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技術 光学レンズ、映像表示装置、ヘッドマウントディスプレイ、光学シートおよび光学レンズの製造方法

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 石江正広阿川訓弘
出願日 2015年5月12日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-097181
公開日 2016年12月15日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-212316
状態 特許登録済
技術分野 レンズ以外の光学要素 その他の光学系・装置、色の干渉・色の制御
主要キーワード ウェアラブルデバイス 剥離開始部分 湾曲形 間隙量 短辺近傍 レンズ組立 ウェアラブルディスプレイ 光学機能部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月15日)のものです。
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図面 (20)

課題

レンズ組立工程において気泡の発生を抑え、これによって透過性劣化を抑えた光学レンズを提供する。

解決手段

第1の光学面2aを有する第1の光学部材2と、第2の光学面3aを有する第2の光学部材3と、第1の光学面2aまたは第2の光学面3aに形成され、光学機能を有する光学機能部材5と、光学機能部材5を介して、第1の光学面2aと第2の光学面3aとを接合する接合部材4とを有している。光学機能部材5は、平面視で幅方向に垂直な方向の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部を有している。

概要

背景

近年、情報伝達メディア発達に伴う高度情報社会到来により、様々な情報を効率的に出力することが強く望まれてきている。様々な情報の中でも、画像情報が占める割合は極めて高く、その情報を使用する場所を選ばない、高い携帯性のあるウェアラブルデバイスが、高度な情報処理活動を行う上において重要な役割を果たしている。

画像出力においては、ウェアラブルディスプレイへの期待が高まってきている。特に、アミューズメント分野から産業分野への広がりの中で、光学レンズを通して表示画像虚像)を観察しながら背景外界)を観察できる、いわゆる透過型ウェアラブルディスプレイへの期待が高まっている。透過型ウェアラブルディスプレイにおいては、光学レンズの透過性をより高めることで、背景と表示画像とを違和感無く観察でき、視覚ストレスを大きく低減できる。よって、光学レンズの透過性を高めることが重要となる。

上記光学レンズは、例えば、2つの光学部材の一方の接合面にホログラム光学素子を形成した後、2つの光学部材を接合部材接着剤)で接合することで構成される。ホログラム光学素子は、ホログラム感光材料を保持した光学シートホログラムシート)から所定の領域を切り出し、切り出した領域(以下、切出領域とも称する)を光学部材の接合面に貼り付け、切出領域のホログラム感光材料を露光することによって作製される。

ここで、上記切出領域の形状は、長方形状とするのが一般的である。例えば特許文献1では、シートに長方形状に切り込みを入れて枠状ホログラムを切り出し、この枠状ホログラムをガラス等の板状部材に貼り付ける技術が開示されている。

また、例えば特許文献2では、ホログラム原版にホログラムシートを貼り付けて露光することにより、ホログラムシートにホログラムを複製する技術が開示されている。ホログラムシートにおけるホログラム複製領域の形状は、平面視で長方形状である。この技術を上記光学レンズの作製に応用する場合、長方形状のホログラム複製領域をその形状(長方形状)で切り出して、光学部材の接合面に貼り付けることになる。

概要

レンズ組立工程において気泡の発生を抑え、これによって透過性劣化を抑えた光学レンズを提供する。第1の光学面2aを有する第1の光学部材2と、第2の光学面3aを有する第2の光学部材3と、第1の光学面2aまたは第2の光学面3aに形成され、光学機能を有する光学機能部材5と、光学機能部材5を介して、第1の光学面2aと第2の光学面3aとを接合する接合部材4とを有している。光学機能部材5は、平面視で幅方向に垂直な方向の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部を有している。

目的

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、レンズ組立工程において気泡の発生を抑え、これによって透過性劣化を抑えることができる光学レンズと、その光学レンズを備えた映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイと、上記光学レンズの製造に用いる光学シートと、その光学シートを用いた光学レンズの製造方法とを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1の光学面を有する第1の光学部材と、第2の光学面を有する第2の光学部材と、前記第1の光学面または前記第2の光学面に形成され、光学機能を有する光学機能部材と、前記光学機能部材を介して、前記第1の光学面と前記第2の光学面とを接合する接合部材とを有する光学レンズであって、前記光学機能部材は、平面視で幅方向に垂直な方向の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部を有していることを特徴とする光学レンズ。

請求項2

前記狭幅部の幅を規定する2辺のなす角度は、60°〜140°であることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。

請求項3

前記狭幅部の幅を規定する2辺は、前記端部に位置する曲率半径0.5mm以上の曲線部を介して連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学レンズ。

請求項4

前記光学機能部材は、前記幅方向に垂直な方向の両端部に、前記狭幅部を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学レンズ。

請求項5

前記光学機能部材は、ホログラム感光材料露光することによって作製されるホログラム光学素子であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光学レンズ。

請求項6

映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光観察者の瞳に導くための接眼光学系とを有する映像表示装置であって、前記接眼光学系は、請求項5に記載の光学レンズで構成されることを特徴とする映像表示装置。

請求項7

請求項6に記載の映像表示装置と、前記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持部材とを有していることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ

請求項8

樹脂シートに、ホログラム感光材料を含む複数層が保持されている光学シートであって、該光学シートには、前記複数層の切出領域の外形を形成し、かつ、前記樹脂シートから前記切出領域を剥離するための切り込みが入っており、前記切出領域は、平面視で幅方向に垂直な方向の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部を有していることを特徴とする光学シート。

請求項9

前記狭幅部の幅を規定する2辺のなす角度は、60°〜140°であることを特徴とする請求項8に記載の光学シート。

請求項10

前記狭幅部の幅を規定する2辺は、前記端部に位置する曲率半径0.5mm以上の曲線部を介して連結されていることを特徴とする請求項8または9に記載の光学シート。

請求項11

前記切出領域は、前記幅方向に垂直な方向の両端部に、前記狭幅部を有していることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の光学シート。

請求項12

前記複数層は、前記樹脂シート側から、前記ホログラム感光材料と、保護シートとを含むことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の光学シート。

請求項13

前記樹脂シートを第1の樹脂シートとすると、前記複数層は、前記第1の樹脂シート側から、粘着シートと、前記ホログラム感光材料と、第2の樹脂シートとを含むことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の光学シート。

請求項14

請求項12に記載の光学シートを用いて光学レンズを製造する、光学レンズの製造方法であって、前記光学シートの前記樹脂シートから、前記切出領域を前記狭幅部の前記端部を起点として剥離する工程と、剥離した前記切出領域を、2つの光学部材の一方の光学面に貼り付ける工程と、貼り付けた前記切出領域を露光して、ホログラム光学素子を作製する工程と、前記ホログラム光学素子を介して、前記2つの光学部材の各光学面を接合部材で接合する工程とを有していることを特徴とする光学レンズの製造方法。

請求項15

請求項13に記載の光学シートを用いて光学レンズを製造する、光学レンズの製造方法であって、前記光学シートの前記ホログラム感光材料を露光して、前記切出領域にホログラム光学素子を作製する工程と、前記光学シートの前記第1の樹脂シートから、前記切出領域を前記狭幅部の前記端部を起点として剥離する工程と、剥離した前記切出領域を、2つの光学部材の一方の光学面に前記粘着シートを介して貼り付ける工程と、貼付した前記切出領域を介して、前記2つの光学部材の各光学面を接合部材で接合する工程とを有していることを特徴とする光学レンズの製造方法。

請求項16

前記接合部材で接合する工程では、前記2つの光学部材の間隙に前記接合部材を注入し、硬化させることを特徴とする請求項14または15に記載の光学レンズの製造方法。

請求項17

前記接合部材で接合する工程では、前記2つの光学部材の一方の光学面上に前記接合部材を塗布し、前記2つの光学部材を所定の間隔に狭めて前記接合部材を前記光学面に沿って押し広げた後、前記接合部材を硬化させることを特徴とする請求項14または15に記載の光学レンズの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、光学機能部材(例えばホログラム光学素子)を挟んで2つの光学部材接合した光学レンズと、その光学レンズを備えた映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイと、例えば上記光学レンズの製造に用いられ、樹脂シートホログラム感光材料を保持した光学シートと、その光学シートを用いた光学レンズの製造方法とに関するものである。

背景技術

0002

近年、情報伝達メディア発達に伴う高度情報社会到来により、様々な情報を効率的に出力することが強く望まれてきている。様々な情報の中でも、画像情報が占める割合は極めて高く、その情報を使用する場所を選ばない、高い携帯性のあるウェアラブルデバイスが、高度な情報処理活動を行う上において重要な役割を果たしている。

0003

画像出力においては、ウェアラブルディスプレイへの期待が高まってきている。特に、アミューズメント分野から産業分野への広がりの中で、光学レンズを通して表示画像虚像)を観察しながら背景外界)を観察できる、いわゆる透過型ウェアラブルディスプレイへの期待が高まっている。透過型ウェアラブルディスプレイにおいては、光学レンズの透過性をより高めることで、背景と表示画像とを違和感無く観察でき、視覚ストレスを大きく低減できる。よって、光学レンズの透過性を高めることが重要となる。

0004

上記光学レンズは、例えば、2つの光学部材の一方の接合面にホログラム光学素子を形成した後、2つの光学部材を接合部材接着剤)で接合することで構成される。ホログラム光学素子は、ホログラム感光材料を保持した光学シート(ホログラムシート)から所定の領域を切り出し、切り出した領域(以下、切出領域とも称する)を光学部材の接合面に貼り付け、切出領域のホログラム感光材料を露光することによって作製される。

0005

ここで、上記切出領域の形状は、長方形状とするのが一般的である。例えば特許文献1では、シートに長方形状に切り込みを入れて枠状ホログラムを切り出し、この枠状ホログラムをガラス等の板状部材に貼り付ける技術が開示されている。

0006

また、例えば特許文献2では、ホログラム原版にホログラムシートを貼り付けて露光することにより、ホログラムシートにホログラムを複製する技術が開示されている。ホログラムシートにおけるホログラム複製領域の形状は、平面視で長方形状である。この技術を上記光学レンズの作製に応用する場合、長方形状のホログラム複製領域をその形状(長方形状)で切り出して、光学部材の接合面に貼り付けることになる。

先行技術

0007

特開平10−109811号公報(請求項1、2、段落〔0025〕〜〔0046〕、図5図6等参照)
特開平8−52749号公報(請求項1〜4、段落〔0017〕、図7等参照)

発明が解決しようとする課題

0008

透過型ウェアラブルディスプレイにおいて、光学レンズの透過性を高めるにあたっては、光学レンズを構成する複数の光学部材(例えばプリズム)や、複数の光学部材を接合する接合部材(例えば接着剤)の透過性を高めることはもとより、光学レンズの組立工程で生じる接合面内の気泡の残量を低減することが重要となる。上記気泡は視覚に影響し、透過性劣化視認性低下)につながるからである。

0009

光学レンズの組立工程(以下、レンズ組立工程とも称する)では、光学部材への光学シートの貼付時(貼付工程)と、2つの光学部材の接合時(接合工程)とで気泡が発生する。以下、各工程で気泡が発生するメカニズムについて説明する。

0010

光学シートの貼付工程では、光学部材としてのプリズムに、ミラーまたはホログラムのような光学機能を発揮させるための光学シートを貼り付ける。例えば、図27のように、光学シート100が、ベース材101、接合部材102、ホログラム感光材料103の3層で構成される場合、ベース材101の厚みの半分まで、ホログラム感光材料103側から刃物で切り込みを入れ、ベース材101をホログラム感光材料103とは反対側に鋭角屈曲させることで、切出領域(接合部材102およびホログラム感光材料103において切り込み内側の領域)を、ベース材101から剥離する。そして、剥離した上記切出領域を、接合部材102側からプリズムに貼り付ける。なお、光学シート100の接合部材102およびホログラム感光材料103における、切出領域以外の部分は、剥離時にベース材101側に残るが、図27ではその図示を省略している。プリズムに貼り付けられたホログラム感光材料103は、その後、露光されて光学機能部材103’(図29参照)となる。

0011

ここで、光学シート100の上記切出領域の形状が、従来のように長方形状である場合、切出領域のベース材101からの剥離は、切出領域の長辺方向の端部から行われることになる(短辺方向の端部から剥離するよりも剥離しやすいため)。このため、剥離時に、図28に示すように、切出領域(図ではホログラム感光材料103のみを図示)の上記端部全体に応力がかかる。つまり、剥離時の応力が、切出領域の短辺全体にかかる。その結果、剥離開始部分である短辺全体において、切出領域の接合部材102がベース材101側に引っ張られて、接合部材102がホログラム感光材料103と部分的に剥離しやすくなる。このように部分的に剥離した状態で切出領域をプリズムに貼り付けると、切出領域における接合部材102とホログラム感光材料103との部分的な剥離部分に気泡が巻き込まれる。

0012

なお、光学シート100が、ベース材、ホログラム光学材料、保護シートの3層で構成される場合でも、切出領域が長方形状である場合には、上記と同様に、切出領域のベース材からの剥離時に、ホログラム光学材料と保護シートとの間に部分的な剥離が生じ、切出領域の貼付時において、この剥離部分に気泡が巻き込まれる。

0013

一方、接合工程では、例えば、2つの光学部材の隙間に接着剤を注入して硬化させることで、2つの光学部材を接合する。ここで、図29は、上記長方形状の切出領域を一方の光学部材201の光学面に貼り付けて光学機能部材103’を形成し、その後、2つの光学部材間に接着剤を注入したときに、接着剤が広がる様子を模式的に示している。

0014

接着剤が2つの光学部材の隙間を流れて広がる中で、長方形状の光学機能部材103’の外形部(短辺)に接着剤が衝突すると、短辺近傍では接着剤の流れが滞り、接着剤が一定方向に流れなくなる。また、短辺近傍で流れが滞った接着剤は、光学機能部材103’の周辺を流れる接着剤と衝突することになるが、この衝突時に周りの空気を巻き込むことになり、気泡Aが発生する。短辺近傍では、接着剤の流れが滞っているため、発生した気泡Aは短辺近傍で動かなくなり、残留することになる。

0015

このように、光学シート100の切出領域が長方形状であったり、光学機能部材103’が長方形状である場合には、レンズ組立工程において、透過性劣化につながる気泡が発生するため、そのような気泡の発生を抑えることが望まれる。

0016

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、レンズ組立工程において気泡の発生を抑え、これによって透過性劣化を抑えることができる光学レンズと、その光学レンズを備えた映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイと、上記光学レンズの製造に用いる光学シートと、その光学シートを用いた光学レンズの製造方法とを提供することにある。

課題を解決するための手段

0017

本発明の一側面に係る光学レンズは、第1の光学面を有する第1の光学部材と、第2の光学面を有する第2の光学部材と、前記第1の光学面または前記第2の光学面に形成され、光学機能を有する光学機能部材と、前記光学機能部材を介して、前記第1の光学面と前記第2の光学面とを接合する接合部材とを有する光学レンズであって、前記光学機能部材は、平面視で幅方向に垂直な方向の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部を有している。

0018

上記光学レンズにおいて、前記狭幅部の幅を規定する2辺のなす角度は、60°〜140°であることが望ましい。

0019

上記光学レンズにおいて、前記狭幅部の幅を規定する2辺は、前記端部に位置する曲率半径0.5mm以上の曲線部を介して連結されていることが望ましい。

0020

前記光学機能部材は、前記幅方向に垂直な方向の両端部に、前記狭幅部を有していてもよい。

0021

前記光学機能部材は、ホログラム感光材料を露光することによって作製されるホログラム光学素子であってもよい。

0022

本発明の他の側面に係る映像表示装置は、映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光観察者の瞳に導くための接眼光学系とを有する映像表示装置であって、前記接眼光学系は、上記の光学レンズで構成される。

0023

本発明のさらに他の側面に係るヘッドマウントディスプレイは、上記の映像表示装置と、前記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持部材とを有している。

0024

本発明のさらに他の側面に係る光学シートは、樹脂シートに、ホログラム感光材料を含む複数層が保持されている光学シートであって、該光学シートには、前記複数層の切出領域の外形を形成し、かつ、前記樹脂シートから前記切出領域を剥離するための切り込みが入っており、前記切出領域は、平面視で幅方向に垂直な方向の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部を有している。

0025

上記光学シートにおいて、前記狭幅部の幅を規定する2辺のなす角度は、60°〜140°であることが望ましい。

0026

上記光学シートにおいて、前記狭幅部の幅を規定する2辺は、前記端部に位置する曲率半径0.5mm以上の曲線部を介して連結されていることが望ましい。

0027

前記切出領域は、前記幅方向に垂直な方向の両端部に、前記狭幅部を有していてもよい。

0028

前記複数層は、前記樹脂シート側から、前記ホログラム感光材料と、保護シートとを含んでいてもよい。

0029

前記樹脂シートを第1の樹脂シートとすると、前記複数層は、前記第1の樹脂シート側から、粘着シートと、前記ホログラム感光材料と、第2の樹脂シートとを含んでいてもよい。

0030

本発明のさらに他の側面に係る光学レンズの製造方法は、上記の光学シートを用いて光学レンズを製造する、光学レンズの製造方法であって、前記光学シートの前記樹脂シートから、前記切出領域を前記狭幅部の前記端部を起点として剥離する工程と、剥離した前記切出領域を、2つの光学部材の一方の光学面に貼り付ける工程と、貼り付けた前記切出領域を露光して、ホログラム光学素子を作製する工程と、前記ホログラム光学素子を介して、前記2つの光学部材の各光学面を接合部材で接合する工程とを有している。

0031

本発明のさらに他の側面に係る光学レンズの製造方法は、上記の光学シートを用いて光学レンズを製造する、光学レンズの製造方法であって、前記光学シートの前記ホログラム感光材料を露光して、前記切出領域にホログラム光学素子を作製する工程と、前記光学シートの前記第1の樹脂シートから、前記切出領域を前記狭幅部の前記端部を起点として剥離する工程と、剥離した前記切出領域を、2つの光学部材の一方の光学面に前記粘着シートを介して貼り付ける工程と、貼付した前記切出領域を介して、前記2つの光学部材の各光学面を接合部材で接合する工程とを有している。

0032

前記接合部材で接合する工程では、前記2つの光学部材の間隙に前記接合部材を注入し、硬化させてもよい。

0033

前記接合部材で接合する工程では、前記2つの光学部材の一方の光学面上に前記接合部材を塗布し、前記2つの光学部材を所定の間隔に狭めて前記接合部材を前記光学面に沿って押し広げた後、前記接合部材を硬化させてもよい。

発明の効果

0034

光学レンズの組立工程において気泡の発生を抑えることができ、これによって光学レンズの透過性劣化を抑えることができる。

図面の簡単な説明

0035

本発明の実施の一形態に係る光学レンズの概略の構成を示す斜視図である。
上記光学レンズの断面図である。
上記光学レンズが有する光学機能部材の形状を模式的に示す平面図である。
上記光学機能部材の一部の平面図である。
上記光学レンズの製造に用いる光学シートの概略の構成を示す断面図である。
上記光学シートの平面図である。
上記光学レンズの製造工程の流れを示すフローチャートである。
上記光学シートの切出領域の剥離時の様子を模式的に示す斜視図である。
上記切出領域において剥離開始時に応力がかかる箇所を模式的に示す説明図である。
上記光学レンズを構成する2つの光学部材の接合前の状態を示す斜視図である。
上記2つの光学部材の間隙に注入する接着剤の注入箇所を示す説明図である。
上記接着剤の注入時の上記光学レンズの断面図である。
上記間隙に注入された上記接着剤が流れ広がる様子を模式的に示す説明図である。
上記2つの光学部材の一方の光学面に接合部材を塗布して、上記2つの光学部材を接合する工程の一部を模式的に示す平面図である。
上記光学機能部材の他の形状を示す平面図である。
上記光学シートの切出領域の他の形状を示す平面図である。
上記光学機能部材のさらに他の形状を示す平面図である。
上記光学シートの切出領域のさらに他の形状を示す平面図である。
上記光学機能部材のさらに他の形状を示す平面図である。
上記光学シートの切出領域のさらに他の形状を示す平面図である。
他の光学シートの構成を示す断面図である。
上記他の光学シートの平面図である。
上記光学レンズの他の製造工程の流れを示すフローチャートである。
上記光学レンズが適用されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)の上面図である。
上記HMDの正面図である。
上記HMDの下面図である。
上記HMDの正面側からの斜視図である。
上記HMDの映像表示装置の断面図である。
従来の光学シートにおいて、ベース材を剥離する様子を模式的に示す断面図である。
上記ベース材の剥離時に残りの切出領域に応力がかかる箇所を模式的に示す説明図である。
上記切出領域を2つの光学部材の一方の光学面に貼り付けて光学機能部材を形成し、2つの光学部材間に接着剤を注入したときに、接着剤が広がる様子を模式的に示す説明図である。

実施例

0036

本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をa〜bと表記した場合、その数値範囲に下限aおよび上限bの値は含まれるものとする。また、本発明は、以下の内容に限定されるものではない。

0037

(光学レンズの構成)
図1は、本実施形態の光学レンズ1の概略の構成を示す斜視図であり、図2は、光学レンズ1の断面図である。なお、図2において、太い実線は、本実施形態の光学レンズ1を後述する映像表示装置51(図26参照)に適用したときの映像光の光路を示している。光学レンズ1は、光学部材2(第1の光学部材)と光学部材3(第2の光学部材)とを接合部材4で接合して構成されている。

0038

光学部材2・3は、透明な樹脂またはガラスからなるプリズムである。光学部材2は、第1の光学面としての面2aを有している。光学部材3は、第2の光学面としての面3aを有している。面2aおよび面3aは、光学部材2・3の接合時に、互いに対向する位置関係にある。面2aおよび面3aは、例えば一方向にのみ曲率を有する曲面(凸面または凹面)でそれぞれ形成されているが、平面で形成されてもよい。接合部材4は、2部材を接着する接着剤であり、例えば紫外線照射によって硬化する光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂で構成される。

0039

面2aには、光学機能を有する光学機能部材5が形成されている。光学機能部材5としては、例えば入射光のうち、所定の波長域の光のみを回折反射する、体積位相型のホログラム光学素子5aを考えることができる。このようなホログラム光学素子5aは、例えば、ホログラム感光材料を樹脂シートに保持した光学シート(ホログラムシート)において、面2aに貼り付ける領域を所定の形状で切り出し、切り出した領域(切出領域)を樹脂シートから剥離して面2aに貼り付け、貼り付けた切出領域のホログラム感光材料を露光することによって作製される。このように面2aにホログラム光学素子5aを形成することにより、面2aに光学機能(回折反射機能)を付与することができる。なお、光学機能部材5(ホログラム光学素子5a)を面3aに形成して、面3aに光学機能を付与してもよい。

0040

(光学機能部材の平面形状)
図3は、光学機能部材5の形状を模式的に示す平面図であり、図4は、図3の光学機能部材5の一部の平面図である。光学機能部材5は、等幅部11と、狭幅部12とを有している。本実施形態では、狭幅部12は、等幅部11を間に挟むようにその両側に設けられている。

0041

なお、以下での説明の便宜上、平面視で、光学機能部材5の幅方向をD1方向とし、その幅方向(D1方向)に垂直な方向をD2方向とする。なお、光学機能部材5がD2方向に長尺状である場合は、D2方向は長尺方向とも言うことができる。以下で述べる光学機能部材5の形状は、特に断らない限り、平面視での形状(D1方向およびD2方向を含む面内での形状)を指すものとする。

0042

等幅部11は、D1方向の幅がD2方向に均一な部分であり、光学機能部材5の光学機能(ホログラム光学素子5aの場合は回折反射機能)を発揮する部分である。図3に示すように、等幅部11は、光学部材2の面2aの湾曲形状に応じて、D1方向およびD2方向を含む面内で湾曲しているが、このような湾曲形状であっても、D1方向の幅は、D2方向のどの位置でもW0で均一となっている。なお、光学部材2の面2aが平面である場合、等幅部11は、D1方向およびD2方向を含む面内で湾曲しない四角形状(例えば長方形状)であってもよい(図15参照)。

0043

各狭幅部12は、等幅部11に対してD2方向の両側に、等幅部11と連続してそれぞれ設けられている。そして、いずれの狭幅部12も、D2方向の端部に近づくにつれてD1方向の幅が狭くなる形状で形成されている。例えば、一方の狭幅部12のD2方向の異なる位置での幅を、等幅部11側からW1、W2としたとき、W2<W1である。そして、狭幅部12と等幅部11との連結箇所では、狭幅部12の幅は、等幅部11の幅W0と一致する。また、各狭幅部12は、等幅部11のD2方向の中央を通り、D1方向に平行な軸に対して、線対称な形状および位置関係となっている。

0044

各狭幅部12の外形(平面形状)は、2辺12a・12bと、これらの辺12a・12bを連結する曲線部12cとによって規定される。2辺12a・12bは、狭幅部12の幅を規定する辺であり、2辺12a・12bのなす角度は60°〜140°に設定されている。曲線部12cは、D2方向の端部に位置して2辺12a・12bを連結している。曲線部12cは、曲率半径が0.5mm以上であり、D2方向の外側(等幅部11とは反対側)に向かって凸となる形状で形成されている。

0045

このような光学機能部材5は、以下に示す光学シートを用いて作製される。以下、この光学シートについて説明する。

0046

(光学シートについて)
図5は、本実施形態の光学シート20の概略の構成を示す断面図である。光学シート20は、樹脂シート21に複数層を保持して構成されている。上記の複数層は、樹脂シート21側から、ホログラム感光材料22および保護シート23を含んでいる。

0047

樹脂シート21は、光学機能部材5を製作するための基材であり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)のような樹脂からなる薄膜シートで構成されている。ホログラム感光材料22は、ホログラム光学素子5aを作製するための感光材料であり、例えばフォトポリマーで構成されている。ホログラム感光材料22は、ゲル状であり、粘着性を有している。保護シート23は、ホログラム感光材料22を覆う保護部材であり、例えばTAC(トリアセチルセルロース)のような樹脂からなる薄膜シートで構成されている。樹脂シート21側から数えて、2層目および3層目のホログラム感光材料22および保護シート23の所定の領域(後述する切出領域20R)は、上記した光学機能部材5の作製に用いられる。

0048

光学シート20には、保護シート23側から樹脂シート21の途中まで、切り込み20Lが入っている。すなわち、樹脂シート21は、厚み方向に全カットではなく、ハーフカットされている。上記の切り込み20Lは、該光学シート20から切り出される切出領域20Rの外形を規定しており、切出領域20Rを所定の形状で樹脂シート21から剥離するために形成されている。切出領域20Rには、ホログラム感光材料22の切出領域22Rと、保護シート23の切出領域23Rとが含まれる。

0049

図6は、光学シート20の平面図である。光学シート20の切出領域20Rは、等幅部20R1と、これに隣接する狭幅部20R2とを有している。本実施形態では、狭幅部20R2は、等幅部20R1を間に挟むようにその両側に設けられている。切出領域20Rは、上記の光学機能部材5に対応しており、切出領域20Rの平面形状は、光学機能部材5の平面形状と同じである。また、切出領域20Rの等幅部20R1および狭幅部20R2は、光学機能部材5の等幅部11および狭幅部12にそれぞれ対応している。等幅部20R1および狭幅部20R2の平面形状は、等幅部11および狭幅部12の平面形状と同じである。

0050

以下、切出領域20Rの等幅部20R1および狭幅部12の形状について、確認的に述べておく。なお、図6においても、面内の各方向について、図3と同様の定義を用いる。つまり、光学シート20の平面視で、切出領域20Rの幅方向をD1方向とし、その幅方向(D1方向)に垂直な方向をD2方向とする。

0051

等幅部20R1は、D1方向の幅がD2方向に均一な部分である。図6では、等幅部20R1のD1方向の幅は、D2方向のどの位置でもW0で均一となっている。各狭幅部20R2は、等幅部20R1に対してD2方向の両側に、等幅部20R1と連続してそれぞれ設けられており、いずれも、D2方向の端部に近づくにつれてD1方向の幅が狭くなる形状で形成されている。等幅部20R1との連結箇所では、各狭幅部20R2の幅は、等幅部20R1の幅W0と一致している。また、各狭幅部20R2は、等幅部20R1のD2方向の中央を通り、D1方向に平行な軸に対して、線対称な形状および位置関係となっている。

0052

各狭幅部20R2の外形(平面形状)は、2つの辺20a・20bと、これらの辺20a・20bを連結する曲線部20cとによって規定される。2辺20a・20bは、狭幅部20R2の幅を規定する辺であり、2辺20a・20bのなす角度は、60°〜140°に設定されている。曲線部20cは、D2方向の端部に位置して2辺12a・12bを連結している。曲線部20cは、曲率半径が0.5mm以上であり、D2方向の外側(等幅部20R1とは反対側)に向かって凸となる形状で形成されている。

0053

(光学レンズの製造方法について)
次に、光学シート20を用いて光学レンズ1を製造する方法について、図7を参照しながら説明する。図7は、光学レンズ1の製造工程の流れを示すフローチャートである。

0054

まず、図6で示したように、光学シート20に、切出領域20Rの外形を形成する切り込み20Lを入れる(S1;切断工程)。すなわち、3層目の保護シート23側から刃物を入れ、1層目の樹脂シート21の厚みの半分のところで刃物の進入(切断)を止めることで、光学シート20に切り込み20Lを入れる。

0055

続いて、光学シート20の1層目の樹脂シート21から、2層目および3層目の切出領域20R(切出領域22R、切出領域23R)を、切り込み20Lに沿って剥離する(S2;剥離工程)。より詳細には、図8に示すように、剥離用板31上で、樹脂シート21が剥離用板31側となるように光学シート20をD2方向に搬送し、光学シート20の切出領域20R以外の3層を、ローラ32と剥離用板31との間を通るように鋭角に曲げる。これにより、狭幅部20R2におけるD2方向の端部(曲線部20c側)を起点として、切出領域20Rが剥離される。

0056

このとき、図9に示すように、剥離開始時に切出領域20Rにかかる応力は、狭幅部20R2におけるD2方向の端部のほぼ1点に集中する。なお、切出領域の形状が長方形状である場合に比べて(短辺全体に剥離時の応力がかかる構成に比べて)、約5〜7倍の応力を狭幅部20R2の上記端部に集中させることができることが、シミュレーションによりわかっている。

0057

剥離開始時の応力が上記端部に集中することで、剥離開始時に、切出領域20Rの2層目(ホログラム感光材料22)が1層目(樹脂シート21)側に引っ張られる箇所も、D1方向全体ではなく、ほぼ1点(局所的)となる。このため、切出領域の形状が長方形状で、短辺全体に剥離時の応力がかかる構成に比べて、剥離開始時に2層目と3層目とが剥離しにくくなる。このように2層目と3層目との部分的な剥離を抑えたまま、切出領域20Rの剥離が上記端部からD2方向に徐々に進行し、全面の剥離が終了する。剥離された切出領域20Rは、例えば吸着部材(図示せず)によって保護シート23側を吸着しながら搬送される。

0058

次に、剥離した切出領域20Rを、上記吸着部材によって吸着、保持しながら、2つの光学部材2・3の一方の光学面(例えば面2a)の貼り付け位置まで搬送し、ローラ等で押し付けることにより、切出領域20Rをホログラム感光材料22側から上記光学面に貼り付ける(S3;貼付工程)。なお、ホログラム感光材料22は粘着性を有しているため、その粘着性によって切出領域20Rが光学面に貼り付けられる。

0059

そして、上記光学面に貼り付けた切出領域20Rを2光束で露光して、ホログラム感光材料22に干渉縞を形成し、光学機能部材5としてのホログラム光学素子5aを作製する(S4;HOE作成工程)。その後、ホログラム光学素子5aを介して、前記2つの光学部材2・3の各光学面を接合部材4(例えば接着剤)で接合する(S5;接合工程)。

0060

上記接合工程について、より詳細に説明する。図10は、2つの光学部材2・3の接合前の状態を示す斜視図であり、図11は、2つの光学部材2・3の各光学面間の間隙に対する接着剤の注入箇所を示している。

0061

まず、光学部材2・3を一定の間隙を設けて固定する。このときの間隙量は、間隙の中に注入する接着剤の硬化収縮によって、光学機能部材5が変形しない厚み(例えば10〜100μm)に設定される。

0062

次に、上記間隙に接着剤を注入する。このとき、間隙から外部に接着剤が漏れるのを防ぐため、図12に示すように、光学部材2・3を挟むように、撥水性の高い樹脂シート35・36を配置し、さらにその外側に、例えばガラスなどの平面性のある固定部材37・38を配置して、光学部材2・3を挟み込む。なお、上記間隙に対して接着剤を注入および排出する側には、樹脂シート35・36および固定部材37・38を配置しない。

0063

なお、光学部材2・3の表面の段差(プリズム厚みの誤差)を吸収して、封止性をより高めるため、図12のように、必要に応じて、樹脂シート36と固定部材38との間に、ゴムなどの弾性部材39を配置してもよい。また、一方の平面板(例えば固定部材37)を透明材にしてもよい。これにより、接着剤として紫外線硬化型接着剤を用いたときに、その平面板を介して硬化用の紫外線を接着剤に照射し、接着剤を硬化させることができる。

0064

次に、光学機能部材5(ホログラム光学素子5a)の狭幅部12側から、光学部材2・3の間隙に接着剤を注入し、硬化させる。より具体的には、光学部材2・3の間隙の側方に、封止性が高く、中央に小径の穴を設けた部材を押し当て、その穴より接着剤を上記間隙に注入する。そして、上記間隙全体に接着剤が広がった時点で、接着剤の注入を停止する。その後、紫外線照射により、接着剤を硬化させる。これにより、光学部材2・3が接着剤で接合される。なお、光学部材2・3の上記間隙に対して接着剤の注入側とは反対側から、余剰の接着剤を排出し、取り除くようにしてもよい。

0065

以上のように、本実施形態の光学レンズ1を構成する光学機能部材5は、平面視で幅方向(D1方向)に垂直な方向(D2方向)の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部12を有している。このような光学機能部材5は、上述した光学シート20を用いることによって作製することができる。すなわち、光学シート20には、切出領域20Rの外形を形成し、かつ、樹脂シート21から切出領域20Rを剥離するための切り込み20Lが入っている。上記の切出領域20Rは、平面視で幅方向(D1方向)に垂直な方向(D2方向)の端部に近づくにつれて、幅が狭くなる狭幅部20R2を有している。これにより、以下の効果を得ることができる。

0066

切出領域20Rが狭幅部20R2を有していることにより、光学シート20から切出領域20Rを剥離する際に、上述したように、剥離開始時の応力を狭幅部20R2のD2方向の端部に集中させて、切出領域20Rの複数層を構成するホログラム感光材料22と保護シート23とが部分的に剥離するのを抑えることができる。これにより、剥離した切出領域20Rの光学面(例えば面2a)への貼付時に、ホログラム感光材料22と保護シート23との間に気泡が入るのを低減することができる。また、剥離開始時の応力を上記端部に集中させることにより、切出領域20Rの剥離もスムーズに行われ、剥離性も向上する。

0067

また、切出領域20Rが狭幅部20R2を有し、この切出領域20Rを用いて作製される光学機能部材5が狭幅部12を有していることにより、接合工程での接着剤の注入時に気泡が発生するのも低減できる。つまり、図13に示すように、注入される接着剤は、狭幅部12の端部に当たっても、そこで幅方向にスムーズに分離され、狭幅部12の辺12a・12bに沿って流れる。このため、辺12a・12bの近傍とその周囲とで接着剤同士が激しく衝突して、周りの空気を巻き込むのを低減でき、その結果、気泡の発生を低減できる。しかも、辺12a・12b近傍の接着剤は、その辺12a・12bに沿って流れるため、仮に、辺12a・12b近傍で何らかの原因で気泡Aが発生したとしても、その気泡Aは接着剤の流れに乗って下流側に運ばれ、不要な接着剤とともに排出される。このため、気泡Aが光学部材2・3の間隙内で滞留することもない。また、光学部材2・3の間隙にゴミ混入したとしても、上記のような接着剤の流れによって排出することが可能である。

0068

このように、光学レンズ1の組立工程(貼付工程、接合工程を含む)において、気泡の発生を抑え、ゴミの混入も回避することができるため、光学レンズ1の透過性劣化を抑えることができる。その結果、高いシースルー性を持つ情報出力デバイスとしての光学レンズ1を製造することができる。

0069

また、狭幅部12の幅を規定する2辺12a・12bのなす角度は、60°〜140°である。この構成は、狭幅部20R2の2辺20a・20bのなす角度を60°〜140°に設定した光学シート20を用いて光学機能部材5を作製することで容易に実現することができる。

0070

上記角度を140°以下とすることにより、狭幅部12のD2方向の端部が先鋭に近づくため、注入時に狭幅部12の上記端部に衝突した接着剤を、D1方向に確実に分離し、周りの空気を巻き込まずに辺12a・12bに沿って接着剤を流すことができる。その結果、接合時の気泡の発生および残留を確実に低減することができる。また、上記角度を60°以上にすることで、等幅部11のD2方向の長さおよび面積を大きくして、光学機能を発揮できる領域(有効領域)を大きく確保することができる(光学機能部材5のD2方向の長さを一定としたとき、上記角度が60°未満であると、狭幅部12がD2方向に長くなるため、等幅部11のD2方向の長さおよび面積が小さくなる)。

0071

また、狭幅部12の幅を規定する2辺12a・12bは、D2方向の端部に位置する曲率半径0.5mm以上の曲線部12cを介して連結されている。この構成は、光学シート20において、狭幅部20R2の2辺20a・20bを、D2方向の端部に位置する曲率半径0.5mm以上の曲線部20cを介して連結し、この光学シート20を用いて光学機能部材5を作製することで容易に実現することができる。

0072

このように、狭幅部12のD2方向の端部に曲率を持たせることにより、上記端部の強度を確保することができ、レンズ組立工程における上記端部の折れ曲がりや破損を低減することができる。

0073

また、本実施形態では、光学機能部材5は、D2方向の両端部に狭幅部12を有している。この構成は、切出領域20RがD2方向の両端部に狭幅部20R2を有する光学シート20を用いて光学機能部材5を作製することによって容易に実現することができる。

0074

光学機能部材5が両端に狭幅部12を有していることにより、接合工程では、図13で示したように、一方の狭幅部12の側から接着剤を注入し、他方の狭幅部12の側から接着剤を排出させることができる。このとき、接着剤の排出側でも、狭幅部12のD1方向の幅がD2方向の端部(注入側とは反対側)に向かうにつれて徐々に狭くなることで、接着剤が辺12a・12bに沿ってスムーズに流れて排出され、接着剤の流れが滞ることがない。また、仮に何らかの原因で気泡が発生したとしても、上記接着剤の流れに乗せて気泡を排出することができる。よって、光学部材2・3の間隙に気泡が残留するのを確実に低減することができる。

0075

また、光学機能部材5は、ホログラム感光材料22を露光することによって作製されるホログラム光学素子5aである。ホログラム光学素子5aは、波長選択性を有しており、入射光のうち、所定の波長域の光のみを回折反射させ、残りの光を透過させる光学機能を有している。したがって、本実施形態の光学レンズ1を、映像と外界とを同時に観察させる透過型ウェアラブルディスプレイに適用することが可能となる。つまり、ホログラム光学素子5aにて、映像光を回折反射させて観察者の瞳に導く一方、外界の光を透過させることができるため、透過型ウェアラブルディスプレイに好適な光学レンズ1を実現することができる。

0076

また、光学シート20の樹脂シート21上の複数層は、樹脂シート21側から、ホログラム感光材料22と、保護シート23とを含んでおり、光学シート20は全体で3層構造となっている。このような3層構造の光学シート20において、上述のように切出領域20Rの外形を規定することにより、切出領域20Rの剥離時に、複数層の間(ホログラム感光材料22と保護シート23との間)で部分的な剥離が生じ、貼付時にその剥離部分に気泡が巻き込まれる事態を低減することができる。

0077

また、光学レンズ1の製造方法は、光学シート20の樹脂シート21から、狭幅部20R2のD2方向の端部を起点として切出領域20Rを剥離する工程(S2)と、剥離した切出領域20Rを、2つの光学部材2・3の一方の光学面(例えば面2a)に貼り付ける工程(S3)と、貼り付けた切出領域20Rを露光して、ホログラム光学素子5aを作製する工程(S4)と、ホログラム光学素子5aを介して、2つの光学部材2・3の各光学面を接合部材4で接合する工程(S5)とを有している。このような工程を経て光学レンズ1を製造することにより、レンズ組立工程での気泡の発生を抑えることができる。

0078

また、S5の接合工程では、2つの光学部材2・3の間隙に接合部材4を注入し、硬化させる。このように、接合部材4の注入、硬化によって、2つの光学部材2・3を接合する場合において、気泡の発生を抑える本実施形態の効果を得ることができる。

0079

ところで、S5の接合工程での接合は、上記間隙への接合部材4の注入、硬化による接合に限定されるわけではない。例えば、図14に示すように、2つの光学部材2・3の一方の光学面(例えば面2a)に接合部材4を塗布し、2つの光学部材2・3を所定の間隔(接着剤注入時の上記間隙と同じ間隔)に狭めて、接合部材4を光学面に沿って押し広げた後、接合部材4を硬化させるようにしてもよい。

0080

例えば、光学部材2の面2aにおいて、光学機能部材5の一方の狭幅部12のD2方向端部の近傍外側に接合部材4を塗布すると、その接合部材4は、光学部材2・3の間隔を狭めることによって、光学面に沿って濡れ広がる。この場合でも、接合部材4は、図13の場合と同様に、一方の狭幅部12の辺12a・12bに沿って、周囲の接合部材4と衝突することなく(空気を巻き込むことなく)流れるため、気泡が発生するのを低減できる。また、他方の狭幅部12の近傍では、狭幅部12の幅が端部に向かって徐々に狭くなることで、接合部材4が排出側に向かってスムーズに広がる。このため、接合工程においてたとえ何らかの原因で気泡が発生したとしても、その気泡を接合部材4の流れに乗せてレンズ外に排出することができる。よって、上記のように、接合部材4を光学面に塗布して光学部材2・3を接合する場合でも、接合工程において光学部材2・3の間に気泡が残留するのを低減することができる。

0081

なお、光学シート20は、樹脂シート、接合部材、反射部材の3層がこの順で積層された構成であってもよい。上記の反射部材は、例えば金属薄膜多層膜を含む)の蒸着によって形成することができる。この場合は、光学機能部材5を、全反射ミラーハーフミラーとして機能させることができる。このような光学シート20の構成であっても、本実施形態のように切出領域20Rの形状を設定することにより、レンズ組立工程における気泡の発生を低減することができる。

0082

(光学機能部材および切出領域の他の形状)
図15および図16は、光学機能部材5および切出領域20Rの他の形状を示す平面図である。図15に示すように、光学機能部材5の等幅部11は、平面視で、長辺方向がD2方向となるような長方形状であってもよい。また、図16に示すように、光学シート20の切出領域20Rの等幅部20R1についても、平面視で、長辺方向がD2方向となるような長方形状であってもよい。

0083

図17および図18は、光学機能部材5および切出領域20Rのさらに他の形状を示す平面図である。図17に示すように、光学機能部材5の狭幅部12の外形は、平面視で、第1の曲線部12d、第2の曲線部12eおよび第3の曲線部12fで規定されていてもよい。第1の曲線部12dおよび第2の曲線部12eは、幅方向であるD1方向に向かい合い、かつ、光学機能部材5の内側に窪んだ凹形状となっている。第3の曲線部12fは、第1の曲線部12dおよび第2の曲線部12eを、D2方向の端部の位置で連結する曲線部であり、光学機能部材5の外側に膨らんだ凸形状となっている。

0084

図18に示すように、光学シート20の切出領域20Rの狭幅部20R2の外形は、平面視で、第1の曲線部20d、第2の曲線部20eおよび第3の曲線部20fで規定されていてもよい。第1の曲線部20dおよび第2の曲線部20eは、幅方向であるD1方向に向かい合い、かつ、切出領域20Rの内側に窪んだ凹形状となっている。第3の曲線部20fは、第1の曲線部20dおよび第2の曲線部20eを、D2方向の端部の位置で連結する曲線部であり、切出領域20Rの外側に膨らんだ凸形状となっている。

0085

図19および図20は、光学機能部材5および切出領域20Rのさらに他の形状を示す平面図である。図19に示すように、光学機能部材5の狭幅部12の外形は、平面視で、第1の曲線部12g、第2の曲線部12hおよび第3の曲線部12iで規定されていてもよい。第1の曲線部12gおよび第2の曲線部12hは、幅方向であるD1方向に向かい合い、かつ、光学機能部材5の外側に膨らんだ凸形状となっている。第3の曲線部12iは、第1の曲線部12gおよび第2の曲線部12hを、D2方向の端部の位置で連結する曲線部であり、光学機能部材5の外側に膨らんだ凸形状となっている。

0086

図20に示すように、光学シート20の切出領域20Rの狭幅部20R2の外形は、平面視で、第1の曲線部20g、第2の曲線部20hおよび第3の曲線部20iで規定されていてもよい。第1の曲線部20gおよび第2の曲線部20hは、幅方向であるD1方向に向かい合い、かつ、切出領域20Rの外側に膨らんだ凸形状となっている。第3の曲線部20iは、第1の曲線部20gおよび第2の曲線部20hを、D2方向の端部の位置で連結する曲線部であり、切出領域20Rの外側に膨らんだ凸形状となっている。

0087

光学機能部材5および切出領域20Rの外形が、図15図20で示した形状であっても、光学機能部材5の狭幅部12および切出領域20Rの狭幅部20R2が、平面視でD2方向の端部に近づくにつれて幅が狭くなる形状であるため、レンズ組立工程における気泡の発生を低減して、光学レンズ1の透過性劣化を抑えることができる。

0088

なお、以上では、光学機能部材5の狭幅部12のD2方向の端部、および切出領域20Rの狭幅部20R2のD2方向の端部が、幅方向の中央の位置にある場合について説明したが、幅方向の中央よりもD1方向にずれて位置していてもよい。

0089

また、以上では、光学シート20に形成する切出領域20Rの個数を1つとしたが、光学シート20を長尺状に形成して、その長尺方向に切出領域20Rを所定間隔空けて複数並べて形成してもよい。

0090

(他の光学シートの構成)
図21は、光学機能部材5の作製に用いることが可能な、他の光学シート40の構成を示す断面図である。光学シート40は、第1の樹脂シート41上に、OCA(Optical Clear Adhesive)とも呼ばれる光学粘着シート42と、ゲル状のホログラム感光材料43と、第2の樹脂シート44とを積層して構成されている。

0091

光学シート40には、第2の樹脂シート44側から第1の樹脂シート41の途中まで、切り込み40Lが入っている。すなわち、樹脂シート41は、厚み方向に全カットではなく、ハーフカットされている。上記の切り込み40Lは、該光学シート40から切り出される切出領域40Rの外形を規定しており、切出領域40Rを所定の形状で樹脂シート41から剥離するために形成されている。切出領域40Rには、光学粘着シート42の切出領域42Rと、ホログラム感光材料43の切出領域43Rと、第2の樹脂シート44の切出領域44Rとが含まれる。

0092

図22は、光学シート40の平面図である。光学シート40の切出領域40Rの平面視での形状は、上述した光学シート20の切出領域20Rの形状と同様である。すなわち、光学シート40の切出領域40Rは、等幅部40R1と、狭幅部40R2とを有している。切出領域40Rは、上記の光学機能部材5に対応しており、切出領域40Rの平面形状は、光学機能部材5の平面形状と同じである。切出領域40Rの等幅部40R1および狭幅部40R2は、光学機能部材5の等幅部11および狭幅部12にそれぞれ対応しており、等幅部40R1および狭幅部40R2の平面形状は、等幅部11および狭幅部12の平面形状と同じである。

0093

等幅部40R1は、D1方向の幅がD2方向に均一な部分である。狭幅部40R2は、等幅部40R1に対してD2方向の両側に、等幅部40R1と連続して設けられている。各狭幅部40R2は、D2方向の端部に近づくにつれてD1方向の幅が狭くなる形状で形成されている。等幅部40R1との連結箇所では、各狭幅部40R2の幅は、等幅部20R1の幅と一致している。また、各狭幅部40R2は、等幅部40R1のD2方向の中央を通り、D1方向に平行な軸に対して、線対称な形状および位置関係となっている。

0094

各狭幅部40R2の形状は、2つの辺40a・40bと、これらの辺40a・40bをD2方向の端部の位置で連結する曲線部40cとによって規定される。2辺40a・40bのなす角度は、60°〜140°に設定されている。曲線部40cは、曲率半径が0.5mm以上で、D2方向の外側(等幅部40R1とは反対側)に向かって凸となる形状で形成されている。

0095

次に、光学シート40を用いて光学レンズ1を製造する方法について、図23を参照しながら説明する。図23は、光学レンズ1の他の製造工程の流れを示すフローチャートである。

0096

まず、光学シート40に、切出領域40Rの外形を形成する切り込み40Lを入れる(S11;切断工程)。すなわち、4層目の第2の樹脂シート44側から刃物を入れ、1層目の第1の樹脂シート41の厚みの半分のところで刃物の進入(切断)を止めることで、光学シート40に切り込み40Lを入れる。

0097

次に、光学シート40のホログラム感光材料43を露光して、切出領域40Rにホログラム光学素子5を作製する(S12;HOE作成工程)。そして、光学シート40の第1の樹脂シート41から、切り込み40Lに沿って、ホログラム光学素子5が形成された切出領域40Rを剥離する(S13;剥離工程)。このとき、切出領域40Rの狭幅部40R2の端部(曲線部40c側)を起点として、第1の樹脂シート41から切出領域40Rを剥離する。

0098

続いて、S13にて剥離した切出領域40Rを、2つの光学部材2・3の一方の光学面(例えば面2a)に光学粘着シート42を介して貼り付ける(S14;貼付工程)。その後、切出領域40Rを介して、2つの光学部材2・3の各光学面を接合部材4で接合する(S15;接合工程)。

0099

このように、光学シート40の第1の樹脂シート41上の複数層は、第1の樹脂シート41側から、光学粘着シート42と、ホログラム感光材料43と、第2の樹脂シートとを含んでおり、光学シート40は全体で4層構造となっている。このような4層構造の光学シート40を用いた場合でも、切出領域40Rの外形形状を光学シート20の切出領域20Rと同様に規定することにより、切出領域40Rの剥離時において、複数層の間(例えば光学粘着シート42とホログラム感光材料43との間)での部分的な剥離を抑えることができる。その結果、剥離した切出領域40Rの光学面への貼付時に、複数層の間に気泡が巻き込まれる事態を低減することができる。

0100

また、上記したS11〜S15の各工程を経て光学レンズ1を製造することにより、レンズ組立工程(貼付工程、接合工程を含む)での気泡の発生を抑えることができる。

0101

(光学レンズの応用例)
次に、本実施形態の光学レンズ1の応用例について説明する。上記した光学レンズ1は、例えば観察者に映像(虚像)を観察させるとともに、外界をシースルーで観察させるヘッドマウントディスプレイ(HMD)に適用可能である。以下、このHMDについて説明する。

0102

図24A図24Bおよび図24Cは、本実施形態のHMD50の上面図、正面図、下面図であり、図25は、HMD50の正面側からの斜視図である。なお、図24A等では、必要に応じて、直交する3軸XYZの各方向を示す。XYZの各方向は、観察者の眼幅方向(左右方向)、前後方向、上下方向にそれぞれ対応している。

0103

HMD50は、映像表示装置51と、フレーム52と、レンズ53と、鼻当て54と、位置調整機構55とを有している。上述した本実施形態の光学レンズ1は、映像表示装置51の観察光学系70(図26参照)に適用されているが、映像表示装置51の詳細については後述する。

0104

フレーム52は、眼鏡のフレームに相当するものであり、観察者の頭部に装着され、映像表示装置51を支持する支持部材である。このフレーム52は、観察者の左右の側頭部に当接するテンプルを含んでいる。

0105

レンズ53は、観察者の右眼および左眼の眼前に配置される右眼用レンズ53Rおよび左眼用レンズ53Lを含んでいる。右眼用レンズ53Rおよび左眼用レンズ53Lは、右連結部56Rおよび左連結部56Lを介して、位置調整機構55と連結されている。右眼用レンズ53Rおよび左眼用レンズ53Lは、視力矯正用のレンズであってもよいし、視力矯正を行わない単なるダミーレンズであってもよい。

0106

鼻当て54は、観察者のと当接する右鼻当て54Rおよび左鼻当て54Lを含んでいる。右鼻当て54Rおよび左鼻当て54Lは、右連結部57Rおよび左連結部57Lを介して、位置調整機構55と連結されている。

0107

位置調整機構55は、フレーム52に対して鼻当て54を観察者の眼幅方向に垂直な上下方向に相対的に移動させることにより、フレーム52で支持された映像表示装置51の上下方向の位置を調整する機構である。なお、位置調整機構55を設けることなく、レンズ53および鼻当て54をフレーム52に直接固定した構成としてもよい。

0108

図26は、映像表示装置51の断面図である。映像表示装置51は、観察者に虚像を観察させるためのユニットであり、画像を生成する画像生成部60と、観察光学系70とを有している。画像生成部60は、筐体51a(図24A等参照)内に、光源61、一方向拡散板62、集光レンズ63および表示素子64を有している。

0109

光源61は、表示素子64を照明するものであり、例えば、光強度のピーク波長および光強度半値波長幅で462±12nm(B光)、525±17nm(G光)、635±11nm(R光)となる3つの波長帯域の光を発するRGB一体型LEDで構成されている。一方向拡散板62は、入射光をX方向に拡散する一方、X方向と垂直な方向には拡散しない拡散板である。集光レンズ63は、入射光をYZ平面内で集光する光学系である。表示素子64は、光源61からの出射光を画像データに応じて変調して画像を表示するものであり、光が透過する領域となる各画素マトリクス状に有する透過型の液晶表示素子(LCD)で構成されている。なお、表示素子64は、反射型の表示素子であってもよい。光源61および表示素子64への電源供給や、表示素子64への画像データの伝送は、図示しないケーブルを介して行われる。

0110

観察光学系70は、上記した光学レンズ1で構成されており、接眼プリズムとしての光学部材2と、偏向プリズムとしての光学部材3と、光学機能部材5とを有している。光学機能部材5は、光学部材2の面2aに形成されている。光学部材2・3は、接合部材4(図2参照)で接合されている。

0111

例えば、光学部材2に光学部材3を接合せずに観察光学系70を構成した場合、外界からの光(外光)は、光学部材2の下端部の面2aを透過するときに屈折するので、光学部材2を介して観察される外界像に歪みが生じる。しかし、光学部材2に光学部材3を接合させて一体的な略平行平板を形成することにより、外光が面2aを透過するときの屈折を光学部材3でキャンセルすることができる。その結果、シースルーで観察される外界像に歪みが生じるのを防止することができる。

0112

光学機能部材5は、例えばホログラム光学素子5aで形成されている。ホログラム光学素子は、表示素子64から出射される映像光(3原色に対応した波長の光)を回折反射して光学瞳Pに導く体積位相型で反射型のホログラムであり、例えば、回折効率のピーク波長および回折効率半値の波長幅で465±5nm(B光)、521±5nm(G光)、634±5nm(R光)の3つの波長域の光を回折反射)させるように作製されている。

0113

反射型のホログラム光学素子は、高い波長選択性を有しており、上記波長域(露光波長近辺)の波長の光しか回折反射しないので、回折反射される波長以外の波長を含む外光はホログラム光学素子を透過することになり、高い外光透過率を実現することができる。

0114

上記の構成において、光源61から出射されたRGBの各光は、一方向拡散板62にてX方向にのみ拡散され、集光レンズ63にて集光された後、表示素子64に入射する。表示素子64では、入射光が画像データに応じて変調され、映像光となって観察光学系70に入射する。

0115

観察光学系70では、表示素子64からの映像光が入射面2bを介して光学部材2の内部に入射する。そして、互いに対向する面2c・2dで映像光が少なくとも1回全反射されて内部を導光され、面2aの光学機能部材5に入射してそこで回折反射された後、面2cを介して光学瞳Pの方向に向かう。したがって、光学瞳Pの位置に観察者の瞳を合わせると、観察者は、表示素子64に表示された画像の拡大虚像を前方に観察することができる。

0116

一方、光学部材2・3および光学機能部材5は、外光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界像をシースルーで観察することができる。したがって、表示素子64に表示された映像の虚像は、外界像の一部に重なって観察されることになる。

0117

以上で説明したHMD50は、映像表示装置51の観察光学系70(光学レンズ1)を、レンズ53と別体で構成しているが、光学レンズ1をレンズ53の形状にして、レンズ53として用いることも可能である。つまり、観察光学系70をレンズ53と一体化した構成とすることも可能である。また、上記したHMD50は、片眼で映像(虚像)を観察するタイプであるが、映像表示装置51を両眼の眼前に配置して、観察者に両眼で映像(虚像)を観察させることも可能である。

0118

本発明は、例えばヘッドマウントディスプレイの観察光学系に適用される光学レンズの製造に利用可能である。

0119

1光学レンズ
2光学部材(第1の光学部材)
2a 面(光学面、第1の光学面)
3 光学部材(第2の光学部材)
3a 面(光学面、第2の光学面)
4接合部材
5光学機能部材
5aホログラム光学素子
11 等幅部
12 狭幅部
12a 辺
12b 辺
12c曲線部
12d 第1の曲線部
12e 第2の曲線部
12f 第3の曲線部
12g 第1の曲線部
12h 第2の曲線部
12i 第3の曲線部
20光学シート
20a 辺
20b 辺
20c 曲線部
20d 第1の曲線部
20e 第2の曲線部
20f 第3の曲線部
20g 第1の曲線部
20h 第2の曲線部
20i 第3の曲線部
20L切り込み
20R 切出領域
20R1 等幅部
20R2 狭幅部
21樹脂シート
22ホログラム感光材料
23保護シート
40 光学シート
40a 辺
40b 辺
40c 曲線部
40L 切り込み
40R 切出領域
40R1 等幅部
40R2 狭幅部
41 第1の樹脂シート
42光学粘着シート(粘着シート)
43 ホログラム感光材料
44 第2の樹脂シート
50 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)
51映像表示装置
52フレーム(支持部材)

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