30を形成する過程において刃物160の昇降が実施される場合と比較して、工程の内容および刃物160の動作が簡素化される。このため、スクライブライン30の形成に要する時間が短縮される。

0061

(2)加工装置100は、第2のスクライブライン32の形成時の刃物160の走査速度である第2の走査速度を第1のスクライブライン31の形成時の刃物160の走査速度である第1の走査速度よりも遅くする。この構成によれば、刃物160にかかる力の方向の変化の度合が第1のスクライブライン31の形成時よりも大きくなりやすい第2のスクライブライン32の形成時において、刃物160の走査速度が遅い速度に設定されるため、刃物160にかかる負荷が軽減される。また、第2のスクライブライン32よりも長い第1のスクライブライン31の形成時において刃物160の走査速度が速い速度に設定されるため、スクライブライン30の形成にかかる時間が短縮される。

0062

(3)加工装置100は、第2のスクライブライン32の形成時の刃物160の押付力である第2の押付力を第1のスクライブライン31の形成時の刃物160の押付力である第1の押付力よりも弱くする。この構成によれば、上述のとおり刃物160にかかる力の方向の変化の度合が大きくなりやすい第2のスクライブライン32の形成時において、刃物160の押付力が弱い力に設定されるため、刃物160にかかる負荷が軽減される。

0063

(4)刃先161の断面の形状が円形である。この構成によれば、刃先161の断面が角を含む場合と比較して、刃先161が摩耗した場合における初期の形状からの変化の度合が小さいため、同一の刃物160が長期間にわたって使用される場合においてスクライブライン30の品質がばらつきにくい。

0064

(変形例)
上記実施の形態に関する説明は本発明に従う薄膜太陽電池の加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う薄膜太陽電池の加工装置、および、薄膜太陽電池の加工方法は実施の形態以外に例えば以下に示される上記実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。

0065

・第1の電極21を分割するスクライブライン30Aの加工方法はレーザースクライブ法に限られず、加工装置100を用いたメカニカルスクライブ法に変更可能である。
・第1の押付力と第2の押付力との大小関係は任意に変更可能である。一例では、第1の押付力が第2の押付力よりも弱い。この変形例によれば、第2のスクライブライン32よりも長い第1のスクライブライン31の形成時における刃物160の押付力が弱い力に設定されるため、スクライブライン30の形成にともなう刃物160の摩耗が低減される。別の一例では、第1の押付力と第2の押付力とが互いに等しい。

0066

・第1の走査速度と第2の走査速度との大小関係は任意に変更可能である。一例では、第1の走査速度が第2の走査速度よりも速い。別の一例では、第1の走査速度と第2の走査速度とが互いに等しい。

0067

・上記実施の形態では第2のスクライブライン32の形成時の押付力である第2の押付力が一定の大きさに設定されるが、第2の押付力は第2のスクライブライン32の形成中に変更可能である。一例では、加工装置100は第2のスクライブライン32の加工開始点である第1のスクライブライン31の加工終了点31Yから所定の位置までの部分の形成時において第2の押付力を第1の押付力よりも弱くし、所定の位置から第2のスクライブライン32の加工終了点である第1のスクライブライン31の加工開始点31Xまでの部分の形成時における第2の押付力を第1の押付力よりも強くする。

0068

この構成によれば、薄膜20または積層途中の薄膜がより確実に除去された第2のスクライブライン32が形成されやすく、それにともない次に形成される第1のスクライブライン31の加工終了点31Yにおいても薄膜20または積層途中の薄膜が確実に除去され、第1のスクライブライン31が安定して形成される。また、所定の位置までの形成時における刃物160の押付力が弱い力に設定されるため、第2のスクライブライン32の形成時に刃物160にかかる負荷が軽減される。

0069

・上記変形例の加工装置100の一例は、所定の位置を第2のスクライブライン32の加工終了点である第1のスクライブライン31の加工開始点31Xの直前の位置に設定する。この構成によれば、第2の押付力が強められる部分が第2のスクライブライン32の加工終了点を含む狭い範囲に限定されるため、第2のスクライブライン32の形成時に刃物160にかかる負荷が一層軽減される。

0070

・第2のスクライブライン32の形状は任意に変更可能である。図13は第2のスクライブライン32の形状に関する第1の変形例である。図14は第2のスクライブライン32の形状に関する第2の変形例である。図15は第2のスクライブライン32の形状に関する第3の変形例である。

0071

図13に示される第2のスクライブライン32は、X方向において隣り合う一方の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yから他方の第1のスクライブライン31の加工開始点31Xまでにわたり伸び、第2の方向D2に突出する円弧状の曲線である。加工装置100は上記実施の形態における第2のスクライブライン32の加工方法に準じた加工方法により第1の変形例の第2のスクライブライン32を薄膜20または積層途中の薄膜に形成する。

0072

図14に示される第2のスクライブライン32は、加工終了点31Yから交点32Yまでにわたり伸びる第1の曲線32A、および、方向切替点32Xから加工開始点31Xまでにわたり伸びる第1の直線32Bにより構成される。交点32Yは第1の直線32B上における方向切替点32Xと加工開始点31Xとの間の点である。第1の直線32Bおよび第1のスクライブライン31は実質的に連続した1本の溝である。方向切替点32Xは加工開始点31Xよりも中間層23の辺の近くに形成される点であり、刃物160の走査方向が第1の方向D1から第2の方向D2に切り替えられる点である。

0073

第2のスクライブライン32は次の工程を経て形成される。刃物160がX方向において隣り合う一方の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yに到達したとき、加工装置100は第1の曲線32Aが形成されるように加工終了点31Yから交点32Yまで刃物160を走査する。加工装置100は次に、交点32Yから方向切替点32Xまで第1の方向D1に刃物160を走査し、刃物160が方向切替点32Xに到達したことに基づいて刃物160の走査を一旦停止し、方向切替点32Xから加工開始点31Xまで第2の方向D2に刃物160を走査する。

0074

この構成によれば、第1の直線32Bにおける交点32Yと方向切替点32Xとの間を刃物160が往復するため、その部分の薄膜20または積層途中の薄膜がより確実に除去される。また、引き続き加工される第1のスクライブライン31の加工開始点31Xにおいても薄膜20または積層途中の薄膜が確実に除去され、第1のスクライブライン31が安定して形成される。

0075

図15に示される第2のスクライブライン32は、加工終了点31Yから方向切替点32Xまでにわたり伸びる第2の曲線32C、および、方向切替点32Xから加工開始点31Xまでにわたり伸びる第2の直線32Dにより構成される。第2の曲線32Cの形状は円弧状である。第2の直線32Dおよび第1のスクライブライン31は実質的に連続した1本の溝である。方向切替点32Xは加工開始点31Xよりも中間層23の辺の近くに形成される点であり、刃物160の走査方向が第1の方向D1から第2の方向D2に切り替えられる点である。

0076

第2のスクライブライン32は次の工程を経て形成される。刃物160がX方向において隣り合う一方の第1のスクライブライン31の加工終了点31Yに到達したとき、加工装置100は、第2の曲線32Cが形成されるように加工終了点31Yから方向切替点32Xまで刃物160を走査する。加工装置100は次に、刃物160が方向切替点32Xに到達したことに基づいて刃物160の走査を一旦停止し、方向切替点32Xから加工開始点31Xまで第2の方向D2に刃物160を走査する。

0077

・第2のスクライブライン32が取り得る形状は、上記実施の形態および第1の変形例〜第3の変形例に例示された形状に限られず、さらに別の種々の形状を取り得る。その第1の例は2本の直線により形成され、1つの頂点を有する山形である。第2の例は3本の直線により形成され、2つの頂点を有する山形である。第3の例は複数の変曲点を有する曲線である。

0078

・上記実施の形態の走査手段は、第1のアクチュエータ201、第2のアクチュエータ202、および、ヘッドガイド170により構成され、本体110に固定されたステージ130に対してヘッド150を移動させることにより刃物160を走査しているが、走査手段の構成はこれに限られず任意に変更可能である。変形例の走査手段は、例えば本体110に対して移動可能なステージ130、および、ステージ130を本体110に対して移動させるアクチュエータを備える。ヘッド150は本体110に固定される。この走査手段は、ヘッド150に対してステージ130を移動させることにより刃物160を走査する。走査手段に関するさらに別の変形例は、第1のアクチュエータ201、第2のアクチュエータ202、ヘッドガイド170、本体110に対して移動可能なステージ130、および、ステージ130を本体110に対して移動させるアクチュエータを備える。この走査手段は、ヘッドガイド170をステージ130に対して移動させること、および、ステージ130をヘッドガイド170に対して移動させることができる。

0079

1 :薄膜太陽電池
10 :基板
20 :薄膜
30 :スクライブライン
31 :第1のスクライブライン
31X:加工開始点
31Y:加工終了点
32 :第2のスクライブライン
100:加工装置
120:制御装置
130:ステージ
160:刃物
161:刃先

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 住友電気工業株式会社の「 発電部再配置演算装置および演算処理方法」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】発電部再配置演算装置は、太陽電池パネルをそれぞれ含む複数の発電部の位置関係を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、各前記発電部の出力の計測結果に基づく、前記各発電部の複数のグループ... 詳細

  • 株式会社カネカの「 太陽電池、太陽電池モジュール、及び太陽電池の製造方法」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】太陽電池は、凹凸が設けられた第1面を有する光電変換基板101と、第1面に設けられ、第1面を露出する開口部を有する被覆層121と、開口部に設けられた電極122とを備えている。被覆層12... 詳細

  • 株式会社東芝の「 光電変換素子とその製造方法」が 公開されました。( 2021/04/01)

    【課題・解決手段】実施形態の光電変換素子(1)は、下部電極(4A)、光電変換部(5A)、及び上部電極(6A)を備える第1の光電変換部(3A)と、下部電極(4B)、光電変換部(5B)、及び上部電極(6B... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ