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技術 鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 中久保昌平武田実佳子荒井智須藤初
出願日 2015年5月8日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-095825
公開日 2016年12月15日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2016-209905
状態 特許登録済
技術分野 連続鋳造 鋳造後の仕上げ処理
主要キーワード 応力不均一 スケールオフ スケール量 母材金属 高温引張試験 還元効果 真空誘導溶解炉 ヘゲ疵
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月15日)のものです。
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課題

連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質鋼板生産性阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することを可能にする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法を提供することを目的とする。

解決手段

連続鋳造設備曲げ部および矯正部の少なくともいずれか1つの箇所で用いる冷却水糖化合物を含むことを特徴とする。

概要

背景

一般に、鋼材の表面に発生する疵は、その表面品質劣化させ、鋼材の製造歩留りを低下させるため、この表面疵の発生を極力抑制する必要がある。とりわけ、表面品質が厳しく要求される熱延鋼板冷延鋼板表面処理鋼板などの鋼板においては、その表面に形成されるヘゲ疵が大きな問題となっている。このヘゲ疵は、連続鋳造で製造した鋼製スラブの表面疵が原因であることが知られている。

この鋼製スラブの表面疵の除去方法として、鋼製スラブの表面を研削する技術が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。

また、他の方法として、鋼製スラブの表面疵となる鋳造欠陥加熱炉投入した水分で、スケールとして除去(スケールオフ)する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。

概要

連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することを可能にする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法を提供することを目的とする。連続鋳造設備曲げ部および矯正部の少なくともいずれか1つの箇所で用いる冷却水糖化合物を含むことを特徴とする。なし

目的

本発明は、連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性を阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することを可能にする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

連続鋳造鋼製スラブを製造する際の前記鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵抑制方法であって、連続鋳造設備曲げ部および矯正部の少なくともいずれか1つの箇所で用いる冷却水糖化合物を含むことを特徴とする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法。

請求項2

前記糖化合物の濃度が0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法。

請求項3

連続鋳造で製造された鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵に糖化合物を塗布した後、前記糖化合物が塗布された鋼製スラブを段積みして、前記段積みされた鋼製スラブ間の糖化合物を密閉することを特徴とする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法。

請求項4

前記糖化合物を塗布する鋼製スラブの表面温度は、600〜1100℃であることを特徴とする請求項3に記載の鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法。

技術分野

0001

本発明は、連続鋳造で製造される鋼製スラブ(以下、「鋼製スラブ」と称す)の酸化スケールを伴う表面疵抑制方法に関するものである。

背景技術

0002

一般に、鋼材の表面に発生する疵は、その表面品質劣化させ、鋼材の製造歩留りを低下させるため、この表面疵の発生を極力抑制する必要がある。とりわけ、表面品質が厳しく要求される熱延鋼板冷延鋼板表面処理鋼板などの鋼板においては、その表面に形成されるヘゲ疵が大きな問題となっている。このヘゲ疵は、連続鋳造で製造した鋼製スラブの表面疵が原因であることが知られている。

0003

この鋼製スラブの表面疵の除去方法として、鋼製スラブの表面を研削する技術が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。

0004

また、他の方法として、鋼製スラブの表面疵となる鋳造欠陥加熱炉投入した水分で、スケールとして除去(スケールオフ)する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。

先行技術

0005

特許第2771460号公報
特開平6−184627号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、鋼製スラブ1本あたりの製造コストが増加するため、量産に適した方法とは言えないという課題を有していた。

0007

また、上記特許文献2に開示された技術の場合では、鋼製スラブの表面にスケールが厚く生成されてしまうため、スケール量が増加し、製造歩留りが低下する問題があった。

0008

本発明は、連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することを可能にする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

この目的を達成するために、第1発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法は、
連続鋳造で鋼製スラブを製造する際の前記鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法であって、連続鋳造設備曲げ部および矯正部の少なくともいずれか1つの箇所で用いる冷却水糖化合物を含むことを特徴とする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法である。

0010

第2発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法は、第1発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法において、前記糖化合物の濃度が0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする。

0011

第3発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法は、
連続鋳造で製造された鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵に糖化合物を塗布した後、前記糖化合物が塗布された鋼製スラブを段積みして、前記段積みされた鋼製スラブ間の糖化合物を密閉することを特徴とする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法である。

0012

第4発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法は、第3発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法において、前記糖化合物を塗布する鋼製スラブの表面温度が、600〜1100℃であることを特徴とする。

発明の効果

0013

以上のように、第1発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法は、
連続鋳造で鋼製スラブを製造する際の前記鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法であって、連続鋳造設備の曲げ部および矯正部の少なくともいずれか1つの箇所で用いる冷却水に糖化合物を含むため、
連続鋳造中の曲げ/曲げ戻し加工で、前記鋼製スラブの表面に割れが発生しても、前記糖化合物が優先して酸素と反応し、割れ内部に酸化スケールを形成するに至らない。このように、そもそも連続鋳造中の段階で、事前に鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵が抑制されるため、例えば後工程の熱間圧延を経ても、表面にヘゲ疵を生ずるようなことがない。

0014

また、第3発明に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法は、
連続鋳造で製造された鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵に糖化合物を塗布した後、前記糖化合物が塗布された鋼製スラブを段積みして、前記段積みされた鋼製スラブ間の糖化合物を密閉する構成であるため、
連続鋳造中の鋼製スラブに酸化スケールを伴う表面疵が発生したとしても、前記鋼製スラブの表面の割れ内部の酸化スケールが前記糖化合物で還元され、母材金属戻り、この母材金属で前記割れ内部が埋められた状態になる(すなわち、鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵が抑制される)。したがって、例えば後工程の熱間圧延を経ても、表面にヘゲ疵を生ずるようなことがない。

0015

上述した何れの発明とも、連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性を阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することを可能にする鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法を提供することができる。

0016

(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法について、連続鋳造で製造される鋼製スラブを例にして、詳細に説明する。

0017

通常、精錬を終えた溶鋼は、連続鋳造工程へ運ばれ、タンディッシュから鋳型に注がれる。そして、鋳型で溶鋼を凝固させて一定の形の半製品である鋳片が作られる。連続鋳造設備では、鋳型に対して垂直に注がれた溶鋼が、冷却水により冷され固まって水平方向に引き抜かれる。この引き抜かれた鋳片は、所定の長さにガスカットされ、熱間圧延に供する鋼片(鋼製スラブ)となる。この鋼製スラブは熱間圧延に運ばれ、加熱炉で再加熱されて、1000〜1200℃で粗圧延、900〜1100℃で仕上圧延、300〜700℃で巻き取られて熱延鋼板となる。熱延鋼板は、その後、酸洗冷間圧延されることで冷延鋼板となる場合、酸洗、冷延亜鉛めっき等が施されて表面処理鋼板となる場合もある。

0018

問題とされる「ヘゲ疵」は、上述した熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板のすべてで認められる疵であり、「介在物に起因するもの」と「鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵に起因するもの」に大別される。本発明では、後者の「鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵に起因するもの」を対象とする。主な「鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵」の発生メカニズムについては、以下の2点が指摘されている。

0019

点目の「鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵」の発生メカニズムは、鋳型内の冷却が不均一になり、凝固収縮ムラによる応力不均一で、鋼製スラブの表面に縦方向の割れが発生し、この割れの内部に酸化スケールが生成されるというものである。

0020

2点目の「鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵」の発生メカニズムは、連続鋳造の圧延工程中に鋼製スラブの表面にかかる曲げ/曲げ戻し加工によって、鋼製スラブの表面に横方向の割れが発生し、この割れの内部に酸化スケールが生成されるというものである。

0021

上述した鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵が後工程の熱間圧延で延ばされ、鋼板表面に被さるような「ヘゲ疵」を形成することになる。

0022

本発明者らは、如何にすれば、連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程の熱間圧延で延ばされ、鋼板表面に被さるような「ヘゲ疵」を形成することに繋がる、鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性を阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することが可能か鋭意検討した。

0023

その結果、連続鋳造で鋼製スラブを製造する際の前記鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法であって、連続鋳造設備の曲げ部および矯正部の少なくともいずれか1つの箇所で用いる冷却水に糖化合物を含むように構成することにより、連続鋳造中の曲げ/曲げ戻し加工で、前記鋼製スラブの表面に割れが発生しても、前記糖化合物が優先して酸素と反応し、割れ内部に酸化スケールを形成するに至らないことを見出した。この詳細なメカニズムは、前記糖化合物が優先して酸素と反応するため、割れ周辺酸素分圧が十分に低くなり、割れが発生しても、割れの内部に酸化スケールを発生させないものであると考えている。

0024

このように、そもそも連続鋳造中の段階で、事前に鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵が抑制されるため、例えば後工程の熱間圧延を経ても、「鋼板表面にヘゲ疵を生ずるようなことがない」という本発明に特有作用効果を奏する。また、本発明は、上述した構成を採用しているため、連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性を阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することができる。

0025

上述した糖化合物としては、下記の物が適用可能である。

0026

(糖化合物)
グリセルアルデヒドエリトローストレオースリボースリキソースキシロースアラビノースアピオースアロースタロースグロースグルコースアルトロースマンノースガラクトースイドースジヒドロキシアセトンエリトルロースリブロースキシルロースプシコースフルクトースソルボースタガトースセドヘプツロースコリオース、トレハロースイソトレハロース、コージビオースソホロースニゲロースラミナビオースマルトースセロビオースイソマルトースゲンチオビオースラクトーススクロースフラクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖乳果オリゴ糖デオキシリボースフコースラムノースグルクロン酸ガラクツロン酸グルコサミンガラクトサミングリセリンキシリトールソルビトールグルクロノラクトングルコノラクトンデンプンアミロースアミロペクチングリコーゲンセルロースペクチングルコマンナンデキストリンフルクタングルカンキシログルカンヒアルロン酸ヘパリンカラギーナンアガロースおよびキチンからなる群の内の少なくともいずれか1つが適用可能である。

0027

なお、冷却水中の糖化合物の濃度は、0.1質量%〜10質量%が好ましい。また、0.1質量%未満であれば、糖化合物の添加による効果が見られず、10質量%超だと、冷却水の粘性増し冷却能力の低下およびメンテナンス性の劣化を招く。好ましくは、0.5質量%〜8質量%以下であり、より好ましくは、1質量%〜6質量%である。

0028

なお、本実施形態においては、連続鋳造で製造されるスラブの材質として鋼を例に説明したが、この鋼に関しても、本発明の原理に照らして、当然に、様々な鋼種に適用可能である。

0029

まず初めに、1.2質量%Si−2.0質量%Mn−残部Feからなる組成の鋼を真空誘導溶解炉(VIF)で溶製した。この溶製した鋳塊について、高温引張試験を行ったところ、800℃付近絞り極小となることが分かった。これは、800℃付近で曲げ/曲げ伸ばし加工を加えた場合に、割れが発生しやすいことを示す。上記溶製した鋳塊から6mm×100mm×10mmの短冊状のサンプル(本発明で言う「鋼製スラブ」を模した物)を作製した。このサンプルに熱電対を取り付け、電気ヒータで加熱する管状炉において、サンプルの温度を1000℃、3分間の条件に設定し、大気中において酸化を行なった。この酸化後のサンプルを管状炉から取り出し、サンプルの温度が800℃になったタイミングで90°の曲げ加工を加えた後、曲げ伸ばした。そして、サンプルが冷却した後、断面観察を行い、この操作によりサンプルの表面に割れが生じ、その内部に酸化スケールが生成していることを確認した。このサンプルの酸化スケールを伴う表面の割れ(本発明で言う「鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵」に相当)が熱間圧延で延ばされ、鋼板表面に被さるような「ヘゲ疵」を形成することになる。

0030

次に、本発明の実施形態1に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法の効果を検証するための実験を行なった。上記同様の熱処理を施した(1000℃、3分間の条件に設定し、大気中において酸化を行なった)短冊状のサンプルを1000℃で管状炉から取り出し、このサンプルに糖化合物としてのスクロースを種々の濃度に薄めた冷却水を滴下し、800℃に冷却された段階で上記同様の曲げ/曲げ戻し操作を行った。

0031

曲げ/曲げ戻し操作後の冷却したサンプルの表面の割れた箇所の断面観察を実施した。その結果、糖化合物(スクロース)の濃度が0.1質量%〜10質量%の冷却水を塗布したものは、割れの内部に酸化スケールが存在していないことを確認した。一方、スクロースの濃度が0.1質量%未満の冷却水の場合は、割れの内部に発生する酸化スケールを抑制する効果が認められず、スクロースの濃度が10質量%超の冷却水の場合は、割れの内部に酸化スケールが発生するのを抑制する効果は認められるものの、以下のような問題があり、本発明には適さない。すなわち、スクロースの濃度が10質量%超の冷却水の場合は、冷却水としては粘性が増し過ぎ冷却能力の低下を招くばかりか、冷却水の塗布後に残滓が多いため、メンテナンス性の劣化を招き、適さない。

0032

なお、本実施例においては、糖化合物としてスクロースを用いた例について説明したが、これに限定されるものではなく、上述した様々な糖化合物を用いることが可能である。

0033

(実施形態2)
本発明者らは、上記実施形態1に記載した検討の中で、別の方法によっても、連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性を阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することができることを見出したので、以下に詳述する。なお、本実施形態においては、上記実施形態1に記載した内容と共通する箇所が多いため、差異のある箇所について詳述する。

0034

上記検討の結果、連続鋳造で製造された鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵に上述したような糖化合物を塗布した後、この糖化合物が塗布された鋼製スラブを段積みして、この段積みされた鋼製スラブ間の糖化合物を密閉するように構成することにより、連続鋳造中の鋼製スラブに酸化スケールを伴う表面疵(割れ)が発生したとしても、前記鋼製スラブの表面の割れ内部の酸化スケールが前記糖化合物で還元され、母材金属の鉄に戻り、この鉄で前記割れ内部が埋められた状態になる(すなわち、鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵が抑制される)ことを見出した。具体的には、連続鋳造で製造された、酸化スケールを伴う表面疵(割れ)が既に発生している高温の鋼製スラブを熱間圧延を行なうための加熱炉に運び入れ、段積みする(何段かに重ねる)。この時、段積みされた鋼製スラブ間には糖化合物が挟み込まれているため、前記鋼製スラブの表面の割れ内部の酸化スケールが前記糖化合物で還元され、母材金属の鉄に戻り、この鉄で前記割れ内部が埋められた状態になる。したがって、引き続いて、熱間圧延を行なっても、表面にヘゲ疵を生ずるようなことがない。また、本実施形態で用いる糖化合物は、上記実施形態1に記載した種類の糖化合物が適当である。しかし、この糖化合物の形態は、必ずしも上記実施形態1のように溶液状態にする必要はなく、粉末状態で塗布しても構わない。

0035

このように、連続鋳造で製造された段階で、既に鋼製スラブに酸化スケールを伴う表面疵(割れ)が発生していても、例えば後工程の熱間圧延を開始する前に、鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵が抑制されるため、熱間圧延を経ても、「鋼板表面にヘゲ疵を生ずるようなことがない」という本発明に特有の作用効果を奏する。また、本発明は、上述した構成を採用しているため、上記実施形態1の場合と同様に、連続鋳造で製造される鋼製スラブにおいて、後工程でヘゲ疵に繋がる鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵を抑制し、良好な表面品質の鋼板を生産性を阻害することなく、かつ、高い歩留りで製造することができる。

0036

なお、糖化合物が塗布される鋼製スラブの表面温度は、600℃〜1100℃が好ましい。また、600℃未満では十分な還元効果が得られないため、好ましくは、650℃、より好ましくは、700℃である。また、1100℃超では糖化合物が速やかに燃えて十分な効果を発揮しにくいため、好ましくは、1050℃、より好ましくは、1000℃である。

0037

また、上述したように、糖化合物が塗布された鋼製スラブを段積みして、この段積みされた鋼製スラブ間の糖化合物を密閉するように構成する。これは、糖化合物が外気放置された場合、糖化合物が気化して十分な還元効果が得られないためである。

0038

なお、本実施形態においても、上記実施形態1の場合と同様に、連続鋳造で製造される鋼製スラブを例に説明したが、この鋼に関しても、本発明の原理に照らして、当然に、様々な鋼種に適用可能である。

0039

本発明の実施形態2に係る鋼製スラブの酸化スケールを伴う表面疵の抑制方法の効果を検証するための実験を行なった。ここで用いるサンプルは、上記実施例1で述べた熱処理と曲げ/曲げ戻し操作を行ったサンプルである。すなわち、1000℃、3分間の条件に設定し、大気中において酸化を行なった短冊状のサンプルを1000℃で管状炉から取り出し、このサンプルを800℃に冷却された段階で曲げ/曲げ戻し操作を行ったものである。

0040

この曲げ/曲げ戻し操作を800℃で行った後、冷却あるいは炉への再投入によりサンプルの温度を種々調整し、サンプルの表面の割れた箇所とその周辺に糖化合物としてのデンプン粉末およびスクロース粉末をそれぞれ大さじ程度塗布した後、これらの糖化合物が塗布されたサンプルと同じ温度に加熱したサンプルを前記サンプルの表面の割れた箇所を密閉するように載せた(すなわち、本発明に言う「鋼製スラブの段積み」を模擬した形態である)。

0041

上記段積みされたサンプルが冷却した後、上記サンプルの表面の割れた箇所の断面観察を実施した。その結果、糖化合物が塗布されたサンプルの表面温度が、600℃〜1100℃の場合は、上記熱処理と曲げ/曲げ戻し操作を行った結果生じたサンプルの表面の割れ内部の酸化スケールと表面の酸化スケールが前記糖化合物で還元され、共に母材金属の鉄に戻った。また、これにより、割れ内部が前記鉄で埋まっていることも確認された。一方、600℃未満では十分な還元効果が得られず、1100℃超では糖化合物が速やかに燃えて十分な効果を発揮しにくい。

実施例

0042

なお、本実施例においては、糖化合物としてデンプン粉末およびスクロース粉末を用いた例について説明したが、これに限定されるものではなく、上述した様々な糖化合物を用いることが可能である。また、糖化合物の形態も粉末にのみ限定されるものではなく、上記実施例1のように溶液状態にすることも可能である。

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