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技術 熱可塑性樹脂組成物及び成形品

出願人 ユーエムジー・エービーエス株式会社
発明者 渡辺丈一
出願日 2015年5月12日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-097492
公開日 2016年12月15日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2016-210933
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード カルボン酸石鹸 環境暴露 インテリア部材 評価試験片 ポリマー型帯電防止剤 フッ素系難燃剤 湿潤度 プロピレン系共重合ゴム
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

難燃性制電性持続制電性、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供する。

解決手段

ゴム質重合体の存在下に、シアン化ビニル化合物芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物ラジカル開始剤によってグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)と、ゴム質重合体の非存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によって共重合して得られる共重合体(B)と、質量平均分子量が1000以上であるハロゲン原子含有難燃剤(C)と、ポリマー型帯電防止剤(D)とを含み、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に対するハロゲン原子含有難燃剤(C)の含有量が27〜40質量部で、ポリマー型帯電防止剤(D)の含有量が13〜25質量部である熱可塑性樹脂組成物。この熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。

概要

背景

熱可塑性樹脂は、電気絶縁性が高いために摩擦などによって生じた静電気を逃がすことができずに蓄積され、空気中のほこり等が付着して汚れの原因や電子機器ではICの誤動作によるシステム障害等の様々な問題を引き起こす。

また、近年では家電製品OA機器といった製品は小型化によるハウジング内の高密度化によって、部位によっては発熱部品に接近することから、耐熱温度が70℃より下回ると実用強度が得られない場合があるため、耐熱性も重要視される。

このように成形材料への要求特性は部位毎に異なるが、生産性や安全性などの面から、使用される部品にはこれら全ての特性を高次元で満たすことが要求されている。

静電気由来の問題を防ぐために、発生した静電気を速やかに逃がすことを目的として、帯電防止剤を使用することが知られている。この帯電防止剤として、界面活性剤樹脂成形品の表面に塗布する方法と、内部に練り込む方法がある。この手法は、親水性の高い界面活性剤が空気中の水分を介して静電気を逃がす働きを利用している。

また、導電性フィラーとしてカーボンブラック樹脂に添加する手法は、帯電防止効果持続性に優れ、湿度依存性も小さく帯電防止効果の安定性に優れている。

また、近年では、ポリマー型帯電防止剤を熱可塑性樹脂に配合することで帯電防止効果を半永久的に付与する手法も取られている(特許文献1,2)。

概要

難燃性制電性持続制電性、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供する。ゴム質重合体の存在下に、シアン化ビニル化合物芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物ラジカル開始剤によってグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)と、ゴム質重合体の非存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によって共重合して得られる共重合体(B)と、質量平均分子量が1000以上であるハロゲン原子含有難燃剤(C)と、ポリマー型帯電防止剤(D)とを含み、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に対するハロゲン原子含有難燃剤(C)の含有量が27〜40質量部で、ポリマー型帯電防止剤(D)の含有量が13〜25質量部である熱可塑性樹脂組成物。この熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。なし

目的

上記の通り、従来技術では、市場の要求を高次元で満たすことが出来ず、新たな技術でこれら課題を解決することが望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ゴム質重合体の存在下に、シアン化ビニル化合物芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物ラジカル開始剤によってグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)と、ゴム質重合体の非存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によって共重合して得られる共重合体(B)と、質量平均分子量が1000以上であるハロゲン原子含有難燃剤(C)と、ポリマー型帯電防止剤(D)とを含み、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に対するハロゲン原子含有難燃剤(C)の含有量が27〜40質量部で、ポリマー型帯電防止剤(D)の含有量が13〜25質量部である熱可塑性樹脂組成物

請求項2

ハロゲン原子含有難燃剤(C)の質量平均分子量が19000以上である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項3

ポリマー型帯電防止剤(D)がポリエーテルエステルアミドブロックポリマーである請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項4

グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に占めるグラフト共重合体(A)の割合が15〜50質量部で、共重合体(B)の割合が85〜50質量部である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項5

請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品

技術分野

0001

本発明は熱可塑性樹脂組成物に関し、詳しくは、難燃性制電性持続制電性、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。本発明はまた、この熱可塑性樹脂成形してなる成形品に関する。

背景技術

0002

熱可塑性樹脂は、電気絶縁性が高いために摩擦などによって生じた静電気を逃がすことができずに蓄積され、空気中のほこり等が付着して汚れの原因や電子機器ではICの誤動作によるシステム障害等の様々な問題を引き起こす。

0003

また、近年では家電製品OA機器といった製品は小型化によるハウジング内の高密度化によって、部位によっては発熱部品に接近することから、耐熱温度が70℃より下回ると実用強度が得られない場合があるため、耐熱性も重要視される。

0004

このように成形材料への要求特性は部位毎に異なるが、生産性や安全性などの面から、使用される部品にはこれら全ての特性を高次元で満たすことが要求されている。

0005

静電気由来の問題を防ぐために、発生した静電気を速やかに逃がすことを目的として、帯電防止剤を使用することが知られている。この帯電防止剤として、界面活性剤樹脂成形品の表面に塗布する方法と、内部に練り込む方法がある。この手法は、親水性の高い界面活性剤が空気中の水分を介して静電気を逃がす働きを利用している。

0006

また、導電性フィラーとしてカーボンブラック樹脂に添加する手法は、帯電防止効果持続性に優れ、湿度依存性も小さく帯電防止効果の安定性に優れている。

0007

また、近年では、ポリマー型帯電防止剤を熱可塑性樹脂に配合することで帯電防止効果を半永久的に付与する手法も取られている(特許文献1,2)。

先行技術

0008

特開2009-173758号公報
特開2012-241153号公報

発明が解決しようとする課題

0009

帯電防止剤として、界面活性剤を樹脂成形品の表面に塗布する方法や内部に練り込む方法では、水洗や布ふきにより簡単に界面活性剤が除去されるため、帯電防止効果が持続しないという欠点があった。
カーボンブラックを熱可塑性樹脂に添加する方法では、帯電防止性能発現させるために多量の添加量が必要となり、結果として難燃性能が不安定となりUL94試験でV−0規格不適合となりやすい。
ポリマー型帯電防止剤を熱可塑性樹脂に配合する方法でも、十分な帯電防止効果を得るには多量の配合を必要とし、耐熱性の低下、更にはポリマー型帯電防止剤の吸水性で成形品表面が水分で斑状膨れ外観を損なうといった問題がある。

0010

上記の通り、従来技術では、市場の要求を高次元で満たすことが出来ず、新たな技術でこれら課題を解決することが望まれていた。

0011

本発明の目的は、難燃性、制電性、持続制電性、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物と、この熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定のグラフト共重合体(A)及び共重合体(B)に、ハロゲン原子含有難燃剤(C)とポリマー型帯電防止剤(D)とを限定された所定の割合で配合することにより、上記課題を解決することが分かり、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。

0013

[1]ゴム質重合体の存在下に、シアン化ビニル化合物芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物ラジカル開始剤によってグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)と、ゴム質重合体の非存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によって共重合して得られる共重合体(B)と、質量平均分子量が1000以上であるハロゲン原子含有難燃剤(C)と、ポリマー型帯電防止剤(D)とを含み、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に対するハロゲン原子含有難燃剤(C)の含有量が27〜40質量部で、ポリマー型帯電防止剤(D)の含有量が13〜25質量部である熱可塑性樹脂組成物。

0014

[2]ハロゲン原子含有難燃剤(C)の質量平均分子量が19000以上である[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。

0015

[3]ポリマー型帯電防止剤(D)がポリエーテルエステルアミドブロックポリマーである[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。

0016

[4]グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に占めるグラフト共重合体(A)の割合が15〜50質量部で、共重合体(B)の割合が85〜50質量部である[1]ないし[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。

0017

[5] [1]ないし[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。

発明の効果

0018

本発明によれば、難燃性、制電性、持続制電性、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品が提供される。

0019

以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。

0020

[熱可塑性樹脂組成物]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゴム質重合体の存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によってグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)と、ゴム質重合体の非存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によって共重合して得られる共重合体(B)と、質量平均分子量が1000以上であるハロゲン原子含有難燃剤(C)と、ポリマー型帯電防止剤(D)とを含み、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に対するハロゲン原子含有難燃剤(C)の含有量が27〜40質量部で、ポリマー型帯電防止剤(D)の含有量が13〜25質量部であることを特徴とする。

0021

<グラフト共重合体(A)>
本発明で用いるグラフト共重合体(A)は、ゴム質重合体の存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によってグラフト重合して得られる。

0022

グラフト共重合体(A)に用いられるゴム質重合体としては、特に制限されないが、例えば、ポリブタジエン等のジエン系ゴムブチルアクリルゴム等のアルキル(メタ)アクリレートゴムエチレン−プロピレンゴム等のエチレンプロピレン系共重合ゴムポリオルガノシロキシサン系ゴム、ジエン/アルキル(メタ)アクリレート系複合ゴム、ポリオルガノシロキシサン/アルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムなどが挙げられる。好ましくは、ポリブタジエン等のジエン系ゴム、ジエン/アルキル(メタ)アクリレート系複合ゴムである。
これらのゴム質重合体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0023

上記のゴム質重合体のゲル含有量は、好ましくは60〜95質量%、より好ましくは70〜95質量%で、特に好ましくは72〜85質量%である。ゲル含有量がこの範囲内であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の特性、特に、耐熱性を向上させることができる。

0024

なお、ゴム質重合体のゲル含有量を測定するには、具体的には、量したゴム質重合体を、適当な溶剤に室温(23℃)で20時間かけて溶解させ、次いで、100メッシュ金網分取して、金網上に残った不溶分を60℃で24時間乾燥した後秤量する。分取前のゴム質重合体に対する不溶分の割合(質量%)を求め、ゴム質重合体のゲル含有量とする。ゴム質重合体の溶解に用いる溶剤としては、例えば、ポリブタジエンではトルエンを、ポリブチルアクリレートではアセトンを用いると測定が行いやすい。

0025

また、ゴム質重合体の粒子径は特に限定されるものではないが、平均粒子径0.20〜0.45μmであることが好ましく、0.25〜0.40μmであることがより好ましい。なお、ゴム質重合体の平均粒子径は、グラフト重合前であれば、光学的な方法で測定することができる。また、グラフト重合した後は、染色剤によりゴム質重合体を染色した後に透過型電子顕微鏡TEM)を用いて平均粒子径を算出することができる。

0026

前述したゴム質重合体にグラフト重合させる単量体成分は、少なくとも芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物を含む単量体混合物である。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレンα−メチルスチレンビニルトルエン等が挙げられる。芳香族ビニル化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シアン化ビニル化合物としては、例えばアクリロニトリルメタクリロニトリル等が挙げられる。シアン化ビニル化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0027

グラフト部の単量体成分として、芳香族ビニル化合物、好ましくはスチレンと、シアン化ビニル化合物、好ましくはアクリロニトリルの混合物を使用すると、得られるグラフト共重合体(A)の熱安定性が優れるため好ましい。この場合、スチレン等の芳香族ビニル化合物とアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物との割合は、芳香族ビニル化合物50〜90質量%に対してシアン化ビニル化合物10〜50質量%であることが好ましい(ただし、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との合計で100質量%とする。)。

0028

なお、ゴム質重合体にグラフト重合する単量体混合物には、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物以外の他の単量体成分が含まれていてもよい。他の単量体成分としては、メチルメタクリレートエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステルメチルアクリレートエチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル(以下、これらを「(メタ)アクリル酸エステル」と総称する場合がある。)などが挙げられるが、これら(メタ)アクリル酸エステルを単量体混合物中に含む場合、その含有量は、50質量%以下、特に30質量%以下であることが好ましく、グラフト共重合体(A)の熱安定性を良好とする観点から、単量体混合物は、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物以外の他の単量体成分を含まないことが好ましい。

0029

グラフト共重合体(A)は、ゴム質重合体10〜80質量%に対して、グラフト部単量体成分90〜20質量%を乳化グラフト重合させて得られるもの(ただし、ゴム質重合体と単量体成分との合計で100質量%)であると、得られる成形品の外観が優れるため好ましい。さらに好ましくは、グラフト共重合体(A)中、ゴム質重合体が30〜70質量%で、グラフト部単量体成分は70〜30質量%である。

0030

グラフト共重合体(A)は乳化グラフト重合により製造することが好ましく、その際の乳化グラフト重合は、乳化剤を使用してラジカル重合技術により行われる。また、グラフト部単量体成分中には、グラフト率グラフト成分の分子量を制御するための各種連鎖移動剤を添加することができる。

0031

グラフト重合の際に用いるラジカル重合開始剤としては特に制限はないが、過酸化物アゾ系開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。この中でレドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄ピロリン酸ナトリウムブドウ糖ヒドロパーオキサイドや、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたレドックス系開始剤が好ましい。

0032

乳化剤としては特に制限はないが、乳化重合時のラテックスの安定性に優れ、重合率を高めることができることから、サルコシン酸ナトリウム脂肪酸カリウム脂肪酸ナトリウムアルケニルコハク酸ジカリウムロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩アルキル硫酸エステルアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどの中から選ばれたアニオン系乳化剤が好ましく用いられる。これらは目的に応じて使い分けられる。ゴム質重合体の調製に用いた乳化剤をそのまま利用し、乳化グラフト重合時には乳化剤を追添加しないようにすることもできる。

0033

一般的なグラフト共重合体の製造では、乳化重合により、ゴム質重合体に単量体成分をグラフト重合することによって、グラフト共重合体のラテックスを得、得られたグラフト共重合体のラテックスを凝固させ、洗浄脱水、乾燥工程を経ることでグラフト共重合体の粉体を得る事が出来る。

0034

グラフト共重合体(A)のラテックスからグラフト共重合体(A)を凝固させてスラリー状とする場合、例えば、グラフト共重合体(A)ラテックスを、凝固剤を溶解させた熱水中に投入することによってスラリー状に凝析させる湿式法を採用することができる。ここで、用いる凝固剤としては、硫酸塩酸リン酸硝酸等の無機酸や、塩化カルシウム酢酸カルシウム硫酸アルミニウム等の金属塩等が挙げられ、重合で用いた乳化剤に応じて選定される。すなわち、乳化剤として脂肪酸石鹸やロジン酸石鹸等のカルボン酸石鹸のみが使用されている場合にはいかなる凝固剤を用いてもグラフト共重合体(A)を凝固、析出させることができるが、滞留熱安定性の点から無機酸を用いてグラフト共重合体(A)を凝固、析出させることが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤が含まれている場合には、上記無機酸では回収液濁り、グラフト共重合体(A)の析出が困難であるため、凝固剤として金属塩を用いる必要がある。

0035

このようにして得られるグラフト共重合体(A)のグラフト率(グラフト共重合体(A)のアセトン可溶分量と不溶分量及びグラフト共重合体(A)中のゴム質重合体の重量から求める。)、及びアセトン可溶分の還元粘度(0.2g/dL、N,N−ジメチルホルムアミド溶液として25℃で測定)に特に制限はなく、要求性能によって任意の構造のものを使用することができるが、物性バランスの観点から、グラフト率は5〜150%であることが好ましく、アセトン可溶分の還元粘度は0.2〜2.0dL/gであることが好ましい。
なお、グラフト共重合体(A)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度は、具体的には、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。

0036

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、グラフト共重合体(A)は1種のみを用いてもよく、ゴム質重合体の種類やグラフト部の単量体組成、物性等の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。

0037

硬質共重合体(B)>
本発明で用いられる硬質共重合体(B)は、ゴム質重合体の非存在下に、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を含む単量体混合物をラジカル開始剤によって重合して得られるものである。この単量体混合物中のシアン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物の割合は、シアン化ビニル化合物10〜60質量%で芳香族ビニル化合物40〜90質量%であることが好ましく(ただし、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との合計で100質量%とする。)、シアン化ビニル化合物が15〜55質量%で芳香族ビニル化合物が45〜85質量%であることがより好ましく、シアン化ビニル化合物が20〜50質量%で芳香族ビニル化合物が50〜80質量%であることが特に好ましい(ただし、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との合計で100質量%とする。)。
シアン化ビニル化合物の割合が上記下限以上であると、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が良好なものとなり、上記上限以下であると、熱可塑性樹脂組成物の熱着色が抑制される。

0038

なお、共重合体(B)の製造に用いる単量体混合物には、シアン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物以外の他の単量体成分が含まれていてもよい。他の単量体成分としては、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられるが、これら(メタ)アクリル酸エステルを単量体混合物中に含む場合、その含有量は、50質量%以下、特に30質量%以下であることが好ましく、共重合体(B)の耐衝撃性等を良好とする観点から、単量体混合物は、シアン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物以外の他の単量体成分を含まないことが好ましい。

0039

硬質共重合体(B)の製造に用いるシアン化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステルとしては、前記グラフト共重合体(A)の製造に用いる単量体成分として例示したものを使用することができる。

0040

硬質重共合体(B)は上記の単量体混合物を用いて乳化重合を行うことで、ラテックス状態の硬質共重合体(B)を得ることができ、これをそのまま次の混合工程に供することができ、好ましい。その際に用いる乳化剤や開始剤については、グラフト共重合体(A)の製造に用いるものとして例示したものと同様のものを使用することができる。

0041

硬質共重合体(B)は、その0.2gをジメチルホルムアミド100ml中に溶解した溶液について25℃で測定した還元粘度(以下、単に「還元粘度」と称す。)が0.3〜2.0dL/gであることが好ましい。この還元粘度は、より好ましくは0.35〜1.0dL/g、特に好ましくは0.4〜0.6dL/gである。硬質共重合体(B)の還元粘度が0.3dL/g以上であると、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が良好なものとなり、一方、2.0dL/g以下であると熱可塑性樹脂組成物の流動性が良好で、成形性に優れたものとなる。

0042

硬質共重合体(B)の還元粘度を調節する方法としてはどの様な方法でも構わないが、連鎖移動剤の使用またはその使用量を変更する方法、用いる開始剤量を変更する方法、重合温度原料となる単量体供給方法を変更する方法等が例示される。

0043

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、共重合体(B)は、1種のみを用いてもよく、単量体組成や物性等の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。

0044

<グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の割合>
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との配合割合には特に制限はないが、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に占めるグラフト共重合体(A)の割合が15〜50質量部で共重合体(B)の割合が85〜50質量部であることが好ましく、グラフト共重合体(A)の割合が20〜40質量部で共重合体(B)の割合が80〜60質量部であることがより好ましい。上記割合となるようにグラフト共重合体(A)と共重合体(B)とを配合することにより、耐熱性、制電性といった効果に優れるものとなる。

0045

<ハロゲン原子含有難燃剤(C)>
本発明で用いるハロゲン原子含有難燃剤(C)の質量平均分子量は1000以上であり、好ましくは2100以上、より好ましくは19000以上である。質量平均分子量が1000未満の場合、得られる熱可塑性樹脂組成物の制電性、持続制電性が劣るものとなり、耐熱性も不十分である。ただし、ハロゲン原子含有難燃剤(C)の質量平均分子量が過度に大きいと大型の成形品を成形する際に流動性が不足する場合が有るので、ハロゲン原子含有難燃剤(C)の質量平均分子量は40000以下であることが好ましい。なお、ここで、ハロゲン原子含有難燃剤(C)の質量平均分子量は、構造式から計算される値であったり、製造メーカー公表値が利用できる。

0046

ハロゲン原子含有難燃剤(C)としては、塩素系難燃剤臭素系難燃剤フッ素系難燃剤を挙げることができる。
これらの中でも、塩素系難燃剤および臭素系難燃剤を好適に使用することができ、特に臭素系難燃剤を好適に使用することができる。

0047

塩素系難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン塩素化ポリエチレン等を挙げることができる。

0048

臭素系難燃剤としては、例えば、分子量が1000以上の臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体ペンタブロモベンジルポリアクリレート臭素化ポリカーボネーネートオリゴマートリアジン系難燃剤等を挙げることができる。

0049

上記臭素系難燃剤の中でも臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体が好ましい。臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体を難燃剤として採用すると、耐熱性、持続制電性をより一層向上させることができる。

0050

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ハロゲン原子含有難燃剤(C)の配合量は、グラフト共重合体(A)と硬質重合体(B)の合計100重量部に対して27〜40質量部であり、好ましくは30〜40質量部である。ハロゲン原子含有難燃剤(C)の配合量が27質量部未満であると難燃性が不十分であり、40質量部を超えると耐熱性が劣るものとなる。

0051

ハロゲン原子含有難燃剤(C)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0052

本発明では上記ハロゲン原子含有難燃剤(C)と共に難燃助剤を併用してもよい。難燃助剤としては、三酸化アンチモン五酸化アンチモンアンチモン酸ソーダ金属アンチモン三塩化アンチモン、または五塩化アンチモン等のアンチモン系難燃助剤を好適に採用することができる。また、これら以外にもメタホウ酸バリウム酸化ジルコニウム等を採用することもできる。これらの難燃助剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記各種の難燃助剤の中でも、アンチモン系難燃剤が好ましく、三酸化アンチモンを特に好ましく採用することができる。

0053

難燃助剤を用いる場合、その配合量は、グラフト共重合体(A)と硬質重合体(B)の合計100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部であり、特に好ましくは2〜8重量部である。難燃助剤をこの範囲で用いると、難燃効果発現性発色性が良好になる。

0054

<ポリマー型帯電防止剤(D)>
本発明において、ポリマー型帯電防止剤(D)としては、熱可塑性樹脂の共存下で帯電防止性を効率的に発揮できることから、好ましいものとしてポリエ−テルブロックポリオレフィン系共重合体ポリオキシアルキレン系共重合体ポリエーテルエステルアミド系重合体エチレンオキサイドプロピレンオキサイドアリグリシジル系共重合体などが挙げられる。

0055

さらには、湿潤度環境下に生じる成形品表面の膨れ現象による外観不良を抑制できることから、ポリアミドのブロックとポリエーテルのブロックがエステル結合を介して繰り返し交互に結合したポリエーテルエステルアミドブロックポリマーが好ましい。

0056

ポリマー型帯電防止剤(D)の数平均分子量は、ポリスチレン換算で、通常1000〜100000、好ましくは2000〜60000、さらに好ましくは2000〜50000である。ここで、ポリマー型帯電防止剤(D)の分子量は、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定された値である。

0057

また、ポリマー型帯電防止剤(D)の融点は、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜240℃、さらに好ましくは170〜230℃である。ここで、ポリマー型帯電防止剤(D)の融点は、示差走査熱量計DSC)により測定できる。

0058

また、ポリマー型帯電防止剤(D)の表面固有抵抗値(Ω)は、例えば、温度23℃、湿度50%RHで24時間放置したとき、好ましくは1×106〜1×1010、より好ましくは5×106〜1×109、さらに好ましくは1×107〜1×109程度である。

0059

ポリエーテルエステルアミドブロックポリマーの市販品としては、例えば、三洋化成工業株式会社製「ペレスタットNC6321」が挙げられる。

0060

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、ポリマー型帯電防止剤(D)の配合量は、グラフト共重合体(A)と硬質重合体(B)の合計100重量部に対して、13〜25重量部であり、好ましくは15〜20重量部である。ポリマー型帯電防止剤(D)の配合量が13質量部未満であると、帯電防止性が乏しく、25質量部を超えてもそれ以上の帯電防止性の向上効果は得られず、耐熱性、機械物性などの低下を招く場合があり、また湿潤度環境下に生じる成形品表面の膨れ現象の問題を起こす場合がある。

0061

ポリマー型帯電防止剤(D)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0062

<その他の添加剤
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その物性を損なわない範囲において、樹脂組成物の製造時(混合時)や成形時に用いられる通常の他の添加剤、例えば、染料顔料、安定剤、補強剤充填材発泡剤滑剤可塑剤酸化劣化防止剤、耐候剤、離型剤等を必要に応じて含有していてもよい。

0063

また、本発明の目的を損なわない程度に、例えばグラフト共重合体(A)と共重合体(B)との合計100質量部に対して10質量部以下の範囲であれば、グラフト共重合体(A)及び共重合体(B)以外の樹脂およびゴムやエラストマー等が含まれていてもよい。

0064

<製造方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法には特に制限はなく、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、通常行われている方法および装置を使用して製造することができる。一般的に使用されている方法は、溶融混合法であり、その際に用いる装置の例としては、一軸押出機二軸押出機バンバリーミキサーローラーニーダー等を挙げることができる。熱可塑性樹脂組成物の製造は、回分式または連続式のいずれで行ってもよく、また、各成分の混合順序にも特に制限はなく、全ての成分が十分に均一に混合されればよい。

0065

[成形品]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形法押出成形法ブロー成形法圧縮成形法カレンダー成形法インフレーション成形法等の各種成形方法によって、目的の成形品とされる。

0066

本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる本発明の成形品は、難燃性、持続制電性、耐熱性に高度にバランスよく優れ、その工業的用途例としては、車両部品壁材窓枠等の建材部品、食器玩具掃除機ハウジング、テレビジョンハウジング、エアコンハウジング等の家電部品携帯電話スマートフォンタブレットノートパソコンビデオカメラデジタルカメラ等の携帯機器電話FAXプリンターコピー機デスクトップ型パソコン等のOA機器、更には、ほこり等の付着が少ないことから上記用途の筐体にとどまらず、高外観、高意匠性が求められる外装インテリア部材にも使用できる。

0067

以下に、合成例、実施例、及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら制限されるものではない。
なお、以下において、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。

0068

評価方法
以下において、得られた樹脂組成物の各種物性ないし特性の評価方法は次の通りである。

0069

<難燃性>
長さ:125±5mm、幅:13±5mm、厚み:1.5±0.15mmの試験片を日本製鋼所製J75EII型射出成形機により成形し、この試験片について、UL94規格の試験方法に従って、試験を実施し、V−0に合格するか否かで評価した。

0070

<制電性>
日本製鋼所製J75EII型射出成形機にて下記の試験片を成形し、ASTMD257に準拠して表面固有抵抗値を測定することにより制電性を評価した。
試験片形状:100×100×3mm厚みの平板
試験電圧:1000V
試験時間:60sec
表面固有抵抗値のべき数が11以下であると制電性に優れる。

0071

<持続制電性>
上記制電性評価の試験片を、70℃の温水中に7日間浸漬した後引き上げ、表面の水分を拭き取った後、上記の制電性の評価と同様に表面固有抵抗値を測定した。
表面固有抵抗値のべき数が11以下であると持続制電性に優れる。

0072

<耐熱性>
日本製鋼所製J75EII型射出成形機により試験片を成形し、ISO 75に準拠して荷重たわみ温度を測定した。尚、試験荷重は1.80MPa、試験片厚みは4mmとした。
荷重たわみ温度が70℃より高ければ実用上問題無しと判断した。

0073

外観評価
外観評価用金型(100mm×100mm×3mmの板状成形品)を用いて、日本製鋼所製J75EII型射出成形機により外観評価用の試験片を成形した。射出成形機のシリンダ温度は220℃、金型温度は60℃で行った。得られた試験片を下記条件1、2にそれぞれさらした後に、試験片の表面を目視観察し、下記基準で評価した。
評価試験片環境暴露条件)
条件1:温度70℃、湿度95%RHの環境に、7日間曝した後に評価を行った。
条件2:70℃の温水中に7日間浸漬した後引き上げ、表面の水分を拭き取った後評価を行った。
評価基準
○:試験片に膨れなどが生じず外観に問題が無い
△:試験片にごく小さい膨れが生じるが、実用上は問題ない
×:試験片に多数の膨れが生じ、実用上問題となる

0074

[グラフト共重合体の製造]
以下の合成例1で製造したグラフト共重合体(A−1)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度は以下の方法で測定した。

0075

<グラフト共重合体のグラフト率>
グラフト共重合体2.5gにアセトン80mLを加え65℃の湯浴で3時間還流し、アセトン可溶分の抽出を行った。残留したアセトン不溶物を遠心分離により分離し、乾燥した後の重量を測定し、グラフト共重合体中のアセトン不溶物の重量割合を算出した。得られたグラフト共重合体中のアセトン不溶物の重量割合より次の式を用いて、グラフト率を算出した。

0076

0077

<グラフト共重合体のアセトン可溶分の還元粘度>
グラフト共重合体のアセトン可溶分の濃度が0.2g/dLとなるように調製したN,N−ジメチルホルムアミド溶液について、ウベローデ粘度計を用いて25℃での還元粘度:ηsp/C(単位:dL/g)を測定した。

0078

<合成例1:グラフト共重合体(A−1)の製造>
以下の配合でグラフト共重合体(A−1)を製造した。
〔配合〕
ポリブタジエンラテックス50部(固形分として)
スチレン(ST) 38.5部
アクリロニトリル(AN) 11.5部
不均化ロジン酸カリウム0.6部
水酸化カリウム0.03部
ターシャリードデシルメルカプタン(t−DM)0.17部
クメンハイドロパーオキサイド0.30部
硫酸第一鉄0.007部
ピロリン酸ナトリウム0.12部
結晶ブドウ糖0.30部
蒸留水190部

0079

オートクレーブに蒸留水、不均化ロジン酸カリウム、水酸化カリウムおよびポリブタジエンラテックス(ゲル含有量82%、平均粒子径0.31μm、固形分34.0%)を仕込み、60℃に加熱後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム、結晶ブドウ糖を添加し、60℃に保持したままST、AN、t−DMおよびクメンハイドロパーオキサイドを2.5時間かけて連続添加し、その後70℃に昇温して1時間保って反応を完結した。かかる反応によって得たグラフト共重合体ラテックス酸化防止剤を添加し、グラフト共重合体(A−1)を得た。得られたラテックス中のグラフト共重合体(A−1)の固形分は33.2%、グラフト率は64.4%、アセトン可溶分の還元粘度は0.47dL/gであった。得られた重合体ラテックスを蒸留水で1.25倍に希釈し、50℃の3%硫酸水溶液に徐々に滴下させた。全量滴下後、温度を90℃まで上昇させ5分保持して凝固させた。次いで凝固物濾布で分離し、乳化剤残渣含有量が1%以下となるように洗浄した後乾燥し、グラフト共重合体含有(A−1)の粉体を得た。

0080

[硬質共重合体の製造]
以下の合成例2で製造した硬質共重合体(B−1)の還元粘度は、ラテックスから回収した粉末状の共重合体0.2gをジメチルホルムアミド100ml中に溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて25℃で測定した。

0081

<合成例2:硬質共重合体(B−1)の製造>
攪拌装置温度計およびジャケット温度調節器を有した5Lガラス製反応器に、水335.7部、アルケニルコハク酸ジカリウム(荒川化学工業(株)製DR−25K、実量として)2.0部、アクリロニトリル(AN)25部、スチレン(ST)75部、およびターシャリードデシルメルカプタン0.4部を投入し、攪拌下で内温を70℃に昇温した。系内が懸濁状態であることを確認した後、過硫酸ナトリウム0.25部と水15.3部からなる水溶液を添加した。ジャケット温度をその温度のまま維持すると30分後位から急激に発熱し、内温は85℃に上昇した。発熱が収まってから内温が70℃になった後1時間保持して30℃へ冷却後、脱水乾燥工程を得て還元粘度0.59dL/gである硬質共重合体(B−1)を得た。

0082

[ハロゲン原子含有難燃剤(C)]
ハロゲン原子含有難燃剤は下記のものを使用した。
C−1:DIC(株)製臭素系難燃剤(臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体)EP−20(質量平均分子量2000)
C−2:DIC(株)製 臭素系難燃剤(臭素化ビスフェノールA型エポキシ重合体)EP−200(質量平均分子量20000)
c−1:アルマール日本(株)製 臭素系難燃剤(臭素化ジフェニルエタンセイテックス8010(質量平均分子量971)

0083

[ポリマー型帯電防止剤(D)]
ポリマー型帯電防止剤は下記のものを使用した。
D−1:三洋化成工業(株)製ペレスタットNC6321(ポリエーテルエステルアミドブロックポリマー)
D−2:日本ゼオン(株)製 ゼオスパン−8100L(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体

0084

[その他]
界面活性剤として以下のものを用いた。
X−1:本油脂製薬(株)製ノニオン系界面活性剤TB−370

0085

[難燃助剤]
難燃助剤としては、三酸化アンチモンを用いた。

0086

[実施例1〜7、比較例1〜6]
表1に示す熱可塑性樹脂組成物配合にて、各成分をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機混練してペレット化した。
得られた樹脂組成物のペレットを用いて、前述の各評価を行い、結果を表1に示した。

0087

実施例

0088

表1から明らかなように、実施例1〜7は、熱可塑性樹脂組成物の難燃性、耐熱性、制電性、持続制電性に優れる。またポリマー型帯電防止剤(D)としてポリエーテルエステルアミドブロックポリマーを使用すると、湿潤度環境下に生じる成形品表面の膨れ現象による外観不良を抑制できる。
これに対して、ハロゲン原子含有難燃剤(C)の配合量が少ない比較例1では難燃性が劣り、逆に多過ぎる比較例2では耐熱性が劣る結果となる。
また、分子量の小さい臭素系難燃剤を用いた比較例3では、耐熱性に劣り、制電性、持続制電性も悪い。
ポリマー型帯電防止剤(D)の配合量が少ない比較例4では、制電性、持続制電性が劣る。
ポリマー型帯電防止剤(D)の代りにノニオン系界面活性剤を用いた比較例5では、制電性が悪く、特に持続制電性が著しく劣る。
ポリマー型帯電防止剤(D)の配合量が多過ぎる比較例6では、耐熱性が低下し、湿潤度環境下に生じる成形品表面の膨れ現象の問題がある。

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